説明

植物の害虫防除装置

【課題】簡便で取り扱い易く、害虫防除効率が良いと共に、周囲環境への影響が少ない植物の害虫防除装置とする。
【解決手段】本体部1aと握り部1bとノズル部1cを備えた装置本体1とし、この本体部1aは吸込口2と吐出口3を連通する空気流通路4を有し、この空気流通路4にモータ7で駆動されるファン5と薬剤担持体6を設け、そのファン5を駆動することで空気が薬剤担持体6に触れて害虫防除成分を含有する空気となり、その空気が吐出口3、ノズル部1cを通って気中に放出されるようにした植物の害虫防除装置で、作業者が握り部1bを手で持って作業できるから、簡便で取り扱い易く、害虫防除成分を植物に付着している害虫に直接吹きつけできるから効率良く害虫防除でき、しかも害虫防除成分は微細粒子であるから周囲環境への影響が少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物、花木、果樹などの植物を、植物を食害する害虫、植物に寄生している害虫などの害虫から防除する植物の害虫防除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農作物などの植物の害虫防除装置としては、特許文献1に開示されたように、噴口から害虫防除剤を植物に噴霧する動力噴霧機が知られている。
また、特許文献2には缶などの容器内に噴射剤と共に内容物(薬剤、溶剤など)を充填し、噴射剤の圧力によって噴出(噴霧)するエアゾール容器が開示されている。
【0003】
【特許文献1】実開昭58−73367号公報
【特許文献2】特開平8−196954号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された動力噴霧機は、植物全体に害虫防除剤を噴霧するので、その植物の周囲に害虫防除剤が飛散するから、人体など周囲環境への影響を考慮して十分注意深く作業しなければならない。
また、動力噴霧機は大掛かりで、取り扱いがむずかしいと共に、コストが高く、一般の人が家の庭などで行う害虫防除装置としては好ましくない。
【0005】
前述のことから特許文献2に開示されたエアゾール容器を用い、植物に付着している害虫に向けて内容物を噴出して害虫防除することが考えられる。
このエアゾール容器は、何処でも使用できる簡便なものであるから、一般の人が家の庭などで行う害虫防除装置として好ましい。
しかし、エアゾール容器は内容物を微粒子として高速で噴出するので、植物に付着している害虫の近くから噴出すると、その内容物によって害虫が吹き飛ばされてしまうから、植物に付着している害虫から離れた位置から内容物を害虫に向けて噴出して害虫が内容物で吹き飛ばされないようにしているので、噴出した内容物の一部分のみが害虫に吹きつけられ、残りの大部分は周囲に飛散するから、害虫防除の効率が悪い。
しかも、前述のように微粒子として噴出した内容物の大部分は周囲に飛散するから、人体など周囲環境へ影響を考慮して十分注意深く作業しなければならない。
【0006】
本発明の目的は、簡便で取り扱い易く、一般の人が家の庭などで使用するのに好ましいと共に、害虫防除の効率が良く、周囲環境への影響が少ない植物の害虫防除装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、吸込口2と、吐出口3と、この吸込口2と吐出口3を連通する空気流通路4を有した本体部1a、この本体部1aの吐出口3と連通したノズル部1c、握り部1bを備えた装置本体1とし、
この装置本体1の本体部1aにおける空気流通路4に、モータ7で駆動されるファン5と薬剤担持体6を設け、このファン5をモータ7で駆動することで空気が薬剤担持体6に触れて微細粒子の害虫防除成分を含有した空気がノズル部1cから気中に放出されるようにしたことを特徴とする植物の害虫防除装置である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、装置本体1は、握り部1bに対してノズル部1cが回転して当該ノズル部1cの向きが変更可能である植物の害虫防除装置である。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、本体部1aは、その外周面に環状凹部33を有し、
