説明

殺細胞活性増強材および体外循環カラム

【課題】癌やウイルス疾患などの治療に好適に使用し得る体外循環材料として有用な、抗原特異的細胞傷害活性増強材を提供する。
【解決手段】リンパ球または抗原提示細胞の細胞膜に存在し、リンパ球とリンパ球間もしくはリンパ球と抗原提示細胞間の情報を仲介する機能を有する膜蛋白質の細胞外領域部分が切断されて可溶性となった糖蛋白質分子に対して吸着性のある高分子成型品からなる、異常細胞に対する免疫担当細胞の抗原特異的細胞傷害活性を増強する殺細胞活性増強材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス感染症や癌の治療に使用できる殺細胞活性増強材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先進国では寿命の延長に伴い、癌で死亡する人の割合が急増している。また、近年、SARSコロナウイルスやトリインフルエンザ等の新種のウイルス感染症の出現の増加も問題である。これらの疾患では、癌細胞やウイルスに感染した細胞は正常細胞では出ていない分子を細胞表面に出すので、通常は免疫系により非自己細胞として認識され、排除される。その際、抗体産生細胞や抗原特異的細胞傷害性細胞ができ、免疫ができる。免疫には白血球が主役の細胞性免疫と抗体が主役の液性免疫がある。細胞性免疫を構成する細胞には、特定の抗原を持つ細胞に対し細胞傷害活性を示すキラー細胞(以下キラー細胞と略称する)やキラー細胞を補助するヘルパーT細胞、抗原の情報をキラー細胞に提供する抗原提示細胞、異常細胞を記憶するメモリー細胞等がある。これらの細胞間の連絡は主として細胞表面に突出した糖蛋白質を介して直接行われる。例えば、ヘルパーT細胞上のCD40リガンド(以下CD40Lと略称する)と抗原提示細胞のCD40の結合、ヘルパーT細胞やキラー細胞上のCD28と抗原提示細胞のCD80やCD86との結合等がある。
【0003】
正常な免疫では非自己細胞は効率よく排除される機構になっているが、癌患者では癌細胞が増殖を続け、エイズやB型肝炎、C型肝炎等の持続感染型ウイルス症ではウイルス感染細胞が殺されずに残って、ウイルスが生存・増殖を続ける。この原因については諸説があり、リンパ球の機能低下や数の減少、免疫調整性細胞の活性化や数の増加等の他、免疫抑制蛋白質産生細胞の活性化・増加等、種々の因子が存在すると考えられている。このように複数の原因があるので、それらの治療にはそれぞれに適した対異常細胞排除方法が複数必要と考えられ、その出現が望まれる。
このような問題を解決するために、非特許文献1にはCD40等に対するモノクロナール抗体の使用が提案されている。しかし、このような蛋白質試薬は、生体応答としてこの抗体に対する抗体ができる。従って、使用開始直後は効果があるものであっても、繰り返し使用する間に、直ぐに効力が消失するという抗体試薬特有の欠点があり、これらの抗体だけの治療では不十分である。
【非特許文献1】Cancer Science, 2007 Jun8; [Equb ahead of print]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明は、細胞性免疫を構成するキラー細胞の活性を増強できる材料を提供し、癌やウイルス感染症の治療に役立てることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記従来技術の問題点に鑑み、癌やウイルス疾患において非自己細胞の排除を促進できる材料・手段が得られないか、種々検討した結果、リンパ球または抗原提示細胞の膜表面に存在し、リンパ球−リンパ球間もしくはリンパ球−抗原提示細胞間の情報を仲介する機能を有する蛋白質の細胞表面部分の一部が切断されて可溶性となった糖蛋白質分子に対して吸着性のある高分子成型品を充填したカラムで、担癌ラットを体外循環治療すると、癌細胞に対するキラー活性が増強することを見出し、本発明に到達した。
【0006】
すなわち本発明は、異常細胞に対する免疫担当細胞の抗原特異的細胞傷害活性を増強することができる殺細胞活性増強材であって、リンパ球または抗原提示細胞の細胞膜に存在し、リンパ球とリンパ球間もしくはリンパ球と抗原提示細胞間の情報を仲介する機能を有する膜蛋白質の細胞外領域部分が切断されて可溶性となった糖蛋白質分子に対して吸着性のある高分子成型品からなることを特徴とする。
【0007】
切断されて可溶性となった糖蛋白質分子として、可溶性CD40あるいは可溶性CD28が挙げられる。また、前記高分子成型品は、血液と接触させた際、血液中の前記糖蛋白質分子の濃度低下率/血液中のアルブミンの濃度低下率比が1以上100以下となるものが好ましい。
【0008】
