説明

植物タンパク質および/またはペプチドを得る方法、該方法に従って生産されるタンパク質および/またはペプチド、ならびにこれらの利用

【課題】植物タンパク質および/またはペプチドを、環境に対する影響が少なく、多量のエネルギーを浪費せず、そして単純かつ安価に、広範な原材料から取得する技術を実現すること。
【解決手段】(a)植物タンパク質および/またはペプチドを含む出発材料を水性マトリクス中に調製する工程;(b)必要に応じて、該水性マトリクスから固体成分を除去する、および/または該水性マトリクスを清浄化する、工程;(c)合成ポリマーから構成される少なくとも1つのイオン交換膜上への吸着によって、該水性マトリクスから該タンパク質および/またはペプチドの少なくとも一部を単離する工程;(d)必要に応じて、不純物を除去するために該イオン交換膜をリンスする工程;(e)少なくとも一種の溶出液を用いて該イオン交換膜から該タンパク質および/またはペプチドを解離する工程;(f)該溶出液から該タンパク質および/またはペプチドを単離する工程;ならびに(g)必要に応じて、単離した該タンパク質および/またはペプチドを乾燥させる工程を包含する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物タンパク質および/またはペプチドを得る方法、本方法に従って生産されるタンパク質および/またはペプチドならびにこれらの混合物、ならびにこれらの利用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトによる消費のための動物タンパク質および植物タンパク質の両方が、知られている。しかし、動物タンパク質(例えば、トリタンパク質)および乳タンパク質(例えば、カゼインまたはホエイ)は、BSE、鳥インフルエンザおよび他の疾患に関する問題を含んでいる。動物タンパク質は、例えばラクトース不耐の場合のように、アレルギー自体がタンパク質に基づいていないとはいえ、しばしばアレルギーの引き金にも関連している。
【0003】
植物タンパク質は、遺伝子改変植物(GMO)、栄養価およびアレルギーの引き金に関する問題を有している。最もよく知られている植物タンパク質はダイズタンパク質である。植物タンパク質が、例えばダイズの場合、風味の問題をしばしば含んでいることもさらなるポイントである。その結果、植物タンパク質を食品に用いる可能性が厳密に限定される。同様に、他の植物タンパク質(例えば菜種、ルピナスまたはジャガイモ由来のもの)の使用は、さほど広範には広がっていない。ルピナスおよび莢果の場合、この理由は、特に、これらの出発材料の含有脂質が不快さを導くためかもしれない。
【0004】
標準的な市販製品もまた他の多くの物質(所望される物質および所望されない物質)を含んでいるが、化学製品の観点から、標準的な市販製品の含有タンパク質は、多くの種々のタンパク質分子およびペプチド分子からなり、とりわけ、現象論的にグロブリンとアルブミンとに大まかに再分され得る。グロブリンは球状の形状をしており、これにより、グロブリンは非常にコンパクトでありかつ水に不溶性である(または、少なくともほとんど水に溶けない)。アルブミンは、開放した、より不規則な形状をしているため、水に可溶性である。可溶性タンパク質は、概してアルブミンに包摂される。さらに、標準的な市販のタンパク質もまた、天然には、種々の分子量を有しているタンパク質分子およびペプチド分子からなる。このことは、例えば、食品分野の観点から、このタンパク質分子およびペプチド分子の扱いを非常に複雑にする。そして、健康評価は、アミノ酸スペクトルに基づいてのみ実施され得る。
【0005】
よって、標準的な市販のタンパク質に共通する特徴の1つが、それらが種々のタンパク質分子およびペプチド分子の混合物からなることであり、さらに、それらが、その元々の植物出発材料からのタンパク質に対して外来の成分を含むことである。標準的な市販のタンパク質は、例えば、グルコシド、毒素(糖アルカロイド、トリプシンインヒビターなど)、栄養分吸収阻止物質(例えばフィチン酸)を含む。栄養分吸収阻止物質は、ヒトおよび動物の消化範囲内からカルシウムおよび鉄分ミネラルを取り除く。なぜなら、カルシウムおよび鉄分ミネラルが除去されて、腸管内で吸収され得ないからである。脂肪、そのいくつかがリポタンパク質に化学結合している油脂、およびミネラルもまた含まれる。
【0006】
これまで、例えば、健康的な栄養のためのまたは市販の医薬としての、より広い適用を見出すに十分安価な、純度の高いタンパク質またはペプチドは、多く存在していない。その理由は、特に、薬品会社からの高価な処理方法が用いられていることである。高値および非常に限定された入手可能性についてのさらなる理由は、タンパク質分子の由来である。タンパク質分子は、哺乳動物またはヒトの分泌物(たとえば血清)から得られ、分泌物の全てが所望の機能タンパク質を低濃度で含んでおり、そしてそれ自体が限定された量でのみ入手可能である。
【0007】
特許文献1〜5は、個々の群のタンパク質を、植物原材料(この場合はジャガイモである。)からのタンパク質混合物から比較的純粋な形態で単離し得る方法を、初めて記載する。
【0008】
