説明

検査方法及びこれを実施するために用いる検査装置

【課題】電子回路にかかる負荷を低減して電子部品の端子浮きを検査する検査方法及び検査装置を提供する。
【解決手段】
信号端子に保護ダイオードを内部に有する電子部品を搭載したプリント基板103にプローブ105を接触させ、保護ダイオードに順方向となる電圧を印加して電気的特性値を取得し、取得した電気的特性値を用いて端子浮き検査をする。振動機構9は、プリント基板103に対して電子部品を引き離す方向或いは押し上げる方向に交互に振動させる。この振動に同期して、振動が電子部品を引き離す方向であるときに複数回プローブ105を介してパルス信号を印加し、プローブ105を流れる電気的特性を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICパッケージ等の電子部品をプリント基板に実装した際の端子浮きを検査する検査方法、および、この検査方法を実施するために用いる検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板に電子部品が確実に半田付けされているか否かを検査する方法として、電子部品の保護ダイオードを導通状態にし、その導通状態を示す電気的パラメータに基づいて端子浮きを判別する検査方法が用いられている。
例えば、特許文献1においては、保護ダイオード(または寄生ダイオード、以下総称して保護ダイオードと称する)の順方向の閾値電圧よりもやや高い電圧を印加して、電流値を測定している。端子浮きが無ければ或いは接合状態が良好であれば、検出された電流は保護ダイオードの順方向特性で定まる所定の範囲内に収まる。また、断線状態であれば、検出された電流は所定範囲を大きく下回ることになり、端子浮きを判別することができる。
【0003】
さらに、特許文献2においては、プリント基板のパターン上にバイパスコンデンサや浮遊容量が存在し、これらによる時定数により検査時間が延びることを抑制するため、直流電圧に対して浮遊容量等の持つ時定数よりも十分小さい周期を持つ交流電圧を重ね合わせて、浮遊容量等の影響を受けずに短時間で端子浮きを判別する検査方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-4709号
【特許文献2】特開平11-248781号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の端子浮き検査方法には、以下の問題点がある。すなわち、保護ダイオードに対して順方向に電流を流すために電流量が大きくなりすぎて電子部品を壊すことになってしまうことを避けるため、印加できる電圧値を大きくすることが出来ない。特許文献2によると、0.7ボルトの直流電圧に0.1ボルト(1KHz)の交流電圧が利用されている。ダイオードはキャリアの移動に最低限必要な電圧(ポテンシャルバリア)があり、順バイアスで使用する場合は、順方向電圧分の電圧降下が生じる。従って、検査に利用できる電圧は印加した電圧よりもさらに小さくなる。また、保護ダイオードは、ツェナー特性については、保証されているが、順バイアスに対し、どのような特性を示すのかは保証がない。従って、大きな電流を流してしまう可能性もある。電流値測定のために、1オーム程度の小さな抵抗を用いて両端の電圧を測定するが、このような小さな電圧では有意義な検出データを得ることが困難である。
【0006】
また、端子浮きは、実際に浮いていて導通が無い状態であるだけではなく、半田溶融しておらず、プリント基板と電子部品が半田により濡れた状態で接続されていない場合や、電気的な接続はしているがクラックが入っている場合もある。このような場合には、電子部品の端子とプリント基板のパターン間の接続抵抗は正常なものよりも高い抵抗値を示すが、一応は導通するため、接続抵抗をきめ細かく測定しないと、端子浮きを検出することはできない。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、保護ダイオードに大きな電圧を印加した上で電子部品の端子浮きについての検査を行うことが可能な検査方法および検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明では、信号端子に保護ダイオードを内部に有する電子部品を搭載したプリント基板に対し、当該プリント基板表面に現れた回路パターンにプローブを接触させ、前記信号端子を介して前記保護ダイオードに順方向となる電圧を印加して電気的特性値を取得し、取得した電気的特性値を用いて端子浮き検査をする検査方法において、前記プリント基板に対して搭載された電子部品を引き離す方向或いは押し上げる方向に交互に振動を与え、前記振動に同期して、振動が電子部品を引き離す方向であるときに複数回、前記保護ダイオードに対して当該保護ダイオードのポテンシャルバリアを超える電圧のパルス信号を、前記プローブを介して印加し、当該プローブを流れる電気的特性を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
