説明

機能拡張用SDメモリカード

【課題】 機能拡張用SDメモリカードを提供する。
【解決手段】 ホスト機器に装着されてホスト機器で生成されたデータを保存するフラッシュメモリと、フラッシュメモリに対するアクセスインターフェースを制御するコントローラとよりなるSDメモリカードにおいて、コントローラの無線インターフェース制御によって、非接触ICカード機能と非接触ICカードリーダ機能とを行うRF回路部と、RF回路部に接続されて送受信アンテナ機能を行うアンテナ部と、コントローラの有線インターフェース制御によって、接触ICカードリーダ機能を行う接触ICカードアダプタ部と、より構成される機能拡張用SDメモリカードである。これにより、有無線インターフェース機能を搭載してSDメモリカードの機能を拡張しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能拡張用SD(Secure Digital)メモリカードに関わり、さらに詳細には、サイズが小さく、保存及び判読速度が速く、かつ容量が大きいという長所に基づいて、交通カード、出入統制など、多様な応用分野に活用可能に非接触IC(Integrated Circuit)カードの機能と非接触/接触ICカードリーダの機能とを搭載した機能拡張用SDメモリカードに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触ICカードは、アナログ信号処理のためのRF(Radio Frequency)モジュール、非接触プロトコル及びデジタルインターフェース信号を処理する信号処理モジュール、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)及びメモリ(RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory))より構成される。
【0003】
非接触ICカードは、カードリーダ機との動作距離によって、密着型とリモート型とに分けられ、リモート型は、さらに、近接型、近傍型、マイクロ波(RF)型に分けられる。
【0004】
密着型(CICC:Contactless(Closedcoupling) IC Card)は、ISO−10536で標準化された。近接型(PICC:Proximity IC Card)は、ISO/IEC−14443で、近傍型(VICC:Vicinity IC Card)は、ISO/IEC−15693で標準化された。CICCは、静電結合によって電源を得、リモート型は、電子誘導によって電源を得る。
【0005】
非接触ICカードは、カードリーダ機に挿し込む必要がなく、正確なカード位置合わせが必要ないため、設計及び製作が容易であり、端末機を堅固かつ低コストで製作できて、維持保守コストが節減される。また、非接触ICカード自体に機械的な接触面がないため、静電気、化学的損傷、湿気、汚染、ホコリ、または摩擦に強いため、長期的に非接触ICカードを使用することが可能である。そして、非接触ICカードに直接的な接続が不可能であるため、内容解釈が困難で偽造が難しいという長所がある。
【0006】
非接触ICカードの応用分野としては、電子貨幣、交通カード、出入統制及び小額流通などであって、適用システムによって多様な分野、すなわち、携帯電話、物流システム、車両統制、家畜認識標に具現されて使われている。
【0007】
非接触/接触カードリーダ機において、非接触ICカードリーダ機は、非接触ICカードの物理的特性とプロトコル(無線周波数電源及び信号接続、初期化と衝突防止)とを支援し、非接触ICカードとの無線通信によって情報交換を行う。
【0008】
非接触カードリーダ機は、非接触ICカードとシステムとの単純な通信のための単純型端末機と、システムと連係せずに自体的にアプリケーションを行う複合型とに区分される。
【0009】
単純型端末機の非接触(RF)端末は、ISO/IEC14443 Type A,Bとも満足できる端末機が要求され、Type A,B互換モジュール、制御用CPU、プログラム及びデータを保存するメモリ、ユーザ用キーボード及びディスプレイ、外部との通信のための通信ポートのようなハードウェアモジュール及びアプリケーションによる支援、プログラムダウンロード及び衝突防止機能を提供する。
【0010】
複合型端末機は、EFT−POS用、Pay TV用、CD−ATM用及び携帯端末機があり、通常、接触ICカードと有線通信でアプリケーションを提供する。
【0011】
接触ICカードを使用するための接触ICカードリーダ機は、ISO/IEC 7816プロトコルを満足し、非接触ICカードリーダ機の無線通信以外の機能は類似している。
【0012】
