説明

標準化パネル、デッキフロア構造およびその施工方法

【課題】デッキフロアのノンビスフック工法を実現して、容易に施工できると共に施工時の作業効率を高くすることができる標準化パネル、デッキフロア構造およびその施工方法を提供することを課題とする。
【解決手段】デッキフロアを形成するための床板と、この床板の長さ方向と交差する方向に向けられて下方から床板を支える根太材と、これらを結合する結合部材とからなり、前記根太材にネジ止めされた結合部材の根太材長手方向に突出した係止片を前記床板の側面に刻設された溝に摺動自在に係合して、前記根太材と前記床板とを結合し、前記結合部材を介して多数本の床板を平行に並べて前記根太材に取り付け、前記根太材の端部に位置する床板には前記根太材の端部と床板との間をボルトやねじ等の結合部品により固着して一体化したパネルを形成した標準化パネルを構成し、この標準化パネルを使用したデッキフロア構造およびその施工方法を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋上、公園、広場、テラスやバルコニー等の外部デッキフロアを形成するためのスノコ状の標準化パネル、この標準化パネルを使用して形成するデッキフロア構造およびそのデッキフロアの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デッキフロアを形成するには、床スラブに所定間隔で床支持脚を配置し、配置される床支持脚の間に根太材を掛け渡し、掛け渡された根太材の上に床板を敷設することによって、必要な面積を有し、要求された形状のデッキフロアを形成する。
通常、このようなデッキフロアの施工では、各根太材は互いに平行に配置し、床板を根太材に直交する方向に敷設する(特許文献1)。
床板の敷設の際、床板の端部が根太材同士の間(根太材がない位置)に位置しているときには、この部位の下に新たに床支持脚を配置し、これに新たに補強根太材を架設して、上記床板の端部を固定する方法がとられるか、または、手前の根太材の位置で一方の床板の端部を切断し、床板の端部を切断した根太材の位置で他方の床板の端部を繋ぎ固定する方法がとられている。
そして、この時に使用される床板は、1枚の細長い板材に形成されているため、予定された平面に根太材の上で順に1枚ずつ手作業で敷き詰めることになる。
【0003】
この床板の施工時には、各床板の間にジョイントを用いるものがある(特許文献2)。
ジョイントを用いて床板を施工する場合、あらかじめ床板の両側端縁に厚さ方向の中央部に床板の全長にわたり、ジョイント係合用の溝を刻設し、隣合う床板の各溝に挿入可能な厚みを有する結合片を備えた側面形状が十文字あるいはエ文字等の形状に形成されたジョイント具によって、特別に釘打ちすることなく、床板を根太材に配置することができるようになる。
このジョイント具はアルミニウムあるいは合成樹脂等の軽量な材料で形成し、エ文字形のジョイント具の場合では、下側の座を形成する板片に孔を設けておき、床板の位置が確定したときにはクギや木ネジ等を用いて根太材に固定することができる。
【0004】
また、建物の屋上やベランダ、バルコニー等にスノコ状床敷ユニットを敷設して床面を形成することも行われている(特許文献3)。
この場合には、下地面の不陸に対応するため、複数の短冊状板体を等間隔に並べて固定する樹脂製ベース体を用いて、スノコ状床敷ユニットを形成している。
樹脂製ベース体としては、柔軟性を有し、適度な形状保持性を備え、しかも下地面の不陸に応じて変形および屈曲するものであって、押出成形可能で成形性に優れ、材料費も安く、リサイクルが行われて資源の有効利用ができ、工業材料として好適に使用される軟質塩化ビニル樹脂が例示されている。
そして、各スノコ状床敷ユニットは、樹脂製ベース体の両端部に穿設された孔に挿入係止できる突起を四隅に設けた基板を有する連結体を用いて、最大4個連結することができ、スノコ状床敷ユニットを多数敷設しても分離を阻止することができる。
例示の樹脂製ベース体は、裏面より塩化ビニル樹脂の下方からビス等でデッキ材裏面に留め付けるもので、デッキ表面にビスが突出しないように留め付けるため、表面デッキ材のクルイやアバレにより支持力が弱くなり、時間経過に伴い形状に変化を生じ、使用に耐えなくなる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−49526公報
【特許文献2】特開2000−145101公報
【特許文献3】特開2000−129897公報
【0006】
〔従来技術の問題点〕
このような従来の技術におけるスノコ状床敷ユニットのように標準化パネルを形成し、この標準化パネルを使用したデッキフロア構造およびその施工方法では、軟質塩化ビニル樹脂等からなる樹脂製ベース体を使用すると、その柔軟性が逆に形状安定性に欠ける結果を招き、デッキフロア構造としては不向きとなる。
また、多くのデッキフロアでは、水平な平面を形成することが求められるから、下地面の不陸または水勾配の傾斜等に対しては、高低差が大きくても施工性を良くすることができるようにするためには、連結体の柔軟性が施工性を悪くすることになり、剛性の高い根太材と何らかの高さ調節容易な支持脚が必要となる。
