説明

毛髪化粧料組成物

【課題】ダメージを受けた毛髪に対して優れた櫛通り性やしなやかさを付与することができ、かつ耐久性に優れた毛髪化粧料組成物を提供する。
【解決手段】本発明の毛髪化粧料組成物は、(a1)トリメチロールプロパン誘導体で変性された粘度(25℃)が100〜50,000Pa・sのポリオルガノシロキサンを含むポリオルガノシロキサン成分(a)5〜80重量%と、(b)界面活性剤0.5〜50重量%と(c)水をそれぞれ含むシリコーンエマルジョンを含有する。(a)ポリオルガノシロキサン成分として、前記(a1)成分とともに、(a2)トリメチロールプロパン誘導体で変性された粘度(25℃)が0.01〜1Pa・sのポリオルガノシロキサンを含有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料組成物に係り、さらに詳しくは、毛髪に対して滑らかでしなやかな感触を付与することができ、特にダメージ毛髪に対するコンディショニング効果に優れた毛髪化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から毛髪化粧料には、毛髪に光沢や滑らかさを与える目的で、シリコーン油、エステル油、炭化水素油などの油分が、可溶化または乳化され、あるいは溶解されて配合されている。特にシリコーン油は、表面張力が低く、毛髪へのなじみに優れ、良好な光沢を付与することができため、近年多用されている。
【0003】
しかし、シリコーン油を多量に用いたり、あるいは消費者が長期間に亘って使用したりすると、油分そのものがもつ特質から、毛髪のきしみ感が増したり脂ぎるといった問題が生じていた。
【0004】
このような問題を解決するために、乳化重合された両末端ヒドロキシ基含有ポリジメチルシロキサン(ジメチコノールと称する。)を配合したヘアコンディショニング組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、乳化重合されたシリコーンエマルジョンをさらにカチオン性界面活性剤で処理してなるシャンプー組成物も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、乳化重合されたジメチコノールは粒子径が小さいため、毛髪への吸着性の点で未だ十分ではなかった。そして、特許文献1および特許文献2に開示された組成物は、すすぎ時の感触や乾燥時の指通り性など、毛髪化粧料として要求される特性を付与する効果の点で、十分に満足できるものではなかった。
【0006】
さらに、ジメチコノールを機械乳化したエマルジョンを用いて、手触りを改善する提案(例えば、特許文献3参照)がなされているが、毛髪化粧料に対する要求が多様化する昨今においては未だ十分とはいえず、よりいっそう滑らかでしっとりした手触りを付与することが要求されていた。
【特許文献1】特表平 8−511272号公報
【特許文献2】特表平11−500459号公報
【特許文献3】特開2006−282518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、特にカラーリングなどに起因するダメージを受けた毛髪に対するコンディショニング効果に優れ、具体的には櫛通り性やしなやかさを付与することができ、かつ耐久性に優れた毛髪化粧料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の毛髪化粧料組成物は、トリメチロールプロパン誘導体で変性された25℃における粘度が100〜50,000Pa・sのポリオルガノシロキサン(a1)を含むポリオルガノシロキサン成分(a)を含有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の毛髪化粧料組成物によれば、毛髪に対して滑らかでしなやかな感触を付与することができ、特にダメージを受けた毛髪に対するコンディショニング効果に優れ、良好な櫛通り性やしなやかさを付与することができる。また、耐久性に優れ、このようなコンディショニング効果の持続性が大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
本発明の実施形態である毛髪化粧料組成物は、トリメチロールプロパン誘導体で変性された25℃における粘度が100〜50,000Pa・sのポリオルガノシロキサン(a1)を含むポリオルガノシロキサン成分(a)を含有している。この(a)ポリオルガノシロキサン成分を配合する態様として、そのまま公知の添加剤と混合する態様と、(a)成分のエマルジョンを調製して配合する態様があるが、まず後者の(a)成分をエマルジョン状態にして配合する態様について説明する。すなわち、本発明の第1の実施形態である毛髪化粧料組成物は、(a)ポリオルガノシロキサン成分5〜80重量%と、(b)界面活性剤0.5〜50重量%、および(c)水をそれぞれ含むシリコーンエマルジョン(A)を含有するものであり、(a)成分であるポリオルガノシロキサン成分は、(a1)トリメチロールプロパン誘導体で変性された25℃における粘度が100〜50,000Pa・sのポリオルガノシロキサンを含有している。
【0012】
この実施形態の毛髪化粧料組成物において、(A)シリコーンエマルジョンを構成する主成分は、(a)ポリオルガノシロキサン成分であり、この成分の配合により、毛髪に対してしなやかさとコンディショニング効果、およびその持続性を付与することができる。この(a)ポリオルガノシロキサン成分を構成する第1の成分は、(a1)トリメチロールプロパン誘導体で変性された100〜50,000Pa・sの粘度(25℃)を有するポリオルガノシロキサンである。(a1)成分であるポリオルガノシロキサンは、基本的に直鎖状のシロキサン骨格を有するが、若干の分岐を有していてもよい。分子全体が直鎖状の構造からなるものがより好ましい。
【0013】
(a1)成分において、分子鎖の末端基は、有機基の一部がトリメチロールプロパン誘導体で変性されたオルガノシリル基であることが好ましく、特にジメチルトリメチロールプロパンモノプロピルシリル基であることが好ましい。
【0014】
(a1)成分において、分子中間のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、へキシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;アミノエチル基、アミノプロピル基などのアミノ基;およびこれらの基の炭素原子に結合した水素原子がハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えばクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基などが例示される。ケイ素原子に結合するその他の基として、アルコキシ基、水酸基、水素原子などを部分的に含んでいてもよいが、メチル基であることが望ましい。(a1)成分としては、両末端のケイ素原子にトリメチロールプロパンモノプロピル基が結合したポリジメチルシロキサン、すなわち両末端トリメチロールプロパンモノプロピル変性ポリジメチルシロキサンが特に好ましい。このような変性シリコーンは、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル(TMPME)と、両末端ジメチルハイドロジェンポリジメチルシロキサンとを、白金系触媒の存在下で付加(ヒドロシリル化)反応させることにより得ることができる。
【0015】
(a1)成分であるトリメチロールプロパン誘導体で変性されたポリオルガノシロキサンは、100〜50,000Pa・sの粘度(25℃)を有する。粘度が100Pa・s未満であると、毛髪に対する十分なコンディショニング効果が得られず、50,000Pa・sを超えると十分な櫛通り性が得られない。粘度のより好ましい範囲は20〜4,000Pa・sであり、さらに好ましい範囲は20〜3,000Pa・sである。
【0016】
(a)成分であるポリオルガノシロキサン成分は、このような(a1)成分とともに、(a2)トリメチロールプロパン誘導体で変性された粘度(25℃)が0.01〜10Pa・sのポリオルガノシロキサンを含有することができる。(a2)成分である変性ポリオルガノシロキサンは、基本的に直鎖状のシロキサン骨格を有する。若干の分岐を有していてもよいが、分子全体が直鎖状の構造からなるものが好ましい。(a2)成分の粘度(25℃)が0.01Pa・s未満であるかもしくは10Pa・sを超えると、毛髪に対して十分なまとまり感を与えることができない。粘度のより好ましい範囲は0.05〜1Pa・sであり、さらに好ましい範囲は0.05〜0.5Pa・sである。
【0017】
(a2)成分において、分子鎖の末端基は、有機基の一部がトリメチロールプロパン誘導体で変性されたオルガノシリル基であることが好ましく、特にジメチルトリメチロールプロパンモノプロピルシリル基であることが好ましい。
【0018】
(a2)成分において、分子中間のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、へキシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;アミノエチル基、アミノプロピル基などのアミノ基;およびこれらの基の炭素原子に結合した水素原子がハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えばクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基などが例示される。ケイ素原子に結合するその他の基として、アルコキシ基、水酸基、水素原子などを部分的に含んでいてもよいが、メチル基であることが望ましい。(a2)成分としては、両末端のケイ素原子にトリメチロールプロパンモノプロピル基が結合したポリジメチルシロキサン、すなわち両末端トリメチロールプロパンモノプロピル変性ポリジメチルシロキサンが特に好ましい。このような変性シリコーンは、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル(TMPME)と、両末端ジメチルハイドロジェンポリジメチルシロキサンとを、白金系触媒の存在下で付加(ヒドロシリル化)反応させることにより得ることができる。
【0019】
このような(a2)成分の配合量は、前記(a1)成分100重量部に対して30重量部以下とすることが好ましく、より好ましくは20重量部以下とする。また、(a1)成分および(a2)成分から成る(a)ポリオルガノシロキサン成分全体の配合割合は、(A)シリコーンエマルジョン全体に対して5〜80重量%とすることが好ましい。これらの範囲を外れると、櫛通り性、まとまり性、コンディショニング効果の全てを満足させることは難しくなる。
【0020】
実施形態の(A)シリコーンエマルジョンにおいては、(a)ポリオルガノシロキサン成分として、25℃における粘度が0.5〜500Pa・sであり、かつアミノ基含有量が0.05〜2.0重量%であるN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基含有ポリジメチルシロキサン(アモジメチコンと称する。)をさらに配合することができる。アモジメチコンの配合割合は、前記した(a1)成分および(a2)成分の合計量に対して2〜50重量%とすることが好ましく、5〜35重量%とすることがさらに望ましい。アモジメチコンの配合により、毛髪に対してすすぎ時の櫛通り性、乾燥時の柔らかさをさらに付与することができる。
【0021】
実施形態の(A)シリコーンエマルジョンに用いられる(b)界面活性剤は、前記(a)ポリオルガノシロキサン成分を水中に乳化させるためのものであり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などの中から任意に選択して使用することができる。
【0022】
アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、アルキル硫酸、およびそれらの塩が例示される。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸として、ポリオキシエチレン(2)オクチルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン(8)デシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸などが、アルキル硫酸として、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸、セチル硫酸などが挙げられ、さらにはそれらの塩、すなわち塩型のアニオン性界面活性剤も含まれる。塩の種類としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩およびトリエタノールアミンなどのアミン塩が好ましく、すすぎ時の感触の点から、それらの中でも、トリエタノールアミンおよびアンモニウム塩の使用が好ましい。アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルタウリン酸塩なども使用することができる。
【0023】
カチオン性界面活性剤としては、以下の一般式[化1]で表されるものが好適に用いられる。
【化1】

