説明

樹脂成形用型、樹脂成形品、光学素子、光走査装置及び画像形成装置

【課題】形状精度に優れた樹脂成形品を安定して得ることができる樹脂成形用型を提供する。
【解決手段】金型10は、樹脂成型品である偏向器側走査レンズを射出成形する際に用いられる金型であり、2つの入れ子11a、11b、2つの側壁部材12a、12b、可動入れ子13などを有している。そして、h<A<Hの関係が満足されるとともに、少なくとも1つの断面形状において、+Z側からみたときに、可動入れ子13は、cp1とcp2の間の空間を覆い隠している。この場合は、ひけが、各光学面及び各取り付け基準部に発生するのを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形用型、樹脂成形品、光学素子、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、樹脂を成形するための樹脂成形用型、該樹脂成形用型を用いて作成された樹脂成形品、樹脂製の光学素子、該光学素子を有する光走査装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂成形品は、該樹脂成形品と類似の形状のキャビティを有する金型を用い、該キャビティ内に樹脂母材を挿入または溶融樹脂を射出充填して生産されている。そこで、樹脂成形品は、特殊な形状であっても、低コストで大量生産することができる。
【0003】
樹脂成形品には、用途に応じて様々の形状が求められ、厚肉部と薄肉部を併せ持つ偏肉形状を有するものや、高精度な金型形状の転写性が要求されるものもある。
【0004】
例えば、レンズやプリズムなどの光学素子は、その光学面の形状精度、その内部の複屈折に関して高い精度が求められるため、従来はガラス製のものが主流であったが、製品のコストダウンの要求に伴って、樹脂製の光学素子へと移行している。
【0005】
特に、レーザプリンタなどに用いられる偏向器側走査レンズにおいては、複数の機能を最小限の素子でまかなうために、その光学面形状も球面のみならず複雑な非球面形状に設計される場合が多い。
【0006】
このような樹脂成形品の成形加工においては、金型のキャビティ内の溶融樹脂を冷却・固化させる工程において、キャビティ内での樹脂圧力や樹脂温度を均一にすることが樹脂成形品を所望の形状に精度良く成形するのに望ましい。しかしながら、複雑な偏肉形状の成形品は、冷却・固化の速度が場所によって異なり、成形品を金型から取り出す際に、内部応力によって、金型とられや離型不良が発生したり、取り出し後に、そりなどの形状変形が発生する。また、内部歪みによる複屈折も発生しやすい。
【0007】
上記内部応力を低減するには、樹脂圧力を低く抑えた射出成形、いわゆる低圧射出成形を行わなければならない。しかしながら、低圧射出成形では、充填樹脂量がキャビティ容積に対して少なくなるため、冷却中に金型からの樹脂の剥離(以下では、「ひけ」ともいう)が発生しやすくなり、金型形状の転写精度が低下する。
【0008】
そこで、例えば、特許文献1には、この低圧射出成形における転写面のひけ発生を防止する射出成形方法が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、金型のキャビティを構成し、スライド可能な入れ子(以下では、「可動入れ子」という)を成形中に摺動させて、非転写面の樹脂を剥離させる樹脂成型品の成形方法が開示されている。
【0010】
また、特許文献3には、リブ上の任意の位置及び転写面とリブの交点にひけを誘導する樹脂成形品が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、近年、樹脂成型品に対する要求が高くなり、特許文献1に開示されている射出成形方法、特許文献2に開示されている樹脂成型品の成形方法、及び特許文献3に開示されている樹脂成形品では、要求される形状精度の樹脂成型品を歩留まり良く製造するのが困難であった。
【0012】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、形状精度に優れた樹脂成形品を安定して成形することができる樹脂成形用型を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第2の目的は、安価で、形状精度に優れた樹脂成形品及び光学素子を提供することにある。
【0014】
また、本発明の第3の目的は、走査精度を低下させることなく、低コスト化を図ることができる光走査装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の第4の目的は、画像品質の低下を招くことなく、低コスト化を図ることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、第1の観点からすると、所定形状のキャビティを有し、該キャビティを形成する型部材の前記キャビティ側の表面形状を樹脂素材に転写して樹脂成形品を成形するための樹脂成形用型において、前記型部材の前記キャビティ側の表面は、第1の方向に関して対向し、それぞれ所定の面形状を有する第1の面と第2の面を含み、前記型部材は、前記キャビティ側の表面における前記第1の面及び前記第2の面のいずれとも異なる第3の面の一部を形成し、前記第1の方向に直交する第2の方向に摺動可能な駒部材を有し、前記キャビティの少なくとも1つの断面形状において、前記駒部材の前記第1の方向の長さA、前記第1の面における前記駒部材に最も近い部分と前記第2の面における前記駒部材に最も近い部分の前記第1の方向の間隔h、前記第3の面の前記第1の方向の長さHを用いて、h<A<H、の関係が満足され、前記駒部材は、前記第1の方向に関して前記間隔hの領域を含むように配置されていることを特徴とする樹脂成形用型である。
【0017】
これによれば、形状精度に優れた樹脂成形品を安定して成形することができる。
【0018】
本発明は、第2の観点からすると、本発明の樹脂成形用型を用いて成形されたことを特徴とする樹脂成型品である。
【0019】
これによれば、安価で、形状精度に優れた樹脂成形品を実現することができる。
【0020】
本発明は、第3の観点からすると、キャビティを形成する型部材の前記キャビティ側の表面が第1の方向に関して対向する第1の面と第2の面、及びそれらと異なる第3の面を有し、該第3の面の一部を形成し、前記第1の方向に直交する第2の方向に摺動可能な駒部材を含む樹脂成形用型を用いて成形された樹脂成形品であって、前記第1の面が転写された第1の成形面、前記第2の面が転写された第2の成形面、及び前記第3の面の一部が転写され、そのなかに不完全転写部を含んでいる第3の成形面を有し、該不完全転写部の大きさは、前記第3の成形面より小さく、少なくとも1つの断面形状において、前記第1の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分、及び前記第2の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分は、前記第1の方向に関して、前記不完全転写部の両端の間に位置していることを特徴とする樹脂成形品である。
