説明

殺真菌剤としてのイソチアゾールおよびピラゾール誘導体

本発明は、R1、R2、R3、またはR4が請求項1において定義された通りである、式(I)で表される化合物、またはその塩もしくはN−オキシド、および特に植物における真菌感染の防除および/または予防のための方法におけるそれらの使用に関する。特許請求の範囲に記載された化合物は、イソチアゾールおよびピラゾール誘導体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規置換イソチアゾールおよびピラゾール含有化合物、および特に植物における、真菌感染の防除および/または予防のための方法におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
全身性または局所性のいずれかにおける深刻な真菌感染の発生が、植物、動物およびヒトにおいて増加し続けている。多くの真菌は、環境下において一般的なものであり、そして植物または哺乳動物において有害ではない。しかし幾つかの真菌は、植物、ヒトおよび/または動物に病気を引き起こす場合がある。
【0003】
殺真菌剤は、卵菌綱を含む真菌によって引き起こされる損傷から植物を保護するように作用する、天然または合成由来の化合物である。農業における現行法は、殺真菌剤の使用に大きく依存している。実際、幾つかの農作物は、殺真菌剤の使用をせずに有効に栽培することができない。殺真菌剤の使用により、栽培者は農作物収量を増加させることができ、そして結果的に当該農作物の価値を増加させ得る。多くの殺真菌剤が開発された。しかし、真菌の被害および感染の治療は主要な課題であり続けている。さらに、殺真菌および抗真菌剤抵抗性が深刻な問題となっており、そしてそれにより、これらの薬剤は幾つかの農業的および治療的使用において効果の無いものとなる。したがって、新規殺真菌剤および抗真菌剤開発の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって本発明は、式I:
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、
XはS、N、またはNR5であり、そしてYはN、またはNR5であり、ただしXまたはYの両方ではないが、一つはNであることが条件であり;
1およびR3は、独立して水素、または場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、トリアルキルシリル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ただしそれらが両方とも水素ではないことが条件であり;
2は、場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、アリールアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
4は、水素、または生物学的条件下において切断されてこの位置においてアルコール(すなわち、−OR4が−OH)を形成し得る基であり、かかる基の例は、アシル、ハロアシル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、またはジアルキルアミノカルボニル基であり;
5は、水素、または場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、トリアルキルシリル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールである]
で表される化合物、またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
他に言及されない限り、本明細書および特許請求の範囲において後に使用される用語は、以下で与えられる意味を有する:
【0008】
「アルキル」は、直鎖であって、一価の、1〜8個の炭素原子の飽和炭化水素基、または分岐であって、一価の、3〜8個の炭素原子の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソアミル、n−ヘキシルなどである。この定義は、当該用語が単独で使用されるとき、およびそれが複合語、例えば「ハロアルキル」および同様の用語の一部として使用されるときの両方において適用されることが知られている。好ましくは、直鎖アルキル基は、1〜6個の炭素原子を、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含み、そして最も好ましくはメチル、エチル、またはn−プロピルから選択される。好ましくは、分岐アルキル基は、3〜6個の炭素原子を含み、より好ましくはイソプロピル(1−メチルエチル)、sec−ブチル(1−メチルプロピル)、イソブチル(2−メチルプロピル)、tert−ブチル(1,1−ジメチルエチル)、またはイソアミル(3−メチルブチル)から選択される。
【0009】
「アルケニル」は、少なくとも一つの二重結合を含む、直鎖であって一価の、2〜8個の炭素原子の飽和炭化水素基、または少なくとも一つの二重結合を含む、分岐であって一価の、3〜8個の炭素原子の炭化水素基を意味し、例えばエチニル、プロペニルなどである。好適には、アルケニル基は、()−または()−立体配置のいずれかで存在し得る。好ましくは、直鎖アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含み、そしてより好ましくはエチニル、プロプ−1−エニル、プロプ−2−エニル、プロプ−1,2−ジエニル、ブト−1−エニル、ブト−2−エニル、ブト−3−エニル、ブト−1,2−ジエニル、およびブト−1,3−ジエニルから選択される。好ましくは、分岐アルケニル基は、3〜6個の炭素原子を含み、そしてより好ましくは1−メチルエチニル、1−メチルプロプ−1−エニル、1−メチルプロプ−2−エニル、2−メチルプロプ−1−エニル、および2−メチルプロプ−2−エニルから選択される。
【0010】
「アルキル」および「アルケニル」基はまた、シクロアルキル、およびシクロアルケニル基をそれぞれ含む。これらは一価であって、3〜8個の、より好ましくは3〜6個の環炭素の環状炭化水素基である。シクロアルキル基は完全に飽和しており、一方でシクロアルケニル基は一不飽和、または二不飽和であってもよい。好ましくは、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルから選択される。好ましくは、一不飽和シクロアルケニル基は、シクロブテニル、シクロペンテニル、およびシクロヘキセニルから選択される。
【0011】
「ヘテロシクリル」は、N、O、またはS(O)n(ここでnは、0〜2個の整数である)から選択される、1、2、または3個の環へテロ原子、および炭素原子である残りの環原子を含み、ここで1個または2個の炭素原子が場合によりカルボニル基によって置換されてもよい、環状炭化水素基を意味する。かかる環の例は、限定されないが、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、オキサジナン、モルホリン、チオモルホリン、イミダゾリン、ピラゾリジン、およびピペラジンを含む。より好ましくは、ヘテロシクリル基は、1個のO環原子、および/または1個のN環原子を含む、3〜6個の環原子を含む。
【0012】
「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を含む、直鎖であって一価の、2〜8個の炭素原子の飽和炭化水素基、または少なくとも1つの三重結合を含む、分岐であって一価の、5〜8個の炭素原子の炭化水素基を意味し、例えばエチニル、プロピニルなどである。好ましくは、直鎖アルキニル基は2〜6個の炭素原子を含み、そしてより好ましくは、エチニル、プロプ−1−イニル、プロプ−2−イニル、ブト−1−イニル、ブト−2−イニル、およびブト−3−イニルから選択される。好ましくは、分岐アルキニル基は4〜6個の炭素原子を含み、そしてより好ましくは、1−メチルプロプ−2−イニル、3−メチルブト−1−イニル、1−メチルブト−2−イニル−1−メチルブト−3−イニル、およびl−メチルブト−3−イニルから選択される。
【0013】
「アルコキシ」は、−OR基を意味し、ここでRはアルキル、アルケニル、またはアルキニルである。アルコキシ基は、限定されないが、メトキシ、エトキシ、1−メチルエトキシ、プロポキシ、1−メチルプロポキシ、および2−メチルプロポキシを含む。好ましくは、アルコキシはメトキシまたはエトキシを意味する。
【0014】
「アルキルチオ」は、−SR基を意味し、ここでRはアルキル、アルケニル、またはアルキニルである。アルキルチオ基は、限定されないが、メチルチオ、エチルチオ、tert−ブチルチオ、ヘキシルチオなどを含む。
【0015】
「アリール」または「芳香族環基」は、共有結合で連結される、または共通の基、例えばエチレンもしくはメチレン基へ連結される、単環または縮環された多環であり得る芳香族置換基のことである。芳香環は、各々一つ以上のヘテロ原子を含み、したがって、「アリール」は「ヘテロアリール」を含む。アリールの代表例は、例えばアズレニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、テトラヒドロナフチル、ビフェニル、ジフェニルメチル、2,2−ジフェニル-1-エチル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、およびキノキサリニルを含む。「アリール」は、他に示されない限り、置換されたまたは置換されていないアリールを意味し、したがってアリール基は一つ以上の、同一もしくは異なるハロゲン原子、および/または一つ以上の他の基、例えばニトロ、カルボキシル、アルコキシ、フェノキシなどで場合により置換され得る。さらにアリールは、(2−ピリジル、3−ピリジル、および4−ピリジルのように、)水素原子で占められた当該アリール基上の任意の位置において他の基と結合してもよい。
【0016】
特に「ヘテロアリール」は、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置換された環状芳香環を意味する。ヘテロアリール基が一つ以上のヘテロ原子を含む場合、ヘテロ原子は同一か、または異なってもよい。ヘテロアリール基の例は、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、チエニル、フリル、ピラジニル、ピロリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、トリアゾリル、ピリダジニル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、イソチアゾリル、およびベンゾ[b]チエニルを含む。好ましいヘテロアリール基は、5員および6員環であり、そしてO、N、およびSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む。環炭素および各々のヘテロ原子を含むヘテロアリール基は、無置換であるか、または化学的に実現可能な、1〜4個の置換基で置換され得る。例えばヘテロ原子Sは、=Oで表される、1つまたは2つのオキソ基で置換され得る。
【0017】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを、好ましくはクロロまたはフルオロを意味する。
【0018】
「ハロアルキル」は、1つ以上の、同一または異なるハロ原子で置換された、上で定義されたアルキルを意味する。ハロアルキル基は、限定されないが、クロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2−トリフルオロエチル、2−クロロ−エチル、2−ヨードエチル、3−フルオロプロピル、3−クロロプロピル、2−トリフルオロ−1−クロロエチル、およびl−ジフルオロ−2−ジフルオロ−3−トリフルオロプロピルを含む。
【0019】
「ハロアルケニル」は、1つ以上の、同一または異なるハロ原子で置換された、上で定義されたアルケニルを意味する。ハロアルケニルの例は、限定されないが、2−ジブロモエチニル、2−フルオロ−2−ブロモエチニル、5−ブロモペント−3−エニル、および3−ジクロロプロプ−2−エニルを含む。
【0020】
「ハロアルキニル」は、1つ以上の、同一または異なるハロ原子で置換された、上で定義されたアルキニルを意味する。
【0021】
「ハロアルコキシ」は、Rがハロアルキルまたはハロアルケニルである−OR基を意味する。
【0022】
「ハロアルキルチオ」は、Rがハロアルキルである−SR基を意味する。
【0023】
「トリアルキルシリル」は、各々のRが独立して上で定義されたアルキル基である、−Si(R)3基を意味する。
【0024】
「アリールアルキル」は、Raが以下で定義されるアルキレンまたはアルケニレン基であり、そしてRbが上で定義されたアリールである、−Rab基を意味する。特に、アリールアルキルはその他にベンジル基を含む。
【0025】
「アルキレン」は、直鎖であって二価の、1〜6個の炭素原子の飽和炭化水素基、または分岐であって二価の、3〜6個の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレンなどである。好ましいアルキレン基は、上で定義されたアルキル基の二価基である。
【0026】
「アルケニレン」は、少なくとも一つの二重結合を含む、直鎖であって二価の、2〜6個の炭素原子の炭化水素基、または少なくとも一つの二重結合を含む、分岐であって二価の、3〜6個の炭素原子の炭化水素基を意味し、例えばエチニレン、プロペニレンなどである。好ましいアルケニレン基は、上で定義されたアルケニル基の二価基である。
【0027】
「アリールオキシアルキル」は、Raが上で定義されたアルキレンまたはアルケニレン基であり、そしてRbがアリール基である、−RaORb基を意味する。
【0028】
「アリールチオアルキル」は、Raが上で定義されたアルキレンまたはアルケニレン基であり、そしてRbがアリール基である、−RaSRb基を意味する。
【0029】
「アシル」は、Rが水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールである−C(O)Rを意味する。アシル基の例は、ホルミル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、およびアリールカルボニル基を含む。
【0030】
「ハロアシル」は、Rがハロアルキルまたはハロアルケニルである−C(O)Rを意味する。
【0031】
「アルコキシカルボニル」は、Rが水素、アルキル、アルケニル,またはアルキニルである−C(O)ORを意味する。
【0032】
「アリールオキシカルボニル」は、Rがアリールである−C(O)ORを意味する。
【0033】
「アルキルアミノカルボニル」は、Rがアルキルである−C(O)NHRを意味する。
【0034】
「ジアルキルアミノカルボニル」は、Rが独立してアルキルである−C(O)N(R)2を意味する。
【0035】
「シアノ」は、−CN基を意味する。
【0036】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OH基を意味する。
【0037】
「ニトロ」は、−NO2基を意味する。
【0038】
「オキシ」は、−O−基を意味する。
【0039】
本明細書において使用される「チオ」は、−S−基を意味する。
【0040】
「場合により置換された」は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロアルコキシアルキルチオ、ハロアルキルチオ、アシル、アルコキシカルボニル、およびトリアルキルシリルから独立して選択された、1個以上、特に1、2、3、または4個の置換基によって置換されることを意味する。好ましい、任意的な置換基は、ハロゲン(特に、フルオロ、クロロ、またはブロモ)、シアノ、ニトロ、アルキル(特に、メチルおよびエチル)、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、アルコキシ(特に、メトキシまたはエトキシ)、ハロアルコキシアルキルチオ、ハロアルキルチオを含む。
【0041】
式Iで表される化合物は、異なる幾何異性体もしくは光学異性体で、または異なる互変異性体で存在し得る。式Iで表される化合物が純粋なエンナンチオマー、エナンチオマー混合物、純粋なジアステレオマーまたはジアステレオマー混合物として存在し得る場合において、一つ以上のキラル中心が存在し得る。分子中に二重結合、例えばC=C、またはC=N結合が存在してもよく、そしてその場合において、式Iで表される化合物が単一の異性体として、または異性体混合物として存在し得る。互変異性化の中心が存在してもよい。本発明は、かかる異性体および互変異性体、ならびにそれらの全ての比率における混合物の全てを、ならびに重水素化化合物のような同位体形態を含む。
【0042】
式Iで表される化合物の好適な塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、またはリン酸との酸付加塩、あるいは有機カルボン酸、例えばシュウ酸、酒石酸、乳酸、酪酸、トルイル酸、ヘキサン酸、もしくはフタル酸との酸付加塩、またはスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、もしくはトルエンスルホン酸との酸付加塩を含む。有機カルボン酸の他の例は、ハロ酸、例えばトリフルオロ酢酸を含む。
【0043】
N−オキシドは、三級アミンの酸化形態、または窒素含有ヘテロ芳香族化合物の酸化形態である。それらは多くの本に、例えば“Heterocyclic N−oxides”by Angelo Albini and Silvio Pietra,CRC Press,Boca Raton,Florida,1991に記載されている。
【0044】
本発明の特に好ましい実施形態において、X、YおよびR1〜R5の好ましい基であって、それらの任意の組み合わせは、以下に記載される通りである。
【0045】
一つの実施形態において、XはSであって、YはNである(式Iaの化合物):
【0046】
【化2】

