説明

歯漂白用移送装置

膜の不可欠な構成要素として歯漂白物質を有する可塑性可鍛性ポリマー材料の膜からなり、それによって、前記膜が口表面へ接着したときに前記口表面上に活性を提供し、前記歯漂白物質が、口表面上へその活性を放出し、予め決定された時間内で効率的に作用するように、前記膜が、口腔の水性媒体中での溶出速度を有し、前記膜がその歯漂白作用を達成した後分解可能である、口腔の表面へ歯漂白物質を移送する移送装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯の一部、歯の全体の露出した表面、又は多くの歯へ、歯漂白物質を移送するための装置に関し、特に、前記物質によって提供される活性が、顕著は歯の漂白を引き起すのに十分な時間、前記物質が口内で侵食するの防ぐことを特徴とする移送装置に関する。とりわけ、本発明は、使用後、分解移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,989,569号でDirksing,R.などは、歯漂白物質が、積層構造で被膜された材料の永久ストリップを使用する歯漂白剤用の移送装置を開示する。歯漂白後、着用者は、材料のストリップを口から取り除く。
【0003】
米国特許第5,077,047号のBissは、PVP粉末の流動層が、H2O2水溶液の微細に分かれた点滴と接触する無流動粉末形態のPVP−H2O2製品の生産方法を記載する。
【0004】
以下の特許、すなわち、5,077,047号、5,206,385号、5,108,742号、5,190749号、5,122,370号、5,183,901号、5,130,124号、及び5,312,619号は、歯漂白物質における適当な活性を説明する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、使用者が使用後にいずれのストリップを取り除くことを要求することなしに、使用後、水洗浄によって容易に分解させて、取り除くことが可能な歯漂白物質の移送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
膜の不可欠な構成要素として歯漂白物質を有する可塑性可鍛性ポリマー材料の膜からなり、それによって、前記膜が口表面へ接着したときに前記口表面上に活性を提供し、前記歯漂白物質が、口表面上へその活性を放出し、予め決定された時間内で効率的に作用するように、前記膜が、口腔の水性媒体中での溶出速度を有し、前記膜がその歯漂白作用を達成した後分解可能である、口腔の表面へ歯漂白物質を移送する移送装置。
【0007】
前記活性が、PVPポリマーと複合したH2O2であり、前記PVPポリマーは、非架橋又は架橋PVP、アルキル化PVP又はPVP-AAである。
【0008】
前記口処理物質が、前記膜の一方の側にのみ実質的に存在する。
【0009】
前記膜が、非架橋又は架橋PVP−H2O2、及びメチルセルロース、選択的にヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はグリセロールからなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明によれば、膜の不可欠な構成要素として歯漂白物質を有する可塑性可鍛性ポリマー材料の膜からなり、それによって、前記膜が口表面へ接着したときに前記口表面上に活性を提供し、前記歯漂白物質が、口表面上へその活性を放出し、予め決定された時間内で効率的に作用するように、前記膜が、口腔の水性媒体中での溶出速度を有し、前記膜がその歯漂白作用を達成した後分解可能である、口腔の表面へ歯漂白物質を移送する移送装置が提供される。
【0011】
移送装置は、前記活性が、PVPポリマーと複合したH2O2であり、前記PVPポリマーは、非架橋又は架橋PVP、アルキル化PVP又はPVP-AAである。
【0012】
移送装置は、前記口処理物質が、前記膜の一方の側にのみ実質的に存在する。
【0013】
移送装置は、前記膜が、非架橋又は架橋PVP−H2O2、及びメチルセルロース、選択的にヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はグリセロールからなる。
【0014】
本発明は、以下の実施例によってさらに詳細に説明される。
【0015】
実施例1
歯漂白移送装置
米国特許第5,077,047号によって製造された4gのPVP-過酸化水素複合体(20%過酸化水素)、3gのグリセロール可塑剤、4.2gのヒドロキシプロピル メチルセルロース(Methocel(登録商標)E4M、Dow Chemical Co.), oyobi 2.8gのエチルセルロース(Aldrich Chemical)を、100ml無水エタノールで可溶化した。その後、溶液を膜形成装置上に注ぎ、エタノールを穏やかに乾燥除去し、約2〜6%過酸化水素を含む可鍛性膜を生産した。当該膜を細片にきり、口の湿った歯の表面に設置してその歯漂白効果を決定した。この膜を、繰り返し使用に際して生じる歯の漂白に十分である約1時間内で歯の上で分解されることが見出された。
