説明

欠陥検出方法および欠陥検出装置

【課題】スジなどの表示欠陥を精度良く検出できる欠陥検出方法を提供すること。
【課題手段】スジ欠陥検出方法は、撮像画像に対してスジ成分強調フィルタ630を適用するスジ成分強調処理工程と、スジ成分強調処理工程で得られたスジ成分強調値に基づいてスジ欠陥を検出するスジ欠陥検出処理工程とを有する。スジ成分強調処理工程は、略円状に配置された複数の比較画素のうち、対象画素Oを挟んで点対称位置に配置された各比較画素と対象画素とで各比較画素を結ぶ方向のスジ成分を強調するスジ成分強調画素を複数組設定し、スジ成分強調方向に平行にかつ各スジ成分強調画素の比較画素および対象画素に関して点対称位置に配置された画素を各スジ成分強調方向の比較画素に設定する画素設定工程と、各スジ成分強調画素の輝度値と比較画素の輝度値に基づいて対象画素の強調値を求める強調値算出工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル等の表示デバイスやその応用製品であるプロジェクタ等の製造における検査工程等の各種製品の検査工程において、スジ状欠陥を精度よく自動的に検出するスジ状欠陥検出方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
TFTパネル検査におけるスジ状欠陥(線状欠陥)の検出方法として、線検出オペレータを用いたもの(例えば、非特許文献1参照)や、微小領域内で8方向に線状領域を設定して、その線状領域の画素輝度情報を加算して、その最大値からスジ状欠陥を検出する方法(例えば、特許文献1参照)がある。
また、様々な角度方向のスジ状欠陥を検出するために、様々な角度の空間フィルタを計算して作成する方法もある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【非特許文献1】「画像解析ハンドブック」、高木幹雄、下田陽久、東京大学出版会、(1991)、p564〜567
【特許文献1】特開平10−19801号公報
【特許文献2】特開2004−272546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1や特許文献1の検出方法は、背景と比較して明るいスジ状欠陥は検出することができるが、背景と比較して暗いスジ状欠陥は検出できないという問題があった。また、スジ状欠陥を検出できる方向が限定されているため、それ以上の精度でスジ状欠陥を検出することができないという問題もあった。
【0005】
一方、特許文献2の検出方法では、様々な角度のスジ状欠陥を検出できるという利点がある一方で、各角度用の空間フィルタを計算によって作成しているため、その計算処理に時間がかかり、欠陥検出処理の時間も長くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、様々な角度のスジ状欠陥を高精度に検出することができ、かつ、欠陥検出処理の時間も短くできるスジ状欠陥検出方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の欠陥検出方法は、撮像した画像に対してスジ成分強調フィルタを適用してスジ成分を強調するスジ成分強調処理工程と、前記スジ成分強調処理工程で得られたスジ成分強調値に基づいてスジ欠陥を検出するスジ欠陥検出処理工程とを有し、前記スジ成分強調処理工程は、スジ欠陥を検出する対象画素の周囲に略円状に配置された複数の比較画素のうち、対象画素を挟んで点対称位置に配置された各比較画素と前記対象画素とによって、各比較画素を結ぶ方向のスジ成分を強調する複数組のスジ成分強調画素を設定するとともに、前記各スジ成分強調方向に対して平行な線上に配置され、かつ、前記各スジ成分強調画素における比較画素および対象画素に関して点対称位置に配置された画素を各スジ成分強調方向における比較画素に設定する画素設定工程と、前記各スジ成分強調画素の輝度値と、そのスジ成分強調方向に対して平行に配置された比較画素の輝度値に基づいて対象画素の強調値を求める強調値算出工程とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明では、対象画素の周囲に略円状に配置された比較画素のうち、対象画素を挟んで点対称位置に配置された比較画素を選択して、各比較画素および対象画素を通る方向のスジ成分を強調するようにしているので、略円状に配置された比較画素の数に応じてスジ成分を強調できる方向を設定することができる。例えば、対象画素の周囲にほぼ円状に16個の比較画素を設定すれば、対象画素に関して点対称位置に配置される8組の比較画素を設定できるため、8方向のスジ成分を強調することができる。また、例えば、対象画素の周囲にほぼ円状に24個の比較画素を設定すれば12方向のスジ成分を強調することができる。このように、対象画素の周囲に円状に配置される比較画素の数を、対象画素からの距離などで調整するだけで、スジ成分を強調できる方向やその数を容易に設定できる。このため、従来に比べて、スジ欠陥を精度良く検出することができる。
