気中設置型横型ポンプ
【要約書】
【課題】 特に、高い揚程（圧力）の流体移送が必要な場所において好適に用いることができる気中設置型横型ポンプを提供する。
【解決手段】２段またはそれ以上の多段で羽根車１４，１６を同軸的に水平回転軸１８に固着し、この水平回転軸１８の中間部に軸封装置３４を取り付けた気中設置型横型ポンプにおいて、最終羽根車ケーシング１２内に配置された羽根車１６と、最終羽根車ケーシング１２と流路２４を介して連通連結される１つ前の羽根車ケーシング１０に配置された羽根車１４とを背中合わせに配設し、最終羽根車ケーシング１２内に配置された羽根車１６の羽根取付面を軸封装置３４に対向させると共に、軸封装置３４側に吸引口３０を設ける。
【課題】 特に、高い揚程（圧力）の流体移送が必要な場所において好適に用いることができる気中設置型横型ポンプを提供する。
【解決手段】２段またはそれ以上の多段で羽根車１４，１６を同軸的に水平回転軸１８に固着し、この水平回転軸１８の中間部に軸封装置３４を取り付けた気中設置型横型ポンプにおいて、最終羽根車ケーシング１２内に配置された羽根車１６と、最終羽根車ケーシング１２と流路２４を介して連通連結される１つ前の羽根車ケーシング１０に配置された羽根車１４とを背中合わせに配設し、最終羽根車ケーシング１２内に配置された羽根車１６の羽根取付面を軸封装置３４に対向させると共に、軸封装置３４側に吸引口３０を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、流体移送、特に、セメント工場、汚泥処理現場のフィルタプレスへのスラリー供給ポンプ、トンネル工事用汚泥移送ポンプ、工場廃液移送ポンプなど高い揚程度（圧力）の流体移送が必要な場所において好適に用いることができる気中設置型横型ポンプに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、図３に示すように、地上に横置状態で設置される気中設置型横型ポンプBは、モータ１００の水平回転軸１０１に羽根車１０２を取り付け、モータ１００の軸封装置１０４（メカニカルシール等）側に最高圧力が加わる構造となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかし、従来の気中設置型横型ポンプBは、羽根車１０２の羽根取付面がモータ１００の水平回転軸１０１の中間部に設けた軸封装置１０４側に向けて圧力を発生するように設けられ、その圧力が軸封装置１０４に加わる構造となっているため、最高揚程は軸封装置１０４の耐圧力により制限されていた。
特に、高濃度の沈殿スラリーを外部に排出するに際しては、スラリーが高濃度を有することから、軸封装置１０４が受ける負荷がさらに増大し、軸封装置１０４の寿命を短くするおそれがある。
本発明は、上記した従来の問題点を解決するためなされたものであり、軸封装置に作用する圧力を軽減して、より高揚程を発生することができる気中設置型横型ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
（１）本発明は、２段またはそれ以上の多段で羽根車を同軸的に水平回転軸に固着し、この水平回転軸の中間部に軸封装置を取り付けた気中設置型横型ポンプにおいて、最終羽根車ケーシング内に配置された羽根車と、最終羽根車ケーシングと流路を介して連通連結される１つ前の羽根車ケーシングに配置された羽根車とを背中合わせに配設し、最終羽根車ケーシング内に配置された羽根車の羽根取付面を軸封装置に対向させると共に、軸封装置側に吸引口を設けたことを特徴とする。
ここで、最終羽根車ケーシング内に配置された羽根車の羽根取付面に取り付けた羽根の向きは、その１つ前の羽根車ケーシングに配置された羽根車との羽根取付面に取り付けた羽根の向きと逆になる。
【０００５】
（２）本発明に係る気中設置型横型ポンプは、単段で羽根車を水平回転軸に固着し、水平回転軸の中間部に軸封装置を取り付けた気中設置型横型ポンプにおいて、羽根車ケーシング内に配置された羽根車の羽根取付面を軸封装置に対向させると共に、軸封装置側に吸引口を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【０００６】