【0047】
別の実施形態において、XはNR5であって、YはNである(式Ibの化合物):
【0048】
【化3】

【0049】
別の実施形態において、XはNであって、YはNR5である(式Icの化合物):
【0050】
【化4】

【0051】
一つの実施形態において、R1およびR3は、独立して水素、または場合により置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、またはトリアルキルシリルである。
【0052】
アルキル、アルケニル、アルキニル、およびトリアルキルシリル基は、上で定義された通りである。特にアルキル基は、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、イソアミル、およびシクロヘキシル基を含む。
【0053】
別の実施形態において、R1およびR3は、独立して水素、または場合により置換された、アルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。
【0054】
アリール基は上で定義された通りである。特にアリール基は、1個以上(特に1個もしくは2個)の、同一または異なるハロゲン原子(例えば、クロロおよびフルオロ)、ハロアルキル、またはハロアルコキシ基で場合により置換された、ベンジルまたはフェニル基を含む。例えば、アリール基は、ベンジル、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、3,5−ジフルオロ−フェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、および4−トリフルオロメトキシフェニル含む。
【0055】
ヘテロアリール基は上で定義された通りである。特にヘテロアリール基は、5または6員環のヘテロアリール環、例えばフリルおよびチエニル環を含む。これらのヘテロアリール基は、1個以上(特に1個もしくは2個)の、同一または異なるハロゲン原子によって場合により置換されてもよく、そして例えば、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、5−クロロ−2−チエニル、または5−クロロ−2−フリルを含む。
【0056】
別の実施形態において、R1およびR3は、独立して水素、または場合により置換された、アルキル、フェニル、または5もしくは6員環ヘテロアリールである。
【0057】
一つの実施形態において、R2は、場合により置換されたヘテロアリールである。ヘテロアリールは上で定義された通りであり、そして特に、同一または異なるハロゲン、アルキルまたはアルコキシ基で1個以上(特に、1個または2個)場合により置換されたピリジル、ピリミジニル、またはチアゾリルである。例は、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、3−ピリミジニル、5−ピリミジニル、4−フルオロ−3−ピリジル、4−メチル−3−ピリジル、5−メトキシ−3−ピリジル、4−メチル−5−ピリミジニル、4−メトキシ−5−ピリミジニル、2−チアゾリル、または5−チアゾリルを含む。
【0058】
一つの実施形態において、R4は水素またはアシルである。
【0059】
アシル基は上で定義された通りである。特にアシル基は、メチルカルボニル、エチルカルボニル、またはシクロプロピルカルボニルを含む。
【0060】
別の実施形態において、R4は水素である。
【0061】
一つの実施形態において、R5は水素、あるいは場合により置換された、アルキル、アルケニル、またはアルキニルである。
【0062】
アルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、上で定義された通りである。特にこれらの基は1〜4個の炭素原子を含み、そしてメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、およびシクロプロピルを含む。
【0063】
別の実施形態において、R5は、水素、または場合により置換された、トリアルキルシリルもしくはアリールアルキルである。トリアルキルシリルおよびアリールアルキル基は上で定義された通りである。
【0064】
別の実施形態において、R5は、水素、または場合により置換されたアリールもしくはヘテロアリールである。
【0065】
アリール基は、上で定義された通りである。特にアリール基は、フェニル、および場合により置換されたフェニル基を含む。ヘテロアリール基は、上で定義された通りである。
【0066】
一つの実施形態において、少なくとも一つのR1、R3、およびR5は水素ではなく、他の基、X、Y、ならびにR2およびR4は上で定義された通りである。
【0067】
一つの実施形態において、R1は、場合により置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、トリアルキルシリル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;R3は水素であり;そしてX、Y、R2、R4および(R5が存在する場合には)R5は、上の任意の実施形態において記載された通りである。
【0068】
一つの実施形態において、R1は水素であり;R3は、場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、トリアルキルシリル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;そしてX、Y、R2、R4および(R5が存在する場合には)R5は、上の任意の実施形態において記載された通りである。
【0069】
一つの実施形態において、R1は、場合により置換された、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;R3は水素、場合により置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、またはトリアルキルシリルであり;そしてX、Y、R2、R4および(R5が存在する場合には)R5は、上の任意の実施形態において記載された通りである。
【0070】
一つの実施形態において、R1は水素、場合により置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、またはトリアルキルシリルであり;R3は、場合により置換された、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;そしてX、Y、R2、R4および(R5が存在する場合には)R5は、上の任意の実施形態において記載された通りである。
【0071】
一つの実施形態において、本発明は、式I:
【0072】
【化5】

【0073】
[式中、
XはSであり、YはNであり;
1およびR3は、独立して、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
2は、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;そして
4は、水素またはアシルである]
で表される化合物を提供する。
【0074】
本発明の式Iで表される化合物の好ましいサブグループは:
XがSであり、YがNであり;
1が、場合により置換されたフェニルまたはチエニルであり;
2が、場合により置換されたピリジルまたはピリミジルであり;
3が、場合により置換されたフェニルであり;そして
4が、水素である化合物である。
【0075】
本発明の式Iで表される化合物の最も好ましいサブグループは:
XがSであり、YがNであり;
1が、3−クロロ−フェニル、4−クロロ−フェニル、2−フルオロ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、または2−チエニルであり;
2が、3−ピリジルまたは3−ピリミジニルであり;
3が、フェニル、4−クロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、2−フルオロ−4−クロロ−フェニルであり;そして
4が、水素である化合物である。
【0076】
一つの実施形態において、本発明は式I:
【0077】
【化6】

【0078】
[式中、
XはNR5であり、YはNであり;
1およびR3は、独立して、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
2は、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
4は、水素またはアシルであり;そして
5は、水素、または場合により置換された、アルキル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、またはアリールである]
で表される化合物を提供する。
【0079】
本発明の式Iで表される化合物の好ましいサブグループは:
XがNR5であり、YがNであり;
1およびR3が、場合により置換されたアリールであり;
2が、場合により置換されたヘテロアリールであり;
4が、水素であり;そして
5が、水素、または場合により置換された、アルキル、アリールアルキル、またはフェニルである化合物である。
【0080】
本発明の式Iで表される化合物の最も好ましいサブグループは:
XがNR5であり、YがNであり;
1が、4−クロロ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、または2,4−ジフルオロ−フェニルであり;
2が、3−ピリジルであり;
3が、4−メトキシ−フェニル、4−クロロ−フェニル、または2,4−ジフルオロ−フェニルであり;
4が、水素であり;そして
5が、メチル、またはベンジルである化合物である。
【0081】
一つの実施形態において、本発明は式I:
【0082】
【化7】