【0009】
また、スジ成分を強調するために選択されたスジ成分強調画素に対し、その画素の並び方向(スジ成分強調方向)に平行に配置され、かつ前記スジ成分強調画素に対して点対称位置に比較画素を設定するだけで、その方向のスジ成分強調を行うことができるため、様々な角度のスジ成分を強調するフィルタを計算で作成する場合に比べて、様々な角度のスジ成分強調フィルタを容易にかつ短時間で設定できる。このため、スジ欠陥検出処理も短時間で行うことができる。
【0010】
本発明において、前記強調値算出工程は、スジ成分強調画素の輝度値の平均値をA、スジ成分強調方向に対して平行に配置されかつスジ成分強調画素を挟んで配置された各比較画素のうちの一方の側に配置された比較画素の輝度値の平均値をB、スジ成分強調方向に対して平行に配置されかつスジ成分強調画素を挟んで配置された各比較画素のうちの他方の側に配置された比較画素の輝度値の平均値をCとした場合、第1輝度強調値gn1をgn1=A−Bで求め、第2輝度強調値gn2をgn2=A−Cで求め、第1輝度強調値gn1および第2輝度強調値gn2が共に0より大きいか、若しくは、第1輝度強調値gn1および第2輝度強調値gn2が共に0より小さいという比較条件を満たす場合には、第1輝度強調値gn1および第2輝度強調値gn2のうち絶対値が小さいものを、前記スジ成分強調方向における対象画素のスジ成分強調値Enとし、前記比較条件を満たさない場合には前記スジ成分強調方向における対象画素のスジ成分強調値Enを「0」とし、各スジ成分強調方向毎に算出される対象画素のスジ成分強調値Enのうち、絶対値が最も大きいものをその対象画素のスジ成分強調値Eとすることを特徴とすることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、各輝度強調値gn1,gn2が共に0より大きいか、あるいは0より小さいかの比較条件を判断することで、その方向にスジ欠陥があるか否かを容易にかつ精度よく検出できる。さらに、各方向毎にスジ成分強調値を算出し、それらのなかで絶対値が最も大きいものをその対象画素のスジ成分強調値としているので、全画素にスジ成分強調値を設定して得られた画像においては、スジ成分強調値によってスジ欠陥が生じている領域を容易に把握できる。
【0012】
本発明において、前記スジ欠陥検出処理工程は、背景より明るい欠陥である白スジ欠陥を検出するための白スジ欠陥検出用閾値と、背景より暗い欠陥である黒スジ欠陥を検出するための黒スジ欠陥検出用閾値とを設定し、前記スジ成分強調処理工程で得られたスジ成分強調値が各画素に設定された画像において、白スジ欠陥検出用閾値以上の領域を白スジ欠陥とし、黒スジ欠陥検出用閾値以下の領域を黒スジ欠陥として検出することが好ましい。
【0013】
このように構成すれば、白スジ欠陥および黒スジ欠陥の両方を容易に検出することができる。また、各欠陥強調値と閾値との比較でスジ欠陥を判断できるため、コンピュータ装置によって自動的に判断できる。このため、検査員が目視で検査する場合に比べて、欠陥検出処理を効率よく行うことができる。
【0014】
本発明のスジ欠陥検出装置は、撮像画像に対してスジ成分強調フィルタを適用してスジ成分を強調するスジ成分強調処理手段と、前記スジ成分強調処理手段で得られたスジ成分強調値に基づいてスジ欠陥を検出するスジ欠陥検出手段とを備え、前記スジ成分強調処理手段は、スジ欠陥を検出する対象画素の周囲に略円状に配置された複数の比較画素のうち、対象画素を挟んで点対称位置に配置された各比較画素と前記対象画素とによって、各比較画素を結ぶ方向のスジ成分を強調する複数組のスジ成分強調画素を設定するとともに、前記各スジ成分強調方向に対して平行な線上に配置され、かつ、前記各スジ成分強調画素における比較画素および対象画素に関して点対称位置に配置された画素を各スジ成分強調方向における比較画素に設定する画素設定手段と、前記各スジ成分強調画素の輝度値と、そのスジ成分強調方向に対して平行に配置された比較画素の輝度値に基づいて対象画素の強調値を求める強調値算出手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
