説明

機能性流体の品質管理の改善

本発明は、機能性流体の品質を管理するための金属化合物の使用について説明する。さらに、本発明は、機能性流体の品質を管理するための方法であって、金属化合物を潤滑剤の成分に添加するステップと、該成分を基油と混合するステップと、機能性流体中の金属化合物の濃度を測定するステップと、金属化合物の予測濃度を実測濃度と比較するステップとを含む方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性流体の品質管理の改善、および機能性流体の品質を管理するための方法に関する。
【0002】
作動液または潤滑剤のような機能性流体の製造は、周知のプロセスである。一般的に、機能性流体を得るためには、異なる成分(例えば、基本流体と、粘度指数向上剤(VI)、流動点降下剤(PPD)、洗剤/阻害剤成分(DI)などの添加剤と)が混合される。しかし、時には誤差が生じるため、機能性流体の製造に使用される化合物それぞれの品質管理に加えて、最終製品の品質管理が必要となる。通常は、複雑で費用のかかる方法によって管理が実施される。
【0003】
仏国特許第2617180号には、掘削井戸の評価へのトレーサの使用が開示されている。トレーサは、掘削流体の品質ではなく、さく井の結果を追跡するために使用される。しかし該文献には、機能性流体の品質管理に関する記載はない。
【0004】
さらに、金属を含む化合物の機能性流体における使用は、米国特許第5576273号および米国特許出願公開第2004144952号を含めた数多くの特許から知られている。しかし、これらの化合物は機能性流体に一定の影響を及ぼす。例えば、米国特許第5576273号では、潤滑剤組成物の極圧特性を向上させるために、有機金属化合物が使用されている。その他数多くの有機金属化合物も潤滑剤に添加される。いずれの場合も、これらは、特性を向上させるために添加されており、品質評価のために添加されてはいない。
【0005】
先行技術を考慮すると、本発明の目的は、機能性流体の品質を管理するための簡単かつ安価な方法を提供することである。
【0006】
これらの課題だけでなく、明記されてはいないものの、導入部から容易に導き出されるか明らかにされるその他の課題が、本願の請求項1に記載の金属化合物を使用することによって達成される。従属項には、本発明に基づく使用の好都合な改変が記載されている。
【0007】
金属化合物の使用は、機能性流体の品質管理における予想外の改善をもたらす。少なくとも1つの金属化合物を使用することにより、機能性流体の品質管理を簡単かつ安価な方法で達成することができる。
【0008】
同時に、その他いくつかの利点も、本発明に基づく使用を通じて達成することができる。これらの利点としては、以下が含まれる。
【0009】
方法をきわめて短時間で実施することができる。
【0010】
流体の品質を管理する方法は、ごく少量の流体しか必要としない。
【0011】
流体の品質を管理する方法は簡単であるため、方法を自動的に、または高度に熟練した人員を使わずに実施することができる。
【0012】
本発明の方法をあらゆる種類の機能性流体の製造で実施することができる。これらの流体は、作動液および/または潤滑剤を含む。これらの流体は、当該技術分野で周知であり、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Edition on CD−ROM,1997に記載されている。
【0013】
好適な機能性流体は、少なくとも鉱油および/または合成油および/または生物起源の油を含む。
【0014】
鉱油は、当該技術分野で周知であり、市販されている。一般的に鉱油は、蒸留および/または精製、ならびに場合によりさらなる純化および処理法によって、石油または原油から得られ、特に、原油または石油のより高沸点の留分が鉱油の概念に該当する。一般的に、鉱油の沸点は、5000Paにおいて200℃を超え、好ましくは300℃を超える。頁岩油の低温蒸留、硬質炭のコーキング、空気除去下における褐炭の蒸留、ならびに硬質炭または褐炭の水素化による製造も同様に可能である。
【0015】
また、植物起源(例えば、ホホバ、菜種(アブラナ)、ヒマワリおよび大豆油)または動物起源(例えば、獣脂または牛脚油)の原料から油を製造することもできる。従って、鉱油は、それぞれ場合で起源に応じて、異なる量の芳香族炭化水素、環式炭化水素、分枝鎖炭化水素および直鎖炭化水素を示す。
【0016】
一般的に、原油または鉱油中のパラフィン系留分、ナフテン系留分および芳香族留分は区別され、ここでパラフィン系留分という用語は、より長鎖の、または高度に枝分れしたイソアルカンを表し、ナフテン系留分はシクロアルカンを表す。さらに、鉱油は、それぞれの場合で起源および処理に応じて、異なる分率のn−アルカン、分枝度の低いイソアルカン(いわゆるモノメチル分枝パラフィン)、ならびに極性の原因となるヘテロ原子(特にO、Nおよび/またはS)を有する化合物を示す。しかし、個々のアルカン分子は、長鎖分枝鎖残基およびシクロアルカン残基と芳香族成分の両方を有する可能性があるため、特定が困難である。本発明において、分類は、DIN 51 378に従って行うことができる。また、ASTM D 2007に従って極性成分を測定することもできる。
【0017】
好適な鉱油におけるn−アルカンの分率は5質量%未満であり、O、Nおよび/またはS含有化合物の分率は6質量%未満である。芳香族化合物およびモノメチル分枝パラフィンの分率は、一般的に、それぞれの場合で0〜40質量%の範囲である。1つの興味深い態様によれば、鉱油は、一般的には13個を超える、好ましくは18個を超える、特に好ましくは20個を超える炭素原子を有するナフテン系アルカンおよびパラフィン系アルカンを主に含む。これらの化合物の分率は、一般的には少なくとも60質量%、好ましくは少なくとも80質量%であるが、これによるいかなる限定も意図されない。好適な鉱油は、それぞれの場合で鉱油の全質量に対して、0.5〜30質量%の芳香族成分、15〜40質量%のナフテン系成分、35〜80質量%のパラフィン系成分、最高3質量%のn−アルカン、および0.05〜5質量%の極性成分を含有する。
【0018】
尿素脱蝋およびシリカゲルによる液体クロマトグラフィーなどの従来に方法を用いて行った、特に好適な鉱油の分析では、例えば、以下の成分が示されている(ここで百分率は該当する鉱油の全質量を指す):
18〜31個のC原子を有するn−アルカン:0.7〜1.0%、
18〜31個のC原子を有する低分枝アルカン:1.0〜8.0%、
14〜32個のC原子を有する芳香族化合物:0.4〜10.7%、
20〜32個のC原子を有するイソアルカンおよびシクロアルカン:60.7〜82.4%、
極性化合物:0.1〜0.8%、
損失:6.9〜19.4%。
【0019】
鉱油の分析に関する貴重な助言、ならびに他の組成物を有する鉱油の一覧については、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Edition on CD−ROM,1997の"lubricants and related products"という項目に記載されている。
【0020】
好ましくは、機能性流体は、APIグループI、IIおよび/またはIIIの鉱油あるいはこれらの混合物を主成分とする。本発明の好適な実施形態によれば、元素分析による測定で少なくとも90質量%の飽和物と多くても約0.03%の硫黄を含有する鉱油が使用される。
【0021】
合成油には、とりわけ他の物質の中でも、ポリアルファオレフィン、有機エステル(例えば、カルボン酸エステルおよびリン酸エステル)、有機エーテル(例えば、シリコーン油およびポリアルキレングリコール)、ならびに合成炭化水素(特に、ポリオレフィン)がある。合成油は、大抵の場合鉱油よりも幾分高価であるが、性能面で利点がある。説明のため、5つのAPI(アメリカ石油協会)クラスの基油種を参照する。
【0022】
