梱包部材
【課題】部品点数および組立工数や材料費を削減するとともに、収納空間に収納される製品が破損することを抑制することが可能な梱包部材を提供する。
【解決手段】この梱包部材では、仕切り2は、下部に複数の切り欠き部2bを有し、底板3の上面には、仕切り2の複数の切り欠き部2bに嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の突出部3aが設けられている。また、底板3の突出部3aは、仕切り2の切り欠き部2bが形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されている。また、天板4は、天板4の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の突出部4aを含む。また、仕切り2は、仕切り1の外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部2cを有し、仕切り1のスリット1aが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片1bをさらに備える。
【解決手段】この梱包部材では、仕切り2は、下部に複数の切り欠き部2bを有し、底板3の上面には、仕切り2の複数の切り欠き部2bに嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の突出部3aが設けられている。また、底板3の突出部3aは、仕切り2の切り欠き部2bが形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されている。また、天板4は、天板4の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の突出部4aを含む。また、仕切り2は、仕切り1の外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部2cを有し、仕切り1のスリット1aが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片1bをさらに備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、梱包部材に関し、特に、製品を収納するための収納空間を備える梱包部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品を収納するための収納空間を備える梱包部材が知られている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
上記特許文献1には、第1仕切り板に第2仕切り板を嵌め込み、第1仕切り板と第2仕切り板とによって製品を収納するための収納空間を構成した紙仕切り(梱包部材)が開示されている。
【0004】
上記特許文献2には、製品を収納するための収納空間の下部側に、製品に対する衝撃を緩衝するための脚部を設けた組立式包装用段ボール製仕切り容器(梱包部材)が開示されている。
【0005】
上記特許文献3には、一枚の素材を折り曲げることにより形成され、製品を収納するための複数の収納空間を形成する中仕切り(梱包部材)が開示されている。
【0006】
図13は、従来の一例による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。図14および図15は、図13に示した従来の段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。図16〜図18は、図13に示した段ボール製の梱包部材の構造の詳細を説明するための図である。図13〜図18を参照して、従来の段ボール製の梱包部材の構造について説明する。
【0007】
従来の一例による段ボール製の梱包部材は、図13に示すように、一対の仕切り101と、一対の仕切り101と組み合わされる7つの仕切り102と、底板103と、天板104と、梱包箱105とを備えている。また、図14に示すように、仕切り101には、7つのスリット101aが設けられている。また、図15に示すように、仕切り102には、仕切り101のスリット101a(図14参照)に嵌め込まれる2つのスリット102aが設けられている。また、仕切り102には、図13に示すように、仕切り101の外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部102bが設けられている。
【0008】
また、図13に示すように、底板103の上面には、緩衝材として機能する2つの突出部103aが設けられている。この底板103の突出部103aは、図17に示すように、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせた部材、または、発泡スチロールによって形成されている。また、底板103の突出部103aは、底板103の上面に両面テープによって貼付されている。また、天板104には、図13に示すように、緩衝材として機能する2つの突出部104aが設けられている。この天板104の突出部104aは、底板103の突出部103aと同様、図17に示すように、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせた部材、または、発泡スチロールによって形成されている。また、天板104の突出部104aは、天板104の上面に両面テープによって貼付されている。また、天板104の下面は、仕切り101の上端および仕切り102の上端により支持される。
【0009】
また、段ボール製の梱包箱105には、図13に示すように、一対の天面フラップ部105aと、一対の天面フラップ部105bとが、それぞれ、互いに対向するように設けら
れている。この梱包箱105の天面フラップ部105bは、図18に示すように、梱包箱105の天面フラップ部105aの上部に重なるように配置される。また、天板104の突出部104aにより、天板104の上面と梱包箱105の天面フラップ部105aの下面との間に、梱包箱105の上部側からの衝撃を吸収することが可能な隙間が設けられる。また、仕切り101および102の側面と梱包箱105の内側面との間に、梱包箱105の外部側からの衝撃を吸収することが可能な隙間が設けられている。
【0010】
また、図13に示すように、2つの仕切り101と7つの仕切り102とによって、6つの収納空間106が構成されている。この収納空間106には、図18に示すように、製品107が収納される。この製品107には、下部側に突出した突起部107aと、上部側に突出した突起部107bと、両側部側に突出した突起部107cとが設けられている。また、底板103の突出部103aは、製品107の突起部107aに接触しないように、製品107の下面を支持している。
【0011】
次に、図13〜図15および図18を参照して、従来の段ボール製の梱包部材の組立方法および製品の梱包方法について説明する。まず、一対の仕切り101(図14参照)を対向するように配置するとともに、その一対の仕切り101のスリット101aに、7つの仕切り102(図15参照)のスリット102aを嵌め込む。これにより、図13に示すように、仕切り101と仕切り102とにより6つの収納空間106を有する仕切り部材が形成される。次に、底板103と仕切り101および仕切り102からなる仕切り部材とを、梱包箱105の上方側から順次梱包箱105に嵌め込む。さらに、6つの収納空間106に製品107を収納した後、梱包箱105の上方側から天板104を梱包箱105に嵌め込む。そして、梱包箱105の天面フラップ部105aを内側に折り曲げた後、天面フラップ部105bを内側に折り曲げる。これにより、図18に示すように、製品107の梱包が完了する。
【特許文献1】特開2000−203560号公報
【特許文献2】特開平9−240657号公報
【特許文献3】実開昭57−35219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図13〜図18に示した従来の梱包部材では、梱包箱105の内側面と、仕切り102の側端面との間に隙間がある場合には、水平方向の衝撃が加わった場合に、仕切り101および102の位置がずれるので、仕切り101および102によって構成される収納空間106の位置ずれが発生するという問題点があった。従来では、この衝撃が加わった場合の収納空間106の位置ずれに起因して、収納空間106に収納される製品107が破損する場合があるという問題点があった。
【0013】
また、図13〜図18に示した従来の梱包部材では、製品107の自重や上下方向の衝撃が、突出部103aに加わるため、突出部103aに高い強度を与える必要がある。このため、従来では、突出部103aを複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成するか、または、高い強度を有する発泡スチロールによって形成する必要があるという問題点があった。また、このように、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより突出部103aを形成する場合には、部品点数が増加するとともに、複数の段ボール製の部材を貼り合わせる組立作業により、組立工数が増加するという問題点があった。また、突出部103aを、発泡スチロールによって形成する場合には、発泡スチロールは段ボールよりも高価であるので、突出部103aの材料費が増加するという問題点もあった。
【0014】
また、上記特許文献1に開示された紙仕切り(梱包部材)では、段ボール製の梱包箱内
に配置された場合に、梱包箱の内周面との間に隙間がある場合には、水平方向の衝撃により、第1仕切り板および第2仕切り板の位置がずれるという不都合がある。これにより、第1仕切り板および第2仕切りによって構成される収納空間の位置ずれが発生するので、水平方向の衝撃による収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損する場合があるという問題点がある。
【0015】
また、上記特許文献2に開示された組立式の包装用段ボール製仕切り容器(梱包部材)では、段ボール箱内に配置された場合に、段ボール箱の内側面との隙間がある場合には、水平方向の衝撃を受けると、収納空間の位置ずれが発生するという不都合がある。このため、水平方向の衝撃による収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損する場合があるという問題点がある。