このような本発明においても、前記スジ欠陥検出方法と同じ作用効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明の実施の形態に係るスジ欠陥を検出する欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は検査対象である液晶パネル(液晶ライトバルブ)、2は画像投影装置であるプロジェクタであり、液晶パネル1を外部からセットできるようになっている。3は液晶パネル1に各種パターンを出力するパターン生成装置であるパターンジェネレータ、4はスクリーン、5はスクリーン4に投影された画像を撮影する撮像手段であるCCDカメラであり、液晶パネル1の解像度以上の解像度を有するCCDを搭載している。6はパターンジェネレータ3及びCCDカメラ5を制御し、液晶パネル1のスジ欠陥を検出する画像処理手段であるコンピュータ装置、7はコンピュータ装置6に接続された表示装置である。
【0017】
コンピュータ装置6は、画像入力手段60と、背景画像差分処理手段61と、表示エリア抽出手段62と、スジ成分強調処理手段63と、スジ欠陥検出手段64とを備えている。
また、スジ成分強調処理手段63は、画素設定手段631と、強調値算出手段632とを備えている。
【0018】
次に、このように構成された欠陥検出装置の動作を説明する。欠陥検出の大まかな手順は以下の通りである。
すなわち、プロジェクタ2に検査対象の液晶パネル1をセットし、コンピュータ装置6によりパターンジェネレータ3を制御して液晶パネル1上に特定の明るさのパターンを表示させ、それをプロジェクタ2によりスクリーン4に投影する。そして、スクリーン4上に投影された画像をCCDカメラ5で撮影し、その撮影データの画像をコンピュータ装置6に出力し、コンピュータ装置6によりスジ欠陥検出処理を行い、液晶パネル1のスジ欠陥の検出結果を表示装置7に表示する。
【0019】
ここで、コンピュータ装置6によるスジ欠陥検出の詳細な動作について図2のフローチャートを参照して説明する。
最初に、コンピュータ装置6の画像入力手段60によって画像入力工程(撮像工程)が実施される(ステップST1)。
画像入力工程ST1では、まず、スクリーン4上に投影された画像をCCDカメラ5で撮影し、その撮影データの画像がコンピュータ装置6の画像入力手段60に取り込まれる。このとき撮影データは、図示しないA/D変換器により、例えば4096階調(12ビット)のデジタルデータとして、コンピュータ装置6に取り込まれる。なお、撮像データは、4096階調のものに限らず、1024階調(10ビット)のデータでもよいし、256階調(8ビット)のデータでもよい。階調が大きいほど高精度の処理が可能になるが、その分、高階調のデータ取得が可能な高価なCCDカメラ5が必要となるため、撮像データの階調は欠陥検査対象等に応じて必要な階調に設定すればよい。画像入力手段60は、取込画像を図示しない記憶手段に記憶する。
【0020】
次に、背景画像差分処理手段61は、入力画像と予め作成された背景画像との差を取って、取り込まれた画像データの中から、照明やレンズなど液晶パネル以外のものによって生じる欠陥状の輝度変化を除去するための背景画像差分処理工程を行う(ステップST2)。
この背景画像差分処理工程ST2では、背景画像差分処理手段61は、図3(A)に示す入力画像(投影画像)から図3(B)に示す背景画像を減算して、図3(C)に示す背景差分画像を作成する。背景画像は、液晶パネル1を除いた光学系の輝度変化の画像である。投影ランプや投射レンズによる欠陥上の輝度変化は、入力画像および背景画像の両方に生じるため、入力画像から背景画像を減算すれば、背景差分画像においては、投影ランプや投射レンズなど液晶パネル以外のものによって生じる欠陥上の輝度変化成分は除去される。
【0021】
続いて、表示エリア抽出手段62は、背景差分画像から被検査部の画面部分だけを抽出する表示エリア抽出処理工程を行う(ステップST3)。CCDカメラ5で検査対象であるTFTパネルを撮像した際に、TFTパネル全体を撮像するにはパネル周囲も多少写さなければならない。このため撮像画像におけるパネル投影画像の周囲には、パネルとは関係のないデータが存在し、また投影画像も長方形ではなく歪んでいる。このため、表示エリア抽出手段62は、TFTパネル投影画像の部分のみを切り出す処理を行い、検査対象画像を作成する。
すなわち、表示エリア抽出処理工程ST3では、表示エリア抽出手段62は、図4(A)に示す被検査部画像(背景差分画像)の四隅の座標をパターンマッチング処理(画像データの四隅付近の数十画素×数十画素の4つの小領域に対して、それぞれ予め用意した4つの隅基準画像とパターンマッチング処理を行い、四隅の座標を特定する)により検出し、この四隅の座標の位置関係が長方形になるようにアフィン変換することで表示エリアを抽出する。これによって、図4(B)に示すように、スクリーン4上の周囲の縁部が除去され、且つ正確な長方形とされた画面部分だけが抽出される。
以上により、欠陥検出処理前の準備工程が完了する。
【0022】