【表1】

【0023】
合成炭化水素(特に、ポリオレフィン)は、当該技術分野で周知である。特にポリアルファオレフィン(PAO)が好適である。これらの化合物は、アルケン(特に、3〜12個の炭素原子を有するアルケン、例えば、プロペン、ヘキセン−1、オクテン−1およびドデセン−1)の重合によって得られる。好適なPAOは、200〜10000g/mol、より好ましくは500〜5000g/molの範囲の数平均分子量を有する。
【0024】
本発明の好適な態様によれば、機能性流体は、カルボン酸エステル、ポリエーテルポリオールおよび/または有機リン化合物の群から選択される酸素含有化合物を含む場合がある。好ましくは、酸素含有化合物は、少なくとも2つのエステル基を含有するカルボン酸エステル、4〜12個の炭素原子を含有するカルボン酸のジエステル、および/またはポリオールのエステルである。酸素含有化合物を基本原料として使用することにより、機能性流体の耐火性を向上させることができる。
【0025】
アルキルアリールリン酸エステル、トリアルキルリン酸エステル(例えば、トリブチルホスフェートまたはトリ−2−エチルヘキシルホスフェート)、トリアリールホスフェート(例えば、混合イソプロピルフェニルホスフェート、混合t−ブチルフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェートまたはトリクレシルホスフェート)などのリンエステル流体を、機能性流体の成分として使用することができる。さらなるクラスの有機リン化合物には、アルキルおよび/またはアリール置換基を含有する場合がある、ホスホネートおよびホスフィネートがある。ジアルキルホスホネート(例えば、ジ−2−エチルヘキシルホスホネート)、アルキルホスフィネート(例えば、ジ−2−エチルヘキシルホスフィネート)が有用である。本明細書におけるアルキル基としては、1〜10個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキルが好適である。本明細書におけるアリール基としては、アルキルで置換される場合がある、6〜10個の炭素原子を含むアリールが好適である。特に、機能性流体は、0〜60質量%、好ましくは5〜50質量%の有機リン化合物を含有する場合がある。
【0026】
カルボン酸エステルとしては、アルコール(例えば、多価アルコールまたは一価アルコール)と脂肪酸(例えば、モノカルボン酸またはポリカルボン酸)との反応生成物を使用することができる。このようなカルボン酸エステルは、当然ながら、部分エステルであってよい。
【0027】
カルボン酸エステルは、式R−COO−R[式中、Rは独立して、1〜40個の炭素原子を有する基である]を有する1つのカルボン酸エステル基を有する場合がある。好適なエステル化合物は、少なくとも2つのエステル基を含む。これらの化合物は、少なくとも2つの酸性基を有するポリカルボン酸、および/または少なくとも2つのヒドロキル基を有するポリオールを主成分とする場合がある。
【0028】
ポリカルボン酸残基は、通常は2〜40個、好ましくは4〜24個、特に4〜12個の炭素原子を有する。有用なポリカルボン酸エステルは、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸および/またはドデカン酸のエステルである。ポリカルボン酸化合物のアルコール成分は、1〜20個、特に2〜10個の炭素原子を含む。
【0029】
有用なアルコールの例には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノールおよびオクタノールがある。さらに、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールからデカメチレングリコールまでのオキソアルコールも使用することができる。
【0030】
特に好適な化合物には、ポリカルボン酸と、1つのヒドロキル基を含むアルコールとのエステルがある。これらの化合物の例については、Ullmanns Encyclopaedie der Technischen Chemie,third edition,vol.15,page 287−292,Urban&Schwarzenber(1964)に記載されている。
【0031】
少なくとも2つのエステル基を含むエステル化合物を得るのに有用なポリオールは、通常は2〜40個、好ましくは4〜22個の炭素原子を含有する。例としては、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピオン酸2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3’−ヒドロキシ、グリセロール、トリメチルオレタン、トリメタノールプロパン、トリメチロールノナン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトールおよびジペンタエリスリトールがある。ポリエステルのカルボン酸成分は、1〜40個、好ましくは2〜24個の炭素原子を含有する場合がある。例としては、直鎖または分枝鎖飽和脂肪酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−エチル−2,3,3−トリメチルブタン酸、2,2,3,4−テトラメチルペンタン酸、2,5,5−トリメチル−2−t−ブチルヘキサン酸、2,3,3−トリメチル−2−エチルブタン酸、2,3−ジメチル−2−イソプロピルブタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸)、直鎖または分枝鎖不飽和脂肪酸(例えば、リノール酸、リノレン酸、9−オクタデセン酸、ウンデセン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、および広範な動物性脂肪または植物油源に由来する商業グレードのオレイン酸)がある。タル油脂肪酸などの脂肪酸の混合物を使用することができる。
【0032】
少なくとも2つのエステル基を含む特に有用な化合物には、例えば、タル油酸ネオペンチルグリコール、ジオレイン酸ネオペンチルグリコール、タル油酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、タル油酸ジエチレングリコール、およびジオレイン酸ジエチレングリコールがある。
【0033】
これらの化合物の多くは、Lexolube 2G−214という商標名でInolex Chemical Co.から、ProEco 2965という商標名でCognis Corp.から、Priolube 1430およびPriolube 1446という商標名でUniqema Corp.から、ならびにXtolube 1301およびXtolube 1320という商標名でGeorgia Pacificから市販されている。
【0034】
さらにはエーテルも、機能性流体の成分として有用である。好ましくは、ポリエーテルポリオールが、本発明の機能性流体の成分として使用される。これらの化合物は周知である。例としては、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリブチレングリコール)がある。ポリアルキレングリコールは、アルキレンオキシドの混合物を主成分としてもよい。これらの化合物は、好ましくは1〜40個のアルキレンオキシド単位、より好ましくは5〜30個のアルキレンオキシド単位を含む。ポリブチレングリコールは、無水流体に好適な化合物である。ポリエーテルポリオールは、さらなる基(例えば、1〜40個、特に2〜22個の炭素原子を含むアルキレン基またはアリーレン基)を含む場合がある。
【0035】
