説明

毛髪着色又は脱色組成物

本発明は毛髪を着色又は脱色するための二部系であり、(i)所望により、酸化性染料を含み、且つ溶媒系と顕色剤にて希釈した際に増粘を誘発するための界面活性剤系とを含む薄いローション、(ii)頭皮を刺激する程度の量の酸化剤を含む顕色剤とを含む。本発明の系では、該ローションは、80%を超えるラメラ相インデックスを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪の着色又は脱色用二部系水性組成物に関する。特に、本発明は、ある種の毛髪着色又は脱色組成物内の酸化剤の存在により引き起こされる感覚刺激の低減に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、毛髪の酸化染色及び脱色は、二部系の使用により実施される。一つ目は、酸化性染料前駆体、高pH緩衝剤及びレオロジー調整剤を含む各種の成分を含む、毛髪染料とも呼ばれるローションであり、二つ目は、好適な安定化された酸化剤を含む顕色剤である。該ローション及び顕色剤を混合すると、脱色/酸化染色の化学反応が開始する。消費者の便宜を計り、典型的に、該2成分は混合しやすいように濃度の低い液体として調合され、いったん混合されると、それらは例えば、ローション、クリーム又はジェルなどの増粘溶液を形成する。
【0003】
毛髪を着色又は脱色するための組成物が、過酸化水素のような酸化剤を含んでいることは周知である。該酸化剤は、主な色素中間体を酸化するだけでなく、毛髪内の天然メラニン色素の一部を破壊する。これらの組成物の有効性は、ある程度は、存在する酸化剤の量に依存することが知られている。使用に際して、高濃度の酸化剤を有する顕色剤は、薄いローションと混合すると、ユーザーの頭皮に感覚刺激を与え、それは刺すような痛み、ヒリヒリする痛み、かゆみ、若しくは焼けるような、といった表現で表わされ得る又はその様な刺激であることが分かっている。酸化剤の量が減少すると、強度又は感覚刺激が一緒に減少又は消失するが、組成物の有効性は低下する。従って、薄い毛髪着色又は脱色用ローションを配合する必要があり、それは頭皮を刺激する量の酸化剤を含む顕色剤と混合した際に、感覚刺激がわずかであるか又は全く無い。
【0004】
毛髪を着色するための酸化性染料使用の手順では、いくつかの属性が望ましい。
【0005】
ローションは、妥当な貯蔵寿命を保証するために、安定していなければならない。
【0006】
ローション及び顕色剤を混合することにより形成した組成物は、ブラシを使ったり指で適用したりする際に毛髪全体に亘って容易に分布できるようなレオロジー性を有していなければならず、しかも着色の間に、毛髪から不快にも滴り落ちたり流れ落ちたりすることを実質的に回避できる。該組成物は、水で毛髪から容易にすすぎ洗いできなければならない。
【0007】
ローション及び顕色剤を混合することにより形成した組成物は、毛髪に適用した際に、染料混合物から毛髪繊維中へと、染料前駆体を素早く拡散させることができなければならない。
【0008】
該ローション及び顕色剤は、混合を容易にするために同程度の粘度を有していることが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。
【0009】
市販の主な毛髪着色剤の増粘機構は、水溶液中で凝集体を形成する両親媒性分子に起因する。これら凝集体の形成及び種別は、両親媒性物質の分子構造、それらの濃度及び周囲環境の性質に依存する。毛髪着色剤内に形成される両親媒性物質の凝集体の最も一般的な形状は、虫の様なミセル又はラメラ相のいずれかである(詳細については、「ポーランド薬理学雑誌(Polish Journal of Pharmacology)」(1999年刊、第51巻、211〜222頁、ISSN1230−6002)を参照のこと)。前者の虫の様な形のミセル増粘毛髪着色剤は、毛髪に適用するための等方性の粘稠ジェルを形成する一方、後者のラメラ相増粘毛髪着色剤は、毛髪に適用するための異方性の粘稠クリーム/ジェルを形成する。いずれの場合も、両親媒性物質を毛髪染料ローション処方物内で大量の溶媒(典型的には、20重量%超える)と共に用いることによって、最初のボトル内での増粘が抑制され、それは、毛髪への適用直前にその場で増粘(希釈増粘)を開始させるために、消費者により、主として水性である顕色剤ボトル内に追加される。
【0010】
虫の様な形のミセル増粘に依存する毛髪着色剤又は脱色剤は、ラメラ相増粘毛髪着色剤と比較すると皮膚の感覚刺激については理想的とは言えないことが現在判明している。ラメラ液晶凝集体が不溶性であれば、それらの存在は、比濁法によって断定できる。毛髪着色剤又は脱色配合物を比較及び対比するために、濁度法が開発された。それは、毛髪染料ローション配合物(それは、ボトル内での増粘を抑制するために大量の溶媒と組合わされた「増粘」両親媒性物質を含む)を脱イオン水で希釈し、加えた水量の関数として濁度値が測定され、顕色剤調合物による希釈を模倣するものである。水を追加することにより濁度値の著しい増加を示す処方は、ラメラ相増粘毛髪着色剤(不透明なクリーム/ジェル)であり、これに対してそのような濁度の増加を示さない処方は、虫の様な形のミセル増粘着色剤(透明ジェル)である。ラメラ相増粘毛髪着色剤又は脱色剤の場合、濁度値が100に到達するために必要な水量(混合物全体に対する加えた水の重量%)が測定され、それを100%から差し引いてラメラ相インデックス値を計算する(ラメラ相インデックス=100%−濁度100になるように加えられた水の重量%)。この方法論については、以下で詳細に記述する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
重要なことは、この濁度法を使用することにより、80%を超えるラメラ相インデックスのラメラ相増粘毛髪ローションが、驚くことに80%未満のラメラ相インデックスのローションより感覚刺激が少ないことが判明した点である。更に、市販の及び検査したすべての毛髪着色剤毛髪染料配合物が、80%未満のラメラ相インデックスを有していることも判明した。しかしながら、重要なことは、インデックスが100%のローションは、安定しているとはいえないことである。従って、本明細書の組成物は、80%〜100%未満、好ましくは80%〜95%、より好ましくは82%〜92%、そして最も好ましくは85%〜90%のラメラ相インデックスを有する。このようなローションを得るためには、用いる溶媒の絶対量だけでなく、用いる溶媒の種別も重要であるということも判明している。意外にも、後述のより小さい重量平均ClogP値を有する、より親水性の溶媒系が、より大きな重量平均ClogP値の、より疎水性の溶媒類に対して、改善された感覚刺激を提供することが判明した。本発明の溶媒系は、0.0未満、好ましくは−0.1未満、より好ましくは−0.3未満の重量平均ClogP値を有する。
【0012】
更に、本発明の毛髪着色剤又は脱色ローションは、好ましくは配合内に必要範囲のモノエタノールアミン(MEA)を有することが判明した。従って、本発明の好ましい毛髪着色剤又は脱色ローションは、3.5重量%未満のMEA、好ましくは3重量%未満のMEA、より好ましくは1重量%未満のMEA、又は6重量%〜20重量%、より好ましくは9重量%〜15重量%のMEAを含む。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施形態では、本発明は毛髪を着色又は脱色するための二部系であり、(i)所望により、染料を含み、且つ溶媒系と顕色剤にて希釈した際に増粘を誘発するための界面活性剤系とを含む薄いローションと、(ii)頭皮を刺激する程度の量の酸化剤を含む顕色剤とを含み、該ローションが80%を超え100%未満のラメラ相インデックスを有することを特徴とする。
【0014】
好ましい実施形態では、本発明系のローションは、0.0未満の重量平均ClogPを有する溶媒系を含み、該ローションは、3重量%未満のモノエタノールアミン(MEA)を含む。
【0015】
他の実施例では、本発明は上述の系を用いた方法であって、増粘された着色又は脱色組成物を生成するために前記ローション及び前記顕色剤を一緒に混ぜ合わせ、前記増粘された着色又は脱色組成物を毛髪に適用し、放置して作用させ、次にすすぎ洗いする方法からなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、(i)ローションと、(ii)顕色剤とを含む、毛髪を着色するための二部系である。
【0017】
1.ローション:
該ローションは、溶媒系、界面活性剤系及び所望により酸化性染料前駆体からなり、該ローションは80%を超え100%未満のラメラ相インデックス値を有する。本明細書のローションは薄く、即ち、それは、0.001〜2Pa・s(1〜2000cps)、好ましくは0.001〜0.5Pa・s(1〜500cps)の粘度を有する(本明細書の全ての粘度は、0.63rad・s(6rpm)にて、T−バーDスピンドルを装着したブルックフィールド(Brookfield)粘度計DV−11+を用いて、25℃にて測定する)。
【0018】
ラメラ相インデックスの決定
毛髪着色剤染料配合物のラメラ相インデックスは、加えた脱イオン水の関数としての濁度値をハンナインスツルメンツ社(Hanna Instruments)(ベッドフォードシャー州、英国)製濁度計LP2000で測定することにより決定する。ラメラ相の増粘された毛髪着色剤の場合、濁度値が100に到達するために必要な水量(混合物全体に対する追加した水の重量%)を測定する。次に、この値を100%から差し引いて、ラメラ相インデックス値を計算する(=100%−濁度が100となるための水の重量%)。濁度計は、取扱説明書の詳細な記述に従い、使用前に較正する。全ての測定は、25℃にて実施した。測定手順は以下の通り。
50mlのビーカーを、エタノールで予めすすぎ洗いすることも含めて、完全に洗浄し、次いで乾燥させる:
1.薄い毛髪着色剤染料20グラム(+/−0.0015g)を直接ビーカーへ計り取る。
2.次に、脱イオン水を該毛髪染料へ滴加し、その後ガラス棒を使って20秒間、一定間隔で攪拌し、該毛髪染料がビーカー底部から完全に除去され、それによって適切に混合される様に特に注意する。推奨する攪拌の間隔は、脱イオン水0.15グラム(+/−0.0500g)の追加後である。必要に応じ、形成される泡を超音波バスを使用して取り除き、毛髪染料が空気に晒されることを回避しなければならない。
3.液体をキュベット内に注ぎ入れることにより、得られた液体10ml(キュベット内の線まで)を直ちにきれいなキュベット内に分与し、次に濁度計に取り付ける。(注意:該キュベットは、エタノールで十分に洗浄し、次に読み出し前に乾燥させる。)
4.約30秒後、濁度の読み取り値を記録し、その後直ちに確認のための第2及び第3の読み取りを行う。
【0019】
1.1−界面活性剤系:
本明細書のローションは、全組成物の2重量%〜30重量%、好ましくは3重量%〜15重量%、最も好ましくは3.5重量%〜10重量%の界面活性剤系を含む。本明細書で使用される界面活性剤系は、顕色剤による希釈時に増粘する系を(溶媒と共に)生成するという主要な機能を有する。上記で検討したように、該界面活性剤系は、感覚刺激を低減又は排除するためには、ローション処方環境内にて、80%を超えるラメラ相インデックス値を提供しなければならない。
【0020】
水溶液中では、ある種の両親媒性分子及び組み合わせが、液体類の中間型の構造であり、ランダム及び結晶であり、立体的に周期的である、ラメラ液晶(ニート相)を形成することが良く知られている。[F.B.ローズヴィアー(F. B. Rosevear)著、「液晶:界面活性剤組成物の中間相」(J. Soc. Cosmetic Chemists、第19巻、581〜594頁)(1968年、8月19日刊)を参照のこと。]このようなラメラ液晶は、並列の二分子層(二重膜と呼ばれる)で構成されており、水中で膨潤し、その内部では親水性の極性先端基が水性環境方向に配向し、疎水性の尾部が中心部方向に配向し、両者とも水性環境から遮蔽されている。水の並列シートが、余分な二重膜を分離し、マルチ二重膜系を生成する。このような二重膜は、小胞(リポソームとも呼ばれる)の形態で分散して存在することが可能で、そこでは該二重膜が球体構造となり、水性空間を取り囲む。単一の二重膜からなるリポソームは、単層小胞体(ULV)と呼ばれ、そして2つ以上の二重膜(タマネギ類似の構造)からなるものは、多層小胞体(MLV)と呼ばれる。ULVは、小さなもの(直径が100nm未満)又は大きなもの(100nmを超える)であり得る。MLVは、直径が100nm〜1mm未満であり得る。
【0021】
