説明

樹脂組成物、低複屈折光学用フィルムおよび低複屈折光学用フィルムの製造方法

【課題】セルロースエステル系樹脂と可塑剤を適宜に組み合わせることにより、低複屈折のフィルムを得ることが可能なセルロースエステル系樹脂組成物、およびこの樹脂組成物を溶融押出して得られる低複屈折光学用フィルムを得ること。
【解決手段】(A)セルロースエステル系樹脂50〜99重量%と、(B)スモール(small)の方法に従って計算した溶解度パラメーターの値が9.0以下である可塑剤50〜1重量%[ただし、(A)+(B)=100重量%]を主成分とする樹脂組成物、この樹脂組成物を溶融押出しにより得られるフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置などの偏光版保護フィルム、カラーフィルタ、写真感光材料のフィルムなどを形成するのに有用なセルロースエステル系の樹脂組成物、低複屈折光学用フィルム(シート)および低複屈折光学用フィルム(シート)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルロースエステル系樹脂は、光学的等方性が高く、複屈折が小さいため、写真感光材料の支持体、偏光板保護フィルム、やカラーフィルタなどとして利用されている。このような光学フィルムにおいて、セルロースエステルを構成するグルコース単位の置換位置に対するアシル基の影響について検討したり(特許文献1)、セルロースエステルフィルムを溶融押出しにより製膜するに際し、高温寸法戻り係数を少なくする方法(特許文献2)などが提案されている。
しかしながら、これらの先行技術では、セルロースエステル系樹脂と可塑剤の種類や量を組み合わせることにより、複屈折を任意に調整することのできる技術は開示されてはいない。
【特許文献1】特開2005−281645号公報
【特許文献2】特開2006−171404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、セルロースエステル系樹脂と可塑剤を適宜に組み合わせることにより、低複屈折率のフィルムを得ることが可能なセルロースエステル系樹脂組成物、およびこの樹脂組成物を溶融押出して得られる低複屈折光学用フィルムを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、(A)セルロースエステル系樹脂50〜99重量%と、(B)スモール(small)の方法に従って計算した溶解度パラメーターの値が9.0以下である可塑剤50〜1重量%[ただし、(A)+(B)=100重量%]を主成分とする樹脂組成物に関する。
ここでセルロースエステル系樹脂としては、セルロースアセテートブチレートおよび/またはセルトースアセテートプロピオネートが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、(A)セルロースエステル系樹脂90重量%と(B)可塑剤10重量%からなる樹脂組成物の最長緩和時間が好ましくは1,600秒以下である。
さらに本発明の樹脂組成物は、(A)セルロースエステル系樹脂90重量%と(B)可塑剤10重量%からなる樹脂組成物のtanδのピークトップ値は、好ましくは0.30以上、0.98未満の範囲である。
次に、本発明は、上記樹脂組成物を溶融押出することを特徴とする低複屈折光学用フィルムの製造方法に関する。
ここで、上記樹脂組成物を溶融押出する際に、以下の(1)または(2)から選ばれたプロセスを行う低複屈折光学用フィルムの製造方法であることが好ましい。
(1)溶融した樹脂組成物を内層とし、その片表層面もしくはその両表層面にあらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマーを積層して押出し、積層フィルムの成形後に片表層面もしくは両表層面に積層された異種ポリマーを剥離する。
(2)樹脂組成物を内層とし、その片表層面もしくは両表層面に外層として溶融状態の異種ポリマーを積層して押出し、さらにその片表層面もしくはその両表層面にあらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマー(溶融状態の異種ポリマーと同一の樹脂からなる異種ポリマーであっても、異なる樹脂からなる異種ポリマーであっても良い)を積層して押出し、積層フィルムの成形後に片表層面もしくはその両表層面に積層された異種ポリマーを剥離する。
次に、本発明は、本発明の上記樹脂組成物を溶融押出法により得られる、低複屈折光学用フィルムに関する。
ここで、溶融押出法によって得られる低複屈折光学用フィルムは、一軸延伸されていても、二軸延伸されていてもよい。