本発明の別の態様によれば、機能性流体は、ポリアルファオレフィン(PAO)、カルボン酸エステル(ジエステルもしくはポリオールエステル)、植物エステル、リン酸エステル(リン酸トリアルキル、リン酸トリアリールもしくはリン酸アルキルアリール)および/またはポリアルキレングリコール(PAG)を含む合成基本原料を主成分としてもよい。好適な合成基本原料には、APIグループIVおよび/またはグループVの油がある。さらに、これらの合成材料は希望に応じて鉱油または生物起源の油と混合される場合もある。
【0036】
本発明によれば、機能性流体の品質管理を改善するために、金属化合物が使用される。その他の場合は、機能性流体に金属化合物が含まれないのが好ましい。金属化合物は、機能性流体、または機能性流体が使用される機器ハードウェアに有害な影響を及ぼしてはならない。さらに、金属化合物は、品質を管理するのに十分な量で機能性流体に溶解しなければならない。
【0037】
有用な金属化合物は、ビスマス(Bi)、セシウム(Cs)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)および/またはジルコニウム(Zr)を含む。
【0038】
通常、金属化合物は、機能性流体に金属化合物を溶媒和することが可能な基を含む。従って、これらの基は、機能性流体の特定成分(例えば、基油)により変動する。鉱油を含む機能性流体の品質を管理するために、鉱油に溶解する金属化合物が使用される。
【0039】
本発明の一態様によれば、金属化合物は、式(I)
【化1】

[式中、
Mは金属原子であり、Rは、8〜30個の炭素原子、好ましくは8〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、残基のRは、一緒になって環を形成してよく、nは0〜4の整数であり、mは0〜4の整数であり、n+mは、少なくとも1、好ましくは2〜4、より好ましくは4である]
の化合物である場合がある。式(I)のアルキル基Rは、直鎖、分枝鎖、環式、飽和または不飽和であってよい。さらに、アルキル基Rは、不飽和であってもよければ、あるいは例えばハロゲンまたはアミノ基で置換されてもよい。
【0040】
有用なアルキル基には、例えば、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−tert−ブチルヘプチル、3−イソプロピルヘプチルノニル、デシル、ウンデシル、5−メチルウンデシル、ドデシル、2−メチルドデシル、トリデシル、5−メチルトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、2−メチルヘキサデシル、ヘプタデシル、5−イソプロピルヘプタデシル、4−tert−ブチルオクタデシル、5−エチルオクタデシル、3−イソプロピルオクタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、セチルエイコシル、ステアリルエイコシル、ドコシルおよび/またはエイコシルテトラトリアコンチルが含まれる。
【0041】
具体的な化合物には、例えば、ステアリン酸ニッケル、オクタン酸ビスマス、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸チタン、ヘキサデカン酸コバルト、オクタノール酸ストロンチウム、オクタノール酸チタン、および/または酸化2−エチルヘキシルチタンがある。
【0042】
本発明のさらなる態様によれば、キレート化基を有するポリマーを、金属原子またはイオンを溶媒和する基として使用することができる。例えば、酸素および/または窒素などのヘテロ原子を含むモノマーに由来し、反復単位を有するポリマーを使用して、金属原子および/またはイオンを錯体化することができる。これらのモノマーには、例えば、以下に記載するような、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸アミノアルキルおよびアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、エーテルアルコールの(メタ)アクリレート、複素環式(メタ)アクリレート、および複素環式ビニル化合物が含まれる。
【0043】
好ましくは、金属を溶媒和するためのポリマーは、5000〜1000000g/mol、より好ましくは10000〜500000g/mol、より好ましくは25000〜250000g/molの範囲の質量平均分子量を有する場合がある。質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)のような通常の方法で測定することができる。
【0044】
金属および金属化合物それぞれの量は、機能性流体中の金属を確実に検出するのに十分な量でなければならない。一方、処理速度がきわめて早いと、機能性流体の性能に影響が及ぶ場合がある。
【0045】
好ましくは、機能性流体の品質を管理するための機能性流体中の金属の量は、5〜1000ppm、より好ましくは10〜500ppm、より好ましくは20〜250ppmの範囲である。機能性流体中の金属の量は、蛍光X線(XRF)分光法および誘導結合プラズマ(ICP)分光法のような分光法によって測定することができる。
【0046】
好ましくは、品質を管理するために機能性流体に添加される金属化合物の量は、0.00001質量%〜0.01質量%、より好ましくは0.0001〜0.001質量%の範囲である。
【0047】
金属化合物は、1種類の金属を含む単一の化合物として使用することができる。さらに、金属化合物は、異なる化合物の混合物として使用することもできる。特に、機能性流体の品質管理を改善するためには、異なる種類の金属を有する2つ、3つまたはそれ以上の化合物の混合物を使用することができる。
【0048】
好ましくは、機能性流体は、少なくとも2つの成分を混合することにより得られる。これらの成分の内の少なくとも1つが、上に記載した基油であるものとする。
【0049】
好ましくは、機能性流体は、少なくとも1つのポリマーを含む。潤滑剤および/または作動液のような、機能性流体に有用な好適なポリマーは、当該技術分野で周知である。
【0050】
ポリマーが使用される場合は、好ましくは、ポリマーは、5000〜1000000g/mol、より好ましくは10000〜500000g/mol、より好ましくは25000〜250000g/molの範囲の質量平均分子量を有する。質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)のような通常の方法によって測定することができる。
【0051】
これらのポリマーは、例えば、粘度指数向上剤(VI)および/または流動点降下剤(PPD)として使用される。
【0052】
機能性流体は、流体の全質量に対して、0.1〜50質量%、特に0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%の1つ以上のポリマーを含む場合がある。
【0053】
粘度指数向上剤および流動点降下剤は、周知であり、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th Edition on CD−ROM,1997に開示されている。
【0054】
VI向上剤および/または流動点降下剤として有用な好適なポリマーは、少なくとも1つのエチレン不飽和基を有するアルキルエステルに由来する単位を含む。これらのポリマーは、当該技術分野で周知である。好適なポリマーは、特に(メタ)アクリレート、マレエートおよびフマレートを重合することによって得られる。(メタ)アクリレートという用語には、メタクリレートおよびアクリレート、ならびにこれら2つの混合物が含まれる。これらのモノマーは、当該技術分野で周知である。アルキル残基は、直鎖、環式または分枝鎖であってよい。
【0055】
アルキルエステルに由来する単位を含む好適なポリマーを得るための混合物は、モノマー混合物の全質量に対して0〜100質量%、好ましくは0.5〜90質量%、特に1〜80質量%、より好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜20質量%の、式(II)