本発明の希釈増粘ラメラ相二重膜は、平面シート、単層小胞体及び多層小胞体又はこれらの組み合わせの形態であり得る。
【0022】
多くの両親媒性物質又は界面活性剤は、水溶液内の近隣界面活性剤の充填度に依存する二重膜を形成することが知られている。この充填度は、界面活性剤構造と共に、混合界面活性剤系内の異なる界面活性剤間に存在することが可能な充填相乗作用に影響される。経験則として、臨界充填係数(Φ)は、充填度に影響を与える界面活性剤の構造的特徴を視覚化するために利用することができる。
【0023】
Φ=v/(axL)
式中、vは中心部において疎水基が占める体積であり、aは表面にて親水基が占める断面積であり、そしてLは疎水基の長さである。例えば、該疎水基が嵩高くなると、充填は増大する。また、脂肪族アルコール類(小さいaと、大きなvとL)のような共活性剤を追加することでも、充填が増大することが理解され得る。理論に束縛されるものではないが、充填パラメータ(Φ)は0.5より大きく、1.0以下である必要があると一般に理解されている。もし、Φが0.5未満であれば、ミセルの形成に好適であり、もし、Φが1.0より大であれば、逆ミセルの形成に好適である。
【0024】
ラメラ液晶構造の形成に関与し得る界面活性剤の代表的な分類としては、特定のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、第四級アンモニウム界面活性剤、及び脂質界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
特定の非イオン性界面活性剤とは、約14〜約20個の炭素原子の鎖長を有する、脂肪族アルコール類若しくは脂肪酸類、又はこれらの誘導体類、又はこれらいずれかの混合物である。これらの物質は、主として直鎖又は分岐鎖でもよく、飽和又は一部不飽和であり得る。いくつか例を挙げれば、ミリスチルアルコール、ミリスチン酸、セチルアルコール、パルミチン酸、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、オレイン酸、オレイルアルコール、アラキジルアルコール、アラキン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
他の特定の非イオン性界面活性剤には、C14〜C22の脂肪族の一級又は二級の直鎖又は分岐鎖及び飽和鎖又は不飽和鎖のアルコール類又はフェノール類と、一般に1〜50個のエチレンオキシド基を有する、アルキレンオキシド類、通常はエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。いくつかの実施例には、セテス−1、セテス−2、セテス−3、セテス−4、セテス−5、セテス−6、セテス−10、セテス−12、セテス−14、セテス−15、セテス−16、セテス−20、セテス−24、セテス−25、セテス−30、セテアレス−2、セテアレス−3、セテアレス−4、セテアレス−5、セテアレス−6、セテアレス−7、セテアレス−8、セテアレス−9、セテアレス−10、セテアレス−11、セテアレス−12、セテアレス−13、セテアレス−14、セテアレス−15、セテアレス−16、セテアレス−17、セテアレス−18、セテアレス−20、セテアレス−22、セテアレス−23、セテアレス−24、セテアレス−25、セテアレス−27、セテアレス−28、セテアレス−29、セテアレス−30、ステアレス−2、ステアレス−3、ステアレス−4、ステアレス−5、ステアレス−6、ステアレス−7、ステアレス−8、ステアレス−10、ステアレス−11、ステアレス−13、ステアレス−14、ステアレス−15、ステアレス−16、ステアレス−20、ステアレス−21、ステアレス−25、ステアレス−27、ステアレス−30、アラキデス−20、ベヘネス−5、ベヘネス−10、ベヘネス−20、ベヘネス−25、ベヘネス−30、オレス−2、オレス−3、オレス−4、オレス−5、オレス−6、オレス−7、オレス−8、オレス−9、オレス−10、オレス−11、オレス−12、オレス−15、オレス−16、オレス−20、オレス−23、オレス−25、オレス−30、オレス−40、オレス−44、オレス−50、パレス−3、パレス−9、パレス−12、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。
【0027】
特定のカチオン性界面活性剤としては、第四級アンモニウムハロゲン化合物類、例えば、アルキル基が、約16〜22個の炭素原子を有する、アルキルトリメチルアンモニウムハロゲン化合物類、例えば、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジセチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、及びそれらの他の対応するハロゲン化物の塩類及び水酸化物類が挙げられる。好ましいカチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(CTAC)及びセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)である。フルカ社(Fluka)より入手のCTAB99%、CTAC50%(アクゾ社(Akzo)からのアークヮッド(Arquad)16−50)。好ましくは、カチオン性界面活性剤が、好ましいカチオン性界面活性剤であるCTAC及びCTABと共に、2〜10%で使用される。さらに、モノ−アルキル置換カチオン性界面活性剤を使用する時には、更にコレステロールも使用することが好ましく、この場合、コレステロール対カチオン性界面活性剤の比が、0.1:1.0〜1.0:1.0、より好ましくは0.5:1.0〜1.5:1.0、最も好ましくは0.7:1.0〜1.25:1.0の範囲にある。
【0028】
特定のアニオン性界面活性剤は、C16〜C20のアルキルスルホネート類、アルキルエーテルスルホネート類、アルキルアリールスルホネート類、アルカノイルイセチオネート類、アルキルサクシネート類、アルキルスルホサクシネート類、N−アルコイルサルコシネート類、アルキルホスフェート類、アルキルエーテルホスフェート類、アルキルエーテルカルボキシレート類、及びα−オレフィンスルホネート類、特に、これらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウム及びトリエタノールアミン塩類である。
【0029】
また安定化液晶は、グリセロール及びスフィンゴシンを主体とするようなリン脂質類、又はスフィンゴシンを主体とするような糖脂質のいずれかを含む、脂質界面活性剤から形成されてもよい。リン脂質類は、好ましいリン脂質であるフォスファチジルコリン(レシチン)と共に使用されることが好ましい。アルコール部分の中では、ホスホグリセリド類、セリン、コリン、及びエタノールアミンを含むものが特に好ましく、脂肪鎖の中では、C14〜C24の鎖長を有するものが好ましい。脂肪酸鎖は、分岐又は非分岐、飽和又は不飽和であってよく、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、リノレン酸、リノール酸、及びアラキジン酸が特に好ましい。
【0030】
水性連続層中で液晶を形成するのに好ましい界面活性剤は、非イオン性の種類のものであり、C16〜20の脂肪族アルコール類、C16〜20の脂肪酸類及び1〜30個のエチレンオキシド基を有するC11〜20の脂肪族アルコールエトキシレート類が挙げられる。具体的な例としては、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイン酸、アラキジルアルコール、オレイルアルコール、10〜30個のエチレンオキシド基を有するセテアレスエトキシレート類、10〜30個のエチレンオキシド基を有するセテスエトキシレート類、10〜30個のエトキシレート類を有するステアレスエトキシレート類、2〜15個のエトキシレート類を有するパレスエトキシレート類及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい一実施例では、C16〜20の脂肪族アルコール類とC16〜20の脂肪酸類を、C16〜20の脂肪族アルコールエトキシレート類と、10:1〜0.5:1、より好ましくは6:1〜1:1、最も好ましくは5:1〜1.5:1の比で組み合わせて使用する。別の好ましい一実施例では、C16〜20の不飽和脂肪族アルコール類及びC16〜20の不飽和脂肪酸類を、C16〜20の脂肪族アルコールエトキシレート類及びC11〜15の脂肪族アルコールエトキシレート類と組み合わせて使用する。
【0031】
液晶性二重膜(ニート相)の存在は、偏光顕微鏡を使用し、「石鹸及び合成洗剤の液晶性ニート層及び中間層の顕微鏡検査」(F.B.ローズヴィアー(F. B. Rosevear)著、The Journal of the American Oil Chemists’ Society、第31巻、1954年12月刊)の記載に従い検出することができる。
【0032】
1.2−溶媒系:
本明細書のローション類は、水に加えた溶媒系を含む。本明細書で使用する時、「溶媒系」という用語は、水以外の組成物内のあらゆる溶媒から成る系を意味する。本明細書の溶媒系は、ローションとして十分に薄い液体が得られるように、界面活性剤系の十分な可溶化を維持するという主要な機能を有する。本明細書の溶媒系は、典型的に、組成物の5重量%〜30重量%、好ましくは15重量%〜27重量%にて存在する。上述したように、使用される溶媒系が0.0未満の重量平均ClogPを有する場合に、感覚刺激が更に低減されることが分かった。
【0033】
ClogPスケールは、化合物の疎水性度又は親水性度を特徴付けるための簡便な手段であり、そのオクタノール/水分配係数Pと相互に関連付けられる。化合物のオクタノール/水分配係数は、そのオクタノール中及び水中における平衡濃度間の比である。より大きな分配係数Pを有する化合物は、より疎水性である。逆に、より小さな分配係数Pを有する化合物は、より親水性である。化合物の分配係数は、通常は高い値を有するため、それらは10を底とするそれらの対数、logPの形でより簡便に与えられる。
【0034】
logP値は、STN製「CLOG P」プログラムで計算するのが最も簡便である。このデータベースは、REGISTRYより入手可能な実験及び計算により得られた特性情報を使用する。REGISTRYファイル内には、実験から得た特性についての2種類の出典がある。ケミカル・アブストラクツ・サービス(CAS)及びZIC/VINITI社が作成しインフォケム社(Infochem)が提供するSPRESIデータベースがそれである。REGISTRYファイル内の計算で得られた物理的性質の値は、CASコネクションテーブル及びACD/Labs社(トロント、カナダ)が開発したソフトウェアを使用して決定した。特性情報を計算するために使用するアルゴリズムについての情報は、同社のウェブサイト(http://www.acdlabs.com/)にて入手可能である。
【0035】
本明細書の溶媒系は、好ましくは、その重量平均ClogP、即ちその全成分の重量平均ClogPによって特徴付けられる。ここで、重量平均ClogPは、次の様にして計算することができる。
【0036】
重量平均ClogP=
(溶媒Aの量X溶媒AのClogP)+(溶媒Bの量X溶媒BのClogP)+(溶媒Cの量X溶媒CのClogP)+その他
溶媒Aの量+溶媒Bの量+溶媒Cの量等
これは、溶媒としての水は含まない。本発明の溶媒系は、0.0未満、好ましくは−0.1未満そしてより好ましくは−0.3未満の重量平均ClogPを有する。
【0037】
本明細書の溶媒系に用いるための好適な溶媒としては、アミド類、エステル類、エーテル類、ケトン類、環状アミド類、環状エステル類、環状ケトン類、環状エーテル類、及びその混合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。このような溶媒の非限定実施例には、ギ酸エチル、ジメチルイソソルビド、アセチルアセトン、2−ブタノン、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、エトキシエタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、t−ブチルアルコール、酢酸フェニル、2−プロポキシエタノール、イソプロポキシエタノール、メトキシプロパノール、乳酸イソプロピル、ヘキシルアルコール、ブトキシエタノール、トリプロピレングリコール(PPG−3)、トリアセチン、メトキシエタノール、イソプロピルアルコール、PEG−8、乳酸メチル、PEG−6、PEG−5、PEG−4、N−メチルピロリドン、プロピルアルコール、ジプロピレングリコール(PPG−2)、アセトニトリル、フェノキシエタノール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチルアルコール、γ−ブチロラクトン、ブチレングリコール、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコール、エトキシジグリコール、プロピレングリコール、ピロリドン、ピロリドン−2、メチルアルコール、エチレンカーボネート、エチレングリコール、アセトアミド、グリセリン、ブチルカルビトール、1,3−ジオキソラン、ジメトキシメタン、1,2−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピオンアルデヒド、ジエトキシメタン及びグリセロールフォーマルが挙げられる。