特許文献1〜5は、以下もまた記載する:原材料の選択;ジャガイモ果汁(potato juice)の加熱、冷却、遠心分離およびろ過によって、Kunitz、Bowman−Birkおよびカルボキシペプチダーゼインヒビターを、ジャガイモタンパク質から除去する方法;抽出溶液中での植物材料の細粉化とともに酸抽出剤を用いることによってその方法を拡張し、その結果、プロテアーゼインヒビターIIが得られること;ジャガイモの小片を抽出し、抽出溶液を過熱し、温度、時間および塩濃度をモニタリングし、遠心分離および膜ろ過を行うことによって、抽出中のプロテアーゼインヒビターIIの収量および純度を制御する方法;種々のプロセスにおけるプロテアーゼインヒビターIIの単離および精製。
【特許文献1】米国特許出願公開番号2003113829
【特許文献2】米国特許出願公開番号2003092151
【特許文献3】米国特許出願公開番号2003092152
【特許文献4】米国特許出願公開番号2003092150
【特許文献5】米国特許出願公開番号2003077265
【特許文献6】ドイツ国特許出願公開番号37 79 661 T2
【特許文献7】ドイツ国特許番号892107
【特許文献8】韓国特許出願公開番号1020060056911 A
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、公知のプロセスにおける不利益の1つは、個々のタンパク質または少なくとも狭く規定されたタンパク質群が調製されるが、これらのプロセスは、いうまでもなく非常に複雑であり、時間を浪費し、難儀でありかつ高価であるということである。別の不利益は、ジャガイモの特別な選択を行う必要性にあるようだ。結果として、原材料の入手可能性が限定されているだけでなく、分析の制御が必要なために時間を浪費しかつ高価な、複雑なさらなる中間工程が必要である。さらに、ジャガイモは新鮮に処理されなければならず、貯蔵されてはならないので、物流が複雑でありかつ時間を浪費する。また、大量の熱エネルギーが必要とされるので、タンパク質は公知の処理において損傷を受ける。なぜなら、希釈された抽出溶液中で処理が行われ、高温が長時間維持されなければならないからであり、このことは、さらに大きな容器を必要とさせる。同様に、後者の工程において、さらなるエネルギーが必要とされる。なぜなら、処理されるべき材料の量が、さらなる処理工程のために、ほぼ室温にまで冷却される必要があるからである。抽出のために有機酸が必要とされ、廃液中の有機酸は環境に負荷をかける。さらに、植物材料は、難儀にも、約100μm〜1500μmのサイズの粒子に刻まれなければならない。凝固したかまたは不溶性の植物材料をタンパク質溶液から除去し、ウルトラフィルトレーションによる最後の単離段階を行うために、抽出後および加熱段階の後にも、固体を分離する工程が必要である。結局、公知の方法では非常に微量のタンパク質しか得ることができない。とりわけ、約3時間にわたる100℃での加熱に曝露した後に変性しないタンパク質はほとんど得ることができない。最終的に、公知の方法は、主に上述した基準を満たすタンパク質(すなわち、プロテアーゼインヒビターIIおよびカルボキシペプチダーゼインヒビター)のみもたらす。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、植物タンパク質および/またはペプチドを、環境に対する影響が少なく、多量のエネルギーを浪費せず、そして単純かつ安価に、広範な原材料から取得する技術を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、植物タンパク質および/またはペプチドを得る方法、該方法に従って生産されるタンパク質および/またはペプチド、ならびにこれらの利用を提供する。具体的には、以下の[1]〜[22]の発明を提供する。
[1]植物タンパク質および/またはペプチドを得る方法であって、(a)植物タンパク質および/またはペプチドを含む出発材料を水性マトリクス中に調製する工程;(b)必要に応じて、該水性マトリクスから固体成分を除去する、および/または該水性マトリクスを清浄化する、工程;(c)合成ポリマーから構成される少なくとも1つのイオン交換膜上への吸着によって、該水性マトリクスから該タンパク質および/またはペプチドの少なくとも一部を単離する工程;(d)必要に応じて、不純物を除去するために該イオン交換膜をリンスする工程;(e)少なくとも一種の溶出液を用いて該イオン交換膜から該タンパク質および/またはペプチドを解離する工程;(f)該溶出液から該タンパク質および/またはペプチドを単離する工程;ならびに(g)必要に応じて、単離した該タンパク質および/またはペプチドを乾燥させる工程、を包含する、方法。
[2]上記水性マトリクスが、上記出発材料をパルプにすりつぶすか、または該出発材料、特に乾燥した出発材料を粉末に挽くこと;水中で膨張させること;および固体成分を除去すること、によって得られる、[1]に記載の方法。
[3]上記固体成分が、上記出発材料からのデンプンおよび繊維である、[2]に記載の方法。