【化2】

[式中、
1は水素またはメチルであり、R2は、1〜6個、特に1〜5個、好ましくは1〜3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル残基を意味し、R3およびR4は独立して水素、または式−COOR’[式中、R’は水素、または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する]の基を表す]
の1つ以上のエチレン不飽和エステル化合物を含有する。
【0056】
成分(a)の例には、とりわけ、飽和アルコールに由来する(メタ)アクリレート、フマレートおよびマレエート(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチルおよび(メタ)アクリル酸ヘキシル)、(メタ)アクリル酸シクロアルキル(例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル)がある。
【0057】
さらに、アルキルエステルに由来する単位を含むポリマーを得るためのモノマー組成物は、モノマー混合物の全質量に対して0〜100質量%、好ましくは10〜99質量%、20〜95質量%、より好ましくは30〜85質量%の、式(III)
【化3】

[式中、
1は水素またはメチルであり、R5は、7〜40個、特に10〜30個、好ましくは12〜24個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル残基を意味し、R6およびR7は独立して水素、または式−COOR"[式中、R"は水素、または7〜40個、特に10〜30個、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するアルキル基を意味する]の基である]
の1つ以上のエチレン不飽和エステル化合物を含有する。
【0058】
これらの中には、飽和アルコールに由来する(メタ)アクリレート、フマレートおよびマレエート(例えば、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−tert−ブチルヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸3−イソプロピルヘプチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸5−メチルウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸5−メチルトリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸5−イソプロピルヘプタデシル、(メタ)アクリル酸4−tert−ブチルオクタデシル、(メタ)アクリル酸5−エチルオクタデシル、(メタ)アクリル酸3−イソプロピルオクタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸セチルエイコシル、(メタ)アクリル酸ステアリルエイコシル、(メタ)アクリル酸ドコシル、および/または(メタ)アクリル酸エイコシルテトラトリアコンチル)、(メタ)アクリル酸シクロアルキル(例えば、(メタ)アクリル酸3−ビニルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸2,4,5−トリ−t−ブチル−3−ビニルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラ−t−ブチルシクロヘキシル)、ならびに対応するフマレートおよびマレエートがある。
【0059】
長鎖アルコール残基を有するエステル化合物(特に、成分(b))は、例えば、(メタ)アクリレート、フマレート、マレエートおよび/または対応する酸と、長鎖脂肪アルコールとを反応させることにより得ることができ、一般的には、異なる長鎖アルコール残基を有する(メタ)アクリレートなどのエステル混合物が得られる。これらの脂肪アルコールには、とりわけ、Oxo Alcohol(登録商標)7911およびOxo Alcohol(登録商標)7900、Oxo Alcohol(登録商標)1100(Monsanto)、Alphanol(登録商標)79(ICI)、Nafol(登録商標)1620、Alfol(登録商標)610およびAlfol(登録商標)810(Sasol)、Epal(登録商標)610およびEpal(登録商標)(Ethyl Corporation)、Linevol(登録商標)79、Linevol(登録商標)911およびDobanol(登録商標)25L(Shell AG)、Lial 125(Sasol)、Dehydad(登録商標)およびDehydad(登録商標)、ならびにLorol(登録商標)(Cognis)が含まれる。
【0060】
エチレン不飽和エステル化合物の中では、(メタ)アクリレートの方がマレエートおよびフマレートよりも特に好適であり、すなわち、特に好適な実施形態において、式(II)および(III)のR3、R4、R6、R7は水素を表す。
【0061】
本発明の特定の態様においては、式(III)のエチレン不飽和エステル化合物の混合物を使用するのが好ましく、該混合物は、アルコールラジカル中に7〜15個の炭素原子を有する少なくとも1つの(メタ)アクリレート、およびアルコールラジカル中に16〜30個の炭素原子を有する少なくとも1つの(メタ)アクリレートを有する。アルコールラジカル中に7〜15個の炭素原子を有する(メタ)アクリレートの分率は、好ましくは、ポリマーを製造するためのモノマー組成物の質量に対して20〜95質量%の範囲である。アルコールラジカル中に16〜30個の炭素原子を有する(メタ)アクリレートの分率は、好ましくは、アルキルエステルに由来する単位を含むポリマーを製造するためのモノマー組成物の質量に対して0.5〜60質量%の範囲である。アルコールラジカル中に7〜15個の炭素原子を有する(メタ)アクリレートと、アルコールラジカル中に16〜30個の炭素原子を有する(メタ)アクリレートとの質量比は、好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは5:1〜1.5:1の範囲である。
【0062】
成分(c)は、具体的には、式(II)および/または(III)のエチレン不飽和エステル化合物と共重合することができるエチレン不飽和モノマーを含む。
【0063】
以下の式:
【化4】

[式中、
1*およびR2*は独立して、水素、ハロゲン、CN、1〜(2n+1)(nはアルキル基の炭素原子の数である)個のハロゲン原子で置換されてもよい、1〜20個、好ましくは1〜6個、特に1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基(例えば、CF3)、1〜(2n−1)(nはアルキル基の炭素原子の数である)個のハロゲン原子(好ましくは、塩素)で置換されてもよい、2〜10個、好ましくは2〜6個、特に好ましくは2〜4個の炭素原子を有するα,β−不飽和直鎖または分枝鎖アルケニルまたはアルキニル基(例えば、CH2=CCl−)、1〜(2n−1)(nはシクロアルキル基の炭素原子の数である)個のハロゲン原子(好ましくは、塩素)で置換されてもよい、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、さらなるR8、アリールまたはヘテロシクリル基で四級化されてもよい、C(=Y*)R5*、C(=Y*)NR67*、Y*C(=Y*)R5*、SOR5*、SO25*、OSO25*、NR8*SO25*、PR5*2、P(=Y*)R5*2、Y*PR5*2、Y*P(=Y*)R5*2、NR8*2[式中、Y*はNR8*、SまたはO(好ましくはO)であり、R5は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキルチオ基、OR15(R15は水素またはアルカリ金属である)、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ、アリールオキシまたはヘテロシクリルオキシであり、R6*およびR7*は独立して、水素、または1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるか、あるいはR6*およびR7*は一緒になって、2〜7個、好ましくは2〜5個の炭素原子を有するアルキレン基を形成し、これらは3〜8員環、好ましくは3〜6員環を形成し、R8*は、1〜20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルまたはアリール基である]からなる群から選択され、
