説明

標準作業時間更新方法及びシステム

【課題】観測者などを要せずに作業者が申告し、しかも作業者が嘘や誤った申告によって標準作業時間の更新データの信頼度が低下するのを防止することができる標準作業時間更新方法及びシステムを提供する。
【解決手段】例えば、信頼度判定部24により、作業者が申告した作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、申告された作業時間から算出した標準作業時間となるように更新し、逸脱していると判定した場合には、前記標準作業時間を更新しない、また、作業エリア推定部23で推定した作業エリアと、作業者が申告した作業エリアが一致すると判定した場合には前記作業内容の標準作業時間を前記算出した標準作業時間となるように更新し、一致しないと判定した場合には前記標準作業時間を更新しない構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業者の標準作業時間を更新するための標準作業時間更新方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
航空機や船などの製造物の組み立て作業においては、作業者が行う作業(例えば航空機の主翼の組み立て作業など)を分析して複数の作業内容(例えば穴あけ作業、ねじ止め作業など)に分類し、これらの作業内容ごとに標準作業時間を決めて作業工程を管理している。
【0003】
しかし、作業者は、作業に習熟すると、より短い時間で作業を行うことができるようなる。また、各作業者の熟練度合の違いにより、作業時間にばらつきが生じることもある。このため、各作業内容の標準作業時間は、その都度、更新する必要がある。従来、各作業内容の標準作業時間を更新する方法としては、次の2種類がある。
【0004】
1つ目の方法は、作業者とは別の観測者もしくは分類者によって記録された各作業内容の作業時間に基づいて、各作業内容の標準作業時間を更新する方法である。即ち、作業者の横で観測者が、作業者の作業状況を観測し、各作業内容の作業時間をストップウオッチなどにより計測して記録する。或いは、カメラなどによって作業者の作業を記録し、その後、分類者が、この記録された作業を分析して複数の作業内容に分類し、各作業内容の作業時間を記録する。そして、このような観測者又は分類者によって記録された各作業内容の作業時間に基づいて、各作業内容の標準作業時間を更新する。
【0005】
2つ目の方法は、作業者によって申告された各作業内容の作業時間に基づいて、各作業内容の標準作業時間を更新する方法である。即ち、作業内容と、その作業手順(作業内容を実施する順序)が決まっている作業工程では、作業者が、作業を行いながら作業内容を分類し、ストップウオッチや携帯情報端末のPDA(Personal Digital Assistant)などにより、各作業内容の作業時間を記録して申告する。そして、この申告された各作業内容の作業時間に基づいて、各作業内容の標準作業時間を更新する。
【0006】
図15及び図16に基づき、従来のストップウオッチを用いた標準作業時間更新システムについて説明する。なお、図15(a)は従来の標準作業時間更新システムの構成図、図15(b)はストップウオッチの拡大図、図15(c)はストップウオッチの表示画面の拡大図である。また、図16は従来の標準作業時間更新システムのブロック図である。
【0007】
図15(a)に示すように、航空機や船などの製造物の組み立て作業を行う組み立て作業場1内は、複数の作業内容にそれぞれ対応した複数(図示例では4つ)の作業エリア2A,2B,2C,2D,2Eに分けられている。従って、各作業者8は、各作業エリア2A〜2Eにおいて、各作業内容を実施する。そして、このときに各作業エリア2A〜2Eにおいて各作業者8は、各作業者8が携帯しているストップウオッチ3を操作することにより、各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)を、ストップウオッチ3に備えた記憶装置に記録して、申告する。図15(b)及び図15(c)に示すように、ストップウオッチ3の表示画面4には、作業内容と、作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)とが表示される。
【0008】
図15(a)〜図15(c)及び図16に示すように、ストップウオッチ3で記録した各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)は、作業時間管理サーバ(パーソナルコンピュータ)5へ送信される。作業時間管理サーバ5は、作業手順と作業内容と標準作業時間と作業エリアとがデータべースとして蓄積されている記憶部6と、標準作業時間算出部7とを有している。
【0009】
標準作業時間算出部7では、各作業者8の各ストップウオッチ3から入力した各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)から、各作業内容の作業時間(作業完了時刻−作業開始時刻)を求めて、作業内容ごとの作業時間の平均値などを算出し、この算出値を各作業内容の標準作業時間とする。そして、標準作業時間算出部7では、算出した各作業内容の標準作業時間が、記憶部7にデータべースとして記録されている各作業内容の標準作業時間よりも短ければ、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部7で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0010】
なお、ストップウオッチを用いて作業者が各作業内容の作業時間を計測する技術が開示されている先行技術文献としては、例えば下記の特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−72583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような各作業内容の標準作業時間を更新する2種類の方法のうち、1つ目の方法では、標準作業時間を更新するために作業者とは別の観測者もしくは分類者が必要であるというデメリットがある。
【0013】
これに対して2つ目の方法では、観測者や分類者が不要である。しかし、2つ目の方法では、作業者8がストップウオッチやPDAなどを用いて作業時刻を申告する際、嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破ることができないという問題がある。
【0014】
従って本発明は上記の事情に鑑み、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしても、これを見破ることなどにより、信頼度の低い作業時間の申告データによって標準作業時間の更新データの信頼度が低下するのを防止することができる標準作業時間更新方法及びシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決する第1発明の標準作業時間更新方法は、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴とする。
【0016】
また、第2発明の標準作業時間更新方法は、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴とする。
【0017】
また、第3発明の標準作業時間更新方法は、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴とする。
【0018】
また、第4発明の標準作業時間更新方法は、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴とする。
【0019】
また、第5発明の標準作業時間更新方法は、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新することを特徴とする。
【0020】
また、第6発明の標準作業時間更新方法は、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
作業エリア推定手段により、前記作業者が存在している作業エリアを推定し、
信頼度判定手段により、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴とする。
【0021】
また、第7発明の標準作業時間更新方法は、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
作業エリア推定手段により、前記作業者が存在している作業エリアを推定し、
信頼度判定手段により、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴とする。
【0022】
また、第8発明の標準作業時間更新方法は、第6又は第7発明の標準作業時間更新方法において、
前記作業エリア推定手段は、前記作業場内の複数箇所に設けられ、前記申告手段から送信された電波を受信する受信器と、この受信器の電波受信情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする。
【0023】
また、第9発明の標準作業時間更新方法は、第6又は第7発明の標準作業時間更新方法において、
前記作業エリア推定手段は、前記申告手段に設けたRFIDタグと、作業エリア内に設置され、前記RFIDタグの記録を読み取って作業エリア情報を送信するRFIDリーダと、このRFIDリーダから送信される前記作業エリア情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする。
【0024】
また、第10発明の標準作業時間更新方法は、第6又は第7発明の標準作業時間更新方法において、
前記作業エリア推定手段は、前記作業エリアの入口に設置され、前記作業エリアに進入する前記作業者を検知する光電センサと、この光電センサの作業者検知情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする。
【0025】
また、第11発明の標準作業時間更新方法は、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
作業内容推定手段により、前記作業者が実施した作業内容を推定し、
信頼度判定手段により、前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴とする。
【0026】
また、第12発明の標準作業時間更新方法は、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
作業内容推定手段により、前記作業者が実施した作業内容を推定し、
信頼度判定手段により、前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴とする。
【0027】
また、第13発明の標準作業時間更新方法は、第11又は第12発明の標準作業時間更新方法において、
前記作業内容推定手段は、前記作業者が使用した作業道具を検知して、作業道具使用情報を得る作業道具使用情報取得手段と、この作業道具使用情報取得手段の作業道具使用情報に基づいて前記作業者が実施した作業内容を推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする。
【0028】
また、第14発明の標準作業時間更新方法は、第13発明の標準作業時間更新方法において、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に載置されている作業道具を検知可能に前記作業道具台に設置され、前記作業者によって前記作業道具台から前記作業道具が取り上げられたときのOFF信号を作業道具使用情報として送信する光電センサであること特徴とする。
【0029】
また、第15発明の標準作業時間更新方法は、第13発明の標準作業時間更新方法において、
前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具の消費電力量を計測し、この消費電力量の計測信号を作業道具使用情報として送信する電力計であることを特徴とする。
【0030】
また、第16発明の標準作業時間更新方法は、第13発明の標準作業時間更新方法において、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上の作業道具を撮影可能に設置されたカメラと、このカメラで撮影した画像を画像処理することにより、前記作業道具台上から作業道具が無くなったか否かを判定し、前記作業道具台上から前記作業道具が無くなったと判定することにより、作業道具使用情報を得る画像処理手段とを有して成るものであることを特徴とする。
【0031】
また、第17発明の標準作業時間更新方法は、第13発明の標準作業時間更新方法において、
前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具に設けたRFIDタグと、このRFIDタグの記録を読み取り、この読み取った記録の情報を作業道具使用情報として送信するRFIDリーダとを有して成るものであることを特徴とする。
【0032】
また、第18発明の標準作業時間更新方法は、第13発明の標準作業時間更新方法において、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に作業道具が載置されているときに前記作業道具の荷重が作用するように前記作業道具台に設けられ、前記作業道具が前記作業者によって前記作業道具台上から取り上げられたことを検知し、この作業道具検知信号を作業道具使用情報として送信する圧電センサであることを特徴とする。
【0033】
また、第19発明の標準作業時間更新方法は、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
複数の信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が信頼できるか否かを判定し、
前記複数の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記複数の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行うことを特徴とする。
【0034】
また、第20発明の標準作業時間更新方法は、第19発明の標準作業時間更新方法において、
前記複数の信頼度判定手段は、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定する第1の信頼度判定手段と、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定する第2の信頼度判定手段と、
作業エリア推定手段で推定された前記作業者が存在している推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定する第3の信頼度判定手段と、
前記作業内容推定手段で推定された前記作業者が実施した推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定する第4の信頼度判定手段のうち、
何れか複数の信頼度判定手段であることを特徴とする。
【0035】
また、第21発明の標準作業時間更新システムは、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段を有することを特徴とする。
【0036】
また、第22発明の標準作業時間更新システムは、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段を有することを特徴とする。
【0037】
また、第23発明の標準作業時間更新システムは、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段を有することを特徴とする。
【0038】
また、第24発明の標準作業時間更新システムは、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段を有することを特徴とする。
【0039】
また、第25発明の標準作業時間更新システムは、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新する更新処理手段を有することを特徴とする。
【0040】
また、第26発明の標準作業時間更新システムは、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段と、
前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段と、
を有することを特徴とする。
【0041】
また、第27発明の標準作業時間更新システムは、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段と、
前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段と、
を有することを特徴とする。
【0042】
また、第28発明の標準作業時間更新システムは、第26又は第27発明の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業エリア推定手段は、前記作業場内の複数箇所に設けられ、前記申告手段から送信された電波を受信する受信器と、この受信器の電波受信情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする。
【0043】
また、第29発明の標準作業時間更新システムは、第26又は第27発明の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業エリア推定手段は、前記申告手段に設けたRFIDタグと、作業エリア内に設置され、前記RFIDタグの記録を読み取って作業エリア情報を送信するRFIDリーダと、このRFIDリーダから送信される前記作業エリア情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする。
【0044】
また、第30発明の標準作業時間更新システムは、第26又は第27発明の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業エリア推定手段は、前記作業エリアの入口に設置され、前記作業エリアに進入する前記作業者を検知する光電センサと、この光電センサの作業者検知情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする。
【0045】
また、第31発明の標準作業時間更新システムは、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が実施した作業内容を推定する作業内容推定手段と、
前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段と、
を有することを特徴とする。
【0046】
また、第32発明の標準作業時間更新システムは、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が実施した作業内容を推定する作業内容推定手段と、
前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段と、
を有することを特徴とする。
【0047】
また、第33発明の標準作業時間更新システムは、第31又は第32発明の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業内容推定手段は、前記作業者が使用した作業道具を検知して、作業道具使用情報を得る作業道具使用情報取得手段と、この作業道具使用情報取得手段の作業道具使用情報に基づいて前記作業者が実施した作業内容を推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする。
【0048】
また、第34発明の標準作業時間更新システムは、第33発明の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に載置されている作業道具を検知可能に前記作業道具台に設置され、前記作業者によって前記作業道具台から前記作業道具が取り上げられたときのOFF信号を作業道具使用情報として送信する光電センサであること特徴とする。
【0049】
また、第35発明の標準作業時間更新システムは、第33発明の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具の消費電力量を計測し、この消費電力量の計測信号を作業道具使用情報として送信する電力計であることを特徴とする。
【0050】
また、第36発明の標準作業時間更新システムは、第33発明の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上の作業道具を撮影可能に設置されたカメラと、このカメラで撮影した画像を画像処理することにより、前記作業道具台上から作業道具が無くなったか否かを判定し、前記作業道具台上から前記作業道具が無くなったと判定することにより、作業道具使用情報を得る画像処理手段とを有して成るものであることを特徴とする。
【0051】
また、第37発明の標準作業時間更新システムは、第33発明の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具に設けたRFIDタグと、このRFIDタグの記録を読み取り、この読み取った記録の情報を作業道具使用情報として送信するRFIDリーダとを有して成るものであることを特徴とする。
【0052】
また、第38発明の標準作業時間更新システムは、第33発明の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に作業道具が載置されているときに前記作業道具の荷重が作用するように前記作業道具台に設けられ、前記作業道具が前記作業者によって前記作業道具台上から取り上げられたことを検知し、この作業道具検知信号を作業道具使用情報として送信する圧電センサであることを特徴とする。
【0053】
また、第39発明の標準作業時間更新システムは、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が信頼できるか否かを判定する複数の信頼度判定手段と、
