機器制御装置、機器制御システム、および機器制御方法
【課題】 サービス間の競合が発生した場合に、より省エネルギー化を図る方向に競合状態を解消させることができ、且つサービスの各々に対する優先度の設定を容易に行うことができる機器制御装置、機器制御システム、および機器制御方法を提供する。
【解決手段】 機器制御装置1は、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御部1bと、2つ以上の省エネルギー制御の競合状態を検出する競合検出部1hと、競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する省エネ効果判定部1gと、競合状態を検出した場合、競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を機器制御部1bへ与えるサービス優先度処理部1eとを備える。
【解決手段】 機器制御装置1は、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御部1bと、2つ以上の省エネルギー制御の競合状態を検出する競合検出部1hと、競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する省エネ効果判定部1gと、競合状態を検出した場合、競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を機器制御部1bへ与えるサービス優先度処理部1eとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器制御装置、機器制御システム、および機器制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒーター、照明器具、空調機器等の機器の制御を行う機器制御装置を用いた機器制御システムが提供されている。このような機器制御システムは、機器を様々な制御パターンで制御することで、家人に多様なサービスを提供可能である。
【0003】
特に、機器を省エネルギー運転する省エネ制御サービスを実行することによって、省エネルギー化を図ることができる。しかしながら、1つの機器に対して複数の省エネ制御サービスを適用可能である場合、同一の機器に対して2つ以上の省エネ制御サービスを同時に利用しようとすると、制御パターンが異なる各サービスが互いに競合してしまう。
【0004】
そこで、競合する可能性のある複数の省エネ制御サービスの各々に、ユーザの判断によって優先度を予め固定的に設定しておく。そして、2つ以上の省エネ制御サービスが競合する場合は、優先度の最も高い省エネ制御サービスを優先して実行する固定優先度制御を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、時系列的に後に実行指示された省エネ制御サービスを優先して実行する後優先制御を行うシステムもある。
【0006】
つまり、同一の機器を同時に制御する省エネ制御サービスが複数ある場合、これらの複数の省エネ制御サービスが同時に実行されると、サービス間に競合が発生する。このような競合状態の発生時には、上記固定優先度制御または後優先制御を行うことで、サービス間の競合を解消している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−25352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の優先度制御では、2つ以上の省エネ制御サービスが競合した場合、省エネ制御サービスの各々の省エネルギー効果の大小が考慮されておらず、より省エネルギー化を図る方向に競合状態を解消させることはできなかった。すなわち、省エネ制御サービス間の競合が発生した場合に、省エネルギー効果を十分に得ることができないものであった。
【0009】
また、上記固定優先度制御では、新しい省エネ制御サービスの追加があった場合には、ユーザによる優先度の設定が必要であった。すなわち、省エネ制御サービスの各々に対する優先度の設定に手間がかかっていた。
【0010】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、サービス間の競合が発生した場合に、より省エネルギー化を図る方向に競合状態を解消させることができ、且つサービスの各々に対する優先度の設定を容易に行うことができる機器制御装置、機器制御システム、および機器制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の機器制御装置は、機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御部と、同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出部と、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定部と、前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える優先度処理部とを備えることを特徴とする。
【0012】
この発明において、省エネルギー制御の各々について前記効果判定部が判定した省エネルギー効果が大きいほど、高い優先度を各省エネルギー制御に設定する優先度設定部と、この優先度設定部が設定した省エネルギー制御の各々の優先度を格納する優先度記憶部とを備え、前記優先度処理部は、前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記優先度記憶部を参照して、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち優先度が最も高い省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与えることが望ましい。
【0013】
この発明において、前記効果判定部は、省エネルギー制御の実行中におけるエネルギー使用量の履歴に基づいて、省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定することが望ましい。
【0014】
この発明において、前記効果判定部は、省エネルギー制御の実行中におけるエネルギー使用量の所定期間以上の履歴に基づいて、省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定し、前記所定期間は、省エネルギー制御の内容に応じて設定されることが望ましい。
【0015】
この発明において、前記効果判定部は、機器の定格情報に基づいて、当該機器に対する省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定することが望ましい。
【0016】
この発明において、前記効果判定部は、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを、この競合状態の検出時における所定空間の環境状態に対応させて判定し、前記優先度処理部は、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、この競合状態の検出時における所定空間の環境状態に対応した省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与えることが望ましい。
【0017】
本発明の機器制御システムは、機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御部と、同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出部と、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定部と、前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える優先度処理部とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の機器制御方法は、機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御方法において、同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出処理と、前記競合状態を検出した場合、この競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定処理と、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示による省エネルギー制御を行う実行処理とを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明では、サービス間の競合が発生した場合に、より省エネルギー化を図る方向に競合状態を解消させることができ、且つサービスの各々に対する優先度の設定を容易に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1の機器制御装置を用いた機器制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同上の競合解消処理を示すフローチャート図である。
【図3】(a)(b)同上の省エネ制御サービスの制御パターンを示す図である
【図4】同上のサービス内容記憶部のデータ構造を示す図である。
【図5】同上の別の競合解消処理を示すフローチャート図である。
【図6】実施形態2の機器制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】同上の優先度記憶部のデータ構造を示す図である。
【図8】実施形態3の省エネ効果記憶部のデータ構造を示す図である。
【図9】同上の省エネ効果記憶部の別のデータ構造を示す図である。
【図10】(a)(b)実施形態4のサービス内容記憶部のデータ構造を示す図である。
【図11】実施形態5のサービス内容記憶部のデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本実施形態の機器制御装置を用いた機器制御システムの構成を示す。機器制御システムは、機器制御装置1と、1乃至複数の機器2と、1乃至複数のセンサ3とで構成される。
【0023】
機器2は、ヒーター、照明器具、空調機器等の宅内機器で構成される。そして機器2は、自己の制御状態や、自己のエネルギー使用量(電気、ガス、ヒーター用の温水等のエネルギーの使用量)の各情報を含む状態信号を、状態変化時または定期的に機器制御装置1へ無線信号で送信する。