【0024】
式中、R、R、RおよびRのうちで少なくとも1つは、8〜30個の炭素原子を有する脂肪族基あるいは22個以下の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基から選択され、残りのものは独立して、1〜22個の炭素原子を有する脂肪族基あるいは22個以下の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基から選択される。Xはハロゲン(例えば塩化物、臭化物)、アセテート、クエン酸、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩およびアルキルスルホン酸ラジカルなどから選択される塩形成アニオンである。
【0025】
脂肪族基は、炭素および水素原子に加えてエーテル結合およびアミノ基のような他の基を含有することができる。さらに、長鎖の脂肪族基、例えば炭素数12以上のものは、飽和でも不飽和でもよい。R、R、RおよびRが、独立して炭素数1〜22個のアルキル基から選択されることが好ましい。
【0026】
有用なカチオン性界面活性剤の具体例としては、以下のCTFA(化粧品、洗面用品、および芳香剤協会;The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Inc.)名称:クオタニウム−8、クオタニウム−14、クオタニウム−18、クオタニウム−18メソスルフェート、クオタニウム−24およびこれらの混合物を有する物質が含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
前記一般式で表されるカチオン性界面活性剤の中では、少なくとも16個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルキル鎖を分子内に含有しているものが好ましい。このようなカチオン性界面活性剤の例としては:例えば、クローダ(Croda)社製の商品名インクロクァット(INCROQUAT)TMC−80や、三洋化成社からエコノール(ECONOL)TM22として入手可能なベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド;ニッコー・ケミカルズ(Nikko Chemicals)社から商品名CA−2350として入手可能なセチルトリメチルアンモニウムクロリド;水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、二水素添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ベヘニル/アラキジル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルプロピレングリコールホスフェートジメチルアンモニウムクロリド、ステアロイルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアロイルアミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウムクロリド、およびN−(ステアロイルコラミノホルミルメチル)ピリジニウムクロリドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
好ましいカチオン性界面活性剤は、置換基の少なくとも1つが、ラジカル鎖に置換基または結合として存在する1つ以上の芳香族基、エーテル基、エステル基、アミド基、またはアミノ部分を含有し、R〜R基の少なくとも1つがアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基)、ポリオキシアルキレン基(好ましくは炭素数1〜3のポリオキシアルキレン基)、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アルキルエステル基、およびこれらの組み合わせから選択される1つ以上の親水性部分を含有する親水的に置換されたカチオン性界面活性剤である。親水的に置換されたカチオン性界面活性剤は、前記範囲内に位置する2〜10個の非イオン親水性部分を含有していることが好ましい。親水的に置換された好ましいカチオン性界面活性剤には、以下の式[化2]から[化7]に表されるものが含まれる
【0029】
【化2】

