説明

残量減少検出器付きサイホン容器及びバブラー容器及び工業用密閉容器

【課題】残量が少なくなって使用し続け、原料が枯渇した場合は1回分の処理が無駄になり結果的に損害を生じる。本発明の容器は以上の問題点を解決し、安定したシステムの運用を可能とし、容器の自動切換機能を提供する。
【解決手段】サイホン容器およびバブラー容器および工業用密閉容器の内部配管表面に磁性化処理を施した配管又は配管内部に磁性体を封入した配管、又は配管材の内部に振動モータおよび磁石および磁気センサーを組み合わせて封入した振動管を容器外部から電気的または磁気的に振動させ容器内の原料に量よって配管又は振動管の振動が妨げられ減衰する状態を容器の内部または外部より振動センサー又は磁気センサーにより検出し、電気的、音響的処理を行い原料の液面の位置を判定して、表示し、得られた信号によりバルブを駆動し原料の供給停止又は容器を自動的に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はサイホン容器およびバブラー容器および工業用密閉容器内原料の残量を容器内配管または振動管の振動の変化によって検出する機能を付加した容器及びシステムであり、配管又は振動管以外の構成物、例えば浮きセンサーや電極等の異物を容器内に設置することなく残量確認を行うことを可能とし、残量の目視確認による工数を減らすことを可能とし、原料の無駄を防ぎ容器内原料の突然の枯渇防止とプロセスの中断による損害の低減や複数の容器の自動切り替えによりシステムの連続運用を可能とした残量減少検出器付きサイホン容器およびバブラー容器および工業用密閉容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、サイホン容器の内容物の残量検出方法としてはフロート又はフロートスッチと呼ばれている“浮き”を利用し、浮きの位置により液面の上限及び下限を検知する方法、又は容器側面から内部が覗けるガラス窓を目視検査による方法、又は容器外部に液面を表示するガラス管、又は透明チューブを垂直に配置し目視検査する方法、又は容器内部の上部に超音波発振器を設け、発射した超音波が内容物の液面から反射する時間を計算して液面を導き出す方法や、電極間の静電容量や抵抗値の変化を検出して液面を導き出す方法などが考えられる。
【0003】
サイホン容器の一例としては食品用などに使われている数リットルから数十リットル以上のシロップタンクがあり、用途としては炭酸飲料容器などがある。炭酸ガスボンベと容器の加圧ガス供給ホースを接続し、その圧力で原料排出ホースから原料を排出す構造であり、広く普及している。容器の材質は衛生管理が容易なステンレス材を用いる場合が多い。内容物が食品である場合、細菌の増殖防止や品質保持の為に内部の洗浄を容易にし、残渣を減少させる為にセンサーや残量計を装着しない場合が多い。従って、容器内の内容物の残量を知る手段としては、容器から排出した内容物の累積量がら計算するか、ホースが繋がったまま持ち上げて揺らすなどして内容物の残量を推測している。
【0004】
他の例としては、工業用の容器であり、シロップタンクの場合と異なり、種々な科学薬品を収納し、容器の容量や形状も多種多様である。一例としては半導体製造装置などに組み込まれて使用されるバブラー容器がある。バブラー容器は構造的にサイホン容器に似ているが、入り口と出口が逆の使い方となる。容器内の原料をキャリアガスでバブリングして原料をキャリアガスとともに装置に供給する役目をもつ。その他、工業用容器には化学薬品や危険物が含まれる場合や高い圧力が必要な容器があり、ガラス管等の残量計やのぞき覗き窓などは好まれない。さらに容器自体又は配管が固定されている場合があり、それらの場合は重量を計測する事が出来ないので、排出した内容物の流量又はプロセスの回数により残量を計算する。
【0005】
容器自体が固定されず、かつ配管がフレキシブル配管やチューブを使用している場合は、重量計又は重量センサーで残量を計る。この場合は配管の重量や緊張により誤差を生じやすい。
【発明の開示】

【課題を解決する為の手段】
【0006】
