説明

樹状高分子及び樹状高分子の製造方法

【課題】構造や分子量が制御された樹状高分子を製造すること。
【解決手段】式
【化1】


[式中、R、R及びRは部分であり、m、n及びpは、それらが添えられている対象部分がそれぞれR、R及びRに対して結合している数であり、xは繰り返し数であり、x、m、n、及びpは1以上の整数であるが、m及びnが同時に1ではなく、E'−C'は官能基Eと官能基Cとが反応して形成された結合であり、D'−A'は官能基Dと官能基Aとが反応して形成された結合であり、B'−C'は官能基Bと官能基Cとが結合して形成された結合であり、官能基A、B、C、D及びEは下記条件を満たすものである:CはEと反応する;DはEともCとも反応しない;AはDと反応する;BはDともAとも反応しないがCと反応する。但し、A及びBはRと、C及びDはRと、EはRと原子を共有してよく、又R、R、A、B、C、D、m及びnは繰り返し毎に種類及び値が異なってよい。]で表される部分を有する樹状高分子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹状高分子に関し、特にポリウレタン構造をもつ樹状高分子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子は、分岐構造を導入すると、溶解性、熱特性、粘度、結晶性などが大きく変化する。多分岐構造の高分子である樹状高分子は、その枝分かれ構造に起因して、線状高分子とは異なる物理的及び化学的特性を示す。例えば樹状高分子は同程度の分子量を持つ線状高分子と比較して慣性半径が小さいために低粘度であり、種々の有機溶媒に対し高い溶解性を示す。また、樹状高分子は、分子量の増加に伴い末端官能基数が増加する。
【0003】
樹状高分子は、上述した理由から、線状高分子にはない優れた特性を引き出せる可能性があり、光機能性材料等の分野で近年注目を集めている。樹状高分子は、一般に、デンドリマーとハイパーブランチ高分子とに大別される。
【0004】
デンドリマーとは、中心から規則的に分岐した構造を持つ樹状高分子をいう。デンドリマーは、コアと呼ばれる中心分子と、デンドロンと呼ばれる側鎖部分から構成される。側鎖部分の分岐回数を世代と言い表す。高世代のデンドリマーは、大きな分子量をもつ高分子であるが、ほとんど単一分子量である。この点が、ある程度の分子量分布を持つ通常の高分子と異なっている。
【0005】
また、デンドリマーにおいて、コアはデンドロンによって覆われており、外界と遮断されている。そのため、特異な発光挙動や反応性を示すことが見出され、光機能性材料等の分野で近年注目を集めている。しかしながら、デンドリマーは他の高分子と比べて合成が極めて困難という問題を有している。従来の反応系では側基成分の自己縮合が抑制されず、副生成物が生じるためである。
【0006】
非特許文献1には化1に示すポリアミドアミン構造を持つデンドリマーの製造方法が記載されている。
【0007】
【化1】

【0008】
この方法は、まず、コアとしてのエチレンジアミンに対し、第1世代の側鎖としてアクリル酸メチルを過剰量反応させる。アクリル酸メチルの量を過剰にするのは、副生成物を生じさせないためである。その後、精製を行って過剰のアクリル酸メチルを除去して反応物を得る。
【0009】
次いで、この反応物に対し、第2世代の側鎖としてエチレンジアミンを過剰量反応させ、精製を行って過剰のエチレンジアミンを除去して反応物を得る。その後、上記の反応及び精製作業を繰り返してデンドリマーを構成してゆく。
【0010】
しかし、この方法では、側鎖成分を過剰量反応させるため、その後必ず精製工程が必要となり、合成に時間と労力を要する。
【0011】
非特許文献2には化2に示すポリエステル構造をもつデンドリマーの製造方法が記載されている。
【0012】
【化2】

【0013】
この方法は、まず、t−ブチルアルコールで保護された2つのカルボキシ基と1つの水酸基を分子内に有する化合物を第1世代の側鎖として、コアとしてのジカルボン酸に反応させる。カルボキシ基が保護されているのは、自己縮合を防止して副生成物を生じさせないためである。その後、脱保護及び精製を行って反応物を得る。
【0014】
次いで、この反応物に対し、第2世代の側鎖として、t−ブチルアルコールで保護された2つのカルボキシ基と1つの水酸基を分子内に有する化合物を反応させ、脱保護及び精製を行って反応物を得る。その後、上記の作業を繰り返してデンドリマーを構成してゆく。
【0015】
しかし、この方法では、脱保護及び精製の工程が必要となり、合成に時間と労力を要する。
【0016】
特許文献1には、ハイパーブランチ構造を有するポリウレタンアクリレート、及びその製造方法が記載されている。ハイパーブランチポリマーはA型のモノマーを自己縮合させて得られるポリマーであり、樹状構造を有する点でデンドリマーと共通する。また、自己縮合反応は1回の反応で行うことができ、生産性の点では有利である。しかし、自己縮合反応では生成するポリマーの構造や分子量を制御することが不可能であり、ハイパーブランチポリマーは幅広い構造分布や分子量分布を持ってしまう。
【非特許文献1】D.A. Tomaliaら、Polym. J., 17, 117 (1985)
【非特許文献2】Y. Hirayamaら、Org. Lett., 7, 525 (2005)
【特許文献1】特開2006−299022
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、簡単な操作によって構造や分子量が制御された樹状高分子を製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、式
【0019】
【化3】

【0020】
[式中、
、R及びRは、これらのうち少なくとも一つは分岐を有している部分であり、m、n及びpは、それらが添えられている対象部分がそれぞれR、R及びRに対して結合している数であり、xは繰り返し数であり、
x、m、n、及びpは1以上の整数であるが、m及びnが同時に1ではなく、
E'−C'は官能基Eと官能基Cとが反応して形成された結合であり、D'−A'は官能基Dと官能基Aとが反応して形成された結合であり、B'−C'は官能基Bと官能基Cとが結合して形成された結合であり、
官能基A、B、C、D及びEは下記条件を満たすものである:
CはEと反応する;
DはEともCとも反応しない;
AはDと反応する;
BはDともAとも反応しないがCと反応する。但し、A及びBはRと、C及びDはRと、EはRと原子を共有してよく、又R、R、A、B、C、D、m及びnは繰り返し毎に種類及び値が異なってよい。]
で表される部分を有する樹状高分子を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0021】
本願発明の一実施形態では、式(1)中、式
E'
で表される部分は、式
【0022】
【化4】

