説明

気体種の圧力を監視する方法および監視のための装置

【課題】 高くても所定の最大圧力値まで気体種の圧力を監視する方法を提供する。
【解決手段】 この方法は、気体種にレーザ光を通すことと、気体種の少なくとも1つの吸収線を含む波長帯域にわたってレーザ光の波長を周期的変調することと、透過レーザ光を光電変換することと、それによって電気的出力信号を発生させることと、遷移周波数以上の低域遮断周波数を有するフィルタ特性による電気的出力信号の第1のフィルタ処理と遷移周波数以下の高域遮断周波数および周期的波長変調の変調周波数よりも高い低域遮断周波数を有する帯域通過フィルタ特性による電気的出力信号の第2のフィルタ処理の少なくとも一方を実行することとを含む。これらのフィルタ処理の少なくとも1つの出力は、圧力指示信号として評価される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体種(gas species)の圧力を監視するための新規性を有する方法および装置並びにそのためのさまざまな実施形態を対象とする。
【背景技術】
【0002】
これは、例えば医療器具用のガラスビンまたはプラスチック製のビンなどの透明な閉じた容器内の酸素含有量を素早く監視する必要性から生じた。
【非特許文献1】H.P.Zappe他著「Narrow-linewidth vertical-cavity surface-emitting lasers for oxygen detection」,Appl.Opt.39(15),2475-2479(2000年5月)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様における、高くとも(at most)所定の最大圧力値まで気体種の監視を行う本発明による方法の第1の実施形態では、前記方法は、
気体種にレーザ光を透過させることと、
気体種の少なくとも1本の吸収線を含む波長帯域にわたってレーザ光の波長を周期的変調することと、
透過したレーザ光を光電変換し、それによって、電気的出力を発生させることと、を含み、
さらに、これは、
第1に、遷移周波数以上の低域遮断周波数を有するフィルタ特性により変換の電気的出力信号をフィルタ処理することと、
第2に、遷移周波数以下の高域遮断周波数および周期的波長変調の変調周波数よりも高い低域遮断周波数を有する帯域通過フィルタ特性により変換の電気的出力信号をフィルタ処理することとのうちの少なくとも一方を含む。
【0004】
それによって、変換の電気的出力信号のスペクトルにおける遷移周波数が決定され、そこで、対象となる出力電気的信号の圧力依存スペクトル包絡の火線関数(caustic function)は最大圧力下のスペクトルの包絡線に接する。
【0005】
対象となる少なくとも1回のフィルタ処理の出力は、圧力指示信号として評価される。
【0006】
一実施形態では、両方とも、つまり第1のフィルタ処理と第2のフィルタ処理が実行される。
【0007】
一実施形態では、第1のフィルタ処理は、帯域通過フィルタ処理として実行される。
【0008】
一実施形態では、第1のフィルタ処理は、対象となる遷移周波数よりも高い低域遮断周波数により実行される。
【0009】
他の実施形態では、第1のフィルタ処理は、帯域通過フィルタ処理として実行され、対象となる第1のフィルタ処理の低域遮断周波数よりも高いフィルタ周波数が決定され、そこで、変換の電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数は所望の特性と少なくとも近似的に一致する。その後、第1の帯域通過フィルタ処理が、決定されたフィルタ周波数を帯域通過中心周波数として実行される。
【0010】
さらに他の実施形態では、第1のフィルタ処理は、帯域通過フィルタ処理として実行され、この帯域通過フィルタ処理の帯域幅は、所望の信号対ノイズ比を達成することを目標として選択される。
【0011】
さらに他の実施形態では、第1のフィルタ処理は、帯域通過フィルタ処理として実行され、第1の帯域通過フィルタ処理の出力信号の所望の感度は、ノイズを考慮したうえで、以下の工程を1回またはループ方式で複数回実行することにより得られる。
(a)第1のフィルタ処理の低域遮断周波数よりも高いフィルタ周波数を決定し、そこで、変換の電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数は所望の特性に少なくとも近似的に一致する。対象となる第1の帯域通過フィルタ処理の帯域通過中心周波数は、そのように決定されたフィルタ周波数で確定される。
(b)第1の帯域通過フィルタ処理の帯域幅を所望の信号対ノイズ比について指定する。
【0012】
他の実施形態では、本発明による方法は、対象となる遷移周波数よりも低い第2のフィルタ処理の高域遮断周波数を選択することを含む。
【0013】
さらに本発明による方法の他の実施形態では、第2のフィルタ処理は、中心周波数で実行され、そこで、電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数は所望の特性に少なくとも近似的に一致する。
【0014】
さらに他の実施形態では、第2のフィルタ処理は、所望の信号対ノイズ比について選択された帯域幅で実行される。
【0015】