SDメモリカードは、松下、SunDisk及び東芝が共同に合作して2000年に発表した一種の新規小型SDメモリカードの標準であって、色々なフラッシュメモリと一つのマイクロプロセッサーチップとがシリコン半導体技術で構成されたものである。SDメモリカードは、サイズが小さく、重量が軽く、保存及び判読速度が速く、かつ容量が大きいという長所があり、コンピュータ周辺機器、携帯用情報端末機(PDA:Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、デジタルウォークマンのような製品に広範囲に応用されている。
【0013】
しかし、従来のSDメモリカードは、フラッシュメモリと一つのマイクロプロセッサーチップとよりなり、前述した非接触ICカード機能及び非接触/接触ICカードリーダ機能を行う有無線インターフェース及び制御機能が搭載されていないという短所がある。また、従来のSDメモリカードに有無線インターフェース機能を搭載しようとすれば、非接触ICカード及び非接触/接触ICカードリーダ制御用コントローラチップとSDメモリカードインターフェース制御用コントローラチップとが3個または4個より構成され、それぞれのマイクロプロセッサーによって制御する必要があるところ、部品の実装面で不利であるという短所がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、機能拡張用SDメモリカードに関わり、SDメモリカードに非接触ICカード(ISO14443 Type A,B)機能、非接触ICカードリーダ(Type A,B)機能及び接触ICカードリーダ機能を搭載して、非接触ICカード機能及びカードリーダ機能を統合して提供することである。そして、非接触ICカード及び非接触/接触ICカードリーダ制御、SDメモリカードインターフェース制御、メモリアクセス制御を1個のマイクロプロセッサーで制御するように構成されたコントローラを提供することである。
【0015】
また、フラッシュメモリに保存されたファイルに対するアクセスを制限する接近制御、暗復号及び認証の保安メカニズムを支援するSDメモリカードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による一実施形態であって、機能拡張用SDメモリカードは、ホスト機器に装着されて、前記ホスト機器で生成されたデータを保存するフラッシュメモリと、前記フラッシュメモリに対するアクセスインターフェースを制御するコントローラとよりなるSDメモリカードにおいて、前記コントローラの無線インターフェース制御によって、非接触ICカード機能と非接触ICカードリーダ機能とを行うRF回路部と、前記RF回路部に接続されて送受信アンテナ機能を行うアンテナ部と、前記コントローラの有線インターフェース制御によって、接触ICカードリーダ機能を行う接触ICカードアダプタ部とを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明による他の一実施形態であって、機能拡張用SDメモリカードは、ホスト機器に装着されて、前記ホスト機器で生成されたデータを保存するフラッシュメモリと、前記フラッシュメモリに対するアクセスインターフェースを制御するコントローラとよりなるSDメモリカードにおいて、前記コントローラの無線インターフェース制御によって、非接触ICカード機能と非接触ICカードリーダ機能とを行うRF回路部と、前記RF回路部に接続されて、送受信アンテナ機能を行う第1アンテナ部と、前記RF回路部に接続されて、リーダ送受信アンテナ機能を行う外部形成の第2アンテナ部に連結されるアンテナコネクタ部とを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明によるさらに他の一実施形態であって、機能拡張用SDメモリカードは、ホスト機器に装着されて、前記ホスト機器で生成されたデータを保存するフラッシュメモリと、前記フラッシュメモリに対するアクセスインターフェースを制御する第1コントローラとよりなるSDメモリカードにおいて、前記第1コントローラの有線インターフェース制御によって接触ICカードリーダ機能を行う接触ICカードアダプタ部と、非接触ICカード及び非接触ICカードリーダ機能を行い、外部に形成されている拡張モジュールに連結されるコネクタ部とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は機能拡張用SDメモリカードに関わり、次のような効果がある。
【0020】
第一に、SDメモリカードにおいて、有無線インターフェース機能が搭載されているため、情報処理装置に付加して機能拡張に利用できる。
【0021】
第二に、SDメモリカードとしての便利性と共に、暗号モジュールの提供で、暗復号と認証機能とを利用したSDメモリカード自体でさらに容易に情報を保護できる。