このように、多段の気中設置型横型ポンプに係る上記した発明（１）では、最終羽根車ケーシング内に配置された羽根車の羽根取付面を、軸封装置側に設けた吸引口を通して、軸封装置と対向するようにしたので、軸封装置には第１段羽根車（２段羽根車の場合）によって発生する圧力のみが作用するため、軸封装置に作用する圧力を軽減することができる、従って、第１段、第２段の羽根車が羽根の向きを除いて同一構造を有するとして、ポンプの最高揚程は、（軸封装置の耐圧力×２）とすることができるので、より高揚程のポンプを構成することができ、ひいては液の輸送距離を延長することができる。
また、ポンプの揚程を従来のポンプBと同様にした場合には、軸封装置に作用する圧力は２分の１に軽減されることになり、軸封装置の寿命を延ばすことができるため、メンテナンス頻度及びコストを低減することができる。
また、上記した単段の気中設置型横型ポンプに係る本発明（２）では、羽根車の吸い込み側が軸封装置と対向するように取り付けたので、軸封装置には羽根車によって発生する圧力は軸封装置には作用しないので、羽根車の発生する圧力に制限がなくなるため、より高揚程のポンプを構成することができると共に、軸封装置の寿命を伸ばすことができるため、メンテナンス頻度及びコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
以下、添付図面に示す幾つかの実施の形態を参照しつつ、本発明をより詳細に説明する。
（第１実施例）
まず、本実施例に係る気中設置型横型ポンプＡの構成について、図１を参照して説明する。なお、本実施例は、気中設置型横型ポンプＡが２段羽根車構造を具備する場合である。
図示するように、本実施例では、それぞれ第１段羽根車ケーシング部（１つ前の羽根車ケーシング）１０と第２段羽根車ケーシング部（最終段羽根車ケーシング）１２を形成する複合ケーシング１３に囲繞された第１段羽根車１４と第２段羽根車１６が同軸的にモータ１７の水平回転軸１８に固着されており、図中左側ケーシングである第１段羽根車ケーシング部１０の吐出口２０と図中右側ケーシングである第２段羽根車ケーシング部１２の吸引口２２とは流路２４を介して連通連結されている。また、第２段羽根車ケーシング部１２の吸引口２２は第２段羽根車ケーシング部１２の中央部の一側方（図中左側）に開口している。
第２段羽根車ケーシング部１２の一側方（図中では左側）には、筒状の支持枠２６を介してモータ１７が連設されており、モータ１７は架台１１によって地上に支持されている。モータ１７の水平回転軸１８は、筒状の支持枠２６、第２段羽根車ケーシング部１２の吸引口２２、第１段羽根車ケーシング部１０の底部を貫通して同ケーシング１０の中央部に設けた吸引口３０内に伸延している。また、回転軸１８の中間部には、メカニカルシール等の軸封装置３４が取り付けられている。
【０００８】
上記した構成を有する気中設置型横型ポンプＡにおいて、本実施例は、第２段羽根車ケーシング部１２内に配置された第２段羽根車１６と、第２段羽根車ケーシング部１２と流路２４を介して連通連結される第１段羽根車ケーシング部１０に配置された第１段羽根車１４とを背中合わせに配設し、かつ、第２段羽根車ケーシング部１２内に配置された第２段羽根車１６の羽根取付面を軸封装置３４に対向させると共に、軸封装置３４側に吸引口２２を設けたことを特徴とする。なお、図中、３６は第２段羽根車ケーシング部１２の上方周縁部に設けられ、図示しない排出管に接続される吐出口である。
ここで、第２段羽根車ケーシング部１２内に配置された第２段羽根車１６の羽根取付面に取り付けた羽根の向きは、第１段羽根車ケーシング部１０に配置された第１段羽根車１４との羽根取付面に取り付けた羽根の向きと逆になっている。
【０００９】