本発明の図1に示す残量減少検出器付きサイホン容器(1)および図4に示す残量減少検出器付きバブラー容器(91)および図12に示す残量減少検出器付き工業用密閉容器(92)は目的を達成すために、サイホン容器を例にとって説明すれば図2に示すような一般的なサイホン容器(3)の下部安定台(5)の中心部に図1で示す様に磁気振動ドライバー兼センサー(21)と回路ユニット(40)を設置し、上部ポート保護兼取っ手(6)に警報器兼表示器(39)、インターフェイス(50)を組み込んだ構造である。図1は残量減少検出器付きサイホン容器(1)の断面でありステンレス容器(2)の内部に原料(20)が充填されている場合を示す。
【0007】
サイホン管(12)の一方は容器上部(10)の原料排出ポート(18)に確実に固定されていて、かつ先端がステンレス容器(2)の液溜り(15)に接触しないが近傍に設置し、液溜り(15)の外側に磁気振動ドライバー兼センサー(21)を設置した構造とする。サイホン管(12)は振動管として機能し直管であっても曲がっていても良い。また図9の様に加圧ガス管(13)の延長管や予備ポートに組み込まれたダミーのサイホン管又は予備のサイホン管を振動管として適用する事が可能である。容器底面が平坦な構造の場合、同様にサイホン管(12)の直下、容器の外側に磁気振動ドライバー兼センサー(21)を設置した構造とする。
【0008】
図7の残量検出器ブロック図の中で示す様に磁気振動ドライバー兼センサー(21)の構造は永久磁石(24)とドライバーコイル(22)、センサーコイル(23)、磁気回路(29)、磁気シールド(30)で構成する。磁気振動ドライバー兼センサー(21)はドライバー部分とセンサー部分を磁気回路(29)を中心にして分割した構造にして、近傍に設置しても良い。
【0009】
発振器(66)及びタイミング発生器(65)で生成したタイミングにより波形発生器(64)で生成したパルスをレベル調整器2(36′)により適正なドライブ量を調整し、ドライバーアンプ(62)で増幅してパルス状のドライブ電流(61)をドライバーコイル(22)に印加する。そして磁気振動ドライバー兼センサー(21)の磁気回路(29)に磁力線A(25)を発生させる。
【0010】
磁力線A(25)は磁気回路(29)を通りサイホン管(12)の先端を通り、磁気回路(29)に戻ることによりサイホン管(12)を弾きサイホン管の振動(27)を生じさせる。残量減少検出器付きサイホン容器(1)の中には原料(20)が充填されているのでサイホン管(12)は振動が抑えられ持続時間も短い。原料(20)が減少するとサイホン管(12)の固有振動数で振動しやすくなり、サイホン管の振動(27)は持続し緩やかに減衰する。
【0011】
サイホン管(12)の先端は磁気振動ドライバー兼センサー(21)の永久磁石(24)から放射する磁力線B(26)により磁化されているのでサイホン管の振動(27)は磁気回路(29)の磁力線(26)を変化させ、センサーコイル(23)に電流を生じ、抵抗器(31)の両端に電圧の変化を生じる。
【0012】
抵抗器(31)の両端の電圧は微小であるので、センサープリアンプ(33)およびセンサーアンプ(35)により増幅される。センサープリアンプ(33)前後の制限器1(32)および制限器2(32′)はドライブ電流(61)による誘起起電力や雑音の高い電圧を制限し、得た信号を周波数フィルター(34)に通過させる。信号はサイホン管(12)の固有振動数および低次高調波のみを通す周波数フィルターによって外部雑音の50Hzや60Hzの商用周波数や高周波雑音の影響を低減し、レベル調整器1(36)を経由し、判定回路(37)によりタイミング発生器(65)で生成した判定タイミング信号(67)により周波数、振幅、持続時間の比較判定を行い原料の減少の判定を行う。
【0013】
判定信号は警報用信号変換器(38)を経由し、警報器兼表示器(39)へ送られる。同時番に判定回路(37)の出力は外部出力用信号変換器(44)へ導かれ外部出力信号(45)として送出される。外部信号および入力電源(41)はインターフェイス(50)より供給され、スイッチ(48)の操作又は容器検出信号(49)により電源回路(46)を経由して回路ユニット(40)の各機能にモジュール電源(47)を供給する。また容器検出信号(49)及び判定回路(37)の出力を外部出力用信号変換器(44)を経由して外部出力信号(45)をインターフェイス(50)に送出する。回路ユニット(40)の構成は装置の規模や目的によって簡略化しても良い。本発明は、以上の構成よりなる残量減少検出器付きサイホン容器(1)である。