【0016】
また、上記特許文献3に開示された中仕切り(梱包部材)では、製品の下面全体を支持する構造であるため、製品の下面側に空間がない。このため、上下方向の衝撃を受けた場合に、製品が破損しやすいという問題点がある。
【0017】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数および組立工数や材料費を削減するとともに、収納空間に収納される製品が破損することを抑制することが可能な梱包部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明の第1の局面における梱包部材は、第1スリットを有する段ボール製の第1仕切りと、第1スリットに嵌め込まれる第2スリットを有する段ボール製の複数の第2仕切りと、段ボール製の底板部と、段ボール製の天板とを備えた梱包部材において、第2仕切りは、下部に複数の切り欠き部を有し、底板部の上面には、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部が設けられており、底板部の第1突出部は、第2仕切りの切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されており、天板は、天板の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の第2突出部を含み、第2仕切りは、第1仕切りの外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部を有し、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片をさらに備える。
【0019】
この第1の局面による梱包部材では、上記のように、下部に複数の切り欠き部を有する段ボール製の複数の第2仕切りと、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部を上面に有する段ボール製の底板部とを設けることによって、底板部の第1突出部と第2仕切りの切り欠き部との嵌合により、第2仕切りの切り欠き部の位置がずれるのを抑制することができる。これにより、第2仕切りと、第2仕切りの第2スリットに嵌め込まれる第1仕切りとの位置がずれるのを抑制することができるので、第1仕切りと第2仕切りとによって構成される収納空間の位置ずれを防止することができる。これにより、収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。また、底板部の筒状の段ボール製の第1突出部を、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌合させることによって、筒状の段ボール製の複数の第1突出部の両側面を第2仕切りの複数の切り欠き部の両方の内側面により挟み込むことができる。これにより、強度がそれほど高くない筒状の段ボール製の第1突出部を設けた場合でも、第1仕切りと第2仕切りとにより構成される収納空間に収納される製品の自重や上下方向の衝撃によって、第1突出部が押しつぶされにくくなるので、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。また、筒状の段ボール製の第1突出部の緩衝機能により、上下方向の衝撃が加わった場合にも、衝撃を吸収することができる。また、底板部の第1突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第1突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボ
ール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、第1突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、第1突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第1突出部を段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、第1突出部の材料費を削減することができる。
【0020】
また、底板部の第1突出部を、第2仕切りの切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成することによって、底板部の第1突出部が、第2仕切りの切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されていない場合に比べて、より多くの第2仕切りに設けられた切り欠き部を、底板部の第1突出部に嵌合させることができる。この底板部の第1突出部と第2仕切りの切り欠き部との嵌合により、第2仕切りの切り欠き部の位置がずれるのをより抑制することができる。これにより、第2仕切りと、第2仕切りの第2スリットに嵌め込まれる第1仕切りとの位置がずれるのをより抑制することができるので、第1仕切りと第2仕切りとによって構成される収納空間の位置ずれをより防止することができる。これにより、収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損するのをより抑制することができる。また、天板に、天板の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の第2突出部を設けることによって、第2突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、第2突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、第2突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第2突出部を段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、第2突出部の材料費を削減することができる。また、第2仕切りに、第1仕切りの外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部を設けるとともに、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片を設けることによって、複数の第2仕切りを第1仕切りに嵌め込み梱包箱に収納する場合には、外側方に折り曲げられた第1仕切りの補強片によって、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部が外側方に折れ曲がるのを抑制することができる。これにより、収納空間に収納される製品が水平方向に移動しても、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部が外側に折れ曲がるのを抑制することができるので、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。
【0021】
この発明の第2の局面における梱包部材は、第1スリットを有する段ボール製の第1仕切りと、第1スリットに嵌め込まれる第2スリットを有するとともに、下部に複数の切り欠き部を有する段ボール製の複数の第2仕切りと、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部を上面に有する段ボール製の底板部とを備える。
【0022】
この第2の局面による梱包部材では、上記のように、下部に複数の切り欠き部を有する段ボール製の複数の第2仕切りと、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部を上面に有する段ボール製の底板部とを設けることによって、底板部の第1突出部と第2仕切りの切り欠き部との嵌合により、第2仕切りの切り欠き部の位置がずれるのを抑制することができる。これにより、第2仕切りと、第2仕切りの第2スリットに嵌め込まれる第1仕切りとの位置がずれるのを抑制することができるので、第1仕切りと第2仕切りとによって構成される収納空間の位置ずれを防止することができる。これにより、収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。また、底板部の筒状の段ボール製の第1突出部を、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌合させることによって、筒状の段ボール製の複数の第1突
出部の両側面を第2仕切りの複数の切り欠き部の両方の内側面により挟み込むことができる。これにより、強度がそれほど高くない筒状の段ボール製の第1突出部を設けた場合でも、第1仕切りと第2仕切りとにより構成される収納空間に収納される製品の自重や上下方向の衝撃によって、第1突出部が押しつぶされにくくなるので、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。また、筒状の段ボール製の第1突出部の緩衝機能により、上下方向の衝撃が加わった場合にも、衝撃を吸収することができる。また、底板部の第1突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第1突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、第1突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、第1突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第1突出部を段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、第1突出部の材料費を削減することができる。
【0023】
