説明

樹脂ボンド砥石

【課題】加工品位を十分に確保しつつ、切断速度を高めて生産性を向上できる樹脂ボンド砥石を提供する。
【解決手段】円形薄板状の樹脂ボンド相からなる基材2と、前記基材2内に分散された砥粒と、前記基材2の外周縁部に形成された切れ刃3と、を備える樹脂ボンド砥石1であって、前記砥粒として、単一の砥粒からなる単体砥粒7と、複数の砥粒8が金属相9により互いに結合されてなる凝集砥粒10と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子材料の切断加工に用いられる樹脂ボンド砥石に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子材料であるQFNパッケージ(Quad Flat Non-leaded package)やアクリル樹脂付きガラスエポキシ基板などの被切断材を切断して個片化したり、溝加工を施したりする加工には、高精度が要求されており、このような切断加工や溝加工等(以下「切断加工」と省略)には、樹脂ボンド砥石が使用されている。
この種の樹脂ボンド砥石としては、例えば下記特許文献1、2に示されるように、円形薄板状の樹脂ボンド相からなる基材と、前記基材内に分散され、ダイヤモンドやcBN(立方晶窒化ホウ素)からなる砥粒と、前記基材の外周縁部に形成された切れ刃と、を備えたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−115574号公報
【特許文献2】特開2006−62009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の樹脂ボンド砥石では、下記の問題があった。
すなわち、樹脂ボンド砥石は、基材が弾性のある樹脂ボンド(レジンボンド)からなるため、他のメタルボンド砥石や電鋳砥石に比較して、加工負荷の衝撃が緩和され加工品位が高められるという利点がある。しかしながら、生産性を向上させる目的で切断速度を上げると、摩耗が速く進行するため、耐摩耗性を向上させる目的で、大きい砥粒が用いられる。これによって、被切断材の切断面にチッピング、電極バリ、スクラッチ(特に電極面の傷)等が生じることがあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、加工品位を十分に確保しつつ、切断速度を高めて生産性を向上できる樹脂ボンド砥石を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、円形薄板状の樹脂ボンド相からなる基材と、前記基材内に分散された砥粒と、前記基材の外周縁部に形成された切れ刃と、を備える樹脂ボンド砥石であって、前記砥粒として、単一の砥粒からなる単体砥粒と、複数の砥粒が金属相により互いに結合されてなる凝集砥粒と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この樹脂ボンド砥石を用いて被切断材を切断加工する際には、基材をその中心軸回りに回転させつつ、基材の外周縁部をなす切れ刃を被切断材に接触させる。切れ刃には、基材の径方向外方へ向けて突出するように砥粒が露出しており、これら砥粒が被切断材に切り込んでいく。
本発明の樹脂ボンド砥石によれば、砥粒として、単一の砥粒からなる単体砥粒と、複数の砥粒同士が金属相で結合された凝集砥粒と、を備えているので、それぞれの砥粒が下記のように作用して顕著な効果を奏する。
【0008】
すなわち、単体砥粒が、被切断材に切れ込む切れ刃の切れ味を高めるので、切断速度を上げることができる。また、凝集砥粒が、切れ味に寄与しつつ、切れ刃が切断した被切断材の切断面を傷付けないように作用するので、チッピング、電極バリ、スクラッチ等の発生が防止され、切断面の加工品位が向上する。詳しくは、凝集砥粒に含まれる各砥粒は、単体砥粒よりも切断面に対して一つ一つが小さく作用するから、例えば基材内に単体砥粒のみが含まれる従来のような構成に対比して、本発明の樹脂ボンド砥石によれば高品位な切断面を形成できる。
【0009】
また、凝集砥粒の各砥粒同士は、金属相により互いに強固に結合されているので、該凝集砥粒から砥粒が容易に脱落することが防止され、砥粒の保持力が高められている。また、凝集砥粒の金属相部分(詳しくは、当該金属相のうち凝集砥粒の外面に露出されて樹脂ボンド相に接触する部分)と、基材である樹脂ボンド相との濡れ性がよいので、凝集砥粒自体も基材から容易に脱落することが防止されている。従って、凝集砥粒及びその砥粒の脱落による切断面のスクラッチ等が防止される。
【0010】
よって、この樹脂ボンド砥石によれば、被切断材を切断加工してなる切断片等の加工品位を十分に確保しつつ、基材の回転速度を上げて切断速度を高めることができ、生産性(加工能率)を向上することができる。
【0011】