前記複数の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記複数の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行う更新処理手段と、
を有することを特徴とする。
【0054】
また、第40発明の標準作業時間更新システムは、第39発明の標準作業時間更新システムにおいて、
前記複数の信頼度判定手段は、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定する第1の信頼度判定手段と、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定する第2の信頼度判定手段と、
作業エリア推定手段で推定された前記作業者が存在している推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定する第3の信頼度判定手段と、
前記作業内容推定手段で推定された前記作業者が実施した推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定する第4の信頼度判定手段のうち、
何れか複数の信頼度判定手段であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0055】
第1発明の標準作業時間更新方法によれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0056】
第2発明の標準作業時間更新方法によれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0057】
第3発明の標準作業時間更新方法によれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0058】
第4発明の標準作業時間更新方法によれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業者時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0059】
第5発明の標準作業時間更新方法によれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新することを特徴としているため、作業者の申告作業時間データの一部に信頼度の低いデータがあっても、申告作業時間データだけではなく、データベースに蓄積されている作業時間データも含めて標準作業時間が算出されることから、当該信頼度の低い申告作業時間データが標準作業時間の更新データに与える影響を低減することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データによって標準作業時間の更新データの信頼度が低下するのを防止(軽減)することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0060】
第6発明の標準作業時間更新方法によれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、作業エリア推定手段により、前記作業者が存在している作業エリアを推定し、信頼度判定手段により、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0061】
第7発明の標準作業時間更新方法によれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、作業エリア推定手段により、前記作業者が存在している作業エリアを推定し、信頼度判定手段により、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0062】
第8発明の標準作業時間更新方法によれば、第6又は第7発明の標準作業時間更新方法において、前記作業エリア推定手段は、前記作業場内の複数箇所に設けられ、前記申告手段から送信された電波を受信する受信器と、この受信器の電波受信情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者が存在する作業エリアを推定することができる。
【0063】
第9発明の標準作業時間更新方法によれば、第6又は第7発明の標準作業時間更新方法において、前記作業エリア推定手段は、前記申告手段に設けたRFIDタグと、作業エリア内に設置され、前記RFIDタグの記録を読み取って作業エリア情報を送信するRFIDリーダと、このRFIDリーダから送信される前記作業エリア情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者が存在する作業エリアを推定することができる。
【0064】
第10発明の標準作業時間更新方法によれば、第6又は第7発明の標準作業時間更新方法において、前記作業エリア推定手段は、前記作業エリアの入口に設置され、前記作業エリアに進入する前記作業者を検知する光電センサと、この光電センサの作業者検知情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者が存在する作業エリアを推定することができる。
【0065】
第11発明の標準作業時間更新方法によれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、作業内容推定手段により、前記作業者が実施した作業内容を推定し、信頼度判定手段により、前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0066】
第12発明の標準作業時間更新方法によれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、作業内容推定手段により、前記作業者が実施した作業内容を推定し、信頼度判定手段により、前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0067】
第13発明の標準作業時間更新方法によれば、第11又は第12発明の標準作業時間更新方法において、前記作業内容推定手段は、前記作業者が使用した作業道具を検知して、作業道具使用情報を得る作業道具使用情報取得手段と、この作業道具使用情報取得手段の作業道具使用情報に基づいて前記作業者が実施した作業内容を推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者が実施した作業内容を推定することができる。
【0068】
第14発明の標準作業時間更新方法によれば、第13発明の標準作業時間更新方法において、前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に載置されている作業道具を検知可能に前記作業道具台に設置され、前記作業者によって前記作業道具台から前記作業道具が取り上げられたときのOFF信号を作業道具使用情報として送信する光電センサであること特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具の使用状況がわかるため、作業道具のかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0069】
第15発明の標準作業時間更新方法によれば、第13発明の標準作業時間更新方法において、前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具の消費電力量を計測し、この消費電力量の計測信号を作業道具使用情報として送信する電力計であることを特徴としているため簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具の使用状況がわかるため、作業道具のかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0070】
第16発明の標準作業時間更新方法によれば、第13発明の標準作業時間更新方法において、前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上の作業道具を撮影可能に設置されたカメラと、このカメラで撮影した画像を画像処理することにより、前記作業道具台上から作業道具が無くなったか否かを判定し、前記作業道具台上から前記作業道具が無くなったと判定することにより、作業道具使用情報を得る画像処理手段とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具の使用状況がわかるため、作業道具のかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0071】
第17発明の標準作業時間更新方法によれば、第13発明の標準作業時間更新方法において、前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具に設けたRFIDタグと、このRFIDタグの記録を読み取り、この読み取った記録の情報を作業道具使用情報として送信するRFIDリーダとを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具の使用状況がわかるため、作業道具のかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0072】
第18発明の標準作業時間更新方法によれば、第13発明の標準作業時間更新方法において、前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に作業道具が載置されているときに前記作業道具の荷重が作用するように前記作業道具台に設けられ、前記作業道具が前記作業者によって前記作業道具台上から取り上げられたことを検知し、この作業道具検知信号を作業道具使用情報として送信する圧電センサであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具の使用状況がわかるため、作業道具のかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0073】
第19発明の標準作業時間更新方法によれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、複数の信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が信頼できるか否かを判定し、前記複数の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記複数の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行うことを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを複数の信頼度判定手段の何れかによって見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0074】
第20発明の標準作業時間更新方法によれば、第19発明の標準作業時間更新方法において、前記複数の信頼度判定手段は、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定する第1の信頼度判定手段と、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定する第2の信頼度判定手段と、作業エリア推定手段で推定された前記作業者が存在している推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定する第3の信頼度判定手段と、前記作業内容推定手段で推定された前記作業者が実施した推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定する第4の信頼度判定手段のうち、何れか複数の信頼度判定手段であることを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを第1〜第4の信頼度判定手段の何れかによって見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0075】
第21発明の標準作業時間更新システムによれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0076】
第22発明の標準作業時間更新システムによれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0077】
第23発明の標準作業時間更新システムによれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0078】
第24発明の標準作業時間更新システムによれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業者時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0079】
第25発明の標準作業時間更新システムによれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新する更新処理手段を有することを特徴としているため、作業者の申告作業時間データの一部に信頼度の低いデータがあっても、申告作業時間データだけではなく、データベースに蓄積されている作業時間データも含めて標準作業時間が算出されることから、当該信頼度の低い申告作業時間データが標準作業時間の更新データに与える影響を低減することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データによって標準作業時間の更新データの信頼度が低下するのを防止(軽減)することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0080】
第26発明の標準作業時間更新システムによれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段と、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0081】
第27発明の標準作業時間更新システムによれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段と、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0082】
第28発明の標準作業時間更新システムによれば、第26又は第27発明の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業エリア推定手段は、前記作業場内の複数箇所に設けられ、前記申告手段から送信された電波を受信する受信器と、この受信器の電波受信情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者が存在する作業エリアを推定することができる。
【0083】
第29発明の標準作業時間更新システムによれば、第26又は第27発明の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業エリア推定手段は、前記申告手段に設けたRFIDタグと、作業エリア内に設置され、前記RFIDタグの記録を読み取って作業エリア情報を送信するRFIDリーダと、このRFIDリーダから送信される前記作業エリア情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者が存在する作業エリアを推定することができる。
【0084】
第30発明の標準作業時間更新システムによれば、第26又は第27発明の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業エリア推定手段は、前記作業エリアの入口に設置され、前記作業エリアに進入する前記作業者を検知する光電センサと、この光電センサの作業者検知情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者が存在する作業エリアを推定することができる。
【0085】
第31発明の標準作業時間更新システムによれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業者が実施した作業内容を推定する作業内容推定手段と、前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0086】
第32発明の標準作業時間更新システムによれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業者が実施した作業内容を推定する作業内容推定手段と、前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0087】
第33発明の標準作業時間更新システムによれば、第31又は第32発明の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業内容推定手段は、前記作業者が使用した作業道具を検知して、作業道具使用情報を得る作業道具使用情報取得手段と、この作業道具使用情報取得手段の作業道具使用情報に基づいて前記作業者が実施した作業内容を推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者が実施した作業内容を推定することができる。
【0088】
第34発明の標準作業時間更新システムによれば、第33発明の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に載置されている作業道具を検知可能に前記作業道具台に設置され、前記作業者によって前記作業道具台から前記作業道具が取り上げられたときのOFF信号を作業道具使用情報として送信する光電センサであること特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具の使用状況がわかるため、作業道具のかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0089】
第35発明の標準作業時間更新システムによれば、第33発明の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具の消費電力量を計測し、この消費電力量の計測信号を作業道具使用情報として送信する電力計であることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具の使用状況がわかるため、作業道具のかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0090】
第36発明の標準作業時間更新システムによれば、第33発明の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上の作業道具を撮影可能に設置されたカメラと、このカメラで撮影した画像を画像処理することにより、前記作業道具台上から作業道具が無くなったか否かを判定し、前記作業道具台上から前記作業道具が無くなったと判定することにより、作業道具使用情報を得る画像処理手段とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具の使用状況がわかるため、作業道具のかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0091】
第37発明の標準作業時間更新システムによれば、第33発明の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具に設けたRFIDタグと、このRFIDタグの記録を読み取り、この読み取った記録の情報を作業道具使用情報として送信するRFIDリーダとを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具の使用状況がわかるため、作業道具のかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0092】
第38発明の標準作業時間更新システムによれば、第33発明の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に作業道具が載置されているときに前記作業道具の荷重が作用するように前記作業道具台に設けられ、前記作業道具が前記作業者によって前記作業道具台上から取り上げられたことを検知し、この作業道具検知信号を作業道具使用情報として送信する圧電センサであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具の使用状況がわかるため、作業道具のかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0093】
第39発明の標準作業時間更新システムによれば、作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が信頼できるか否かを判定する複数の信頼度判定手段と、前記複数の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記複数の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行う更新処理手段とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを複数の信頼度判定手段の何れかによって見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0094】