本発明の低複屈折光学用フィルムは、上記樹脂組成物を、溶融押出したのち、弾性率(E’)が10Paでの温度で延伸倍比2.5で延伸した場合の複屈折率(Δn)が好ましくは6.0×10−4以下である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、セルロースエステル系樹脂と可塑剤を適宜に組み合わせることにより、低複屈折率のフィルムを得ることが可能なセルロースエステル系樹脂組成物、およびこの樹脂組成物を溶融押出して得られる低複屈折光学用フィルムが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(A)セルロースエステル系樹脂:
本発明に用いる(A)セルロースエステル系樹脂は、セルロースエステル系誘導体であれば特に限定を受けないが、透明性に優れることから、セルロースアセテートブチレートおよび/またはセルロースアセテートプロピオネートを用いることが好ましく、さらに、アセチル含量、プロピオニル含量およびブチリル含量の総和が(A)セルロースエステル系樹脂に対して40〜99重量%であることが優れた透明性材料を得るために好ましい。さらに好ましくは、40〜60重量%である。なお、アセチル含量などの測定方法は、ASTMD 817に詳細が記述されている。
また、セルロースアセテートブチレートおよび/またはセルロースアセテートプロピオネートにおけるアセテート、プロピオネート、およびブチレートの平均置換度としては、合計で2.0以上であることが優れた透明性材料を得るために好ましい。
【0007】
(A)セルロースエステル系樹脂として、セルロースアセテートブチレートおよびセルロースアセテートプロピオネートを併用する場合は、両者の割合は、重量比で、通常、0.01:99.99〜99.99:0.01、好ましくは1:99〜99:1である。
本発明に使用される(A)セルロースエステル系樹脂としては、セルロースアセテートプロピオネートは、イーストマン社製の商品名CAP−482−20が挙げられ、セルロースアセテートブチレートは、イーストマン社製の商品名CAB−381−20が挙げられる。
【0008】
(B)可塑剤:
本発明に用いられる(B)可塑剤は、スモール(Small)の方法に従って計算した溶解度パラメーターの値が9.0以下、好ましくは6.0〜9.0の可塑剤である。
ここで、Smallの方法は、液体の溶解度パラメーターから、分子を構成する原子または原子団、結合型など構成グループについて、モル吸引力(molar attraction constants)(Fi)を算出し、分子に対し、各々Fiの加成性を認め、下記式によって、溶解度パラメーター(δ)が算出される。
δ=(ΣFi)/V=(ρΣFi)/M
(式中、Vはモル容積、ρは密度、Mは分子量で高分子では繰り返し単位の値である。)
この溶解度パラメーターの算出方法の詳細は、「秋山三郎、井上隆、西敏夫共著、ポリマーブレンド−相溶性と界面−、第127頁、1987年8月25日発行、(株)シーエムシー刊」に詳述されている。
【0009】
このような(B)スモールの溶解度パラメーターが9.0以下の可塑剤としては、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジブチルジグリコール、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤が挙げられる。
【0010】
(A)セルロースエステル系樹脂と(B)可塑剤の配合割合は、(A)成分が50〜99重量%、好ましくは60〜95重量%、(B)成分が50〜1重量%、好ましくは40〜5重量%[ただし、(A)+(B)=100重量%]である。(A)セルロースエステル系樹脂が50重量%未満では、耐熱性の低下やヘーズが高くなり、光学用フィルムまたはシートとしての機能を果たさなくなる。一方、99重量%を超えると、得られるシートの可撓性が損なわれ、割れやヒビの発生が懸念される。
【0011】
本発明の樹脂組成物において、(A)セルロースエステル系樹脂90重量%と(B)可塑剤10重量%からなる樹脂組成物の最長緩和時間(τd)は1,600秒以上、好ましくは1,600以上100,000秒以下である。
ここで、最長緩和時間(τd)は、応力緩和時間測定より求められる最も長い緩和時間を表す。緩和時間とは、変形を加えられた分子鎖がその配向状態を記憶している時間の目安であり、応力が初期応力(時間ゼロにおける応力)の1/expになるまでの時間として定義される。このτdは、ブロー成形、発泡成形、熱成形などの加工特性と密接に関連しており、τdが長いほど、加工特性に優れる反面、(A)成分と(B)成分との相溶性に乏しいことを示す。すなわち、本発明の樹脂組成物は、(A)セルロースエステル系樹脂に配合される(B)可塑剤の溶解度パラメーターが9.0以下と(A)成分に対する溶解性に乏しいため、(A)成分90重量%および(B)成分10重量%からなる樹脂組成物のτdは1,600秒以上となる。なお、このτdは、(B)可塑剤の濃度により調整することができる。
【0012】
