説明

機器およびシステム

【課題】プラグを誤った差込口に挿入するのを防ぐのに好適なプラグ誤挿入防止システム、プラグ、プラグ差込部、及び、これらを制御するプログラムを提供する。
【解決手段】プラグ誤挿入防止システム1を、機器4にケーブルを介して取り付けられたプラグ2と、機器5の背面に取り付けられたプラグ差込部3と、を含んだ構成とし、プラグ2を、非接触識別タグ20と、接続部21と、を含んだ構成とし、非接触識別タグ20を、データ受信部20aと、データ送信部20bと、データ制御部20cと、データ記憶部20dと、第1の状態通知部20eと、表示部20fと、電力生成部20gと、を含んだ構成とし、プラグ差込部3を、データ受信部3aと、データ送信部3bと、データ制御部3cと、データ記憶部3dと、応答情報生成部3eと、第2の状態通知部3fと、第1〜第3の表示部3g〜3iと、第1〜第3の挿入口3j〜3lと、を含んだ構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグ及びプラグ差込部に係り、特に、プラグを誤った差込口に挿入するのを防ぐのに好適なプラグ誤挿入防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電源コンセント等のプラグを誤った差込口に挿入しないようにするために、プラグと差込口の両方に同じ色を付けるなど、両者の正しい組み合わせが明確になるように対応付けする工夫がなされていた。この対応付けは、プラグとその差込口がセットで販売されるような機器であれば、製造の段階からプラグと差込口とを同じ色にする等、両者の明確な対応付けが可能である。しかし、これらプラグを有する機器と、プラグの差込口を有する機器は、別々に販売されるものも多く、そのどちらか一方、または、両方を、別々に購入した場合は、購入者本人が何らかの対応付けをする必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、予め対応付けをした場合でも、その表示位置が見辛い位置にある場合や、暗い場所に機器を設置した場合などに、対応付けした内容を見間違うなどすることで、プラグを誤った別の差込口に挿入してしまう恐れがある。このような場合に、機器がショートにより壊れたり、機器に過電圧がかかって壊れたり、最悪の場合は、機器が発火や爆発をするなどの危険性がある。
【0004】
また、上記したように購入者本人が対応付けを行う場合は、差込口が正しいかどうかを判断するために、一度プラグを挿入して確かめるなどプラグと差込口との正しい組み合わせを確認する必要があり、このときに、プラグを誤った別の差込口に挿入してしまう恐れがある。このような場合に、上記同様の危険性がある。
【0005】
また、プラグと差込口との組み合わせが正しいかどうかを確認しないで対応付けした場合も、プラグと差込口とに対して誤った対応付けをした場合などに、プラグを誤った別の差込口に挿入してしまう恐れがある。このような場合に、上記同様の危険性がある。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、プラグを誤った差込口に挿入するのを防ぐのに好適なプラグ誤挿入防止システム、プラグ、プラグ差込部、プラグ制御プログラム、非接触識別タグ制御プログラム、プラグ差込部制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るプラグ誤挿入防止システムは、所定用途に用いられるプラグを、プラグ差込部の有するプラグ差込口に挿入する際に、当該プラグを誤ったプラグ差込口に挿入するのを防ぐためのプラグ誤挿入防止システムであって、前記プラグは、当該プラグに対応するプラグ差込口を識別するための情報である第1の識別用情報を記憶する第1の識別用情報記憶手段と、前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信するプラグ差込口情報送信手段と、前記プラグ差込部からの応答情報を受信する応答情報受信手段と、当該応答情報受信手段によって受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知するプラグ状態通知手段と、を備え、前記プラグ差込部は、当該プラグ差込部の有するプラグ差込口に対応する前記プラグを識別するための情報である第2の識別用情報を記憶する第2の識別用情報記憶手段と、前記プラグから送信された前記第1の識別用情報を受信する第1の識別用情報受信手段と、当該第1の識別用情報受信手段によって受信した前記第1の識別用情報と前記第2の識別用情報とを比較する識別用情報比較手段と、当該識別用情報比較手段の比較結果に基づき前記プラグへの応答情報を生成する応答情報生成手段と、当該応答情報生成手段によって生成された前記応答情報を前記プラグに送信する応答情報送信手段と、前記応答情報に基づき、前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態を前記システム利用者に通知するプラグ差込口状態通知手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
このような構成であれば、第1の発明において、プラグは、第1の識別用情報記憶手段によって、当該プラグに対応するプラグ差込口を識別するための情報である第1の識別用情報を記憶することが可能であり、プラグ差込口情報送信手段によって、前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信することが可能であり、応答情報受信手段によって、前記プラグ差込部からの応答情報を受信することが可能であり、プラグ状態通知手段によって、前記応答情報受信手段によって受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知することが可能であり、プラグ差込部は、第2の識別用情報記憶手段によって、当該プラグ差込部の有するプラグ差込口に対応する前記プラグを識別するための情報である第2の識別用情報を記憶することが可能であり、第1の識別用情報受信手段によって、前記プラグから送信された前記第1の識別用情報を受信することが可能であり、識別用情報比較手段によって、前記第1の識別用情報受信手段によって受信した前記第1の識別用情報と前記第2の識別用情報とを比較することが可能であり、応答情報生成手段によって、前記識別用情報比較手段の比較結果に基づき前記プラグへの応答情報を生成することが可能であり、応答情報送信手段によって、前記応答情報生成手段によって生成された前記応答情報を前記プラグに送信することが可能であり、プラグ差込口状態通知手段によって、前記応答情報に基づき、前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態を前記システム利用者に通知することが可能である。
【0008】
従って、プラグがプラグ差込口に接近することで、そのプラグ差込口がプラグに対応しているか否かを知ることが可能となるので、システム利用者が、プラグを、誤ったプラグ差込口に挿入するのを防ぐことが可能となる。
ここで、上記プラグは、電気機械において、回路を接続し、あるいは切断するために用いる差込み器具であり、一般にケーブルや取りはずしできる部分品に取り付けられているもので、ジャック、アウトレット、レセプタクル、ソケット、コンセントなどのプラグ差込部のプラグ差込口に挿入されるものである。なお、電気的に接続するものであれば、ピン、コネクタなどの他の名称で呼ばれているものも含む。
【0009】
また、上記プラグ状態通知手段は、光や音、画像(文字を含む)表示等により、システム利用者にプラグの状態を通知するものである。例えば、接近したプラグ差込口が対応したものであれば、青色の光を点灯したり、対応していることを示す音や声を出力したり、青色の画像を表示したりする。一方、対応したものでなければ、赤色の光を点灯したり、対応していないことを示す音や声を出力したり、赤色の画像を表示したりする。
【0010】
また、上記プラグ差込口状態通知手段は、光や音、画像(文字を含む)表示等により、システム利用者にプラグに接近されたプラグ差込口の状態を通知するものである。例えば、接近したプラグが対応したものであれば、青色の光を点灯したり、対応していることを示す音や声を出力したり、青色の画像を表示したりする。一方、対応したものでなければ、赤色の光を点灯したり、対応していないことを示す音や声を出力したり、赤色の画像を表示したりする。
【0011】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記プラグは、非接触識別タグを備え、当該非接触識別タグが、当該プラグに対応するプラグ差込口を識別するための情報である第1の識別用情報を記憶する第1の識別用情報記憶手段と、前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信するプラグ差込口情報送信手段と、前記プラグ差込部からの応答情報を受信する応答情報受信手段と、当該応答情報受信手段によって受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知するプラグ状態通知手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