3*およびR4*は独立して、水素、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、およびCOOR9*[式中、R9*は水素、アルカリ金属、または1〜40個の炭素原子を有するアルキル基である]からなる群から選択されるか、あるいはR1*およびR3*は一緒になって、1〜2n’(n’は2〜6、好ましくは3または4である)個のハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基で置換されてもよい、式(CH2nの基を形成してもよければ、あるいは式C(=O)−Y*−C(=O)[式中、Y*は先に定義した通りである]の基を形成してもよく、
残基R1*、R2*、R3*およびR4*の少なくとも2つは、水素またはハロゲンである]
に対応するコモノマーは、本発明に基づく重合に特に好適である。
【0064】
コモノマーには、とりわけ、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(例えば、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3,4−ジヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジオール、(メタ)アクリル酸1,10−デカンジオール)、
(メタ)アクリル酸アミノアルキルおよびアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、(メタ)アクリル酸3−ジエチルアミノペンチル、(メタ)アクリル酸3−ジブチルアミノヘキサデシル)、
(メタ)アクリル酸のニトリルおよび他の窒素含有(メタ)アクリル酸エステル(例えば、N−(メタクリロイルオキシエチル)ジイソブチルケチミン、N−(メタクリロイルオキシエチル)ジヘキサデシルケチミン、(メタ)アクリロイルアミドアセトニトリル、2−メタクリロリルオキシエチルメチルシアナミド、(メタ)アクリル酸シアノメチル)、
アクリル残基が、それぞれの場合で無置換であってもよければ、最高4回置換されてもよい、(メタ)アクリル酸アリール(例えば、(メタ)アクリル酸ベンジルまたは(メタ)アクリル酸フェニル)、
カルボニル含有(メタ)アクリレート(例えば、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸カルボキシメチル、(メタ)アクリル酸オキサゾリジニルメチル、N−(メチアクリロイルオキシ)ホルミアミド、(メタ)アクリル酸アセトニル、N−メタクリロイルモルホリン、N−メタクリロイル−2−ピロリジノン、N−(2−メタクリロキシオキシエチル)−2−ピロリジノン、N−(3−メタクリロイルオキシプロピル)−2−ピロリジノン、N−(2−メタクリエオイルオキシペンタデシル(−2−ピロリジノン、N−(3−メタクリロイルオキシヘプタデシル−2−ピロリジノン)、
エーテルアルコールの(メタ)アクリレート(例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ビニルオキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−ブトキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−(2−ビニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルオキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシメトキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジルオキシメチル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、エトキシ化(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリルオキシメチル、(メタ)アクリル酸1−エトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸1−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル)、
ハロゲン化アルコールの(メタ)アクリレート(例えば、(メタ)アクリル酸2,3−ジブロモプロピル、(メタ)アクリル酸4−ブロモフェニル、(メタ)アクリル酸1,3−ジクロロ−2−プロピル、(メタ)アクリル酸2−ブロモエチル、(メタ)アクリル酸2−ヨードエチル、(メタ)アクリル酸クロロメチル)、
(メタ)アクリル酸オキシラニル(例えば、(メタ)アクリル酸2,3−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸10,11−エポキシウンデシル、(メタ)アクリル酸2,3−エポキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸10,11−エポキシヘキサデシル、(メタ)アクリル酸グリシジル)、
リン、ホウ素および/または珪素含有(メタ)アクリレート(例えば、(メタ)アクリル酸2−(ジメチルホスファト)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(エチルホスフィト)プロピル、(メタ)アクリル酸2−ジメチルホスフィノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルホスホノエチル、ホスホン酸ジエチルメタクリロイル、リン酸ジプロピルメタクリロイル、(メタ)アクリル酸2−(ジブチルホスホノ)エチル、ホウ酸2,3−ブチレンメタクリロリルエチル、メチルジエトキシメタクリロイルエトキシシラン、(メタ)アクリル酸ジエチルホスファトエチル)、
硫黄含有(メタ)アクリレート(例えば、(メタ)アクリル酸エチルスルフィニルエチル、(メタ)アクリル酸4−チオシアナトブチル、(メタ)アクリル酸エチルスルホニルエチル、(メタ)アクリル酸チオシアナトメチル、(メタ)アクリル酸メチルスルフィニルメチル、硫化ビス(メタクリロイルオキシエチル))、
複素環式(メタ)アクリレート(例えば、(メタ)アクリル酸2−(1−イミダゾイル)エチル、(メタ)アクリル酸2−(4−モルホリニル)エチルおよび1−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−ピロリドン)、
ハロゲン化ビニル(例えば、塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデンおよびフッ化ビニリデン)、
ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル)、
