説明

樹脂フィルム貼付け装置及び樹脂フィルムの貼付け方法

【課題】裏打シートで裏打ちされた樹脂フィルムを、未加硫ゴムシートの表面に裏打シートを剥がしながら貼り合わせるにあたって、装置トラブルや樹脂フィルム及び未加硫ゴムシート相互間のエアー入りを防止して、樹脂フィルムの未加硫ゴムシートへの貼り合わせ性を向上させる。
【解決手段】この樹脂フィルム貼付け装置1は、未加硫ゴムシート9を搬送する供給コンベア2と、樹脂フィルム10を保管する保管手段3と、樹脂フィルム10から裏打シート14を剥離する裏打シート剥離手段4と、裏打シート14が剥離された樹脂フィルム10を、供給コンベア2により搬送される未加硫ゴムシート9の表面に押し当ててそれら両部材を相互密着させる押圧手段6と、裏打シート剥離手段4と押圧手段6との間に設けられ、樹脂フィルム10に帯電する静電気を除去する静電気除去手段8と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、未加硫ゴムシートの表面にインナーライナ素材となるガスバリア性の樹脂フィルムを貼り付けてシート状積層体を形成する樹脂フィルム貼付け装置及び樹脂フィルムの貼付け方法に関し、特に、裏打シートで補強された樹脂フィルムを、未加硫ゴムシートの表面に裏打シートを剥がしながら貼り付けるための樹脂フィルム貼付け装置及び樹脂フィルムの貼付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤの内面には、空気漏れを防止し、タイヤ空気圧を一定に保つために、ブチルゴムなどのような低気体透過性のゴムからなるインナーライナが設けられているが、近年では、タイヤの軽量化等を目的として、例えば特許文献1に開示されているように、インナーライナをガスバリア性の熱可塑性樹脂フィルムにて形成することが提案されている。
【0003】
このような樹脂フィルムを用いたフィルムインナーライナは、図3(a)に示すように、供給コンベア2から供給された所定長さの帯状の未加硫ゴムシート9に、樹脂フィルムロール13から引き出した樹脂フィルム10を貼り合わせて一体化し、それをタイヤ成型ドラムの外周面に巻付けることで成型することができる。ところで、樹脂フィルムロール13に巻き付けられている樹脂フィルム10は隣接層間での密着防止や補強等の目的のため、図3(b)に示すように、PETフィルム等の裏打シート14により裏打されているため、未加硫ゴムシート9への貼付けに先立っては、その裏打シート14を樹脂フィルム10から剥離する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第96/30221号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、裏打シート14を樹脂フィルム10から剥離するときは静電気が発生するため、図4(a)、(b)に示すように、樹脂フィルム10の先端が装置各所に纏わりついたり、図4(c)に示すように、樹脂フィルムの未加硫ゴムシートへのダブリング時にシワが発生したりし、図中P1及びP2で示すように、装置トラブルや樹脂フィルム及び未加硫ゴムシート相互間のエアー入りの原因となることがあった。
【0006】
それゆえこの発明は、裏打シートで裏打ちされた樹脂フィルムを、未加硫ゴムシートの表面に裏打シートを剥がしながら貼り合わせるにあたって、装置トラブルや樹脂フィルム及び未加硫ゴムシート相互間のエアー入りを防止して、樹脂フィルムの未加硫ゴムシートへの貼り合わせ性を向上させることをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、この発明の樹脂フィルム貼付け装置は、未加硫ゴムシートの表面に、離型性の裏打シートで裏打された樹脂フィルムを、該裏打シートを剥がしながら貼り付けてシート状積層体を形成する樹脂フィルム貼付け装置において、未加硫ゴムシートを搬送する供給コンベアと、前記供給コンベアにより搬送される未加硫ゴムシートに向けて送給する樹脂フィルムを保管する保管手段と、前記保管手段から引き出された樹脂フィルムから前記裏打シートを剥離する裏打シート剥離手段と、裏打シートが剥離された樹脂フィルムを、前記供給コンベアにより搬送される未加硫ゴムシートの表面に押し当ててそれら両部材を相互密着させる押圧手段と、前記裏打シート剥離手段と前記押圧手段との間に設けられ、該裏打シート剥離手段によって裏打ちシートが剥離された樹脂フィルムに帯電する静電気を除去する静電気除去手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