【0024】
センサ3は、人感センサ、温度センサ、電力量センサ、流量センサ等のセンサ機器で構成され、検知結果を含む状態信号を、検知結果の変化時または定期的に機器制御装置1へ無線信号で送信する。センサ3は、内外温湿度、風速、人の有無、季節等の空間環境の状態を検知し、さらには機器2の制御状態、エネルギー使用量を検知することも可能である。
【0025】
なお、機器2が自己の制御状態、エネルギー使用量の各情報を作成する構成と、センサ3が検知対象の機器2の制御状態、エネルギー使用量の各情報を作成する構成とのいずれでもよい。
【0026】
機器制御装置1は、無線通信部1aと、機器制御部1bと、機器監視部1cと、サービス内容記憶部1dと、サービス優先度処理部1e(優先度処理部)と、消費エネルギー記憶部1fと、省エネ効果判定部1g(効果判定部)と、競合検出部1hとを備える。
【0027】
無線通信部1aは、機器2およびセンサ3との間で無線通信を行う。
【0028】
機器制御部1bは、サービス優先度処理部1eからの実行指示に基づいて、実行する制御サービスの制御パターン情報をサービス内容記憶部1dから読み出す。そして、無線通信部1aを介して、実行する制御サービスの制御信号を機器2へ送信することで、制御対象の機器2の動作を制御する。
【0029】
機器監視部1cは、無線通信部1aを介して、機器2およびセンサ3の各状態信号を受信する。状態信号には、機器2の制御状態、エネルギー使用量、空間環境状態の検出結果の少なくともいずれかが含まれる。そして機器監視部1cは、機器2およびセンサ3の各状態信号に基づいて、各制御サービスの実行開始トリガとなる実行指示の発生の有無を判定する。なお、実行指示には、機器2およびセンサ3の各状態信号に基づく指示以外に、ユーザの操作による指示も含まれる。
【0030】
また、機器監視部1cは、同一の機器2に対して2つ以上の省エネ制御サービスの実行指示が発生する競合状態が生じたか否かを判定する競合検出部1hを具備している。
【0031】
サービス内容記憶部1dは、本システムにおける複数の制御サービスの各制御パターン情報が格納されている。機器制御部1bは、制御サービスの実行指示が発生した場合に、サービス内容記憶部1dを参照して、実行指示に対応する制御サービスを行うための制御信号を機器2へ送信する。制御サービスには、機器2のエネルギー使用量を低減させる制御を行う複数の省エネルギー制御サービスと、ユーザの快適性を重視した制御を行い、機器2のエネルギー使用量が省エネルギー制御サービスより大きい1乃至複数の非省エネ制御サービスとがある。以降、省エネルギー制御サービスを省エネ制御サービスと称し、非省エネルギー制御サービスを非省エネ制御サービスと称す。
【0032】
サービス優先度処理部1eは、同一の機器2に対して2つ以上の省エネ制御サービスの実行指示が発生する競合状態が生じた場合、各省エネ制御サービスの優先度を確認して、優先度が最も高い省エネ制御サービスの実行指示を機器制御部1bに出力する。
【0033】
消費エネルギー記憶部1fは、機器監視部1cが監視している機器2の各々のエネルギー使用量の履歴を、制御サービスの実行履歴とともに格納している。
【0034】
省エネ効果判定部1gは、省エネ制御サービスの競合状態が生じた場合、消費エネルギー記憶部1fを参照して、競合する2つ以上の省エネ制御サービスの各々の省エネルギー効果(省エネ効果指数)を算出する。
【0035】
以下、本発明の要旨である機器制御装置1が省エネ制御サービスの競合状態を解消する処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。なお、制御対象の機器2としてヒーター2Aを用いるものとする。
【0036】
まず、ヒーター2Aの省エネ制御サービスである間欠制御サービスの実行指示が発生しており、機器制御装置1において機器制御部1bが、ヒーター2Aの間欠制御サービスを実行しているとする。この状態で、家人の不在が検知されて、ヒーター2Aの省エネ制御サービスである不在制御サービスの実行指示がさらに発生したとする。すなわち、ヒーター2Aの省エネ制御サービスである不在制御サービスと間欠制御サービスとが競合したとする。
【0037】
ここで、不在制御サービスとは図3(a)に示すように、ヒーター2Aの暖房対象空間において家人の不在が検出されると、ヒーター2Aの設定温度が下限温度T2一定となるように、ヒーター制御バルブの開度を制御する。
【0038】
また、間欠制御サービスとは図3(b)に示すように、ヒーター2Aの設定温度が上限温度T1と下限温度T2とを交互に繰り返すように、ヒーター制御バルブの開度を制御する。この上下温度T1および下限温度T2の各設定時間(T1とT2の比)は、省エネルギー強度の設定によって変更される。
【0039】
この不在制御サービス、間欠制御サービスの各制御パターンの情報は、図4に示すように、サービス名称、制御対象機器、制御内容の各項目からなるテーブルで構成されて、サービス内容記憶部1dに格納されている。
【0040】
さらに、機器制御装置1の消費エネルギー記憶部1fには、現在までの所定期間におけるヒーター2Aのエネルギー使用量の履歴が格納されている。
【0041】
そして、機器監視部1cが、機器2およびセンサ3からの状態信号を受信し(S1)、機器2の制御状態、センサ3の検知結果に、省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化があるか否かを判定する(S2)。省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化がない場合、ステップS1に戻る。一方、省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化があれば、競合検出部1hは、ヒーター2Aに対して2つ以上の省エネ制御サービスの実行指示が発生する競合状態が生じるか否かを判定する(S3:競合検出処理)。競合状態が生じなければ、ステップS1に戻る。
【0042】
ここでは、ヒーター2Aの間欠制御サービスと不在制御サービスとが競合するものとする。次に、省エネ効果判定部1gは、消費エネルギー記憶部1fを参照して、競合が発生した間欠制御サービスと不在制御サービスとの各省エネ効果指数を算出する。消費エネルギー記憶部1fには、ヒーター2Aの間欠制御サービスと不在制御サービスとの各々におけるエネルギー使用量の履歴が格納されている。さらには、家人の快適性を重視してヒーター2Aの設定温度を上限温度T1一定にした非省エネ制御サービスにおけるエネルギー使用量の履歴も、消費エネルギー記憶部1fに格納されている。
【0043】
そして、省エネ効果判定部1gは、[数1]に基づいて、競合が発生した間欠制御サービスと不在制御サービスとの各省エネ効果指数を算出する(S4)。[数1]では、ヒーター2Aの間欠制御サービス、不在制御サービス、非省エネ制御サービスの各々における単位時間当たりのエネルギー使用量の平均値を用いる。省エネ効果指数の算出結果は、間欠制御サービスの省エネ効果指数「20%」、不在制御サービスの省エネ効果指数「40%」とする。なお、本実施形態では、ヒーター2Aのエネルギー使用量として電力量(KWh)を用いる。
【0044】
【数1】
【0045】
サービス優先度処理部1eは、間欠制御サービスと不在制御サービスとの各省エネ効果指数から、省エネ効果指数が大きいサービスの優先度を高く設定する。この場合、不在制御サービスのほうが間欠制御サービスより省エネ効果指数が大きいので、不在制御サービスの優先度が、間欠制御サービスに比べて高く設定される(S5:効果判定処理)。そして、サービス優先度処理部1eは、現在実行中のヒーター2Aの間欠制御サービスから、優先度の高い不在制御サービスに切り替える必要があると判定して(S6)、不在制御サービスの実行指示を機器制御部1bに出力する(S7:実行処理)。不在制御サービスの実行指示を受けた機器制御部1bは、ヒーター2Aの不在制御サービスを実行する。
【0046】
このように、省エネ制御サービスの競合状態が生じた場合、競合状態が生じた2つ以上の省エネ制御サービスのうち、省エネ効果が最も大きい省エネ制御サービスを実行するので、省エネ効果の大小にしたがって優先度が動的に割り付けられている。また、省エネ効果は、競合状態が発生する度に、エネルギー使用量の履歴に基づいて算出されるので、各省エネ制御サービスの実際の省エネ効果の大小にしたがった優先度を動的に割り付けることができる。
【0047】
また、新たに追加された省エネ制御サービスが既存の省エネ制御サービスと競合した場合でも、追加された省エネ制御サービスの省エネ効果を算出することで、既存の省エネ制御サービスに対する優先度の高低を設定することができる。すなわち、省エネ制御サービスが数多く存在する場合や、将来的に省エネ制御サービスが追加された場合でも、省エネ効果に基づく優先度の設定を容易に行うことができる。
【0048】
したがって、省エネ制御サービス間の競合が発生した場合に、より省エネルギー化を図る方向に競合状態を解消させることができ、且つ省エネ制御サービスの各々に対する優先度の設定を容易に行うことができる。
【0049】
図1の構成では、消費エネルギー記憶部1fおよび省エネ効果判定部1gを機器制御装置1に設けているが、有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して接続された他の端末に省エネ効果判定部を設けてもよい。他の端末とは、センタサーバ、ポータブルコンピュータ、ポータブル情報端末、テレビ等のAV機器などである。
【0050】
さらに、機器制御装置1が制御サービスの実行・停止を行っているが、この機器制御装置1に通信可能に接続された他の端末が制御サービスの実行・停止を行ってもよい。
【0051】
図5は、センタサーバ4(図1参照)に消費エネルギー記憶部および省エネ効果判定部の各機能を設けた場合に、省エネ制御サービスの競合状態を解消する処理のフローチャートを示す。
【0052】
センタサーバ4は、機器2およびセンサ3の各状態信号を受信することによって、機器2の各々のエネルギー使用量の履歴を、制御サービスの実行履歴とともに格納している。そして、上記[数1]に基づいて、省エネ制御サービスの省エネ効果指数を算出することが可能である。
【0053】