芳香族基を含有するビニルモノマー(例えば、スチレン、側鎖にアルキル置換基を有する置換スチレン(例えば、α−メチルスチレンおよびα−エチルスチレン)、環上にアルキル置換基を有する置換スチレン(例えば、ビニルトルエンおよびp−メチルスチレン)、ハロゲン化スチレン(例えば、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリブロモスチレンおよびテトラブロモスチレン))、
複素環式ビニル化合物(例えば、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−エチル−4−ビニルピリジン、2,3−ジメチル−5−ビニルピリジン、ビニルピリミジン、ビニルピペリジン、9−ビニルカルバゾール、3−ビニルカルバゾール、4−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリジン、3−ビニルピロリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルブチロラクタム、ビニルオキソラン、ビニルフラン、ビニルチオフェン、ビニルチオラン、ビニルチアゾール、ならびに水素化ビニルチアゾール、ビニルオキサゾールおよび水素化ビニルオキサゾール)、
ビニルエーテルおよびイソプレニルエーテル、
マレイン酸誘導体(例えば、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、マレインイミド、メチルマレインイミド)、
フマル酸およびフマル酸誘導体(例えば、フマル酸のモノエステルおよびジエステル)
が含まれる。
【0065】
また、分散機能性を有するモノマーをコモノマーとして使用することもできる。これらのモノマーは、当該技術分野で周知であり、通常は酸素および/または窒素などのヘテロ原子を含有する。例えば、既述の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸アミノアルキルおよびアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、エーテルアルコールの(メタ)アクリレート、複素環式(メタ)アクリレート、ならびに複素環式ビニル化合物が、分散コモノマーと考えられる。
【0066】
特に好適な混合物は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ラウリルおよび/またはメタクリル酸ステアリルを含有する。
【0067】
モノマーは個別に使用することもできれば、混合物として使用することもできる。
【0068】
本発明の機能性流体は、好ましくは、ポリアルキルメタクリレートポリマーを含む。メタクリル酸アルキルモノマーを含む組成物を重合することによって得られるこれらのポリマーは、当該技術分野で周知である。好ましくは、これらのポリアルキルメタクリレートポリマーは、少なくとも40質量%、特に少なくとも50質量%、より好ましくは少なくとも60質量%、最も好ましくは少なくとも80質量%のメタクリレート反復単位を含む。好ましくは、これらのポリアルキルメタクリレートポリマーは、C9〜C24メタクリレート反復単位gとC1〜C8メタクリレート反復単位を含む。
【0069】
アルキルエステルに由来するポリマーの分子量は、きわめて重要というわけではない。通常、アルキルエステルに由来するポリマーは、5000〜1000000g/mol、好ましくは10000〜200000g/mol、より好ましくは25000〜100000g/molの範囲の分子量を有するが、これによるいかなる限定も意図されない。これらの値は、ポリマーの質量平均分子量を指す。
【0070】
(メタ)アクリル酸アルキルポリマーは、質量平均分子量と数平均分子量との比率Mw/Mnで示される多分散性が、1〜15、好ましくは1.1〜10、特に好ましくは1.2〜5の範囲を示すが、これによるいかなる限定も意図されない。多分散性は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
【0071】
上記のモノマー混合物は、いずれの既知の方法によっても重合することができる。従来のラジカル開始剤を使用して、伝統的なラジカル重合を実施することができる。これらの開始剤は、当該技術分野で周知である。これらのラジカル開始剤の例には、アゾ開始剤(例えば、2,2’−アゾジイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)および1,1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル)、過酸化物化合物(例えば、過酸化メチルエチルケトン、過酸化アセチルアセトン、過酸化ジラウリル、ヘキサン酸tert−ブチルパー−2−エチル、過酸化ケトン、過酸化メチルイソブチルケトン、過酸化シクロヘキサノン、過酸化ジベンゾイル、過安息香酸tert−ブチル、炭酸tert−ブチルペルオキシイソプロピル、2,5−ビス(2−エチルヘキサノイル−ペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、ヘキサン酸tert−ブチルペルオキシ2−エチル、ヘキサン酸tert−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル、過酸化ジクメン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ヒドロ過酸化クメンおよびヒドロ過酸化tert−ブチル)がある。
【0072】
低分子量ポリ(メタ)アクリレートは、連鎖移動剤を使用することにより得ることができる。この技術は広く知られ、ポリマー業界で実践されており、Odian,Principles of Polymerization,1991に記載されている。連鎖移動剤の例には、チオール(例えば、n−ドデカンチオールおよびt−ドデカンチオール)、2−メルカプトエタノール、およびメルカプトカルボン酸エステル(例えば、メチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル)などの硫黄含有化合物がある。好適な連鎖移動剤は、最高20個、特に最高15個、より好ましくは最高12個の炭素原子を含有する。さらに、連鎖移動剤は、少なくとも1個、特に少なくとも2個の酸素原子も含有する場合がある。
【0073】
さらに、低分子量ポリ(メタ)アクリレートは、低スピンコバルト錯体などの遷移金属錯体を使用することにより得ることができる。これらの技術は周知であり、例えば、ロシア国特許第940487(A)号、およびHeuts,et al.,Macromolecules,1999,pp 2511−2519 and 3907−3912に記載されている。
【0074】
さらに、ATRP(原子移動ラジカル重合)および/またはRAFT(可逆的付加開裂連鎖移動)などの新規の重合法を用いて、アルキルエステルに由来する有用なポリマーを得ることもできる。これらの方法は周知である。ATRP反応法は、例えば、J−S.Wang,et.al.,J.Am.Chem.Soc.,Vol.117,pp.5614−5615(1995)、およびMatyjaszewski,Macromolecules,Vol.28,pp.7901−7910(1995)に記載されている。さらに、開示を目的として明示的に参照される、国際特許出願公開第96/30421号、第97/47661号、第97/18247号、第98/40415号および第99/10387号には、上で説明したATRPの変形例が開示されている。RAFT法は、例えば、開示を目的として明示的に参照される国際特許出願公開第98/01478号に明示されている。
【0075】
重合は常圧、減圧または高圧で実施することができる。重合温度もまたきわめて重要というわけではない。しかし、重合温度は、一般的には−20〜200℃、好ましくは0〜130℃、特に好ましくは60〜120℃の範囲であるが、これによるいかなる限定も意図されない。
【0076】