かかる構成の樹脂フィルム貼付け装置によれば、樹脂フィルムを裏打シートを剥がしながら未加硫ゴムシートに貼り付けるにあたって、裏打シートの剥離により樹脂フィルムに帯電した静電気を除去することができるので、樹脂フィルムの先端が装置各所に纏わりついたり、樹脂フィルムの未加硫ゴムシートへのダブリング時にシワが発生したりすることがない。したがって、装置トラブルや樹脂フィルム及び未加硫ゴムシート相互間のエアー入りの発生を防止して、樹脂フィルムの未加硫ゴムシートへの貼り合わせ性を向上させることができる。
【0009】
なお、この発明の樹脂フィルム貼付け装置にあっては、静電気除去手段は、裏打シートが剥離された樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、イオン化された空気を吹き付けるイオナイザーであることが好ましい。
【0010】
また、前記課題を解決するため、この発明の樹脂フィルムの貼付け方法は、供給コンベアによって搬送される未加硫ゴムシートの表面に向けて、離型性の裏打シートで裏打ちされたガスバリア性の樹脂フィルムを送給する工程と、送給された樹脂フィルムから前記裏打シートを剥離する工程と、前記裏打シートが剥離された樹脂フィルムを前記供給コンベアの搬送面上の未加硫ゴムシートの表面に押し当ててそれら両部材を相互密着させる工程とを含み、樹脂フィルムを未加硫ゴムシートの表面に貼り付けてシート状積層体を形成する樹脂フィルムの貼付け方法において、前記裏打シートが剥離された樹脂フィルムを前記供給コンベアの搬送面上の未加硫ゴムシートの表面に押し当てるのに先立って、前記裏打シートが剥離された樹脂フィルムに帯電する静電気を静電気除去手段により除去することを特徴とするものである。
【0011】
なお、この発明の樹脂フィルムの貼付け方法にあっては、イオナイザーを用い、裏打シートが剥離された樹脂フィルムの少なくとも一方の面にイオン化された空気を吹き付けることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、裏打シートで裏打ちされた樹脂フィルムを、未加硫ゴムシートの表面に裏打シートを剥がしながら貼り合わせるにあたって、装置トラブルや樹脂フィルム及び未加硫ゴムシート相互間のエアー入りを防止して、樹脂フィルムの未加硫ゴムシートへの貼り合わせ性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明に係る実施形態の樹脂フィルム貼付け装置を示した概略側面図である。
【図2】図1の装置を用いて製造されたシート状積層体の斜視図である。
【図3】従来技術に従う樹脂フィルム貼付け装置を示した概略側面図である。
【図4】樹脂フィルムを未加硫ゴムシートに貼り付けるにあたっての、従来技術での不具合を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1及び2を参照してこの発明の実施の形態を説明する。ここに図1は、この発明に係る実施形態の樹脂フィルム貼付け装置を示す概略側面図であり、図2は図1の装置を用いて製造されたシート状積層体の斜視図である。
【0015】
図1に示すように、この樹脂フィルム貼付け装置1は、供給コンベア2、保管手段としての樹脂フィルムロール支持軸3、裏打シート剥離手段としての裏打シート剥離治具4、裏打シート巻取ドラム5、押圧手段としての押圧ローラ6、フィルム切断手段7及びイオナイザー8を備える。
【0016】
供給コンベア2は、上面に未加硫ゴムシート9を平坦姿勢で搬送する搬送面を有する。未加硫ゴムシート9は、インナーライナ用ゴムシート、スキージゴム用ゴムシート、カーカスプライコードを埋設したゴムシート等とすることができ、ここではブチルゴムからなる未加硫ゴムシートを用いる。ここでは供給コンベア2は、未加硫ゴムシート9の表面に樹脂フィルム10を貼り付けてなるシート状積層体11をタイヤ成型ドラム(図示省略)に引き渡す機能も有する。供給コンベア2は、タイヤ成型ドラムに対して近接及び離間方向に変位可能に構成しても良い。
【0017】