【0021】
これによれば、安価で、形状精度に優れた樹脂成形品を実現することができる。
【0022】
本発明は、第4の観点からすると、本発明の樹脂成形用型を用いて成形されたことを特徴とする光学素子である。
【0023】
これによれば、安価で、形状精度に優れた光学素子を実現することができる。
【0024】
本発明は、第5の観点からすると、キャビティを形成する型部材の前記キャビティ側の表面が第1の方向に関して対向する第1の面と第2の面、及びそれらと異なる第3の面を有し、該第3の面の一部を形成し、前記第1の方向に直交する第2の方向に摺動可能な駒部材を含む樹脂成形用型を用いて成形された光学素子であって、前記第1の面が転写された第1の成形面、前記第2の面が転写された第2の成形面、及び前記第3の面の一部が転写され、そのなかに不完全転写部を含んでいる第3の成形面を有し、該不完全転写部の大きさは、前記第3の成形面より小さく、少なくとも1つの断面形状において、前記第1の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分、及び前記第2の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分は、前記第1の方向に関して、前記不完全転写部の両端の間に位置していることを特徴とする光学素子である。
【0025】
これによれば、安価で、形状精度に優れた光学素子を実現することができる。
【0026】
本発明は、第6の観点からすると、被走査面上を光によって走査する光走査装置であって、光源と;該光源からの光を偏向する光偏向器と;本発明の光学素子を含み、前記光偏向器で偏向された光を被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置である。
【0027】
これによれば、走査精度を低下させることなく、低コスト化を図ることができる。
【0028】
本発明は、第7の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と;前記少なくとも1つの像担持体に対して、画像情報に応じて変調された光を走査する本発明の光走査装置と;を備える画像形成装置である。
【0029】
これによれば、本発明の光走査装置を備えているため、その結果として、画像品質の低下を招くことなく、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。
【図2】光走査装置の概略構成を説明するための図(その1)である。
【図3】光走査装置の概略構成を説明するための図(その2)である。
【図4】光走査装置の概略構成を説明するための図(その3)である。
【図5】光走査装置の概略構成を説明するための図(その4)である。
【図6】偏向器側走査レンズ2105cを説明するための図である。
【図7】偏向器側走査レンズ2105cの断面形状を説明するための図(その1)である。
【図8】偏向器側走査レンズ2105cの断面形状を説明するための図(その2)である。
【図9】金型10の構成を説明するための図である。
【図10】入れ子11aを説明するための図である。
【図11】入れ子11bを説明するための図である。
【図12】側壁部材12aを説明するための図である。
【図13】側壁部材12bを説明するための図である。
【図14】図14(A)及び図14(B)は、それぞれ可動入れ子13を説明するための図である。
【図15】可動入れ子13の大きさ及び位置を説明するための図である。
【図16】金型10のキャビティに樹脂が充填された状態を説明するための図である。
【図17】可動入れ子13がスライドされた状態を説明するための図である。
【図18】ひけの発生状態を説明するための図である。
【図19】比較例1としての金型50の構成(A<h<H)を説明するための図である。
【図20】金型50の不都合を説明するための図(その1)である。
【図21】金型50の不都合を説明するための図(その2)である。
【図22】比較例2としての金型60の構成(h<A=H)を説明するための図である。
【図23】金型60の不都合を説明するための図である。
【図24】比較例3としての金型70の構成(h<H<A)を説明するための図である。
【図25】金型70の不都合を説明するための図である。
【図26】像面側走査レンズ2107cの断面形状を説明するための図である。
【図27】金型20の構成を説明するための図である。
【図28】入れ子21aを説明するための図である。
【図29】入れ子21bを説明するための図である。
【図30】側壁部材22aを説明するための図である。
【図31】側壁部材22bを説明するための図である。
【図32】図32(A)及び図32(B)は、それぞれ可動入れ子23aを説明するための図である。
【図33】図33(A)及び図33(B)は、それぞれ可動入れ子23bを説明するための図である。
【図34】可動入れ子23a,23bの大きさ及び位置を説明するための図である。
【図35】金型20のキャビティに樹脂が充填された状態を説明するための図である。
【図36】可動入れ子23a,23bがスライドされた状態を説明するための図である。
【図37】ひけの発生状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図37に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
【0032】
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
【0033】
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
【0034】
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えば、パソコン)及び公衆回線を介した情報機器(例えば、ファクシミリ装置)との双方向の通信を制御する。そして、通信制御装置2080は、受信した情報をプリンタ制御装置2090に通知する。
【0035】
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換器などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置及び情報機器からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置及び情報機器からの画像情報を光走査装置2010に送る。
【0036】