機器制御装置1では、機器監視部1cが、機器2およびセンサ3からの状態信号を受信し(S1)、機器2の制御状態、センサ3の検知結果に、省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化があるか否かを判定する(S2)。省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化がない場合、ステップS1に戻る。一方、省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化があれば、競合検出部1hは、ヒーター2Aに対して2つ以上の省エネ制御サービスの実行指示が発生する競合状態が生じるか否かを判定する(S3)。競合状態が生じなければ、ステップS1に戻る。
【0054】
競合状態が生じた場合、サービス優先度処理部1eは、競合状態が生じた省エネ制御サービスの各省エネ効果指数をセンタサーバ4に問合せ、各省エネ効果指数をセンタサーバ4から取得する(S4a)。そして、サービス優先度処理部1eは、競合する省エネ制御サービスの各省エネ効果指数から、省エネ効果指数が大きいサービスの優先度を高く設定する(S5)。そして、サービス優先度処理部1eは、現在実行中の省エネ制御サービスを、優先度の高い省エネ制御サービスに切り替える必要があるか否かを判定する(S6)。現在実行中の省エネ制御サービスが優先度の高い省エネ制御サービスであれば、省エネ制御サービスを切り替える必要がないので、ステップS1に戻る。一方、現在実行中の省エネ制御サービスが優先度の高い省エネ制御サービスでなければ、省エネ制御サービスを切り替える必要があるので、優先度の高い省エネ制御サービスの実行指示を機器制御部1bに出力する(S7)。優先度の高い省エネ制御サービスに切り替える実行指示を受けた機器制御部1bは、優先度の高い省エネ制御サービスを実行する。
【0055】
この場合も、図1の構成による上記効果と同様の効果を得ることができる。
【0056】
(実施形態2)
図6に示す本実施形態の機器制御装置1は、省エネ効果記憶部1iと、並び替え処理部1jと、優先度設定部1kと、優先度記憶部1mとを備えており、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0057】
機器制御装置1は、省エネ制御サービスの省エネ効果指数に基づいて、省エネ制御サービスの優先度を設定し、この設定した優先度を記憶しておく。そして、省エネ制御サービスの競合時には、記憶した省エネ制御サービスの優先度に基づいて、優先して実行する省エネ制御サービスを決定する。
【0058】
まず、競合検出部1hが、ヒーター2Aの不在制御サービスと間欠制御サービスとの競合状態を検出したとする。すると、省エネ効果判定部1gは実施形態1と同様に、消費エネルギー記憶部1fを参照して、ヒーター2Aの不在制御サービスと間欠制御サービスとの各々の省エネ効果指数を算出する。
【0059】
本実施形態の省エネ効果指数は、ヒーター2Aの設定温度を上限温度T1一定にした非省エネ制御サービスのエネルギー使用量に対する、ヒーター2Aの間欠制御サービス、不在制御サービスの各々のエネルギー使用量の差(削減量)を用いて算出される。ここでは、ヒーター2Aのエネルギー使用量として、各制御サービスの実行時におけるヒーター2Aのヒーター制御バルブを単位時間に通過する温水の体積(m3)の平均値を用いるものとする。
【0060】
次に、この算出した不在制御サービスおよび間欠制御サービスの各省エネ効果指数を省エネ効果記憶部1iに格納する。省エネ効果記憶部1iには、省エネ効果判定部1gが過去に算出した省エネ制御サービスの省エネ効果指数が、省エネ制御サービス毎に最新の算出結果に更新されながら格納されている。ここでは、不在制御サービスおよび間欠制御サービスの各省エネ効果指数が、今回の算出結果に更新される。
【0061】
並び替え処理部1jは、上記のようにデータが更新された省エネ効果記憶部1i内の全ての省エネ制御サービスについて、省エネ効果指数が大きい順に省エネ制御サービスの各々を並び替える。
【0062】
優先度設定部1kは、この並び替え処理部1jの処理結果に基づいて、省エネ制御サービスの各々の優先度を新たに設定し、この設定結果を優先度記憶部1mに格納する。優先度記憶部1mには、前回に設定された優先度の情報が既に格納されており、今回の設定結果を格納して優先度を更新することで、優先度の再構築を行うとともに、新たな省エネ制御サービスの追加を行うこともできる。
【0063】
優先度記憶部1mは、サービス名称、削減量、省エネ効果指数(ポイント)の各項目からなるテーブルが格納されており、その構成例を図7に示す。図7では、サービス名称として、不在制御サービス、間欠制御サービス、非省エネ制御サービスが登録される。さらに、削減量には、非省エネ制御サービスのエネルギー使用量に対して、間欠制御サービス、不在制御サービスの各々のエネルギー使用量の削減量(m3)が設定される。このエネルギー使用量は、各制御サービスの実行時におけるヒーター2Aのヒーター制御バルブを単位時間に通過する温水の体積(m3)の平均値であり、省エネ効果指数は、削減量5(m3)あたりに1ポイントが付与されて算出される。そして、優先度記憶部1mのテーブル内には、省エネ効果指数が大きい順に制御サービスの各々が並べられており、テーブルの先頭側に位置する省エネ制御サービスほど優先度が高い。
【0064】
サービス優先度処理部1eは、互いに競合している間欠制御サービスと不在制御サービスとのうち、優先度記憶部1mのテーブル内において先頭側に位置する(すなわち、優先度が高い)不在制御サービスの実行指示を機器制御部1bに出力する。不在制御サービスの実行指示を受けた機器制御部1bは、ヒーター2Aの不在制御サービスを実行する。
【0065】
このように、省エネ制御サービスの各々に対して省エネ効果の大小にしたがった優先度を動的に割り付け、この優先度を優先度記憶部1mに記憶している。そして、省エネ制御サービスの競合状態が生じた場合は、優先度記憶部1mを参照して、優先度が最も高い省エネ制御サービスを実行する。また、この優先度は、競合状態が発生する度に、エネルギー使用量の履歴に基づいて更新されるので、各省エネ制御サービスの実際の省エネ効果に応じた優先度を動的に割り付けることができる。
【0066】
したがって、省エネ制御サービス間の競合が発生した場合に、より省エネルギー化を図る方向に競合状態を解消させることができ、且つ省エネ制御サービスの各々に対する優先度の設定を容易に行うことができる。
【0067】
(実施形態3)
本実施形態の機器制御装置を用いた機器制御システムは、実施形態2と同様の構成を備えており、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0068】
本実施形態では、省エネ効果判定部1gが省エネ制御サービスの省エネ効果指数を算出する方法として、以下の方法を併せて用いる。
【0069】
省エネ効果判定部1gは、通常、消費エネルギー記憶部1fを参照し、省エネ制御サービスのエネルギー使用量の履歴を用いて、省エネ効果指数を算出する。しかし、新しく追加された省エネ制御サービスは、そのサービス実行時のエネルギー使用量の履歴が消費エネルギー記憶部1fにまだ格納されておらず、上記通常の省エネ効果指数の算出方法を使うことができない場合がある。
【0070】
そこで例えば、省エネ効果記憶部1iに、図8に示すテーブルを格納しておく。このテーブルは、ヒーター2Aの間欠制御サービス実行時における省エネ効果の詳細データであり、ヒーター2Aのヒーター制御バルブの状態、経過時間(h)、消費量(m3)、省エネ効果指数(ポイント)の履歴を格納している。制御機器としてヒーター制御バルブが登録され、バルブの状態は、ヒーター2Aの設定温度が上限温度T1の場合は「開度大」に設定され、ヒーター2Aの設定温度が下限温度T2の場合は「開度小」に設定される。さらに、経過時間は、バルブの状態が「開度大」または「開度小」に維持された時間が設定され、さらに消費量は各経過時間内で消費されたエネルギー使用量が設定される。この消費量は、ヒーター2Aのヒーター制御バルブを経過時間内に通過する温水の体積(m3)である。そして、バルブの状態毎の省エネ効果指数は、0.2時間あたりの消費量の逆数に1000を乗じることで求められる。
【0071】
そして、サービス内容記憶部1dにヒーター2Aの省エネ制御サービスである不在制御サービスが新たに追加され、不在制御サービスが間欠制御サービスと競合したとする。しかし、不在制御サービスは、新しい省エネ制御サービスであるため、消費エネルギー記憶部1fにエネルギー使用量の履歴が格納されていない。
【0072】
そこで、省エネ効果判定部1gは、省エネ効果記憶部1iに格納している間欠制御サービスの省エネ効果の履歴(図8)を参照して、不在制御サービスの省エネ効果指数を算出する。不在制御サービスの実行時には、ヒーター制御バルブの状態を「開度小」に制御して、ヒーター2Aの設定温度を下限温度T2一定とすることから、バルブの状態が「開度小」に制御されたときの省エネ効果指数を用いることができる。そして、図8の省エネ効果記憶部1iを参照すると、バルブの状態が「開度小」に制御されたときの省エネ効果指数が「87.7」,「84.7」であるので、「87.7」と「84.7」との平均値を、不在制御サービスの省エネ効果指数として算出する。
【0073】
このようにして、不在制御サービスの省エネ効果指数を、間欠制御サービスの省エネ効果指数の履歴に基づいて算出し、以降は、この算出した省エネ効果指数を用いて競合時の優先度制御を行う。
【0074】
したがって、追加された省エネ制御サービスが既存の省エネ制御サービスと競合した場合でも、省エネ効果の大小にしたがった優先度制御を行うことができる。
【0075】
また、省エネ効果記憶部1iに、図9に示すテーブルを格納してもよい。このテーブルは、ヒーター2Aの間欠制御サービス実行時における省エネ効果の詳細データであり、図8の構成に、省エネ効果指数の算出時における外気温度の項目を追加している。この外気温度は、温度センサ3の検出結果を機器監視部1cが取得することで、省エネ効果記憶部1iに反映される。
【0076】
そして、省エネ効果判定部1gは、追加された不在制御サービスが既存の間欠制御サービスと競合した場合、省エネ効果記憶部1iに格納している間欠制御サービスの省エネ効果の履歴(図9)を参照して、不在制御サービスの省エネ効果指数を算出する。不在制御サービスの実行時には、ヒーター制御バルブの状態を「開度小」に制御して、ヒーター2Aの設定温度を下限温度T2一定とすることから、バルブの状態が「開度小」に制御されたときの省エネ効果指数を用いることができる。
【0077】
さらに、今回の競合発生時の外気温度を温度センサ3から取得する。そして、バルブの状態が「開度小」に制御されたときの省エネ効果指数のうち、この取得した外気温度に最も近い外気温度が設定されている省エネ効果指数を、不在制御サービスの省エネ効果指数とする。