【0022】
第三に、従来の非接触ICカードと非接触/接触ICカードリーダの機能とを統合して搭載することによって、交通カード、出入統制などの非接触ICカードアプリケーションに使用できる。
【0023】
第四に、非接触ICカードリーダ及び接触ICカードリーダとして共に使用できて、生産コストを節減でき、カードリーダ移動の便利性と簡便な操作機能とを提供できる。
【0024】
第五に、多機能コントローラの内蔵により、情報処理及び保存メモリまたは非接触ICカード及び非接触/接触ICカードリーダ機能の多様なアプリケーションを受容できることにより、アプリケーションプラットホームとして活用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照して、本発明による機能拡張用SDメモリカードを詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態である機能拡張用SDメモリカードのブロック図である。SDメモリカード100は、有無線インターフェース機能が搭載されるものであって、有無線通信方法は、非接触ICカード及び非接触/接触ICカードリーダの通信プロトコルが使われる。
【0027】
図1を参照すれば、SDメモリカード100は、アンテナ部110、RF回路部120、コントローラ130、フラッシュメモリ140及び接触ICカードアダプタ部150を含んで構成される。
【0028】
RF回路部120は、非接触ICカード機能及び非接触ICカードリーダ機能の実行のための無線接続モジュールであって、コントローラ130に接続される。
【0029】
アンテナ部110は、RF回路部120に接続され、RF回路部120の機能を行わせるための信号送受信アンテナより構成される。
【0030】
コントローラ130は、SDカードインターフェース部131、メモリインターフェース部132、マイクロプロセッサー(uP(RISC))133、暗号モジュール134、RAM 135、ROM 136、周辺モジュール137及びリンクインターフェース部138より構成される。
【0031】
SDカードインターフェース131は、SDメモリカードが装着されるホスト機器(具体的に、例えば、ノート型パソコン、PDA、携帯電話、SDメモリカードアダプタ内蔵機器など)との連結のために、信号ピンDAT0〜3,GND,VDD,CLKと接続される。
【0032】
メモリインターフェース部132は、フラッシュメモリ140との連結のために接続される。
【0033】
暗号モジュール134は、メモリに保存されるデータ保護のための暗符号及び認証などの保安機能を行うために必要な暗号アルゴリズム機能を行う。
【0034】
RAM 135は、プログラム実行で使われるワークバッファメモリ機能を行う。
【0035】
ROM 136は、非接触ICカード及び非接触/接触ICカードリーダプロトコル制御プログラム、SDカードインターフェース部制御プログラム、暗号モジュール制御プログラムのような実行プログラムを保存する。
【0036】
周辺モジュール137は、タイマー、ランダム数生成器であって、マイクロプロセッサー133の機能の実行及び拡張のために使われる。
【0037】
リンクインターフェース部138は、RF回路部120及び接触ICカードアダプタ部150をコントローラ130と接続させる。
【0038】
そして、マイクロプロセッサー133は、ROM 136に保存された実行プログラムを実行し、非接触ICカード及び非接触/接触ICカードリーダより上位のプロトコルを制御すると同時に、SDカードインターフェース部131の制御、フラッシュメモリ140に対するメモリアクセス制御を行う。また、コントローラ130内のそれぞれの構成要素に対する制御と共に、リンクインターフェース部138を通じてRF回路部120及び接触ICカードアダプタ部150の制御を行う。
【0039】
フラッシュメモリ140は、SDメモリカード用のフラッシュROM(FlashROM:FROM)またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)であり、システム領域、プロジェクト領域、一般ユーザ領域を含んで構成されている。
【0040】
接触ICカードアダプタ部150は、接触ICカードを使用するための有線の物理的の接点を提供する有線接続モジュールであって、コントローラ130に接続される。
【0041】
図2は、図1に示されたRF回路部120をさらに詳細に示すブロック図である。
【0042】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態によって、RF回路部120は、非接触ICカードを行うカードモジュール200と、非接触ICカードリーダ機能を行うリーダモジュール220とより構成される。カードモジュール200については、図3で詳細に説明し、リーダモジュール220については、図4で詳細に説明する。
