説明

樹脂被覆カーボンナノ材料の製造方法、カーボンナノ含有樹脂材料の製造方法及びカーボンナノ複合樹脂成形品の製造方法

【課題】樹脂が、ポリカーボネートであっても超音波撹拌法が適用できる製造技術を提供することを課題とする。
【解決手段】図(b)に示すように、フラスコ15に、(THF)10を、入れる。そこへ、ポリカーボネート)11を、少量ずつ添加する。ポリカーボネートを添加したら、第1の樹脂分散溶液14が得られる。この第1の樹脂分散溶液14へ、(c)に示すように、(AIBN)12とカーボンナノ材料13とを添加する。(d)に示すように、還流条件下で撹拌して第1のカーボンナノ・樹脂分散溶液16を得る。(e)に示すように、カーボンナノ材料13は緻密なポリカーボネート層25で被覆され、このポリカーボネート層25は粗い余剰ポリカーボネート層26で被覆されている。
【効果】ポリカーボネートは単独では超音波撹拌に耐えられない材料であるが、カーボンナノ材料に添わせることで超音波撹拌が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂材料とカーボンナノ材料との混合技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーボンナノ材料と称する特殊な炭素繊維を、プラスチック(樹脂)に混入することで導電性プラスチックや強化プラスチックにする技術が注目を浴びている。
【0003】
カーボンナノ材料はナノサイズであって、超微細であるために、ミクロンオーダーのカーボン粉末と比較すると、凝集しやすくて分散しにくいという特性があるため、取扱いが難しい。
そこで、超音波により分散を促す技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−112005公報(第4頁〜第5頁)
【0004】
特許文献1の段落番号[0014]に「本発明のナノカーボン複合体の製造方法では、前記ナノカーボンは、超音波を付与することにより、前記分散液に分散させることが好ましい。これにより、ナノカーボン同士の絡み合いをより確実に解消することができ、ナノカーボンを混合液中により均一に分散させることができる。その結果、ナノカーボンの1本毎を、より確実にポリイミド系樹脂で被覆することができる。」との記載がある。
【0005】
ところで、樹脂には多数の種類があり、そのなかでも、ポリカーボネート(PC)はエンジニアリングプラスチックの代表とされ、電機部品、車両部品、精密機械部品、一般機械部品に広く採用されている。
【0006】
このような優れた特性を有するポリカーボネートに、カーボンナノ材料を添加してなる繊維強化ポリカーボネートは、複合樹脂材料の一つとして期待されている。
ところが、本発明者らが超音波撹拌法で試作したところ、繊維強化ポリカーボネートは、所望の強度向上が認められなかった。
その理由は、超音波によりポリカーボネートに劣化が起こり、添加剤がポリカーボネートから抜けてしまい、結果として、機械的強度が低下したと考えられる。そのため、ポリカーボネートの撹拌には、超音波撹拌法が適用できないと言われている。
【0007】
代替法として、従来、ポリカーボネートの撹拌に機械撹拌法などが採用されてきたが、機械撹拌法は撹拌効率の点で劣り、撹拌時間が延びるため、生産性の低下が起こる。また、機械撹拌法は、超音波撹拌法に比べて分散性能が低く、期待したほどには複合樹脂材料の機械的強度は向上しない。
【0008】
生産性の向上と機械的強度の向上から、ポリカーボネートであっても超音波撹拌法が適用可能な製造技術が求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ポリカーボネートであっても超音波撹拌法が適用できる製造技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る樹脂被覆カーボンナノ材料の製造方法は、テトラヒドロフランを主成分とする第1の有機溶媒と、この第1の有機溶媒に溶解する第1の樹脂材料としてのポリカーボネート樹脂と、エステルを分解する官能基を有する添加剤と、カーボンナノ材料とを準備する第1準備工程と、
前記第1の有機溶媒の一部に、前記ポリカーボネート樹脂を混合し、第1の有機溶媒中にポリカーボネート樹脂を溶解させて第1の樹脂分散溶液を得る第1樹脂分散工程と、
得られた第1の樹脂分散溶液に、前記添加剤と前記カーボンナノ材料とを添加し、還流条件下で撹拌して第1のカーボンナノ・樹脂分散溶液を得る第1撹拌工程と、
得られた第1のカーボンナノ・樹脂分散溶液を濾過して濾過物を得る濾過工程と、