式中、nは8〜28、x+yは2〜40の数を表し、Z1は短鎖アルキル基、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基、あるいは(CHCHO)Hである。x+y+zは60以下、Xは前記塩形成アニオンである。
【0030】
【化3】

式中、mは1〜5の数、R、RおよびRのうち1つ以上は、それぞれ独立して炭素数1〜30のアルキル基であり、その他はCHCHOHであり、R、RおよびR10のうち1つまたは2つはそれぞれ炭素数1〜30のアルキル基であり、その他はCHCHOHである。Xは前記塩形成アニオンである。
【0031】
【化4】

これらの式において、Zはアルキル基、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基より好ましくはメチル基であり、Zは短鎖ヒドロキシアルキル基好ましくはヒドロキシメチル基またはヒドロキシエチル基であり、pおよびqはそれぞれ2〜4の整数で、好ましくは2〜3、より好ましくは2である。R11およびR12は、それぞれ置換または非置換炭化水素、好ましくは炭素数12〜20のアルキル基またはアルケニル基、Xは前記の塩形成アニオンである。
【0032】
【化5】

式中、R13はヒドロカルビル基、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基より好ましくはメチル基であり、ZおよびZはそれぞれ短鎖ヒドロカルビル基、好ましくは炭素数2〜4のアルキル基またはアルケニル基より好ましくはエチル基であり、rは2〜40好ましくは7〜30の数、Xは前記の塩形成アニオンである。
【0033】
【化6】

式中、R14およびR15は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基より好ましくはメチル基、Zは炭素数12〜22のヒドロカルビル基、アルキルカルボキシ基またはアルキルアミド基である。Aはたんぱく質、好ましくはコラーゲン、ケラチン、乳たんぱく質、シルク、大豆たんぱく質、小麦たんぱく質、またはそれらの加水分解型であり、Xは前記塩形成アニオンである。
【0034】
【化7】

式中、sは2または3、R16およびR17は、それぞれ炭素数1〜3のヒドロカルビル基好ましくはメチル基であり、Xは前記塩形成アニオンである。
【0035】
有用な親水的に置換されているカチオン性界面活性剤の例としては、次のCTFA名称:クオタニウム−16、クオタニウム−26、クオタニウム−27、クオタニウム−30、クオタニウム−33、クオタニウム−43、クオタニウム−52、クオタニウム−53、クオタニウム−56、クオタニウム−60、クオタニウム−61、クオタニウム−62、クオタニウム−70、クオタニウム−71、クオタニウム−72、クオタニウム−75、クオタニウム−76加水分解コラーゲン、クオタニウム−77、クオタニウム−78、クオタニウム−79加水分解コラーゲン、クオタニウム−79加水分解ケラチン、クオタニウム−79加水分解乳タンパク質、クオタニウム−79加水分解シルク、クオタニウム−79加水分解大豆タンパク質およびクオタニウム−79加水分解小麦タンパク質、クオタニウム−80、クオタニウム−81、クオタニウム−82、クオタニウム−83、クオタニウム−84を有する物質ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
とりわけ好ましい親水的に置換されているカチオン性界面活性剤としては、ジアルキルアミドエチルヒドロキシエチルモニウム塩、ジアルキルアミドエチルジモニウム塩、ジアルキロイルエチルヒドロキシエチルモニウム塩、ジアルキロイルエチルジモニウム塩、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
これらは、次のような商品名で市販されている。すなわち、ウィットコ化学(Witco Chemical)社のバリソフト(VARISOFT)110、バリクァット(VARIQUAT)K1215および638、マクインタイア(McIntyre)社のマックプロ(MACKPRO)KLP、マックプロWLW、マックプロMLP、マックプロNSP、マックプロNLW、マックプロWWP、マックプロNLP、マックプロSLP、アクゾ(Akzo)社のエトクァッド(ETHOQUAD)18/25、エトクァッド0/12PG、エトクァッドC/25、エトクァッドS/25、およびエトデュオクァッド、ヘンケル(Henkel)社のデェイクァッド(DEHYQUA)SP、およびICIアメリカ社のアトラス(ATLAS)G265などである。
【0038】
一級、二級、および三級脂肪族アミンの塩は、好適なカチオン性界面活性剤である。このようなアミンのアルキル基は、好ましく12〜22個の炭素原子を有し、かつ置換または非置換型であることができる。一般式:R18CONH(CHN(R19で表されるアミドアミンが特に有用である。式中R18は炭素数11〜24の脂肪酸の残基、R19は炭素数1〜4のアルキル基を表し、lは1〜4の整数である。
【0039】
好ましいアミドアミンとしては、ステアロアミドプロピルジメチルアミン、ステアロアミドプロピルジエチルアミン、ステアロアミドエチルジエチルアミン、ステアロアミドエチルジメチルアミン、パルミトアミドプロピルジメチルアミン、パルミトアミドプロピルジエチルアミン、パルミトアミドエチルジエチルアミン、パルミトアミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミンおよびこれらの混合物が挙げられる。より好ましくは、ステアロアミドプロピルジメチルアミン、ステアロアミドエチルジエチルアミン、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
好ましいアミドアミンは、L−グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、L−グルタミン酸塩酸塩、酒石酸およびこれらの混合物からなる群から選択された酸、特に好ましくはL−グルタミン酸、乳酸、塩酸およびこれらの混合物により、部分的に四級化されたものである。アミドアミンと酸とのモル比は、好ましくは1:0.3〜1:1、より好ましくは1:0.5〜1:0.9である。
【0041】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、直鎖状または分岐状の脂肪族(C8〜C18)第一または第二アルコールまたはフェノールと、アルキレンオキシド(通常はエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド)との縮合物であり、一般的に3〜50個のエチレンオキシド基を有しているものが挙げられる。例えば、ノイゲンET−102(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:5)、第一工業製薬(株)製)、ノイゲンYX−400(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:40)、第一工業製薬(株)製)などが市販品として挙げられる。
【0042】
両性界面活性剤および/または半極性界面活性剤としては、化粧品基剤などに通常用いられるものがすべて適用されるが、特に、下記一般式[化8]〜[化12]で表される化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上が好ましく用いられる。
【0043】
すなわち、
【化8】