【0078】
また、間欠制御サービスの省エネ効果指数も、省エネ効果記憶部1iに格納している間欠制御サービスの省エネ効果の履歴のうち、今回の競合発生時に取得した外気温度に最も近い外気温度が設定されている省エネ効果指数を用いる。
【0079】
このようにして、省エネ制御サービスの省エネ効果指数の履歴のうち、今回の競合発生時の空間環境(ここでは外気温度)に類似した空間環境に対応する履歴のみを用いて、省エネ効果指数を算出する。以降は、この算出した省エネ効果指数を用いて競合時の優先度制御を行う。
【0080】
したがって、省エネ効果指数に影響を与える外気温度等の空間環境を考慮して、省エネ効果指数を算出するので、省エネ効果指数の精度が向上し、省エネルギー効果を適切に得ることができる。
【0081】
なお、省エネ効果指数を算出する際に参照する空間環境としては、外気温度以外に、湿度、季節、風速等がある。
【0082】
(実施形態4)
本実施形態の機器制御装置を用いた機器制御システムは、実施形態2と同様の構成を備えており、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0083】
本実施形態では、省エネ効果判定部1gが省エネ制御サービスの省エネ効果指数を算出する方法として、以下の方法を併せて用いる。
【0084】
システムの運用中に、省エネ制御サービスの制御対象となる機器2が、機能が同じで定格が異なるものに変更されることがある。省エネ効果判定部1gは、通常、消費エネルギー記憶部1fを参照し、省エネ制御サービスのエネルギー使用量の履歴を用いて、省エネ効果指数を算出する。しかしながら、上記定格変更後の機器2を用いたエネルギー使用量の履歴は消費エネルギー記憶部1fにまだ格納されておらず、上記通常の省エネ効果指数の算出方法を使うことができない場合がある。
【0085】
そこで、サービス内容記憶部1dに格納する各省エネ制御サービスの制御パターン情報を、図10(a)(b)に示すように、サービス名称、制御対象機器、定格情報、制御内容の各項目で構成する。定格情報は、ヒーター制御バルブの状態が「開度大」および「開度小」であるときに、1時間に通過する温水の体積(m3/h)で表され、設計時の値に設定される。
【0086】
図10(a)は、不在制御サービスおよび間欠制御サービスの制御対象となるヒーター2Aがともに小型であり、ヒーター制御バルブの定格が小さいときの制御パターン情報である。
【0087】
図10(b)は、間欠制御サービスの制御対象となるヒーター2Aが大型に変更された場合の制御パターン情報であり、大型のヒーター制御バルブの定格は、小型のヒーター制御バルブの定格に対して、2倍に設定されている。
【0088】
そして、サービス内容記憶部1dのサービス内容が、図10(a)から図10(b)の内容に変更された後に、不在制御サービスと間欠制御サービスとが互いに競合したとする。しかし、消費エネルギー記憶部1fに、小型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスのエネルギー使用量の履歴は格納されているが、大型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスのエネルギー使用量の履歴はまだ格納されていない。
【0089】
そこで、省エネ効果判定部1gは、省エネ効果記憶部1iに格納している小型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスの省エネ効果指数を参照して、大型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスの省エネ効果指数を算出する。具体的には、ヒーター制御バルブの定格が2倍に設定されていることから、小型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスの省エネ効果指数を2倍にした値を、大型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスの省エネ効果指数とする。以降は、この算出した省エネ効果指数を用いて競合時の優先度制御を行う。
【0090】
したがって、使用履歴のない機器2を制御対象とした省エネ制御サービスの競合時にも、機器2の定格情報に基づいて省エネ効果指数を算出することができる。
【0091】
(実施形態5)
本実施形態の機器制御装置を用いた機器制御システムは、実施形態1または2と同様の構成を備えており、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0092】
省エネ効果判定部1gは、省エネ制御サービスの競合状態が生じた場合、消費エネルギー記憶部1fを参照し、省エネ制御サービスのエネルギー使用量の履歴を用いて、省エネ効果指数を算出する。しかし、省エネ制御サービスには、不在制御サービスのように短期間の実行によって省エネ効果指数を算出可能なサービスと、間欠制御サービスのようにある程度継続させることによって省エネ効果指数を算出可能なサービスとがある。
【0093】
そこで、図11に示すように、サービス内容記憶部1dに格納した省エネ制御サービスの各制御パターン情報に、効果時間単位(h)の項目を設ける。効果時間単位は、省エネ制御サービス毎に、省エネ効果指数を算出可能な最短実行時間を設定しており、例えば不在制御サービスは0.1(h)以上に設定され、間欠制御サービスは2.0(h)以上に設定される。
【0094】
そして、省エネ効果判定部1gは、効果時間単位以上の実行履歴がある省エネルギー制御についてのみ、省エネ効果指数を算出するので、省エネ効果指数の算出精度が向上する。
【0095】
また、上記各実施形態において、機器制御装置1を構成する各部を、有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して接続された他の端末に設けて、機器制御システムを構成してもよい。この場合、各部はネットワークを介した通信を行うことで、各情報の授受を行う。
【0096】
また、上記各実施形態では、省エネ制御の競合状態が発生する機器2としてヒーターを例示したが、照明器具や空調機器等の他の機器の省エネ制御についても、省エネ効果に基づく優先制御を同様に行うことで、同様の効果を得ることができる。
【0097】
また、本発明の機器制御方法は、上記各実施形態の機器制御装置または機器制御システムの各構成によって実現される。さらに、同様の機器制御方法が他の構成によって実現されたものも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1 機器制御装置
1a 無線通信部
1b 機器制御部
1c 機器監視部
1d サービス内容記憶部
1e サービス優先度処理部
1f 消費エネルギー記憶部
1g 省エネ効果判定部
1h 競合検出部
2 機器
3 センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器制御装置、機器制御システム、および機器制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒーター、照明器具、空調機器等の機器の制御を行う機器制御装置を用いた機器制御システムが提供されている。このような機器制御システムは、機器を様々な制御パターンで制御することで、家人に多様なサービスを提供可能である。
【0003】
特に、機器を省エネルギー運転する省エネ制御サービスを実行することによって、省エネルギー化を図ることができる。しかしながら、1つの機器に対して複数の省エネ制御サービスを適用可能である場合、同一の機器に対して2つ以上の省エネ制御サービスを同時に利用しようとすると、制御パターンが異なる各サービスが互いに競合してしまう。
【0004】
そこで、競合する可能性のある複数の省エネ制御サービスの各々に、ユーザの判断によって優先度を予め固定的に設定しておく。そして、2つ以上の省エネ制御サービスが競合する場合は、優先度の最も高い省エネ制御サービスを優先して実行する固定優先度制御を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、時系列的に後に実行指示された省エネ制御サービスを優先して実行する後優先制御を行うシステムもある。
【0006】
つまり、同一の機器を同時に制御する省エネ制御サービスが複数ある場合、これらの複数の省エネ制御サービスが同時に実行されると、サービス間に競合が発生する。このような競合状態の発生時には、上記固定優先度制御または後優先制御を行うことで、サービス間の競合を解消している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−25352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の優先度制御では、2つ以上の省エネ制御サービスが競合した場合、省エネ制御サービスの各々の省エネルギー効果の大小が考慮されておらず、より省エネルギー化を図る方向に競合状態を解消させることはできなかった。すなわち、省エネ制御サービス間の競合が発生した場合に、省エネルギー効果を十分に得ることができないものであった。
【0009】
また、上記固定優先度制御では、新しい省エネ制御サービスの追加があった場合には、ユーザによる優先度の設定が必要であった。すなわち、省エネ制御サービスの各々に対する優先度の設定に手間がかかっていた。
【0010】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、サービス間の競合が発生した場合に、より省エネルギー化を図る方向に競合状態を解消させることができ、且つサービスの各々に対する優先度の設定を容易に行うことができる機器制御装置、機器制御システム、および機器制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の機器制御装置は、機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御部と、同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出部と、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定部と、前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える優先度処理部とを備えることを特徴とする。
【0012】