次に、本発明の樹脂組成物において、(A)セルロースエステル系樹脂90重量%と(B)可塑剤10重量%からなる樹脂組成物のtanδのピークトップ値は好ましくは0.30以上、0.98未満、さらに好ましくは0.50以上、0.98未満である。
上記tanδの値は可塑剤が配合されたセルロース系樹脂において、可塑剤とセルロース系樹脂との相溶性の指標であり、値が低いほど相溶性に乏しいことを意味する。tanδのピークトップ値が0.30未満である可塑剤を使用した場合は、フィルムとした後に可塑剤がブリードアウトすることによる汚染の懸念があり好ましくない。一方、tanδのピークトップ値が0.98を超える可塑剤を使用した場合には、フィルムの複屈折が高くなり偏光板保護フィルムなどの用途に適さないため、好ましくない。
【0013】
本発明の樹脂組成物の製造方法としては特に限定を受けず、(A)セルロースエステル系樹脂と(B)可塑剤をバンバリーミキサーや加圧ニーダーなどのインターナルミキサー、ロール混練機、単軸または二軸押出機などを用いて混合して得られる。この際の混合温度は、通常、120〜300℃、好ましくは150〜260℃程度である。
本発明の樹脂組成物を製造する際には、(A)セルロースエステル系樹脂をあらかじめ乾燥しておくことが望ましく、その乾燥条件は任意であり、例えば30〜90℃の温度にて30分〜3日間程度乾燥することが好ましい。また、本発明の樹脂組成物を成形加工する際にも、該樹脂組成物をあらかじめ乾燥しておくことが望ましく、その乾燥条件は任意であり、例えば30〜90℃の温度にて30分〜3日間程度乾燥することが好ましい。
【0014】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、アンチブロッキング剤、離型剤、スリップ剤、防曇剤、滑剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、耐光安定剤、耐候性安定剤、防徽剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤および酸化防止剤などを含んでいても良い。特に、帯電防止性能を向上するためには、カチオン系、アニオン系およびノニオン系帯電防止剤を添加することが好ましい。
本発明に用いられる帯電防止剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンラウリルジメチルアンモニウム過塩素酸塩、ポリオキシエチレンステアリルジメチルアンモニウム過塩素酸塩、ステアリルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウム硝酸塩、オレイルアミノプロピルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウム過塩素酸塩、ステアリルオレイルアミノプロピルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウム過塩素酸塩、オレイルエチルジメチルアンモニウムエチル硫酸塩などの4級アンモニウム塩;アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルサルフェートナトリウムナトリウム塩、アルキルエーテルサルフェートナトリウム塩、アルキルエーテルサルフェートトリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートトリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートナトリウム塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アシルメチルタウリン酸ナトリウム、アルキルエーテルスルホン酸ナトリウムなどのアニオン活性剤;グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックポリマー、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリエチレングリコールアルキルアミン、ポリエチレングリコールアルケニルアミンなどの非イオン活性剤;ジメチルアルキルアミン、アルキルジアミノエチルグリシンナトリウムなどの両性活性剤などで、好ましくは、下記式(1)に示すカチオン活性剤である。これらは1種または2種以上を混合して用いることが可能である。
【0015】
【化1】

【0016】
〔ただし、式(1)において、R1は炭素数6〜22のアルキル基、またはアルケニル基、R2はCH、CHCH、または(CO)H(nは1〜10の整数である、XはCl、ClO、NO、CHSO、またはCHCHSOを表す。〕
【0017】