次に、コンピュータ装置6は、スジ成分強調処理手段63を作動し、撮像画像に対してスジ成分強調処理を行う(ステップST4)。スジ成分強調処理は、そのままでは微少なレベルの白スジ・黒スジ・ラビスジ欠陥の検出が難しいために、画像の中のスジ欠陥のみを強調するように、撮像画像に対してスジ欠陥の検出角度が異なるスジ成分強調フィルタを順次適用し、所定角度のスジ欠陥を検出する。
具体的には、スジ成分強調処理手段63は、図5に示すように、画素設定手段631による画素設定工程ST41、強調値算出手段632による強調値算出工程ST42やスジ成分強調値選択工程ST44等を実行する。
【0023】
ここで、スジ成分強調処理手段63において利用されるスジ成分強調フィルタ630の詳細に関し、説明する。
スジ成分強調フィルタ630は、図6に示すように、スジ成分を強調する対象画素を中心として、そこからある距離分離れた画素を比較画素としたものをベースとしている。
なお、画像処理で用いる画像はデジタル値で表現され、マトリックス状に配列されるため、比較画素は完全な円状にはならないが、ほぼ円状に並ぶように設定している。図6には、対象画素と比較画素の距離がほぼ3(3画素分)に設定したときのスジ成分強調フィルタ630を示す。
【0024】
そして、スジ成分強調処理手段63は、スジ欠陥を強調する角度に応じて、前記スジ成分強調フィルタ630の比較画素から4点を選択し、かつ、新たな比較画素を4画素追加してスジ成分強調処理を行う。
すなわち、スジ成分強調処理手段63の画素設定手段631は、図7に示すように、画素S1,O,S9を通る方向L1、つまり図中縦方向のスジ欠陥を強調する場合には、まず、対象画素Oを通る縦方向のスジ欠陥を強調するために対象画素Oとともに対象画素Oに関して点対称位置に配置された比較画素S1,S9を選択し、これらの各画素S1,O,S9を画素S1,S9を結ぶ方向(縦方向)L1のスジ成分強調画素とする。
【0025】
さらに、画素設定手段631は、これらの各画素S1,O,S9を結ぶ方向(スジ成分強調方向)に対して平行に、かつこれらの各画素を挟んで等距離にある画素を比較画素として設定する。
具体的には、対象画素Oに対して、前記スジ成分強調方向に直交する位置に配置された比較画素S5,S13を選択する。そして、比較画素S5,S13に対して前記スジ成分強調方向と平行な方向(縦方向)に配置され、かつ比較画素S1,S9に対して前記スジ成分強調方向に対して直交する方向(横方向)に配置される比較画素S17〜S20を設定する。
【0026】
すなわち、比較画素S13を基準に、対象画素Oと比較画素S1の位置関係と同じ位置に比較画素S17を設定し、同じく比較画素S13を基準に、対象画素Oと比較画素S9の位置関係と同じ位置に比較画素S19を設定する。
また、比較画素S5を基準に、対象画素Oと比較画素S1の位置関係と同じ位置に比較画素S18を設定し、同じく比較画素S5を基準に、対象画素Oと比較画素S9の位置関係と同じ位置に比較画素S20を設定する。
このため、各比較画素S5,S13は対象画素Oに関して点対称位置に配置され、比較画素S18,S17は画素S1に関して点対称位置に配置され、比較画素S20,S19は画素S9に関して点対称位置に配置される。
【0027】
以上のように、画素設定手段631は、画素S1,O,S9を縦方向のスジ成分強調画素に設定し、各画素S17,S13,S19,S18,S5,S20を、前記スジ成分強調方向における比較画素に設定する画素設定工程を行う(ステップST41)。
【0028】
次に、スジ成分強調処理手段63の強調値算出手段632は、前記スジ成分強調方向における強調値算出工程を行う(ステップST42)。
強調値算出工程ST42では、強調値算出手段632は、まず、前記画素設定工程ST41で設定された各画素の値(輝度値)を、次の式(1)、(2)に代入し、前記スジ成分強調方向(縦方向)における各輝度強調値g11,g12を求める。なお、各式においては、対象画素Oの輝度値を「O」、比較画素の各輝度値を「S1〜S24」としている。
【0029】
g11=(O+S1+S9)/3−(S18+S5+S20)/3 …(1)
g12=(O+S1+S9)/3−(S17+S13+S19)/3…(2)
【0030】
従って、スジ成分強調画素(O,S1,S9)の輝度値の平均値をA=(O+S1+S9)/3、スジ成分強調方向L1に対して平行に配置されかつスジ成分強調画素O,S1,S9を挟んで配置された各比較画素のうちの一方の側に配置された比較画素S5,S18,S20)の輝度値の平均値をB=(S18+S5+S20)/3、他方の側に配置された比較画素S13,S17,S19の輝度値の平均値をC=(S17+S13+S19)/3とした場合、第1輝度強調値g11をg11=A−Bで求め、第2輝度強調値g12をg12=A−Cで求めている。
【0031】
次に、スジ成分強調処理手段63の強調値算出手段632は、各欠陥強調値g11,g12がともに0より大きい場合であるか、あるいはともに0より小さい場合であるかの条件1を判断する。