【0014】
本発明の残量減少検出器(90)を内蔵した架台(51)及びその架台システム(54)の断面図を図3に示し、ブロック図を図7に示す。サイホン容器(3)を架台(51)に乗せるだけでシステムを構成できる構造で、スイッチ(48)を操作しなくとも容器検出センサー(52)により、サイホン容器(3)が装着されたとことを示す容器検出信号(49)を回路ユニット(40)に伝達する。架台システムは壁型にして図12のような残量減少検出器付き工業用密閉容器(92)の側面の磁気振動ドライバー兼センサー(21)に対応する構造も可能である。
【0015】
次にサイホン容器内の原料(20)の減少の遷移を示す。最初は図1に示すように原料(20)は充填されているが、二酸化炭素ガス等の加圧ガス(16)が加圧ガス供給ホース(7)を経由し原料(20)の液面を押し付けると原料(20)はサイホン管(12)を通り原料排出ポート(18)より排出される。図5のサイホン管先端詳細図が示すように加圧ガス(16)により大部分の原料(20)がサイホン管(12)を経由して原料排出ホース(8)より排出される。そして原料(20)が少し残っている状態となる。さらに加圧ガス(16)を供給すると図6の原料(20)が殆ど残っていない状態となる。最終的には原料切れとなりサイホン管(12)の中には加圧ガス(16)のみ排出される。
【0016】
その時サイホン管(12)の振動の振幅は原料(20)が全く無い時に最大となり、発生する振動はサイホン管(12)の持つ固有振動数となる。逆に原料(20)が多いとサイホン管の振動(27)は抑えられ、とくに振動の持続時間は短くなり、振動数も僅かに低下する。また原料(20)の粘性によってサイホン管の振動(27)の挙動は異なる。
【0017】
原料(20)が残り少なくなり、多くの加圧ガス(16)と僅かな原料(20)がサイホン管(12)を通る時は異常な振動をもたらす。その時々の状態において、サイホン管の振動(27)によりセンサーコイル(23)に誘起起電力が発生する。得られる微小な誘起起電力はサイホン管の振動(27)の強さに比例する。容器の大きさ、サイホン管(12)の長さ、太さ、肉厚により振動の大きさと振動数が異なり、1Hz以下から数百Hzの低い固有振動数による信号を得る。図7ブロック図に示すサイホン管(12)の選定、周波数フィルターのチューニングを行い、振動数、振幅値及び減衰時間を求めておく。
【0018】
得られた信号は判定回路(37)において原料(20)の残量の判定をして警報と表示を行う。そしてインターフェイス(50)から電気信号又は光信号などの外部出力信号(45)を発生する。外部出力信号(45)はインターフェイス(50)を経由して図1に示すバルブ操作ボタンロック(42)を作動させバルブ操作ボタン(70)が押せないようにするか、又は警報表示灯(43)を点灯させる為に使用することが可能である。
【0019】
図1および図2に示すサイホン容器(3)は主にステンレス容器(2)とサイホン管(12)、加圧ガス管(13)、容器上部(10)、容器下部(11)の主要部品から構成され、サイホン管(12)などに使用されている材質は耐食性の良いSUS316又はSUS304ステンレスの場合が多く、いずれの材質も非磁性を示し、SUS304の場合は冷間圧延処理により磁性が強まる場合がある。SUS430は冷間加工が容易であり磁性がある。もし磁性があるSUS430を容器の材料として使うと、容器が磁気シールドとして働き、サイホン管を振動管として働かせることが出来ない。この場合は後述する振動モータ・磁石・磁気センサー内蔵振動管(96)を使用する事で解決する。図7に示すブロック図のような構造で永久磁石(24)を用いればサイホン管(12)の先端を磁化させることが出来、サイホン管の振動(27)によりセンサーコイル(23)に誘起起電力を得ることが可能である。
【0020】