【0043】
図3は、図2に示されたカードモジュール200のブロック図である。
【0044】
図3を参照して、カードモジュール200の構成を説明すれば、アンテナ部110を通じて外部装置から入力される入力信号を増幅する増幅器300、増幅器300の出力を入力としてカードクロックを生成するクロック生成器310、増幅器300の出力を入力としてカード入力データを抽出する第1カード復調器(ISO/IEC 14443 Type A機能実行)320及び第2カード復調器ISO/IEC 14443 Type B機能実行)330より構成される。
【0045】
また、カードモジュール200は、コントローラ130から入力されるカード伝送データを変調して、外部装置に出力するための出力信号に変換する第1カード変調器(ISO/IEC 14443 Type A機能実行)350及び第2カード変調器(ISO/IEC 14443 Type B機能実行)360より構成されている。
【0046】
図3で、第1カード復調器320と第2カード復調器330とより構成し、かつ第1カード変調器350と第2カード変調器360とより構成したのは、ISO/IEC 14443 Type A,Bとも満足できる非接触ICカードが内蔵されたSDメモリカードを構成するためである。
【0047】
図4は、図2に示されたリーダモジュール220のブロック図である。
【0048】
図4を参照すれば、リーダモジュール220は、リーダクロックを生成させるオシレータ400、リーダ伝送データをリーダ出力信号に変換して送信する送信部420、リーダ入力信号を受信してリーダ受信データに変換する受信部440より構成される。
【0049】
送信部420は、コントローラ130から入力されるリーダ伝送データを変調する第1リーダ変調器(ISO/IEC 14443 Type A機能実行)422及び第2リーダ変調器(ISO/IEC 14443 Type B機能実行)424、第1リーダ変調器422と第2リーダ変調器424とから出力されるリーダ変調信号を出力信号に変換して外部装置に出力するための出力回路426より構成される。
【0050】
そして、受信部440は、アンテナ部110を通じて外部装置から入力される入力信号について、一定帯域の信号のみをフィルタリングして出力する帯域通過フィルタ442、前記帯域通過フィルタ442から出力される帯域信号を増幅する増幅器444、前記増幅器444を通過した増幅信号を復調して生成されたリーダ受信データをコントローラ130に出力する第1リーダ復調器(ISO/IEC 14443 Type A 機能実行)446及び第2リーダ復調器(ISO/IEC 14443 Type B機能実行)448より構成される。
【0051】
図4で、第1リーダ変調器422と第2リーダ変調器424とより構成し、かつ第1リーダ復調器446と第2リーダ復調器448とより構成したのは、ISO/IEC 14443 Type A,Bとも満足できる非接触ICカードリーダ機能を有するSDメモリカードを構成するためである。
【0052】
図5は、図1に示されたアンテナ部110をさらに詳細に示すブロック図である。
【0053】
図5を参照すれば、本発明の一実施形態によって、アンテナ110は、非接触ICカード及び非接触ICカードリーダ機能を支援するためにそれぞれ第1アンテナ500と第2アンテナ520とより構成される。
【0054】
図5で、第1アンテナ500と第2アンテナ520とより構成したのは、ISO/IEC 14443 Type A,Bとも満足できる非接触ICカード機能と非接触ICカードリーダ機能とを有するSDメモリカードを構成するためである。
【0055】
図6は、本発明の他の一実施形態である機能拡張用SDメモリカードのブロック図である。
【0056】
図6を参照すれば、図1のアンテナ部110と違って、図6でのアンテナ部は、SDメモリカード100の内部に装着されている第1アンテナ部160及びSDメモリカード100のアンテナコネクタ部170を通じてRF回路部120と連結され、外部に設置されている第2アンテナ部600より構成されている。
【0057】
図6で、他の構成部分については、図1と同じ参照番号を付与し、未説明の部分については、図1ないし図5を参照する。
【0058】
このような本発明の他の一実施形態では、外部の第2アンテナ部600をアンテナコネクタ部170を通じてRF回路部120と連結するものとして、図1(図5を参照)のように、二つのアンテナがSDメモリカード100の内部に装着されている場合よりも無線通信能力を拡大させうる。