で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤。
【化9】

で表されるアミドスルホベタイン型両性界面活性剤。
【化10】

で表されるベタイン型両性界面活性剤。
【化11】

で表されるスルホベタイン型両性界面活性剤。
【化12】

で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤。
【0044】
なお、上記一般式[化8]〜[化12]中、R20は炭素原子数9〜21のアルキル基またはアルケニル基を表し、上記炭素原子数は、より好ましくは1〜17であり、最も好ましくは11〜13である。炭素原子数が9未満では、親水性が強すぎるため複合体を形成しにくく、一方炭素原子数が21を超えると、水への溶解性が悪くなり、複合体を形成しにくい。R21は、それぞれ独立に炭素原子数10〜18のアルキル基またはアルケニル基を表し、tは2〜4の整数を、uは0〜3の整数を表し、vは1または2の整数を表す。
【0045】
ここで、一般式:[化8]で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤としては、例えばヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられ、「レボン2000」(三洋化成(株)製)、「アノンBDF」(日本油脂(株)製)などが市販品として例示される。一般式:[化9]で表されるアミドスルホベタイン型両性界面活性剤としては、「ロンザイン−CS」(ロンザ(株)製)、「ミラタインCBS」(ミラノール(株)製)などが市販品として例示される。一般式:[化10]で表されるベタイン型両性界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられ、「アノンBL」(日本油脂(株)製)、「デハイントンAB−30」(ヘンケル(株)製)などが市販品として例示される。一般式:[化11]で表されるスルホベタイン型両性界面活性剤としては、「ロンザイン−12CS」(ロンザ(株)製)などが市販品として例示される。さらに、一般式:[化12]で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤としては、例えば2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウムなどが挙げられ、「オバゾリン662−N」(東邦化学(株)製)、「アノンGLM」(日本油脂(株)製)などが市販品として例示される。これらの中でも、特にヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが望ましい。
【0046】
半極性界面活性剤としては、化粧品基剤などに通常用いられるものがすべて適用されるが、下記一般式:[化13]で表される第三級アミンオキシド型半極性界面活性剤が最も好適に用いられる。
【化13】