次に、上記した構成を有する気中設置型横型ポンプＡの作動について説明する。モータ１７の駆動による第１段羽根車１４及び第２段羽根車１６の回転によって、例えば、高濃度のスラリーが吸引口３０を通して第１段羽根車ケーシング部１０内に流入し、その後、多段に設けられた第１段羽根車１４及び第２段羽根車１５の回転によって昇圧され、その後、スラリーは第１段羽根車ケーシング部１０、流路２４、第２段羽根車ケーシング部１２、吐出口３６、排出管を通して所望の箇所まで移送されることになる。
この際、本実施例に係る気中設置型横型ポンプＡでは、第２段羽根車ケーシング部１２内に配置された第２段羽根車１６の羽根取付面を軸封装置３４と対向させると共に、軸封装置側に吸引口２２を設けたので、軸封装置３４には第１段羽根車１４によって発生する圧力のみが作用するため、軸封装置３４に作用する圧力を軽減することができる、従って、第１段、第２段羽根車１４，１６が羽根の向きを除いて同一構造を有するとして、ポンプの最高揚程は、（軸封装置の耐圧力×２）とすることができるので、より高揚程のポンプを構成することができ、ひいては液の輸送距離を延長することができる。
また、ポンプの揚程を従来のポンプBと同様にした場合には、軸封装置３４に作用する圧力は２分の１に軽減されることになり、軸封装置３４の寿命を延ばすことができるため、メンテナンス頻度及びコストを低減することができる。
また、本実施例に係る気中設置型横型ポンプＡは、吸引口３０を第１段羽根車ケーシング部１０の中央に配設し、モータ１７の水平回転軸１８を吸引口３０内に伸延させるようにしているので、流路２４を外部に膨出させることなく形成することができ、複合ケーシング１３を小型かつ突起のない簡単な構造することができ、容易に成形でき安価に製造できると共に、気中設置型横型ポンプＡも小型化でき、小さな設置スペースでも容易に設置することができる。
【００１０】
（第２実施例）
まず、本実施例に係る気中設置型横型ポンプＡ１の構成について、図２を参照して説明する。なお、本実施例は、気中設置型横型ポンプＡ１が単段羽根車構造を具備する場合である。
図示するように、本実施例では、単段の羽根車ケーシング５０に囲繞された羽根車５２がモータ５４の水平回転軸５６に固着されており、羽根車ケーシング５０の吸引口５８は羽根車ケーシング５０の中央部の一側方（図面では左側）に開口している。
羽根車ケーシング５０の一側方（図面では左側）には、筒状の支持枠６０を介してモータ５４が連設されており、モータ５４は架台５５を介して地上に横置き状態に設置されている。モータ５４の水平回転軸５６は、筒状の支持枠６０、羽根車ケーシング５０の吸引口５８、羽根車ケーシング５０に設けた流路形成用ケーシング６２の中央部底面を貫通して同ケーシング６２に設けた吸引口６４内に伸延している。また、回転軸５６の基端であってモータ５４の近傍には、メカニカルシール等の軸封装置６８が取り付けられている。
【００１１】
上記した構成を有する気中設置型横型ポンプＡ１において、本実施例は、羽根車ケーシング５０内に配置された羽根車５２の羽根取付面を軸封装置６８に対向させると共に、軸封装置６８側に吸引口５８を設けたことを特徴とする。
なお、図中、７０は羽根車ケーシング５０の周縁部に設けられ、図示しない排出管に接続される吐出口である。
【００１２】
次に、上記した構成を有する気中設置型横型ポンプＡ１の作動について説明する。モータ５４の駆動による羽根車５２の回転によって、例えば、高濃度のスラリーが流路形成用ケーシング６２の吸引口３０、流路６５及び羽根車ケーシング５０の吸引口５８を通して羽根車ケーシング５０内に流入し、その後、羽根車５２の回転によって昇圧される。その後、スラリーは吐出口70及び排出管を通して所望の箇所まで移送されることになる。
この際、本実施例に係る気中設置型横型ポンプＡ１では、羽根車ケーシング５０内に配置された羽根車５２の羽根取付面を軸封装置６８に対向させると共に、軸封装置６８側に吸引口５８を設けたことを特徴とする。
このように、本実施例では、羽根車５２の吸い込み側を軸封装置６８と対向するように取り付けたので、軸封装置６８にはスラリーの圧力が作用しないので、羽根車５２の発生する圧力に制限がなくなるため、より高揚程のポンプを構成することができると共に、軸封装置６８の寿命を伸ばすことができるため、メンテナンス頻度及びコストを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【００１３】