【0083】
[式中、
XはNであり、YはNR5であり;
1およびR3は、独立して、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
2は、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
4は、水素またはアシルであり;そして
5は、水素、場合により置換されたアルキル、またはアリールである]
で表される化合物を提供する。
【0084】
本発明の式Iで表される化合物の好ましいサブグループは:
XがNであり、YがNR5であり;
1およびR3が、場合により置換されたアリールであり;
2が、場合により置換されたヘテロアリールであり;
4が、水素であり;そして
5が、水素、または場合により置換されたアルキルである化合物である。
【0085】
本発明の式Iで表される化合物の最も好ましいサブグループは:
1が、4−クロロ−フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、または2,4−ジフルオロ−フェニルであり;
2が、3−ピリジルであり;
3が、4−クロロ−フェニル、または4−フルオロ−フェニルであり;
4が、水素であり;そして
5が、メチルである化合物である。
【0086】
一つの実施形態において、R1は、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;R3は水素、または場合により置換されたアルキルであり;そしてX、Y、R2、R4および(R5が存在する場合には)R5は、上の任意の実施形態において記載された通りである。
【0087】
一つの実施形態において、R1は、水素、または場合により置換されたアルキルであり;R3は、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;そしてX、Y、R2、R4および(R5が存在する場合には)R5は、上の任意の実施形態において記載された通りである。
【0088】
一つの実施形態において、R1は、場合により置換された、フェニルまたは5もしくは6員のヘテロアリールであり;R3は、水素、場合により置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはヘテロシクリルであり;そしてX、Y、R2、R4および(R5が存在する場合には)R5は、上の任意の実施形態において記載された通りである。
【0089】
一つの実施形態において、R1は、水素、場合により置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはヘテロシクリルであり;R3は、場合により置換された、フェニルまたは5もしくは6員のヘテロアリールであり;そしてX、Y、R2、R4および(R5が存在する場合には)R5は、上の任意の実施形態において記載された通りである。
【0090】
より好ましくは、本発明における使用のための化合物は、以下の表I(式Iaの化合物)、および表II(式Ibの化合物)、および表III(式Icの化合物)で示される:
【0091】
【表1】

【0092】
【表2】

【0093】
【表3】

【0094】
【表4】

【0095】
【表5】

【0096】
【表6】

【0097】
【表7】

【0098】
【表8】

【0099】
【表9】

【0100】
上の表において、R1〜R5における各々の略語は以下の意味である:
【0101】
【表10】

【0102】
【表11】

【0103】
【表12】

【0104】
本発明の化合物、および本発明の方法における使用のための化合物は、例えば以下に詳述される反応スキームおよび方法に従って合成され得る。本発明の化合物の製造のために使用される出発原料は、通常の、民間の供給業者から購入されてもよく、または既知の方法によって合成されてもよい。出発原料およびその中間体は、次のステップにおける使用の前に、当技術分野における手順、例えばクロマトグラフィー、結晶化、蒸留、および濾過によって精製されてもよい。
【0105】
式Iaで表される化合物の合成
【0106】
【化8】

【0107】
イソチアゾールの製造方法は、Science of Synthesis(2002),11,507−572において概説されている。
【0108】
3位置換イソチアゾールは、Synthetic Communications,35(6),807,2005、またはARKIVOC(3),121,2002に記載された1,3−双極子環化付加によって製造される。
【0109】
【化9】

【0110】
タイプVの化合物は、実施例に記載されたような最終製造物へと変換される。
【0111】
タイプIaの化合物の製造のための他の有用な中間体は、以下の雑誌において見られる:
【0112】
Chemistry Letters;1984,1691−92:
【0113】
【化10】

【0114】
Journal of Heterocyclic Chemistry;1989,1575:
【0115】
【化11】

【0116】
3,5−ジハロ−イソチアゾール−4−カルボニトリルXIIを式Iaの最終化合物へと変換するために、Pd触媒クロスカップリング反応が使用され得る。かかる変換の実験の詳細が、Perk I,2006,3681において見られる:
【0117】
【化12】

【0118】
式IbおよびIcで表される化合物の製造
【0119】
【化13】

【0120】
N置換ピラゾールXVIIが、1,3−ジケトン(XVI)と、ヒドラジンまたはヒドラジン誘導体との反応によって、2つの異性体混合物として、通常容易に製造され得る(Advances in Heterocyclic Chemistry;1966,6,347):
【0121】
【化14】

【0122】
あるいは、1,3−ジケトンがケトン(XVIII)および酸クロリド(XIX)から直接的に製造され得、その後in situでそれらを、ヒドラジンまたはヒドラジン誘導体の付加によってピラゾールへと変換し得る(Organic Letters 2006,8,13,2675):
【0123】
【化15】

【0124】
ここで、AおよびBはアリール基の任意の位置における置換基である。
【0125】
C4における中間体XVIIのブロモ化は、Journal of Heterocyclic Chemistry 2006,43,1669において記載された条件を使用することによって行われ得る:
【0126】
【化16】

【0127】
4位における中間体XXのメタル化を行い、その後アルデヒドを用いて捕捉することによって、タイプXXIの化合物が得られるだろう(Archiv der Pharmazie 1987,320,12,1267):
【0128】
【化17】

【0129】
または、XVIIにおけるVilsmeier−Haackホルミル化によって、直接的に4−ホルミル誘導体XXIIを得るだろう(Journal of Medicinal Chemistry;2003,46,1144):
【0130】
【化18】

【0131】
中間体XXIIは、グリニャール種、またはリチオ化種とさらに反応して得、最終化合物XXIを得る:
【0132】
【化19】

【0133】
タイプIbまたはIcで表される化合物の製造のための、他の有用な中間体は、以下の雑誌および特許出願において見られる:
【0134】
Chemische Berichte,1968,101,536:
【0135】
【化20】

