説明

正転・逆転切替スイッチ

【課題】クリック感を醸し出す切替レバー側の構造を双山形状にし、この双山形状にしたガイド部が金属性部材で曲面形状に形成した板バネの表面に当接して摺動させる構造としたモータの正転・逆転切替スイッチを提供する。
【解決手段】正転・逆転切替スイッチは、略ハの字状に配列した2つの接触片に弾性を持たせて、前方2個の接触子、後方3個の接触子間を電気的に接続した状態で左右に回動させながら前記接触片を摺動させて、前記接触子との接続状態を切替えることでモータの正転・逆転を切替える正転・逆転切替スイッチであって、前記接触片を配置した前方位置に、双山形状の当接部を設け、該当接部の前方位置に曲面形状に形成した板バネを配置し、前記双山形状の当接部が前記板バネの表面に双方の山部を交互に摺接させながらモータの正転・逆転を切替えることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は正転・逆転切替スイッチに関し、詳しくは、電動工具に使用されるトリガースイッチにおいて、内部のスイッチ機構のうちモータの正転・逆転を切替える切替スイッチの構造に改良を加えて切替スイッチの切替動作を円滑にした正転・逆転切替スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術における正転・逆転切替スイッチを備えたトリガースイッチは、図9に示すように、縦長の箱形状に形成され、内部にスイッチ機構を組み込み、外部の操作部114からの操作動作を伝達する摺動操作子111を上部位置に備え、且つ側面を開口にしたケース112と、ケース112の側面の開口面を塞ぐと共に、内側壁面に摺動回路基板を搭載し、外側に制御素子を配置するFET配置部を備えたカバー113と、手の指で操作できる操作部114と、ケース112の頂面に位置しモータの回転切替えをする切替操作部115と、ケース112にカバー113をしたその外周位置に配置した略コ字型形状に形成した放熱板116とを備えた構成になっている。
【0003】
上記構成からなる切替操作部115の構造につき詳細に説明する。
切替操作部115は、図10に示すように、絶縁性部材で形成された筐体(ケース)内部において、電源を供給する電源端子片121、接地する接地端子片124、モータに電源を供給する第1モータ端子片127、モータに電源を供給する第2モータ端子片131、のそれぞれを、接触子を所定位置に配置させるようにして配設し、その上部位置において略ハの字状になるように配設した第1及び第2接触片137、142を備えた切替レバー135を備えた構成となっている。
そして、切替レバー135の先方側にはカバー113の内壁に設けたオシボ118に当接する双山形状のクリック部117を備えた構造となっている。
【0004】
切替レバー135は、ハ字型形状に第1及び第2接触片137、142をスプリング145a、145bを中心位置で弾性させるようにして配置する本体部141、本体部141に連設して回動中心となすレバー中心軸146、レバー中心軸146の上部位置から本体部141から離れる方向に延設したレバー147、レバー147の終端位置に設けた直交方向に突出形成したノブ148、ノブ148の反対側に突出形成したガイド突起149とを備えた構成となっている。
【0005】
本体部141は、上下の2段で扇状に形成され、上段の先端部中央位置にオシボ118とスプリング119を係合する当接部151を設け、下段の扇状に形成された奥側側面に沿って第1接触片137のガイド突起138aを遊嵌合する第1ガイド孔152a、基端部側に設けられ第1接触片137の他方のガイド突起138bを係合する第2ガイド孔153a、第1ガイド孔152aと第2ガイド孔153aとの間であって背面側に設けたスプリング145aを係合するスプリング係合穴154aを備え、一方、手前側側面に沿って第2接触片142のガイド突起143aを遊嵌合する第3ガイド孔152b、基端部側に設けられ第2接触片142の他方のガイド突起143bを遊嵌合する第4ガイド孔153b、第3ガイド孔152bと第4ガイド孔153bとの間であって背面側に設けたスプリング145bを係合するスプリング係合穴154bを備えた構成になっている。
【0006】
第1接触片137及び第2接触片142は、金属性の導電性部材で形成され、中央位置を幅広に形成し、両端部を直交方向に延出したガイド突起138a、138b及び143a、143bを設け、幅広の部位の表面側にスプリング145a、145bを当接させ、ガイド突起138a、138b及び143a、143bを設けた背面側が接触子123、126、129、130、133に当接して電気的な接続を得る構造となっている。