[4]上記出発材料が、タンパク質含有植物、好ましくは、ジャガイモ、莢果、ダイズ、菜種およびこれらの混合物、特に好ましくはジャガイモからなる群より選択される、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の方法。
[5]上記莢果が、エンドウ、ソラマメ、ルピナス、ダイズおよびこれらの混合物からなる群より選択される、[4]に記載の方法。
[6]工程(b)における清浄化が、マイクロフィルトレーション膜装置にて行われる、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の方法。
[7]少なくとも工程(a)〜(f)が、上記タンパク質および/またはペプチドが凝集または変性する温度よりも低い温度、好ましくは30℃未満の温度にて行われる、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の方法。
[8]工程(c)および/または(e)が、バッチプロセスまたは循環プロセスにて操作される、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の方法。
[9]工程(c)において、少なくとも1つの陽イオン交換膜および少なくとも1つの陰イオン交換膜が用いられる、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の方法。
[10]上記陽イオン交換膜および上記陰イオン交換膜が、平行または直列にて操作される、[9]に記載の方法。
[11]各イオン交換膜が、吸着体モジュール、好ましくはプレート、クロスフローまたはコイルモジュール中に存在する、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の方法。
[12]上記イオン交換膜のポア幅が、マイクロフィルトレーション、ウルトラフィルトレーションまたなナノフィルトレーションを成し遂げるように調整される、[1]〜[11]のいずれか1つに記載の方法。
[13]工程(e)における個々のタンパク質および/またはペプチドあるいはこれらの群の脱離が、多くの種々の溶出液を用いて連続的かつ選択的に行われる、[1]〜[12]のいずれか1つに記載の方法。
[14]上記溶出液が、水溶性の塩溶液、好ましくは塩化ナトリウム溶液および塩化アンモニウム溶液からなる群より選択される、[1]〜[13]のいずれか1つに記載の方法。
[15]工程(f)における単離が、膜ろ過または乾燥によって行われる、[1]〜[14]のいずれか1つに記載の方法。
[16]工程(g)における乾燥が、スプレードライまたはフリーズドライによって行われる、[1]〜[15]のいずれか1つに記載の方法。
[17]工程(c)の前に、上記タンパク質および/またはペプチドの幾分かが沈降され、そして変性/凝集によって上記水性マトリクスから除去される、[1]〜[16]のいずれか1つに記載の方法。
[18]上記変性/凝集が、pHをシフトさせること、有機溶媒を用いること、または塩析によってもたらされる、[17]に記載の方法。
[19][1]〜[18]のいずれか1つに記載の方法によって取得可能な、タンパク質、ペプチドおよび/またはこれらの混合物。
[20]食品、動物の食餌および医薬における、[19]に記載のタンパク質、ペプチドおよび/またはこれらの混合物の、使用。
[21]健康食品、再回復期の老齢患者のための食品、ベビー食品および機能性食品における、[20]に記載の使用。
[22]経口投与、好ましくはカプセル形態のための医薬としての、[20]に記載の使用。
【発明の効果】
【0012】
本発明を用いれば、原材料が限定されず、広範な原材料(一般的なタンパク質含有植物)から植物タンパク質および/またはペプチドを取得し得る。また、本発明を用いれば、環境に対する影響が少なく、多量のエネルギーを浪費せず、そして単純かつ安価である方法によって、植物タンパク質および/またはペプチドを得ることができる。また、本発明を用いて取得された植物タンパク質および/またはペプチドは、食品、動物の食餌および医薬に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、植物タンパク質および/またはペプチドを得る方法を提供することを目的としている。この方法は、従来技術の不利益を克服し得る。同様に、本発明は、広範な原材料に基づいて植物タンパク質および/またはペプチドを取得し得る方法を提供する。すなわち、本発明は、ジャガイモだけでなく一般的なタンパク質含有植物からタンパク質を得るために使用され得る。特に、環境に対する影響が少なく、多量のエネルギーを浪費せず、そして単純かつ安価である様式で本方法を実施することが、本方法自体によって何ら制限を課せられることなく、本プロセスにおいて任意のタンパク質およびペプチドを純粋または混合物にて取得することが可能であるべきであることが企図される。
【0014】
他の目的は、本発明の方法に従って、そして実行可能な利用を特定して、調製されたタンパク質および/またはペプチドを提供することにある。
【0015】