本発明に係る気中設置型横型ポンプは、特に、高い揚程度（圧力）の流体移送が必要な場所において好適に用いることができる気中設置型横型ポンプに関する
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の第１実施例に係る気中設置型横型ポンプの設置状態を説明する正面図。
【図２】本発明の第２実施例に係る気中設置型横型ポンプの設置状態を説明する平面図。
【図３】従来の気中設置型横型ポンプの設置状態を説明する平面図。
【符号の説明】
【００１５】
Ａ：気中設置型横型ポンプ
Ａ１：気中設置型横型ポンプ
Ｂ：気中設置型横型ポンプ
１０： 第１段羽根車ケーシング部
１２： 第２段羽根車ケーシング部
１３：複合ケーシング
１４：第1段羽根車
１６：第２段羽根車
１７：モータ
１８：水平回転軸
２０：吐出口
２２：吸引口
２４：流路
２６：支持枠
３０：吸引口
３４：軸封装置
３６：吐出口
５０：羽根車ケーシング
５２：羽根車
５４：モータ
５６：水平回転軸
５８：吸引口
６０：支持枠
６２：流路形成用ケーシング
６４：吸引口
６５：流路
６８：軸封装置
７０：吐出口
【技術分野】
【０００１】
本発明は、流体移送、特に、セメント工場、汚泥処理現場のフィルタプレスへのスラリー供給ポンプ、トンネル工事用汚泥移送ポンプ、工場廃液移送ポンプなど高い揚程度（圧力）の流体移送が必要な場所において好適に用いることができる気中設置型横型ポンプに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、図３に示すように、地上に横置状態で設置される気中設置型横型ポンプBは、モータ１００の水平回転軸１０１に羽根車１０２を取り付け、モータ１００の軸封装置１０４（メカニカルシール等）側に最高圧力が加わる構造となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかし、従来の気中設置型横型ポンプBは、羽根車１０２の羽根取付面がモータ１００の水平回転軸１０１の中間部に設けた軸封装置１０４側に向けて圧力を発生するように設けられ、その圧力が軸封装置１０４に加わる構造となっているため、最高揚程は軸封装置１０４の耐圧力により制限されていた。
特に、高濃度の沈殿スラリーを外部に排出するに際しては、スラリーが高濃度を有することから、軸封装置１０４が受ける負荷がさらに増大し、軸封装置１０４の寿命を短くするおそれがある。
本発明は、上記した従来の問題点を解決するためなされたものであり、軸封装置に作用する圧力を軽減して、より高揚程を発生することができる気中設置型横型ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
（１）本発明は、２段またはそれ以上の多段で羽根車を同軸的に水平回転軸に固着し、この水平回転軸の中間部に軸封装置を取り付けた気中設置型横型ポンプにおいて、最終羽根車ケーシング内に配置された羽根車と、最終羽根車ケーシングと流路を介して連通連結される１つ前の羽根車ケーシングに配置された羽根車とを背中合わせに配設し、最終羽根車ケーシング内に配置された羽根車の羽根取付面を軸封装置に対向させると共に、軸封装置側に吸引口を設けたことを特徴とする。
ここで、最終羽根車ケーシング内に配置された羽根車の羽根取付面に取り付けた羽根の向きは、その１つ前の羽根車ケーシングに配置された羽根車との羽根取付面に取り付けた羽根の向きと逆になる。
【０００５】
（２）本発明に係る気中設置型横型ポンプは、単段で羽根車を水平回転軸に固着し、水平回転軸の中間部に軸封装置を取り付けた気中設置型横型ポンプにおいて、羽根車ケーシング内に配置された羽根車の羽根取付面を軸封装置に対向させると共に、軸封装置側に吸引口を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【０００６】