このため、より剛性の高い根太材に木質材料の床板を並列させ、高さ調節容易な支持脚を用いて水平面の精度を高くし、デッキ表面に釘やネジを露出させることのないデッキフロアのノンビスフック工法を実現して、容易に施工できると共に施工時の作業効率を高くすることが望まれていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来の技術における前記問題点に鑑みて成されたものであり、これを解決するため具体的に設定した技術的な課題は、木質の床板をより剛性の高い根太材に取り付けて一体にした標準化パネルが形成でき、高さ調節容易な支持脚を用いて水平面の精度を高め、デッキ表面に釘やネジを露出させることのないデッキフロアのノンビスフック工法を実現して、容易に施工できると共に施工時の作業効率を高くすることができる標準化パネル、デッキフロア構造およびその施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における前記課題が効果的に解決される標準化パネル、デッキフロア構造およびその施工方法を特定するために、必要と認める事項の全てが網羅され、具体的に構成された、課題解決手段を以下に示す。
本発明における標準化パネルに係る第1の課題解決手段は、デッキフロアを形成するための床板と、この床板の長さ方向と交差する方向に向けられて下方から床板を支える根太材と、これらを結合する結合部材とからなり、前記根太材にネジ止めされた結合部材の根太材長手方向に突出した係止片を前記床板の側面に刻設された溝に摺動自在に係合して、前記根太材と前記床板とを結合し、前記結合部材を介して多数本の床板を平行に並べて前記根太材に取り付け、前記根太材の端部に位置する床板には前記根太材の端部と床板との間をボルトやねじ等の結合部品により固着して一体化したパネルを形成したことを特徴とするものである。
【0009】
本発明における標準化パネルに係る第2の課題解決手段は、前記結合部材が軽合金製の押出し成形材であって、側面形状が下側の座となる張出片の一方が長く他方が短く張り出している変形エ字形状または変形H字形状としたことを特徴とする。
本発明における標準化パネルに係る第3の課題解決手段は、前記根太材を軽合金製の押出し成形材としたことを特徴とする。
【0010】
本発明における標準化パネルに係る第4の課題解決手段は、前記根太材を木製薄板を縦方向に多数貼り合せた合板製の凹形に形成された根太材としたことを特徴とする。
本発明における標準化パネルに係る第5の課題解決手段は、前記床板を木製としたことを特徴とする。
【0011】
本発明における標準化パネルに係る第6の課題解決手段は、前記標準化パネルの平面形状の大きさは、パネル長さLをパネル幅Wとパネル間の目地寸法Mに基づきL=3W+2Mとし、根太材の床板への取付け間隔を、パネル端部から内側隣に設けられた根太の中心線までの間隔L,Lと、各内側隣に設けられた根太の各中心線間の間隔Lとに対してL=W+M/2、L=W+M、L=W+M/2とするとともにパネル長さLに対してL=L+L+Lとしたことを特徴とする。
【0012】
本発明におけるデッキフロア構造に係る第1の課題解決手段は、前記標準化パネルに取り付けられている根太材の端部を載せてその位置を定める頭部と、土台の勾配に対して前記標準化パネルを水平を含む指定の勾配に調整する勾配調整機構と、土台の高さに対して前記標準化パネルを指定の高さに調整する高さ調整ねじとを有する床支持脚を、前記標準化パネルの設置数と配置位置に合わせて配設し、前記床支持脚の配設位置に従って前記標準化パネルを敷設したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明におけるデッキフロア構造に係る第2の課題解決手段は、標準化パネルの四隅と床支持脚の頭部とをねじ部品からなる結合部品で固着したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明におけるデッキフロアの施工方法に係る第1の課題解決手段は、施工場所に、避難ハッチ等の開口を設ける場合には、その開口を覆う特注のパネルを設けることにして予め特注のパネルの中心となる開口の中心から幅方向に等寸法で両側に振り分けて割付け、この割付け個所から長手方向へパネル幅に目地寸法を加えた値Lのピッチで横断方向の墨打ちをし、さらに長辺側の境界ラインを基準としてパネル幅に目地寸法を加えた値Lのピッチで長手方向の墨打ちをして、施工基準線を引き、この施工基準線の交点の位置に床支持脚を配設し、各床支持脚の頭部を所定の高さと勾配に調整し、その後に前記振分け個所から順に標準化パネルを床支持脚の頭部に根太材の端部が載置されるように取り付け、残った標準化パネルが配置できない異形の個所には、残り個所の形状に合わせて形成したパネルを取り付けて、施工場所の全面をパネル材で敷き詰め、所定形状のデッキフロアを形成したことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明におけるデッキフロアの施工方法に係る第2の課題解決手段は、標準化パネルが配置できない異形の個所には、前記標準化パネルの周縁部に設けられて床板と根太材とを結合しているボルトやねじ等の結合部品を取り除き、床板と根太材との結合を解除して、床板または根太材を床板の長手方向に摺動自在な状態にして、取付個所の寸法形状に合わせて切断し、成形して、床板と根太材とを結合し固定して取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