前記高分子成型品は、水不溶性基材に、炭素数総和5以上10以下の3級アミンに由来する4級アンモニウム化合物が結合されているもの、または、水不溶性基材に、炭素数総和5以上10以下の3級アミンに由来する4級アンモニウム化合物、および3個以上のアミノ基と1個以上の環状構造を含む環状ポリアミノ化合物が結合されているものが好ましい。
【0009】
前記殺細胞活性増強材を体外循環カラムの充填剤として用いることにより、異常細胞に対する殺細胞活性を増強させて、患者の免疫力を向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、癌やウイルス感染症によって抑制されている殺細胞(キラー細胞)の抗原特異的細胞傷害活性を増強することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明にかかる殺細胞活性増強材とは、特定の抗原を持つ細胞に対する宿主免疫担当細胞の細胞傷害活性、即ち、抗原特異的細胞傷害活性を増強する材料を意味する。このような材料としては、種々の候補が存在する可能性があるが、具体的には、リンパ球または抗原提示細胞の細胞膜に存在し、リンパ球とリンパ球間もしくはリンパ球と抗原提示細胞間の情報を仲介する機能を有する膜蛋白質の細胞表面部分(細胞外領域部分)が切断されて可溶性となった糖蛋白質分子に対して優れた吸着性を持つ高分子成型品が使用できる。
【0012】
本発明にかかる、リンパ球または抗原提示細胞の細胞膜に存在し、リンパ球とリンパ球間もしくはリンパ球と抗原提示細胞間の情報を仲介する機能を有する膜蛋白質とは、T細胞、NK細胞、NKT細胞、樹状細胞、単球、マクロファージなどの細胞表面に存在し、細胞間の情報の伝達に携わっている糖蛋白質を意味し、具体例としてCD(cluster of differentiation)分類によるCD40、CD40L、CD28、CD30等を挙げることができる。また、可溶性となった糖蛋白質分子とはこれら膜蛋白質の細胞表面部分が切断されて可溶性となったものを意味し、具体例として可溶性CD44、可溶性CD40、可溶性CD40L、可溶性CD30、可溶性CD28、可溶性CD27、可溶性CD86、可溶性CD80、可溶性CTLA4、可溶性PD−1、可溶性PD−L1等が上げられる。別名、共刺激因子、共抑制分子あるいは、副刺激因子などとも呼ばれることがある。これらは切断されて可溶化する前は細胞の活性を高めたり、抑制したりする機能がある。これらの血中濃度は市販のELISAキット等で容易に測定することができる。
【0013】
CD40は50kDの糖蛋白質で、B細胞、単球、樹状細胞、マクロファージ、繊維芽細胞上に存在し、T細胞の表面に存在するCD40Lと結合してT細胞を活性化する働きを持つ。可溶性CD40の血中濃度は、血液癌の一種であるMDSや多発性骨髄腫で高く、患者の予後を悪くし、また、可溶性CD86もCLLの予後を悪くすることが報告(Cancer 2006: 106: 2148-2157)されている。CD40LはT細胞上に存在し、CD40と結合するが、可溶性CD40Lの血中濃度は肺癌やアデノカルチノーマで上昇する(Clinical Cancer Research 2004: 10: 610-614)。CD30はT細胞上に存在するが、ホジキンリンパ腫では可溶性CD30の血中濃度が高いと、予後が悪いことが報告(Eur J Haematol 2006: 77: 387-389)されている。CD28はT細胞上に存在し、T細胞活性化に寄与する。
PD−1やCTLA4はT細胞上に存在し、PD−L1は樹状細胞、B細胞、単球上に存在し、T細胞活性化の抑制に働いている。CD27はT細胞上に存在して抗原提示細胞上のCD70と結合するが、可溶性CD27の血中濃度は小児白血病で増加する(Exp Hematol 2005: 33: 1500-1507)。可溶性PD−1は樹状細胞上のPD−L1と結合し、PD−1/PD−L1の抑制経路をブロックし、免疫を活性化するという提言(Anticancer Res 2005: 25: 3309-3313)もある。しかし、担癌宿主の血液中にはこれら因子が、種々、血液中に高濃度で存在していて、リガンドや受容体に結合して、細胞の反応を抑制したり、活性化したりしている。例えば、腫瘍細胞の排除に関しては、可溶性CD40はCD40Lを持つT細胞に結合して、T細胞を活性化することが考えられるし、逆に、CD40を持つ樹状細胞のT細胞への結合・活性化を阻害している可能性もある。また、可溶性CD40Lと結合して可溶性CD40Lの作用を抑制している可能性も考えられる。詳細は不明で、腫瘍排除に役立っているのか、阻害しているのか分からない。しかし、担癌ラットの実験から考察すると、これらを血液中から吸着除去すると、阻害物が除去されたごとく、本来の免疫反応が円滑に進むようになる。例えば、癌のような非自己細胞が存在する時には、それを排除する機構が活性化されると考えられる。