【0023】
[式中、
及びRは部分であり、m及びqは、それらが添えられている対象部分がそれぞれR及びRに対して結合している数であり、
m及びqは1以上の整数であり、
G'−A'は官能基Gと官能基Aとが反応して形成された結合であり、
官能基A、B及びGは下記条件を満たすものである:
Gは水酸基である;
Aは水酸基と反応する;
Bは水酸基ともAとも反応しないがCと反応する。但し、A及びBはRと、GはRと原子を共有してよく、又R、A、B及びmは式(1)と種類及び値が異なってよい。]
で表される構造である。
【0024】
また、本発明は、式

[式中、Rは部分であり、Eは官能基であり、pは1以上の整数である。但し、EはRと原子を共有してよい。]
で表される官能性化合物に対し、式
CR
[式中、Rは部分であり、CはEと反応する官能基であり、DはEともCとも反応しない官能基であり、nは1以上の整数である。但し、C及びDはRと原子を共有してよい。]
で表される化合物を、反応終了後にCRが残存しないような量反応させる工程;
得られた化合物に対し、式
AR
[式中、Rは部分であり、AはDと反応する官能基であり、BはDともAとも反応しないがCと反応する官能基であり、mは1以上の整数である。但し、A及びBはRと原子を共有してよい。]
で表される化合物(上記式中、R、R及びRは、これらのうち少なくとも一つは分岐を有し、m及びnが同時に1ではない。)を、反応終了後にARが残存しないような量反応させる工程;
を包含する、樹状高分子の製造方法を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0025】
上記x、m、n、p及びqは1以上の整数であるが、m及びnが同時に1ではない。好ましくはn及びmは1〜3のいずれかであるが、同時に1ではなく、pは1〜6のいずれかであり、qは1〜6のいずれかであり、xは1又は2である。これらの変数が同時に1であると、分岐構造が得られず、また左記それぞれの数よりも大きいと、分岐が多すぎて立体障害により合成の困難度が増してくる。
【0026】
本明細書において、「部分」とは化合物の全体骨格の一部をいい、例えば炭素原子から構成される有機部分又は無機原子および炭素原子から構成される部分などが含まれる。また、官能基は部分から分岐して結合している必要はなく、官能基に含まれる原子、例えば無機原子が同時に部分に含まれていてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の樹状高分子は低粘度であり、有機溶媒に対する溶解性が高く、官能基数が多いため、これを用いる樹脂組成物は低溶剤化、高濃度化される。
【0028】
本発明の方法では、側鎖成分の反応がほぼ化学量論的に行われる。そのため、合成の過程で反応物の精製を行わない。また、官能基の保護や脱保護も行わない。その結果、非常に簡便な操作によって、デンドリマーと同様に構造や分子量が制御された樹状高分子を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の樹状高分子は中心分子と側鎖部分から構成される。中心分子としては、式

