説明

極低温流体海中移送システム

本発明は、2つの場所相互間で極低温流体を移送するシステム及び方法に関する。具体的には、本発明の幾つかの実施形態は、液化天然ガスを含む極低温流体を外航船から第2の場所に移送するための極低温立上り管及び回転自在な連結部を用いるシステム及び方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年10月15日に出願された米国仮特許出願60/619,383号の利益を主張する出願である。
【0002】
本発明は、極低温流体を2つの場所相互間で移送するシステム及び方法に関する。本発明は、2つの場所相互間で極低温流体を移送するシステム及び方法に関する。具体的には、本発明の幾つかの実施形態は、液化天然ガスを含む極低温流体を外航船から第2の場所に移送するための極低温立上り管及び回転自在な連結部を用いるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大量の天然ガス(即ち、主としてメタン)が、世界の遠隔地に存在している。このガスは、経済的に市場に出すことができれば著しく高い価値を有する。貯留ガスが適度に市場に近接して位置し、2つの場所相互間の地形が許す場合、一般に、ガスが産出され、次に水中及び(又は)陸上パイプラインを通って市場に運搬される。しかしながら、パイプラインを敷設することが実現不可能であり又は経済的に許されない場所でガスが産出されると、このガスを市場に出す他の技術を用いる必要がある。
【0004】
パイプラインを用いないでガスを運搬する際に一般的に用いられる技術では、ガスを産出場所、又はその近くで液化し、次に液化天然ガスを運搬船に載せられている特別設計の貯蔵タンクに入れて市場に運搬する。天然ガスを冷却し、液体状態に凝縮して液化天然ガス(“LNG”)を生じさせる。LNGは典型的には(常にそうであるとは限らない)実質的に大気圧で且つ約−162℃(−260°F)の温度で運搬され、それにより運搬船に載せている特定の貯蔵タンク内に貯蔵できるガスの量を著しく増大させる。LNG運搬船が目的地に到着すると、典型的には、LNGは、他の貯蔵タンク内に荷降ろしされ、次にLNGを必要に応じて再揮発させ、そしてかかる貯蔵タンクからパイプライン等を介して最終使用者まで運搬することができる。LNGは、主要なエネルギー消費国家に天然ガスを供給する益々高い人気を博している運搬方法である。
【0005】
現在、ターミナル、又は終端地扱い所でのLNG運搬船への全てのLNGの搬入搬出は、横付け−水面上−極低温荷積みアーム(「ハードアーム」)で行われ、これらハードアームは、スイベルにより互いに連結された釣合重り付きハードパイプ(hard piped)要素から成っている。非常時切り離し機能を備えた特別なコネクタが、荷積みアームの端部のところに設けられている。このコネクタは、典型的にはLNG運搬船の船体中央部の近くに設けられたLNG運搬船カーゴマニホルドのフランジと結合する。荷積みアームがカーゴマニホルドのところで連結できるようにするためにはLNG運搬船をバース(埠頭)に横付けして係留しなければならないので、上述の構成は、横付け荷降ろし/荷積みとして知られている。
【0006】
沖合いターミナルの場合、横付け−水面上−荷降ろしが一般的である。LNG荷積みアームの船舶用バージョンは、全て連結を可能にし、次に沖合いでのLNGの移送を可能にする専用スイベル、強固な構造部材及び標的システムを備えた特殊エンドコネクタを備えるよう設計されている。これらの場合、LNG運搬船は典型的には、船とバース構造物との間の損傷を生じさせる接触を防止するためにナイロン製の係留ライン及びフェンダを用いてターミナルバースに横付けして係留される。評価の続行を必要とする技術上及び操作上の観点が存在するが、船舶横付け荷降ろしは、従来型LNG移送技術の延長線上にあると考えられる。
【0007】
軽度の(穏やかな)及び中等度の(程々の)環境では、沖合い横付け荷降ろしは、許容限度内の操作性を達成できる。しかしながら、環境の厳しさが増すにつれ、その横付け停泊及び荷降ろしを行うことができる時間が減少する。制限要因としては、LNG運搬船の係留ラインの張力及びタグボートの性能並びに荷積みアームの許容限度が挙げられる。
【0008】
変形例として、タレット、立上り管及び海中ガスパイプラインによる天然ガス(気体の状態)を移送するシステムが設計され、ライセンス供与されて稼働可能となり、建造されている。かかる例としては、エクセレレート(Excelerate)の「エネルギー・ブリッジ(Energy Bridge)」及びレイフ・ホー/ハムワーシー(Leif Hoegh/Hamworthy)のシップ・リガシフィケーション・ベッセル(Ship Regasification Vessel)(SRV)構想が挙げられる。エネルギーブリッジ及びSRV構想は、切り離し可能なタレットを用いている。追加の技術背景が、インゲブリグトセン等に付与された米国特許第5,983,931号明細書、マンドリンに付与された米国特許第5,025,860号明細書、ブレイビック等に付与された米国特許第5,878,814号明細書、ブレイビック等に付与された米国特許第6,003,603号明細書、ポルダーバートに付与された米国特許第6,517,290号明細書、フリム等に付与された米国特許第6,546,739号明細書、コースガード名義の国際公開第WO2004/080790号パンフレット、バーンに付与されたドイツ国特許第2,382,809号明細書、ブレイビック等名義の国際公開第WO93/24733号パンフレット及び同第WO93/24732号パンフレット、フリム等に付与された米国特許出願公開第2002/174662号明細書、ボーセス等に付与された米国特許第5,651,708号明細書、シグマンドスタッド等に付与された米国特許第5,697,732号明細書、フランス国特許第2,770,484号明細書(ドリス・エンジニアリング社)、コースガード等に付与された米国特許第5,305,703号明細書、国際公開第WO02/092423号パンフレット(インゲニウムエーエス;フォッソ,ヤン)、コースガード等に付与された米国特許第5,339,760号明細書及びブレイビック等に付与された米国特許第5,628,657号明細書に見ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年に見られるLNG需要の増大により、送られたガスの費用を減少させるために、新たなLNG移送プロジェクトの費用、設計及びスケジュール効率に置かれる重点が増大している。費用、設計及びスケジュール効率の改善は、大規模なLNG移送プロジェクトと関連した実質的な商業的リスクを軽減するのを助けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、極低温流体を浮き船と第2の場所との間で運搬するシステムを含む。このシステムは、第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温立上り管を有し、第1の立上り管は、第1の立上り管の第1の端部の垂直位置を変化させることができるようになっており、第1の立上り管の第2の端部は、水域内に位置すると共に第2の場所と流体連通状態にあり、第1の立上り管の少なくとも一部は、断熱されている。このシステムは、第1の立上り管の第1の端部に連結された第1の水中タレットコネクタを更に有する。この第1のコネクタは、水域上に位置する第1の浮き船に解除自在に連結されるようになっていて、極低温流体を第1の船と第1の立上り管の第1の端部との間で送ることができるようになっており、第1のコネクタは、第1のコネクタの垂直位置を変化させることができるよう水域の底に係留されており、第1のコネクタは、第1の船が第1のコネクタに連結されている状態で第1の船を水域の表面上で第1のコネクタ回りに回転させることができるようになっている。
【0011】
本発明の一実施形態は、極低温流体を浮き船と第2の場所との間で運搬するシステムを含む。このシステムは、第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温立上り管を有し、第1の立上り管は、第1の立上り管の第1の端部の垂直位置を変化させることができるようになっており、第1の立上り管の第2の端部は、水域内に位置すると共に第2の場所と流体連通状態にある。システムは、第1の立上り管の第1の端部に連結された第1の水中タレットコネクタを更に有し、第1のコネクタは、水域上に位置する第1の浮き船に解除自在に連結されるようになっていて、極低温流体を第1の船と第1の立上り管の第1の管との間で送ることができるようになっており、第1のコネクタは、第1のコネクタの垂直位置を変化させることができるよう水域の底に係留されており、第1のコネクタは、第1の船が第1のコネクタに連結されている状態で第1の船を水域の表面上で第1のコネクタ回りに回転させることができるようになっている。システムは、第1の端部及び第2の端部を備えたパイプライン極低温流体導管を更に有し、パイプライン導管の第1の端部は、第1の立上り管の第2の端部と流体連通状態にあり、パイプライン導管の第2の端部は、第2の場所と流体連通状態にあり、パイプライン導管は、少なくとも一部が水域内に浸漬されている。システムは、断熱されている第1の立上り管の少なくとも一部、パイプライン導管の少なくとも一部、又はこれら両方を更に含む。
【0012】
本発明の一実施形態は、極低温流体を浮き船と第2の場所との間で運搬する方法を含む。この方法は、極低温液体を極低温流体移送導管により第1の船と第2の場所との間で送る段階を有する。極低温流体導管は、第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温立上り管を有し、第1の立上り管は、第1の立上り管の第1の端部の垂直位置を変化させることができるようになっており、第1の立上り管の第2の端部は、水域内に位置すると共に第2の場所と流体連通状態にあり、第1の立上り管の少なくとも一部は、断熱されている。極低温流体導管は、第1の立上り管の第1の端部に連結された第1の水中タレットコネクタを更に有し、第1のコネクタは、水域上に位置する第1の浮き船に解除自在に連結されるようになっていて、極低温流体を第1の船と第1の立上り管の第1の端部との間で送ることができるようになっており、第1のコネクタは、第1のコネクタの垂直位置を変化させることができるよう水域の底に係留されており、第1のコネクタは、第1の船が第1のコネクタに連結されている状態で第1の船を水域の表面上で第1のコネクタ回りに回転させることができるようになっている。
【0013】
本発明の一実施形態は、極低温流体を浮き船と第2の場所との間で運搬する方法を含む。この方法は、極低温液体を極低温流体移送導管により第1の船と第2の場所との間で送る段階を有する。極低温流体導管は、第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温立上り管を有し、第1の立上り管は、第1の立上り管の第1の端部の垂直位置を変化させることができるようになっており、第1の立上り管の第2の端部は、水域内に位置すると共に第2の場所と流体連通状態にある。極低温流体導管は、第1の立上り管の第1の端部に連結された第1の水中タレットコネクタを更に有し、第1のコネクタは、水域上に位置する第1の浮き船に解除自在に連結されるようになっていて、極低温流体を第1の船と第1の立上り管の第1の端部との間で送ることができるようになっており、第1のコネクタは、第1のコネクタの垂直位置を変化させることができるよう水域の底に係留されており、第1のコネクタは、第1の船が第1のコネクタに連結されている状態で第1の船を水域の表面上で第1のコネクタ回りに回転させることができるようになっている。極低温流体導管は、第1の端部及び第2の端部を備えたパイプライン極低温流体導管を更に有し、パイプライン導管の第1の端部は、第1の立上り管の第2の端部と流体連通状態にあり、パイプライン導管の第2の端部は、第2の場所と流体連通状態にあり、パイプライン導管は、少なくとも一部が水域内に浸漬されておいる。極低温流体導管は、断熱されている第1の立上り管の少なくとも一部、パイプライン導管の少なくとも一部、又はこれら両方を更に有する。
【0014】
本発明の一実施形態は、極低温流体を第1の場所と水域上に位置した浮き船との間で運搬する方法を含む。この方法は、第1の浮き船を第1の水中タレットコネクタに連結する段階を有する。第1のコネクタは、水域上に位置する第1の浮き船に解除自在に連結されるようになっていて、極低温流体を第1の船と第1の立上り管の第1の端部との間で送ることができるようになっており、第1のコネクタは、第1のコネクタの垂直位置を変化させることができるよう水域の底に係留されており、第1のコネクタは、第1の船が第1のコネクタに連結されている状態で第1の船を水域の表面上で第1のコネクタ回りに回転させることができるようになっている。この方法は、極低温流体を第1の浮き船と第1のコネクタとの間で送る段階を更に有する。この方法は、極低温流体を第1のコネクタと第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温立上り管との間で送る段階を更に有する。第1の立上り管の第1の端部は、第1のコネクタに連結され、第1の立上り管の第2の端部は、水域中に位置すると共に第2の場所と流体連通状態あり、第1の立上り管は、第1の立上り管の第1の端部の垂直位置を変化させることができるようになっている。この方法は、極低温流体を第1の立上り管と第1の端部及び第2の端部を備えたパイプライン極低温流体導管との間で送る段階を更に有し、パイプライン導管の第1の端部は、第1の立上り管の第2の端部と流体連通状態にあり、パイプライン導管の第2の端部は、第2の場所と流体連通状態にあり、パイプライン導管は、少なくとも一部が水域内に浸漬されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、詳細な説明を行う。添付の特許請求の範囲の各々は、別個独立の発明を記載しており、かかる発明は、侵害目的上、請求項に特定された種々の要素又は限定と均等な事項を含むものとして認識される。本明細書の前後の関係に応じて、以下において「本発明」とは全て、或る場合においては或る特定の実施形態のみを表す場合がある。他の場合において、「本発明」とは、請求項のうちの1つ又は2つ以上に記載された保護対象を表すものと認識されよう(しかしながら、必ずしも全てがそうであるわけではない)。次に、本発明の幾つかの実施形態を詳細に説明するが、かかる実施形態としては、特定の実施形態、変形例及び実施例が挙げられるが、本発明は、本明細書に記載された情報を利用できる情報及び技術と組み合わせたときに、当業者が本発明を構成して利用することができるようにするために与えられているこれら実施形態、変形例又は実施例には限定されない。以下において、本明細書で用いる種々の用語を定義する。請求項で用いられている用語が以下において定義されていない場合、関連技術分野における当業者がその用語に刊行物及び公開された特許文献に反映されたものとして与えた最も広い意味がかかる用語に与えられるべきである。