【0136】
ここでRは、場合により置換されたアルキル基である。
【0137】
Tetrahedron 2004,60,901:
【0138】
【化21】

【0139】
国際公開第2006/092510号:
【0140】
【化22】

【0141】
ここで、PGは保護基である。
【0142】
Synlett 2004,5,795、およびその中で引用されている参考文献:
【0143】
【化23】

【0144】
ここでRは、CF3SO2またはC44SO2であり、そしてAr1およびAr2は、場合により置換されたアリール基である。
【0145】
ピラゾールの合成についての総説は、Advances in Heterocyclic Chemistry 1990,48,223−99において見られる。
【0146】
本発明の化合物は、植物病原性真菌が植物もしくは植物繁殖材料、またはそれらの場へ殺真菌的に有効な量で施用されるときにおいて、植物病原性真菌を防除する際において有用である。したがって、本発明はまた、植物および/または植物繁殖材料における真菌感染を予防および/または防除する方法であって、殺真菌的に有効な量の、式Iで表される化合物を、植物もしくは植物繁殖材料、またはそれらの場へ施用することを含む、当該方法を提供する。
【0147】
「植物繁殖材料」は、全ての種類の種子(果実、塊茎、球根、穀粒など)、根、根茎、挿し木、刈り桑などを含む、植物の発生部分を意味する。植物繁殖材料はまた、土壌からの発芽または出現の後に移植され得る植物および若木を含んでもよい。
【0148】
「場」は、植物が生長する場所、または栽培された植物の種子が蒔かれる場所、または当該種子が土壌中へ置かれるだろう場所を意味する。
【0149】
本発明の化合物は、以下の種類の植物病原性真菌に対して使用されてもよい:Fungi imperfecti(例えば、Botrytis、Pyricularia、Helminthosporium、Fusarium、Septoria、Cercospora、およびAlternaria)、Basidiomycetes(例えば、Rhizoctonia、Hemileia、Puccinia)、Ascomycetes(例えば、VenturiaおよびErysiphe、Podosphaera、Monilinia、Uncinula、およびPyrenophora)ならびにOomycetes(例えば、Phytophthora、Pythium、Plasmopara)。特に、本発明の化合物は、Helminthosporium spp.、Fusarium spp.、Septoria spp.、Cercospora spp.、Alternaria spp.、Rhizoctonia spp.、Puccinia spp.、Venturia spp.、Erysiphe spp.、Podosphaera spp.、Monilinia spp.、Uncinula spp.、およびPyrenophora spp.に対して使用されてもよい。
【0150】
本発明の化合物は、限定されないが、以下の標的穀物:穀草類(小麦、大麦、ライ麦、オート麦、トウモロコシ(飼料用トウモロコシ、ポップコーン、およびスウィートコーンを含む)、米、ソルガム、および関連する農作物);ビート(サトウダイコン、および飼料用ビート);マメ科植物(マメ、レンティル、エンドウ、大豆);油脂植物(セイヨウアブラナ、カラシ、ヒマワリ);キュウリ植物(マロー、キュウリ、メロン);繊維植物(綿花、亜麻、麻、ジュート);野菜(ホウレン草、レタス、アスパラガス、キャベツ、人参、ナス、タマネギ、トウガラシ、トマト、ジャガイモ、パプリカ、オクラ);プランテーション作物(バナナ、果樹、ゴムノキ、苗木)、鑑賞植物(花、低木、広葉樹および常緑樹、例えば針葉樹);および他の植物、例えばブドウ、ブッシュベリー(例えばブルーベリー)、ケーンベリー、クランベリー、ペパーミント、ルバーブ、スペアミント、サトウキビ、ならびに限定されないが、寒地型芝草(例えば、ブルーグラス(Poa L.)、例えばケンタッキーブルーグラス(Poa pratensis L.)、ラフブルーグラス(Poa−trivialis L.)、カナダブルーグラス(Poa compressa L.)、およびアニュアルブルーグラス(Poa annua L.);ベントグラス(Agrostis L.)、例えばクリーピングベントグラス(Agrostis palustris Huds.)、コロニアルベントグラス(Agrostis tenius Sibth.)、ベルベットベントグラス(Agrostis canina L.)、およびレッドトップ(Agrostis alba L.);フェスク(Festuca L.)、例えばトールフェスク(Festuca arundinacea Schreb.)、メドウフェスク(Festuca elatior L.)およびファインフェスク、例えばクリーピングレッドフェスク(Festuca rubra L.)、チューイングフェスク(Festuca rubra var. commutata Gaud.)、シープフェスク(Festuca ovina L.)、およびハードフェスク(Festuca longifolia);およびライグラス(Lolium L.)、例えばペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)、およびアニュアル(イタリアン)ライグラス(Lolium multiflorum Lam.))ならびに暖地型芝草(例えば、雑種および普通種バミューダグラスを含む、バミューダグラス(Cynodon L.C.Rich);ゾイシアグラス(Zoysia Willd.)、セントオーガスチングラス(Stenotaphrum secundatum(Walt.)Kuntze);およびセンチピードグラス(Eremochloa ophiuroides(Munro.)Hack.))を含む芝草を含む、多くの植物およびそれらの繁殖材料に対する真菌性疾患を防除するために好適である。
【0151】
さらに「穀物」は、育種または遺伝子工学の従来法の結果として、害虫、および、除草剤または除草剤類を含む殺虫剤に対して耐性にされた穀物を含むものと理解され得る。例えば除草剤に対する耐性は、従来の穀物品種と比較した、特定の除草剤によって引き起こされる損傷に対する感受性の減少を意味する。穀物は、例えば、HPPD阻害剤、例えばメソトリオン、またはEPSPS阻害剤、例えばグリフォセートに対して耐性を有するように改変され、または品種改良され得る。
【0152】
式Iで表される化合物は、未修飾形態で存在し得るか、または好ましくは殺真菌性組成物へと組み込まれ得る。したがって具体的には、式Iで表される化合物は、製剤分野における当業者に周知の方法を用いて、製剤分野において通常使用される担体および補助剤と共に製剤化される。
【0153】
したがって本発明はまた、真菌感染の防除のための組成物であって、式Iで表される化合物、および農業上許容される担体または希釈剤を含む当該組成物に関する。
【0154】
本発明はまた、真菌感染の防除のための組成物であって、式Iで表される化合物、および農業上許容される担体または希釈剤を含み、少なくとも一つの追加の殺真菌剤をさらに含む当該組成物に関する。
【0155】
当該農薬組成物は、通常0.1〜99重量%、好ましくは0.1〜95重量%の式Iで表される化合物、99.9〜1重量%、好ましくは99.8〜5重量%の固体または液体補助剤、および0〜25重量%、好ましくは0.1〜25重量%の界面活性剤を含むだろう。
【0156】
好適には、本発明の農薬組成物は、疾患の発症前に施用される。当該組成物の使用率および頻度は、当技術分野で従来使用されるものであり、そして真菌病原体による感染リスク、植物の生長段階、および場所、時期および施用方法に依存するだろう。有利な施用率は、通常、5g〜2kgの有効成分(a.i.)/ヘクタール(ha)、好ましくは10g〜lkg a.i./ha、最も好ましくは20g〜600g a.i./haである。種子灌注剤として使用されるとき、好都合な施用率は、種子1kgあたり、10mg〜1gの活性物質である。
【0157】
実際には上で示した通り、式Iで表される化合物を含む農薬組成物は、産業上既知であり、または利用される種々の補助剤および担体を含む製剤として施用される。したがってそれらは、顆粒として、水和剤(wettable powders)もしくは可溶性粉末として、乳剤(emulsifiable concentrates)として、塗布可能なペースト剤として、粉剤として、フロアブル剤として、溶液として、懸濁液として、またはエマルションとして、または放出制御製剤、例えばマイクロカプセルとして製剤化され得る。これらの製剤は、以下により詳細に記載され、そして最低で約0.5重量%、最高で約95重量%以上の有効成分を含み得る。最適量は、製剤、施用装置、および防除されるべき植物病原性真菌の性質に依存するだろう。
【0158】
懸濁剤(Suspension concentrates)は、微粉化された有効成分の固体粒子が懸濁している水性製剤である。かかる製剤は、沈降防止剤、および分散剤を含み、そして、同様に活性を向上させるための水和剤、消泡剤、および結晶成長抑制剤をさらに含んでもよい。使用に際して、これらの濃縮製剤は水で希釈され、そして処理されるべき領域へ噴霧で通常施用される。有効成分量は、当該濃縮製剤の約0.5%〜約95%の範囲であり得る。
【0159】
水和剤は、水または他の液体担体中に速やかに分散する、微粉化された粒子形態で存在する。当該粒子は、固体マトリクス中に保持された有効成分を含有する。代表的な固体マトリクスは、フラー土、カオリンクレイ、シリカ、および他の速やかに湿る有機または無機個体を含む。水和剤は、約5%〜約95%の有効成分、および少量の湿潤剤、分散剤、または乳化剤を通常含む。
【0160】
乳剤は、水または他の液体中で分散可能な均一液体組成物であり、そして全て活性化合物および液体または固体乳化剤からなるか、または液体担体、例えばキシレン、重質芳香族ナフサ、イソホロン、および他の不揮発性有機溶媒を同様に含んでもよい。使用に際してこれらの濃縮製剤は、水または他の液体中で分散され、そして処理されるべき領域へ噴霧で通常施用される。有効成分量は、当該濃縮製剤の約0.5%〜約95%の範囲であり得る。
【0161】
粒剤は、押し出し物、および比較的粗い粒子の両方を含み、そして通常は希釈せずに植物病原性真菌の防除が必要とされる領域へ施用される。粒剤用の代表的な担体は、砂、フラー土、アタパルガイトクレイ、ベントナイトクレイ、モンモリロナイト粘土、バーミキュライト、真珠岩、炭酸カルシウム、レンガ、軽石、パイロフィライト、カオリン、ドロマイト、石膏(plaster)、木粉、粉砕されたトウモロコシの穂軸、粉砕されたピーナッツ外殻、糖、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酸化マグネシウム、マイカ、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、氷晶石、石膏(gypsum)、珪藻土、硫酸カルシウム、および当該活性化合物を吸着するか、または当該活性化合物でコーティングされ得る他の有機または無機材料を含む。粒剤は、約5%〜約25%の有効成分を通常含有し、そしてそれは界面活性剤、例えば重質芳香族ナフサ、灯油および他の石油留分、または植物油および/または展着剤、例えばデキストリン、接着剤または合成樹脂を含み得る。
【0162】
粉剤は、有効成分と、微粉化された固体、例えばタルク、クレイ、小麦粉、ならびに分散剤および担体として作用する他の有機および無機固体との自由流動性混合物である。
【0163】
マイクロカプセルは通常、封入物質が制御された速度で周辺環境へと放出されることを可能とする不活性多孔質殻中に、活性材料の液滴または顆粒が封入されている。封入された液滴は通常、直径約1〜50ミクロンである。封入された液体は通常、カプセル重量の約50〜95%を占め、そして活性化合物と共に溶媒を含み得る。封入された顆粒は通常、多孔質膜で顆粒孔開口部を密封し、顆粒孔内部に活性種を液体形態で保持している、多孔質の顆粒である。顆粒は通常、直径1mm〜1cm、好ましくは1〜2mmの範囲である。顆粒は、押し出し、凝集または顆粒化により形成されるか、あるいは天然素材である。かかる物質の例は、バーミキュライト、焼結粘土、カオリン、アタパルガイトクレイ、おがくず、および粒状炭素である。殻または膜材料は、天然及び合成ゴム、セルロース材料、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタン、およびスターチキサンテートを含む。
【0164】
農薬施用のための他の有用な製剤は、所望の濃度で完全に溶解する溶媒、例えばアセトン、アルキル化ナフタレン、キシレンおよび他の有機溶媒中における有効成分の単純溶液を含む。低沸点分散溶媒担体の蒸発の結果として、有効成分が微粉化形態に分散される加圧噴霧器がまた、使用されてもよい。
【0165】
上記の製剤形式における本発明の組成物を製剤化する際において有用である、好適な農薬補助剤および担体は、当業者に周知である。異なる形式の好適な例は、下の非限定のリスト中に見られる。
【0166】
使用され得る液体担体は、水、トルエン、キシレン、石油ナフサ、油料穀物、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2−ブタノン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸アルキル、ジアセトンアルコール、1,2−ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p−ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールアビエテート、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロキシトール(diproxitol)、アルキルピロリジノン、酢酸エチル、2−エチルヘキサノール、エチレンカーボネート、1,1,1−トリクロロエタン、2−ヘプタノン、アルファピネン、d−リモネン、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ガンマ−ブチロラクトン、グリセロール、グリセロールジアセテート、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、イソアミルアセテート、イソボルニルアセテート、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、メシチルオキシド、メトキシ−プロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリル酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m−キシレン、n−ヘキサン、n−オクチルアミン、オクタデカン酸、オクチルアミンアセテート、オレイン酸、オレイルアミン、o−キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール(PEG400)、プロピオン酸、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、p−キシレン、トルエン、リン酸トリエチル、メチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、および高分子量アルコール、例えばアミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノールなど、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリジノンなどを含む。水は一般的に、濃縮物の希釈のために選択される担体である。