[式中、R、E及びpは上記と同意義である。]
で表される官能性化合物を用いる。官能性化合物の官能基数は1個以上、好ましくは1〜6個である。官能性化合物の各官能基は反応性が実質的に同一であることが好ましい。官能基の種類は特に限定されないが、水酸基、ビニル基等が好ましい。
【0030】
官能性化合物の具体例には、C2n+1OH(ここでnは1以上の整数)で表されるアルキルモノアルコール類、フェノール、2−ナフトール等のフェノール類、1H,1H,5H−オクタフルオロペンタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノナノール等のフルオロアルキルアルコール類、(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコールエーテル類、(ポリ)エチレングリコールモノアセテート、(ポリ)プロピレングリコールモノアセテート等のグリコールモノアシル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−テトラデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA等のジオール類およびこれらジオール類を脱水縮合させて得られるジオール類、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコール類、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート類、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等のビニルエーテル類等が挙げられる。
【0031】
また、既知の手法で合成された水酸基末端およびビニル基末端の樹状高分子を中心分子に用いることも出来る。
【0032】
側鎖成分は少なくとも2種類の官能基を有するモノマーであり、自己縮合せず、一方の官能基は、官能性化合物の官能基と反応するが、他方の官能基と反応しないものである。
【0033】
例えば、官能性化合物に対して反応させる側鎖成分は、式
CR
[式中、R、C、D及びnは上記と同意義である。]
で表される化合物である。
【0034】
例えば、官能性化合物の官能基Eがビニル基である場合、Cはイミノ基、メルカプト基、SiHで表される官能基、もしくはRC(=O)CHR’C(=O)R”で表される官能基(ここで、RおよびR”は任意の原子団、R’は水素以外の任意の原子団)であり、Dは水酸基であり、nは1〜3である。この側鎖成分の具体例には、2−(メチルアミノ)エタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−(プロピルアミノ)エタノール、2−(t−ブチルアミノ)エタノール、4−ヒドロキシピペリジン、N−ベンジルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、1−(メチルアミノ)プロパンジオール、メルカプトエタノール、4−ヒドロキシチオフェノール、α−チオグリセロール、3,5−ジヒドロキシチオフェノールなどが挙げられる。
【0035】
また上記側鎖成分は、アミノ基を有する化合物とエポキシ環を有する化合物もしくはオキセタン環を有する化合物、もしくは(メタ)アクリレートとの付加反応によって合成することも出来る。アミノ基を有する化合物の具体例としては、C2n+1NH(ここでnは1以上の整数)であらわされるアルキルアミン類、アニリン、ベンジルアミン、2−アミノナフタレン、1−ナフチルメチルアミン等の芳香族アミン類、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−1−ブタノール、3−アミノ−1−ヘキサノール、3−アミノ−1,3−プロパンジオール、セリノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、3−アミノフェノール、4−アミノフェニルエチルアルコール等のアミノアルコール類、アミノフェノール類などが挙げられる。
【0036】
また、エポキシ環を有する化合物としては、グリシドール、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルなどのアルキルグリシジルエーテル類、ポリアルキレングリコールモノグリシジルエーテル、シクロヘキセンオキシド、直鎖アルキレンオキシド、スチレンオキシド、オクタフルオロペンチルグリシジルエーテルなどのフルオロアルキルグリシジルエーテル類などが挙げられる。また、オキセタン環を有する化合物としては、フェニルオキセタン、アルキルオキセタン、オキセタンアルコール等が挙げられる。また(メタ)アクリレートとしては、官能性化合物の具体例として示されたモノ(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドトキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0037】
官能性化合物と側鎖成分との反応はほぼ化学量論的に行う。好ましくは、反応終了後に側鎖成分が残存しないように行う。つまり、側鎖成分は、その官能基数が官能性化合物の官能基数に対して過剰にならないような量反応させる。具体的には、反応に供される側鎖成分の官能基と官能性化合物の官能基とのモル比は0.90/1〜1/1、好ましくは0.95/1〜1/1の範囲になるようにする。このモル比が0.9/1以下であると得られる樹状高分子の分子量分布が大きくなり、1/1を超えると反応終了後も側鎖成分が系中に残存し、純度が低下したり、次段階の側鎖成長反応の際にゲル化を起こしたりしやすくなる。側鎖成分の反応すべき官能基が全て消費されるように、成分の価数及び分子量および純度から理論的に導き出せる量比もしくは、実測により導き出せる量比をもとに添加量を決定する。
【0038】
反応は、当該官能基の反応を進行させる際に、通常用いる条件で行えばよい。例えば、所定量の官能性化合物及び側鎖成分を溶液に溶解し、攪拌下40〜160℃に加熱して反応させる。このように、反応後に側鎖が残存しない条件で行うことによって、合成の過程で反応物の精製を行う必要がなくなる。また、官能基の保護や脱保護の必要もなくなる。その結果、構造の制御された樹状高分子を簡易に合成することができる。
【0039】
次いで、得られた化合物に対し、側鎖成分として、式
AR
[式中、R、A、B及びmは上記と同意義である。]
で表される化合物を、反応終了後にARが残存しない量反応させる。
【0040】
例えば、Aはイソシアナート基、イソチオシアナート基、カルボジイミド基であり、Bはビニル基である。mの値は1以上であればよいが、nとの関係で変化する。つまり、m又はnのいずれかが2以上であればよい。好ましくは、mは1〜3のいずれかである。この側鎖成分の具体例には、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナート、などが挙げられる。
【0041】
また、AR型の化合物はジイソシアナート化合物と、分子内にビニル基および水酸基を有する化合物から合成することが出来る。ジイソシアナート化合物の具体例としては、イソホロンジイソシアナート、トルエン−2,4−ジイソシアナート、トルエン−4,6−ジイソシアナートなどが挙げられる。また分子内にビニル基および水酸基を有する化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドトキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられる。
【0042】
更に樹状高分子を分岐させる場合は、得られた化合物に対し、側鎖成分として、式
CR
[式中、R、C、D及びnは上記と同意義である。]
を、反応終了後にCRが残存しない量反応させても良い。尚、このCRは前段階で用いたCRと同一化合物でも異なる化合物でもよい。
【0043】
更に樹状高分子を分岐させる場合は、得られた化合物に対し、側鎖成分として、式
AR
[式中、R、A、B及びmは上記と同意義である。]
を、反応終了後にARが残存しない量反応させても良い。尚、このARは前段階で用いたARと同一化合物でも異なる化合物でもよい。その後、更に、CR及びARを交互に反応させて樹状高分子の分岐数を上げても良い。樹状高分子の末端官能基はBであってもDであってもよい。
【0044】
その後、要すれば、末端官能基を所望のものに変換する。官能基の変換は、得られた化合物(樹状高分子)に対し、式
JR
[式中、Rは部分であり、J及びLは官能基であり、rは1以上の整数である。]
で表される化合物を反応させて行う。この場合は、樹状高分子の末端官能基を有する部分はLになる。
【0045】
得られた化合物の官能基変換前の末端官能基がDである場合は、上記式中JはDと反応する官能基であり、Lは所望の官能基であってJともDとも反応しない官能基である。
【0046】
例えば、Jはイソシアナート基、イソチオシアナート基、カルボジイミド基、又は酸無水物基であり、Lは飽和アルキル基、置換または無置換フェニル基、置換または無置換ナフチル基、アルキレングリコールモノアルキルエーテル残基、カルボキシル基、ビニル基又はグリシジル基であり、rは1以上の整数である。化合物JRの具体例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナート、フェニルイソシアナート、ベンジルイソシアナート、n−ブチルイソシアナート、シクロヘキシルイソシアナート、ベンジルイソチオシアナート、ジシクロヘキシルカルボジイミド、無水トリメリット酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、などが挙げられる。
【0047】
またJRで表される化合物はジイソシアナート化合物と水酸基を有する化合物を反応させて合成することが出来る。ジイソシアナート化合物の具体例としては、AR型の化合物の合成原料として示されたものを使用できる。また、水酸基を有する化合物の具体例としては、官能性化合物の具体例として示されたモノアルコール類、AR型の化合物の合成原料として示されたビニル基を有するモノアルコール類、グリシドール、グリセリンジグリシジルエーテル、オキセタンアルコール等が挙げられる。
【0048】
得られた化合物の官能基変換前の末端官能基がBである場合は、上記式中JはBと反応する官能基であり、Lは所望の官能基であってJともBとも反応しない官能基である。
【0049】
例えば、Jはイミノ基、メルカプト基、SiHで表される官能基、もしくはRC(=O)CHR’C(=O)R”で表される官能基(ここで、RおよびR”は任意の原子団、R’は水素以外の任意の原子団)であり、Lはアリル基、水酸基、飽和アルキル基、置換または無置換フェニル基、置換または無置換ナフチル基、アルキレングリコールモノアルキルエーテル残基、カルボキシル基、ビニル基又はグリシジル基であり、rは1である。化合物JRの具体例としては、ジアリルアミン及びジエタノールアミン、飽和アルキルメルカプタン、置換および無置換チオフェノール、チオリンゴ酸、ビス(メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0050】
また、Jとしてイミノ基を有する化合物は、CR型の化合物を合成する際と同様に、アミノ基を有する化合物とエポキシ環を有する化合物、オキセタン環を有する化合物もしくは(メタ)アクリレートの付加反応によって合成することも出来る。
【0051】
得られた化合物と化合物JRとの反応の量比および条件に特に制限はないが、反応終了後にXRが残存しないような量比及び条件で行えば、合成の過程で反応物の精製を行う必要がなくなる。また、官能基の保護や脱保護の必要もなくなる。その結果、樹状高分子の合成操作が非常に簡略化される。
【0052】
本発明の樹状高分子の合成に用いる官能性化合物は、式

