段取り替え計画の決定方法および決定装置
【課題】割込生産を行う際に、段取り替え部品の段取り替え計画の決定を短時間化すると共に、実際の段取り替えに要する時間を短時間化することができる段取り替え計画の決定方法および決定装置を提供する。
【解決手段】割込段取り替え計画決定工程は、割込生産の前後の生産における初期段取り替え計画決定工程により決定された段取り替え部材の設置位置に基づいて、割込段取り替え計画を決定する(S11〜S32)。
【解決手段】割込段取り替え計画決定工程は、割込生産の前後の生産における初期段取り替え計画決定工程により決定された段取り替え部材の設置位置に基づいて、割込段取り替え計画を決定する(S11〜S32)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品実装装置を用いて複数種類の回路基板のそれぞれに電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する際に、スロットに設置する部品フィーダの段取り替え計画、または、ノズルステーションに設置するノズル段取り替え計画の決定方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数種類の電子回路製品を生産する際には、スロットに設置する部品フィーダの設置位置やノズルステーションに設置するノズルの設置位置に関して、段取り替えを行う必要がある。従来、例えば、特開平9−107197号公報(特許文献1)などに記載されているように、初期の生産計画に基づいて、段取り替え回数が少なくなるように最適化された段取り替え計画を決定している。
【0003】
また、段取り替え計画の決定方法として、例えば、特開平11−87996号公報(特許文献2)に記載されたものがある。特許文献2には、複数の作業機を用いる場合に、対象替えする次の作業に必要な部品を、一つ前の生産時に各作業機に配置されている既配置ツール(ノズルに相当)に対応するものについては、その既配置ツールのある作業機に優先して振り分けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−107197号公報
【特許文献2】特開平11−87996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、実際の生産ラインにおいては、初期生産計画とは別の電子回路製品を割込生産する場合が生じる。割込生産を行うと、部品フィーダやノズルについて、割込生産の前の生産に対して段取り替えを行うと共に、割込生産終了後においても割込生産の後の生産に対応する段取り替えを行う必要があった。この割込生産の生産計画の決定について、特許文献1に記載の方法を適用すると、既に決定した段取り替え計画を破棄して、割込生産以降の生産全てに対して段取り替え計画を再度決定することになる。これでは、段取り替え計画の決定について多大な時間を要する。また、割込生産の生産計画の決定について、特許文献2に記載の方法を適用すると、割込生産の一つ前における部品フィーダやツールの設置位置を考慮して割込生産における段取り替え計画を決定することになる。この場合には、段取り替え計画の決定のやり直しとはならないため、割込生産における段取り替え計画の決定についてそれほど時間を要しない。しかし、この場合には、段取り替えが最適とは言えず、実際の段取り替えに要する時間が長時間化することがある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、割込生産を行う際に、段取り替え部品の段取り替え計画の決定を短時間化すると共に、実際の段取り替えに要する時間を短時間化することができる段取り替え計画の決定方法および決定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(段取り替え計画の決定方法)
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、
複数のスロットと、それぞれ一種類ずつの電子部品を収容しそれぞれの前記スロットに設置される複数の部品フィーダと、それぞれの前記電子部品に対応するノズルを複数設置するノズルステーションと、選択された一つまたは複数の前記ノズルを装着し回路基板に対して相対的に移動可能に設けられた装着ヘッドと、を備える電子部品実装装置を用いて、
複数種類の前記回路基板のそれぞれに前記電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する際に、前記スロットに設置する前記部品フィーダ、前記ノズルステーションに設置する前記ノズルおよび前記装着ヘッドに装着される前記ノズルの少なくとも一つである段取り替え部材に対する段取り替え計画の決定方法において、
複数種類の前記電子回路製品の初期生産計画に基づいて前記段取り替え部材の初期段取り替え計画を決定する初期段取り替え計画決定工程と、
前記初期段取り替え計画に対して別の前記電子回路製品の割込生産を行う際に、前記段取り替え部材の割込段取り替え計画を決定し、当該割込段取り替え計画を前記初期段取り替え計画に対して挿入する割込段取り替え計画決定工程と、
を備え、
前記割込段取り替え計画決定工程は、割込生産の前後の生産における前記初期段取り替え計画決定工程により決定された前記段取り替え部材の設置位置に基づいて、前記割込段取り替え計画を決定することである。
【0008】
請求項2に係る発明の特徴は、前記割込段取り替え計画決定工程が、前記割込生産における前記段取り替え部材のうち前記割込生産の後の生産における前記段取り替え部材と同一部材を、前記割込生産の後の生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第一工程と、前記割込第一工程の後に、前記割込生産における前記段取り替え部材のうち前記割込生産の一つ前の生産における前記段取り替え部材と同一部材を、前記割込生産の一つ前の生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第二工程と、を備えることである。
【0009】
請求項3に係る発明の特徴は、前記割込段取り替え計画決定工程が、前記割込第二工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の両方において使用しない位置がある場合に、当該使用しない位置を前記割込生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第三工程を備えることである。
【0010】
請求項4に係る発明の特徴は、前記割込段取り替え計画決定工程が、前記割込第三工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の一方で使用され、且つ、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の他方で使用しない位置が有る場合に、当該位置を前記割込生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第四工程を備えることである。
【0011】
請求項5に係る発明の特徴は、前記割込段取り替え計画決定工程は、前記割込第四工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の一方で使用される場合に、前記割込生産における前記段取り替え部材を、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産のそれぞれにおいて異なる前記段取り替え部材の設置位置に決定することである。
【0012】
(段取り替え計画の決定装置)
請求項6に係る発明の特徴は、
複数のスロットと、それぞれ一種類ずつの電子部品を収容しそれぞれの前記スロットに設置される複数の部品フィーダと、それぞれの前記電子部品に対応するノズルを複数設置するノズルステーションと、選択された一つまたは複数の前記ノズルを装着し回路基板に対して相対的に移動可能に設けられた装着ヘッドと、を備える電子部品実装装置を用いて、
複数種類の前記回路基板のそれぞれに前記電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する際に、前記スロットに設置する前記部品フィーダ、前記ノズルステーションに設置する前記ノズルおよび前記装着ヘッドに装着される前記ノズルの少なくとも一つである段取り替え部材に対する段取り替え計画の決定装置において、
複数種類の前記電子回路製品の初期生産計画に基づいて前記段取り替え部材の初期段取り替え計画を決定する初期段取り替え計画決定手段と、