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
【0037】
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
【0038】
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
【0039】
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
【0040】
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
【0041】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
【0042】
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
【0043】
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
【0044】
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
【0045】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされて多色のカラー画像が形成される。
【0046】
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚づつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
【0047】
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
【0048】
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
【0049】
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
【0050】
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つの偏向器側走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8枚の折返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つの像面側走査レンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4枚の光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2〜図4では図示省略、図5参照)の所定位置に組み付けられている。
【0051】
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0052】
光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、光源2200aは光源2200bの−Z側に配置されている。また、光源2200dは光源2200cの−Z側に配置されている。
【0053】
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0054】
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0055】
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0056】
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0057】
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
【0058】
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
【0059】
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
【0060】
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
【0061】
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0062】
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0063】
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0064】
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0065】
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。
【0066】
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
【0067】
各偏向器側走査レンズはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
【0068】
偏向器側走査レンズ2105a及び偏向器側走査レンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、偏向器側走査レンズ2105c及び偏向器側走査レンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
【0069】
そして、偏向器側走査レンズ2105aと偏向器側走査レンズ2105bはZ軸方向に積層され、偏向器側走査レンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、偏向器側走査レンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。また、偏向器側走査レンズ2105cと偏向器側走査レンズ2105dはZ軸方向に積層され、偏向器側走査レンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、偏向器側走査レンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
【0070】
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、偏向器側走査レンズ2105a、折返しミラー2106a、像面側走査レンズ2107a、及び折返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