[式中、R、G及びqは上記と同意義である。]
で表されるアルコールに対し、

AR
[式中、R、A、B及びmは上記と同意義である。]
を、反応終了後にARが残存しないような量反応させて得たものであってもよい。
【0053】
アルコールは、例えば、官能性化合物として例示したアルキルモノアルコール類、フルオロアルキルアルコール類、グリコールエーテル類、グリコールモノアシル類、ジオール類、多価アルコール類が用いられる。アルコールの代わりに上記フェノール類を用いてもよい。特に好ましいアルコールはトリメチロールプロパンのような多価アルコールである。
【0054】
その後、この官能性化合物に対し、上述の方法に従って、CR及びARを順次反応させて樹状高分子が得られる。反応溶媒としては、前記樹状高分子およびその構成モノマーを溶解し、反応温度以上の沸点を有し、かつ前記A、B、C、Dと反応する官能基を持たないものであれば公知のものを自由に使用することが出来る。
【0055】
また、前記A、B、C、Dと反応する官能基を持つ溶媒を用いたい場合には、反応終了後に添加したり、溶媒置換をしたりすることで使用が可能になる。但しこの場合にも末端官能基と反応する官能基を持つ溶媒は用いることが出来ない。
【0056】
樹状高分子の水分散溶液を得たい場合には、反応終了後に添加することが可能である。この際、樹状高分子中のアミノ基やカルボキシル基の一部または全部を中和することにより水への溶解性が高まる。樹脂中にアミノ基を有する場合には、塩酸や酢酸、乳酸、過塩素酸などのプロトン酸類、カルボキシル基を有する場合には、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、カリウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド等の塩基類を使用することが出来る。
【実施例】
【0057】
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0058】
実施例1
乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器にトリメチロールプロパン0.479部、アセトニトリル1.27部およびジブチルスズジラウレート0.0304部を仕込み、乾燥空気を導入しながら攪拌し、60℃を保持した。系が均一になった後、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート2.56部を添加し、60℃を保持したまま、IRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで4時間攪拌した。その後、ジエタノールアミン2.14部を添加し、60℃を保持したまま、H−NMR測定でビニル基の残存量が計算値に達するまで1時間攪拌した。
【0059】
続いて、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート9.73部およびアセトニトリル5.09部を添加し、60℃を保持したままIRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで2時間攪拌した。その後、ジエタノールアミン8.12部およびアセトニトリル8.96部を添加し、60℃を保持したまま、H−NMR測定でビニル基の残存量が計算値に達するまで1時間攪拌した。続いて、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート37.0部、アセトニトリル24.6部、および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.0600部を添加し、60℃を保持したままIRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで2時間攪拌した。系を室温まで冷却し、固形分濃度60%の樹状高分子溶液を得た。反応が化学量論的に進行したと仮定すれば、この樹状高分子の構造の一例として化5を示すことができる。
【0060】
【化5】

【0061】
生成物の分子量をゲルパーミションクロマトグラフィーで測定したところ、1つだけのピークが観測され、Mn=8547、Mw=11411、Mw/Mn=1.3(ポリスチレン換算)であった。また生成物のH−NMRの化学シフトは以下の通りであった。(溶媒:重クロロホルム,400MHz)0.80〜0.91(br,3H,a),1.32〜1.50(m,180H,b,e,l,s),2.40〜2.55(br,49H,g,n),2.63〜2.78(br,100H,i,p),2.83〜2.93(br,52H,h,o),3.88〜3.95(br,7H,c),3.98〜4.13(br,92H,j,q),4.13〜4.43(m,228H,f,m,t),5.32〜5.78(br,51H,d,k,r),5.87(d,J=8Hz,89H,v),6.13(dd,J=8Hz,16Hz,87H,u),6.42(d,J=16Hz,87H,v)。なお、ここで帰属された各プロトンは化6に示すとおりである。この結果からコアのメチル基と末端のアクリロイル基のモル比を算出したところ1:87(計算値1:87)であった。
【0062】
【化6】