【0014】
本発明でいう異常細胞に対する免疫担当細胞とは、癌細胞やウイルス感染細胞を抗原特異的に傷害する免疫担当細胞を意味し、具体例としてCD8陽性T細胞、NK細胞、単球等で、特定の癌細胞やウイルス感染細胞に対し、抗原特異的細胞傷害活性を有するものが上げられる。
【0015】
この抗原特異的細胞傷害活性の測定法としては、放射線照射して分裂不能としたターゲット細胞を白血球と一定の比率で混合して培養し、白血球のインターフェロン−γの産生増加率を見る間接法と、ターゲット細胞を白血球と一定の比率で混合して培養し、ターゲット細胞の死亡率を見る直接法がある。ターゲット細胞の死細胞率を求める方法には、ターゲット細胞を放射性元素クロム51で染色し、白血球との培養後に溶出したクロムの量をシンチレーションカウンターで求め、それから死細胞率を計算する方法、ターゲット細胞を非放射性元素ユーロピウムで染色し、白血球との培養後に溶出したユーロピウムの量を時間分解蛍光測定装置で求め、それから死細胞率を計算する方法、ターゲット細胞を5(6−)カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)で染色し、白血球との培養後にフローサイトメトリーで死細胞率を求める方法などがある。
【0016】
本発明にかかる高分子成型品は、目標とする切断されて可溶性となった糖蛋白質分子に対する吸着性能が高いことが好ましい。目標とする切断されて可溶性となった糖蛋白質分子の種類および血液中濃度は病態によって変わるものであるが、どの糖蛋白質を目標とする場合でも、キラー細胞の活性を増加させるためには、前記糖蛋白質の血液中濃度を30%以上、より好ましくは50%以上低下させることが好ましい。勿論、この濃度低下は成型品の量にも依存するものである。一方、血液中に大量に存在するアルブミンは、栄養の維持、物質の運搬、浸透圧の安定性に寄与しているので、高分子成型品と接触させたとき、アルブミンの濃度が著しく下がるのは好ましくない。下がりすぎると、栄養状態が悪くなり、逆に、免疫が低下する。従って、前記高分子成型品を血液と接触させた時(接触時間は30分間以上が好ましい。しかし、接触時間は体外循環時間と同じなので、時間が長いと患者の束縛時間が長くなるため、できるだけ短い方が良く、約30分〜2時間とすることが適当である。)、目標とする切断されて可溶性となった糖蛋白質分子の濃度低下率/アルブミンの濃度低下率比が1以上100以下、より好ましくは、2.5以上100以下、さらに好ましくは5以上100以下であることが望ましい。
【0017】
本発明にかかる高分子成型品としては、水不溶性基材に、炭素数総和5以上10以下である3級アミンに由来する4級アンモニウムを結合させた高分子成型品が殺細胞活性増強材として適している。また、水不溶性基材に、3以上のアミノ基と1以上の環状構造を有する環状ポリアミノ化合物、および炭素数総和5以上10以下である3級アミンに由来する4級アンモニウムを結合させた高分子成型品が殺細胞活性増強材として適している。
【0018】
前記水不溶性基材の好ましい具体例としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエンで代表されるビニル芳香族化合物重合体、芳香族ポリスルホン重合体、ポリエーテルイミド、芳香族ポリイミド重合体等、実質上、水に不溶性の重合体で、かつ、官能基を化学結合で固定化することができる重合体を挙げることができる。具体例をあげると、芳香族化合物重合体の場合、その芳香核の一部が下記一般式(1)
−(CH)n−A−(CH)m−Y (1)
{式中、nは1以上20以下の整数を表し、mは、Aが酸素原子、硫黄原子、窒素原子の場合、mは2以上11以下の整数であり、Aが−NH−C(=O)−基の場合、mは1以上5以下の整数であり、Aがメチレン基の場合、mは0以上11以下の整数である。nとmは同一でも異なっていてもよい。Aは酸素原子、硫黄原子、窒素原子、−NH−C(=O)−基またはメチレン基を示し、Yはアミノ基を有する環状化合物残基または4級アンモニウム残基を示す。}で置換されているものが挙げられる。
【0019】
上記一般式(1)の密度は、ビニル芳香族化合物重合体の場合、繰り返し単位あたり、0.01以上1以下、芳香族ポリスルホン重合体、ポリエーテルイミド、芳香族ポリイミド重合体の場合は0.1以上4以下が好ましい。
【0020】
上記重合体の分子量は、成型できるものであればよく特に制限はないが、成形性の良さから、通常、1万以上500万以下、とりわけ、5万以上100万以下のものが好ましく用いられる。
【0021】