第40発明の標準作業時間更新システムによれば、第39発明の標準作業時間更新システムにおいて、前記複数の信頼度判定手段は、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定する第1の信頼度判定手段と、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定する第2の信頼度判定手段と、作業エリア推定手段で推定された前記作業者が存在している推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定する第3の信頼度判定手段と、前記作業内容推定手段で推定された前記作業者が実施した推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定する第4の信頼度判定手段のうち、何れか複数の信頼度判定手段であることを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者が申告し、しかも、作業者が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを第1〜第4の信頼度判定手段の何れかによって見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】(a)は本発明の実施の形態例1に係る標準作業時間更新システムの構成図、(b)はPDAの拡大図、(c)はPDAの表示画面の拡大図である。
【図2】本発明の実施の形態例1に係る標準作業時間更新システムのブロック図である。
【図3】作業時間データの分布における所定範囲を示す説明図である。
【図4】作業時間データの分布における所定値を示す説明図である。
【図5】(a)は本発明の実施の形態例2に係る標準作業時間更新システムの構成図、(b)はPDAの拡大図、(c)はPDAの表示画面の拡大図である。
【図6】本発明の実施の形態例2に係る標準作業時間更新システムのブロック図である。
【図7】(a)は本発明の実施の形態例3に係る標準作業時間更新システムの構成図、(b)はPDAの拡大図、(c)はPDAの表示画面の拡大図である。
【図8】本発明の実施の形態例3に係る標準作業時間更新システムのブロック図である。
【図9】(a)は本発明の実施の形態例4に係る標準作業時間更新システムの構成図、(b)はPDAの拡大図、(c)はPDAの表示画面の拡大図である。
【図10】本発明の実施の形態例4に係る標準作業時間更新システムのブロック図である。
【図11】他の作業道具使用情報取得手段として、電力計を用いた場合の説明図である。
【図12】他の作業道具使用情報取得手段として、カメラを用いた場合の説明図である。
【図13】他の作業道具使用情報取得手段として、RFIDタグとRFIDタグリーダを用いた場合の説明図である。
【図14】他の作業道具使用情報取得手段として、圧電センサを用いた場合の説明図である。
【図15】(a)は従来の標準作業時間更新システムの構成図、(b)はストップウオッチの拡大図、(c)はストップウオッチの表示画面の拡大図である。
【図16】従来の標準作業時間更新システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0097】
<実施の形態例1>
図1(a)に示すように、航空機や船などの製造物の組み立て作業を行う組み立て作業場11内は、複数の作業内容にそれぞれ対応した複数(図示例では4つ)の作業エリア12A,12B,12C,12D,12Eに分けられている。従って、各作業者15は、各作業エリア12A〜12Eにおいて、各作業内容を実施する。
【0098】
このときに各作業エリア12A〜12Eにおいて各作業者15は、各作業者15がそれぞれ携帯しているPDA16(申告手段)を操作することにより、各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)を、PDA16に備えた記憶装置に記録する。図1(b)及び図1(c)に示すように、PDA16の表示画面17には、作業内容と、作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)と、作業エリアとが表示され、更に作業の開始、中断、完了の各操作ボタン18A,18B,18Cも表示される。
【0099】
即ち、作業者15が作業の開始時に開始ボタン18Aをタッチ操作すると、当該作業内容の作業開始時刻がPDA16に記録され、表示画面17に表示される。また、作業者15が作業内容の完了時に完了ボタン18Cをタッチ操作すると、当該作業内容の作業完了時刻がPDA16に記録され、表示画面17に表示される。なお、作業者15が作業内容を実施中に何らかの事情で中断ボタン18Bをタッチ操作したときには、当該作業内容の作業時刻の記録はキャンセルされる。
【0100】
そして、本実施の形態例1では、作業場11内に複数の受信器13A,13B,13C,13D,13Eと、送信器14とが設置されている。各受信器13A〜13Eは、各作業エリア12A〜12E内にそれぞれ設置され、送信器14は作業エリア12A〜12E以外の場所に設置されている。
【0101】
一方、各作業者15が携帯しているPDA16(即ちPDA16に装備されている発信器)からは、受信器13A〜13Eに対して電波が発信される。各受信器13A〜13Eでは、PDA16から発信された電波を受信すると、この電波受信情報を有線又は無線により送信器14に送信する。送信器14は前記電波受信情報を作業時間管理サーバ(パーソナルコンピュータ)20へ送信する。
【0102】
図1(a)〜図1(c)及び図2に示すように、PDA16で記録した各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)などの情報(即ち作業者15がPDA16を用いて申告(送信)する作業内容、作業時刻、作業エリアの情報)は、作業時間管理サーバ20へ送信される。作業時間管理サーバ20は、作業手順、作業内容、標準作業時間、作業エリアなどがデータべースとして蓄積されている記憶部21と、標準作業時間算出部22と、作業エリア推定部23と、信頼度判定部24(信頼度判定手段、更新処理手段)とを有している。データべースに記録されている標準作業時間のデータは、データべースとして蓄積されている過去の各作業内容の作業時間のデータに基づき、作業内容ごとに作業時間の平均値(又は最小値、中央値など:図4参照)として算出したものである。なお、標準作業時間算出部22、作業エリア推定部23及び信頼度判定部24の各機能は、ソフトウエア(プログラム)で構成されており、作業時間管理サーバ20のCPU(central processing unit)で実行される。
【0103】
標準作業時間算出部22では、各作業者15の各PDA16から入力した各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)の情報(即ち作業内容及び作業時刻の情報)から、各作業内容の作業時間(作業完了時刻−作業開始時刻)を求めて、作業内容ごとの作業時間の平均値(又は最小値、中央値など)を算出し、この算出値を各作業内容の標準作業時間とする。なお、この場合、平均値から大きく外れた作業時間データ(即ち信頼度の低い作業時間データ)が存在すると、平均値はこの大きく外れた作業時間データの影響が大きくなるため、かかる観点からは、大きく外れた作業時間データの影響が比較的小さい中央値が望ましいと考えられる。更に、標準作業時間算出部22では、算出した各作業内容の標準作業時間が、記憶部21にデータべースとして記録されている各作業内容の標準作業時間よりも短ければ、算出した各作業内容の標準作業時間を、更新用の標準作業時間として信頼度判定部24へ出力する。また、作業者15が申告(PDA16から送信)した作業エリアのデータも、標準作業時間算出部22を介して信頼度判定部24へ出力される。
【0104】
作業エリア推定部23では、各受信器13A〜13Eから送信器14を介して送信される電波受信情報に基づいて、TDOA(Time Difference of Arrival:電波到達時間差)方式や、RSSI(Received Signal Strength Indicator:電波受信強度)方式などにより、各PDA16(即ち各PDA16を携帯している各作業者15)が、作業エリア12A〜12Eの何れに存在しているのかを推定し、この推定した作業エリアの情報を信頼度判定部24へ出力する。即ち、受信器13A〜13E、作業エリア推定部23などにより、作業エリア推定手段を構成している。なお、TDOA方式は、PDA16から発信された電波の各受信器13A〜13Eへの到達時間差から、三点法によりPDA16の位置を測定する方式である。RSSI方式は、PDA16から発信されて各受信器13A〜13Eに受信される電波の強度により、PDA16の位置を測定する方式である。
【0105】
信頼度判定部24では、作業者15が申告(PDA16から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(図3の例では±3σの範囲:σは標準偏差)の範囲を逸脱しているか否かを判定し(第1の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部22で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部22で算出した当該作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0106】
更に、信頼度判定部24では、作業エリア推定部23で推定された作業エリア(実際の作業エリア)と、作業者15が申告した作業エリアが一致するか否かを判定する(第3の信頼度判定手段)。
【0107】
このとき、作業エリア推定部23で推定された作業エリアと、作業者15が申告した作業エリアが一致すれば、作業者15が申告した作業時刻の情報は信頼することができる。従って、信頼度判定部24では、作業エリア推定部23で推定された各作業エリアと、作業者15が申告した各作業エリアが一致すると判定した場合、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部22で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0108】
一方、作業エリア推定部23で推定された作業エリアと、作業者15が申告した作業エリアが一致しなければ、当該不一致の作業エリアに関して、作業者15が申告した作業時刻の情報は、作業者15の嘘や誤入力などである可能性があり、信頼することができない。従って、信頼度判定部24では、作業エリア推定部23で推定された作業エリアと、作業者15が申告した作業エリアが一致しないと判定した場合、当該不一致の作業エリアに関する作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部22で算出した当該作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0109】
なお、信頼度判定部24においては、上記のような処理だけではなく、次のような処理を行うようにしてもよい。
【0110】
例えば、信頼度判定部24では、作業者15が申告(PDA16から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し(第1の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部22で算出した各作業内容の標準作業時間(即ち各作業内容に関して申告された全て作業時間に基づいて算出された標準作業時間)となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0111】
或いは、信頼度判定部24では、作業者15が申告(PDA16から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(図4の例では+3σ:σは標準偏差)を超えているか否かを判定し(第2の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部22で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間:例えば図4に示す作業時間t)が前記所定値を超えていると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部22で算出した当該作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0112】
或いは、信頼度判定部24では、作業者15が申告(PDA16から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し(第2の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部22で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0113】
或いは、信頼度判定部24(このときには更新処理手段として機能する)では、作業者15が申告した各作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように各作業内容の標準作業時間を更新する。
【0114】
或いは、信頼度判定部24では、作業エリア推定部23で推定された推定作業エリアと、申告手段(PDA16)により作業者15が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し(第3の信頼度判定手段)、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部22で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、当該不一致の作業エリアに関する作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0115】
また、上記のような第1〜第3の信頼度判定手段の信頼度判定に基づく標準作業時間の更新処理を同時に実施する場合には、例えば、これらの信頼度判定手段に予め優先順位を設定し、各信頼度判定手段の間で標準作業時間の更新データに相違が生じたとき、優先順位の高い信頼度判定手段における標準作業時間の更新データを採用し、この更新データに基づいて更新処理をしてもよい。或いは、第1〜第3の信頼度判定手段における標準作業時間の更新データの平均値、中央値又は最小値を算出し、この算出値に基づいて更新処理をしてもよい。
【0116】
また、上記のような第1〜第3の信頼度判定手段の信頼度判定を同時に実施する場合には、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間(更新データ)を算出してもよい。
【0117】
即ち、信頼度判定部24では、作業者15が申告した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定する第1の信頼度判定手段による信頼度判定と、作業者15が申告した各作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定する第2の信頼度判定手段による信頼度判定手段と、作業エリア推定部23で推定された作業者15が存在している推定作業エリアと、申告手段(PDA16)により作業者15が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定する第3の信頼度判定手段による信頼度判定とを同時に実施する。
【0118】
そして、信頼度判定部24では、これら第1〜第3の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように各作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記第1〜第3の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行う。
【0119】
即ち、第1の信頼度判定手段において、作業者15が申告した何れかの作業内容の作業時刻から得られる作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている当該作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱していると判断した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第1の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。第2の信頼度判定手段において、作業者15が申告した何れかの作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えていると判定した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第2の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。第3の信頼度判定手段において、作業エリア推定部23で推定された作業者15が存在している推定作業エリアと、申告手段(PDA16)により作業者15が申告した申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第3の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。
【0120】
具体例について更に詳述すると、第1〜第3の信頼度判定手段により信頼度判定された各作業内容に関する作業時間(申告された作業時間)のデータが、x±δであった場合、第1〜第3の信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値xに対する重み係数wは、下記の(1)式によって求める。なお、ここで、δは各作業内容に関する作業時間のバラツキを表す標準偏差である。また、i=1,2,・・・、nであり、ここではn=3である。即ち、第1の信頼度判定手段がi=1、第2の信頼度判定手段がi=2、第3の信頼度判定手段がi=3である。
【数1】

【0121】
そして、第1〜第3の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された各作業内容の作業時間の平均値xに対し、例えば下記の(2)式により、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間(重み付き平均値)xwavを算出し、この算出した標準作業時間xwavとなるように各作業内容の標準作業時間を更新する。しかも、このときに第1〜第3の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間のバラツキ(標準偏差)δを∞として、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値xに対する重み係数wは0とすることにより、前記重み付き平均の演算を行う。
【数2】

【0122】
なお、今回、新たに計測された各作業内容の作業時間や、この作業時間に基づいて更新された標準作業時間は、次回の標準作業時間更新のために用いるデータべースとして記憶部21に記録される。このとき、記憶部21には、前記所定範囲を逸脱した作業時間のデータや、前記所定値を超えている作業時間のデータなども記憶する。
【0123】
以上のように、本実施の形態例1の標準作業時間更新システムによれば、作業場11内の作業エリア12A〜12Eで作業者15が実施する作業内容の作業時刻を、作業者15が申告手段(PDA16)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部24)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者15が申告し、しかも、作業者15が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0124】
或いは、本実施の形態例1の標準作業時間更新システムによれば、作業場11内の作業エリア12A〜12Eで作業者15が実施する作業内容の作業時刻を、作業者15が申告手段(PDA16)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部24)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者15が申告し、しかも、作業者15が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0125】
或いは、本実施の形態例1の標準作業時間更新システムによれば、作業場11内の作業エリア12A〜12Eで作業者15が実施する作業内容の作業時刻を、作業者15が申告手段(PDA16)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部24)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者15が申告し、しかも、作業者15が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0126】
或いは、本実施の形態例1の標準作業時間更新システムによれば、作業場11内の作業エリア12A〜12Eで作業者15が実施する作業内容の作業時刻を、作業者15が申告手段(PDA16)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部24)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者15が申告し、しかも、作業者15が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業者時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0127】
或いは、本実施の形態例1の標準作業時間更新システムによれば、作業場11内の作業エリア12A〜12Eで作業者15が実施する作業内容の作業時刻を、作業者15が申告手段(PDA16)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新する更新処理手段(信頼度判定部24)を有することを特徴としているため、作業者15の申告作業時間データの一部に信頼度の低いデータがあっても、申告作業時間データだけではなく、データベースに蓄積されている作業時間データも含めて標準作業時間が算出されることから、当該信頼度の低い申告作業時間データが標準作業時間の更新データに与える影響を低減することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データによって標準作業時間の更新データの信頼度が低下するのを防止(軽減)することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0128】