つまり、非接触識別タグは、第1の識別用情報記憶手段によって、当該プラグに対応するプラグ差込口を識別するための情報である第1の識別用情報を記憶することが可能であり、プラグ差込口情報送信手段によって、前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信することが可能であり、応答情報受信手段によって、前記プラグ差込部からの応答情報を受信することが可能であり、プラグ状態通知手段によって、前記応答情報受信手段によって受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知することが可能である。
【0013】
従って、例えば、通常のプラグに非接触識別タグを取り付けるだけで、プラグがプラグ差込口に接近することで、そのプラグ差込口がプラグに対応しているか否かを知ることが可能となり、システム利用者が、プラグを、誤ったプラグ差込口に挿入するのを防ぐことが可能となる。更に、非接触識別タグをプラグに取り付けるだけで、本システムに利用することが可能となるので、様々な種類のプラグに簡易に適用することが可能である。
【0014】
ここで、非接触識別タグとは、RFID(Radio Frequency IDentification)システムにおいて用いられるもので、一般にデータキャリアなどとも呼ばれている。その形状には、ラベル型、カード型、コイン型、スティック型等の様々なものがある。これらの形状はアプリケーションと密接な関係があり、例えば、人が持つものは、カード形あるいはラベル形をキーホルダ形状に加工したものがある。また、半導体のキャリアIDとしてはスティック形が主流となっている。なお、リネン関連の服に縫い込まれるものはコイン形が主流となっている。
【0015】
また、非接触識別タグは、データ読取専用、あるいは、データの読み書きが自由に行える記憶領域を備えており、更に、アンテナ側からの非接触電力伝送により電池が無くても動作可能なものがある。
また、RFIDシステムとは、媒体に電波・電磁波を用いたIDシステムであり、非接触識別タグが、(1)携帯容易な大きさであること、(2)情報を電子回路に記憶すること、(3)非接触通信により交信することの3つの特徴を備えている。
【0016】
従って、RFIDシステムは、非接触識別タグを持つ人・物・車などと、その情報とを一元化させる目的で使用される。つまり、人・物・車がある場所で随時、必要な情報を取り出すことができ、かつ必要に応じて新たな情報を書き込むことができる。
また、RFIDシステムの代表的な種類としては、主に、交流磁界によるコイルの相互誘導を利用して非接触識別タグとの交信を行う電磁結合方式、主に、250kHz以下、あるいは、13.56MHz帯の長・中波帯の電磁波を利用して非接触識別タグとの交信を行う電磁誘導方式、リーダ/ライタ側のアンテナと非接触識別タグ間で、2.45GHz帯のマイクロ波によりデータ交信を行うマイクロ波方式、光の発生源としてLEDを、受光器としてはフォトトランジスタ等を配置し、光の空間伝送を利用して非接触識別タグとの交信を行う光方式の4つがある。
【0017】
また、アクセス方式は、主に、シングルアクセスモード、FIFO(First In First Out)アクセスモード、マルチアクセスモード、セレクティブアクセスモードの4つがある。
シングルアクセスモードは、アンテナ交信領域内に存在する非接触識別タグは1個であり、複数の非接触識別タグがアンテナの交信領域内にあると交信エラーとなり、交信できなくなる。
【0018】
FIFOアクセスモードは、アンテナの交信領域内に順番に入ってくる非接触識別タグと順番に交信することができる。交信を終了した非接触識別タグにはアクセス禁止処理を行うので、交信終了したタグがアンテナの交信領域内に複数存在しても、新たなタグが1個だけアンテナの交信領域内に入ってくれば交信ができる。同時に非接触識別タグが交信領域内にはいると、交信エラーとなり交信できなくなる。アクセス禁止された非接触識別タグは、交信領域外にでると再び交信が可能となる。
【0019】
マルチアクセスモードは、アンテナの交信領域内に複数の非接触識別タグが存在しても、全ての非接触識別タグと交信ができる。
セレクティブアクセスモードは、交信領域内にある複数の非接触識別タグのうち、特定の非接触識別タグと交信ができるもので、交信領域内の非接触識別タグに番号を割り当てるコマンドと、割り当てた番号をもとに、特定の非接触識別タグとの交信を行うコマンドで実現される。
【0020】
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記プラグは、前記プラグ差込部から送信された電磁波から当該プラグ駆動用の電力を生成する電力生成手段を備え、前記プラグ差込部は、当該プラグ差込部に接近した前記プラグに電力供給用の電磁波を送信する電力供給用電磁波送信手段を備えることを特徴としている。
【0021】
つまり、プラグは、電力生成手段によって、前記プラグ差込部から送信された電磁波から当該プラグ駆動用の電力を生成することが可能であり、プラグ差込部は、電力供給用電磁波送信手段によって、当該プラグ差込部に接近した前記プラグに電力供給用の電磁波を送信することが可能である。
従って、プラグ側は、電池等の電源が無くても動作するので、機能部の小型化が可能となる。
【0022】
また、第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1の発明において、前記プラグ状態通知手段は、プラグ状態表示部を有しており、当該プラグ状態表示部への所定情報の表示によって前記システム利用者への前記プラグの前記プラグ差込口に対する状態の通知を行うようになっていることを特徴としている。
つまり、プラグ状態通知手段は、プラグ状態表示部を有しており、当該プラグ状態表示部への所定情報の表示によって前記システム利用者への前記プラグの前記プラグ差込口に対する状態の通知を行うことが可能である。
【0023】
従って、システム利用者は、プラグが、プラグ差込口に対応しているか否かなどの状態を目視で簡易に知ることが可能である。また、この表示内容(色画像の色等)とプラグ差込口側の表示内容(色画像の色等)とを一致させることで、両者の状態をより簡易に知ることが可能である。また、プラグ状態表示部は、折り曲げが可能なものを利用してプラグに巻きつけるようにするなど、表示が見易いように工夫することが可能である。
【0024】
また、第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1の発明において、前記プラグ状態表示部は、発光素子から成り、当該発光素子の発光状態によって前記システム利用者への前記プラグの前記プラグ差込口に対する状態の通知を行うようになっていることを特徴としている。
つまり、プラグ状態表示部は、発光素子から成り、当該発光素子の発光状態によって前記システム利用者への前記プラグの前記プラグ差込口に対する状態の通知を行うことが可能である。
【0025】
従って、システム利用者は、プラグが、プラグ差込口に対応しているか否かなどの状態を目視で簡易に知ることが可能となる他、光の色や光の点滅などによって状態を示すようにすることで、暗がりにおいても、目視で簡易に状態を知ることが可能となる。ここで、発光部としては、LED等の適用が考えられる。また、LEDも、その発光状態が見易くなるように取り付け個数や取り付け位置の工夫が可能である。
【0026】
また、第6の発明は、第5の発明において、前記プラグの前記プラグ差込口に対する正しい挿入位置を案内可能な当該プラグの特定位置に、前記プラグ状態表示部を配設したことを特徴としている。
つまり、前記プラグの前記プラグ差込口に対する正しい挿入位置を案内可能な当該プラグの特定位置に、前記プラグ状態表示部を配設したので、例えば、PS2端子、USB(Universal Serial Bus)端子、ビデオ等S端子などのプラグ及びそのプラグ差込口のように、両者が特定の位置関係にならないと正確に挿入することができない組み合わせのときに、発光部の位置をガイドとして、挿入位置を合わせることが可能となるので、暗がり等でプラグをプラグ挿入口に挿入し易くなる。
【0027】
また、第7の発明は、第5又は第6の発明において、前記プラグ状態通知手段は、前記プラグの前記プラグ差込口に対する位置に応じて前記発光素子の発光状態を変化させるようになっていることを特徴としている。
つまり、前記プラグ状態通知手段は、前記プラグの前記プラグ差込口に対する位置に応じて前記発光素子の発光状態を変化させることが可能である。
【0028】
従って、発光素子の発光状態によってプラグがプラグ差込口に対して正確な位置にあるか否かを知らせるようにすることで、プラグ状態表示部の配設位置及びその発光状態により、プラグとプラグ差込口とが正確な位置関係にあるか否かが解るので、暗がり等で、よりプラグをプラグ挿入口に挿入し易くなる。
また、第8の発明は、第1乃至第7のいずれか1の発明において、前記プラグ差込口状態通知手段は、プラグ差込口状態表示部を有しており、当該プラグ差込口状態表示部への所定情報の表示によって前記システム利用者への前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態の通知を行うようになっていることを特徴としている。