【0167】
好適な固体担体は、タルク、二酸化チタン、パイロフィライトクレイ、シリカ、アタパルガイトクレイ、珪藻土(kieselguhr)、チョーク、珪藻土(diatomaxeous earth)、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイトクレイ、フラー土、肥料、綿実外殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニン等を含む。
【0168】
広範囲の界面活性剤が、前記液体及び固体組成物の両方に、特に施用前に担体で希釈されるように設計されたものに有利に使用される。使用の際、これらの薬剤は、製剤中、0.1重量%〜15重量%含む。それらは、特性として、アニオン性、カチオン性、非イオン性、またはポリマー性であり得、そして乳化剤、湿潤剤、懸濁化剤として、または他の目的のために使用され得る。代表的な界面活性剤は、アルキル硫酸塩、例えば、ジエタノールアンモニウムラウリルサルフェート;アルキルアリールスルホン酸塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノール−アルキレンオキシド付加生成物、例えば、ノニルフェノール−C18エトキシレート;アルコール−アルキレンオキシド付加生成物、例えば、トリデシルアルコール−C16エトキシレート;石けん、例えば、ステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレンスルホン酸塩、例えば、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホコハク酸ジアルキルエステル塩、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム;ソルビトールエステル、例えば、ソルビトールオレエート;第4級アミン、例えば、ラウリルトリメチル塩化アンモニウム;脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えば、ポリエチレングリコールステアレート;エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック共重合体;ならびにモノおよびジアルキルリン酸エステル塩が含まれる。
【0169】
農薬組成物において一般的に使用される他の補助剤は、結晶化阻害剤、粘度調整剤、懸濁化剤、スプレー液滴調整剤、顔料、抗酸化剤、発泡剤、消泡剤、遮光剤、相溶化剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、中和剤および緩衝剤、腐食防止剤、染料、着臭剤、展着剤、浸透補助剤、微量栄養素、柔軟剤、潤滑剤、固着剤等を含む。
【0170】
加えてさらに、他の殺生物有効成分または組成物は、式Iで表される化合物と組み合わされ、そして本発明の方法において使用されてもよく、そして式Iで表される化合物と同時に、または連続的に施用されてもよい。同時に施用されるとき、これらのさらなる有効成分は式Iで表される化合物と共に製剤化され、または、例えばスプレータンク中において混合されてもよい。これらのさらなる殺生物有効成分は、殺真菌剤、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤、および/または植物生長調整剤であり得る。したがって本発明は、(i)式Iで表される化合物、およびさらなる殺真菌剤、(ii)式Iで表される化合物、および除草剤、(iii)式Iで表される化合物、および殺虫剤、(iv)式Iで表される化合物、および殺菌剤;(v)式Iで表される化合物、およびダニ駆除剤、(vi)式Iで表される化合物、および殺線虫剤、ならびに/または、(vii)式Iで表される化合物、および植物生長調整剤を含む組成物を提供する。さらに、本発明の化合物はまた、一つ以上の全身獲得抵抗性誘導物質(「SAR」誘導物質)と共に施用されてもよい。SAR誘導物質は既知であり、そして例えば米国特許第6,919,298号明細書に記載され、例えばサリチル酸塩、そして市販のSAR誘導物質であるアシベンゾラー−S−メチルを含む。
【0171】
特に、本発明によって含まれる組成物は、限定されないが、式Iで表される化合物およびアシベンゾラー(CGA245704)、式Iで表される化合物およびアンシミドール、式Iで表される化合物およびアラニカルブ、式Iで表される化合物およびアルジモルフ、式Iで表される化合物およびアミスルブロム、式Iで表される化合物およびアニラジン、式Iで表される化合物およびアザコナゾール、式Iで表される化合物およびアゾキシストロビン、式Iで表される化合物およびベナラキシル、式Iで表される化合物およびベンチアバリカルブ、式Iで表される化合物およびベノミル、式Iで表される化合物およびビロキサゾール、式Iで表される化合物およびビテルタノール、式Iで表される化合物およびビキサフェン、式Iで表される化合物およびブラストサイジンS、式Iで表される化合物およびボスカリド、式Iで表される化合物およびブロムコナゾール、式Iで表される化合物およびブピリマート、式Iで表される化合物およびカプタホール、式Iで表される化合物およびカプタン、式Iで表される化合物およびカルベンダジム、式Iで表される化合物およびカルベンダジム、式Iで表される化合物およびクロルハイドレート、式Iで表される化合物およびカルボキシン、式Iで表される化合物およびカルプロパミド、式Iで表される化合物およびカルボン、式Iで表される化合物およびCGA41396、式Iで表される化合物およびCGA41397、式Iで表される化合物およびキノメチオネート、式Iで表される化合物およびクロロネブ、式Iで表される化合物およびクロロタロニル、式Iで表される化合物およびクロロゾリネート、式Iで表される化合物およびクロジラコン、式Iで表される化合物および銅含有化合物、例えばオキシ塩化銅、銅オキシキノレート(copper oxyquinolate)、硫酸銅、銅タレート(copper tallate)、およびボルドー混合物、式Iで表される化合物およびシフルフェナミド、式Iで表される化合物およびシモキサニル、式Iで表される化合物およびシプロコナゾール、式Iで表される化合物およびシプロジニル、式Iで表される化合物およびデバカルブ、式Iで表される化合物およびジ−2−ピリジルジスルフィド1,1−ジオキシド、式Iで表される化合物およびジクロフルアニド、式Iで表される化合物およびジクロメジン、式Iで表される化合物およびジクロゾリン、式Iで表される化合物およびジクロン、式Iで表される化合物およびジクロラン、式Iで表される化合物およびジクロシメット、式Iで表される化合物およびジエトフェンカルブ、式Iで表される化合物およびジフェノコナゾール、式Iで表される化合物およびジフェンゾクアット、式Iで表される化合物およびジフルメトリム、式Iで表される化合物およびO,O−ジイソプロピル−S−ベンジルチオホスフェート、式Iで表される化合物およびジメフルアゾール、式Iで表される化合物およびジメトコナゾール、式Iで表される化合物およびジメトモルフ、式Iで表される化合物およびジメチリモル、式Iで表される化合物およびジモキシストロビン、式Iで表される化合物およびジニコナゾール、式Iで表される化合物およびジノカップ、式Iで表される化合物およびジチアノン、式Iで表される化合物およびドデシルジメチルアンモニウムクロリド、式Iで表される化合物およびドデモルフ、式Iで表される化合物およびドジン、式Iで表される化合物およびドグアジン、式Iで表される化合物およびエジフェンホス、式Iで表される化合物およびエネストロビン、式Iで表される化合物およびエポキシコナゾール、式Iで表される化合物およびエタボキサム、式Iで表される化合物およびエチリモル、式Iで表される化合物およびエトリジアゾール、式Iで表される化合物およびファモキサドン、式Iで表される化合物およびフェナミドン(RPA407213)、式Iで表される化合物およびフェナリモル、式Iで表される化合物およびフェンブコナゾール、式Iで表される化合物およびフェンフラム、式Iで表される化合物およびフェンヘキサミド(KBR2738)、式Iで表される化合物およびフェノキサニル、式Iで表される化合物およびフェンピクロニル、式Iで表される化合物およびフェンプロピジン、式Iで表される化合物およびフェンプロピモルフ、式Iで表される化合物およびフェンチンアセテート、式Iで表される化合物およびフェンチンヒドロキシド、式Iで表される化合物およびフェルバム、式Iで表される化合物およびフェリムゾン、式Iで表される化合物およびフルアジナム、式Iで表される化合物およびプルオピコリド、式Iで表される化合物およびフルジオキソニル、式Iで表される化合物およびフルオキサストロビン、式Iで表される化合物およびフルメトベル、式Iで表される化合物およびSYP−LI90(フルモルフ)、式Iで表される化合物およびフルオピラム、式Iで表される化合物およびフルオロイミド、式Iで表される化合物およびフルキンコナゾール、式Iで表される化合物およびフルシラゾール、式Iで表される化合物およびフルスルファミド、式Iで表される化合物およびフルトラニル、式Iで表される化合物およびフルトリアフォル、式Iで表される化合物およびフォルペット、式Iで表される化合物およびフォセチルアルミニウム、式Iで表される化合物およびフベリダゾール、式Iで表される化合物およびフララキシル、式Iで表される化合物およびフラメトピル、式Iで表される化合物およびグアザチン、式Iで表される化合物およびヘキサコナゾール、式Iで表される化合物およびヒドロキシイソキサゾール、式Iで表される化合物およびハイメクスアゾール、式Iで表される化合物およびDCF−916(シアゾファミド)、式Iで表される化合物およびイマザリル、式Iで表される化合物およびイミベンコナゾール、式Iで表される化合物およびイミノクタジン、式Iで表される化合物およびイミノクタジントリアセテート、式Iで表される化合物およびイプコナゾール、式Iで表される化合物およびイプロベンホス、式Iで表される化合物およびイプロジオン、式Iで表される化合物およびイプロバリカルブ(SZX0722)、式Iで表される化合物およびイソプロパニルブチルカルバメート、式Iで表される化合物およびイソプロチオラン、式Iで表される化合物およびカスガマイシン、式Iで表される化合物およびクレソキシム−メチル、式Iで表される化合物およびLY186054、式Iで表される化合物およびLY211795、式Iで表される化合物およびLY248908、式Iで表される化合物およびマネブ、式Iで表される化合物およびマンカッパー、式Iで表される化合物およびマンコゼブ、式Iで表される化合物およびマンジプロパミド、式Iで表される化合物およびメフェノキサム、式Iで表される化合物およびメパニピリム、式Iで表される化合物およびメプロニル、式Iで表される化合物およびメタラキシル、式Iで表される化合物およびメトコナゾール、式Iで表される化合物およびメタスルホカルブ、式Iで表される化合物およびメチラム、式Iで表される化合物およびメチラム−亜鉛、式Iで表される化合物およびメトミノストロビン、式Iで表される化合物およびメトラフェノン、式Iで表される化合物およびミクロブタニル、式Iで表される化合物およびミクロゾリン、式Iで表される化合物およびネオアソジン、式Iで表される化合物およびニッケルジメチルジチオカルバメート、式Iで表される化合物およびニトロタル−イソプロピル、式Iで表される化合物およびヌアリモール、式Iで表される化合物およびオフレース、式Iで表される化合物および有機水銀化合物、式Iで表される化合物およびオリサストロビン、式Iで表される化合物およびオキサジキシル、式Iで表される化合物およびオキサスルフロン、式Iで表される化合物およびオキシン−銅、式Iで表される化合物およびオキソリン酸、式Iで表される化合物およびオキスポコナゾール、式Iで表される化合物およびオキシカルボキシン、式Iで表される化合物およびペフラゾエート、式Iで表される化合物およびペンコナゾール、式Iで表される化合物およびペンシクロン、式Iで表される化合物およびペンチオピラド、式Iで表される化合物およびフェナジンオキシド、式Iで表される化合物およびホスジフェン、式Iで表される化合物および亜リン酸、式Iで表される化合物およびフタリド、式Iで表される化合物およびピコキシストロビン(ZAl963)、式Iで表される化合物およびポリオキシンD、式Iで表される化合物およびポリラム、式Iで表される化合物およびプロベナゾール、式Iで表される化合物およびプロクロラズ、式Iで表される化合物およびプロシミドン、式Iで表される化合物およびプロパモカルブ、式Iで表される化合物およびプロピコナゾール、式Iで表される化合物およびプロピネブ、式Iで表される化合物およびプロピオン酸、式Iで表される化合物およびプロキナジド、式Iで表される化合物およびプロチオコナゾール、式Iで表される化合物およびピラクロストロビン、式Iで表される化合物およびピラゾホス、式Iで表される化合物およびピリベンカルブ、式Iで表される化合物およびピリフェノックス、式Iで表される化合物およびピリメタニル、式Iで表される化合物およびピロキロン、式Iで表される化合物およびピロキシフル、式Iで表される化合物およびピロルニトリン、式Iで表される化合物および4級アンモニウム化合物、式Iで表される化合物およびキノメチオネート、式Iで表される化合物およびキノキシフェン、式Iで表される化合物およびキントゼン、式Iで表される化合物およびシルチオファム、式Iで表される化合物およびシメコナゾール、式Iで表される化合物およびシプコナゾール(F−155)、式Iで表される化合物およびペンタクロロフェノールナトリウム塩、式Iで表される化合物およびスピロキサミン、式Iで表される化合物およびストレプトマイシン、式Iで表される化合物およびサルファー、式Iで表される化合物およびテブコナゾール、式Iで表される化合物およびテクロフタラム、式Iで表される化合物およびテクナゼン、式Iで表される化合物およびテトラコナゾール、式Iで表される化合物およびチアベンダゾール、式Iで表される化合物およびチフルザミド、式Iで表される化合物および2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、式Iで表される化合物およびチオファネート−メチル、式Iで表される化合物およびチラム、式Iで表される化合物およびチアジニル、式Iで表される化合物およびチミベンコナゾール、式Iで表される化合物およびトルクロフォス−メチル、式Iで表される化合物およびトリフルアニド、式Iで表される化合物およびトリアジメフォン、式Iで表される化合物およびトリアジメノール、式Iで表される化合物およびトリアズブチル、式Iで表される化合物およびトリアゾキシド、式Iで表される化合物およびトリシクラゾール、式Iで表される化合物およびトリデモルフ、式Iで表される化合物およびトリフロキシストロビン(CGA279202)、式Iで表される化合物およびトリホリン、式Iで表される化合物およびトリフルミゾール、式Iで表される化合物およびトリチコナゾール、式Iで表される化合物およびバリダマイシンA、式Iで表される化合物およびバパム、式Iで表される化合物およびバリフェナール、式Iで表される化合物およびビンクロゾリン、式Iで表される化合物およびジネブ、式Iで表される化合物およびジラム、式Iで表される化合物およびゾキサミド、式Iで表される化合物および3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、式Iで表される化合物および5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、ならびに式Iで表される化合物およびN−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを含む組成物を含む。