上記第2の局面による梱包部材において、好ましくは、底板部の第1突出部は、第2仕切りの切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されている。このように構成すれば、底板部の第1突出部が、第2仕切りの切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されていない場合に比べて、より多くの第2仕切りに設けられた切り欠き部を、底板部の第1突出部に嵌合させることができる。この底板部の第1突出部と第2仕切りの切り欠き部との嵌合により、第2仕切りの切り欠き部の位置がずれるのをより抑制することができる。これにより、第2仕切りと、第2仕切りの第2スリットに嵌め込まれる第1仕切りとの位置がずれるのをより抑制することができるので、第1仕切りと第2仕切りとによって構成される収納空間の位置ずれをより防止することができる。これにより、収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損するのをより抑制することができる。
【0024】
上記第2の局面による梱包部材において、好ましくは、段ボール製の天板をさらに備え、天板は、天板の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の第2突出部を含む。このように構成すれば、第2突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、第2突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、第2突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第2突出部を段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、第2突出部の材料費を削減することができる。
【0025】
上記第2の局面による梱包部材において、好ましくは、第2仕切りは、第1仕切りの外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部を有し、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片をさらに備える。このように構成すれば、複数の第2仕切りを第1仕切りに嵌め込み梱包箱に収納する場合には、外側方に折り曲げられた第1仕切りの補強片によって、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部が外側方に折れ曲がるのを抑制することができる。これにより、収納空間に収納される製品が水平方向に移動しても、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部が外側に折れ曲がるのを抑制することができるので、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。図2および図3は、図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。図4〜図8は、図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の構造の詳細を説明するための図である。図1〜図8を参照して、本発明の第1実施形態による段ボール製の梱包部材の構造について説明する。
【0028】
本発明の第1実施形態による段ボール製の梱包部材は、図1に示すように、一対の仕切り1と、一対の仕切り1に組み合わされる7つの仕切り2と、底板3と、天板4と、梱包箱5とを備えている。また、図2に示すように、仕切り1には、7つのスリット1aが設けられている。また、仕切り1には、スリット1aが形成される側の端部に8つの補強片1bが一体的に設けられている。また、仕切り1には、補強片1bを形成するための8つの折り目1cが設けられている。また、図3に示すように、仕切り2には、仕切り1のスリット1a(図2参照)に嵌め込まれる2つのスリット2aが設けられている。また、各々の仕切り2には、2つの切り欠き部2bが設けられている。また、仕切り2の側端部2cは、図1に示すように、仕切り1の外側面から所定の長さ分、外側方に突出するように配置されている。なお、仕切り1は、本発明の「第1仕切り」の一例であり、スリット1aは、本発明の「第1スリット」の一例である。また、仕切り2は、本発明の「第2仕切り」の一例であり、スリット2aは、本発明の「第2スリット」の一例である。また、底板3は、本発明の「底板部」の一例である。
【0029】
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、底板3の上面には、仕切り2の2つの切り欠き部2bに嵌め込まれる2つの筒状の段ボールからなる突出部3aが取り付けられている。この底板3の筒状の突出部3aは、緩衝材としての機能を有する。また、底板3の突出部3aの両側面は、図7に示すように、仕切り2の切り欠き部2bの両方の内側面に挟み込まれる。また、底板3の突出部3aは、仕切り2の切り欠き部2bが形成される表面に対して直交する方向に延びるように形成されている。これにより、7つの仕切り2の切り欠き部2bに対して、容易に、底板3の突出部3aを嵌め込むことが可能になる。また、底板3の筒状の突出部3aは、底板3の上面に両面テープによって貼付されている。また、天板4には、図1に示すように、筒状の段ボールからなる2つの突出部4aが設けられている。この天板4の筒状の突出部4aは、底板3の突出部3aと同様、緩衝材としての機能を有する。また、天板4の突出部4aは、天板4の上面に両面テープによって貼付されている。この天板4の下面は、仕切り1の補強片1bの上面および仕切り2の上端を押さえ込むように配置される。なお、突出部3aは、本発明の「第1突出部」の一例であり、突出部4aは、本発明の「第2突出部」の一例である。
【0030】
また、段ボール製の梱包箱5には、図1に示すように、一対の天面フラップ部5aと、一対の天面フラップ部5bとが、それぞれ、互いに対向するように設けられている。この梱包箱5の天面フラップ部5bは、図7に示すように、梱包箱5の天面フラップ部5aの上部に重なるように配置される。また、天板4の突出部4aにより、天板4の上面と梱包箱5の天面フラップ部5aの下面との間に、梱包箱5の上部側からの衝撃を吸収することが可能な隙間が設けられる。また、仕切り1および2の側面(側端面)と梱包箱5の内側面との間に、梱包箱5の外部側からの水平方向の衝撃を吸収することが可能な隙間が設けられている。また、仕切り1の補強片1bは、仕切り1のスリット1aが形成される側の端部が外側方に折れ曲がるのを抑制している。この補強片1bが仕切り1に設けられていない場合には、図8に示すように、水平方向の衝撃などに起因して、製品7が傾いた場合に、仕切り1のスリット1aが形成される側の端部が外側方に折れ曲がり、仕切り1の外部側の側面と梱包箱5の内面との間の隙間がなくなる。これにより、この隙間が梱包箱5の外部側からの衝撃を吸収する機能を失うという不都合が生じる。この第1実施形態では
、補強片1bにより仕切り1のスリット1aが形成される側の端部が折れ曲がるのが抑制されるので上記のような不都合が生じない。
【0031】
また、図1に示すように、仕切り1と仕切り2とによって6つの収納空間6が構成されている。この収納空間6には、図7に示すように、製品7が収納される。また、製品7は、たとえば、テレビ用チューナーである。この製品7には、図6に示すように、下部側に突出した突起部7aと、上部側に突出した突起部7bと、両側部側に突出した突起部7cとが設けられている。また、底板3の突出部3aは、図7に示すように、製品7の突起部7aに接触しないように、製品7の下面を支持している。
【0032】
次に、図1〜図3および図7を参照して、第1実施形態による段ボール製の梱包部材の組立方法および製品の梱包方法について説明する。まず、一対の仕切り1(図2参照)を対向するように配置するとともに、その一対の仕切り1のスリット1aに、7つの仕切り2(図3参照)のスリット2aを嵌め込む。これにより、図1に示すように、仕切り1と仕切り2とにより6つの収納空間6を有する仕切り部材が形成される。次に、底板3と、仕切り1および仕切り2からなる仕切り部材とを、梱包箱5の上方側から順次梱包箱5に嵌め込む。さらに、6つの収納空間6に製品7を収納した後、梱包箱5の上方側から天板4を梱包箱5に嵌め込む。そして、梱包箱5の天面フラップ部5aを内側に折り曲げた後、梱包箱5の天面フラップ部5bを内側に折り曲げる。これにより、図7に示すように、製品7の梱包が完了する。
【0033】
第1実施形態では、上記のように、下部に複数の切り欠き部2bを有する段ボール製の複数の仕切り2と、仕切り2の複数の切り欠き部2bに嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の突出部3aを上面に有する段ボール製の底板3とを設けることによって、底板3の突出部3aと仕切り2の切り欠き部2bとの嵌め合わせにより、仕切り2の切り欠き部2bの位置がずれるのを抑制することができる。これにより、仕切り2と、仕切り2の第2スリットに嵌め込まれる仕切り1との位置がずれるのを抑制することができるので、仕切り1と仕切り2とによって構成される収納空間6の位置ずれを防止することができる。これにより、収納空間6の位置ずれに起因して、収納空間6に収納される製品7が破損するのを抑制することができる。また、底板3の筒状の段ボール製の突出部3aを、仕切り2の複数の切り欠き部2bに嵌合させることによって、筒状の段ボール製の複数の突出部3aの両側面を仕切り2の複数の切り欠き部2bの両方の内側面により挟み込むことができる。これにより、強度がそれほど高くない筒状の段ボール製の突出部3aを設けた場合でも、仕切り1と仕切り2とにより構成される収納空間6に収納される製品7の自重や上下方向の衝撃により、突出部3aが押しつぶされにくくなるので、収納空間6に収納される製品7が破損するのを抑制することができる。また、筒状の段ボール製の突出部3aの緩衝機能により、上下方向の衝撃が加わった場合にも、衝撃を吸収することができる。また、底板3の突出部3aを筒状の段ボールにより形成することによって、突出部3aを複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、突出部3aを複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、突出部3aを筒状の段ボールにより形成することによって、突出部3aを段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、突出部3aの材料費を削減することができる。
【0034】