【0038】
本明細書の溶媒系に用いるための好ましい溶媒類としては、低級アルカノール類、C2〜C6ポリオール類、グリコールモノ−低級アルキルエーテル類、ジグリコールモノ−低級−アルキルエーテル類、及びN−低級アルキルピロリドン類が挙げられる。用語「低級」とは、炭素原子数が3以下であることを意味する。具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルカノール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン等の低級ポリオール類;2−メトキシエタノール及び2−エトキシエトキシエタノール等のグリコールモノエーテル類;メトキシジグリコール、エトキシジグリコール等のジグリコールモノ−低級アルキルエーテル類並びにN−メチルピロリドン及びN−エチルピロリドン等のN−低級−アルキルピロリドン類が挙げられる。
【0039】
上述の溶媒類は、ClogPが0未満の重量平均となるのであれば、任意の組み合わせにて使用することができる。
【0040】
1.3−モノエタノールアミン濃度:
本発明の組成物は、少なくとも1つのアルカリ化剤供給源も含む。しかし、本明細書の組成物は、3.5重量%未満、好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満、又は6重量%〜20重量%、より好ましくは9重量%〜15重量%の範囲内のMEAを含んでいることが好ましい。
【0041】
当該技術分野において既知の任意の他の剤、例えばモノエタノールアミン以外のアルカノールアミド類、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及び2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール及びグアニジウム塩が用いられてもよい。特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニウムイオン類供給源を提供するものである。任意のアンモニウムイオン類供給源が、本明細書に用いるのに好適である。好ましい供給源には、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、アンモニア、及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいものは、炭酸アンモニウム及びアンモニアである。
【0042】
本発明の組成物は、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、最も好ましくは約1重量%〜約3重量%のアルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオン類を含んでよい。
【0043】
pH
本発明のローションは、11.0以下のpHを有する。好ましくは、本発明のローションは9〜11、より好ましくは10.5〜11.0のpHを有する。
【0044】
1.4−酸化性染料前駆体:
本明細書のローションは、毛髪脱色ローション又は毛髪着色ローションとして配合することもできる。このような染色ローションは、毛髪に種々の色を与える酸化性毛髪染料前駆体又はこれらの混合物(一次中間体としても知られる)をも含む。これらの前駆体は、後述の顕色剤中に存在する酸化剤によって活性化され、更に分子と反応してより大きな着色複合体を毛幹中に形成する。
【0045】
該ローションは、0〜10%、好ましくは0.1〜5%、そしてより好ましくは0.2〜3%の酸化染料前駆体を含む。該ローション内に存在する酸化性染料前駆体(類)の化学的特性は、ラメラ相インデックスに大きな影響は与えない。
【0046】
前駆体は、単独で又は他の前駆体と組み合わせて用いることができ、1個以上のカップラーを1個以上のカップラーと組み合わせて用いることもできる。カップラー(色調整剤又は二次中間体としても知られる)は、一般に、活性化された前駆体類の存在下で色を形成できる無色の分子類であり、特定の色の効果を生成するため又は色を安定化させるために、他の前駆体又はカップラーと共に使用される。
【0047】
前駆体及びカップラーの選択は、所望の着色の色、色相、及び強度により決定される。前駆体及びカップラーを、本明細書において、単一で又は組み合わせにより用いて、灰色がかったブロンド色から黒までの範囲の多様な色相を有する染料を提供することができる。
【0048】
これらの化合物は、当該技術分野において周知であり、芳香族ジアミン類、アミノフェノール類、及びそれらの誘導体が挙げられる(酸化性染料前駆体の代表的ではあるが非包括的なリストは、「化粧品の科学及び技術(Cosmetic Science and Technology)」(サガリン(Sagarin)著、インターサイエンス社(Interscience)、特別版、第2巻、308〜310頁)に見ることができる)。以下に詳しく述べる前駆体は、例示のためだけのものであり、本明細書の組成物及びプロセスを限定する目的でないことを理解すべきである。
【0049】
組成物にて使用するのに適した本明細書に記載の顕色剤としては、p−フェニレンジアミン誘導体、例えば、ベンゼン−1,4−ジアミン(一般に、p−フェニレンジアミンとして知られている)、2−メチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、2−クロロ−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−フェニル−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2−エトキシエチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2−[(4−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、(一般に、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミンとして知られている)、(2,5−ジアミノ−フェニル)−メタノール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン、2−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール、N−(4−アミノフェニル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2,6−ジメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、2−イソプロピル−ベンゼン−1,4−ジアミン、1−[(4−アミノフェニル)アミノ]−プロパン−2−オール、2−プロピル−ベンゼン−1,4−ジアミン、1,3−ビス[(4−アミノフェニル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロパン−2−オール、N4,N4,2−トリメチルベンゼン−1,4−ジアミン、2−メトキシ−ベンゼン−1,4−ジアミン、1−(2,5−ジアミノフェニル)エタン−1,2−ジオール、2,3−ジメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド、2,6−ジエチルベンゼン−1,4−ジアミン、2,5−ジメチルベンゼン−1,4−ジアミン、2−チエン−2−イルベンゼン−1,4−ジアミン、2−チエン−3−イルベンゼン−1,4−ジアミン、2−ピリジン−3−イルベンゼン−1,4−ジアミン、1,1’−ビフェニル−2,5−ジアミン、2−(メトキシメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2−(アミノメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2−(2,5−ジアミノフェノキシ)エタノール、N−[2−(2,5−ジアミノフェノキシ)エチル]−アセトアミド、N,N−ジメチルベンゼン−1,4−ジアミン、N,N−ジエチルベンゼン−1,4−ジアミン、N,N−ジプロピルベンゼン−1,4−ジアミン、2−[(4−アミノフェニル)(エチル)アミノ]エタノール、2−[(4−アミノ−3−メチル−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、N−(2−メトキシエチル)−ベンゼン−1,4−ジアミン、3−[(4−アミノフェニル)アミノ]プロパン−1−オール、3−[(4−アミノフェニル)−アミノ]プロパン−1,2−ジオール、N−{4−[(4−アミノフェニル)アミノ]ブチル}ベンゼン−1,4−ジアミン、及び2−[2−(2−{2−[(2,5−ジアミノフェニル)−オキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]ベンゼン−1,4−ジアミン;1,3−ビス(N(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール;2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン;N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン(phenylinediamine);p−アミノフェノール誘導体で例えば、4−アミノ−フェノール(一般に、p−アミノフェノールとして知られている)、4−メチルアミノ−フェノール、4−アミノ−3−メチル−フェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチル−フェノール、4−アミノ−2−メチル−フェノール、4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(2’−ヒドロキシエチルアミノメチル)ベンゼン、4−アミノ−2−メトキシメチル−フェノール、5−アミノ−2−ヒドロキシ−安息香酸、1−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジオール、4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェノール、4−アミノ−3−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−3−フルオロ−フェノール、4−アミノ−2−(アミノメチル)−フェノール、4−アミノ−2−フルオロ−フェノール;1−ヒドロキシ−2,4−ジアミノベンゼン;1−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)−2,4−ジアミノベンゼン;2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール;o−フェニレンジアミン誘導体、例えば、3,4−ジアミノ安息香酸及びこれらの塩;o−アミノフェノール誘導体、例えば、2−アミノ−フェノール(一般に、o−アミノフェノールとして知られている)、2,4−ジアミノフェノール、2−アミノ−5−メチル−フェノール、2−アミノ−6−メチル−フェノール、N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド、及び2−アミノ−4−メチル−フェノール;並びに複素環誘導体類、例えば、ピリミジン−2,4,5,6−テトラミン(一般に、2,4,5,6−テトラアミノピリジンとして知られている)、1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール、N2,N2−ジメチル−ピリジン−2,5−ジアミン、2−[(3−アミノ−6−メトキシピリジン−2−イル)アミノ]エタノール、6−メトキシ−N2−メチル−ピリジン−2,3−ジアミン、2,5,6−トリアミノピリミジン−4(1H)−オン、ピリジン−2,5−ジアミン、1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(4−メチルベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(ベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(4−クロロベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、ピラゾロ[1,5−a]−ピリミジン−3,7−ジアミン、5,6,7−トリメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩、7−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩、2,5,6,7−テトラメチル(teramethyl)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩、5,7−ジ−tert−ブチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩、5,7−ジ−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩、2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン塩酸塩;4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン;1−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン;並びに1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾールサルフェートが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0050】
追加の顕色剤は、N−(3−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;N−チオフェン−3−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;N−(2−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;4−ヒドロキシ安息香酸(2,5−ジアミノ−ベンジリデン)−ヒドラジド;3−(2,5−ジアミノ−フェニル)−N−エチル−アクリルアミド;2−[3−(3−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[3−(4−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−ピリジン−2−イル−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[3−(4−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[3−(3−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;3−(2,5−ジアミノ−フェニル)−N−エチル−アクリルアミド;2−チアゾール−2−イル−ベンゼン−1,4−ジアミン;4−ヒドロキシ安息香酸(2,5−ジアミノ−ベンジリデン)−ヒドラジド;3’−フルオロ−ビフェニル−2,5−ジアミン;2−プロペニル−ベンゼン−1,4−ジアミン;2’−クロロ−ビフェニル−2,5−ジアミン;N−チオフェン−3−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;N−(3−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;4’−メトキシ−ビフェニル−2,5−ジアミン;N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−メチル−5−[(1−H−ピロール−2−イルメチル)−アミノ]−フェノール;5−[(フラン−2−イルメチル)−アミノ]−2−メチル−フェノール;5−イソプロピルアミノ−2−メチル−フェノール;ビフェニル−2,4,4’−トリアミン塩酸塩;5−(4−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−フェニルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;2−[4−アミノ−2−(3,5−ジアミノ−ベンジルアミノ)−フェノキシ]−エタノール塩酸塩;5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−(2−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−フラン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、2−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;4−アミノ−2−プロピルアミノメチル−フェノール塩酸塩;N−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−[4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−アクリルアミド塩酸塩;4−アミノ−2−(イソプロピルアミノ−メチル)−フェノール塩酸塩;4−チオフェン−3−イル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−フェニルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;4−チオフェン−3−イル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;2’,4’−ジアミノ−ビフェニル−4−オール塩酸塩;5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール;5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール;4−アミノ−2−(ピリジン−3−イルアミノメチル)−フェノール;5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−アリルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−ベンジル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;3−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;N−(4−メトキシ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;4−アミノ−2−[(2−ヒドロキシ−5−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;2’,4’−ジアミノ−ビフェニル−4−オール塩酸塩;ビフェニル−2,4,4’−トリアミン;5−(4−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;2−[4−アミノ−2−(3,5−ジアミノ−ベンジルアミノ)−フェノキシ]−エタノール塩酸塩;5−アリルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−ベンジル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;3−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;N−(2−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−(4−メトキシ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、N−フラン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、2−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−[4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−アクリルアミド塩酸塩;4−アミノ−2−プロピルアミノメチル−フェノール塩酸塩;4−アミノ−2−(イソプロピルアミノ−メチル)−フェノール塩酸塩;4−アミノ−2−[(2−ヒドロキシ−5−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;2−メチル−5−[(1−H−ピロール−2−イルメチル)−アミノ]−フェノール;5−[(フラン−2−イルメチル)−アミノ]−2−メチル−フェノール;5−イソプロピルアミノ−2−メチル−フェノール;5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール;4−アミノ−2−(ピリジン−3−イルアミノメチル)−フェノール;及び5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール;からなる群から選択される。
【0051】
好ましい顕色剤としては、p−フェニレンジアミン誘導体、例えば、2−メチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;ベンゼン−1,4−ジアミン;1−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール;2−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール;N−(2−メトキシエチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[(4−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール;1−(2,5−ジアミノフェニル)エタン−1,2−ジオール;1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン;1,3−ビス(N(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール;2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン;N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン(phenylinediamine);及びこれらの混合物;p−アミノフェノール誘導体、例えば:4−アミノ−フェノール、4−メチルアミノ−フェノール、4−アミノ−3−メチル−フェノール、4−アミノ−2−メトキシメチル−フェノール;1−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジオール;1−ヒドロキシ−2,4−ジアミノベンゼン;1−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)−2,4−ジアミノベンゼン;4−アミノ−2−アミノメチルフェノール;2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール;4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(2’−ヒドロキシエチルアミノメチル)ベンゼン;1−メトキシ−2−アミノ−4−(2’−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン;5−アミノサリチル酸及びこれらの塩;及びこれらの混合物;o−フェニレンジアミン誘導体、例えば、3,4−ジアミノ安息香酸及びこれらの塩;o−アミノフェノール誘導体、例えば、2−アミノ−フェノール、2−アミノ−5−メチル−フェノール、2−アミノ−6−メチル−フェノール、N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド;2−アミノ−4−メチル−フェノール;及びこれらの混合物;及び複素環誘導体、例えば、ピリミジン−2,4,5,6−テトラミン;1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール;1−(4−メチルベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−(ベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;N2,N2−ジメチル−ピリジン−2,5−ジアミン;4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン;1−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン;及び1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾールサルフェート;及びこれらの混合物、が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0052】