【0007】
電源端子片121は、導電性板部材を細長く形成し、下部位置に電源を供給するための電源端子122を設け、上部位置を直交する方向に序々に変形させ、その頂面の面取り加工を施した電源接触子123を備えた構成になっている。
【0008】
接地端子片124は、導電性板部材を直角に折り曲げ、折り曲げた下方端部にスイッチの接点を設け、その近傍位置に接地側と接続する接地部125を備え、折り曲げた上部端部を更にコ字状に折り曲げ、その頂面の面取り加工を施した接地接触子126を備えた構成になっている。
【0009】
第1モータ端子片127は、導電性板部材を細長く形成し、一方端部にモータと接続するためのモータ接続端子128を設け、他方端部に切り起こした頂面の面取り加工を施したモータマイナス接触子129と、モータ接続端子128側で、モータマイナス接触子129と同様に切り起こして同一方向を向いた頂面の面取り加工を施したモータプラス接触子130とを備えた構成になっている。
【0010】
第2モータ端子片131は、導電性板部材を細長く形成し、一方端部にモータと接続するためのモータ接続端子132を設け、略中間位置に切り起こした頂面の面取り加工を施したモータコモン接触子133を備えた構成になっている。
【0011】
上記説明した4つの端子片121、124、127、131は、図10に示すように、筐体のスリット或いは溝に係合させて配設され、接触子が互いに隣り合わせたようにして配置される。即ち、電源端子片121の電源接触子123は筐体の上部手前方向に配置され、接地端子片124の接地接触子126は、電源接触子123と隣接した奥方向に配置され、第1モータ端子片127のモータマイナス接触子129が接地接触子126と対向した位置関係で配置され、同じくモータプラス接触子130が電源接触子123と対向する位置関係で配置され、第2モータ端子片131のモータコモン接触子133がモータマイナス接触子129とモータプラス接触子130との間に配置される。
【0012】
このようにして配置されたそれぞれの接触子には上部から切替レバー135に取り付けられている第1接触片137及び第2接触片142が接触子123、126、129、130、133を跨いだ状態で配置される。
【0013】
そして、切替レバー135の本体部141の上段先端に設けられているオシボ118がカバー113の内側に設けられている双山形状のクリック部117に当接しながら摺動する。
【0014】
図11は、切替スイッチがモータを逆回転させるときのスイッチの状態を示したもので、中心軸146を中心にしてノブ148を図において下方向に回動させることで本体部141が上方向に回動することで、オシボ118がクリック部117を摺接して当接する。この状態のときには、第1接触片137及び第2接触片142は、第1接触片137がモータプラス接触子130と接地接触子126とに接続し、第2接触片142がモータコモン接触子133と電源接触子123とに接続する。
【0015】
図12は、切替スイッチがモータの正逆回転させる中間位置に動かした状態を示したもので、中心軸146を中心にしてノブ148を図において上方向に回動させることで本体部141が下方向に回動して、オシボ118がクリック部117を摺接して当接する。この状態のときには、第1接触片137及び第2接触片142は、ともに浮いた状態で接続する、即ち、この状態のときにはモータの正逆は発生しない。
【0016】
図13は、切替スイッチがモータを正回転させるときのスイッチの状態を示したもので、中心軸146を中心にしてノブ148を図において上方向に回動させることで本体部141が下方向に回動することで、オシボ118がクリック部117の表面を摺接して当接する。
この状態のときには、第1接触片137及び第2接触片142は、第1接触片137がモータコモン接触子133と接地接触子126とに接続し、第2接触片142がモータマイナス接触子129と電源接触子123とに接続する。
【0017】
図14乃至図17に示すものは、切替スイッチの他の例で、当接部118がオシボの替わりに樹脂で形成された突起を設け、この突起が摺接する側に中央がへこんだ金属性部材で形成された板バネ117Aにした構造となっている。
【0018】
