説明

毒性の低下した免疫抑制モノクローナル抗体を使用する自己免疫疾患の治療法

本発明は、T細胞性免疫疾患、特に自己免疫疾患の症状を抗CD3抗体を使用して治療、予防、又は改善する方法を提供する。特に本発明の方法は、ヒトCD3複合体内のイプシロンサブユニットに特異的に結合する抗体の投与を提供する。かかる抗体は、T細胞受容体/アロ抗原相互作用を調節し、従って自己免疫疾患に伴うT細胞性細胞障害を調節する。さらに本発明は、抗CD3抗体が非修飾抗CD3抗体と比較して、エフェクター機能とT細胞活性化が低下しているか又は排除されているようにする、抗CD3抗体の修飾を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療の必要な患者の自己免疫疾患を治療するか又はその症状を改善する方法であって、野生型Fcドメインを有する抗体より、少なくとも1つのFcγRに対する結合が少なくとも50%低下している抗CD3抗体の治療的有効量を該患者に投与することを含んでなり、該投与により、毒性が最小になることを特徴とする上記方法。
【請求項2】
治療の必要な患者の自己免疫疾患を治療するか又はその症状を改善する方法であって、野生型Fcドメインを有する抗体より、少なくとも1つのFcγRに対する結合が少なくとも50%低下している抗CD3抗体の治療的有効量を該患者に投与することを含んでなり、該投与により、マウスOKT3の同等の投与と比較して、サイトカイン放出症候群の症状が低下することを特徴とする上記方法。
【請求項3】
抗体はFcγRに、検出できる程度には結合しない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
抗体はC1qに対する結合が少なくとも50%低下している、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
抗体は補体関連受容体に、検出できる程度には結合しない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
抗体はC1qに、検出できる程度には結合しない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
投与の6ヶ月後に、患者は、該自己免疫疾患を管理するための補助療法の増加を必要としない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
患者は、自己免疫疾患の早期段階にある、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
抗CD3抗体はキメラであるか又はヒト化されている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
抗体は、OKT3、Leu-4、500A2、CLB-T3/3、M291、YTH12.5、又はBMA030のヒト化体又はキメラ体である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
抗体はグリコシル化されていない、請求項9記載の方法。
【請求項12】
抗体はグリコシル化されていない、請求項10記載の方法。
【請求項13】
抗体はアミノ酸修飾を有するFcドメインを含み、修飾FcドメインはいかなるFcγRにも結合しない、請求項9記載の方法。
【請求項14】
抗体はアミノ酸修飾を有するFcドメインを含み、修飾FcドメインはいかなるFcγRにも結合しない、請求項10記載の方法。
【請求項15】
抗体はヒト化OKT3γ1 ala-alaである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
自己免疫疾患は、1型糖尿病、乾癬、慢性関節リウマチ、ループス、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、クローン病、多発性硬化症、臓器移植の影響、又は移植片対宿主反応病(GVHD)である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項17】
抗体はグリコシル化されていない、請求項16記載の方法。
【請求項18】
抗体は少なくとも1つのアミノ酸修飾を有するFcドメインを含み、修飾FcドメインはいかなるFcγRにも結合しない、請求項16記載の方法。
【請求項19】
自己免疫疾患は1型糖尿病である、請求項16記載の方法。
【請求項20】
治療の前に、該患者のHA1cは7.5%未満であるか、又は混合金属負荷試験(MMTT)に対する患者のC-ペプチド応答は、最初の4時間の曲線下の平均面積が少なくとも100pmol/mlである、請求項19記載の方法。
【請求項21】
治療の6ヶ月後に、患者のインスリンの平均1日用量は、治療前の平均1日用量と比較して30U/kg/日以下の上昇である、請求項19記載の方法。
【請求項22】
治療の6ヶ月後に、患者のインスリンの平均1日用量は、治療前の平均1日用量と比較して10U/kg/日以下の上昇である、請求項19記載の方法。
【請求項23】
治療の6ヶ月後に、患者のインスリンの平均1日用量は、治療前の平均1日用量と比較して上昇していない、請求項19記載の方法。
【請求項24】
治療の6ヶ月後に、患者は0.5U/kg/日以下のインスリンの平均1日用量を必要とする、請求項19記載の方法。
【請求項25】
治療の6ヶ月後に、患者は0.2U/kg/日以下のインスリンの平均1日用量を必要とする、請求項19記載の方法。
【請求項26】
治療の6ヶ月後に、患者のHA1cは7.5%未満である、請求項19記載の方法。
【請求項27】
治療の12ヶ月後に、患者のHA1cは7.5%未満である、請求項19記載の方法。
【請求項28】
治療の12ヶ月後に、MMTTに対する患者のC-ペプチド応答は、治療前の応答と比較して10%以下の低下である、請求項19記載の方法。
【請求項29】
治療の12ヶ月後に、MMTTに対する患者のC-ペプチド応答は、治療前の応答と比較して5%以下の低下である、請求項19記載の方法。
【請求項30】
治療の6ヶ月後に、患者のHA1cは7.5%未満である、請求項20記載の方法。
【請求項31】
治療の12ヶ月後に、患者のHA1cは7.5%未満である、請求項20記載の方法。
【請求項32】
治療の12ヶ月後に、MMTTに対する患者のC-ペプチド応答は、治療前の応答と比較して10%以下の低下である、請求項20記載の方法。
【請求項33】
治療の12ヶ月後に、MMTTに対する患者のC-ペプチド応答は、治療前の応答と比較して5%以下の低下である、請求項20記載の方法。
【請求項34】
治療は少なくとも連続4日間の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項35】
治療は少なくとも連続5日間の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項36】
治療は少なくとも連続6日間の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項37】