標準化パネルに係る第1の課題解決手段では、多数枚の床板と根太材とが一体になっているため、パネルが工場製作可能となって製品精度が高くなり、現地施工を容易にすることができ、また、デッキフロアの工程が簡略化されて、施工が簡素化され、施工コストを安価にすることができる。
【0017】
標準化パネルに係る第2の課題解決手段では、床板を摺動自在に係合する結合部材が軽合金の押出し成形材であるため、軽量のわりに強度が高く、長い方の張出片を根太材に固着することにより安定良く固定でき、多数枚の床板の取り付け、取り外しおよび多数枚の床板の固定、移動が容易となり、標準化パネルの組立を容易にすることができる。
標準化パネルに係る第3の課題解決手段では、根太材が軽合金の押出し成形材であるため、床板を支持するための十分な強度と剛性とを有し、床板と組み合わせても必要な強度を維持でき、必要な形状安定性を維持することができる。
標準化パネルに係る第4の課題解決手段では、根太材として木質合板製の根太材を用いたことにより、結合部材の嵌め合い個所では摺動容易となり、床板の移動が容易となり、板材の組付け作業が容易となって、組付け作業効率を向上することができる。
【0018】
標準化パネルに係る第5の課題解決手段では、床板を木製としたことにより、適度な弾力性があり、歩行の感触が良くなり、視覚的な雰囲気も良く、利用者の精神的な面に落ち着きと安心感をもたらし、家屋の一部の他に憩の広場や散歩道等とデッキフロアの利用範囲を広げることができる。
標準化パネルに係る第6の課題解決手段では、パネル長さをパネル幅とパネル間の目地寸法とを勘案して定めるとともに長さ方向に配設する根太材の間隔を中央部同士の間隔に対して端部に設ける根太材と中央部に設ける根太材との間隔の方を目地寸法の半分の間隔だけ少ない間隔を与えたことによって、標準化パネルを複数敷設する時には同じ目地寸法で同じように敷設でき、パネルの標準化を進めることにより、生産効率を向上し、加工精度を高め、扱い易くでき、また1枚の標準化パネルで略畳1畳分のスペースを敷設できて、標準化パネルを用いることにより広いデッキスペースが容易に敷設でき、デッキフロアの施工を容易にすることができる。
【0019】
デッキフロア構造に係る第1の課題解決手段では、標準化パネルをそのまま配置でき、その地形、その土台に合わせた勾配や高さに合わせた敷設が容易にでき、必要なデッキフロアが容易に形成できて、設計と施工の選択範囲が広がり、しかも施工が容易な構造のデッキフロアが実現できる。
デッキフロア構造に係る第2の課題解決手段では、施工後の移動や変形を防止でき、恒久的なデッキフロアを容易に形成できる。
【0020】
デッキフロアの施工方法に係る第1の課題解決手段では、標準化パネルから順に敷き詰めて残余の部分を改めて成形された材料で施工することができ、任意形状のデッキに対して使用材料の無駄を少なくするとともに施工時間を短縮し、作業効率良くデッキフロアを形成できる。
デッキフロアの施工方法に係る第2の課題解決手段では、標準化パネルを敷設できないような大きさや形状の部分では、標準化パネルを成形し直して利用することにより、同じ構造のフロアを形成でき、使用材料の無駄を省き、従来の工法に対して切り屑等のゴミが少なくなり、施工を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明による最良の実施形態を具体的に説明する。
ただし、この実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるため具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
【0022】
〔構成〕
この実施形態における標準化パネル、この標準化パネルを用いたデッキフロア構造およびその施工方法は、高耐久なウッドデッキ材の厚板(合板を含む)を複数枚並列させたスノコ状パネルを形成して敷設する場合について図示説明する。
【0023】
〔標準化パネル〕
標準化パネル10は、図1〜図3に示すように、デッキフロアを形成するためのウッドデッキ材からなる複数枚(図中5枚)の床板11,…,11と、この床板11を全て並列に並べ、長さ方向と交差する方向に向けられて下方から各床板11,…,11を支える根太材12,…,12と、これらの床板11,…,11に刻設した溝11aと根太材12,…,12とを掛け止めて結合する係止片13a,13aを有する結合部材13とからなる。
【0024】
パネルを束ねる根太材12の割付寸法は、図4に示すように、パネル長さL、パネル幅W、各パネル間に設ける隙間(以下、目地という)の寸法M、パネル端部から根太材取付位置の中心位置までの長さL,L、パネル端部を含まない位置における根太材取付位置の中心位置から隣の根太材取付位置の中心位置までの長さLから、パネル長さと根太材取付位置との関係は、
L=L+L+L … (1)
ここに、L=W+M/2 … (2)
=W+M … (3)
=W+M/2 … (4)
従って、Lは式1に式2〜式4を代入すると、
L=W+M/2+W+M+W+M/2
よって、L=3W+2M … (5)
となり、パネル長さLはパネル幅Wの3倍に目地寸法Mの2倍を加えた長さに等しい。
【0025】
また、床板11の数n、床板11の幅w、各床板間の隙間mから、パネル幅Wは、