すなわち、画素設定手段631は、条件1として、g11>0 AND g12>0を満たすか、若しくは、g11<0 AND g12<0を満たすかを判断する。
そして、この条件1を満たさない場合には、画素設定手段631は、その方向のスジ成分は存在しないと判断できるため、縦方向のスジ成分強調値E1を「0」とする。
【0032】
一方、条件1を満たす場合には、画素設定手段631は、各欠陥強調値g11,g12のうち、絶対値が小さいほうを、そのスジ欠陥方向の欠陥強調値として記憶する。
すなわち、画素設定手段631は、条件2として、g11の絶対値がg12の絶対値よりも大きいか否かを判断し、条件2を満たす場合には、縦方向のスジ成分強調値E1を「g12」とし、条件2を満たさない場合には、E1を「g11」とする。
【0033】
スジ成分強調処理手段63は、対象画素Oを通る各方向のスジ成分の強調処理が完了したか否かを判断し(ステップST43)、完了していない場合には画素設定工程ST41および強調値算出工程ST42を同様な手順で順次実行する。
例えば、図8に示すように、画素S2,O,S10を通る方向L2のスジ欠陥を強調する場合には、画素設定手段631は、前記方向のスジ欠陥を強調するために対象画素Oとともに比較画素S2,S10を選択し、さらに、これらの各画素S2,O,S10を結ぶ方向(スジ成分強調方向)に対して平行に、かつこれらの各画素を挟んで等距離にある画素を比較画素として設定する。
具体的には、対象画素Oに対して、前記方向に直交する位置に配置された比較画素S6,S14を選択する。そして、比較画素S6,S14に対して前記スジ成分強調方向と平行な方向(縦方向)に配置され、かつ比較画素S2,S10に対して前記スジ成分強調方向に対して直交する方向(横方向)に配置される比較画素S21〜S24を設定する。
【0034】
すなわち、比較画素S14を基準に、対象画素Oと比較画素S2の位置関係と同じ位置に比較画素S21を設定し、同じく比較画素S14を基準に、対象画素Oと比較画素S10の位置関係と同じ位置に比較画素S24を設定する。
また、比較画素S6を基準に、対象画素Oと比較画素S2の位置関係と同じ位置に比較画素S22を設定し、同じく比較画素S6を基準に、対象画素Oと比較画素S10の位置関係と同じ位置に比較画素S23を設定する。
【0035】
次に、強調値算出手段632は、前記スジ成分強調フィルタ630で設定された各画素の値(輝度値)を、次の式(3)、(4)に代入し、各輝度強調値g21,g22を求める。
【0036】
g21=(O+S2+S10)/3−(S22+S6+S23)/3 …(3)
g22=(O+S2+S10)/3−(S21+S14+S24)/3…(4)
【0037】
次に、強調値算出手段632は、各欠陥強調値g21,g22がともに0より大きい場合であるか、あるいはともに0より小さい場合であるかを判断する。
すなわち、条件1として、g21>0 AND g22>0を満たすか、若しくは、g21<0 AND g22<0を満たすかを判断する。
そして、この条件1を満たさない場合には、その方向のスジ成分は存在しないと判断できるため、スジ成分強調値E2を「0」とする。
【0038】
さらに、強調値算出手段632は、各欠陥強調値g21,g22のうち、絶対値が小さいほうを、そのスジ欠陥方向の欠陥強調値として記憶する。
すなわち、強調値算出手段632は、条件2として、g21の絶対値がg22の絶対値よりも大きいか否かを判断し、条件2を満たす場合には、スジ成分強調値E2を「g22」とし、条件2を満たさない場合には、E2を「g21」とする。
【0039】
以下、スジ成分強調処理手段63は、同様の処理を行って、画素S3,O,S11を通る方向のスジ成分強調値E3、画素S4,O,S12を通る方向のスジ成分強調値E4、画素S5,O,S13を通る方向のスジ成分強調値E5、画素S6,O,S14を通る方向のスジ成分強調値E6、画素S7,O,S15を通る方向のスジ成分強調値E7、画素S8,O,S16を通る方向のスジ成分強調値E8を順次求める。
【0040】
次に、スジ成分強調処理手段63の強調値算出手段632は、全方向のスジ欠陥強調値の算出が完了したかを判断し(ステップST43)、完了している場合には、各方向のスジ成分強調値E1〜E8から、絶対値が最大のものを選択し、対象画素Oのスジ成分強調値Eとするスジ成分強調値選択工程を行う(ステップST44)。
そして、以上のスジ成分強調処理工程ST4を撮像画像全体に適用することで、スジ成分が強調された画像が得られる。
【0041】
なお、条件1によってスジ欠陥の有無が判断できるのは以下の理由からである。