これらの目的は、クレーム1に記載の方法、クレーム19に記載のタンパク質、ペプチドまたはこれらの混合物、およびクレーム20に記載の実現可能な利用によって解決される。好ましい実施形態は、それぞれの従属クレームに示され得る。
【0016】
驚くことに、本発明の方法は、従来技術の方法と比較して、植物を刻む工程、加熱工程および冷却工程、ならびに有機添加物を用いる抽出をさらに行うことなく完全に遂行されることが、見出された。特に、得られるべきタンパク質およびペプチドの選択は限定されない。特定のタンパク質および/またはペプチドの標的化された選択が、選択目的のために本方法を制御することによって、正確な処理パラメータを設定することによって、達成され得る。本方法の結果として、外来タンパク質のない純粋なタンパク質、または広範なタンパク質混合物のいずれかが取得され得、これらは、吸着プロセスの間に同様に振舞う。よって、タンパク質の純度は、脱離工程によって(例えば、透析工程の形態で)本発明に従って任意に調整され得る。これは、特に、試作品の品質が医薬適用に十分である場合、および最終の仕上げ工程のみが滅菌されたGMP条件下で行われなければならない場合に、好都合であり得、これらは、本方法の操作者が、満足することを望み得ない、または満足することを望まない。
【0017】
換言すれば、本発明の方法を用いて、植物出発材料のタンパク質および/またはペプチドを、個々のタンパク質もしくはペプチドまたは同様のタンパク質の小群へ分画することは、非常に穏やかな処理工程を用いて達成され得、非常に広範な種々の生成物を得ることをなお可能にし、高価な処理工程または複雑な処理工程を必要としない。
【0018】
本発明に従うことによる、明らかになる特に有利なことの1つは、イオン交換基がポリマービーズの代わりに膜に固定化されていることである。イオン交換膜を使用することにより、速い流速、全くもしくはほとんど存在しない汚れ、および非常に迅速なローディングを導く。なぜなら、拡散が不要であり、緩衝液および溶出液に用いる化学物質の消費を低減させ、操作を簡易にし、そしてスケールアップを単純化するからである。そして、陽イオン交換器と陰イオン交換器のスイッチングを可能にする。なぜなら、これらは、本発明に従い、異なる膜に結合されているからである。
【0019】
特に、本発明の方法を用いて、イオン交換膜を1つのみ使用することが可能である。このイオン交換膜は、陽イオン交換膜であっても陰イオン交換膜であってもよい。このことは、いうまでもなく、陽イオン交換膜および陰イオン交換膜の組合せもまた使用され得ることを示す。これらはいずれも、任意の組合せにおいて、弱酸性もしくは弱アルカリ性、または強酸性もしくは強アルカリ性であり得る。複数の陽イオン交換膜および/または複数の陰イオン交換膜が、直列または平行にてスイッチされ得ることは、想像し得る。しかし、全ての陽イオン交換膜および全ての陰イオン交換膜が直列にてスイッチされるが、これらの2群が平行にてスイッチされるということも、同様に想像し得る。陽イオン交換膜および陰イオン交換膜がそれぞれの群において平行にてスイッチされるが、これらの2群が直列にてスイッチされるという、逆のアプローチもまた想像し得る。これは、想像可能な全てのバリエーションが本発明に従って可能であり、本発明の範囲内に含まれることを意味する。
【0020】
イオン交換基の膜への結合の他の利点は、以下である。
【0021】
・高電荷密度は小容量でのパッキングを可能にする。このことは、例えば、多孔性ポリマービーズ上に固定化することよりも、より低コストであることを意味する。ここで、多孔性ポリマービーズは、容器中の穿孔の空けられたプレート上に配置され、材料はその周りを流れる。
【0022】
・例えば、合成ポリマーまたは天然のポリマーから構成される多孔性ポリマービーズを用いる場合と同様に、イオン交換分子に達して吸着されるべき分子のためにキャピラリー拡散およびFIck’s拡散が必要ない。対流しか生じ得ない。なぜなら、ローディング溶液は電荷キャリアを有する膜にわたって直接流れるからである。結果として、吸着プロセスはかなり迅速である。循環操作において、電荷キャリアを有する膜および孔を何度も通過することが可能である。このことは、吸着プロセスを実質的に加速し、脱離プロセスもまた加速する。吸着膜は、何度も再利用可能であり、清浄化が容易である。
【0023】
・膜のポア幅は、通常のろ過、マイクロフィルトレーション、ウルトラフィルトレーションおよびナノフィルトレーションの間で、流体ならびに処理および吸着されるべき物質の特性に依存して、任意に調整され得る。よって、イオン交換樹脂のポリマービーズの孔の場合と同様に、ブロッキングや目詰まりをなくすことが可能である。
【0024】
・入手可能な多くの種々の合成膜材料が存在する。これらについては選択にほとんど制限はない。このことは、広範な範囲にわたる(膜透過の)圧力、温度およびpHの処理パラメータの組合せを調整することを可能にする。
【0025】
・中に膜を形成しかつ膜処理の技術的構造を決定するモジュールの構造は、本方法に適合され得る;プレート、クロスフローまたはコイルモジュール。とりわけ、この選択は、膜上に残存する固体の粘度に関してなされ得る。固体粘度が低い場合、コイル構造型のモジュールが好ましく使用され、これは、大きな膜領域が小さな容積内に収容され得、その結果、最も安価なモジュール型である。