W=nw+(n−1)m=n(w+m)−m … (6)
となり、床板11の幅wと各床板間の隙間mを加えたものに取付枚数nを乗じた値に床板間の隙間1つ分引いたものに等しくなる。
このパネル幅Wと床板11の幅wとの関係から
w=(W+m)/n−m … (7)
と変形でき、パネルの大きさから1枚の床板11の幅wが決められる。
【0026】
これによりパネルの大きさは、幅Wが90〜1200mm、目地寸法Mが2〜10mm程度とすると、長さLが274〜3610mmとなる。
例えば、標準的なパネル寸法としては、パネル幅Wを620mmとし、目地寸法Mを5mmとした場合、パネル長さLが1870mmであり、この寸法の製品が標準寸法のものとして製作される。
【0027】
また、このような標準化パネル10に用いられる床板11の大きさは、長さがパネル長さと同じで、取付枚数nを5枚以下とすると、パネル幅Wが90〜1200mm、床板間の隙間mが2〜10mm程度とすると、取付枚数nが5枚の時には床板の幅wは16〜232mm、取付枚数nが4枚では床板の幅wは21〜293mmとなる。
標準的なパネル寸法の場合には、パネル長さLが1870mm、パネル幅Wが620mm、床板間の隙間mが5mm、取付枚数nが5枚の場合には、床板の大きさは、長さが1870mm、幅が120mmとする。
床板の板厚は20〜30mmの材料が用いられ、このうち、標準的には20mmの板厚が用いられる。
【0028】
床板11が木製の板である場合、図5に示すように、側面中央部には幅2mm、深さ12mmの溝11aを全長の端から端まで刻設して、結合部材13の係止片13aが任意の位置で挿入できるようにするとともに溝11aの中を結合部材13の係止片13aが摺動できるようにする。床板11の端部には段付き孔11bを穿設して、この段付き孔11bにねじ部品を挿通して後述の床支持脚21(図15参照)にねじ止めできるようにする。
木製床板11の材料としては、セランガンバツ、マニルカラー、イベ、ジャラ等が高耐久なウッドデッキ材として好ましく用いられ、このうちセランガンバツが強度、耐久性ともに優れているので特に好ましい。
また、木製床板11は無垢材と合板材とのどちらが使用されても良い。木製合板が用いられる時には、無垢材の場合よりも幅広に形成して、標準化パネル10に用いられる床板11の枚数を少なくとも1枚は少なくすると、無垢材と同一枚数の場合よりも耐久性が増すので好ましい。
【0029】
根太材12は、図6に示すように、軽合金製好ましくはアルミニウム合金製の押出し成形品で、長さ615mm、幅40mm、高さ30mm、厚み2mmの部材とし、横断面形状は大括弧[ ]の中に両括弧部分の内面を結合する横方向に延びる連結板12aを上端寄りの位置に板厚を除いた高さの比が上部と下部とで1対5の割合に設けた形状を有し、連結板12aから上部では幅が広く上端から底までの距離が浅い溝12bが形成され、下部では下端からの距離が深くなる溝12cが形成されるようにして、上方から結合部材13(図7参照)を浅い溝12bに載置できるように形成する。また、根太材12の連結板12aには両端部に孔12d,12dを設け、孔12dと孔12dとの間にはそれぞれの間を等間隔にあけて多数個の小孔12e,…,12eを穿設して、孔12dを通るねじにより床支持脚21に標準化パネル10をねじ止めできるようにし、小孔12eを通るねじにより根太材12と標準化パネル10の床板11とを固着できるようにする。
【0030】
結合部材13は、図7に示すように、軽合金製好ましくはアルミニウム合金製で、側面形状は、上面を形成する平面板が中心から前後に向きの異なる2つの係止片13a,13aに分けられ、分かれ目となった中心部から幅方向に広がる縦壁13bを垂下して底面板に達して上下両面を連結支持し、底面板の縦壁13bよりも前側に短く張り出した部分を張出片(あるいは座)13cとし、縦壁13bよりも後側となる長く張り出している部分を張出片(あるいは座)13dとした変形エ字形状に形成する。
【0031】
結合部材13の大きさは、張出片13c,13dの幅が根太材12の浅い溝12bに摺動自在に嵌め込むことができる幅のうち最大の幅を有し、板厚が2mmで、高さが17mm、各係止片13a,13aがそれぞれ縦壁13bの中心から12.5mm突出し、前側の張出片13cが縦壁13bの中心から6mm前方へ突出し、後側の張出片13dが縦壁13bの中心から34mm後方へ張り出し、縦壁13bには両面に床板11の側面に当接する幅が2mm以上の当接部13e,13eを縦壁面から1.5mmの突出量で突設すると各床板11が5mmの隙間をあけて並べられることになる。
そして、縦壁13bよりも後方へ長く張り出している張出片13dの略中央部には、貫通孔13fを穿設する。この貫通孔13fにドリル付きビスまたはSUSビス14(図8参照)をねじ込み、根太材12に結合部材13をネジ止めして、床板11の係止位置を予め設定することができるようにする。
【0032】
根太材12は軽合金としたが、軽合金に代えて木製薄板を縦方向に多数貼り合せた合板製の根太材を用いても良い。この場合に、上面には浅い溝を刻設して結合部材13が嵌め込めるようにしておく。使用場所や目的に応じて、金属製の根太材12を使用するよりも、より好ましい状態になるのであれば、金属製の根太材12に代えて木製の根太材を用いることは差し支えない。
【0033】