サイホン管(12)の材質がSUS316又は非金属では非磁性を示すのでサイホン管(12)先端部を製膜処理又は微小磁性体を埋め込む事によってサイホン管の磁性化処理部分(63)を作る。それにより充分な振動と誘起起電力を得ることが可能である。弱磁性を持ったSUS304を用いた場合であっても同様の処理によって、さらに大きな誘起起電力を得ることが可能である。
【0021】
図4に示すバブラー容器(71)は構造的に図2に示すサイホン容器(3)に似ているが、入り口と出口が逆の使い方となる。たとえば図1のサイホン容器(3)の場合、加圧ガスポート(17)に接続されている加圧ガス管(13)により原料(20)に圧力を与え、サイホン管(12)を通して排出する。図4のバブラー容器(71)の場合はキャリアガス注入管(72)を通るキャリアガス(79)により原料(20)をバブル(75)によりバブリングして料排出管(73)から原料ガス(76)を排出する構造であるので、原料(20)が少なくなるとキャリアガス注入管(72)が振動しやすくなる。残量減少検出器(90)を適用するとサイホン容器(3)と同様に残量減少検出器付きバブラー容器(91)を構成することが可能となる。
【0022】
原料供給ポート(84)を備えたバブラー容器(71)の場合は残量減少の検出により原料(20)の補充を適時に行うためにインターフェイス(50)の信号により原料供給バルブ(85)の開閉を行う原料の自動供給装置が可能となる。
【0023】
図8に示すような複数のサイホン容器(3)又はバブラー容器(71)又は工業用密閉容器(4)の自動的切り替えシステムを構成するためには架台システム(54)を複数台用意して第一容器(82)の原料(20)が枯渇する直前に発生する信号をインターフェイス(50)からバルブ制御回路入力(86)に送り、バルブ制御回路(60)で生成される信号をバルブ制御回路出力(68)から送出し第一容器(82)の第1バルブ(56)及び第2バルブ(57)を閉じる。次に第二容器(83)の第3バルブ(58)及び第4バルブ(59)を開くことにより複数の容器の自動交換が可能となるシステムを構築することが可能となる。
【0024】
次に、本特許の振動管の変形例1は振動性を高めた磁性体内蔵振動管(93)であり配管材の先端に磁性体(87)を封入した振動管であり、図9に残量減少検出器付きサイホン容器(1)の断面図を示す。サイホン容器(3)の加圧ガス管(13)を延長し、先端内部に磁性体(87)を封入した構造の磁性体内蔵振動管(93)を組み込んだサイホン容器であり、図10に振動管先端詳細図を示す。図1のサイホン容器と同様に容器上部(10)近くの加圧ガス管口(14)から加圧ガスが供給される。図9に示す磁性体内蔵振動管(93)を使用すれば単なるサイホン管(12)の振動より大きな振動を得られ、磁気振動ドライバー兼センサー(21)のセンサーからはより大きな信号を得られ、磁性体内蔵振動管と磁気振動ドライバー兼センサーの組み合わせの例(101)を示す。
【0025】
次に本特許の振動管の各種変形例と設置例を図12に示す。本特許、振動管の変形例2は振動モータ・磁気センサー内蔵振動管(94)であり、配管材の先端にセンサーコイルやホール素子などの磁気センサーおよび振動モータ(88)を封入した振動管である。
【0026】
図12は各振動管を残量減少検出器付き工業用密閉容器(92)に設置した例である。図11は振動モータ・磁気センサー内蔵振動管(94)の詳細断面図である。振動モータ(88)は超小型のモータの軸に偏った錘を取り付けた構造であり、電流を流すと、錘のブレにより振動管の振動(28)を発生する。この場合は磁気振動ドライバー兼センサー(21)のドライバー部分を使用し少ない電力で大きな振動を得ることが可能であり、振動モータには短時間周期的に電流を印加する。電流を切断すると振動管は自身の固有振動で振動を持続するが、原料の量に応じて振動は妨げられる。電流の切断後の一定時間、内蔵のセンサーコイル(23)又は磁気振動ドライバー兼センサーのセンサー部分で振動の状態すなわち原料の量の状態を検査する。
【0027】
