説明

椅子昇降用油圧装置

【課題】 従来における操作杆を足で踏み込み昇降用シリンダに油を供給するものにあっては、1回毎の操作杆の踏み込みにおいて昇降用シリンダへの油の供給が停止するために、油圧シリンダへの油の停止毎に座部が停止することとなり、被施術者に対してショックを与え不快感を与えるという問題があった。
【解決手段】 操作杆1が上昇することで油を吸引し、操作杆を踏み込むことで貯留されている油を排出し、かつ、前記操作杆を最下降位置まで踏み込むことで貯留されている油を排出する足踏みポンプ3と、該足踏みポンプより排出される油の油圧によって開放され、前記足踏みポンプを最下位位置まで下降させると開放され、かつ、逆止側からの油を通過させて前記足踏みポンプを介して油タンクに戻す逆止弁5と、該逆止弁の逆止側にオリフィス等の流量調整手段を介して接続された座部昇降用の昇降用シリンダ7と、前記逆止弁の前記逆止側に前記流量調整手段と並列的に接続されたアキュムレータ6とから構成した椅子昇降用油圧装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、理美容用椅子や歯科用椅子、特に、理容用椅子において、施術を行う際に座部の上昇を足踏み用の操作杆を施術者が踏み込むことで行う椅子であって、前記操作杆を踏み込むことで椅子の上昇、下降を制御する椅子昇降用油圧装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における椅子、例えば、理美容用椅子には電動式のポンプを利用して油圧シリンダに油を供給するものと、前記した操作杆を足で踏み込み油圧シリンダに油を供給するものとがある。そして、電動式のポンプを利用した椅子の昇降装置として、例えば、実開平4−52634号公報に記載の考案がある。このような電動式ポンプによって椅子を上昇させるものにあっては、ポンプによって連続して油が油圧シリンダに供給されることから連続的に座部が所望の位置まで上昇することとなる。従って、上昇途中で着座している被施術者にショックを与えるということはなかった。
【0003】
一方、操作杆を足で踏んで油タンクから油を供給する簡易な椅子(美容用に多く採用されている)、例えば、本出願人会社のホームページにおけるURL( http://www.takarabelmont.co.jp/ribiyou/index.html)で紹介している椅子の場合には、1回踏むことで昇降用シリンダに油圧シリンダから1回分の油が供給されるものであることから、被施術者を所望の高さ位置まで上昇させるには複数回操作杆を踏むことになる。
【特許文献1】実開平4−52634号公報
【非特許文献1】http://www.takarabelmont.co.jp/ribiyou/index.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記した操作杆を足で踏み込み昇降用シリンダに油を供給するものにあっては、1回毎の操作杆の踏み込みにおいて昇降用シリンダへの油の供給が停止するために、油圧シリンダへの油の停止毎に座部が停止することとなり、被施術者に対してショックを与え不快感を与えるという問題があった。
【0005】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、操作杆の踏み込みと次の踏み込みとの間にアキュムレータに貯留されている油を昇降用シリンダに供給することで、昇降用シリンダが停止することなく連続して上昇し、従って、被施術者に対してショックを与え不快感を与えることがなく、また、操作杆を最下部まで踏み込むことで足踏みポンプと一体に取付けられている制御杆が排油バルブを開放して、昇降用シリンダとアキュムレータ内の油をタンク内に戻すことができるので、構造が簡単となりコストの低下を図ることができる椅子昇降用油圧装置を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の椅子昇降用油圧装置は前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、操作杆が上昇することで油を吸引し、操作杆を踏み込むことで貯留されている油を排出し、かつ、前記操作杆を最下降位置まで踏み込むことで貯留されている油を排出する足踏みポンプと、該足踏みポンプより排出される油の油圧によって開放され、前記足踏みポンプを最下位位置まで下降させると開放され、かつ、逆止側からの油を通過させて前記足踏みポンプを介して油タンクに戻す逆止弁と、該逆止弁の逆止側にオリフィス等の流量調整手段を介して接続された座部昇降用の昇降用シリンダと、前記逆止弁の前記逆止側に前記流量調整手段と並列的に接続されたアキュムレータとから構成し、前記足踏みポンプより供給される油の一部を前記アキュムレータに貯留すると共に昇降用シリンダにも供給して上昇させ、前記足踏みポンプよりの油の供給が停止されると前記アキュムレータに貯留されている油により昇降用シリンダを上昇し続け、また、前記逆止弁が前記足踏みポンプによって開放されると前記アキュムレータおよび昇降用シリンダ内の油が前記足踏みポンプ内を介して油タンクに戻されることを特徴とする
【0007】
請求項2の手段は、操作杆が上昇することで油を吸引し、操作杆を踏み込むことで貯留されている油を排出し、かつ、前記操作杆を最下降位置まで踏み込むことで貯留されている油を排出する足踏みポンプと、該足踏みポンプより排出される油の油圧によって開放され、前記足踏みポンプを最下位位置まで下降させると開放され、かつ、逆止側からの油を通過させて前記足踏みポンプを介して油タンクに戻す第1の逆止弁と、前記足踏みポンプよりの油が前記第1の逆止弁を介して供給されると油の一部を貯留するアキュムレータと、前記足踏みポンプからの前記第1の逆止弁を介して供給される油の油量を絞るオリフィス等の流量調整手段と、該流量調整手段と並列接続され前記足踏みポンプよりの油の流れを阻止する第2の逆止弁と、前記第1の流量調整手段および前記第2の逆止弁に接続された昇降用シリンダとから構成し、前記足踏みポンプより供給される油の一部を前記アキュムレータに貯留すると共に前記第1の流量調整手段を介して昇降用シリンダに供給して上昇し、前記足踏みポンプよりの油の供給が停止されると前記アキュムレータに貯留されている油が前記流量調整手段を介して前記昇降用シリンダに供給されて上昇し、また、前記第1の逆止弁が前記足踏みポンプによって開放されると、前記アキュムレータよりの油が前記第1の逆止弁から前記足踏みポンプを介して油タンクに戻され、また、前記昇降用シリンダ内の油が前記第2の逆止弁から前記足踏みポンプを介して油タンクに戻されることを特徴とする。
【0008】
請求項3の手段は、前記した請求項1又は2において、前記アキュムレータに対して並列に、前記昇降用シリンダにおける下降の始動時および停止時のショックを緩和するための小容量の第2のアキュムレータを接続したことを特徴とする。
【0009】
請求項4の手段は、前記した請求項2において、前記第2の逆止弁に第2のオリフィス等の流量調整手段を形成したことを特徴とし、請求項5手段は、前記した請求項2において、前記足踏みポンプの排油経路中に第2のオリフィスを形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は前記したように、足踏みポンプより供給される油の一部を前記アキュムレータに貯留すると共に昇降用シリンダにも供給して上昇させ、前記足踏みポンプよりの油の供給が停止されると前記アキュムレータに貯留されている油により昇降用シリンダを上昇し続け、また、前記逆止弁が前記足踏みポンプによって開放されると前記アキュムレータおよび昇降用シリンダ内の油が前記足踏みポンプ内を介して油タンクに戻されるので、昇降用シリンダの上昇時における操作杆の停止時にも昇降用シリンダは停止することなく連続して上昇し、着座している被施術者に対してショックを与え不快感を与えることがなく、また、逆止弁が逆方向からの油の通過を可能するとアキュムレータおよび昇降用シリンダ内の油が同時に油タンクに戻されるので、昇降用シリンダの下降もショックなく行われ被施術者に不快感を与えることがなく、かつ、油タンクへの油は足踏みポンプを介して行なわれるので、油圧装置全体の小型化を図ることができる。
【0011】
さらに、昇降用シリンダよりのタンクへの排油は第2の逆止弁を介して行なわれるようにしたので、昇降用シリンダへの油の供給と排油とが別経路となっり昇降用シリンダの上昇速度と下降速度を可変することが可能となる。
【0012】
また、第2の逆止弁よりの排油量を第2のオリフィスで調整することが可能としたことから、昇降シリンダの下降速度を速くすることが可能となって施術作業の迅速化が図れる。
【0013】
