説明

標識された生理活性物質の精製方法

【課題】簡便且つ短時間、低コストで実施可能な、標識された生理活性物質の精製方法を提供する。
【解決手段】生理活性物質を標識した後、標識された生理活性物質を精製する方法であって、生理活性物質と、該生理活性物質と結合してこれを標識し得る標識物質の過剰量とを反応させ、前記生理活性物質を標識する工程と、前記工程で得られた反応混合物に、前記標識物質と結合し得、且つ物理的手段によって前記反応混合物から選択的に分離可能なスカベンジャー物質を添加し、前記生理活性物質と結合していない標識物質を捕捉する工程と、前記標識物質を捕捉したスカベンジャー物質を、前記反応混合物から分離除去し、前記標識された生理活性物質を精製する工程と、を具備する標識された生理活性物質を精製する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標識された生理活性物質を精製する方法に関する。より詳細には、生理活性物質を標識物質で標識した後、未反応の標識物質を除去することにより、標識された生理活性物質を精製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
FCS、FIDA及び2D−FIDA等の測定方法は、生理活性物質の相互作用、凝集反応、分解反応等を測定するために用いられる。これらの方法において、測定対象となる生理活性物質は標識物質によって標識されるが、測定の際のノイズを少なくするために、未反応の標識物質を除去することが必要である。
【0003】
従来は、アミノカップリング反応やチオール反応を用いて生理活性物質に標識物質を結合させ、結合せずに残存した未反応の標識物質をエタノールアミン等のアミノ溶液を加えることで失活させた後、生理活性物質の分子量が10 kDa以上の場合はゲル濾過や限外濾過等の分離方法を用いて、また、生理活性物質の分子量が10 kDa以下の場合はHPLC分離方法を用いて、標識された生理活性物質を精製していた(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、HPLCによる分離方法は、カラムの選択や溶媒調製等の分離条件の検討が必要であるために操作が煩雑であり、また、条件検討に加えて分離工程自体にも時間がかかった。さらに、カラム等が高価であるため、コストが高いことも問題であった。
【特許文献1】特開平9-325142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題に鑑み、本発明は、簡便且つ短時間、低コストで実施可能な、標識された生理活性物質の精製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、生理活性物質を標識した後、標識された生理活性物質を精製する方法であって、生理活性物質と、該生理活性物質と結合してこれを標識し得る標識物質の過剰量とを反応させ、前記生理活性物質を標識する工程と、前記工程で得られた反応混合物に、前記標識物質と結合し得、且つ物理的手段によって前記反応混合物から選択的に分離可能なスカベンジャー物質を添加し、前記生理活性物質と結合していない標識物質を捕捉する工程と、前記標識物質を捕捉したスカベンジャー物質を、前記反応混合物から分離除去し、前記標識された生理活性物質を精製する工程とを具備する、標識された生理活性物質を精製する方法を提供する。ここで、前記生理活性物質は、タンパク質、ペプチド、核酸、糖、糖鎖、胆汁酸からなる群から選択されることが好ましい。また、前記標識物質は、蛍光物質、RI物質、ビオチン、散乱光検出用粒子、および蛍光検出用粒子からなる群から選択されることが好ましい。
【0007】
前記スカベンジャー物質は、合成樹脂、金属、ガラス、及び/又は磁性材料を含む材料で形成されたビーズ、或いは高分子タンパク質から形成され、該高分子タンパク質は、前記生理活性物質と比較して10倍以上の分子量を有するか、または30 kDa以上大きい分子量を有することが好ましい。
【0008】