他の実施形態では、第2のフィルタ処理が実行されると、それによって、続いて以下の工程を1回またはループ方式で複数回実行することによりノイズを考慮したうえで対象となる第2のフィルタ処理の出力信号の所望の感度が得られる。
(a)第2のフィルタ処理の中心周波数を決定し、そこで変換の電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数が所望の特性に少なくとも近似的に一致する、工程と、
(b)第2のフィルタ処理の帯域幅を所望の信号対ノイズ比に合わせて手直しする工程。
【0016】
本発明の第2の態様では、所定の圧力範囲内の、つまり、最大圧力値と最小圧力値との間の気体種の圧力を監視する方法が確立される。後者の方法は、
気体種にレーザ光を透過させることと、
気体種の少なくとも1本の吸収線を含む波長帯域にわたってレーザ光の波長を周期的変調することと、
透過したレーザ光を光電変換し、それによって、電気的出力信号を発生させることとを含み、
その後、以下の工程、つまり、
遷移周波数以上の低域遮断周波数を有するフィルタ特性による変換の電気的出力信号の第1のフィルタ処理と、
遷移周波数以下の高域遮断周波数および周期的波長変調の変調周波数よりも高い低域遮断周波数を有する帯域通過フィルタ特性による変換の電気的出力信号の第2のフィルタ処理の工程のうちの少なくとも一方が実行される。
【0017】
それによって、この場合の対象となる遷移周波数は、電気的出力信号のスペクトル内で決定され、そこで、最小圧力値および最大圧力値の電気的出力信号のスペクトル包絡線は交差する。
【0018】
その後、対象となる第1および第2のフィルタ処理のうち少なくとも一方の出力信号は、圧力指示信号として評価される。
【0019】
一実施形態では、第2の態様の下で第1および第2の両方のフィルタ処理が実行される。
【0020】
他の実施形態では、第2の態様の下で、第1のフィルタ処理は、帯域通過フィルタ処理として実行される。
【0021】
本発明の第2の態様の他の様式では、第1のフィルタ処理は、遷移周波数よりも高い低域遮断周波数で実行される。
【0022】
第2の態様により、他の実施形態は、第1のフィルタ処理を遷移周波数とノイズ制限周波数との間の帯域通過フィルタ処理として実行することを含む。これによりノイズ制限周波数が定義され、そこで、変換の電気的出力信号のノイズエネルギーは所定の最小圧力値におけるその電気的出力信号の信号エネルギーに等しくなる。
【0023】
第2の態様による他の実施形態は、加えられた最大圧力での電気的出力信号のフィルタ処理されたスペクトルと加えられた最小圧力での電気的出力信号のフィルタ処理されたスペクトルとのエネルギー差が最大になるように第1の帯域通過フィルタ処理を選択することを含む。
【0024】
この第2の態様によるさらに他の実施形態は、電気的出力信号のノイズエネルギーが、フィルタ処理が有効である場合に、所定の最大圧力値の信号エネルギーにせいぜい等しいという制約条件の下で第1の帯域通過フィルタ処理を選択することを含む。
【0025】
この第2の態様によるさらに他の実施形態では、第2のフィルタ処理の高域遮断周波数は、遷移周波数よりも低い周波数となるように選択される。
【0026】
この第2の態様によるさらに他の実施形態は、第2のフィルタ処理を実行することを含み、そのフィルタ処理では、変換の電気的出力信号のスペクトルのエネルギー差は最大圧力値を適用することと最小圧力値を適用することとの間で最大であり、両方とも、本発明のこの第2の態様により監視される圧力範囲について確定する。
【0027】
第3の態様では、本発明は、
気体種にレーザ光を透過させることと、
気体種の少なくとも1本の吸収線を含む波長帯域にわたってレーザ光の波長を周期的変調することと、
透過したレーザ光を光電変換し、それによって、電気的出力信号を発生させることとを含み、
少なくとも第1および第2の並列気体圧力監視チャネルに変換の電気的出力信号に依存する信号を入力することと、
第1のチャネルで第1のフィルタ処理を、第2のチャネルで第2のフィルタ処理を実行することと、
出力信号が前記気体種の圧力の関数として第1の特性とともに変化するように第1のフィルタ処理を実行することと、
出力信号が対象となる気体圧力の関数として第2の特性とともに変化するように第2のフィルタ処理を実行することと、
さらに、第1の特性が第2の特性と異なるように前記第1および第2のフィルタ処理を実行することとを含む、気体種の圧力を監視する方法を実現する。
【0028】
第1のフィルタ処理および第2のフィルタ処理の出力信号に依存する信号を組み合わせることで、圧力指示信号が評価される。
【0029】
この第3の態様の一実施形態では、第1および第2のフィルタ処理のうち少なくとも一方は、帯域通過フィルタ処理として実行される。
【0030】
この第3の態様による一実施形態では、第1および第2のフィルタ処理は、電気的出力信号のスペクトルの重なり合わない周波数領域内で実行される。
【0031】
他の実施形態では、この第3の態様により、第1および第2のフィルタ処理は、帯域通過フィルタ処理として実行される。
【0032】