このように、多段の気中設置型横型ポンプに係る上記した発明（１）では、最終羽根車ケーシング内に配置された羽根車の羽根取付面を、軸封装置側に設けた吸引口を通して、軸封装置と対向するようにしたので、軸封装置には第１段羽根車（２段羽根車の場合）によって発生する圧力のみが作用するため、軸封装置に作用する圧力を軽減することができる、従って、第１段、第２段の羽根車が羽根の向きを除いて同一構造を有するとして、ポンプの最高揚程は、（軸封装置の耐圧力×２）とすることができるので、より高揚程のポンプを構成することができ、ひいては液の輸送距離を延長することができる。
また、ポンプの揚程を従来のポンプBと同様にした場合には、軸封装置に作用する圧力は２分の１に軽減されることになり、軸封装置の寿命を延ばすことができるため、メンテナンス頻度及びコストを低減することができる。
また、上記した単段の気中設置型横型ポンプに係る本発明（２）では、羽根車の吸い込み側が軸封装置と対向するように取り付けたので、軸封装置には羽根車によって発生する圧力は軸封装置には作用しないので、羽根車の発生する圧力に制限がなくなるため、より高揚程のポンプを構成することができると共に、軸封装置の寿命を伸ばすことができるため、メンテナンス頻度及びコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
以下、添付図面に示す幾つかの実施の形態を参照しつつ、本発明をより詳細に説明する。
（第１実施例）
まず、本実施例に係る気中設置型横型ポンプＡの構成について、図１を参照して説明する。なお、本実施例は、気中設置型横型ポンプＡが２段羽根車構造を具備する場合である。
図示するように、本実施例では、それぞれ第１段羽根車ケーシング部（１つ前の羽根車ケーシング）１０と第２段羽根車ケーシング部（最終段羽根車ケーシング）１２を形成する複合ケーシング１３に囲繞された第１段羽根車１４と第２段羽根車１６が同軸的にモータ１７の水平回転軸１８に固着されており、図中左側ケーシングである第１段羽根車ケーシング部１０の吐出口２０と図中右側ケーシングである第２段羽根車ケーシング部１２の吸引口２２とは流路２４を介して連通連結されている。また、第２段羽根車ケーシング部１２の吸引口２２は第２段羽根車ケーシング部１２の中央部の一側方（図中左側）に開口している。
第２段羽根車ケーシング部１２の一側方（図中では左側）には、筒状の支持枠２６を介してモータ１７が連設されており、モータ１７は架台１１によって地上に支持されている。モータ１７の水平回転軸１８は、筒状の支持枠２６、第２段羽根車ケーシング部１２の吸引口２２、第１段羽根車ケーシング部１０の底部を貫通して同ケーシング１０の中央部に設けた吸引口３０内に伸延している。また、回転軸１８の中間部には、メカニカルシール等の軸封装置３４が取り付けられている。
【０００８】
上記した構成を有する気中設置型横型ポンプＡにおいて、本実施例は、第２段羽根車ケーシング部１２内に配置された第２段羽根車１６と、第２段羽根車ケーシング部１２と流路２４を介して連通連結される第１段羽根車ケーシング部１０に配置された第１段羽根車１４とを背中合わせに配設し、かつ、第２段羽根車ケーシング部１２内に配置された第２段羽根車１６の羽根取付面を軸封装置３４に対向させると共に、軸封装置３４側に吸引口２２を設けたことを特徴とする。なお、図中、３６は第２段羽根車ケーシング部１２の上方周縁部に設けられ、図示しない排出管に接続される吐出口である。
ここで、第２段羽根車ケーシング部１２内に配置された第２段羽根車１６の羽根取付面に取り付けた羽根の向きは、第１段羽根車ケーシング部１０に配置された第１段羽根車１４との羽根取付面に取り付けた羽根の向きと逆になっている。
【０００９】
次に、上記した構成を有する気中設置型横型ポンプＡの作動について説明する。モータ１７の駆動による第１段羽根車１４及び第２段羽根車１６の回転によって、例えば、高濃度のスラリーが吸引口３０を通して第１段羽根車ケーシング部１０内に流入し、その後、多段に設けられた第１段羽根車１４及び第２段羽根車１５の回転によって昇圧され、その後、スラリーは第１段羽根車ケーシング部１０、流路２４、第２段羽根車ケーシング部１２、吐出口３６、排出管を通して所望の箇所まで移送されることになる。