式中、R21は炭素原子数10〜18のアルキル基またはアルケニル基を表す。
【0047】
上記一般式:[化13]で表される第三級アミンオキシド型半極性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシドなどが挙げられ、「ユニセーフA−LM」(日本油脂(株)製)、「マックアミンLAO」(Mclntyre(株)製)などが市販品として例示される。中でも、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシドが望ましい。
【0048】
実施形態の(A)シリコーンエマルジョンにおける(b)成分の界面活性剤としては、特に、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキル油脂肪酸アミドプロピルベタインなどから選ばれる1種または2種以上のものを使用することが望ましい。
【0049】
(b)成分である界面活性剤の配合割合は、(A)シリコーンエマルジョン全体に対して0.5〜50重量%、より好ましくは1〜20重量%とする。0.5重量%未満では、エマルジョンの安定性が低下して分離することがあり、反対に50重量%を超えると、エマルジョンが増粘して流動性が悪くなる場合がある。
【0050】
(c)成分である水は、(a)成分であるポリオルガノシロキサン成分を乳化・分散させて、均一なエマルジョンを得るための分散媒体である。(c)成分の使用量は、シリコーンエマルジョン中の(a)成分の濃度が5〜80重量%、より好ましくは10〜80重量%となるように調整される。
【0051】
実施形態において、(A)シリコーンエマルジョンは、上記各成分を混合し、(a)成分であるポリオルガノシロキサンを機械乳化させて水中に分散させることによって得られる。乳化・分散されたポリオルガノシロキサン粒子の平均粒子径は、0.5〜20μmの範囲であることが好ましい。ポリオルガノシロキサン粒子の平均粒子径が0.5μm未満であると、十分なコンディショニング効果が得られない。また、平均粒子径が20μmを超える場合には、エマルジョンとしての安定性が悪くなる。
【0052】
本発明の実施形態の毛髪化粧料組成物は、このように構成される(A)シリコーンエマルジョン0.01〜20重量%と、(B)融点25℃以上の高融点脂肪族化合物0.1〜15重量%と、(C1)カチオンコンディショニング剤0.1〜10重量%と、(D)水をそれぞれ含有することができる。
【0053】
(B)成分である高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有するものであり、脂肪族アルコール、脂肪酸、これらの誘導体、およびこれらの混合物から選択される。(B)高融点脂肪族化合物の例は、国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第5版、1993年、およびCTFAの化粧品成分ハンドブック(Cosmetic Ingredient Handbook)、第2版、1992年に記載されているが、これらに限定されない。
【0054】
有用な脂肪族アルコールは、14〜30個好ましくは16〜22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは飽和型であり、直鎖状または分枝状アルコールであることが好ましい。脂肪族アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールおよびこれらの混合物が例示されるが、これらに限定されない。
【0055】
脂肪酸としては、10〜30個好ましくは12〜22個さらに好ましくは16〜22個の炭素原子を有するものが挙げられる。これらの脂肪酸は飽和型でありかつ直鎖状または分枝状の炭素骨格を有する酸であることができる。二塩基酸、三塩基酸およびそれ以上の多塩基酸が含まれ、これらの脂肪酸の塩も含まれる。ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セバシン酸およびこれらの混合物が例示されるが、これらに限定されない。
【0056】
脂肪族アルコール誘導体および脂肪酸誘導体としては、前記脂肪族アルコールのアルキルエーテル、アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族アルコールのアルキルエーテル、脂肪族アルコールのエステル、エステル化可能なヒドロキシ基を有する化合物の脂肪酸エステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
脂肪族アルコール誘導体および脂肪酸誘導体の具体例としては、メチルステアリルエーテルなど;セテス−1からセテス−45のようなセテスシリーズで、数字表示がエチレングリコール部分の数を表すセチルアルコールのエチレングリコールエーテル;ステアレス−1から10のようなステアレスシリーズで、数字表示がエチレングリコール部分の数を表すステアレスアルコールのエチレングリコールエーテル;セテアレス1から10で、セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテル、すなわちセチルアルコールおよびステアリルアルコールを主として含有する脂肪族アルコールの混合物で、数字表示がエチレングリコール部分の数を表すもの;前記セテス、ステアレス、およびセテアレス化合物の炭素数1〜30のアルキルエーテル;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル;エチルステアレート、セチルステアレート、セチルパルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチルミリステート、ポリオキシエチレンセチルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールジステアレート、トリメチロールプロパンジステアレート、ソルビタンステアレート、ポリグリセリルステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレート、グリセリルトリステアレートおよびそれらの混合物などが挙げられる。
【0058】
高純度の単一化合物である高融点脂肪族化合物が好ましく、純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコールおよびベヘニルアルコールから成る群から選択される純粋な脂肪族アルコールの単一化合物が特に好ましい。
【0059】
なお、本明細書において、「純粋」なる語は、化合物が少なくとも90%好ましくは少なくとも95%の純度を有することを意味する。高い純度の単一化合物は、すすぎ落しの際に良好なすすぎ落し効果を発揮する。
【0060】
このような高融点脂肪族化合物の市販品としては、新日本理化社製のコノール(KONOL)シリーズ、日本油脂社製のNAAシリーズのセチルアルコール、ステアリルアルコール、およびベヘニルアルコール、和光化学社製の1−ドコサノール(1-DOCOSANOL)の純ベヘニルアルコール、米国アクゾ(Akzo)社製のネオ−ファット(NEO-FAT)、米国ウィトコ(Witco Corp.)社製のヒストレン(HYSTRENE)、およびイタリアベビー(Vevy)社製のダーマ(DERMA)などが挙げられる。
【0061】
前記した(B)25℃以上の融点を有する高融点脂肪族化合物は、毛髪化粧料組成物中に0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%より好ましくは0.75〜5重量%の割合で含有される。そして、後述するカチオンコンディショニング剤とともにゲル状および網状構造を提供し、湿った毛髪におけるつるつるした滑らかな感触と、乾燥した毛髪における柔軟性、潤い感、毛髪のはねの抑えなどの種々のコンディショニング効果を発揮する。
【0062】
実施形態において(C1)成分であるカチオンコンディショニング剤は、カチオン性界面活性剤、カチオンポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される。これらの(C1)カチオンコンディショニング剤は、毛髪化粧料組成物中に0.1〜10重量%、好ましくは0.25〜8重量%より好ましくは0.5〜3重量%の割合で含有される。
【0063】
カチオン性界面活性剤としては、前記(A)成分であるシリコーンエマルジョンの説明において、(b)界面活性剤のうちのカチオン性界面活性剤として例示したものと同様なものを使用することができる。
【0064】
実施形態の毛髪化粧料組成物において有用なカチオンポリマーについて記載する。なお、「ポリマー」なる用語は、1種類のモノマーの重合によって製造される物質、および2種以上のモノマーによって製造される物質を包含するものとする。
【0065】
カチオンポリマーは、水溶性カチオンポリマーであることが好ましい。「水溶性」カチオンポリマーとは、水に十分に可溶性であり、25℃の水(蒸留水または同等の水)に0.1%の濃度で肉眼で見て実質的に透明な溶液を形成するポリマーを意味する。好ましいカチオンポリマーは、十分に可溶性であり、0.5%の濃度でさらに好ましくは1.0%の濃度で実質的に透明な溶液を形成する。
【0066】
また、実施形態のカチオンポリマーは、少なくとも5,000、典型的には少なくとも10,000でありかつ10,000.000未満の平均分子量を有する。好ましい平均分子量は、100,000〜2,000,000である。そして、第四級アンモニウム部分および/またはカチオンアミノ部分のようなカチオン窒素含有部分を有する。
【0067】
カチオン電荷密度は、好ましくは0.1meq/g以上、より好ましくは0.5meq/g以上、さらに好ましくは1.1meq/g、よりいっそう好ましくは1.2meq/g以上である。カチオンポリマーのカチオン電荷密度は、ケルダール法により測定することができる。アミノ含有ポリマーの電荷密度はpHおよびアミノ基の等電点により変化するので、電荷密度は所望の用途のpHで前記範囲内に設定される。
【0068】
水溶解度の基準が満たされる限り、カチオンポリマーに対していかなるアニオン対イオンも利用することができる。好適な対イオンとしては、ハライド(例えばCl、Br、IまたはF化物、好ましくはCl、BrまたはI化物)、サルフェートおよびメチルサルフェートが挙げられるが、他のものを使用することもできる。
【0069】
カチオン窒素含有部分は、カチオンポリマーの全モノマー単位に置換基として存在する。したがって、このカチオンポリマーは、第四級アンモニウムまたはカチオンアミン置換モノマー単位、およびスペーサモノマー単位と呼称される他の非カチオン単位のコポリーまたポリマーなどを含んでいる。このようなポリマーは当該技術分野で既に公知であり、国際化粧品成分辞典、第3版、1982年などに記載されている。
【0070】
好適なカチオンポリマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキルアクリルアミドおよびジアルキルアクリルアミド、アルキルメタクリルアミドおよびジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、ならびにビニルピロリドンのような水溶性スペーサモノマー、カチオンアミンまたは四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0071】
アルキル置換モノマーおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくは炭素数1〜7のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を有する。他の好適なスペーサモノマーとしては、ビニルエステル、ポリ酢酸ビニルの加水分解により得られるビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールなどがある。
【0072】
前記カチオンアミンは、第一級、第二級または第三級アミンであることができる。第二級および第三級アミンが好ましく、特に第三級アミンが好ましい。
【0073】
アミン置換ビニルモノマーをアミン形態で重合させることができ、その後任意に四級化反応によりアンモニウムに変換することができる。ポリマーが形成された後に、アミンを同様にして四級化することもできる。例えば、第三級アミン官能基を、式RXの塩と反応させることによって四級化することができる。ここで、Rは短鎖アルキル基、好ましくは炭素数1〜7のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、Xは四級化アンモニウムと水溶性の塩を形成するアニオンである。
【0074】
好適なカチオンアミノモノマーおよび第四級アンモニウムモノマーとしては、例えばジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル第四級アンモニウム塩で置換されたビニル化合物、およびピリジニウム、イミダゾリウムといった環状カチオン窒素含有環を有するビニル第四級アンモニウムモノマーおよび四級化ピロリドン、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩が挙げられる。
【0075】
これらのモノマーのアルキル部分は、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくは炭素数1または2のアルキル基のような低級アルキル基である。好適なアミン置換ビニルモノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、およびジアルキルアミノアルキルメタクリルアミドが挙げられる。ここでアルキル基は、好ましくは炭素数1〜7のヒドロカルビル基、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
【0076】
このカチオンポリマーは、アミンおよび/または第四級アンモニウム置換モノマーおよび/または相溶性スペーサモノマーから誘導されるモノマー単位の混合物を含むことができる。
【0077】
好適なカチオンポリマーとしては、例えば、1−ビニル−2−ピロリドンおよび1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例えば塩化物)のコポリマー(「CTFA」ではポリクアテリウム−16と呼ばれる)、BASFワイアンドット(BASF Wyandotte Corp.、米国ニュージャージー州、パルシパニー)社より市販されている商品名ルビクアット(LUVIQUAT)(例えば、ルビクアット FC 370);1−ビニル−2−ピロリドンおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(「CTFA」ではポリクアテリウム−11と呼ばれる)、ガフコーポレーション(Gaf Corporation、米国、ニュージャージー州、ウェイン)社より市販されている商品名ガフクアット(GAFQUAT)(例えばガフクアット755N);ジメチルジアリルアンモニウム塩化物ホモポリマーおよびアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウム塩化物コポリマーを含むカチオンジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー、(「CTFA」業界ではポリクアテルニウム6およびポリクアテルニウム7と呼ばれる);米国特許第4,009,256号に記載の3〜5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモポリマーおよびコポリマーのアミノアルキルエステルの鉱酸塩が挙げられる。
【0078】
使用できる他のカチオンポリマーとしては、多糖ポリマー、例えばカチオンセルロース誘導体およびカチオンデンプン誘導体が挙げられる。好適なカチオン多糖ポリマーとしては、次の式を有するものが挙げられる。
【0079】
【化14】