さらに、前記生理活性物質は活性基を有し、前記スカベンジャー物質は、好ましくは前記生理活性物質の活性基と同じ活性基を有する。前記生理活性物質がタンパク質またはペプチド、或いは核酸のときに用いられるスカベンジャー物質はチオール基またはアミノ基を有し、前記生理活性物質が糖鎖のときに用いられるスカベンジャー物質はアルデヒド基を有し、前記生理活性物質が胆汁酸のときに用いられるスカベンジャー物質はカルボキシル基を有することが好ましい。
【0009】
前記標識された生理活性物質と、標識物質を補足したスカベンジャー物質との分離は、限外濾過法、ゲル濾過法、遠心分離法、磁気分離法からなる群から選択される方法によって行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に拠れば、標識物質と結合してこれを補足するスカベンジャー物質を用いることにより、生理活性物質と結合していない未反応の標識物質を分離除去することが可能であり、HPLCを用いることなく、標識された生理活性物質を容易且つ短時間、低コストで精製することが可能である。従って、特に10 kDa以下の分子量を有する生理活性物質を精製する際に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、測定用の試料として用いられる標識された生理活性物質を精製する方法であり、生理活性物質と標識物質を反応させた後、未反応の標識物質を分離除去することによって、標識された生理活性物質を精製する方法である。
【0012】
本方法によって精製された生理活性物質は、種々の測定方法に用いることができるが、特に分子量の小さい生理活性物質を測定する方法、例えば蛍光相関分光法(FCS)、蛍光強度分布分析(FIDA)、2D-FIDA、細胞分級蛍光分析(FACS)、蛍光偏光法、ELISA等の各種蛍光を用いた測定方法に好適に用いられる。
【0013】
本発明において、生理活性物質とは、種々の方法によって測定され得る天然或いは合成の生体分子であり、タンパク質、ペプチド、核酸、糖、糖鎖、胆汁酸から成る群から選択されることが好ましい。これらの生理活性物質は活性基を有し、該活性基によって標識物質と結合する。
【0014】
標識物質は、生理活性物質と結合してこれを標識する物質であり、生理活性物質の活性基と反応する活性基を有している。生理活性物質がタンパク質及びペプチドである場合、或いは核酸である場合は、それらがアミノ基及び/又はチオール基を有しているので、アミノ基と結合するスクシンイミジルエステル基またはイソチアネート基を有する標識物質、あるいはチオール基と結合するマレイミド基を有する標識物質が好ましく用いられる。生理活性物質が糖及び糖鎖である場合は、それらがアルデヒド基を有しているため、アルデヒド基と結合する芳香族アミンを有する標識物質が好ましい。生理活性物質が胆汁酸である場合は、胆汁酸がカルボキシル基を有しているので、カルボキシル基と結合するブロモメチル基を有する標識物質が好ましい。
【0015】
これらの標識物質には、蛍光物質、RI物質、ビオチン、散乱光検出用粒子、および、蛍光検出用粒子等が用いられる。ここで、散乱光検出用粒子とは、散乱光の検出に用いられる金属粒子や誘電体粒子であり、金、銀、白金、シリコンなどの微粒子、またはラテックス粒子を用いることができる。特に、粒径が10〜100 nmの金、銀、白金などの金属微粒子、及び粒径が0.1〜1μmのラテックス粒子が、運動状態にある粒子の速さが検出に最適となるために好ましい。また、蛍光検出用粒子とは、蛍光の検出に用いられる粒子であって、半導体粒子や蛍光ガラス粒子等が用いられる。
【0016】
以下、本発明の工程に沿って説明する。本発明の方法においては、まず生理活性物質を適切な標識物質で標識する。この工程は、例えば生理活性物質が含まれる溶液に、該生理活性物質と結合してこれを標識し得る標識物質を過剰に加えることによって行われる。標識物質を過剰に添加することによって、全ての生理活性物質が標識されるようにすることが望ましい。この工程によって、標識された生理活性物質と、生理活性物質と結合していない未反応の標識物質が混在する反応混合物が得られる。
【0017】
次いで、得られた反応混合物にスカベンジャー物質を添加する。本発明のスカベンジャー物質とは、標識物質と結合可能であり、且つ物理的手段によって反応混合物から選択的に分離可能な物質である。このスカベンジャー物質は、標識物質の活性基と反応可能な活性基、好ましくは、生理活性物質の活性基と同様の活性基を有し、混合物中において、生理活性物質と結合していない未反応の標識物質と結合する。