得られた濾過物に前記第1の有機溶媒の残部を加えて、少なくとも1回の再濾過を実施して再濾過物を得る再濾過工程と、
得られた再濾過物から余剰のポリカーボネート樹脂を除去するために、再濾過物を洗浄し、洗浄物を得る洗浄工程と、
得られた洗浄物を乾燥させ、樹脂で被覆されたカーボンナノ材料を得る第1乾燥工程と、からなることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る樹脂被覆カーボンナノ材料の製造方法では、添加剤は、アゾ系化合物、又は塩化銅と錯体を形成するアミン系錯体であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係るカーボンナノ含有樹脂材料の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の樹脂被覆カーボンナノ材料の製造方法で製造させた樹脂被覆カーボンナノ材料と、テトラヒドロフランを主成分とする第2の有機溶媒と、この第2の有機溶媒に溶解する第2の樹脂材料と、水とを準備する第2準備工程と、
前記第2の有機溶媒の一部に前記第2の樹脂材料を混合し、第2の有機溶媒中に第2の樹脂材料を溶解させて第2の樹脂分散溶液を得る第2樹脂分散工程と、
この第2樹脂分散工程とは別に、前記第2の有機溶媒の残部に前記樹脂被覆カーボンナノ材料を混合し、超音波撹拌を施すことでカーボンナノ分散溶液を得るカーボンナノ分散工程と、
得られたカーボンナノ分散溶液を、前記第2の樹脂分散溶液に滴下しながら撹拌して第2のカーボンナノ・樹脂分散溶液を得る第2撹拌工程と、
得られた第2のカーボンナノ・樹脂分散溶液に水を添加して、第2の有機溶媒成分を水相へ移行する溶媒水相化工程と、
水相化溶液を乾燥することで、前記第2の有機溶媒を除去し、カーボンナノ材料を含む樹脂材料を得る第2乾燥工程と、からなることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係るカーボンナノ含有樹脂材料の製造方法では、第2の樹脂材料は、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項5に係るカーボンナノ含有樹脂材料の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の樹脂被覆カーボンナノ材料の製造方法で製造させた樹脂被覆カーボンナノ材料と、第3の樹脂材料とを準備する第3準備工程と、
前記樹脂被覆カーボンナノ材料と第3の樹脂材料とを、前記第3の樹脂材料の表面が軟化する温度に保ちつつ混合し、カーボンナノ材料を含む樹脂材料を得る第3混合工程と、からなることを特徴とする。
【0015】
請求項6に係るカーボンナノ含有樹脂材料の製造方法では、第3の樹脂は、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項7に係るカーボンナノ複合樹脂成形品の製造方法は、請求項3〜6のいずれか1項記載のカーボンナノ含有樹脂材料の製造方法で製造されたカーボンナノ含有樹脂材料を準備する工程と、
このカーボンナノ含有樹脂材料を射出成形することでカーボンナノ複合樹脂成形品を得る射出成形工程と、からなる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明は、テトラヒドロフランを主成分とする第1の有機溶媒に、第1の樹脂材料としてのポリカーボネート樹脂を溶解させ、そこへ添加剤と、カーボンナノ材料とを添加することで、第1の樹脂材料で被覆されたカーボンナノ材料を得ることができる。
ポリカーボネート樹脂は単独では超音波撹拌に耐えられない材料であるが、カーボンナノ材料に添わせることで超音波撹拌が可能になる。カーボンナノ材料が補強作用を発揮するからである。そのため、樹脂で被覆したカーボンナノ材料には、以降、超音波撹拌を施すことができる。
【0018】
また、請求項1では、添加剤により、ポリカーボネート樹脂の分子量を低下させることが期待でき、カーボンナノ材料への樹脂被膜層の厚さを薄くすることができる。この結果、第1の樹脂材料の使用量を低減することができる。
【0019】
請求項2では、添加剤は、アゾ系化合物、又は塩化銅と錯体を形成するアミン系錯体とした。アゾ系化合物、塩化銅と錯体を形成するアミン系錯体ともに、ポリカーボネートなどの樹脂材料の分子量を低下させる作用が期待できる。
【0020】
請求項3では、テトラヒドロフランを主成分とする第2の有機溶媒を用い超音波撹拌を施すことで、樹脂被覆カーボンナノ材料に、第2の樹脂材料を被覆させてカーボンナノ含有樹脂材料を製造する。