結合部材13を用いて床板11と根太材12とをノンビスフック結合するには、図9,図10に示すように、結合部材13の張出片13c,13dを根太材12の浅い溝12bの長手方向に向け、係止片13a,13aと張出片13c、13dとを連結する縦壁13bの幅方向を溝12bの幅方向に向けて、浅い溝12b側に嵌め込む。そして床板11の側面に形成した溝11aに結合部材13の係止片13a,13aの一方を嵌め込み、根太材12と床板11とが直角に交差するように互いの向きを向ける。床板11を嵌め込む前か後に、結合部材13の張出片13dに穿設されている貫通孔13fにドリル付きビスまたはSUSビス14をねじ込むと、根太材12に対する床板11の位置と向きが確定する。
また、ビスのねじ込み前に、結合部材13を浅い溝12bの中で摺動させて位置をずらすと、他の根太材12に設けた結合部材13との位置合せができる。
【0034】
こうして、根太材12にネジ止めされた結合部材13の根太材長手方向に突出した係止片13a,13aを床板11の側面に刻設された溝11aに摺動自在に係合して、根太材12と床板11とを結合し、結合部材13を介して多数本の床板11,…,11を平行に並べて根太材12に組付け、根太材12の端部に位置する床板11のみには、図11に示すように、根太材12と床板11の端部との間を木ねじ等の結合部品15により固着し、根太材12と床板11との係合が外れないようにしてノンビスフック結合により一体化した標準化パネル10を形成する。
【0035】
このようにして一体化された標準化パネル10では、平面の大きさが細めの畳1枚分の大きさになる1870mm×620mmの大きさを標準的な大きさとして定めたから、標準化パネルの敷設にあたっては、パネルの大きさを基にして敷地を割り付け、規格外の大きさになる部分をできる限り減らすように割付けを行うことができるようにする。
規格外の大きさになる部分では、必要に応じて長さや幅の異なる寸法のパネルを製作することになるが、基本的には標準的な大きさの標準化パネル10を利用して切り貼りして用いるようにする。例えば、標準的な長さよりも短くする場合、図12,13に示すように、長さを根太材12の取付間隔の1ピッチ分よりも短くする部分に対しては、切落し部分を確定し(図中A)、加工側の端部に位置する根太材12を固着している各ねじを外して、中央側の切落し部分よりも内側にスライドして根太材間を狭くし(図中B)、根太材12の移動の後で先端側の長さ超過分を切り除く(図中C)。
【0036】
また、標準的な長さよりも長いパネルが必要な場合では、床板11の長さを根太材取付の1ピッチ分大き目の位置に新たな根太材12を配置して、そこまで延びた床板を結合部材を介して取り付ける。また、曲面部やオーバーハング長さが長くなる部分に対しては、床板の裏面側に補強部材として木材を端縁の形状に合わせて固着する。また別に、1ピッチ分に満たない延長分のある場合には隣接する標準化パネル10との間で重複する根太材12を追加して補強する補強根太を設ける等、敷設する場所に対する標準化パネル10の割当て方に応じて、不足分を補う敷設方法を考える。
【0037】
〔デッキフロア構造〕
この標準化パネル10を用いたデッキフロア構造20は、図14に示すように、標準化パネル10の設置数と、標準化パネル10に取り付けられている根太材12の端部を載せて位置を定める床支持脚21の配置位置とに従って、標準化パネル10を床支持脚21の上に所定の方法により載せて、標準化パネル10の床板11に設けられた段付き孔11bと根太材12に設けられた孔12dとにねじ部品を挿入してねじ込むことにより、床支持脚21に標準化パネル10を固着したものである。
【0038】
床支持脚21は、図15に示すように、下から順に、土台または下地の上に載置する基部21aと、土台または下地から載せられた根太材12までの高さを要求どおりの高さに調節するための高さ調節ねじ部21bと、床支持脚21の頭部となり根太材12の端部を載せて位置を定めるヘッド21cと、土台または下地の勾配による傾きを修正するため基部21aと土台または下地との間に入れて床支持脚中心線を垂直に保持するくさびを有する勾配調整具21dとの組合せからなる。
【0039】
また、傾斜角が勾配調整具21dの調節範囲であっても、調節高さが高くなると、ヘッド21cの上面が標準化パネル10の下面に取付けられた根太材12の底面に届かなくなる場合が生じる。このような場合を含めデッキフロアの勾配を維持するとともに指定高さを保つためには、床支持脚21の高さ調節ねじ部21bを変更したり、ヘッド21cと高さ調節ねじ部21bとの間にカップリング(図示せず)を加えたりして、標準化パネル10を使用したデッキフロアの勾配の維持と高さの調節とができるようにする。デッキフロアの水平を維持するときにも同様に調整する。
【0040】
この床支持脚21の高さは、カップリングがなく、高さ調節ねじ部21bによる調節だけの場合に30mm〜300mmまでの範囲で高さを調整することができるようにする。また、高くするには、より高い高さ調節ねじ21bを使用し、さらに高くするにはカップリングを加え、必要に応じて、さらにカップリングを加えていく。
勾配調整具21dを設ける位置は、基部21aの直下に設けることにすると、基部21a、高さ調節ねじ21b、ヘッド21c等の床支持脚21の主要部が垂直に立てられて、荷重が垂直に加えられることになり、床支持脚21の耐荷重性に対しては好ましい状態になる。
