説明

横断方向に波状形状を有する一体化複合ファブリック及びその製造方法

一体化複合材料を得るため製造方法が見出された。少なくとも一層状要素が感熱性結合繊維等の結合可能材料を含んでいる、ルーズファイバーとファブリックの組合せから成るアセンブリを形成する。未結合層状アセンブリを所望の振幅及び波長の繰り返し波状パターンを有する波型に成形する。繰り返し波の振幅や波長の変更は、例えば、簡易な機械制御設定を用い、移送デバイスとオーブンワイヤの相対速度やオーブンワイヤの高さに対する移送デバイスの高さを変えることによって行うことができる。成形したアセンブリをその後オーブンや他の活性化工程によって結合し、冷却の際又は活性化作用から取り出した際に波状形状を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)の規定に基づき、2006年6月14日出願の米国仮特許出願第60/813,664号(発明の名称「横断方向に波状形状を有する一体化複合ファブリック及びその製造方法」)の優先権を主張するが、該出願の全内容を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【0002】
本発明は、横断方向に波状z方向形状(wave-like z-directional shaping)を有し、伸縮性又は非弾性であり、波状形状の波長や振幅が可変であり、粒子を必要に応じて組込んでいる一体化複合ファブリック構造物の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
通常製造される不織材やフィルム、織物、紙、板紙材料は、表面が比較的平滑、平坦であり、密度が均一で、その長さや幅に比べて薄い。比較的長い繊維アセンブリ(例えば、織物やカードウェブ、スパンボンドウェブ等)から厚いウェブを製造するための公知の方法においては、一般に、機械的装置を用いて長い繊維から成るマットやアセンブリを繰り返し波形状にしたり、或いは、固定板間又は移動ベルト間の制御されたギャップを利用し、そこでマットやアセンブリを強制的に曲げて制限領域内で積み重ね、処理対象の対応する平坦材料と比べて坪量が異なり、高密度又は低密度のファブリックが得られる。長く連続した繊維アセンブリ(例えば、カードウェブや自己結合スパンボンドウェブに通常用いる繊維アセンブリ等)から成る結合ウェブは、通常主に縦方向(machine direction)に並べられ、結合前であってもアセンブリ内に多少の内部凝集が存在する。繊維は一般に所望の波状形状の波長よりも長い。
【0004】
用いる材料の量を増加させることなく厚い構造物を望む場合には、通常よく知られた機械的成形処理(コルゲート加工やプリーツ加工等)を用い(ラミネート加工と併用することも多い)、平坦なロール品から三次元隆起アーチ状構造物を形成する。長繊維加工技法及び短繊維加工技法の両方においては、他の公知の技法(クレープ加工やミクロクレープ加工、ミクレキシング(Micrexing)、その他同様のプロセス等)を通常用いて、構造物をより嵩ばった一般に柔らかいファブリックに変える。特に比較的短い繊維を用いる場合には、このような処理(ファブリック製造プロセス時に行うか、又は更なる処理後プロセスとして行う)によって剛性や他の所望の物性(引張強度や耐圧縮性等)の望ましくない低下が生じ得るが、その主な理由は、こうした処理によって一般にファブリックの繊維間結合強度や内部凝集が低下するためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の短繊維エアレイドプロセス設備を用いて繰り返し波状形状を有する結合材料を直接得るための簡易な製造方法が見出された。解けてランダムに配向した比較的短い繊維(又は繊維とロール品ファブリックの組合せでもよい)から成るエアレイドアセンブリであって、層状要素の少なくとも一個は結合可能材料(感熱性結合繊維等)を含んでいるアセンブリを形成する。z方向への引上げが可能で、下流側に設けられたオーブンワイヤよりも実質的に高速で作動する移送デバイスを用いて未結合層状アセンブリを繰り返し波状形状に成形する。こうして平坦なアセンブリを曲げると共に積み重ねて所望の振幅及び波長の繰り返し波状形状にするが、これは保持された後、オーブン又は他の好適な活性化デバイスにて結合させて形状を永続させることができる。移送デバイスとオーブンワイヤの相対速度、及び/又はオーブンワイヤの高さに対する移送デバイスの高さを変えることによって繰り返し波の振幅や波長は容易に変更される。成形したアセンブリをその後オーブン又は他の好適な活性化工程にて高温に付すが、その際には、感熱性要素によってアセンブリが結合して一体化複合体となり、冷却時又は用いた活性化プロセスから取り出した時に波状形状が永続するのに十分な高温とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一様相によると、繊維要素のアセンブリをエアレイイングによって堆積させ、その場で製造された不織要素又は予め作られたロール品を必要に応じて組込む。
【0007】
本発明の他の様相によると、このようなアセンブリの別個の層状要素は更なる要素を他の要素に接するように堆積させて組立てることができ、こうして形成された多層未結合アセンブリは、成形及び結合の前に個々の層として必要に応じて圧縮すると共に、多層アセンブリとして全体を必要に応じて圧縮する。
【0008】
本発明の他の様相によると、多層アセンブリの少なくとも一要素は、活性化工程において活性化され該アセンブリの結合を生じさせることができる材料を含む。
【0009】
本発明の他の様相によると、層状アセンブリの少なくとも一要素は、オーブンにて比較的高温(熱可塑性材料の融点付近)に曝露した際に、又は結合を生じさせるのに適した他の何らかのデバイスや方法によって該アセンブリの他の要素に結合させることができる熱可塑性材料の大部分を含む材料から形成することができる。
【0010】
本発明の他の様相によると、移送デバイスよりも低速で移動するオーブンコンベアワイヤの水平面上方に設置可能な移送ワイヤデバイス又は他の移送デバイス(吸引ロール等)を用いて、未結合の層アセンブリ全体を連続した繰り返し波状形状に成形する。
【0011】
本発明の他の様相によると、波状形状に成形した未結合の層要素アセンブリ全体をオーブン又は他の活性化デバイスにて加熱し、活性化工程後に層状アセンブリ内の材料を結合させる。
【0012】
本発明の他の様相は、非常に厚い一体化複合体を製造できることである。
【0013】
本発明の他の様相は、非常に高坪量の一体化複合体を製造できることである。
【0014】
本発明の他の様相は、非常に嵩高く低密度の一体化複合体を製造できることである。
【0015】
本発明の他の様相によると、一体化複合体をその縦方向において必要に応じて伸長性且つ伸縮性にすることができるか、又は比較的非弾性にすることができる。
【0016】
本発明の他の様相によると、ルーズファイバー(loose fiber)組立てプロセス時に粒子を成形アセンブリの内部に必要に応じて添加することができ、また、活性化前又は活性化後に粒子を成形アセンブリの上面に必要に応じて添加することができる。
【0017】
当業者であれば、以下の詳説や特許請求の範囲、添付図面を参照することによって本発明の上述の及び他の特徴や利点、目的について更に把握し理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の例示的実施形態について以下の図面を参照しつつ説明する。
【0019】
【図1】波状構造物を示すと共に、本明細書で用いるx、y及びz方向についての取り決めについても示す。
【図2A】複合アセンブリにおける比較的波数が大きい繰り返し波状構造物を示す。
【図2B】複合アセンブリにおける比較的波数が小さい繰り返し波状構造物を示す。
【図3A】複合アセンブリにおける比較的振幅が大きい繰り返し波状構造物を示す。
【図3B】複合アセンブリにおける比較的振幅が小さい繰り返し波状構造物を示す。
【図4】本発明の様相に係る一体化複合体を形成するためのプロセスのフローチャートを示す。
【図5】必要に応じて圧縮されるルーズファイバー層から成るエアレイドアセンブリを示す。
【図6】必要に応じて圧縮されるルーズファイバー層から成るエアレイドアセンブリを示す。
【図7】必要に応じて圧縮されるルーズファイバー層から成るエアレイドアセンブリを示す。
【図8】必要に応じて圧縮されるルーズファイバー層から成るエアレイドアセンブリを示す。
【図9】必要に応じて圧縮されるルーズファイバー層から成るエアレイドアセンブリを示す。
【図10】必要に応じて圧縮されるルーズファイバー層から成るエアレイドアセンブリを示す。
【図11】必要に応じて圧縮されるルーズファイバー層から成るエアレイドアセンブリを示す。
【図12】必要に応じて圧縮されるルーズファイバー層から成るエアレイドアセンブリを示す。
【図13】必要に応じて圧縮されるルーズファイバー層から成るエアレイドアセンブリを示す。