樹脂フィルムロール支持軸3は、供給コンベア2により搬送される未加硫ゴムシートに向けて送給する樹脂フィルム10を保管するものであって、供給コンベア2の搬送面に対して上方位置に配置され、図3(b)に例示するような樹脂フィルムロール13を支持する。樹脂フィルムロール13の樹脂フィルム10は、熱可塑性であり、ガスバリア性を有しインナーライナ素材となるものであり、単層でも積層構造でも良く、その厚さとしては10〜500μmである。また、樹脂フィルム10は、隣接層間での密着防止や補強等の目的のため例えばPETフィルムの裏打シート14で裏打されている。
【0018】
裏打シート剥離治具4は、樹脂フィルムロール13から引き出されて供給コンベア2へ向かう樹脂フィルム10の裏打シート14の方向転換を行って、裏打シート14を樹脂フィルム10から剥離する。また、裏打シート巻取ドラム5は、樹脂フィルム10から剥離された裏打シート14を巻き取るものである。
【0019】
押圧ローラ6は、裏打シート14が剥離された樹脂フィルム10を未加硫ゴムシート9の表面に押し当ててそれら両部材10、9を相互密着させるためのものである。さらにフィルム切断手段7は、樹脂フィルム10を予め定めた所定の長さに切断するためのものであり、ナイフエッジ、剪断刃等とすることができる。
【0020】
イオナイザー8は、裏打シート剥離治具4と押圧ローラ6との間で、裏打シート14が剥離された樹脂フィルム10の両面側にそれぞれ設けられ、かかる樹脂フィルム10の両面にイオン化された空気を吹き付けて、裏打シート剥離治具4によって裏打シート14が剥離された樹脂フィルム10に帯電する静電気を除去する。イオナイザー8は、樹脂フィルム10の一方の面側にのみ設けることもできる。なお、押圧ローラ6及びフィルム切断手段7にアース線(図示省略)を接続して、イオナイザー8による静電気除去に加えて、付加的に接地させるようにしても良い。
【0021】
以上に述べたような装置1を用いて樹脂フィルム10を未加硫ゴムシート9に貼り付けるにあたっては、初めに、樹脂フィルム10は、樹脂フィルムロール13から供給コンベア2の搬送面に向けて送り出される。このとき、樹脂フィルム10に裏打ちされた裏打シート14は剥離され裏打シート巻取ドラム5に巻き取られる。そして、裏打シート14が剥離された樹脂フィルム10を供給コンベア2の搬送面上の未加硫ゴムシート9の表面に押し当てるのに先立って、イオナイザー8により、裏打シート14が剥離された樹脂フィルム10の両面にイオン化された空気を吹き付けて、裏打シート剥離治具4によって裏打シート14が剥離された樹脂フィルム10に帯電する静電気を除去する。次いで、樹脂フィルム10の送出しのタイミングと合わせて、同一の供給コンベア2により未加硫ゴムシート9を平坦姿勢を保って搬送し、それら両者9、10の先行端縁9a、10aを所期した通りに調整した状態で、樹脂フィルム10を押圧ローラ6の押圧作用によって、未加硫ゴムシート9の表面に順次接着させる。このとき樹脂フィルム10と未加硫ゴムシート9とは接着剤等を介して貼着される。
【0022】
次いで、未加硫ゴムシート9に貼り付けされる樹脂フィルム10の搬送方向Aに沿う長さが所定の長さに達したところでフィルム切断手段7によって樹脂フィルム10を切断する。これにより、図2に示すような樹脂フィルム10と未加硫ゴムシート9のシート状積層体11が形成される。
【0023】
なお、以後の工程は簡単に説明する。フィルム切断手段7による樹脂フィルム10の切断のタイミングと合わせて供給コンベア2を、それの作動下で、搬送方向Aの下流側に移動させてタイヤ成型ドラム(図示省略)に十分近接変位させる。そして、タイヤ成型ドラムの保持手段(例えば、タイヤ成型ドラムの外周面に設けられ、空気を吸引する複数の吸引孔(図示省略)とすることができる)により、シート状積層体11の巻付け始端を保持する。この状態で、タイヤ成型ドラムを供給コンベア2と等しい周速で回転させることにより、供給コンベア2上のシート状積層体11をタイヤ成型ドラムへと転写し、該シート状積層体11を樹脂フィルム10が内側となる姿勢でタイヤ成型ドラムの外周面上に巻付ける。
【0024】
このようにして、シート状積層体11をタイヤ成型ドラムの外周面に一周にわたって巻付け、巻付けの終了に当たっては、シート状積層体11の巻付け端部と巻終り端部とを突き合わせて接合したり、重ね合わせた状態で接合したりすることができる。
【0025】
その後、タイヤ成型ドラム上にて、シート状積層体11の上にカーカスプライを巻き付け、その両側部分にビードコア及びスティフナー又はビードフィラーを取り付ける。次いで、カーカスプライの両端部を内側に折り返し、サイドトレッドを巻き付ける。その後、他の成型ドラム(セカンドドラム)に移し変え、内部に空気を充填するとともに両端部分を互いに接近させて中央部分にベルト及びトレッドを巻き付け、生タイヤを完成させる。この生タイヤは、その後、従来通り加硫モールドに装填され所定温度、圧力下で加硫されて製品タイヤとなる。