また、第1実施形態では、天板4に、天板4の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の突出部4aを設けることによって、突出部4aを、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、突出部
4aを複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、突出部4aを筒状の段ボールにより形成することによって、突出部4aを段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、突出部4aの材料費を削減することができる。
【0035】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。図10は、図9に示した第2実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した斜視図である。図11は、図9に示した第2実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、段ボール製の仕切りに、側面部と底板部と筒状の突出部とを一体的に設けた例について説明する。なお、仕切りの構造以外は、上記第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0036】
第2実施形態による段ボール製の梱包部材では、図10に示すように、側面部51aと、底板部51bと、筒状の突出部51cとが一体的に形成された仕切り51が設けられている。また、図11に示すように、各々の仕切り51には、7つのスリット51dが設けられている。また、仕切り51には、スリット51dが形成される側の端部に8つの補強片51eが一体的に設けられている。また、仕切り51には、補強片51eを形成するための8つの折り目51fが設けられている。また、仕切り51には、梱包箱5(図9参照)内に挿入する際のガイドとなる4つのガイド部51gが設けられている。このガイド部51gは、底板部51bの位置が外側方にずれることを抑制するとともに、緩衝材としての機能も有する。また、仕切り51には、ガイド部51gを形成するための4つの切り込み51hが設けられている。また、各々の仕切り51のガイド部51gには、5つの折り目51iが設けられている。また、仕切り51の底板部51bには、折り目51jが設けられている。なお、仕切り51は、本発明の「第1仕切り」の一例である。また、スリット51dは本発明の「第1スリット」の一例である。また、突出部51cは本発明の「第1突出部」の一例である。なお、仕切り51のスリット51dには、図9に示すように、第1実施形態と同様の構成を有する仕切り2が嵌め込まれる。
【0037】
第2実施形態では、上記のように、仕切り51に底板部51bを一体的に設けることによって、底板部51bを仕切り51とは別個に設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。また、筒状の突出部51cを仕切り51に一体的に設けることによって、突出部51cを仕切り51とは別個に設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。
【0038】
次に、図10および図11を参照して、第2実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切り51の組立方法について説明する。まず、折り目51i(図11参照)を水平に折り曲げる。これにより、ガイド部51gを仕切り51から外側方に突出させるとともに、側面部51aに対してガイド部51gおよび底板部51bを直角方向に延びるように形成する。次に、底板部51bを順次丸めるように同一方向に折り曲げていくことによって、折り目51jを筒状に形成する。これにより、筒状の突出部51cが形成される。また、折り目51fを水平に90°折り曲げることにより、補強片51eが形成される。これにより、図10に示すような仕切り51が形成される。このように形成された仕切り51に仕切り2を嵌め込むことによって、図9に示した第2実施形態の仕切り構造(梱包部材)が形成される。
【0039】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範
囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0040】
たとえば、上記実施形態では、本発明の梱包部材に収納される製品の一例としてテレビ用チューナーを示したが、本発明はこれに限らず、テレビ用チューナー以外の他の製品にも適用可能である。
【0041】
また、上記第1実施形態では、一対の仕切り1に対して、7つの仕切り2を嵌め込む例を示したが、本発明はこれに限らず、一対の仕切り1に対して、7つ以外の2つ以上の仕切りを嵌め込んでもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、天板に、天板の上面から上方に突出するように筒状の段ボール製の2つの突出部を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、天板に、筒状の突出部を設けなくてもよい。
【0043】
また、上記第1実施形態では、底板および天板の上面に、それぞれ、筒状の段ボール製の突出部を両面テープによって貼り付ける例を示したが、本発明はこれに限らず、図12に示す変形例のように、底板部153の両側部の中央部のみを内側に折り曲げることにより、底板部153と一体的に筒状の段ボール製の突出部153aとともに、天板154の両側部を内側に折り曲げることにより、天板154と一体的に筒状の段ボール製の突出部154aを形成してもよい。このようにすれば、突出部を底板および天板とは別体で形成して底板または天板に両面テープで貼付する場合に比べて、部品点数および組立工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。
【図3】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。
【図4】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材を梱包箱に配置した状態の平面図である。
【図5】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の突出部を示した部分斜視図である。
【図6】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材に収納される製品を示した正面図である。
【図7】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材により製品を収納した状態を説明するための内部透視図である。
【図8】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の衝撃時における状態を説明するための内部透視図である。
【図9】本発明の第2実施形態による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。
【図10】図9に示した第2実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した斜視図である。
【図11】図9に示した第2実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。
【図12】図1に示した第1実施形態の変形例による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。
【図13】従来の一例による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。
【図14】図13に示した従来の一例による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。
【図15】図13に示した従来の一例による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。
【図16】図13に示した従来の一例による段ボール製の梱包部材を梱包箱に配置した状態の平面図である。
【図17】図13に示した従来の一例による段ボール製の梱包部材の突出部を示した部分斜視図である。
【図18】図13に示した従来の一例による段ボール製の梱包部材により製品を収納した状態を説明するための内部透視図である。
【符号の説明】
【0045】
1、51 仕切り(第1仕切り)
1a、51d スリット(第1スリット)
1b、51e 補強片
2 仕切り(第2仕切り)
2b 切り欠き部
2c 側端部
3 底板(底板部)
3a、51c 突出部(第1突出部)
4 天板
4a 突出部(第2突出部)
51b 底板部
【技術分野】
【0001】
この発明は、梱包部材に関し、特に、製品を収納するための収納空間を備える梱包部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品を収納するための収納空間を備える梱包部材が知られている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
上記特許文献1には、第1仕切り板に第2仕切り板を嵌め込み、第1仕切り板と第2仕切り板とによって製品を収納するための収納空間を構成した紙仕切り(梱包部材)が開示されている。
【0004】
上記特許文献2には、製品を収納するための収納空間の下部側に、製品に対する衝撃を緩衝するための脚部を設けた組立式包装用段ボール製仕切り容器(梱包部材)が開示されている。
【0005】
上記特許文献3には、一枚の素材を折り曲げることにより形成され、製品を収納するための複数の収納空間を形成する中仕切り(梱包部材)が開示されている。
【0006】
図13は、従来の一例による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。図14および図15は、図13に示した従来の段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。図16〜図18は、図13に示した段ボール製の梱包部材の構造の詳細を説明するための図である。図13〜図18を参照して、従来の段ボール製の梱包部材の構造について説明する。