また、本発明の樹脂ボンド砥石において、前記基材の厚さ方向を向く外面には、複数の前記砥粒が突出して配設されており、これら突出した砥粒のうち、前記凝集砥粒の占める割合が、50%以上であることとしてもよい。
【0012】
この場合、被切断材の切断面に対して凝集砥粒が確実に接触して、樹脂ボンド砥石から被切断材へ伝わる衝撃や摩擦抵抗が抑制され、切断面の加工品位が十分に確保される。すなわち、前記凝集砥粒の占める割合が50%未満の場合は、切断面に対する衝撃や摩擦抵抗を十分に低減させることができず、チッピング、電極バリ、スクラッチ等が生じるおそれがある。
【0013】
また、本発明の樹脂ボンド砥石において、前記凝集砥粒の大きさが、前記単体砥粒の大きさの0.8〜1.2倍であり、前記凝集砥粒に含まれる各砥粒の大きさが、前記単体砥粒の大きさの1/2以下であることとしてもよい。
【0014】
この場合、凝集砥粒の大きさが前述した作用効果を奏するのに適しており、単体砥粒の作用(切れ味向上)を妨げることなく、加工品位が十分に高められることになる。そして、凝集砥粒に含まれる各砥粒の大きさが、単体砥粒の大きさの1/2以下と十分に小さいので、切断面のスクラッチ等を防止する効果が確実に得られる。
【0015】
また、本発明の樹脂ボンド砥石において、前記凝集砥粒の金属相は、Niめっきにより形成されていることとしてもよい。
【0016】
この場合、凝集砥粒の金属相が、例えば無電解めっきによるNiめっきで形成されているので、該金属相が凝集砥粒の各砥粒を強固に保持することになり、前記各砥粒の保持力が高められるとともに、凝集砥粒の強度が向上する。また、金属相と基材との濡れ性が高められて、基材内の凝集砥粒の保持力も向上する。
また、凝集砥粒を製造する際に、例えば従来の粉末冶金・焼結・破砕による製造手法に比較して、該凝集砥粒の大きさを制御しやすく、かつ、熱による衝撃や外力による衝撃が加わらないので、凝集砥粒内における各砥粒と金属相との界面などに割れや隙間が生じることがない。さらに、各砥粒に対して、熱による劣化を防止する効果が得られる。よって、凝集砥粒の前述した効果が十分に発揮される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の樹脂ボンド砥石によれば、加工品位を十分に確保しつつ、切断速度を高めて生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る樹脂ボンド砥石を示す正面図である。
【図2】図1のA−A断面を示す側断面図である。
【図3】図2のB部の拡大図であり、本発明の要部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る樹脂ボンド砥石1について、図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態の樹脂ボンド砥石1は、電子材料であるQFNパッケージ、アクリル樹脂付きガラスエポキシ基板、SONパッケージ(Small Outline Non-leaded package)などの被切断材を精密切断加工するものである。この樹脂ボンド砥石1は、電子材料切断用ブレードとして、Cuリードフレーム+樹脂モールドパッケージを切断する分野に用いて有効である。
【0020】
図1〜図3に示されるように、樹脂ボンド砥石1は、円形薄板状の樹脂ボンド相からなる基材2と、基材2内に分散された砥粒と、基材2の外周縁部に形成された切れ刃3と、を備えている。また、基材2の中央には、該基材2の厚さ方向を向く両外面6、6に開口して断面円形状をなす取付孔5が形成されている。
【0021】
樹脂ボンド砥石1は、取付孔5を用いて不図示の切断加工装置の主軸に装着され、その中心軸O回りに回転されつつ該中心軸Oに垂直な方向に送り出されることにより、基材2外周の環状をなす切れ刃3を被切断材に切り込んで被切断材を切断加工し、例えば矩形状の切断片(チップ)を複数形成する。
本実施形態の樹脂ボンド砥石1は、基材2の外径が58mm程度、取付孔5の内径が40mm程度、基材2の厚さが0.3mm程度となっている。
【0022】
基材2を構成する樹脂ボンド相としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が用いられる。尚、基材2をフェノール樹脂で作製した場合は、他の樹脂に比べて耐摩耗性が高められる。また、エポキシ樹脂で作製した場合は、硬化収縮が小さいことから製造時における反りや割れ等が生じにくくなり、寸法精度に優れた樹脂ボンド砥石1が得られる。
【0023】
そして、図3に示されるように、この樹脂ボンド砥石1は、基材2内に分散される前記砥粒として、単一の砥粒からなる単体砥粒7と、複数の砥粒8が金属相9により互いに結合されてなる凝集砥粒10と、を備えている。凝集砥粒10の砥粒8及び単体砥粒7としては、ダイヤモンド砥粒やcBN砥粒等の硬質の砥粒(超砥粒)が用いられている。