【0029】
つまり、プラグ差込口状態通知手段は、プラグ差込口状態表示部を有しており、当該プラグ差込口状態表示部への所定情報の表示によって前記システム利用者への前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態の通知を行うことが可能である。
従って、システム利用者は、プラグ差込口が、当該プラグ差込口に接近しているプラグに対応しているか否かなどの状態を目視で簡易に知ることが可能である。また、この表示内容(色画像の色等)とプラグ側の表示内容(色画像の色等)とを一致させることで、両者の状態をより簡易に知ることが可能である。
【0030】
また、第9の発明は、第1乃至第8のいずれか1の発明において、前記プラグ差込口状態表示部は、発光素子から成り、当該発光素子の発光状態によって前記システム利用者への前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態の通知を行うようになっていることを特徴としている。
つまり、プラグ差込口状態表示部は、発光素子から成り、当該発光素子の発光状態によって前記システム利用者への前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態の通知を行うことが可能である。
【0031】
従って、システム利用者は、プラグ差込口が、当該プラグ差込口に接近したプラグに対応しているか否かなどの状態を目視で簡易に知ることが可能となる他、光の色や光の点滅などによって状態を示すようにすることで、暗がりにおいても、目視で簡易に状態を知ることが可能となる。
また、第10の発明は、第9の発明において、前記プラグを前記プラグ差込口に挿入する時に、当該プラグの正しい挿入位置の案内が可能な前記プラグ差込部の特定位置に、前記プラグ差込口状態表示部を配設したことを特徴としている。
【0032】
つまり、前記プラグを前記プラグ差込口に挿入する時に、当該プラグの正しい挿入位置の案内が可能な前記プラグ差込部の特定位置に、前記プラグ差込口状態表示部を配設したので、例えば、PS2端子、USB端子、ビデオ等S端子などのプラグ及びそのプラグ差込口のように、両者が特定の位置関係にならないと正確に挿入することができない組み合わせのときに、発光部の位置をガイドとして、挿入位置を合わせることが可能となるので、暗がり等でプラグをプラグ挿入口に挿入し易くなる。
【0033】
また、第11の発明は、第9又は第10の発明において、前記プラグ差込部状態通知手段は、前記プラグ差込口に対する前記プラグの位置に応じて前記発光素子の発光状態を変化させるようになっていることを特徴としている。
つまり、前記プラグ差込部状態通知手段は、前記プラグ差込口に対する前記プラグの位置に応じて前記発光素子の発光状態を変化させることが可能である。
【0034】
従って、発光素子の発光状態によって接近しているプラグがプラグ差込口に対して正確な位置にあるか否かを知らせるようにすることで、プラグ差込口状態表示部の配設位置及びその発光状態により、プラグとプラグ差込口とが正確な位置関係にあるか否かが解るので、暗がり等で、よりプラグをプラグ挿入口に挿入し易くなる。
【0035】
また、第12の発明は、第1乃至第11のいずれか1の発明において、前記第1の識別用情報は、前記プラグ所有者の固有情報を含んでおり、前記プラグ差込部は、前記受信した前記第1の識別用情報に含まれる前記固有情報に基づき当該固有情報の送信元のプラグが当該プラグ差込部の有するプラグ差込口を利用できるか否かを判定する利用可否判定手段を備え、前記応答情報生成手段は、前記利用可否判定手段の判定結果にも基づき前記応答情報を生成するようになっていることを特徴としている。
【0036】
つまり、第1の識別用情報は、前記プラグ所有者の固有情報を含んでおり、プラグ差込部は、利用可否判定手段によって、受信した前記第1の識別用情報に含まれる前記固有情報に基づき当該固有情報の送信元のプラグが当該プラグ差込部の有するプラグ差込口を利用できるか否かを判定することが可能であり、前記応答情報生成手段は、前記利用可否判定手段の判定結果にも基づき前記応答情報を生成することが可能である。
【0037】
従って、プラグ所有者の固有情報により、当該プラグのプラグ差込部の利用可否を判定することができるので、利用不可のプラグが挿入された場合に、差込部の機能、あるいは、差込部を有する機器を利用できなくしたり、プラグ所有者を認証して、認証されたときに機器の利用やサービスの提供を行うことなどが可能となる。
【0038】
また、第13の発明は、第1の発明に適用可能なプラグであって、当該プラグに対応するプラグ差込口を識別するための情報である第1の識別用情報を記憶する第1の識別用情報記憶手段と、前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信するプラグ差込口情報送信手段と、前記プラグ差込部からの応答情報を受信する応答情報受信手段と、当該応答情報受信手段によって受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知するプラグ状態通知手段と、を備えることを特徴としている。
【0039】
ここで、本発明は、第1の発明に適用可能なプラグであって、その作用効果は重複するので記載を省略する。
また、第14の発明は、第1の発明に適用可能なプラグ差込部であって、当該プラグ差込部の有するプラグ差込口に対応する前記プラグを識別するための情報である第2の識別用情報を記憶する第2の識別用情報記憶手段と、前記プラグから送信された前記第1の識別用情報を受信する第1の識別用情報受信手段と、当該第1の識別用情報受信手段によって受信した前記第1の識別用情報と前記第2の識別用情報とを比較する識別用情報比較手段と、当該識別用情報比較手段の比較結果に基づき前記プラグへの応答情報を生成する応答情報生成手段と、当該応答情報生成手段によって生成された前記応答情報を前記プラグに送信する応答情報送信手段と、前記応答情報に基づき、前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態を前記システム利用者に通知するプラグ差込口状態通知手段と、を備えることを特徴としている。
【0040】
ここで、本発明は、第1の発明に適用可能なプラグ差込部であって、その作用効果は重複するので記載を省略する。
また、第15の発明は、第13の発明を制御するためのプログラムであって、前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信するプラグ差込口情報送信ステップと、前記プラグ差込部からの応答情報を受信する応答情報受信ステップと、当該応答情報受信ステップにおいて受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知するプラグ状態通知ステップと、を備えることを特徴としている。
【0041】
ここで、本発明は、第13の発明を制御するためのプログラムであり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、第16の発明は、第2の発明における前記非接触識別タグを制御するためのプログラムであって、前記プラグが前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信するプラグ差込口情報送信ステップと、前記プラグ差込部からの応答情報を受信する応答情報受信ステップと、当該応答情報受信ステップにおいて受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知するプラグ状態通知ステップと、を備えることを特徴としている。
【0042】
ここで、本発明は、第2の発明における非接触識別タグを制御するためのプログラムであり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、第17の発明は、第14の発明を制御するためのプログラムであって、前記プラグから送信された前記第1の識別用情報を受信するプラグ差込口情報受信ステップと、当該プラグ差込口情報受信ステップにおいて受信した前記第1の識別用情報と前記第2の識別用情報とを比較するプラグ差込口情報比較ステップと、当該プラグ差込口情報比較ステップの比較結果に基づき前記プラグへの応答情報を生成する応答情報生成ステップと、当該応答情報生成ステップにおいて生成された前記応答情報を前記プラグに送信する応答情報送信ステップと、前記応答情報に基づき、前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態を前記システム利用者に通知するプラグ差込口状態通知ステップと、を備えることを特徴としている。
【0043】
ここで、本発明は、第14の発明を制御するためのプログラムであり、その効果は重複するので記載を省略する。
本発明は更に以下の態様を採り得る。
(1)非接触識別タグを備え、