【0016】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「極低温」という用語は、−28.9℃(−20°F)よりも低い温度を意味する。流体に関して用いられる極低温は、この流体が極低温状態にあることを意味する。物品又は材料に関して用いられる極低温は、この物品又は材料が極低温で動作するのに適すると共に(或いは)極低温流体を収容するのに適していることを意味している。例えば、極低温立上り管は、極低温流体を収容するのに適した立上り管である。
【0017】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「極低温流体」という語句は、極低温状態にある液体、気体、濃密相又はこれらの組合せを意味している。例示の極低温流体としては、液化天然ガス(LNG)、加圧液化天然ガス(PLNG)、冷蔵液化石油ガス(LPG)、液体窒素又は極低温状態の任意他の流体が挙げられる。
【0018】
本明細書及び特許請求の範囲に用いられる「施設」という用語は、流体を貯蔵できると共に(或いは)処理できる構造物を意味する。流体の処理としては、例えば、流体のガス化、再ガス化、揮発、液化及び(又は)移送が挙げられる。
【0019】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「陸上構造物」という用語は、陸上に設置された施設を意味する。例示の陸上構造物としては、陸上再ガス化ユニット、陸上貯蔵タンク、陸上搬入及び(又は)搬出ターミナル及びこれらの組合せが挙げられる。
【0020】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「浮き船」という語句は、水域の表面上に浮く施設を意味する。船に関して用いられる「浮き」という用語は、船が水域中で浮力を受け、船の一部が水域の表面上に位置した状態で船の一部が水域の表面下に位置するように水域中に喫水を有する場合のあることを意味している。浮き船を係留し、停泊させ、動的に位置決めすることができると共に(或いは)浮き船が水域中で自由に浮動することができる。例示の浮き船としては、小型船、はしけ、浮き貯蔵及び再ガス化ユニット(FSRU)、浮きLNG(FLNG)船、浮き搬入及び(又は)搬出ターミナル、浮き再ガス化プラットホーム、浮き貯蔵プラットホーム及びこれらの組合せが挙げられる。
【0021】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「浮き極低温流体貯蔵船」という語句は、極低温流体を収容できる貯蔵装置を収容した浮き船を意味する。例示の貯蔵装置としては、球形タンク、メンブレンタンク、板台わくタンク、コンクリートタンク、複合材タンク及び極低温流体を貯蔵するのに適した他のタンクが挙げられる。例示の浮き極低温流体貯蔵容器としては、小型船、はしけ、浮き貯蔵及び再ガス化ユニット(FSRU)、浮きLNG(FLNG)船、浮き搬入及び(又は)搬出ターミナル、浮き再ガス化プラットホーム、浮き貯蔵プラットホーム及びこれらの組合せが挙げられる。
【0022】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「浮き貯蔵船」という語句は、流体を収容できる貯蔵装置を収容した浮き船を意味する。例示の貯蔵装置としては、球形タンク、メンブレンタンク、板台わくタンク、コンクリートタンク、複合材タンク及び極低温流体を貯蔵するのに適した他のタンクが挙げられる。例示の浮き貯蔵船としては、小型船、はしけ、浮き貯蔵及び再ガス化ユニット(FSRU)、浮きLNG(FLNG)船、浮き搬入及び(又は)搬出ターミナル、浮き再ガス化プラットホーム、浮き貯蔵プラットホーム及びこれらの組合せが挙げられる。
【0023】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「浮き運搬船」という語句は、水域の表面上を自航でき又は補助航行できる浮き貯蔵船を意味する。「航行」という用語は、或る場所から少なくとも1キロメートル離れた別の場所への移動を意味している。船は、自航式浮き運搬船の一例である。はしけは、補助運動式浮き運搬船の一例である。例示の浮き運搬船としては、船、はしけ及びこれらの組合せが挙げられる。
【0024】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「底土台構造物」という語句は、水域の底で支持される施設を意味する。底土台構造物の重量は、少なくとも一部が水域の底によって支持される。底土台構造物は、部分的に、例えば水域の表面の上方、水域の表面上又はこれらの組合せの場所に位置することができる。例示の底土台構造物としては、底土台貯蔵及び(又は)再ガス化ユニット、底土台搬入及び(又は)搬出ターミナル、重力利用構造物(GBS)、鋼杭ジャケットにより支持された施設及びこれらの組合せが挙げられる。
【0025】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「流体導管」という語句は、或る場所から別の場所への流体の密閉流路をもたらすことができる導管を意味する。例示の流体導管としては、パイプ、立上り管、ホース及びこれらの組合せが挙げられる。
【0026】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「立上り管」(riser )という用語は、流体を第1の1つ又は複数の場所と、第2の1つ又は複数の場所との間で送ることができる1本又は2本以上の流体導管を意味し、この場合、第1の場所と第2の場所は、垂直高さが異なっており、第1又は第2の場所のうち少なくとも一方は、水域内に位置する。例えば、第1の場所は、水域の表面の近くであるのがよく、第2の場所は、水域の表面よりも30メートル以上下に位置するのがよい。例示の立上り管は、水域の底から水域の表面の上下20メートル以内のところまで延びるパイプ又はホースである。
【0027】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「可撓性立上り管」という用語は、立上り管の端点相互間の垂直距離を変化させるために形状を変化させることができる立上り管を意味する。例えば、立上り管の第1の端部と立上り管の第2の端部との間の垂直距離を変化させることができるよう立上り管は、可撓性ホース、可撓性パイプで作られ、又は、立上り管は、関節継手を備えた剛性パイプで作られたものである。
【0028】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「マニホルド」という用語は、1つ又は2つ以上の入口及び1つ又は2つ以上の出口を備えた装置を意味し、この場合、マニホルド入口は、1本又は2本以上の流体導管をマニホルド出口のうちの1つ又は2つ以上に連結することができる。
【0029】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「スプリッタマニホルド」という語句は、1)1つ又は2つ以上の入口及び2つ又は3つ以上の出口を有するマニホルドを意味し、この場合、マニホルド入口は、1本又は2本以上の流体導管をマニホルド出口のうちの2つ又は3つ以上に連結することができ、或いは、「スプリッタマニホルド」という語句は、2)2つ又は3つ以上の入口及び1つ又は2つ以上の出口を有するマニホルドを意味し、この場合、マニホルド入口は、1本又は2本以上の流体導管をマニホルド出口のうちの1つ又は2つ以上に連結することができる。
【0030】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「メッセンジャーブイ」という語句は、水域の表面上に浮き又は水域の表面に位置したままであるブイを意味する。メッセンジャーブイは、水中装置に連結され、水中装置が水域の表面下に浸漬された状態で、水中装置を位置決めする手段として役立つ。
【0031】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「断熱」という用語は、(1)物品上又は物品内に別個の断熱材料を設けることか、又は(2)動作中、断熱材料として働くように構成された物品かのいずれかを意味する。断熱材料は、熱伝導率が12W/m−℃(7Btu/hr−ft−°F)未満の材料として定義される。例示の断熱材料としては、鉱物線維(例えば、パーライト)、ゴム、プラスチックフォーム(例えば、ポリウレタンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、ポリスチレンフォーム)、ガラス線維、真空及び(又は)微孔質断熱材、例えばエーロゲルが挙げられる。上記において用いた「物品」という用語は、任意の物理的物品を意味している。例示の物品としては、立上り管、パイプライン、流体導管が挙げられる。例示の断熱物品としては、パイプ相互間の環状域に上述の断熱材料のうちの任意のものが設けられたパイプインパイプ(pipe-in-pipe)構造、一部がステンレス鋼ワイヤで作られたホース、ポリマーフィルム及びポリマー織物、ポリウレタンフォーム及びゴム、ステンレス鋼ベロー、ポリプロピレン外装、断熱材及びゴムで作られた複合材パイプが挙げられる。
【0032】
本発明の一実施形態は、LNG海中移送システム(SLTS)を含む。SLTSは、切り離し可能な極低温タレット、極低温立上り管システム、及び任意的に海中極低温パイプラインを有する。このシステムは、極低温流体、例えば、液化天然ガス(LNG)を浮き運搬船、例えば船により配送の際の一要素として使用できる。例示のLNG配送チェーンは、地下資源からのガスの産出、ガス処理/重い炭化水素及び望ましくない成分、例えば水銀、硫化水素及び二酸化炭素を除去するための処理、天然ガスを貯蔵及び運搬のために液体状態に冷凍するための液化プラント、搬出ターミナル施設、例えば、LNG浮き運搬船、搬出ターミナルから市場場所へのLNGの船舶による運搬のためのLNG浮き運搬船(例えば、小型船)用のバースを備えた港、市場場所に設けられていて、LNGをLNG浮き運搬船から受け取り、これを貯蔵し、そしてLNGを揮発させてパイプラインにより市場に送られるべき天然ガスの状態にする搬入ターミナルから成る。LNG配送チェーンの他の改造例も可能である。例えば。LNGを運搬するために用いられる浮き運搬船は、液化又は再ガス化施設を備えてもよく、その結果、搬入又は搬出ターミナル又は関連施設が、かかる施設を備える必要がないようにしてもよい。ガス産出は、陸上及び(又は)沖合いで行われる場合がある。沖合い産出の場合、浮き産出船が、単独で又は別個の又は一体形浮き貯蔵船と組み合わせて用いられる場合がある。沖合い産出の場合、別個の又は一体形の液化船も使用できる。LNG配送チェーンの他の改造例も可能である。
【0033】
本発明の実施形態の中には、主として配送チェーンの搬入ターミナルコンポーネントと関連したものがあれば、搬出ターミナル施設への用途を有するものもある。本発明の実施形態の一機能は、ターミナル場所において、LNGを海中極低温パイプラインに通じる極低温海中立上り管により極低温切り離し可能内部受動式タレットシステムを経てLNG浮き運搬船から移送し又はLNG浮き運搬船に移送することである。内部タレットシステムは、浮き船の船体構造により全体が収納され又は包囲されたタレットであり、したがって、タレットそれ自体は、浮き船に連結されたとき、波の作用にはさらされないようになる。受動式タレットシステムは、浮き船が浮き船の推進システム又はスラスタからの補助を必要としないで、タレットの軸線周りの環境力により「駆動され」ながら自由に風見鶏のように動き又は回転することができるようにするタレットシステムである。
【0034】
本発明の幾つかの実施形態の一特徴は、これら実施形態が極低温海中(立上り管及びパイプライン)システムを介するLNG浮き運搬船へのLNGの移送又はLNG浮き運搬船からターミナルへのLNGの移送、更に、或る1つのLNG浮き運搬船から別のLNG浮き運搬船へのLNGの移送を可能にすることである。LNG浮き運搬船が高い操作性及び高い信頼度でLNG移送を行うことができるようにするため、切り離し可能な極低温タレット/係留システムも又、本構想に組み込まれる。これにより、LNG浮き運搬船は、比較的荒い海における連結が可能であり、風、波及び海流に応じて風見鶏のように動くことができ、しかも、LNGを移送しながら過酷な条件の中でも連結状態のままであることができる。
【0035】
LNG浮き運搬船が切り離し可能タレット/係留/立上り管システムに取り付けられていないとき、タレットは代表的には、海面下に吊り下げられ、例えば、これは、水柱の真ん中又は海底上に位置する場合がある。このように、切り離された極低温タレットは、他の船との偶発的衝突から保護される。引込みラインを備えた表面メッセンジャーブイをタレットに連結するのがよい。LNG浮き運搬船が現場に到着すると、このLNG浮き運搬船は、タレットの場所を操り、メッセンジャーブイをピックアップし、タレット引込みラインが取り付けられたメッセンジャラインをLNG浮き運搬船内のタレットコンパートメント中へ移送し、そしてウインチ又は他のシステムを用いてタレットをそのタレットコンパートメント凹部内へ引き上げる。完全に引き込まれると、タレットは、定位置にロックされ、船のLNG配管システムからタレットLNG配管へのLNG移送連結が行われる。船の内部又はタレット内部のスイベルにより、LNG浮き運搬船は、船が地球静止タレット/係留/立上り管システム回りに風見鶏のように動いている間、LNGを極低温立上り管システムに又はこれから移送することができる。連結されている状態で、LNG浮き運搬船の位置保持は、タレットと、これに連結されていて、アンカーが海底中に位置するワイヤ/チェーン係留ラインとから成るタレット/係留システムによって維持される。変形例として、係留されているとき、船の位置保持は、船のスラスタ及び推進を用いることにより助けることができ、かかるスラスタ及び推進としては、例えば、動的位置決めシステムが挙げられる。LNG船荷降ろし(又は荷積み)を完了すると、タレットをLNG浮き運搬船から切り離し、水柱中へ沈める。次に、LNG浮き運搬船は、搬出ポートに戻って別の貨物としてのLNGをピックアップするために出発し又は変形例として搬入ポートに戻って搬出ポートで受け取った貨物を荷降ろしするために出発する。