【0071】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、偏向器側走査レンズ2105b、折り返しミラー2106b、像面側走査レンズ2107b、及び折返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
【0072】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、偏向器側走査レンズ2105c、折り返しミラー2106c、像面側走査レンズ2107c、及び折返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
【0073】
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、偏向器側走査レンズ2105d、折り返しミラー2106d、像面側走査レンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
【0074】
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」、「画像形成領域」、あるいは「有効画像領域」などと呼ばれている。
【0075】
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器側走査レンズ2105aと像面側走査レンズ2107aと2枚の折り返しミラー(2106a、2108a)とからKステーションの走査光学系が構成されている。また、偏向器側走査レンズ2105bと像面側走査レンズ2107bと2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、偏向器側走査レンズ2105cと像面側走査レンズ2107cと2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、偏向器側走査レンズ2105dと像面側走査レンズ2107dと2枚の折り返しミラー(2106d、2108d)とからYステーションの走査光学系が構成されている。
【0076】
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射する。
【0077】
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
【0078】
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射する。
【0079】
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
【0080】
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
【0081】
走査制御装置は、各光検知センサの出力信号に基づいて対応する感光体ドラムでの走査開始タイミングを検出する。
【0082】
各偏向器側走査レンズは、いずれも、同一形状の金型を用いて射出成形された樹脂製の光学素子である。そこで、以下では、代表として、偏向器側走査レンズ2105cについて説明する。
【0083】
樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、アモルファスポリオレフィン、シクロオレフィンコポリマー等を使用することができる。本実施形態では、一例として、シクロオレフィンコポリマーである日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオネックス」を使用した。
【0084】
偏向器側走査レンズ2105cは、一例として図6に示されるように、2つの光学面(入射側の光学面、射出側の光学面)を有する本体部、該本体部を補強するリブ、取り付け基準部などから構成されている。なお、以下では、便宜上、入射側の光学面を「入射光学面」と略述し、射出側の光学面を「射出光学面」と略述する。また、偏向器側走査レンズ2105cの+Z側の面を「側面R」ともいい、−Z側の面を「側面L」ともいう。
【0085】
ここでは、各光学面の短手方向の長さは6mmであり、中央部の幅4mmの領域が有効領域である。各光学面の長手方向の長さは100mmである。そして、本体部は、中央部の厚さが10mm、端部の厚さが5mmの偏肉形状を有している。
【0086】
リブは、各光学面の+Z側端部及び−Z側端部に設けられ、幅2mm、光学面からの高さ2mmである。
【0087】
取り付け基準部は、+Z側のリブ上に、Y軸方向に関して異なる位置に3箇所設けられている。
【0088】
そして、Y軸方向に関して中央に位置する取り付け基準部を通りY軸に直交する断面(図7参照)の形状が、図8に示されている。
【0089】
側面Rの一部は、いわゆる「不完全転写部」である。この不完全転写部は、成型時のひけが誘導された部分である。ここでは、不完全転写部の−X側の端部は、側面Rの−X側の端部から+X側に1mmのところに位置している。また、不完全転写部の+X側の端部は、側面Rの+X側の端部から−X側に1mmのところに位置している。このように、不完全転写部は、側面Rの面内に形成されている。
【0090】
そこで、偏向器側走査レンズ2105cの長手方向の中央部では、X軸方向に関して、側面Rの長さHは14mmであり、不完全転写部の長さDは、12mmである。
【0091】
偏向器側走査レンズ2105cを射出成形する際に用いられた金型10が、一例として図9に示されている。この金型10は、その内部に、偏向器側走査レンズ2105cの形状と類似した形状のキャビティを有している。
【0092】
金型10は、2つの入れ子(11a、11b)、2つの側壁部材(12a、12b)、可動入れ子13などを有している。
【0093】
入れ子11aは、入射光学面の転写面、リブの厚さ及び−X側端部を規定するリブ規定面を有している(図10参照)。ここで、入射光学面の転写面における+Z側の端部をcp1とする。
【0094】
入れ子11bは射出光学面の転写面、リブの厚さ及び+X側端部を規定するリブ規定面を有している(図11参照)。ここで、射出光学面の転写面における+Z側の端部をcp2とする。
【0095】
2つの入れ子(11a、11b)は、X軸方向に関して、偏向器側走査レンズ2105cにおける入射光学面と射出光学面の距離(肉厚)に応じた間隔で、それぞれの転写面が対向するように配置されている。ここでは、X軸方向に関して、cp1とcp2の間隔hは10mmである。
【0096】
側壁部材12aは、2つの入れ子(11a、11b)の−Z側に配置され、側面Lを規定するL規定面を有している(図12参照)。
【0097】
側壁部材12bは、2つの入れ子(11a、11b)の+Z側に配置され、側面Rを規定するR規定面を有している(図13参照)。また、側壁部材12bは、可動入れ子13が挿入される開口を有している。
【0098】