【0026】
かかる構成の樹脂フィルム貼付け装置1及び樹脂フィルムの貼付け方法によれば、樹脂フィルム10を裏打シート14を剥がしながら未加硫ゴムシート9に貼り付けるにあたって、樹脂フィルム10に帯電した静電気を除去することができるので、従来のように、樹脂フィルム10の先端が装置各所に纏わりついたり、樹脂フィルム10の未加硫ゴムシート9へのダブリング時にシワが発生したりすることがない。したがって、装置トラブルや樹脂フィルム及び未加硫ゴムシート相互間のエアー入りの発生を防止して、樹脂フィルム10の未加硫ゴムシート9への貼り合わせ性を向上させることができる。
【0027】
また、この実施形態では、図示例のように、静電気除去手段としてイオナイザーを用いたことから、樹脂フィルムの表面全体に亘って均一に静電気を除去することができる。また、裏打シート14が剥離された樹脂フィルム10の両面にイオン化された空気を吹き付けるようにしたので、樹脂フィルムの両面に帯電した静電気を除去できて、樹脂フィルム10の未加硫ゴムシート9への貼り合わせ性をより一層向上させることができる。
【0028】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができるものであり、例えば、樹脂フィルム10を未加硫ゴムシート9に貼り合わせるにあたっては、図2に示すように、樹脂フィルム10と未加硫ゴムシート9の長さ方向の各端縁位置10a、9a、10b、9bを相互にずらした状態で、より具体的には、シート状積層体11の搬送方向Aにみて、樹脂フィルム10の先行端縁10aが未加硫ゴムシート9の先行端縁9aよりも搬送方向Aの下流側に位置するようずれて配置され、シート状積層体11に搬送方向Aの下流側に突出する樹脂フィルム突出部15が形成されるようにしても良い。これによれば、比較的重さの軽い樹脂フィルム突出部15を先行してタイヤ成型ドラムに貼り付けることができるので、シート状積層体11のタイヤ成型ドラムへの位置決め及び位置保持を容易かつ正確に行うことができる。
【0029】
さらに、搬送方向Aに沿った長さが相互に等しい未加硫ゴムシート9と樹脂フィルム10を用い、搬送方向Aでみて、樹脂フィルム10の先行端縁10aを未加硫ゴムシート9の先行端縁9aに対して搬送方向Aの下流側にずらすとともに、樹脂フィルム10の後行端縁10bを未加硫ゴムシート9の後行端縁9aに対して搬送方向の下流側にずらすことにより、樹脂フィルム突出部15に加えて、未加硫ゴムシート9の後行端縁9bが樹脂フィルム10の後行端縁10bよりも搬送方向Aの上流側に突出する未加硫ゴムシート突出部16をシート状積層体11に形成しても良く、これによれば、シート状積層体11のタイヤ成型ドラムの巻終わりにあたって、樹脂フィルム10における接合部と、未加硫ゴムシート9における接合部との周方向位置を異ならせることができて、製品タイヤの気密性を高めることができる。
【0030】
さらに、シート状積層体11の巻付け始端である樹脂フィルム突出部15をタイヤ成型ドラムに巻付けるのに先立って、供給コンベア2をタイヤ成型ドラムに対して近接移動させても良く、これによれば、シート状積層体11の樹脂フィルム突出部15をタイヤ成型ドラムの保持手段まで確実に導くことができて、シート状積層体11の樹脂フィルム突出部15の、タイヤ成型ドラムへの引渡しを確実に行うことができる。
【0031】
しかも、シート状積層体11の樹脂フィルム突出部15をタイヤ成型ドラムの保持手段によって先行して保持させたタイミングに合わせてシート状積層体11を搬送方向Aの上流側に移動させるようにしても良く、これによれば、シート状積層体11に張りを与えて、巻付け時に樹脂フィルム突出部15にシワが発生するのを防止でき、仮にシワが発生した場合にはそのシワを伸して解消することができる。
【0032】