【0007】
従来の一例による段ボール製の梱包部材は、図13に示すように、一対の仕切り101と、一対の仕切り101と組み合わされる7つの仕切り102と、底板103と、天板104と、梱包箱105とを備えている。また、図14に示すように、仕切り101には、7つのスリット101aが設けられている。また、図15に示すように、仕切り102には、仕切り101のスリット101a(図14参照)に嵌め込まれる2つのスリット102aが設けられている。また、仕切り102には、図13に示すように、仕切り101の外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部102bが設けられている。
【0008】
また、図13に示すように、底板103の上面には、緩衝材として機能する2つの突出部103aが設けられている。この底板103の突出部103aは、図17に示すように、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせた部材、または、発泡スチロールによって形成されている。また、底板103の突出部103aは、底板103の上面に両面テープによって貼付されている。また、天板104には、図13に示すように、緩衝材として機能する2つの突出部104aが設けられている。この天板104の突出部104aは、底板103の突出部103aと同様、図17に示すように、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせた部材、または、発泡スチロールによって形成されている。また、天板104の突出部104aは、天板104の上面に両面テープによって貼付されている。また、天板104の下面は、仕切り101の上端および仕切り102の上端により支持される。
【0009】
また、段ボール製の梱包箱105には、図13に示すように、一対の天面フラップ部105aと、一対の天面フラップ部105bとが、それぞれ、互いに対向するように設けら
れている。この梱包箱105の天面フラップ部105bは、図18に示すように、梱包箱105の天面フラップ部105aの上部に重なるように配置される。また、天板104の突出部104aにより、天板104の上面と梱包箱105の天面フラップ部105aの下面との間に、梱包箱105の上部側からの衝撃を吸収することが可能な隙間が設けられる。また、仕切り101および102の側面と梱包箱105の内側面との間に、梱包箱105の外部側からの衝撃を吸収することが可能な隙間が設けられている。
【0010】
また、図13に示すように、2つの仕切り101と7つの仕切り102とによって、6つの収納空間106が構成されている。この収納空間106には、図18に示すように、製品107が収納される。この製品107には、下部側に突出した突起部107aと、上部側に突出した突起部107bと、両側部側に突出した突起部107cとが設けられている。また、底板103の突出部103aは、製品107の突起部107aに接触しないように、製品107の下面を支持している。
【0011】
次に、図13〜図15および図18を参照して、従来の段ボール製の梱包部材の組立方法および製品の梱包方法について説明する。まず、一対の仕切り101(図14参照)を対向するように配置するとともに、その一対の仕切り101のスリット101aに、7つの仕切り102(図15参照)のスリット102aを嵌め込む。これにより、図13に示すように、仕切り101と仕切り102とにより6つの収納空間106を有する仕切り部材が形成される。次に、底板103と仕切り101および仕切り102からなる仕切り部材とを、梱包箱105の上方側から順次梱包箱105に嵌め込む。さらに、6つの収納空間106に製品107を収納した後、梱包箱105の上方側から天板104を梱包箱105に嵌め込む。そして、梱包箱105の天面フラップ部105aを内側に折り曲げた後、天面フラップ部105bを内側に折り曲げる。これにより、図18に示すように、製品107の梱包が完了する。
【特許文献1】特開2000−203560号公報
【特許文献2】特開平9−240657号公報
【特許文献3】実開昭57−35219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図13〜図18に示した従来の梱包部材では、梱包箱105の内側面と、仕切り102の側端面との間に隙間がある場合には、水平方向の衝撃が加わった場合に、仕切り101および102の位置がずれるので、仕切り101および102によって構成される収納空間106の位置ずれが発生するという問題点があった。従来では、この衝撃が加わった場合の収納空間106の位置ずれに起因して、収納空間106に収納される製品107が破損する場合があるという問題点があった。
【0013】
また、図13〜図18に示した従来の梱包部材では、製品107の自重や上下方向の衝撃が、突出部103aに加わるため、突出部103aに高い強度を与える必要がある。このため、従来では、突出部103aを複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成するか、または、高い強度を有する発泡スチロールによって形成する必要があるという問題点があった。また、このように、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより突出部103aを形成する場合には、部品点数が増加するとともに、複数の段ボール製の部材を貼り合わせる組立作業により、組立工数が増加するという問題点があった。また、突出部103aを、発泡スチロールによって形成する場合には、発泡スチロールは段ボールよりも高価であるので、突出部103aの材料費が増加するという問題点もあった。
【0014】
また、上記特許文献1に開示された紙仕切り(梱包部材)では、段ボール製の梱包箱内
に配置された場合に、梱包箱の内周面との間に隙間がある場合には、水平方向の衝撃により、第1仕切り板および第2仕切り板の位置がずれるという不都合がある。これにより、第1仕切り板および第2仕切りによって構成される収納空間の位置ずれが発生するので、水平方向の衝撃による収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損する場合があるという問題点がある。
【0015】
また、上記特許文献2に開示された組立式の包装用段ボール製仕切り容器(梱包部材)では、段ボール箱内に配置された場合に、段ボール箱の内側面との隙間がある場合には、水平方向の衝撃を受けると、収納空間の位置ずれが発生するという不都合がある。このため、水平方向の衝撃による収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損する場合があるという問題点がある。
【0016】
また、上記特許文献3に開示された中仕切り(梱包部材)では、製品の下面全体を支持する構造であるため、製品の下面側に空間がない。このため、上下方向の衝撃を受けた場合に、製品が破損しやすいという問題点がある。
【0017】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数および組立工数や材料費を削減するとともに、収納空間に収納される製品が破損することを抑制することが可能な梱包部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明の第1の局面における梱包部材は、第1スリットを有する段ボール製の第1仕切りと、第1スリットに嵌め込まれる第2スリットを有する段ボール製の複数の第2仕切りと、段ボール製の底板部と、段ボール製の天板とを備えた梱包部材において、第2仕切りは、下部に複数の切り欠き部を有し、底板部の上面には、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部が設けられており、底板部の第1突出部は、第2仕切りの切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されており、天板は、天板の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の第2突出部を含み、第2仕切りは、第1仕切りの外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部を有し、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片をさらに備える。
【0019】
この第1の局面による梱包部材では、上記のように、下部に複数の切り欠き部を有する段ボール製の複数の第2仕切りと、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部を上面に有する段ボール製の底板部とを設けることによって、底板部の第1突出部と第2仕切りの切り欠き部との嵌合により、第2仕切りの切り欠き部の位置がずれるのを抑制することができる。これにより、第2仕切りと、第2仕切りの第2スリットに嵌め込まれる第1仕切りとの位置がずれるのを抑制することができるので、第1仕切りと第2仕切りとによって構成される収納空間の位置ずれを防止することができる。これにより、収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。また、底板部の筒状の段ボール製の第1突出部を、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌合させることによって、筒状の段ボール製の複数の第1突出部の両側面を第2仕切りの複数の切り欠き部の両方の内側面により挟み込むことができる。これにより、強度がそれほど高くない筒状の段ボール製の第1突出部を設けた場合でも、第1仕切りと第2仕切りとにより構成される収納空間に収納される製品の自重や上下方向の衝撃によって、第1突出部が押しつぶされにくくなるので、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。また、筒状の段ボール製の第1突出部の緩衝機能により、上下方向の衝撃が加わった場合にも、衝撃を吸収することができる。また、底板部の第1突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第1突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボ
ール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、第1突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、第1突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第1突出部を段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、第1突出部の材料費を削減することができる。
【0020】
また、底板部の第1突出部を、第2仕切りの切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成することによって、底板部の第1突出部が、第2仕切りの切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されていない場合に比べて、より多くの第2仕切りに設けられた切り欠き部を、底板部の第1突出部に嵌合させることができる。この底板部の第1突出部と第2仕切りの切り欠き部との嵌合により、第2仕切りの切り欠き部の位置がずれるのをより抑制することができる。これにより、第2仕切りと、第2仕切りの第2スリットに嵌め込まれる第1仕切りとの位置がずれるのをより抑制することができるので、第1仕切りと第2仕切りとによって構成される収納空間の位置ずれをより防止することができる。これにより、収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損するのをより抑制することができる。また、天板に、天板の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の第2突出部を設けることによって、第2突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、第2突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、第2突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第2突出部を段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、第2突出部の材料費を削減することができる。また、第2仕切りに、第1仕切りの外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部を設けるとともに、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片を設けることによって、複数の第2仕切りを第1仕切りに嵌め込み梱包箱に収納する場合には、外側方に折り曲げられた第1仕切りの補強片によって、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部が外側方に折れ曲がるのを抑制することができる。これにより、収納空間に収納される製品が水平方向に移動しても、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部が外側に折れ曲がるのを抑制することができるので、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。
【0021】
この発明の第2の局面における梱包部材は、第1スリットを有する段ボール製の第1仕切りと、第1スリットに嵌め込まれる第2スリットを有するとともに、下部に複数の切り欠き部を有する段ボール製の複数の第2仕切りと、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部を上面に有する段ボール製の底板部とを備える。
【0022】
この第2の局面による梱包部材では、上記のように、下部に複数の切り欠き部を有する段ボール製の複数の第2仕切りと、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部を上面に有する段ボール製の底板部とを設けることによって、底板部の第1突出部と第2仕切りの切り欠き部との嵌合により、第2仕切りの切り欠き部の位置がずれるのを抑制することができる。これにより、第2仕切りと、第2仕切りの第2スリットに嵌め込まれる第1仕切りとの位置がずれるのを抑制することができるので、第1仕切りと第2仕切りとによって構成される収納空間の位置ずれを防止することができる。これにより、収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。また、底板部の筒状の段ボール製の第1突出部を、第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌合させることによって、筒状の段ボール製の複数の第1突
出部の両側面を第2仕切りの複数の切り欠き部の両方の内側面により挟み込むことができる。これにより、強度がそれほど高くない筒状の段ボール製の第1突出部を設けた場合でも、第1仕切りと第2仕切りとにより構成される収納空間に収納される製品の自重や上下方向の衝撃によって、第1突出部が押しつぶされにくくなるので、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。また、筒状の段ボール製の第1突出部の緩衝機能により、上下方向の衝撃が加わった場合にも、衝撃を吸収することができる。また、底板部の第1突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第1突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、第1突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、第1突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第1突出部を段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、第1突出部の材料費を削減することができる。
【0023】
上記第2の局面による梱包部材において、好ましくは、底板部の第1突出部は、第2仕切りの切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されている。このように構成すれば、底板部の第1突出部が、第2仕切りの切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されていない場合に比べて、より多くの第2仕切りに設けられた切り欠き部を、底板部の第1突出部に嵌合させることができる。この底板部の第1突出部と第2仕切りの切り欠き部との嵌合により、第2仕切りの切り欠き部の位置がずれるのをより抑制することができる。これにより、第2仕切りと、第2仕切りの第2スリットに嵌め込まれる第1仕切りとの位置がずれるのをより抑制することができるので、第1仕切りと第2仕切りとによって構成される収納空間の位置ずれをより防止することができる。これにより、収納空間の位置ずれに起因して、収納空間に収納される製品が破損するのをより抑制することができる。
【0024】
上記第2の局面による梱包部材において、好ましくは、段ボール製の天板をさらに備え、天板は、天板の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の第2突出部を含む。このように構成すれば、第2突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、第2突出部を複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、第2突出部を筒状の段ボールにより形成することによって、第2突出部を段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、第2突出部の材料費を削減することができる。
【0025】
上記第2の局面による梱包部材において、好ましくは、第2仕切りは、第1仕切りの外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部を有し、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片をさらに備える。このように構成すれば、複数の第2仕切りを第1仕切りに嵌め込み梱包箱に収納する場合には、外側方に折り曲げられた第1仕切りの補強片によって、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部が外側方に折れ曲がるのを抑制することができる。これにより、収納空間に収納される製品が水平方向に移動しても、第1仕切りの第1スリットが形成される側の端部が外側に折れ曲がるのを抑制することができるので、収納空間に収納される製品が破損するのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。図2および図3は、図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。図4〜図8は、図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の構造の詳細を説明するための図である。図1〜図8を参照して、本発明の第1実施形態による段ボール製の梱包部材の構造について説明する。
【0028】
本発明の第1実施形態による段ボール製の梱包部材は、図1に示すように、一対の仕切り1と、一対の仕切り1に組み合わされる7つの仕切り2と、底板3と、天板4と、梱包箱5とを備えている。また、図2に示すように、仕切り1には、7つのスリット1aが設けられている。また、仕切り1には、スリット1aが形成される側の端部に8つの補強片1bが一体的に設けられている。また、仕切り1には、補強片1bを形成するための8つの折り目1cが設けられている。また、図3に示すように、仕切り2には、仕切り1のスリット1a(図2参照)に嵌め込まれる2つのスリット2aが設けられている。また、各々の仕切り2には、2つの切り欠き部2bが設けられている。また、仕切り2の側端部2cは、図1に示すように、仕切り1の外側面から所定の長さ分、外側方に突出するように配置されている。なお、仕切り1は、本発明の「第1仕切り」の一例であり、スリット1aは、本発明の「第1スリット」の一例である。また、仕切り2は、本発明の「第2仕切り」の一例であり、スリット2aは、本発明の「第2スリット」の一例である。また、底板3は、本発明の「底板部」の一例である。