カーボンナノ材料を直接的に第2の樹脂材料に混合するとカーボンナノ材料同士が接触、凝集するが、本発明によれば、カーボンナノ材料が樹脂で被覆されているため、この樹脂材料が隔壁となって、カーボンナノ材料同士の接触、凝集を阻止させることができる。
そのためには、第2の樹脂材料を液体にする必要がある。液状にするには溶剤が必要であるが、本発明では、毒性と後処理の2点を考慮して、テトラヒドロフランを主成分とする有機溶媒を採用した。
【0021】
テトラヒドロフランを主成分とする第2の有機溶媒は、比較的毒性が低い。そして、水と混合することにより、水相へ移行させることができ、容易に除去することができる。
このようなテトラヒドロフランを主成分とする第2の有機溶媒で第2の樹脂材料を液状にし、この溶液に樹脂被覆カーボンナノ材料を混ぜる。これで、樹脂被覆カーボンナノ材料は樹脂材料に混合することができる。後は、水で有機溶媒を除去し、乾燥させれば、カーボンナノ含有樹脂材料を得ることができる。このカーボンナノ含有樹脂材料は、射出成形材料に好適である。
【0022】
また、請求項3では、超音波撹拌法を採用することができるため、カーボンナノ分散工程における工程時間の短縮や分散性の向上を図ることができる。
【0023】
請求項4に係るカーボンナノ含有樹脂材料の製造方法では、第2の樹脂材料は、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする。ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂は、何れも入手容易で、安価であり、且つテトラヒドロフランを主成分とする有機溶媒に可溶な材料である。
【0024】
請求項5は、いわゆる加熱撹拌法であり、ポリプロピレンなど有機溶剤に難溶な樹脂材料に適用することができる。
【0025】
請求項6では、第3の樹脂は、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする。ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂は何れもテトラヒドロフランを主成分とする有機溶媒には溶解しない。すなわち、本発明によれば、テトラヒドロフランに溶解しない樹脂であっても処理することが可能であり、製造方法の用途を拡大することができる。
【0026】
請求項7では、樹脂被覆カーボン材料を第2又は第3の樹脂材料に添加してなるカーボン含有樹脂材料を、射出成形材料とした。このような材料で射出成形を行うため、得られたカーボンナノ複合樹脂成形品では、カーボンナノ材料が好ましく分散し、高い機械的強度が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
なお、請求項1は図1及び図2で説明し、請求項3は図3で説明し、請求項5は図5で説明し、請求項7は図4で説明する。
【0028】
また、以下に、第1準備工程から始まる第1工程群、第2準備工程から始まる第2工程群及び第3準備工程から始まる第3工程群を説明するが、第3工程群は、直接第1工程群に続く工程群である。すなわち、第1工程群→第2工程群→射出成形工程、又は第1工程群→第3工程群→射出成形工程のフローとなる。
【0029】
図1は本発明に係る第1準備工程から濾過工程までを説明する図であり、(a)に示すように、テトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)を主成分とする第1の有機溶媒10と、この第1の有機溶媒に溶解する第1の樹脂材料(具体的には、ポリカーボネート樹脂)11と、エステルを分解する官能基を有する添加剤12と、カーボンナノ材料13とを準備する(第1準備工程)。
【0030】
添加剤12は、アゾ系化合物や、塩化銅−アミン系錯体が好適である。
アゾ系化合物は、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカーボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−N−2−(プロペニル)−2−メチルプロビオンアミドなどが好ましい。
アミン系錯体は、塩化銅と錯体を形成するアミン系錯体であって、エチレンジアミン錯体、エタノールアミン錯体、ブチルアミン錯体、アニリン錯体、ベンジルアミン錯体などが好ましい。
【0031】
次に、(b)に示すように、第1の有機溶媒10の一部に第1の樹脂材料(ポリカーボネート樹脂)11を混合し、第1の有機溶媒10中に第1の樹脂材料11を溶解させて第1の樹脂分散溶液14を得る(第1樹脂分散工程)。
具体的には、フラスコ15に、第1の有機溶媒(THF)10を、600ml入れる。そこへ、第1の樹脂材料(ポリカーボネート)11を、少量ずつ添加する。ポリカーボネートの添加量が66.5gに達したら、第1の樹脂分散溶液14が得られる。