前記初期段取り替え計画に対して別の前記電子回路製品の割込生産を行う際に、前記段取り替え部材の割込段取り替え計画を決定し、当該割込段取り替え計画を前記初期段取り替え計画に対して挿入する割込段取り替え計画決定手段と、
を備え、
前記割込段取り替え計画決定手段は、割込生産の前後の生産における前記初期段取り替え計画決定手段により決定された前記段取り替え部材の設置位置に基づいて、前記割込段取り替え計画を決定することである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、割込生産の前の生産のみならず、割込生産の後の生産における初期段取り替え計画決定工程により決定された段取り替え部材の設置位置に基づいて、割込段取り替え計画を決定している。従って、割込生産を開始する際における段取り替え、および、割込生産を終了して次の生産を行う際における段取り替えを、総合的に見て段取り替え数を少なくできるようになる。つまり、本発明によれば、実際の段取り替えに要する時間を短時間化できる。また、本発明によれば、決定された割込段取り替え計画は、初期段取り替え計画に挿入している。つまり、初期段取り替え計画を見直すものではなく、割込段取り替え計画のみを決定している。従って、段取り替え計画全体を再決定するものではないため、段取り替え計画の決定に際して多大な時間を要するものではない。つまり、割込生産を行う場合であっても、段取り替え計画の決定の短時間化を図ることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、割込段取り替え計画をより最適とすることができる。つまり、割込生産を行うことによる段取り替え数を確実に少なくできる。
請求項3に係る発明によれば、割込段取り替え計画をより最適とすることができる。つまり、割込生産を行うことによる段取り替え数を確実に少なくできる。
請求項4に係る発明によれば、割込段取り替え計画をより最適とすることができる。つまり、割込生産を行うことによる段取り替え数を確実に少なくできる。
請求項5に係る発明によれば、割込段取り替え計画をより最適とすることができる。つまり、割込生産を行うことによる段取り替え数を確実に少なくできる。
請求項6に係る発明によれば、上述した請求項1に係る発明による効果と同様の効果を奏する。また、段取り替え計画の決定方法における他の特徴部分についても、本発明の決定装置に同様に適用できる。この場合、同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電子部品実装装置の平面図である。
【図2】段取り替え計画の決定装置40を示すブロック図である。
【図3】演算部41による段取り替え計画の決定処理を示すフローチャートである。
【図4】割込段取り計画の決定処理を示すフローチャート(1)である。
【図5】割込段取り計画の決定処理を示すフローチャート(2)である。
【図6】割込段取り計画の決定処理を示すフローチャート(3)である。
【図7】(a)は割込生産の一つ前工程ジョブに用いる電子部品a1〜a6のスロットにおける配置を示す。(b)は割込生産の後工程ジョブに用いる電子部品c1〜c6のスロットにおける配置を示す。(c)は一つ前工程ジョブの電子部品a1〜a6と後工程ジョブの電子部品c1〜c6の共通、非共通の関係を示す。
【図8】割込生産に用いる電子部品b1〜b7と、一つ前工程ジョブの電子部品a1〜a6および後工程ジョブの電子部品c1〜c6との共通、非共通の関係を示す。
【図9】割込段取り計画の決定処理の各工程において、スロットSR1〜SR8に配置する電子部品b1〜b7を示す。
【図10】その他の実施形態を示す図である。
【図11】その他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の段取り替え計画の決定方法および決定装置を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0017】
(電子部品実装装置の説明)
段取り替え計画の適用対象となる電子部品実装装置について、図1を参照して説明する。図1に示すように、電子部品実装装置は、ベース11と、コンベア12と、Xスライドガイド13,13と、Xスライド体14と、装着ヘッド15と、複数のスロット16と、部品フィーダ17と、ノズル18と、画像取込部19と、ノズルステーション20とを備える。
【0018】
ベース11は床上に固定される。コンベア12は、ベース11の上面に設置され、コンベア12上に載置された回路基板30をX方向に搬送する。つまり、コンベア12は、Xマイナス方向からXプラス方向へ向かって、複数の回路基板30を順次搬送する。Xスライドガイド13,13は、コンベア12に対して、Y方向の両外側にX方向に延びるようにそれぞれ設置される。Xスライド体14は、Xスライドガイド13,13上に懸架されるように設けられ、ベース11に対してX方向に移動可能に設けられている。
【0019】
装着ヘッド15は、Xスライド体14に対してY方向に移動可能となるように、Xスライド体14に設けられている。つまり、装着ヘッド15は、ベース11に対して、X方向およびY方向に移動可能となる。装着ヘッド15の下端側には、ノズル18が交換可能に装着される。この装着ヘッド15は、1つのノズル18のみを装着するタイプと、複数のノズル18を装着するタイプとが存在する。これは、実装する電子部品の大きさや、電子部品の全体数、種類数などに応じて適宜選択する。
【0020】
複数のスロット16は、ベース11のうち、Xスライドガイド13に対してコンベア12よりも外側に設けられている。これら複数のスロット16には、複数の部品フィーダ17がそれぞれ設置される。部品フィーダ17は、本実施形態においては、例えばテープフィーダを示している。それぞれの部品フィーダ17は、それぞれ一種類ずつの電子部品を収容している。
【0021】
ノズル18は、装着ヘッド15の下端側に装着される。このノズル18は、コンベア12上を搬送される回路基板30に対して複数の電子部品を実装するために、部品フィーダ17に収容されている電子部品を例えば吸着などによって保持できる。つまり、装着ヘッド15をベース11に対してX方向およびY方向に移動させることで、ノズル18を部品フィーダ17に収容される電子部品を回路基板30へ搬送することができる。
【0022】
画像取込部19は、Xスライド体14に設けられている。画像取込部19は、X方向位置が装着ヘッド15と同一で、且つ、Y方向がコンベア12と部品フィーダ17との間に位置している。つまり、装着ヘッド15が各部品フィーダ17から回路基板30の実装位置へ移動する過程において、Xスライド体14と一体的にX方向に移動する画像取込部19上を装着ヘッド15が通過する。通過するとき、画像取込部19は、装着ヘッド15に装着されているノズル18によって保持されている電子部品の画像を取り込むことができる。
【0023】
ノズルステーション20は、装着ヘッド15に装着されていない複数種類のノズル18を保管する。装着ヘッド15に装着するノズル18を交換する場合には、装着ヘッド15をノズルステーション20へ移動させ、装着しているノズル18をノズルステーション20で取り外し、ノズルステーション20に保管されている他のノズル18を装着する。
【0024】
(段取り替え計画の決定装置)
上述した電子部品実装装置を用いて、複数種類の回路基板30のそれぞれに電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する。このときに、複数のスロット16に設置する部品フィーダ17の段取り替え計画の決定装置、および、この決定装置による決定方法について、図2〜図9を参照して説明する。
【0025】
図2に示すように、段取り替え計画の決定装置40は、例えばCPUなどの演算部41と、例えばRAMなどの記憶部42とを備える。この段取り替え計画の決定装置40は、例えば、キーボード、ポインティングデバイスおよびタッチパネルなどの入力機器50によって入力された情報を取り込む。演算部41は、入力された情報に基づいて、以下に説明する処理によって、初期段取り替え計画および割込段取り替え計画を生成する。初期段取り替え計画とは、予め決定されている生産計画に基づいて決定された、各生産ジョブにおける部品フィーダ17を設置するスロット16の位置に関する情報を有する。割込段取り替え計画とは、予め決定されている生産計画には入っていない生産ジョブにおける部品フィーダ17を設置するスロット16の位置に関する情報を有する。記憶部42は、演算部41により演算される途中情報、および、演算部41による演算結果、すなわち、初期段取り替え計画および割込段取り替え計画を記憶する。
【0026】