【0029】
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、底板3の上面には、仕切り2の2つの切り欠き部2bに嵌め込まれる2つの筒状の段ボールからなる突出部3aが取り付けられている。この底板3の筒状の突出部3aは、緩衝材としての機能を有する。また、底板3の突出部3aの両側面は、図7に示すように、仕切り2の切り欠き部2bの両方の内側面に挟み込まれる。また、底板3の突出部3aは、仕切り2の切り欠き部2bが形成される表面に対して直交する方向に延びるように形成されている。これにより、7つの仕切り2の切り欠き部2bに対して、容易に、底板3の突出部3aを嵌め込むことが可能になる。また、底板3の筒状の突出部3aは、底板3の上面に両面テープによって貼付されている。また、天板4には、図1に示すように、筒状の段ボールからなる2つの突出部4aが設けられている。この天板4の筒状の突出部4aは、底板3の突出部3aと同様、緩衝材としての機能を有する。また、天板4の突出部4aは、天板4の上面に両面テープによって貼付されている。この天板4の下面は、仕切り1の補強片1bの上面および仕切り2の上端を押さえ込むように配置される。なお、突出部3aは、本発明の「第1突出部」の一例であり、突出部4aは、本発明の「第2突出部」の一例である。
【0030】
また、段ボール製の梱包箱5には、図1に示すように、一対の天面フラップ部5aと、一対の天面フラップ部5bとが、それぞれ、互いに対向するように設けられている。この梱包箱5の天面フラップ部5bは、図7に示すように、梱包箱5の天面フラップ部5aの上部に重なるように配置される。また、天板4の突出部4aにより、天板4の上面と梱包箱5の天面フラップ部5aの下面との間に、梱包箱5の上部側からの衝撃を吸収することが可能な隙間が設けられる。また、仕切り1および2の側面(側端面)と梱包箱5の内側面との間に、梱包箱5の外部側からの水平方向の衝撃を吸収することが可能な隙間が設けられている。また、仕切り1の補強片1bは、仕切り1のスリット1aが形成される側の端部が外側方に折れ曲がるのを抑制している。この補強片1bが仕切り1に設けられていない場合には、図8に示すように、水平方向の衝撃などに起因して、製品7が傾いた場合に、仕切り1のスリット1aが形成される側の端部が外側方に折れ曲がり、仕切り1の外部側の側面と梱包箱5の内面との間の隙間がなくなる。これにより、この隙間が梱包箱5の外部側からの衝撃を吸収する機能を失うという不都合が生じる。この第1実施形態では
、補強片1bにより仕切り1のスリット1aが形成される側の端部が折れ曲がるのが抑制されるので上記のような不都合が生じない。
【0031】
また、図1に示すように、仕切り1と仕切り2とによって6つの収納空間6が構成されている。この収納空間6には、図7に示すように、製品7が収納される。また、製品7は、たとえば、テレビ用チューナーである。この製品7には、図6に示すように、下部側に突出した突起部7aと、上部側に突出した突起部7bと、両側部側に突出した突起部7cとが設けられている。また、底板3の突出部3aは、図7に示すように、製品7の突起部7aに接触しないように、製品7の下面を支持している。
【0032】
次に、図1〜図3および図7を参照して、第1実施形態による段ボール製の梱包部材の組立方法および製品の梱包方法について説明する。まず、一対の仕切り1(図2参照)を対向するように配置するとともに、その一対の仕切り1のスリット1aに、7つの仕切り2(図3参照)のスリット2aを嵌め込む。これにより、図1に示すように、仕切り1と仕切り2とにより6つの収納空間6を有する仕切り部材が形成される。次に、底板3と、仕切り1および仕切り2からなる仕切り部材とを、梱包箱5の上方側から順次梱包箱5に嵌め込む。さらに、6つの収納空間6に製品7を収納した後、梱包箱5の上方側から天板4を梱包箱5に嵌め込む。そして、梱包箱5の天面フラップ部5aを内側に折り曲げた後、梱包箱5の天面フラップ部5bを内側に折り曲げる。これにより、図7に示すように、製品7の梱包が完了する。
【0033】
第1実施形態では、上記のように、下部に複数の切り欠き部2bを有する段ボール製の複数の仕切り2と、仕切り2の複数の切り欠き部2bに嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の突出部3aを上面に有する段ボール製の底板3とを設けることによって、底板3の突出部3aと仕切り2の切り欠き部2bとの嵌め合わせにより、仕切り2の切り欠き部2bの位置がずれるのを抑制することができる。これにより、仕切り2と、仕切り2の第2スリットに嵌め込まれる仕切り1との位置がずれるのを抑制することができるので、仕切り1と仕切り2とによって構成される収納空間6の位置ずれを防止することができる。これにより、収納空間6の位置ずれに起因して、収納空間6に収納される製品7が破損するのを抑制することができる。また、底板3の筒状の段ボール製の突出部3aを、仕切り2の複数の切り欠き部2bに嵌合させることによって、筒状の段ボール製の複数の突出部3aの両側面を仕切り2の複数の切り欠き部2bの両方の内側面により挟み込むことができる。これにより、強度がそれほど高くない筒状の段ボール製の突出部3aを設けた場合でも、仕切り1と仕切り2とにより構成される収納空間6に収納される製品7の自重や上下方向の衝撃により、突出部3aが押しつぶされにくくなるので、収納空間6に収納される製品7が破損するのを抑制することができる。また、筒状の段ボール製の突出部3aの緩衝機能により、上下方向の衝撃が加わった場合にも、衝撃を吸収することができる。また、底板3の突出部3aを筒状の段ボールにより形成することによって、突出部3aを複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、突出部3aを複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、突出部3aを筒状の段ボールにより形成することによって、突出部3aを段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、突出部3aの材料費を削減することができる。
【0034】
また、第1実施形態では、天板4に、天板4の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の突出部4aを設けることによって、突出部4aを、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材が不要になるので、その分、部品点数を削減することができる。また、突出部
4aを複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせることにより形成する場合と異なり、複数の段ボール製の部材を積層して貼り合わせる組立作業が不要になるので、組立工数を削減することができる。また、突出部4aを筒状の段ボールにより形成することによって、突出部4aを段ボールよりも高価な発泡スチロールによって形成する場合に比べて、突出部4aの材料費を削減することができる。
【0035】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。図10は、図9に示した第2実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した斜視図である。図11は、図9に示した第2実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、段ボール製の仕切りに、側面部と底板部と筒状の突出部とを一体的に設けた例について説明する。なお、仕切りの構造以外は、上記第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0036】
第2実施形態による段ボール製の梱包部材では、図10に示すように、側面部51aと、底板部51bと、筒状の突出部51cとが一体的に形成された仕切り51が設けられている。また、図11に示すように、各々の仕切り51には、7つのスリット51dが設けられている。また、仕切り51には、スリット51dが形成される側の端部に8つの補強片51eが一体的に設けられている。また、仕切り51には、補強片51eを形成するための8つの折り目51fが設けられている。また、仕切り51には、梱包箱5(図9参照)内に挿入する際のガイドとなる4つのガイド部51gが設けられている。このガイド部51gは、底板部51bの位置が外側方にずれることを抑制するとともに、緩衝材としての機能も有する。また、仕切り51には、ガイド部51gを形成するための4つの切り込み51hが設けられている。また、各々の仕切り51のガイド部51gには、5つの折り目51iが設けられている。また、仕切り51の底板部51bには、折り目51jが設けられている。なお、仕切り51は、本発明の「第1仕切り」の一例である。また、スリット51dは本発明の「第1スリット」の一例である。また、突出部51cは本発明の「第1突出部」の一例である。なお、仕切り51のスリット51dには、図9に示すように、第1実施形態と同様の構成を有する仕切り2が嵌め込まれる。
【0037】
第2実施形態では、上記のように、仕切り51に底板部51bを一体的に設けることによって、底板部51bを仕切り51とは別個に設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。また、筒状の突出部51cを仕切り51に一体的に設けることによって、突出部51cを仕切り51とは別個に設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。
【0038】
次に、図10および図11を参照して、第2実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切り51の組立方法について説明する。まず、折り目51i(図11参照)を水平に折り曲げる。これにより、ガイド部51gを仕切り51から外側方に突出させるとともに、側面部51aに対してガイド部51gおよび底板部51bを直角方向に延びるように形成する。次に、底板部51bを順次丸めるように同一方向に折り曲げていくことによって、折り目51jを筒状に形成する。これにより、筒状の突出部51cが形成される。また、折り目51fを水平に90°折り曲げることにより、補強片51eが形成される。これにより、図10に示すような仕切り51が形成される。このように形成された仕切り51に仕切り2を嵌め込むことによって、図9に示した第2実施形態の仕切り構造(梱包部材)が形成される。