【0041】
また、標準化パネル10を敷設する際に各パネル間に設ける隙間(目地寸法)Mは、床板11同士の間に設けられる隙間と同じにするのが望ましく、標準化パネル10の敷設時に、厚みが2mm〜10mmの範囲で選択できる調節用小片21f,…,21fを使用したり、2mm〜10mmの範囲で結合部材13の当接部13eにより与えられる隙間mで与えても良い。
結合部材13の縦壁13bには両面に床板11の側面に当接する幅が2mm以上の当接部13e,13eを1mm〜5mmの突出量で突設させると、床板11が2mm〜10mmの隙間で並べられるから、各パネル間に設ける隙間Mも2mm〜10mmの隙間で並べられることになる。
【0042】
〔デッキフロアの施工方法〕
また、デッキフロアの施工方法は、平面的に示すとき、図16に示すように、施工場所に一辺が655mmの正方形の避難ハッチ31と、側溝32と、ドレイン33と、縦樋34と、サッシ35等が設けられている場合、避難ハッチ31を覆う標準化パネルのうち一番幅の狭いパネル(標準のパネルよりも床板1枚増加したパネルを使用することになり、そのパネル幅は750mm)で覆うことにすると、そのパネルの半分の幅(375mm)を用い、避難ハッチ31の開口芯から両側に振り分けて引いた直線から順に標準化パネルの大きさを表す境界線を割り付けて、長手方向へ標準化パネルの幅(625mm)のピッチで横断方向の墨打ちをし、続いて、長辺側の側溝32のある方の境界ラインを基準として標準化パネルの幅(625mm)のピッチで長手方向の墨打ちをして施工基準線36,…,36を引き(図17)、施工基準線36の交点37,…,37の位置で床支持脚21,…,21を固着し(図18)、各床支持脚21のヘッド21cを所定の高さと勾配に調整し、その後に避難ハッチ31の開口芯から両側に等距離振り分けたところから順にフロアパネルとなる標準化パネル10,…,10を各床支持脚21,…,21のヘッド21c,…,21cに根太材12,…,12の端部が載置するように敷設し(図19)、標準化パネル10がそのままでは配置できない寸足らずの箇所には、そこの形状に合わせて根太材12の位置をずらして根太材12のピッチを変え、配置された床支持脚21,…,21に載置できるようにするとともに、大きさがはみ出す分については切り落としてデッキの大きさに合わせる。また、形状が異形となる箇所では、予めその位置に合わせた床支持脚21,…,21の配置位置に合わせて根太材12のピッチを変えるとともに異形の形状に合わせて床板11を切り出し、必要に応じて裏面側に補強材を設けたものを取り付け、施工場所の全面をパネル材で敷き詰めて(図20)、所定形状のデッキフロアを形成する。
【0043】
標準化パネル10が配置できない異形の個所には、墨打ちした線の交点37にならない個所で凹凸が生じている周縁部の適当個所に床支持脚21を増設してパネル支持の不安定個所をなくし、標準化パネル10の周縁部に設けられて床板11と根太材12とを結合しているボルトやねじ等の結合部品を取り除き、床板11と根太材12との結合を解除して、床板11あるいは根太材12を摺動自在な状態にして、異形の取付個所の寸法形状に合わせて切断し、成形するとともに、増設された床支持脚21の位置を含め配設された床支持脚21の位置に合わせて根太材12の位置をずらして取付可能な位置に移動し、必要な場合には根太材12を増加し、異形の取付個所に適合するパネル材を形成して取り付ける。
【0044】
パネル材の敷設パターンは、図21〜図23に例示するように、敷設可能な範囲で任意に形成しても良い。施工性を考えると図21(A)の定寸張りか図21(B)の乱張りが効果的ではあるが、見た目には代わり映えしない欠点があり、若干意匠性を高めて図22(A)の市松張りか図22(B)の大市松張りとすることも利用者の目を楽しませることになる。さらに、図23(A)のヘリボーンAか図23(B)のヘリボーンBとすることにより意匠性ばかりか強度的にも向上する。
【0045】
〔作用効果〕
このように構成した標準化パネル、デッキフロア構造およびその施工方法の実施形態では、以下のような作用効果を奏する。
標準化パネル10では、床板11と根太材12とを結合部材13によって容易に組み合わせることができ、これらが少数のねじで固定できて、必要な大きさのパネルが効率良く形成できる。しかも、パネルを標準化できるため、標準化パネル10の製造工期が短縮でき、製造コストを低減することができる。床板11と根太材12と結合部材13との形状および結合方法を変えることで様々な形状のパネルが形成でき、設置場所に応じた対応がし易くなる。また、床板11と根太材12との間で隙間を設けることがなくなり、ガタツキ、床鳴りが防止できる。パネル自体がねじ止めされているため、取り外しが容易で、床下メンテナンス時や、落し物探しにも対応が容易で、製造から施工後までの対応に柔軟性が高くなる。
【0046】
また、デッキフロア構造では、床支持脚21に標準化パネル10を設置して形成したから、床支持脚21の製造および設置と標準化パネル10の準備とを各独立にすすめることができ、床支持脚21の設置場所の勾配、凸凹、高低差等に対する調整が容易になり、パネル材の取り付けも容易になって、デッキフロアを容易に敷設でき、デッキフロアの敷設工事が簡略化され、製造コストを削減することができる。異形のパネル材の角部を含め各パネル材の角部を支持する床支持脚21が、標準化パネル10の4隅または異形に形成されたパネル材の角部が、それぞれ結合部品により固着されたことによって、デッキフロア構造を堅固に固定し、耐久性を向上することができ、構造物の維持管理を容易にすることができる。