この発明において、省エネルギー制御の各々について前記効果判定部が判定した省エネルギー効果が大きいほど、高い優先度を各省エネルギー制御に設定する優先度設定部と、この優先度設定部が設定した省エネルギー制御の各々の優先度を格納する優先度記憶部とを備え、前記優先度処理部は、前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記優先度記憶部を参照して、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち優先度が最も高い省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与えることが望ましい。
【0013】
この発明において、前記効果判定部は、省エネルギー制御の実行中におけるエネルギー使用量の履歴に基づいて、省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定することが望ましい。
【0014】
この発明において、前記効果判定部は、省エネルギー制御の実行中におけるエネルギー使用量の所定期間以上の履歴に基づいて、省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定し、前記所定期間は、省エネルギー制御の内容に応じて設定されることが望ましい。
【0015】
この発明において、前記効果判定部は、機器の定格情報に基づいて、当該機器に対する省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定することが望ましい。
【0016】
この発明において、前記効果判定部は、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを、この競合状態の検出時における所定空間の環境状態に対応させて判定し、前記優先度処理部は、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、この競合状態の検出時における所定空間の環境状態に対応した省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与えることが望ましい。
【0017】
本発明の機器制御システムは、機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御部と、同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出部と、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定部と、前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える優先度処理部とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の機器制御方法は、機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御方法において、同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出処理と、前記競合状態を検出した場合、この競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定処理と、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示による省エネルギー制御を行う実行処理とを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明では、サービス間の競合が発生した場合に、より省エネルギー化を図る方向に競合状態を解消させることができ、且つサービスの各々に対する優先度の設定を容易に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1の機器制御装置を用いた機器制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同上の競合解消処理を示すフローチャート図である。
【図3】(a)(b)同上の省エネ制御サービスの制御パターンを示す図である
【図4】同上のサービス内容記憶部のデータ構造を示す図である。
【図5】同上の別の競合解消処理を示すフローチャート図である。
【図6】実施形態2の機器制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】同上の優先度記憶部のデータ構造を示す図である。
【図8】実施形態3の省エネ効果記憶部のデータ構造を示す図である。
【図9】同上の省エネ効果記憶部の別のデータ構造を示す図である。
【図10】(a)(b)実施形態4のサービス内容記憶部のデータ構造を示す図である。
【図11】実施形態5のサービス内容記憶部のデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本実施形態の機器制御装置を用いた機器制御システムの構成を示す。機器制御システムは、機器制御装置1と、1乃至複数の機器2と、1乃至複数のセンサ3とで構成される。
【0023】
機器2は、ヒーター、照明器具、空調機器等の宅内機器で構成される。そして機器2は、自己の制御状態や、自己のエネルギー使用量(電気、ガス、ヒーター用の温水等のエネルギーの使用量)の各情報を含む状態信号を、状態変化時または定期的に機器制御装置1へ無線信号で送信する。
【0024】
センサ3は、人感センサ、温度センサ、電力量センサ、流量センサ等のセンサ機器で構成され、検知結果を含む状態信号を、検知結果の変化時または定期的に機器制御装置1へ無線信号で送信する。センサ3は、内外温湿度、風速、人の有無、季節等の空間環境の状態を検知し、さらには機器2の制御状態、エネルギー使用量を検知することも可能である。
【0025】
なお、機器2が自己の制御状態、エネルギー使用量の各情報を作成する構成と、センサ3が検知対象の機器2の制御状態、エネルギー使用量の各情報を作成する構成とのいずれでもよい。
【0026】
機器制御装置1は、無線通信部1aと、機器制御部1bと、機器監視部1cと、サービス内容記憶部1dと、サービス優先度処理部1e(優先度処理部)と、消費エネルギー記憶部1fと、省エネ効果判定部1g(効果判定部)と、競合検出部1hとを備える。
【0027】
無線通信部1aは、機器2およびセンサ3との間で無線通信を行う。
【0028】
機器制御部1bは、サービス優先度処理部1eからの実行指示に基づいて、実行する制御サービスの制御パターン情報をサービス内容記憶部1dから読み出す。そして、無線通信部1aを介して、実行する制御サービスの制御信号を機器2へ送信することで、制御対象の機器2の動作を制御する。
【0029】
機器監視部1cは、無線通信部1aを介して、機器2およびセンサ3の各状態信号を受信する。状態信号には、機器2の制御状態、エネルギー使用量、空間環境状態の検出結果の少なくともいずれかが含まれる。そして機器監視部1cは、機器2およびセンサ3の各状態信号に基づいて、各制御サービスの実行開始トリガとなる実行指示の発生の有無を判定する。なお、実行指示には、機器2およびセンサ3の各状態信号に基づく指示以外に、ユーザの操作による指示も含まれる。
【0030】
また、機器監視部1cは、同一の機器2に対して2つ以上の省エネ制御サービスの実行指示が発生する競合状態が生じたか否かを判定する競合検出部1hを具備している。
【0031】
サービス内容記憶部1dは、本システムにおける複数の制御サービスの各制御パターン情報が格納されている。機器制御部1bは、制御サービスの実行指示が発生した場合に、サービス内容記憶部1dを参照して、実行指示に対応する制御サービスを行うための制御信号を機器2へ送信する。制御サービスには、機器2のエネルギー使用量を低減させる制御を行う複数の省エネルギー制御サービスと、ユーザの快適性を重視した制御を行い、機器2のエネルギー使用量が省エネルギー制御サービスより大きい1乃至複数の非省エネ制御サービスとがある。以降、省エネルギー制御サービスを省エネ制御サービスと称し、非省エネルギー制御サービスを非省エネ制御サービスと称す。
【0032】
サービス優先度処理部1eは、同一の機器2に対して2つ以上の省エネ制御サービスの実行指示が発生する競合状態が生じた場合、各省エネ制御サービスの優先度を確認して、優先度が最も高い省エネ制御サービスの実行指示を機器制御部1bに出力する。
【0033】
消費エネルギー記憶部1fは、機器監視部1cが監視している機器2の各々のエネルギー使用量の履歴を、制御サービスの実行履歴とともに格納している。
【0034】
省エネ効果判定部1gは、省エネ制御サービスの競合状態が生じた場合、消費エネルギー記憶部1fを参照して、競合する2つ以上の省エネ制御サービスの各々の省エネルギー効果(省エネ効果指数)を算出する。
【0035】
以下、本発明の要旨である機器制御装置1が省エネ制御サービスの競合状態を解消する処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。なお、制御対象の機器2としてヒーター2Aを用いるものとする。
【0036】
まず、ヒーター2Aの省エネ制御サービスである間欠制御サービスの実行指示が発生しており、機器制御装置1において機器制御部1bが、ヒーター2Aの間欠制御サービスを実行しているとする。この状態で、家人の不在が検知されて、ヒーター2Aの省エネ制御サービスである不在制御サービスの実行指示がさらに発生したとする。すなわち、ヒーター2Aの省エネ制御サービスである不在制御サービスと間欠制御サービスとが競合したとする。
【0037】
ここで、不在制御サービスとは図3(a)に示すように、ヒーター2Aの暖房対象空間において家人の不在が検出されると、ヒーター2Aの設定温度が下限温度T2一定となるように、ヒーター制御バルブの開度を制御する。
【0038】
また、間欠制御サービスとは図3(b)に示すように、ヒーター2Aの設定温度が上限温度T1と下限温度T2とを交互に繰り返すように、ヒーター制御バルブの開度を制御する。この上下温度T1および下限温度T2の各設定時間(T1とT2の比)は、省エネルギー強度の設定によって変更される。
【0039】
この不在制御サービス、間欠制御サービスの各制御パターンの情報は、図4に示すように、サービス名称、制御対象機器、制御内容の各項目からなるテーブルで構成されて、サービス内容記憶部1dに格納されている。
【0040】
さらに、機器制御装置1の消費エネルギー記憶部1fには、現在までの所定期間におけるヒーター2Aのエネルギー使用量の履歴が格納されている。