図3に示すように、演算部41による段取り替え計画の決定処理は、まず、予め決定されている生産計画に基づいて、初期段取り替え計画の決定処理を行う(S1)。例えば、特開平9−107197号公報や特開平11−87996号公報などにより公知の技術を用いて、初期段取り替え計画の決定処理を行う。つまり、後述する割込生産が入らなければ、段取り替えが最も少なくなるように、各生産ジョブにおける部品フィーダ17を設置するスロット16の位置を決定する。
【0027】
例えば、図7(a)に示すように、後述する割込生産が割り込まれる一つ前工程ジョブに用いる電子部品a1〜a6は、スロットSR1〜SR6に順に設置される。また、図7(b)に示すように、割込生産が割り込まれる後工程ジョブに用いる電子部品c1〜c6は、スロットSR3〜SR8の順に設置される。ここで、図7(c)に示すように、電子部品a1〜a6は、それぞれ異なり、電子部品c1〜c6はそれぞれ異なる。さらに、電子部品a3とc1は同一部品であり、電子部品a4とc2は同一部品であり、電子部品a5とc3、a6とc4は異なる部品である。
【0028】
つまり、共通する部品a3,c1、および、a4,c2は、それぞれ同一のスロットに設置されているため、一つ前工程ジョブから後工程ジョブへ移行した時に、これらのスロットSR3,SR4では部品フィーダを交換する必要がなくなる。ただし、スロットSR5,SR6の部品フィーダを交換する必要がある。また、スロットSR7,SR8は、新たな部品フィーダを追加する。なお、スロットSR1,SR2は、前工程ジョブの部品フィーダをそのまま継続して設置している。
【0029】
初期段取り替え計画の決定処理(S1)が終了すると、割込生産が有るか否かを判定する(S2)。割込生産が有る場合には(S2:Y)、割込段取り替え計画の決定処理を行う(S3)。そして、割込生産がない場合(S2:N)、割込生産が有る場合で割込段取り替え計画の決定処理を終えた場合(S3)、初期段取り替え計画の実行が終了したか否かを判定する(S4)。全て終了した場合には、演算部41による処理を終了する。一方、初期段取り替え計画の実行が全て終了していない場合には、再びステップS2に戻り、処理を繰り返す。
【0030】
次に、割込段取り替え計画の決定処理について、図4〜図6、図8〜図9を参照して説明する。当該処理は、まず、初期段取り替え計画を取得する(S11)。続いて、割込生産の対象となる電子回路製品に関する情報、および、初期生産に対する割込位置に関する情報を取得する(S12)。ここで、例えば、図8に示すように、割込生産に用いる電子部品は、b1〜b7であって、b1はa2と同一部品であり、b2はa4,c2と同一部品であり、b3はc4と同一部品であり、b4〜b7は、a1〜a6およびc1〜c6と異なる部品である。
【0031】
続いて、割込生産に用いる電子部品の中に、後工程ジョブ(i+1〜imax)(iは工程数)の電子部品と同一の電子部品X1が有るか否かを判定する(S13)。そして、同一の電子部品X1が有る場合には、当該電子部品X1を後工程ジョブの同一の電子部品と同一のスロットの位置に設定する(S14)。ここで、電子部品b2はc2と同一部品であるので、図9(a)に示すように、電子部品b2はスロットSR4に設定される。また、電子部品b3はc4と同一部品であるので、電子部品b4は、スロットSR6に設定される。
【0032】
続いて、ステップS14の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S15)、終了していない場合には、ステップS16へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS13において、同一の電子部品X1がない場合にも、ステップS16へ移行する。
【0033】
そして、ステップS16では、割込生産に用いる電子部品の中に、一つ前工程ジョブ(i)の電子部品と同一の電子部品X2が有るか否かを判定する(S16)。同一の電子部品X2が有る場合には、当該電子部品X2を一つ前工程ジョブの同一の電子部品と同一のスロットの位置に設定する(S17)。ここで、電子部品b1はa2と同一部品であるので、図9(b)に示すように、電子部品b1はスロットSR2に設定される。
【0034】
続いて、ステップS17の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S18)、終了していない場合には、ステップS19へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS16において、同一の電子部品X2がない場合にも、ステップS19へ移行する。
【0035】
そして、ステップS19では、後工程ジョブおよび一つ前工程ジョブで使用しない空スロットSR(p1)が有るか否かを判定する(S19)。空スロットSR(p1)が有る場合には、空スロットSR(p1)に割込生産に用いる電子部品X3を設定する(S20)。ただし、ここでは、図7(a)(b)から明らかなように、空スロットSR(p1)は存在しないため、図9(c)に示すように、図9(b)と同じ状態となる。
【0036】
続いて、ステップS20の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S21)、終了していない場合には、ステップS22(図5に示す)へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS19において、空スロットSR(p1)がない場合にも、ステップS22へ移行する。
【0037】
そして、ステップS22では、後工程ジョブで使用していないスロットのうち、一つ前工程ジョブで使用しているスロットSR(p2)が有るか否かを判定する(S22)。当該スロットSR(p2)が有る場合には、当該スロットSR(p2)に割込生産に用いる電子部品X4を設定する(S23)。ここで、図7(a)(b)から明らかなように、当該スロットSR(p2)は、スロットSR1が該当するため、図9(d)に示すように、スロットSR1に電子部品b4を設定する。
【0038】
続いて、ステップS23の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S24)、終了していない場合には、ステップS25へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS22において、スロットSR(p2)がない場合にも、ステップS25へ移行する。
【0039】
そして、ステップS25では、一つ前工程ジョブで使用していないスロットのうち、後工程ジョブで使用しているスロットSR(p3)が有るか否かを判定する(S25)。当該スロットSR(p3)が有る場合には、当該スロットSR(p3)に割込生産に用いる電子部品X5を設定する(S26)。ここで、図7(a)(b)から明らかなように、当該スロットSR(p3)は、スロットSR7,SR8が該当するため、図9(e)に示すように、スロットSR7,SR8に電子部品b5,b6をそれぞれ設定する。
【0040】
続いて、ステップS26の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S27)、終了していない場合には、ステップS28へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS25において、スロットSR(p3)がない場合にも、ステップS28へ移行する。
【0041】
そして、ステップS28では、後工程ジョブおよび一つ前工程ジョブの両者で使用しているスロットのうち、両者で異なる電子部品が設置されているスロットSR(p4)が有るか否かを判定する(S28)。当該スロットSR(p4)が有る場合には、当該スロットSR(p4)に割込生産に用いる電子部品X6を設定する(S29)。ここで、図7(a)(b)から明らかなように、当該スロットSR(p4)は、スロットSR5が該当するため、図9(f)に示すように、スロットSR5に電子部品b7をそれぞれ設定する。なお、スロットSR3,SR4,SR6も、上記スロットSR(p4)に該当するが、これらのスロットは既に上記工程にて電子部品を設定したスロットであるため除外する。
【0042】
続いて、ステップS29の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S30)、終了していない場合には、ステップS31へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS28において、スロットSR(p4)がない場合にも、ステップS31へ移行する。
【0043】