可動入れ子13は、側壁部材12bに設けられている上記開口に挿入されており、側壁部材12bに対してZ軸方向に移動(スライド)させることができる(図14(A)及び図14(B)参照)。
【0099】
可動入れ子13の−Z側の面は、樹脂との密着力が低い、TiN(窒化チタン)によってコーティングされている。なお、このコーティングは、TiNに限定されるものではなく、TiCN(炭窒化チタン)、WC(タングステンカーバイト)、テフロン(登録商標)系樹脂のいずれかであっても良い。
【0100】
また、X軸方向に関して、可動入れ子13の−X側端部は、上記cp1よりも−X側に位置し、+X側端部は、上記cp2よりも+X側に位置するように設定されている(図15参照)。すなわち、+Z方向から見たとき、cp1とcp2との間の空間が、可動入れ子13によって覆い隠されている。
【0101】
ここでは、可動入れ子13のX軸方向に関する長さAは、不完全転写部の長さDと同じであり、12mmである。すなわち、h<A(=D)<Hの関係が満足されている。
【0102】
次に、金型10を用いて、偏向器側走査レンズ2105cを成形する方法について簡単に説明する。なお、可動入れ子13は、スライド前の状態(図14(A)参照)にあるものとする。
【0103】
(1)金型10を射出成型機にセットする。
【0104】
(2)樹脂のガラス転移温度(Tg)以下(100〜150℃)の所定温度に保たれた金型10のキャビティ内に、ガラス転移温度(Tg)以上(200〜300℃)に加熱・溶融された樹脂を、加圧(100〜600kgf/cm)しながら射出充填する(図16参照)。すると、樹脂の温度は金型温度に近づくため、樹脂は冷却され収縮する。そして、キャビティ内の樹脂圧力は、時間と共に低下する。
【0105】
(3)キャビティ内の樹脂の圧力が所定圧力になると、可動入れ子13を1〜5mm程度の所定量だけ+Z側にスライドさせる(図17参照)。これにより、可動入れ子13と樹脂の間に空隙が形成される。そして、該空隙近傍の樹脂が、上記所定圧力に応じて変形する。このとき、樹脂内に残っている圧力が大気圧以上であれば、空隙近傍の樹脂は、局部的に圧力が開放され、可動入れ子13のR規定面に縁部分が相似する凸形状になり、樹脂内に残っている圧力が大気圧以下であれば、空隙近傍の樹脂は、局部的に収縮し、可動入れ子13のR規定面に縁部分が相似する凹形状となって、不完全転写部が形成される(図18参照)。
【0106】
(4)樹脂の温度が金型10の温度とほぼ等しくなると、金型10から樹脂を取り出す。
【0107】
このようにして成型された偏向器側走査レンズ2105cは、樹脂の収縮により、側面Rの中央部がへこんだ形状となる。しかしながら、各取り付け基準部は、樹脂の収縮の影響を受けることなく、所望の位置に所望の形状で形成することができた。また、各光学面についても、それぞれ所望の形状の光学面を得ることができた。
【0108】
ところで、図19には、比較例1としての金型50が示されている。この金型50では、A<h<Hの関係にある。金型50を用いて偏向器側走査レンズ2105cを成形すると、一例として図20及び図21に示されるように、取り付け基準部にひけが生じた。
【0109】
また、図22には、比較例2としての金型60が示されている。この金型60では、h<A=Hの関係にある。金型60を用いて偏向器側走査レンズ2105cを成形すると、一例として図23に示されるように、光学面の一部にひけが生じ、所望の形状の光学面を得ることが困難であった。
【0110】
また、図24には、比較例3としての金型70が示されている。この金型70では、h<H<Aの関係にある。金型70を用いて偏向器側走査レンズ2105cを成形すると、一例として図25に示されるように、光学面の一部にひけが生じ、所望の形状の光学面を得ることが困難であった。
【0111】
ところで、樹脂は、肉厚の大きい部分での収縮量が最も大きくなるため、転写面の端部(cp1、cp2)、すなわち、長さhの領域の収縮量が最も大きくなる。比較例1の金型50のようにh>Aの場合は、可動入れ子の前方(−Z側)領域だけではひけを吸収しきれず、該領域からはみ出してしまう。はみ出したひけは、領域を制御するのは困難であり、自由に進行していく。その結果、取付基準部がひけてしまう不具合が生じる。また、比較例2の金型60及び比較例3の金型70の場合には、(1)側面Rの全面を不完全転写部としてしまうため、精度良く転写される必要がある取付基準部が確保できない、(2)ひけを誘導するために成形中に樹脂の剥離を行う際、転写面が形成されている2つの入れ子の角部で、樹脂と転写面の密着力と、垂直方向に入れ子から樹脂が剥離する離型力とが働くため、転写面側の樹脂の剥離が発生してしまう、という2つの不具合が生じる。
【0112】
本実施形態では、長さhの領域を、ひけ誘導領域である可動入れ子の前方(−Z側)領域が包括しているため、ひけ誘導領域からひけがはみ出すことはない。すなわち、比較例1の金型50における不具合は生じない。
【0113】
また、本実施形態では、H>Aであり、ひけのはみ出しが無く、かつ不完全転写領域でない領域を、側面Rに確保することができるため、側面Rに取付基準部を設けることが可能となる。すなわち、比較例1の金型50における不具合、比較例2の金型60及び比較例3の金型70における上記不具合(1)は生じない。更に、成形時のひけ誘導のために可動入れ子を樹脂から剥離させる際に、2つの入れ子(11a、11b)の角部では、樹脂は力を受けないため、樹脂の剥離は生じない。また、ひけ誘導領域からのひけのはみ出しも生じないため、比較例2の金型60及び比較例3の金型70における上記不具合(2)は生じない。
【0114】
各像面側走査レンズは、いずれも、同一形状の金型を用いて射出成形された樹脂製の光学素子である。そこで、以下では、代表として、像面側走査レンズ2107cについて説明する。
【0115】
樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、アモルファスポリオレフィン、シクロオレフィンコポリマー等を使用することができる。本実施形態では、一例として、シクロオレフィンコポリマーである日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオネックス」を使用した。
【0116】
像面側走査レンズ2107cは、一例として図26に示されるように、2つの光学面(入射側の光学面、射出側の光学面)を有する本体部、該本体部を補強するリブ、取り付け基準部などから構成されている。ここでは、光束の入射方向をx軸方向、長手方向をy軸方向(Y軸方向と同じ)、x軸方向及びy軸方向のいずれにも直交する方向をz軸方向とする。なお、像面側走査レンズ2107cの−z側の面を「側面a」ともいい、+z側の面を「側面b」ともいう。
【0117】
ここでは、各光学面の短手方向の長さは8mmであり、中央部の幅6mmの領域が有効領域である。各光学面の長手方向の長さは250mmである。そして、本体部は、中央部の厚さが3mmであり、全長にわたって厚さが3〜5mmに連続的に変化している。