【0036】
FMCに加盟している2つの会社、即ち、アドバンスド・プロダクション・ローディング(APL社)及びSOFEC社は、炭化水素産出荷降ろしのための切り離し可能なタレットを建造している。APLのシステムは、水中タレット荷積み(STL)システムと呼ばれており、北海においてフルマー(Fulmar)浮き貯蔵ユニット(Floating Storage Unit:FSU)の代用物として役立つMV VINGAを係留するために1990年代の初期にシェル/エッソ(Shell/Esso)社により最初に用いられた。また、APLは、フル−ウェルストリーム(full-wellstream )産出、水注入、ガスリフト、海中制御装置及びガス搬出のための多数の流路に対応する機能を備えたSTLのバージョンを製造している。このシステムは、水中タレット産出(STP)システムと、呼ばれている。SOFECの切り離し可能タレットも又、多流路産出システムでもあり、グランドバンクス(the Grand Banks)上のTERRA NOVA FPSOのところで用いられる。しかしながら、極低温供用のため、上述のSTP及びSTLシステムは恐らくは改造されることになる。変更点としては、1)タレットブイ内での極低温流路、2)タレットブイの底部での極低温立上り管への連結部、3)タレットブイの頂部のところの極低温コネクタ、4)大小の船内のタレットコンパートメント内部の極低温スイベルシステム、及び5)極低温ライン全体が切り離しされたとき極低温のままであることができるようにするタレットブイ内部の循環経路又は「U」又はこれらの組合せが挙げられる。極低温用途の追加のタレットブイが、インゲブライトセン等に付与された米国特許第5,983,931号明細書に記載されており、この米国特許を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【0037】
また、本明細書に記載したSLTSシステムをLNG以外の温度の低い又は極低温流体、例えば加圧LNG(PLNG)又は冷凍液化石油ガス(LPG)を移送するために使用できる。
【0038】
幾つかの場所では、搬出又は搬入ターミナルを荒い海及び強い風が一般的に見られる環境の苛酷な地域に設置することができる。他の場合、ターミナルを海氷及び(又は)氷山が生じる場合のある環境に設置できる。さらに、本発明は、浮きターミナル、搬入浮き貯蔵及び再ガス化ユニット(FSRU)又は浮きLNG(FLNG)搬出ユニットに利用できる。技術背景の部分で説明した現行のLNG移送技術は、過酷な環境でのセッティングにおいて動作上の制約を有している。SLTSは、過酷な環境又は北極圏において例外的な積み降ろしを可能にする沖合いLNG移送システムである。加うるに、このシステムは、事実上任意の地理学的領域に適合できる。SLTSは又、主移送システム又は既存のLNGターミナル機能の拡張として実現されるべき融通性をもたらす。
【0039】
本発明の実施形態は、ターミナル場所において、LNGを海中極低温パイプラインに通じる極低温海中立上り管により極低温切り離し可能内部受動式タレットシステムを経てLNG浮き運搬船から移送し又はLNG浮き運搬船に移送するシステム及び方法を含む。上述したように、本発明の実施形態の一特徴は、かかる実施形態が極低温海中(立上り管及びパイプライン)システムだけを介するLNG浮き運搬船へのLNGの移送又はLNG浮き運搬船からターミナルへのLNGの移送(更に、或る1つのLNG浮き運搬船から別のLNG浮き運搬船へのLNGの移送)を可能にすることにある。
【0040】
SLTSの一実施形態は、係留ライン及びアンカーを備えた切り離し可能な極低温タレットを有するのがよい。SLTSは、極低温立上り管システム及び任意的に極低温パイプラインシステムを更に有するのがよい。
【0041】
本発明の別の実施形態は、ターミナル(搬入ターミナル又は搬出ターミナル)から、ターミナル側立上り管システム(該当する場合)を通り、海中極低温パイプラインを通り、タレット立上り管システムを通り、極低温切り離し可能タレットに至り、そしてこのタレットを通り、立上り管を通ってパイプラインに至り、そしてターミナルに戻るLNGの循環を可能にする連続ラウンドトリップ(往復)フローループを含むのがよい。このラウンドトリップフローループの目的は、LNGをSLTS内で循環させてタレットをLNG浮き運搬船から切り離したとき(即ち、荷積み又は荷降ろし相互間で)、システムを極低温状態に維持することにある。適当な実施形態では、これには、二重立上り管及び平行ではあるが流れ方向が逆の(再循環中)海中パイプライン(又は深さが中程度のフローライン)を必要とする。変形例として、パイプライン流体導管及び(又は)立上り管流体導管は、グルアチ等に付与された米国特許第6,012,292号明細書に記載されているような「パイプインパイプ」タイプのものであってもよく、この米国特許を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。タレットの形態は、このラウンドトリップフローループ内でのLNGの循環を可能にする。
【0042】
本発明の実施形態は、海中極低温パイプラインの各端部のところに設けられた1つ又は2つ以上のパイプラインエンドマニホルド(PLEM)を有するのがよい。PLEMは、極低温立上り管システム用の連結箇所として役立つ。表面制御海中安全弁をPLEM内に設けるのがよく、この安全弁は、ターミナルのところにおける非常時、LNG浮き運搬船上での非常時、タレット及び立上り管システムの損傷又は故障の場合、或いはパイプラインの損傷の場合に、主流路と循環流路の両方を通るLNGの流れを遮断することができる。
【0043】
本発明の実施形態は、PLEM内での安全弁を制御する制御システム(油圧式、電気油圧式又は他の形式)を有するのがよい。これは、タレットからPLEMまで延び、適宜、ターミナル及び(又は)LNG浮き運搬船から延びる海中制御アンビリカルを必要とするであろう。制御システムをターミナルのところに、場合によっては、LNG浮き運搬船上に設置するのがよい。
【0044】
本発明の実施形態は、切り離し可能な極低温タレットハウジング及びLNG配管、弁、継手、ポンプ及び制御システム並びに適宜LNG浮き運搬船上におけるブイピックアップの際のLNG浮き運搬船の位置を制御するのに必要な船推進及び操縦システムを有するのがよい。SLTSの搬入ターミナル用途の場合、LNG浮き運搬船に設置されたLNGポンプ(LNG浮き運搬船タンク内に既に設置されているポンプに加えて)は、恐らくは、SLTSタレット−立上り管−パイプライン−立上り管システムを介して搬入ターミナル(FSRU、GBS又は陸上)までの圧力降下に打ち勝つことが必要とされるであろう。以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0045】
図1は、極低温立上り管(2)の一端に取り付けられると共にこれと流体連通状態にある水中極低温タレットコネクタ(1)を有するSLTSシステムを示しており、極低温立上り管(2)の第2の端部は、海中パンプライン(4)の一端部に取り付けられると共にこれと流体連通状態にある。図1は又、水中極低温タレットコネクタ(1)に近づいている浮き運搬船(5)、例えばLNG浮き運搬船を示している。水中極低温タレットコネクタ(1)は、係留ライン(3)により、水中極低温タレットコネクタ(1)の垂直位置を変化させることができるような仕方で水域の水底(10)に係留されている。例えば、水中極低温タレットコネクタ(1)は、浮き運搬船(5)に連結されていないとき、水域の表面(11)よりも30メートル下のところに係留される場合があり、そして、浮き運搬船(5)への連結のために水域の表面(11)よりも上又は下に10又は20メートルの範囲内のレベルまで上昇させられる場合がある。変形例として、水中極低温タレットコネクタ(1)は、浮き運搬船(5)に連結されていないとき、水域の表面(11)よりも20、40又は50メートル以上下のところに係留されてもよい。変形例として、水中極低温タレットコネクタ(1)は、連結されていないとき、水域の水底(10)まで落下するようになっていてもよい。
【0046】
上述したように、メッセンジャーブイ(20)をライン(21)によって水中極低温タレットコネクタ(1)に連結するのがよい。メッセンジャーブイ(20)は、水中極低温タレットコネクタ(1)を位置決めする手段として役立ち、ライン(21)は、水中極低温タレットコネクタ(1)を水域の表面(11)の近くの垂直位置まで引き上げて水中極低温タレットコネクタ(1)を浮き運搬船(5)に連結できるようにする手段として役立つ。ライン(21)は、金属チェーン、ナイロンロープ又はメッセンジャーブイ(20)を水中極低温タレットコネクタ(1)に連結する他の手段であるのがよい。
【0047】
極低温立上り管(2)の第2の端部は、海中パイプライン(4)に取り付けられ、この海中パイプラインは、水域の表面(11)の完全に下のところに位置していて、第2の場所、例えば岸(図示せず)まで延びている。この場合、パイプライン(4)は、水域の底(10)の表面上に設けられている。この場合、極低温立上り管(2)は、海中マニホルド(60)によって海中パイプライン(4)に取り付けられている。上述したように、海中マニホルド(60)は、立上り管(2)をパイプライン(4)から隔離するために使用できる遮断弁を有するのがよい。変形例として、極低温立上り管は、第2の立上り管流体導管及び第2の立上り管流体導管を有してもよい。第1の立上り管導管の第1の端部及び第2の立上り管導管の第1の端部を水中極低温タレットコネクタに取り付けるのがよい。第1の立上り管導管の第2の端部及び第2の立上り管導管の第2の端部は、パイプラインと流体連通状態にあるのがよい。変形例として、第1の立上り管導管の第2の端部及び第2の立上り管導管の第2の端部をマニホルドに連結してもよい。変形例として、極低温立上り管は、複数本の立上り管流体導管から成っていてもよい。変形例として、第1及び第2の立上り管導管を水域の底の別々の場所に係留してもよい。変形例として、第1及び第2の立上り管導管を水域の底の同一の場所に係留してもよい。複数本の立上り管導管が設けられている場合、立上り管導管の各々を水域の底の同一の場所又は別個の場所に係留してもよい。
【0048】
第2の場所は、陸上に設置され又は陸を土台とする施設を含むのがよい。例示の陸上施設としては、陸上再ガス化ユニット、陸上貯蔵容器、陸上搬入及び(又は)搬出ターミナル及びこれらの組合せが挙げられる。変形例として、第2の場所は、水域の表面の上、水域の表面上又はこれらの組合せの場所に設置された施設を含んでもよい。かかる施設は、流体、例えば極低温流体を貯蔵すると共に(或いは)処理することができるのがよい。例示の施設としては、例えば、底を土台とする構造物及び浮き船が挙げられる。例示の施設としては、船、はしけ、浮き貯蔵及び再ガス化ユニット(FSRU)、底を土台とする貯蔵及び(又は)再ガス化ユニット、浮き搬入及び(又は)搬出ターミナル、底土台搬入及び(又は)搬出ターミナル、浮き再ガス化プラットホーム、浮き貯蔵プラットホーム、重力利用構造物(GBS)、鋼杭ジャケット構造物及びこれらの組合せが挙げられる。
【0049】
変形例として、パイプライン(4)は、一部だけが水域の表面(11)の下に位置していてもよい。変形例として、パイプライン(4)は、完全に又は部分的に水域中に吊り下げられていてもよい。変形例として、パイプライン(4)は、完全に又は一部が水域の底(10)の下に埋設されていてもよい。
【0050】
図1に示す極低温立上り管(2)は、流体を水域の底(10)と水中極低温タレットコネクタ(1)との間で送ることができる。例えば、極低温立上り管(2)の一端部は、水域の表面の近くに位置して、水中極低温タレットコネクタ(1)に連結されると共にこれと流体連通状態にあるのがよく、第2の端部は、水域の底(10)上に位置したパイプライン(4)に連結されると共にこれと流体連通状態にあるのがよい。一実施形態では、極低温立上り管(2)は、立上り管の端点相互間の垂直距離を変化させることができる可撓性立上り管である。例えば、極低温立上り管(2)は、可撓性極低温ホース、可撓性パイプで作られていてもよく、或いは、立上り管は、立上り管の第1の端と立上り管の第2の端との間の垂直距離を変化させることができるよう関節継手を備えた剛性パイプで作られたものであってもよい。
【0051】
極低温立上り管は、テックニップ・コフレキシップ社又はウェルストリーム社により油及びガス立上り管使用のために製造され、極低温に適した改造型流体ライナ及び立上り管の外面への着氷を阻止するのに適した断熱システムを備えた海中可撓性パイプに類似した海中可撓性パイプで作られたものであるのがよい。例示の流体ライナ材料としては、例えば、ステンレス鋼、9%ニッケル鋼、INVARと呼ばれている36%ニッケル鋼が挙げられる。例示の断熱材料としては、例えば、ポリウレタンフォーム、真空及び(又は)微孔質断熱材、例えばエーロゲルが挙げられる。
【0052】
変形例として、極低温立上り管は、シニア・フレキソニックス社又はダンテ社によって製造され、静水圧に耐えると共に適当な曲げ剛性をもたらすよう構造的に補強され、着氷を阻止するよう断熱されると共に防水外部を装備した極低温貨物ホースに類似した極低温貨物ホースから作られたものであってもよい。例示の断熱材としては、例えば、ポリウレタンフォーム、真空及び(又は)微孔質断熱材、例えばエーロゲルが挙げられる。
【0053】
第3の極低温立上り管構成は、ネクサンズ社により製造され、可撓性パイプ相互間の環状域に断熱材を備えた断熱パイプインパイプ構成に類似した断熱パイプインパイプ構成を含むのがよい。例示の断熱材としては、例えば、ポリウレタンフォーム、真空及び(又は)微孔質断熱材、例えばエーロゲルが挙げられる。
【0054】