例えば、他の画素よりも輝度値が高くなる白スジ欠陥が画素S1,O,S9を通って存在していると、これらの3つの画素の輝度平均値は、スジ欠陥が存在していない比較画素S18,S5,S20の3個の比較画素の輝度平均値や、比較画素S17,S13,S19の3個の比較画素の輝度平均値よりも大きくなる。したがって、前記欠陥強調値g11,g12は共に0より大きくなる。同様に、他の画素よりも輝度値が小さくなる黒スジ欠陥が画素S1,O,S9を通って存在していると、前記欠陥強調値g11,g12は共に0より小さくなる。
一方、欠陥強調値g11,g12のいずれか一方が0より大きく、他方が0より小さい場合は、例えば、比較画素側に欠陥があったり、比較画素部分まで含むスジなどの欠陥がある場合であり、少なくとも、対象画素Oを通り、スジ成分強調方向に連続し、かつ、その方向に平行に配置された比較画素間に納まる幅寸法のスジ欠陥ではないことが判断できる。
以上の理由により、条件1によって、スジ欠陥の有無が判断できる。
【0042】
また、条件2において、絶対値が小さいほうを欠陥強調値とするのは以下の理由からである。
例えば、縦方向に白スジ欠陥があった場合で、各画素S1,O,S9の輝度平均値が仮に「10」という値であり、他の画素S18,S5,S20の輝度平均値が「2」、画素S17,S13,S19の輝度平均値が「1」であった場合、欠陥強調値g11=8、g12=9となり、対象画素Oにおける縦方向のスジ成分強調値E1は絶対値の小さい値(「8」)となる。
一方、スジ欠陥が他の画素S18,S5,S20部分に存在しているために、各画素S1,O,S9の輝度平均値が「1」という値であり、他の画素S18,S5,S20の輝度平均値が「10」、画素S17,S13,S19の輝度平均値が「2」であった場合、欠陥強調値g11=−9、g12=−1となり、対象画素Oにおける縦方向のスジ成分強調値E1は絶対値の小さい値(「−1」)となる。
【0043】
したがって、絶対値の小さいものを各方向のスジ成分強調値E1〜E8としておけば、スジ成分強調値E1〜E8は、スジ欠陥が対象画素Oを通らない場合や、存在していない場合、スジ欠陥が検出方向に沿っていない場合等小さな値となり、スジ欠陥が存在している場合のスジ欠陥方向のスジ成分強調値E1〜E8は、それと比較して絶対値が大きな値になる。従って、スジ成分強調値選択工程ST44において、絶対値の大きなものを対象画素Oのスジ成分強調値とすれば、その値によって対象画素Oを通るスジ欠陥が存在しているかを把握できるためである。
【0044】
次に、コンピュータ装置6は、スジ欠陥検出手段64を作動し、スジ欠陥検出処理を実行する(ステップST5)。
スジ欠陥検出処理工程ST5では、スジ欠陥検出手段64は、スジ成分強調処理工程ST4で得られたスジ成分強調値が格納された画像に対して、白スジ欠陥を切り出す閾値と、黒スジ欠陥を切り出す閾値を設定し、各スジ欠陥領域候補を切り出す。すなわち、スジ欠陥には、他の画素部分(背景)に対して輝度値が高い(明るい)欠陥である白スジ欠陥と、輝度値が低い(暗い)欠陥である黒スジ欠陥とがある。このため、閾値としては、白スジ欠陥閾値と、黒スジ欠陥閾値とが設定され、白スジ欠陥閾値と比較することで白スジ欠陥領域候補が抽出され、黒スジ欠陥閾値と比較することで黒スジ欠陥領域候補が抽出される。
【0045】
なお、各閾値は、画像の状況に合わせて最適な値を設定すればよい。例えば、スジ成分強調画像の強調値(輝度値)の平均値と、その標準偏差を求め、以下の式で閾値を設定する。
白スジ欠陥閾値 wslevel=avr+α1・σ+β1
黒スジ欠陥閾値 bslevel=avr+α2・σ+β2
ここで、avrは合成画像の平均値、σは合成画像の標準偏差、α1,α2,β1,β2は任意の数で検査対象となる画像の状況で適宜決定される。
【0046】
スジ欠陥領域が検出された後は、例えば、算出された欠陥領域候補の面積や、長辺および短辺の寸法比、平均輝度等により、その画像におけるスジ欠陥のランクを分類するなどの従来から行われている欠陥判定処理を行えばよい。
【0047】
この実施の形態によれば、次のような効果がある。
(1)対象画素Oの周囲に所定距離分離れてほぼ円状に配置された比較画素のうち、対象画素Oを挟んで点対称位置に配置された2つの比較画素を選択することで、各比較画素および対象画素Oを通るスジ成分を強調することができるので、比較画素の数に応じてスジ成分を強調できる方向を設定することができる。例えば、前記実施形態のように、対象画素Oの周囲にほぼ円状に16個の比較画素を設定すれば8方向のスジ成分を強調することができる。また、例えば、対象画素Oから距離4の位置に比較画素を設定することで、対象画素Oの周囲にほぼ円状に24個の比較画素を設定すれば12方向のスジ成分を強調することができる。このように、対象画素Oの周囲に円状に配置される比較画素の数を、対象画素Oからの距離などで調整するだけで、スジ成分を強調できる方向やその数を容易に設定できる。このため、従来に比べて、スジ欠陥を精度良く検出することができる。