本発明にかかる環状ポリアミノ化合物とは、3個以上のアミノ基および1個以上の環状構造を持つものを意味し、アミノグリコシド系化合物または環状ペプチド系化合物が好ましい。アミノグリコシド系化合物は、2以上5以下の糖からなり、3個以上7個以下のアミノ基を有するものが好ましく、具体例として、アミカシン、アストロマイシン、イセパマイシン、アルベカシン、トブラマイシン、カナマイシン、ジベカシン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、ネチルマイシン、ベカナマイシン等を挙げることができる。また、環状ペプチド系化合物は、3個以上のアミノ基を持つものであり、具体例としてはポリミキシンB、コリスチンを挙げることができる。
【0022】
本発明にかかる4級アンモニウム化合物は、窒素原子と結合しているアルキル置換基の炭素数の総和が5以上10以下である3級アミンに由来するものであり、具体例としては、N,N−ジメチルブチルアンモニウム基、N,N−ジメチルヘキシルアンモニウム基、N,N−ジメチルオクチルアンモニウム基、N,N,N−トリエチルアンモニウム基等を挙げることができる。
【0023】
水不溶性基材に結合している環状ポリアミノ化合物と4級アンモニウム化合物の比率は、環状ポリアミノ化合物の割合が多すぎると、吸着能がさがり、少なすぎると、アルブミン吸着性が増大しすぎてしまうので、モル比で1:10から10:1が好ましい。
【0024】
水不溶性基材に、4級アンモニウム化合物・環状ポリアミノ化合物を結合させて高分子成型品を製造する方法としては、活性ハロゲン基含有多孔質の重合体にN,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン基等の3級アミンを反応させることによって、あるいは、該3級アミンと環状ポリアミノ化合物とを同時に反応させることによって容易に得ることができる。反応はジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンなどの重合体を膨潤させる有機溶媒を用い、室温から100℃の温度で1〜100時間反応することにより達成できる。
【0025】
本発明の殺細胞活性増強材の形状は、繊維、膜、フイルム、中空糸、不織布、粒状物およびこれらの高次加工品が好ましく、用途に応じ、適宜、選択される。これらは、体外循環用カラムの充填材として、ウイルス疾患や癌の治療用として用いることができる。
【実施例】
【0026】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本実施例中の高分子成形品の吸着性能評価、担癌ラットの調製、ラットの体外循環および細胞傷害活性評価は、特に記載しない限り以下の方法で行った。
1.高分子成形品の吸着性能評価
高分子成形品100mgを4mLのヒトAB型血清(大日本住友製薬(株)から購入)に浸し、37℃で1時間緩やかに振とうした。高分子成形品を除去し、血清中の可溶性CD40、可溶性CD28をベンダー・メドシステム社のELISAキットで測定した。また、アルブミンは富士ドライケミスライドALB−Pを用いて測定した。この血清中の可溶性CD40、可溶性CD28、アルブミンの濃度は、それぞれ、37.2pg/mL、6.8ng/mL、3.25mg/dLであった。
2.担癌ラットの調製
癌細胞KDH−8をPBS(−)に浮遊させ、2×10個/mL濃度の液0.5mLを、WKAH/Hkmラット(雄、12−15週令)の背部皮下に接種して、担癌ラットを調製した。
3.ラットの体外循環
(体外循環カラムの調製)
殺細胞活性増強材(高分子成型品)0.3gを内径1cm、内容積2mLのポリプロピレン製円筒形カラムに充填し、体外循環カラムを作成した。カラムと回路に70%アルコールを通液して滅菌した後、体外循環直前にヘパリン添加生理食塩液(20単位/mL)15mLを2mL/分の速度で流して前処理した。
(体外循環)
体重約350〜400gの担癌ラットをネンブタールで全身麻酔し、左大腿の動脈と静脈にカニュレーションし、動脈から脱血し、マイクロチューブポンプを用いて、体外循環カラムを通過させ、静脈に返血した。血流速度2mL/分で1時間体外循環した。体外循環中ヘパリンを100単位/時間で持続投与した。
4.細胞傷害活性の測定
ターゲット細胞(KDH−8)にX線を照射して分裂不能とし、ラット脾細胞液と一定の比率で混合して培養し、ラット脾細胞液中の白血球によるインターフェロン−γの産生増加率を測定する間接法、および、ターゲット細胞(KDH−8)を5(6−)カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)で染色してラベルし、ラット脾細胞液と一定の比率で混合して培養した後、フローサイトメトリーでターゲット細胞の死細胞率を求める直接法を利用した。