第4の極低温立上り管構成は、防水断熱材で断熱されたハードパイプ部分と水中使用のために改造されたFMC、SVT又はウッドフィールド社により製造されたLNG荷積みアームに使用されているインライン型極低温スイベルのようなインライン型極低温スイベルの配列体を含んでもよい。ハードパイプ部分は、特定の極低温用途で見られる温度について適当な低温靱性を有する適当な極低温材料で作られたものであるのがよい。例示の極低温材料としては、例えば、高ニッケル鋼、オーステナイト鋼及び(又は)アルミニウムが挙げられる。例示の高ニッケル鋼としては、6%以上、変形例として7%以上又は9%以上のニッケルを含む鋼が挙げられる。上述の材料に用いられる溶接部は、同様に、特定の極低温用途で見受けられる温度に関して十分な低温靱性を有するべきである。例示の溶接法としては、プラズマアーク溶接法(PAW)、金属溶接棒と不活性ガスによる溶接法(MIG溶接法)及びガスタングステンアーク溶接法(GTAW)が挙げられる。例示の断熱材料としては、例えば、ポリウレタンフォーム、真空及び(又は)微孔質断熱材、例えばエーロゲルが挙げられる。
【0055】
図1は、水中極低温タレットコネクタ(1)に接近している浮き運搬船(5)、例えばLNG浮き運搬船を示している。例示の浮き運搬船としては、小型船、はしけ及びこれらの組合せが挙げられる。変形例として、船は、極低温流体を収容できる収容装置を収容した浮き極低温流体貯蔵船であってもよい。例示の貯蔵装置としては、球形タンク、メンブレンタンク、板台わくタンク、コンクリートタンク、複合材タンク及び極低温流体を貯蔵するのに適した他のタンクが挙げられる。例示の浮き極低温流体貯蔵容器としては、小型船、はしけ、浮き貯蔵及び再ガス化ユニット(FSRU)、浮きLNG(FLNG)船、浮き搬入及び(又は)搬出ターミナル、浮き再ガス化プラットホーム、浮き貯蔵プラットホーム及びこれらの組合せが挙げられる。以下の図は、図1に示す実施形態の上述の変形例のうちの幾つかを示している。
【0056】
図2は、浮き運搬船(5)の切除図であり、水中極低温タレットコネクタ(1)が、浮き運搬船(5)内に設置された受け部すなわちレセプタクル(6)内でこの浮き運搬船に連結されている。水中極低温タレットコネクタ(1)の下方部分は、極低温立上り管(2)の一端に取り付けられると共にこれと流体連通状態にある。水中極低温タレットコネクタ(1)は、係留ライン(3)により、水中極低温タレットコネクタ(1)の垂直位置を変化させることができるような仕方で水域の水底(10)に係留されている。例えば、水中極低温タレットコネクタ(1)をライン(図示せず)によってメッセンジャーブイに連結するのがよい。メッセンジャーブイを浮き船によりピックアップするのがよく、それにより水中極低温タレットコネクタへの連結ラインを浮き運搬船内に設置されたレセプタクル(6)内に送り込んで浮き運搬船(5)上に設置されているウインチに連結することができる。かくして、水中極低温タレットコネクタ(1)は、水域の中間のどこかの場所の深さのところの第1の位置から水域の表面(11)の近くの第2の場所、そして、浮き運搬船(5)内に設置されたレセプタクル(6)内に持ち上げられる。
【0057】
浅海の場合(及び深海の場合であっても)、係留システムの範囲(タレットからアンカーまでの距離)は通常広い。かくして、タレット係留プロフィール角度の正弦(サイン)は、小さい。これが意味することは、係留システムは、切り離し可能なブイ、例えば、水中極低温タレットコネクタ(1)を水域中で上方に持ち上げるのに大きな垂直力を必要としないということである。水中極低温タレットコネクタ(1)を100mt容量又はこれよりも僅かに大きい容量のウインチで持ち上げることができるが、かかる力は、アンカー機構(例えば、パイルアンカー)を海底から水平に引き出すのは不十分である。
【0058】
船極低温流体移送ライン(7)が、スイベル(図示せず)のところで水中極低温タレットコネクタ(1)の上方部分に連結されており、このスイベルは次に、これとつがい関係をなす要素(図示せず)に連結されており、それにより水中極低温タレットコネクタ(1)と船(5)が互いに流体連通している。スイベル、つがい要素及び関連機器は、全体が、図2においてはマニホルド/スイベルスタック(70)として示されている。極低温流体を船貯蔵タンクポンプ(37)及び船ブースタポンプ(35)により極低温流体貯蔵タンク(38)にポンプで出し入れできる。変形例として、船ブースタポンプ(35)及び船貯蔵タンクポンプ(37)の機能を、好ましくは流体貯蔵タンク(38)内に設置された一ポンプに組み合わせてもよい。極低温流体を船供給貯蔵ライン(36)を通って極低温流体貯蔵タンク(38)と水中タレットコネクタ(1)との間で送ることができる。
【0059】
LNG浮き運搬船がSLTS現場に到着すると、このLNG浮き運搬船は、メッセンジャーブイ及び連結ラインをピックアップし、それにより、次に、水中極低温タレットコネクタを持ち上げるために用いられたラインをタレットコンパートメントの上方のウインチに取り付けることができる。かくして、水中極低温タレットコネクタをLNG浮き運搬船のタレットコンパートメント内のレセプタクル内へ巻き上げることができる。
【0060】
図3は、浮き船(25)内に設置されたレセプタクル(6)に連結されている別の水中極低温タレットコネクタ(1)を示している。図3は、水中極低温タレットコネクタ(1)に取り付けられた3つの極低温立上り管(2a,2b,2c)の上方部分を示している。船のつがい関係をなすコネクタ(49)が、水中極低温タレットコネクタ(1)の上方部分(41)に設けられたつがい関係をなす要素(62)に連結され、それにより水中極低温タレットコネクタ(1)と浮き船配管系統のマニホルド(48)が流体連通している。マニホルド(48)は、船流体移送ライン(7a,7b,7c)と流体連通状態にある3つの内部流体導管3本の内部流体導管(図示せず)を有している。3本の内部流体導管(図示せず)は、スイベルスタック(50)内に設けられた3つのスイベル(51a,51b,51c)によって船流体移送ライン(7a,7b,7c)に回転自在に連結されている。図3に示すシステムは、3つの別々の立上り管(2a,2b,2c)から水中極低温タレットコネクタ(1)を通って3本の別々の船流体移送ライン(7a,7b,7c)までの3つの別々の流体流路を備えている。係留ライン(3)の上方部分は、水中極低温タレットコネクタ(1)の下方部分(43)に取り付けられた状態で示されている。水中極低温タレットコネクタ(1)の上方部分(41)は、1つ又は2つ以上の構造的軸受で水中極低温タレットコネクタ(1)の下方部分(43)に回転自在に連結されている。図3では、船は、多数本の船搬入ライン、多数本の船搬出ライン又はこれらの組合せに使用できる多数本の船流体移送ライン(7a,7b,7c)を有している。
【0061】
図4は、浮き船(25)のレセプタクル(6)内に連結された例示の水中極低温タレットコネクタ(1)の切除図である。図4は、水中極低温タレットコネクタ(1)の係留スパイダに連結された2本の極低温立上り管(2),(2a)を示している。係留ライン(3)も又、例示の水中極低温タレットコネクタ(1)の下方部分(41)に連結された状態で示されている。切除断面部分(42a,42b)が図示されている下方ラジアル軸受及び切除断面部分(42c,42d)が図示されている上方ラジアル軸受は、内部又は静止部分(流体導管46a,46bを収容し、更に係留スパイダ41を収容している)と水中極低温タレットコネクタ(1)の外側部分(81)との間の回転自在な構造的連結部となっており、それにより外側部分が内側の静止部分に対して回転できるようになっている。この上方及び下方軸受構造は、例示であり、他の軸受構成が可能である。外側部分(81)は、解除自在なタレットロック機構(44)によって船(25)に連結され、このロック機構は、稼働時に外側部分(81)を浮き船(25)に連結された状態に保つ。かくして、タレットロック機構(44)を稼働させると、浮き船(25)及び外側部分(81)は、内側部分、係留スパイダ(80)及び係留ライン(3)が比較的静止したままの状態で、船(25)と一緒に回転することができる。
【0062】
立上り管(2,2a)は、これらのそれぞれの上方端部のところに立上り管曲げ補剛材(45,45a)を有する。立上り管が、極低温流体を水中極低温タレットコネクタ(1)を通って送るタレット内部極低温配管(46a,46b)のそれぞれの他端部に連結されている。Uベンド(75)又はジャンパ導管が図4の実施形態に設けられている。Uベンド(75)は、システムが積極的に極低温流体を荷積みし又は荷降ろししていないとき、極低温流体をタレット内部極低温配管(46a,46b)、立上り管(2,2a)及び(又は)海中パイプライン中を再循環させ、それにより循環ループを構成するために使用できる。タレット内部極低温配管(46a,46b)は、特定の極低温用途で見られる温度について適当な低温靱性を有する適当な極低温材料で作られるべきである。例示の極低温材料としては、例えば、高ニッケル鋼、オーステナイト鋼及び(又は)アルミニウムが挙げられる。例示の高ニッケル鋼としては、6%以上、変形例として7%以上又は9%以上のニッケルを含む鋼が挙げられる。上述の材料に用いられる溶接部は、同様に、特定の極低温用途で見受けられる温度に関して十分な低温靱性を有するべきである。例示の溶接法としては、プラズマアーク溶接法(PAW)、金属溶接棒と不活性ガスによる溶接法(MIG溶接法)及びガスタングステンアーク溶接法(GTAW)が挙げられる。例示の断熱材料としては、例えば、ポリウレタンフォーム、真空及び(又は)微孔質断熱材、例えばエーロゲルが挙げられる。
【0063】
タレット内部極低温配管(46a,46b)の上端部は、適当な極低温コネクタ(47a,47b)を備えるのがよい。変形例として、極低温コネクタ(47a,47b)は、急速脱着コネクタである。極低温コネクタ(47a,47b)は、船マニホルド(48)を介して船配管に連結されている。船マニホルド(48)は、タレット内部極低温配管(46a,46b)の上端部に設けられた極低温コネクタ(47a,47b)と結合する適当な船極低温コネクタ(49a,49b)を有するのがよい。船マニホルド(48)は、各極低温流路について1つずつ2つの極低温スイベル(51a,51b)を含むスイベルスタック(50)を有する。変形例として、スイベルスタックは、これとは異なる数のスイベル及びこれとは異なる数の流路を有してもよい。好ましくは、各流路は、専用スイベルを有する。作用において、極低温スイベル(51a,51b)、下方軸受(42a,42b)及び上方軸受(42c,42d)は、水中極低温タレットコネクタ(1)の外側部分(81)及び船(25)が水域の表面上で自由に回転できる状態で、タレット内部極低温配管(46a,46b)及び立上り管(2,2a)が静止状態のままであることができるようにするシステムを構成する。タレット内部極低温配管(46a,46b)に関して上述したように、船極低温コネクタ(49a,49b)、極低温スイベル(51a,51b)及び船極低温流体移送ライン(7)も又、特定の極低温用途で見られる温度について適当な低温靱性を有する適当な極低温材料で作られるべきである。例示の材料は、上述してある。
【0064】
図4は又、水中極低温タレットコネクタ(1)に更に取り付けられている(図示せず)ライン(21)に取り付けられたウインチ(52)を示している。この場合、ウインチ(52)は、水中極低温タレットコネクタ(1)を水域中の場所から引っ張って船(25)のレセプタクル(6)内へ引き込むために用いられている。
【0065】
次に、図2及び図4のシステムを、LNGを積み降ろしているLNG浮き運搬船に関して説明する。船(5)のデッキ上に示されている容器ブースタポンプ(35)は、極低温流体、例えばLNGをSLTSシステムを通ってFSRU又は他の受け取り施設に運搬する圧力をもたらすために使用できる。LNG浮き運搬船(5)のタレットコンパートメントレセプタクル(6)の内部に設けられたLNG配管(7)は、LNGをLNGブースタポンプ(35)からスイベルスタック(50)に運搬し、LNGを回転LNG浮き運搬船配管(7)(これは、LNG浮き運搬船(5)と一緒に回転する)から本質的に静止状態の水中タレットコネクタ内部配管系統(46a,46b)に移送することができる。LNGは、スイベルスタック(50)の下で、マニホルド(48)及び迅速脱着弁システム(49a,49b)を通って流れる。変形例として、スイベルスタック(50)の上流側にマニホルド(48)を設けることが好ましい場合がある。この箇所の下には、船側配管と水中極低温タレットコネクタ配管系統との間に物理的切り離し箇所が設けられている。水中極低温タレットコネクタ(1)を切り離したときに、タレットコンパートメントレセプタクル(6)全体の浸水を阻止するために摺動又はヒンジ留めハッチ(図示せず)をLNG浮き運搬船(5)に用いるのがよい。水中極低温タレットコネクタ(1)は、LNG浮き運搬船(5)に連結されると、ロック機構(44)により定位置にしっかりと保持されることになり、このロック機構は、代表的には、動力式介在手段を解除する必要のある機械的に確実なロックを備えている。水中極低温タレットコネクタ(1)の内部には、タレット内部の静止内側部分(80)内にLNGフローライン(46a,46b)が見える。軸受(42a,42b,42c,42d)により、水中極低温タレットコネクタ(1)の外側部分(81)は、この静止内側部分又は「管」回りにLNG浮き運搬船(5)と一緒に回転することができる。静止管を貫通しているLNGフローライン(46a,46b)は、立上り管曲げ補剛材(45,45a)を備えた状態で示されている可撓性極低温立上り管(2,2a)の頂部に連結されている。立上り管(2,2a)も又静止していることに注目されたい。また、係留ライン(3)が取り付けられた係留「スパイダ」(41)も又、静止していて、静止内側「管」に連結されている。
【0066】
図5は、搬入ターミナルとして機能する本発明の実施形態を示している。この実施形態は、極低温流体を浮き運搬船(5)からSLTSシステム及び浮き貯蔵及び再ガス化ユニット(FSRU)(12)を用いて搬入する段階を有する。図1の場合と同様、この実施形態は、極低温立上り管(2)の一端部に取り付けられると共にこれと連通状態にある水中極低温タレットコネクタ(1)を有するSLTSシステムを示している。水中極低温タレットコネクタ(1)は、水中極低温タレットコネクタ(1)の垂直位置を変化させることができるような仕方で係留ライン(3)により水域の底(10)に係留されている。極低温立上り管(2)の第2の端部は、マニホルド(60)のところで海中パイプライン(4)に取り付けられ、この海中パイプラインは、全体が水域の表面(11)の下に位置し、この場合、水域の底(10)の下に埋設されている。