【0048】
(2)また、スジ成分を強調するために選択された画素に対し、その画素の並び方向(スジ成分強調方向)に平行に配置され、かつ前記画素を挟んでかつ等距離の位置に比較用の画素を設定するだけで、その方向のスジ成分強調を行うことができるため、様々な角度のスジ成分を強調するフィルタを計算で作成する場合に比べて、様々な角度のスジ成分強調フィルタを容易にかつ短時間で設定できる。このため、スジ欠陥検出処理も短時間で行うことができる。
【0049】
(3)前記実施形態では、スジ欠陥検出用の3つの画素(例えば、画素S1,O,S9)に対して平行に配置される各3つの画素(例えば、画素S18,S5,S20および画素S17,S13,S19)は、スジ欠陥検出用の画素に対して距離3の位置に配置されているため、幅寸法が約5画素以下のスジ欠陥を強調することができる。すなわち、各比較画素間の幅寸法によって検出対象となるスジ欠陥の幅を容易に設定できる。
【0050】
なお、本発明は、前記実施形態に限らない。
例えば、前記実施形態では、スジ欠陥検出用の3つの画素(例えば、画素S1,O,S9)に対して平行に配置される各3つの画素(例えば、画素S18,S5,S20および画素S17,S13,S19)を、スジ欠陥検出用の画素に対して距離3の位置に配置していたが、例えば、スジ欠陥検出用の画素に対して距離2以下の位置に配置してもよいし、距離4以上の位置に配置してもよい。要するに、スジ欠陥検出用に選択された各画素に対して平行な位置に比較画素を配置すればよく、その距離は、検出したいスジ欠陥の幅寸法などに応じて設定すればよい。
【0051】
また、検査対象の画像に対して縮小処理を行い、その縮小画像に対して前記スジ成分強調処理工程ST4を実施しても良い。このように縮小画像に対してスジ成分強調処理を行えば、スジ成分強調フィルタ630を変更することなく、様々な幅寸法のスジ欠陥を検出することができる。
【0052】
さらに、対象画素Oからの距離が異なる比較画素(例えば、距離3の比較画素および距離4の比較画素)をそれぞれ設定し、各距離毎の比較画素によるスジ成分強調値を合成、つまり絶対値が大きいスジ成分強調値を対象画素Oの強調値に設定するようにしてもよい。このようにすれば、スジ成分強調方向がより多くなるため、スジ欠陥をより一層精度よく検出することができる。
【0053】
強調値算出手段632における強調値算出方法は、前記方法に限らず、例えば、スジ成分強調画素の輝度値の平均値をA、スジ成分強調方向に対して平行に配置されかつスジ成分強調画素を挟んで配置された各比較画素のうちの一方の側に配置された比較画素の輝度値の平均値をB、他方の側に配置された比較画素の輝度値の平均値をCとした場合、スジ成分強調値E=A−(B+C)/2で求めてもよい。要するに、スジ欠陥部分は正常な画素部分に比べて輝度値が異なる点を考慮してスジ欠陥を抽出できるような強調値を算出すればよい。
【0054】
さらに、前記実施形態では、対象画素Oと、この対象画素Oを挟んだ2つの画素との計3個の画素でスジ成分強調画素を構成していたが、同じ線上に配列される他の画素も含めて4個以上の画素でスジ成分強調画素を構成してもよい。この場合、スジ成分強調画素を挟んで配列される各比較画素もスジ成分強調画素の個数に応じて各4個以上に設定してもよい。
【0055】
スジ欠陥の検出対象としては、前記のようなTFT素子を用いた液晶ライトバルブに限られるものではなく、その他のダイオード素子を用いた液晶パネルやプラズマディスプレイ、ELディスプレイ、DMD(ダイレクト・ミラー・デバイス)などの表示体部品、ならびにそれらを使用したフロントプロジェクタやリアプロジェクタ等の表示装置・製品の検査に利用することができるものであり、これらに使用した場合でも本発明の範囲から除外されるものでないことはいうまでもない。
さらに、本発明は、各種表示装置の検査に限らず、例えば、印刷物、家電製品のケースや車のボディなどにスジ状等の傷がある場合、これらを撮像してスジ状等の欠陥がある画像が得られればその欠陥を検出できるので、各種製品の表面塗装や印刷物などのスジ検査に応用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態による画面のスジ欠陥検出装置の構成を示すブロック図。
【図2】同スジ欠陥検出装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図3】同スジ欠陥検出装置の背景画像差分処理を示す説明図。
【図4】同スジ欠陥検出装置の表示エリア抽出処理を示す説明図。
【図5】スジ成分強調処理工程を説明するためのフローチャート。
【図6】スジ成分強調フィルタのベースとなるフィルタの例を示す図。
【図7】スジ成分を強調するスジ成分強調フィルタの一例を示す図。
【図8】スジ成分を強調するスジ成分強調フィルタの一例を示す図。