また、低圧力で作動するアキュムレータを大容量のアキュムレータと直列接続したことで、昇降用シリンダの下降始動時および停止時に小容量のアキュムレータよりの油が徐々に油タンクに戻され、従って、始動時と停止時にショックを与えることがない等の効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、操作杆の踏み込みと踏み込みとの間にアキュムレータに貯留されている油を昇降用シリンダに供給して、該昇降用シリンダが連続的に上昇するようにし、また、昇降用シリンダの下降は足踏みポンプを最下降位置まで下降することで行える。
【実施例1】
【0015】
次に、本発明に係る椅子昇降用油圧装置の一実施例を図1〜図5と共に説明する。
1は図示しない本体ケースに対して回動自在に軸支され、施術者が足で踏み込むことで回動する操作杆、2は該操作杆1と共に回動する押圧杆、3は前記操作杆1を踏み込んで押圧杆2を下方に回動するとピストンロッド31が下降してシリンダ32内に貯留されている油を圧縮される足踏みポンプである。
【0016】
前記足踏みポンプ3は前記押圧杆2によってスプリング32のバネ力に抗して下降するピストンロッド31と、該ピストンロッド31に取付けられたピストン33と、該ピストン33が上昇することで油を貯留するシリンダ34とから構成され、シリンダ34の下部は油タンク4内に収容されている。
【0017】
前記シリンダ34の前記油タンク4に開口する油排出孔34aが形成され、また、シリンダ34の油タンク4の油が存在する部分に開口する給油孔34bが開口されている。なお、シリンダ34の底部には前記給油孔34bと連通する縦給油孔35aが形成された弁体35が内蔵され、また、この弁体35の上には前記ピストン33が上昇すると前記縦給油孔35aが開放して油タンク4より油の吸引が行われ、ピストン33が下降すると縦給油孔35aを閉塞する弁36が載置されている。
【0018】
前記ピストン33の軸長方向には後述する第1の逆止弁5のボール51をスプリング52のバネ力に抗して下降させる排油用孔37aを有する制御杆37が内蔵されている。また、ピストン33には、該ピストン33が最下降位置に達した時に、前記した排油孔34aと前記排油用孔37aを連通するための連通孔33aが開口されている。
【0019】
前記シリンダ34における前記弁体35の下部にはボール51および該ボール51をバネ付勢するスプリング52からなる第1の逆止弁5が内蔵され、該逆止弁5の下部にはガス式アキュムレータ6がオリフィスを兼ねるパイプ6aを介して接続されている。そして、このアキュムレータ6は前記足踏みポンプ3および後述する昇降用シリンダ7とは別構成となっているので、足踏みポンプ3と昇降用シリンダ7のみからなる油圧装置がある場合には、アキュムレータ6およびオリフィスを兼ねるパイプ6aを後付けすることで本発明の効果を得ることができる。
【0020】
このガス式アキュムレータ6は油が供給されるとガス室内のガスが圧縮され、該油の供給が解除されると貯留されている油を排出する構造のものであり、アキュムレータ6としてはガス式の方が小型化に有効であるが、必ずしもガス式に限定されるものではなくスプリング式のものであってもよい。
【0021】
7は昇降杆71の上部に理美容椅子の座部分が回転自在に軸支される昇降用シリンダにして、シリンダ72における下部油室と前記足踏みポンプ3における前記第1の逆止弁5との間には第1の流量調整が可能な流量調整手段(以下、第1のオリフィスという)81と第2の流量調整が可能な流量調整手段(以下、第2のオリフィスという)82および第2の逆止弁83とからなる弁部材8が取付けられている。
【0022】
前記弁部材8における第2の逆止弁83は一端が開口され他端が油の流量を絞る第2のオリフィス82となっている筒状に形成され、内部には前記第2のオリフィス82を封止するホール83aと、該ボール83aをバネ付勢するスプリング83bとから構成され、また、前記第2のオリフィス82が形成された壁面には前記ボール83aによって閉塞されていない位置に第1のオリフィス81が形成されている。
【0023】
図5は椅子昇降用油圧装置を油圧回路として示したものであり、前記した構造の符号と同じものは同一の符号で示している。
この油圧回路において、符号36を逆止弁の記号で示しているが、弁36はピストン33が上昇すると油室が負圧となって油タンク4より油を吸引し、ピストン33が下降すると弁36が縦給油孔35aを閉塞するので、結果的に逆止弁と同様な動作するので逆止弁の記号で示している。
【0024】