【0063】
実施例2
乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器に実施例1で合成したアクリロイル基末端の樹状高分子溶液66.7部、ジオキサン13.3部およびジアリルアミン20.0g部を仕込み、乾燥空気を導入しながら60℃を保持し、H−NMR測定でビニル基の残存量が計算値に達するまで1時間攪拌した後、系を室温まで冷却することで、固形分濃度60%の樹状高分子溶液を得た。また生成物の分子量をゲルパーミションクロマトグラフィーで測定したところ、1つだけのピークが観測され、Mn=10356、Mw=14506、Mw/Mn=1.4(ポリスチレン換算)であった。また生成物のH−NMR測定により、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート由来のメチル基と末端のアリル基の比を算出したところ1:0.95(計算値1:0.97)であった。
【0064】
実施例3
攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器にオクタフルオロペンチルグリシジルエーテル48.5部、およびモノエタノールアミン51.5部を仕込み、60℃を保持し、滴定によりエポキシ基濃度がゼロになるまで1時間攪拌した。反応物を室温まで冷却し、イオン交換水100部を添加した後、ジエチルエーテルで抽出し、乾燥・濃縮することで、分子内にフルオロアルキル基、水酸基および2級アミノ基を有する化合物を得た。収率は59%であった。
【0065】
次に、乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器にトリメチロールプロパン1.69部、アセトニトリル4.48部およびジブチルスズジラウレート0.107部を仕込み、乾燥空気を導入しながら60℃を保持した。系が均一になった後、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート9.02部を添加し、60℃を保持したまま、IRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで4時間攪拌した。その後、前記フルオロアルキル基を有するアミノアルコール化合物25.0部およびアセトニトリル10.7部を添加し、60℃を保持したまま、H−NMR測定でビニル基の残存量が計算値に達するまで4時間攪拌した。続いて、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート34.3部およびアセトニトリル14.7部を添加し、60℃を保持したままIRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで5時間攪拌した。系を室温まで冷却し、固形分濃度70%の樹状高分子溶液を得た。
【0066】
また生成物の分子量をゲルパーミションクロマトグラフィーで測定したところ、1つだけのピークが観測され、Mn=3347、Mw=4527、Mw/Mn=1.4(ポリスチレン換算)であった。また生成物のH−NMR測定により、コアのメチル基と末端のアクリロイル基の比を算出したところ1:26(計算値1:23)であった。
【0067】
実施例4
乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5.22部、ジオキサン4.74部、α−チオグリセロール5.86部およびカリウムメトキシド0.0111部を仕込み、乾燥空気を導入しながら60℃を保持し、H−NMR測定でビニル基が観測されなくなるまで1時間攪拌した。続いて、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート25.9部、ジオキサン17.2部およびジブチルスズジラウレート0.0740部を添加し、60℃を保持したままIRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで7時間攪拌した。その後、ジオキサン17.9部、α−チオグリセロール23.0部およびカリウムメトキシド0.0600部を仕込み、60℃を保持したまま、H−NMR測定でビニル基の残存量が計算値に達するまで1時間攪拌した。系を室温まで冷却し、固形分濃度60%の樹状高分子溶液を得た。
【0068】
また生成物の分子量をゲルパーミションクロマトグラフィーで測定したところ、1つだけのピークが観測され、Mn=8066、Mw=10143、Mw/Mn=1.3(ポリスチレン換算)であった。また生成物の固形分水酸基濃度を以下に示す手法により測定したところ、6.7mmol/g(計算値7.1mmol/g)であった。
【0069】
水酸基濃度の測定方法
(1)無水酢酸25.0gを100mlメスフラスコに入れ、ピリジンで100mlに希釈することでアセチル化試薬を調整する。
(2)攪拌子を入れた100mlすりつきフラスコに試料を量り取り、上記アセチル化試薬5mlをホールピペットで添加する。これを95℃で1時間加熱する。
(3)室温まで冷却した後、イオン交換水1mlを加えて5分攪拌する。更に95℃で10分攪拌する。
(4)室温まで冷却した後、エタノール5mlでフラスコ壁面を洗浄する。
(5)0.5N水酸化カリウム水溶液で滴定する。
(6)上記操作を試料を入れずに行う。(ブランク測定)
(7)下式に基づき、水酸基濃度を計算する。
【0070】
[数1]
水酸基濃度(mmol/g)=(y−x)×f×0.5/S+D
[式中、xは(5)における滴定量(ml)であり、
yは(6)における滴定量(ml)であり、
fは0.5N水酸化カリウムのファクターであり、
Sはサンプリング量(固形分g)であり、
Dはサンプルの固形分酸濃度(mmol/g)である。]
【0071】
実施例5
乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器に実施例4で合成した水酸基末端の樹状高分子溶液23.3部、ジオキサン53.9部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.0271部および2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート13.2部を仕込み、乾燥空気を導入しながら40℃を保持し、IRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで6時間攪拌した。その後、ジエタノールアミン9.62部を添加し、60℃を保持しながらH−NMR測定でビニル基の残存量が計算値に達するまで1時間攪拌した後、系を冷却することで、固形分濃度36.7%の樹状高分子溶液を得た。
【0072】
また生成物の分子量をゲルパーミションクロマトグラフィーで測定したところ、1つだけのピークが観測され、Mn=8888、Mw=15661、Mw/Mn=1.8(ポリスチレン換算)であった。また生成物の固形分水酸基濃度を実施例4に示す手法により測定したところ、4.9mmol/g(計算値5.0mmol/g)であった。
【0073】
実施例6
乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器に実施例4で合成した水酸基末端の樹状高分子溶液45.6部、ジオキサン30.2部、無水トリメリット酸20.2部を仕込み、乾燥空気を導入しながら60℃を保持し、滴定による分析で系中の酸濃度が一定になるまで4時間攪拌した。系を冷却し、固形分濃度50%の樹状高分子溶液を得た。滴定により測定した生成物の固形分酸濃度は4.0mmol/g(計算値4.2mmol/g)、固形分水酸基濃度は1.7mmol/g(計算値2.1mmol/g)であった。
【0074】
実施例7
乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、冷却管および滴下漏斗を備え付けた反応容器中に、イソホロンジイソシアナート56.5部、ジオキサン14.1部およびジブチルスズジラウレート0.0565部を仕込み、乾燥空気を導入しながら40℃を保持し、ここにエチレングリコールモノビニルエーテル23.5部とジオキサン5.87部の混合溶液を30分かけて滴下し、滴下後4時間攪拌することでビニルオキシ基含有プレポリマー溶液を得た。次いで乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器に実施例4で合成した水酸基末端の樹状高分子溶液23.9部、ジオキサン56.5部および前記ビニルオキシ基含有プレポリマー溶液19.6部を仕込み、乾燥空気を導入しながら40℃を保持し、IRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで3時間攪拌した。系を冷却し、固形分濃度30%の樹状高分子溶液を得た。
【0075】
生成物の分子量をゲルパーミションクロマトグラフィーで測定したところ、1つだけのピークが観測され、Mn=6415、Mw=14112、Mw/Mn=2.2(ポリスチレン換算)であった。また生成物のH−NMR測定により、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート由来のメチル基と末端のビニルオキシ基の比を算出したところ1:2(計算値1:2)であった。また生成物の固形分水酸基濃度を実施例4に示す手法により測定したところ、0.8mmol/g(計算値1.7mmol/g)であった。
【0076】
実施例8
攪拌機、温度調節器、冷却管および滴下漏斗を備え付けた反応容器中に、イソホロンジイソシアナート59.3部、ジオキサン14.7部およびジブチルスズジラウレート0.0593部を仕込み、40℃を保持し、ここにグリシドール20.7部とジオキサン5.17部の混合溶液を30分かけて滴下し、滴下後1時間攪拌することでグリシジル基含有プレポリマー溶液を得た。次いで窒素導入管、攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器に実施例4で合成した水酸基末端の樹状高分子溶液16.2部、ジオキサン58.4部および前記グリシジル基含有プレポリマー溶液25.3部を仕込み、窒素を導入しながら40℃を保持し、IRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで3時間攪拌した。系を冷却し、固形分濃度30%の樹状高分子溶液を得た。
【0077】
また生成物の分子量をゲルパーミションクロマトグラフィーで測定したところ、1つだけのピークが観測され、Mn=10208、Mw=22458、Mw/Mn=2.2(ポリスチレン換算)であった。また生成物の固形分グリシジル基濃度を滴定により測定したところ、2.1mmol/g(計算値2.3mmol/g)であった。
【0078】
実施例9
乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、冷却管および滴下漏斗を備え付けた反応容器中に、イソホロンジイソシアナート50.5部、ジオキサン12.5部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.0400部およびジブチルスズジラウレート0.0505部を仕込み、40℃を保持し、ここに2−ヒドロキシエチルメタクリレート31.0部とジオキサン7.75部の混合溶液を30分かけて滴下し、滴下後1時間攪拌することでメタクリロイル基含有プレポリマー溶液を得た。次いで乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.64部、ジオキサン1.49部、α−チオグリセロール1.84部およびナトリウムメトキシド0.00348部を仕込み、乾燥空気を導入しながら60℃を保持し、H−NMR測定でビニル基が観測されなくなるまで1時間攪拌した。
【0079】
続いて、前記メタクリロイル基含有プレポリマー溶液14.2部、ジオキサン10.5部およびジブチルスズジラウレート0.0446部を添加し、60℃を保持したままIRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで2時間攪拌した。その後、ジオキサン12.7部、α−チオグリセロール3.50部およびナトリウムメトキシド0.0184部を仕込み、60℃を保持したまま、H−NMR測定でビニル基の残存量が計算値に達するまで3時間攪拌した。次いで、前記メタクリロイル基含有プレポリマー溶液27.0部およびジオキサン27.0部を添加し、60℃を保持したままIRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで2時間攪拌した。系を冷却し、固形分濃度40%の樹状高分子溶液を得た。
【0080】
生成物の分子量をゲルパーミションクロマトグラフィーで測定したところ、1つだけのピークが観測され、Mn=8267、Mw=15707、Mw/Mn=1.9(ポリスチレン換算)であった。また生成物のH−NMR測定により、分子中のスルフィド基と末端のメタクリロイル基のモル比を算出したところ1:1.5(計算値1:1.8)であった。
【0081】
実施例10
乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器に1,2−テトラデカンジオール3.54部、ジオキサン4.66部およびジブチルスズジラウレート0.0109部を仕込み、乾燥空気を導入しながら攪拌し、60℃を保持した。系が均一になった後、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート7.36部を添加し、60℃を保持したまま、IRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで2時間攪拌した。その後、ジオキサン6.92部、α−チオグリセロール6.52部およびナトリウムメトキシド0.0174部を加え、60℃を保持したまま、H−NMR測定でビニル基の残存量が計算値に達するまで1時間攪拌した。
【0082】
次いで、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート28.3部、ジオキサン18.8部およびジブチルスズジラウレート0.0457部添加し、60℃を保持したまま、IRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで1時間攪拌した。その後、ジエタノールアミン24.3部およびジオキサン16.2部を添加し、60℃を保持したまま、H−NMR測定でビニル基の残存量が計算値に達するまで3時間攪拌した。系を室温に冷却し、固形分濃度60%の樹状高分子溶液を得た。
【0083】
生成物の分子量をゲルパーミションクロマトグラフィーで測定したところ、1つだけのピークが観測され、Mn=2942、Mw=5312、Mw/Mn=1.8(ポリスチレン換算)であった。また生成物の固形分水酸基濃度を実施例4に示す手法により測定したところ、7.1mmol/gであった(計算値6.6mmol/g)。
【0084】
実施例11
乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、および冷却管を備えた反応容器にシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル1.36部、ジオキサン1.23部およびα−チオグリセロール1.50部を仕込み、乾燥空気を導入しながら60℃を保持し、H−NMR測定でビニル基が観測されなくなるまで3時間攪拌した。続いて、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート6.32部、ジオキサン2.69部およびジブチルスズジラウレート0.0184部を添加し、60℃を保持したままIRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで1時間攪拌した。
【0085】
その後、ジオキサン2.43部およびジエタノールアミン5.66部を添加し、60℃を保持したまま、H−NMR測定でビニル基の残存量が計算値に達するまで1時間攪拌した。続いて、1,1−ビス(アクリロキシメチル)エチルイソシアナート24.3部およびジオキサン19.7部を添加し、60℃を保持したままIRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで2時間攪拌した。その後、ジエタノールアミン20.9部およびジオキサン13.9部を添加し、60℃を保持したまま、H−NMR測定でビニル基の残存量が計算値に達するまで1時間攪拌した。系を室温まで冷却し、固形分濃度60%の樹状高分子溶液を得た。
【0086】
生成物の分子量をゲルパーミションクロマトグラフィーで測定したところ、1つだけのピークが観測され、Mn=4497、Mw=8095、Mw/Mn=1.8(ポリスチレン換算)であった。また生成物の固形分水酸基濃度を実施例4に示す手法により測定したところ、5.7mmol/gであった(計算値6.6mmol/g)。
【0087】
次いで、前記樹状高分子溶液41.7部を攪拌機を備え付けた容器に仕込み、攪拌を行いながら、酢酸4.98部を添加し、更にイオン交換水53.3部を徐々に添加することで、固形分濃度30%の樹状高分子の水分散溶液を得た。
【0088】
比較例1
乾燥空気導入管、攪拌機、温度調節器、冷却管を備え付けた反応容器中に、ヒドロキシエチルアクリレート0.690部、ポリエチレングリコール(分子量400)34.4部、ヘキサメチレンジイソシアナート15.0部、アセトニトリル49.8部およびジブチルスズジラウレート0.250部を仕込み、60℃を保持したままIRスペクトルでイソシアナート基に由来する吸収(2260cm−1)が観測されなくなるまで2時間攪拌した。系を室温まで冷却し、固形分濃度50%の直鎖ポリウレタン樹脂溶液を得た。生成物の分子量をゲルパーミションクロマトグラフィーで測定したところ、1つだけのピークが観測され、Mn=6615、Mw=47804、Mw/Mn=7.2(ポリスチレン換算)であった。
【0089】
実施例12
実施例1で合成した樹状高分子樹脂溶液95.7部、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン1.72部およびアセトニトリル2.56部を混合し、固形分が溶解するまで攪拌することで、光重合性塗料組成物を得た。
続いて、この塗料組成物をガラス試験板上にバーコーターを用いて塗布し、室温で10分静置した後、60℃で10分乾燥した。1kW超高圧水銀灯を用いて、試験板上の塗膜に指で触っても指紋がつかなくなるまで紫外線照射を行った。指紋がつかなくなるまでに要した照射量(以下感度という)は40mJ/cmであった。また、硬化後の塗膜の鉛筆硬度を測定したところ、4Hであった。なお、試験板の位置における紫外線強度をオーク製紫外線照度計UV−M03A(365nm用ディテクター使用)を用いて測定したところ12mW/cmであった。また試験に際し、試験板と光源の間には熱線吸収フィルターを設置した。
【0090】
比較例2
ペンタエリスリトールトリアクリレートとヘキサメチレンジイソシアナートからなるウレタンプレポリマー(共栄社化学製UA−306H)17.5部、ペンタエリスリトールトリアクリレート40.8部、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン1.75部およびアセトニトリル40.0部を添加し、固形分が溶解するまで攪拌することで、光重合性塗料組成物を得た。この塗料組成物について、実施例12と同様に評価を行ったところ、感度は200mJ/cm、鉛筆硬度は3Hであった。
【0091】
実施例13
光源として、紫外線LED照射装置(朝日分光製POT−365:発光波長350nm〜390nm、中心波長365nm)を用いる以外は実施例12と同様の評価を行った。感度は300mJ/cmであった。なお試験板の位置における紫外線照度は実施例12と同じ値とした。
【0092】
比較例3
塗料として比較例2で調整したものを用い、光源として、実施例13の紫外線LEDを用いる以外は実施例12と同様の評価を行った。5000mJ/cm以上の紫外線を照射しても表面に粘性が残り、感度を評価することは出来なかった。
【0093】
実施例14
実施例12で調整した光重合性塗料組成物30.0部と、比較例2で調整した光重合性塗料組成物70.0部を混合し、光重合性塗料組成物を得た。この塗料組成物について、実施例13と同様の評価を行ったところ。感度は500mJ/cmであった。
【0094】
実施例15
実施例1で合成した樹状高分子樹脂溶液99.1部およびビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム0.297部を混合し、固形分が溶解するまで攪拌することで、光重合性塗料組成物を得た。
【0095】
続いて、この塗料組成物をガラス試験板上にバーコーターを用いて塗布し、室温で10分静置した後、60℃で10分乾燥した。300Wキセノン光源(紫外線カットタイプ:朝日分光製MAX−301)を用いて、試験板上の塗膜に指で触っても指紋がつかなくなるまで可視光照射を行った。感度は100mJ/cmであった。なお、試験板の位置における可視光線照度(395nm−445nm)をEIT製照度計UV Power Puckを用いて測定したところ22mW/cmであった。
【0096】
実施例16
実施例1で合成した樹状高分子樹脂溶液にアセトニトリルを添加して固形分濃度50に調整した。この溶液の粘度を、Reology製レオメーターMR−300を用いて測定した。25℃・50rpmにおける粘度は0.806dPa・s、5rpmにおける粘度は0.158dPa・sであった。これらの値から算出したTI値は5.11であった。
【0097】
比較例4
比較例1で合成した直鎖高分子樹脂溶液を用いて、実施例16と同様の評価を行った。50rpmにおける粘度は151dPa・s、5rpmにおける粘度は134dPa・sであった。これらの値から算出したTI値は1.13であった。
【0098】
実施例17
蓋つきガラス容器にイオン交換水50.0部、n−ヘキサン50.0部および実施例10で合成した樹状高分子樹脂溶液1.67部を量り取り、蓋で密閉した状態で容器を振り混ぜた。溶液は白濁した状態を1時間以上保った。
【0099】
比較例5
実施例1で合成した樹状高分子樹脂溶液1.67部を用いる以外は、実施例17と同様の評価を行った。振り混ぜることにより溶液は白濁したが、1分程度で再び2相に分離した。
【0100】
比較例6
比較例1で合成した直鎖高分子樹脂溶液2.00部を用いる以外は、実施例17と同様の評価を行った。振り混ぜることにより溶液は白濁したが、1分程度で再び2相に分離した。
【産業上の利用可能性】
【0101】
樹状高分子は同程度の分子量を持つ線状高分子と比較して末端官能基数が多く、また分子量を大きくしても、官能基あたりの分子量が増加しない。そのため、塗料などの薄膜形成材、接着剤、プラスチック、レジスト、インキ、印刷版材、光造形用材料、ホログラム記録材料における樹脂や硬化剤として利用して、硬化速度を向上させたり、収縮を緩和したり、基材への密着性を向上させたり、硬度などの膜物性を向上させたりするなどの特徴・機能を付与することが可能である。また特に光硬化性材料に利用した場合、その硬化速度の向上により、光硬化塗料の欠点である酸素による硬化阻害を防ぐことが可能である。そのため300nm以下の光を発しない近紫外や可視部の光源を用いた、人体に安全で、省スペース、省エネルギーの塗装環境の実現が可能になる。
【0102】
また、本発明の樹状高分子は高い構造粘性を持つため、上記用途における粘性制御剤として利用できる。
【0103】
また、コアと側鎖の構造や側鎖の世代ごとの構造を自由に変化させて、性質の互いに異なる構造を分子内に共存させる設計が出来るのも本発明の樹状高分子の特徴である。例えばコアに疎水基、側鎖に親水基を有する設計をした場合、この樹状高分子を界面活性剤や、顔料分散剤、金属の表面処理剤などとして利用できる。また、酸塩基性が異なる構造を有する設計や、有機・無機などが共存する設計も可能であり、材料の表面改質剤や塗料などの薄膜形成材、接着剤、プラスチック、レジスト、インキ、印刷版材、光造形用材料、ホログラム記録材料における機能・構造付与剤として利用できる。
【0104】
また、コアや側鎖に特定の構造を導入したり、比較的密度の低い内部に光学活性や生理活性など特殊な機能を有する分子を内包させたりすることにより、特異な機能を付与した材料の設計が可能になる。具体的には屈折率変調剤、反応触媒、導電性付与剤、金属捕捉剤、有機ELや発光ダイオードの色素、光重合開始剤、液晶材料、光捕集アンテナ、非線形光学色素、レーザー色素、刺激応答性材料、診断薬、ドラッグデリバリーシステム用材料、中性子捕捉材料、造影剤、デンドリマー医薬などへの利用が期待できる。
また更に、末端の官能基を分子内で反応させることにより、ナノカプセルの設計が可能になると考えられる。
【0105】
また、樹状高分子の粒子径は数nm〜十数nm程度と光の波長よりも小さく、また末端の構造により媒体への溶解性を制御できるために、上記機能性材料としての樹状高分子を例えば樹脂材料の中に添加しても、散乱などの光学特性の低下を防いだり、樹状高分子どうしの凝集を抑制したり出来る。
【0106】
また、内部の密度の低さを生かして、フィルター用材料や、金属捕捉剤などへの利用が考えられる。
【0107】
また、球形に近い形状や、狭い分子量分布を利用して、多孔質材料の形成鋳型、構造材や標準分子などへの利用が考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、
、R及びRは、これらのうち少なくとも一つは分岐を有している部分であり、m、n及びpは、それらが添えられている対象部分がそれぞれR、R及びRに対して結合している数であり、xは繰り返し数であり、
x、m、n、及びpは1以上の整数であるが、m及びnが同時に1ではなく、
E'−C'は官能基Eと官能基Cとが反応して形成された結合であり、D'−A'は官能基Dと官能基Aとが反応して形成された結合であり、B'−C'は官能基Bと官能基Cとが結合して形成された結合であり、
官能基A、B、C、D及びEは下記条件を満たすものである:
CはEと反応する;
DはEともCとも反応しない;
AはDと反応する;
BはDともAとも反応しないがCと反応する。但し、A及びBはRと、C及びDはRと、EはRと原子を共有してよく、又R、R、A、B、C、D、m及びnは繰り返し毎に種類及び値が異なってよい。]
で表される部分を有する樹状高分子。
【請求項2】
Eはビニル基である請求項1記載の樹状高分子。
【請求項3】
式(1)中、式
E'
で表される部分は、式
【化2】