この際、本実施例に係る気中設置型横型ポンプＡでは、第２段羽根車ケーシング部１２内に配置された第２段羽根車１６の羽根取付面を軸封装置３４と対向させると共に、軸封装置側に吸引口２２を設けたので、軸封装置３４には第１段羽根車１４によって発生する圧力のみが作用するため、軸封装置３４に作用する圧力を軽減することができる、従って、第１段、第２段羽根車１４，１６が羽根の向きを除いて同一構造を有するとして、ポンプの最高揚程は、（軸封装置の耐圧力×２）とすることができるので、より高揚程のポンプを構成することができ、ひいては液の輸送距離を延長することができる。
また、ポンプの揚程を従来のポンプBと同様にした場合には、軸封装置３４に作用する圧力は２分の１に軽減されることになり、軸封装置３４の寿命を延ばすことができるため、メンテナンス頻度及びコストを低減することができる。
また、本実施例に係る気中設置型横型ポンプＡは、吸引口３０を第１段羽根車ケーシング部１０の中央に配設し、モータ１７の水平回転軸１８を吸引口３０内に伸延させるようにしているので、流路２４を外部に膨出させることなく形成することができ、複合ケーシング１３を小型かつ突起のない簡単な構造することができ、容易に成形でき安価に製造できると共に、気中設置型横型ポンプＡも小型化でき、小さな設置スペースでも容易に設置することができる。
【００１０】
（第２実施例）
まず、本実施例に係る気中設置型横型ポンプＡ１の構成について、図２を参照して説明する。なお、本実施例は、気中設置型横型ポンプＡ１が単段羽根車構造を具備する場合である。
図示するように、本実施例では、単段の羽根車ケーシング５０に囲繞された羽根車５２がモータ５４の水平回転軸５６に固着されており、羽根車ケーシング５０の吸引口５８は羽根車ケーシング５０の中央部の一側方（図面では左側）に開口している。
羽根車ケーシング５０の一側方（図面では左側）には、筒状の支持枠６０を介してモータ５４が連設されており、モータ５４は架台５５を介して地上に横置き状態に設置されている。モータ５４の水平回転軸５６は、筒状の支持枠６０、羽根車ケーシング５０の吸引口５８、羽根車ケーシング５０に設けた流路形成用ケーシング６２の中央部底面を貫通して同ケーシング６２に設けた吸引口６４内に伸延している。また、回転軸５６の基端であってモータ５４の近傍には、メカニカルシール等の軸封装置６８が取り付けられている。
【００１１】
上記した構成を有する気中設置型横型ポンプＡ１において、本実施例は、羽根車ケーシング５０内に配置された羽根車５２の羽根取付面を軸封装置６８に対向させると共に、軸封装置６８側に吸引口５８を設けたことを特徴とする。
なお、図中、７０は羽根車ケーシング５０の周縁部に設けられ、図示しない排出管に接続される吐出口である。
【００１２】
次に、上記した構成を有する気中設置型横型ポンプＡ１の作動について説明する。モータ５４の駆動による羽根車５２の回転によって、例えば、高濃度のスラリーが流路形成用ケーシング６２の吸引口３０、流路６５及び羽根車ケーシング５０の吸引口５８を通して羽根車ケーシング５０内に流入し、その後、羽根車５２の回転によって昇圧される。その後、スラリーは吐出口70及び排出管を通して所望の箇所まで移送されることになる。
この際、本実施例に係る気中設置型横型ポンプＡ１では、羽根車ケーシング５０内に配置された羽根車５２の羽根取付面を軸封装置６８に対向させると共に、軸封装置６８側に吸引口５８を設けたことを特徴とする。
このように、本実施例では、羽根車５２の吸い込み側を軸封装置６８と対向するように取り付けたので、軸封装置６８にはスラリーの圧力が作用しないので、羽根車５２の発生する圧力に制限がなくなるため、より高揚程のポンプを構成することができると共に、軸封装置６８の寿命を伸ばすことができるため、メンテナンス頻度及びコストを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【００１３】