本発明の第3の態様による他の実施形態では、第1および第2のフィルタ処理は、それぞれ第1および第2の周波数範囲内で実行され、それによって、電気的出力信号のエネルギーは、第1の周波数範囲において第1のエネルギー対圧力特性を有し、第2の周波数範囲において第2のエネルギー対圧力特性を有し、そのため、第1および第2のエネルギー特性は、互いに異なる。
【0033】
そのすべての態様に従い本発明に適用可能な他の実施形態では、第1の特性を表す第1の基準特性が以前に記憶され、かつ/または第2の特性を表す第2の基準特性が事前に記憶される。対象となる特性は、それぞれのフィルタ処理の出力信号が監視すべき気体種の圧力の関数として変化する特性である。
【0034】
その後、第1および/または第2のフィルタ処理の信号に従属する瞬間的信号が、それぞれ、記憶されている第1および第2の基準特性と比較され、それによって、第1および第2の圧力指示信号が発生する。したがって、瞬間的に有力なフィルタ処理結果が所定の信号対圧力特性と比較され、有力な信号からどの圧力値と一致するかを確定する。
【0035】
本発明の第3の態様によるさらに他の実施形態では、ただし、第1および第2の態様による本発明にも適用可能であるが、第1のフィルタ処理により、第1の微分係数対圧力が所定の圧力範囲内にある第1の出力信号が発生する。第2のフィルタ処理では、第2の微分係数対圧力が対象となる所定の圧力範囲内にある第2の出力信号を発生する。それによって、対象となる第1および第2の微分係数の一方の絶対値は、所定の圧力範囲の少なくとも1つの共通部分圧力範囲内で対象となる微分係数の他方の絶対値よりも小さい。したがって、信号微分係数についていえば、微分係数値をランダムにする信号ノイズをはっきりと無視することにする。
【0036】
第3の態様による他の実施形態では、ただし、第1および第2の態様による本発明にも適用可能であるが、第2のフィルタ処理により、排他的に正または負である微分係数対圧力が所定の圧力範囲内にある第2の出力信号が発生する。第1のフィルタ処理では、所定の圧力範囲の少なくとも1つの圧力部分範囲内で排他的に正であり、対象となる所定の圧力範囲の少なくとも一方の第2の部分範囲内で排他的に負である第1の微分係数対圧力を有する第1の出力信号を発生する。そのため、第2の微分係数の絶対値は、対象となる圧力部分範囲の少なくとも一方において部分範囲の対象となる少なくとも一方でも考慮され、また再びノイズを考慮しない第1の微分係数の絶対値よりも小さい。
【0037】
本発明の特に第3の態様による一実施形態では、第2のフィルタ処理の第2の出力信号に依存する信号から、圧力部分範囲の一方が決定される。
【0038】
他の実施形態では、この決定された圧力部分範囲および第1の出力信号、つまり第1のフィルタ処理から、圧力指示信号が決定される。
【0039】
本発明の第3の態様により、他の実施形態は、
監視すべき最大圧力をあらかじめ決定することと、
以下の工程、つまり、
遷移周波数以下の高域遮断周波数および周期的波長変調の変調周波数よりも高い低域遮断周波数を有する帯域通過フィルタ特性による第2のフィルタ処理を実行することと、
遷移周波数以上の低域遮断周波数を有するフィルタ特性による第1のフィルタ処理を実行することのうちの少なくとも一方の工程を実行することを含む。
【0040】
それによって、電気的出力信号のスペクトルにおける対象となる遷移周波数が決定され、そこで、電気的出力信号の圧力依存スペクトル包絡の火線関数は最大圧力下のスペクトルの包絡線に接する。
【0041】
それによって、一実施形態では、第1のみならず第2のフィルタ処理も実行される。
【0042】
それによって、他の実施形態では、第1のフィルタ処理は、帯域通過フィルタ処理として実行される。
【0043】
それによって、他の実施形態では、第1のフィルタ処理は、遷移周波数よりも高い低域遮断周波数により実行される。
【0044】
それによって、他の実施形態では、第1のフィルタ処理は、帯域通過フィルタ処理として実行され、対第1のフィルタ処理の低域遮断周波数よりも高いフィルタ周波数が決定され、そこで、変換の電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数は所望の特性と少なくとも近似的に一致する。その後、第1の帯域通過フィルタ処理が、決定されたフィルタ周波数を帯域通過中心周波数として実行される。
【0045】
それによって、他の実施形態は、第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行し、それによって、帯域通過フィルタ処理の帯域幅を、所望の信号対ノイズ比を達成することを目標として選択することを含む。
【0046】
それによって、他の実施形態は、遷移周波数よりも低い第2のフィルタ処理の高域遮断周波数を選択することを含む。
【0047】
それによって、他の実施形態は、第2のフィルタ処理を中心周波数で実行することを含み、そこで電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数は所望の特性に少なくとも近似的に一致する。
【0048】
それによって、さらに他の実施形態は、第2のフィルタ処理を所望の信号対ノイズ比の帯域幅で実行することを含む。
【0049】
それによって、一実施形態は、さらに、第2のフィルタ処理を実行し、続いて以下の工程を1回または1つまたは複数のループで繰り返し実行することによりノイズを考慮したうえで第2のフィルタ処理の出力信号の所望の感度を得ることを含む。