【図14】必要に応じて圧縮されるルーズファイバー層から成るエアレイドアセンブリを示す。
【図15】必要に応じて圧縮されるルーズファイバー層から成るエアレイドアセンブリを示す。
【図16】ルーズファイバー層を結合させて一体化複合体としたアセンブリを示す。
【図17】ルーズファイバー層と不織層を結合させて一体化複合体としたアセンブリを示す。
【図18A】ルーズファイバー層と、不織プロセス層と、予め作られたロール品ファブリックとを互いに接するように組立てた後に結合させた一体化複合体を示す。
【図18B】ルーズファイバー層と、不織プロセス層と、予め作られたロール品ファブリックとを互いに接するように組立てた後に結合させた一体化複合体を示す。
【図19】ルーズファイバー層状要素を組立て、アセンブリ全体を波状形状に成形した後、活性化工程によって該要素を結合させ、波状形状に維持するためのエアレイドプロセスを示す。
【図20】ルーズファイバーと不織要素を組立て、アセンブリを波状形状に成形した後、活性化を行うエアレイドプロセスを示す。
【図21】組立て時にロール品と組合せてルーズファイバー層を堆積させることによって波状一体化複合体を形成する他の方法を示す。
【図22】凹型パターンロールを用い、必要に応じて吸引を行うことによってアセンブリに隆起波状形状を付与する方法を示す。
【図23】プリーツ加工技法によってアセンブリに隆起波状形状を付与する方法を示す。
【図24A】クレープ加工技法によってアセンブリに隆起波状形状を付与する方法を示す。
【図24B】アセンブリに波状形状を付与するのに用いるMicrex(登録商標)ミクロクレープ加工プロセスの変形例を示す。
【図24C】アセンブリに波状形状を付与するのに用いるMicrex(登録商標)ミクロクレープ加工プロセスの変形例を示す。
【図25A】一体化複合体の成形を示し、波状形状に形成されるルーズファイバーアセンブリを用い、オーブンワイヤよりもz方向上側に設けられた移送ワイヤが用いられ、オーブンワイヤを低速で移動させて波状形状に成形することによって一体化複合体を形成する様子を示す。
【図25B】一体化複合体の成形を示し、波状形状に形成されるルーズファイバーアセンブリを用い、オーブンワイヤよりもz方向上側に設けられた移送ワイヤが用いられ、オーブンワイヤを低速で移動させて波状形状に成形することによって一体化複合体を形成する様子を示す。
【図25C】一体化複合体の成形を示し、波状形状に形成されるルーズファイバーアセンブリを用い、オーブンワイヤよりもz方向上側に設けられた移送ワイヤが用いられ、オーブンワイヤを低速で移動させて波状形状に成形することによって一体化複合体を形成する様子を示す。
【図25D】一体化複合体の成形を示し、波状形状に形成されるルーズファイバーアセンブリを用い、オーブンワイヤよりもz方向上側に設けられた移送ワイヤが用いられ、オーブンワイヤを低速で移動させて波状形状に成形することによって一体化複合体を形成する様子を示す。
【図26A】縦方向に伸長性及び弾性を有する波状一体化複合体を示す。
【図26B】図26Aの一体化複合体に張力を加えた結果生じる弾性挙動を示す。
【図26C】波が互いに接着している一体化複合体を示す。
【図26D】図26Cの一体化複合体に張力を加えた結果生じる非弾性挙動を示す。
【図26E】フィルム、押出し物又は他のロール品が波状一体化複合体の底部に接着している一体化複合体を示す。
【図26F】フィルム、押出し物又は他のロール品が波状一体化複合体の底部に接着している一体化複合体とその比較的非弾性な挙動を示す。
【図27A】活性化前の成形アセンブリへの粒子の添加を示す。
【図27B】活性化後の粒子の位置を示す。
【図28】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図29】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図30】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図31】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図32】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図33】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図34】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図35】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図36】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図37】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図38】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図39】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図40】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図41】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図42】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図43】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図44】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図45】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図46】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図47】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【図48】例示的な一体化複合体の光学顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
具体的な実施形態を参照しつつ本発明について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されない。即ち、本発明を逸脱せずに特許請求の範囲と均等の範囲内で実施形態において様々な変更を行うことができる。また、説明のために選択された実施形態は正確な縮尺では図示されておらず、図示の比率には限定されない。
【0021】
本明細書で用いるターム「不織材(nonwoven)」とは、織布や編物のように規則的又は識別可能には織られていない、互いに挿入された個々の繊維から成る構造を有するウェブを意味する。不織産業を代表する事業者団体であるINDAで定義されているように、不織ファブリックとは一般には、機械的に、熱的に又は化学的に繊維やフィラメントを絡ませて(且つフィルムに穴を開けて)結合させたファブリック又はウェブ構造物である。
【0022】
不織ウェブは、例えば、エアレイイングやカーディンイグ、メルトブローイング、スパンボンディング、スパンメルティング(メルトブローイングとスパンボンディングの改変組合せ)、共成形(co-forming)、湿式成形、スクリム及びネット押出し、穿孔フィルム、その他同様のプロセス等の様々なプロセスによって形成される。「エアレイド」というタームは、ドライエアレイイングプロセス(即ち、多孔性集合ワイヤ(porous collecting wire)等の基材にルーズファイバーアセンブリを堆積させるプロセス)によって不織ウェブを形成することを意味する。「短繊維エアレイドプロセス」というタームは、使い捨てファブリック(嵩高なタオルや女性用ナプキン吸収性媒体等)の製造用に比較的短い木材パルプ繊維を加工するために当初開発されたドライエアレイイングプロセスの一種を意味する。エアレイイングプロセスに用いる代表的な機械は、DanWeb A/SやNeumag Denmark A/S(デンマーク)によって提供されている。
【0023】
本明細書で用いるターム「二成分繊維」又は「多成分繊維」とは、多成分を有する繊維、例えば、一材料(ポリマー等)から成るコアが他の材料(融点が異なる他のポリマー等)から成るシース内に包み込まれた繊維等を意味する。ある種の「二成分」又は「多成分」繊維はバインダー繊維として用いることができるが、このようなバインダー繊維は互いに結合し、更に他の繊維や成分と結合して一体化構造物を形成する。例えば、ポリマー繊維の場合、シースを構成するポリマーがコアを構成するポリマーとは異なる温度(通常はそれより低い温度)で融解することが多い。その結果、このようなバインダー繊維の場合、シースポリマーの融解に起因して、適切な活性化(オーブンによる加熱等)及びその後の冷却により熱的結合が得られる一方、コアポリマーの望ましい繊維構造特性が保持される。バインダー繊維を用いる代わりに、ニードルパンチングやハイドロエンタングリング等の機械的結合方法に加え、様々な化学的性質の単成分フィラメントや多成分フィラメント、押出し物、フィルム、スクリム、網状織物(nettings)、粒子、粉末、エマルジョンポリマー、樹脂を用いて繊維構造物を結合することもできる。