握り部1bは、握り部分30と、この握り部分30に設けた支持部分31と、この支持部分31にビス止めされる押え部分32を有し、
この支持部分31と押え部分32を前記環状凹部33に回転自在に嵌め込んで本体部1aと握り部1bが回動自在とした植物の害虫防除装置である。
【0010】
第4の発明は、第1の発明において、本体部1aにノズル部1cを着脱自在に取付けると共に、形状の異なる複数のノズル部1cを備えている植物の害虫防除装置である。
【0011】
第5の発明は、第1の発明において、本体部1aに握り部1bを着脱自在に取付けると共に、長さの異なる複数の握り部1bを備えている植物の害虫防除装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、使用者が握り部1bを手で持って害虫防除作業できるので、簡便で取り扱い易く一般の人が家の庭などで使用するのに好ましい植物の害虫防除装置である。
また、使用者が握り部1bを手で持ち、ノズル部1cを植物に付着している害虫に向けることで、害虫防除成分を含有した空気がノズル部1cから前述の植物に付着している害虫に直接的に吹きつけられるから、その害虫防除成分で害虫を効率良く防除できる。
また、気中に放散された微細粒子の害虫防除成分は気中(大気中)に浮遊し、時間の経過とともに希釈されるので、人体など周囲環境への影響が少ない。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、作業者が動いたり、手を動かさずにノズル部1cの向きを変えることができ、植物の任意の位置に付着している害虫に害虫防除成分を簡単で、確実に吹きつけできる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、支持部分31を環状凹部33に嵌め込み、押え部分32を環状凹部33に嵌め込んで押え部分32と支持部分31をビス止めすることで、本体部1aと握り部1bを回動自在に連結でき、その作業が簡単である。
また、本体部1aと握り部1bが外れたりすることがない。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、害虫防除の作業内容に応じた形状のノズル部1cを取付けて害虫防除作業できるので、その作業がやり易い。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、高い位置、遠い位置や低い位置、近い位置の害虫防除作業の時には、その位置に応じた長さの握り部1bを用いることで、効率良く、簡単に害虫防除作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1、図2、図3に示すように、装置本体1は本体部1aと握り部1bとノズル部1cを備え、その握り部1bを使用者が手で持って使用できるようにしてある。
前記本体部1aには吸込口2と吐出口3を有していると共に、その吸込口2と吐出口3を連通する空気流通路4を有している。
この空気流通路4にはファン5と薬剤担持体6が設けてあり、そのファン5をモータ7で駆動することで吸込口2から空気を吸い込み、その空気が薬剤担持体6に触れて害虫防除成分を含有した空気とし、その空気を吐出口3から吐出して前述のノズル部1cから気中に放散される。
【0018】
前記ノズル部1cから気中に放散される空気に含有されている害虫防除成分は微細粒子となるようにしてある。なお、微細粒子とはエアゾール容器の場合の噴出される内容物の粒子よりも小さいことである。
つまり、害虫防除成分は微細粒子として気中に放散されるようにしてある。
また、ノズル部1cから気中に放散される空気の流速や流量は、従来のエアゾール容器の内容物の噴出速度に比べて遅く、また噴出量も少なく、総じて噴出の勢いが弱いのでその空気によって植物に付着している害虫が吹き飛ばされない。
つまり、ファン5による空気吐出速度などを調整することで前述の空気の流速などを任意に制御することが可能であるので、ノズル部1cから気中に放散される空気の流速などを任意のものとすることが可能である。
【0019】
このようであるから、使用者が握り部1bを手で持って作業でき、簡便で取り扱い易いので、一般の人が家の庭で使用するのに好ましい。