より好ましい顕色剤には、2−メチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;ベンゼン−1,4−ジアミン;N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン;4−アミノ−フェノール;4−メチルアミノ−フェノール;4−アミノ−3−メチル−フェノール;1−ヒドロキシ−2,4−ジアミノベンゼン;2−アミノ−フェノール;2−アミノ−5−メチル−フェノール;2−アミノ−6−メチル−フェノール;1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾールサルフェート;2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
本明細書に記載の組成物中での使用に適したカップラーとしては、フェノール類、レゾルシノール及びナフトール誘導体類、例えば、ナフタレン−1,7−ジオール、ベンゼン−1,3−ジオール、4−クロロベンゼン−1,3−ジオール、ナフタレン−1−オール、2−メチル−ナフタレン−1−オール、ナフタレン−1,5−ジオール、ナフタレン−2,7−ジオール、ベンゼン−1,4−ジオール、2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール、7−アミノ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−スルホン酸、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1,5−ジオール、2−クロロ−ベンゼン−1,3−ジオール、4−ヒドロキシ−ナフタレン−1−スルホン酸、ベンゼン−1,2,3−トリオール、ナフタレン−2,3−ジオール、5−ジクロロ−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール、4,6−ジクロロベンゼン−1,3−ジオール、2,3−ジヒドロキシ−[1,4]ナフトキノン;及び1−アセトキシ−2−メチルナフタレン;m−フェニレンジアミン、例えば、2,4−ジアミノフェノール、ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エタノール、2−[(3−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、2−メチル(mehyl)−ベンゼン−1,3−ジアミン、2−[[2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エチル]−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、4−{3−[(2,4−ジアミノフェニル)オキシ]プロポキシ}ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−フェニル)−エタノール、2−(3−アミノ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−エタノール、4−(2−アミノ−エトキシ)−ベンゼン−1,3−ジアミン、(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−酢酸、2−[2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノキシ]−エタノール、4−エトキシ−6−メチル−ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−5−メチル−フェノキシ)−エタノール、4,6−ジメトキシ−ベンゼン−1,3−ジアミン、2−[3−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェニルアミノ]−エタノール、3−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン−1−オール、N−[3−(ジメチルアミノ)フェニル]尿素、4−メトキシ−6−メチルベンゼン−1,3−ジアミン、4−フルオロ−6−メチルベンゼン−1,3−ジアミン、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4,6−ジメトキシフェニル}−アミノ)エタノール、3−(2,4−ジアミノフェノキシ)−プロパン−1,2−ジオール、2−[2−アミノ−4−(メチルアミノ)−フェノキシ]エタノール、2−[(5−アミノ−2−エトキシ−フェニル)−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]−エタノール、2−[(3−アミノフェニル)アミノ]エタノール、2,4−ジアミノ−5−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)トルエン;N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン;N−(2−アミノエチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、4−{[(2,4−ジアミノ−フェニル)オキシ]メトキシ}−ベンゼン−1,3−ジアミン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン;及び2,4−ジメトキシベンゼン−1,3−ジアミン;m−アミノフェノール類、例えば、3−アミノ−フェノール、2−(3−ヒドロキシ−4−メチル−フェニルアミノ)−アセトアミド、2−(3−ヒドロキシ−フェニルアミノ)−アセトアミド、5−アミノ−2−メチル−フェノール、5−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェノール、5−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール、3−アミノ−2−メチル−フェノール、3−アミノ−2−クロロ−6−メチル−フェノール、5−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノール、2−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ)−フェノール、5−アミノ−4−クロロ−2−メチル−フェノール、3−シクロペンチルアミノ−フェノール、5−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メトキシ−2−メチルフェノール、5−アミノ−4−メトキシ−2−メチルフェノール、3−(ジメチルアミノ)フェノール、3−(ジエチルアミノ)フェノール、5−アミノ−4−フルオロ−2−メチルフェノール、5−アミノ−4−エトキシ−2−メチルフェノール、3−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール、3−[(2−メトキシエチル)アミノ]フェノール、3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェノール、5−アミノ−2−エチル−フェノール、5−アミノ−2−メトキシフェノール、5−[(3−ヒドロキシ−プロピル)アミノ]−2−メチルフェノール、3−[(3−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−アミノ]プロパン−1,2−ジオール、3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−メチルフェノール;1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ−ベンゼン;1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン;1−ヒドロキシ−2−メチル−5−アミノ−6−クロロベンゼン;並びに複素環誘導体類、例えば、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−オール、4−メチル−2−フェニル−2,4−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン、6−メトキシキノリン−8−アミン、4−メチルピリジン−2,6−ジオール、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−オール、1,3−ベンゾジオキソール−5−オール、2−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルアミノ)エタノール、3,4−ジメチルピリジン−2,6−ジオール、5−クロロピリジン−2,3−ジオール、2,6−ジメトキシピリジン−3,5−ジアミン、1,3−ベンゾジオキソール−5−アミン、2−{[3,5−ジアミノ−6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]オキシ}−エタノール、1H−インドール−4−オール、5−アミノ−2,6−ジメトキシピリジン−3−オール、1H−インドール−5,6−ジオール、1H−インドール−7−オール、1H−インドール−5−オール、1H−インドール−6−オール、6−ブロモ−1,3−ベンゾジオキソール−5−オール、2−アミノピリジン−3−オール、ピリジン−2,6−ジアミン、3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)オキシ]プロパン−1,2−ジオール、5−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)オキシ]ペンタン−1,3−ジオール、1H−インドール−2,3−ジオン、インドリン−5,6−ジオール、3,5−ジメトキシピリジン−2,6−ジアミン、6−メトキシピリジン−2,3−ジアミン;3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−アミン;4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、1H−5−メチルピラゾール−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、2,6−ジメチル[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール、6−メチルピラゾロ−[1,5−a]ベンゾイミダゾール、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、5−メチルピラゾロ[5,1−e]−1,2,3−トリアゾール、5−メチル−6−クロロピラゾロ[5,1−e]−1,2,3,−トリアゾール、5−フェニルピラゾロ[5,1−e]−1,2,3−トリアゾール及びその付加塩、1H−2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾールトシラート、7,8−ジシアノ−4−メチルイミダゾロ−[3,2−a]イミダゾール、2,7−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−オン、2,5−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン、及び2−メチル−5−メトキシメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン;6−ヒドロキシベンゾモルホリン;及び3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン;1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン−2,4−ジヒドロ−5,2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オンが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0054】