重合は溶媒を用いて実施することもできれば、用いずに実施することもできる。溶媒という用語は、ここでは広い意味で解釈されるものとする。
【0077】
好適な実施形態によれば、ポリマーは、APIグループIIまたはグループIIIの鉱油における重合によって得られる。これらの溶媒は上に開示されている。
【0078】
さらに、ポリアルファオレフィン(PAO)における重合によって得られるポリマーが好適である。より好ましくは、PAOは、200〜10000、より好ましくは500〜5000の範囲の数平均分子量を有する。この溶媒は上に開示されている。
【0079】
機能性流体は、流体の全質量に対して0.1〜50質量%、特に0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%の、アルキルエステルに由来する1つ以上のポリマーを含む場合がある。
【0080】
機能性流体において有用な別のクラスのポリマーには、ポリオレフィンがある。これらのポリオレフィンには、具体的にはポリオレフィンコポリマー(OCP)および水素化スチレン/ジエンコポリマー(HSD)が含まれる。本発明に基づき使用するポリオレフィンコポリマー(OCP)は、それ自体が知られている。これらのポリマーは、主として、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブチレン、および/または5〜20個の炭素原子を有するさらなるオレフィンから合成されるポリマーである。少量の酸素含有または窒素含有モノマー(例えば、0.05〜5質量%の無水マレイン酸)でグラフトした系を使用する場合もある。一般的に、ジエン成分を含有するコポリマーは、粘度指数向上剤の酸化感度および架橋傾向を低減するために水素化される。
【0081】
ポリオレフィンの分子量Mwは、一般的には10000〜300000、好ましくは50000〜150000である。このようなオレフィンコポリマーは、例えば、独国特許出願公開第1644941号、第1769834号、第1939037号、第1963039号および第2059981号に記載されている。
【0082】
エチレン/プロピレンコポリマーが特に有用であり、エチリデン−ノルボルネン(Macromolecular Reviews,Vol.10(1975)を参照)などの既知の三元成分を有するターポリマーも可能であるが、熟成プロセスにおける前記コポリマーの架橋傾向も考慮に入れなければならない。分布は実質的にランダムであるが、エチレンブロックを含む連続ポリマーを有利に使用することもできる。モノマーのエチレン/プロピレン比は、一定の限度内で変動し、上限としてエチレンは約75%に、プロピレンは約80%に設定することができる。ポリプロピレンは、油に溶解する傾向が少ないため、エチレン/プロピレンコポリマーよりも好適でない。アタクチックプロピレン含有量が多いポリマーに加えて、アイソタクチックまたはシンジオタクチックプロピレン含有量がより顕著なポリマーも使用される場合がある。
【0083】
このような製品は、例えば、Dutral(登録商標)CO 034、Dutral(登録商標)CO 038、Dutral(登録商標)CO 043、Dutral(登録商標)CO 058、Buna(登録商標)EPG 2050またはBuna(登録商標)EPG 5050という商標名で市販されている。
【0084】
水素化スチレン/ジエンコポリマー(HSD)も同様に既知であり、これらのポリマーは、例えば、独国特許第2156122号に記載されている。これらのポリマーは、一般的には、水素化イソプレン/スチレンまたはブタジエン/スチレンコポリマーである。ジエンとスチレンの比率は、好ましくは、2:1〜1:2、特に好ましくは約55:45の範囲である。分子量Mwは、一般的には10000〜300000、好ましくは50000〜150000である。本発明の特定の態様によれば、水素化後の二重結合の割合は、水素化前の二重結合の数に対して15%以下、特に好ましくは5%以下である。
【0085】
水素化スチレン/ジエンコポリマーは、SHELLVIS(登録商標)50、150、200、250または260とう商標名で市販されている。
【0086】
本発明の好適な態様によれば、該流体は、異なるモノマー組成物を有する少なくとも2つのポリマーを含む場合がある。好ましくは、該ポリマーの少なくとも1つが、ポリオレフィン、および/またはアルキルエステルに由来するポリマーである。
【0087】
好ましくは、該混合物のポリマーの少なくとも1つは、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、フマレートモノマーおよび/またはマレエートモノマーから選択されるモノマーに由来する単位を含む。これらのポリマーは上に記載されている。
【0088】
ポリオレフィンと、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、フマレートモノマーおよび/またはマレエートモノマーから選択されるモノマーに由来する単位を含むポリマーとの質量比は、1:10〜10:1、特に1:5〜5:1の範囲である場合がある。
【0089】
さらに、本発明は、機能性流体の品質を管理するための方法であって、
金属化合物を機能性流体の成分に添加するステップと、
該成分を基油と混合するステップと、
機能性流体中の金属化合物の濃度を測定するステップと、
金属化合物の予測濃度を実測濃度と比較するステップと
を含む方法も提供する。
【0090】
本発明において、品質管理は、金属化合物をトレーサとして使用することによって達成することができる。通常、機能性流体は、粘度指数向上剤、流動点降下剤、および洗剤−阻害剤パッケージまたは個別の洗剤−阻害剤成分などのような異なる添加剤を基油に添加することによって製造される。これらの添加剤により、基本流体を顧客のニーズに適応させることができる。しかし、上述の通り、添加剤は数多くの種類が存在するため、先行技術では、費用のかかる試験を実施することによって品質管理が実施されていた。これとは対照的に、本発明では、特定の添加剤中に存在する特定の金属化合物を測定することによって、品質管理が可能となる。
【0091】
好ましくは、少なくとも2つの異なる成分が、異なる金属化合物を含む基油に添加される。異なる金属化合物を機能性流体の異なる添加剤で使用することにより、機能性流体の全体的な品質の評価が可能となる。
【0092】
本発明の機能性流体は、粘度指数向上剤、酸化防止剤、摩耗防止剤、腐食防止剤、洗剤、分散剤、EP添加剤、脱泡剤、減摩剤、流動点降下剤、染料、臭気剤および/または抗乳化剤などの、当該技術分野で周知のさらなる添加剤も含む場合がある。これらの添加剤は従来の量で使用される。通常、機能性流体は、0〜50質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.2〜10質量%の添加剤を含有する。
【0093】
本発明の機能性流体は、良好な低温性能を有する。低温性能は、ASTM D4684に準ずるミニロータリー粘度計およびASTM D2983に準ずるブルックフィールド粘度計を含めた数多くの周知の方法によって評価することができる。
【0094】
本発明の機能性流体は、例えば、工業用途、自動車用途、鉱業用途、発電用途、海事用途および軍事用途に有用である。移動形機器用途には、建設車両、林業車両、配達車両および公営車両(廃棄物回収車、除雪車等)が含まれる。海事用途には船舶デッキクレーンが含まれる。
【0095】
本発明の機能性流体は、電気油圧式タービン制御システムなどの発電用油圧機器に有用である。
【0096】
さらに、本発明の機能性流体は、変圧器液または焼入油としても有用である。
【0097】
本発明を実施例および比較例を用いて以下により詳細に例示するが、本発明をこれらの実施例に限定することを意図しない。
【0098】
実施例1
金属イオン濃度の測定