図14は、切替スイッチがモータを逆回転させるときのスイッチの状態を示したもので、中心軸146を中心にしてノブ148を図において下方向に回動させることで本体部141が上方向に回動することで、突起部118Aが板バネ117Aを摺接して当接する。この状態のときには、第1接触片137及び第2接触片142は、第1接触片137がモータプラス接触子130と接地接触子126とに接続し、第2接触片142がモータコモン接触子133と電源接触子123とに接続する。
そして、図17に示すように、当接部118Aが板バネ117Aを当接する位置は、板バネ117Aの折り曲げた終端位置側である。
【0019】
図15は、切替スイッチがモータの正逆回転させる中間位置に動かした状態を示したもので、中心軸146を中心にしてノブ148を図において上方向に回動させることで本体部141が下方向に回動して、突起部118Aが板バネ117Aを摺接して当接する。この状態のときには、第1接触片137及び第2接触片142は、ともに浮いた状態で接続する、即ち、この状態のときにはモータの正逆は発生しない。
【0020】
図16は、切替スイッチがモータを正回転させるときのスイッチの状態を示したもので、中心軸146を中心にしてノブ148を図において上方向に回動させることで本体部141が下方向に回動することで、突起部118Aが板バネ117Aの表面を摺接して当接する。この状態のときには、第1接触片137及び第2接触片142は、第1接触片137がモータコモン接触子133と接地接触子126とに接続し、第2接触片142がモータマイナス接触子129と電源接触子123とに接続する。
【特許文献1】特開2003−109451号公報(第3頁〜4頁 第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、従来技術で説明した正転・逆転切替スイッチにおいては、クリック感を醸し出すために、樹脂でできているオシボをやはり樹脂でできているカバーの内壁に設けた双山形状のクリック部に当接して摺動させる構造であるため、使用しているうちに樹脂同士の接触であるために、磨耗が発生し、フィーリングが切換え数とともに軽くなってしまいクリック感が損失してしまうという問題がある。
【0022】
又、他の例で示した、当接部がオシボのかわりに樹脂で形成した突起にし、当接される側を板バネにした構造の切替スイッチにおいては、当接部の回動範囲が大きいため、板バネの折り曲げた終端位置側にまで当接摺動するため、板バネの繰り返し応力に問題があり、破断を起こす起因となっている。又、当接部を形成する突起が1箇所のみのため、集中的に磨耗が発生し、クリック感の損失も問題となっている。
【0023】
従って、モータの正転及び逆転を切替える切替スイッチにおいて、切替える際に発生するクリック感を持続させる構造、具体的には繰り返し応力に耐えられるように距離を長くし、尚且つ集中的に1箇所に発生していた磨耗を複数の突起により、分散させる構造に解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記課題を解決するために、本願発明の正転・逆転切替スイッチは、次に示す構成にすることである。
【0025】
(1)正転・逆転切替スイッチは、先端に節度を醸し出すための当接部と、略中央位置に回動の中心となるレバー中心軸と、後端に回動するためのノブとを備え、前記ノブの操作によって前記レバー中心軸を中心に前記当接部が板バネに当接して回動する切替スイッチであって、前記当接部は双山形状に形成し、該双山形状の当接部の前方位置に曲面形状に形成した板バネを配置し、前記双山形状の当接部が前記板バネの表面に双方の山部を交互に摺接させてモータの正転・逆転を切替えることである。
【0026】
(2)正転・逆転切替スイッチは、略ハの字状に配列した2つの接触片に弾性を持たせて、前方2個の接触子、後方3個の接触子間を電気的に接続した状態で左右に回動させながら前記接触片を摺動させて、前記接触子との接続状態を切替えることでモータの正転・逆転を切替える正転・逆転切替スイッチであって、前記接触片を配置した前方位置に、双山形状の当接部を設け、該当接部の前方位置に曲面形状に形成した板バネを配置し、前記双山形状の当接部が前記板バネの表面に双方の山部を交互に摺接させながらモータの正転・逆転を切替えることである。