【0026】
・モジュールは、バッチ様式または循環様式にて操作され得る。最初の場合、透過物の量と同量のローディング溶液のみが、このシステムから出現するものに供給される。透過物の流れを停止した場合、貯留物は、例えば、リンスすることによって膜から除去されなければならない。循環様式において、ローディング溶液は、モジュールとこの循環内の貯蔵容器との間を流れる。その結果、ローディング溶液は膜を何度も通過され得る。貯留物に含まれる固体は貯蔵容器から連続的に取り除かれる。その結果、2回の清浄サイクルの間において変動のない状態がモジュール内で存在する。
【0027】
以下の記載において、本発明に従う方法の個々の処理工程が、好ましい実施形態に関して記載されるが、本発明の適用がこれらに限定されることは意図されない。
【0028】
本発明に従う植物タンパク質および/またはペプチドを得る方法は、植物出発材料としてのジャガイモに関して記載される。全世界を通じておよそ2,000種のジャガイモが利用可能であり、約50種がデンプンを得るに適切である。なぜなら、これらは、通常17〜22重量%の、不均衡に多い量のデンプンを含む。しかし、原則的には、本発明の方法に従ってタンパク質およびペプチドを得るためには、任意のジャガイモ種が適切である。
【0029】
ジャガイモが清浄化された後、デンプンを得る際の最初の処理工程は、ジャガイモを上質のパルプにすりつぶすことである。次に、タンパク質および/またはペプチドを含むジャガイモ果汁が固体(パルプ中のデンプンおよび繊維)から分離される。デンプンおよび繊維は、例えば、遠心分離によってまたはハイドロサイクロンにおいて分離され得る。得られるジャガイモ果汁は、約20g/Lのジャガイモタンパク質を含み、その約40%が、主要な貯蔵タンパク質であり糖タンパク質の1つであるパタチン(Patatin)であり、約50%がプロテアーゼインヒビター(PI)であり、10%が、高分子量のタンパク質(ポリフェノールオキシダーゼ、キナーゼおよびホスホリラーゼを含む。)である。パタチンは、40〜44kDaの分子量を有し、363アミノ酸からなる。pH7〜9にて、パタチンは80〜88kDaのサイズのダイマーを形成する。PIは、異なるタンパク質の7つのサブクラスを有する異種クラスである。ジャガイモにおけるこれらの機能は、タンパク質の分解であり、そのため、PIは、細菌性の害虫および昆虫から塊茎を保護する際の重要な役割を担う。タンパク質分解の予防は、動物モデルにおける成長阻害として観察される。抗発癌性効果が議論中であり、PI IIによる肥満感の促進は、いくつかの場合に商業的に宣伝されている。PIの主要なクラスはPI I、PI II、ジャガイモシステインPI(PCPI)、Kunitz PI(PKPI)、カルボキシペプチダーゼ(PCI)、セリンPI(OSPI)およびジャガイモアスパルチルPI(PAPI)である。
【0030】
次いで、得られるジャガイモ果汁は、マイクロフィルトレーション膜装置にて分類される。この処理において、膜のポア幅は任意に選択され得、得られるべき所望の生成物に適合され得る。得られるジャガイモ果汁の分類はまた、例えば、溶解した成分を排他的に含む清浄な遠心分離物が得られる限りにおいて、任意の型の遠心分離によることが可能である。これらの工程および以下の工程の全て(工程(g)における乾燥工程を除く。)が、タンパク質および/またはペプチドの凝集温度または変性温度より低い温度、好ましくは30℃未満で行われる。
【0031】
本発明の方法の重要な要素は、タンパク質および/またはペプチドを水性マトリクス(この場合、ジャガイモ果汁)から、合成ポリマーから構成される少なくとも1つのイオン交換膜上への吸着によって、単離することである。このような膜の例は、Sartobind(登録商標)の名称の元でSartorius社から市販されている。
【0032】
本発明に従えば、工程(c)においてタンパク質および/またはペプチドの一部のみが吸着によって水性マトリクスから単離されることが可能である。これは、使用される陽イオン交換膜または陰イオン交換膜と非常に関連している。より正確な分離のために求められていない(すなわち必要ではない)タンパク質および/またはペプチドの幾分かが、工程(c)の前に変性/凝集によってすでに分離され得ることも、想像し得る。変性/凝集は、例えば、pHをシフトさせること、有機溶媒を用いること、または塩析によって行われ得る。
【0033】
ジャガイモ果汁の残余が必要に応じて予め膜からリンスされた後に、特別に適合された溶出液による、イオン交換膜に結合されたタンパク質/ペプチドの標的化された脱離が、同様に重要である。
【0034】
陰イオン性タンパク質を固定化するために、陽イオン基(例えば、トリメチル基)を有するイオン交換膜が使用され得る。一方、陽イオン性タンパク質のために、陰イオン基(例えばスルホメチル基)がイオン交換膜上に存在すべきである。
【0035】