ステップS31では、残りの電子部品X7を、後工程ジョブおよび一つ前工程ジョブで共通する電子部品が設置されているスロットSR(p5)に設定する。なお、上記の例では、既に割込生産に用いる電子部品が設定完了しているため、ステップS31で設定される電子部品は存在しない。そして、ステップS31の後には、ステップS32に以降する。
【0044】
ステップS32では、割込生産で使用しないスロットの位置は、一つ前工程ジョブの電子部品をそのまま引き継いで設定する。ここで、スロットSR3は、割込生産では使用しないスロットとなる。このスロットSR3は、図9(g)に示すように、一つ前工程ジョブでの電子部品a3をそのまま引き継ぎ設定される。このようにして、割込段取り替え計画の決定処理を終了する。
【0045】
以上説明したように、割込生産において、部品フィーダ17を設定するスロット16の位置を決定することにより、以下の効果を奏する。すなわち、上記決定方法は、割込生産の前の生産のみならず、割込生産の後の生産における初期段取り替え計画決定工程により決定された段取り替え部材の設置位置に基づいて、割込段取り替え計画を決定している。従って、割込生産を開始する際における段取り替え、および、割込生産を終了して次の生産を行う際における段取り替えを、総合的に見て段取り替え数を少なくできるようになる。つまり、実際の段取り替えに要する時間を短時間化できる。また、決定された割込段取り替え計画は、初期段取り替え計画に挿入している。つまり、初期段取り替え計画を見直すものではなく、割込段取り替え計画のみを決定している。従って、段取り替え計画全体を再決定するものではないため、段取り替え計画の決定に際して多大な時間を要するものではない。つまり、割込生産を行う場合であっても、段取り替え計画の決定の短時間化を図ることができる。
【0046】
<その他>
上記実施形態においては、割込生産において、部品フィーダ17を設置するスロット16の位置を決定した。この他に、図10(a)に示すように、装着ヘッド15のP1〜P4のそれぞれに異なる種類のノズル18を装着できる場合であって、さらに、図10(b)に示すように、ノズルステーション20に複数種類のノズル18を保管できる場合には、図10(c)に示すように、装着ヘッド15のP1〜P4およびノズルステーション20のSt1〜St8を、上述したスロットと見立てて同様の処理を行うことができる。
【0047】
つまり、割込生産に用いるノズル18を装着ヘッド15またはノズルステーション20のどの位置に設定するかを、上記同様に決定することができる。これにより、割込生産に際して、且つ、割込生産から初期計画の生産に復帰する場合に、ノズル18の段取り替え数を少なくすることができる。
【0048】
また、装着ヘッド15に装着可能なノズル18が一つの場合であって、ノズルステーション20に複数種類のノズル18を保管する場合には、図11に示すように、ノズルステーション20のSt1〜St8を、上述したスロットと見立てて同様の処理を行うことができる。この場合も同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0049】
11:ベース、 12:コンベア、 13:スライドガイド、 14:スライド体
15:装着ヘッド、 16:スロット、 17:部品フィーダ、 18:ノズル
19:画像取込部、 20:ノズルステーション、 30:回路基板
50:入力機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品実装装置を用いて複数種類の回路基板のそれぞれに電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する際に、スロットに設置する部品フィーダの段取り替え計画、または、ノズルステーションに設置するノズル段取り替え計画の決定方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数種類の電子回路製品を生産する際には、スロットに設置する部品フィーダの設置位置やノズルステーションに設置するノズルの設置位置に関して、段取り替えを行う必要がある。従来、例えば、特開平9−107197号公報(特許文献1)などに記載されているように、初期の生産計画に基づいて、段取り替え回数が少なくなるように最適化された段取り替え計画を決定している。
【0003】
また、段取り替え計画の決定方法として、例えば、特開平11−87996号公報(特許文献2)に記載されたものがある。特許文献2には、複数の作業機を用いる場合に、対象替えする次の作業に必要な部品を、一つ前の生産時に各作業機に配置されている既配置ツール(ノズルに相当)に対応するものについては、その既配置ツールのある作業機に優先して振り分けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−107197号公報
【特許文献2】特開平11−87996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、実際の生産ラインにおいては、初期生産計画とは別の電子回路製品を割込生産する場合が生じる。割込生産を行うと、部品フィーダやノズルについて、割込生産の前の生産に対して段取り替えを行うと共に、割込生産終了後においても割込生産の後の生産に対応する段取り替えを行う必要があった。この割込生産の生産計画の決定について、特許文献1に記載の方法を適用すると、既に決定した段取り替え計画を破棄して、割込生産以降の生産全てに対して段取り替え計画を再度決定することになる。これでは、段取り替え計画の決定について多大な時間を要する。また、割込生産の生産計画の決定について、特許文献2に記載の方法を適用すると、割込生産の一つ前における部品フィーダやツールの設置位置を考慮して割込生産における段取り替え計画を決定することになる。この場合には、段取り替え計画の決定のやり直しとはならないため、割込生産における段取り替え計画の決定についてそれほど時間を要しない。しかし、この場合には、段取り替えが最適とは言えず、実際の段取り替えに要する時間が長時間化することがある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、割込生産を行う際に、段取り替え部品の段取り替え計画の決定を短時間化すると共に、実際の段取り替えに要する時間を短時間化することができる段取り替え計画の決定方法および決定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(段取り替え計画の決定方法)
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、
複数のスロットと、それぞれ一種類ずつの電子部品を収容しそれぞれの前記スロットに設置される複数の部品フィーダと、それぞれの前記電子部品に対応するノズルを複数設置するノズルステーションと、選択された一つまたは複数の前記ノズルを装着し回路基板に対して相対的に移動可能に設けられた装着ヘッドと、を備える電子部品実装装置を用いて、
複数種類の前記回路基板のそれぞれに前記電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する際に、前記スロットに設置する前記部品フィーダ、前記ノズルステーションに設置する前記ノズルおよび前記装着ヘッドに装着される前記ノズルの少なくとも一つである段取り替え部材に対する段取り替え計画の決定方法において、
複数種類の前記電子回路製品の初期生産計画に基づいて前記段取り替え部材の初期段取り替え計画を決定する初期段取り替え計画決定工程と、
前記初期段取り替え計画に対して別の前記電子回路製品の割込生産を行う際に、前記段取り替え部材の割込段取り替え計画を決定し、当該割込段取り替え計画を前記初期段取り替え計画に対して挿入する割込段取り替え計画決定工程と、
を備え、
前記割込段取り替え計画決定工程は、割込生産の前後の生産における前記初期段取り替え計画決定工程により決定された前記段取り替え部材の設置位置に基づいて、前記割込段取り替え計画を決定することである。
【0008】
請求項2に係る発明の特徴は、前記割込段取り替え計画決定工程が、前記割込生産における前記段取り替え部材のうち前記割込生産の後の生産における前記段取り替え部材と同一部材を、前記割込生産の後の生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第一工程と、前記割込第一工程の後に、前記割込生産における前記段取り替え部材のうち前記割込生産の一つ前の生産における前記段取り替え部材と同一部材を、前記割込生産の一つ前の生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第二工程と、を備えることである。