【0032】
この第1の樹脂分散溶液14へ、(c)に示すように、添加剤12とカーボンナノ材料13とを添加する。そして、(d)に示すように、還流条件下で撹拌して第1のカーボンナノ・樹脂分散溶液16を得る(第1撹拌工程)。
具体的には、THF600mmにポリカーボネート66.5gを溶かしてなる第1の樹脂分散溶液14に、添加剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)15mmol(ミリモル)を添加すると共にカーボンナノ材料3.5gを添加した溶液を還流条件下で撹拌する。
【0033】
還流条件下での撹拌は、次の要領で実施することができる。
(d)に示すように、フラスコ15の上部開口を栓17で閉じる。そして、この栓17に上から水冷二重管18を差し込む。この水冷二重管18の内管19と外管21との間に冷却水を供給する。フラスコ15をヒータ22で暖める。すると、第1の樹脂分散溶液14が沸騰する。蒸気は上昇し、内管19に到り、内管19で冷却されて液化し、フラスコ15へ落下する。このような循環と沸騰撹拌とを24時間実施する。この結果、第1のカーボンナノ・樹脂分散溶液16を得ることができる。
【0034】
上記のように還流条件下で撹拌を行うことにより、アゾ系化合物であればラジカルとなり、塩化銅−アミン錯体であれば求核置換反応(反応の中心となる原子に対して求核剤が求核攻撃し、脱離基が脱離する反応。)が起こるため、ポリカーボネート樹脂のエステル基を分解する作用が期待できる。
【0035】
(e)に示すように、得られた第1のカーボンナノ・樹脂分散溶液16を濾過して濾過物23を得る(濾過工程)。
好ましくは、冷やした第1のカーボンナノ・樹脂分散溶液16を、濾紙24に注ぎ、濾紙24の下方を真空引きする。すると、液分が十分に抜けたパンケーキ(円板)状の濾過物23を得ることができる。このような吸引濾過法は、重力作用による普通の濾過法より短時間で且つ効果的に液分を除去することができる。
【0036】
(f)は(e)に示す濾過物23の拡大図であり、カーボンナノ材料13は緻密なポリカーボネート層25で被覆され、このポリカーボネート層25は粗い余剰ポリカーボネート層26で被覆されている。余剰ポリカーボネート層26は、次図で説明する再濾過工程により、除去する。
【0037】
ところで、緻密なポリカーボネート層25の膜厚は、添加剤12を添加することで膜厚を薄くすることができる。添加剤12の作用は、普通の塗装に例えて説明することができる。すなわち、塗料だけでは塗膜は厚くなる。塗料に希釈剤(シンナー)を加えると、流動性が増加し、塗膜を薄くすることができる。希釈剤は、用済み後、蒸発して消失する。本発明で採用した添加剤12は、塗装における希釈剤の作用を発揮する。そのため、ポリカーボネート層25の膜厚を薄くすることができる。膜厚が薄ければ、消費する第1の樹脂材料11の量を低減することができる。
【0038】
また、ポリカーボネートについては、超音波を施すと劣化が起こり、添加剤がポリカーボネートから抜けてしまい、結果として、機械的強度が低下したと考えられる。そのため、ポリカーボネートの撹拌には、超音波撹拌法が適用できないと言われている。
しかし、(f)に示す複合化構造にすると、ポリカーボネートであっても超音波撹拌が実施できることが実験的に確認された。カーボンナノ材料13がポリカーボネート層25のバックアップ材や保護材の役割を果たしていると想像できる。
【0039】
図2は本発明に係る再濾過工程から第1乾燥工程までを説明する図であり、(a)及び(b)により、濾過物23に第1の有機溶媒10の残部を加えて、少なくとも1回の再濾過を実施して再濾過物27を得る(再濾過工程)。
具体的には、(a)に示すように、濾過物23を適当に破砕して容器28に入れる。この容器28に第1の有機溶媒10の残部を注ぐ。そして、容器28を超音波振動機29に掛ける。10分間程度の超音波振動を施すと、第1の有機溶媒10に濾過物23が良好に分散する。これで、余剰ポリカーボネートの大部分を溶解させることができる。
次に、(b)に示すように、溶液を、濾紙31に注ぎ、濾紙31の下方を真空引きする。すると、液分が十分に抜けたパンケーキ状の再濾過物27を得ることができる。
【0040】
余剰ポリカーボネートの除去を促すには、(a)と(b)とを繰り返すことで、2回又はそれ以上の回数の再濾過工程を実施することが望ましい。
【0041】
次に、(c)において、再濾過物27から第1の有機溶媒10を除去するために、再濾過物27を洗浄し、洗浄物32を得る(洗浄工程)。