【0172】
本発明の、および本発明の方法における使用のための製剤は、通常の方法、例えば噴霧(spraying)、噴霧(atomising)、散布(dusting)、散布(scattering)、塗布、または注入によって、防除が所望である領域へ施用され得る。例えば粉末および液体組成物は、動力散粉機、ブルーム・アンド・ハンド・スプレーヤー(broom and hand sprayer)およびスプレー・ダスター(spray duster)の使用によって施用され得る。当該組成物はまた、粉末、または噴霧液体として飛行機から、またはロープウィック(rope wick)施用によって施用され得る。本発明の製剤を施用するための好ましい方法は、葉面施用である。さらに、固体および液体製剤の両方はまた、有効成分が根を通じて植物に浸透することができるように、処理されるべき植物の場中の土壌へ施用され得る。本発明の組成物はまた、植物繁殖物質への真菌感染に対する防御、および土壌中に存在する植物病原性真菌に対する防御を提供するために、植物繁殖物質に対する被覆施用のために使用され得る。好適には有効成分は、植物繁殖物質、特に種子を殺真菌剤の液体製剤に含浸するか、または固体製剤を用いてそれをコーティングするかのいずれかによって保護されるべき植物繁殖材料へ施用され得る。特別な場合において、他の種類の施用が可能であり、例えば植物の剪除(plant cutting)、または枝が供給する繁殖(twigs serving propagation)における特定の処理がある。市販用製造物を濃縮物として製剤化することは好ましいが、最終使用者は通常、希釈製剤を使用するだろうことに留意する。
【0173】
さらに、式Iで表される化合物は、殺真菌剤としての一般的用途が見出され、したがって関連領域、例えば産業用材料の保護、食物貯蔵、または衛生管理における病原性真菌を防除する方法において同様に使用される。したがって本発明は、産業用材料における、食物貯蔵における、または衛星管理における、真菌感染を予防および/または防除するための式Iで表される化合物の使用をさらに提供する。さらに本発明は、真菌による産業用材料への侵入を防除および/または予防する方法であって、殺真菌的に有効な量で、式Iで表される化合物を産業用材料、またはその場へ施用することを含む当該方法を提供する。
【0174】
「産業用材料」は、限定されないが、有機および無機材料、例えば木、紙、布、天然および合成繊維、それらの複合物、例えばパーティクルボード、ベニヤ板、ウォールボードなど、織物および不織布、建築物表面および材料(例えば建物材料)、冷暖房系表面および材料、換気および空気調節系表面および材料などである。本発明の化合物および組み合わせは、かかる材料および表面へ、不利益な効果、例えば腐食、変色、またはカビを阻害または予防するために有効な量で、上で記載されたような方法で施用され得る。かかる化合物または組み合わせが施用された産業用材料を使用または組み合わせて建設された建造物および住居はまた、真菌による攻撃から保護される。
【0175】
産業用材料は、式Iで表される化合物を用いて、限定されないが、当該産業用材料自体に当該化合物を包含させること、吸収させること、含浸すること、(密閉圧力もしくは真空系で)前記材料を前記化合物で処理すること、建築材料を浸漬(dipping)もしくは浸漬(soaking)すること、または、例えばカーテン塗工、ローラー、ブラシ、噴霧(spray)、噴霧(atomisation)、散布(dusting)、散布(scattering)もしくは注入施用によって当該材料をコーティングすることを含む多くの方法で処理され得る。本発明の化合物が、産業用材料の処理における使用のために、当業者に周知の技術を使用することによって製剤化され得る。かかる製剤は、例えば、農薬製剤との関連で上に記載された製剤材料を利用し得る。
【0176】
前述のものに加えて、本発明の活性化合物は、医療目的および獣医目的で、ヒトおよび(限定されないが、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコなどを含む)動物対象への真菌感染の処置において使用され得る。本発明の化合物がヒトおよび動物へ医薬として投与されるとき、それらはそれ自体として与えられるか、またはより一般的には医薬組成物として与えられる。
【0177】
したがって本発明は、式Iで表される化合物、および医薬として許容される担体または希釈剤を含む組成物を提供する。さらに本発明はまた、対象において真菌感染を処理する方法であって、それを必要とする対象に、当該真菌感染を処理するために有効な量で式Iで表される化合物を投与することを含む当該方法を提供する。さらに本発明は、医薬としての、および真菌感染の処置のための医薬の製造方法における、式Iで表される化合物の使用を提供する。
【0178】
かかる感染の例は、限定されないが、爪真菌症、スポロトリコーシス、腐蹄症、ジャングル・ロット(jungle rot)、Pseudallescheria boydii、scopulariopsisまたは通常「白線(white−line)」病と呼ばれる皮膚真菌症、ならびに免疫障害を有する患者、例えばAIDS患者および移植患者に対する真菌感染を含む。したがって真菌感染は、皮膚のものであり得、またはケラチン性(keratinaceous)材料、例えば髪、蹄、または爪のものであり得、ならびに全身感染、例えばCandida spp.、Cryptococcus neoformans、およびAspergillus spp.によって引き起こされるもの、例えば肺アスペルギルス症、およびニューモシスチスカリニ肺炎であり得る。
【0179】
「医薬として許容される」は、サウンド・メディカル・ジャッジメントの範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触する使用に好適であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を有さない、妥当な損益比率に相応の化合物、材料、組成物、および/または剤形を意味する。
【0180】
本明細書において使用される「医薬として許容される担体」は、医薬として許容される材料、組成物、またはビヒクルを意味し、例えば、液体もしくは固体増量剤、希釈剤、賦形剤、または対象薬剤を一の器官もしくは身体の一部から、別の器官もしくは身体の一部へと輸送するカプセル封入材である。各々の担体は、他の製剤成分と混合可能であるが、患者にとって有害ではないという意味において、「許容される」ことが必要である。医薬として許容される担体として役立ち得る材料の幾つかの例は:(1)糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;(3)セルロース、およびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース;(4)トラガント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えばココアバターおよび坐薬ワックス;(9)油、例えばピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エタノール;(20)リン酸緩衝溶液;および(21)医薬製剤において使用される他の無毒性適合物質を含む。
【0181】
医薬用途のための本発明の組成物は、経口、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、直腸、膣内、および/または非経口投与において好適であるものを含む。当該組成物は単位剤形で存在し得、そして薬学分野において周知である任意の方法で製造され得る。単一の剤形を製造するために担体材料と組み合わされ得る有効成分量は、処置されるべき対象、特定の投与形態に依存して変化するだろうが、一般的には治療効果を生む有効成分量であろう。一般的に、この量は約1%〜約99%の、好ましくは約5%〜約70%の、最も好ましくは約10%〜約30%の有効成分の範囲であろう。
【0182】
局所的、経鼻、直腸、および膣における使用のための本発明の医薬組成物は、軟膏、ペースト、クリーム、ゲル、粉末、およびスプレーの形態で通常存在する。軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、式Iで表される化合物に加えて、賦形剤、例えば動物性脂肪および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛、またはそれらの混合物を含んでもよい。粉末およびスプレーは、式Iで表される化合物に加えて賦形剤、例えばラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの材料の混合物を含み得る。スプレーは、通常の噴霧剤、例えばクロロフルオロ炭化水素、および揮発性不飽和炭化水素、例えばブタン、およびプロパンを含む。
【0183】
さらに、本発明の医薬組成物はまた、経口投与に好適であり得る。したがってそれらは、所定量の式Iで表される化合物を;粉末または顆粒として;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として;または水中油型もしくは油中水型エマルションとして各々含有する個別の単位、例えばカプセル、カシェ剤、ロゼンジ、または錠剤で存在し得る。
【0184】
非経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、当該製剤を対象とされた移植者の血液と等張化することができる溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含有し得る、1つ以上の、医薬として許容される無菌等張水溶液もしくは非水溶液、分散液、懸濁液、またはエマルション、あるいは使用直前に無菌注射溶液または分散液へともどされ得る無菌粉末と共に、式Iで表される化合物を含む。
【0185】
本発明の医薬組成物において使用され得る好適な水性および非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの混合物、植物油、例えばオリーブ油、ならびに、注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチルを含む。例えば、レシチンのようなコーティング材料の使用により、分散液の場合においては必要とされる粒子サイズの維持により、そして界面活性剤の使用により、適当な流動性が維持され得る。これらの組成物はまた、補助剤、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤を含有してもよい。微生物の活動の阻止は、種々の抗菌剤、および他の抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などの含有により保証され得る。当該組成物中に等張剤、例えば砂糖、塩化ナトリウムなどを含むことがまた、所望であり得る。さらに、注射用医薬形態の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム、およびゼラチンの含有によってもたらされ得る。
【0186】
本発明の医薬組成物は、経口、非経口、局所、経皮、直腸内等の任意の好適な投与手段によって投与され得る。それらは当然、各投与経路に好適な形態によって投与される。例えばそれらは、錠剤またはカプセル形態で投与され、注射、吸入、目薬、軟膏、座剤等によって投与され、注射、点滴、または吸入による投与;ローション又は軟膏による局所投与;座剤による直腸投与によって投与される。局所投与および非経口投与が好ましい。
【0187】
本明細書で使用される「非経口投与」および「非経口で投与される」は、腸内および局所投与以外の、通常は注射による投与様式を意味し、そして限定されないが、静脈内、筋内、動脈内、髄腔内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、および胸骨内注射および点滴を含む。
【0188】
特定の患者、組成物、および投与様式に関して、当該患者に対して毒性を有することなく、所望の治療応答、例えば抗真菌活性を達成するために有効である有効成分量を得るために、本発明の医薬的組成物中における有効成分の実際の投与量レベルは変化してもよい。選択された投与量レベルは、使用される特定の活性化合物の活性、投与経路、投与時間、使用される特定の活性化合物の排出速度、治療期間、使用される特定の阻害剤との併用で使用される他の薬物、化合物、および/または材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、全体的な健康、および以前の病歴、ならびに医療分野で周知の同様の因子に依存するだろう。当技術分野において通常の技術を有する医師または獣医師は、必要とされる医薬的組成物の有効量を容易に決定し、そして処方することができる。例えば、医師または獣医師は、医薬的組成物において使用される本発明の化合物の投与量を、所望の治療効果を達成するために必要されるレベルよりも低いレベルで開始し、そして所望の治療効果が達成されるまで、投与量を徐々に増やしていくことができる。一般的な計画として、塩が使用される場合を含めて、活性化合物の重量に基づいて全重量が計算されて、約0.01または0.1から、約50、100、または200mg/kgの投与量が治療効果を有するだろう。
【0189】
本発明は、これから以下の非限定の例により説明されるだろう。当業者は、反応物質と反応条件の両方に関する手順から、および技術から、好適な変形を速やかに認識するだろう。
【実施例】
【0190】
実施例1:[3−(4−クロロ−フェニル)−5−フェニル−イソチアゾール−4−イル]−ピリジン−3−イル−メタノール(化合物Al;表1参照)の製造:
ステップa:5−(4−クロロ−フェニル)−[1,3,4]オキサチアゾール−2−オン(3)
【0191】
【化24】