本発明に係る気中設置型横型ポンプは、特に、高い揚程度（圧力）の流体移送が必要な場所において好適に用いることができる気中設置型横型ポンプに関する
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の第１実施例に係る気中設置型横型ポンプの設置状態を説明する正面図。
【図２】本発明の第２実施例に係る気中設置型横型ポンプの設置状態を説明する平面図。
【図３】従来の気中設置型横型ポンプの設置状態を説明する平面図。
【符号の説明】
【００１５】
Ａ：気中設置型横型ポンプ
Ａ１：気中設置型横型ポンプ
Ｂ：気中設置型横型ポンプ
１０： 第１段羽根車ケーシング部
１２： 第２段羽根車ケーシング部
１３：複合ケーシング
１４：第1段羽根車
１６：第２段羽根車
１７：モータ
１８：水平回転軸
２０：吐出口
２２：吸引口
２４：流路
２６：支持枠
３０：吸引口
３４：軸封装置
３６：吐出口
５０：羽根車ケーシング
５２：羽根車
５４：モータ
５６：水平回転軸
５８：吸引口
６０：支持枠
６２：流路形成用ケーシング
６４：吸引口
６５：流路
６８：軸封装置
７０：吐出口
【特許請求の範囲】
【請求項１】
２段またはそれ以上の多段で羽根車を同軸的に水平回転軸に固着し、該水平回転軸の中間部に軸封装置を取り付けた気中設置型横型ポンプにおいて、
最終羽根車ケーシング内に配置された前記羽根車と、前記最終羽根車ケーシングと流路を介して連通連結される１つ前の羽根車ケーシングに配置された前記羽根車とを背中合わせに配設し、前記最終羽根車ケーシング内に配置された前記羽根車の羽根取付面を軸封装置に対向させると共に、前記軸封装置側に吸引口を設けたことを特徴とする気中設置型横型ポンプ。
【請求項２】
単段で羽根車を水平回転軸に固着し、該水平回転軸の中間部に軸封装置を取り付け気中設置型横型ポンプにおいて、
羽根車ケーシング内に配置された前記羽根車の羽根取付面を軸封装置に対向させると共に、前記軸封装置側に吸引口を設けたことを特徴とする気中設置型横型ポンプ。
【請求項１】
２段またはそれ以上の多段で羽根車を同軸的に水平回転軸に固着し、該水平回転軸の中間部に軸封装置を取り付けた気中設置型横型ポンプにおいて、
最終羽根車ケーシング内に配置された前記羽根車と、前記最終羽根車ケーシングと流路を介して連通連結される１つ前の羽根車ケーシングに配置された前記羽根車とを背中合わせに配設し、前記最終羽根車ケーシング内に配置された前記羽根車の羽根取付面を軸封装置に対向させると共に、前記軸封装置側に吸引口を設けたことを特徴とする気中設置型横型ポンプ。
【請求項２】
単段で羽根車を水平回転軸に固着し、該水平回転軸の中間部に軸封装置を取り付け気中設置型横型ポンプにおいて、
羽根車ケーシング内に配置された前記羽根車の羽根取付面を軸封装置に対向させると共に、前記軸封装置側に吸引口を設けたことを特徴とする気中設置型横型ポンプ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００６−９０１３５（Ｐ２００６−９０１３５Ａ）
【公開日】平成１８年４月６日（２００６．４．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２７２８１９（Ｐ２００４−２７２８１９）
【出願日】平成１６年９月２１日（２００４．９．２１）
【出願人】（５９１０１３３８８）株式会社東洋電機工業所 (11)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年４月６日（２００６．４．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年９月２１日（２００４．９．２１）
【出願人】（５９１０１３３８８）株式会社東洋電機工業所 (11)
【Ｆターム（参考）】
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