好ましいカップラー類としては、フェノール、レゾルシノール及びナフトール誘導体類、例えば、ナフタレン−1,7−ジオール、ベンゼン−1,3−ジオール、4−クロロベンゼン−1,3−ジオール、ナフタレン−1−オール、2−メチル−ナフタレン−1−オール、ナフタレン−1,5−ジオール、ナフタレン−2,7−ジオール、ベンゼン−1,4−ジオール、2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール、及び2−イソプロピル−5−メチルフェノール;1,2,4−トリヒドロキシベンゼン;1−アセトキシ−2−メチルナフタレン;及びこれらの混合物;m−フェニレンジアミン誘導体類、例えば、ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エタノール、4−{3−[(2,4−ジアミノフェニル)オキシ]プロポキシ}ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(3−アミノ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−エタノール、2−[2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノキシ]−エタノール、及び3−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン−1−オール;2,4−ジアミノ−5−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)トルエン;N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン;2,4−ジアミノ−5−フルオロトルエンサルフェート水和物(fluorotoluenesulfatehydrate);1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン;及びこれらの混合物;m−アミノフェノール誘導体類、例えば、3−アミノ−フェノール、5−アミノ−2−メチル−フェノール、5−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェノール、及び3−アミノ−2−メチル−フェノール;1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン;1−ヒドロキシ−3−アミノ−2,4−ジクロロベンゼン;1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン;1−ヒドロキシ−2−メチル−5−アミノ−6−クロロベンゼン;5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール;及びこれらの混合物;並びに複素環誘導体類、例えば、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−オール、4−メチル−2−フェニル−2,4−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン、1,3−ベンゾジオキソール−5−オール、1,3−ベンゾジオキソール−5−アミン、1H−インドール−4−オール、1H−インドール−5,6−ジオール、1H−インドール−7−オール、1H−インドール−5−オール、1H−インドール−6−オール、1H−インドール−2,3−ジオン、ピリジン−2,6−ジアミン、2−アミノピリジン−3−オール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、1H−5−メチルピラゾール−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、2,6−ジメチル[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール、6−メチルピラゾロ−[1,5−a]ベンゾイミダゾール;2,6−ジヒドロキシピリジン;2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン;6−ヒドロキシベンゾモルホリン;2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン;3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン;3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン;1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン−2,4−ジヒドロ−5,2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オン;及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0055】
より好ましいカップラーとしては、ベンゼン−1,3−ジオール;4−クロロベンゼン−1,3−ジオール;2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール;ベンゼン−1,3−ジアミン;3−アミノ−フェノール;5−アミノ−2−メチル−フェノール;1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン;4−メチル−2−フェニル−2,4−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン;2−アミノピリジン−3−オール;1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン;1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン−2,4−ジヒドロ−5,2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オン;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0056】
毛髪染料組成物は、一般的に、約0.001%〜約10%の染料を含む。例えば、低強度の染色、例えば自然な金髪から薄い茶色の毛髪の色相を提供する組成物は、一般に着色組成物の約0.001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1重量%の前駆体及びカップラーを含む。より暗い色相、例えば茶色及び黒は、典型的には、0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約7重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%の前駆体及びカップラーを含む。
【0057】
該ローションが、脱色ローションである実施例では、酸化性染料が存在しない。ローションの代わりに、活性脱色種を生成し、繊維組織への浸透を手助けする顕色剤のpHを上昇させ及び緩衝するアルカリ化剤供給源のみを提供する。
【0058】
2−顕色剤:
該顕色剤は、水性マトリックス内に頭皮を刺激する程度の量の酸化剤を含む。本明細書の顕色剤は更に、0.001〜5Pa・s(1〜5000cps)、好ましくは0.001〜0.5Pa・s(1〜500cps)の粘度を有し(本明細書の全ての粘度は、6rpmにて、T−バーDスピンドルを装着したブルックフィールド(Brookfield)粘度計DV−11+を用いて、25℃にて測定する)、ローションと混合前の粘度は、酸化環境で耐久性のある、通常の増粘剤を使用して調整する。
【0059】
2.1−酸化剤:
本発明の顕色剤は、頭皮を刺激する程度の量の酸化剤を含む。本明細書に用いるのに好ましい酸化剤は、水溶性過酸素酸化剤である。本明細書で定義される時、「水溶性」とは、標準状態で、少なくとも0.1g、好ましくは1g、より好ましくは10gの前記酸化剤が1リットルの脱イオン水に溶解され得ることを意味する。酸化剤は、初期の可溶化及びメラニン脱色にとって有益であり、並びに毛幹中での酸化性染料前駆体の重合(酸化染色)を促進する。
【0060】
好ましい水溶性酸化剤は、水溶液中に過酸化水素を生成できる無機過酸素物質である。水溶性過酸素酸化剤は、当該技術分野において周知であり、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム、及び有機過酸化物、例えば過酸化尿素、メラミン過酸化物、及び無機過水和物塩の脱色化合物、例えば過ホウ酸塩、過炭酸、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらの無機過水和物塩類は、一水和物、四水和物等として組み込まれてもよい。所望であれば、2つ以上のこうした酸化剤の混合物も用いることができる。本発明の組成物に用いるために好ましいものは、過酸化水素、過炭酸塩、過硫酸塩及びこれらの組み合わせである。
【0061】
酸化剤の例としては、過酸化水素、ペルオキシ尿素、ペルオキシメラミン、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウムが挙げられるが、過酸化水素が、特に好ましい。
【0062】
本発明によれば、該組成物は3%を超える活性度、好ましくは3.5%を超える活性度、最も好ましくは4.5%を超える活性度の酸化剤を含む。
【0063】
本明細書で使用される別の好ましい活性剤は、ペルオキシモノカーボネートイオン類供給源である。好ましくは、このような供給源は、過酸化水素供給源及び炭酸水素塩イオン供給源からその場形成される。このような酸化剤が、9.5以下、好ましくは7.5〜9.5、最も好ましくは約9のpHにおいて、特に効果的であることが判明した。更に、この系は又、アンモニア又はアンモニウムイオン類の供給源と組み合わせると特に効果的である。この酸化剤は、毛髪を所望の色に着色すること、特に、優れたふんわり感の送達を改善できるとともに、一方で、臭気、皮膚及び頭皮の刺激並びに毛髪繊維へのダメージを大幅に低減することが明らかとなった。
【0064】
従って、これらのイオン類の任意の供給源を利用してよい。本明細書に用いるのに好適な供給源には、炭酸イオン、カルバミン酸イオン、及びヒドロ炭酸塩イオン、及びこれらの混合物のナトリウム、カリウム、グアニジン、アルギニン、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウム塩類、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。過炭酸塩もまた、炭酸イオン類及び酸化剤の両方の供給源を提供するために使用されてもよい。カーボネートイオン類、カルバメート及びヒドロ炭酸塩イオン類の好ましい供給源は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモニウムカルバメート、及びこれらの混合物である。
【0065】
本発明によると、該組成物は、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約1重量%〜約8重量%の炭酸水素塩イオン及び約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%、最も好ましくは約2重量%〜約5重量%の過酸化水素供給源を含む。
【0066】
2.2−アルカリ化剤供給源:
本発明によると、組成物は更に、少なくとも1つのアルカリ化剤供給源、好ましくはアンモニウムイオン類供給源及び/又はアンモニア供給を含む。当該技術分野において既知のいずれかの剤、例えばアルカノールアミド、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1プロパノール、及び2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、及びグアニジウム塩が用いられてもよい。特に、好ましいアルカリ化剤は、アンモニウムイオン類供給源を提供するものである。任意のアンモニウムイオン類供給源が、本明細書に用いるのに好適である。好ましい供給源には、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸塩、アンモニア、及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、アンモニア、及びこれらの混合物である。
【0067】
本発明の組成物は、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、最も好ましくは約1重量%〜約3重量%のアルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオン類を含んでよい。
【0068】
2.3−PH:
本発明の顕色剤は、3.5以下のpHを有する。好ましくは、本発明の顕色剤は、2.4〜3.1のpHを有している。
【0069】
2.4−追加成分:
本発明の組成物としては、酵素類、ラジカルスカベンジャー類、コンディショニング剤類、担体類、酸化防止剤(例えば、エリソルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、酢酸トコフェロール、トコフェロール)、安定剤類、キレート剤類、パーマ用活性物質、香料、還元剤類(チオ乳酸)、毛髪膨潤剤類及び/又はポリマー類を含む追加成分が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0070】
80%超のラメラ相インデックスがローション処方環境内で得られる様に、該界面活性剤系には、更に他の様々な界面活性剤を用いることができる。これには、多数の種類の非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び双極性界面活性剤が含まれる。
【0071】
使用してよい様々な非イオン性界面活性剤には、トリデセス−6、セテス−10、ラウレス−9、オクトキシノール−9、ノノキシノール−12、ポロキサマー、トリデセス−12、オレス−20及びポリソルベート−20、が挙げられるが、これらに限定するものではない。数多くの他の非イオン性界面活性剤は、「マカッチャンの乳化剤及び洗剤(McCutcheon's Emulsifiers and Detergents)」(北米及び国際版、MCパブリッシング社(MC Publishing Co.)(ニュージャージー州グレンロック(Glen Rock))、235〜246頁、1993年刊)に例示されている。
【0072】
様々なカチオン性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ココアミドプロピルジメチルアミンオキシド、ステアルアミドプロピルジメチルアミン、C14〜20のイソアルキルアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、C18〜22のイソアルキルアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、コカミドプロピルジモニウムヒドロキシプロピルアミノ動物性タンパク質加水分解物、ヒドロキシアントラキノンアミノプロピルメチルモルホリニウムメトサルフェート、オレアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、菜種アミドプロピルベンジルジモニウムクロライド、菜種アミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、リシノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、ソヤミドプロピルベンジルジモニウムクロライド、ソヤミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、ステアラミドプロパルコニウムクロリド、ステアルアミドプロピルセテアリルジモニウムトシレート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0073】
様々なアニオン性界面活性剤には、アルキルサルフェート類、アルキルエーテルサルフェート類、アルキルアミドサルフェート類、アルキルアミド(alkylaminde)エーテルサルフェート類、アルキルエーテルスルホネート類、アルキルアミドスルホネート類、アルキルカーボネート類のサルフェートエステル類、アルキルエーテルカルボキシレート類、脂肪酸類、石鹸類、アルキルスルホサクシネート類、アルキルエーテルスルホサクシネート類、アルキルアミドスルホサクシネート類、サルコシネート類、アルキルホスフェート類、オクトキシノール又はノノキシノールホスフェート類、タウレート類、脂肪族タウリド類(fatty taurides)、サルフェート化モノグリセリド、脂肪酸アミドポリオキシエチレンサルフェート類、イセチオネート類、及びこれらの混合物として知られている部類の化合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。通常、アニオン性界面活性剤は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム又はヒドロキシアルキルアンモニウム塩の形態で、中和塩として組成物内に存在し、ここでアルキル部分は、1〜約3個の炭素原子を含む。
【0074】
様々な両性界面活性剤としては、ココアミドプロピルジメチルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココジメチルベタイン、ココイミダゾリンジカルボキシレート、ココイミダゾリンモノカルボキシレート、ココベタイン、ラピリウムクロライド、ラウリルスルタイン、デシルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、タロウアミドプロピルベタイン、カプロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホプロピルスルホン酸ナトリウム、CTFA化粧品成分ハンドブック(初版、1988年刊)の9、10、15、16頁に記載されている数多くの他のアルキルアミドアルキルアミン類及びベタイン類が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0075】
使用可能なその他多くの様々な非イオン性、カチオン性、アニオン性及び両性界面活性剤が、「マカッチャンの乳化剤及び洗剤」(1993年版年鑑、マカッチャン・デビジョン発行、MC出版社(MC Publication Co.)(グレンロック、ニュージャージー州)刊)及びCTFAハンドブックに記載されている。
【0076】
本発明によると、該組成物はラジカルスカベンジャーの供給源を更に含むことが可能である。本明細書で使用する時、用語「ラジカルスカベンジャー」は、反応性ラジカル、好ましくは炭酸塩ラジカル類と反応して、該反応性ラジカルを一連の速い反応によって、より反応性の低い種に変換させることのできる種である。
【0077】
本明細書に用いるのに好適なラジカルスカベンジャーには、次の一般式:
(I): R1−Y−C(H)(R3)−R4−(C(H)(R5)−Y−R6n
[式中、Yは、NR2、O、又はSであり、好ましくはNR2であり、nは0〜2であり、R4は一価又は二価であり、(a)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル、一価若しくは多価不飽和アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、ヘテロ脂肪族、若しくはヘテロオレフィン系、(b)置換若しくは非置換の、単環式若しくは多環式の脂肪族、アリール、若しくは複素環系、又は(c)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−若しくはペル−フルオロアルキル系から選択され;(a)、(b)、及び(c)の系は、1〜12個の炭素原子並びにO、S、N、P、及びSiから選択される0〜5個のヘテロ原子を含み;R4は、R3若しくはR5に結合して5、6、若しくは7員環を生成することができ;R1、R2、R3、R5、及びR6は一価であり、独立して本明細書の以上に記載された(a)、(b)及び(c)又はHから選択される]による化合物が挙げられる。
【0078】
好ましくは、R4は、(a)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、ヘテロ脂肪族、若しくはヘテロオレフィン系、(b)置換若しくは非置換の、単環式若しくは多環式の脂肪族、アリール、若しくは複素環系、又は(c)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−若しくはペル−フルオロアルキル系から選択され;より好ましくは、R4は、(a)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、若しくはヘテロ脂肪族系、(b)置換若しくは非置換の、アリール、若しくは複素環系、又は(c)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−若しくはペル−フルオロアルキル系から選択され;より好ましくは、置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル又はヘテロアルキル系から選択される。
【0079】
好ましくは、本明細書に上述された、(a)、(b)、及び(c)のR4系は、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜4個の炭素原子、及び0〜3個のへテロ原子;好ましくは0〜2個のへテロ原子;最も好ましくは0〜1個のへテロ原子を含む。該系が、へテロ原子を含有する時、好ましくは、それらは1個のへテロ原子を含有する。好ましいへテロ原子には、O、S、及びNが挙げられ、より好ましいのはO、及びNであり、最も好ましいのはOである。
【0080】
好ましくは、R1、R2、R3、R5、及びR6は、上記のR4について定義された系のいずれかから、及びHから独立して選択される。
【0081】
別の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6基のいずれかは置換されている。好ましくは、置換基(類)は、(a)(i)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分枝鎖の、アルキル、一価若しくは多価不飽和アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、ヘテロ脂肪族(heteroaliphatic)、若しくはヘテロオレフィン系(heteroolefinic systems)、(ii)置換若しくは非置換の、単環式若しくは多環式の脂肪族、アリール、若しくは複素環系、又は(iii)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−若しくはペル−フルオロアルキル系から成り、(i)、(ii)、及び(iii)の前記系は、1〜10個の炭素原子並びにO、S、N、P、及びSiから選択される0〜5個のヘテロ原子を含むC結合一価置換基の群;(b)SA1、SCN、SO21、SO31、SSA1、SOA1、SO2NA12、SNA12、及びSONA12から成るS結合一価置換基の群;(c)OA1、OCN及びONA12から成るO結合一価置換基の群;(d)NA12、(NA123+、NC、NA1OA2、NA1SA2、NCO、NCS、NO2、N=NA1、N=NOA1、NA1CN、NA1NA23から成るN結合一価置換基の群;(e)COOA1、CON3、CONA12、CONA1COA2、C(=NA1)NA12、CHO、CHS、CN、NC、及びXから成る一価置換基の群;並びに(f)1〜12個の炭素原子及び0〜4個のヘテロ原子を含む、モノ−、ポリ−、又はペル−フルオロアルキル系から成るフルオロアルキル一価置換基から成る群から選択される。
【0082】