帯電防止剤の添加量は、上記の(A)成分100重量部に対し、1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部である。帯電防止剤が1重量部未満では帯電防止効果が充分ではなく、一方、20重量部を超えると、表面にブリードして、べたついたり、あるいはフィルムどうしがブロッキングしたり、フィルムの透明性が悪くなる。
【0018】
また、本発明の樹脂組成物に添加可能な安定剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,4,6−トリ−第3ブチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロオキシ−3’,5’−ジ−第3ブチルフェノール)プロピオネート、スチレン化フェノール、4−ヒドロキシ−メチル−2,6−ジ−第3ブチルフェノール、2,5−ジ−第3ブチル−ハイドロキノン、シクロヘキシルフェノール、ブチルヒドロキシアニゾール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−第3ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−第3ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−第3ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロオキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−第3ブチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロオキシ−3’−第3ブチル−5’−メチルベンジル)4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス−メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリス(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス〔β−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアネート、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのフェノール系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリエチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどの亜リン酸エステル系酸化防止剤などの酸化防止剤で、中でも、亜リン酸エステル系酸化防止剤が好ましく、特にテトラ(トリデシル)4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイトがより好ましい。
【0019】
安定剤の添加量は、上記(A)成分100重量部に対し、0.1〜5.0重量部が好ましい。0.1重量部未満では、変色などをきたして安定効果が乏しく、一方、5.0重量部を超えると、フィルム物性の低下や印刷適性に劣る。さらに好ましくは、0.1〜2.0重量部である。
また、上記樹脂組成物には、色調調整のために、染料や顔料を併用しても良い。
【0020】
また、必要に応じて添加される上記帯電防止剤などを樹脂組成物に添加する方法については、従来公知の方法が使用されるが、例えば、バンバリーミキサーや加圧ニーダーなどのインターナルミキサー、ロール混練機、単軸または二軸押出機などを用いて混合して得られる。
【0021】
さらに、本発明の樹脂組成物には、性能を損なわない程度に他の熱可塑性樹脂やゴム、特に生分解性樹脂と称される熱可塑性樹脂がブレンドされていてもよい。
上記他の熱可塑性樹脂またはゴムとしては、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、エピクロロヒドリンゴムなどをブレンドすることが可能である。
【0022】
本発明の樹脂組成物の成形方法は任意であり、例えば、圧縮成形、トランスファー成形、異形押出し、ブロー、射出、発泡、押出コーティング、回転成形などが挙げられ、中でも溶融押出しがフィルム成形性に優れる。フィルム成形を行う場合には、溶融樹脂の温度を180℃以上にすると押出負荷が低減するために好ましい。
【0023】
溶融押出しの具体例を詳述すると、例えば、(A)〜(B)成分の混合物を、Tダイが装着された押出機によりフィルム状に押出して、50〜150℃に温調されたロールで引取ることができる。このとき2本のロールでニップすることが平面性向上の観点から好ましい。
【0024】