【0067】
この実施形態では、SLTSは、FSRU(12)をLNG浮き運搬船(5)が荷降ろしされている場所から数キロメートル離れたところで切り離し可能なタレット係留システムに連結している。変形実施形態では、FSRU(12)と水中極低温タレットコネクタ(1)との間の距離は、1、2、3、4又は5キロメートルよりも長い。FSRU(12)中の極低温タレット(1a)は、第2のマニホルド(60a)のところで第2の極低温立上り管(2d)により海中パイプライン(4)に連結されている。FSRU(12)中の極低温タレット(1a)は、SLTSからのLNG流路及び岸(図示せず)に通じるガス搬出パイプライン(27)に連結されると共にこれと流体連通状態にあるガス搬出立上り管(26)を含むガス搬出流路を有している。FSRU(12)は、LNG及び(又は)天然ガスを貯蔵する貯蔵タンク(28)及びLNGを天然ガスに再ガス化するためのLNG揮発処理機器(29)を有している。FSRU(12)中の極低温タレット(1a)は、FSRU(12)の外殻の底部に設けられたレセプタクル(6a)開口部を介してFSRU(12)に連結されている。FSRU(12)は、永続的にタレット係留型のものであってもよく、或いはタレット(1a)が切り離し可能であってもよい。好ましくは、タレット(1a)連結部は、FSRU(12)がタレット(1a)連結部回りに風見鶏のように動くことができるようにすることが可能である。変形例として、FSRU(12)を外部タレット係留システムによって水域の底(10)に係留してもよく、このかかる外部タレット係留システムでは、タレットは、FSRU外殻の外部に且つ代表的には水域の表面(11)の上に位置する。変形例として、浅海では、FSRU(12)をジャケット−ヨーク係留システムを介して水域の底(10)に係留してもよく、かかるジャケット−ヨーク係留システムでは、FSRUは、スイベルを介して鋼杭打ちジャケットプラットホームに連結され、FSRU外殻に取り付けられた釣合重り式構造的ヨークがこのスイベルに取り付けられている。変形例として、FSRU(12)をスプレッド係留システム(この場合、タレットシステムは設けられない)又は外海バース(即ち、係船杭及び防舷物)によって水域の底(10)に係留してもよい。
【0068】
図6は、搬入ターミナルとして機能する本発明の変形実施形態を示している。この実施形態は、極低温流体を浮き運搬船(5)からSLTSシステム及び底土台構造物(13)を用いて搬入する段階を有する。図1及び図5の場合と同様、この実施形態は、極低温立上り管(2)の一端部に取り付けられると共にこれと連通状態にある水中極低温タレットコネクタ(1)を有するSLTSシステムを示している。水中極低温タレットコネクタ(1)は、水中極低温タレットコネクタ(1)の垂直位置を変化させることができるような仕方で係留ライン(3)により水域の底(10)に係留されている。極低温立上り管(2)の第2の端部は、マニホルド(60)のところで海中パイプライン(4)に取り付けられ、この海中パイプラインは、全体が水域の表面(11)の下に位置し、この場合、水域の底(10)の下に埋設されている。
【0069】
この実施形態では、SLTSは、底土台構造物(13)、例えば、コンクリート又は鋼製の重力を利用する構造(GBS)搬入ターミナルからLNG浮き運搬船(5)が荷降ろしされる場所から数キロメートル離れたところに位置する切り離し可能なタレット係留システムまで延びている。底土台構造物(13)は、第2の極低温立上り管(30a)によって海中パイプライン(4)に連結されている。第2の極低温立上り管(30a)は、当該技術分野において知られている任意適当な手段、例えば、剛性立上り管システムによって底土台構造物(13)に連結されている。底土台構造物(13)は、SLTSからのLNG流路及び岸(図示せず)に通じるガス搬出パイプライン(27a)に連結されると共にこれと流体連通状態にあるガス搬出立上り管(26a)を含むガス搬出流路を有している。ガス搬出立上り管(26a)は、当該技術分野において知られている任意適当な手段、例えば、剛性立上り管システムにより底を基礎とする船構造物(13)に連結されている。底土台構造物(13)は、LNG及び(又は)天然ガスを貯蔵する貯蔵タンク(28a)及びLNGを天然ガスに再ガス化するためのLNG揮発処理機器(29a)を有している。
【0070】
図7は、搬入ターミナルとして機能する本発明の変形実施形態を示している。この実施形態では、搬入ターミナルは、極低温流体の直接荷降ろしを利用している。この実施形態は、各々がそれぞれの極低温立上り管(2),(2e)の一端部に取り付けられると共にこれと流体連通状態にある2つの水中極低温タレットコネクタ(1),(1a)を有するSLTSシステムを示している。水中極低温タレットコネクタ(1),(1a)は、係留ライン(3)により、それぞれの水中極低温タレットコネクタ(1),(1a)の垂直位置を変化させることができるような仕方で水域の水底(10)に係留されている。極低温立上り管(2),(2e)のそれぞれの第2の端部は両方共、スプリッタマニホルド(35)のところで海中パイプライン(4)に取り付けられており、このスプリッタマニホルドは、水域の表面(11)の完全に下で且つ水域の底(10)上に設置されている。このように、一隻のLNG浮き運搬船(5)は、SLTSを介して常時荷降ろしされ、ターミナル貯蔵が不要である。第1のLNG浮き運搬船(5)が第1の水中極低温タレットコネクタ(1)のところでの荷降ろしを終了したとき、第2のLNG浮き運搬船(5a)は、第2の水中極低温タレットコネクタ(1a)に連結されていて、荷降ろしをいつでも開始できる状態にある。再ガスプラットホーム鋼杭打ちジャケット(15)が示されているが、変形例として、再ガス施設を陸上に又はGBS上の沖合いに、或いは浮き船に設置してもよい。
【0071】
この実施形態では、SLTSは、再ガスプラットホーム鋼杭打ちジャケット(15)搬入ターミナルからLNG浮き運搬船(5)が荷降ろしされる場所から数キロメートル離れたところに位置する切り離し可能なタレット係留システムまで延びている。再ガスプラットホーム鋼杭ジャケット(15)は、第2の極低温立上り管(30b)によって海中パイプライン(4)に連結されている。第2の極低温立上り管(30b)は、当該技術分野において知られている任意適当な手段、例えば、剛性立上り管システムによって再ガスプラットホーム鋼杭ジャケット(15)に連結されている。再ガスプラットホーム鋼杭ジャケット(15)は、SLTSからのLNG流路及び岸(図示せず)に通じるガス搬出パイプライン(27b)に連結されると共にこれと流体連通状態にあるガス搬出立上り管(26b)を含むガス搬出流路を有している。ガス搬出立上り管(26b)は、当該技術分野において知られている任意適当な手段、例えば、剛性立上り管システムにより底を基礎とする船構造物(15)に連結されている。再ガスプラットホーム鋼杭ジャケット(15)は、LNG及び(又は)天然ガスを貯蔵する貯蔵タンク(28b)及びLNGを天然ガスに再ガス化するためのLNG揮発処理機器(29b)を有している。
【0072】
図8は、搬出ターミナルとして機能する本発明の実施形態を示している。この実施形態は、LNG液化プラント及び貯蔵ターミナルを有する岸沿い搬出ターミナル(16)を含むのがよい。この実施形態では、SLTSは、岸沿い搬出ターミナル(16)からLNG浮き運搬船(5)が荷積みされる場所から数キロメートル離れたところの水中極低温タレットコネクタ(1)又は複数個のコネクタ(図示せず)まで延びている。
【0073】
岸沿い搬入ターミナルの変形実施形態も又可能である。かかる実施形態は、岸沿いターミナルがLNG貯蔵及び揮発施設を備えた搬入ターミナルであることを除き、図8に示す実施形態(岸沿い搬出ターミナル実施形態)とほぼ同じである。
【0074】
図9は、本発明の中間深さ移送実施形態を示している。この実施形態は、好ましくは中位から深い水深用に使用できるが、浅い深さにも使用できる。機能的に、このコンセプトは、FSRU実施形態(図5)に類似しているが、極低温パイプライン(又はフローライン)システムは、コストを減少させると共にシステム前後の圧力降下(外洋の底上のパイプラインまで延びる立上り管に対して)を減少させるよう水柱中の中間深さのところに吊り下げられている。図示の極低温パイプライン(又はフローライン)システムは、それぞれの水中極低温タレットコネクタ(1),(1a)に連結されると共にこれらと流体連通状態にある第1のそれぞれの端部及び中間深さ極低温パイプライン(16)の反対側の端部に連結された第2のそれぞれ2を備えた2つの極低温立上り管(9),(9a)を有する。極低温パイプラインシステムの浮力は、浮力カン(17)又は当該技術分野において知られている他の浮力装置によって維持される。中間深さSLTSを上述した実施形態のうちの任意のものに使用でき、例えば、LNGをLNG浮き運搬船(5)からFSRU、浮きLNG産出システム(FLNG)又は別のLNG浮き運搬船に移送するよう使用できる。
【0075】
本発明の上述の実施形態は、極低温流体を浮き船と第2の場所との間で運搬するシステムを含むのがよく、各実施形態は、以下に説明する種々の変形例のうちの1つ又は2つ以上を含んでもよい。システムは、第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温立上り管を有するのがよい。極低温立上り管は、極低温流体を水中極低温タレットコネクタと立上り管の第2の端部との間で送るようになっている。極低温立上り管の一端部は、水域の表面の近くに位置し、水中極低温タレットコネクタに連結されると共にこれと流体連通状態にあるのがよく、立上り管の第2の端部は、水域の底上に設置されたパイプラインに連結されると共にこれと流体連通状態にあり又は中間深さの場所に吊り下げられるのがよい。第1の立上り管の第2の端部は、水域中に位置すると共に第2の場所と流体連通状態にあるのがよい。一実施形態では、極低温立上り管は、立上り管の端点相互間の垂直距離を変化させることができる可撓性立上り管である。例えば、立上り管の第1の端部と立上り管の第2の端部との間の垂直距離を変化させることができるよう立上り管は、可撓性ホース、可撓性パイプで作られ、又は、立上り管は、関節継手を備えた剛性パイプで作られたものであるのがよい。第1の立上り管は、第1の立上り管の第1の端部の垂直位置を変化させることができるようになっているのがよい。このシステムは、変形例として、第1の立上り管の第2の端部が垂直位置の変化をもたらすようにはなっていない立上り管を有していてもよい。立上り管は、複数本の極低温流体導管から成るのがよい。立上り管は変形例として、1本又は2本以上の極低温流体導管及び1本又は2本以上の非極低温流体導管を有してもよい。
【0076】
本発明の実施形態は、断熱された立上り管を含む。この立上り管は、立上り管に被着され又は立上り管の内部に設けられた別個の断熱材料を有するのがよい。変形例として、立上り管を動作中、これが断熱材料として働くように構成されたものであってもよい。断熱材料としては、熱伝導率が12W/m−℃(7Btu−hr−ft−°F)よりも小さな材料が挙げられる。変形例として、断熱材料の熱伝導率は、1.0W/m−℃(0.6Btu−hr−ft−°F)よりも小さく又は0.1W/m−℃(0.06Btu−hr−ft−°F)よりも小さくてもよい。例示の断熱材料としては、鉱物線維(例えば、パーライト)、ゴム、プラスチックフォーム(例えば、ポリウレタンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、ポリスチレンフォーム)、ガラス線維、真空及び(又は)微孔質断熱材、例えばエーロゲルが挙げられる。上記において用いた「物品」という用語は、任意の物理的物品を意味している。例示の物品としては、立上り管、パイプライン、流体導管が挙げられる。例示の断熱物品としては、パイプ相互間の環状域に上述の断熱材料のうちの任意のものが設けられたパイプインパイプ(pipe-in-pipe)構造、一部がステンレス鋼ワイヤで作られたホース、ポリマーフィルム及びポリマー織物、ポリウレタンフォーム及びゴム、ステンレス鋼ベロー、ポリプロピレン外装、断熱材及びゴムで作られた複合材パイプが挙げられる。立上り管は又、これが断熱材料で作られておらず又は断熱材料を含んでいないが、いったん水域中の極低温使用状態に配置されると、立上り管が断熱材料として働く氷で覆われた状態になるように構成されると共に動作するものであってもよい。
【0077】
システムは、第1の立上り管の第1の端部に連結された第1の水中タレットコネクタを有するのがよい。第1のコネクタは、水域上に位置する第1の浮き船に解除自在に連結されて極低温流体を第1の船と第1の立上り管の第1の端部との間で送ることができるようになっているのがよい。第1のコネクタは、水域の表面の下の箇所で第1の船に連結されるようになっているのがよい。変形例として、第1のコネクタは、水域の表面の上の箇所で第1の船に連結されるようになっていてもよい。第1のコネクタは、第1の船と流体連通状態にある第2の流体導管を有するのがよい。第1のコネクタは、第1の船と流体連通状態にある複数本の流体導管を有するのがよい。流体導管のうち1本又は2本以上は、極低温導管であるのがよい。流体導管のうちの1本又は2本以上は、非極低温使用に適しているのがよい。導管のうち1本又は2本以上は、船内への流入、船からの流出又は船からの出入りの両方に適合したものであるのがよい。
【0078】
第1のコネクタを水域の底に係留して第1のコネクタの垂直位置を変化させることができるようになっているのがよい。例えば、水中極低温タレットコネクタは、船に連結されていないとき、水域の表面よりも30メートル下のところに係留される場合があり、そして、船への連結のために水域の表面よりも上又は下に10又は20メートルの範囲内のレベルまで上昇させられる場合がある。変形例として、水中極低温タレットコネクタは、船に連結されていないとき、水域の表面よりも20、40又は50メートル以上下のところに係留されてもよい。変形例として、水中極低温タレットコネクタは、連結されていないとき、水域の水底まで落下するようになっていてもよい。上述したように、メッセンジャーブイを係留ラインによって水中極低温タレットコネクタに連結するのがよい。
【0079】
第1のコネクタは、第1の船が第1のコネクタに連結されている状態で第1の船を水域の表面上で第1のコネクタ回りに回転させる(即ち、風見鶏のように動かす)ことができるようになっているのがよい。