[式中、
及びRは部分であり、m及びqは、それらが添えられている対象部分がそれぞれR及びRに対して結合している数であり、
m及びqは1以上の整数であり、
G'−A'は官能基Gと官能基Aとが反応して形成された結合であり、
官能基A、B及びGは下記条件を満たすものである:
Gは水酸基である;
Aは水酸基と反応する;
Bは水酸基ともAとも反応しないがCと反応する。但し、A及びBはRと、GはRと原子を共有してよく、又R、A、B及びmは式(1)と種類及び値が異なってよい。]
で表される構造である請求項1又は2記載の樹状高分子。
【請求項4】
Cはイミノ基又はメルカプト基であり、Dは水酸基であり、Aはイソシアナート基であり、Bはビニル基である請求項1〜3のいずれか記載の樹状高分子。
【請求項5】
n及びmは1〜3のいずれかであるが、同時に1ではなく、pは1〜6のいずれかであり、qは1〜6のいずれかであり、xは1又は2である請求項1〜4のいずれか記載の樹状高分子。
【請求項6】


[式中、Rは部分であり、Eは官能基であり、pは1以上の整数である。但し、EはRと原子を共有してよい。]
で表される官能性化合物に対し、式
CR
[式中、Rは部分であり、CはEと反応する官能基であり、DはEともCとも反応しない官能基であり、nは1以上の整数である。但し、C及びDはRと原子を共有してよい。]
で表される化合物を、反応終了後にCRが残存しないような量反応させる工程;
得られた化合物に対し、式
AR
[式中、Rは部分であり、AはDと反応する官能基であり、BはDともAとも反応しないがCと反応する官能基であり、mは1以上の整数である。但し、A及びBはRと原子を共有してよい。]
で表される化合物(上記式中、R、R及びRは、これらのうち少なくとも一つは分岐を有し、m及びnが同時に1ではない。)を、反応終了後にARが残存しないような量反応させる工程;
を包含する、樹状高分子の製造方法。
【請求項7】
Eはビニル基である請求項6記載の樹状高分子の製造方法。
【請求項8】
前記官能性化合物が、式