【0024】
また、基材2の厚さ方向(図3における左右方向)を向く外面6には、複数の砥粒が突出(露出)して配設されており、これら突出した砥粒のうち、凝集砥粒10の占める割合が、50%以上となっている。図3に示す例では、前記突出した砥粒のうち、凝集砥粒10の占める割合が100%である。
【0025】
本実施形態では、基材2における厚さ方向の両外部(外面6近傍部分)に凝集砥粒10が密集するように配設され、厚さ方向の中央部に単体砥粒7が密集するように配設されている。図示の例では、基材2の厚さ方向の両外層をなすように凝集砥粒10が配設され、厚さ方向の中央層をなすように単体砥粒7が配設されて、基材2が概略3層となっている。尚、これら両外層と中央層との間に、さらに凝集砥粒10及び単体砥粒7が混在する一対の混合層を設けて、基材2を概略5層としても構わない。また、基材2の厚さ方向に隣り合う前記層同士は、互いの界面を有しないように一体化されている。
【0026】
また、基材2の厚さ方向の両外部には、主として凝集砥粒10が配設されているものの、これら両外部には単体砥粒7が混在していてもよい。また、基材2の厚さ方向の中央部には、主として単体砥粒7が配設されているものの、この中央部には凝集砥粒10が混在していてもよい。
また、基材2内には、これら単体砥粒7及び凝集砥粒10以外に、他の砥粒やフィラーが分散配置されていても構わない。
【0027】
また、凝集砥粒10の大きさ(凝集砥粒10の平均粒径)は、単体砥粒7の大きさ(単体砥粒7の平均粒径)の0.8〜1.2倍となっている。また、凝集砥粒10に含まれる各砥粒8の大きさ(砥粒8の平均粒径)は、単体砥粒7の大きさの1/2以下となっている。また、凝集砥粒10の砥粒8の大きさの下限は、単体砥粒7の大きさの1/5以上であることが好ましい。
尚、単体砥粒7の大きさは、30〜100μmの範囲内が好ましい。
【0028】
また、凝集砥粒10の金属相9は、Niめっきにより形成されている。本実施形態では、金属相9は無電解のNiめっきにより形成されている。
【0029】
凝集砥粒10は、例えば下記のように作製される。
まず、例えばアクリル樹脂等の合成樹脂材料からなるスプレーコーティング剤を用意し、作業台等の平滑な作業面上にスプレー塗布する。
【0030】
次いで、この作業面上に砥粒8を転がすようにして、複数の砥粒8同士が前記合成樹脂材料により仮止めされた中間体を作製する。尚、前記中間体は、2〜4個の砥粒8が仮止めされた状態となっていることが好ましい。また、前記合成樹脂材料は、砥粒8同士を仮止めできる程度の少量でよく、前記中間体において砥粒8同士の間に僅かに存在する程度となっている。
【0031】
次いで、これら中間体を無電解めっきすることにより、凝集砥粒10が作製される。ここで、凝集砥粒10の大きさは、めっき時間により制御されている。
また、めっき後において、作製した凝集砥粒10をスクリーン(ふるい)に通すことにより、所望の大きさの凝集砥粒10を精度よく選別することができる。
【0032】
また、本実施形態の樹脂ボンド砥石1は、下記のように製造される。
この樹脂ボンド砥石1は、ドクターブレード法により成形された複数の層(本実施形態では、一対の外層及び中央層の計3層)を厚さ方向に積層させ、プレス・焼結することにより作製されている。
【0033】
詳しくは、樹脂ボンド相の原料となる粉状又は粒状の熱硬化性樹脂材料に、凝集砥粒10及び有機溶剤を混ぜてスラリーを作り、このスラリー内に凝集砥粒10が均等に分散されるように混合する。次いで、このスラリーを、ドクターブレード法を用いて厚さ調整し、フィルム状に成形して前記外層とする。外層は、同じものを一対用意する。
【0034】
また、前記スラリーに、凝集砥粒10の代わりに単体砥粒7を混ぜたものを用意し、このスラリーを、ドクターブレード法を用いて厚さ調整し、フィルム状に成形して前記中央層とする。
【0035】
次いで、これら一対の外層及び中央層を、一対の外層の間に中央層が挟まれるように(中央層が厚さ方向の中央に配置されるように)積層して、ホットプレス装置(不図示)の金型内に配設する。この状態で、ホットプレスによる熱間成型を行う。これにより、熱硬化性樹脂材料が焼き固められ、一対の外層及び中央層が一体化されてなる基材2が作製される。
【0036】
次いで、基材2の外周縁部に研削・研磨加工等を施して、図1に示される基材2の外形を形成するとともに、切れ刃3を形成する。また、基材2の平面視中央部に、取付孔5を形成する。
このようにして、樹脂ボンド砥石1が製造される。
【0037】