当該非接触識別タグが、当該プラグに対応するプラグ差込口を識別するための情報である第1の識別用情報を記憶する第1の識別用情報記憶手段と、前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信するプラグ差込口情報送信手段と、前記プラグ差込部からの応答情報を受信する応答情報受信手段と、当該応答情報受信手段によって受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知するプラグ状態通知手段と、を備えることを特徴とする第13の発明に記載のプラグ。
【0044】
(2)前記プラグ差込部から送信された電磁波から当該プラグ駆動用の電力を生成する電力生成手段を備えることを特徴とする第13の発明又は(1)記載のプラグ。
(3)前記プラグ状態通知手段は、プラグ状態表示部を有しており、当該プラグ状態表示部への所定情報の表示によって前記システム利用者への前記プラグの前記プラグ差込口に対する状態の通知を行うようになっていることを特徴とする第13の発明、(1)及び(2)のいずれか1に記載のプラグ。
【0045】
(4)前記プラグ状態表示部は、発光素子から成り、当該発光素子の発光状態によって前記システム利用者への前記プラグの前記プラグ差込口に対する状態の通知を行うようになっていることを特徴とする第13の発明、(1)乃至(3)のいずれか1に記載のプラグ。
(5)前記プラグの前記プラグ差込口に対する正しい挿入位置を案内可能な当該プラグの特定位置に、前記プラグ状態表示部を配設したことを特徴とする(4)記載のプラグ。
【0046】
(6)前記プラグ状態通知手段は、前記プラグの前記プラグ差込口に対する位置に応じて前記発光素子の発光状態を変化させるようになっていることを特徴とする(4)又は(5)記載のプラグ。
(7)前記第1の識別用情報は、前記プラグ所有者の固有情報を含むことを特徴とする第13の発明、(1)乃至(6)のいずれか1に記載のプラグ。
【0047】
(8)当該プラグ差込部に接近した前記プラグに電力供給用の電磁波を送信する電力供給用電磁波送信手段を備えることを特徴とする第14の発明に記載のプラグ差込部。
(9)前記プラグ差込口状態通知手段は、表示部を有しており、当該表示部への所定情報の表示によって前記システム利用者への前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態の通知を行うようになっていることを特徴とする第14の発明又は(8)記載のプラグ差込部。
【0048】
(10)前記プラグ差込口状態通知手段は、プラグ差込口状態表示部を有しており、当該プラグ差込口状態表示部への所定情報の表示によって前記システム利用者への前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態の通知を行うようになっていることを特徴とする第14の発明、(8)及び(9)のいずれか1に記載のプラグ差込部。
【0049】
(11)前記プラグ差込口状態表示部は、発光素子から成り、当該発光素子の発光状態によって前記システム利用者への前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態の通知を行うようになっていることを特徴とする(10)記載のプラグ差込部。
(12)前記プラグを前記プラグ差込口に挿入する時に、当該プラグの正しい挿入位置の案内が可能な前記プラグ差込部の特定位置に、前記プラグ差込口状態表示部を配設したことを特徴とする(10)又は(11)記載のプラグ差込部。
【0050】
(13)前記プラグ差込部状態通知手段は、前記プラグ差込口に対する前記プラグの位置に応じて前記発光素子の発光状態を変化させるようになっていることを特徴とする(10)乃至(12)のいずれか1に記載のプラグ差込部。
(14)前記プラグから受信した前記第1の識別用情報に含まれる前記固有情報に基づき当該固有情報の送信元のプラグが当該プラグ差込部の有するプラグ差込口を利用できるか否かを判定する利用可否判定手段を備え、前記応答情報生成手段は、前記利用可否判定手段の判定結果にも基づき前記応答情報を生成するようになっていることを特徴とする第14の発明、(8)乃至(13)のいずれか1に記載のプラグ差込部。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図7は、本発明に係るプラグ誤挿入防止システムの実施の形態を示す図である。
まず、本発明に係るプラグ誤挿入防止システムの構成を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係るプラグ誤挿入防止システムの概要を示す図である。
【0052】
プラグ誤挿入防止システム1は、機器4にケーブルを介して取り付けられたプラグ2と、機器5の背面に取り付けられたプラグ差込部3と、を含んだ構成となっている。
プラグ2は、前記プラグ差込部3の有する後述する第1〜第3の挿入口3g〜3iに挿入することで機器4と機器5とを電気的に接続する接続部を有したもので、更に、誤った挿入口に挿入されないように、そのことを使用者に通知する機能を有したものである。なお、詳細は後述する。
【0053】
プラグ差込部3は、第1〜第3の挿入口3g〜3iを有しており、当該第1〜第3の挿入口3g〜3iにプラグ2が挿入されることで機器5と機器4とを電気的に接続するものである。更に、第1〜第3の挿入口3g〜3iに誤ったプラグ2が差し込まれないように、そのことを使用者に通知する機能を有したものである。なお、詳細は後述する。
【0054】
機器4は、プラグ2を介して機器5に接続して用いられるもので、例えば、機器5がPC(Personal Computer)であれば、キーボードやマウスなどのデバイスが考えられる。
機器5は、例えば、PC、オーディオ、ビデオプレイヤ、DVDプレイヤ、TVなどのプラグ差込部3を有した電気機器であり、AVケーブル、LANケーブル等のプラグ2を有するケーブルを介して様々な電気機器が接続可能なものである。
【0055】
更に、図2に基づき、プラグ2の詳細な構成を説明する。図2は、プラグ2の詳細構成を示すブロック図である。
図2に示すように、プラグ2は、非接触識別タグ20と、接続部21と、を含んだ構成となっている。
非接触識別タグ20は、データ受信部20aと、データ送信部20bと、データ制御部20cと、データ記憶部20dと、第1の状態通知部20eと、表示部20fと、電力生成部20gと、を含んだ構成となっている。
【0056】
データ受信部20aは、プラグ差込部3から13.56MHz帯の電磁波を利用して送信されたデータを、電磁誘導方式により受信する機能を備えるものである。
データ送信部20bは、データ記憶部20dに記憶された所定データを、電磁誘導方式によって、13.56MHz帯の電磁波を利用してプラグ差込部3に送信する機能を備えるものである。
【0057】
データ制御部20cは、データ受信部20aによるデータの受信処理と、データ送信部20bによるデータの送信処理と、を制御する。更に、プラグ差込部3からの受信データを解析して解析結果を第1の状態通知部20eに伝送したり、あるいは、データ記憶部20dに記憶された対応するデータを読み出して第1の状態通知部20eに伝送したりする。本実施の形態においては、プラグ差込部3からの応答要求コマンド信号に応じて、データ記憶部20dに記憶された識別情報及び対応する差込口の情報をプラグ差込部3に送信する。
【0058】
データ記憶部20dは、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリであり、一度記憶したデータを電力の供給無しに保持するものである。なお、データ記憶部20dの保護領域(データ書換え不可能な領域)には、それぞれの非接触識別タグ20毎に対応する挿入口の情報や当該非接触識別タグ20毎に固有の識別情報等、動作に必要なデータが記憶されている。
【0059】
第1の状態通知部20eは、データ受信部20aを介して、プラグ差込部3から受信した応答情報に基づき、当該応答内容に応じた制御命令を表示部20fに伝送するものである。
表示部20fは、複数の発光素子から成り、第1の状態通知部20eからの制御命令に基づき前記発光素子を発光させることで、プラグ2のプラグ差込部3の後述する第1〜第3の挿入口3j〜3lの状態を使用者に通知するものである。
例えば、プラグ2が対応した挿入口を有するプラグ差込部に接近したときは、発光素子を見た目が青色となるように発光させ、対応していない挿入口を有するプラグ差込部に接近したときは、発光素子を見た目が赤色となるように発光させる。また、発光素子を点滅等させることも可能である。
【0060】
電力生成部20gは、プラグ差込部3からアンテナ20hを介して受信したデータ信号の搬送波から、非接触識別タグ20における、上記20a〜20fの各部を駆動するための電力を生成し、これらを供給するものである。
アンテナ20hは、非接触識別タグ20の基材上に金属インク等により形成されるもので、13.56MHz帯の電磁波を送受信することが可能なものである。
【0061】
更に、図3に基づき、プラグ差込部3の詳細な構成を説明する。図3は、プラグ差込部3の詳細構成を示すブロック図である。
図3に示すように、プラグ差込部3は、データ受信部3aと、データ送信部3bと、データ制御部3cと、データ記憶部3dと、応答情報生成部3eと、第2の状態通知部3fと、第1〜第3の表示部3g〜3iと、第1〜第3の挿入口3j〜3lと、を含んだ構成となっている。