ステアリン酸ニッケル粉末を100Nの油に60℃にて0.5質量%の濃度で3時間混合した。得られた溶液をポリアルキルメタクリレート系のPPDに種々の処理量で添加して、第1表に示すような各試料中のニッケルイオン濃度にした。次いで、試料の蛍光X線分析(XRF)を行って、金属イオンの濃度を測定した。測定した金属イオン濃度は、算出した入力濃度とよく一致している(第1表)。
【0099】
第1表 算出した入力ニッケル濃度と実測値との比較
【表2】

【0100】
実施例2
トレースを行った機能性流体の性能
有機金属トレーサが含まれても、流動点降下剤などの添加剤の性能に有害な影響を及ぼすことはない。5W−30エンジンオイル調合物において、MRP/TP−1粘度、走査ブルックフィールド粘度およびゲル指数などの低温特性は、ニッケル系トレーサが含まれていても同じ範囲のままである。低温特性の結果を第2表に示す。
【0101】
第2表 SAE 5W−30調合物にステアリン酸ニッケルを用いた場合の性能比較
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能性流体の品質を管理するための金属化合物の使用。
【請求項2】
機能性流体が少なくとも1つのポリマーを含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
機能性流体が潤滑剤または作動液である、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
金属化合物が、ビスマス(Bi)、セシウム(Cs)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)および/またはジルコニウム(Zr)を含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
金属化合物が、式:
【化1】

[式中、Mは金属原子であり、Rは、8〜30個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは0〜4の整数であり、mは0〜4の整数であり、n+mは少なくとも1である]
の化合物である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
金属化合物が10〜500ppmの量で使用される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
機能性流体が、0.00001質量%〜0.01質量%の1つ以上の金属化合物を含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
少なくとも2つの異なる金属化合物が機能性流体の成分に添加される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
ポリマーが、5000〜1000000g/molの範囲の質量平均分子量を有する、請求項2から8までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
ポリマーが粘度指数向上剤および/または流動点降下剤である、請求項2から9までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
ポリマーが、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、フマレートモノマーおよび/またはマレエートモノマーから選択されるモノマーに由来する単位を含む、請求項2から10までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
ポリマーがポリアルキルメタクリレートポリマーである、請求項2から11までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
流体が、
a)エチレン不飽和モノマーの全質量に対して0〜100質量%の、式(II)
【化2】

[式中、R1は水素またはメチルであり、R2は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル残基を意味し、R3およびR4は独立して水素、または式−COOR’[式中、R’は水素、または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する]の基を表す]
の1つ以上のエチレン不飽和エステル化合物と、
b)エチレン不飽和モノマーの全質量に対して0〜100質量%の、式(III)
【化3】

[式中、R1は水素またはメチルであり、R5は、7〜40個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル残基を意味し、R6およびR7は独立して水素、または式−COOR"[式中、R"は水素、または7〜40個の炭素原子を有するアルキル基を意味する]の基である]
の1つ以上のエチレン不飽和エステル化合物と、
c)エチレン不飽和モノマーの全質量に対して0〜50質量%のコモノマーと
からなるオレフィン不飽和モノマーの混合物を重合することにより得られるポリマーを含む、請求項1から13までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
ポリマーが、分散剤モノマーを含む混合物を重合することにより得られる、請求項2から13までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
ポリマーが、芳香族基を含有するビニルモノマーを含む混合物を重合することにより得られる、請求項2から14までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
ポリマーが、10000〜500000g/mol、特に25000g/mol〜250000g/molの範囲の分子量を有する、請求項2から15までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項17】
流体が0.1〜50質量%のポリマーを含む、請求項1から16までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項18】
流体が、異なるモノマー組成を有する少なくとも2つのポリマーを含む、請求項1から17までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項19】
機能性流体の品質を管理するための方法であって、
金属化合物を機能性流体の成分に添加するステップと、
該成分を基油と混合するステップと、
機能性流体中の金属化合物の濃度を測定するステップと、
金属化合物の予測濃度を実測濃度と比較するステップと
を含む方法。
【請求項20】
少なくとも2つの異なる成分が、異なる金属化合物を含む前記基油に添加される、請求項19に記載の方法。

【公表番号】特表2010−509473(P2010−509473A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536680(P2009−536680)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058169
【国際公開番号】WO2008/058774
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(399020957)エボニック ローマックス アディティヴス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (38)
【氏名又は名称原語表記】Evonik RohMax Additives GmbH
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee, D−64293 Darmstadt, Germany
【Fターム(参考)】