【0192】
1(778mg)の10mlトルエン懸濁液へ、0.85mlのクロロカルボニルスルフェニルクロリドを加え、そして当該混合物を100℃で2時間加熱した。気体の発生が観察され、そして透明な溶液を得た。TLCは完全な変換を示した。反応混合物濃縮し、そして固体残渣をペンタン中で粉砕し、濾過し、そして乾燥した。収量:886mg(82%)の3を白色結晶固体として得た。
【0193】
ステップb:3−(4−クロロ−フェニル)−イソチアゾール−4,5−ジカルボン酸ジメチル(5)
【0194】
【化25】

【0195】
3(1.068g)の10ml α,α,α−トリフルオロトルエン溶液へ、2.0mlのジメチルアセチレンジカルボキシレートを加え、そして当該混合物をマイクロウェーブ中、170℃で1時間加熱した。GCMSは生成物5の完全な変換を示した。
【0196】
反応混合物を濃縮し、そして(過剰の4を含む)油状残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中、20%酢酸エチル)により精製した。生成物を含むフラクションを合わせ、そして濃縮した。反応物質4がなお残存した。それを、ペンタンを加え、そして当該溶媒をピペットで取ることにより首尾よく除いた。この工程を4回繰り返した。化合物5を白色固体として、融点:106.5〜107.5℃で得た。
【0197】
ステップc:3−(4−クロロ−フェニル)−イソチアゾール−4,5−ジカルボン酸(6)
【0198】
【化26】

【0199】
4.4gの5、および2.8gのNaOHの、20ml水溶液を還流下2.5時間で維持した。反応混合物を冷却し、水(150m)で希釈し、そして濃塩酸水溶液にて酸性にした。沈澱が生じた。水層を酢酸エチル(2×200ml;沈澱がゆっくりと溶解)にて抽出した。合わせた有機層を食塩水にて洗浄し、そして乾燥した(Na2SO4)。濃縮により、3.9グラムの6を白色固体として得た。
【0200】
ステップd:3−(4−クロロ−フェニル)−イソチアゾール−4−カルボン酸(7)
【0201】
【化27】

【0202】
6(3.9)gの40ml 1,2−ジクロロベンゼン懸濁液を、還流下20分間維持した(気体生成が観察された)。反応混合物を冷却し(生成物が沈殿)、ペンタン(50ml)で希釈し、そして濾過した。クリーム色の固体をペンタン(×5)で洗浄し、そして乾燥した。この生成物には1,2−ジクロロベンゼンがなお混入していた。粗生成物を水(80ml)中に懸濁し、そして20mlの1N NaOHを加え、透明溶液を生じた。水層をエーテル(2×100ml)にて抽出した。透明な水層を濃塩酸にてpH2〜3になるまで酸性化した(生成物が沈殿)。当該生成物を酢酸エチル(2×100ml)にて抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、そして濃縮した。収量:3.1gの7を、灰色がかった白色固体として得た(融点:179.5〜180.5℃)。
【0203】
ステップe:3−(4−クロロ−フェニル)−イソチアゾール−4−カルボン酸tert−ブチル(8)
【0204】
【化28】

【0205】
7(3.35g)、DMAP(1.7g)およびtBuOH(5.2g)の、CH2Cl2(50ml)中混合物へ、3.2gのEDCIを加え、そして当該透明溶液を週末中攪拌した。追加でCH2Cl2(100ml)を加え、そして当該混合物を1N HCl(2x150ml)、飽和NaHCO3(150ml)、食塩水(150ml)を用いて洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。これにより、3.75gの8を淡黄色油として得た。
【0206】
ステップf:5−ブロモ−3−(4−クロロ−フェニル)−イソチアゾール−4−カルボン酸tert−ブチル(9)
【0207】
【化29】

【0208】
8(3.50g)のTHF(60ml)溶液をN2下、−78℃へ冷却し、その後一滴ずつBuLi(8.0ml、1.6Mヘキサン溶液)を加えた。完全に加えた後、攪拌を−78℃で15分続けた。臭素(1.2ml)をその後一滴ずつ加え、そして攪拌を−78℃で15分続け、その後、冷浴を除いた。当該混合物を室温まで温めた。TLCは、微かに速く移動するスポットへの良好な変換を示した(ヘプタン/酢酸エチル、9/1)。1N HCl(50ml)を加え、そしてTHFを真空にて除去した。幾らかチオ硫酸ナトリウムを含有する水(100ml)を加え、そして当該生成物を酢酸エチル(150ml)で抽出した。有機層を飽和NaHCO3、食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。橙/赤色の油状残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(約50gのシリカ、ヘプタン中5%ジイソプロピルエーテル)で精製し、3.1gの9を淡黄色油として得た。
【0209】
ステップg:3−(4−クロロ−フェニル)−5−フェニル−イソチアゾール−4−カルボン酸tert−ブチル(11)
【0210】
【化30】

【0211】
出発原料9(1.12g)をDME(12ml)に溶解し、そしてこれに439mgの10、水(5ml)および954mgのNa2CO3を加えた。当該混合物を、アルゴンを用いて5分間脱気した。Pd(dppf)Cl2(121mg)を加え、反応容器を密閉し、そして当該反応混合物をマイクロウェーブ中100℃で15分間加熱した。TLC(ヘプタン/酢酸エチル、80/20)は、より遅い移動スポットへの良好な変換を示した。当該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水および食塩水で洗浄した。有機層を乾燥し、そして濃縮した。残渣を、溶出液としてヘプタン中5%ジイソプロピルエーテルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。イソチアゾール11を白色結晶固体として良好な収率で得た。
【0212】
ステップh:3−(4−クロロ−フェニル)−5−フェニル−イソチアゾール−4−カルボン酸(12)
【0213】
【化31】

【0214】
11(2.35g)のCH2Cl2(25ml)溶液へ25mlのTFAを加え、そして当該混合物を室温で24時間攪拌した。当該混合物をその後濃縮し、そして当該残渣をエーテル(250ml)に溶解した。水(225ml)を加え、その後1N NaOH(25ml)を加えた。洗浄および分離後、塩基性の水層をもう1回エーテルにて抽出した。水層を濃塩酸にて酸性にし、そして沈澱した生成物をエーテル(2×150ml)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。1.85gの12を、クリーム色固体として得た。
【0215】
ステップi:3−(4−クロロ−フェニル)−5−フェニル−イソチアゾール−4−カルボン酸メトキシ−メチル−アミド(14)
【0216】
【化32】

【0217】
12(700mg)のCH2Cl2(10ml)懸濁液へ、塩化オキサリル(0.76ml)を加え、その後DMFを一滴加えた。激しい反応が起こった。数分間攪拌した後、透明溶液を得、その後一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、そしてトルエン(2×)を用いて除去された。黄色固体をCH2Cl2(10ml)に溶解し、O,N−ジメチル−ヒドロキシルアミン塩酸塩(432mg)を加え、その後1.5mlのEt3Nを加えた。1時間攪拌後、混合物を濃縮した。固体残渣を酢酸エチルと1N HClとで分配した。洗浄後、当該層を分離し、そして有機層をもう一度1N HCl、飽和NaHCO3、食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。当該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中20%酢酸エチル)によって精製し、667mgの14を白色結晶固体として、融点119〜120℃で得た。
【0218】
ステップk:3−(4−クロロ−フェニル)−5−フェニル−イソチアゾール−4−カルバルデヒド(15)
【0219】
【化33】

【0220】
14(359mg)の4mlTHF溶液を、N2下、−78℃で冷却し、そしてこれへ1.5mlのDIBALH(1Mヘキサン溶液)を加えた。−78℃で30分間攪拌後、出発原料のみが観察された。iPrOH/CO2浴を氷浴に置き換え、そして攪拌を0℃で2時間続けた。TLCは完全な変換を示した。当該混合物を再度−78℃に冷却し、そして反応混合物を1N HCl(5ml)を用いて反応停止した。冷浴を除去し、そして反応混合物を1N HCl(50ml)および酢酸エチル(50ml)で希釈した。当該層を分離し、そして有機層をもう一度1N HCl(50ml)で洗浄した。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。286mgの15を白色固体として、融点:148〜149℃で得た。
【0221】
ステップl:[3−(4−クロロ−フェニル)−5−フェニル−イソチアゾール−4−イル]−ピリジン−3−イル−メタノール(16)
【0222】
【化34】

【0223】
3−ブロモピリジン(103mg)の2.5mlエーテル溶液を、N2下、−78℃で冷却し、そしてこれにBuLi溶液(0.375ml、1.6Mヘキサン溶液)を加えた。15分間攪拌後、15(150mg)のTHF溶液を一滴ずつ加えた。攪拌を−78℃で20分間継続し、赤く着色した反応混合物を水(5ml)で反応停止し、そして冷浴を除去した。水(25ml)および酢酸エチル(30ml)を加えた。洗浄後、当該層を分離し、有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して橙色泡状物質(200mg)を得た。当該物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中、2%MeOH)により精製した。所望の化合物16を白色泡状物質として得、そして期待された分子量をLCMSにて示した(M+1:379およびその同位体、380;381、および382)。
【0224】
実施例2:[3−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジン−3−イル−メタノール(化合物B87;表IIを参照)の製造:
ステップa:3−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール(19)、および5−(4−クロロ−フェニル)−3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール(20)
【0225】
【化35】