保護ダイオードに大きな電圧を印加した上で、電子部品の端子とプリント基板のパターン間の接続抵抗を大きな電流値により測定可能であるため、電子部品の端子浮きについての検査をより正確に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】電子部品のテストを行う様子を示す図である。
【図2】測定波形を示す図である。
【図3】探針装置を示す図である。
【図4】振動機構を示す図である。
【図5】検査装置を示す図である。
【図6】パルス波形と振動の時間関係を示す図である。
【図7】設定、検査ルーチンを示す図である。
【図8】判定ルーチンを示す図である。
【図9】測定波形を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、入力、出力、或いは入出力端子102(信号端子)に保護ダイオード101が内部に設けられている電子部品100を示している。保護ダイオード101は、アバランシェ降伏の現象を積極的に利用して,この機能に特化したダイオードである。信号用のダイオードとは違い、順方向電圧に対する応答性能は保証されたものではないが、0.1msec前後のオーダであり低速である。
【0012】
図1Bは、保護ダイオード101に対してテストを行う様子を示している。図において、端子102に接続されたプリント基板103上のパターン(パッド又はランド等)10104にプローブ105を押し当て、抵抗(1.3オーム)106を介して保護ダイオード101に対して順方向となる電圧V(2.8ボルト)を、電圧供給端x−yに印加している。このときの抵抗106における電圧降下を測定した結果を図2に示す。
【0013】
図2において、波形α(図2B)は電圧Vの波形、波形aは電圧Vの観測波形であり、波形bは抵抗両端の観測波形である。波形aは、波形αに対して時定数をもって立ち上がっている。これは、電圧供給端x−yの間に存在する、電子部品100内部の回路や、経路途中の抵抗、容量の影響による。波形aの立ち上がり期間p1において、波形bはこれに追従する。これは、保護ダイオード101が導通しておらずコンデンサのように機能するからである。その後、時点t1において保護ダイオードが導通する。期間p2において、期間p1の間に保護ダイオード101に蓄積された電荷が放電されるため、波形bは0レベルを下回り逆方向に振れる。その後、期間p3の過渡期ののち、時点t3(250msec)以降に定常状態の電圧値を示す。この例の場合は、0.03ボルトであり、抵抗106が1.3オームであるので、390mAの電流が流れている。電子部品にもよるが数十乃至数百mA程度の電流値は、電子部品に対してダメージを与える可能性があるため、長く流しておくことはできない。
【0014】
本実施例においては、波形aとして、保護ダイオード101の定常状態に至るよりも短いパルス幅を持つパルス信号c(図2C)を用いることとする。また、プリント基板103に対して振動を与えて、プリント基板のパターンから浮いている端子を振動により跳ね上げることにより、断線状態を確認する。この際にプリント基板103に対して与えられる振動は、パルス信号cと同じかその数倍の波長の振動を用いる。尚、プリント基板103の共振周波数は、数百MHzのオーダであるため(ガラス基板)、プリント基板に与えられた振動は、ほぼどの地点においてもほぼ同様の振動振幅状態にあると予想できる。
【0015】