洗浄工程には、ソックスレー抽出法が好適である。ソックスレー抽出法では、ヒータ34に載せたフラスコ35に洗浄液(THF)36を適量入れ、このフラスコ35の上部開口を栓37で閉じ、この栓37に抽出管38を差し込む。この抽出管38に再濾過物27を入れる。そして、抽出管38の上部開口を栓39で閉じ、この栓39に上から水冷二重管18を差し込む。
【0042】
フラスコ35をヒータ34で暖める。すると、洗浄液36が沸騰する。蒸気は上昇し、再濾過物27と通過し、水冷二重管18に到り、そこで冷却されて液化し、フラスコ35へ戻る。このような沸騰循環洗浄を24時間続ける。この結果、洗浄物32を得ることができる。
【0043】
得られた洗浄物32は、(d)に示すように、100℃の乾燥機41に入れ、24時間程度乾燥させることにより、樹脂で被覆されたカーボンナノ材料(樹脂被覆カーボンナノ材料)42を得る(第1乾燥工程)。
【0044】
この樹脂被覆カーボンナノ材料42を細かく破砕する。破砕された樹脂被覆カーボンナノ材料42は、(e)に示すように、針状又は繊維状物質となる。そして、樹脂被覆カーボンナノ材料42を拡大すると、(f)に示すように、カーボンナノ材料13を緻密なポリカーボネート層25で覆ったものとなる。このポリカーボネート層25は、π−πスタッキング相互作用により、カーボンナノ材料13の周りにコーティングされる。
【0045】
以上の製造方法で得られた樹脂被覆カーボンナノ材料42を出発材料として、射出成形に好適な成形用材料を製造する。この製造方法を以下に説明する。
図3は本発明に係る第2準備工程から第2乾燥工程までを説明する図であり、(a)に示すように、樹脂被覆カーボンナノ材料42と、テトラヒドロフランを主成分とする第2の有機溶媒44と、この第2の有機溶媒44に溶解する第2の樹脂材料45と、水46とを準備する(第2準備工程)。
【0046】
第2の樹脂材料45は、THFに溶解する樹脂であれば種類は任意であるが、ポリカーボネート樹脂やポリスチレン樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂が、入手容易で安価であるため、好適である。樹脂材料45は2種又はそれ以上の樹脂材料を混合したものであってもよい。
【0047】
次に、(b)に示すように、容器47に第2の有機溶媒44の一部を満たし、そこへ樹脂被覆カーボンナノ材料42を入れ、超音波振動機48で超音波撹拌を施すことでカーボンナノ分散溶液49を得る(カーボンナノ分散工程)。
具体的には、容器47に400mlのTHFを入れ、そこへ0.7gの樹脂被覆カーボンナノ材料42を入れ、超音波撹拌を3時間実施することでカーボンナノ分散溶液49を得る。超音波撹拌であるから、短い時間で良好に分散したカーボンナノ分散溶液49を得ることができる。
【0048】
(b)に並行して、(c)に示すように、容器51に、第2の有機溶媒44の残部と、第2の樹脂材料45を入れ、第2の有機溶媒44中に第2の樹脂材料45を溶解させて第2の樹脂分散溶液52を得る(第2樹脂分散工程)。
具体的には、容器51に500mlのTHFを入れ、そこへポリカーボネートを少量ずつ添加する。添加量が69.3gに達したら、第2の樹脂分散溶液52が得られる。
【0049】
次に、(d)に示すように、容器51中の第2の樹脂分散溶液52に、カーボンナノ分散溶液49を滴下しながら1時間程度撹拌して第2のカーボンナノ・樹脂分散溶液53を得る(第2撹拌工程)。
そして、(e)に示すように、第2のカーボンナノ・樹脂分散溶液53に水46を添加して、第2の有機溶媒成分を水相へ移行する(溶媒水相化工程)。
続いて、(f)に示すように、第2のカーボンナノ・樹脂分散溶液53を濾過し、乾燥してカーボンナノ含有樹脂材料54を得る(第2乾燥工程)。
【0050】
乾燥させたカーボンナノ含有樹脂材料54を破砕し、必要に応じて乾燥させて、(g)に示すカーボンナノ含有樹脂材料の粉末55を得る。
(h)は(g)のh部拡大図であり、粉末55には、母材として第2の樹脂材料(ポリカーボネート)45に、ポリカーボネート層25で被覆されたカーボンナノ材料13が混じっている。なお、ポリカーボネート層25は、想像線で示すように母材として第2の樹脂材料(ポリカーボネート)45に一体化されている。この形態であっても、π−πスタッキング相互作用により、カーボンナノ材料13が、母材として、第2の樹脂材料(ポリカーボネート)45に存在していると考えられる。
【0051】
次に、得られたカーボンナノ含有樹脂材料の粉末55を用いて、射出成形品を得る製造方法を説明する。