上述の(b)〜(e)の群に関して、A1、A2及びA3は一価であり、独立して、(1)H、(2)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分枝鎖の、アルキル、モノ−若しくは多価不飽和アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、ヘテロ脂肪族、若しくはヘテロオレフィン系、(3)置換又は非置換の、単環若しくは多環式の脂肪族、アリール、若しくは複素環式系、又は(4)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−若しくはペル−フルオロアルキル系から選択され;前記(2)(3)及び(4)の系は1〜10個の炭素原子とO、S、N、P及びSiから選択される0〜5個のヘテロ原子とを含み;並びに式中、XはF、Cl、Br及びIから成る群から選択されるハロゲンである。
【0083】
本明細書に用いるのに好ましい置換基には、ハメット・シグマ・パラ(Hammett Sigma Para)(σp)値−0.65〜+0.75、好ましくは−0.4〜+0.5を有するものが挙げられる。ハメット・シグマ値(Hammett Sigma Values)は、有機化学−反応、機構、及び構造(Advanced Organic Chemistry−Reactions,Mechanisms and Structure)(ジェリー・マーチ(Jerry March)著、第5版(2001年)、368〜375ページ)に記載されている。
【0084】
本明細書に用いるのに好適な別のラジカルスカベンジャーは、一般式(II)による化合物である:
【0085】
【化1】

(式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は独立して、H、COO-+、Cl、Br、SO3-+、NO2、OCH3、OH、又はC1〜C10の一級若しくは二級アルキルから選択され、MはH若しくはアルカリ金属のいずれかである)による化合物である。好ましくは、上述されたラジカルスカベンジャーは、ヒドロキシ基(hydroxy goup)のプロトン化を確実にするために8.5を超えるpKaを有する。
【0086】
本明細書に用いるのに好適なその他のラジカルスカベンジャーには、(III)ベンジルアミン、イミダゾール、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、ヒドロキノン、グアニン、ピラジン、ピペリジン、モルホリン、メチルモルホリン、2−メトキシエチルアミン(2methyoxyethylamine)、及びこれらの混合物の群から選択されるものが挙げられる。
【0087】
本発明による好ましいラジカルスカベンジャーは、アルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸のエステル、及びこれらの混合物の部類から選択される。特に好ましい化合物は、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−2−ペンタノール、1−アミノ−3−ペンタノール、1−アミノ−4−ペンタノール、3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール、3−アミノプロパン−1,2−ジオール、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、ザルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、及びこれらの混合物、並びにそれらのカリウム、ナトリウム、及びアンモニウム塩のような塩、並びにこれらの混合物である。特に好ましい化合物は、グリシン、ザルコシン、リジン、セリン、2メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペルジン、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール、及びこれらの混合物である。
【0088】
本発明によるラジカルスカベンジャーは、ラジカルスカベンジャーの毛髪繊維中への侵入を促進するために、好ましくは約500未満、好ましくは約300未満、より好ましくは約250未満の分子量を有する。本発明の組成物は、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%のラジカルスカベンジャーを含む。ラジカルスカベンジャーはまた、好ましくは、アルカリ化剤と同一の種ではないように選択される。本発明の1つの実施形態によると、ラジカルスカベンジャーは、毛髪繊維への適用前に毛髪染色組成物中でその場形成されてもよい。
【0089】
本発明の別の実施例では、本発明の系を用いた毛髪の着色方法が提供され、増粘された着色組成物を生成するために前記ローション及び前記顕色剤を一緒に混ぜ合わせ、前記増粘された着色組成物を毛髪に適用し、放置して作用させ、次にすすぎ洗いする。本明細書で用いる増粘された着色組成物は、7〜25Pa・s(7,000〜25,000cps)、好ましくは8〜15Pa・s(8,000〜15,000cps)、最も好ましくは10〜12Pa・s(10,000〜12,000cps)の粘度を有する。
【0090】
加えて、本発明の組成物は、コンディショニング剤を含む組成物を含んでもよく、又はそれとの組み合わせにおいて用いられてもよい。本明細書に用いるのに好適なコンディショニング剤は、シリコーン物質、アミノシリコーン、脂肪族アルコール、ポリマー樹脂、ポリオールカルボン酸エステル、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤、不溶性の油及び油に由来する物質、並びにこれらの混合物から選択される。追加の物質には、鉱油及びその他の油、例えばグリセリン及びソルビトールが挙げられる。
【0091】
コンディショニング剤は、一般に組成物の約0.05重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.2重量%〜約2重量の濃度で用いられる。
【0092】
本発明によると、組成物はキレート化剤を含んでよい。キレート化剤は、当該技術分野において周知であり、各々が金属イオンとキレートを形成できる分子又は異なる分子の混合物を指す。キレート化剤は、当該技術分野において周知であり、その非包括的なリストは、AE・マーテル(AE Martell)及びRM・スミス(RM Smith)著、「臨界安定度定数(Critical Stability Constants)」(第1巻、プレナム出版社(Plenum Press)(ニューヨーク&ロンドン(1974年))、並びにAE・マーテル(AE Martell)及びRD・ハンコック(RD Hancock)著、「水溶液中の金属錯体(Metal Complexes in Aqueous Solution)」(プレナム出版社(Plenum Press)(ニューヨーク&ロンドン)、1996年刊)に見出すことができ、両者共、本明細書に参考として組み込まれる。
【0093】
本明細書に用いるのに好適なキレート化剤の例には、EDDS(エチレンジアミン二コハク酸)、カルボン酸(特に、アミノカルボン酸)、ホスホン酸(特に、アミノホスホン酸)、及びポリリン酸(特に、直鎖ポリリン酸)、それらの塩及び誘導体が挙げられる。
【0094】
キレート化剤は、本発明の組成物中に安定剤及び/又は防腐剤として組み込まれてもよい。加えて、キレート化剤は、毛髪繊維の損傷に効果を提供し、従ってそれらは本発明の毛髪損傷の様相を更に改善するために使用されることが判明している。本発明のキレート化剤の濃度は、ジアミン−N,N’−ジポリ酸及びモノアミンモノアミド−N,N’−ジポリ酸キレート化剤(例えばEDDS)のような最も有効なキレート化剤を例として、約0.1%、好ましくは少なくとも約0.25%を超え、より好ましくは約0.5%の低さであってもよい。有効性の低いキレート化剤は、キレート化剤の有効性によって、より好ましくは、組成物の少なくとも約1重量%、更により好ましくは約2重量%を超える濃度で用いられる。約10%の高さの濃度を用いることもできるが、この濃度を超えると、著しい処方の問題が生じる場合がある。
【実施例】
【0095】
以下の実施例にて、本発明を説明する。
【0096】
以下に示すローションは、別個の成分を混合することにより調製される。これら4種類のローションは、市販の顕色剤(4.5%の過酸化水素水を含む、体積30のナイス’Nイージー(Nice 'N Easy)(登録商標))と別個に混合され、指先により毛髪に完全に組み込むことにより、人の毛髪を着色する4種類の異なるゲル化した毛髪着色組成物が調製される。
【0097】
【表1】

【0098】
臨床試験では、人の前腕に置いた毛髪着色製品の感覚効果を評価する。次に、パネリストは、確立した基準を使用して製品をランク付けする。高い得点は、感覚刺激が大きいことを意味する。組成物1は、本発明によるものではない。それは、わずか25%のラメラ相インデックスを有し、臨床試験で高い点数を獲得する。組成物2も又、本発明によるものではない。それは、100のラメラ相インデックスを有し、該テストで低い点数を獲得するが、不安定である。組成物3及び4は、本発明のものであり、それらは該試験にて許容可能な点数を獲得し、安定している。
【0099】
本発明の更なる処方例を以下に示す:
【0100】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪を着色又は脱色するための二部系であり、
(i)所望により、酸化性染料前駆体を含み、且つ溶媒系と顕色剤にて希釈した際に増粘を誘発するための界面活性剤系とを含む薄いローションと、(ii)頭皮を刺激する程度の量の酸化剤を含む顕色剤とを含み、前記ローションが80%を超え100%未満のラメラ相インデックスを有することを特徴とする、毛髪を着色又は脱色するための二部系。
【請求項2】
前記ローションが、80%〜95%のラメラ相インデックスを有する、請求項1に記載の系。
【請求項3】
前記顕色剤が、酸化剤として過酸化水素を含む、請求項1又は2に記載の系。
【請求項4】
前記顕色剤が、3.0%を超える過酸化水素、好ましくは3.5%を越える過酸化物、より好ましくは4.5%を越える過酸化物を含む、請求項3に記載の系。
【請求項5】
前記ローション内の溶媒系が主として親水性である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の系。
【請求項6】
前記溶媒系が、0未満の重量平均ClogPを有する、請求項5に記載の系。
【請求項7】
前記ローションが、5%〜30%の溶媒、より好ましくは15%〜27%の溶媒を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の系。
【請求項8】
前記ローションが、3.5重量%未満のMEA、好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満、又は6重量%〜20重量%、より好ましくは9重量%〜15重量%のMEAを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の系。
【請求項9】
前記ローション及び前記顕色剤が、各々0.001〜5Pa・s(1〜5000cPs)の粘度を有し、前記ローション及び前記顕色剤の混合物から得られる着色組成物が、7〜25Pa・s(7,000及び25,000cPs)の粘度を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の系。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の系を用いた毛髪の着色又は脱色方法であって、増粘された着色又は脱色組成物を生成するために前記ローション及び前記顕色剤を一緒に混ぜ合わせ、前記増粘された着色又は脱色組成物を毛髪に適用し、放置して作用させ、次にすすぎ洗いする、毛髪の着色又は脱色方法。

【公表番号】特表2008−503502(P2008−503502A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516847(P2007−516847)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/022437
【国際公開番号】WO2006/002362
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】