【0039】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範
囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0040】
たとえば、上記実施形態では、本発明の梱包部材に収納される製品の一例としてテレビ用チューナーを示したが、本発明はこれに限らず、テレビ用チューナー以外の他の製品にも適用可能である。
【0041】
また、上記第1実施形態では、一対の仕切り1に対して、7つの仕切り2を嵌め込む例を示したが、本発明はこれに限らず、一対の仕切り1に対して、7つ以外の2つ以上の仕切りを嵌め込んでもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、天板に、天板の上面から上方に突出するように筒状の段ボール製の2つの突出部を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、天板に、筒状の突出部を設けなくてもよい。
【0043】
また、上記第1実施形態では、底板および天板の上面に、それぞれ、筒状の段ボール製の突出部を両面テープによって貼り付ける例を示したが、本発明はこれに限らず、図12に示す変形例のように、底板部153の両側部の中央部のみを内側に折り曲げることにより、底板部153と一体的に筒状の段ボール製の突出部153aとともに、天板154の両側部を内側に折り曲げることにより、天板154と一体的に筒状の段ボール製の突出部154aを形成してもよい。このようにすれば、突出部を底板および天板とは別体で形成して底板または天板に両面テープで貼付する場合に比べて、部品点数および組立工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。
【図3】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。
【図4】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材を梱包箱に配置した状態の平面図である。
【図5】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の突出部を示した部分斜視図である。
【図6】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材に収納される製品を示した正面図である。
【図7】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材により製品を収納した状態を説明するための内部透視図である。
【図8】図1に示した第1実施形態による段ボール製の梱包部材の衝撃時における状態を説明するための内部透視図である。
【図9】本発明の第2実施形態による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。
【図10】図9に示した第2実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した斜視図である。
【図11】図9に示した第2実施形態による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。
【図12】図1に示した第1実施形態の変形例による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。
【図13】従来の一例による段ボール製の梱包部材の全体構成を示した分解斜視図である。
【図14】図13に示した従来の一例による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。
【図15】図13に示した従来の一例による段ボール製の梱包部材の仕切りを示した正面図である。
【図16】図13に示した従来の一例による段ボール製の梱包部材を梱包箱に配置した状態の平面図である。
【図17】図13に示した従来の一例による段ボール製の梱包部材の突出部を示した部分斜視図である。
【図18】図13に示した従来の一例による段ボール製の梱包部材により製品を収納した状態を説明するための内部透視図である。
【符号の説明】
【0045】
1、51 仕切り(第1仕切り)
1a、51d スリット(第1スリット)
1b、51e 補強片
2 仕切り(第2仕切り)
2b 切り欠き部
2c 側端部
3 底板(底板部)
3a、51c 突出部(第1突出部)
4 天板
4a 突出部(第2突出部)
51b 底板部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スリットを有する段ボール製の第1仕切りと、前記第1スリットに嵌め込まれる第2スリットを有する段ボール製の複数の第2仕切りと、段ボール製の底板部と、段ボール製の天板とを備えた梱包部材において、
前記第2仕切りは、下部に複数の切り欠き部を有し、
前記底板部の上面には、前記第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部が設けられており、
前記底板部の第1突出部は、前記第2仕切りの前記切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されており、
前記天板は、前記天板の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の第2突出部を含み、
前記第2仕切りは、前記第1仕切りの外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部を有し、
前記第1仕切りの前記第1スリットが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片をさらに備える、梱包部材。
【請求項2】
第1スリットを有する段ボール製の第1仕切りと、
前記第1スリットに嵌め込まれる第2スリットを有するとともに、下部に複数の切り欠き部を有する段ボール製の複数の第2仕切りと、
前記第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部を上面に有する段ボール製の底板部とを備えた、梱包部材。
【請求項3】
前記底板部の第1突出部は、前記第2仕切りの前記切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されている、請求項2に記載の梱包部材。
【請求項4】
段ボール製の天板をさらに備え、
前記天板は、前記天板の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の第2突出部を含む、請求項2または3に記載の梱包部材。
【請求項5】
前記第2仕切りは、前記第1仕切りの外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部を有し、
前記第1仕切りの前記第1スリットが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片をさらに備える、請求項2〜4のいずれか1項に記載の梱包部材。
【請求項1】
第1スリットを有する段ボール製の第1仕切りと、前記第1スリットに嵌め込まれる第2スリットを有する段ボール製の複数の第2仕切りと、段ボール製の底板部と、段ボール製の天板とを備えた梱包部材において、
前記第2仕切りは、下部に複数の切り欠き部を有し、
前記底板部の上面には、前記第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部が設けられており、
前記底板部の第1突出部は、前記第2仕切りの前記切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されており、
前記天板は、前記天板の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の第2突出部を含み、
前記第2仕切りは、前記第1仕切りの外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部を有し、
前記第1仕切りの前記第1スリットが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片をさらに備える、梱包部材。
【請求項2】
第1スリットを有する段ボール製の第1仕切りと、
前記第1スリットに嵌め込まれる第2スリットを有するとともに、下部に複数の切り欠き部を有する段ボール製の複数の第2仕切りと、
前記第2仕切りの複数の切り欠き部に嵌め込まれる筒状の段ボール製の複数の第1突出部を上面に有する段ボール製の底板部とを備えた、梱包部材。
【請求項3】
前記底板部の第1突出部は、前記第2仕切りの前記切り欠き部が形成される表面に対して交差する方向に延びるように形成されている、請求項2に記載の梱包部材。
【請求項4】
段ボール製の天板をさらに備え、
前記天板は、前記天板の上面から上方に突出するように設けられた筒状の段ボール製の複数の第2突出部を含む、請求項2または3に記載の梱包部材。
【請求項5】
前記第2仕切りは、前記第1仕切りの外側面から所定の長さ分、外側方に突出する側端部を有し、
前記第1仕切りの前記第1スリットが形成される側の端部に一体的に形成され、外側方に折り曲げられた複数の補強片をさらに備える、請求項2〜4のいずれか1項に記載の梱包部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−62665(P2006−62665A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−244380(P2004−244380)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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