図4は本発明に係るカーボンナノ複合樹脂成形品の製造方法を説明する工程図であり、(a)に示すようにカーボンナノ含有樹脂材料の粉末55を準備する。そして、(b)に示すように、準備したカーボンナノ含有樹脂材料の粉末55を射出機57に供給する。射出機57では粉末55を混練し、可塑化し、金型58へ射出する(射出成形工程)。
この結果、(c)に示すカーボンナノ複合樹脂成形品59を得ることができる。
【0052】
なお、図4における出発材料(カーボンナノ含有樹脂材料の粉末55)は、次に述べる加熱撹拌法で製造することができる。
図5は本発明に係る第3準備工程から第3混合工程までを説明する図であり、(a)に示すように、樹脂被覆カーボンナノ材料42と、第3の樹脂材料61とを準備する(第3準備工程)。
【0053】
第3の樹脂材料61は、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする。ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂は何れもテトラヒドロフランを主成分とする有機溶媒には溶解しない。すなわち、本発明によれば、テトラヒドロフランに溶解しない樹脂であっても処理することが可能であり、製造方法の用途を拡大することができる。
【0054】
次に、(b)に示す加熱撹拌機62で、樹脂被覆カーボンナノ材料42と第3の樹脂材料61とを、第3の樹脂材料61の表面が軟化する温度に保ちつつ混合し、カーボンナノ含有樹脂材料55Bを得る(第3混合工程)。
【0055】
具体的には、加熱撹拌機62は、断熱材63で保温されると共に複数個のヒータ64を備えている円筒容器65と、この円筒容器65の上部開口を塞ぐ蓋66と、この蓋66の中央上部に設けたモータ67と、このモータ67の軸に吊り下げた回転軸68と、この回転軸68に設けられ円筒容器65内を旋回する撹拌羽根69と、蓋66に設けた第1投入口71及び第2投入口72と、円筒容器65の下部に設けた弁73と、円筒容器65の内部温度を測るために円筒容器65に付設した温度計74と、この温度計74で検出した温度情報と設定温度とを比較してヒータ64の出力を制御する制御部75とからなる。
【0056】
第1投入口71から樹脂被覆カーボンナノ材料42を投入し、第2投入口72から第3の樹脂材料61を投入し、円筒容器65内を高温に保ち、撹拌羽根69で撹拌すると、樹脂被覆カーボンナノ材料42は第3の樹脂材料61に分散する。
【0057】
(b)のC部拡大図である(c)に示すように、カーボンナノ含有樹脂材料55Bでは、カーボンナノ材料13がポリカーボネート層25で覆われ、このポリカーボネート層25が母材である第3の樹脂材料61で囲われている。
ポリカーボネート層25がπ−πスタッキング相互作用でカーボンナノ材料13にコーティングされており、ポリカーボネート層25が第3の樹脂材料61に結合するため、カーボンナノ材料13は第3の樹脂材料61に強固に存在する。
【0058】
このようなカーボンナノ含有樹脂材料55Bを、図4に示す射出機57へ供給し、射出工程を実施すれば、カーボンナノ複合樹脂成形品59を得ることができる。
【0059】
(実験例)
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
○実験1及び実験2:
以下の表1に示すように、第1の準備工程で、材料を準備する。
【0060】
【表1】

【0061】
・実験1:
実験1では、第1の樹脂としてPC(ポリカーボネート)66.5g、第1の溶媒としてTHF600ml、添加剤としてAIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)15mmol、カーボンナノ材料3.5gを準備し、図1及び図2に示す要領で処理し、樹脂被覆カーボンナノ材料を得た。得られた樹脂被覆カーボンナノ材料の質量は3.56gであった。この中から、0.7gを取り出して、次の第2の準備工程へ供給する。
【0062】
第2の準備工程では、樹脂被覆CNF(カーボンナノ材料)0.7g、第2の溶媒としてTHF900ml、第2の樹脂としてPC(ポリカーボネート)69.3gを準備する。そして、図3及び図4に示す要領で処理し、射出成形品(カーボンナノ複合樹脂成形品)を得た。得られた成形品の引張り強さは、63.2MPaであった。
【0063】
・実験2:
実験2は、実験1の対照実験である。実験1で使用した添加剤(AIBN)を、実験2では使用しなかった。その他は、実験1と同一である。実験2で得られた成形品の引張り強さは、60.7MPaであった。
【0064】