また、符号9は前記したアキュムレータ6と並列に接続された他のアキュムレータを示し、このアキュムレータ9はアキュムレータ6が大容量のものであり、例えば、直径が12〜24mm、ガス圧が1.3〜2.5MPaである場合に、アキュムレータ9は直径が4〜12mm、ガス圧が0.5〜1.0MPaの小容量のものである。そして、このアキュムレータ9を採用することで、昇降用シリンダ7におけるピストン71の降下始動時および停止時にショックを軽減することができる。なお、前記したアキュムレータ6,9は容量を異ならしめた場合について説明したが、2つのアキュムレータ6,9はピストンのストロークを異ならしめたものであってもよい。
【0025】
次に、前記した構成に基づいて本発明の椅子昇降用油圧装置の動作を説明する。
先ず、昇降用シリンダ7のピストンが最下降位置にあり、また、アキュムレータ6内に油がガス圧によって排出されている状態において、操作杆1を施術者が踏み込む回動させると、押圧杆2も回動するので足踏みポンプ3のピストンが下降して油室内の油が弁36と制御杆37との隙間および該制御杆37と弁体35との隙間を介して第1の逆止弁5のボール51をスプリング52のバネ力に抗して押し下げるので、前記油は弁部材8の第1のオリフィス81を介して昇降用シリンダ7内に供給されると共にパイプ6aを介してアキュムレータ6および9内にも供給される。
【0026】
ここで、アキュムレータ6,9内に供給される油量は、第1のオリフィス81の径が小さければ少なくなり、大きければ多くなるので、ピストン71の上昇速度を速くする場合には第1のオリフィス81の径を大きくする。また、逆に速度を遅くする場合には径を小さくするというように、製作時の設計によって決定する必要がある。
【0027】
前記操作杆1より足を離すとスプリング32によってピストン31は上昇するが、この上昇に伴って足踏みポンプ3の油室内が負圧となるので、弁36は引き上げられ、給油孔34b、縦給油孔35aを介して油タンク4より油が油室内に貯留される。
【0028】
一方、前記足踏みポンプ3よりの油供給が停止されると、主にアキュムレータ6内に貯留されている油がガス圧によって加圧されているので、該アキュムレータ6よりパイプ6aを介してアキュムレータ6内の油が弁部材8の第1のオリフィス81を介して昇降用シリンダ7の油室内に供給される。従って、昇降用シリンダ7のピストンは足踏みポンプ3よりの油の供給が停止しても連続して上昇することになるので、ピストン71はスムースに上昇して着座している被施術者にショックを与えることなく不快感を与えることがない。
【0029】
なお、アキュムレータ6を足踏みポンプ3から昇降用シリンダ7に供給するための経路と同じ経路に接続したので、昇降用シリンダ7のピストン71の上下動時にアキュムレータ6の油によってショックの軽減を図ることができる。
【0030】
以下、同様に操作杆1を踏み込むと足踏みポンプ3より油が昇降用シリンダ7に供給され、次いで、足を操作杆1から離すとアキュムレータ6から供給されるので、座部を所望の高さ位置に達するまで繰り返し行う。
【0031】
次に、施術が終了するなどにおいて、座部を下降させるための動作について説明するに、この場合には、操作杆1を最下降位置まで踏み込んでピストン33を最下降位置まで下降させると、制御杆37が第1の逆止弁5におけるボール51をスプリング52のバネ力に抗して下げるので、弁体35のボール51によって閉塞された弁部が開口され、また、この位置において排油孔34aと排油用孔37aが連通孔33aを介して連通されるので、アキュムレータ6に貯留されている油が油タンク4に戻される。
【0032】
一方、昇降用シリンダ7内に貯留されていた油は、前記第1のオリフィス81を介して前記アキュムレータ6よりの油と同じ経路で油タンク4内に戻されると共に、昇降用シリンダ7内に貯留されている油圧によって第2の逆止弁83のボール83aがスプリング83bのバネ力に抗して後退するので、前記貯留されている油は第2のオリフィス82を介して前記オリフィス81と同様に油タンク4に戻される。
【0033】
従って、昇降用シリンダ7に貯留している油は、第1,第2のオリフィス81,82を介して排出されるので、ピストン71の下降速度は速くなって次の作業への迅速化が図れる。そして、この下降はアキュムレータ6および昇降用シリンダ7内の油の残量が所定量になった時点で停止するが、昇降用シリンダ7とアキュムレータ6および9よりの油の排出が同時に行われるので、ピストン71の下降始動時と停止時にショックを受けることなくスムースに行われる。
【0034】
なお、ピストン71の下降途中で操作杆1より足を離すと前記第1の逆止弁5のボール51がスプリング52のバネ力によって弁部が閉塞されるので、昇降用シリンダ7よりの油は第1、第2のオリフィス81,82を介してアキュムレータ6,9内に貯留され、次のピストン71の上昇に備える。
【0035】
また、前記した実施例では第2のオリフィス82を弁部材8に形成したものを示したが、第2のオリフィス82は足踏みポンプ3におけるピストン33に形成した連通孔33aやシリンダ34に形成した排油孔34aあるいは排油用孔37a等の下降時の流路にオリフィスを形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の椅子昇降用油圧装置は、理美容椅子に限定されるものではなく、足踏み式の他の椅子やベッド等にも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る椅子昇降用油圧装置の一実施例を示す足踏みポンプのピストンが上昇し油タンクよりの油を吸引している状態時の断面図である。
【図2】同上のシリンダが下降して油を昇降用シリンダおよびアキュムレータに供給している状態の断面図である。
【図3】同上のシリンダが最下降位置にあり昇降用シリンダおよびアキュムレータ内の油を油タンク内に戻している状態の断面図である。
【図4】図2の要部の拡大断面図である。
【図5】本発明の椅子昇降用油圧装置の油圧回路である。
【符号の説明】
【0038】
1 操作杆
3 足踏みポンプ
33a 連通孔
34a 排油孔
4 油タンク
5 第1の逆止弁
6 アキュムレータ
7 昇降用シリンダ
8 弁部材
81 第1のオリフィス
82 第2のオリフィス
83 第2の逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作杆が上昇することで油を吸引し、操作杆を踏み込むことで貯留されている油を排出し、かつ、前記操作杆を最下降位置まで踏み込むことで貯留されている油を排出する足踏みポンプと、
該足踏みポンプより排出される油の油圧によって開放され、前記足踏みポンプを最下位位置まで下降させると開放され、かつ、逆止側からの油を通過させて前記足踏みポンプを介して油タンクに戻す逆止弁と、
該逆止弁の逆止側にオリフィス等の流量調整手段を介して接続された座部昇降用の昇降用シリンダと、
前記逆止弁の前記逆止側に前記流量調整手段と並列的に接続されたアキュムレータとから構成し、
前記足踏みポンプより供給される油の一部を前記アキュムレータに貯留すると共に昇降用シリンダにも供給して上昇させ、前記足踏みポンプよりの油の供給が停止されると前記アキュムレータに貯留されている油により昇降用シリンダを上昇し続け、また、前記逆止弁が前記足踏みポンプによって開放されると前記アキュムレータおよび昇降用シリンダ内の油が前記足踏みポンプ内を介して油タンクに戻されることを特徴とする椅子昇降用油圧装置。
【請求項2】
操作杆が上昇することで油を吸引し、操作杆を踏み込むことで貯留されている油を排出し、かつ、前記操作杆を最下降位置まで踏み込むことで貯留されている油を排出する足踏みポンプと、
該足踏みポンプより排出される油の油圧によって開放され、前記足踏みポンプを最下位位置まで下降させると開放され、かつ、逆止側からの油を通過させて前記足踏みポンプを介して油タンクに戻す第1の逆止弁と、
前記足踏みポンプよりの油が前記第1の逆止弁を介して供給されると油の一部を貯留するアキュムレータと、
前記足踏みポンプからの前記第1の逆止弁を介して供給される油の油量を絞るオリフィス等の流量調整手段と、
該流量調整手段と並列接続され前記足踏みポンプよりの油の流れを阻止する第2の逆止弁と、
前記第1の流量調整手段および前記第2の逆止弁に接続された昇降用シリンダと、
から構成し、前記足踏みポンプより供給される油の一部を前記アキュムレータに貯留すると共に前記第1の流量調整手段を介して昇降用シリンダに供給して上昇し、前記足踏みポンプよりの油の供給が停止されると前記アキュムレータに貯留されている油が前記流量調整手段を介して前記昇降用シリンダに供給されて上昇し、また、前記第1の逆止弁が前記足踏みポンプによって開放されると、前記アキュムレータよりの油が前記第1の逆止弁から前記足踏みポンプを介して油タンクに戻され、また、前記昇降用シリンダ内の油が前記第2の逆止弁から前記足踏みポンプを介して油タンクに戻されることを特徴とする椅子昇降用油圧装置。