a)第2のフィルタ処理の中心周波数を決定し、そこで電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数が所望の特性に少なくとも近似的に一致する、工程と、
b)第2のフィルタ処理の帯域幅を所望の信号対ノイズ比に合わせて手直しする工程。
【0050】
さらに、第3の態様により、一実施形態は、
最小圧力値と最大圧力値との間の所定の圧力範囲で監視を実行することと、
以下の工程、つまり、
遷移周波数以下の高域遮断周波数および周期的波長変調の変調周波数よりも高い低域遮断周波数を有する帯域通過フィルタ特性による第2のフィルタ処理と、
遷移周波数以上の低域遮断周波数を有するフィルタ特性による第1のフィルタ処理のうちの少なくとも一方の工程を実行することとを含み、
それによって、遷移周波数は、電気的出力信号のスペクトル内で決定され、そこで、前記最小圧力値および前記最大圧力値の電気的出力信号のスペクトル包絡線は交差する。
【0051】
それによって、他の実施形態は、第1と第2の両方のフィルタ処理を実行することを含む。さらに他の実施形態は、第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行することを含む。
【0052】
それによって、他の実施形態は、第1のフィルタ処理を、ちょうど対象とした遷移周波数よりも高い低域遮断周波数で実行することを含む。それによって、他の実施形態では、第1のフィルタ処理は、遷移周波数とノイズ制限周波数との間で実行される。ノイズ制限周波数が定義され、そこで、電気的出力信号のノイズエネルギーは対象となる最小圧力値における電気的出力信号の信号エネルギーに等しい。
【0053】
それによって、他の実施形態では、第1の帯域通過フィルタ処理は、最大圧力値を適用することによる電気的出力信号のフィルタ処理されたスペクトルと最小圧力値を適用することによる電気的出力信号のフィルタ処理されたスペクトルとのエネルギー差が最大になるように選択される。
【0054】
それによって、さらに他の実施形態は、電気的出力信号のノイズエネルギーが、第1のフィルタ処理が有効である場合に、あらかじめ定められている最大圧力値の信号エネルギーにせいぜい等しいという制約条件の下で第1の帯域通過フィルタ処理を選択することを含む。
【0055】
それによって、他の実施形態では、第2のフィルタ処理の高域遮断周波数は、対象とする遷移周波数よりも低い周波数となるように選択される。
【0056】
さらに、一実施形態では、第2のフィルタ処理が実行され、そこで、変換の電気的出力信号のスペクトルのエネルギー差は、所定の最大圧力値を適用することと所定の最小圧力値を適用することとの間で最大となる。
【0057】
さらに本発明の3つすべての態様による他の実施形態では、監視される気体種は酸素である。
【0058】
さらに本発明の3つすべての態様の他の実施形態では、気体種の所定の圧力下で本発明による監視を実行することにより基準圧力指示信号が生成される。
【0059】
さらに他の実施形態では、結果として得られる圧力指示信号は、基準圧力指示信号と圧力指示信号の差に依存して発生する。
【0060】
さらに本発明のすべての態様による他の実施形態は、気体種が加えられる、または加えられるべき軌跡にそったレーザ光の透過を監視し、それによって透過指示信号を発生することを含む。その後、圧力指示信号が従属する信号は、透過指示信号に応じて重み付けられる。
【0061】
すべての態様によるさらに他の実施形態は、さらに、対象となるレーザ光を通す透明な少なくとも1つの容器内で気体種を気体に供給することを含む。
【0062】
それによって、他の実施形態では、そのような容器を用意し、外気中で監視する。
【0063】
さらに他の実施形態では、レーザ光に対する軌跡の透明性を監視することは、対象となる透明容器を含み、それにより、透明性指示信号が発生する。その後、圧力指示信号が従属する信号は、透過指示信号に応じて重み付けられる。
【0064】
それによって、他の実施形態では、第3の並列チャネルが較正用チャネルとして用意され、前記較正用チャネルで対象となる透過指示信号が発生する。
【0065】
他の実施形態では、所定の量の気体種が入っている基準容器で本発明による監視を実行することにより基準信号を発生し、それにより、前記基準信号および圧力指示信号からの差に応じてその結果の圧力指示信号を発生する。
【0066】
さらに他の実施形態は、圧力指示信号のもっともらしさをチェックすることを含む。
【0067】
さらに他の実施形態は、対象となる容器内の酸素圧力を監視することを含む。
【0068】
さらに他の実施形態には、対象となる容器に生成物が充満しているという状況も含まれる。
【0069】
さらに他の実施形態では、対象となる容器は、実質的にガラス製またはプラスチック材料製である。それによって、さらに他の実施形態では、そのような容器は、ビンである。
【0070】
さらに他の実施形態では、中の気体含有量が監視される容器は、対象となる監視に向かい、そこを通り過ぎ、そこから出てくる流れで運ばれるさまざまな容器のうちの1つである。
【0071】
さらに他の実施形態では、監視される容器およびそこを通過するレーザ光は、監視中同期して移動させられる。