(ラット脾細胞)
ラットをネンブタールで麻酔した後、腹部大動脈から失血・屠殺させ、脾臓を採取した。脾臓を完全培地中で細かく砕き、細胞を採取した後、赤血球を除くため低浸透圧液で処理し、赤血球を溶血させた。得られた細胞を完全培地に浮遊させ、脾細胞液とした。
(KDH−8細胞の調製)
4−ジメチルアミノアゾベンゼン誘発肝癌細胞KDH−8{矢野 諭、北海道医誌、68巻5号、654−664(1993)}を完全培地(RPMI1400培地:ウシ胎児血清10%含有、2−メルカプトエタノール50マイクログラム/L含有、ストレプトマイシン50マイクログラム/mL含有、・ペニシリン−G50単位/mL含有)中で継代した。使用4日前に新しい150cmの培養フラスコに移して培養し、PBS(−)で剥離して用いた。
[間接法]
(照射KDH−8細胞の調製)
X線発生装置MBR−1520Rを用い、150cmの培養フラスコ内のKDH−8細胞に10000レントゲンのX線を照射した後、PBS(−)中37℃の炭酸ガスインキュベーター内に30分間置いて細胞を剥離させ、完全培地中に分散して、細胞浮遊液とした。
(培養液上清中のインターフェロンーγの濃度測定)
培養液上清中のインターフェロンーγ濃度はRアンドD社のラットインターフェロンーγELISAキットを用いて測定した。
[直接法]
(KDH−8細胞の蛍光ラベル)
生細胞の割合が90%以上のKDH−8細胞をPBS(−)中1×10細胞/mL濃度に調整した。この細胞液3mLに9μlの5(6−)カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(NHS−フルオレセイン)のジメチルスルホキシド溶液(5mg/mL)を加え、37℃で15分間温めた。完全培地10mLを加え、反応を停止し、遠心して、細胞ペレットを得た。これを10mLずつの完全培地で3回遠心・洗浄し、最後に完全培地に浮遊させて、1×10細胞/mL濃度とした。
(フローサイトメーターの測定・解析)
フローサイトメーターはベクトン・ディッキンソン社のFACSCaiberを用いた。FL−1(CFSE)陽性細胞でゲートをかけ、FL−3陽性の沃化プロピジウム染色細胞を死KDH−8細胞とし、FL−3陰性細胞を生KDH−8細胞とした。
【0027】
[実施例1]
(水不溶性基材の調製)
36島の海島複合繊維であって、島が更に芯鞘複合繊維によりなるものを次の成分を用いて、紡糸速度800m/分、延伸倍率3倍の製糸条件で得た。
島の芯成分;ポリプロピレン
島の鞘成分;ポリスチレン90%、ポリプロピレン10%
海成分;5−ナトリウムスルホイソフタル酸を3%共重合したポリエチレンテレフタレート
複合比率;芯:鞘:海=40:40:20
この繊維の海成分を熱苛性ソーダ水溶液で溶解し、芯鞘型のポリプロピレン補強ポリスチレン繊維として、直径4μmの原糸1を得た。この原糸1に補強材としての直径40μmのポリプロピレン繊維を10重量%混合して原料不織布1を作成した。
【0028】
(高分子成型品中間体1の調製)
ニトロベンゼン700mLと硫酸460mLの混合液にパラホルムアルデヒド3.6g(0.2%)を加え、20℃で溶解した後、0℃に冷却し、90g(5%)のN−メチロール−α−クロルアセトアミドを加えて、5℃以下で溶解した。これに40gの上記原料不織布1を浸し、室温で2時間静置した。その後、不織布を取り出し、大過剰の冷メタノール中に入れ、洗浄した。不織布をメタノールで良く洗った後、水洗し、乾燥して、46.8gのα−クロルアセトアミドメチル化ポリスチレン繊維不織布(中間体1)を得た。このものの可溶性CD40に対する吸着性は認められなかった。
【0029】
(高分子成型品1の調製)
N,N−ジメチルヘキシルアミン50gを360mLのDMFに溶かした溶液に、5gの中間体1を浸し、25℃のバス中で48時間静置した。不織布を取り出して、イソプロパノールで洗浄した後、水洗し、真空乾燥して、5.9gのジメチルヘキシルアンモニウム化不織布を得た。このものの吸着性を測定したところ、可溶性CD40の濃度低下が41.1%、アルブミンの濃度低下が16.9%であったので、濃度低下率比は2.4であった。
【0030】
(ラット脾細胞の細胞傷害活性の測定:間接法)
KDH−8細胞接種13日後の担癌ラット3匹に高分子成型品1を充填したカラムで体外循環を1h施行した後、4日後に脾臓を採取した。この脾臓を完全培地中で破砕し、血球細胞を取り出した後、赤血球を溶血させて、完全培地に浮遊させた脾細胞液(2×10個/mL濃度)を調製した。比較として癌細胞を接種せず、体外循環もしなかった同週令の正常ラット3匹からも同様にして脾細胞液(2×10個/mL濃度)を調製した。
【0031】