【0041】
そして、機器監視部1cが、機器2およびセンサ3からの状態信号を受信し(S1)、機器2の制御状態、センサ3の検知結果に、省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化があるか否かを判定する(S2)。省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化がない場合、ステップS1に戻る。一方、省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化があれば、競合検出部1hは、ヒーター2Aに対して2つ以上の省エネ制御サービスの実行指示が発生する競合状態が生じるか否かを判定する(S3:競合検出処理)。競合状態が生じなければ、ステップS1に戻る。
【0042】
ここでは、ヒーター2Aの間欠制御サービスと不在制御サービスとが競合するものとする。次に、省エネ効果判定部1gは、消費エネルギー記憶部1fを参照して、競合が発生した間欠制御サービスと不在制御サービスとの各省エネ効果指数を算出する。消費エネルギー記憶部1fには、ヒーター2Aの間欠制御サービスと不在制御サービスとの各々におけるエネルギー使用量の履歴が格納されている。さらには、家人の快適性を重視してヒーター2Aの設定温度を上限温度T1一定にした非省エネ制御サービスにおけるエネルギー使用量の履歴も、消費エネルギー記憶部1fに格納されている。
【0043】
そして、省エネ効果判定部1gは、[数1]に基づいて、競合が発生した間欠制御サービスと不在制御サービスとの各省エネ効果指数を算出する(S4)。[数1]では、ヒーター2Aの間欠制御サービス、不在制御サービス、非省エネ制御サービスの各々における単位時間当たりのエネルギー使用量の平均値を用いる。省エネ効果指数の算出結果は、間欠制御サービスの省エネ効果指数「20%」、不在制御サービスの省エネ効果指数「40%」とする。なお、本実施形態では、ヒーター2Aのエネルギー使用量として電力量(KWh)を用いる。
【0044】
【数1】
【0045】
サービス優先度処理部1eは、間欠制御サービスと不在制御サービスとの各省エネ効果指数から、省エネ効果指数が大きいサービスの優先度を高く設定する。この場合、不在制御サービスのほうが間欠制御サービスより省エネ効果指数が大きいので、不在制御サービスの優先度が、間欠制御サービスに比べて高く設定される(S5:効果判定処理)。そして、サービス優先度処理部1eは、現在実行中のヒーター2Aの間欠制御サービスから、優先度の高い不在制御サービスに切り替える必要があると判定して(S6)、不在制御サービスの実行指示を機器制御部1bに出力する(S7:実行処理)。不在制御サービスの実行指示を受けた機器制御部1bは、ヒーター2Aの不在制御サービスを実行する。
【0046】
このように、省エネ制御サービスの競合状態が生じた場合、競合状態が生じた2つ以上の省エネ制御サービスのうち、省エネ効果が最も大きい省エネ制御サービスを実行するので、省エネ効果の大小にしたがって優先度が動的に割り付けられている。また、省エネ効果は、競合状態が発生する度に、エネルギー使用量の履歴に基づいて算出されるので、各省エネ制御サービスの実際の省エネ効果の大小にしたがった優先度を動的に割り付けることができる。
【0047】
また、新たに追加された省エネ制御サービスが既存の省エネ制御サービスと競合した場合でも、追加された省エネ制御サービスの省エネ効果を算出することで、既存の省エネ制御サービスに対する優先度の高低を設定することができる。すなわち、省エネ制御サービスが数多く存在する場合や、将来的に省エネ制御サービスが追加された場合でも、省エネ効果に基づく優先度の設定を容易に行うことができる。
【0048】
したがって、省エネ制御サービス間の競合が発生した場合に、より省エネルギー化を図る方向に競合状態を解消させることができ、且つ省エネ制御サービスの各々に対する優先度の設定を容易に行うことができる。
【0049】
図1の構成では、消費エネルギー記憶部1fおよび省エネ効果判定部1gを機器制御装置1に設けているが、有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して接続された他の端末に省エネ効果判定部を設けてもよい。他の端末とは、センタサーバ、ポータブルコンピュータ、ポータブル情報端末、テレビ等のAV機器などである。
【0050】
さらに、機器制御装置1が制御サービスの実行・停止を行っているが、この機器制御装置1に通信可能に接続された他の端末が制御サービスの実行・停止を行ってもよい。
【0051】
図5は、センタサーバ4(図1参照)に消費エネルギー記憶部および省エネ効果判定部の各機能を設けた場合に、省エネ制御サービスの競合状態を解消する処理のフローチャートを示す。
【0052】
センタサーバ4は、機器2およびセンサ3の各状態信号を受信することによって、機器2の各々のエネルギー使用量の履歴を、制御サービスの実行履歴とともに格納している。そして、上記[数1]に基づいて、省エネ制御サービスの省エネ効果指数を算出することが可能である。
【0053】
機器制御装置1では、機器監視部1cが、機器2およびセンサ3からの状態信号を受信し(S1)、機器2の制御状態、センサ3の検知結果に、省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化があるか否かを判定する(S2)。省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化がない場合、ステップS1に戻る。一方、省エネ制御サービスの実行指示が発生する変化があれば、競合検出部1hは、ヒーター2Aに対して2つ以上の省エネ制御サービスの実行指示が発生する競合状態が生じるか否かを判定する(S3)。競合状態が生じなければ、ステップS1に戻る。
【0054】
競合状態が生じた場合、サービス優先度処理部1eは、競合状態が生じた省エネ制御サービスの各省エネ効果指数をセンタサーバ4に問合せ、各省エネ効果指数をセンタサーバ4から取得する(S4a)。そして、サービス優先度処理部1eは、競合する省エネ制御サービスの各省エネ効果指数から、省エネ効果指数が大きいサービスの優先度を高く設定する(S5)。そして、サービス優先度処理部1eは、現在実行中の省エネ制御サービスを、優先度の高い省エネ制御サービスに切り替える必要があるか否かを判定する(S6)。現在実行中の省エネ制御サービスが優先度の高い省エネ制御サービスであれば、省エネ制御サービスを切り替える必要がないので、ステップS1に戻る。一方、現在実行中の省エネ制御サービスが優先度の高い省エネ制御サービスでなければ、省エネ制御サービスを切り替える必要があるので、優先度の高い省エネ制御サービスの実行指示を機器制御部1bに出力する(S7)。優先度の高い省エネ制御サービスに切り替える実行指示を受けた機器制御部1bは、優先度の高い省エネ制御サービスを実行する。
【0055】
この場合も、図1の構成による上記効果と同様の効果を得ることができる。
【0056】
(実施形態2)
図6に示す本実施形態の機器制御装置1は、省エネ効果記憶部1iと、並び替え処理部1jと、優先度設定部1kと、優先度記憶部1mとを備えており、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0057】
機器制御装置1は、省エネ制御サービスの省エネ効果指数に基づいて、省エネ制御サービスの優先度を設定し、この設定した優先度を記憶しておく。そして、省エネ制御サービスの競合時には、記憶した省エネ制御サービスの優先度に基づいて、優先して実行する省エネ制御サービスを決定する。
【0058】
まず、競合検出部1hが、ヒーター2Aの不在制御サービスと間欠制御サービスとの競合状態を検出したとする。すると、省エネ効果判定部1gは実施形態1と同様に、消費エネルギー記憶部1fを参照して、ヒーター2Aの不在制御サービスと間欠制御サービスとの各々の省エネ効果指数を算出する。
【0059】
本実施形態の省エネ効果指数は、ヒーター2Aの設定温度を上限温度T1一定にした非省エネ制御サービスのエネルギー使用量に対する、ヒーター2Aの間欠制御サービス、不在制御サービスの各々のエネルギー使用量の差(削減量)を用いて算出される。ここでは、ヒーター2Aのエネルギー使用量として、各制御サービスの実行時におけるヒーター2Aのヒーター制御バルブを単位時間に通過する温水の体積(m3)の平均値を用いるものとする。
【0060】
次に、この算出した不在制御サービスおよび間欠制御サービスの各省エネ効果指数を省エネ効果記憶部1iに格納する。省エネ効果記憶部1iには、省エネ効果判定部1gが過去に算出した省エネ制御サービスの省エネ効果指数が、省エネ制御サービス毎に最新の算出結果に更新されながら格納されている。ここでは、不在制御サービスおよび間欠制御サービスの各省エネ効果指数が、今回の算出結果に更新される。
【0061】
並び替え処理部1jは、上記のようにデータが更新された省エネ効果記憶部1i内の全ての省エネ制御サービスについて、省エネ効果指数が大きい順に省エネ制御サービスの各々を並び替える。
【0062】
優先度設定部1kは、この並び替え処理部1jの処理結果に基づいて、省エネ制御サービスの各々の優先度を新たに設定し、この設定結果を優先度記憶部1mに格納する。優先度記憶部1mには、前回に設定された優先度の情報が既に格納されており、今回の設定結果を格納して優先度を更新することで、優先度の再構築を行うとともに、新たな省エネ制御サービスの追加を行うこともできる。
【0063】
優先度記憶部1mは、サービス名称、削減量、省エネ効果指数(ポイント)の各項目からなるテーブルが格納されており、その構成例を図7に示す。図7では、サービス名称として、不在制御サービス、間欠制御サービス、非省エネ制御サービスが登録される。さらに、削減量には、非省エネ制御サービスのエネルギー使用量に対して、間欠制御サービス、不在制御サービスの各々のエネルギー使用量の削減量(m3)が設定される。このエネルギー使用量は、各制御サービスの実行時におけるヒーター2Aのヒーター制御バルブを単位時間に通過する温水の体積(m3)の平均値であり、省エネ効果指数は、削減量5(m3)あたりに1ポイントが付与されて算出される。そして、優先度記憶部1mのテーブル内には、省エネ効果指数が大きい順に制御サービスの各々が並べられており、テーブルの先頭側に位置する省エネ制御サービスほど優先度が高い。
【0064】
サービス優先度処理部1eは、互いに競合している間欠制御サービスと不在制御サービスとのうち、優先度記憶部1mのテーブル内において先頭側に位置する(すなわち、優先度が高い)不在制御サービスの実行指示を機器制御部1bに出力する。不在制御サービスの実行指示を受けた機器制御部1bは、ヒーター2Aの不在制御サービスを実行する。