【0080】
システムは、第2の水中タレットコネクタを有するのがよく、この第2の水中タレットコネクタは、第2の施設に連結されて流体を第1の船と第2の施設との間で送ることができるようになっている。変形例として、第2のコネクタは、第2の施設が第2のコネクタに連結されている状態で第2の施設を水域の表面上で第2のコネクタ回りに回転させることができるようになっているのがよい。第2のコネクタは変形例として、第2の施設に解除自在に連結されるようになっていてもよい。変形例として、第2のコネクタは、永続的に第2の施設に連結されるようになっていてもよい。第2のコネクタは変形例として、水域の底に係留されて第2のコネクタの垂直位置を変化させることができるようになっていてもよい。
【0081】
システムは、第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温流体導管を有するのがよく、第1の導管の第1の端部は、第1の立上り管の第2の端部と流体連通状態にあり、第1の導管の第2の端部は、第2の場所と流体連通状態にある。第1の流体導管は、パイプライン導管であるのがよい。システムは、パイプライン導管を有するのがよく、パイプライン導管の少なくとも一部は、断熱されている。変形例として、パイプライン導管全体を断熱してもよい。
【0082】
本発明の実施形態は、断熱されたパイプライン導管を有する。パイプラインは、パイプラインに被着され又はパイプラインの内部に設けられた別個の断熱材料を有するのがよい。変形例として、パイプラインを動作中、これが断熱材料として働くように構成されたものであってもよい。断熱材料としては、熱伝導率が12W/m−℃(7Btu−hr−ft−°F)よりも小さな材料が挙げられる。変形例として、断熱材料の熱伝導率は、1.0W/m−℃(0.6Btu−hr−ft−°F)よりも小さく又は0.1W/m−℃(0.06Btu−hr−ft−°F)よりも小さくてもよい。例示の断熱材料としては、鉱物線維(例えば、パーライト)、ゴム、プラスチックフォーム(例えば、ポリウレタンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、ポリスチレンフォーム)、ガラス線維、真空及び(又は)微孔質断熱材、例えばエーロゲルが挙げられる。上記において用いた「物品」という用語は、任意の物理的物品を意味している。例示の物品としては、パイプライン、パイプライン、流体導管が挙げられる。例示の断熱物品としては、パイプ相互間の環状域に上述の断熱材料のうちの任意のものが設けられたパイプインパイプ(pipe-in-pipe)構造、一部がステンレス鋼ワイヤで作られたホース、ポリマーフィルム及びポリマー織物、ポリウレタンフォーム及びゴム、ステンレス鋼ベロー、ポリプロピレン外装、断熱材及びゴムで作られた複合材パイプが挙げられる。パイプラインは又、これが断熱材料で作られておらず又は断熱材料を含んでいないが、いったん水域中の極低温使用状態に配置されると、パイプラインが断熱材料として働く氷で覆われた状態になるように構成されると共に動作するものであってもよい。
【0083】
パイプライン導管は、少なくとも一部が水域内に浸漬されているのがよい。変形例として、パイプライン導管を完全に水域中に浸漬してもよい。パイプライン導管は、第1の端部及び第2の端部を備えた水中パイプラインを含むのがよく、パイプラインの第1の端部は、第1の立上り管の第2の端部に連結され、パイプラインの第2の端部は、第2の場所と流体連通状態にある。
【0084】
変形例として、水中パイプラインを水域の底上又はその下に配置してもよい。変形例として、水中パイプラインを水域内に吊り下げてもよい。吊り下げ状態のパイプラインは、パイプラインが吊り下げ状態を保つのを助ける浮力補助手段を使用したものであるのがよい。例示の浮力補助手段としては、浮力カン及び当該技術分野において知られた他の浮力補助手段が挙げられる。
【0085】
パイプライン導管は、第1の端部及び第2の端部を備えた第2の立上り管を有するのがよく、第1の端部は、上述の第2のコネクタに連結されている。
【0086】
パイプライン導管の第1の端部は、第1の立上り管の第2の端部に連結されるのがよく、それにより第1のパイプライン連結部が形成される。第1のパイプライン連結部は、マニホルドを含むのがよい。マニホルドは、遮断弁を有するのがよい。
【0087】
システムは、第1の立上り管流体導管及び第2の立上り管流体導管を含む第1の立上り管を有するのがよい。第1の立上り管導管の第1の端部及び第2の立上り管導管の第1の端部を第1のコネクタに取り付けるのがよく、第1の立上り管導管の第2の端部及び第2の立上り管導管の第2の端部は、パイプライン導管と流体連通状態にあるのがよい。システムは、ジャンパ流体導管を更に有するのがよい。ジャンパ導管は、第1の立上り管導管と第2の立上り管導管とを流体連通させる経路を構成するようになっているのがよい。変形実施形態では、ジャンパ導管を第1のコネクタ内に、第1の立上り管導管と第2の立上り管導管との間に、パイプライン端部マニホルド内に又は第1のパイプライン導管と第2のパイプライン導管との間に配置してもよい。第1のコネクタ内に配置された場合、第1のコネクタは、2本又は3本以上の流体導管を有するのがよく、ジャンパ導管は、第1のコネクタ内に設けられた流体導管相互間に流体経路を構成するようになっているのがよい。第1の立上り管導管と第2の立上り管導管との間に配置された場合、ジャンパ導管は、第1の立上り管導管及び第2の立上り管導管の長さに沿うどこかの場所に配置することができ、第1の立上り管導管と第2の立上り管導管との間に流体経路を構成するようになっているのがよい。一変形例では、ジャンパ導管は、第1のコネクタの直ぐ下で第1及び第2の立上り管導管の上方部分に設けられる。別の変形例では、ジャンパ導管は、第1及び第2の立上り管導管がパイプライン導管に連結される場所の直ぐ上で第1及び第2の立上り管導管の下方部分に設けられる。変形例として、ジャンパ導管をもし存在すればパイプライン端部マニホルド内に設けてもよい。第1のパイプライン導管と第2のパイプライン導管との間に配置する場合、ジャンパ導管を第1及び第2のパイプライン導管の長さに沿うどこかの場所に配置し、第1のパイプライン導管と第2のパイプライン導管との間に流体経路を構成するようになっているのがよい。一変形例では、ジャンパ導管は、第1及び第2のパイプライン導管の第1の立上り管側側部に設けられる。上述の場所のうち任意の場所において、ジャンパ導管は、第1のコネクタ内の2本又は3本以上の流体導管のうち任意の1本又は2本以上との間、第1の立上り管導管と第2の立上り管導管との間及び(又は)第1のパイプライン導管と第2のパイプライン導管との間の流体連通をもたらすようになっているのがよい。
【0088】
システムは、第1のパイプライン流体導管及び第2のパイプライン流体導管で構成されたパイプライン導管を有するのがよい。第1のパイプライン導管の第1の端部は、第1の立上り管導管の第2の端部と流体連通状態にあるのがよい。第2のパイプライン導管の第1の端部は、第2の立上り管導管のラインの端部と流体連通状態にあるのがよい。第1のパイプライン導管の第2の端部及び第2のパイプライン導管の第2の端部は、第2の場所と流体連通状態にあるのがよい。それにより、システム全体は、極低温流体の循環に適した流体導管ループを構成する。
【0089】
流体導管ループは、第1の船が第1のコネクタから切り離されている状態で、極低温流体を第2の場所から第1及び第2のパイプライン導管のうちの一方、第1及び第2の立上り管導管のうちの一方及びジャンパ導管を通り、そして他方の立上り管導管、他方のパイプライン導管を通って第2の場所に循環して戻すようになっているのがよい。
【0090】
システムは、水域内に浸漬された循環式極低温流体導管を有するのがよく、この場合、循環式流体導管は、第1のコネクタに連結されると共に第1の立上り管の第1の端部と流体連通状態にある第1の端部及びパイプライン導管上の箇所と流体連通状態にある第2の端部を有し、それにより、極低温流体の循環に適した流体導管ループが構成される。変形例として、循環式極低温流体導管の第2の端部を第2の場所に連結するのがよい。
【0091】
パイプライン導管は、スプリッタマニホルドを有するのがよく、スプリッタマニホルドは、パイプライン導管上の箇所に連結された入口、第1のコネクタと流体連通状態にある第2の出口、及び水域上に位置する浮き船に解除自在に連結されるのに適した別の水中タレットコネクタと流体連通状態にある第2の出口を有する。
【0092】
第2の場所は、施設を含むのがよい。施設は、水域上に位置する第2の浮き船であるのがよい。変形例として、施設は、陸上に設置された陸上構造物であってもよい。第2の場所は、施設であるにせよ、陸上構造物であるにせよ又は浮き船であるにせよ、いずれにせよ、流体、好ましくは極低温流体を処理すると共に(或るいは)貯蔵できるのがよい。流体の処理は、流体のガス化、再ガス化、蒸発、液化及び(又は)移送のうち1つ又は2つ以上から選択されたものであるのがよい。一変形例では、第2の場所は、流体を貯蔵することができる。別の変形例では、第2の場所は、流体を再ガス化することができる。一変形例では、第2の場所は、浮き運搬船である。
【0093】
変形例として、第1の浮き船は、第2の場所から1キロメートル以上のところに位置してもよい。変形例として、第1の浮き船は、第2の場所から1、2、3、4又は5キロメートル以上のところに位置してもよい。変形例として、第1の浮き船は、浮き船であってよい。変形例として、第1の浮き船は、浮き極低温流体貯蔵船であってよい。変形例として、第1の浮き船は、浮き運搬船であってよい。
【0094】
システムは、温度が−50℃(−58°F)よりも低い極低温流体を移送するようになった第1の立上り管、第1のコネクタ及びパイプライン導管を有するのがよい。変形例として、立上り管、第1のコネクタ及びパイプライン導管は、温度が−100℃(−148°F)よりも低い極低温流体を移送するようになったものであってよい。変形実施形態では、極低温流体は、液化天然ガス(LNG)、加圧液化天然ガス(PLNG)、冷凍液化石油ガス(LPG)、液体窒素又は極低温状態の任意他の流体のうち1つ又は2つ以上である。変形実施形態では、極低温流体は、炭化水素流体である。変形実施形態では、極低温流体は、50重量パーセントよりも多くのメタンを含む。変形実施形態では、極低温流体は、75重量パーセント、80重量パーセント、85重量パーセント又は90重量パーセントよりも多くのメタンを含む。
【0095】
本明細書において説明したシステムは、極低温流体を陸に運搬するために用いられるのがよい。本明細書において説明したシステムは、極低温流体の少なくとも一部を蒸発させて50重量パーセントよりも多くのメタンを含むガスを生じさせるために使用できる。本明細書において説明したシステムは、蒸発したガスを陸に運搬するよう使用できる。
【0096】
本発明の特定の特徴を1組の数値の上限及び1組の数値の下限の観点で説明した。これら限度の任意の組合せにより形成される範囲は、別段の指定が無ければ本発明の範囲に含まれることは理解されるべきである。従属形式の請求項のうち幾つかは米国特許実務に従って単一の従属項を有するが、かかる従属形式の請求項のうち任意のものの特徴の各々を同一の独立形式の1又は複数の請求項に応じて、他の従属形式の請求項のうち1又は2つ以上の特徴の各々と組み合わせることができる。
【0097】
本発明をその好ましい実施形態と関連して説明した。しかしながら、上記説明が本発明の特定の実施形態又は特定の用途にとって特有である程度に、これは、例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものと解釈されてはならない。それどころか、本発明は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲に含まれる全ての変形例、改造例及び均等例を含むようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】水域中に浸漬されていて、浮き運搬船から切り離された水中極低温タレットコネクタを有する本発明の一実施形態を示す図である。
【図2】船に連結された状態で、船内レセプタクル内に設けられた水中極低温タレットコネクタの一実施形態を示す図である。
【図3】船に連結された状態で、船内レセプタクル内に設けられた水中極低温タレットコネクタの別の実施形態を示す図である。
【図4】船内レセプタクル内に設けられた水中極低温タレットコネクタの一実施形態の切除図である。
【図5】浮き運搬船と浮き貯蔵及び再ガス化ユニット(FSRU)を互いに流体連通させるために用いられる水中極低温タレットコネクタ−立上り管−パイプラインシステムを含む本発明の一実施形態を示す図である。
【図6】底を土台とする船を互いに流体連通させるために用いられる水中極低温タレットコネクタ−立上り管−パイプラインシステムを含む本発明の一実施形態を示す図である。
【図7】浮き運搬船と再ガス化プラットホーム鋼杭打ちジャケットを互いに流体連通させるために用いられたデュアル水中極低温タレットコネクタ−立上り管−パイプラインシステムを含む本発明の一実施形態を示す図である。
【図8】浮き運搬船と沖合い搬出ターミナルを互いに流体連通させるために用いられた水中極低温タレットコネクタ−立上り管−パイプラインシステムを含む本発明の一実施形態を示す図である。
【図9】2隻の浮き船相互間を流体連通させるために用いられた水中極低温タレットコネクタ−立上り管−パイプラインシステムを含む本発明の一実施形態を示す図であり、この実施形態においては、浮力装置がパイプラインを水域中の中間深さの場所に浮遊させるために用いられている図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温流体を浮き船と第2の場所との間で運搬するシステムであって、
a)第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温立上り管であって、前記第1の端部の垂直位置を変化させることができるように構成され、前記第2の端部が水域内に位置すると共に前記第2の場所と流体連通状態にあり、少なくとも一部が断熱されている第1の極低温立上り管と、