また、本実施の形態例1の標準作業時間更新システムによれば、作業場11内の作業エリア12A〜12Eで作業者15が実施する作業内容の作業時刻を、作業者15が申告手段(PDA16)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者15が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段(受信器13A〜13E、作業エリア推定部23)と、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により作業者15が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部24)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者15が申告し、しかも、作業者15が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0129】
或いは、本実施の形態例1の標準作業時間更新システムによれば、作業場11内の作業エリア12A〜12Eで作業者15が実施する作業内容の作業時刻を、作業者15が申告手段(PDA16)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者15が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段(受信器13A〜13E、作業エリア推定部23)と、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により作業者15が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部24)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者15が申告し、しかも、作業者15が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0130】
また、本実施の形態例1の標準作業時間更新システムによれば、前記作業エリア推定手段は、作業場11内の複数箇所に設けられ、前記申告手段(PDA16)から送信された電波を受信する受信器13A〜13Eと、この受信器13A〜13Eの電波受信情報に基づいて作業者15が存在している作業エリア12A〜12Eを推定する作業エリア推定部23とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者15が存在する作業エリア12A〜12Eを推定することができる。
【0131】
或いは、本実施の形態例1の標準作業時間更新システムによれば、作業場11内の作業エリア12A〜12Eで作業者15が実施する作業内容の作業時刻を、作業者15が申告手段(PDA16)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者15が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が信頼できるか否かを判定する複数の信頼度判定手段(第1〜第3の信頼度判定手段)と、前記複数の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記複数の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行う更新処理手段(信頼度判定部24)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者15が申告し、しかも、作業者15が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを複数の信頼度判定手段の何れかによって見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0132】
<実施の形態例2>
図5(a)に示すように、航空機や船などの製造物の組み立て作業を行う組み立て作業場31内は、複数の作業内容にそれぞれ対応した複数(図示例では4つ)の作業エリア32A,32B,32C,32D,32Eに分けられている。従って、各作業者35は、各作業エリア32A〜32Eにおいて、各作業内容を実施する。
【0133】
このときに各作業エリア32A〜32Eにおいて各作業者35は、各作業者35がそれぞれ携帯しているPDA36(申告手段)を操作することにより、各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)を、PDA36に備えた記憶装置に記録する。図5(b)及び図5(c)に示すように、PDA36の表示画面37には、作業内容と、作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)と、作業エリアとが表示され、更に作業の開始、中断、完了の各操作ボタン38A,38B,38Cも表示される。
【0134】
即ち、作業者35が作業の開始時に開始ボタン38Aをタッチ操作すると、当該作業内容の作業開始時刻がPDA36に記録され、表示画面37に表示される。また、作業者35が作業内容の完了時に完了ボタン38Cをタッチ操作すると、当該作業内容の作業完了時刻がPDA36に記録され、表示画面37に表示される。なお、作業者35が作業内容を実施中に何らかの事情で中断ボタン38Bをタッチ操作したときには、当該作業内容の作業時刻の記録はキャンセルされる。
【0135】
そして、本実施の形態例2では、作業場31内に複数のRFID(Radio Frequency IDentification)リーダ33A,33B,33C,33D,33Eと、送信器34とが設置されている。各RFIDリーダ33A〜33Eは、各作業エリア32A〜32E内にそれぞれ設置され、送信器34は作業エリア32A〜32E以外の場所に設置されている。
【0136】
一方、各作業者35が携帯している各PDA36には、PDA36ごとに識別情報(PDA36の識別情報や、作業者35の識別情報)が記録されたRFIDタグ39が設けられている。従って、各作業エリア32A〜32Eにおいて、各作業者35がPDA36(RFIDタグ39)を各RFIDリーダ33A〜33Eに近づけると、各RFIDリーダ33A〜33Eでは、RFIDタグ39に記録されているPDA36ごとの識別情報を読み取り、この識別情報とともに作業エリア情報を有線又は無線により送信器34に送信する。送信器34は前記識別情報及び前記作業エリア情報を作業時間管理サーバ(パーソナルコンピュータ)40へ送信する。なお、各RFIDリーダ33A〜33Eにおいてアンテナを複数配置すれば、PDA36(RFIDタグ39)の位置を測定することもできる。
【0137】
図5(a)〜図5(c)及び図6に示すように、PDA36で記録した各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)などの情報(即ち作業者35がPDA36を用いて申告(送信)する作業内容、作業時刻、作業エリアの情報)は、作業時間管理サーバ40へ送信される。作業時間管理サーバ40は、作業手順、作業内容、標準作業時間、作業エリアなどがデータべースとして蓄積されている記憶部41と、標準作業時間算出部42と、作業エリア推定部43と、信頼度判定部44(信頼度判定手段、更新処理手段)とを有している。データべースに記録されている標準作業時間のデータは、データべースとして蓄積されている過去の各作業内容の作業時間のデータに基づき、作業内容ごとに作業時間の平均値(又は最小値、中央値など:図4参照)として算出したものである。なお、標準作業時間算出部42、作業エリア推定部43及び信頼度判定部44の各機能は、ソフトウエア(プログラム)で構成されており、作業時間管理サーバ40のCPUで実行される。
【0138】
標準作業時間算出部42では、各作業者35の各PDA36から入力した各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)の情報(即ち作業内容及び作業時刻の情報)から、各作業内容の作業時間(作業完了時刻−作業開始時刻)を求めて、作業内容ごとの作業時間の平均値(又は最小値、中央値など)を算出し、この算出値を各作業内容の標準作業時間とする。なお、この場合、平均値から大きく外れた作業時間データ(即ち信頼度の低い作業時間データ)が存在すると、平均値はこの大きく外れた作業時間データの影響が大きくなるため、かかる観点からは、大きく外れた作業時間データの影響が比較的小さい中央値が望ましいと考えられる。更に、標準作業時間算出部42では、算出した各作業内容の標準作業時間が、記憶部41にデータべースとして記録されている各作業内容の標準作業時間よりも短ければ、算出した各作業内容の標準作業時間を、更新用の標準作業時間として信頼度判定部44へ出力する。また、作業者35が申告(PDA36から送信)した作業エリアのデータも、標準作業時間算出部42を介して信頼度判定部44へ出力される。
【0139】
作業エリア推定部43では、各RFIDリーダ33A〜33Eから送信器34を介して送信される作業エリア情報に基づいて、各PDA36(即ち各PDA36を携帯している各作業者35の位置)が、作業エリア32A〜32Eの何れに存在しているのかを推定し、この推定した作業エリアの情報を信頼度判定部44へ出力する。即ち、RFIDタグ39、RFIDリーダ33A〜33E、作業エリア推定部43などにより、作業エリア推定手段が構成されている。
【0140】
信頼度判定部44では、作業者35が申告(PDA36から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(図3の例では±3σの範囲:σは標準偏差)の範囲を逸脱しているか否かを判定し(第1の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部42で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部42で算出した当該作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0141】
更に、信頼度判定部44では、作業エリア推定部43で推定された作業エリア(実際の作業エリア)と、作業者35が申告した作業エリアが一致するか否かを判定する(第3の信頼度判定手段)。
【0142】
このとき、作業エリア推定部43で推定された作業エリアと、作業者35が申告した作業エリアが一致すれば、作業者35が申告した作業時刻の情報は信頼することができる。従って、信頼度判定部44では、作業エリア推定部43で推定された各作業エリアと、作業者35が申告した各作業エリアが一致すると判定した場合、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部42で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0143】
一方、作業エリア推定部43で推定された作業エリアと、作業者35が申告した作業エリアが一致しなければ、当該不一致の作業エリアに関して、作業者15が申告した作業時刻の情報は、作業者35の嘘や誤入力などである可能性があり、信頼することができない。従って、信頼度判定部44では、作業エリア推定部43で推定された作業エリアと、作業者35が申告した作業エリアが一致しないと判定した場合、当該不一致の作業エリアに関する作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部42で算出した当該作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0144】
なお、信頼度判定部44においては、上記のような処理だけではなく、次のような処理を行うようにしてもよい。
【0145】
例えば、信頼度判定部44では、作業者35が申告(PDA36から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し(第1の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部42で算出した各作業内容の標準作業時間(即ち各作業内容に関して申告された全て作業時間に基づいて算出された標準作業時間)となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0146】
或いは、信頼度判定部44では、作業者35が申告(PDA36から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(図4の例では+3σ:σは標準偏差)を超えているか否かを判定し(第2の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部42で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部42で算出した当該作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0147】
或いは、信頼度判定部44では、作業者35が申告(PDA36から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し(第2の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部42で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0148】
或いは、信頼度判定部44(このときには更新処理手段として機能する)では、作業者35が申告した各作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように各作業内容の標準作業時間を更新する。
【0149】
或いは、信頼度判定部44では、作業エリア推定部43で推定された推定作業エリアと、申告手段(PDA36)により作業者35が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し(第3の信頼度判定手段)、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部42で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、当該不一致の作業エリアに関する作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0150】
また、上記のような第1〜第3の信頼度判定手段の信頼度判定に基づく標準作業時間の更新処理を同時に実施する場合には、例えば、これらの信頼度判定手段に予め優先順位を設定し、各信頼度判定手段の間で標準作業時間の更新データに相違が生じたとき、優先順位の高い信頼度判定手段における標準作業時間の更新データを採用し、この更新データに基づいて更新処理をしてもよい。或いは、第1〜第3の信頼度判定手段における標準作業時間の更新データの平均値、中央値又は最小値を算出し、この算出値に基づいて更新処理をしてもよい。
【0151】
また、上記のような第1〜第3の信頼度判定手段の信頼度判定を同時に実施する場合には、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間(更新データ)を算出してもよい。
【0152】
即ち、信頼度判定部44では、作業者35が申告した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定する第1の信頼度判定手段による信頼度判定と、作業者35が申告した各作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定する第2の信頼度判定手段による信頼度判定手段と、作業エリア推定部43で推定された作業者35が存在している推定作業エリアと、申告手段(PDA36)により作業者35が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定する第3の信頼度判定手段による信頼度判定とを同時に実施する。
【0153】
そして、信頼度判定部44では、これら第1〜第3の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように各作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記第1〜第3の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行う。
【0154】
即ち、第1の信頼度判定手段において、作業者35が申告した何れかの作業内容の作業時刻から得られる作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている当該作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱していると判断した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第1の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。第2の信頼度判定手段において、作業者35が申告した何れかの作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えていると判定した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第2の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。第3の信頼度判定手段において、作業エリア推定部43で推定された作業者35が存在している推定作業エリアと、申告手段(PDA36)により作業者35が申告した申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第3の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。
【0155】
具体例について更に詳述すると、第1〜第3の信頼度判定手段により信頼度判定された各作業内容に関する作業時間(申告された作業時間)のデータが、x±δであった場合、第1〜第3の信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値xに対する重み係数wは、上記の(1)式によって求める。そして、第1〜第3の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された各作業内容の作業時間の平均値xに対し、例えば上記の(2)式により、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間(重み付き平均値)xwavを算出し、この算出した標準作業時間xwavとなるように各作業内容の標準作業時間を更新する。しかも、このときに第1〜第3の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間のバラツキ(標準偏差)δを∞として、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値xに対する重み係数wは0とすることにより、前記重み付き平均の演算を行う。
【0156】
なお、今回、新たに計測された各作業内容の作業時間や、この作業時間に基づいて更新された標準作業時間は、次回の標準作業時間更新のために用いるデータべースとして記憶部41に記録される。このとき、記憶部41には、前記所定範囲を逸脱した作業時間のデータや、前記所定値を超えている作業時間のデータなども記憶する。
【0157】
以上のように、本実施の形態例2の標準作業時間更新システムによれば、作業場31内の作業エリア32A〜32Eで作業者35が実施する作業内容の作業時刻を、作業者35が申告手段(PDA36)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した作業内容の標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部44)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者35が申告し、しかも、作業者35が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0158】
或いは、本実施の形態例2の標準作業時間更新システムによれば、作業場31内の作業エリア32A〜32Eで作業者35が実施する作業内容の作業時刻を、作業者35が申告手段(PDA36)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部44)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者35が申告し、しかも、作業者35が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0159】
或いは、本実施の形態例2の標準作業時間更新システムによれば、作業場31内の作業エリア32A〜32Eで作業者35が実施する作業内容の作業時刻を、作業者35が申告手段(PDA36)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部44)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者35が申告し、しかも、作業者35が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0160】