【0065】
このように、省エネ制御サービスの各々に対して省エネ効果の大小にしたがった優先度を動的に割り付け、この優先度を優先度記憶部1mに記憶している。そして、省エネ制御サービスの競合状態が生じた場合は、優先度記憶部1mを参照して、優先度が最も高い省エネ制御サービスを実行する。また、この優先度は、競合状態が発生する度に、エネルギー使用量の履歴に基づいて更新されるので、各省エネ制御サービスの実際の省エネ効果に応じた優先度を動的に割り付けることができる。
【0066】
したがって、省エネ制御サービス間の競合が発生した場合に、より省エネルギー化を図る方向に競合状態を解消させることができ、且つ省エネ制御サービスの各々に対する優先度の設定を容易に行うことができる。
【0067】
(実施形態3)
本実施形態の機器制御装置を用いた機器制御システムは、実施形態2と同様の構成を備えており、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0068】
本実施形態では、省エネ効果判定部1gが省エネ制御サービスの省エネ効果指数を算出する方法として、以下の方法を併せて用いる。
【0069】
省エネ効果判定部1gは、通常、消費エネルギー記憶部1fを参照し、省エネ制御サービスのエネルギー使用量の履歴を用いて、省エネ効果指数を算出する。しかし、新しく追加された省エネ制御サービスは、そのサービス実行時のエネルギー使用量の履歴が消費エネルギー記憶部1fにまだ格納されておらず、上記通常の省エネ効果指数の算出方法を使うことができない場合がある。
【0070】
そこで例えば、省エネ効果記憶部1iに、図8に示すテーブルを格納しておく。このテーブルは、ヒーター2Aの間欠制御サービス実行時における省エネ効果の詳細データであり、ヒーター2Aのヒーター制御バルブの状態、経過時間(h)、消費量(m3)、省エネ効果指数(ポイント)の履歴を格納している。制御機器としてヒーター制御バルブが登録され、バルブの状態は、ヒーター2Aの設定温度が上限温度T1の場合は「開度大」に設定され、ヒーター2Aの設定温度が下限温度T2の場合は「開度小」に設定される。さらに、経過時間は、バルブの状態が「開度大」または「開度小」に維持された時間が設定され、さらに消費量は各経過時間内で消費されたエネルギー使用量が設定される。この消費量は、ヒーター2Aのヒーター制御バルブを経過時間内に通過する温水の体積(m3)である。そして、バルブの状態毎の省エネ効果指数は、0.2時間あたりの消費量の逆数に1000を乗じることで求められる。
【0071】
そして、サービス内容記憶部1dにヒーター2Aの省エネ制御サービスである不在制御サービスが新たに追加され、不在制御サービスが間欠制御サービスと競合したとする。しかし、不在制御サービスは、新しい省エネ制御サービスであるため、消費エネルギー記憶部1fにエネルギー使用量の履歴が格納されていない。
【0072】
そこで、省エネ効果判定部1gは、省エネ効果記憶部1iに格納している間欠制御サービスの省エネ効果の履歴(図8)を参照して、不在制御サービスの省エネ効果指数を算出する。不在制御サービスの実行時には、ヒーター制御バルブの状態を「開度小」に制御して、ヒーター2Aの設定温度を下限温度T2一定とすることから、バルブの状態が「開度小」に制御されたときの省エネ効果指数を用いることができる。そして、図8の省エネ効果記憶部1iを参照すると、バルブの状態が「開度小」に制御されたときの省エネ効果指数が「87.7」,「84.7」であるので、「87.7」と「84.7」との平均値を、不在制御サービスの省エネ効果指数として算出する。
【0073】
このようにして、不在制御サービスの省エネ効果指数を、間欠制御サービスの省エネ効果指数の履歴に基づいて算出し、以降は、この算出した省エネ効果指数を用いて競合時の優先度制御を行う。
【0074】
したがって、追加された省エネ制御サービスが既存の省エネ制御サービスと競合した場合でも、省エネ効果の大小にしたがった優先度制御を行うことができる。
【0075】
また、省エネ効果記憶部1iに、図9に示すテーブルを格納してもよい。このテーブルは、ヒーター2Aの間欠制御サービス実行時における省エネ効果の詳細データであり、図8の構成に、省エネ効果指数の算出時における外気温度の項目を追加している。この外気温度は、温度センサ3の検出結果を機器監視部1cが取得することで、省エネ効果記憶部1iに反映される。
【0076】
そして、省エネ効果判定部1gは、追加された不在制御サービスが既存の間欠制御サービスと競合した場合、省エネ効果記憶部1iに格納している間欠制御サービスの省エネ効果の履歴(図9)を参照して、不在制御サービスの省エネ効果指数を算出する。不在制御サービスの実行時には、ヒーター制御バルブの状態を「開度小」に制御して、ヒーター2Aの設定温度を下限温度T2一定とすることから、バルブの状態が「開度小」に制御されたときの省エネ効果指数を用いることができる。
【0077】
さらに、今回の競合発生時の外気温度を温度センサ3から取得する。そして、バルブの状態が「開度小」に制御されたときの省エネ効果指数のうち、この取得した外気温度に最も近い外気温度が設定されている省エネ効果指数を、不在制御サービスの省エネ効果指数とする。
【0078】
また、間欠制御サービスの省エネ効果指数も、省エネ効果記憶部1iに格納している間欠制御サービスの省エネ効果の履歴のうち、今回の競合発生時に取得した外気温度に最も近い外気温度が設定されている省エネ効果指数を用いる。
【0079】
このようにして、省エネ制御サービスの省エネ効果指数の履歴のうち、今回の競合発生時の空間環境(ここでは外気温度)に類似した空間環境に対応する履歴のみを用いて、省エネ効果指数を算出する。以降は、この算出した省エネ効果指数を用いて競合時の優先度制御を行う。
【0080】
したがって、省エネ効果指数に影響を与える外気温度等の空間環境を考慮して、省エネ効果指数を算出するので、省エネ効果指数の精度が向上し、省エネルギー効果を適切に得ることができる。
【0081】
なお、省エネ効果指数を算出する際に参照する空間環境としては、外気温度以外に、湿度、季節、風速等がある。
【0082】
(実施形態4)
本実施形態の機器制御装置を用いた機器制御システムは、実施形態2と同様の構成を備えており、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0083】
本実施形態では、省エネ効果判定部1gが省エネ制御サービスの省エネ効果指数を算出する方法として、以下の方法を併せて用いる。
【0084】
システムの運用中に、省エネ制御サービスの制御対象となる機器2が、機能が同じで定格が異なるものに変更されることがある。省エネ効果判定部1gは、通常、消費エネルギー記憶部1fを参照し、省エネ制御サービスのエネルギー使用量の履歴を用いて、省エネ効果指数を算出する。しかしながら、上記定格変更後の機器2を用いたエネルギー使用量の履歴は消費エネルギー記憶部1fにまだ格納されておらず、上記通常の省エネ効果指数の算出方法を使うことができない場合がある。
【0085】
そこで、サービス内容記憶部1dに格納する各省エネ制御サービスの制御パターン情報を、図10(a)(b)に示すように、サービス名称、制御対象機器、定格情報、制御内容の各項目で構成する。定格情報は、ヒーター制御バルブの状態が「開度大」および「開度小」であるときに、1時間に通過する温水の体積(m3/h)で表され、設計時の値に設定される。
【0086】
図10(a)は、不在制御サービスおよび間欠制御サービスの制御対象となるヒーター2Aがともに小型であり、ヒーター制御バルブの定格が小さいときの制御パターン情報である。
【0087】
図10(b)は、間欠制御サービスの制御対象となるヒーター2Aが大型に変更された場合の制御パターン情報であり、大型のヒーター制御バルブの定格は、小型のヒーター制御バルブの定格に対して、2倍に設定されている。
【0088】
そして、サービス内容記憶部1dのサービス内容が、図10(a)から図10(b)の内容に変更された後に、不在制御サービスと間欠制御サービスとが互いに競合したとする。しかし、消費エネルギー記憶部1fに、小型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスのエネルギー使用量の履歴は格納されているが、大型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスのエネルギー使用量の履歴はまだ格納されていない。
【0089】
そこで、省エネ効果判定部1gは、省エネ効果記憶部1iに格納している小型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスの省エネ効果指数を参照して、大型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスの省エネ効果指数を算出する。具体的には、ヒーター制御バルブの定格が2倍に設定されていることから、小型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスの省エネ効果指数を2倍にした値を、大型のヒーター2Aを制御対象とした間欠制御サービスの省エネ効果指数とする。以降は、この算出した省エネ効果指数を用いて競合時の優先度制御を行う。
【0090】
したがって、使用履歴のない機器2を制御対象とした省エネ制御サービスの競合時にも、機器2の定格情報に基づいて省エネ効果指数を算出することができる。
【0091】
(実施形態5)
本実施形態の機器制御装置を用いた機器制御システムは、実施形態1または2と同様の構成を備えており、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0092】
省エネ効果判定部1gは、省エネ制御サービスの競合状態が生じた場合、消費エネルギー記憶部1fを参照し、省エネ制御サービスのエネルギー使用量の履歴を用いて、省エネ効果指数を算出する。しかし、省エネ制御サービスには、不在制御サービスのように短期間の実行によって省エネ効果指数を算出可能なサービスと、間欠制御サービスのようにある程度継続させることによって省エネ効果指数を算出可能なサービスとがある。
【0093】
そこで、図11に示すように、サービス内容記憶部1dに格納した省エネ制御サービスの各制御パターン情報に、効果時間単位(h)の項目を設ける。効果時間単位は、省エネ制御サービス毎に、省エネ効果指数を算出可能な最短実行時間を設定しており、例えば不在制御サービスは0.1(h)以上に設定され、間欠制御サービスは2.0(h)以上に設定される。