図3は、本実施例に係る探針装置1を示している。探針装置1は、上下に配置された4角形状のテーブル2a、2bと、テーブル2a、2bの4隅に設けられたガイド3と、ガイド3に沿ってスライドする上冶具取付板4a及び下冶具取付板4bとを有している。上冶具取付板4aと下冶具取付板4bの夫々に対して、ガイド3に沿って上下動可能とするために、モータ5a、5bと、モータ5a、5bにより回転駆動されるボールネジ6a、6bが設けられている。モータ5a、5bを駆動させるとボールネジ6a、6bが回転し、これに螺合した上冶具取付板4a及び下冶具取付板4bが上昇・下降する。上冶具取付板4a及び下冶具取付板4bに夫々取り付けられる冶具7a、7bは、検査対象のプリント基板103上に搭載された電子部品100における入力、出力、入出力端子、接地端子、および電源端子に接続されプリント基板103の表面に現れたパターン(パット゛或いはランド)にそれぞれ接触するプローブ105が多数取り付けられている。冶具7a、7にはさらに振動機構9が取り付けられており、プリント基板103に対してプローブ105が押し当てられるのに並行して、プリント基板103に接触し振動を与える。尚、振動機構9がプリント基板103の上下に配置されているのは、電子部品100がプリント基板103の両面に配置されているからである。
【0016】
図4は、振動機構9の拡大断面図である。振動機構9は、固定冶具8(図3においては、冶具7a、7に固定した)に正極、負極のバネ式の端子10a、10bを介して振動体11を接続したものであり、振動体11にはプリント基板103を保持する保持材料12が取り付けられている。振動機構9に電圧を印加すると、電子部品100をプリント基板103から引き離す方向にプリント基板103を押す。電圧印加が止まると、端子10a、10bにより復帰する。これにより、1回の振動を発生する。
【0017】
次に、検査装置20の回路構成について、図5を用いて説明する。検査装置20は、探針装置1、計算機30、テスタ20を備えている。計算機30は、CPU31、RAM32、ROM33及び各種外部インターフェイス35,36,37を備えている。第1インターフェイス35は、外部接続用のインターフェイスであり、他の計算機や表示画面や入力装置(図示せず)が接続される。第2インターフェイス36は、振動機構9を制御するインターフェイス、第3インターフェイス37はテスタ40を制御するインターフェイスである。ROM33には、後述するプログラムが格納されており、また、RAM32には、検査する対象となるプリント基板上のパターンの位置と、そのパターンが電源、或いは接地(グランド)であるか、または電子部品の入力、出力或いは入出力端子のいずれに接続されているかを示すデータ37が格納されている。テスタ40は第3インターフェイス36から指定されたプリント基板103の位置に対応するプローブ105に対して、指定されたタイミング、印加時間でパルス状の電圧を印加し、また抵抗104を介してプローブ上の信号を電圧信号にして読み取るものである。振動機構9は、第2インターフェイス35により指定されたタイミング、時間間隔でプリント基板103に対して振動を与える。
【0018】
図6は、パルス波形と振動の時間関係を示す図である。図6Aは、振動のパターンを示しており、第2インターフェイス35から振動機構9に与える制御電圧dを示している。図6Bは、第3インターフェイス36からテスタ40に対して指示するパルスcのタイミング、印加時間、電圧値を示している。これらは、振動機構9への制御電圧dに同期して与えられる。図中、r0〜r5は、第1インターフェイス34を介して外部の計算機または入力装置(図示せず)から指定されるパラメータであり、振動機構9による制御電圧印加開始時点T0から経過時間を示している。r0は、振動機構9による機械応答遅れを調整するパラメータであり、r1からr5は、パルス周期とデューティを示している。
【0019】
制御電圧を印加すると(オン状態)、図4において図面下向きに振動機構9が動作して、電子部品100をプリント基板103から引き離すように作用させる。制御電圧の印加を止めると(オフ状態)、プリント基板103は電子部品100を下から押し上げるように作用させる。
【0020】
V0も第1インターフェイス34から与えられるパラメータであり、パルスcの電圧値を示している。また、パルスcが印加されている期間(r1、r3、r5)の範囲内でどの時点で、抵抗105により得られる電圧値を測定するか否かも第1インターフェイスを介してパラメータGとして与えられ、テスタに設定される。具体的には、パルスcの立ち上がりからの経過時間がパラメータGである。
【0021】
パラメータGのタイミングとしては、図2Cにおいて期間p3の範囲内おけるタイミング(波形cの立下りの直前)である。テスタ40は、このパラメータGに基づき、指定されたプリント基板103のパターン位置に対応するプローブ105を用いてテストを行う。
【0022】