【0018】
このようなスカベンジャー物質を混合物中に添加することによって、未反応の標識物質を捕捉することができる。未反応の標識物質を全て捕捉するのに十分な量のスカベンジャー物質が投与されることが望ましい。
【0019】
生理活性物質がタンパク質またはペプチド或いは核酸である場合、スカベンジャー物質の活性基はチオール基またはアミノ基であることが好ましい。生理活性物質が糖または糖鎖である場合、スカベンジャー物質の活性基はアルデヒド基であることが好ましく、生理活性物質が胆汁酸である場合はカルボキシル基であることが好ましい。その他、スカベンジャー物質は、生理活性物質及び標識物質に応じて適切な活性基を有することができる。
【0020】
スカベンジャー物質には、合成樹脂、金属またはガラス等を含む材料で形成されたビーズや、磁性材料で形成された磁気ビーズのような、生理活性物質と比較して極めて大きい粒子が用いられる。或いは、スカベンジャー物質として高分子タンパク質を用いても良く、生理活性物質及び標識物質の種類によって、適切なタンパク質が選択される。
【0021】
スカベンジャー物質として用いられる高分子タンパク質には、後述する理由から、生理活性物質と比較して巨大な分子が用いられる。好ましくは、生理活性物質の約10倍以上の分子量を有し、或いは、生理活性物質の分子量より30 kDa以上大きい分子量を有する。
【0022】
最後に、標識物質を補足したスカベンジャー物質を、反応混合物から分離して除去する。スカベンジャー物質の分離は、限外濾過法、ゲル濾過法、遠心分離法、磁気分離法等の物理的な分離方法を用いて行うことができる。
【0023】
限外濾過法によれば、限外濾過膜を適切に選択することにより、生理活性物質とスカベンジャー物質を分離することができる。この際、生理活性物質とスカベンジャー物質の分子量(スカベンジャー物質がビーズの場合は粒径)の差が顕著であるほど分離が容易に行える。それ故、上述したようにスカベンジャー物質と生理活性物質の分子量の差が約10倍以上あることが望ましい。或いは、分子量に10倍の差がない場合でも、30 kDa以上の差があれば分離可能である。ゲル濾過法によっても同様に分離できる。
【0024】
さらに、スカベンジャー物質としてビーズを用いた場合、ビーズは生理活性物質と比較して極めて重いために、遠心分離法によって両者を分離することができる。また、磁気ビーズを用いた場合は、磁石等の磁力を利用することによって分離することができる。
【0025】
以上の分離方法によって、標識された生理活性物質が含まれる反応混合物から、標識物質を補足したスカベンジャー物質を分離して除去することができる。これにより、標識された生理活性物質が精製される。
【0026】
以上述べた本発明は、種々の生理活性物質、標識物質、及びスカベンジャー物質を組合せて実施可能であり、また各種の測定方法に供する試料を精製するために適用することが可能である。
【0027】
以下、本発明の実施例を記載する。
【実施例1】
【0028】
ウシインスリンBをTAMRAで標識した後、精製した。その概要を図1に示す。まず、ウシインスリンB(M.W.=3,500)1 nmolと、TAMRA-SE(カルボキシテトラメチル-ローダミン スクシンイミジルエステル)2 nmolを、0.1 M NaHCO3-PBS溶液500μL中、25℃で1時間反応させた。その結果、反応溶液中には標識されたウシインスリンBと未反応のTAMEA−SEが混在する。
【0029】
この反応溶液に多数のアミノ基を有するビーズ AML(Bangs Laboratories社)100μLを加え、25℃で1時間反応させた。未反応のTAMRA-SEはビーズのアミノ基と結合し、反応溶液中には標識されたウシインスリンBと、TAMRA-SEと結合したビーズが含まれる。
【0030】
この反応溶液を、限外濾過膜を有するスピンカラム ウルトラフリーCL(MILLIPORE社)に投与し、遠心分離(5000×g、20分)を行い、濾液を回収した。TAMRA標識ビーズは、限外濾過膜を通過できずに濾過膜上に残存し、TAMRA標識ウシインスリンBは限外濾過膜を通過するため濾液の中に含まれる。ここで精製したTAMRA標識ウシインスリンBが含まれる濾液をサンプルAとした。