尚、樹脂ボンド砥石1の製造方法は、前述したものに限定されるものではなく、例えば、前記中央層となるスラリーに、単体砥粒7及び凝集砥粒10を混合してもよい。また、前記外層となるスラリーに、単体砥粒7及び凝集砥粒10を混合してもよい。ただしこの場合、前述したように、基材2の外面6から突出する砥粒のうち凝集砥粒10の占める割合が50%以上であることが好ましい。また、一対の外層と中央層との間に、単体砥粒7又は/及び凝集砥粒10を混合したスラリーをドクターブレード法により成形した混合層を一対設けて、計5層を積層しホットプレスして、基材2としてもよい。
【0038】
以上説明した本実施形態の樹脂ボンド砥石1を用いて被切断材を切断加工する際には、基材2をその中心軸O回りに回転させつつ、基材2の外周縁部をなす切れ刃3を被切断材に接触させる。切れ刃3には、基材2の径方向外方へ向けて突出するように砥粒7、10が露出しており、これら砥粒7、10が被切断材に切り込んでいく。
本実施形態の樹脂ボンド砥石1によれば、砥粒として、単一の砥粒からなる単体砥粒7と、複数の砥粒8同士が金属相9で結合された凝集砥粒10と、を備えているので、それぞれの砥粒7、10が下記のように作用して顕著な効果を奏する。
【0039】
すなわち、単体砥粒7が、被切断材に切れ込む切れ刃3の切れ味を高めるので、切断速度を上げることができる。また、凝集砥粒10が、切れ味に寄与しつつ、切れ刃3が切断した被切断材の切断面を傷付けないように作用するので、チッピング、電極バリ、スクラッチ等の発生が防止され、切断面の加工品位が向上する。詳しくは、凝集砥粒10に含まれる各砥粒8は、単体砥粒7よりも切断面に対して一つ一つが小さく作用するから、例えば基材2内に単体砥粒7のみが含まれる従来のような構成に対比して、本実施形態の樹脂ボンド砥石1によれば高品位な切断面を形成できる。
【0040】
また、凝集砥粒10の各砥粒8同士は、金属相9により互いに強固に結合されているので、該凝集砥粒10から砥粒8が容易に脱落することが防止され、砥粒8の保持力が高められている。また、凝集砥粒10の金属相9部分(詳しくは、当該金属相9のうち凝集砥粒10の外面に露出されて樹脂ボンド相に接触する部分)と、基材2である樹脂ボンド相との濡れ性がよいので、凝集砥粒10自体も基材2から容易に脱落することが防止されている。従って、凝集砥粒10及びその砥粒8の脱落による切断面のスクラッチ等が防止される。
【0041】
よって、この樹脂ボンド砥石1によれば、被切断材を切断加工してなる切断片等の加工品位を十分に確保しつつ、基材2の回転速度を上げて切断速度を高めることができ、生産性(加工能率)を向上することができる。
【0042】
また、基材2の外面6には、複数の砥粒7、10が突出して配設されており、これら突出した砥粒7、10のうち、凝集砥粒10の占める割合が50%以上であるので、被切断材の切断面に対して凝集砥粒10が確実に接触して、樹脂ボンド砥石1から被切断材へ伝わる衝撃や摩擦抵抗が抑制され、切断面の加工品位が十分に確保される。すなわち、前記凝集砥粒10の占める割合が50%未満の場合は、切断面に対する衝撃や摩擦抵抗を十分に低減させることができず、チッピング、電極バリ、スクラッチ等が生じるおそれがある。本実施形態においては、図3に示すように、前記凝集砥粒10の占める割合が100%であるから、切断面の加工品位が大幅に高められることになる。
【0043】
また、凝集砥粒10の大きさが、単体砥粒7の大きさの0.8〜1.2倍であるから、該凝集砥粒10の大きさが前述した作用効果を奏するのに適しており、単体砥粒7の作用(切れ味向上)を妨げることなく、加工品位が十分に高められることになる。
【0044】
また、凝集砥粒10に含まれる各砥粒8の大きさが、単体砥粒7の大きさの1/2以下と十分に小さいので、切断面のスクラッチ等を防止する効果が確実に得られる。一方、凝集砥粒10の砥粒8の大きさが、単体砥粒7の大きさの1/2よりも大きい場合は、所望の凝集砥粒10の大きさが得られにくくなる。
【0045】
また、凝集砥粒10の砥粒8の大きさの下限が、単体砥粒7の大きさの1/5以上であるので、切断面との摩擦抵抗が十分に低減される。すなわち、凝集砥粒10の砥粒8の大きさが、単体砥粒7の大きさの1/5未満である場合は、砥粒8の突出量が小さくなるとともに凝集砥粒10と切断面との接触部分が増えて、摩擦抵抗が大きくなるおそれがある。
【0046】
また、凝集砥粒10の金属相9が、Niめっきで形成されているので、該金属相9が凝集砥粒10の各砥粒8を強固に保持することになり、各砥粒8の保持力が高められるとともに、凝集砥粒10の強度が向上する。また、金属相9と基材2との濡れ性が高められて、基材2内の凝集砥粒10の保持力も向上する。
また、凝集砥粒10を製造する際に、例えば従来の粉末冶金・焼結・破砕による製造手法に比較して、該凝集砥粒10の大きさを制御しやすく、かつ、熱による衝撃や外力による衝撃が加わらないので、凝集砥粒10内における各砥粒8と金属相9との界面などに割れや隙間が生じることがない。さらに、各砥粒8に対して、熱による劣化を防止する効果が得られる。よって、凝集砥粒10の前述した効果が十分に発揮される。