或いは、本実施の形態例2の標準作業時間更新システムによれば、作業場31内の作業エリア32A〜32Eで作業者35が実施する作業内容の作業時刻を、作業者35が申告手段(PDA36)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部44)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者35が申告し、しかも、作業者35が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業者時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0161】
或いは、本実施の形態例2の標準作業時間更新システムによれば、作業場31内の作業エリア32A〜32Eで作業者35が実施する作業内容の作業時刻を、作業者35が申告手段(PDA36)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新する更新処理手段(信頼度判定部44)を有することを特徴としているため、作業者35の申告作業時間データの一部に信頼度の低いデータがあっても、申告作業時間データだけではなく、データベースに蓄積されている作業時間データも含めて標準作業時間が算出されることから、当該信頼度の低い申告作業時間データが標準作業時間の更新データに与える影響を低減することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データによって標準作業時間の更新データの信頼度が低下するのを防止(軽減)することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0162】
また、本実施の形態例2の標準作業時間更新システムによれば、作業場31内の作業エリア32A〜32Eで作業者35が実施する作業内容の作業時刻を、作業者35が申告手段(PDA36)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者35が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段(RFIDタグ39、RFIDリーダ33A〜33E、作業エリア推定部43)と、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により作業者35が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部44)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者35が申告し、しかも、作業者35が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0163】
或いは、本実施の形態例2の標準作業時間更新システムによれば、作業場31内の作業エリア32A〜32Eで作業者35が実施する作業内容の作業時刻を、作業者35が申告手段(PDA36)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者35が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段(RFIDタグ39、RFIDリーダ33A〜33E、作業エリア推定部43)と、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により作業者35が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部44)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者35が申告し、しかも、作業者35が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0164】
また、本実施の形態例2の標準作業時間更新システムによれば、前記作業エリア推定手段は、前記申告手段(PDA36)に設けたRFIDタグ39と、作業エリア32A〜32E内に設置され、RFIDタグ39の記録を読み取って作業エリア情報を送信するRFIDリーダ33A〜33Eと、このRFIDリーダ33A〜33Eから送信される前記作業エリア情報に基づいて作業者35が存在している作業エリア32A〜32Eを推定する作業エリア推定部4とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者35が存在する作業エリア32A〜32Eを推定することができる。
【0165】
或いは、本実施の形態例2の標準作業時間更新システムによれば、作業場31内の作業エリア32A〜32Eで作業者35が実施する作業内容の作業時刻を、作業者35が申告手段(PDA36)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が信頼できるか否かを判定する複数の信頼度判定手段(第1〜第3の信頼度判定手段)と、前記複数の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記複数の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行う更新処理手段(信頼度判定部44)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者35が申告し、しかも、作業者35が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを複数の信頼度判定手段の何れかによって見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0166】
<実施の形態例3>
図7(a)に示すように、航空機や船などの製造物の組み立て作業を行う組み立て作業場51内は、複数の作業内容にそれぞれ対応した複数(図示例では4つ)の作業エリア52A,52B,52C,52D,52Eに分けられている。従って、各作業者55は、各作業エリア52A〜52Eにおいて、各作業内容を実施する。
【0167】
このときに各作業エリア52A〜52Eにおいて各作業者55は、各作業者55がそれぞれ携帯しているPDA56(申告手段)を操作することにより、各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)を、PDA56に備えた記憶装置に記録する。図7(b)及び図7(c)に示すように、PDA56の表示画面57には、作業内容と、作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)と、作業エリアとが表示され、更に作業の開始、中断、完了の各操作ボタン58A,58B,58Cも表示される。
【0168】
即ち、作業者55が作業の開始時に開始ボタン58Aをタッチ操作すると、当該作業内容の作業開始時刻がPDA56に記録され、表示画面57に表示される。また、作業者55が作業内容の完了時に完了ボタン58Cをタッチ操作すると、当該作業内容の作業完了時刻がPDA56に記録され、表示画面57に表示される。なお、作業者55が作業内容を実施中に何らかの事情で中断ボタン58Bをタッチ操作したときには、当該作業内容の作業時刻の記録はキャンセルされる。
【0169】
そして、本実施の形態例3では、作業場51内に複数の光電センサ53A,53B,53C,53D,53Eと、送信器54とが設置されている。各光電センサ53A〜53Eは、各作業エリア52A〜32Eの入口にそれぞれ設置され、送信器54は作業エリア32A〜32E以外の場所に設置されている。
【0170】
従って、各光電センサ53A〜53Eは、各作業エリア52A〜52Bの入口から各作業エリア52A〜52E内に進入する作業者55を検知し、この作業者検知情報を有線又は無線により送信器54に送信する。送信器54は前記作業者検知情報を作業時間管理サーバ(パーソナルコンピュータ)60へ送信する。このような作業エリア入口に光電センサ53A〜53Eを用いた方法は、各作業エリア52A〜52Eに作業者55が1ずつ入って作業をする場合に有効である。なお、光電センサ53A〜53Eの設置位置は作業エリア52A〜52Bの入口の上下左右の何れでもよく、光電センサ53A〜53Eから作業者55への光の照射方向は、鉛直方向、水平方向、斜め方向の何れでもよい。
【0171】
図7(a)〜図7(c)及び図8に示すように、PDA56で記録した各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)などの情報(即ち作業者55がPDA56を用いて申告(送信)する作業内容、作業時刻、作業エリアの情報)は、作業時間管理サーバ60へ送信される。作業時間管理サーバ60は、作業手順、作業内容、標準作業時間、作業エリアなどがデータべースとして蓄積されている記憶部61と、標準作業時間算出部62と、作業エリア推定部63と、信頼度判定部64(信頼度判定手段、更新処理手段)とを有している。データべースに記録されている標準作業時間のデータは、データべースとして蓄積されている過去の各作業内容の作業時間のデータに基づき、作業内容ごとに作業時間の平均値(又は最小値、中央値など:図4参照)として算出したものである。なお、標準作業時間算出部62、作業エリア推定部63及び信頼度判定部64の各機能は、ソフトウエア(プログラム)で構成されており、作業時間管理サーバ60のCPUで実行される。
【0172】
標準作業時間算出部62では、各作業者55の各PDA56から入力した各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)の情報(即ち作業内容及び作業時刻の情報)から、各作業内容の作業時間(作業完了時刻−作業開始時刻)を求めて、作業内容ごとの作業時間の平均値(又は最小値、中央値など)を算出し、この算出値を各作業内容の標準作業時間とする。なお、この場合、平均値から大きく外れた作業時間データ(即ち信頼度の低い作業時間データ)が存在すると、平均値はこの大きく外れた作業時間データの影響が大きくなるため、かかる観点からは、大きく外れた作業時間データの影響が比較的小さい中央値が望ましいと考えられる。更に、標準作業時間算出部62では、算出した各作業内容の標準作業時間が、記憶部61にデータべースとして記録されている各作業内容の標準作業時間よりも短ければ、算出した各作業内容の標準作業時間を、更新用の標準作業時間として信頼度判定部64へ出力する。また、作業者55が申告(PDA56から送信)した作業エリアのデータも、標準作業時間算出部62を介して信頼度判定部64へ出力される。
【0173】
作業エリア推定部63では、各光電センサ53A〜53Eから送信器54を介して送信される作業者検知情報に基づいて、作業者55が、作業エリア52A〜52Eの何れに存在しているのかを推定し、この推定した作業エリアの情報を信頼度判定部64へ出力する。即ち、光電センサ53A〜53E、作業エリア推定部63などにより、作業エリア推定手段が構成されている。
【0174】
信頼度判定部64では、作業者55が申告(PDA56から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(図3の例では±3σの範囲:σは標準偏差)の範囲を逸脱しているか否かを判定し(第1の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部62で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部62で算出した当該作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0175】
更に、信頼度判定部64では、作業エリア推定部63で推定された作業エリア(実際の作業エリア)と、作業者55が申告した作業エリアが一致するか否かを判定する(第3の信頼度判定手段)。
【0176】
このとき、作業エリア推定部63で推定された作業エリアと、作業者55が申告した作業エリアが一致すれば、作業者55が申告した作業時刻の情報は信頼することができる。従って、信頼度判定部64では、作業エリア推定部63で推定された各作業エリアと、作業者55が申告した各作業エリアが一致すると判定した場合、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部62で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0177】
一方、作業エリア推定部63で推定された作業エリアと、作業者55が申告した作業エリアが一致しなければ、当該不一致の作業エリアに関して、作業者55が申告した作業時刻の情報は、作業者55の嘘や誤入力などである可能性があり、信頼することができない。従って、信頼度判定部64では、作業エリア推定部63で推定された作業エリアと、作業者55が申告した作業エリアが一致しないと判定した場合、当該不一致の作業エリアに関する作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部62で算出した当該作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0178】
なお、信頼度判定部64においては、上記のような処理だけはでなく、次のような処理を行うようにしてもよい。
【0179】
例えば、信頼度判定部64では、作業者55が申告(PDA56から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し(第1の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部62で算出した各作業内容の標準作業時間(即ち各作業内容に関して申告された全て作業時間に基づいて算出された標準作業時間)となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0180】
或いは、信頼度判定部64では、作業者55が申告(PDA56から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(図4の例では+3σ:σは標準偏差)を超えているか否かを判定し(第2の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部62で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部62で算出した当該作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0181】
或いは、信頼度判定部64では、作業者55が申告(PDA56から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し(第2の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部62で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0182】
或いは、信頼度判定部64(このときには更新処理手段として機能する)では、作業者55が申告した各作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように各作業内容の標準作業時間を更新する。
【0183】
或いは、信頼度判定部64では、作業エリア推定部63で推定された推定作業エリアと、申告手段(PDA56)により作業者55が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し(第3の信頼度判定手段)、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部62で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、当該不一致の作業エリアに関する作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0184】
また、上記のような第1〜第3の信頼度判定手段の信頼度判定に基づく標準作業時間の更新処理を同時に実施する場合には、例えば、これらの信頼度判定手段に予め優先順位を設定し、各信頼度判定手段の間で標準作業時間の更新データに相違が生じたとき、優先順位の高い信頼度判定手段における標準作業時間の更新データを採用し、この更新データに基づいて更新処理をしてもよい。或いは、第1〜第3の信頼度判定手段における標準作業時間の更新データの平均値、中央値又は最小値を算出し、この算出値に基づいて更新処理をしてもよい。
【0185】
また、上記のような第1〜第3の信頼度判定手段の信頼度判定を同時に実施する場合には、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間(更新データ)を算出してもよい。
【0186】
即ち、信頼度判定部64では、作業者55が申告した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定する第1の信頼度判定手段による信頼度判定と、作業者55が申告した各作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定する第2の信頼度判定手段による信頼度判定手段と、作業エリア推定部63で推定された作業者55が存在している推定作業エリアと、申告手段(PDA56)により作業者55が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定する第3の信頼度判定手段による信頼度判定とを同時に実施する。
【0187】
そして、信頼度判定部64では、これら第1〜第3の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように各作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記第1〜第3の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行う。
【0188】
即ち、第1の信頼度判定手段において、作業者55が申告した何れかの作業内容の作業時刻から得られる作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている当該作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱していると判断した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第1の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。第2の信頼度判定手段において、作業者55が申告した何れかの作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えていると判定した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第2の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。第3の信頼度判定手段において、作業エリア推定部63で推定された作業者55が存在している推定作業エリアと、申告手段(PDA56)により作業者55が申告した申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第3の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。
【0189】
具体例について更に詳述すると、第1〜第3の信頼度判定手段により信頼度判定された各作業内容に関する作業時間(申告された作業時間)のデータが、x±δであった場合、第1〜第3の信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値xに対する重み係数wは、上記の(1)式によって求める。そして、第1〜第3の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された各作業内容の作業時間の平均値xに対し、例えば上記の(2)式により、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間(重み付き平均値)xwavを算出し、この算出した標準作業時間xwavとなるように各作業内容の標準作業時間を更新する。しかも、このときに第1〜第3の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間のバラツキ(標準偏差)δを∞として、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値xに対する重み係数wは0とすることにより、前記重み付き平均の演算を行う。
【0190】
なお、今回、新たに計測された各作業内容の作業時間や、この作業時間に基づいて更新された標準作業時間は、次回の標準作業時間更新のために用いるデータべースとして記憶部61に記録される。このとき、記憶部41には、前記所定範囲を逸脱した作業時間のデータや、前記所定値を超えている作業時間のデータなども記憶する。
【0191】
以上のように、本実施の形態例3の標準作業時間更新システムによれば、作業場51内の作業エリア52A〜52Eで作業者55が実施する作業内容の作業時刻を、作業者55が申告手段(PDA56)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した作業内容の標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部64)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者55が申告し、しかも、作業者55が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0192】
或いは、本実施の形態例3の標準作業時間更新システムによれば、作業場51内の作業エリア52A〜52Eで作業者55が実施する作業内容の作業時刻を、作業者55が申告手段(PDA56)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部64)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者55が申告し、しかも、作業者55が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0193】