このとき、Tダイより溶融押出しされた単層の樹脂組成物を内層とし、その片表層面もしくはその両表層面をあらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマーを外層として積層して押出し、2本のロールでニップするか、共押出多層機を用いTダイより溶融押出する際に、樹脂組成物を内層とし、その片表層面もしくはその両表層面に外層として溶融状態の異種ポリマーを積層した多層物とし、さらにその片表層面もしくはその両表層面にあらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマー(溶融状態の異種ポリマーと同一の樹脂からなる異種ポリマーであっても、異なる樹脂からなる異種ポリマーであっても良い)を積層して押出し、2本のロールでニップすることで樹脂組成物からなるフィルムの表面平滑性をさらに向上させることができる。
【0025】
樹脂組成物の片表層面もしくは両表層面に積層するあらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマーならびに、片表層面もしくは両表層面に積層する溶融状態の異種ポリマー(あらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマーと同一の樹脂からなる異種ポリマーであっても、異なる樹脂からなる異種ポリマーであっても良い)としては、溶融状態の樹脂組成物が冷却された後、樹脂組成物と適度に密着しており、且つ容易に剥離出来る樹脂が好ましい。このような樹脂として例えば、高密度ポリエチレン系樹脂、直鎖上低密度ポリエチレン系樹脂、低密度ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂などのポリエチレン系樹脂や、ポリプロプレン系樹脂が挙げられる。
【0026】
これらの積層体を2本のロールでニップする際には、ゴムロールと金属ロールによる圧着とし、この際にあらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマーを当該ロール間に挟みこむことにより、高透明でかつ、低レタデーションのフィルムが得られる。
【0027】
このとき異種ポリマー(あらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマーまたは、樹脂組成物の片表層面もしくは両表層面に外層として積層される溶融状態の異種ポリマー)は、2本のロールでニップされたときにロールの表面の凹凸が溶融状態の樹脂組成物に転写されることにより、樹脂組成物からなるフィルムの表面平滑性が悪化するのを防止する効果がある。
【0028】
あらかじめ、個体フィルムに成形した異種ポリマーのフィルムおよび、樹脂組成物の片表層面もしくは両表層面に外層として積層される溶融状態の異種ポリマーの厚みとしては、50〜500μmの範囲であり、樹脂組成物からなるフィルムの表面平滑性を高めるために適宜選択できるが、一般的には80〜200μmの範囲が好ましい。
【0029】
あらかじめ、個体フィルムに成形した異種ポリマーのフィルムおよび、樹脂組成物の片表層面もしくは両表層面に外層として積層される溶融状態の異種ポリマーの厚みが50μm未満である場合には、ロールの表面の凹凸が溶融状態の樹脂組成物に転写されるのを防止する効果に乏しく、500μmを超えた場合には、ロールの表面の凹凸が溶融状態の樹脂組成物に転写されるのを防止する効果は有するが、製造された積層体をロール状に巻いて製造する方法においては樹脂組成物からなるフィルムにシワが入ったりする恐れがある。
【0030】
ゴムロールと金属ロールからなる2本のロールでニップする際、金属ロールが鏡面ロールの場合は、ロール表面の凹凸がゴムロールに較べて極めて小さく、この凹凸が積層体に転写されても表面平滑性が低下する可能性が小さいため、溶融樹脂がゴムロールと接する面側のみあらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマーを挟み込んで製造してもかまわない(金属ロールと接する面側はあらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマーを挟み込むことをせずに、溶融樹脂がゴムロールと接する面側のみあらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマーを挟み込んで製造することを意味する)。
また、同様に金属ロールが鏡面ロールの場合、樹脂組成物を内層とし、その表面層に積層する溶融状態の異種ポリマーについても、溶融樹脂がゴムロールと接する面側のみ樹脂組成物の溶融物に溶融状態の異種ポリマーが積層された積層体として製造してもかまわない。
【0031】
一般的に、金属ロールと金属ロールで積層体を圧着・冷却することにより、密着性が向上し厚みの均一なフィルムが得られるが、本発明にこの方法を用いた場合には、剛性の高い金属ロールで圧着するためロール間隙内応力が高くなり、圧延効果によってレタデーションが大きくなる可能性があるばかりか、200μm以下の薄いフィルムの製造が困難になる可能性がある。