【符号の説明】
【0057】
1…液晶パネル、2…プロジェクタ、3…パターンジェネレータ、4…スクリーン、5…CCDカメラ、6…コンピュータ装置、7…表示装置、60…画像入力手段、61…背景画像差分処理手段、62…表示エリア抽出手段、63…スジ成分強調処理手段、64…スジ欠陥検出手段、630…スジ成分強調フィルタ、631…画素設定手段、632…強調値算出手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像した画像に対してスジ成分強調フィルタを適用してスジ成分を強調するスジ成分強調処理工程と、
前記スジ成分強調処理工程で得られたスジ成分強調値に基づいてスジ欠陥を検出するスジ欠陥検出処理工程とを有し、
前記スジ成分強調処理工程は、
スジ欠陥を検出する対象画素の周囲に略円状に配置された複数の比較画素のうち、対象画素を挟んで点対称位置に配置された各比較画素と前記対象画素とによって、各比較画素を結ぶ方向のスジ成分を強調する複数組のスジ成分強調画素を設定するとともに、前記各スジ成分強調方向に対して平行な線上に配置され、かつ、前記各スジ成分強調画素における比較画素および対象画素に関して点対称位置に配置された画素を各スジ成分強調方向における比較画素に設定する画素設定工程と、
前記各スジ成分強調画素の輝度値と、そのスジ成分強調方向に対して平行に配置された比較画素の輝度値に基づいて対象画素の強調値を求める強調値算出工程とを備えることを特徴とするスジ欠陥検出方法。
【請求項2】
請求項1に記載のスジ欠陥検出方法において、
前記強調値算出工程は、
スジ成分強調画素の輝度値の平均値をA、スジ成分強調方向に対して平行に配置されかつスジ成分強調画素を挟んで配置された各比較画素のうちの一方の側に配置された比較画素の輝度値の平均値をB、スジ成分強調方向に対して平行に配置されかつスジ成分強調画素を挟んで配置された各比較画素のうちの他方の側に配置された比較画素の輝度値の平均値をCとした場合、第1輝度強調値gn1をgn1=A−Bで求め、第2輝度強調値gn2をgn2=A−Cで求め、
第1輝度強調値gn1および第2輝度強調値gn2が共に0より大きいか、若しくは、第1輝度強調値gn1および第2輝度強調値gn2が共に0より小さいという比較条件を満たす場合には、第1輝度強調値gn1および第2輝度強調値gn2のうち絶対値が小さいものを、前記スジ成分強調方向における対象画素のスジ成分強調値Enとし、前記比較条件を満たさない場合には前記スジ成分強調方向における対象画素のスジ成分強調値Enを「0」とし、
各スジ成分強調方向毎に算出される対象画素のスジ成分強調値Enのうち、絶対値が最も大きいものをその対象画素のスジ成分強調値Eとすることを特徴とするスジ欠陥検出方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のスジ欠陥検出方法において、
前記スジ欠陥検出処理工程は、
背景より明るい欠陥である白スジ欠陥を検出するための白スジ欠陥検出用閾値と、背景より暗い欠陥である黒スジ欠陥を検出するための黒スジ欠陥検出用閾値とを設定し、
前記スジ成分強調処理工程で得られたスジ成分強調値が各画素に設定された画像において、白スジ欠陥検出用閾値以上の領域を白スジ欠陥とし、黒スジ欠陥検出用閾値以下の領域を黒スジ欠陥として検出することを特徴とするスジ欠陥検出方法。
【請求項4】
撮像画像に対してスジ成分強調フィルタを適用してスジ成分を強調するスジ成分強調処理手段と、
前記スジ成分強調処理手段で得られたスジ成分強調値に基づいてスジ欠陥を検出するスジ欠陥検出手段とを備え、
前記スジ成分強調処理手段は、
スジ欠陥を検出する対象画素の周囲に略円状に配置された複数の比較画素のうち、対象画素を挟んで点対称位置に配置された各比較画素と前記対象画素とによって、各比較画素を結ぶ方向のスジ成分を強調する複数組のスジ成分強調画素を設定するとともに、前記各スジ成分強調方向に対して平行な線上に配置され、かつ、前記各スジ成分強調画素における比較画素および対象画素に関して点対称位置に配置された画素を各スジ成分強調方向における比較画素に設定する画素設定手段と、
前記各スジ成分強調画素の輝度値と、そのスジ成分強調方向に対して平行に配置された比較画素の輝度値に基づいて対象画素の強調値を求める強調値算出手段とを備えることを特徴とするスジ欠陥検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−285753(P2007−285753A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−110784(P2006−110784)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】