式中、Aはデンプン無水グルコース残基またはセルロース無水グルコース残基などの無水グルコース残基であり、Rは、アルキレンオキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、またはヒドロキシアルキレン基またはこれらの組み合わせである。R22、R23およびR24は、それぞれ独立してアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基、またはアルコキシアリール基から選択され、それぞれの基は18個以下の炭素を含有し、各カチオン部分の炭素総数(すなわちR22、R23およびR24の炭素数の合計)は好ましくは20以下である。Xは前述のようなアニオン対イオンである。
【0080】
カチオンセルロースは、アメルコール社(Amerchol Corp.、米国、ニュージャージー州、エディソン)から商品名ポリマーJRおよびLRシリーズで、ヒドロキシエチルセルロースとトリメチルアンモニウム置換エポキシドを反応させた塩として市販されており、「CTFA」業界ではポリクオタニウム10と呼ばれている。他の型のカチオンセルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロースとラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドを反応させたポリマー第四級アンモニウム塩、「CTFA」業界ではポリクオタニウム24と呼ばれるものが挙げられる。これらの物質は、前記アメルコール社から商品名ポリマーLM−200として市販されている。
【0081】
他のカチオンポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム(ケラネ−ゼ社(Celanese Corp.)から市販されている商品名ジャガーR(JaguarR)シリーズ)のようなカチオングアーゴム誘導体が挙げられる。また、第四級窒素含有セルロースエーテル(例えば米国特許3,962,418に記載されているもの)、およびエーテル化セルロースおよびデンプン(例えば米国特許3,958,581に記載されているもの)が挙げられる。
【0082】
実施形態の毛髪化粧料組成物において、(D)成分である水は、(A)シリコーンエマルジョンと(B)高融点脂肪族化合物(融点25℃以上)および(C1)カチオンコンディショニング剤の分散媒として用いられる。水の配合により、均一な毛髪化粧料組成物を得ることができる。
【0083】
別の実施形態の毛髪化粧料組成物は、0.01〜20重量%の前記(A)シリコーンエマルジョンと、5〜50重量%の(E)洗浄性界面活性剤と、0.1〜20重量%の(C2)コンディショニング剤と、(D)水をそれぞれ含有する。
【0084】
この実施形態において(E)洗浄性界面活性剤は、組成物に洗浄性能を与えることを目的とし、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤およびそれらの混合物から選ばれる界面活性剤を含有する。
【0085】
なお、「洗浄性界面活性剤」という用語は、これらと、主として界面活性剤を乳化する界面活性剤、すなわち乳化の利益を与えかつ低い洗浄性能を有する界面活性剤とを区別することを意図している。しかし、多くの界面活性剤は、洗浄性と乳化性の両方を有するので、乳化性界面活性剤を本発明の洗浄性界面活性剤から除外するものではない。さらに、(E)成分の洗浄性界面活性剤は、前記した(A)成分であるシリコーンエマルジョンに含まれる界面活性剤と同じであっても異なっていてもよい。
【0086】
この(E)洗浄性界面活性剤は、毛髪化粧料組成物の5〜50重量%、好ましくは8〜30重量%、より好ましくは10〜25重量%の割合で含有される。
【0087】
この実施形態において、(C2)コンディショニング剤としては公知のコンディショニング剤を使用することができる。好適する(C2)コンディショニング剤としては、前記したカチオン性界面活性剤、水溶性のカチオン性重合体、脂肪化合物、非揮発性分散シリコーン、炭化水素、プロテインおよびそれらの混合物がある。これらのコンディショニング剤は、毛髪化粧料組成物の0.1〜20重量%の割合で含有される。
【0088】
(D)成分である水は、前記した(A)シリコーンエマルジョンと(E)洗浄性界面活性剤、および(C2)コンディショニング剤の分散媒として用いられる。(D)水の配合により、均一な毛髪化粧料組成物、例えばシャンプー組成物を得ることができる。
【0089】
次に、本発明の毛髪化粧料組成物の別の実施形態について説明する。この実施形態においては、前記(a1)成分であるトリメチロールプロパン誘導体で変性された粘度(25℃)100〜50,000Pa・sのポリオルガノシロキサンを含む(a)ポリオルガノシロキサン成分が、エマルジョン状態ではなく、そのままで公知の添加剤とともに配合されている。
【0090】
(a)成分であるポリオルガノシロキサン成分は、(a1)成分とともに、前記した(a2)成分であるトリメチロールプロパン誘導体で変性された粘度(25℃)0.01〜10Pa・sのポリオルガノシロキサンを含有することができる。(a2)成分の配合量は、(a1)成分100重量部に対して30重量部以下とすることが好ましく、より好ましくは20重量部以下とする。
【0091】
このような(a)成分とともに、公知の添加剤が本発明の効果を阻害しない範囲において配合される。公知の添加剤としては、流動パラフィン、イソパラフィンなどの鉱物油、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシルなどのエステル油、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状シリコーン油、粘度が100mPa・s以下のジメチルシリコーン油などが挙げられる。
【0092】
本発明の実施形態の毛髪化粧料組成物によれば、毛髪に対して優れたコンディショニング効果を発揮し、濡れた髪および乾いた髪に対して優れた滑り感、しっとり感を与え良好な指通り性を実現することができる。
【実施例】
【0093】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表わす。
【0094】
[エマルジョンの調製]
まず、トリメチロールプロパン誘導体で変性されたポリオルガノシロキサンを合成した。
【0095】
(合成例1)
トリメチロールプロパンモノアリルエーテル(TMPME)326gと、両末端ジメチルハイドロジェンポリジメチルシロキサン(重合度10)874gとを、トルエン800gの存在下で塩化白金酸を触媒としてヒドロシリル化反応させた。その後、150℃−20mmHgで1時間ストリッピングを行い、両末端トリメチロールプロパンモノプロピルエーテル変性ポリオルガノシロキサン(合成物S−1)を得た。得られた生成物の粘度(25℃)を測定したところ、0.2Pa.sであった。
【0096】
(合成例2)
合成例1で得られた両末端トリメチロールプロパンモノプロピルエーテル変性ポリジメチルシロキサン(合成物S−1)12gと、オクタメチルテトラシクロシロキサン(D4)1786gとを、水酸化カリウム触媒の存在下、140℃で4時間公知のアルカリ重合法により重合させた。次いで、リン酸で中和を行なった後、150℃−10mmHgで1時間ストリッピングを行い、両末端トリメチロールプロパンモノプロピルエーテル変性ポリオルガノシロキサン(合成物S−2)を得た。得られた生成物の粘度(25℃)を測定したところ、470Pa.sであった。