図6は実験1、2の引張り強さを示すグラフであり、PC(ポリカーボネート)のみの引張り強さは、周知の通り57.4MPaである。これに対して、実験1は63.2MPaで、5.8MPa(=63.2−57.4)の強度アップが図れ、実験2は60.7MPaで、3.3MPa(=60.7−57.4)の強度アップが図れた。
【0065】
ところで、表1の中央の「樹脂被覆カーボンナノ材料」の欄に注目すると、実験1で得た樹脂被覆カーボンナノ材料の質量は、3.56gであったのに対して、実験2で得た樹脂被覆カーボンナノ材料の質量は、3.98gであった。このことから、実験2で得た樹脂被覆カーボンナノ材料におけるポリカーボネート層の膜厚が格段に大きいことが分かった。
この差は、実験1が添加剤(AIBN)を使用し、実験2では添加剤を使用しなかったことに起因すると思われる。
【0066】
そこで、添加剤の作用を確認するために、AIBNとは異なる添加剤も試すことにした。
○実験3:
以下の表2に示すように、第1の準備工程として材料を準備する。
【0067】
【表2】

【0068】
すなわち、実験1でのAIBNを、実験3では塩化銅と錯体を形成するアミン系錯体に変更した。具体的には、実験3で使用した添加剤は、塩化銅(CuCl)15mmolとエチレンジアミン50mmolである。他の条件は実施例1と同一である。
実験3で得られた樹脂被覆カーボンナノ材料の質量は3.56gであった。
【0069】
図7は実験1〜3における樹脂被覆カーボンナノ材料の質量を示すグラフであり、実験1は、3.5gのCNF(カーボンナノ材料)に0.06gのPC(ポリカーボネート)層が付着している。実験2は、3.5gのCNFに0.48gのPC層が付着している。実験3は、3.5gのCNFに0.06gのPC層が付着している。
【0070】
実験1と実験3は添加剤を添加し、実験2は添加剤を添加しなかったが、図7から、緻密なPC層を得ること及びPCの消費量を低減するという観点からは、実験1や実験3のように、添加剤を添加することが有効である。
【0071】
次に、図5で説明した加熱撹拌法の作用を、実験で確認する。
○実験4及び実験5:
以下の表3に示すように、第1の準備工程で、材料を準備する。
【0072】
【表3】

【0073】
・実験4:
実験4では、実験1と同じ材料を、図1、図2に基づいて処理することで、3.56gの樹脂被覆カーボンナノ材料を得た。この中から、5gを、次の第3の準備工程へ供給する。第3の準備工程では、樹脂被覆カーボンナノ材料5gと、第3の樹脂としてPP(ポリプロピレン)95gを準備する。そして、図5と図4との処理を施すことで射出成形品(カーボンナノ複合樹脂成形品)を得た。得られた成形品の引張り強さは、33.8MPaであった。
【0074】
・実験5:
実験5は、実験4の対照実験であり、未被覆CNF(カーボンナノ材料)5gとPP95gとを出発材料とし、図5と図4との処理を施すことで射出成形品(カーボンナノ複合樹脂成形品)を得た。得られた成形品の引張り強さは、32.1MPaであった。
【0075】
図8は実験4、5の引張り強さを示すグラフであり、PP(ポリプロピレン)のみの引張り強さは、周知の通り29.1MPaである。これに対して、実験4は33.8MPaで、実験5は32.1MPaである。
実験4の強度は実験5よりも大きいため、樹脂被覆カーボンナノ材料を用いた実験4は、未被覆カーボンナノ材料を用いた実験5より、強度の大きな成形品を得ることができることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の樹脂で被覆されたカーボンナノ材料は、射出成形材料に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る第1準備工程から濾過工程までを説明する図である。
【図2】本発明に係る再濾過工程から第1乾燥工程までを説明する図である。
【図3】本発明に係る第2準備工程から第2乾燥工程までを説明する図である。
【図4】本発明に係るカーボンナノ複合樹脂成形品の製造方法を説明する工程図である。
【図5】本発明に係る第3準備工程から第3混合工程までを説明する図である。
【図6】実験1、2の引張り強さを示すグラフである。
【図7】実験1〜3における樹脂被覆カーボンナノ材料の質量を示すグラフである。
【図8】実験4、5の引張り強さを示すグラフである。
【符号の説明】
【0078】