b)前記第1の立上り管の前記第1の端部に連結された第1の水中タレットコネクタであって、前記水域上に位置する第1の浮き船に解除自在に連結されるように構成され、極低温流体を前記第1の船と前記第1の立上り管の前記第1の端部との間で送ることができるように構成され、前記第1のコネクタの垂直位置を変化させることができるよう前記水域の底に係留され、前記第1の船が前記第1のコネクタに連結されている状態で前記第1の船を前記水域の表面上で前記第1のコネクタ回りに回転させることができるように構成されている第1の水中タレットコネクタと、を備えている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
第1の端部及び第2の端部を備えたパイプライン極低温流体導管を更に有し、該パイプライン導管の前記第1の端部は、前記第1の立上り管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記パイプライン導管の前記第2の端部は、前記第2の場所と流体連通状態にあり、前記パイプライン導管は、少なくとも一部が前記水域内に浸漬されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記パイプライン導管は、少なくとも一部が断熱されている、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の立上り管は、第1の立上り管流体導管及び第2の立上り管流体導管を含み、前記第1の立上り管導管の第1の端部及び前記第2の立上り管導管の第1の端部は、前記第1のコネクタに取り付けられ、前記第1の立上り管導管の第2の端部及び前記第2の立上り管導管の第2の端部は、前記パイプライン導管と流体連通状態にある、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
ジャンパ流体導管を更に有し、該ジャンパ導管は、前記第1の立上り管導管と前記第2の立上り管導管との間を流体連通させる経路となっている、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記ジャンパ流体導管は、前記第1のコネクタ内に設けられ又は前記第1の立上り管導管と前記第2の立上り管導管との間に設けられている、請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記パイプライン導管は、第1のパイプライン流体導管及び第2のパイプライン流体導管で構成され、前記第1のパイプライン導管の第1の端部は、前記第1の立上り管導管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記第2のパイプライン導管の第1の端部は、前記第2の立上り管導管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記第1のパイプライン導管の第2の端部及び前記第2のパイプライン導管の第2の端部は、前記第2の場所と流体連通状態にあり、それにより、前記ジャンパ流体導管と一緒になって、極低温流体の循環に適した流体導管ループを構成している、請求項5記載のシステム。
【請求項8】
前記ジャンパ流体導管は、前記第1のパイプライン導管と前記第2のパイプライン導管との間に設けられていること特徴とする請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記流体導管ループは、前記第1の船が前記第1のコネクタから切り離されている状態で、極低温流体を前記第2の場所から前記第1のパイプライン導管、第2のパイプライン導管、前記第1の立上り管導管、前記第2の立上り管導管及び前記ジャンパ導管を通って前記第2の場所に循環して戻すようになっている、請求項7記載のシステム。
【請求項10】
循環極低温流体導管を更に有し、該循環流体導管は、前記第1のコネクタに連結されていて、前記第1の立上り管の前記第1の端部と流体連通状態にある第1の端部及び前記パイプライン導管上の箇所と流体連通状態にある第2の端部を有し、それにより、極低温流体の循環に適した流体導管ループを構成している、請求項2記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の立上り管は、前記第1の立上り管の前記第1の端部と前記第2の端部との間の垂直距離を変化させるようになっている、請求項2記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の立上り管は、可撓性立上り管である、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の立上り管は、ホース、剛性パイプ、可撓性パイプ又は関節継手のうち1つ又は2つ以上を有する、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のコネクタは、前記水域の表面よりも下の箇所で前記第1の船に連結されるようになっている、請求項2記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のコネクタは、前記水域の表面よりも上の箇所で前記第1の船に連結されるようになっている、請求項2記載のシステム。
【請求項16】
前記第2の場所は、施設を含む、請求項2記載のシステム。
【請求項17】
前記施設は、前記水域上に位置する第2の浮き船である、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記施設は、陸上構造物である、請求項16記載のシステム。
【請求項19】
第2の水中タレットコネクタを更に有し、該第2のコネクタは、前記第2の浮き船に解除自在に連結されるようになっていて、流体を前記第1の船と前記第2の船との間で送ることができるようになっており、前記第2のコネクタは、前記第2の船が前記第2のコネクタに連結されている状態で前記第2の船を前記水域の表面上で前記第2のコネクタ回りに回転させることができるようになっている、請求項17記載のシステム。
【請求項20】
前記第2のコネクタは、前記第2の船に解除自在に連結されるようになっている、請求項19記載のシステム。
【請求項21】
前記第2のコネクタは、前記第2のコネクタの垂直位置を変化させることができるよう前記水域の底に係留されている、請求項20記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の立上り管、前記パイプライン導管又はこれら両方は、熱伝導率が1.0W/m−℃(0.6Btu/hr−ft−°F)未満の材料で断熱されている、請求項3記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の立上り管導管の前記第2の端部及び前記第2の立上り管導管の前記第2の端部は、マニホルドのところで前記パイプライン導管の前記第1の端部に連結されている、請求項4記載のシステム。
【請求項24】
前記パイプライン導管の少なくとも一部は、前記水域の底上又はその下に設けられている、請求項2記載のシステム。
【請求項25】
前記パイプライン導管は、前記水域中に吊り下げられている、請求項2記載のシステム。
【請求項26】
前記マニホルドは、遮断弁を有する、請求項23記載のシステム。
【請求項27】
前記パイプライン導管は、スプリッタマニホルドを有し、該スプリッタマニホルドは、前記パイプライン導管上の箇所に連結された入口、前記第1のコネクタと流体連通状態にある第1の出口、及び前記水域上に位置する浮き船に解除自在に連結されるのに適した別の水中タレットコネクタと流体連通状態にある第2の出口を有する、請求項2記載のシステム。
【請求項28】
前記第1のコネクタに連結されたメッセンジャーブイを更に有する、請求項1記載のシステム。
【請求項29】
前記第1のコネクタの垂直位置を前記水域の表面から20メートル以内に位置する第1の位置と、前記水域の表面よりも20メートル以上下に位置する第2の位置との間で変化させることができる、請求項1記載のシステム。
【請求項30】
前記第1の船は、前記第2の場所から1キロメートル以上離れて位置している、請求項1記載のシステム。
【請求項31】
前記第1のコネクタは、浸漬タレット荷積みコネクタ又は浸漬タレット産出コネクタである、請求項1記載のシステム。
【請求項32】
前記第1のコネクタは、複数本の流体導管を有する、請求項1記載のシステム。
【請求項33】
前記第1の立上り管は、複数本の極低温流体導管で構成されている、請求項32記載のシステム。
【請求項34】
前記第1の浮き船は、浮き極低温流体貯蔵船である、請求項1記載のシステム。
【請求項35】
前記第1の浮き船は、浮き運搬船である、請求項34記載のシステム。
【請求項36】
前記第1の立上り管、前記第1のコネクタ、及び前記パイプライン導管は、温度が−50℃(−58°F)よりも低い極低温流体を移送するようになっている、請求項2記載のシステム。
【請求項37】
前記第1の立上り管、前記第1のコネクタ、及び前記パイプライン導管は、温度が−100℃(−148°F)よりも低い極低温流体を移送するようになっている、請求項36記載のシステム。
【請求項38】
極低温流体を浮き船と第2の場所との間で運搬するシステムであって、
a)第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温立上り管を有し、該第1の立上り管は、前記第1の立上り管の前記第1の端部の垂直位置を変化させることができるようになっており、前記第1の立上り管の前記第2の端部は、水域内に位置すると共に前記第2の場所と流体連通状態にあり、
b)前記第1の立上り管の前記第1の端部に連結された第1の水中タレットコネクタを有し、該第1のコネクタは、前記水域上に位置する第1の浮き船に解除自在に連結されるようになっていて、極低温流体を前記第1の船と前記第1の立上り管の前記第1の管との間で送ることができるようになっており、前記第1のコネクタは、前記第1のコネクタの垂直位置を変化させることができるよう前記水域の底に係留されており、前記第1のコネクタは、前記第1の船が前記第1のコネクタに連結されている状態で前記第1の船を前記水域の表面上で前記第1のコネクタ回りに回転させることができるようになっており、
c)第1の端部及び第2の端部を備えたパイプライン極低温流体導管を有し、該パイプライン導管の前記第1の端部は、前記第1の立上り管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記パイプライン導管の前記第2の端部は、前記第2の場所と流体連通状態にあり、前記パイプライン導管は、少なくとも一部が前記水域内に浸漬されており、
前記第1の立上り管の少なくとも一部、前記パイプライン導管の少なくとも一部、又はこれら両方は、断熱されている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項39】
前記第1の立上り管は、第1の立上り管流体導管及び第2の立上り管流体導管を含み、前記第1の立上り管導管の第1の端部及び前記第2の立上り管導管の第1の端部は、前記第1のコネクタに取り付けられ、前記第1の立上り管導管の第2の端部及び前記第2の立上り管導管の第2の端部は、前記パイプライン導管と流体連通状態にある、請求項38記載のシステム。
【請求項40】
ジャンパ流体導管を更に有し、該ジャンパ導管は、前記第1の立上り管導管と前記第2の立上り管導管との間を流体連通させる経路となっている、請求項39記載のシステム。
【請求項41】
前記ジャンパ流体導管は、前記第1のコネクタ内に設けられ又は前記第1の立上り管導管と前記第2の立上り管導管との間に設けられている、請求項40記載のシステム。
【請求項42】
前記パイプライン導管は、第1のパイプライン流体導管及び第2のパイプライン流体導管で構成され、前記第1のパイプライン導管の第1の端部は、前記第1の立上り管導管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記第2のパイプライン導管の第1の端部は、前記第2の立上り管導管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記第1のパイプライン導管の第2の端部及び前記第2のパイプライン導管の第2の端部は、前記第2の場所と流体連通状態にあり、それにより、前記ジャンパ流体導管と一緒になって、極低温流体の循環に適した流体導管ループを構成している、請求項40記載のシステム。
【請求項43】
前記ジャンパ流体導管は、前記第1のパイプライン導管と前記第2のパイプライン導管との間に設けられていること特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項44】
前記流体導管ループは、前記第1の船が前記第1のコネクタから切り離されている状態で、極低温流体を前記第2の場所から前記第1のパイプライン導管、第2のパイプライン導管、前記第1の立上り管導管、前記第2の立上り管導管及び前記ジャンパ導管を通って前記第2の場所に循環して戻すようになっている、請求項42記載のシステム。
【請求項45】
前記第1の立上り管は、前記第1の立上り管の前記第1の端部と前記第2の端部との間の垂直距離を変化させるようになっている、請求項42記載のシステム。
【請求項46】
前記第1のコネクタは、複数本の流体導管を有する、請求項45記載のシステム。
【請求項47】
前記第1の立上り管は、複数本の極低温流体導管で構成されている、請求項46記載のシステム。
【請求項48】
極低温流体を浮き船と第2の場所との間で運搬する方法であって、
a)極低温液体を極低温流体移送導管により第1の船と第2の場所との間で送る段階を有し、前記極低温流体導管は、
i)第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温立上り管を有し、該第1の立上り管は、前記第1の立上り管の前記第1の端部の垂直位置を変化させることができるようになっており、前記第1の立上り管の前記第2の端部は、水域内に位置すると共に前記第2の場所と流体連通状態にあり、前記第1の立上り管の少なくとも一部は、断熱されており、
ii)前記第1の立上り管の前記第1の端部に連結された第1の水中タレットコネクタを有し、該第1のコネクタは、前記水域上に位置する第1の浮き船に解除自在に連結されるようになっていて、極低温流体を前記第1の船と前記第1の立上り管の前記第1の端部との間で送ることができるようになっており、前記第1のコネクタは、前記第1のコネクタの垂直位置を変化させることができるよう前記水域の底に係留されており、前記第1のコネクタは、前記第1の船が前記第1のコネクタに連結されている状態で前記第1の船を前記水域の表面上で前記第1のコネクタ回りに回転させることができるようになっている、