【0047】
また、この樹脂ボンド砥石1は、基材2の厚さ方向の両外部(外面6近傍部分)に切断面の加工品位を高める凝集砥粒10が密集するように配設されており、該両外部には単体砥粒7は殆んど配設されていないので、基材2の外面6から単体砥粒7が突出するようなことがなく、よって切断面のチッピングやスクラッチ等が効果的に抑制される。
【0048】
また、この樹脂ボンド砥石1は、基材2の厚さ方向の中央部に切れ味を高める単体砥粒7が密集するように配設されており、切れ刃3における前記中央部が主として被切断材に切り込んでいくので、切断加工能力(切れ味、切断速度)が十分に高められる。
【0049】
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、例えば下記に示すように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0050】
前述の実施形態では、凝集砥粒10の金属相9がNiめっきにより形成されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、金属相9は、Niめっき以外のCuめっき等により形成されていても構わない。
また、金属相9が無電解めっきにより作製されるとしたが、それ以外の電解めっき等により作製されていても構わない。
【実施例】
【0051】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0052】
[切断試験1A]
[実施例1]
本発明の実施例1として、樹脂ボンド相からなる基材2内に、粒度#170(粒径75−90μm)の単体砥粒7と、平均粒径40μmの砥粒8を複数含み、金属相9がNi無電解めっきで形成された平均粒径75μmの凝集砥粒10とが分散された樹脂ボンド砥石1を作製した。また、砥粒7、10は、基材2内の集中度が100となるように分散配置した。この樹脂ボンド砥石1の各寸法は、外径58mm、内径40mm、厚さ0.3mmである。
【0053】
この樹脂ボンド砥石1を切断加工装置に装着し、被切断材としてQFNパッケージ:4×4mm、24Pinを用いて切断加工を行い、QFNパッケージの切断面において厚さ方向(縦方向)に突出するように形成された電極バリの大きさ(Zバリ)と、切断面に露出した隣り合う電極間距離と、樹脂面(切断面)に生じたチッピングのうち、チッピング幅が20μm以上であるものの発生頻度(樹脂面チッピング)と、主軸電流値とを測定した。尚、前記電極間距離とは、切断面に露出した隣り合う電極同士において、一方の電極から他方の電極に向かうように電極バリが形成された場合に、該電極バリの先端から他方の電極までの距離を言う。また、隣り合う電極同士の両方に、互いに接近するように対向して電極バリが形成された場合には、これら電極バリの先端同士の間の距離を言う。
また、試験の条件としては、フランジ:φ52mm、主軸回転数:20000min−1、送り速度:30mm/secとした。
試験の結果を、表1に示す。
【0054】
[実施例2]
また、実施例2として、実施例1で説明した平均粒径40μmの砥粒8を複数含む凝集砥粒10の代わりに、平均粒径30μmの砥粒8を複数含む凝集砥粒10を用いた。それ以外は実施例1と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0055】
[実施例3]
また、実施例3として、実施例1で説明した凝集砥粒10の代わりに、平均粒径20μmの砥粒8を複数含む凝集砥粒10を用いた。それ以外は実施例1と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0056】
[実施例4]
また、実施例4として、実施例1で説明した凝集砥粒10の代わりに、平均粒径10μmの砥粒8を複数含む凝集砥粒10を用いた。それ以外は実施例1と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0057】
[実施例5]
また、実施例5として、実施例1で説明した凝集砥粒10の代わりに、平均粒径60μmの砥粒8を複数含む凝集砥粒10を用いた。それ以外は実施例1と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0058】
[比較例1]
一方、比較例1として、樹脂ボンド相からなる基材内に、単体砥粒7のみが分散された樹脂ボンド砥石を作製した。それ以外は実施例1と同じ条件として、樹脂ボンド砥石を作製し試験を行った。
【0059】
【表1】

【0060】
[評価]