【0024】
複合アセンブリは、他のルーズファイバー組立て技法(カーディング技法等)又は直接プロセス不織技法(例えば、スパンボンディング、メルトブローイング、スパンメルティング、共成形、押出し成形、スクリムやフィルムを用いた技法、その他の技法等)を用いて形成してもよい。このような層状アセンブリの組合せをその後結合させて一体化複合構造物を製造し、結合後、オーブンや他の活性化工程によって層を互いに接着させて一体化複合体を得ることができる。
【0025】
本明細書で用いるターム「要素」とは、構造物、アセンブリ、複合体又はラミネートの各成分、即ち、一体化構造物、アセンブリ、複合体又はラミネートに組込む(例えば、溶融結合や接着結合、絡み合い等による物理的結合、閉塞)ことが可能な層や繊維、粒子、フィラー、その他の成分を意味する。
【0026】
本明細書で用いるターム「アセンブリ」とは、ルーズファイバー要素の堆積物又は構造物の二以上の要素から成る層状の組合せを意味する。
【0027】
本明細書で用いるターム「一体化構造物」又は「一体化複合体」は互いに交換可能であり、オーブン又はアセンブリの層を結合させる他のデバイスによってアセンブリを結合させて得られる構造物を意味する。
【0028】
本明細書で用いるターム「波状」は、実質的に周期的な波形(必ずしも正弦波であったり、完全に繰り返されたり、容易に見られたり、完全に平行である必要はない)によって特徴付けられ、更に波長(即ち、波パターンの繰り返し単位間の距離(例えば、ある頂点から次の頂点まで測定した距離、又はある谷から次の谷まで測定した距離))及び振幅(即ち、起伏の高さ)によっても特徴付けられ得るアセンブリを説明するのに用いる。或いは、波長によって波形を特徴付けるのではなく、波数(波長に反比例し、単位長さ当りの波パターンの繰り返し単位の数を意味する)によって特徴付けてもよい。波数は周波数の空間アナログ(spacial analogue)である。波状形状は最終複合体の上部及び底部の両方で波状である必要はなく、完全に繰り返される必要もない。即ち、ほぼ繰り返される波形の大きさや形状等において多少の変化があってもよい。このような波状形状は一般に理想形状(図1の2100)で示されるが、代表的な波形状(即ち、活性化後に一体化複合体の一側が比較的平坦になる形状)を図28〜48の拡大顕微鏡写真に示す。
【0029】
本明細書で用いるターム「活性化」は、加熱したオーブンを用いようと、電磁エネルギーの放射や他の何らかの方法によろうと、冷却した際又は活性化をやめた際に一層内の要素間で結合を生じさせる、及び/又は二以上の層内の要素間で結合を生じさせる如何なるプロセスであってもよい。
【0030】
本明細書で用いるターム「処方」とは、アセンブリで用いる各種成分の混合物の特定の配合(各成分の種類や量等)を意味する。
【0031】
本明細書で用いるターム「ハイドロエンタングル(hydro-entangled)」とは、アセンブリを高圧水ジェットによって処理し、繊維要素を再構成して繊維の絡み合い及び/又は摩擦結合を生じさせることを意味する。
【0032】
本明細書で用いるターム「ニードルパンチ(needle-punched)」とは、ニードルルームに設けた有刺針を用いてアセンブリを処理し、アセンブリ内の繊維の一部を機械的に再配向させてアセンブリを絡ませることを意味する。
【0033】
以下の図面を参照しつつ本発明の例示的実施形態について説明する。
【0034】
図1は波状要素2100の3次元図を示す。このような構造物は、類似の処方の平坦構造物に比べて厚く、総密度が低い。また、図1では、本明細書で用いるx、y及びz方向についての取り決めについても言及しており、連続アセンブリの長さ2104(x方向、即ち、縦方向)、幅2103(y方向、即ち、横断方向(cross machine direction))及び垂直高さ2102(z方向)を示す。
【0035】
図2〜27は図1の取り決めに従っており、垂直厚さ(z方向)及び長さ(x方向)については二次元的側面図に示されているが、図1に記載した横幅(y方向)については示されていない。
【0036】
図2A〜3Bは、本発明の好ましい様相を用いることによって容易に変わる波状要素のz方向高さ及び波数の例示的な変化を示す。
【0037】
図2Aは、複合アセンブリ9004における比較的波数の大きな波状繰り返し要素9000の例を示す。
【0038】
図2Bは、結合複合アセンブリ9005における比較的波数の小さな波状繰り返し要素9002の例を示す。
【0039】
図3Aは、結合複合アセンブリ10004における比較的振幅の大きな波状繰り返し要素10000の例を示す。
【0040】
図3Bは、結合複合アセンブリ10005における比較的振幅の小さな波状繰り返し要素10002の例を示す。
【0041】
このような波状要素から成るアセンブリは、先ず多層要素の堆積物を組立てることによって直接製造することができるが、その内の少なくとも一要素はアセンブリ内の他の要素と結合させることができる。また、波状形状のアセンブリは単一層であってもよい。
【0042】
本明細書に記載の本発明の望ましい特質は、公知のコルゲート加工及びラミネート加工プロセスで使用され、通常、例えば、従来の成形方法で必要とされる機械部品(コルゲートロール等)の物理的変更や置換を行うことなく、一体化複合体内の波状要素の形状やz方向高さ、繰り返し波長を容易に変更できることである。このような従来のコルゲート加工技術によって成形構造物の波数や振幅を変更する場合には、所望の波の所望の形状パターンに合わせてコルゲートロールの形状を物理的に変更する必要がある。本発明はこのような複雑さを回避する。必要に応じて引上げた移送デバイスを用いて層状アセンブリ全体を成形プロセスに付し、アセンブリ全体を三次元波状形状にする。次に、成形したアセンブリをオーブンや他の活性化工程を通過させ、活性化工程から取り出す際に結合可能な要素が他の要素に結合すると共に波状形状を維持するようにする。
【0043】
複合層状アセンブリを形成するために堆積させる各要素の位置、処方及び質量を容易に変更できることは本発明で実施するエアレイド方法の利点である。本発明のある実施形態における利点は、アセンブリ内の少なくとも一要素を他の要素に実質的に結合させることができる限り混合処方において様々な原料や形態(例えば、不規則な粒子や塊)に対応できることである。
【0044】
本発明は様々な坪量(basis weights)、形態及び要素の組合せにおいて遂行可能であるが、これは、少なくとも一要素を、他の層が存在する場合にはその層に対して結合させることができる限り可能である。活性化アセンブリにおいて各要素層を互いに結合させることが一般には望ましいが、このような結合は使用する材料の選択に応じて任意的であり、一体化複合体において一以上の層間の結合を減らすこと(又は結合を行わないこと)も意図されている。
【0045】
本発明で用いる層の要素を堆積させる例示的な方法は短繊維エアレイド形成方法であるが、様々な他の組立て方法(更に、短繊維エアレイド形成方法との組合せ)も意図されている。更に、成形及び活性化前にアセンブリの要素を堆積し層形成するための特定な組立て方法の仕様は本明細書に記載の方法に限定されず、また、各層に用いる各層要素の質量や処方についても本明細書に記載の方法に限定されない。
【0046】
本発明の様相によると、様々な処方(即ち、種類や質量)の繊維要素を堆積させるためのエアレイドプロセスを用いることによって、用いる材料の選択や、添加物、及び成形や活性化前に行う層状アセンブリの堆積に用いる圧縮方法に基づいてアセンブリの各層の様々な一体化複合体特性、強度特性、表面構造、弾性及び密度を得ることが可能である。エアレイド形成プロセスにより多数の成形ヘッドや別々の繊維供給口(feeds)を用いることによって、望ましいファブリック製品を製造する際に最大限の適応性が得られ、製造時にアセンブリの各堆積要素の処方を迅速且つ容易に変更することができる。
【0047】
例えば、複合体の場合、ある層におけるバインダ繊維の坪量と他の層における繊維の坪量が異なることがある。実際、必要に応じて、組立てた層のいずれか又は全てにおいて坪量を変えることがある。各層における材料の質量や使用材料の処方及び特性は、最終的な一体化複合体の機能的要求や他の設計やコスト、加工についての考えに対応するよう、広い範囲に亘って必要に応じて調整する。更に、アセンブリの各要素において特性が異なる異例の複合体を容易に得ることができる。これらの層の各々の密度をエアレイドフォーマ間に設けられた圧縮ロールを用いて所望の値に調整してもよいが、これも成形プロセスや活性化工程におけるアセンブリの挙動に影響を及ぼす。