【0031】
[比較例1]
実施例1と同様にウシインスリンBを標識し、標識されたウシインスリンBと未反応のTAMRA-SEとの混在反応溶液を得た後、以下のように精製を行った。
【0032】
反応溶液に12% 2-モノアミノエタノール水溶液50 μLを加え、25℃で1時間反応させた。未反応のTAMRA-SEは、2-モノアミノエタノールアミノ基と結合し、反応溶液中には標識されたウシインスリンBと、2-モノアミノエタノールが結合したTAMRAが含まれる。
【0033】
この反応溶液を、実施例1と同様にスピンカラムで遠心分離を行い、濾液を回収した。なお、2-モノアミノエタノール結合TAMRAはTAMRA標識ウシインスリンBと共に限外濾過膜を通過する。得られた濾液をサンプルBとした。
【0034】
[比較例2]
実施例1と同様にウシインスリンBを標識し、標識されたウシインスリンBと未反応のTAMRA-SEとの混在反応溶液を得た後、以下のように精製を行った。
【0035】
反応溶液に12% 2-モノアミノエタノール水溶液50 μLを加え、25℃で1時間反応させた。未反応のTAMRA-SEは2-モノアミノエタノールのアミノ基と結合し、反応溶液中には標識されたウシインスリンBと、2-モノアミノエタノールが結合したTAMRAが含まれる。
【0036】
この反応溶液からTAMRA標識ウシインスリンBを分離精製するため、シリカゲル充填カラムを用いたHPLCを行った。ここで得られたTAMRA標識ウシインスリンBを含む試料をサンプルCとした。
【0037】
[測定例]
実施例1、比較例1及び比較例2で得たそれぞれのサンプルA、B、及びCを希釈した後、FCS測定を行った。コントロールとして、1 nMのTAMRA溶液のFCS測定も行った。
【0038】
その結果、サンプルBの並進拡散時間は約90μ秒であり、1 nM TAMRA溶液の並進拡散時間とほぼ同一であった。また、サンプルA及びCの並進拡散時間は約230μ秒であり、1 nM TAMRA溶液の並進拡散時間の約2.5倍程度で
あった。
【0039】
サンプルA及びCの並進拡散時間が一致したことから、本発明の方法で精製したサンプルAは、HPLCで精製したサンプルCと同様に充分な精製がされていることが示された。また、サンプルBの並進拡散時間がTAMRA溶液のものとほぼ一致したことから、サンプルBにはTAMRA標識ウシインスリンBの他に2-モノアミノエタノール結合TAMRAが含まれることが示唆され、精製が不十分であることが示された。
【0040】
以上の結果から、HPLCより容易であり、短時間且つ低コストな、本発明のスカベンジャー物質を用いた物理的な分離方法によって、HPLCと同等の精製効果が得られることが示された。
【実施例2】
【0041】
グルコースをDDBで標識した後、精製した。その概要を図2に示す。まず、グルコース 1 nmolと1,2-ジアミノ-4,5-ジメトキシベンゼン 二塩化水素化物(DDB) 2 nmolを希硫酸溶液500uL中、60℃で2.5時間反応させた。その結果、反応溶液中に標識されたグルコースと未反応のDDBが混在する。
【0042】
この反応用液に多数のカルボニル基を有するビーズ 活性化マイクロスフィア(Bangs Laboratories社) 100μLを加え、60℃で2.5時間反応させた。未反応のDDBは全てカルボニル基を有するビーズと結合し、反応溶液中にはDDBで標識されたグルコースと、DDBと結合したビーズが含まれる。
【0043】
この反応溶液を、遠心分離(15000 xg、10分)に供し、DDBが結合したビーズを沈殿させ、DDB標識グルコースを含む上清液を回収した。
【実施例3】
【0044】
ウシアプロチニンをローダミングリーン-SEで標識した後、精製した。その概要を図3に示す。まず、ウシアプロチニン(M.W.=6,500)1 nmolとローダミングリーン-SE(Rhodaminegreen-SE) 2 nmolを0.1M NaHCO3-PBS溶液500uL中、25℃で1時間反応させた。その結果、反応溶液中に標識されたウシアプロチニンと未反応のローダミングリーン-SEが混在する。