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、クリック感を醸し出す切替バー側の構造を双山形状にし、この双山形状にしたガイド部が金属性部材で形成した板バネの表面に当接して摺動させる構造としたことにより、双山の頂部で板バネを当接することで、一山が板バネに当接するスパンが長くなり、その分板バネへの応力の具合が長いものとなり、応力の一箇所への集中を回避でき、部品の削れ等によるフィーリングの損失を防止できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本願発明に係る正転・逆転切替スイッチの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0029】
本発明に係る正転・逆転切替スイッチを備えた電動工具用スイッチは、図1に示すように、縦長の箱形状に形成され、内部にスイッチ機構を組み込み、外部の操作部からの操作動作を伝達する摺動操作子11を上部位置に備え、且つ側面を開口にしたケース12と、ケース12の側面の開口面を塞ぐと共に、内側壁面に摺動回路基板を搭載し、外側に制御素子を配置するFET配置部を備えたカバー13と、手の指で操作できる操作部14と、ケース12の頂面に位置しモータの回転切替えをする切替操作部15と、ケースにカバーをしたその外周位置に配置した略コ字型形状に形成した放熱板16とを備えた構成になっている。
本願発明においては、切替操作部15を改良したものであるため、この切替操作部を中心に説明する。
【0030】
本願発明の切替操作部は、従来技術において、切替レバーで切替える際に切替レバーの先端側にオシボを形成し、且つこのオシボをカバー(蓋体)側に設けた双山形状の三角形状の山谷部に沿って動かすことでクリック感等を醸し出す構造となっているが、これに替えて、本願発明の切替操作部の構造は、切替レバーの先端側に金属性部材で形成された曲面形状の板バネを配設し、その曲面形状の板バネの凸面上に双山形状の先端部を接触させながら摺動させることで、切替える際に抵抗感を伝達させる構造となっている。
【0031】
以下、その構造につき詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、絶縁性部材で形成された筐体(ケース)内部において、電源を供給する電源端子片21、接地する接地端子片24、モータに電源を供給する第1モータ端子片27、モータに電源を供給する第2モータ端子片31、のそれぞれを、接触子を所定位置に配置させるようにして配設し、その上部位置において略ハの字状になるように配設した第1及び第2接触片37、42を備えた切替レバー35を備え、この切替レバー35の先端側に湾曲した金属性部材で形成された板バネ36を備えた構成となっている。
【0032】
切替レバー35は、ハ字型形状に第1及び第2接触片37、42をスプリング45a、45bを中心位置で弾性させるようにして配置する本体部41、この本体部41に連設して回動中心となすレバー中心軸46、レバー中心軸46の上部位置から本体部41から離れる方向に延設したレバー47、レバー47の終端位置に設けた直交方向に突出形成したノブ48、ノブ48の反対側に突出形成したガイド突起49とを備えた構成となっている。
【0033】
本体部41は、扇状に形成された先端部に双山形状に形成され、板バネ36に弾性接触する当接部51、扇状に形成された奥側側面に沿って第1接触片37のガイド突起38aを遊嵌合するガイド孔52a、基端部側を切り欠いた溝形状に形成して第1接触片37の他方のガイド突起38bを係合する係合溝部53a、ガイド孔52aと係合溝部53aとの間であって背面側に設けたスプリング45aを係合するスプリング係合穴54aを備え、一方、手前側側面に沿って第2接触片42のガイド突起43aを遊嵌合するガイド孔52b、基端部側を切り欠いた溝形状に形成して第2接触片42の他方のガイド突起43bを係合する係合溝部53b、ガイド孔52bと係合溝部53bとの間であって背面側に設けたスプリング45bを係合するスプリング係合穴54bを備えた構成になっている。
【0034】
第1接触片37及び第2接触片42は、金属性の導電性部材で形成され、中央位置を幅広に形成し、両端部を直交方向に延出したガイド突起38a、38b及び43a、43bを設け、幅広の部位の表面側にスプリング45a、45bを当接させ、ガイド突起38a、38b及び43a、43bを設けた背面側が接触子に当接して電気的な接続を得る構造となっている。
【0035】