【0016】
実施例2
迅速溶解性歯漂白移送装置
上述したように製造した4gのPVP-過酸化水素複合体(20%過酸化水素)、3gのグリセロール可塑剤、5gのヒドロキシプロピル メチルセルロース、及び2gのエチルセルロースを、100ml無水エタノールで可溶化した。その後、溶液を膜形成装置上に注ぎ、エタノールを穏やかに乾燥除去し、約2〜6%過酸化水素を含む可鍛性膜を生産した。当該膜を細片にきり、その歯漂白効果を決定するために口内の湿った歯の表面に設置した。この膜を、約20分内で歯上で分解し、は漂白が繰り返しの使用で生じることが見出された。
【0017】
実施例3
直接的歯漂白移送装置
歯漂白用移送装置を、少ない接触で口内で漂白剤を配合し、口との十分な接触を維持、すなわち、ガムとほほに多少の刺激を与えた。
【0018】
上述したように製造した4gのPVP-過酸化水素複合体(20%過酸化水素)、7gのエチルセルロースを、200gの無水エタノールの中へ適当な可塑剤と共に、混合して、所望の膜特性を得た。その後、架橋PVP過酸化水素を湿った膜の底にセットした膜形成装置上に溶液を注いだ。エタノールを穏やかに乾燥除去し、膜の一方の側だけ利用できる約2〜7%過酸化水素を含む可鍛性膜を生産した。膜の他の側は、本質的に水不溶性であった。その後、膜を細片にカットし、露出した架橋PVP過酸化水素複合体を有する側は、歯の漂白効果のために口の湿った歯に対して設置された。膜は概してそれらの完全性を口内で維持されて、組織の炎症なしに歯漂白が生じるのに十分な1つの側上にのみ過酸化水素を放出する。
【0019】
本発明は、その一定の実施態様に対して特に参照して説明する一方、変更及び修正は、当業者の範囲内でなされることができる。したがって、それは、特許請求の範囲によってのみ拘束されることを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜の不可欠な構成要素として歯漂白物質を有する可塑性可鍛性ポリマー材料の膜からなり、それによって、前記膜が口表面へ接着したときに前記口表面上に活性を提供し、前記歯漂白物質が、口表面上へその活性を放出し、予め決定された時間内で効率的に作用するように、前記膜が、口腔の水性媒体中での溶出速度を有し、前記膜がその歯漂白作用を達成した後分解可能である、口腔の表面へ歯漂白物質を移送する移送装置。
【請求項2】
前記活性が、PVPポリマーと複合したH2O2であり、前記PVPポリマーは、非架橋又は架橋PVP、アルキル化PVP又はPVP-AAであることを特徴とする請求項1記載の移送装置。
【請求項3】
前記口処理物質が、前記膜の一方の側にのみ実質的に存在する請求項1記載の移送装置。
【請求項4】
前記膜が、非架橋又は架橋PVP−H2O2、及びメチルセルロース、選択的にヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はグリセロールからなる請求項1記載の移送装置。
【請求項5】
膜が、水性媒体において分解する請求項1記載の移送装置。
【請求項6】
ウエットエチルセルロース膜を提供し、前記膜を架橋PVP-H2O2で被膜し、架橋PVP-H2O2が前記エチルセルロース膜の一方の側へ沈降するための十分な時間を置き、乾燥することからなる請求項1記載の移送装置の製造方法。
【請求項7】
30〜70重量%水溶液として加えられた、1〜20重量%のH2O2、0.1〜50重量%の架橋PVP、及び0.1〜80%の多価アルコールからなる歯漂白組成物。

【公表番号】特表2006−504783(P2006−504783A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550027(P2004−550027)
【出願日】平成15年10月14日(2003.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/032404
【国際公開番号】WO2004/041102
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(596121138)アイエスピー インヴェストメンツ インコーポレイテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】ISP INVESTMENTS INC.
【Fターム(参考)】