【0072】
さらに他の実施形態は、その後に、監視箇所へ運ばれ、監視箇所を通り過ぎ、監視箇所から運ばれる多数の容器内の気体圧力を監視し、それによって、多数の容器のうちの1つを監視する前に監視すべき所定の量の気体種が入っている少なくとも1つの基準容器を監視対象にすることにより、基準圧力指示信号を発生することを含む。それによって、基準圧力指示信号および圧力指示信号に応じてその結果の圧力指示信号が発生する。
【0073】
さらに、一実施形態では、基準圧力指示信号は、多数の容器のうちの1つを監視する直前に毎回生成される。
【0074】
さらに他の実施形態では、所定の量の気体種が入っている基準容器のその後の監視から得られる基準圧力指示信号の平均を取り、そのような平均処理の結果に応じて対象となる差を形成する。
【0075】
本発明は、さらに、所定の最大量の酸素が入れられたレーザ光を通す閉じた、場合によっては充満された容器を製造する方法を対象とし、この製造方法は、上で開示されたように、本発明のさまざまな態様および実施形態のうちの1つに従って、閉じた、場合によっては充満した透明な容器を製造し、それらの容器を気体圧力監視下に置き、圧力指示信号に従属する信号がそのような容器内の酸素圧力が所定の最大値を超えていることを示している場合に容器を不合格品とする工程を含む。
【0076】
さらに、すべての方法態様に基づき本発明を実施するための装置が本発明により提案されている。
【0077】
酸素圧力の監視を特に念頭に置き、以下の寸法規則に従うことができる。
レーザ波長変調周波数fcに対する第2のフィルタ処理の帯域の中心周波数fZII:
10≦fZII/fc≦20
変調周波数fcに対する第1のフィルタ処理に対し適用される帯域の中心周波数fZI:
50≦fZI/fc≦120
変調周波数に対する第2のフィルタ処理の通過帯域幅:
1≦BII/fc≦18
変調周波数fcに対する帯域通過の第1のフィルタ処理の通過帯域幅BI:
50≦BI/fc≦1000
レーザの波長変調の偏移H:
少なくとも5pmであり、それによって好ましくは、
50pm≦H≦500pm
【0078】
さらに、本発明の文脈において適用可能なレーザの1つに、面発光型半導体レーザがある。
【0079】
そこで、本発明について、実施例を使い、図の助けを借りて説明することにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0080】
図1では、機能ブロック図を使って、気体の圧力を監視する、本発明による監視システムの一般的構造が示されている。システムは、圧力監視対象の気体種が含まれる気体の試料3を透過するレーザビームBを発生するレーザ装置1を含む。試料3を透過したレーザビームBは、光電変換器装置5の光入力で受信され、評価ユニット7の入力E7に接続され動作する電気信号S5に変換される。評価ユニット7の出力A7の出力信号S7は、試料3内の気体種の圧力を示す圧力指示信号である。
【0081】
レーザ装置1は、ビームBの光のλLに関して変調可能である。図1に概略が示されているように、これは、変調用発振器9が動作するように接続されている波長制御入力Mを備えるものとして考えられる。発振器9は、周波数fcおよびピークツーピークレベルの値Appで、周期的変調信号を発生し、レーザ装置1の入力Mに送る。それによって、一般に波長λLを持つビームBは、変調ハブHをAppの関数として値λLoを中心とする周波数fcで波長変調される。
【0082】
図2では、監視対象の気体種Gの吸収線Eabs(G)が定性的に示されている。それによって、レーザ装置1は、変調ハブHが、図2によれば、気体種の吸収線のうち少なくとも1つ、例えばちょうど1本の吸収線を含むように波長変調される。
【0083】
実際、図2に概略が示されている吸収線は、図3に示されているような吸収スペクトルである。この図は、圧力監視の対象である気体種、つまり酸素の一実施例として、それらの気体種を排他的に含む試料の200mbar(a)、75mbar(b)、および40mbar(c)の圧力に対する吸収スペクトルを示している。
【0084】
吸収スペクトルおよびその圧力依存関係は、図3で酸素について例示されているように、ほとんどの気体種について遭遇する定性的形状および動作に関するものである。
【0085】
図1において、図2に示されているようにレーザビームBの波長を変調し、図3に示されているような吸収スペクトルを持つ図1のような気体試料3にレーザビームBを透過させることにより、変換された信号S5は図4に定性的に示されているように、離散エネルギースペクトルを持つ。周波数0のところに通常比較的高いスペクトル線があるが、それは、DC成分の後に、レーザビームの変調周波数fcおよびfcのより高次の周波数のスペクトル線が上昇周波数で続いているからである。信号S5の離散エネルギースペクトルは、気体試料の例、つまり酸素について図4で定性的に示されているようなスペクトル包絡線ENを定める。
【0086】
図5において、包絡線ENの圧力-p-依存関係、つまりEN(p)が示されており、それにより、(a)に基づく包絡線は図3の200mbarの吸収スペクトル(a)に一致し、したがって、包絡線(b)および(c)は図3のそれぞれの吸収スペクトル(b)および(c)に一致する。図4および5に示されているようなスペクトルおよびそれぞれの包絡線EN(p)は、例えば、dB単位の信号エネルギー対ノイズエネルギーの対数に基づいてエネルギー対数目盛を縦軸にとって示されていることに留意されたい。