【0009】
請求項3に係る発明の特徴は、前記割込段取り替え計画決定工程が、前記割込第二工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の両方において使用しない位置がある場合に、当該使用しない位置を前記割込生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第三工程を備えることである。
【0010】
請求項4に係る発明の特徴は、前記割込段取り替え計画決定工程が、前記割込第三工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の一方で使用され、且つ、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の他方で使用しない位置が有る場合に、当該位置を前記割込生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第四工程を備えることである。
【0011】
請求項5に係る発明の特徴は、前記割込段取り替え計画決定工程は、前記割込第四工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の一方で使用される場合に、前記割込生産における前記段取り替え部材を、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産のそれぞれにおいて異なる前記段取り替え部材の設置位置に決定することである。
【0012】
(段取り替え計画の決定装置)
請求項6に係る発明の特徴は、
複数のスロットと、それぞれ一種類ずつの電子部品を収容しそれぞれの前記スロットに設置される複数の部品フィーダと、それぞれの前記電子部品に対応するノズルを複数設置するノズルステーションと、選択された一つまたは複数の前記ノズルを装着し回路基板に対して相対的に移動可能に設けられた装着ヘッドと、を備える電子部品実装装置を用いて、
複数種類の前記回路基板のそれぞれに前記電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する際に、前記スロットに設置する前記部品フィーダ、前記ノズルステーションに設置する前記ノズルおよび前記装着ヘッドに装着される前記ノズルの少なくとも一つである段取り替え部材に対する段取り替え計画の決定装置において、
複数種類の前記電子回路製品の初期生産計画に基づいて前記段取り替え部材の初期段取り替え計画を決定する初期段取り替え計画決定手段と、
前記初期段取り替え計画に対して別の前記電子回路製品の割込生産を行う際に、前記段取り替え部材の割込段取り替え計画を決定し、当該割込段取り替え計画を前記初期段取り替え計画に対して挿入する割込段取り替え計画決定手段と、
を備え、
前記割込段取り替え計画決定手段は、割込生産の前後の生産における前記初期段取り替え計画決定手段により決定された前記段取り替え部材の設置位置に基づいて、前記割込段取り替え計画を決定することである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、割込生産の前の生産のみならず、割込生産の後の生産における初期段取り替え計画決定工程により決定された段取り替え部材の設置位置に基づいて、割込段取り替え計画を決定している。従って、割込生産を開始する際における段取り替え、および、割込生産を終了して次の生産を行う際における段取り替えを、総合的に見て段取り替え数を少なくできるようになる。つまり、本発明によれば、実際の段取り替えに要する時間を短時間化できる。また、本発明によれば、決定された割込段取り替え計画は、初期段取り替え計画に挿入している。つまり、初期段取り替え計画を見直すものではなく、割込段取り替え計画のみを決定している。従って、段取り替え計画全体を再決定するものではないため、段取り替え計画の決定に際して多大な時間を要するものではない。つまり、割込生産を行う場合であっても、段取り替え計画の決定の短時間化を図ることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、割込段取り替え計画をより最適とすることができる。つまり、割込生産を行うことによる段取り替え数を確実に少なくできる。
請求項3に係る発明によれば、割込段取り替え計画をより最適とすることができる。つまり、割込生産を行うことによる段取り替え数を確実に少なくできる。
請求項4に係る発明によれば、割込段取り替え計画をより最適とすることができる。つまり、割込生産を行うことによる段取り替え数を確実に少なくできる。
請求項5に係る発明によれば、割込段取り替え計画をより最適とすることができる。つまり、割込生産を行うことによる段取り替え数を確実に少なくできる。
請求項6に係る発明によれば、上述した請求項1に係る発明による効果と同様の効果を奏する。また、段取り替え計画の決定方法における他の特徴部分についても、本発明の決定装置に同様に適用できる。この場合、同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電子部品実装装置の平面図である。
【図2】段取り替え計画の決定装置40を示すブロック図である。
【図3】演算部41による段取り替え計画の決定処理を示すフローチャートである。
【図4】割込段取り計画の決定処理を示すフローチャート(1)である。
【図5】割込段取り計画の決定処理を示すフローチャート(2)である。
【図6】割込段取り計画の決定処理を示すフローチャート(3)である。
【図7】(a)は割込生産の一つ前工程ジョブに用いる電子部品a1〜a6のスロットにおける配置を示す。(b)は割込生産の後工程ジョブに用いる電子部品c1〜c6のスロットにおける配置を示す。(c)は一つ前工程ジョブの電子部品a1〜a6と後工程ジョブの電子部品c1〜c6の共通、非共通の関係を示す。
【図8】割込生産に用いる電子部品b1〜b7と、一つ前工程ジョブの電子部品a1〜a6および後工程ジョブの電子部品c1〜c6との共通、非共通の関係を示す。
【図9】割込段取り計画の決定処理の各工程において、スロットSR1〜SR8に配置する電子部品b1〜b7を示す。
【図10】その他の実施形態を示す図である。
【図11】その他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の段取り替え計画の決定方法および決定装置を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0017】
(電子部品実装装置の説明)
段取り替え計画の適用対象となる電子部品実装装置について、図1を参照して説明する。図1に示すように、電子部品実装装置は、ベース11と、コンベア12と、Xスライドガイド13,13と、Xスライド体14と、装着ヘッド15と、複数のスロット16と、部品フィーダ17と、ノズル18と、画像取込部19と、ノズルステーション20とを備える。
【0018】
ベース11は床上に固定される。コンベア12は、ベース11の上面に設置され、コンベア12上に載置された回路基板30をX方向に搬送する。つまり、コンベア12は、Xマイナス方向からXプラス方向へ向かって、複数の回路基板30を順次搬送する。Xスライドガイド13,13は、コンベア12に対して、Y方向の両外側にX方向に延びるようにそれぞれ設置される。Xスライド体14は、Xスライドガイド13,13上に懸架されるように設けられ、ベース11に対してX方向に移動可能に設けられている。
【0019】
装着ヘッド15は、Xスライド体14に対してY方向に移動可能となるように、Xスライド体14に設けられている。つまり、装着ヘッド15は、ベース11に対して、X方向およびY方向に移動可能となる。装着ヘッド15の下端側には、ノズル18が交換可能に装着される。この装着ヘッド15は、1つのノズル18のみを装着するタイプと、複数のノズル18を装着するタイプとが存在する。これは、実装する電子部品の大きさや、電子部品の全体数、種類数などに応じて適宜選択する。
【0020】
複数のスロット16は、ベース11のうち、Xスライドガイド13に対してコンベア12よりも外側に設けられている。これら複数のスロット16には、複数の部品フィーダ17がそれぞれ設置される。部品フィーダ17は、本実施形態においては、例えばテープフィーダを示している。それぞれの部品フィーダ17は、それぞれ一種類ずつの電子部品を収容している。
【0021】
ノズル18は、装着ヘッド15の下端側に装着される。このノズル18は、コンベア12上を搬送される回路基板30に対して複数の電子部品を実装するために、部品フィーダ17に収容されている電子部品を例えば吸着などによって保持できる。つまり、装着ヘッド15をベース11に対してX方向およびY方向に移動させることで、ノズル18を部品フィーダ17に収容される電子部品を回路基板30へ搬送することができる。