表1に示される通り、実施例1〜5のように、基材2内に分散される砥粒として、単一の砥粒からなる単体砥粒7と、複数の砥粒8が金属相9により互いに結合されてなる凝集砥粒10とを備えた樹脂ボンド砥石1においては、Zバリが47μm以下、電極間距離が144μm以上となり、切断加工による電極バリの発生が抑制されることがわかった。また、樹脂面チッピングが1.9%以下となり、チッピングが抑制された。また、主軸電流値が2.6A以下となり、切断加工時の摩擦抵抗が低減することが確認された。
【0061】
特に、凝集砥粒10に含まれる各砥粒8の大きさが、単体砥粒7の大きさの1/2以下である実施例1〜4については、Zバリが24μm以下、樹脂面チッピングが1.3%以下となって、優れた効果を奏することが確認された。
さらに、凝集砥粒10に含まれる各砥粒8の大きさが、単体砥粒7の大きさの1/2以下で、かつ、1/5以上である実施例1〜3については、電極間距離が161μm以上、主軸電流値が2.4A以下となって、顕著な効果を奏することが確認された。
【0062】
一方、基材内に単体砥粒7のみが分散された比較例1の樹脂ボンド砥石においては、実施例1〜5に比べて、Zバリ、電極間距離、樹脂面チッピング及び主軸電流値が、すべて悪い結果となった。
【0063】
[切断試験1B]
次に、実施例1〜5及び比較例1の樹脂ボンド砥石を用いて、前述した試験の条件のうち、送り速度:60mm/secとして、切断試験を行った。
試験の結果を、表2に示す。
【0064】
【表2】

【0065】
[評価]
表2に示される通り、実施例1〜5の樹脂ボンド砥石1においては、Zバリが57μm以下、電極間距離が138μm以上となり、切断加工による電極バリの発生が抑制されることがわかった。また、樹脂面チッピングが2.4%以下となり、チッピングが抑制された。また、主軸電流値が2.6A以下となり、切断加工時の摩擦抵抗が低減することが確認された。
【0066】
特に、凝集砥粒10に含まれる各砥粒8の大きさが、単体砥粒7の大きさの1/2以下である実施例1〜4については、Zバリが33μm以下、樹脂面チッピングが1.7%以下となって、優れた効果を奏することが確認された。
さらに、凝集砥粒10に含まれる各砥粒8の大きさが、単体砥粒7の大きさの1/2以下で、かつ、1/5以上である実施例1〜3については、電極間距離が151μm以上、主軸電流値が2.4A以下となって、顕著な効果を奏することが確認された。
【0067】
一方、比較例1の樹脂ボンド砥石においては、実施例1〜5に比べて、Zバリ、電極間距離、樹脂面チッピング及び主軸電流値が、すべて悪い結果となった。
【0068】
[切断試験2A]
[実施例6]
本発明の実施例6として、樹脂ボンド相からなる基材2内に、粒度#230(粒径55−65μm)の単体砥粒7と、平均粒径25μmの砥粒8を複数含み、金属相9がNi無電解めっきで形成された平均粒径70μmの凝集砥粒10とが分散された樹脂ボンド砥石1を作製した。また、砥粒7、10は、基材2内の集中度が75となるように分散配置した。この樹脂ボンド砥石1の各寸法は、外径58mm、内径40mm、厚さ0.3mmである。
【0069】
詳しくは、前述の実施形態で説明したドクターブレード法を用い、凝集砥粒10を含む一対の外層同士の間に単体砥粒7を含む中央層を配置して3層とし、ホットプレスした。これにより、基材2の外面6から突出する砥粒のうち、凝集砥粒10の占める割合が、100%である樹脂ボンド砥石1が作製された。
【0070】
この樹脂ボンド砥石1を切断加工装置に装着し、被切断材としてアクリル樹脂付きガラスエポキシ基板(ガラエポ基板)を用いて切断加工を行い、このガラエポ基板の切断面における樹脂バリの大きさ(樹脂バリ)と、切断面の透明性やスクラッチの状態(切断面)と、切断面に露出した電極バリのうち、バリ長さが50μm以上であるものの発生頻度(電極バリ)と、主軸電流値とを測定した。
また、試験の条件としては、フランジ:φ52mm、主軸回転数:20000min−1、送り速度:20mm/secとした。
試験の結果を、表3に示す。
【0071】
[実施例7]
また、実施例7として、実施例6で説明した単体砥粒7を含む中央層の代わりに、単体砥粒7及び凝集砥粒10を含む中央層を用いた。それ以外は実施例6と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0072】
[実施例8]
また、実施例8として、実施例6で説明した凝集砥粒10を含む外層の代わりに、凝集砥粒10及び単体砥粒7を含む外層を用いた。尚、基材2の外面6に突出する砥粒のうち凝集砥粒10の占める割合が、80%となるように設定した。それ以外は実施例6と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0073】
[実施例9]