ところで、以上に述べたところにおいて、樹脂フィルム10の樹脂材料は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を反応させて得られる変性エチレン−ビニルアルコール共重合体からなるマトリックス中に、23℃におけるヤング率が前記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体より小さい柔軟樹脂を分散させた樹脂組成物からなる層を少なくとも含むものとすることが好ましく、また、前記樹脂組成物からなる層に隣接して、更にエラストマーからなる補助層を一層以上具えるものとすること、前記樹脂組成物からなる層の厚さを100μm以下とすること、および、前記樹脂組成物からなる層と補助層との間、及び前記補助層と補助層との間の少なくとも一箇所に、一層以上の接着剤層を具えるものとすることが好ましい。
【0033】
また、樹脂フィルム10を未加硫ゴムシート9に貼着するための接着剤としては、ゴム成分100質量部に対し、分子中に反応部位を二つ以上有するマレイミド誘導体及びポリ―p―ジニトロソベンゼンの少なくとも一種を0.1質量部以上配合した接着剤組成物を用いることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
かくしてこの発明により、裏打シートで裏打ちされた樹脂フィルムを、未加硫ゴムシートの表面に裏打シートを剥がしながら貼り合わせるにあたって、樹脂フィルムに帯電した静電気を除去可能として、装置トラブルや樹脂フィルム及び未加硫ゴムシート相互間のエアー入りを引き起こすことなく、樹脂フィルムの未加硫ゴムシートへの貼り合わせ性を向上させることが可能となった。
【符号の説明】
【0035】
1 樹脂フィルム貼付け装置
2 供給コンベア
3 樹脂フィルムロール支持軸(保管手段)
4 裏打シート剥離治具(裏打シート剥離手段)
5 裏打シート巻取ドラム
6 押圧ローラ(押圧手段)
7 フィルム切断手段
8 イオナイザー(静電気除去手段)
9 未加硫ゴムシート
10 樹脂フィルム
11 シート状積層体
13 樹脂フィルムロール
14 裏打シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
未加硫ゴムシートの表面に、離型性の裏打シートで裏打された樹脂フィルムを、該裏打シートを剥がしながら貼り付けてシート状積層体を形成する樹脂フィルム貼付け装置において、
未加硫ゴムシートを搬送する供給コンベアと、
前記供給コンベアにより搬送される未加硫ゴムシートに向けて送給する樹脂フィルムを保管する保管手段と、
前記保管手段から引き出された樹脂フィルムから前記裏打シートを剥離する裏打シート剥離手段と、
裏打シートが剥離された樹脂フィルムを、前記供給コンベアにより搬送される未加硫ゴムシートの表面に押し当ててそれら両部材を相互密着させる押圧手段と、
前記裏打シート剥離手段と前記押圧手段との間に設けられ、該裏打シート剥離手段によって裏打ちシートが剥離された樹脂フィルムに帯電する静電気を除去する静電気除去手段と、を備えることを特徴とする樹脂フィルム貼付け装置。
【請求項2】
前記静電気除去手段は、裏打シートが剥離された樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、イオン化された空気を吹き付けるイオナイザーである、請求項1に記載の樹脂フィルム貼付け装置。
【請求項3】
供給コンベアによって搬送される未加硫ゴムシートの表面に向けて、離型性の裏打シートで裏打ちされたガスバリア性の樹脂フィルムを送給する工程と、送給された樹脂フィルムから前記裏打シートを剥離する工程と、前記裏打シートが剥離された樹脂フィルムを前記供給コンベアの搬送面上の未加硫ゴムシートの表面に押し当ててそれら両部材を相互密着させる工程とを含み、樹脂フィルムを未加硫ゴムシートの表面に貼り付けてシート状積層体を形成する樹脂フィルムの貼付け方法において、
前記裏打シートが剥離された樹脂フィルムを前記供給コンベアの搬送面上の未加硫ゴムシートの表面に押し当てるのに先立って、前記裏打シートが剥離された樹脂フィルムに帯電する静電気を静電気除去手段により除去することを特徴する樹脂フィルムの貼付け方法。
【請求項4】
イオナイザーを用い、前記裏打シートが剥離された樹脂フィルムの少なくとも一方の面にイオン化された空気を吹き付ける、請求項3に記載の樹脂フィルムの貼付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−46071(P2011−46071A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195881(P2009−195881)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】