【0094】
そして、省エネ効果判定部1gは、効果時間単位以上の実行履歴がある省エネルギー制御についてのみ、省エネ効果指数を算出するので、省エネ効果指数の算出精度が向上する。
【0095】
また、上記各実施形態において、機器制御装置1を構成する各部を、有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して接続された他の端末に設けて、機器制御システムを構成してもよい。この場合、各部はネットワークを介した通信を行うことで、各情報の授受を行う。
【0096】
また、上記各実施形態では、省エネ制御の競合状態が発生する機器2としてヒーターを例示したが、照明器具や空調機器等の他の機器の省エネ制御についても、省エネ効果に基づく優先制御を同様に行うことで、同様の効果を得ることができる。
【0097】
また、本発明の機器制御方法は、上記各実施形態の機器制御装置または機器制御システムの各構成によって実現される。さらに、同様の機器制御方法が他の構成によって実現されたものも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1 機器制御装置
1a 無線通信部
1b 機器制御部
1c 機器監視部
1d サービス内容記憶部
1e サービス優先度処理部
1f 消費エネルギー記憶部
1g 省エネ効果判定部
1h 競合検出部
2 機器
3 センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御部と、
同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出部と、
前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定部と、
前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える優先度処理部と
を備えることを特徴とする機器制御装置。
【請求項2】
省エネルギー制御の各々について前記効果判定部が判定した省エネルギー効果が大きいほど、高い優先度を各省エネルギー制御に設定する優先度設定部と、
この優先度設定部が設定した省エネルギー制御の各々の優先度を格納する優先度記憶部とを備え、
前記優先度処理部は、前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記優先度記憶部を参照して、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち優先度が最も高い省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える
ことを特徴とする請求項1記載の機器制御装置。
【請求項3】
前記効果判定部は、省エネルギー制御の実行中におけるエネルギー使用量の履歴に基づいて、省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定することを特徴とする請求項1または2記載の機器制御装置。
【請求項4】
前記効果判定部は、省エネルギー制御の実行中におけるエネルギー使用量の所定期間以上の履歴に基づいて、省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定し、前記所定期間は、省エネルギー制御の内容に応じて設定されることを特徴とする請求項3記載の機器制御装置。
【請求項5】
前記効果判定部は、機器の定格情報に基づいて、当該機器に対する省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定することを特徴とする請求項1または2記載の機器制御装置。
【請求項6】
前記効果判定部は、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを、この競合状態の検出時における所定空間の環境状態に対応させて判定し、
前記優先度処理部は、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、この競合状態の検出時における所定空間の環境状態に対応した省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える
ことを特徴とする請求項1または2記載の機器制御装置。
【請求項7】
機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御部と、
同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出部と、
前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定部と、
前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える優先度処理部と
を備えることを特徴とする機器制御システム。
【請求項8】
機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御方法において、
同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出処理と、
前記競合状態を検出した場合、この競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定処理と、
省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示による省エネルギー制御を行う実行処理と
を行うことを特徴とする機器制御方法。
【請求項1】
機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御部と、
同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出部と、
前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定部と、
前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える優先度処理部と
を備えることを特徴とする機器制御装置。
【請求項2】
省エネルギー制御の各々について前記効果判定部が判定した省エネルギー効果が大きいほど、高い優先度を各省エネルギー制御に設定する優先度設定部と、
この優先度設定部が設定した省エネルギー制御の各々の優先度を格納する優先度記憶部とを備え、
前記優先度処理部は、前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記優先度記憶部を参照して、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち優先度が最も高い省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える
ことを特徴とする請求項1記載の機器制御装置。
【請求項3】
前記効果判定部は、省エネルギー制御の実行中におけるエネルギー使用量の履歴に基づいて、省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定することを特徴とする請求項1または2記載の機器制御装置。
【請求項4】
前記効果判定部は、省エネルギー制御の実行中におけるエネルギー使用量の所定期間以上の履歴に基づいて、省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定し、前記所定期間は、省エネルギー制御の内容に応じて設定されることを特徴とする請求項3記載の機器制御装置。
【請求項5】
前記効果判定部は、機器の定格情報に基づいて、当該機器に対する省エネルギー制御の省エネルギー効果の大きさを判定することを特徴とする請求項1または2記載の機器制御装置。
【請求項6】
前記効果判定部は、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを、この競合状態の検出時における所定空間の環境状態に対応させて判定し、
前記優先度処理部は、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、この競合状態の検出時における所定空間の環境状態に対応した省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える
ことを特徴とする請求項1または2記載の機器制御装置。
【請求項7】
機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御部と、
同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出部と、
前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定部と、
前記競合検出部が前記競合状態を検出した場合、前記競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の実行指示のうち、省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示を前記機器制御部へ与える優先度処理部と
を備えることを特徴とする機器制御システム。
【請求項8】
機器のエネルギー使用量を低減させるための複数の省エネルギー制御のうち、実行指示が発生した省エネルギー制御を行う機器制御方法において、
同一機器に対する2つ以上の省エネルギー制御の実行指示が発生した競合状態を検出する競合検出処理と、
前記競合状態を検出した場合、この競合状態が検出された2つ以上の省エネルギー制御の各々の省エネルギー効果の大きさを判定する効果判定処理と、
省エネルギー効果が最も大きい省エネルギー制御の実行指示による省エネルギー制御を行う実行処理と
を行うことを特徴とする機器制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−22626(P2012−22626A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161975(P2010−161975)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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