【0062】
データ受信部3aは、プラグ2から送信されたデータを電磁誘導方式によって受信する機能を有したものである。
データ送信部3bは、電磁誘導方式によって、プラグ2に所定データを送信する機能を有したものである。
データ制御部3cは、図示しないCPU(Central Processing Unit)によって、データ記憶部3dに記憶された制御プログラムを実行することにより、プラグ差込部3の各部の動作を統括制御するものである。その制御内容としては、まず、プラグ2からのデータの受信や、プラグ2へのデータの送信などの、データ受信部3a及びデータ送信部3bを用いた電磁誘導方式によるデータ通信処理の制御がある。更に、プラグ2から受信したデータを応答情報生成部3eに伝送する処理の制御がある。
【0063】
データ記憶部3dは、制御プログラムを記憶する他、プラグ2から受信したデータを記憶したり、データ制御部3c、応答情報生成部3e、第2の状態通知部3fなどの各部の処理に用いるデータを記憶するものである。
応答情報生成部3eは、プラグ2から受信した対応する挿入口の情報に基づき、プラグ差込部3が当該情報に対応する挿入口を有しているか否かを判定し、その判定結果に基づきプラグ2への応答情報を生成するものである。
【0064】
第2の状態通知部3fは、応答情報生成部3eにおいて生成された応答情報に基づき、第1〜第3の表示部3g〜3iに対する発光命令を生成し、伝送するものである。
第1〜第3の表示部3g〜3iは、複数の発光素子から成り、第2の状態通知部3fにおいて生成された発光命令に基づき発光素子を発光させることで、プラグ2に対する第1〜第3の挿入口3j〜3lの状態を使用者に通知するものである。例えば、プラグ2が対応した挿入口に接近したときは、発光素子を見た目が青色となるように発光させ、対応していない挿入口に接近したときは、発光素子を見た目が赤色となるように発光させる。また、発光素子を点滅等させることも可能である。つまり、本実施の形態では、第1〜第3の表示部3g〜3iは、プラグ2の表示部20fと同色に発光素子が発光するようになっている。
【0065】
更に、図4に基づき、本システム1のより具体的な動作を説明する。図4(a)は、プラグ誤挿入防止システム1の第1の実施の形態を示す図であり、図4(b)は、プラグ誤挿入防止システム1の第2の実施の形態を示す図である。
まず、図4(a)に示す第1の実施の形態を説明する。図4(a)に示すように、第1の実施の形態におけるプラグ誤挿入防止システム1は、本体に表示部20fが巻き付けられたプラグ2と、同型の3つの挿入口を有するプラグ差込部3と、を含んだ構成となっている。
【0066】
まず、プラグ2の使用者が、プラグ差込部3に対して当該プラグ2を近づけることで、プラグ2は、プラグ差込部3から応答要求信号を受信することになる。
ここで、本実施の形態においては、プラグ差込部3は、データ制御部3cによって、データ送信部3bを介して応答要求信号を所定周期で送信している。非接触識別タグ20のアンテナ20hにより、プラグ差込部3からの応答要求信号を受信したプラグ2では、電力生成部20gにおいて、この応答要求信号の搬送波から駆動用の電力を生成して、これを当該非接触識別タグ20の各部に供給する。これにより、電力の供給されたデータ受信部20aによって受信信号を復調して応答要求を抽出し、この応答要求に応じてデータ制御部20cによって、データ記憶部20dから当該プラグ2を挿入可能な差込口を識別するための情報(差込口の型番等)を読み出し、データ送信部20bを介して、プラグ差込部3に送信する。
一方、プラグ差込部3は、プラグ2からデータ受信部3aを介して上記識別用情報を受信すると、データ制御部3cにおいて、データ記憶部3dから当該プラグ差込部3の有する挿入口の情報を読み出し、前記識別用情報と共に、応答情報生成部3eに伝送する。応答情報生成部3eでは、取得した識別用情報及び挿入口の情報に基づきプラグ2が挿入口を利用可能か否かを判定し、この判定結果を含む応答情報を生成して、これを、データ制御部3c及び第2の状態通知部3fに伝送する。
【0067】
データ制御部3cは、応答情報生成部3eから応答情報を受け取ると、これをデータ送信部3bを介してプラグ2に送信する。また、第2の状態通知部3fでは、応答情報生成部3eから応答情報を受け取ると、この応答情報に含まれる判定結果に基づき、第1〜第3の挿入口3j〜3lにそれぞれ対応した第1〜第3の表示部3g〜3iに対して、その表示を制御する制御命令を生成して伝送する。第1〜第3の表示部3g〜3iは、第2の状態通知部3fから受け取った制御命令に応じて、発光素子を所定色に点灯して、各挿入口3j〜3lの状態を使用者に通知する。例えば、応答情報から挿入口3kがプラグ2に対応した挿入口であることが解ると、まず、第2の状態通知部3fは、挿入口3kに対応した第2の表示部3hが青色となるように、その発光素子を点灯させる制御命令を生成し、これを第2の表示部3hに伝送する。そして、第2の状態通知部3fは、第1の挿入口3jに対応した第1の表示部3g及び第3の挿入口3lに対応した第3の表示部3iに対して、これら表示部3g、3iが赤色となるように、その発光素子を点灯させる制御命令を生成し伝送する。つまり、これら制御命令によって、第1の表示部3g及び第3の表示部3iは赤色に点灯し、第2の表示部3hは青色に点灯する。なお、本実施の形態において、プラグ差込部3にプラグ2に対応する挿入口が無かったときは、表示部3g〜3iを全て赤色に点灯する。
【0068】
また、プラグ差込部3から、応答情報を含む応答情報信号をアンテナ20hにより受信したプラグ2の非接触識別タグ20は、上記応答要求信号の受信時と同様に、電力生成部20gにおいて前記受信した応答情報信号の搬送波から駆動用の電力を生成して各部に供給する。これにより電力の供給されたデータ受信部20aは、受信信号を復調して応答情報を抽出し、データ制御部20cに伝送する。そして、データ制御部20cは、データ受信部20aから取得した応答情報を第1の状態通知部20eに伝送する。
【0069】
第1の状態通知部20eは、データ制御部20cから応答情報を受け取ると、この応答情報に基づき、表示部20fに対して、その表示を制御する制御命令を生成して伝送する。表示部20fは、第1の状態通知部20eから制御命令を受け取ると、この命令内容に基づき、当該表示部20fを構成する発光素子を所定色に点灯させる。ここで、本実施の形態において、第1の状態通知部20eは、プラグ差込部3にプラグ2に対応する挿入口があるときは、表示部20fが青色となるように発光素子を点灯させる制御命令を生成して、これを当該表示部20fに伝送し、一方、プラグ差込部3にプラグ2に対応する挿入口が無かったときは、表示部20fが赤色となるように発光素子を点灯させる制御命令を生成して、これを当該表示部20fに伝送する。従って、表示部20fは、プラグ差込部3にプラグ2に対応する挿入口があるときは青色に点灯し、対応する挿入口が無かったときは赤色に点灯する。
【0070】
最終的に、プラグ2の使用者は、当該プラグ2の表示部20fの表示内容と、プラグ差込部3における第1〜第3の表示部3g〜3iの表示内容とを見比べて、表示部が青色に点灯している挿入口を選択して、そこにプラグ2の接続部21を挿入することになる。
更に、図4(b)に基づき、プラグ誤挿入防止システム1の第2の実施の形態を説明する。
【0071】
図4(b)に示すように、第2の実施の形態におけるプラグ誤挿入防止システム1は、それぞれ形状の異なる(特に接続部21の形状の異なる)第1〜第3のプラグ2a〜2cと、それぞれ形状の異なる第1〜第3の挿入口3j〜3lを有するプラグ差込部3と、を含んだ構成となっている。ここで、第1〜第3のプラグ2a〜2cは、外部形状や接続部21の形状が異なるだけで、上記第1の実施の形態におけるプラグ2と同様の構成をしている。
【0072】
上記第1の実施の形態と同様に、第1〜第3のプラグ2a〜2cの使用者が、プラグ差込部3に対して当該第1〜第3のプラグ2a〜2cのいずれかを近づけることで、第1〜第3のプラグ2a〜2cは、プラグ差込部3から応答要求信号を受信することになる。
まず、第1のプラグ2aを近づけた場合を説明する。第1のプラグ2aがプラグ差込部3に近づくと、第1のプラグ2aは、プラグ差込部3から応答要求信号を受信することになる。この応答要求信号は、上記第1の実施の形態と同様に、第1のプラグ2aにおける非接触識別タグ20のアンテナ20hにおいて受信される。これにより非接触識別タグ20の電力生成部20gにおいて、受信信号の搬送波から駆動用電力が生成され、当該非接触識別タグ20の各部に供給される。これにより、電力の供給されたデータ受信部20aによって受信信号を復調して応答要求を抽出し、この応答要求に応じてデータ制御部20cによって、データ記憶部20dから当該第1のプラグ2aを挿入可能な差込口を識別するための情報(差込口の型番等)を読み出し、データ送信部20bを介して、プラグ差込部3に送信する。
【0073】