【0048】
更に、高価な繊維層を他層内に隠れた安価な成分に隣接させることができ、また、アセンブリの各層の特性は最終用途特性の要求に応じて選択することができるが、多くの場合、用いる材料の量は少なくても、得られる最終複合体においては、別々に形成した後に一体化させた構造物と比べて機能性が同等か又はそれより優れている。
【0049】
図4は、本発明の一実施形態に係る一体化エアレイド複合体を製造するための例示的工程のフローチャート800である。ブロック802は、第一の濃度の繊維を堆積させて層を形成する工程を示す。ブロック804は、第一の濃度のバインダ繊維上に第二の濃度の繊維を堆積させる工程を示すが、この工程においては、第一の濃度の繊維に接するように第二の濃度の繊維が積層され、接触未結合の(比較的分離している)層を形成する。ブロック806は、更なる濃度の繊維を堆積させて更に複数の層を構築する工程を示す。ブロック807は、層状アセンブリを波状形状に成形する更なる工程を示す。ブロック808は、繊維アセンブリを活性化し結合させることにより一体化複合構造物を形成する最終工程を示す。
【0050】
当業者であれば、繊維混合物の処方や各層に堆積させる材料の質量、堆積した各層の密度が活性化時及びその後の各層の挙動に影響を及ぼすことを理解するであろう。本明細書に記載の図面は、成形ヘッド間に設けられた圧縮ロールを用いて堆積プロセスで各層の密度を必要に応じて変更可能であることを例示的に示す。本発明の精神を逸脱することなく、他の潜在的に望ましい材料(例えば、紙や織物、不織ウェブ、フィルム、類似の押出し系やロール品系(エアレイドアセンブリ製造の際に同時に得られる直接プロセス要素を含む)と組合わせることができる。実際、このような変更は、市販のロール品や対象とする技術特性をもたらす他の要素組立て方法から経済的な利益や加工上の利点を得る上で望ましいものとして意図されている。
【0051】
図5〜15には、本発明の様相に係る一体化エアレイド複合体の形成に用いることができる例示的なシステムを概略的に示す。本発明の実施に適した例示的な短繊維エアレイドプロセス機械は、Marketing Technology Service社(米国、ミシガン州カラマズー)において、又はDan−Web A/S(デンマーク、アールス)やNeumag Denmark A/S(デンマーク、ホルステンス(Horstens))を通じて一般利用が可能である。
【0052】
即ち、図5〜15は、例示的ウェブと相補的ウェブ形成システムの概略側面図であり、各層が各々のウェブ形成システムを移動しながらどのように互いに接するように堆積されるのかを示す。例示的ウェブの層は特定の比率や縮尺では示しておらず、説明の目的のみに概略的に示している。また、ウェブ形成プロセスの際に一体化エアレイド構造物の層間で多少の繊維の混合(ブレンド)が生じるため、層は図示したように完全には区別されない。
【0053】
一般に、図5〜15に示すウェブ形成システムの各々は、エアレイド複合体のウェブが形成される多孔性ワイヤスクリーンであるコンベア面1020を有する機械である。繊維導入ヘッドは該ワイヤスクリーンの上方に位置し、エアレイド複合体の成分を該スクリーンに制御的に送るようになっている。図5〜15にクロスハッチングで概略的に示すように、繊維導入ヘッドは、同一又は異なる繊維を如何なる組合せでも導入するように構成されている。例えば、二以上の(又は全ての)ヘッドによって同一の繊維又は繊維混合物を導入することができ、或いは、全ての(又は一部の)ヘッドによって異なる繊維又は繊維混合物を導入することができる。また、ウェブが形成システムを通過する際にウェブを選択的に修正するため、ロールも設けられている。得られる一体化エアレイド複合体のウェブの概略図(図5〜15の各々において機械の下方に並置)には、各ヘッドによって供給され、縦方向(MD)に沿って積層されて一体化エアレイド複合体のウェブを形成するウェブ部分を示す。また、説明目的のために図5〜15で概略的に示した別個の帯とは対照的に、実際のエアレイドシステムにおいてはウェブ部分は一体化される。
【0054】
図5に具体的に示すように、例示的な一システムでは機械1004aを用いてエアレイド複合体1000aのウェブを形成する。機械1004aは、エアレイド複合体の成分が堆積するワイヤスクリーン1020を支持するコンベア機構1006を有する。一対の上流ロール1008と他対の下流ロール1010が設けられ、ワイヤスクリーン1020がロール1008及び1010の各対間を通過するようになっている。機械1004aの長さ方向に沿ってワイヤスクリーン1020の上方に複数のヘッドが設けられている。図示の機械1004aは四個のヘッド、即ち、第一のヘッド1012、第二のヘッド1014、第三のヘッド1016及び第四のヘッド1018を有する。第一及び第二のヘッド1012、1014は上流ロール1008の上流に位置し、第三及び第四のヘッド1016、1018は上流ロール1008の下流且つ下流ロール1010の上流に位置する。上流ロール及び下流ロール1008、1010は必要に応じて圧縮ロールとして用いる。図6〜15の説明で明らかになるように、ロール1008間のギャップ及びロール1010間のギャップは調整可能である。
【0055】
更に、当業者であれば、圧縮ロ−ルを加熱した場合の結果が圧縮ロ−ルを加熱しない場合と異なることや、圧縮ロール温度と組合わせて圧力を変化させると次の工程の結果(例えば、アセンブリの波状形状への成形)に影響を及ぼすことを理解するであろう。図5に示す機械1004aは、実質的に等量の同一繊維組成物を供給するヘッド1012、1014、1016及び1018の四個のヘッドを有するエアレイド機械である。或いは、ヘッド1012、1014、1016及び1018の一以上は必要に応じて実質的に異なる量の繊維を供給してもよく、実質的に異なる繊維又は繊維組成物を供給してもよい。図5に示すように、機械1004aでは上流ロール及び下流ロール1008、1010を圧縮ロールとして用いない(即ち、圧縮ロール1008間及び圧縮ロール1010間のギャップは、その間を通過するウェブの圧縮を排除する(又は最小限にする)ように維持される)。従って、機械1004aは、比較的厚く比較的低密度のファブリックを得るように構成されている。
【0056】
次に図6に示す例示的なシステムは、ウェブ1000bの形成に用いる機械1004bを有する。機械1004bは、上流ロール1008を圧縮ロールとして用いる一方、下流ロール1010をそのように用いないように構成されている。即ち、第一及び第二のヘッド1012、1014によって導入された帯は上流ロール1008によって圧縮されて該帯の密度が増加する一方、下流ロール1010は第三及び第四のヘッド1016、1018によって堆積した帯の圧縮を最小限にする(又は排除する)ように間隔を置いて配置されており、該帯の密度は増加しないため、機械1004bは様々な密度のファブリックを形成するように構成されている。
【0057】
次に図7に示すシステムは、一体化エアレイドウェブ1000cの形成に用いる機械1004cを有する。このシステムにおいては、上流ロール1008及び下流ロール1010の両方を圧縮ロールとして用いて比較的高密度の薄いファブリックウェブを得る。
【0058】
次に図8に示す機械1004dはウェブ1000dの形成に用い、下流ロール1010のみを圧縮ロールとして用いる(上流ロール1008はそのように用いない)。従って、図7に示すシステムによって形成されるウェブ1000cの場合と同様に、機械1004dによってウェブ全体が圧縮されて実質的に密度が一定で薄いファブリックが得られる。
【0059】
次に図9に示すように、機械1004eを用いてウェブ1000eを形成する。機械1004eでは上流ロール1008及び下流ロール1010の両方を圧縮ロールとして用いるが、圧縮の度合いが異なる。より具体的には、上流ロール1008を圧縮ロールとして用いる一方、下流ロール1010は部分的圧縮に用いる。従って、機械1004eによって密度勾配のあるウェブが得られる(ウェブ1000eの帯の相対厚さによって概略的に示す)が、ウェブ1000eは、帯の厚さや密度に関して図6に示すウェブ1000bや図7に示すウェブ1000cとは異なる(例えば、各ウェブの上部二個の帯は厚く、通常密度が低い)。
【0060】
図10に示すように、機械1004fによって図9に示すウェブ1000eと同様のウェブ1000fが形成される。ウェブ1000fは下流ロール1010による圧縮度合いがウェブ1000eとは異なり、第三及び第四のヘッド1016、1018によって堆積される材料の帯が厚くなる。
【0061】