或いは、本実施の形態例3の標準作業時間更新システムによれば、作業場51内の作業エリア52A〜52Eで作業者55が実施する作業内容の作業時刻を、作業者55が申告手段(PDA56)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部64)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者55が申告し、しかも、作業者55が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0194】
或いは、本実施の形態例3の標準作業時間更新システムによれば、作業場51内の作業エリア52A〜52Eで作業者55が実施する作業内容の作業時刻を、作業者55が申告手段(PDA56)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部64)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者55が申告し、しかも、作業者55が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業者時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0195】
或いは、本実施の形態例3の標準作業時間更新システムによれば、作業場51内の作業エリア52A〜52Eで作業者55が実施する作業内容の作業時刻を、作業者55が申告手段(PDA56)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新する更新処理手段(信頼度判定部64)を有することを特徴としているため、作業者55の申告作業時間データの一部に信頼度の低いデータがあっても、申告作業時間データだけではなく、データベースに蓄積されている作業時間データも含めて標準作業時間が算出されることから、当該信頼度の低い申告作業時間データが標準作業時間の更新データに与える影響を低減することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データによって標準作業時間の更新データの信頼度が低下するのを防止(軽減)することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0196】
また、本実施の形態例3の標準作業時間更新システムによれば、作業場51内の作業エリア52A〜52Eで作業者55が実施する作業内容の作業時刻を、作業者55が申告手段(PDA56)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業内容の作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者55が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段(光電センサ53A〜53E、作業エリア推定部63)と、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により作業者55が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者35が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部64)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者55が申告し、しかも、作業者55が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間のデータの信頼度が向上する。
【0197】
或いは、本実施の形態例3の標準作業時間更新システムによれば、作業場51内の作業エリア52A〜52Eで作業者55が実施する作業内容の作業時刻を、作業者55が申告手段(PDA56)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者55が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段(光電センサ53A〜53E、作業エリア推定部63)と、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により作業者55が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部64)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者55が申告し、しかも、作業者55が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0198】
また、本実施の形態例3の標準作業時間更新システムによれば、前記作業エリア推定手段は、作業エリア52A〜52Eの入口に設置され、作業エリア52A〜52Eに進入する作業者55を検知する光電センサ53A〜53Eと、この光電センサ53A〜53Eの作業者検知情報に基づいて作業者55が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部63とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者55が存在する作業エリア52A〜52Eを推定することができる。
【0199】
或いは、本実施の形態例3の標準作業時間更新システムによれば、作業場51内の作業エリア52A〜52Eで作業者55が実施する作業内容の作業時刻を、作業者55が申告手段(PDA56)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者55が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が信頼できるか否かを判定する複数の信頼度判定手段(第1〜第3の信頼度判定手段)と、前記複数の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記複数の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行う更新処理手段(信頼度判定部64)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者55が申告し、しかも、作業者55が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを複数の信頼度判定手段の何れかによって見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0200】
<実施の形態例4>
図9(a)に示すように、航空機や船などの製造物の組み立て作業を行う組み立て作業場71内は、複数の作業内容にそれぞれ対応した複数(図示例では4つ)の作業エリア72A,72B,72C,72D,72Eに分けられている。従って、各作業者75は、各作業エリア72A〜72Eにおいて、各作業内容を実施する。
【0201】
このときに各作業エリア72A〜72Eにおいて各作業者77は、各作業者77がそれぞれ携帯しているPDA78(申告手段)を操作することにより、各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)を、PDA78に備えた記憶装置に記録する。図9(b)及び図9(c)に示すように、PDA78の表示画面79には、作業内容と、作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)と、作業道具とが表示され、更に作業の開始、中断、完了の各操作ボタン80A,80B,80Cも表示される。
【0202】
即ち、作業者77が作業の開始時に開始ボタン80Aをタッチ操作すると、当該作業内容の作業開始時刻がPDA78に記録され、表示画面79に表示される。また、作業者77が作業内容の完了時に完了ボタン80Cをタッチ操作すると、当該作業内容の作業完了時刻がPDA78に記録され、表示画面79に表示される。なお、作業者77が作業内容を実施中に何らかの事情で中断ボタン80Bをタッチ操作したときには、当該作業内容の作業時刻の記録はキャンセルされる。
【0203】
そして、本実施の形態例3では、作業場51内に複数の光電センサ76A,76B,76C,76D,76Eと、送信器74とが設置されている。各作業エリア72A〜72Eには作業道具台73A,73B,73C,73D,73Eがそれぞれ設置されており、各作業道具台73A〜73E上には、各作業エリア72A〜72Eにおいて各作業内容を実施するための作業道具75A,75A,75C,75D,75Eが、それぞれ載置されている。各光電センサ76A〜76Eは、各作業道具台73A〜73Eにそれぞれ設置されている。送信器74は作業エリア73A〜73E以外の場所に設置されている。
【0204】
各光電センサ76A〜76Eは、各作業道具台73A〜73E上に各作業道具75A〜75Eがを載置されているとき(即ち作業者77が作業道具75A〜75Eを使用していないとき)、これらの作業道具75A〜75Eを検知してON状態となる。そして、作業者77が作業内容を実施するために作業道具台73A〜73Eから各作業道具75A〜75Bを取り上げたとき(即ち作業者77が作業道具75A〜75Eを使用するとき)、各光電センサ76A〜76Eは、各作業道具75A〜75Bを検知しなくなってOFF状態となり、このOFF信号を作業道具使用情報として、有線又は無線により送信器74に送信する。送信器74は前記作業道具使用情報を作業時間管理サーバ(パーソナルコンピュータ)90へ送信する。
【0205】
なお、作業者77は、作業道具75A〜75Eを、使用後に必ず、作業道具台73A〜73E上の定位置(光電センサ76A〜76Eによって検知される位置)に戻す。また、作業エリア72A〜72E内における作業道具台73A〜73Eの位置が固定されている場合には、作業道具台73A〜73E上に載置された作業道具75A〜75Eの位置も固定されるため、光電センサ76A〜76Eは、作業道具台73A〜73E以外の場所に設置してもよい。
【0206】
図9(a)〜図9(c)及び図10に示すように、PDA78で記録した各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)などの情報(即ち作業者77がPDA78を用いて申告(送信)する作業内容、作業時刻、作業道具の情報)は、作業時間管理サーバ90へ送信される。作業時間管理サーバ90は、作業手順、作業内容、標準作業時間、作業エリア、作業道具などがデータべースとして蓄積されている記憶部91と、標準作業時間算出部92と、作業内容推定部93と、信頼度判定部94(信頼度判定手段、更新処理手段)とを有している。データべースに記録されている標準作業時間のデータは、データべースとして蓄積されている過去の各作業内容の作業時間のデータに基づき、作業内容ごとに作業時間の平均値(又は最小値、中央値など:図4参照)として算出したものである。なお、標準作業時間算出部92、作業内容推定部93及び信頼度判定部94の各機能は、ソフトウエア(プログラム)で構成されており、作業時間管理サーバ90のCPUで実行される。
【0207】
標準作業時間算出部92では、各作業者77の各PDA78から入力した各作業内容の作業時刻(作業開始時刻、作業完了時刻)の情報(即ち作業内容及び作業時刻の情報)から、各作業内容の作業時間(作業完了時刻−作業開始時刻)を求めて、作業内容ごとの作業時間の平均値(又は最小値、中央値など)を算出し、この算出値を各作業内容の標準作業時間とする。なお、この場合、平均値から大きく外れた作業時間データ(即ち信頼度の低い作業時間データ)が存在すると、平均値はこの大きく外れた作業時間データの影響が大きくなるため、かかる観点からは、大きく外れた作業時間データの影響が比較的小さい中央値が望ましいと考えられる。更に、標準作業時間算出部92では、算出した各作業内容の標準作業時間が、記憶部91にデータべースとして記録されている各作業内容の標準作業時間よりも短ければ、算出した各作業内容の標準作業時間を、更新用の標準作業時間として信頼度判定部94へ出力する。また、作業者77が申告(PDA78から送信)した作業内容と作業道具のデータも、標準作業時間算出部92を介して信頼度判定部94へ出力される。
【0208】
作業内容推定部93では、各光電センサ76A〜76Eから送信器74を介して送信される作業道具使用情報に基づいて、作業者77が実施した作業内容を推定する。即ち、作業道具使用情報から、作業者77が使用した作業道具(作業道具75A〜75Eの何れか)が特定され、この特定された作業道具(作業道具75A〜75Eの何れか)から、作業内容が特定(推定)される。光電センサ76A〜76Eを作業道具使用情報取得手段として備えており、この作業道具使用情報取得手段と、作業内容推定部93などにより、作業内容推定手段が構成されている。作業内容推定部93で推定した作業内容の情報は、作業道具の情報とともに信頼度判定部94へ出力される。
【0209】
信頼度判定部94では、作業者77が申告(PDA78から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(図3の例では±3σの範囲:σは標準偏差)の範囲を逸脱しているか否かを判定し(第1の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部92で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部92で算出した当該作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0210】
更に、信頼度判定部94では、作業内容推定部93で推定された作業内容(実際の作業内容)と、作業者77が申告した作業内容が一致するか否かを判定する(第4の信頼度判定手段)。
【0211】
このとき、作業内容推定部93で推定された作業内容と、作業者77が申告した作業内容が一致すれば、信頼することができる。従って、信頼度判定部94では、作業内容推定部93で推定された各作業内容と、作業者77が申告した各作業内容が一致すると判定した場合、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部92で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0212】
一方、作業内容推定部93で推定された作業内容と、作業者77が申告した作業内容が一致しなければ、当該不一致の作業内容に関して、作業者77が申告した作業時刻の情報は、作業者77の嘘や誤入力などである可能性があり、信頼することができない。従って、信頼度判定部94では、作業内容推定部93で推定された各作業内容と、作業者77が申告した各作業内容が一致しないと判定した場合、当該不一致の作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部92で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0213】
なお、信頼度判定部94においては、上記のような処理だけではなく、次のような処理を行うようにしてもよい。
【0214】
例えば、信頼度判定部94では、作業者77が申告(PDA78から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し(第1の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部92で算出した各作業内容の標準作業時間(即ち各作業内容に関して申告された全て作業時間に基づいて算出された標準作業時間)となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0215】
或いは、信頼度判定部94では、作業者77が申告(PDA78から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(図4の例では+3σ:σは標準偏差)を超えているか否かを判定し(第2の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部49で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部92で算出した当該作業内容の標準作業時間となるように更新することはせず、データべースとして記録されている当該作業内容の標準作業時間のままとする。
【0216】
或いは、信頼度判定部94では、作業者77が申告(PDA78から送信)した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し(第2の信頼度判定手段)、その結果、各作業内容に関して、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部92で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、何れかの作業内容に関して、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、当該作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0217】
或いは、信頼度判定部94(このときには更新処理手段として機能する)では、作業者77が申告した各作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように各作業内容の標準作業時間を更新する。
【0218】
或いは、信頼度判定部94では、作業内容推定部93で推定された推定作業内容と、申告手段(PDA78)により作業者77が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し(第4の信頼度判定手段)、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、各作業内容の標準作業時間を、標準作業時間算出部92で算出した各作業内容の標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する一方、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、当該不一致の作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した当該作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、この更新した標準作業時間を出力する。
【0219】
また、上記のような第1,第2,第4の信頼度判定手段の信頼度判定に基づく標準作業時間の更新処理を同時に実施する場合には、例えば、これらの信頼度判定手段に予め優先順位を設定し、各信頼度判定手段の間で標準作業時間の更新データに相違が生じたとき、優先順位の高い信頼度判定手段における標準作業時間の更新データを採用し、この更新データに基づいて更新処理をしてもよい。或いは、第1,第2,第4の信頼度判定手段における標準作業時間の更新データの平均値、中央値又は最小値を算出し、この算出値に基づいて更新処理をしてもよい。
【0220】
また、上記のような第1,第2,第4の信頼度判定手段の信頼度判定を同時に実施する場合には、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間(更新データ)を算出してもよい。
【0221】
即ち、信頼度判定部94では、作業者77が申告した各作業内容の作業時刻から得られる各作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定する第1の信頼度判定手段による信頼度判定と、作業者77が申告した各作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定する第2の信頼度判定手段による信頼度判定手段と、作業内容推定部93で推定された作業者77が実施した推定作業内容と、申告手段(PDA78)により作業者77が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定する第4の信頼度判定手段による信頼度判定とを同時に実施する。
【0222】
そして、信頼度判定部94では、これら第1,第2,第4の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように各作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記第1,第2,第4の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行う。
【0223】
即ち、第1の信頼度判定手段において、作業者77が申告した何れかの作業内容の作業時刻から得られる作業内容の作業時間が、データべースに蓄積されている当該作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱していると判断した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第1の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。第2の信頼度判定手段において、作業者35が申告した何れかの作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている各作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えていると判定した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第2の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。第4の信頼度判定手段において、作業内容推定部93で推定された作業者77が実施した推定作業内容と、申告手段(PDA78)により作業者77が申告した申告作業内容が一致しないと判定した場合には、当該作業内容に関する標準作業時間を更新するために前記重み付き平均の演算を行う際、第4の信頼度判定手段により信頼度判定された当該作業内容の作業時間(申告された作業時間)の平均値に対する重み係数は0とする。