振動モータ・磁気センサー内蔵振動管(94)の内部には磁石が内蔵されていないので容器の外側の近傍に磁石(24)を設置して磁気センサーに磁界を与える。振動管の振動により磁界を乱し磁気センサーに電流を生じさせる。これを振動モータ・磁気センサー内蔵振動管と磁石の組み合わせ例(100)として図12に示す。振動管の先端と磁石との位置関係は充分近くにあり、必要な起電力が得られれば容器の底部でも、側面でもよい。
【0028】
図11の詳細図および図12の工業用密閉容器斜視図に示す振動モータ・磁気センサー内蔵振動管(94)の内部にセンサーコイル(23)を収納し、容器外部に磁石(24)を置き、振動管の振動(28)により磁石(24)が振動してセンサーコイル(23)に誘起起電力を得ることが可能である。
【0029】
次に本特許の振動管の変形例3としては図12のように振動モータ・磁石内蔵振動管(95)とセンサー管(97)を対向させた構造が考えられ、図13に断面詳細図を示す。振動モータ・磁石内蔵振動管(95)の内部には振動モータ(88)と磁石(24)を密閉し、センサー管(97)内部にはセンサーコイル(23)などの磁気センサーを密閉する。振動モータ・磁石内蔵振動管(95)が振動すると、磁力線(26)が変化してセンサーコイル(23)に起電力を生じる。振動モータ・磁石内蔵振動管とセンサー管の組み合わせ(103)の設置例を図12に示す。センサー管内部にはセンサーコイル(23)の替わりにホール効果素子または磁気抵抗素子などの磁気センサーを装備しても良い。
【0030】
次に本特許の振動管の変形例4としては図12のように振動管を水平又は水平に近い角度で取り付けた水平振動管(9)が考えられ、原料の上面の変化を捉えやすい。また側面に設置できるので従来からある水平フロートスイッチと置き換えが可能となる。水平振動管と磁気振動ドライバー兼センサーの組み合わせの例(102)として図12に示す。
【0031】
次に本特許の振動管の変形例5として図14に振動モータ・磁石・磁気センサー内蔵振動管(96)を示す。この振動管は内部に振動モータ(88)を内蔵し、センサーコイル(23)又は磁石(24)のどちらかが支持スプリング(98)で支持され収納される。これはセンサーコイルにより振動の検出が可能である振動管とセンサーの機能を一つに集合したものである。
【0032】
この振動モータ・磁石・磁気センサー内蔵振動管(96)は一本の振動管で振動を発生する機能と、内部磁石の振動をセンサーコイル(23)で検出する機能を持ち、容器の材質によらず各種容器に幅広く応用が可能である。また複数の振動管の設置により段階的な液面の検出が可能となる。図15に液面検出器ブロック図を示す。
【0033】
これら変形例構成要素の振動モータ、磁石、センサー、磁気ドライバー兼センサーの構成および組み合わせは本特許の範囲とする。振動管の材質はサイホン管又は容器と同じ材質で密閉された構造であれば原料に対しての異物混入の可能性は低減される。これらの振動管は取り付け位置により原料の残量減少検出器および液面検出器として応用が可能である。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、作業者の感覚による早めの容器交換による原料の無駄を減らし、容器中に電極やフロートスイッチなど原料に対する異物を設置することなく、従来使用してきた容器を使用し、容器内の配管に僅かの変更又は振動管の追加と容器外部に本発明の残量検出装置を追加する事により原料の枯渇を検出し、次に実施する操作に対して注意を与え、操作の禁止等の指示を可能とするシステムを提供する。また原料の突然の枯渇による処理の中断を防止し、安定したシステムの運用を可能とするものである。現場及び遠隔から容易に集中管理するシステムを構築することを可能とし、複数のサイホン容器及びバブラー容器および工業用密閉容器の自動切り替えを可能とする残量検出器内蔵サイホン容器およびバブラー容器および工業用密閉容器である。
【発明の実施のための最良形態】
【0035】
以下、図により本発明の実施の形態を説明する。