10…第1の有機溶媒、11…第1の樹脂材料(ポリカーボネート樹脂)、12…添加剤、13…カーボンナノ材料、14…第1の樹脂分散溶液、16…第1のカーボンナノ・樹脂分散溶液、23…濾過物、27…再濾過物、32…洗浄物、41…乾燥機、42…樹脂被覆カーボンナノ材料、44…第2の有機溶媒、45…第2の樹脂材料、46…水、48…超音波振動機、49…カーボンナノ分散溶液、52…第2の樹脂分散溶液、53…第2のカーボンナノ・樹脂分散溶液、54…カーボンナノ含有樹脂材料、55、55B…カーボンナノ含有樹脂材料の粉末、57…射出機、59…カーボンナノ複合樹脂成形品、61…第3の樹脂材料、62…加熱撹拌機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラヒドロフランを主成分とする第1の有機溶媒と、この第1の有機溶媒に溶解する第1の樹脂材料としてのポリカーボネート樹脂と、エステルを分解する官能基を有する添加剤と、カーボンナノ材料とを準備する第1準備工程と、
前記第1の有機溶媒の一部に、前記ポリカーボネート樹脂を混合し、第1の有機溶媒中にポリカーボネート樹脂を溶解させて第1の樹脂分散溶液を得る第1樹脂分散工程と、
得られた第1の樹脂分散溶液に、前記添加剤と前記カーボンナノ材料とを添加し、還流条件下で撹拌して第1のカーボンナノ・樹脂分散溶液を得る第1撹拌工程と、
得られた第1のカーボンナノ・樹脂分散溶液を濾過して濾過物を得る濾過工程と、
得られた濾過物に前記第1の有機溶媒の残部を加えて、少なくとも1回の再濾過を実施して再濾過物を得る再濾過工程と、
得られた再濾過物から余剰のポリカーボネート樹脂を除去するために、再濾過物を洗浄し、洗浄物を得る洗浄工程と、
得られた洗浄物を乾燥させ、樹脂で被覆されたカーボンナノ材料を得る第1乾燥工程と、
からなることを特徴とする樹脂被覆カーボンナノ材料の製造方法。
【請求項2】
前記添加剤は、アゾ系化合物、又は塩化銅と錯体を形成するアミン系錯体であることを特徴とする請求項1記載の樹脂被覆カーボンナノ材料の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の樹脂被覆カーボンナノ材料の製造方法で製造させた樹脂被覆カーボンナノ材料と、テトラヒドロフランを主成分とする第2の有機溶媒と、この第2の有機溶媒に溶解する第2の樹脂材料と、水とを準備する第2準備工程と、
前記第2の有機溶媒の一部に前記第2の樹脂材料を混合し、第2の有機溶媒中に第2の樹脂材料を溶解させて第2の樹脂分散溶液を得る第2樹脂分散工程と、
この第2樹脂分散工程とは別に、前記第2の有機溶媒の残部に前記樹脂被覆カーボンナノ材料を混合し、超音波撹拌を施すことでカーボンナノ分散溶液を得るカーボンナノ分散工程と、
得られたカーボンナノ分散溶液を、前記第2の樹脂分散溶液に滴下しながら撹拌して第2のカーボンナノ・樹脂分散溶液を得る第2撹拌工程と、
得られた第2のカーボンナノ・樹脂分散溶液に水を添加して、第2の有機溶媒成分を水相へ移行する溶媒水相化工程と、
水相化溶液を乾燥することで、前記第2の有機溶媒を除去し、カーボンナノ材料を含む樹脂材料を得る第2乾燥工程と、からなることを特徴とするカーボンナノ含有樹脂材料の製造方法。
【請求項4】
前記第2の樹脂材料は、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3記載の樹脂でカーボンナノ含有樹脂材料の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載の樹脂被覆カーボンナノ材料の製造方法で製造させた樹脂被覆カーボンナノ材料と、第3の樹脂材料とを準備する第3準備工程と、
前記樹脂被覆カーボンナノ材料と第3の樹脂材料とを、前記第3の樹脂材料の表面が軟化する温度に保ちつつ混合し、カーボンナノ材料を含む樹脂材料を得る第3混合工程と、からなることを特徴とするカーボンナノ含有樹脂材料の製造方法。
【請求項6】
前記第3の樹脂は、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項5記載の樹脂でカーボンナノ含有樹脂材料の製造方法。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項記載のカーボンナノ含有樹脂材料の製造方法で製造されたカーボンナノ含有樹脂材料を準備する工程と、
このカーボンナノ含有樹脂材料を射出成形することでカーボンナノ複合樹脂成形品を得る射出成形工程と、からなるカーボンナノ複合樹脂成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−35634(P2009−35634A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201185(P2007−201185)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000227054)日精樹脂工業株式会社 (293)
【Fターム(参考)】