【0022】
画像取込部19は、Xスライド体14に設けられている。画像取込部19は、X方向位置が装着ヘッド15と同一で、且つ、Y方向がコンベア12と部品フィーダ17との間に位置している。つまり、装着ヘッド15が各部品フィーダ17から回路基板30の実装位置へ移動する過程において、Xスライド体14と一体的にX方向に移動する画像取込部19上を装着ヘッド15が通過する。通過するとき、画像取込部19は、装着ヘッド15に装着されているノズル18によって保持されている電子部品の画像を取り込むことができる。
【0023】
ノズルステーション20は、装着ヘッド15に装着されていない複数種類のノズル18を保管する。装着ヘッド15に装着するノズル18を交換する場合には、装着ヘッド15をノズルステーション20へ移動させ、装着しているノズル18をノズルステーション20で取り外し、ノズルステーション20に保管されている他のノズル18を装着する。
【0024】
(段取り替え計画の決定装置)
上述した電子部品実装装置を用いて、複数種類の回路基板30のそれぞれに電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する。このときに、複数のスロット16に設置する部品フィーダ17の段取り替え計画の決定装置、および、この決定装置による決定方法について、図2〜図9を参照して説明する。
【0025】
図2に示すように、段取り替え計画の決定装置40は、例えばCPUなどの演算部41と、例えばRAMなどの記憶部42とを備える。この段取り替え計画の決定装置40は、例えば、キーボード、ポインティングデバイスおよびタッチパネルなどの入力機器50によって入力された情報を取り込む。演算部41は、入力された情報に基づいて、以下に説明する処理によって、初期段取り替え計画および割込段取り替え計画を生成する。初期段取り替え計画とは、予め決定されている生産計画に基づいて決定された、各生産ジョブにおける部品フィーダ17を設置するスロット16の位置に関する情報を有する。割込段取り替え計画とは、予め決定されている生産計画には入っていない生産ジョブにおける部品フィーダ17を設置するスロット16の位置に関する情報を有する。記憶部42は、演算部41により演算される途中情報、および、演算部41による演算結果、すなわち、初期段取り替え計画および割込段取り替え計画を記憶する。
【0026】
図3に示すように、演算部41による段取り替え計画の決定処理は、まず、予め決定されている生産計画に基づいて、初期段取り替え計画の決定処理を行う(S1)。例えば、特開平9−107197号公報や特開平11−87996号公報などにより公知の技術を用いて、初期段取り替え計画の決定処理を行う。つまり、後述する割込生産が入らなければ、段取り替えが最も少なくなるように、各生産ジョブにおける部品フィーダ17を設置するスロット16の位置を決定する。
【0027】
例えば、図7(a)に示すように、後述する割込生産が割り込まれる一つ前工程ジョブに用いる電子部品a1〜a6は、スロットSR1〜SR6に順に設置される。また、図7(b)に示すように、割込生産が割り込まれる後工程ジョブに用いる電子部品c1〜c6は、スロットSR3〜SR8の順に設置される。ここで、図7(c)に示すように、電子部品a1〜a6は、それぞれ異なり、電子部品c1〜c6はそれぞれ異なる。さらに、電子部品a3とc1は同一部品であり、電子部品a4とc2は同一部品であり、電子部品a5とc3、a6とc4は異なる部品である。
【0028】
つまり、共通する部品a3,c1、および、a4,c2は、それぞれ同一のスロットに設置されているため、一つ前工程ジョブから後工程ジョブへ移行した時に、これらのスロットSR3,SR4では部品フィーダを交換する必要がなくなる。ただし、スロットSR5,SR6の部品フィーダを交換する必要がある。また、スロットSR7,SR8は、新たな部品フィーダを追加する。なお、スロットSR1,SR2は、前工程ジョブの部品フィーダをそのまま継続して設置している。
【0029】
初期段取り替え計画の決定処理(S1)が終了すると、割込生産が有るか否かを判定する(S2)。割込生産が有る場合には(S2:Y)、割込段取り替え計画の決定処理を行う(S3)。そして、割込生産がない場合(S2:N)、割込生産が有る場合で割込段取り替え計画の決定処理を終えた場合(S3)、初期段取り替え計画の実行が終了したか否かを判定する(S4)。全て終了した場合には、演算部41による処理を終了する。一方、初期段取り替え計画の実行が全て終了していない場合には、再びステップS2に戻り、処理を繰り返す。
【0030】
次に、割込段取り替え計画の決定処理について、図4〜図6、図8〜図9を参照して説明する。当該処理は、まず、初期段取り替え計画を取得する(S11)。続いて、割込生産の対象となる電子回路製品に関する情報、および、初期生産に対する割込位置に関する情報を取得する(S12)。ここで、例えば、図8に示すように、割込生産に用いる電子部品は、b1〜b7であって、b1はa2と同一部品であり、b2はa4,c2と同一部品であり、b3はc4と同一部品であり、b4〜b7は、a1〜a6およびc1〜c6と異なる部品である。
【0031】
続いて、割込生産に用いる電子部品の中に、後工程ジョブ(i+1〜imax)(iは工程数)の電子部品と同一の電子部品X1が有るか否かを判定する(S13)。そして、同一の電子部品X1が有る場合には、当該電子部品X1を後工程ジョブの同一の電子部品と同一のスロットの位置に設定する(S14)。ここで、電子部品b2はc2と同一部品であるので、図9(a)に示すように、電子部品b2はスロットSR4に設定される。また、電子部品b3はc4と同一部品であるので、電子部品b4は、スロットSR6に設定される。
【0032】
続いて、ステップS14の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S15)、終了していない場合には、ステップS16へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS13において、同一の電子部品X1がない場合にも、ステップS16へ移行する。
【0033】
そして、ステップS16では、割込生産に用いる電子部品の中に、一つ前工程ジョブ(i)の電子部品と同一の電子部品X2が有るか否かを判定する(S16)。同一の電子部品X2が有る場合には、当該電子部品X2を一つ前工程ジョブの同一の電子部品と同一のスロットの位置に設定する(S17)。ここで、電子部品b1はa2と同一部品であるので、図9(b)に示すように、電子部品b1はスロットSR2に設定される。
【0034】
続いて、ステップS17の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S18)、終了していない場合には、ステップS19へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS16において、同一の電子部品X2がない場合にも、ステップS19へ移行する。
【0035】
そして、ステップS19では、後工程ジョブおよび一つ前工程ジョブで使用しない空スロットSR(p1)が有るか否かを判定する(S19)。空スロットSR(p1)が有る場合には、空スロットSR(p1)に割込生産に用いる電子部品X3を設定する(S20)。ただし、ここでは、図7(a)(b)から明らかなように、空スロットSR(p1)は存在しないため、図9(c)に示すように、図9(b)と同じ状態となる。
【0036】
続いて、ステップS20の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S21)、終了していない場合には、ステップS22(図5に示す)へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS19において、空スロットSR(p1)がない場合にも、ステップS22へ移行する。
【0037】
そして、ステップS22では、後工程ジョブで使用していないスロットのうち、一つ前工程ジョブで使用しているスロットSR(p2)が有るか否かを判定する(S22)。当該スロットSR(p2)が有る場合には、当該スロットSR(p2)に割込生産に用いる電子部品X4を設定する(S23)。ここで、図7(a)(b)から明らかなように、当該スロットSR(p2)は、スロットSR1が該当するため、図9(d)に示すように、スロットSR1に電子部品b4を設定する。
【0038】