【0087】
図6では、試料3内の気体種の圧力pをパラメータとする多数の包絡線EN(p)が純粋に定性的に示されており、したがって、矢印「p増大」は気体種の圧力pが増大するときの包絡線の展開を示す。すべての包絡線ENからなる集合は、包絡線ENの集合のそれぞれの包絡線が接線となって接する関数の推移(function course)CAを定義する。この関数CAを火線関数と呼ぶ。
【0088】
本発明の発明者らが図1の試料3の気体種の圧力pに依存する信号S5の挙動を調べたところ、科学的な正確さについて主張することなくこれまで例を示してきたとおりの圧力に依存するスペクトル挙動を発見した。
【0089】
この基本的な認識は、図1のような評価ユニット7の出力から圧力指示信号S7を発生することを目的としてさらに例が示されるであろうが、発明者らによりこれまで異なる方法で利用されてきた。
【0090】
本発明の第1の態様では、図7に示されているように、発明者らは、気体種の圧力が最大圧力pmaxまで監視されるときには必ず、遷移周波数fTmaxが重要であることを認識していた。図6に従い気体種の圧力pの監視最大圧力pmaxが選択される場合には、図7に切り換えると、包絡線EN(pmax)がスペクトル表現で火線関数CAに接する場所により対象となる遷移周波数fTmaxが定義される。fTmaxよりも上にあるIとTmaxよりも下にあるIIの両方の周波数領域において、図1によるS5の圧力依存関係は固有のものである。したがって、変調周波数fcは、事実上常に、特に実際に実行されるような選択された最大圧力pTmaxについて、fTmaxよりも下にあることに留意されたい。そこで、第1の実施形態では、S5のスペクトルは、第1の対象となる周波数領域Iにおいて評価され、圧力指示信号を発生する。
【0091】
片側が開いている周波数範囲を対象とする場合に一般的に周波数「領域」と呼び、また両側が閉じている周波数範囲を対象とする場合に周波数「帯域」と呼んでいることに留意されたい。
【0092】
図8によれば、一実施形態では、周波数領域Iを評価するのみである、つまり、周波数fI
FTmax≦fI
であり、これは、例えば、遷移周波数fTmax以上の低域遮断周波数を有するハイパスフィルタを用意することで、実行される。
【0093】
したがって、図1のような評価ユニット7は、少なくとも、図9に基づき、低域遮断周波数が遷移周波数fTmax以上であるローパスフィルタとして周波数領域I内で動作するフィルタユニットFIを備える。監視対象の最大圧力pmaxまでのフィルタFIの出力信号SFIの圧力-p-依存関係の例が、図10に定性的に示されている。エネルギーおよび圧力は、これにより、任意の単位で直線的な目盛で表される。
【0094】
SFIrefと表される図11に示されているような信号対圧力特性をあらかじめ、例えばルックアップテーブルユニットなどのメモリユニット11Iに格納しておくことにより、比較ユニット13IでフィルタユニットFIの実際の出力信号SFIaをそのような特性と比較し、図10の点線で示されているような実際の圧力値paを圧力指示信号として評価する。この信号は、評価ユニット7の出力信号S7として直接使用することができる。
【0095】
本発明の第2の実施形態では、図7を念頭に置くと、低域周波数領域IIは、実際には周波数帯域であり、これを利用している。それによって、遷移周波数fTmax以下の高域遮断周波数およびレーザ波長変調の変調周波数fcよりも高い低域遮断周波数を有するフィルタにより図12に示されているようにフィルタ処理が実行される。したがって、この実施形態では、第2の可能なフィルタ処理として、遷移周波数以下の高域遮断周波数および周期的波長変調の変調周波数fcよりも高い低域遮断周波数を有する特性を持つ帯域通過フィルタ処理が実行される。
【0096】
この実施形態では、図13により、評価ユニット7は、図12に基づくフィルタ特性をもたらすフィルタユニットFIIを備え、それによって、発生される圧力指示信号S7に応じて出力信号SFIIが発生する。ここでも、信号SFIIは、すでにそれ自体圧力を指示している。
【0097】
図10と同様に、図14は、監視対象の図1の試料3における気体種の圧力pからの出力信号SFIIの定性的依存関係を示している。
【0098】
図11とまったく同様に、また図15に従って、気体試料の実際の圧力を示す信号を発生するために、図14のような出力信号の特性SFIIrefは、例えば、ルックアップテーブルの形で、格納ユニット11IIに格納される。この特性SFIIrefは、比較ユニット13IIにより概略が示されているように、実際の信号SFIIaと比較され、それによって、比較ユニット13IIの出力から、生成される圧力指示信号S7に応じて実際の圧力値paに従って信号を発生する。
【0099】