また、使用者が握り部1bを手で持ち、ノズル部1cを植物に付着している害虫に向けることで、害虫防除成分を含有した空気がノズル部1cから前述の植物に付着している害虫に直接的に吹きつけられるから、その害虫防除成分で害虫を効率良く防除できる。
また、気中に放散された微細粒子の害虫防除成分は気中(大気中)に浮遊し、時間の経過とともに希釈されるので、人体など周囲環境への影響が少ない。
【0020】
前述の実施の形態では、装置本体1は握り部1bに対してノズル部1cが回動して向きを変更可能である。
例えば、握り部1bと本体部1aを回動可能に連結し、その本体部1aにノズル部1cを設けることで、握り部1bに対してノズル部1cが回動するようにしてある。
このようにすれば、使用者の手で握り部1bを持ち、ノズル部1cを回動することで使用者が動いたり、手を動かさずに害虫防除成分を含有した空気の放散方向を任意の方向とすることができるから、植物の任意の位置に付着している害虫に害虫防除成分を簡単で、確実に吹きつけできる。
【0021】
例えば、図1に示すようにノズル部1cを握り部1bに対して左向き姿勢で水平とすれば左寄り位置に付着している害虫に吹きつけできる。
ノズル部1cを図1で右向き姿勢で水平とすれば右寄り位置に付着している害虫に吹きつけできる。
ノズル部1cを図1で上向き姿勢としてノズル部1cを水平とすれば、遠い位置に付着している害虫に吹きつけでき、ノズル部1cを上向きとすれば高い位置に付着している害虫に吹きつけでき、ノズル部1cを下向きとすれば低い位置に付着して害虫に吹きつけできる。
【0022】
前記ノズル部1cは害虫防除成分を含有した空気を1ヶ所に集中して放散する形状である。例えば、流入口8よりも流出口9が小さい形状としてある。
このようにすることで、害虫防除成分を含有した空気を植物に付着している害虫に集中して吹きつけできるから、その害虫の防除効果が優れたものとなる。
【0023】
また、前記ノズル部1cは流入口8の向きと流出口9の向きがほぼ90度異なり、流入口8から矢印aで示すように流入した空気を流出口9から矢印bで示すようにほぼ90度方向を変えて流出(放散)するようにしてある。
これに限ることはなく、流入口8の向きと流出口9の向きを同一としても良いし、流出口9の向きを図2とは反対に上向きとしても良い。
【0024】
また、前記ノズル部1cは前述の形状に限ることはなく、害虫防除の作業内容に応じた種々の形状とすることができる。
例えば、図4(a)に示すように流出口9の開口部分9aを長く、背面部分9bを円弧形状として、空気が矢印bで示すように円弧形状に流出すると共に、その流出する領域が長くなるようにする。
このようにすれば、小さな植物の幹や枝の全体を流出口9の長さ領域内に位置させ、その幹や枝の周囲に沿って空気を吹きつけできるから、その幹や枝の全体に付着している害虫を防除できる。
【0025】
また、図4(b)に示すように、流出口9の向きを流入口8の向きに対して90度異なるようにしても良い。
また、図4(c)に示すように、流出口9を流入口8よりも大きいテーパー形状としても良い。
【0026】
図2に示すように、ノズル部1cは本体部1aに着脱自在で、前述の図4(a),(b),(c)に示すノズル部1cのいずれか1つを選択して取付けできるようにしてある。
例えば、本体部1aにノズル取付部10を形成し、ノズル部1cの流入口8側部分に取付部11を形成し、この取付部11を図4(a),(b),(c)に示すノズル部1cの取付部11と同一とする。
具体的には、本体部1aには段付き筒状体12を吐出口3と連通して設けてノズル取付部10とする。
各ノズル部1cの流入口8側部分には段付き穴13に形成して取付部11とする。
そして、段付き穴13を筒状体12に嵌合して取付けるようにする。
【0027】
次に、各部材の具体形状を説明する。
前記本体部1aは筒状の周面板20と一端板21と他端板22で中空部23を有する本体24と、その周面板20に形成した吐出口3の開口縁に沿って一体的に設けた筒状体25を備えている。
前記一端板21には連通孔26が形成されていると共に、その連通孔26の周縁にリング状突片27が設けられて薬剤取付用の凹部28を形成している。この凹部28と前記中空部23とで前述の空気流通路4を形成している。