【0045】
この反応溶液に、アミノ基を有するウシ血清アルブミン(BSA)(M.W.=66 kDa) 100 nmolを加え、25℃、1時間反応させた。未反応のローダミングリーン-SEは、全てウシ血清アルブミンと結合し、反応溶液中には標識されたウシアプロチニンと、ローダミングリーンが結合したBSAが含まれる。
【0046】
この反応溶液を、限外濾過膜を有するスピンカラム ウルトラフリーCL(MILLIPORE社)に投与し、遠心分離(5000 xg、20分)を行い、濾液を回収した。BSAは限外濾過膜を通過できずに濾過膜上に残存し、標識されたウシアプロチニンは限外濾過膜を通過するので濾液中に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】TAMRA標識ウシインスリンBの精製手順の概要図。
【図2】DDB標識グルコースの精製手順の概要図。
【図3】ローダミングリーン-SE標識ウシアプロチニンの精製手順の概要図。
【符号の説明】
【0048】
1…ウシインスリンB、3…TAMRA−SE、5…アミノ基を持つビーズ、7…限外濾過膜、9…グルコース、11…DDB、13…カルボニル基を持つビーズ、15…ウシアプロチニン、17…ローダミングリーン-SE、19…BSA

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理活性物質を標識した後、標識された生理活性物質を精製する方法であって、
生理活性物質と、該生理活性物質と結合してこれを標識し得る標識物質の過剰量とを反応させ、前記生理活性物質を標識する工程と、
前記工程で得られた反応混合物に、前記標識物質と結合し得、且つ物理的手段によって前記反応混合物から選択的に分離可能なスカベンジャー物質を添加し、前記生理活性物質と結合していない標識物質を捕捉する工程と、
前記標識物質を捕捉したスカベンジャー物質を、前記反応混合物から分離除去し、前記標識された生理活性物質を精製する工程と、
を具備する、標識された生理活性物質を精製する方法。
【請求項2】
前記生理活性物質は、タンパク質、ペプチド、核酸、糖、糖鎖、胆汁酸からなる群から選択される、請求項1に記載の精製方法。
【請求項3】
前記標識物質は、蛍光物質、RI物質、ビオチン、散乱光検出用粒子、および蛍光検出用粒子からなる群から選択される、請求項1または2に記載の精製方法。
【請求項4】
前記スカベンジャー物質は、合成樹脂、金属、ガラス、及び/又は磁性材料を含む材料で形成されたビーズ、或いは高分子タンパク質から形成される、請求項1〜3の何れか一項に記載の精製方法。
【請求項5】
前記スカベンジャー物質として用いられる高分子タンパク質は、前記生理活性物質と比較して10倍以上の分子量を有するか、または30 kDa以上大きい分子量を有することを特徴とする、請求項4に記載の精製方法。
【請求項6】
前記生理活性物質は活性基を有し、前記スカベンジャー物質は、前記生理活性物質の活性基と同じ活性基を有することを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の精製方法。
【請求項7】
前記生理活性物質がタンパク質またはペプチド、或いは核酸のときに用いられるスカベンジャー物質はチオール基またはアミノ基を有し、前記生理活性物質が糖鎖のときに用いられるスカベンジャー物質はアルデヒド基を有し、前記生理活性物質が胆汁酸のときに用いられるスカベンジャー物質はカルボキシル基を有することを特徴とする、請求項6に記載の精製方法。
【請求項8】
前記標識された生理活性物質と、標識物質を補足したスカベンジャー物質との分離は、限外濾過法、ゲル濾過法、遠心分離法、磁気分離法からなる群から選択される方法によって行われる、請求項1〜7の何れか一項に記載の精製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−47012(P2006−47012A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225900(P2004−225900)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】