図7は、計算機30のフローを示す図である。図7Aは、テスタ40への設定ルーチンである。計算機30は、第1インターフェイス34から各パラメータを入力し、検査すべきプリント基板103の位置情報(データ37、図5)とともにテスタ40のメモリ41に設定する。
【0023】
図7Bは、検査フローを示しており、まず、振動機構9への制御電圧をオンオフして、プリント基板103の振動を開始する。振動しばらく行った後、振動機構9への制御電圧をオンにするとこれに同期して、テスタ40に測定指示を行う(計算機30の命令処理時間は、数100nsecなのでステップs1とs2は同時と見て良い)。テスタ40への指示は、1つのプローブ105に対してである。テスタ40は、設定ルーチンにより予め設定されたパラメータを用いて測定を開始する。一回の振動に対して数回(実施例では3回)測定した後、プリント基板103を元の状態にし、これを数回(実施例では3回)繰り返す。
【0024】
この動作を、電子部品100の検査対象となる全ての端子102について行う。検査が終了すると、テスタ40から電気的特性値を測定結果として入手する。そして、抵抗105により得られた電圧を端子102の接続抵抗を表す電気的特性として、その値最大値、最小値、平均値を求めて第1インターフェイスを介して外部に出力する。本実施例では、振動機構による振動の周期は1.5msecであり、パルス信号cの周期(t1+t2)は0.4msecである。
【0025】
図8は、プリント基板103の良否を判定する判定フローを示したものである。最初に電子部品を実装した欠陥のないプリント基板に対して図7の検査フローによる検査を行い、その後に試験対象のプリント基板103の検査を図7の検査フローに従い同様にして行う。そして、夫々により、得られた最大値、最小値、平均値を比較して、試験対象のプリント基板103の良否判定を行う。
【0026】
最大値、最小値、平均値として検出された値は、電子部品100の端子102とプリント基板103のパターン間の接続抵抗の値に対応するものであるため、欠陥のないプリント基板に対して許容範囲を下回る小さな値を示すプリント基板103は、接続抵抗が正常よりも高く端子浮きがあるものとして、不良判定される。
【0027】
本実施例においては、パルス波形cを用いて、0.1msecオーダの短い時間内に限って保護ダイオード101を通電させるため、電子部品に対する負荷が少ないという効果がある。抵抗104に従来と比較して大きな検出値が表れるため、検出制度があがるという効果がある。
【0028】
また、そのパルス信号cも、振動機構9と同期して与えているため、プリント基板103を電子部品100から引き離す方向に移動させる瞬間を捉えて、導通状態を取得することになり、端子浮きがある場合の検出確度が高められるという効果がある。
【0029】
上記実施例においては、保護ダイオード101を定常状態にして測定を行ったが、保護ダイオード101の過渡的な状態における検査を行う実施例を以下に示す。
図9において、図9Bは電圧供給端x−yの間に与える保護ダイオード101に対して、定常状態に達するよりも短いパルス周期の波形βを示しており、図9Aはパルス信号βを与えたときの観測波形eを抵抗104の両端の観測波形fを示す。パルス信号eの立ち上がり直後の期間paにおいては、図2に示した期間p1と同じく保護ダイオード101はコンデンサとして働く。その後時点tbにおいて、保護ダイオード101が導通する。その後期間pbにおいて、過渡的な応答を示す。時点tcにおいてパルス信号eが立ち下がると、保護ダイオード101に蓄積されたキャリアより0ボルトを大きく下回る波形が期間pcにおいて観測される。その後、期間pdにおいて徐々に0ボルトに降下する波形がみられる。この期間においては、保護ダイオードが非通電状態となり電圧供給端間x−y(図1)間の容量が放電している。パルス信号eが立ち上がる時点te以降、paからpdまでの波形が繰り返される。ここで、一回目のパルスよりも2回目以降のパルスにおいて、保護ダイオード101が導通した際の波形が安定して同じ波形を示している。
【0030】
このように短い時間周期でパルス信号eを与えたときの波形上の電圧をサンプリングして検出結果とする。具体的には、期間paの正のピーク電圧と期間pcの負のピークを取得する。或いは期間pdの正のピーク値又は期間pbにおける負のピークを取得しても良い。
【0031】