【0097】
(合成例3)
合成例1で得られた両末端トリメチロールプロパンモノプロピルエーテル変性ポリジメチルシロキサン(合成物S−1)10gと、オクタメチルテトラシクロシロキサン(D4)1788gとを、水酸化カリウム触媒の存在下、140℃で4時間公知のアルカリ重合法により重合させた。次いで、リン酸で中和を行なった後、150℃−10mmHgで1時間ストリッピングを行い、両末端トリメチロールプロパンモノプロピルエーテル変性ポリオルガノシロキサン(合成物S−3)を得た。得られた生成物の粘度(25℃)を測定したところ、100Pa.sであった。
【0098】
(調製例1)
合成物S−1を3.0部と合成物S−2を57.0部とを、70℃で均一に混合した後、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル4.0部とポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル4.0部を加えてさらに70℃で撹拌を1時間続け、系を均一にした。次いで、これに水6.5部を加え、3時間撹拌して転相させ、透明なグリース状とした。その後水25.5部とサリチル酸0.5部を加えて1時間撹拌し、シリコーン分60%の均一なO/W型エマルジョン(E−1)を得た。
【0099】
このエマルジョン(E−1)の粒子径を、粒度分布測定装置(COULTER(株)製;LS100Q)を用い屈折率を1.45に設定して測定したところ、平均粒子径が2.3μmであった。このエマルジョンを50℃で1ヶ月間静置したところ、目視によるエマルジョンの分離は見られなかった。
【0100】
(調整例2)
合成物S−3の60.0部を70℃で均一に混合した後、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル4.0部とポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル4.0部を加えてさらに70℃で撹拌を1時間続け、系を均一にした。次いで、これに水6.0部を加え、3時間撹拌して転相させ、透明なグリース状とした。その後水26.0部とサリチル酸0.5部を加えて1時間撹拌し、シリコーン分60%の均一なO/W型エマルジョン(E−2)を得た。
【0101】
このエマルジョン(E−2)の粒子径を調製例1と同様に測定したところ、平均粒子径が2.6μmであった。このエマルジョンを50℃で1ヶ月間静置したところ、目視によるエマルジョンの分離は見られなかった。
【0102】
(調製例3)
合成物S−1を3.0部、合成物S−2を51.0部、25℃における粘度が1Pa・sでアミノ基含有量0.7%のN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基含有ポリジメチルシロキサン(アモジメチコン)6.0部を、70℃で均一に混合した後、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル3.5部とポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル5.0部を加えてさらに70℃で撹拌を1時間続け、系を均一にした。次いで、これに水6.5部を加え、3時間撹拌して転相させ、透明なグリース状とした。その後、水24.0部とサリチル酸1.0部を加えて1時間撹拌し、シリコーン分60%の均一なO/W型エマルジョン(E−3)を得た。
【0103】
このエマルジョン(E−3)の粒子径を調製例1と同様に測定したところ、平均粒子径が1.8μmであった。このエマルジョンを50℃で1ヶ月間静置したところ、目視によるエマルジョンの分離は見られなかった。
【0104】
(調製例4)
25℃における粘度が500Pa・sのジメチコノール(両末端ジメチルヒドロキシシリル基含有ポリジメチルシロキサン)57.0部と、25℃における粘度が0.1Pa・sのジメチコノール(両末端ジメチルヒドロキシシリル基含有ポリジメチルシロキサン)3.0部を、70℃で均一に混合した後、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル4.0部とポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル4.0部を加えてさらに70℃で撹拌を1時間続け、系を均一にした。次いで、これに水7.0部を加え、3時間撹拌して転相させ、透明なグリース状とした。その後、水24.5部とサリチル酸0.5部を加えて1時間撹拌し、シリコーン分60%の均一なO/W型エマルジョン(E−4)を得た。
【0105】
このエマルジョン(E−4)の粒子径を調製例1と同様に測定したところ、平均粒子径が3.4μmであった。また、このエマルジョンを50℃で1ヶ月間静置したところ、目視によるエマルジョンの分離は見られなかった。
【0106】
(調整例5)
ドデシルベンゼンスルホン酸30部を、脱イオン水455部の中に均一に分散させた。これに、オクタメチルシクロテトラシロキサン500部を添加し、撹拌により予備混合した後、加圧ホモジナイザー(圧力500kgf/cm)で2回処理することにより、オクタメチルシクロテトラシロキサンを含むエマルジョンを得た。このエマルジョンを撹拌しながら85℃で3時間保持し、3時間かけて25℃まで冷却した後、さらに撹拌しながら25℃で10時間反応を行った。次いで、撹拌を続けながら10%炭酸ナトリウム水溶液をpHが7になるまで滴下することにより、重合反応を停止させ、シリコーン分50%の両末端ジメチルヒドロキシリル含有ポリオルガノシロキサン(ジメチコノール)を含むエマルジョンE−5を製造した。このエマルジョン(E−5)の粒子径を調製例1と同様に測定したところ、平均粒子径が0.23μmであった。また、ポリマー粘度は1,200Pa・sであった。
【0107】
なお、ポリマー粘度の測定は次のようにして行った。すなわち、得られたエマルジョン100部にイソプロピルアルコール200部を加えて十分に撹拌し、24時間静置して2層に分離させた後、オイル層のみをシャーレに移し、150℃で45分間オーブンに入れた。こうして、残存するイソプロピルアルコールと水分を完全に蒸発させ、ポリオルガノシロキサンを得た。これを25℃に冷却し、このときの粘度を回転粘度計を用いて測定した。
【0108】
(実施例1〜3,比較例1〜2)[ヘアコンディショナー組成物]
調製例1〜5でそれぞれ得られたシリコーンエマルジョン(E−1)〜(E−5)を用いて、表1に示す組成でヘアコンディショナー組成物を調製した。そして、調製されたヘアコンディショナー組成物について、以下に示す方法および基準にしたがって特性評価を行った。
【0109】
[評価方法]
市販のブリーチ剤を用いて処理した長さ25cmの毛髪10gを、12人のパネリストがそれぞれ40℃の水に浸し、ヘアコンディショナー組成物2gを濡れた髪に塗り広げ、1分後30秒間40℃の水ですすいだ。次いで、ドライヤーで乾燥して毛髪サンプルを作成した。この毛髪サンプルの作成段階で、「すすぎ時のきしみ感の無さ」、「乾燥後のしなやかさ」、および「乾燥後のまとまり感」を、各パネリストに下記の基準で5段階の点数付けを行ってもらい、その平均値を算出した。また、乾燥後の毛髪サンプルをブラシを用いて50回コーミングした後のしなやかさについても、同様に5段階の点数付けを行ってもらい、その平均値を算出した。
【0110】
[評価基準]
5…極めて優れている
4…優れている
3…良い
2…やや劣る
1…劣る
これらの評価結果を表1に示す。
【0111】
【表1】