別に、X線照射したKDH−8細胞の2×10個/mL濃度を調製し、上記脾細胞と1:1で混合し、37℃の炭酸ガスインキュベーター中で3日間培養した。コントロールとしてX線照射したKDH−8細胞の代わりに完全培地を加えたものも同様に培養した。これらの細胞培養液を遠心して培養上清を採取し、その中のインターフェロンーγ濃度を測定した。結果を表1にまとめる。
【0032】
【表1】

【0033】
この結果から、本発明の殺細胞活性増強材(高分子成型品)が、キラー細胞の誘導に重要な役割を持つインターフェロンーγ産生能を増強させることが分かる。照射KDH―8不存下でもインターフェロンーγ濃度が高いのは、担癌ラットでは常に癌細胞の刺激を受けていて、既に、活性化されているためと考えられる。
【0034】
[実施例2]
(高分子成型品中間体2の調製)
ニトロベンゼン700mLと硫酸460mLの混合液にパラホルムアルデヒド5.4g(0.3%)を加え、20℃で溶解した後、0℃に冷却し、127g(7%)のN−メチロール−α−クロルアセトアミドを加えて、5℃以下で溶解した。これに50gの上記原料不織布1を浸し、室温で2時間静置した。その後、不織布を取り出し、大過剰の冷メタノール中に入れ、洗浄した。不織布をメタノールで良く洗った後、水洗し、乾燥して、60gのα−クロルアセトアミドメチル化ポリスチレン繊維不織布(中間体2)を得た。このものの可溶性CD40に対する吸着性は認められなかった。
【0035】
(高分子成型品2の調製)
カナマイシン硫酸塩1.5gを1N−水酸化ナトリウム10mLに溶かし、N,N−ジメチルヘキシルアミン3.8gと共に700mLのジメチルスルホキシドに溶かした溶液に、12.7gの中間体2を浸し、25℃で48時間静置した。不織布を取り出して、イソプロパノールで洗浄した後、水洗し、真空乾燥して、14.3gの不織布(高分子成型品2)を得た。このものの吸着性を測定したところ、可溶性CD40の濃度低下が71.7%、アルブミンの濃度低下が14%であったので、濃度低下率比は5.1であった。
【0036】
(ラット脾細胞の細胞傷害活性の測定:間接法)
KDH−8細胞接種13日後の担癌ラット3匹に高分子成型品2を充填したカラムで体外循環を1h施行した後、4日後に脾臓を採取した。この脾臓を完全培地中で破砕し、血球細胞を取り出した後、赤血球を溶血させて、完全培地に浮遊させた脾細胞液(2×10個/mL濃度)を調製した。比較として癌細胞を接種せず、体外循環もしなかった同週令の正常ラット3匹からも同様にして脾細胞液(2×10個/mL濃度)を調製した。
【0037】
別に、X線照射したKDH−8細胞の2×10個/mL濃度を調製し、上記脾細胞と1:1で混合し、37℃の炭酸ガスインキュベーター中で3日間培養した。コントロールとしてX線照射したKDH−8細胞の代わりに完全培地を加えたものも同様に培養した。これらの細胞培養液を遠心して培養上清を採取し、その中のインターフェロンーγ濃度を測定した。結果を表2にまとめる。
【0038】
【表2】

【0039】
実施例1および2の結果から、本発明にかかる殺細胞活性増強材が、キラー細胞の誘導に重要な役割を持つインターフェロンーγ産生能を増強させることが分かる。
【0040】
[実施例3]
(高分子成型品3の調製)
ポリミキシンB硫酸塩1.5gを1N−水酸化ナトリウム5mLに溶かし、N,N−ジメチルブチルアミン18.4gと共に700mLのジメチルスルホキシドに溶かした溶液に、13.3gの中間体2を浸し、25℃で48時間静置した。不織布を取り出して、イソプロパノールで洗浄した後、水洗し、真空乾燥して、15.4gの不織布(高分子成型品3)を得た。このものの吸着性を測定したところ、可溶性CD28の濃度低下が46.0%、アルブミンの濃度低下が4.6%であったので、濃度低下率比は10であった。
【0041】
(ラット脾細胞の細胞傷害活性の測定:直接法)
KDH−8細胞接種13日後の担癌ラット3匹に高分子成型品3を充填したカラムで体外循環を1h施行した後、7日後に脾臓を採取した。比較例として中間体2を充填したカラムを用い、KDH−8細胞接種13日後の担癌ラット3匹に体外循環を1h施行した後、7日後に脾臓を採取した。コントロールとして体外循環をせず、癌細胞を接種して20日後の担癌ラット3匹および同週令の正常ラット3匹からも同様に脾臓を採取した。これらの脾臓を完全培地中で破砕し、血球細胞を取り出した後、赤血球を溶血させて、完全培地に浮遊させた脾細胞液(2×10個/mL濃度)を調製した。
【0042】
別にKDH−8細胞をCFSEラベルし、50倍量の上記脾細胞と混合し、37℃の炭酸ガスインキュベーター中で36時間培養した。フローサイトメーターでKDH−8細胞の死亡割合を求め、各脾細胞の殺細胞活性(キラー活性)を求めた。結果を表3にまとめる。