他の実施形態では、図8から図11および図12から図15による実施形態を組み合わせる。これは、図16に示されており、それぞれの単一フィルタ実施形態に与えられる説明を鑑みて補足説明はほんのわずか必要なだけである。それぞれの比較ユニット13Iおよび13IIの出力から、両方とも監視対象の気体試料内の実際に有力な気体種圧力paを実際に示す信号が現れる。しかしながら、また図10および図14の特性の異なる形状により取り扱われているように、同じ実際の圧力値paを示す2つの出力信号を持つという冗長性が、主に、圧力指示信号S7による圧力指示の精度を上げるために計算ユニット15で利用される。
【0100】
一般的にいって、フィルタ処理により周波数領域IおよびIIの両方を評価することでSFIおよびSFIIによる圧力に対する2つの異なる信号依存関係が生じる-これら2つの特性は、例えば感度(特性の急峻さ)、曖昧さ、信号対ノイズ比などに関して異なることがある-ので、ある特性の欠点、例えば曖昧さを、例えば第2の特性の利点、例えば曖昧でないという利点により改善し、それによって、第1の特性の利点、例えば高感度を、第2の特性の欠点、例えば低感度を利用せずに、維持することが可能になる。そのため、主に2つの周波数領域-遷移周波数fTmaxの上と下-におけるフィルタ処理測定結果を利用することにより、通常は、高感度、曖昧さのないこと、および高い信号対ノイズ比である所望の特性を持つ精度の高い圧力指示信号を発生するという高い柔軟性が得られる。
【0101】
さらに、図8において、その図で一点鎖線により示されているように、第1の周波数領域Iにおけるフィルタ処理を念頭に置くと、この第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行することは1つの変更形態である。これを考える理由は、図6を見るとわかる。選択された最大圧力pmaxによる包絡線ENが図6の点Nにおいてゼロ線と交差すると、ノイズエネルギーが顕著になる。したがって、周波数領域Iで帯域通過フィルタ処理を実行することにより、信号SFIのノイズエネルギーが低減される。
【0102】
さらに、特に、第1の周波数領域I内のフィルタ処理と図16の実施形態による第2の領域II内のフィルタ処理とを結合することを念頭に置くと、これら2つのフィルタの分離は、図8に示されているような遷移周波数fTmaxよりも高い低域遮断周波数fI-を持つ第1のフィルタ処理FIを実行し、かつ/または遷移周波数fTmaxよりも低い周波数で高域遮断周波数fII+を持つ図12の点線で示されるような第2のフィルタ処理FIIを実行することにより達成される。
【0103】
第1のフィルタ処理が図8の周波数帯域BPI内の帯域通過フィルタ処理を含む場合には必ず、ある程度の自由度が残り、そこでこの帯域通過フィルタ処理の中心周波数fZIが確定される。
【0104】
図17は、図6による表現を示している。周波数領域I内のスペクトル表現で考える場合、周波数fの信号SFIにおけるエネルギーは、実際には、図17の斜線が入っている表現で示されているように無限小の表面領域により圧力pに応じて与えられる。したがって、有力な圧力pにおいて、このエネルギーは、包絡線EN(p)に関して、周波数fの有力なスペクトル振幅に比例することがわかるであろう。それによって、感度は、そのスペクトル振幅対圧力の微分係数によって与えられる。さらに、(対数目盛で)圧力依存スペクトル包絡線EN(p)が0dBの直線に達すると、信号S5のノイズエネルギーは、その中の信号エネルギーに等しくなる、つまり、その0dBの直線の下に来て、ノイズエネルギーが優勢になるということに留意されたい。したがって、周波数領域I内の帯域通過フィルタ処理の中心周波数fZIを見つけ、スペクトル振幅対圧力の微分係数の所望の特性を確定し、図8の対象となる中心周波数fZIとして、この微分係数が少なくとも所望の特性と近似的に一致するその周波数fを選択することが1つの決まりになっている。したがって、微分係数対圧力が最大だと最大の感度が得られることに留意されたい。所定の周波数fにおけるスペクトル振幅対圧力の特性は線形ではないので、例えば、最大感度に達する場所、つまり圧力範囲、言い換えると最大感度が実現される圧力範囲を選択することができる。
【0105】
それによって、信号対ノイズ比を追加目標値とすることができる。これは、周波数領域I内の帯域通過フィルタ処理の帯域幅BPIに依存している。選択される帯域幅BPIが広いほど、概して、信号エネルギー対圧力の微分係数が減少するという点で感度が小さくなるが、他方、信号対ノイズ比は大きくなる。これは、また図17を考察すると明らかになることであり、そこでは、フィルタ周波数帯域BPIは点線で描かれている。信号SFIのスペクトルエネルギーの微分係数は、BPIの下の斜線が入っているスペクトルの表面積により表され、それ対圧力の微分係数は、帯域幅BPIが大きくなるにつれ小さくなり、0dBよりも低いBPIの下の表面積により表されるノイズエネルギーは、帯域幅が広がるとともに比較的小さくなる。
【0106】
したがって、信号対ノイズ比を考慮したうえで中心周波数fZIを選択する1つのアプローチとして、
a)スペクトル振幅対圧力の微分係数が所望の特性と最もよく一致するそのような周波数fを見つけることにより中心帯域通過フィルタ処理周波数fZIを決定する工程と、
b)さらに信号対ノイズ比および感度を考慮し、場合によっては感度と信号対ノイズ比との間の所望の最適な妥協点を見つけることを目標として中心周波数および帯域幅を再調整することで、見つかった中心周波数に関して帯域幅BPIを選択する工程を介した1回または複数回のループを使用する方法がある。