【0112】
(実施例4〜6,比較例3〜4)[シャンプー組成物]
調製例1〜5でそれぞれ得られたシリコーンエマルジョン(E−1)〜(E−5)を用いて、表2に示す組成でシャンプー組成物を調製した。そして、調製されたシャンプー組成物について、以下に示す方法および基準にしたがって特性評価を行った。
【0113】
[評価方法]
市販のブリーチ剤を用いて処理した長さ25cmの毛髪10gを、12人のパネリストがそれぞれ40℃の水に浸しシャンプー組成物2gで1分間洗浄した後、30秒間40℃の水ですすぎ、ドライヤーで乾燥して毛髪サンプルを作成した。この毛髪サンプルの作成段階で、各パネリストに、「洗浄およびすすぎ時のきしみ感の無さ」および「乾燥後のしなやかさ」を、下記の基準で5段階の点数付けを行ってもらい、その平均値を算出した。
また、乾燥後の毛髪サンプルをブラシを用いて50回コーミングした後のしなやかさについても、同様に5段階の点数付けを行ってもらい、その平均値を算出した。
【0114】
[評価基準]
5…極めて優れている
4…優れている
3…良い
2…やや劣る
1…劣る
これらの評価結果を表2に示す。
【0115】
【表2】

【0116】
(実施例7〜9,比較例5〜6)[リーブオンコンディショナー組成物]
合成例1〜3でそれぞれ得られた変性シリコーン(ポリオルガノシロキサン)(S−1)〜(S−3)とジメチコノール(両末端ジメチルヒドロキシシリル基含有ポリジメチルシロキサン)およびジメチコン(両末端トリメチルシリル基含有ポリジメチルシロキサン)を用い、表3に示す組成でリーブオンコンディショナー組成物を調製した。そして、調製されたリーブオンコンディショナー組成物について、以下に示す方法および基準にしたがって特性評価を行った。
【0117】
[評価方法]
市販のブリーチ剤を用いて処理した長さ25cmの毛髪10gに、リーブオンコンディショナー組成物を1g均一に塗布し、その後ドライヤーで乾燥させて毛髪サンプルを作成した。この毛髪サンプルの「乾燥後のしなやかさ」を、12人のパネリストにより下記の基準で5段階の点数付けを行ってもらい、その平均値を算出した。また、乾燥後の毛髪サンプルをブラシを用いて50回コーミングした後のしなやかさについても、同様に5段階の点数付けを行ってもらい、その平均値を算出した。
【0118】
[評価基準]
5…極めて優れている
4…優れている
3…良い
2…やや劣る
1…劣る
これらの評価結果を表3に示す。
【0119】
【表3】

【0120】
以上の実施例から明らかなように、本発明の毛髪化粧料組成物は、毛髪に対して滑らかでしっとりした感触を付与することができる。特に、洗浄およびすすぎの際のダメージ毛髪に対するきしみ感の改善および滑り感の付与に優れ、乾いた髪に対して優れた指通り性およびしっとり感を与えることができるので、ヘアコンディショナーやシャンプーとして好適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリメチロールプロパン誘導体で変性された25℃における粘度が100〜50,000Pa・sのポリオルガノシロキサン(a1)を含むポリオルガノシロキサン成分(a)
を含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。
【請求項2】
前記(a1)成分を含むポリオルガノシロキサン成分(a)5〜80重量%と、(b)界面活性剤0.5〜50重量%、および(c)水をそれぞれ含むシリコーンエマルジョン
を含有することを特徴とする請求項1記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項3】
前記(a)ポリオルガノシロキサン成分は、前記(a1)トリメチロールプロパン誘導体で変性された25℃における粘度が100〜50,000Pa・sのポリオルガノシロキサンと、(a2)トリメチロールプロパン誘導体で変性された25℃における粘度が0.01〜1Pa・sのポリオルガノシロキサンをそれぞれ含み、かつ前記(a2)成分の配合量が前記(a1)成分100重量部に対して30重量部以下であることを特徴とする請求項1または2記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項4】
前記シリコーンエマルジョンは、平均粒子径が0.5〜20μmのポリオルガノシロキサン粒子を含有することを特徴とする請求項2または3記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項5】
前記シリコーンエマルジョンは、機械乳化エマルジョンであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項6】
前記(a)ポリオルガノシロキサン成分は、25℃における粘度が0.5〜500Pa・sでアミノ基含有量が0.05〜2.0重量%であるN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基含有ポリジメチルシロキサンを、前記(a1)成分と(a2)成分の合計量に対して2〜50重量%の割合で含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項7】
前記(A)シリコーンエマルジョン0.01〜20重量%と、(B)融点が25℃以上の高融点脂肪族化合物0.1〜15重量%と、(C1)カチオンコンディショニング剤0.1〜10重量%、および(D)水をそれぞれ含有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項8】
前記(A)シリコーンエマルジョン0.01〜20重量%と、(E)洗浄性界面活性剤5〜50重量%と、(C2)コンディショニング剤0.1〜20重量%、および(D)水をそれぞれ含有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項記載の毛髪化粧料組成物。

【公開番号】特開2009−155272(P2009−155272A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335678(P2007−335678)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000221111)モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 (257)
【Fターム(参考)】