【0118】
リブは、各光学面の+z側端部及び−z側端部に設けられ、幅2mm、光学面からの高さ2mmである。
【0119】
取り付け基準部は、+z側のリブ上に、y軸方向に関して異なる位置に3箇所設けられている。
【0120】
なお、図26には、y軸方向に関して中央に位置する取り付け基準部を通りy軸に直交する断面の形状が示されている。
【0121】
側面aの一部及び側面bの一部は、いわゆる「不完全転写部」である。この不完全転写部は、成型時のひけが誘導された部分である。以下では、便宜上、側面aの不完全転写部を「不完全転写部a」といい、側面bの不完全転写部を「不完全転写部b」という。
【0122】
不完全転写部aの−x側の端部は、側面aの−x側の端部から+x側に1mmのところに位置している。また、不完全転写部aの+x側の端部は、側面aの+x側の端部から−x側に1mmのところに位置している。このように、不完全転写部aは、側面aの面内に形成されている。
【0123】
不完全転写部bの−x側の端部は、側面bの−x側の端部から+x側に1mmのところに位置している。また、不完全転写部bの+x側の端部は、側面bの+x側の端部から−x側に1mmのところに位置している。このように、不完全転写部bは、側面bの面内に形成されている。
【0124】
そして、像面側走査レンズ2107cの長手方向の中央部では、x軸方向に関して、側面a及び側面bの長さHは7mmであり、各不完全転写部の長さDは5mmである。
【0125】
像面側走査レンズ2107cを射出成形する際に用いられた金型20が、一例として図27に示されている。この金型20は、その内部に、像面側走査レンズ2107cの形状と類似した形状のキャビティを有している。
【0126】
金型20は、2つの入れ子(21a、21b)、2つの側壁部材(22a、22b)、2つの可動入れ子(23a、23b)などを有している。
【0127】
入れ子21aは、入射光学面の転写面、リブの厚さ及び−x側端部を規定するリブ規定面を有している(図28参照)。ここで、z軸方向に関して、入れ子21aにおける転写面の端部をcp3とする。
【0128】
入れ子21bは射出光学面の転写面、リブの厚さ及び+x側端部を規定するリブ規定面を有している(図29参照)。ここで、z軸方向に関して、入れ子21bにおける転写面の端部をcp4とする。
【0129】
2つの入れ子(21a、21b)は、x軸方向に関して、像面側走査レンズ2107cにおける入射光学面と射出光学面の距離(肉厚)に応じた間隔で、それぞれの転写面が対向するように配置されている。ここでは、x軸方向に関して、cp3とcp4の間隔hは3mmである。
【0130】
側壁部材22aは、2つの入れ子(21a、21b)の−z側に配置され、側面aを規定するa規定面を有している(図30参照)。また、側壁部材22aは、可動入れ子23aが挿入される開口を有している。
【0131】
側壁部材22bは、2つの入れ子(21a、21b)の+z側に配置され、側面bを規定するb規定面を有している(図31参照)。また、側壁部材22bは、可動入れ子23bが挿入される開口を有している。
【0132】
可動入れ子23aは、側壁部材22aに設けられている上記開口に挿入されており、側壁部材22aに対してz軸方向に移動(スライド)させることができる(図32(A)及び図32(B)参照)。
【0133】
可動入れ子23bは、側壁部材22bに設けられている上記開口に挿入されており、側壁部材22bに対してz軸方向に移動(スライド)させることができる(図33(A)及び図33(B)参照)。
【0134】
各可動入れ子のキャビティ側の面は、樹脂との密着力が低い、TiN(窒化チタン)によってコーティングされている。なお、このコーティングは、TiNに限定されるものではなく、TiCN(炭窒化チタン)、WC(タングステンカーバイト)、テフロン(登録商標)系樹脂のいずれかであっても良い。
【0135】
また、各可動入れ子のキャビティ側の面は、リブ側に食い込ませた凸形状となっており、側面に抜き勾配が設けられている。
【0136】
また、x軸方向に関して、各可動入れ子の−x側端部は、上記cp3よりも−x側に位置し、+x側端部は、上記cp4よりも+x側に位置するように設定されている(図34参照)。すなわち、−z方向から見たとき、cp3とcp4との間の空間が、可動入れ子23aによって覆い隠されている。また、+z方向から見たとき、cp3とcp4との間の空間が、可動入れ子23bによって覆い隠されている。
【0137】
各可動入れ子のx軸方向に関する長さAは、各不完全転写部の長さDと同じであり、5mmである。すなわち、h<A(=D)<Hの関係が満足されている。
【0138】
次に、金型20を用いて、像面側走査レンズ2107cを成形する方法について簡単に説明する。
【0139】
(1)金型20を射出成型機にセットする。
【0140】
(2)樹脂のガラス転移温度(Tg)以下(100〜150℃)の所定温度に保たれた金型10のキャビティ内に、ガラス転移温度(Tg)以上(200〜300℃)に加熱・溶融された樹脂を、加圧(100〜600kgf/cm)しながら射出充填する(図35参照)。すると、樹脂の温度は金型温度に近づくため、樹脂は冷却され収縮する。そして、キャビティ内の樹脂圧力は、時間と共に低下する。
【0141】
(3)キャビティ内の樹脂の圧力が所定圧力になると、可動入れ子23aを1〜5mm程度の所定量だけ−z側にスライドさせるとともに、可動入れ子23bを1〜5mm程度の所定量だけ+z側にスライドさせる(図36参照)。これにより、可動入れ子23aと樹脂の間、及び可動入れ子23bと樹脂の間に空隙が形成される。そして、各空隙近傍の樹脂が、上記所定圧力に応じて変形し、不完全転写部が形成される(図37参照)。
【0142】
(4)樹脂の温度が金型20の温度とほぼ等しくなると、金型10から樹脂を取り出す。
【0143】
このようにして成型された像面側走査レンズ2107cは、樹脂の収縮により、側面a及び側面bの中央部がそれぞれへこんだ形状となる。しかしながら、各取り付け基準部は、樹脂の収縮の影響を受けることなく、所望の位置に所望の形状で形成することができた。また、各光学面についても、それぞれ所望の形状の光学面を得ることができた。
【0144】
ここでは、像面側走査レンズ2107cは、肉厚が薄いため、外力による変形を抑制するために、同じ厚さ程度のリブを有している。この場合、金型20では、各転写面の冷却速度が早いため、偏向器側走査レンズ2105cと同様なひけ誘導では、転写面でのひけを吸収しきれないおそれがある。そこで、可動入れ子の先端部をリブに食い込ませることで、転写面に対する距離を小さくし、ひけ誘導の効果を上げている。また、対向する2つの側面(側面a、側面b)にひけを誘導することで、ひけ誘導の効果は増大するとともに、+z側のリブと−z側のリブの冷却状態がほぼ同一となり、成形後の反り変形を抑制することができる。