【0047】
さらに、デッキフロアの施工方法では、床支持脚21が予め必要個所に配置され、標準化パネル10の構成上、パネルが完成状態で施工現場に搬入されるため、搬入後の扱いが簡単化され、標準化パネル10から順に設置するように施工順序を定めると、定形のパネルが設置できない個所では異形のパネルを定形のパネルから切り出して設置することができ、床支持脚21の設置と標準化パネル10の準備を各独立にすすめることができ、設置場所の勾配、凸凹、高低差等に対する調整が容易になり、パネル材の取り付けも容易になって、工期が短縮でき、施工コストが削減できるとともに、床支持脚21と標準化パネル10とはどちらも個別に工場生産可能で、各別に用意でき、施工時の必要になる時までに揃えば良く、施工計画が立て易くなり、生産性を向上することができる。
【0048】
〔別態様〕
このような実施の形態は、発明の趣旨を理解しやすくするため具体的に説明しているが、発明内容を限定するものではないから、特に説明されていない(意匠的な内容も含む)別の態様を制限するものではなく、適宜変更しても良い。このような意味で発明の趣旨に沿ういくつかの別態様を以下に示す。
【0049】
根太材12は軽金属または木材としたが鉄製の根太材を使用しても良い。
床板11と根太材12との結合部材13を軽金属としたが鉄製の結合部材を使用しても良い。
結合部材13の側面形状は、下面を形成する平面の縦壁13bよりも前側となって短く張り出した座を張出片13cとし、縦壁13bよりも後側となる長く張り出している座を張出片13dとした変形エ字形状または変形H字形状に形成したが、縦壁13bの前後で長く張り出した張出片13d,13dを有するエ字形状またはH字形状に形成しても良い。この場合において、張出片13d,13dのいずれか一方あるいは両方にビス挿通用の貫通孔を設けることにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による実施形態の標準化パネルの上面を示す平面図である。
【図2】同上標準化パネルの下面を示す底面図である。
【図3】同上標準化パネルの側面断面を示す拡大部分断面図で、(A)は端部に根太材が位置している場合を示す拡大部分断面図、(B)は中央部に根太材が位置している場合を示す拡大部分断面図である。
【図4】同上標準化パネルの寸法割合を説明する構成説明図で、(A)は複数並べられたパネルの側面図、(B)は複数並べられたパネルの底面図である。
【図5】同上標準化パネルを構成する床板の横断面形状を示す拡大断面図で、(A)は床板の端部横断面形状を示す拡大断面図、(B)は床板の中央部横断面形状を示す拡大断面図である。
【図6】同上標準化パネルを構成する根太材の形状を示す説明図で、(A)は正面拡大図、(B)は底面図である。
【図7】同上標準化パネルを構成する結合部材の形状を示す説明図で、(A)は側面図、(B)は長い張出片のある方から見た正面図である。
【図8】同上標準化パネルを構成する結合部材を根太材に螺着するねじとして示す説明図で、(A)はドリルつきビスを示す側面図、(B)はSUSビスを示す側面図である。
【図9】同上標準化パネルを構成する床板と結合部材と根太材とを示す分解斜視図である。
【図10】同上標準化パネルを構成する床板と結合部材と根太材との組付け状態を示す斜視図である。
【図11】同上標準化パネルを構成する床板と結合部材と根太材との組付け状態を示す横断面説明図である。
【図12】同上標準化パネルを一部切落して用いる場合を示す使用説明図であり、(A)は切落し前の状態を示す底面図、(B)は端部の根太材を切落個所の内側まで移動させた状態を示す底面図、(C)は端部切落し後の状態を示す底面図である。
【図13】同上標準化パネルを端部の一部を切落して用いる場合を示す使用状態説明図であり、(A)は端部の切落し前の状態を示す拡大側面部分断面図、(B)は端部の根太材を切落個所の内側まで移動させた状態を示す拡大側面部分断面図、(C)は端部切落し後の状態を示す拡大側面部分断面図である。
【図14】本発明によるデッキフロア構造を示す斜視図である。
【図15】同上デッキフロア構造の形成に用いられる床支持脚を示す斜視説明図で、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図、(D)は側面図、(E)は(D)におけるA−A線に沿う断面図である。
【図16】同上デッキフロアの施工方法における施工個所の一例を示す平面説明図である。
【図17】同上デッキフロアの施工方法における床支持脚墨だしを示す平面説明図である。
【図18】同上デッキフロアの施工方法における床支持脚固定を示す平面説明図である。
【図19】同上デッキフロアの施工方法におけるパネル取付け途中の状態を示す平面説明図である。
【図20】同上デッキフロアの施工方法における全パネル取付け状態を示す平面説明図である。
【図21】同上デッキフロアの施工方法における床張りパターンを示す平面図であり、(A)は定寸張りのパターンを示す平面説明図、(B)は乱張りのパターンを示す平面説明図である。