吸着体の膜に対して機械的な保護を提供するために、そして膜の使用可能期間を延長させるために、予備工程として、上述したように、固体、および懸濁している粒子または分散している粒子を除去することが勧められる。このことは、遠心分離またはろ過によって行われ得る。ろ過は、マイクロフィルトレーションまでは標準的なポアサイズにて行われる。0.2μmの適切なポアサイズを有するマイクロフィルトレーションの使用は、全てのタンパク質の通過を可能にするに有利であるが、同時に、タンパク質含有溶液中に存在する任意の微生物を除去し、媒体を滅菌する。その後に、タンパク質および/またはペプチドは、ろ過物、透過物または清浄化されたタンパク質溶液を膜吸着体モジュールに供給することによって膜上に吸着される。この文脈において、広範な処理バリエーションが可能である。最初に、陽イオン交換および陰イオン交換の膜モジュールが、平行または直列にてスイッチされ得る。吸着体の膜は、プレート、クロスフローまたはコイルモジュール系に形成され得る。タンパク質含有ローディング溶液は、デッドエンドプロセスまたは循環プロセスに送達され得る。前者は必然的にバッチプロセスであり、後者はバッチおよび連続的の両方で行われ得る。吸着体の膜のポア幅は、任意に選択され得るが、予備的なろ過段階のポアよりも小さくないことが勧められる。なぜなら、リンス工程で実質的に除去されなければならない物質を、貯留物の形態で吸着体上に作り上げる危険性があるからである。さらに、この貯留物は潜在力を有する生成物からなるので、これはまた収率の低下を意味する。吸着体の膜がタンパク質分子を有して完全に荷電されている場合、ローディング溶液の供給が中断され、不純物を除去するために膜は必要に応じて清浄にされ得る。清浄化はまた、水または清浄な溶液を用いてもたらされ得るが、後者はタンパク質を変性すべきではない。なお、荷電されているかどうかは、例えば、膜からの流出における、デッドエンド操作における、透過物自体における導電率を測定することによって分析的に容易に決定され得る。
【0036】
次いで、膜に付着している生成物は、慣用的なクロマトグラフィープロセスにおいて、1つ以上の溶出液を用いて選択的に脱離され得る。このことは、塩溶液を用いて好ましく行われる。溶出液の組成および濃度は、溶出されるべきタンパク質およびペプチドに依存する。典型的には、塩化ナトリウム溶液および塩化アンモニウム溶液が用いられるが、ここでの選択は、実質的には限定されず、タンパク質の特性によって決定される。緩衝化塩および緩衝液(例えばリン酸緩衝液)を添加することもまた可能である。溶出されたタンパク質は変性していないので、溶出液中にて低濃度で存在させるべきである。よって、乾燥工程前の濃縮工程が好都合である。さらに、この様式にて単離されたタンパク質の純度は、滅菌水または水道水を用いてリンスすることによって任意に調整され得る。循環様式におけるプレート、クロスフローまたはコイルモジュール系でのウルトラフィルトレーション膜が、これらの2つの処理工程に使用される場合、ろ過および濃縮は、例えば、ウルトラフィルトレーション膜のポアを通って透過するに過ぎない多量のリンス水を貯蔵容器中に絶え間なく補充することによって、同時に行われ得る。純度は、透過物における電気的な導電率を測定することによって、効果的にモニタリングされ得る。
【0037】
次の処理工程において、例えば、適切なポア幅を有する膜上の、溶出液とタンパク質モジュールとを乾燥または分離することによって、生成物が溶出液から単離される。これは、好ましくは、ウルトラフィルトレーションまたはナノフィルトレーションの範囲まで拡張され、さらには、逆浸透圧、ダイアフィルトレーションかつ濃縮、濃縮のみ、またはダイアフィルトレーションのみにまで拡張される。
【0038】
最終工程として、乾燥工程が必要に応じて行われる。これは、穏やかなフリーズドライまたはスプレードライを用いるに好都合である。強烈な加熱は生成物に損傷を生じさせ得るので避けられるべきであるが、他の型の乾燥工程もまた可能である。
【0039】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0040】
また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
【実施例】
【0041】
以下の実施例は、本発明の方法をより詳細に実証する。
【0042】
〔実施例1〕
80mの表面積、0.4mgタンパク質/cmの結合能を有する陰イオン交換モジュールは、320gのタンパク質を結合し得る。ジャガイモ果汁中のタンパク質の50%がPIであり、これは約10g/Lである。32Lのジャガイモ果汁がアプライされた後、次いでモジュールの能力は排出される。典型的な流速300L/hを用いて、排出に約6.5分間費やす。その後、PIタンパク質が溶出され得る。
【0043】
〔実施例2〕
80mの表面積、0.25mgタンパク質/cmの結合能を有する陽イオン交換モジュールは、200gのタンパク質を結合し得る。ジャガイモ果汁中のタンパク質の40%がパタチンであり、これは約8g/Lである。1Lのジャガイモ果汁からのパタチンの完全な結合には、3.3mの膜が必要である。よって、330mの膜上に、125Lのジャガイモ果汁から1kgのパタチンが吸着され得る。その後、パタチンが溶出され得る。
【0044】
〔実施例3〕