【0224】
具体例について更に詳述すると、第1,第2,第4の信頼度判定手段により信頼度判定された各作業内容に関する作業時間(申告された作業時間)のデータが、x±δであった場合、第1,第2,第4の信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値xに対する重み係数wは、上記の(1)式によって求める。そして、第1,第2,第4の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された各作業内容の作業時間の平均値xに対し、例えば上記の(2)式により、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間(重み付き平均値)xwavを算出し、この算出した標準作業時間xwavとなるように各作業内容の標準作業時間を更新する。しかも、このときに第1,第2,第4の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間のバラツキ(標準偏差)δを∞として、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値xに対する重み係数wは0とすることにより、前記重み付き平均の演算を行う。
【0225】
なお、今回、新たに計測された各作業内容の作業時間や、この作業時間に基づいて更新された標準作業時間は、次回の標準作業時間更新のために用いるデータべースとして記憶部91に記録される。このとき、記憶部91には、前記所定範囲を逸脱した作業時間のデータや、前記所定値を超えている作業時間のデータなども記憶する。
【0226】
また、光電センサ76A〜76Eによって得られる作業時刻情報及び作業道具使用情報と、作業者77が申告した作業時刻情報及び作業道具使用情報により、作業者77を特定することもできる。
【0227】
ところで、上記では作業道具使用情報取得手段として光電センサ76A〜76Eを用いているが、これに限定するものではない。例えば、電力計、カメラ、RFIDタグ及びRFIDリーダ、圧電センサなどを、作業道具使用情報取得手段として用いることもできる。
【0228】
まず、図9、図10及び図11に基づき、電力計を用いる場合について説明する。図11に示すように作業道具75A〜75Bが、電源100からの電力供給を必要とする電動の作業道具(例えば電動ドリルなど)である場合、図9及び図10のシステムにおいて、光電センサ76A〜76Eの代わりに電力計101A,101B,101C,101D,101Eを用いることができる。電力計101A〜101Eは、電源100から各作業道具75A〜75Bへ供給される各電力を、それぞれ計測する。電源100は作業エリア72A〜72Eごとに設けられたものでもよく、作業エリア72A〜72Eに共通のものでもよい。電力計101A〜101Eは、各作業道具台73A〜73Eに設置されていてもよく、その他の場所に設置されていてもよい。
【0229】
作業者77が各作業エリア72A〜72Eにおいて各作業道具75A〜75Bを使用すると、各電力計101A〜101Eは、各作業道具75A〜75Eの消費電力量を計測し、この消費電力量の信号を作業道具使用情報として、有線又は無線により送信器74に送信する。送信器74は前記作業道具使用情報を作業時間管理サーバ90へ送信する。
【0230】
その他については、光電センサ76A〜76Eを用いる場合と同様である。
【0231】
次に、図9、図10及び図12に基づき、カメラを用いる場合について説明する。図9及び図10に示すシステムおいて、光電センサ76A〜76Eの代わりに図12に示すようなカメラ102A,102B,102C,102D,102Eを用いる。各作業エリア72A〜72E内における作業道具台73A〜73Eの位置が固定されていない場合、各カメラ102A〜102Eは、各作業道具台73A〜73Eにそれぞれ設置して、常に各作業道具台73A〜73E上の作業道具75A〜75Eを撮影することができるようにする。各作業エリア72A〜72E内における作業道具台73A〜73Eの位置が固定されている場合、各カメラ102A〜102Eは、各作業道具台73A〜73Eに限らず、各作業道具台73A〜73E上の作業道具75A〜75Eを撮影することができる各作業エリア72A〜72E内の任意の位置に設置することができる。
【0232】
各カメラ102A〜102Eは、各作業道具台73A〜73E上を撮影した画像を、有線又は無線により送信器74に送信する。送信器74は前記画像を作業時間管理サーバ90へ送信する。作業時間管理サーバ90では、前記画像に対して背景差分などの画像処理を行うことにより、各作業道具台73A〜73E上から各作業道具75A〜75Eが無くなったか否か(即ち各作業道具75A〜75Eが作業者77に使用されたか否か)を判定し、各作業道具台73A〜73E上から各作業道具75A〜75Eが無くなったと判定することにより、作業道具使用情報を得ることができる(画像処理手段)。なお、各カメラ102A〜102E側で前記画像処理を行って前記作業道具使用情報を得るようにし(画像処理手段)、この作業道具使用情報を送信器74を介して作業時間管理サーバ90へ送信するようにしてもよい。
【0233】
その他については、光電センサ76A〜76Eを用いる場合と同様である。
【0234】
次に、図9、図10及び図13に基づき、RFIDタグ及びRFIDリーダを用いる場合について説明する。図9及び図10に示すシステムおいて、光電センサ76A〜76Eの代わりに図13に示すようなRFIDタグ103A,103B,103C,103D,103Eと、RFIDリーダ104A,104B,104C,104D,104Eを用いる。各RFIDタグ103A〜103Eは、各作業道具75A〜75Eにそれぞれ設けられており、各作業道具75A〜75Eの識別情報が記録されている。RFIDリーダ104A〜104Eは、各作業エリア72A〜72Eに設置されている。なお、作業者77がRFIDリーダ(図示省略)を携帯するようにしてもよい。
【0235】
作業者77が、各作業道具75A〜75Eを使用する際に各RFIDタグ103A〜103Eを各RFIDリーダ104A〜104E又は携帯しているRFIDリーダに近づけると、各RFIDリーダ104A〜104E又は携帯しているRFIDリーダは、各RFIDタグ103A〜103Eに記録された識別情報を読み取ることにより、この読み取った識別情報を作業道具使用情報として、有線又は無線により送信器74へ送信する。送信器74は前記作業道具使用情報を作業時間管理サーバ90へ送信する。
【0236】
その他については、光電センサ76A〜76Eを用いる場合と同様である。
【0237】
次に、図9、図10及び図14に基づき、圧電センサを用いる場合について説明する。図9及び図10に示すシステムおいて、光電センサ76A〜76Eの代わりに図14に示すような圧電センサ105A,105B,105C,105D,105Eを用いる。各圧電センサ105A〜105Eは、各作業道具台73A〜73E上に各作業道具75A〜75Eが載置されているときに各作業道具75A〜75Eの荷重が各圧電センサ105A〜105Eに作用するように各作業道具台73A〜73Eにそれぞれ設けられている。
【0238】
従って、作業者77が各作業道具75A〜75Eを使用するため、各作業道具台73A〜73E上から各作業道具75A〜75Eを取り上げると、各作業道具75A〜75Eの荷重が各圧電センサ105A〜105Eに作用しなくなる。このため、各圧電センサ105A〜105Eは各作業道具75A〜75Eが作業者77によって各作業道具台73A〜73E上から取り上げられた(使用された)ことを検知し、この作業道具検知信号を作業道具使用情報として、有線又は無線により送信器74へ送信する。送信器74は前記作業道具使用情報を作業時間管理サーバ90へ送信する。
【0239】
その他については、光電センサ76A〜76Eを用いる場合と同様である。
【0240】
以上のように、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、作業場71内の作業エリア72A〜72Eで作業者77が実施する作業内容の作業時刻を、作業者77が申告手段(PDA78)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した作業内容の標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部94)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者77が申告し、しかも、作業者77が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0241】
或いは、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、作業場71内の作業エリア72A〜72Eで作業者77が実施する作業内容の作業時刻を、作業者77が申告手段(PDA78)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲(±3σの範囲)を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部94)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者77が申告し、しかも、作業者77が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0242】
或いは、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、作業場71内の作業エリア72A〜72Eで作業者77が実施する作業内容の作業時刻を、作業者77が申告手段(PDA78)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部94)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者77が申告し、しかも、作業者77が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0243】
或いは、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、作業場71内の作業エリア72A〜72Eで作業者77が実施する作業内容の作業時刻を、作業者77が申告手段(PDA78)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値(+3σ)を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間(申告された作業時間)も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間(申告された作業時間)が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部94)を有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者77が申告し、しかも、作業者77が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業者時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0244】
或いは、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、作業場71内の作業エリア72A〜72Eで作業者77が実施する作業内容の作業時刻を、作業者77が申告手段(PDA78)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新する更新処理手段(信頼度判定部94)を有することを特徴としているため、作業者77の申告作業時間データの一部に信頼度の低いデータがあっても、申告作業時間データだけではなく、データベースに蓄積されている作業時間データも含めて標準作業時間が算出されることから、当該信頼度の低い申告作業時間データが標準作業時間の更新データに与える影響を低減することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データによって標準作業時間の更新データの信頼度が低下するのを防止(軽減)することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0245】
また、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、作業場71内の作業エリア72A〜72Eで作業者77が実施する作業内容の作業時刻を、作業者77が申告手段(PDA78)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者77が実施した作業内容を推定する作業内容推定手段(光電センサ76A〜76E、作業エリア推定部93)と、前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により作業者77が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段(信頼度判定部94)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者77が申告し、しかも、作業者77が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破って標準作業時間を更新しないようにすることができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0246】
或いは、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、作業場71内の作業エリア72A〜72Eで作業者77が実施する作業内容の作業時刻を、作業者77が申告手段(PDA78)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者77が実施した作業内容を推定する作業内容推定手段(光電センサ76A〜76E、作業エリア推定部93)と、前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により作業者77が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段(信頼度判定部94)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者77が申告し、しかも、作業者77が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0247】
また、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、前記作業内容推定手段は、前記作業者が使用した作業道具75A〜75Eを検知して、作業道具使用情報を得る作業道具使用情報取得手段(光電センサ76A〜76E)と、この作業道具使用情報取得手段の作業道具使用情報に基づいて作業者77が実施した作業内容を推定する作業エリア推定部93とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業者77が実施した作業内容を推定することができる。また、作業道具75A〜75Eの使用状況がわかるため、作業道具75A〜75Eのかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0248】
また、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア72A〜72E内に設置された作業道具台73A〜73E上に載置されている作業道具75A〜75Eを検知可能に作業道具台73A〜73Eに設置され、作業者77によって作業道具台73A〜73Eから作業道具75A〜75Eが取り上げられたときのOFF信号を作業道具使用情報として送信する光電センサ76A〜76Eであること特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具75A〜75Eの使用状況がわかるため、作業道具75A〜75Eのかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0249】
或いは、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、前記作業道具使用情報取得手段は、作業道具75A〜75Eの消費電力量を計測し、この消費電力量の計測信号を作業道具使用情報として送信する電力計101A〜101Eであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具75A〜75Eの使用状況がわかるため、作業道具75A〜75Eのかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0250】
或いは、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア72A〜72E内に設置された作業道具台73A〜73E上の作業道具75A〜75Eを撮影可能に設置されたカメラ102A〜102Eと、このカメラ102A〜102Eで撮影した画像を画像処理することにより、作業道具台73A〜73E上から作業道具75A〜75Eが無くなったか否かを判定し、作業道具台73A〜73E上から作業道具75A〜75Eが無くなったと判定することにより、作業道具使用情報を得る画像処理手段(作業時間管理サーバ90又はカメラ102A〜102E)とを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具75A〜75Eの使用状況がわかるため、作業道具75A〜75Eのかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0251】
或いは、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、前記作業道具使用情報取得手段は、作業道具75A〜75Eに設けたRFIDタグ103A〜103Eと、このRFIDタグ103A〜103Eの記録を読み取り、この読み取った記録の情報を作業道具使用情報として送信するRFIDリーダ104A〜104Eとを有して成るものであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具75A〜75Eの使用状況がわかるため、作業道具75A〜75Eのかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0252】
或いは、本実施の形態例4の標準作業時間更新システムによれば、前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア72A〜72E内に設置された作業道具台73A〜73E上に作業道具73A〜73Eが載置されているときに作業道具75A〜75Eの荷重が作用するように作業道具台73A〜73Eに設けられ、作業道具73A〜73Eが作業者77によって作業道具台73A〜73E上から取り上げられたことを検知し、この作業道具検知信号を作業道具使用情報として送信する圧電センサ105A〜105Eであることを特徴としているため、簡易な構成で確実に作業道具使用情報を得ることができる。また、作業道具75A〜75Eの使用状況がわかるため、作業道具75A〜75Eのかたづけがなされているか否かを判定することもできる。
【0253】
或いは、本実施の形態例2の標準作業時間更新システムによれば、作業場71内の作業エリア72A〜72Eで作業者77が実施する作業内容の作業時刻を、作業者77が申告手段(PDA78)により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、作業者77が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が信頼できるか否かを判定する複数の信頼度判定手段(第1,第2,第4の信頼度判定手段)と、前記複数の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記複数の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行う更新処理手段(信頼度判定部94)とを有することを特徴としているため、観測者や分類者を要せずに作業者77が申告し、しかも、作業者77が嘘の申告や誤った申告をしたときには、これを複数の信頼度判定手段の何れかによって見破り、信頼度の低い作業時間の申告データを排除した上で標準作業時間を更新することができる。従って、信頼度の低い作業時間の申告データに基づいて標準作業時間が更新されるのを防止することができるため、標準作業時間の更新データの信頼度が向上する。
【0254】
なお、第1,第2,第4の信頼度判定手段でけでなく、上記実施の形態例1〜3に記載した第3の信頼度判定手段も実施する場合にも、上記のような重み付き平均によって標準作業時間(更新データ)の算出する手法を適用することができる。更には、第1〜第4の信頼度判定手段以外の信頼度判定手段も実施する場合にも、上記のような重み付き平均によって標準作業時間(更新データ)の算出する手法を適用することができる。
【0255】
また、上記実施の形態例1〜4では標準作業時間算出、作業エリア推定又は作業内容推定、信頼度判定を作業時間管理サーバで行っているが、これに限定するものではなく、例えば、作業時間管理サーバ以外のパーソナルコンピュータ、或いは、PDAで行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0256】
本発明は作業者の標準作業時間を更新するための標準作業時間更新方法及びシステムに関するものであり、例えば、生産工学の分野等で使用される作業分析や物体の移動分析を実施するためのコンピュータ支援作業解析装置などに適用することができる。