【0145】
このように、金型20を用いることにより、ひけを各可動入れ子の前方領域内に限定することが可能となる。すなわち、各転写面及び各取り付け基準部位置にひけを発生させず、低圧での成形が可能となる。従って、要求される形状精度の光学面を有し、内部歪みの低い樹脂製レンズを作成することができる。また、各可動入れ子の先端を食い込ませているため、リブの厚さを確保しつつ、ひけ誘導の効果を得ることができる。
【0146】
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、各光源からの光束をポリゴンミラー2104に導く偏向器前光学系、ポリゴンミラー2104、ポリゴンミラー2104で偏向された各光束を対応する感光体ドラム表面に集光する走査光学系などを備えている。
【0147】
そして、走査光学系は、各光源に対応する4つの偏向器側走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、及び4つの像面側走査レンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)を含んでいる。各偏向器側走査レンズは、金型10を用いて樹脂が射出成形された樹脂成型品である。また、各像面側走査レンズは、金型20を用いて樹脂が射出成形された樹脂成型品である。
【0148】
金型10は、2つの入れ子(11a、11b)、2つの側壁部材(12a、12b)、可動入れ子13などを有している。そして、X軸方向に関して、可動入れ子13の−X側端部は、cp1よりも−X側に位置し、+X側端部は、cp2よりも+X側に位置するように設定されている。すなわち、+Z側からみたときに、可動入れ子13は、cp1とcp2の間に充填された樹脂を覆っている。この場合は、ひけが、各光学面及び各取り付け基準部に発生するのを防止することができる。そこで、安価で、所望の形状を有し、複屈折が小さい偏向器側走査レンズを用いることができる。
【0149】
金型20は、2つの入れ子(21a、21b)、2つの側壁部材(22a、22b)、2つの可動入れ子(23a、23b)などを有している。そして、x軸方向に関して、各可動入れ子の−x側端部は、cp3よりも−x側に位置し、+x側端部は、cp4よりも+x側に位置するように設定されている。すなわち、z軸方向からみたときに、各可動入れ子は、cp3とcp4の間に充填された樹脂を覆っている。この場合は、ひけが、各光学面及び各取り付け基準部に発生するのを防止することができる。そこで、安価で、所望の形状を有し、複屈折が小さい像面側走査レンズを用いることができる。
【0150】
従って、光走査装置2010は、走査精度を低下させることなく、低コスト化を図ることができる。
【0151】
そして、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010を備えているため、画像品質の低下を招くことなく、低コスト化を図ることができる。
【0152】
なお、上記実施形態では、光走査装置が4つの光源を備える場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0153】
また、上記実施形態では、画像形成装置が4つの感光体ドラムを有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、画像形成装置が2つの感光体ドラムを有していても良い。また、画像形成装置が5つあるいは6つの感光体ドラムを有していても良い。
【0154】
また、上記実施形態において、感光体ドラムから記録紙へのトナー画像の転写が、感光体ドラムから記録紙へ直接的に行われる直接転写方式であっても良い。
【0155】
なお、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光プロッタやデジタル複写装置であっても良い。
【0156】
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で転写対象物としての印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
【0157】
また、像担持体としてビームスポットの熱エネルギにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により可視画像を直接、像担持体に形成することができる。
【0158】
要するに、上記光走査装置2010を備えた画像形成装置であれば良い。
【0159】
また、光走査装置以外の光学機器の使用される光学素子を、上記実施形態と同様な金型を用いて作成しても良い。安価で、形状精度に優れ、複屈折が小さい光学素子を得ることができる。
【0160】
また、光学素子以外の樹脂成形品を、上記実施形態と同様な金型を用いて作成しても良い。安価で、形状精度に優れた樹脂成形品を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0161】
以上説明したように、本発明の樹脂成形用型によれば、形状精度に優れた樹脂成形品を安定して成形するのに適している。また、本発明の樹脂成形品によれば、安価で、形状精度に優れた部材を得るのに適している。本発明の光学素子によれば、安価で、形状精度に優れ、複屈折が小さい部材を得るのに適している。また、本発明の光走査装置によれば、走査精度を低下させることなく、低コスト化を図るのに適している。また、本発明の画像形成装置によれば、画像品質の低下を招くことなく、低コスト化を図るのに適している。
【符号の説明】
【0162】
10…金型(樹脂成形用型)、11a,11b…入れ子(型部材の一部)、12a,12b…側壁部材(型部材の一部)、13…可動入れ子(摺動可能な駒部材)、20…金型(樹脂成形用型)、21a,21b…入れ子(型部材の一部)、22a,22b…側壁部材(型部材の一部)、23a,23b…可動入れ子(摺動可能な駒部材)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2104…ポリゴンミラー(光偏向器)、2105a〜2105d…偏向器側走査レンズ(光学素子、樹脂成形品)、2107a〜2107d…像面側走査レンズ(光学素子、樹脂成形品)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0163】
【特許文献1】特許第3034721号公報
【特許文献2】特許第3512595号公報
【特許文献3】特開2000−329908号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状のキャビティを有し、該キャビティを形成する型部材の前記キャビティ側の表面形状を樹脂素材に転写して樹脂成形品を成形するための樹脂成形用型において、