【0059】
また、ある程度離隔されている機器との無線通信を行う場合は、SDメモリカード100の内部に装着して使用する場合より、電波の送受信効率が向上し、必要な距離を確保できるという長所がある。
【0060】
しかし、このようにSDメモリカード100の外部に第2アンテナ部600を設置する構成は、外部突出形態の構成によって取り扱いが不便でありうるので、図6のSDメモリカード100を装着するホスト機器が非接触カードリーダ機能が不要な場合には、モジュール状に構成された第2アンテナ部600を分離して使用できる。
【0061】
図7は、本発明のさらに他の一実施形態である機能拡張用SDメモリカードのブロック図である。
【0062】
図7を参照すれば、SDメモリカード700と非接触ICカード及び非接触カードリーダ機能拡張モジュール750が2個に分離されて構成される。
【0063】
SDメモリカード700は、通常のSDメモリカードとして動作するものであって、第1コントローラ730、フラッシュメモリ720、接触ICカードアダプタ部710及び非接触ICカード及び非接触ICカードリーダ機能拡張モジュール750との連結のためのコネクタ部740より構成されている。
【0064】
フラッシュメモリ720は、SDメモリカード用のFROMまたはEEPROMであり、システム領域、プロジェクト領域、一般ユーザ領域を含んで構成されている。
【0065】
接触ICカードアダプタ部700は、接触ICカードを使用するための有線の物理的な接点を提供する有線接続モジュールであって、第1コントローラ730に接続される。
【0066】
第1コントローラ730は、SDカードインターフェース部731、メモリインターフェース部732、マイクロプロセッサー(uP(RISC))733、RAM 735、ROM 736、リンクインターフェース部738及び非接触ICカード/リーダインターフェース部739より構成される。
【0067】
SDカードインターフェース部731は、SDメモリカードが装着されるホスト機器との連結のために、信号ピンDAT0〜3,GND,VDD,CLKと接続される。
【0068】
メモリインターフェース部732は、フラッシュメモリ720との連結のために接続される。
【0069】
RAM 735は、プログラム実行で使用するワークバッファメモリ機能を行う。
【0070】
ROM 736は、非接触ICカード及び非接触/接触ICカードリーダプロトコルの制御プログラム、SDカードインターフェース部731の制御プログラムなどの実行プログラムを保存する。
【0071】
リンクインターフェース部738は、接触ICカードアダプタ部710を第1コントローラ730と接続させる。
【0072】
そして、マイクロプロセッサー733は、ROM 736に保存された実行プログラムを実行し、非接触ICカード及び非接触/接触ICカードリーダより上位のプロトコルを制御すると同時に、SDカードインターフェース部731の制御、フラッシュメモリ720に対するメモリアクセスの制御を行う。また、第1コントローラ730内のそれぞれの構成要素に対する制御と共に、リンクインターフェース部738を通じて接触ICカードアダプタ部710の制御を行う。
【0073】
また、第1コントローラ730は、非接触ICカード/リーダインターフェース部739が備えられており、暗号モジュールと周辺モジュールとが構成されていないという点以外には、図1において、コントローラ130と対応する各部分と同じ機能を有している。
【0074】
非接触ICカード/リーダインターフェース部739は、コネクタ部740を通じて非接触ICカード及び非接触ICカードのリーダ機能拡張モジュール750と接続するためのインターフェースである。
【0075】
一方、非接触ICカード及び非接触ICカードのリーダ機能拡張モジュール750は、アンテナ部760、RF回路部770及び第2コントローラ780より構成される。
【0076】
RF回路部770は、非接触ICカード及び非接触ICカードのリーダ機能実行のための無線接続モジュールであって、第2コントローラ780に接続される。
【0077】
アンテナ部760は、RF回路部770に接続され、RF回路部770の機能を行わせるための信号送受信アンテナより構成される。
【0078】
第2コントローラ780は、非接触ICカード及び非接触ICカードのリーダ制御を行うものであって、非接触ICカード/リーダインターフェース部781、マイクロプロセッサー782、暗号モジュール784、RAM 785、ROM 786、周辺モジュール787より構成される。
【0079】
暗号モジュール784は、メモリに保存されるデータ保護のための暗復号及び認証などの保安機能を行うために必要な暗号アルゴリズム機能を行う。
【0080】