電源端子片21は、導電性板部材を細長く形成し、下部位置に電源を供給するための電源端子22を設け、上部位置を直交する方向に序々に変形させ、その頂面の面取り加工を施した電源接触子23を備えた構成になっている。
【0036】
接地端子片24は、導電性板部材を直角に折り曲げ、折り曲げた下方端部にスイッチの接点を設け、その近傍位置に接地側と接続する接地部25を備え、折り曲げた上部端部を更にコ字状に折り曲げ、その頂面の面取り加工を施した接地接触子26を備えた構成になっている。
【0037】
第1モータ端子片27は、導電性板部材を細長く形成し、一方端部にモータと接続するためのモータ接続端子28を設け、他方端部に切り起こした頂面の面取り加工を施したモータマイナス接触子29と、モータ接続端子28側で、モータマイナス接触子29と同様に切り起こして同一方向を向いた頂面の面取り加工を施したモータプラス接触子30とを備えた構成になっている。
【0038】
第2モータ端子片31は、導電性板部材を細長く形成し、一方端部にモータと接続するためのモータ接続端子32を設け、略中間位置に切り起こした頂面の面取り加工を施したモータコモン接触子33を備えた構成になっている。
【0039】
上記説明した4つの端子片21、24、27、31は、図示しない筐体(ケース)のスリット或いは溝に係合させて配設され、接触子23、26、29、30、33が互いに隣り合わせたようにして配置される。即ち、電源端子片21の電源接触子23は筐体(ケース)の上部奥方向に配置され、接地端子片24の接地接触子26は、電源接触子23と隣接した手前側に配置され、第1モータ端子片27のモータマイナス接触子30が接地接触子26と対向した位置関係で配置され、同じくモータプラス接触子29が電源接触子23と対向する位置関係で配置され、第2モータ端子片31のモータコモン接触子33がモータマイナス接触子29とモータプラス接触子30との間に配置される。
【0040】
このようにして配置されたそれぞれの接触子23、26、29、30、33には上部から切替レバー35に取り付けられている第1接触片37及び第2接触片42が接触子23、26、29、30、33を跨いだ状態で配置される。
【0041】
そして、切替レバー35の本体部41の先端に設けられている双山形状の当接部51が前方に配置されている板バネ36の表面に当接しながら摺動する。
【0042】
図4及び図6に示すものは、切替スイッチがモータを逆回転させるときのスイッチの状態を示したもので、中心軸46を中心にしてノブ48を図6において下方向に回動させることで本体部41が上方向に回動することで、当接部51の下方側の山部が板バネ36の表面を摺接して当接する。
この状態のときには、第1接触片37及び第2接触片42は、第1接触片37がモータプラス接触子30と電源接触子23とに接続し、第2接触片42がモータコモン接触子33と接地接触子26とに接続する。
従って、電源接触子23からの電源が第1接触片37を介してモータプラス接触子30に流れ、それがモータに供給され、モータからの電源がモータコモン接触子33に流れ、第2接触片42を介して接地接触子26に流れることで、モータが逆回転する。
【0043】
図7は、切替スイッチがモータの正逆回転させる中間位置に動かした状態を示したもので、中心軸46を中心にしてノブ48を図において上方向に回動させることで本体部41が下方向に回動して、当接部51の2つの山部が板バネ36の表面を摺接して当接する。この状態のときには、第1接触片37及び第2接触片42は、ともに浮いた状態で接続する、即ち、この状態のときにはモータの正逆は発生しない。
【0044】
図5及び図8に示すものは、切替スイッチがモータを正回転させるときのスイッチの状態を示したもので、中心軸46を中心にしてノブ48を図において上方向に回動させることで本体部41が下方向に回動することで、当接部51の上方側の山部が板バネ36の表面を摺接して当接する。
この状態のときには、第1接触片37及び第2接触片42は、第1接触片37がモータコモン接触子33と電源接触子23とに接続し、第2接触片42がモータマイナス接触子29と接地接触子26とに接続する。
従って、電源接触子23からの電源が第1接触片37を介してモータコモン接触子33に流れ、それがモータに供給され、モータからの電源がモータマイナス接触子29に流れ、第2接触片42を介して接地接触子26に流れることで、モータが正回転する。
【産業上の利用可能性】
【0045】