前記他端板22には電池収容室1dが形成してある。
【0028】
前記中空部23内にファン5とモータ7が設けてある。
前記薬剤担持体6は粒状で、薬剤容器6a内に充填してある。
この薬剤容器6aは通気性を有し、前記凹部28内に嵌め込んで設けてあると共に、カバー29で抜け落ちないように保持してある。
このカバー29に吸込口2が形成してある。
前記筒状体25の先端部分を段付き形状として前述の段付き筒状体12としてノズル取付部10としてある。
【0029】
前記握り部1bは、握り部分30と一対のほぼ半円形の支持部分31,31と一対のほぼ半円形の押え部分32,32を備えている。
前記握り部分30は所定の幅と厚さと長さを有し、手で持ち易いようにしてある。
前記一対の支持部分31,31は握り部分30の幅方向両端部に一体的に設けてあり、この一対の支持部分31,31は、前記本体24の周面板20における両側部に形成した一対の環状凹部33の略下半分にそれぞれ嵌め込みしてある。
この各環状凹部33の略上半分に一対の押え部分32がそれぞれ嵌め込みしてあり、その押え部分32と支持部分31をビス34で固着することで握り部1bと本体部1aが回動自在に連結される。
これによって、簡単に連結できると共に、外れることがない。
【0030】
前記一対の支持部分31と一対の押え部分32は本体部1aの幅方向両側に位置し、握り部1bと本体部1aが回動した時にその支持部分31、押え部分32と筒状体25が干渉しないようにしてある。
これによって、握り部1bと本体部1aの回動角度範囲が広い、例えばほぼ300度の範囲を回動できる。
【0031】
前記ノズル部1cは、前記筒状体25と同一断面形状で、その流入口8側に前述の段付き穴13を形成して取付部11とする。
これによって、ノズル部1cは筒状体25に着脱自在である。
【0032】
前記本体部1aと握り部1bは一体でも良い。その場合には握り部1bとノズル部1cとの向きは図1に示すようにほぼ90度異なる向きでも良いし、一直線状でも良い。
また、本体部1aとノズル部1cは一体でも良い。
また、握り部1bをノズル部1cに取付けても良い。
前述の実施の形態では薬剤担持体6をファン5の吸い込み側に設けたが、吐出側に設けても良い。
また、ファン5としてはシロッコファンを用いているが、軸流ファンなどでも良い。
【0033】
次に、本発明の第2の実施の形態を図5、図6に基づいて説明する。
この実施の形態は、装置本体1の本体部1a、握り部1b、ノズル部1cを一直線状で一体としてあると共に、上面側から空気を吸い込むようにしてある。
具体的には、装置本体1を上面板40と左右の縦面板41で断面コ字形状の長尺で、その左右の縦面板41の長手方向中間部間に短尺な底面板42を固着し、その底面板42と上面板40とに亘ってリング状縦板43と第1・第2縦板44a,44bを固着して環状室45と矩形状室46を有する形状とし、その装置本体1の底面板42を設けた長手方向中間部分を本体部1aとし、長手方向一端寄り部分を握り部1bとし、長手方向他端寄りをノズル部1cとしてある。
【0034】
前記上面板40に環状室45に開口した孔40aを形成すると共に、その孔40aの周縁に沿って筒体47を設けて薬剤担持体取付用の凹部48を形成し、前記リング状縦板43に吐出口3をノズル部1cに向けて開口して形成することで、前述の空気流通路4を形成している。
前記環状室45にファン5とモータ7を設け、前記凹部48に薬剤担持体6が設けてある。
前記筒体47にカバー49を取付けて薬剤担持体6をカバーし、そのカバー49に前述の吸込口2が形成してある。
前記矩形状室46を電池収容室1dとしてある。
【0035】
前記上面板40の長手方向一端寄り部分(握り部1bを形成する部分)の幅を、他の部分の幅よりも狭くして握り部1bとし、その握り部1bの幅が狭くなって人が手で握り易くしてある。
前記上面板40の長手方向他端寄り部分(ノズル部1cを形成する部分)を下向き円弧形状とし、その下端部分40aと底面板42の長手方向他端部42aとの間を流出口9としてある。
図6で、前記薬剤担持体6として、通気性の不織布や紙に、薬剤を含浸し枠内に入れ固定したものでも良い。
【0036】