周辺モジュール787は、タイマー、ランダム数生成器であって、マイクロプロセッサー783の機能実行及び拡張のために使われる。
【0081】
ここで、非接触ICカード/リーダインターフェース部781は、コネクタ部740を通じてSDメモリカード700と接続するためのインターフェースである。
【0082】
また、第2コントローラ780は、RF回路部770と接続される。ここで、第2コントローラ780は、非接触ICカード/リーダインターフェース部機能とフラッシュメモリインターフェース機能とが設けられていないこと以外には、図7で、第1コントローラ730の各部分と対応する部分については、同じ機能を有するものとして、詳細な説明を省略する。
【0083】
図7のように、一般的にSDメモリカード700をSDメモリカード装置として使用でき、非接触ICカード及び非接触ICカードリーダ機能を行う第2コントローラ780、RF回路部770、アンテナ760を内蔵した非接触ICカード及び非接触ICカードリーダ機能拡張モジュール750を接続するものであって、通信インターフェース機能を拡張できる。
【0084】
それにより、SDメモリカード700内への部品実装が容易になると同時に、必要に応じて任意的に非接触ICカード及び非接触ICカードのリーダ機能拡張モジュール750を接続するものであって、無線インターフェース機能を付加して使用できる。
【0085】
図1、図6及び図7で、前述した本発明の一実施形態において、有無線インターフェース機能によって接続されるホスト機器の設定方法について説明すれば、次の通りである。
【0086】
非接触ICカード及び非接触/接触ICカードリーダの有無線通信方式では、通信可能な範囲内にある機器のうち、特定の機器と通信したい場合が多い。このような場合、接続する相対機器を特定する情報が必要である。例えば、自分自身のピンコードと特定機器のピンコードとを設定情報としてあらかじめ登録しておくことであって、この登録される設定情報に基づいて、特定の機器と通信することが可能である。このような設定情報をフラッシュメモリの保護メモリ領域にあらかじめ保存しておく。
【0087】
図1を参照すれば、図1に示されたSDメモリカード100の場合に、フラッシュメモリ140の保護メモリ領域に記録される設定情報は、有無線インターフェース制御とメモリインターフェース制御とを実行可能なコントローラ130によって判読可能になる。このような特定の機器と通信させる設定情報を通じて、特定の相対機器と通信が可能になる。
【0088】
SDメモリカード100を装着したホスト機器としては、SDメモリカード100の認証手段によって公開する情報を有する特定のホスト機器のみをアクセスできる。このようなアクセス制御は、SDメモリカード100に対応するホスト機器に設置された認証手段を通じた保護技術を実現するためのものであって、データの読取り/書込みを行う時、ホスト機器とSDメモリカード100とに共通に有する公開キー情報に基づいた暗号化を通じてデータを交換するものであり、複製を行わせないためのものである。
【0089】
したがって、前述したように、SDメモリカード100を任意のホスト機器に設置することにより、前記ホスト機器によってあらかじめ設定される接続相手と通信可能にし、接続相手の変更や設定情報の読取り機能は、特定のホスト機器にSDメモリカードを設置した場合にのみ可能になる。
【0090】
以上、図面及び明細書で最適の実施形態が開示された。ここで、特定の用語が使われたが、これは、単に本発明を説明するための目的から使われたものであり、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使われたものではない。したがって、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であることが分かる。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の非接触ICカードの機能と非接触/接触ICカードリーダの機能とを搭載した機能拡張用SDメモリカードは、例えば、交通カード、出入統制など多様な応用分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一実施形態である機能拡張用SDメモリカードのブロック図である。
【図2】図1に示されたRF回路部をさらに詳細に示すブロック図である。
【図3】図2に示されたカードモジュールのブロック図である。
【図4】図2に示されたリーダモジュールのブロック図である。
【図5】図1に示されたアンテナ部をさらに詳細に示すブロック図である。
【図6】本発明の他の一実施形態である機能拡張用SDメモリカードのブロック図である。
【図7】本発明のさらに他の一実施形態である機能拡張用SDメモリカードのブロック図である。