治療は少なくとも連続7日間の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項38】
治療は少なくとも連続8日間の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項39】
治療は少なくとも連続9日間の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項40】
治療は少なくとも連続10日間の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項41】
治療は少なくとも連続11日間の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項42】
治療は連続11日間以下の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項43】
治療は連続10日間以下の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項44】
治療は連続9日間以下の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項45】
治療は連続8日間以下の抗体の投与を含む、請求項16記載の方法。
【請求項46】
治療は連続7日間以下の抗体の投与を含む、請求項16記載の方法。
【請求項47】
治療は連続6日間以下の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項48】
治療は連続5日間以下の抗体の投与を含む、請求項16記載の方法。
【請求項49】
治療は連続4日間以下の抗体の投与を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項50】
治療は、投与処方の少なくとも最初の3日間は抗体の投与量が増加する投与処方を含む、請求項16記載の方法。
【請求項51】
投与処方は4日間又はそれ以下である、請求項50記載の方法。
【請求項52】
投与処方は5日間又はそれ以下である、請求項50記載の方法。
【請求項53】
投与処方は6日間又はそれ以下である、請求項50記載の方法。
【請求項54】
投与処方は7日間又はそれ以下である、請求項50記載の方法。
【請求項55】
投与処方は8日間又はそれ以下である、請求項50記載の方法。
【請求項56】
投与処方は9日間又はそれ以下である、請求項50記載の方法。
【請求項57】
投与処方は10日間又はそれ以下である、請求項50記載の方法。
【請求項58】
投与処方は11日間又はそれ以下である、請求項50記載の方法。
【請求項59】
投与処方は12日間又はそれ以下である、請求項50記載の方法。
【請求項60】
投与処方は13日間又はそれ以下である、請求項50記載の方法。
【請求項61】
投与処方は14日間又はそれ以下である、請求項50記載の方法。
【請求項62】
1日目の用量は約1.6μg/kgであり、2日目の用量は約3.2μg/kgであり、3日目の用量は約6.5μg/kgであり、4日目の用量は約13μg/kgであり、それ以降の日の用量は約26μg/kgである、請求項50記載の方法。
【請求項63】
投与処方は5日間又はそれ以下である、請求項62記載の方法。
【請求項64】
投与処方は6日間又はそれ以下である、請求項62記載の方法。
【請求項65】
投与処方は7日間又はそれ以下である、請求項62記載の方法。
【請求項66】
投与処方は8日間又はそれ以下である、請求項62記載の方法。
【請求項67】
投与処方は9日間又はそれ以下である、請求項62記載の方法。
【請求項68】
投与処方は10日間又はそれ以下である、請求項62記載の方法。
【請求項69】
投与処方は11日間又はそれ以下である、請求項62記載の方法。
【請求項70】
投与処方は12日間又はそれ以下である、請求項62記載の方法。
【請求項71】
投与処方は13日間又はそれ以下である、請求項62記載の方法。
【請求項72】
投与処方は14日間又はそれ以下である、請求項62記載の方法。
【請求項73】
治療は複数日の投与処方を含み、ここで該複数日投与処方の少なくとも初日は、抗体はほぼ等しい量で、少なくとも6時間の間隔、少なくとも8時間の間隔、又は少なくとも12時間の間隔で投与されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項74】
治療は複数日の投与処方を含み、ここで該複数日投与処方の少なくとも初日は、抗体は増加する量で、少なくとも6時間の間隔、少なくとも8時間の間隔、又は少なくとも12時間の間隔で投与されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項75】
投与は、静脈内、筋肉内、皮下及び経口投与よりなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項76】
投与は静脈内であり、少なくとも30分間にわたって行われる、請求項75記載の方法。
【請求項77】
投与はインスリンの投与と組合わされる、請求項19記載の方法。
【請求項78】
投与は免疫抑制剤の投与と組合わされる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項79】
投与はエキセナチドの投与と組合わされる、請求項19記載の方法。
【請求項80】
投与はプラムリンチドの投与と組合わされる、請求項19記載の方法。
【請求項81】
投与は、EBV誘導性リンパ増殖性疾患を引き起こさないか、又は1000リンパ球/μl血清未満のリンパ球数を与えない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項82】
ヒト化抗CD3抗体を産生する方法であって、
(a)発現ベクターpMGX1303又はその子孫でトランスフェクトされたCHO細胞を、培地中で、該抗CD3抗体の発現に適した条件下で培養し;そして
(b)該培地から該抗CD3抗体を回収することを含んでなる、上記方法。
【請求項83】
抗CD3抗体はOKT3γ1(ala-ala)である、請求項82記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−500457(P2009−500457A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521639(P2008−521639)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/027386
【国際公開番号】WO2007/009064
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(504438727)マクロジェニクス,インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】