続いて、ステップS23の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S24)、終了していない場合には、ステップS25へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS22において、スロットSR(p2)がない場合にも、ステップS25へ移行する。
【0039】
そして、ステップS25では、一つ前工程ジョブで使用していないスロットのうち、後工程ジョブで使用しているスロットSR(p3)が有るか否かを判定する(S25)。当該スロットSR(p3)が有る場合には、当該スロットSR(p3)に割込生産に用いる電子部品X5を設定する(S26)。ここで、図7(a)(b)から明らかなように、当該スロットSR(p3)は、スロットSR7,SR8が該当するため、図9(e)に示すように、スロットSR7,SR8に電子部品b5,b6をそれぞれ設定する。
【0040】
続いて、ステップS26の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S27)、終了していない場合には、ステップS28へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS25において、スロットSR(p3)がない場合にも、ステップS28へ移行する。
【0041】
そして、ステップS28では、後工程ジョブおよび一つ前工程ジョブの両者で使用しているスロットのうち、両者で異なる電子部品が設置されているスロットSR(p4)が有るか否かを判定する(S28)。当該スロットSR(p4)が有る場合には、当該スロットSR(p4)に割込生産に用いる電子部品X6を設定する(S29)。ここで、図7(a)(b)から明らかなように、当該スロットSR(p4)は、スロットSR5が該当するため、図9(f)に示すように、スロットSR5に電子部品b7をそれぞれ設定する。なお、スロットSR3,SR4,SR6も、上記スロットSR(p4)に該当するが、これらのスロットは既に上記工程にて電子部品を設定したスロットであるため除外する。
【0042】
続いて、ステップS29の後には、割込生産における全ての電子部品が設定完了したか否かを判定し(S30)、終了していない場合には、ステップS31へ移行する。一方、全ての電子部品が設定完了した場合には、後述するステップS32(図6に示す)へ移行する。また、ステップS28において、スロットSR(p4)がない場合にも、ステップS31へ移行する。
【0043】
ステップS31では、残りの電子部品X7を、後工程ジョブおよび一つ前工程ジョブで共通する電子部品が設置されているスロットSR(p5)に設定する。なお、上記の例では、既に割込生産に用いる電子部品が設定完了しているため、ステップS31で設定される電子部品は存在しない。そして、ステップS31の後には、ステップS32に以降する。
【0044】
ステップS32では、割込生産で使用しないスロットの位置は、一つ前工程ジョブの電子部品をそのまま引き継いで設定する。ここで、スロットSR3は、割込生産では使用しないスロットとなる。このスロットSR3は、図9(g)に示すように、一つ前工程ジョブでの電子部品a3をそのまま引き継ぎ設定される。このようにして、割込段取り替え計画の決定処理を終了する。
【0045】
以上説明したように、割込生産において、部品フィーダ17を設定するスロット16の位置を決定することにより、以下の効果を奏する。すなわち、上記決定方法は、割込生産の前の生産のみならず、割込生産の後の生産における初期段取り替え計画決定工程により決定された段取り替え部材の設置位置に基づいて、割込段取り替え計画を決定している。従って、割込生産を開始する際における段取り替え、および、割込生産を終了して次の生産を行う際における段取り替えを、総合的に見て段取り替え数を少なくできるようになる。つまり、実際の段取り替えに要する時間を短時間化できる。また、決定された割込段取り替え計画は、初期段取り替え計画に挿入している。つまり、初期段取り替え計画を見直すものではなく、割込段取り替え計画のみを決定している。従って、段取り替え計画全体を再決定するものではないため、段取り替え計画の決定に際して多大な時間を要するものではない。つまり、割込生産を行う場合であっても、段取り替え計画の決定の短時間化を図ることができる。
【0046】
<その他>
上記実施形態においては、割込生産において、部品フィーダ17を設置するスロット16の位置を決定した。この他に、図10(a)に示すように、装着ヘッド15のP1〜P4のそれぞれに異なる種類のノズル18を装着できる場合であって、さらに、図10(b)に示すように、ノズルステーション20に複数種類のノズル18を保管できる場合には、図10(c)に示すように、装着ヘッド15のP1〜P4およびノズルステーション20のSt1〜St8を、上述したスロットと見立てて同様の処理を行うことができる。
【0047】
つまり、割込生産に用いるノズル18を装着ヘッド15またはノズルステーション20のどの位置に設定するかを、上記同様に決定することができる。これにより、割込生産に際して、且つ、割込生産から初期計画の生産に復帰する場合に、ノズル18の段取り替え数を少なくすることができる。
【0048】
また、装着ヘッド15に装着可能なノズル18が一つの場合であって、ノズルステーション20に複数種類のノズル18を保管する場合には、図11に示すように、ノズルステーション20のSt1〜St8を、上述したスロットと見立てて同様の処理を行うことができる。この場合も同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0049】
11:ベース、 12:コンベア、 13:スライドガイド、 14:スライド体
15:装着ヘッド、 16:スロット、 17:部品フィーダ、 18:ノズル
19:画像取込部、 20:ノズルステーション、 30:回路基板
50:入力機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスロットと、それぞれ一種類ずつの電子部品を収容しそれぞれの前記スロットに設置される複数の部品フィーダと、それぞれの前記電子部品に対応するノズルを複数設置するノズルステーションと、選択された一つまたは複数の前記ノズルを装着し回路基板に対して相対的に移動可能に設けられた装着ヘッドと、を備える電子部品実装装置を用いて、
複数種類の前記回路基板のそれぞれに前記電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する際に、前記スロットに設置する前記部品フィーダ、前記ノズルステーションに設置する前記ノズルおよび前記装着ヘッドに装着される前記ノズルの少なくとも一つである段取り替え部材に対する段取り替え計画の決定方法において、
複数種類の前記電子回路製品の初期生産計画に基づいて前記段取り替え部材の初期段取り替え計画を決定する初期段取り替え計画決定工程と、
前記初期段取り替え計画に対して別の前記電子回路製品の割込生産を行う際に、前記段取り替え部材の割込段取り替え計画を決定し、当該割込段取り替え計画を前記初期段取り替え計画に対して挿入する割込段取り替え計画決定工程と、
を備え、
前記割込段取り替え計画決定工程は、割込生産の前後の生産における前記初期段取り替え計画決定工程により決定された前記段取り替え部材の設置位置に基づいて、前記割込段取り替え計画を決定することを特徴とする段取り替え計画の決定方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記割込段取り替え計画決定工程は、
前記割込生産における前記段取り替え部材のうち前記割込生産の後の生産における前記段取り替え部材と同一部材を、前記割込生産の後の生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第一工程と、
前記割込第一工程の後に、前記割込生産における前記段取り替え部材のうち前記割込生産の一つ前の生産における前記段取り替え部材と同一部材を、前記割込生産の一つ前の生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第二工程と、