【0226】
4−クロロアセトフェノン(4g)をトルエン(50ml)に溶解し、そして当該溶液を窒素下、0℃で冷却した。リチウム−ビス(トリメチルシリル)アミド溶液(27.2ml、1M THF溶液)を、速やかにシリンジを通じて攪拌しながら加え、そして生成したアニオンを約10分間攪拌し、その後2,4−ジフルオロベンゾイルクロリド(2.28g)を一度に加えた。当該反応混合物を氷浴から除去し、そして5分間静置した。酢酸(20ml)を加え、その後EtOH(100ml)およびTHF(50ml)、ならびに最終的にメチルヒドラジン(20.4g)を加えた。生じた溶液にNaOHの1N溶液を加え、そして酢酸エチルで2度抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して粗精製物質を得、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中30%酢酸エチル)で精製した。これにより分離不能な(19)および(20)の1:1混合物を淡黄色油(3.3g)として得た。
【0227】
ステップb:3−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(23)、および5−(4−クロロ−フェニル)−3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(24)
【0228】
【化36】

【0229】
上の混合物(2g)を、DMF(3.1ml)に溶解し、そして五塩化リン(2g)を加えた。当該反応を70℃で一晩攪拌した。当該飯能を室温へと冷却し、水で希釈し、そしてNa2CO3飽和溶液で中和した。水層をDCM(3×50ml)で抽出し、そして真空で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中20%酢酸エチル)により精製した。所望の化合物、(23)および(24)を、各々泡状物質(0.41g)および白色結晶固体(0.43g)として単離した。
【0230】
ステップc:[3−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジン−3−イル−メタノール(25)(化合物B87、表IIを参照)
【0231】
【化37】

【0232】
3−ブロモピリジン(0.24g)の5ml THF溶液を、N2下、0℃へ冷却し、これへイソプロピルマグネシウムクロリド・塩化リチウム複合体溶液(2.26ml、1M THF溶液)を一滴ずつ加えた。室温で2.5時間攪拌後、23(0.41g)のTHF(5ml)溶液を一滴ずつ加えた。当該反応を室温とし、そして攪拌を3時間継続した。反応混合物を水で反応停止し、そして酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮して粗生成物を得、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中30%酢酸エチル)により精製した。所望の化合物25(0.23g)を、白色固体として、融点:117〜119℃で得た。
【0233】
実施例3:[5−(4−クロロ−フェニル)−3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジン−3−イル−メタノール(26)(化合物C84、表IIIを参照)の製造:
【0234】
【化38】

【0235】
ステップc(実施例2)で報告されたものと同一の条件が、24(0.43g)に適用された。所望の化合物を白色固体(0.40g)として、融点:190〜194℃で単離した。
【0236】
本発明は、好ましい実施形態およびその実施例に関連して記載されているが、本発明の範囲はそれらに記載された実施形態にのみ限定されるものではない。当業者にとって明らかであるが、上記発明の修飾および改変は、本発明の趣旨および範囲から離れることなくなされ得、そしてそれは添付された特許請求の範囲によって定義され、そして制限される。各々の刊行物が、あたかも具体的かつ個別的に参照により組み込まれるように示されるのと同程度に、全ての目的に関して、本明細書において引用されたすべての刊行物は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0237】
生物学的実施例
この実施例は、式(Ia〜c)で表される化合物の殺真菌特性を示す。当該試験を以下のように行った:
【0238】
Botrytis cinerea(灰色カビ病):低温で保管されていた真菌の分生子を栄養培地(PDB、ポテトデキストロース培地)と直接混合した。マイクロタイタープレート(96穴フォーマット)へと試験化合物の(DMSO)溶液を配置した後、真菌胞子を含有する栄養培地を加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、そして増殖阻害を72時間後において測光法で決定した。以下の化合物は、20ppmにおいてBotrytis cinereaを少なくとも80%防除した:A1、A2、A4、A14、A44、A62、A63、A64、A65、A66、A67、A68、A69、A70、A71、A72、A73、A74、A75、A76、A77、A78、A79、A80、B84、B85、B86、C84。
【0239】
Erysiphe graminis f.sp.tritici(小麦ウドンコ病):オオムギ葉切片を、マルチウェルプレート(24ウェルフォーマット)中の寒天上に配置し、そして試験溶液を噴霧した。乾燥後、真菌胞子を用いてリーフディスクを植菌した。好適なインキュベーションの後、化合物の活性を予防的真菌活性として、7dpi(植菌後の日数)で評価した。以下の化合物は、200ppmにおいてErysiphe graminisを少なくとも80%防除した:A1、A2、A14、A44、A62、A63、A64、A65、A66、A67、A69、A70、A71、A72、A76、A77、A78、A79、A80、B84、B86、B90、C84、C85、C87。
【0240】
Pyrenophora teres(網斑病):オオムギ葉切片を、マルチウェルプレート(24ウェルフォーマット)中の寒天上に配置し、そして試験溶液を噴霧した。乾燥後、真菌胞子懸濁液を用いてリーフディスクを植菌した。好適なインキュベーションの後、化合物の活性を予防的真菌活性として、4dpi(植菌後の日数)で評価した。以下の化合物は、200ppmにおいてPyrenophora teresを少なくとも80%防除した:A1、A2、A14、A62、A63、A65、A66、A67、A68、A69、A70、A71、A72、A75、A76、A77、A78、A79、A80。
【0241】
Puccinia recondita(褐さび病):コムギ葉切片を、マルチウェルプレート(24ウェルフォーマット)中の寒天上に配置し、そして試験溶液を噴霧した。乾燥後、真菌胞子懸濁液を用いてリーフディスクを植菌した。好適なインキュベーションの後、化合物の活性を予防的真菌活性として、8dpi(植菌後の日数)で評価した。以下の化合物は、200ppmにおいてPuccinia reconditaを少なくとも80%防除した:A1、A2、A14、A16、A62、A63、A66、A67、A68、A69、A70、A71、A72、A75、A76、A77、A78、A79、A80、B85、B86、B87、B90、C84、C85、C87。
【0242】
Septoria tritici(葉枯病):低温で保管されていた真菌の分生子を栄養培地(PDB、ポテトデキストロース培地)と直接混合した。マイクロタイタープレート(96穴フォーマット)へと試験化合物の(DMSO)溶液を配置した後、真菌胞子を含有する栄養培地を加えた。試験プレートを24℃でインキュベートし、そして増殖阻害を72時間後において測光法で決定した。以下の化合物は、20ppmにおいてSeptoria triticiを少なくとも80%防除した:A1、A2、A4、A14、A16、A44、A62、A63、A64、A65、A66、A67、A68、A69、A70、A71、A72、A73、A74、A75、A76、A77、A78、A79、A80、B84、B85、B86、B87、B90、B91、C84、C85、C87。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
XはS、N、またはNR5であり、そしてYはN、またはNR5であり、ただしXまたはYの両方ではないが、一つはNであることが条件であり;
1およびR3は、独立して、水素、または場合により置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、トリアルキルシリル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ただしそれらが両方とも水素ではないことが条件であり;
2は、場合により置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、アリールアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
4は、水素、または生物学的条件下において切断されてこの位置においてアルコールを形成し得る基であり;
5は、水素、または場合により置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、トリアルキルシリル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールである]
で表される化合物、またはその塩もしくはN−オキシド。
【請求項2】
XがSであり、そしてYがNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
XがNR5であり、そしてYがNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
XがNであり、そしてYがNR5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
1およびR3が、独立して、水素、または場合により置換された、アルキル、アリールオキシアルキル、アリールチオアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
1およびR3が、独立して、水素、あるいは場合により置換された、アルキル、フェニル、または5もしくは6員のヘテロアリールである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
2が、場合により置換されたヘテロアリールである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
4が水素またはアシルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
4が水素である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
5が、水素、または場合により置換された、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニルである、請求項1、および3〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
5が、水素、または場合により置換された、トリアルキルシリルもしくはアリールアルキルである、請求項1、および3〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
1、R3およびR5の少なくとも一つが水素ではない、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
XがSであり、そしてYがNであり;
1およびR3が、独立して、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
2が、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;そして
4が、水素またはアシルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
XがSであり、そしてYがNであり;
1が、3−クロロ−フェニル、4−クロロ−フェニル、2−フルオロ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、または2−チエニルであり;
2が、3−ピリジル、または3−ピリミジニルであり;
3が、フェニル、4−クロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、または2−フルオロ−4−クロロ−フェニルであり;そして
4が水素である、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
XがNR5であり、そしてYがNであり;
1およびR3が、独立して、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
2が、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
4が、水素またはアシルであり;そして
5が、水素、または場合により置換された、アルキル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、もしくはアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
XがNR5であり、そしてYがNであり;
1が、4−クロロ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、または2,4−ジフルオロ−フェニルであり;
2が3−ピリジルであり;
3が、4−メトキシ−フェニル、4−クロロ−フェニル、または2,4−ジフルオロ−フェニルであり;
4が水素であり;そして
5が、メチルまたはベンジルである、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
XがNであり、そしてYがNR5であり;
1およびR3が、独立して、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
2が、場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
4が、水素またはアシルであり;そして
5が、水素、場合により置換された、アルキルまたはアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
XがNであり、そしてYがNR5であり;
1が、4−クロロ−フェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、または2,4−ジフルオロ−フェニルであり;
2が3−ピリジルであり;
3が、4−クロロ−フェニルまたは4−フルオロ−フェニルであり;
4が水素であり;そして
5がメチルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項において定義された式Iで表される化合物、および農業上許容される担体または希釈剤を含む、真菌感染防除用組成物。
【請求項20】
少なくとも一つの追加の殺真菌剤をさらに含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
植物および/または植物繁殖材料における真菌感染を予防および/または防除する方法であって、殺真菌的に有効な量の、請求項1〜18のいずれか一項で定義された式Iで表される化合物を、植物もしくは植物繁殖材料、またはその場へ施用することを含む、前記方法。
【請求項22】
請求項1〜18のいずれか一項において定義された式Iで表される化合物、および医薬として許容される担体または希釈剤を含む組成物。
【請求項23】
対象における真菌感染を処置する方法であって、それを必要とする対象に、前記真菌感染を処置するために有効な量で請求項1〜18のいずれか一項で定義された式Iで表される化合物を投与することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2010−532775(P2010−532775A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515405(P2010−515405)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005589
【国際公開番号】WO2009/007098
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】