(イ)本発明、請求項1の液面検出器を構成するためには各種容器に対応した形状配管または振動管を選択する。既存のサイホン管(12)を振動管として使用する場合は先端に製膜等の磁性体処理を施した配管(19)を作成する。選択可能な二番目の例として図9に示す様に加圧ガス管(13)を延長した配管の先端に磁性体(83)を封入し磁性体内蔵振動管(93)を作成する。三番目の例として図11に示す様に振動モータ(88)およびセンサーコイル(23)を内蔵して密閉し振動モータ・磁気センサー内蔵振動管(94)を作成する。四番目の例として図13に示すように振動モータ(88)および磁石(24)を封入し振動モータ・磁石内蔵振動管(95)を作成する。五番目の例として図14に示すように振動モータ(88)および磁気センサー(23)および磁石(24)を封入して振動モータ・磁石・磁気センサー内蔵振動管(96)を作成する。
(ロ)対象となる容器に対して(イ)項で選択した配管又は振動管を採用し、対応した磁気振動ドライバー兼センサー(21)又は磁石(24)又はセンサーを選択し準備する。回路ユニット(40)、インターフェイス(50)、警報器兼表示器(39)などを組み合わせて図15に示す液面検出器(104)又は図7に示す残量減少検出器(90)を準備する。
(ハ)本発明、請求項2の残量減少検出器付きサイホン容器(1)を構成するためには図2に示す様に下部安定台(5)の厚みを調整した物に変更して請求項1の液面検出器(104)又は残量減少検出器(90)の主要部分すなわち磁気振動ドライバー兼センサー(21)および回路ユニット(40)などを収納するスペースを確保する。サイホン管(12)の先端が容器の液溜り(15)に接触せず、かつ液溜り(15)底面に近くなるように取り付け位置を調整する。
(ニ)容器下部(11)の液溜り(15)の下側に位置するように磁気ドライバー兼センサー(21)を下部安定台(5)内部に設置する。
(ホ)磁気振動ドライバー兼センサー(21)及び回路ユニット(40)を下部安定台(5)に収納する。
(ヘ)インターフェイス(50)を下部安定台(5)に収納する。
(ト)警報器兼表示器(39)を上部ポート等保護兼取っ手(6)の上面に設置する。
(チ)警報器兼表示器(39)と回路ユニット(40)をケーブルで接続し、配線配管(53)に収納する。
(リ)インターフェイス(50)と外部信号および入力電源(41)に接続し、動作を開始する。
(ヌ)警報器兼表示器(39)でサイホン容器内の原料(20)の状態を監視する。
(ル)本発明、請求項3の残量減少検出器付きバブラー容器(91)を構成するためには図4に示す様に下部安定台(5)の厚みを増した物に変更して請求項1の液面検出器(104)又は残量減少検出器(90)の主要部分を収納するスペースを確保する。
(ヲ)キャリアガス注入管(72)の先端が容器の液溜り(15)に接触せず、かつ液溜り(15)底面に近くなるように原料排出ポート(18)の取り付けを調整する。
(ワ)容器下部(11)の液溜り(15)の下側に位置するように磁気ドライバー兼センサー(21)を下部安定台(5)内部に設置する。
(カ)磁気振動ドライバー兼センサー(21)及び回路ユニット(40)を下部安定台(5)に収納する。
(ヨ)警報器兼表示器(39)を上部ポート保護兼取っ手(6)の上面に設置する。
(タ)警報器兼表示器(39)と回路ユニット(40)をケーブルで接続し、配線配管(53)に収納する。
(レ)インターフェイス(50)とバルブ操作ボタンロック(42)をケーブルで接続する。
(ソ)外部信号および入力電源(41)に接続し、動作を開始する。
(ツ)警報器兼表示器(39)でバブラー容器内の原料(20)の残量の状態を監視する。
(ネ)本発明、請求項4の残量減少検出器付き工業用密閉容器(92)を構成するためには請求項1の液面検出器(104)又は残量減少検出器(90)の振動管を選択して設置する。
(ナ)振動モータ・磁気センサー内蔵振動管と磁石の組み合わせ例(100)の場合は図12に示す様に工業用密閉容器(4)の容器上部(10)に振動モータ・磁気センサー内蔵振動管(94)を装着する。
(ラ)振動モータ・磁気センサー内蔵振動管(94)の先端に近い容器外側の近傍に永久磁石(24)を装着する。(但し、振動モータ・磁石・磁気センサー内蔵振動管(96)を採用する場合、永久磁石は装着しない。)
(ム)振動モータ・磁気センサー内蔵振動管(94)の振動モータ(88)及びセンサーコイル(23)のケーブルを回路ユニット(40)含む警報器兼表示器(39)に結線する。
(ウ)インターフェイス(50)を外部装置又は電源に接続し、動作を開始する。