一方、プラグ差込部3は、第1のプラグ2aからデータ受信部3aを介して上記識別用情報を受信すると、データ制御部3cにおいて、データ記憶部3dから当該プラグ差込部3の有する挿入口の情報を読み出し、前記識別用情報と共に、応答情報生成部3eに伝送する。応答情報生成部3eでは、取得した識別用情報及び挿入口の情報に基づき第1のプラグ2aが挿入口を利用可能か否かを判定し、この判定結果を含む応答情報を生成して、これを、データ制御部3c及び第2の状態通知部3fに伝送する。ここでは、プラグ2aに対応した挿入口として第1の挿入口3jがあるので、第1の挿入口3jが利用可能であると判定され、この判定結果を含む応答情報が生成される。
【0074】
データ制御部3cは、応答情報生成部3eから応答情報を受け取ると、これをデータ送信部3bを介してプラグ2aに送信する。また、第2の状態通知部3fでは、応答情報生成部3eから応答情報を受け取ると、この応答情報に含まれる判定結果に基づき、第1〜第3の挿入口3j〜3lにそれぞれ対応した第1〜第3の表示部3g〜3iに対して、その表示を制御する制御命令を生成して伝送する。この場合、第2の状態通知部3fは、第1の表示部3gを青色に点灯させ、第2及び第3の表示部3h及び3iを赤色に点灯させるように制御命令を生成して、それぞれの表示部に伝送する。
【0075】
そして、第1〜第3の表示部3g〜3iは、第2の状態通知部3fから受け取った制御命令に応じて、発光素子を点灯して、各挿入口3j〜3lの状態を使用者に通知する。ここでは、第1のプラグ2aに対応した挿入口である挿入口3jに対応した第1の表示部3gが青色に点灯することになり、第2の挿入口3kに対応した第2の表示部3h及び第3の挿入口3lに対応した第3の表示部3iが赤色に点灯することになる。
【0076】
また、プラグ差込部3から、応答情報を含む応答情報信号をアンテナ20hにより受信した第1のプラグ2aの非接触識別タグ20は、上記応答要求信号の受信時と同様に、電力生成部20gにおいて前記受信した応答情報信号の搬送波から駆動用の電力を生成して各部に供給する。これにより電力の供給されたデータ受信部20aは、受信信号を復調して応答情報を抽出し、データ制御部20cに伝送する。そして、データ制御部20cは、データ受信部20aから取得した応答情報を第1の状態通知部20eに伝送する。
【0077】
第1の状態通知部20eは、データ制御部20cから応答情報を受け取ると、この応答情報に基づき、表示部20fに対して、発光素子を青色に点灯するように制御命令を生成し伝送する。表示部20fは、第1の状態通知部20eから前記制御命令を受け取ると、この命令内容に基づき、当該表示部20fを構成する発光素子を青色に点灯させる。
【0078】
最終的に、第1のプラグ2aの使用者は、当該第1のプラグ2aの表示部20fの表示内容(青色に点灯)と、プラグ差込部3における第1〜第3の表示部3g〜3iの表示内容とを見比べて、表示部が青色に点灯している第1の挿入口3jを選択して、そこに第1のプラグ2aの接続部21を挿入することになる。なお、プラグ2aにおける表示部20fは、接続部21の4つあるピンの各位置に合わせて4箇所に分かれて配設されており、更に、プラグ差込部3における第1の挿入口3jに対応した第1の表示部3gは、前記第1のプラグ2aの各ピンに対応した4つあるピン挿入口の各位置に合わせて表示部が4箇所に分かれて配設されている。従って、第1のプラグ2aの使用者は、当該第1のプラグ2aと第1の挿入口3jの各表示部同士の位置を合わせることにより、第1のプラグ2aを第1の挿入口3jの正しい位置に導くことができ、簡易に、第1のプラグ2aの接続部21を第1の挿入口3jに挿入することが可能である。
【0079】
また、第2のプラグ2bをプラグ差込部3に接近させた場合は、上記第1のプラグ2aと同様の処理を行い、第2のプラグ2bは、表示部20fを青色に点灯し、プラグ差込部3は、第2のプラグ2bに対応した第2の挿入口3kに対応した第2の表示部3hを青色に点灯し、その他の挿入口に対応した第1の表示部3g及び第3の表示部3iを赤色に点灯する。
【0080】
そして、最終的に第2のプラグ2bの使用者は、当該第2のプラグ2bの表示部20fの表示内容(青色に点灯)と、プラグ差込部3における第1〜第3の表示部3g〜3iの表示内容とを見比べて、表示部が青色に点灯している第2の挿入口3kを選択して、そこに第2のプラグ2bの接続部21を挿入することになる。ここで、図4(b)に示すように、第2の挿入口3kは2つ存在するが、本実施の形態においては、第2のプラグ2bはこのどちらにも対応しており、どちらに挿入しても問題無いとする。なお、第2のプラグ2bにおける表示部20fは、図4(b)に示す位置に配設されており、更に、プラグ差込部3における第2の挿入口3kに対応した第2の表示部3hは、前記プラグ2bの表示部20fに対応する位置に配設されている。従って、第2のプラグ2bの使用者は、当該第2のプラグ2bと第2の挿入口3kの各表示部同士の位置を合わせることにより、第2のプラグ2bを第2の挿入口3kの正しい位置に導くことができ、簡易に、第2のプラグ2bの接続部21を第2の挿入口3kに挿入することが可能である。
【0081】
また、第3のプラグ2cをプラグ差込部3に接近させた場合は、上記第1及び第2のプラグ2a及び2bと同様の処理を行い、第3のプラグ2cは、表示部20fを青色に点灯し、プラグ差込部3は、第3のプラグ2cに対応した第3の挿入口3lに対応した第3の表示部3iを青色に点灯し、その他の挿入口に対応した第1の表示部3g及び第2の表示部3hを赤色に点灯する。
【0082】
そして、最終的に第3のプラグ2cの使用者は、当該第3のプラグ2cの表示部20fの表示内容(青色に点灯)と、プラグ差込部3における第1〜第3の表示部3g〜3iの表示内容とを見比べて、表示部が青色に点灯している第3の挿入口3lを選択して、そこに第3のプラグ2cの接続部21を挿入することになる。なお、第3のプラグ2cにおける表示部20fは、図4(b)に示す位置に配設されており、更に、プラグ差込部3における第3の挿入口3lに対応した第3の表示部3iは、前記第3のプラグ2cの表示部20fに対応する位置に配設されている。従って、第3のプラグ2cの使用者は、当該第3のプラグ2cと第3の挿入口3lの各表示部同士の位置を合わせることにより、第3のプラグ2cを第3の挿入口3lの正しい位置に導くことができ、簡易に、第3のプラグ2cの接続部21を第3の挿入口3lに挿入することが可能である。
【0083】
更に、上記プラグ誤挿入防止システム1の第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、プラグ2側に使用者固有の識別情報を持たせ、プラグ差込部3からの応答要求に対してこの識別情報を上記した識別用情報に含めて返信するプラグ誤挿入防止システム1の第3の実施の形態を説明する。
まず、プラグ差込部3のデータ記憶部3dに、予め利用可能な使用者の識別情報を全て記憶しておく。そして、応答情報生成部3eにおいて、プラグ2から受信した識別用情報に含まれる、プラグ2に対応する挿入口の情報及び前記使用者固有の識別情報に基づき応答情報を生成する。このとき、プラグ2に対応した挿入口があるか否かを判定するのに加え、前記使用者固有の識別情報がデータ記憶部3dに記憶された利用可能な識別情報の中に存在するか否かを判定する。この判定結果に基づき、受信した識別情報が利用可能であり、且つ、プラグ差込部3にプラグ2に対応した挿入口があるときは、対応する挿入口の表示部を青色に点灯させる。一方、受信した識別情報が利用不可能であったときは、例え規格的には挿入可能なプラグ2に対応する挿入口があったとしても、プラグ差込部3側にある挿入口の表示部を全て赤色に点灯させ、且つ、プラグ2に返信する応答情報にも、当該プラグ2に利用可能な挿入口が無いことを示す情報を含ませて送信する。
【0084】
従って、プラグ差込部3側で利用不可能と判断されたときは、プラグ2側の表示部20fも必ず赤色に点灯することになる。なお、プラグ差込部3側に、プラグ2から受信した識別情報が利用不可能なものであったときに、そのプラグ2の挿入に対して電気的接続を切断する手段を備えるようにすることで、利用不可能なプラグ2が挿入された場合でも挿入口の利用を物理的に防止することが可能である。
【0085】
更に、図5に基づき、プラグ2における電力供給後の応答要求に対する動作処理の流れを説明する。図5は、プラグ2における電力供給後の応答要求に対する動作処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、まずステップS500に移行し、プラグ差込部3から応答要求信号を受信してステップS502に移行する。
【0086】
ステップS502では、データ制御部20cは、データ記憶部20dから識別用情報を読み出してステップS504に移行する。
ステップS504では、データ制御部20cは、データ送信部20b及びアンテナ20hを介して前記読み出した識別用情報をプラグ差込部3に送信して処理を終了する。
【0087】
更に、図6に基づき、プラグ差込部3の動作処理の流れを説明する。図6は、プラグ差込部3の動作処理を示すフローチャートである。
図6に示すように、まずステップS600に移行し、データ制御部3cは、応答要求信号をデータ送信部3bを介してプラグ2に対して送信してステップS602に移行する。
【0088】
ステップS602では、データ制御部3cにおいて、プラグ2から識別用情報を受信したか否かを判定し、受信したと判定された場合(Yes)はステップS604に移行し、そうでない場合(No)はステップS616に移行する。