【0032】
また、エアーナイフ、エアーチャンバーあるいは静電気印加方式などの通常の冷却ロールへの密着性向上手段による成形方法を本発明に適用した場合には、冷却ロールへの密着性が不均一に成り易くいため光学的等方性の点で問題が発生する可能性がある。
【0033】
このようにして製造された樹脂組成物を内層とし、異種ポリマーを表層(片表層もしくは両表層)とする積層体から、異種ポリマーを剥離することで著しく表面平滑性の優れた樹脂組成物からなるフィルムを得ることができる。
【0034】
溶融押出しは、単軸押出機、多軸押出機を用いるが、前述した添加剤を均一分散する観点から多軸押出機を用いることが好ましい。このとき、単軸押出機または多軸押出機中に原料が滞留する時間が5分以下とすることが好ましい。押出機内での原料の昇温による劣化を避けるためである。上記溶融押出時の温度は120〜250℃であることが好ましい。また、溶融押出時の温度は、セルロースエステル系樹脂のガラス転移温度をTgとすると、Tg〜Tg+100℃であることが好ましい。さらにTg+10〜Tg+90℃であることが好ましい。
なお、原料タンク、原料の投入部、押出機内といった原料の供給、溶融工程を、窒素ガスなどの不活性ガスで置換、あるいは減圧することが好ましい。
【0035】
樹脂組成物からなるフィルムを光学フィルムとして用いる場合には、さらに幅手方向もしくは製膜方向のいずれか一方、もしくは幅手方向と製膜方向の両方に延伸製膜されたフィルムであることが好ましい。樹脂組成物を内層とし、異種ポリマーを表層(片表層もしくは両表層)とする積層体を延伸製膜する場合には、異種ポリマーを剥離した後に延伸製膜しても、異種ポリマーを剥離せずに延伸製膜してもかまわない。
【0036】
フィルムを延伸製膜する場合には、溶融押出後に冷却されたフィルム(前記、積層体であってもかまわない)を板状に切断するか、ロール状に巻き取った後に、次の工程で延伸製膜する方法や、溶融押出後に冷却されたフィルム(前記、積層体であってもかまわない)を板状に切断するか、ロール状に巻き取る前に、インラインで延伸製膜する方法のいずれの方法でもかまわない。
延伸製膜するときは、樹脂組成物の(Tg−50)〜(Tg+20)℃の温度で、101〜300%の倍率で延伸することが好ましい。
【0037】
上記冷却ロールから剥離され、得られた未延伸フィルムを複数のロール群および/または赤外線ヒーターなどの加熱装置を介して加熱し、一段または多段縦延伸することが好ましい。次に、上記のようにして得られた縦方向に延伸されたフィルムを横延伸し、次いで熱固定することが好ましい。
横延伸する場合、2つ以上に分割された延伸領域で温度差を1〜50℃の範囲で順次昇温しながら横延伸すると、幅方向の物性の分布が低減でき好ましい。さらに横延伸後、フィルムをその最終横延伸温度以下でTg−40℃以上の範囲に0.01〜5分間保持すると幅方向の物性の分布がさらに低減でき好ましい。
【0038】
熱固定は、その最終横延伸温度より高温で、Tg−20℃以下の温度範囲内で、通常、0.5〜300秒間熱固定する。この際、2つ以上に分割された領域で温度差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
熱固定されたフィルムは、通常、Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、横方向および/または縦方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。また、冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながらこれらの処理を行うことがフィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。
【0039】
本発明の樹脂組成物を、上記溶融押出に準じて溶融押出したのち、弾性率(E’)が10Paでの温度で延伸倍比2.5で延伸した場合の複屈折率(Δn)は、好ましくは6.0×10−4以下、さらに好ましくは1.0×10−10〜6.0×10−4である。すなわち、本発明の樹脂組成物は、(A)セルロースエステル系樹脂に(B)溶解度パラメーターが9.0以下の(A)成分とは相溶性の低い可塑剤との混合物であるため、得られるフィルムは、低複屈折率を有し、偏光板保護フィルムなどの用途に有用である。
【0040】
本発明のフィルムの厚さは特に限定されないが、光学材料に用いる場合は10.0mm以下が好ましく、フィルムが板状である場合は0.3〜5.0mm、薄膜状のフィルム状である場合は0.001〜0.3mmが特に好ましい。
【実施例】
【0041】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、これらは例示的なものであって、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例中の各種測定を以下に示す。