[式中、Rは部分であり、Gは水酸基であり、qは1以上の整数である。但し、GはRと原子を共有してよい。]
で表されるアルコールに対し、

AR
[式中、Rは部分であり、Aは水酸基と反応する官能基であり、Bは水酸基ともAとも反応しないがCと反応する官能基であり、mは1以上の整数である。但し、A及びBはRと原子を共有してよい。]
を、反応終了後にARが残存しないような量反応させて得たものである、請求項6又は7記載の樹状高分子の製造方法。
【請求項9】
得られた化合物に対し、式
CR
[式中、R、C、D及びnは上記と同意義である。但し、種類及び値は異なってよい。]
で表される化合物を、反応終了後にCRが残存しないような量反応させる工程を更に包含する請求項6〜8のいずれか記載の樹状高分子の製造方法。
【請求項10】
Cはイミノ基又はメルカプト基であり、Dは水酸基であり、Aはイソシアナート基であり、Bはビニル基である請求項6〜9のいずれか記載の樹状高分子の製造方法。
【請求項11】
n及びmは1〜3のいずれかであるが同時に1ではなく、pは1〜6のいずれかであり、qは1〜6のいずれかである請求項6〜10のいずれか記載の樹状高分子の製造方法。
【請求項12】
精製工程又は脱保護工程のいずれも包含しない請求項6〜11のいずれか記載の樹状高分子の製造方法。
【請求項13】
請求項6〜12のいずれか記載の方法により得られた樹状高分子。

【公開番号】特開2010−1436(P2010−1436A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163514(P2008−163514)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(000230054)日本ペイント株式会社 (626)
【Fターム(参考)】