ステップS604に移行した場合は、応答情報生成部3eにおいて、プラグ2から受信した識別用情報を解析してステップS606に移行する。ここで、解析は、上記第1及び第2の実施の形態においては、プラグ2から受信した当該プラグ2に対応した挿入口の情報を含む識別用情報とプラグ差込部3側の有する挿入口の情報とを比較して、プラグ2に対応する挿入口があるか否かを判定する。また、上記第3の実施の形態においては、前記第1及び第2の実施の形態における判定に加え、更に、プラグ2から受信した使用者の識別情報とプラグ差込部3の有する利用可能な使用者の識別情報リストとを比較して、プラグ2の使用者が利用可能か否かを判定する。
【0089】
ステップS606では、応答情報生成部3eにおいて、上記解析結果に基づき応答情報を生成してステップS608に移行する。
ステップS608では、データ制御部3cによって、上記生成された応答情報を、データ送信部3bを介してプラグ2に送信し、更に、第2の状態通知部3fに伝送してステップS610に移行する。
【0090】
ステップS610では、第2の状態通知部3fにおいて、取得した応答情報に基づき、第1〜第3の表示部3g〜3iの表示を制御する制御命令を生成してステップS612に移行する。
ステップS612では、第2の状態通知部3fは、上記生成した制御命令を第1〜第3の表示部3g〜3iに伝送してステップS614に移行する。
【0091】
ステップS614では、第1〜第3の表示部3g〜3iは、取得した制御命令に応じて、表示部を所定色に表示してステップS600に移行する。
また、S602において識別用情報の受信がなくステップS616に移行した場合は、データ制御部3cにおいて、所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定された場合(Yes)はステップS600に移行し、そうでない場合(No)はステップS602に移行する。
【0092】
更に、図7に基づき、プラグ2における電力供給後のプラグ差込部3からの応答情報に対する動作処理の流れを説明する。図7は、プラグ2における電力供給後のプラグ差込部3からの応答情報に対する動作処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、まずステップS700に移行し、データ制御部3cは、プラグ差込部3からの応答情報をデータ受信部20aを介して受信すると、これを第1の状態通知部20eに伝送してステップS702に移行する。
【0093】
ステップS702では、第1の状態通知部20eにおいて、データ制御部20cから受け取った応答情報を解析してステップS704に移行する。
ステップS704では、第1の状態通知部20eにおいて、前記解析結果に基づき表示部20fの表示を制御する制御命令を生成してステップS706に移行する。
【0094】
ステップS706では、第1の状態通知部20fは、前記生成した制御命令を表示部20fに伝送してステップS708に移行する。
ステップS708では、表示部20fにおいて、第1の状態通知部20eから取得した制御命令に応じて表示部を所定色くに表示して処理を終了する。
以上、プラグ2がプラグ差込部3に接近することで、そのプラグ差込部3がプラグ2に対応した挿入口を有しているか否かを知ることが可能となるので、プラグ2の使用者が、プラグ2を、誤った挿入口に挿入するのを防ぐことが可能となる。
【0095】
また、表示部を発光素子により形成し、当該発光素子を発光させることでプラグ差込部3に接近したプラグ2に対応しているか否かなどの状態を表示するようにしたので、プラグ2の使用者は、対応しているか否かを目視で簡易に知ることが可能となる他、発光させるので暗がりにおいても、簡易に状態を知ることが可能となる。
【0096】
また、プラグ2の表示部とプラグ差込部3の各挿入口に対応した表示部とを、挿入時に位置合わせ可能な位置にそれぞれ設けることで、使用者は、プラグ2の表示部とプラグ差込部3の各挿入口の表示部との位置を合わせることで、簡易に正しい位置関係でプラグ2を挿入することが可能となる。
ここで、図2に示す、データ記憶部20dは、第1、第2及び第13の発明に記載の第1の識別用情報記憶手段に対応し、第1の状態通知部20eは、第1、第2、第4、第7及び第13の発明に記載のプラグ状態通知手段に対応し、データ制御部20cによるデータ送信部20b及びアンテナ20hを介した識別用情報の送信処理は、第1、第2及び第13の発明に記載のプラグ差込口情報送信手段に対応し、データ制御部20cによるデータ受信部20a及びアンテナ20hを介した応答情報の受信処理は、第1、第2及び第13の発明に記載の応答情報受信手段に対応し、第1の状態通知部20e及び表示部20fによるプラグの2の使用者への状態通知処理は、第1、第2、第4、第7及び第13の発明に記載のプラグ状態通知手段に対応し、電力生成部20gは、第3の発明に記載の電力生成手段に対応し、図3に示す、データ記憶部3dは、第1及び第14の発明に記載の第2の識別用情報記憶手段に対応し、データ制御部3cによってデータ受信部3aを介して行われるプラグ2からの識別用情報の受信処理は、第1及び第14の発明に記載の第1の識別用情報受信手段に対応し、応答情報生成部3eにおける、プラグ2からの識別用情報とプラグ差込部3の有する挿入口の情報との比較判定処理は、第1及び第14の発明に記載の識別用情報比較手段に対応し、応答情報生成部3eにおける応答情報の生成処理は、第1、第12及び第14の発明に記載の応答情報生成手段に対応し、データ制御部3cによるデータ送信部3bを介して行われるプラグ2への応答情報の送信処理は、第1及び第14の発明に記載の応答情報送信手段に対応し、第2の状態通知部3f及び第1〜第3の表示部3g〜3iによる挿入口の使用者への状態通知処理は、第1、第8及び第14の発明に記載のプラグ差込口状態通知手段に対応し、データ制御部3cによるデータ送信部3bを介して行われるプラグ2への各種信号の搬送波を用いたデータ送信処理は、第3の発明に記載の電力供給用電磁波送信手段に対応し、第1の挿入口3g〜第3の挿入口3iは、第1、第2及び第4〜第17の発明に記載のプラグ差込口に対応する。
【0097】
なお、上記実施の形態においては、発光素子の発光によって、プラグ2とプラグ差込部の各挿入口との状態を使用者に通知するようにしているが、これに限らず、電気泳動式表示装置などの他の表示装置や、音声の出力等によって、使用者に状態を通知するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明に係るプラグ誤挿入防止システムの概要を示す図である。
【図2】プラグ2の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】プラグ差込部3の詳細構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は、プラグ誤挿入防止システム1の第1の実施の形態を示す図であり、(b)は、プラグ誤挿入防止システム1の第2の実施の形態を示す図である。
【図5】プラグ2における電力供給後の応答要求に対する動作処理を示すフローチャートである。
【図6】プラグ差込部3の動作処理を示すフローチャートである。
【図7】プラグ2における電力供給後のプラグ差込部3からの応答情報に対する動作処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
1…プラグ誤挿入防止システム、2…プラグ、2a〜2c…第1〜第3のプラグ、3…プラグ差込部、3a…データ受信部、3b…データ送信部、3c…データ制御部、3d…データ記憶部、3e…応答情報生成部、3f…第2の状態通知部、3g〜3i…第1〜第3の表示部、3j〜3l…第1〜第3の挿入口、20…非接触識別タグ、20a…データ受信部、20b…データ送信部、20c…データ制御部、20d…データ記憶部、20e…第1の状態通知部、20f…表示部、20g…電力生成部、20h…アンテナ、21…接続部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定用途に用いられるプラグを、プラグ差込部の有するプラグ差込口に挿入する際に、当該プラグを誤ったプラグ差込口に挿入するのを防ぐためのプラグ誤挿入防止システムであって、
前記プラグは、当該プラグに対応するプラグ差込口を識別するための情報である第1の識別用情報を記憶する第1の識別用情報記憶手段と、前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信するプラグ差込口情報送信手段と、前記プラグ差込部からの応答情報を受信する応答情報受信手段と、当該応答情報受信手段によって受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知するプラグ状態通知手段と、を備え、