<溶解度パラメーター>
溶解度パラメーター(δ)は、下記式より算出した。
δ=(ΣFi)/V=(ρΣFi)/M
(式中、Vはモル容積、ρは密度、Mは分子量で高分子では繰り返し単位の値である。)
Fiの値は、「秋山三郎、井上隆、西敏夫共著、ポリマーブレンド−相溶性と界面−、第127頁、1987年8月25日発行、(株)シーエムシー刊」を参考にした。
<最長緩和時間>
応力緩和実験から縦軸を対数、横軸をリニアーとし、長時間領域の応力減衰曲線から傾きを求め、その逆数(緩和時間)を算出した。
<複屈折率>
ライカ社製、偏光顕微鏡を用いて、下記式より算出した。
[Re=Δn(nx−ny)×d より算出]
<tanδ>
動的粘弾性にて貯蔵弾性率(E’)と損失弾性率(E’’)を測定し、貯蔵弾性率(E’)と損失弾性率(E’’)の比から算出した。
【0042】
実施例1
セルロースアセテートプロピオネート(イーストマン社製、商品名CAP−482−20、アセチル含量2.5重量%、プロピオニル含量46.0重量%)90重量部とDOA(大八化学工業社製、商品名DOA)10重量部を内容積60ccのインターナルミキサー(東洋精機製作所社製、ラボプラストミル)にて200℃、回転数30rpmにて5分間混合した。得られた試料を5mm幅のTダイにて1mm厚さのフィルムに成形した。次いで、延伸装置として、(株)ユービーエム製、Rheogel−E4000を用いて、フィルム弾性率(E’)が10Paになる温度(129℃)で1.5倍、2.0倍、2.5倍に延伸し、各種評価に用いた。結果を表1に示す。
【0043】
実施例2〜3
セルロースアセテートプロピオネートに配合する可塑剤の種類や量を変える以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、実施例1と同様にしてフィルムを作製して物性を評価した。結果を表1に示す。
【0044】
比較例1
実施例1と同様にして樹脂組成物を調製したが、セルロースアセテートプロピオネート100重量%では、上記記載とおり、フィルムの可撓性が損なわれフィルム化できないため、比較例1のみ小型圧縮成形機(テスター産業社製)にてプレスしフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0045】
比較例2
表1に配合処方に従って樹脂組成物を調製し、実施例1と同様にしてフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
表1において、DOA,DOS,DOZ,TCPは以下のとおりである。
DOA(アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル):大八化学工業社製、商品名DOA(ρ=0.927、M=370)
DOS(セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル):大八化学工業社製、商品名DOS(ρ=0.915、M=427)
DOZ(アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル):大八化学工業社製、商品名DOZ(ρ=0.918、M=413)
TCP(リン酸トリクレジル):大八化学工業社製、商品名TCP(ρ=1.170、M=368)
【0048】
実施例4
実施例1と同様の配合物をシリンダー温度とダイ温度を200℃に設定した二軸混練機でペレット化し、樹脂組成物を得た。次いで得られた樹脂組成物ペレットを40mm幅のTダイを備えた単層押出機(シリンダー温度、ダイ温度とも230℃に設定)で溶融押出しし、ゴムロールと金属ロールからなる2本のロールでニップして冷却し、厚さ100μmの樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られた樹脂組成物からなるフィルムは表面平滑性ならびに透明性に優れるものであった。
【0049】
実施例5
実施例1と同様の配合物をシリンダー温度とダイ温度を200℃に設定した二軸混練機でペレット化し、樹脂組成物を得た。次いで得られた樹脂組成物ペレットを40mm幅のTダイを備えた単層押出機(シリンダー温度、ダイ温度とも230℃に設定)で溶融押出しした。溶融押出する際に、Tダイより押出された樹脂組成物の溶融物を内層とし、その両表面層を厚さ100μmのあらかじめ成形されたポリプロピレンフィルムで挟み込んで、ゴムロールと金属ロールからなる2本のロールでニップして冷却し積層フィルムを得た。
積層フィルムから、ポリプロピレンフィルムを剥離し、厚さ100μmの樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られた樹脂組成物からなるフィルムは表面平滑性ならびに透明性に非常に優れるものであった。