【符号の説明】
【0093】
100 SDメモリカード
110 アンテナ部
120 RF回路部
130 コントローラ
131 SDカードインターフェース部
132 メモリインターフェース部
133 マイクロプロセッサ
134 暗号モジュール
135 RAM
136 ROM
137 周辺モジュール
138 リンクインターフェース部
140 フラッシュメモリ
150 接触ICカードアダプタ部
DAT0〜3,GND,VDD,CLK 信号ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト機器に装着されて、前記ホスト機器で生成されたデータを保存するフラッシュメモリと、前記フラッシュメモリに対するアクセスインターフェースを制御するコントローラとよりなるSDメモリカードにおいて、
前記コントローラの無線インターフェース制御によって、非接触ICカード機能と非接触ICカードリーダ機能とを行うRF回路部と、
前記RF回路部に接続されて、送受信アンテナ機能を行うアンテナ部と、
前記コントローラの有線インターフェース制御によって、接触ICカードリーダ機能を行う接触ICカードアダプタ部と、を含むことを特徴とする機能拡張用SDメモリカード。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記ホスト機器とインターフェースとを提供するSDカードインターフェース部と、
前記フラッシュメモリとインターフェースとを提供するメモリインターフェース部と、
前記RF回路部及び前記接触ICカードアダプタ部とインターフェースとを提供するリンクインターフェース部と、
非接触ICカード機能と非接触/接触ICカードリーダ機能とを制御するプログラムと前記それぞれのインターフェース部を制御するプログラムとが保存されているROMと、
前記ROMに保存されたプログラムを実行して、前記非接触ICカード機能と非接触/接触ICカードリーダ機能とを制御し、前記それぞれのインターフェース部を制御するマイクロプロセッサーと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記フラッシュメモリに保存されるデータを保護する暗号アルゴリズム機能を行う暗号モジュールをさらに含むが、
前記ROMは、前記暗号モジュールを制御するプログラムをさらに保存して、前記マイクロプロセッサーによって前記暗号アルゴリズム機能が実行されることを特徴とする請求項2に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項4】
前記フラッシュメモリは、前記ホスト機器が特定の機器についてのみ通信を可能にする設定情報を保存し、
前記コントローラは、前記設定情報を通じて前記特定の機器についてのみ認証がなされるように制御することを特徴とする請求項3に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項5】
前記RF回路部は、
前記非接触ICカード機能をそれぞれ提供するカードモジュールと、
前記非接触ICカードリーダ機能を提供するリーダモジュールと、よりなることを特徴とする請求項1に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項6】
前記カードモジュールは、
前記アンテナ部を通じて外部機器から入力される入力信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器の出力を入力として、カードクロックを生成するクロック生成器と、
前記増幅器の出力を入力として、前記コントローラに入力されるカード入力データを抽出するカード復調器と、
前記コントローラから伝送されるカード伝送データを変調して生成された出力信号を外部機器に出力するカード変調器と、より構成されることを特徴とする請求項5に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項7】
前記カード復調器は、第1カード復調器と第2カード復調器とよりなり、
前記カード変調器は、第1カード変調器と第2カード変調器とよりなることを特徴とする請求項6に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項8】
前記リーダモジュールは、
リーダクロックを生成するオシレータと、
前記コントローラを通じて入力されるリーダ伝送データを出力信号に変換して、外部機器に送信する送信部と、
前記アンテナ部を通じて入力される入力信号を受信して、リーダ受信データに変換する受信部と、より構成されることを特徴とする請求項5に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項9】