次に図11に示すように、機械1004gによってウェブ1000gが得られる。図11に示すシステムは、一個のヘッドから弾性繊維が導入される以外は図8に示すシステムと同様である。具体的には、弾性繊維は第三のヘッド1016によってウェブに導入され、ヘッド1016によって導入された繊維は、少なくとも弾力性がヘッド1012、1014及び1018によって導入された繊維とは異なる。第三のヘッド1016によって導入される繊維は弾力性を有するため、得られる帯は下流ロール1010を通過した後に元の形状に「回復する」傾向を示し、嵩ばった低密度の中央帯が実質的に薄い帯に囲まれるようになる。このような帯はウェブの厚さ方向の如何なる位置(例えば、ウェブの頂部や底部等)にも必要に応じて設けられる。当業者であれば、層内に用いる各要素がルーズファイバーアセンブリである必要はなく、また、エアレイド形成プロセスは材料の様々な形状や形状因子に対応し得ることを理解するであろう。
【0062】
図12〜15にはシステムのアセンブリを示すが、これらのシステムは、組立てプロセス内に一以上の別の原料成分を導入してもよい点で図5〜11で示したものとは異なる。別の成分は不織材等の材料のプレ形成ウェブであってもよい。別の成分はエアレイプロセスと組合わせてその場で形成し、製造コストを低減させるのが好ましい。
【0063】
図12に示すように、機械1004hを用いてウェブ1000hを形成するが、第二及び第三のヘッド1014、1016によって形成されたウェブ1000hの隣接する帯間に材料のウェブが存在する。より具体的には、機構追加ヘッド1011が機械1004h内に設けられ、第二のヘッド1014と第三のヘッド1016との間の位置に材料1009が導入され、第二のヘッド1014及び第3のヘッド1016によって形成されたウェブ1000hの帯間にウェブ材料が挿入される。従って、得られるウェブ1000hは、追加ウェブ材料1009がウェブ1000h内の帯間に導入された以外は機械1004a(図5)によって形成されるウェブ1000aと同様である。
【0064】
図13に示すように、機械1004iによってウェブ1000iが製造される。ウェブ1000iは、上流ロール1008が圧縮ロールとして用いられ、第一のヘッド1012及び第二のヘッド1014によって堆積した第一の二個の帯が圧縮される点でウェブ1000b(図6)と類似している。また、ウェブ1000iは、第二及び第三のヘッド1014、1016によって堆積した帯間に別のウェブ材料1009が追加ヘッド1011によって導入される点でウェブ1000h(図12)とも類似している。
【0065】
図14に示すように、機械1004jを用いてウェブ1000jを形成する。ウェブ1000jは圧縮比の点でウェブ1000f(図10)と類似しており、また、別のウェブ材料1009が追加ヘッド1011によって導入される点でウェブ1000h(図12)と類似している。
【0066】
次に図15に示すように、機械1004kを用いてウェブ1000kを形成する。図15の概略図では、多成分(同一又は異なる成分)をエアレイド成形ヘッド間に位置するヘッド1011A〜1011Eによって供給できることが示されている。例えば、ヘッド1012、1014、1016及び1018の上流及び下流位置の一箇所又は如何なる組合せにおいてもウェブ材料1009A〜1009E(例えば、スパンボンド、メルトブロー又はスパンメルト材料やフィルム)を導入するようにヘッドを設けることができる。機械1004kにおいては、このような追加ヘッド1011A〜1011Eは、第一のヘッド1012の上流、第一のヘッド1012と第二のヘッド1014との間、第二のヘッド1014と第三のヘッド1016との間、第三のヘッド1016と第四のヘッド1018との間、そして第四のヘッド1018の下流且つ下流ロール1010の上流の位置に設けられている。このような追加ヘッドは如何なる組合せでも用いることができ、該ヘッドを用いて同一又は異なる成分を如何なる組合せでも導入することができる。また、図15には示していないが、得られるウェブ1000kの選択した帯を圧縮するよう、上流ロール1008と下流ロール1010を圧縮ロールとして如何なる組合せでも用いることができる。また、ロール品基材に一体化エアレイド複合体を直接形成することによって、例えば、多孔性基材(軽量スパンボンドウェブや他の好適な基材等)に一体化エアレイド複合体を直接形成することによって物品を製造してもよいことも意図されている。
【0067】
一部の材料(例えば、スパンボンドウェブ)は、別々に製造されるロール品として、また、エアレイプロセスと同時にアセンブリを製造する際にその場で得られるウェブ要素としてどこにでもあり安価であることが分かる。従って、このような材料を用いることは有益であり、エアレイド繊維材料と併用するのが好ましく、また、粒子状材料を添加して一体化複合構造物としてもよい。
図16、17及び18A〜Bは例示的なエアレイド一体化複合体を示す。
図16は、ルーズファイバー層2310を互いに接するように組立てた後、オーブン又は他の活性化工程2311によって結合させて単一の一体化複合体2312とした例示的なアセンブリを示す。
【0068】
図17は、ルーズファイバー層2307及び2309と同時に形成された直接プロセス不織層2315及び2316とを互いに接するように組立てた後、オーブン又は他の活性化工程2311によって結合させて単一の一体化複合体2318とした例示的なアセンブリを示す。
【0069】
図18Aは、アセンブリ2415を構成するルーズファイバー層2408と不織プロセス層要素2407及び2409を全て同時に予め作られたロール品ファブリック2410に堆積させた後、オーブン又は他の活性化工程2311によって結合させて得た単一の一体化複合体2410を示す。
【0070】
図18Bは、アセンブリ2425を構成するルーズファイバー層2420と不織プロセス層2418及び2421を全て同時に予め作られたロール品ファブリック2422に堆積させ、予め作られたロール品ファブリック2419の内部層を組込んだ後、オーブン又は他の活性化工程2311によって結合させて得た単一の一体化複合体2426を示す。
【0071】
図19は、例示的なエアレイド形成方法を示すが、エアレイドフォーマ2650によって要素2610、2612、2614、2616及び2618から成るルーズファイバーアセンブリのエアレイド形成を行い、アセンブリ全体をコルゲートロール2007によって波状形状に成形した後、オーブン2311又は他の活性化工程によって前記要素全てを結合させて波状形状を有する一体化複合体2620を得る様子を示す。このような成形方法は実行可能である一方で、波の振幅や波長又は波数を変更するのが望ましい場合にはコルゲートロールを変更する必要があり、その結果、製造効率が低下し、費用が増加する。
【0072】
図20は、例示的なエアレイド形成方法を示すが、エアレイドフォーマ2750によってルーズファイバー2712及び2716を堆積させると共に、直接プロセス不織要素2710、2714及び2718を堆積させ、コルゲートロール2007によって層アセンブリ全体を波状構造物に形成した後、オーブン又は活性化段階2311によって該要素を結合させて一体化複合体2720を得る様子を示す。
【0073】
図21は、他の例示的なエアレイド形成方法を示すが、ルーズファイバーから成る層2812及び2816と予め作られたロール品2810、2814及び2818からルーズアセンブリのエアレイド形成を行い、コルゲートロール2007によってアセンブリ全体を先ず波状形状に形成した後、オーブン又は活性化段階2311によって要素全てを互いに結合させて結合複合体2820を得る様子を示す。
【0074】
図22は、凹型表面を有するパターンロール2970と圧縮ロール2980を用いて要素のアセンブリ2966を波状構造物に成形し、三次元形状(コルゲートロールによって形成されるものと類似であってもよい)を形成する方法を示す。パターンロール2970は凹型形状の代わりに隆起形状を有していてもよく、また、吸引装置2071を設けてアセンブリ2920に付与するパターンを更に引き立たせてもよい。
【0075】
図23は、従来のプリーツ加工技法3030によってアセンブリを波状の比較的はっきりと折り畳まれた構造物に成形し、コルゲートロールによって形成可能な波状構造物とほぼ類似の三次元波状形状3020を形成する他の方法を示す。
【0076】
図24Aは、ティッシュペーパーの製造に用いるようなクレープ加工技法を用いて不規則な三次元隆起状構造物を製造するための他の方法を示す。加圧ロール3170を用いてアセンブリ3166をドライヤ3172に接着させる。クレーピングブレード3154によってウェブを三次元波状形状3160にした後、低速作動巻取りロール3155によってクレープアセンブリの三次元形状が維持される。
【0077】
図24B〜Cは、ファブリックアセンブリにz方向波状形状や柔軟さを付与するために製紙業や不織業で用いられるMicrex(登録商標)ミクロクレープ加工プロセスによって三次元隆起状構造物3198を得る他の方法を示す。一般に、Micrex(登録商標)ミクロクレープ加工や他の同様のプロセスは、二以上の移動面又は固定面(ロールやベルト等)間でのウェブの速度の違い(この場合、入ってくるファブリック3199が巻取りワインダ3155よりも高速で移動する)に依存し、活性化後にアセンブリの三次元形状が少なくとも一部維持される。