【0050】
実施例6
実施例1と同様の配合物をシリンダー温度とダイ温度を200℃に設定した二軸混練機でペレット化し、樹脂組成物を得た。次いで得られた樹脂組成物ペレットを40mm幅のTダイを備えた三層押出機(いずれも、シリンダー温度、ダイ温度とも230℃に設定)の内層とし、両表層面をポリプロピレン樹脂とする層構成で、三層構造で溶融押出した。
三層構造で溶融押出する際に、Tダイより押出された三層構造の溶融物を内層とし、その両表面層を厚さ100μmのあらかじめ成形された直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.94g/cm)フィルムで挟み込んで、ゴムロールと金属ロールからなる2本のロールでニップして冷却し積層フィルムを得た。
積層フィルムから、ポリプロピレンフィルムと直鎖上低密度ポリエチレンからなる両表層面を剥離し、厚さ100μmの樹脂組成物からなるフィルムを得た。
得られた樹脂組成物からなるフィルムは表面平滑性ならびに透明性に非常に優れるものであった。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の樹脂組成物から得られるフィルムは、光学的特性に優れるため、種々の光学フィルム、例えば、偏光板保護フィルム、カラーフィルタ、写真感光材料の基材フィルム、液晶表示装置用フィルム、などとして利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)セルロースエステル系樹脂50〜99重量%と、(B)スモール(small)の方法に従って計算した溶解度パラメーターの値が9.0以下である可塑剤50〜1重量%[ただし、(A)+(B)=100重量%]を主成分とする樹脂組成物。
【請求項2】
(A)セルロースエステル系樹脂が、セルロースアセテートブチレートおよび/またはセルロースアセテートプロピオネートである請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
(A)セルロースエステル系樹脂90重量%と(B)可塑剤10重量%からなる樹脂組成物の最長緩和時間が1,600秒以上である請求項1または2記載の樹脂組成物。
【請求項4】
(A)セルロースエステル系樹脂90重量%と(B)可塑剤10重量%からなる樹脂組成物のtanδのピークトップ値が0.30以上、0.98未満の範囲である請求項1〜3いずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物を溶融押出することを特徴とする低複屈折光学用フィルムの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物を、以下の(1)または(2)から選ばれるプロセスを行う請求項5記載の低複屈折光学用フィルムの製造方法。
(1)溶融した樹脂組成物を内層とし、その片表層面もしくはその両表層面にあらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマーを積層して押出し、積層フィルムの成形後に片表層面もしくは両表層面に積層された異種ポリマーを剥離する。
(2)樹脂組成物を内層とし、その片表層面もしくは両表層面に外層として溶融状態の異種ポリマーを積層して押出し、さらにその片表層面もしくはその両表層面にあらかじめ個体フィルムに成形した異種ポリマー(溶融状態の異種ポリマーと同一の樹脂からなる異種ポリマーであっても、異なる樹脂からなる異種ポリマーであっても良い)を積層して押出し、積層フィルムの成形後に片表層面もしくはその両表層面に積層された異種ポリマーを剥離する。
【請求項7】
請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物を溶融押出法により得られる、低複屈折光学用フィルム。
【請求項8】
溶融押出法により得られるフィルムが一軸延伸されている請求項7記載の低複屈折光学用フィルム。
【請求項9】
溶融押出法により得られるフィルムが二軸延伸されている請求項7記載の低複屈折光学用フィルム。
【請求項10】
請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物を、溶融押出したのち、弾性率(E’)が10Paでの温度で延伸倍比2.5で延伸した場合の複屈折(Δn)が6.0×10−4以下である請求項7〜9いずれかに記載の低複屈折光学用フィルム。

【公開番号】特開2008−291245(P2008−291245A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−114171(P2008−114171)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000203944)太平化学製品株式会社 (20)
【Fターム(参考)】