また、実施例9として、実施例6で説明した凝集砥粒10を含む外層の代わりに、凝集砥粒10及び単体砥粒7を含む外層を用いた。尚、基材2の外面6に突出する砥粒のうち凝集砥粒10の占める割合が、60%となるように設定した。それ以外は実施例6と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0074】
[実施例10]
また、実施例10として、実施例6で説明した凝集砥粒10を含む外層の代わりに、凝集砥粒10及び単体砥粒7を含む外層を用いた。尚、基材2の外面6に突出する砥粒のうち凝集砥粒10の占める割合が、40%となるように設定した。それ以外は実施例6と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0075】
[実施例11]
また、実施例11として、実施例6で説明した一対の外層及び中央層の代わりに、凝集砥粒10及び単体砥粒7を含む混合層(1層)を用いた。尚、凝集砥粒10と単体砥粒7との比は、体積比で1:1(50%:50%)となるように設定した。これにより、基材2の外面6に突出する砥粒のうち凝集砥粒10の占める割合が、50%に設定された。それ以外は実施例6と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0076】
[比較例2]
一方、比較例2として、樹脂ボンド相からなる基材内に、単体砥粒7のみが分散された1層からなる樹脂ボンド砥石を作製した。それ以外は実施例6と同じ条件として、樹脂ボンド砥石を作製し試験を行った。
【0077】
【表3】

【0078】
[評価]
表3に示される通り、実施例6〜11のように、基材2の外面6から凝集砥粒10が突設された樹脂ボンド砥石1においては、樹脂バリが91μm以下、電極バリが9%以下となり、切断加工による樹脂バリ及び電極バリの発生が抑制されることがわかった。また、主軸電流値が2.9A以下となり、切断加工時の摩擦抵抗が低減することが確認された。
【0079】
特に、外面6から突出する砥粒全体に占める凝集砥粒10の割合が、50%以上である実施例6〜9、11については、樹脂バリが69μm以下、切断面が半透明(つまり加工品位が高い)となり、電極バリが7%以下となって、優れた効果を奏することが確認された。
さらに、前記凝集砥粒10の割合が50%以上で、かつ、基材2の層構成が一対の外層及び中央層の計3層からなる実施例6〜9については、樹脂バリが53μm以下、電極バリが2.8%以下となって、顕著な効果を奏することが確認された。
【0080】
一方、基材が単体砥粒7層のみからなる比較例2の樹脂ボンド砥石においては、実施例6〜11に比べて、樹脂バリ、電極バリ及び主軸電流値が、すべて悪い結果となった。
【0081】
[切断試験2B]
次に、実施例6〜11及び比較例2の樹脂ボンド砥石を用いて、前述した試験の条件のうち、送り速度:50mm/secとして、切断試験を行った。
試験の結果を、表4に示す。
【0082】
【表4】

【0083】
[評価]
表4に示される通り、実施例6〜11の樹脂ボンド砥石1においては、樹脂バリが97μm以下、電極バリが8%以下となり、切断加工による樹脂バリ及び電極バリの発生が抑制されることがわかった。また、主軸電流値が3.5A以下となり、切断加工時の摩擦抵抗が低減することが確認された。
【0084】
特に、外面6から突出する砥粒全体に占める凝集砥粒10の割合が、50%以上である実施例6〜9、11については、樹脂バリが78μm以下、電極バリが6%以下となって、優れた効果を奏することが確認された。
さらに、前記凝集砥粒10の割合が50%以上で、かつ、基材2の層構成が一対の外層及び中央層の計3層からなる実施例6〜9については、樹脂バリが62μm以下、切断面が半透明(つまり加工品位が高い)となり、電極バリが3.1%以下となって、顕著な効果を奏することが確認された。
【0085】
一方、基材が単体砥粒7層のみからなる比較例2の樹脂ボンド砥石においては、実施例6〜11に比べて、樹脂バリ、電極バリ及び主軸電流値が、すべて悪い結果となった。
【0086】
[切断試験3]
[実施例12]
本発明の実施例12として、樹脂ボンド相からなる基材2内に、粒度#400(平均粒径50μm)の単体砥粒7と、平均粒径10μmの砥粒8を複数含み、金属相9がNi無電解めっきで形成された平均粒径60μmの凝集砥粒10とが分散された樹脂ボンド砥石1を作製した。また、砥粒7、10は、基材2内の集中度が75となるように分散配置した。この樹脂ボンド砥石1の各寸法は、外径58mm、内径40mm、厚さ0.2mmである。
【0087】
この樹脂ボンド砥石1を切断加工装置に装着し、被切断材としてSONパッケージ:2×2mm、6Pinを用いて切断加工を行い、SONパッケージの切断面において厚さ方向(縦方向)に突出するように形成された電極バリの大きさ(Zバリ)と、切断面に露出した隣り合う電極間距離と、樹脂面(切断面)に生じたチッピングのうち、チッピング幅が20μm以上であるものの発生頻度(樹脂面チッピング)と、主軸電流値とを測定した。