前記型部材の前記キャビティ側の表面は、第1の方向に関して対向し、それぞれ所定の面形状を有する第1の面と第2の面を含み、
前記型部材は、前記キャビティ側の表面における前記第1の面及び前記第2の面のいずれとも異なる第3の面の一部を形成し、前記第1の方向に直交する第2の方向に摺動可能な駒部材を有し、
前記キャビティの少なくとも1つの断面形状において、前記駒部材の前記第1の方向の長さA、前記第1の面における前記駒部材に最も近い部分と前記第2の面における前記駒部材に最も近い部分の前記第1の方向の間隔h、前記第3の面の前記第1の方向の長さHを用いて、h<A<H、の関係が満足され、
前記駒部材は、前記第1の方向に関して前記間隔hの領域を含むように配置されていることを特徴とする樹脂成形用型。
【請求項2】
前記樹脂成形品は、所定形状の取り付け基準部を有し、
前記型部材は、前記第3の面内の前記駒部材とは異なる部材で形成される部分に、前記取り付け基準部に対応する転写面を有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形用型。
【請求項3】
前記駒部材における前記キャビティ側の面は、凸形状の面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂成形用型。
【請求項4】
前記樹脂成形品は、前記第1の面及び前記第2の面に対応する2つの面を有する本体部と、前記本体部を補強する補強部とを有し、
前記駒部材における前記キャビティ側の面は、樹脂素材が充填されたときに、前記補強部が含まれる面の一部を規定する面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂成形用型。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂成形用型を用いて成形されたことを特徴とする樹脂成型品。
【請求項6】
前記樹脂成形用型における第1の面が転写された第1の成形面、第2の面が転写された第2の成形面、及び第3の面の一部が転写され、そのなかに不完全転写部を含んでいる第3の成形面を有し、
該不完全転写部の大きさは、前記第3の成形面より小さく、
少なくとも1つの断面形状において、前記第1の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分、及び前記第2の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分は、前記第1の成形面と前記第2の成形面が対向している方向に関して、前記不完全転写部の両端の間に位置していることを特徴とする請求項5に記載の樹脂成形品。
【請求項7】
キャビティを形成する型部材の前記キャビティ側の表面が第1の方向に関して対向する第1の面と第2の面、及びそれらと異なる第3の面を有し、該第3の面の一部を形成し、前記第1の方向に直交する第2の方向に摺動可能な駒部材を含む樹脂成形用型を用いて成形された樹脂成形品であって、
前記第1の面が転写された第1の成形面、前記第2の面が転写された第2の成形面、及び前記第3の面の一部が転写され、そのなかに不完全転写部を含んでいる第3の成形面を有し、
該不完全転写部の大きさは、前記第3の成形面より小さく、
少なくとも1つの断面形状において、前記第1の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分、及び前記第2の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分は、前記第1の方向に関して、前記不完全転写部の両端の間に位置していることを特徴とする樹脂成形品。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂成形用型を用いて成形されたことを特徴とする光学素子。
【請求項9】
前記樹脂成形用型における第1の面が転写された第1の成形面、第2の面が転写された第2の成形面、及び第3の面の一部が転写され、そのなかに不完全転写部を含んでいる第3の成形面を有し、
該不完全転写部の大きさは、前記第3の成形面より小さく、
少なくとも1つの断面形状において、前記第1の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分、及び前記第2の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分は、前記第1の成形面と前記第2の成形面が対向している方向に関して、前記不完全転写部の両端の間に位置していることを特徴とする請求項8に記載の光学素子。
【請求項10】
キャビティを形成する型部材の前記キャビティ側の表面が第1の方向に関して対向する第1の面と第2の面、及びそれらと異なる第3の面を有し、該第3の面の一部を形成し、前記第1の方向に直交する第2の方向に摺動可能な駒部材を含む樹脂成形用型を用いて成形された光学素子であって、
前記第1の面が転写された第1の成形面、前記第2の面が転写された第2の成形面、及び前記第3の面の一部が転写され、そのなかに不完全転写部を含んでいる第3の成形面を有し、
該不完全転写部の大きさは、前記第3の成形面より小さく、
少なくとも1つの断面形状において、前記第1の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分、及び前記第2の成形面における前記第3の成形面に最も近い部分は、前記第1の方向に関して、前記不完全転写部の両端の間に位置していることを特徴とする光学素子。
【請求項11】
レンズ面を含む本体部と該本体部を補強するリブとを有し、
前記第3の成形面は、前記リブが含まれる面であることを特徴とする請求項9又は10に記載の光学素子。
【請求項12】
被走査面上を光によって走査する光走査装置であって、
光源と;
該光源からの光を偏向する光偏向器と;
請求項8〜11のいずれか一項に記載の光学素子を含み、前記光偏向器で偏向された光を被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置。
【請求項13】
少なくとも1つの像担持体と;
前記少なくとも1つの像担持体に対して、画像情報に応じて変調された光を走査する請求項12に記載の光走査装置と;を備える画像形成装置。
【請求項14】
前記画像情報は多色のカラー画像情報であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2012−56269(P2012−56269A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203943(P2010−203943)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】