【0078】
図19〜24Cに記載のアセンブリを波状形状に成形するための公知技法においては、特に、非常に脆いアセンブリの場合や繊維間での凝集や絡み合いが少ない比較的短い繊維から成る軽量で低密度のアセンブリの場合、アセンブリに付与する所望の波状形状の振幅や波数又は波長を容易に変更する能力の点で制限される。更に、このようなプロセスによって所望の振幅や波数又は波長を操作する場合、このようなアセンブリの脆い物性によって制限を受けることがあり、望ましくない剛性の低下や引張強度の低下が生じることもある。更に、振幅や波数又は波長を変更するのに必要な機械の調整が複雑なことが多い。
【0079】
本発明の実施においては、通常平坦なロール品の製造に用いる短繊維エアレイドプロセス設備のアセンブリ移送デバイス(即ち、結合前に脆いルーズファイバーアセンブリを(無傷で)続くオーブンワイヤへ送るデバイス)の実証された利点を利用して上述のような制限を回避する。脆く比較的平坦なアセンブリや一体化複合体を製造するのに通常用いる代表的なソフトウェアや機械の条件から実質的に逸脱させることによって、非常に脆い短繊維アセンブリを崩壊させずに該アセンブリに隆起波状形状を付与しつつ、移送デバイスが該アセンブリを処理する能力を利用することができる。
【0080】
図25A〜Dは、DanWeb A/S(デンマーク、アールス)によって販売されているような引上げ移送(raised transport)ワイヤデバイスを用いた、活性化工程前にエアレイド層状アセンブリを成形するための本発明に係る好ましい一方法の実施を示す。移送デバイスは、吸引ボックス3264を用いて、オーブンワイヤ3259及び成形ワイヤ1006の両方と速度を密接に同期させた多孔性作動ワイヤベルト3210を介して真空を作用させるこよによって機能する。通常の操作における移送デバイスの機能は、脆いルーズファイバーアセンブリを形成部ワイヤから引上げた後、該アセンブリを(無傷で)続く活性化及び結合が生じるオーブンワイヤへ載せることである。
【0081】
移送デバイスを用いるエアレイ技法の通常の従来公知の操作においては、移送デバイスワイヤ3210をオーブンワイア3259の面上方へルーズファイバーアセンブリの厚さとほぼ等しい高さまでごくわずかに引上げ、移送ワイヤ及びオーブンワイヤの両方をほぼ同等の相対速度で移動させ、オーブンや他の活性化デバイスにおける活性化及び結合後、業界で通常行われているように比較的平坦な一体化複合ファブリックを製造する。
【0082】
本発明の一様相においては、必要に応じて移送デバイスワイヤ3210をオーブンワイヤ3259よりもz方向に実質的に高くまで引上げ、更にオーブンワイヤの速度を移送デバイスワイヤに対して実質的に低下させることによって、アセンブリ内の材料は繰り返し波状形状に積み重なる。この技法の更なる利点は、即座に且つ簡単に機械ソフトウェア設定を調整し、機械制御ソフトウェア設定を用いて移送高さ及び/又はオーブンワイヤ速度に対する移送デバイス速度を調整することによりアセンブリに所望の振幅や波数が付与されることである。
【0083】
図25Aは、層のルーズアセンブリ3216を堆積させて一体化複合体を形成する好ましい例示的な方法を示すが、この場合、オーブンワイヤ3259の面に対してz方向に引上げた移送ワイヤ3210を用いてアセンブリ全体を波状構造物3226とし、オーブンワイヤを移送ワイヤ3210よりも低速度で作動させて所望の振幅の三次元波状形状を要素のアセンブリに付与する。
【0084】
図25Bは、ルーズファイバーアセンブリを堆積させて一体化複合体を形成する例示的な方法を示すが、ここでは、図25Aの場合と比べてz方向への引上げが相対的に少ない移送ワイヤ3210を用い、アセンブリ全体を図25Aの構造物3226と比べて振幅の小さい波状構造物3236とする。
【0085】
図25Cは、ルーズファイバーアセンブリを堆積させて一体化複合体を形成する例示的な方法を示すが、この場合、移送ワイヤ3210よりは低速で移動しながら図25Aのオーブンワイヤ3259よりも高速で作動するオーブンワイヤ3259を用い、アセンブリ全体を図25Aの構造物3226と比べて波数の小さな波状構造物3240とする。
【0086】
図25Dは、ルーズファイバーアセンブリを堆積させて一体化複合体を形成する例示的な方法を示すが、この場合、図25Aのオーブンワイヤ3259よりも低速で移動するオーブンワイヤ3259を用い、アセンブリ全体を図25Aの構造物3226と比べて波数の大きな波状構造物3286とする。
【0087】
当業者であれば、移送デバイスの引上げ高さとオーブンワイヤに対する移送ワイヤの相対速度の両方を変化させることによって、波の形状全体と共に波状形状の振幅や波数を広い範囲に亘って調整することができ、厚さや坪量が大きく異なるアセンブリにもうまく対応させることが可能であることは理解できるであろう。一般に、商業生産においては、堆積デバイス(成形ヘッド)から供給される堆積アセンブリの量を最大限にして、如何なる所望のアセンブリ坪量においても生産量を最大限にすることが望ましい。
【0088】
更に、移送デバイスに一定速度及び一定量で供給されるアセンブリの質量が如何なる値であっても、オーブンワイヤに対する移送デバイスの速度が一定の場合、得られる波の振幅や波数又は波長は予測可能に関連付けられることは理解されるであろう。例えば、移送高さを増大させた場合、他に何ら変更がなくても、波の振幅は増大し、それに伴って波数は減少するであろう。同様に、移送高さを低減させた場合、得られる波の波数は移送デバイスに送られるアセンブリの量に応じて増大するであろう。従って、引上げ移送デバイス技法を用いる本発明の望ましい一様相は、オーブンワイヤに対する移送デバイスワイヤの高さを変えると共に、オーブンワイヤに対する移送デバイスワイヤの相対速度を独立して変えることによってアセンブリに付与される波の振幅及び波数(又は波長)の両方を所望の組合せに変更できることである。
【0089】
例えば、図25Aに示すように、移送デバイス3210に送られるアセンブリ3216が如何なる特定の一定量であっても、振幅が大きく且つ波数の大きな波状形状が望まれる場合には、移送デバイスワイヤ3210に対するオーブンワイヤ3259の速度を低下させて、活性化工程に送られるアセンブリを崩壊させずに大きな振幅と大きな波数の両方が得られるようアセンブリ材料を十分にする必要がある。同様に、振幅が小さく且つ波数の小さな波状形状が望まれる場合には、移送デバイスワイヤ3210に対するオーブンワイヤ3259の速度を増大させて、活性化工程に送られるアセンブリを崩壊させずに小さな振幅と小さな波数が得られるようアセンブリ材料を十分にする必要がある。
【0090】
本発明のある実施形態の他の特質は、非常に高坪量の一体化複合体が要求される際の特別な利点である。短繊維エアレイドプロセスの場合、成形ヘッドに繊維を移送するのに用いる空気から繊維を凝縮し堆積させるのに十分な真空度に依存しているため、通常の操作においては、非常に高坪量の複合体を製造する上での該プロセスの制限は製造効率において問題となる。より多くの繊維の堆積が要求された場合、最終的には有効な真空度が不十分になり、達成可能な総坪量が制限され、利用可能な全成形ヘッドの所望の高処理量が制限される。本発明においては、波成形プロセスによって、こうしたアセンブリから大量の空気を抜く必要がなく、坪量を非常に増大させることができると共に、必要に応じて一体化複合体の厚さを増大させることができるため、上述のような制限が克服される。従って、成形ヘッドを最適な処理量で稼動させながら最終坪量をより大きくすることができる。
【0091】
本発明の他の特質は、アセンブリに用いる処方を変更し、活性化アセンブリにおける各波間の結合度合いを変更することによって比較的伸張性の弾性及び非弾性の一体化複合体を製造することを意図している。本発明は、一体化複合体において多少の弾性を有し縦方向に伸張性のあるファブリックを必要に応じて製造する方法として、一体化複合体における各波が必要に応じて互いに結合する度合いの変更を意図している。当業者であれば、一体化複合体における各波が実質的に互いに結合していない場合、又はこのような波間の結合が活性化後に好適なプロセス(例えば、制御伸縮)によって切断できる場合には、活性化後、該波は張力を印加した際に容易に且つ実質的に伸張し得ることが理解できるであろう。こうして処理したファブリックは、張力を加えた際にはMD方向へ大幅に伸び、張力を取り去った際には元の状態に戻ることができる。
【0092】
図46は、表1のサンプル18に示す条件に従って形成した一体化複合体の顕微鏡写真を示す。縦方向においたサンプル18一体化複合体のストリップ(7cm×2.6cm)に対して0.85kgの張力を加え、結合した波を分離させた。次に、張力を加えて大幅に伸ばした後、張力を取り去って元の状態に戻す。図47は、こうして伸ばしたサンプルを示し、図48は、張力を取り去って元の状態に戻った後のサンプルを示す。
【0093】