(ヰ)警報器兼表示器(39)で工業用密閉容器内の原料(20)の残量の状態を監視する。
(ノ)本発明、請求項5の残量減少検出器(90)を組み込んだ架台(51)及びその架台システム(54)を構成するためには図3に示す様に架台(51)の内部に磁気振動ドライバー兼センサー(21)及び容器検出センサー(52)を収納するスペースを確保する。
(オ)振動ドライバー兼センサー(21)及び容器検出センサー(52)を収納する。
(ク)容器の液溜り(15)と磁気振動ドライバー兼センサー(21)の中心が一致するよう容器の左右の容器ガイド(55)を調整する。
(ヤ)配線配管(53)、警報器兼表示器(39)、回路ユニット(40)、インターフェイス(50)を架台(51)に設置する。
(マ)インターフェイス(50)と外部装置および入力電源(41)を接続する。
(ケ)架台(51)に請求項1の振動管を組み込んだサイホン容器(3)あるいはバブラー容器(71)をのせ架台システム(54)を作動させる。
(フ)警報器兼表示器(39)でサイホン容器(3)あるいはバブラー容器(71)の原料(20)の状態を監視する。
(コ)本発明、請求項6の複数のサイホン容器(3)又はバブラー容器(71)の自動的切り替えシステムを構成するためにはサイホン容器(3)を例にとれば、図3に示す請求項5の架台システム(54)を複数台用意して図8の様に各容器の配管は電磁バルブあるいはエアー駆動バルブなどを経由して加圧供給ライン(80)及び原料排出ライン(81)に並列接続する。各架台システム(54)のインターフェイス(50)はバルブ制御回路(60)に接続する。バルブ制御回路出力(68)を各容器の第1バルブ(56)及び第2バルブ(57)及び第3バルブ(58)及び第4バルブ(59)に接続する。各架台(51)のインターフェイス(50)の信号をバルブ制御回路(60)へ接続する。システムインターフェイス(69)を必要に応じて外部装置へ接続する。各容器の状態は警報器兼表示器(39)に容器の接続状態が表示されるので監視をする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】残量減少検出器付きサイホン容器断面図である。
【図2】サイホン容器の平面図である。
【図3】サイホン容器及び架台システム断面図である。
【図4】残量減少検出器付きバブラー容器断面図である。
【図5】原料が減少している場合のサイホン管先端詳細断面図である。
【図6】原料が減少している場合のサイホン管先端詳細断面図である。
【図7】残量減少検出器ブロック図である。
【図8】サイホン容器の自動的切り替えシステム図である。
【図9】振動管を装着した残量減少検出器付きサイホン容器断面図である。
【図10】磁性体を内蔵した振動管先端詳細図である。
【図11】振動モータおよび磁気センサーを内蔵した振動管先端詳細図である。
【図12】残量減少検出器付き工業王密閉容器斜視図、一部破断図である。
【図13】振動管およびセンサー管先端詳細図である。
【図14】磁石・センサー内蔵振動管先端詳断面細図である。
【図15】液面検出器ブロック図である。
【符号の説明】
【0038】
残量減少検出器付きサイホン容器(1)、ステンレス容器(2)、サイホン容器(3)、密閉容器(4)、下部安定台(5)、上部ポート保護兼取っ手(6)、加圧ガス供給ホース(7)、原料排出ホース(8)、水平振動管(9)、容器上部(10)、容器下部(11)、サイホン管(12)、加圧ガス管(13)、加圧ガス管口(14)、液溜り(15)、加圧ガス(16)、加圧ガス供給ポート(17)、原料排出ポート(18)、磁性体処理を施した配管(19)、原料(20)、磁気振動ドライバー兼センサー(21)、ドライバーコイル(22)、センサーコイル(23)、永久磁石(24)、磁力線A(25)、磁力線B(26)、サイホン管の振動(27)、振動管の振動(28)、磁気回路(29)、磁気シールド(30)、抵抗器(31)、制限器1(32)、制限器2(32′)、センサープリアンプ(33)、周波数フィルター(34)、センサーアンプ(35)、レベル調整器1(36)、レベル調整器2(36′)、判定回路(37)、警報用信号変換器(38)、警報器兼表示器(39)、回路