【請求項3】
前記アキュムレータに対して並列に、前記昇降用シリンダにおける下降の始動時および停止時のショックを緩和するための低圧力で作動する第2のアキュムレータを接続したことを特徴とする請求項1または2記載の椅子昇降用油圧装置。
【請求項4】
前記第2の逆止弁に第2のオリフィス等の流量調整手段を形成したことを特徴とする請求項2に記載の椅子昇降用油圧装置。
【請求項5】
前記足踏みポンプの排油経路中に第2のオリフィス等の流量調整手段を形成したことを特徴とする請求項2に記載の椅子昇降用油圧装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作杆が上昇することで油を吸引し、操作杆を踏み込むことで貯留されている油を排出し、かつ、前記操作杆を最下降位置まで踏み込むことで貯留されている油を排出する足踏みポンプと、
該足踏みポンプより排出される油の油圧によって開放され、前記足踏みポンプを最下降位置まで下降されると開放され、かつ、逆止側からの油の通過させて前記足踏みポンプを介して油タンクに戻す逆止弁と、
該逆止弁の逆止側にオリフィス等の流量調整手段を介して接続された座部昇降用の昇降用シリンダと、
前記足踏みポンプよりの油が前記逆止弁を介して供給されると油の一部を貯留するアキュムレータとから構成し、
前記足踏みポンプより供給される油の一部を前記アキュムレータに貯留すると共に昇降用シリンダにも供給して上昇させ、前記足踏みポンプよりの油の供給が停止されると前記アキュムレータに貯留されている油により昇降用シリンダを上昇し続け、また、前記逆止弁が前記足踏みポンプによって開放されると前記アキュムレータおよび昇降用シリンダ内の油が前記足踏みポンプ内を介して油タンクに戻されることを特徴とする椅子昇降用油圧装置。
【請求項2】
操作杆が上昇することで油を吸引し、操作杆を踏み込むことで貯留されている油を排出し、かつ、前記操作杆を最下降位置まで踏み込むことで貯留されている油を排出する足踏みポンプと、
該足踏みポンプより排出される油の油圧によって開放され、前記足踏みポンプを最下降位置まで下降されると開放され、かつ、逆止側からの油の通過させて前記足踏みポンプを介して油タンクに戻す第1の逆止弁と、
前記足踏みポンプよりの油が前記第1の逆止弁を介して供給されると油の一部を貯留するアキュムレータと、
前記足踏みポンプからの前記第1の逆止弁を介して供給される油の油量を絞るオリフィス等の流量調整手段と、
該流量調整手段と並列接続され前記足踏みポンプよりの油の流れを阻止する第2の逆止弁と、
前記第1の流量調整手段および前記第2の逆止弁に接続された昇降用シリンダとから構成し、
前記足踏みポンプより供給される油の一部を前記アキュムレータに貯留すると共に前記第1の流量調整手段を介して昇降用シリンダに供給して上昇し、前記足踏みポンプよりの油の供給が停止されると前記アキュムレータに貯留されている油が前記流量調整手段を介して前記昇降用シリンダに供給されて上昇し、また、前記第1の逆止弁が前記足踏みポンプによって開放されると、前記アキュムレータよりの油が前記第1の逆止弁から前記足踏みポンプを介して油タンクに戻され、また、前記昇降用シリンダ内の油が前記第2の逆止弁から前記足踏みポンプを介して油タンクに戻されることを特徴とする椅子昇降用油圧装置。
【請求項3】
前記アキュムレータに対して並列に、前記昇降用シリンダにおける下降の始動時および停止時のショックを緩和するための小容量の第2のアキュムレータを接続したことを特徴とする請求項1または2記載の椅子昇降用油圧装置。
【請求項4】
前記第2の逆止弁に第2のオリフィス等の流量調整手段を形成したことを特徴とする請求項2に記載の椅子昇降用油圧装置。
【請求項5】
前記足踏みポンプの排油経路中に第2のオリフィス等の流量調整手段を形成したことを特徴とする請求項2に記載の椅子昇降用油圧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−280582(P2006−280582A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103892(P2005−103892)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
【Fターム(参考)】