図26Aは、活性化後に各波が互いに実質的に結合していないアセンブリ2602を示す。図26Bは、張力を一体化複合体2602に加えた際に得られる伸び2604、即ち一般的な弾性挙動を示す。
【0094】
図26Cは、活性化後に各波が互いに(2645)実質的に結合したアセンブリ2640を示す。
【0095】
図26Dは、図26Bの2604に示す弾性挙動と比べて、その時と同じ張力を加えた際の一体化複合体2646の非弾性挙動を示す。
【0096】
図26Eは、活性化後に波状一体化複合体2670の底部にフィルム2672、押出し物又は他のロール品を接着させたものを示すが、この場合、図26Bの2604に示す弾性挙動と比べて、その時と同じ張力を加えた際には、図26Fの2674に示す比較的非弾性的な挙動が得られる。フィルム、押出し物又はロール品を底面、上面又はこれらの面の両方に接着できることが意図されている。
【0097】
本発明の他の実施形態においては、成形波状アセンブリを活性化前又は活性化後に機械的プロセス(ハイドロエンタングリングやニードリング等)によって処理し、一体化複合体において独特の表面や構造、物性を有する新規な構造物を得ることが意図されている。
【0098】
本発明の他の実施形態においては、一体化複合体に粒子を添加することが意図されている。各層内、各層間又は成形アセンブリの上部に様々な粒子や他の材料を導入することは、ある用途における特別な利点としても意図されている。
【0099】
図27Aは、活性化前に成形アセンブリ3286の上部へ粒子3290を添加する一例を示すと共に、活性化後の一般的な粒子の位置3291を示す。当業者であれば、本発明の精神を逸脱することなく、様々な種類や形態の粒子を様々な組合せで添加できることを理解するであろう。実際、一体化複合体の各種層内部の多くの場所で粒子の配置を注意深く選択することは、粒子によって得られる機能性を有効利用する上での利益をもたらすものとして具体的に意図されている。また、機能性コーティング(例えば、エマルジョンポリマー等)を適用することもできる。
【0100】
当業者であれば、波状アセンブリ2802に粒子を均一に添加した場合、重力によって、また、粒子添加デバイス下方の吸引デバイスを必要に応じて使用することによって、図27Bに示すように粒子が波状形状の下部領域2804に集中する傾向にあることも理解するであろう。図45は例示的光学顕微鏡写真を示す。
【0101】
本発明の例示的実施形態を表1に記載するが、本発明の例示的実施に適したアセンブリ要素処方及び機械設定について説明する。例示的実施形態は、一般には図25A〜Dに示すように、アセンブリの活性化及び結合用の代表的なスルードライヤオーブンを用いると共に、該オーブンワイヤよりも比較的高速で作動し、その上流に設けられたz方向引上げ移送ワイヤデバイスを用いてルーズファイバーアセンブリのエアレイ堆積に関して非制限的になされる。
【0102】
本発明の実施形態を製造するために構成された、ルーズファイバーアセンブリを堆積させるための好適なエアレイド形成システムは、Marketing Technology Service社(米国、ミシガン州カラマズー)より一般利用が可能であり、このシステムを用い、表1に示す処方及び記載の機械設定に従って表1のサンプルを製造した。
【0103】
図30〜48は例示的構造物の側面を示す光学顕微鏡写真である(倍率:2×又は4×)が、表1に記載の実施例に従って本発明の様相について説明する。
【0104】
例示的実施形態で用いる熱可塑性バインダ繊維はエアレイド業界で市販されている代表的な二成分結合繊維であるが、本発明の実施に適した他の多くの繊維も利用可能である。Trevira T−255グレード(1.55デニール)はTrevira Gmbh(ドイツ、アウゲブルク(Augeburg))より購入可能である。合成繊維の長さは約6mmであったが、それよりも遥かに長い又は短い繊維を本発明の実施に選択してもよく、様々な種類の繊維を結合繊維として用いることができる。本発明の実施に有用な成分は親水性であっても、疎水性であっても、親水性材料と疎水性材料の組合せであってもよい。本発明で用いるのに適した繊維としては、様々なセルロース繊維(木材パルプや綿等)や修飾セルロース繊維(レーヨンやリヨセル等)、セルロースアセテート、麻、ジュート、亜麻、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、PLA、他の様々な合成品、鉱物(例えば、ガラス)、単独で又は他の非繊維物質と混合して利用可能な天然物質が挙げられる。また、これらの成分を様々な処方で混合して所望の特性を得ることもできる。
【0105】
表1には、組立ての際にエアレイド成形ヘッドに堆積させた繊維材料のg/m(gsm)、圧縮ロール条件、オーブンワイヤの面に対する引上げ移送ワイヤの高さ、及び移送ワイヤとオーブンワイヤの速度を示す。表1に記載の処方及び機械条件(引上げ移送高さや移送ワイヤとオーブンワイヤの相対速度を含む)は、一般に図25Aに示すようなエアレイド繊維堆積構成の教示に従う。表1に示す全実施例において、活性化工程に用いるオーブン温度は140℃に設定した。
【0106】
【表1】

【0107】
表2には、表1に記載の条件によって得た一体化複合体の最終坪量及び密度を示す。
【0108】
【表2】

【0109】
引張強度及び伸長性(データは表3)の評価に用いる試験装置は、紙や他のファブリックの引張強度を評価するのに通常用いられるThwing−Albert QC−1000引張試験機モデルである。T−Aロードセル(モデル:RSB−1)(容量:2000グラム)を用いる。試験の際には、先ずロードセルをゼロに設定し、移動サポートを7cm/分の速度で破断点まで又は最大20cmまで降下させて試験を開始する。試験時に測定した引張強度及び伸びを表3に記載する。
【0110】
表3には、MD方向とCD方向の両方における引張破壊強度(tensile breaking force)及び伸びの測定値を示すと共に、表1に記載の処方及び条件に従って得た例示的な低密度一体化複合体の最終坪量、最終厚さ及び最終総密度を示す。データに示すように、本発明に従う一体化複合体のMD伸びは、CD方向よりも縦方向において大きく、また、比較的小さくも非常に大きくもなり得る。
【0111】
【表3】

【0112】
表1に示す実施例によって本発明の一部の実施形態について記載、説明してきたが、本発明の特別な適応性によって多数の材料種から非常に多種多様の構造物が容易に得られるため、上述の実施形態はほんの一例に過ぎない。このような適応性によって、当業者であれば確実に、本発明の精神を逸脱することなく他の応用や改変、変更、置換が思い付くことであろう。
【0113】
本発明によって得られる用途や利益は様々な分野においても適用可能であり、例えば、紙や不織構築物、家庭消費用最終製品、吸収性媒体、建築材料や建設材料、ろ過媒体、自動車用途、ノイズ低減や断熱用ファブリック、傷みやすい物品(完熟果実等)の出荷用クッション材料、窓覆い等の装飾ファブリック、航空宇宙用途等に必要な低密度且つ高強度の構造複合体、成形用基材、特別包装、他の様々な製品ファブリックや半製品ファブリック及び複合体用途等が挙げられるが、これらに限定されない。実際、本発明において様々な高価又は安価な材料(リサイクル材料を含む)を用い、製造の際に更なる転化工程を行わずに比較的平坦な複合体やラミネートと比べて低密度の構造物を得ることができることは、本発明の利点として具体的に想定されている。
【0114】
上述の説明は好ましい実施形態のみの説明とする。当業者や本発明を利用する者であれば本発明の変形を思い付くであろう。従って、図示し上述した実施形態は単に説明目的のために過ぎず、特許法の原則(均等論を含む)に従って解釈される後述の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定しないことは理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料を製造するためのプロセスであって、一以上の層のアセンブリを波状形状に成形することと、該アセンブリを活性化し、該アセンブリ内の要素を該アセンブリ内の他の要素に結合させて一体化複合材料を得ることとを含むプロセス。
【請求項2】
前記アセンブリは一以上の層に堆積させたルーズファイバーを含み、前記一体化複合材料は活性化後に波状形状を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
エアレイプロセスを利用して前記一以上の層のアセンブリを得ることを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
成形及び活性化前に前記一以上の層を圧縮することを更に含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記一以上の層のアセンブリはその場で製造される不織層である少なくとも一層を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記その場で製造される不織層はスパンボンド、メルトブロー又はスパンメルトされる、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記一体化複合材料は活性化後に波状形状を有する、請求項5に記載のプロセス。