ユニット(40)、外部信号および入力電源(41)、バルブ操作ボタンロック(42)、警報表示灯(43)、外部出力用信号変換器(44)、外部出力信号(45)、電源回路(46)、モジュール電源(47)、スイッチ(48)、容器検出信号(49)、インターフェイス(50)、架台(51)、容器検出センサー(52)、配線配管(53)、架台システム(54)、容器ガイド(55)、第1バルブ(56)、第2バルブ(57)、第3バルブ(58)、第4バルブ(59)、バルブ制御回路(60)、ドライブ電流(61)、ドライバーアンプ(62)、サイホン管の磁性化処理部分(63)、波形発生器(64)、タイミング発生器(65)、発振器(66)、判定タイミング信号(67)、バルブ制御回路出力(68)、システムインターフェイス(69)、バルブ操作ボタン(70)、バブラー容器(71)、キャリアガス注入管(72)、原料排出管(73)、バブル(75)、原料ガス(76)、原料ガス排出ポート(77)、キャリアガス注入ポート(78)、キャリアガス(79)、加圧供給ライン(80)、原料排出ライン(81)、第一容器(82)、第二容器(83)、原料供給ポート(84)、原料供給バルブ(85)、バルブ制御回路入力(86)、振動モータ(88)、磁性体(87)、残量減少検出器(90)、残量減少検出器付きバブラー容器(91)、残量減少検出器付き工業用密閉容器(92)、磁性体内蔵振動管(93)、振動モータ・磁気センサー内蔵振動管(94)、振動モータ・磁石内蔵振動管(95)、振動モータ・磁石・磁気センサー内蔵振動管(96)、センサー管(97)、支持スプリング(98)、振動モータ・磁気センサー内蔵振動管と磁石の組み合わせ例(100)、磁性体内蔵振動管と磁気振動ドライバー兼センサーの組み合わせの例(101)、水平振動管と磁気振動ドライバー兼センサーの組み合わせの例(102)、振動モータ・磁石内蔵振動管とセンサー管の組み合わせ(103)、液面検出器(104)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業用容器の内部配管表面に磁性化処理を施した配管又は配管内部に磁性体を封入した配管、又は配管材の内部に振動モータおよび磁石および磁気センサーを組み合わせて封入した振動管を容器外部から電気的または磁気的に振動させ容器内の原料に量よって配管又は振動管の振動が妨げられ減衰する状態を容器の内部または外部より振動センサー又は磁気センサーにより検出し、電気的、音響的処理を行い原料の液面の位置を判定し、表示し、判定信号をインターフェイスから外部に送出を可能とする振動管を使用した液面検出器
【請求項2】
請求項1の液面検出器を用いた残量減少検出器付きサイホン容器
【請求項3】
請求項1の液面検出器を用いた残量減少検出器付きバブラー容器
【請求項4】
請求項1の液面検出器残量減少検出器付き工業用密閉容器
【請求項5】
請求項2のサイホン容器又は請求項3のバブラー容器又は請求項4の工業用密閉容器から残量減少検出器を分離し、架台に組み込み、その架台にサイホン容器又はバブラー容器又は工業用密閉容器を装着すると、容器の有無を検出して、残量減少検出器が的確に内部配管の先端近傍にセットされ、内部配管の振動の状態により原料の減少状態を判定し、表示し、判定信号をインターフェイスから外部装置に送出することが可能な残量減少検出器を組み込んだ架台及びそのシステム
【請求項6】
請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5を用いて得たインターフェイスの信号を用い複数のサイホン容器又はバブラー容器又は工業用密閉容器のバルブの自動的切り替え及び原料の自動補給を可能としたシステム

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−189381(P2008−189381A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50537(P2007−50537)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(505415606)
【Fターム(参考)】