ことを特徴とする方法。
【請求項49】
前記移送導管は、第1の端部及び第2の端部を備えたパイプライン極低温流体導管を有し、該パイプライン導管の前記第1の端部は、前記第1の立上り管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記パイプライン導管の前記第2の端部は、前記第2の場所と流体連通状態にあり、前記パイプライン導管は、少なくとも一部が前記水域内に浸漬されている、請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記パイプライン導管の少なくとも一部は、断熱されている、請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記第1の立上り管は、第1の立上り管流体導管及び第2の立上り管流体導管を含み、前記第1の立上り管導管の第1の端部及び前記第2の立上り管導管の第1の端部は、前記第1のコネクタに取り付けられ、前記第1の立上り管導管の第2の端部及び前記第2の立上り管導管の第2の端部は、前記パイプライン導管と流体連通状態にある、請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記移送導管は、ジャンパ流体導管を更に有し、該ジャンパ導管は、前記第1の立上り管導管と前記第2の立上り管導管との間を流体連通させる経路となっている、請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記ジャンパ流体導管は、前記第1のコネクタ内に設けられ又は前記第1の立上り管導管と前記第2の立上り管導管との間に設けられている、請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記パイプライン導管は、第1のパイプライン流体導管及び第2のパイプライン流体導管で構成され、前記第1のパイプライン導管の第1の端部は、前記第1の立上り管導管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記第2のパイプライン導管の第1の端部は、前記第2の立上り管導管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記第1のパイプライン導管の第2の端部及び前記第2のパイプライン導管の第2の端部は、前記第2の場所と流体連通状態にあり、それにより、前記ジャンパ流体導管と一緒になって、極低温流体の循環に適した流体導管ループを構成している、請求項52記載の方法。
【請求項55】
前記ジャンパ流体導管は、前記第1のパイプライン導管と前記第2のパイプライン導管との間に設けられていること特徴とする請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記流体導管ループは、前記第1の船が前記第1のコネクタから切り離されている状態で、極低温流体を前記第2の場所から前記第1のパイプライン導管、第2のパイプライン導管、前記第1の立上り管導管、前記第2の立上り管導管及び前記ジャンパ導管を通って前記第2の場所に循環して戻すようになっている、請求項54記載の方法。
【請求項57】
前記移送導管は、循環極低温流体導管を更に有し、該循環流体導管は、前記第1のコネクタに連結されていて、前記第1の立上り管の前記第1の端部と流体連通状態にある第1の端部及び前記パイプライン導管上の箇所と流体連通状態にある第2の端部を有し、それにより、極低温流体の循環に適した流体導管ループを構成している、請求項48記載の方法。
【請求項58】
前記第1の立上り管は、前記第1の立上り管の前記第1の端部と前記第2の端部との間の垂直距離を変化させるようになっている、請求項49記載の方法。
【請求項59】
前記第1の立上り管は、可撓性立上り管である、請求項58記載の方法。
【請求項60】
前記第1の立上り管は、ホース、剛性パイプ、可撓性パイプ又は関節継手のうち1つ又は2つ以上を有する、請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記第1のコネクタは、前記水域の表面よりも下の箇所で前記第1の船に連結されるようになっている、請求項49記載の方法。
【請求項62】
前記第1のコネクタは、前記水域の表面よりも上の箇所で前記第1の船に連結されるようになっている、請求項49記載の方法。
【請求項63】
前記第2の場所は、施設を含む、請求項49記載の方法。
【請求項64】
前記施設は、前記水域上に位置する第2の浮き船である、請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記施設は、陸上構造物である、請求項16記載の方法。
【請求項66】
前記パイプライン導管の少なくとも一部は、前記水域の底上又はその下に設けられている、請求項63記載の方法。
【請求項67】
前記パイプライン導管は、前記水域中に吊り下げられている、請求項63記載の方法。
【請求項68】
前記第1のコネクタの垂直位置を前記水域の表面から20メートル以内に位置する第1の位置と、前記水域の表面よりも20メートル以上下に位置する第2の位置との間で変化させることができる、請求項49記載の方法。
【請求項69】
前記第1の船は、前記第2の場所から1キロメートル以上離れて位置している、請求項49記載の方法。
【請求項70】
前記第1のコネクタは、複数本の流体導管を有する、請求項49記載の方法。
【請求項71】
前記第1の立上り管は、複数本の極低温流体導管で構成されている、請求項49記載の方法。
【請求項72】
前記第1の浮き船は、浮き極低温流体貯蔵船である、請求項49記載の方法。
【請求項73】
前記第1の浮き船は、浮き運搬船である、請求項72記載の方法。
【請求項74】
前記極低温流体は、50重量パーセントよりも多いメタンを含む、請求項49記載の方法。
【請求項75】
前記極低温流体の温度は、−50℃(−58°F)よりも低い、請求項74記載の方法。
【請求項76】
前記極低温流体の温度は、−100℃(−148°F)よりも低い、請求項75記載の方法。
【請求項77】
前記極低温流体を陸まで運搬する段階を更に有する、請求項74記載の方法。
【請求項78】
前記極低温流体の少なくとも一部を揮発させて50重量パーセントよりも多いメタンを含むガスを生じさせる段階を更に有する、請求項74記載の方法。
【請求項79】
前記ガスを陸まで運搬する段階を更に有する、請求項78記載の方法。
【請求項80】
極低温流体を浮き船と第2の場所との間で運搬する方法であって、
a)極低温液体を極低温流体移送導管により第1の船と第2の場所との間で送る段階を有し、前記極低温流体導管は、
i)第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温立上り管を有し、該第1の立上り管は、前記第1の立上り管の前記第1の端部の垂直位置を変化させることができるようになっており、前記第1の立上り管の前記第2の端部は、水域内に位置すると共に前記第2の場所と流体連通状態にあり、
ii)前記第1の立上り管の前記第1の端部に連結された第1の水中タレットコネクタを有し、該第1のコネクタは、前記水域上に位置する第1の浮き船に解除自在に連結されるようになっていて、極低温流体を前記第1の船と前記第1の立上り管の前記第1の端部との間で送ることができるようになっており、前記第1のコネクタは、前記第1のコネクタの垂直位置を変化させることができるよう前記水域の底に係留されており、前記第1のコネクタは、前記第1の船が前記第1のコネクタに連結されている状態で前記第1の船を前記水域の表面上で前記第1のコネクタ回りに回転させることができるようになっており、
iii)第1の端部及び第2の端部を備えたパイプライン極低温流体導管を有し、該パイプライン導管の前記第1の端部は、前記第1の立上り管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記パイプライン導管の前記第2の端部は、前記第2の場所と流体連通状態にあり、前記パイプライン導管は、少なくとも一部が前記水域内に浸漬されており、
前記第1の立上り管の少なくとも一部、前記パイプライン導管の少なくとも一部、又はこれら両方は、断熱されている、
ことを特徴とする方法。
【請求項81】
前記第1の立上り管は、第1の立上り管流体導管及び第2の立上り管流体導管を含み、前記第1の立上り管導管の第1の端部及び前記第2の立上り管導管の第1の端部は、前記第1のコネクタに取り付けられ、前記第1の立上り管導管の第2の端部及び前記第2の立上り管導管の第2の端部は、前記パイプライン導管と流体連通状態にある、請求項80記載の方法。
【請求項82】
前記移送導管は、ジャンパ流体導管を更に有し、該ジャンパ導管は、前記第1の立上り管導管と前記第2の立上り管導管との間を流体連通させる経路となっている、請求項81記載の方法。
【請求項83】
前記ジャンパ流体導管は、前記第1のコネクタ内に設けられ又は前記第1の立上り管導管と前記第2の立上り管導管との間に設けられている、請求項82記載の方法。
【請求項84】
前記パイプライン導管は、第1のパイプライン流体導管及び第2のパイプライン流体導管で構成され、前記第1のパイプライン導管の第1の端部は、前記第1の立上り管導管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記第2のパイプライン導管の第1の端部は、前記第2の立上り管導管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記第1のパイプライン導管の第2の端部及び前記第2のパイプライン導管の第2の端部は、前記第2の場所と流体連通状態にあり、それにより、前記ジャンパ流体導管と一緒になって、極低温流体の循環に適した流体導管ループを構成している、請求項82記載の方法。
【請求項85】
前記ジャンパ流体導管は、前記第1のパイプライン導管と前記第2のパイプライン導管との間に設けられていること特徴とする請求項84記載の方法。
【請求項86】
前記流体導管ループは、前記第1の船が前記第1のコネクタから切り離されている状態で、極低温流体を前記第2の場所から前記第1のパイプライン導管、第2のパイプライン導管、前記第1の立上り管導管、前記第2の立上り管導管及び前記ジャンパ導管を通って前記第2の場所に循環して戻すようになっている、請求項84記載の方法。
【請求項87】
前記移送導管は、循環極低温流体導管を更に有し、該循環流体導管は、前記第1のコネクタに連結されていて、前記第1の立上り管の前記第1の端部と流体連通状態にある第1の端部及び前記パイプライン導管上の箇所と流体連通状態にある第2の端部を有し、それにより、極低温流体の循環に適した流体導管ループを構成している、請求項80記載の方法。
【請求項88】
前記第1の立上り管は、前記第1の立上り管の前記第1の端部と前記第2の端部との間の垂直距離を変化させるようになっている、請求項80記載の方法。
【請求項89】
前記第1の立上り管は、可撓性立上り管である、請求項80記載の方法。
【請求項90】
極低温流体を第1の場所と水域上に位置した浮き船との間で運搬する方法であって、
a)第1の浮き船を第1の水中タレットコネクタに連結する段階を有し、該第1のコネクタは、前記水域上に位置する第1の浮き船に解除自在に連結されるようになっていて、極低温流体を前記第1の船と前記第1の立上り管の前記第1の端部との間で送ることができるようになっており、前記第1のコネクタは、前記第1のコネクタの垂直位置を変化させることができるよう前記水域の底に係留されており、前記第1のコネクタは、前記第1の船が前記第1のコネクタに連結されている状態で前記第1の船を前記水域の表面上で前記第1のコネクタ回りに回転させることができるようになっており、
b)極低温流体を前記第1の浮き船と前記第1のコネクタとの間で送る段階を有し、
c)前記極低温流体を前記第1のコネクタと第1の端部及び第2の端部を備えた第1の極低温立上り管との間で送る段階を有し、前記第1の立上り管の前記第1の端部は、前記第1のコネクタに連結され、前記第1の立上り管の前記第2の端部は、水域中に位置すると共に前記第2の場所と流体連通状態あり、前記第1の立上り管は、前記第1の立上り管の前記第1の端部の垂直位置を変化させることができるようになっており、
d)前記極低温流体を前記第1の立上り管と第1の端部及び第2の端部を備えたパイプライン極低温流体導管との間で送る段階を有し、該パイプライン導管の前記第1の端部は、前記第1の立上り管の前記第2の端部と流体連通状態にあり、前記パイプライン導管の前記第2の端部は、前記第2の場所と流体連通状態にあり、前記パイプライン導管は、少なくとも一部が前記水域内に浸漬されている、
ことを特徴とする方法。
【請求項91】
前記第2の場所は、施設を含む、請求項90記載の方法。
【請求項92】
前記極低温流体は、前記第1の浮き船から前記施設に送られる、請求項91記載の方法。
【請求項93】
前記極低温流体は、前記施設から前記第1の浮き船に送られる、請求項91記載の方法。
【請求項94】
前記極低温流体は、前記施設から前記第1の浮き船に送られ、そして前記施設に戻される、請求項91記載の方法。
【請求項95】
e)前記第1の浮き船を前記第1のコネクタから切り離す段階と、
f)前記極低温流体を前記第1の浮き船に載せた状態で前記水域を越えて第3の場所に運搬する段階とを更に有する、請求項93記載の方法。
【請求項96】
g)前記極低温流体を揮発させてガスにする段階を更に有する、請求項95記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−516838(P2008−516838A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536696(P2007−536696)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/031970
【国際公開番号】WO2006/044053
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(500450727)エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー (46)
【Fターム(参考)】