【0043】
【表3】

【0044】
実施例3の結果から、殺細胞活性増強材カラム群(高分子成型品カラム群)では中間体カラム群および無治療担癌群に比較し、殺細胞活性が増強されていることが分かる。また、中間体カラム群では無治療群より殺細胞活性が下がっており、利点が無いことが分かる。正常ラットに比べ、無治療担癌ラットの殺細胞活性が高いのは、常に癌細胞の刺激を受けているため、活性が低いもののキラー細胞が存在するためと考えられる。
【0045】
[実施例4]
(高分子成型品4の調製)
アミカシン硫酸塩1.0gを1N−水酸化ナトリウム5mLに溶かし、N,N−ジメチルヘキシルアミン10gと共に700mLのジメチルスルホキシドに溶かした溶液に、12.5gの中間体2を浸し、25℃で48時間静置した。不織布を取り出して、イソプロパノールで洗浄した後、水洗し、真空乾燥して、15.2gの不織布(高分子成型品4)を得た。このものの吸着性を測定したところ、可溶性CD40の濃度低下が76.6%、アルブミンの濃度低下が10.8%であったので、濃度低下率比は7.1であった。
【0046】
(ラット脾細胞の細胞傷害活性の測定:直接法)
KDH−8細胞接種13日後の担癌ラット3匹に高分子成型品4を充填したカラムで体外循環を1h施行した後、7日後に脾臓を採取した。比較例として体外循環をせず、癌細胞を接種して20日後の担癌ラット3匹からも同様に脾臓を採取した。これらの脾臓を完全培地中で破砕し、血球細胞を取り出した後、赤血球を溶血させて、完全培地に浮遊させた脾細胞液(2×10個/mL濃度)を調製した。
【0047】
別にKDH−8細胞をCFSEラベルし、50倍量の上記脾細胞と混合し、37℃の炭酸ガスインキュベーター中で20時間培養した。フローサイトメーターでKDH−8細胞の死亡割合を求め、各脾細胞の殺細胞活性(キラー活性)を求めた。結果を表4にまとめる。
【0048】
【表4】

【0049】
実施例4の結果から、殺細胞活性増強材カラム群では無治療担癌群に比較し、殺細胞活性が増強されていることが分かる。
【0050】
[実施例5]
(高分子成型品5の調製)
ストレプトマイシン硫酸塩1.5gを1N−水酸化ナトリウム10mLに溶かし、N,N−ジメチルブチルアミン14.3gと共に700mLのジメチルスルホキシドに溶かした溶液に、14.3gの中間体2を浸し、25℃で48時間静置した。不織布を取り出して、イソプロパノールで洗浄した後、水洗し、真空乾燥して、16.1gの不織布(高分子成型品5)を得た。このものの吸着性を測定したところ、可溶性CD28の濃度低下が38.1%、アルブミンの濃度低下が7.0%であったので、濃度低下率比は5.4であった。
【0051】
(ラット脾細胞の細胞傷害活性の測定:直接法)
KDH−8細胞接種13日後の担癌ラット3匹に高分子成型品5を充填したカラムで体外循環を1h施行した後、7日後に脾臓を採取した。コントロールとして体外循環をせず、癌細胞を接種して20日後の担癌ラット3匹からも同様に脾臓を採取した。これらの脾臓を完全培地中で破砕し、血球細胞を取り出した後、赤血球を溶血させて、完全培地に浮遊させた脾細胞液(2×10個/mL濃度)を調製した。
【0052】
別にKDH−8細胞をCFSEラベルし、50倍量の上記脾細胞と混合し、37℃の炭酸ガスインキュベーター中で20時間培養した。フローサイトメーターでKDH−8細胞の死亡割合を求め、各脾細胞の殺細胞活性(キラー活性)を求めた。結果を表5にまとめる。
【0053】
【表5】

【0054】
実施例5の結果から、殺細胞活性増強材カラム群では無治療担癌群に比較し、殺細胞活性が増強されていることが分かる。
【0055】
[実施例6]
(高分子成型品6の調製)
ネオマイシン硫酸塩1.5gを1N−水酸化ナトリウム10mLに溶かし、N,N−ジメチルブチルアミン4.4gと共に700mLのジメチルスルホキシドに溶かした溶液に、14.5gの中間体2を浸し、25℃で48時間静置した。不織布を取り出して、イソプロパノールで洗浄した後、水洗し、真空乾燥して、16.5gの不織布(高分子成型品6)を得た。このものの吸着性を測定したところ、可溶性CD28の濃度低下が41.0%、アルブミンの濃度低下が7.7%であったので、濃度低下率比は5.3であった。
【0056】
(ラット脾細胞の細胞傷害活性の測定:直接法)
KDH−8細胞接種13日後の担癌ラット3匹に高分子成型品6を充填したカラムで体外循環を1h施行した後、7日後に脾臓を採取した。コントロールとして体外循環をせず、癌細胞を接種して20日後の担癌ラット3匹からも同様に脾臓を採取した。これらの脾臓を完全培地中で破砕し、血球細胞を取り出した後、赤血球を溶血させて、完全培地に浮遊させた脾細胞液(2×10個/mL濃度)を調製した。