正負のピーク電圧を取得するには、先の実施例におけるテスタ40の設定ルーチン(図7A)において、測定するタイミング(パラメータG)を指定する代わりにテスタ40に対して期間(pa〜pd)を定めて、正或いは負のいずれかのピーク値の測定を行うように設定する。ピーク値を取得するには、テスタ40において短い周期でサンプリングした計測値を順次比較して絶対値が大きいもののみを残す回路構成を採用すればよい。他のタイミング等のパラメータは先の実施例と同様である。この結果、検査ルーチン(図7B)において先の実施例と同様に、振動機構9にパルス信号eが与えられて、電子部品100から離れる方向にプリント基板103を押している期間において、いくつかのパルスについて抵抗106の両端で正負ピーク電圧を計測する。テスタ40からは、先の実施例と同様に、期間pa(或いはpd)における最大値、最小値、平均値と、期間pc(或いはpb)の最大値、最小値、平均値が、計算機20により求められる。そして、判定フロー(図8)に従い、プリント基板103の良否が判定される。
【0032】
本実施例によれば、保護ダイオード101に対しては、高い電圧を掛けた状態でありながら、その過渡応答を利用しているため、抵抗104に表れる信号値は大きいが、保護ダイオード101は深い導通状態に至っておらず、電子部品100に対する負荷が少ないという効果がある。
【0033】
上記実施例においては、期間pa(或いはpd)における最大値、最小値、平均値、期間pc(或いはpb)における最大値、最小値、平均値を求めたが、テスタ40において正負のピーク間の電圧値に対する最大値、最小値、平均値を出力しても良い。また、テスタは、期間P1〜pdの夫々の中で最大値を測定するものの代わりに、期間P1〜pdを指定せずパルスの1周期の中でのサンプル測定値のうち単に正側の最大値、負側の最大値を残すようにして、測定するものでも良い。
【符号の説明】
【0034】
1 探針装置
9 振動機構
20 検査装置
30 計算機
40 テスタ
100 電子部品
101 保護ダイオード
103 プリント基板
105 プローブ
106 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号端子に保護ダイオードを内部に有する電子部品を搭載したプリント基板に対し、当該プリント基板表面に現れた回路パターンにプローブを接触させ、前記信号端子を介して前記保護ダイオードに順方向となる電圧を印加して電気的特性値を取得し、取得した電気的特性値を用いて端子浮き検査をする検査方法において、
前記プリント基板に対して搭載された電子部品を引き離す方向或いは押し上げる方向に交互に振動を与え、
前記振動に同期して、振動が電子部品を引き離す方向であるときに複数回、前記保護ダイオードに対して当該保護ダイオードのポテンシャルバリアを超える電圧のパルス信号を、前記プローブを介して印加し、
当該プローブを流れる電気的特性を測定することを特徴とする検査方法。
【請求項2】
請求項1において、前記プローブを流れる電気的特性の測定は、前記パルス信号が立ち上がった後、前記プローブを流れる電流値が定常値に至ったタイミングを予め指定して測定することを特徴とする検査方法。
【請求項3】
請求項1において、前記プローブを流れる電気的特性の測定は、前記パルス信号の1周期の範囲内において、正負の最大値を測定することを特徴とする検査方法。
【請求項4】
信号端子に保護ダイオードを内部に有する電子部品を搭載したプリント基板に対し、当該プリント基板表面に現れた回路パターンにプローブを接触させ、前記信号端子を介して前記保護ダイオードに順方向となる電圧を印加して電気的特性値を取得し、取得した電気的特性値を用いて端子浮き検査をする検査装置において、
前記プリント基板に対して搭載された電子部品を引き離す方向或いは押し上げる方向に交互に振動を与える振動機構と、
前記振動に同期して、振動が電子部品を引き離す方向であるときに複数回、前記保護ダイオードに対して当該保護ダイオードのポテンシャルバリアを超える電圧のパルス信号を、前記プローブを介して印加するテスタとを有し、
前記テスタは当該プローブを流れる電気的特性を測定することを特徴とする検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−21785(P2012−21785A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157496(P2010−157496)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000108753)タツモ株式会社 (73)
【Fターム(参考)】