クリック感を醸し出す切替バー側の構造を双山形状にし、この双山形状にしたガイド部が金属性部材で形成した板バネの表面に当接して摺動させる構造としたモータの正転・逆転切替スイッチを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るトリガースイッチの外観を示した斜視図である。
【図2】同、切替操作部の内部構造を示した外観斜視図である。
【図3】同、4つの端子片の配置状態を示した斜視図である。
【図4】同、4つの端子片にモータの正転の時の切替レバーを載せた状態を示した斜視図である。
【図5】同、4つの端子片にモータの逆転の時の切替レバーを載せた状態を示した斜視図である。
【図6】同、モータの正転の時の切替レバーの状態を示す説明図である。
【図7】同、モータが中立の状態のときの切替レバーの状態を示す説明図である。
【図8】同、モータの逆転の時の切替レバーの状態を示す説明図である。
【図9】従来技術におけるトリガースイッチの外観を示した説明図である。
【図10】同、切替操作部の内部構造を示した外観斜視図である。
【図11】同、モータの正転の時の切替レバーの状態を示す説明図である。
【図12】同、モータが中立の状態のときの切替レバーの状態を示す説明図である。
【図13】同、モータの逆転の時の切替レバーの状態を示す説明図である。
【図14】同、他の例の当接部が樹脂で形成され、当接される側が板バネで形成した切替スイッチで、モータの正転の時の切替レバーの状態を示す説明図である。
【図15】同、他の例の当接部が樹脂で形成され、当接される側が板バネで形成した切替スイッチで、モータが中立の状態のときの切替レバーの状態を示す説明図である。
【図16】同、他の例の当接部が樹脂で形成され、当接される側が板バネで形成した切替スイッチで、モータの逆転の時の切替レバーの状態を示す説明図である。
【図17】同、板バネに当接する当接部の様子を拡大して示した説明図である。
【符号の説明】
【0047】
11 摺動操作子
12 ケース
13 カバー
14 操作部
15 切替操作部
16 放熱板
21 電源端子片
22 電源端子
23 電源接触子
24 接地端子片
25 接地部
26 接地接触子
27 第1モータ端子片
28 モータ接続端子
29 モータマイナス接触子
30 モータプラス接触子
31 第2モータ端子片
32 モータ接続端子
33 モータコモン接触子
35 切替レバー
36 板バネ
37 第1接触片
38a ガイド突起
38b ガイド突起
41 本体部
42 第2接触片
43a ガイド突起
43b ガイド突起
45a スプリング
45b スプリング
46 レバー中心軸
47 レバー
48 ノブ
49 ガイド突起
51 当接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に節度を醸し出すための当接部と、略中央位置に回動の中心となるレバー中心軸と、後端に回動するためのノブとを備え、
前記ノブの操作によって前記レバー中心軸を中心に前記当接部が板バネに当接して回動する切替スイッチであって、
前記当接部は双山形状に形成し、該双山形状の当接部の前方位置に曲面形状に形成した板バネを配置し、前記双山形状の当接部が前記板バネの表面に双方の山部を交互に摺接させてモータの正転・逆転を切替えることを特徴とする正転・逆転切替スイッチ。
【請求項2】
略ハの字状に配列した2つの接触片に弾性を持たせて、前方2個の接触子、後方3個の接触子間を電気的に接続した状態で左右に回動させながら前記接触片を摺動させて、前記接触子との接続状態を切替えることでモータの正転・逆転を切替える正転・逆転切替スイッチであって、
前記接触片を配置した前方位置に、双山形状の当接部を設け、該当接部の前方位置に曲面形状に形成した板バネを配置し、前記双山形状の当接部が前記板バネの表面に双方の山部を交互に摺接させてモータの正転・逆転を切替えることを特徴とする正転・逆転切替スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−170924(P2010−170924A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13961(P2009−13961)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(301040796)佐鳥エス・テック株式会社 (26)
【Fターム(参考)】