【0057】
別にKDH−8細胞をCFSEラベルし、50倍量の上記脾細胞と混合し、37℃の炭酸ガスインキュベーター中で20時間培養した。フローサイトメーターでKDH−8細胞の死亡割合を求め、各脾細胞の殺細胞活性(キラー活性)を求めた。結果を表6にまとめる。
【0058】
【表6】

【0059】
実施例6の結果から、殺細胞活性増強材カラム群では無治療担癌群に比較し、殺細胞活性が増強されていることが分かる。
【0060】
実施例1〜6で用いた殺細胞活性増強材(高分子成型品)を表にまとめると、以下の通りである。
【0061】
【表7】

【0062】
実施例1〜6の結果から、本発明にかかる殺細胞活性増強材を充填した体外循環カラムを用いて体外循環を行うことにより、担癌状態によって抑制されている宿主免疫細胞の抗原特異的細胞傷害活性を増強できることが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンパ球または抗原提示細胞の細胞膜に存在し、リンパ球とリンパ球間もしくはリンパ球と抗原提示細胞間の情報を仲介する機能を有する膜蛋白質の細胞外領域部分が切断されて可溶性となった糖蛋白質分子に対して吸着性のある高分子成型品からなる、異常細胞に対する免疫担当細胞の抗原特異的細胞傷害活性を増強する殺細胞活性増強材。
【請求項2】
前記切断されて可溶性となった糖蛋白質分子が、可溶性CD40であることを特徴とする請求項1に記載の殺細胞活性増強材。
【請求項3】
前記切断されて可溶性となった糖蛋白質分子が、可溶性CD28であることを特徴とする請求項1に記載の殺細胞活性増強材。
【請求項4】
血液と接触させた際、前記切断されて可溶性となった糖蛋白質分子の濃度低下率/アルブミンの濃度低下率比が1以上100以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の殺細胞活性増強材。
【請求項5】
前記高分子成型品は、水不溶性基材に、炭素数総和5以上10以下の3級アミンに由来する4級アンモニウム化合物が結合されているものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の殺細胞活性増強材。
【請求項6】
前記高分子成型品は、水不溶性基材に、炭素数総和5以上10以下の3級アミンに由来する4級アンモニウム化合物、および3個以上のアミノ基と1個以上の環状構造を含む環状ポリアミノ化合物が結合されているものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の殺細胞活性増強材。
【請求項7】
前記環状ポリアミノ化合物が、アミノグリコシド系化合物または環状ペプチド系化合物から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6に記載の殺細胞活性増強材。
【請求項8】
前記アミノグリコシド系化合物が、アミカシン、アストロマイシン、イセパマイシン、アルベカシン、トブラマイシン、カナマイシン、ジベカシン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、ネチルマイシン、ベカナマイシンから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項7に記載の殺細胞活性増強材。
【請求項9】
前記環状ペプチド系化合物が、ポリミキシンB誘導体であることを特徴とする、請求項7に記載の殺細胞活性増強材。
【請求項10】
前記水不溶性基材が、ビニル芳香族化合物誘導体から構成される重合体を含むことを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の殺細胞活性増強材。
【請求項11】
前記水不溶性基材が、芳香族ポリスルホン誘導体から構成される重合体を含むことを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の殺細胞活性増強材。
【請求項12】
形状が繊維、膜、中空糸または粒状物であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の殺細胞活性増強材。
【請求項13】
請求項12に記載の殺細胞活性増強材を充填してなる体外循環カラム。

【公開番号】特開2009−7282(P2009−7282A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169162(P2007−169162)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(899000046)関西ティー・エル・オー株式会社 (75)
【Fターム(参考)】