前記プラグ差込部は、当該プラグ差込部の有するプラグ差込口に対応する前記プラグを識別するための情報である第2の識別用情報を記憶する第2の識別用情報記憶手段と、前記プラグから送信された前記第1の識別用情報を受信する第1の識別用情報受信手段と、当該第1の識別用情報受信手段によって受信した前記第1の識別用情報と前記第2の識別用情報とを比較する識別用情報比較手段と、当該識別用情報比較手段の比較結果に基づき前記プラグへの応答情報を生成する応答情報生成手段と、当該応答情報生成手段によって生成された前記応答情報を前記プラグに送信する応答情報送信手段と、前記応答情報に基づき、前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態を前記システム利用者に通知するプラグ差込口状態通知手段と、を備えることを特徴とするプラグ誤挿入防止システム。
【請求項2】
前記プラグは、非接触識別タグを備え、
当該非接触識別タグが、当該プラグに対応するプラグ差込口を識別するための情報である第1の識別用情報を記憶する第1の識別用情報記憶手段と、前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信するプラグ差込口情報送信手段と、前記プラグ差込部からの応答情報を受信する応答情報受信手段と、当該応答情報受信手段によって受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知するプラグ状態通知手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載のプラグ誤挿入防止システム。
【請求項3】
前記プラグは、前記プラグ差込部から送信された電磁波から当該プラグ駆動用の電力を生成する電力生成手段を備え、
前記プラグ差込部は、当該プラグ差込部に接近した前記プラグに電力供給用の電磁波を送信する電力供給用電磁波送信手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のプラグ誤挿入防止システム。
【請求項4】
前記プラグ状態通知手段は、プラグ状態表示部を有しており、当該プラグ状態表示部への所定情報の表示によって前記システム利用者への前記プラグの前記プラグ差込口に対する状態の通知を行うようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプラグ誤挿入防止システム。
【請求項5】
前記プラグ状態表示部は、発光素子から成り、当該発光素子の発光状態によって前記システム利用者への前記プラグの前記プラグ差込口に対する状態の通知を行うようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のプラグ誤挿入防止システム。
【請求項6】
前記プラグの前記プラグ差込口に対する正しい挿入位置を案内可能な当該プラグの特定位置に、前記プラグ状態表示部を配設したことを特徴とする請求項5記載のプラグ誤挿入防止システム。
【請求項7】
前記プラグ状態通知手段は、前記プラグの前記プラグ差込口に対する位置に応じて前記発光素子の発光状態を変化させるようになっていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のプラグ誤挿入防止システム。
【請求項8】
前記プラグ差込口状態通知手段は、プラグ差込口状態表示部を有しており、当該プラグ差込口状態表示部への所定情報の表示によって前記システム利用者への前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態の通知を行うようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のプラグ誤挿入防止システム。
【請求項9】
前記プラグ差込口状態表示部は、発光素子から成り、当該発光素子の発光状態によって前記システム利用者への前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態の通知を行うようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のプラグ誤挿入防止システム。
【請求項10】
前記プラグを前記プラグ差込口に挿入する時に、当該プラグの正しい挿入位置の案内が可能な前記プラグ差込部の特定位置に、前記プラグ差込口状態表示部を配設したことを特徴とする請求項8又は請求項9記載のプラグ誤挿入防止システム。
【請求項11】
前記プラグ差込部状態通知手段は、前記プラグ差込口に対する前記プラグの位置に応じて前記発光素子の発光状態を変化させるようになっていることを特徴とする請求項9又は請求項10記載のプラグ誤挿入防止システム。
【請求項12】
前記第1の識別用情報は、前記プラグ所有者の固有情報を含んでおり、
前記プラグ差込部は、前記受信した前記第1の識別用情報に含まれる前記固有情報に基づき当該固有情報の送信元のプラグが当該プラグ差込部の有するプラグ差込口を利用できるか否かを判定する利用可否判定手段を備え、
前記応答情報生成手段は、前記利用可否判定手段の判定結果にも基づき前記応答情報を生成するようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のプラグ誤挿入防止システム。
【請求項13】
請求項1記載のプラグ誤挿入防止システムに適用可能なプラグであって、
当該プラグに対応するプラグ差込口を識別するための情報である第1の識別用情報を記憶する第1の識別用情報記憶手段と、前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信するプラグ差込口情報送信手段と、前記プラグ差込部からの応答情報を受信する応答情報受信手段と、当該応答情報受信手段によって受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知するプラグ状態通知手段と、を備えることを特徴とするプラグ。
【請求項14】
請求項1記載のプラグ誤挿入防止システムに適用可能なプラグ差込部であって、
当該プラグ差込部の有するプラグ差込口に対応する前記プラグを識別するための情報である第2の識別用情報を記憶する第2の識別用情報記憶手段と、前記プラグから送信された前記第1の識別用情報を受信する第1の識別用情報受信手段と、当該第1の識別用情報受信手段によって受信した前記第1の識別用情報と前記第2の識別用情報とを比較する識別用情報比較手段と、当該識別用情報比較手段の比較結果に基づき前記プラグへの応答情報を生成する応答情報生成手段と、当該応答情報生成手段によって生成された前記応答情報を前記プラグに送信する応答情報送信手段と、前記応答情報に基づき、前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態を前記システム利用者に通知するプラグ差込口状態通知手段と、を備えることを特徴とするプラグ差込部。
【請求項15】
請求項13記載のプラグを制御するためのプログラムであって、
前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信するプラグ差込口情報送信ステップと、前記プラグ差込部からの応答情報を受信する応答情報受信ステップと、当該応答情報受信ステップにおいて受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知するプラグ状態通知ステップと、を備えることを特徴とするプラグ制御プログラム。
【請求項16】
請求項2記載のプラグ誤挿入防止システムにおける前記非接触識別タグを制御するためのプログラムであって、
前記プラグが前記プラグ差込部の有するプラグ差込口に接近したときに、当該プラグ差込部に対して前記第1の識別用情報を送信するプラグ差込口情報送信ステップと、前記プラグ差込部からの応答情報を受信する応答情報受信ステップと、当該応答情報受信ステップにおいて受信した応答情報に基づき当該プラグの前記プラグ差込口に対する状態をシステム利用者に通知するプラグ状態通知ステップと、を備えることを特徴とする非接触識別タグ制御プログラム。
【請求項17】
請求項14記載のプラグ差込部を制御するためのプログラムであって、
前記プラグから送信された前記第1の識別用情報を受信するプラグ差込口情報受信ステップと、当該プラグ差込口情報受信ステップにおいて受信した前記第1の識別用情報と前記第2の識別用情報とを比較するプラグ差込口情報比較ステップと、当該プラグ差込口情報比較ステップの比較結果に基づき前記プラグへの応答情報を生成する応答情報生成ステップと、当該応答情報生成ステップにおいて生成された前記応答情報を前記プラグに送信する応答情報送信ステップと、前記応答情報に基づき、前記プラグ差込口の当該プラグに対する状態を前記システム利用者に通知するプラグ差込口状態通知ステップと、を備えることを特徴とするプラグ差込部制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−192626(P2008−192626A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108666(P2008−108666)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【分割の表示】特願2003−98271(P2003−98271)の分割
【原出願日】平成15年4月1日(2003.4.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】