次に、本発明の第3の実施の形態を図7、図8に基づいて説明する。
この実施の形態は装置本体1の本体部1a、握り部1b、ノズル部1cを一直線状で一体としてあると共に、下面側から空気を吸い込むようにしてある。
前記装置本体1は箱体50と、この箱体50に取付けた棒体51を有している。
前記箱体50は、上面板52と下面板53と一端面板54と他端面板55と両側面板56とにより長尺で、幅狭く、薄い箱形状で、その内部にはリング状隔壁57と隔壁58が設けられて、環状室59と第1矩形状室60と第2矩形状室61に区画され、その環状室59と第1矩形状室60との部分が本体部1aで、第2矩形状室61部分がノズル部1cである。
前記棒体51は箱体50の他端面板55に取付けられて握り部1bとしてある。
【0037】
前記底面板53には環状室59に開口した孔62が形成され、この孔62の周縁に沿って筒体63が設けられて薬剤担持体6を収容する凹部64を形成している。
この凹部64中に薬剤担持体6が設けてあり、その薬剤担持体6はカバー体65で保持されている。このカバー体65に前述の吸込口2が形成してある。
前記環状室59内にファン5とモータ7が取付けてある。
このようであるから、ファン5を駆動することで吸込口2から矢印のように空気を吸い込み、薬剤担持体6に触れることで害虫防除成分を含有した空気となり、その空気は吐出口3、流入口8を通って流出口9から気中に放出される。
また、棒状の握り部1bを握ることで装置全体を取り扱いできる。
【0038】
次に、本発明の第4の実施の形態を図9、図10に基づいて説明する。
この実施の形態では装置本体1の本体部1aと握り部1bとノズル部1cが一直線状で、上面側から空気を吸い込むと共に、ファンの吐出側に薬剤担持体6が設けてある。
前記装置本体1は箱体50と筒状体70を備え、その箱体50は前述の箱体50の一端面板54を無くして開口した形状で、その上面板52に環状室59に開口した穴が形成されて前述の吸込口2としてある。
前記第2矩形状室61に薬剤担持体6が設けてある。
【0039】
このようであるから、ファン5を回転することで吸込口2から空気を吸い込み、吐出口3から吐出する。この吐出口3から吐出した空気が薬剤担持体6に触れて害虫防除成分を含有した空気となり、その空気はノズル部1bの流出口9から気中に放出される。
【0040】
前記筒状体70は箱体50に着脱自在に嵌合して取付けられて握り部1bとしてある。
例えば、前記筒状体70は上面板71と下面板72と両側面板73で矩形断面で、かつ前記箱体50が嵌合されるようにしてある。
このようであるから、箱体50を嵌合したり、抜き出すことで握り部1bを本体部1aに着脱自在である。
【0041】
また、長さの異なる複数の筒状体70(握り部1b)を準備しておけば、その長さの異なる筒状体70のいずれか1つを箱体50に取付けて握り部1bとすることができるので、握り部1bの長さを長くしたり、短くできるから、高い位置、低い位置、遠い位置、近い位置など、任意の位置の害虫防除作業が簡単にできる。
図10で、前記薬剤担持体6として、ハニカム構造体に薬剤を含浸し周囲を枠で固定したものでも良い。
【0042】
次に本発明の第5の実施の形態を図11、図12に基づいて説明する。
この実施の形態は、ファン5を軸流ファンとし、吸い込み側に薬剤担持体6を設けてある。
前記装置本体1は、筒体80と杆体81を備え、その筒体80の軸心方向と杆体81の長手方向はほぼ90度ずれている。
前記筒体80内にはモータ取付部材82でモータ7が取付けてあり、そのモータ7の軸心は筒体80の軸方向に向いている。
このモータ7でファン5、軸流ファン(プロペラファン)が回転され、筒体80の一端開口部80aから空気を吸い込んで他端開口部80bから放出する。
前記モータ取付部材82は穴明きプレートや格子形状体で、空気流通部82aを有している。
前記筒体80の一端開口部80a寄りに薬剤担持体6が設けられ、カバー83で抜け落ちないように保持され、そのカバー83に吸込口2が形成してある。
この吸込口2は網体84で覆われている。
【0043】
これによって、筒体80の一端開口部80a側部分が本体部1aで、他端開口部80b側部分がノズル部1cである。
そして、杆体81が握り部1bである。
【0044】