を備えることを特徴とする段取り替え計画の決定方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記割込段取り替え計画決定工程は、前記割込第二工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の両方において使用しない位置がある場合に、当該使用しない位置を前記割込生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第三工程を備えることを特徴とする段取り替え計画の決定方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記割込段取り替え計画決定工程は、前記割込第三工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の一方で使用され、且つ、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の他方で使用しない位置が有る場合に、当該位置を前記割込生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第四工程を備えることを特徴とする段取り替え計画の決定方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記割込段取り替え計画決定工程は、前記割込第四工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の一方で使用される場合に、前記割込生産における前記段取り替え部材を、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産のそれぞれにおいて異なる前記段取り替え部材の設置位置に決定することを特徴とする段取り替え計画の決定方法。
【請求項6】
複数のスロットと、それぞれ一種類ずつの電子部品を収容しそれぞれの前記スロットに設置される複数の部品フィーダと、それぞれの前記電子部品に対応するノズルを複数設置するノズルステーションと、選択された一つまたは複数の前記ノズルを装着し回路基板に対して相対的に移動可能に設けられた装着ヘッドと、を備える電子部品実装装置を用いて、
複数種類の前記回路基板のそれぞれに前記電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する際に、前記スロットに設置する前記部品フィーダ、前記ノズルステーションに設置する前記ノズルおよび前記装着ヘッドに装着される前記ノズルの少なくとも一つである段取り替え部材に対する段取り替え計画の決定装置において、
複数種類の前記電子回路製品の初期生産計画に基づいて前記段取り替え部材の初期段取り替え計画を決定する初期段取り替え計画決定手段と、
前記初期段取り替え計画に対して別の前記電子回路製品の割込生産を行う際に、前記段取り替え部材の割込段取り替え計画を決定し、当該割込段取り替え計画を前記初期段取り替え計画に対して挿入する割込段取り替え計画決定手段と、
を備え、
前記割込段取り替え計画決定手段は、割込生産の前後の生産における前記初期段取り替え計画決定手段により決定された前記段取り替え部材の設置位置に基づいて、前記割込段取り替え計画を決定することを特徴とする段取り替え計画の決定装置。
【請求項1】
複数のスロットと、それぞれ一種類ずつの電子部品を収容しそれぞれの前記スロットに設置される複数の部品フィーダと、それぞれの前記電子部品に対応するノズルを複数設置するノズルステーションと、選択された一つまたは複数の前記ノズルを装着し回路基板に対して相対的に移動可能に設けられた装着ヘッドと、を備える電子部品実装装置を用いて、
複数種類の前記回路基板のそれぞれに前記電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する際に、前記スロットに設置する前記部品フィーダ、前記ノズルステーションに設置する前記ノズルおよび前記装着ヘッドに装着される前記ノズルの少なくとも一つである段取り替え部材に対する段取り替え計画の決定方法において、
複数種類の前記電子回路製品の初期生産計画に基づいて前記段取り替え部材の初期段取り替え計画を決定する初期段取り替え計画決定工程と、
前記初期段取り替え計画に対して別の前記電子回路製品の割込生産を行う際に、前記段取り替え部材の割込段取り替え計画を決定し、当該割込段取り替え計画を前記初期段取り替え計画に対して挿入する割込段取り替え計画決定工程と、
を備え、
前記割込段取り替え計画決定工程は、割込生産の前後の生産における前記初期段取り替え計画決定工程により決定された前記段取り替え部材の設置位置に基づいて、前記割込段取り替え計画を決定することを特徴とする段取り替え計画の決定方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記割込段取り替え計画決定工程は、
前記割込生産における前記段取り替え部材のうち前記割込生産の後の生産における前記段取り替え部材と同一部材を、前記割込生産の後の生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第一工程と、
前記割込第一工程の後に、前記割込生産における前記段取り替え部材のうち前記割込生産の一つ前の生産における前記段取り替え部材と同一部材を、前記割込生産の一つ前の生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第二工程と、
を備えることを特徴とする段取り替え計画の決定方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記割込段取り替え計画決定工程は、前記割込第二工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の両方において使用しない位置がある場合に、当該使用しない位置を前記割込生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第三工程を備えることを特徴とする段取り替え計画の決定方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記割込段取り替え計画決定工程は、前記割込第三工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の一方で使用され、且つ、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の他方で使用しない位置が有る場合に、当該位置を前記割込生産における前記段取り替え部材の設置位置に決定する割込第四工程を備えることを特徴とする段取り替え計画の決定方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記割込段取り替え計画決定工程は、前記割込第四工程の後に、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産の一方で使用される場合に、前記割込生産における前記段取り替え部材を、前記割込生産の後の生産および一つ前の生産のそれぞれにおいて異なる前記段取り替え部材の設置位置に決定することを特徴とする段取り替え計画の決定方法。
【請求項6】
複数のスロットと、それぞれ一種類ずつの電子部品を収容しそれぞれの前記スロットに設置される複数の部品フィーダと、それぞれの前記電子部品に対応するノズルを複数設置するノズルステーションと、選択された一つまたは複数の前記ノズルを装着し回路基板に対して相対的に移動可能に設けられた装着ヘッドと、を備える電子部品実装装置を用いて、
複数種類の前記回路基板のそれぞれに前記電子部品を実装して複数種類の電子回路製品を生産する際に、前記スロットに設置する前記部品フィーダ、前記ノズルステーションに設置する前記ノズルおよび前記装着ヘッドに装着される前記ノズルの少なくとも一つである段取り替え部材に対する段取り替え計画の決定装置において、
複数種類の前記電子回路製品の初期生産計画に基づいて前記段取り替え部材の初期段取り替え計画を決定する初期段取り替え計画決定手段と、
前記初期段取り替え計画に対して別の前記電子回路製品の割込生産を行う際に、前記段取り替え部材の割込段取り替え計画を決定し、当該割込段取り替え計画を前記初期段取り替え計画に対して挿入する割込段取り替え計画決定手段と、
を備え、
前記割込段取り替え計画決定手段は、割込生産の前後の生産における前記初期段取り替え計画決定手段により決定された前記段取り替え部材の設置位置に基づいて、前記割込段取り替え計画を決定することを特徴とする段取り替え計画の決定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−146551(P2011−146551A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6443(P2010−6443)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
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