【符号の説明】
【0257】
11 作業場
12A,12B,12C,12D,12E 作業エリア
13A,13B,13C,13D,13E 受信器
14 送信器
15 作業者
16 PDA
17 表示画面
18A 開始ボタン
18B 中断ボタン
18C 完了ボタン
20 作業時間管理サーバ
21 記憶部
22 標準作業時間算出部
23 作業エリア推定部
24 信頼度判定部
31 作業場
32A,32B,32C,32D,32E 作業エリア
33A,33B,33C,33D,33E RFIDリーダ
34 送信器
35 作業者
36 PDA
37 表示画面
38A 開始ボタン
38B 中断ボタン
38C 完了ボタン
39 RFIDタグ
40 作業時間管理サーバ
41 記憶部
42 標準作業時間算出部
43 作業エリア推定部
44 信頼度判定部
51 作業場
52A,52B,52C,52D,52E 作業エリア
53A,53B,53C,53D,53E 光電センサ
54 送信器
55 作業者
56 PDA
57 表示画面
58A 開始ボタン
58B 中断ボタン
58C 完了ボタン
60 作業時間管理サーバ
61 記憶部
62 標準作業時間算出部
63 作業エリア推定部
64 信頼度判定部
71 作業場
72A,72B,72C,72D,72E 作業エリア
73A,73B,73C,73D,73E 作業道具台
74 送信器
75A,75B,75C,75D,75E 作業道具
76A,76B,76C,76D,76E 光電センサ
77 作業者
78 PDA
79 表示画面
80A 開始ボタン
80B 中断ボタン
80C 完了ボタン
90 作業時間管理サーバ
91 記憶部
92 標準作業時間算出部
93 作業エリア推定部
94 信頼度判定部
100 電源
101A,101B,101C,101D,101E 電力計
102A,102B,102C,102D,102E カメラ
103A,103B,103C,103D,103E RFIDタグ
104A,104B,104C,104D,104E RFIDリーダ
105A,105B,105C,105D,105E 圧電センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項2】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項3】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項4】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項5】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新することを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項6】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
作業エリア推定手段により、前記作業者が存在している作業エリアを推定し、
信頼度判定手段により、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項7】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
作業エリア推定手段により、前記作業者が存在している作業エリアを推定し、
信頼度判定手段により、前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の標準作業時間更新方法において、
前記作業エリア推定手段は、前記作業場内の複数箇所に設けられ、前記申告手段から送信された電波を受信する受信器と、この受信器の電波受信情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項9】
請求項6又は7に記載の標準作業時間更新方法において、
前記作業エリア推定手段は、前記申告手段に設けたRFIDタグと、作業エリア内に設置され、前記RFIDタグの記録を読み取って作業エリア情報を送信するRFIDリーダと、このRFIDリーダから送信される前記作業エリア情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項10】
請求項6又は7に記載の標準作業時間更新方法において、
前記作業エリア推定手段は、前記作業エリアの入口に設置され、前記作業エリアに進入する前記作業者を検知する光電センサと、この光電センサの作業者検知情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項11】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
作業内容推定手段により、前記作業者が実施した作業内容を推定し、
信頼度判定手段により、前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しないことを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項12】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
作業内容推定手段により、前記作業者が実施した作業内容を推定し、
信頼度判定手段により、前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新することを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の標準作業時間更新方法において、
前記作業内容推定手段は、前記作業者が使用した作業道具を検知して、作業道具使用情報を得る作業道具使用情報取得手段と、この作業道具使用情報取得手段の作業道具使用情報に基づいて前記作業者が実施した作業内容を推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項14】
請求項13に記載の標準作業時間更新方法において、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に載置されている作業道具を検知可能に前記作業道具台に設置され、前記作業者によって前記作業道具台から前記作業道具が取り上げられたときのOFF信号を作業道具使用情報として送信する光電センサであること特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項15】
請求項13に記載の標準作業時間更新方法において、
前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具の消費電力量を計測し、この消費電力量の計測信号を作業道具使用情報として送信する電力計であることを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項16】
請求項13に記載の標準作業時間更新方法において、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上の作業道具を撮影可能に設置されたカメラと、このカメラで撮影した画像を画像処理することにより、前記作業道具台上から作業道具が無くなったか否かを判定し、前記作業道具台上から前記作業道具が無くなったと判定することにより、作業道具使用情報を得る画像処理手段とを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項17】
請求項13に記載の標準作業時間更新方法において、
前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具に設けたRFIDタグと、このRFIDタグの記録を読み取り、この読み取った記録の情報を作業道具使用情報として送信するRFIDリーダとを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項18】
請求項13に記載の標準作業時間更新方法において、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に作業道具が載置されているときに前記作業道具の荷重が作用するように前記作業道具台に設けられ、前記作業道具が前記作業者によって前記作業道具台上から取り上げられたことを検知し、この作業道具検知信号を作業道具使用情報として送信する圧電センサであることを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項19】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する標準作業時間更新方法において、
複数の信頼度判定手段により、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が信頼できるか否かを判定し、
前記複数の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記複数の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行うことを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項20】
請求項19に記載の標準作業時間更新方法において、
前記複数の信頼度判定手段は、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定する第1の信頼度判定手段と、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定する第2の信頼度判定手段と、
作業エリア推定手段で推定された前記作業者が存在している推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定する第3の信頼度判定手段と、
前記作業内容推定手段で推定された前記作業者が実施した推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定する第4の信頼度判定手段のうち、
何れか複数の信頼度判定手段であることを特徴とする標準作業時間更新方法。
【請求項21】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段を有することを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項22】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定範囲を逸脱していないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定範囲を逸脱していると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定範囲を逸脱していると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段を有することを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項23】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段を有することを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項24】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定し、その結果、何れの作業時間も前記所定値を超えていないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、何れかの作業時間が前記所定値を超えていると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記所定値を超えていると判定した作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段を有することを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項25】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間と、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間とに基づいて標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新する更新処理手段を有することを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項26】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段と、
前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段と、
を有することを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項27】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定手段と、
前記作業エリア推定手段で推定された推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業エリアと前記申告作業エリアが一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段と、
を有することを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項28】
請求項26又は27に記載の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業エリア推定手段は、前記作業場内の複数箇所に設けられ、前記申告手段から送信された電波を受信する受信器と、この受信器の電波受信情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項29】
請求項26又は27に記載の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業エリア推定手段は、前記申告手段に設けたRFIDタグと、作業エリア内に設置され、前記RFIDタグの記録を読み取って作業エリア情報を送信するRFIDリーダと、このRFIDリーダから送信される前記作業エリア情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項30】
請求項26又は27に記載の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業エリア推定手段は、前記作業エリアの入口に設置され、前記作業エリアに進入する前記作業者を検知する光電センサと、この光電センサの作業者検知情報に基づいて前記作業者が存在している作業エリアを推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項31】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が実施した作業内容を推定する作業内容推定手段と、
前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を更新しない信頼度判定手段と、
を有することを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項32】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が実施した作業内容を推定する作業内容推定手段と、
前記作業内容推定手段で推定された推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定し、その結果、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致すると判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新し、前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定した場合には、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間のうちの前記推定作業内容と前記申告作業内容が一致しないと判定したときの作業時間を除いた作業時間に基づいて算出した標準作業時間となるように更新する信頼度判定手段と、
を有することを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項33】
請求項31又は32に記載の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業内容推定手段は、前記作業者が使用した作業道具を検知して、作業道具使用情報を得る作業道具使用情報取得手段と、この作業道具使用情報取得手段の作業道具使用情報に基づいて前記作業者が実施した作業内容を推定する作業エリア推定部とを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項34】
請求項33に記載の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に載置されている作業道具を検知可能に前記作業道具台に設置され、前記作業者によって前記作業道具台から前記作業道具が取り上げられたときのOFF信号を作業道具使用情報として送信する光電センサであること特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項35】
請求項33に記載の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具の消費電力量を計測し、この消費電力量の計測信号を作業道具使用情報として送信する電力計であることを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項36】
請求項33に記載の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上の作業道具を撮影可能に設置されたカメラと、このカメラで撮影した画像を画像処理することにより、前記作業道具台上から作業道具が無くなったか否かを判定し、前記作業道具台上から前記作業道具が無くなったと判定することにより、作業道具使用情報を得る画像処理手段とを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項37】
請求項33に記載の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業道具使用情報取得手段は、前記作業道具に設けたRFIDタグと、このRFIDタグの記録を読み取り、この読み取った記録の情報を作業道具使用情報として送信するRFIDリーダとを有して成るものであることを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項38】
請求項33に記載の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業道具使用情報取得手段は、作業エリア内に設置された作業道具台上に作業道具が載置されているときに前記作業道具の荷重が作用するように前記作業道具台に設けられ、前記作業道具が前記作業者によって前記作業道具台上から取り上げられたことを検知し、この作業道具検知信号を作業道具使用情報として送信する圧電センサであることを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項39】
作業場内の作業エリアで作業者が実施する作業内容の作業時刻を、前記作業者が申告手段により申告し、前記作業内容の標準作業時間を、前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間に基づいて更新する構成の標準作業時間更新システムにおいて、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が信頼できるか否かを判定する複数の信頼度判定手段と、
前記複数の信頼度判定手段によってそれぞれに信頼度判定された作業時間の平均値に対し、重み付き平均の演算を行うことによって標準作業時間を算出し、この算出した標準作業時間となるように前記作業内容の標準作業時間を更新し、且つ、前記複数の信頼度判定手段のうちの何れか信頼度判定手段において作業時間が信頼できないと判定された場合には、前記何れかの信頼度判定手段により信頼度判定された作業時間の平均値に対する重み係数は0として、前記重み付き平均の演算を行う更新処理手段と、
を有することを特徴とする標準作業時間更新システム。
【請求項40】
請求項39に記載の標準作業時間更新システムにおいて、
前記複数の信頼度判定手段は、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定範囲を逸脱しているか否かを判定する第1の信頼度判定手段と、
前記作業者が申告した前記作業内容の作業時刻から得られる作業時間が、データべースに蓄積されている前記作業内容の作業時間データの分布における所定値を超えているか否かを判定する第2の信頼度判定手段と、
作業エリア推定手段で推定された前記作業者が存在している推定作業エリアと、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業エリアが一致するか否かを判定する第3の信頼度判定手段と、
前記作業内容推定手段で推定された前記作業者が実施した推定作業内容と、前記申告手段により前記作業者が申告した申告作業内容が一致するか否かを判定する第4の信頼度判定手段のうち、
何れか複数の信頼度判定手段であることを特徴とする標準作業時間更新システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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