本発明の方法の主要な利点の1つは、膜吸着体、リンス液および溶出液の再利用が可能であることである。
【0045】
15cmの表面積を有する陽イオン交換モジュールに、濃度10mg/mLのBSA溶液(BSA=仔ウシ血清アルブミン)1.5mLをロードした。これは、約20mgの最大ロード量よりわずかに少ない。長期間の安定性を同定するためのスキームを、ロード、リンス、溶出およびリンスによって行う。リンス液は、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)であり、溶出液は同じ緩衝液中に1M NaClを含む溶液である。1サイクルに21.5分を費やす。時間経過の過程において、溶出ピークが広がることは必然的であり、膜が目詰まりすることなく、何ら裂け目が生じることなく、65サイクルまで用いることができる。リンス工程を5分間まで伸ばす場合は、膜を洗浄することなく100サイクルよりも多く用いることができる。108サイクル目に裂け目が生じた。0.5M水酸化ナトリウム溶液を用いた洗浄の後に、膜は再度フリーになった。その結果、生産プロセスを再度行うことができた。この様式にて、1つの吸着体モジュールを摩滅する前に数千サイクル用いることができる。
【0046】
〔実施例4〕
不利益の1つが、リンスおよび溶出の際に多量の水および塩を消費することである。よって、溶液を数回再利用し得ることは非常に好都合である。1サイクル後の溶出液および0.4mgタンパク質/mLのローディングを、溶出に再利用した。このローディングは0.86mg/mLであった。4回の溶出の後、濃度は1.2mg/mLまで上昇した。溶出液(水、塩および緩衝液)を75%節約し得た。
【0047】
図1は、本発明に従って処理する前のジャガイモ果汁中の総タンパク質、ならびに本発明の方法に従って得られたタンパク質およびタンパク質画分の、SDS−PAGEゲルを示す。このタンパク質画分は陽イオン交換吸着体の膜および陰イオン交換吸着体の膜の上に固定化され、そして再度溶出した。
【0048】
図1に示すように、陰イオン交換膜を介した、標的化したパタチンの単離、および陽イオン交換膜を介した、標的化したPIの単離をなし得た。そしてこれらのタンパク質を実質的に純粋な形態で分離し得た。これは、本発明の方法の利点を今一度みごとに実証する。
【0049】
本発明に従って得られたタンパク質および/またはペプチドは、例えば、機能性食品(すなわち生理学的にポジティブな効果を有する食品)に用いられ得る。本発明に従って得られたタンパク質および/またはペプチドはまた、疾患に対抗するため、疾患を防ぐため、ならびに性能および満足感を改善するために使用され得る。本発明に従って調製されたタンパク質および/またはペプチドの好ましい利用の1つは、製薬形態(例えば、カプセル形態)である。この場合、プロテアーゼインヒビターIIは特に興味深い。なぜなら、プロテアーゼインヒビターIIの、欲求を抑制する効果が知られており、プロテアーゼインヒビターIIは例えばハードゲルカプセルに容易にパッキングされ得るからである。
【0050】
上述した記載、特許請求の範囲、図面に開示された本発明の特性は、種々の実施形態における本発明を個々におよび任意に組み合わせての両方で実行するに重要である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明を用いれば、食品、動物の食餌および医薬に用いることができる植物タンパク質および/またはペプチドを、広範な原材料から、環境に対する影響が少なく、多量のエネルギーを浪費せず、そして単純かつ安価に得ることができるので、食品分野、医薬分野等に大いに貢献し得る。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、ジャガイモ果汁中の総タンパク質、陽イオン交換膜に吸着したタンパク質画分および陰イオン交換膜に吸着したタンパク質画分のSDS−PAGEゲルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物タンパク質および/またはペプチドを得る方法であって、
(a)植物タンパク質および/またはペプチドを含む出発材料を水性マトリクス中に調製する工程;
(b)必要に応じて、該水性マトリクスから固体成分を除去する、および/または該水性マトリクスを清浄化する、工程;
(c)合成ポリマーから構成される少なくとも1つのイオン交換膜上への吸着によって、該水性マトリクスから該タンパク質および/またはペプチドの少なくとも一部を単離する工程;
(d)必要に応じて、不純物を除去するために該イオン交換膜をリンスする工程;
(e)少なくとも一種の溶出液を用いて該イオン交換膜から該タンパク質および/またはペプチドを解離する工程;
(f)該溶出液から該タンパク質および/またはペプチドを単離する工程;ならびに
(g)必要に応じて、単離した該タンパク質および/またはペプチドを乾燥させる工程
を包含する、方法。
【請求項2】
上記水性マトリクスが、
上記出発材料をパルプにすりつぶすか、または該出発材料、特に乾燥した出発材料を粉末に挽くこと;
水中で膨張させること;および
固体成分を除去すること