また、試験の条件としては、フランジ:φ52mm、主軸回転数:20000min−1、送り速度:40mm/secとした。
試験の結果を、表5に示す。
【0088】
[実施例13]
また、実施例13として、実施例12で説明した凝集砥粒10の代わりに、平均粒径50μmの凝集砥粒10を用いた。それ以外は実施例12と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0089】
[実施例14]
また、実施例14として、実施例12で説明した凝集砥粒10の代わりに、平均粒径40μmの凝集砥粒10を用いた。それ以外は実施例12と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0090】
[実施例15]
また、実施例15として、実施例12で説明した凝集砥粒10の代わりに、平均粒径30μmの凝集砥粒10を用いた。それ以外は実施例12と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0091】
[実施例16]
また、実施例16として、実施例12で説明した凝集砥粒10の代わりに、平均粒径70μmの凝集砥粒10を用いた。それ以外は実施例12と同じ条件として、樹脂ボンド砥石1を作製し試験を行った。
【0092】
[比較例3]
一方、比較例3として、樹脂ボンド相からなる基材内に、単体砥粒7のみが分散された樹脂ボンド砥石を作製した。それ以外は実施例12と同じ条件として、樹脂ボンド砥石を作製し試験を行った。
【0093】
【表5】

【0094】
[評価]
表5に示される通り、実施例12〜16のように、基材2内に分散される砥粒として、単一の砥粒からなる単体砥粒7と、複数の砥粒8が金属相9により互いに結合されてなる凝集砥粒10とを備えた樹脂ボンド砥石1においては、Zバリが35μm以下、電極間距離が123μm以上となり、切断加工による電極バリの発生が抑制されることがわかった。また、樹脂面チッピングが1.4%以下となり、チッピングが抑制された。また、主軸電流値が2.6A以下となり、切断加工時の摩擦抵抗が低減することが確認された。
【0095】
特に、凝集砥粒10の大きさが、単体砥粒7の大きさの0.8〜1.2倍である実施例12〜14については、Zバリが25μm以下、電極間距離が135μm以上、樹脂面チッピングが1.2%以下、主軸電流値が2.4A以下となって、顕著な効果を奏することが確認された。
【0096】
一方、基材内に単体砥粒7のみが分散された比較例1の樹脂ボンド砥石においては、実施例12〜16に比べて、Zバリ、電極間距離、樹脂面チッピング及び主軸電流値が、すべて悪い結果となった。
【符号の説明】
【0097】
1 樹脂ボンド砥石
2 基材
3 切れ刃
6 基材の厚さ方向を向く外面
7 単体砥粒
8 凝集砥粒を構成する砥粒
9 凝集砥粒を構成する金属相
10 凝集砥粒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形薄板状の樹脂ボンド相からなる基材と、
前記基材内に分散された砥粒と、
前記基材の外周縁部に形成された切れ刃と、を備える樹脂ボンド砥石であって、
前記砥粒として、
単一の砥粒からなる単体砥粒と、
複数の砥粒が金属相により互いに結合されてなる凝集砥粒と、を備えたことを特徴とする樹脂ボンド砥石。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂ボンド砥石であって、
前記基材の厚さ方向を向く外面には、複数の前記砥粒が突出して配設されており、
これら突出した砥粒のうち、前記凝集砥粒の占める割合が、50%以上であることを特徴とする樹脂ボンド砥石。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の樹脂ボンド砥石であって、
前記凝集砥粒の大きさが、前記単体砥粒の大きさの0.8〜1.2倍であり、
前記凝集砥粒に含まれる各砥粒の大きさが、前記単体砥粒の大きさの1/2以下であることを特徴とする樹脂ボンド砥石。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂ボンド砥石であって、
前記凝集砥粒の金属相は、Niめっきにより形成されていることを特徴とする樹脂ボンド砥石。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−192488(P2012−192488A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58145(P2011−58145)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】