前記送信部は、
前記コントローラから入力されるリーダ伝送データを変調するリーダ変調器と、
前記リーダ変調器から出力されるリーダ変調信号を出力信号に変換して、前記外部機器に出力する出力回路と、よりなることを特徴とする請求項8に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項10】
前記リーダ変調器は、
第1リーダ変調器と第2リーダ変調器とよりなることを特徴とする請求項9に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項11】
前記受信部は、
前記アンテナ部を通じて外部機器から入力される入力信号について、一定帯域の信号のみをフィルタリングして出力する帯域通過フィルタと、
前記帯域通過フィルタから出力される帯域信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器を通過した増幅信号を復調して生成されたリーダ受信データを前記コントローラに出力するリーダ復調器と、よりなることを特徴とする請求項8に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項12】
前記リーダ復調器は、
第1リーダ復調器と第2リーダ復調器とよりなることを特徴とする請求項11に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項13】
前記アンテナ部は、
前記SDメモリカードに内蔵されている第1アンテナと第2アンテナとより構成されることを特徴とする請求項1に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項14】
前記アンテナ部は、
前記SDメモリカードに内蔵されている第1アンテナと前記SDメモリカードの外部に設置される第2アンテナとより構成されるが、
前記第2アンテナは、前記RF回路部とアンテナコネクタ部とを通じて連結されることを特徴とする請求項1に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項15】
ホスト機器に装着されて、前記ホスト機器で生成されたデータを保存するフラッシュメモリと、前記フラッシュメモリに対するアクセスインターフェースを制御するコントローラとよりなるSDメモリカードにおいて、
前記コントローラの無線インターフェース制御によって、非接触ICカード機能と非接触ICカードリーダ機能とを行うRF回路部と、
前記RF回路部に接続されて送受信アンテナ機能を行う第1アンテナ部と、
前記RF回路部に接続されてリーダ送受信アンテナ機能を行う外部形成の第2アンテナ部に連結されるアンテナコネクタ部と、を含むことを特徴とする機能拡張用SDメモリカード。
【請求項16】
ホスト機器に装着されて、前記ホスト機器で生成されたデータを保存するフラッシュメモリと、前記フラッシュメモリに対するアクセスインターフェースを制御する第1コントローラとよりなるSDメモリカードにおいて、
前記第1コントローラの有線インターフェース制御によって、接触ICカードリーダ機能を行う接触ICカードアダプタ部と、
非接触ICカード及び非接触ICカードリーダ機能を行い、外部に形成されている拡張モジュールに連結されるコネクタ部と、を含むことを特徴とする機能拡張用SDメモリカード。
【請求項17】
前記非接触ICカード及び非接触ICカードリーダ機能を行う拡張モジュールは、
前記非接触ICカード機能と非接触ICカードリーダ機能とを行うRF回路部と、前記RF回路部に接続されて送受信アンテナ機能を行うアンテナ部と、無線インターフェースを制御して前記RF回路部に非接触ICカード及び非接触ICカードリーダ機能を行う第2コントローラと、より構成されることを特徴とする請求項16に記載の機能拡張用SDメモリカード。
【請求項18】
前記第1コントローラと前記第2コントローラとには、それぞれ非接触ICカード/リーダインターフェース部をさらに含んで相互インターフェースを行うことを特徴とする請求項17に記載の機能拡張用SDメモリカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−134291(P2006−134291A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−181921(P2005−181921)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウォークマン
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】