によって得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記固体成分が、上記出発材料からのデンプンおよび繊維である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記出発材料が、タンパク質含有植物、好ましくは、ジャガイモ、莢果、ダイズ、菜種およびこれらの混合物、特に好ましくはジャガイモからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
上記莢果が、エンドウ、ソラマメ、ルピナス、ダイズおよびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程(b)における清浄化が、マイクロフィルトレーション膜装置にて行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも工程(a)〜(f)が、上記タンパク質および/またはペプチドが凝集または変性する温度よりも低い温度、好ましくは30℃未満の温度にて行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
工程(c)および/または(e)が、バッチプロセスまたは循環プロセスにて操作される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
工程(c)において、少なくとも1つの陽イオン交換膜および少なくとも1つの陰イオン交換膜が用いられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
上記陽イオン交換膜および上記陰イオン交換膜が、平行または直列にて操作される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
各イオン交換膜が、吸着体モジュール、好ましくはプレート、クロスフローまたはコイルモジュール中に存在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
上記イオン交換膜のポア幅が、マイクロフィルトレーション、ウルトラフィルトレーションまたなナノフィルトレーションを成し遂げるように調整される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程(e)における個々のタンパク質および/またはペプチドあるいはこれらの群の脱離が、多くの種々の溶出液を用いて連続的かつ選択的に行われる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
上記溶出液が、水溶性の塩溶液、好ましくは塩化ナトリウム溶液および塩化アンモニウム溶液からなる群より選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
工程(f)における単離が、膜ろ過または乾燥によって行われる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
工程(g)における乾燥が、スプレードライまたはフリーズドライによって行われる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
工程(c)の前に、上記タンパク質および/またはペプチドの幾分かが沈降され、そして変性/凝集によって上記水性マトリクスから除去される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
上記変性/凝集が、pHをシフトさせること、有機溶媒を用いること、または塩析によってもたらされる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法によって取得可能な、タンパク質、ペプチドおよび/またはこれらの混合物。
【請求項20】
食品、動物の食餌および医薬における、請求項19に記載のタンパク質、ペプチドおよび/またはこれらの混合物の、使用。
【請求項21】
健康食品、再回復期の老齢患者のための食品、ベビー食品および機能性食品における、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
経口投与、好ましくはカプセル形態のための医薬としての、請求項20に記載の使用。

【図1】
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【公開番号】特開2008−222716(P2008−222716A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62990(P2008−62990)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(508071319)エムスランド−シュテルケ ゲーエムベーハー (4)
【氏名又は名称原語表記】Emsland−Staerke GmbH
【住所又は居所原語表記】Emslandstrasse 58, 49824 Emlichheim, Germany
【Fターム(参考)】