【請求項8】
前記一以上の層のアセンブリは一以上のルーズファイバー層を含むと共にロール品要素を組込んでおり、前記一体化複合材料は活性化後に波状形状を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ロール品はスパンボンド、メルトブロー、スパンメルト又は湿式成形されたウェブである、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記アセンブリは熱可塑性材料を含み、前記熱可塑性材料は活性化時に該アセンブリ内の他の材料と結合可能である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記一以上の層のアセンブリはルーズファイバーアセンブリであり、前記ルーズファイバーアセンブリは結合可能な材料を含んでいる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記結合可能な材料は感熱性結合繊維である、請求項10に記載のプロセス。
【請求項13】
移送ワイヤデバイスと成形オーブンワイヤから成る装置を用いて前記一以上の層のアセンブリを波状形状に成形することを更に含み、前記移送ワイヤデバイスは必要に応じて前記成形オーブンワイヤに対してz方向に引上げられ、前記成形オーブンワイヤは前記移送ワイヤデバイスよりも低速で移動する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
活性化した一体化複合体は、前記一以上の層のアセンブリの活性化前の波状形状をほぼ保持している、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
活性化後の一体化複合体を非伸長性ロール品材料にラミネートして非弾性にする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
活性化後の一体化複合体を波型アセンブリにラミネートして一以上の面を円滑にする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項17】
活性化前に一以上の平坦なロール品を波状アセンブリ上に積層した後、活性化及び結合を行って一以上の円滑面を有する一体化波状複合体を形成する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項18】
活性化後の一体化複合体を伸長させることによって加工して各波間の結合を切断し、該複合体を比較的弾性的且つ復元可能に伸び得るようにすることを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項19】
成形後且つ活性化前に前記一以上の層のアセンブリをハイドロエンタングルすることを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項20】
成形後且つ活性化前に前記一以上の層のアセンブリをニードルパンチすることを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項21】
活性化後に前記一以上の層のアセンブリをハイドロエンタングルすることを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項22】
活性化後に前記一以上の層のアセンブリをニードルパンチすることを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項23】
成形後且つ活性化前に前記波状形状に粒子を添加することを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項24】
成形後且つ活性化前に前記波状形状の上面に粒子を添加することを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項25】
前記粒子はポリオレフィン粒子である、請求項24に記載のファブリック。
【請求項26】
複合材料を製造するためのプロセスであって、一以上の層のアセンブリを波状形状に成形することと、該アセンブリを加熱し、該アセンブリ内の要素を該アセンブリ内の他の要素に結合させて一体化複合材料を得ることとを含むプロセス。
【請求項27】
加熱後のアセンブリを冷却することを更に含む、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
加熱した一体化複合体は、前記一以上の層のアセンブリの加熱前の波状形状をほぼ保持している、請求項26に記載のプロセス。
【請求項29】
複合体を製造するための装置であって、
材料を受け取り、運び、オーブンワイヤへ送るための基板と、
前記基板に材料を堆積させるための一以上のヘッドと、
材料を加工して一体化複合体を得るための活性化機械に材料を前記基板から運ぶためのオーブンワイヤとを含む装置において、前記基板の前記オーブンワイヤに隣接する部分が前記オーブンワイヤに対してz方向に引上げられている装置。
【請求項30】
前記オーブンワイヤは前記基板の前記引上げ部分よりも低速で移動する、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記基板の引上げ部分は移送ワイヤデバイスである、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記オーブンワイヤに対する前記移送ワイヤデバイスの速度、及び前記オーブンワイヤと前記移送ワイヤデバイスとの間のz方向距離によって、前記材料が前記オーブンワイヤ上にある時の該材料の形状が決まる、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記オーブンワイヤに対する前記移送ワイヤデバイスの速度は、前記オーブンワイヤと前記移送ワイヤデバイスとの間の前記z方向距離とは独立して変更することができる、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記オーブンワイヤと前記移送ワイヤデバイスとの間のz方向距離は、前記オーブンワイヤに対する前記移送ワイヤデバイスの前記速度とは独立して変更することができる、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
一以上の層の波型アセンブリは、対応する平坦なアセンブリの場合に達成し得る坪量よりも遥かに高い坪量で形成される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項36】
対応する平坦なアセンブリに比べて非常に厚く弾力性のある一体化複合体を得ることができる、請求項13に記載のプロセス。
【請求項37】
対応する平坦なアセンブリに比べて非常に低密度の一体化複合体を得ることができる、請求項13に記載のプロセス。
【請求項38】
前記移送デバイスは吸引ロールである、請求項30に記載の装置。
【請求項39】
活性化前の波型アセンブリの上部及び/又は底部にロール品材料又はその場で製造される平坦なアセンブリを積層する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項40】
その場で製造される不織層はスパンボンド、メルトブロー、スパンメルト又は湿式成形される、請求項7に記載のファブリック。
【請求項41】
ロール品要素はスパンボンド、メルトブロー、スパンメルト又は湿式成形される、請求項8に記載のファブリック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図26E】
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【図26F】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公表番号】特表2009−540147(P2009−540147A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515649(P2009−515649)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/071236
【国際公開番号】WO2007/147065
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(508366503)マーケティング テクノロジー サービス, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】