【図22】同上デッキフロアの施工方法における床張りパターンを示す平面図であり、(A)は市松張りのパターンを示す平面説明図、(B)は大市松張りのパターンを示す平面説明図である。
【図23】同上デッキフロアの施工方法における床張りパターンを示す平面図であり、(A)はヘリボーンA張りのパターンを示す平面説明図、(B)はヘリボーンB張りのパターンを示す平面説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10 標準化パネル
11 床板
11a 溝
12 根太材
12a 連結板
12b 浅い溝
12c 溝
12d 孔
12e 小孔
13 結合部材
13a 係止片
13b 縦壁
13c,13d 張出片
13e 当接部
13f 貫通孔
14 ドリル付きビスまたはSUSビス
20 デッキフロア構造
21 床支持脚
21a 基部
21b 高さ調節ねじ部
21c ヘッド(頭部)
21d 勾配調整具
31 避難ハッチ
32 側溝
33 ドレイン
34 縦樋
35 サッシ
36 施工基準線
37 交点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッキフロアを形成するための床板と、この床板の長さ方向と交差する方向に向けられて下方から床板を支える根太材と、これらを結合する結合部材とからなり、
前記根太材にネジ止めされた結合部材の根太材長手方向に突出した係止片を前記床板の側面に刻設された溝に摺動自在に係合して、前記根太材と前記床板とを結合し、
前記結合部材を介して多数本の床板を平行に並べて前記根太材に取り付け、前記根太材の端部に位置する床板には前記根太材の端部と床板との間をボルトやねじ等の結合部品により固着して一体化したパネルを形成した
ことを特徴とする標準化パネル。
【請求項2】
前記結合部材が軽合金製の押出し成形材であって、側面形状が下側の座となる張出片の一方が長く他方が短く張り出している変形エ字形状または変形H字形状としたことを特徴とする請求項1記載の標準化パネル。
【請求項3】
前記根太材を軽合金製の押出し成形材としたことを特徴とする請求項1記載の標準化パネル。
【請求項4】
前記根太材を木製薄板を縦方向に多数貼り合せた合板製の凹形に形成された根太材としたことを特徴とする請求項1記載の標準化パネル。
【請求項5】
前記床板を木製としたことを特徴とする請求項1記載の標準化パネル。
【請求項6】
前記標準化パネルの平面形状の大きさは、パネル長さLをパネル幅Wとパネル間の目地寸法Mに基づきL=3W+2Mとし、根太材の床板への取付け間隔を、パネル端部から内側隣に設けられた根太の中心線までの間隔L,Lと、各内側隣に設けられた根太の各中心線間の間隔Lとに対してL=W+M/2、L=W+M、L=W+M/2とするとともにパネル長さに対してL=L+L+Lとしたことを特徴とする請求項1記載の標準化パネル。
【請求項7】
前記標準化パネルに取り付けられている根太材の端部を載せてその位置を定める頭部と、土台の勾配に対して前記標準化パネルを水平を含む指定の勾配に調整する勾配調整具と、土台の高さに対して前記標準化パネルを指定の高さに調整する高さ調節ねじとを有する床支持脚を、前記標準化パネルの設置数と配置位置に合わせて配設し、前記床支持脚の配設位置に従って前記標準化パネルを敷設したことを特徴とするデッキフロア構造。
【請求項8】
標準化パネルの四隅と床支持脚の頭部とをねじ部品からなる結合部品で固着したことを特徴とする請求項7記載のデッキフロア構造。
【請求項9】
施工場所に、避難ハッチ等の開口を設ける場合には、その開口を覆う特注のパネルを設けることにして予め特注のパネルの中心となる開口の中心から幅方向に等寸法で両側に振り分けて割付け、この割付け個所から長手方向へパネル幅に目地寸法を加えた値Lのピッチで横断方向の墨打ちをし、さらに長辺側の境界ラインを基準としてパネル幅に目地寸法を加えた値Lのピッチで長手方向の墨打ちをして、施工基準線を引き、この施工基準線の交点の位置に床支持脚を配設し、各床支持脚の頭部を所定の高さと勾配に調整し、その後に前記振分け個所から順に標準化パネルを床支持脚の頭部に根太材の端部が載置されるように取り付け、残った標準化パネルが配置できない異形の個所には、残り個所の形状に合わせて形成したパネルを取り付けて、施工場所の全面をパネル材で敷き詰め、所定形状のデッキフロアを形成したことを特徴とするデッキフロアの施工方法。
【請求項10】
標準化パネルが配置できない異形の個所には、前記標準化パネルの周縁部に設けられて床板と根太材とを結合しているボルトやねじ等の結合部品を取り除き、床板と根太材との結合を解除して、床板または根太材を床板の長手方向に摺動自在な状態にして、取付個所の寸法形状に合わせて切断し、成形して、床板と根太材とを結合し固定して取り付けたことを特徴とする請求項9記載のデッキフロアの施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−31727(P2008−31727A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206234(P2006−206234)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(500424094)株式会社ビスムカンパニー (2)
【Fターム(参考)】