なお、筒体80のファン5よりも他端開口部80b寄りに薬剤担持体6を設けても良い。
また、筒体80と杆体81を一直線に連続させ、その杆体81の内部を通して一端開口部80aから空気を吸い込むようにしても良い。
【0045】
本発明において、害虫防除とは害虫のみではなく、害虫の幼虫や卵なども含むものである。
【0046】
本発明において使用される害虫防除成分としては、常温送風などの条件で揮散する殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤、害虫成長制御剤、又は防虫性の薬剤(精油、香料、溶剤等)などが挙げられる。
例えば殺虫を目的として使用する場合、従来より用いられている各種揮散性殺虫剤、特に安全性が高いことからピレスロイド系殺虫剤が好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す縦断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】異なる形状のノズル部の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す平面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示す平面図である。
【図8】図7のC−C断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態を示す平面図である。
【図10】図9のD−D断面図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態を示す平面図である。
【図12】図11のE−E断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…装置本体、1a…本体部、1b…握り部、1c…ノズル部、2…吸込口、3…吐出口、4…空気流通路、5…ファン、6…薬剤担持体、7…モータ、8…流入口、9…流出口、30…握り部分、31…支持部分、32…押え部分、33…環状凹部、34…ビス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口2と、吐出口3と、この吸込口2と吐出口3を連通する空気流通路4を有した本体部1a、この本体部1aの吐出口3と連通したノズル部1c、握り部1bを備えた装置本体1とし、
この装置本体1の本体部1aにおける空気流通路4に、モータ7で駆動されるファン5と薬剤担持体6を設け、このファン5をモータ7で駆動することで空気が薬剤担持体6に触れて微細粒子の害虫防除成分を含有した空気がノズル部1cから気中に放出されるようにしたことを特徴とする植物の害虫防除装置。
【請求項2】
装置本体1は、握り部1bに対してノズル部1cが回転して当該ノズル部1cの向きが変更可能である請求項1記載の植物の害虫防除装置。
【請求項3】
本体部1aは、その外周面に環状凹部33を有し、
握り部1bは、握り部分30と、この握り部分30に設けた支持部分31と、この支持部分31にビス止めされる押え部分32を有し、
この支持部分31と押え部分32を前記環状凹部33に回転自在に嵌め込んで本体部1aと握り部1bが回動自在とした請求項2記載の植物の害虫防除装置。
【請求項4】
本体部1aにノズル部1cを着脱自在に取付けると共に、形状の異なる複数のノズル部1cを備えている請求項1記載の植物の害虫防除装置。
【請求項5】
本体部1aに握り部1bを着脱自在に取付けると共に、長さの異なる複数の握り部1bを備えている請求項1記載の植物の害虫防除装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−109895(P2008−109895A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295347(P2006−295347)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000112853)フマキラー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】