【0107】
これまで、周波数領域I内でフィルタ処理をどのように実現するかについて説明してきた。次に、周波数領域II内のフィルタ処理について考察することにする。
【0108】
図12において説明したように、周波数領域IIにおけるフィルタ処理は、高域遮断周波数fII+がせいぜいfTmaxであり、低域遮断周波数fII-がレーザ波長変調の変調周波数fcよりも高い帯域通過フィルタ処理により実行される。
【0109】
図18において、帯域通過フィルタ処理の中心周波数を選択することを念頭に置くと、周波数領域I内の帯域通過フィルタ処理について図17において説明したのと同じ考慮事項が広く適用される。つまり、図18および図12を念頭に置くと、中心周波数fZIIは、スペクトル振幅対圧力の微分係数が少なくとも所望の特性に近似的に一致する周波数fを見つけることにより選択される。それによって、さらに、帯域通過フィルタ処理FIIの周波数帯域BPIIを選択することに関して、信号対ノイズ比を考慮するが、ただし、周波数領域Iと比べて、図18から明らかなように、重大性は減じる。感度を第1の目標関数として到達すべきもの、信号対ノイズ比は第2の目標関数として到達すべきものとすれば、
a)フィルタFIIの中心周波数fZIIを決定する工程を、信号SFII(図13)のスペクトル振幅対圧力の微分係数が所望の特性に少なくとも近似的に一致する場所を確定することにより実行し、
b)所望の信号対ノイズ比に合わせて帯域幅BPIIを手直しする工程を、1回または複数回のループで実行する。
【0110】
これまで、気体種の圧力が監視される上限の最大圧力pmaxが設定される態様に基づいて本発明を説明してきた。
【0111】
次に、他の態様を考察するが、この態様では、本発明により気体種の圧力が監視される最大圧力pmaxと最小圧力pminとの間の圧力範囲が確定される。
【0112】
そのため、図1から図5は、依然として、これらの図に関して行った説明と同様有力である。
【0113】
図19は、図6と同様の表現を示している。これは、監視対象の最大圧力のスペクトル包絡EN(pmax)だけでなく監視対象の最小圧力のスペクトル包絡EN(pmin)も示している。したがって、pmaxとpminの上下限値を含む圧力範囲?pが監視される。この場合、遷移周波数fT?pが決定され、そこで包絡線EN(pmin)はスペクトル包絡線EN(pmax)と交差する。fTmaxと同様、この遷移周波数fT?pは2つの周波数領域I?pおよびII?pの境界を定める。
【0114】
一実施形態では、図20によれば、遷移周波数fT?p以上の低域遮断周波数f?pI-を持つハイパスフィルタ処理のようなフィルタ処理が周波数領域I?pで実行される。この結果、図19の周波数領域I?pでハイパスフィルタとして動作するフィルタF?pIを備える図21による本発明の一実施形態が得られる。評価ユニット7の圧力指示信号S7は、フィルタF?pIの出力信号SF?pIに依存する。その結果、図22により、フィルタF?pIの出力信号SF?pIが定性的実施例として得られる。再び、エネルギーおよび圧力は、これにより、任意の単位で直線的な目盛で表される。
【0115】
図23では、図11と同様に、フィルタ信号SF?pIを評価して圧力指示信号S7を発生するための評価ユニット7の構造が示されている。図11に関して与えられた説明を見ると、図23およびそれぞれの実施形態は、当業者にとっては完全に明白であり、さらに説明を要しない。
【0116】
さらに、本発明の他の実施形態では、図19を念頭に置くと、低域周波数領域II?pは、これもまた実際には周波数帯域であり、利用されている。それによって、遷移周波数fT?p以下の高域遮断周波数およびレーザ波長変調の変調周波数fcよりも高い低域遮断周波数S?pIIを有するフィルタにより図24に示されているようにフィルタ処理が実行される。
【0117】
この実施形態では、図25により、評価ユニットは、図13に示されているような実施形態と同様に、図24によるフィルタ特性をもたらすフィルタユニットF?pIIを備え、それによって、発生される圧力指示信号S7に応じて出力信号SF?pIIが発生する。ここでもまた、信号SF?pIIはそれ自体圧力を示す。
【0118】
図15と同様に、図26は、フィルタF?pIIの出力信号SF?pIIを利用して圧力指示信号S7を確定する評価ユニット7の構造を示している。ここでも、当業者にはさらに説明を要しないであろう。さらに、図27は、図14に類似した、最小圧力pminと最大圧力pmaxとの間にある図1の試料3内の気体種の圧力pへの出力信号SF?pIIの従属関係の実施例を定性的に示している。
【0119】
図28には、例示され説明されているような実施形態を図20から図23の助けを借りて図24から図27に関して説明されているような実施形態とを組み合わせた他の実施形態が示されている。これらは実施形態を組み合わせることの目的は、図16の組み合わせた実施形態に関して説明されているのと同じである。図16およびその図に対する説明を読むと、当業者には、図28の実施形態をさらに説明する必要はない。
【0120】
図8に、また図20による周波数領域I?pでフィルタ処理を行う場合にも与えられている説明を念頭におくと、一点鎖線で示されているように、帯域通過フィルタ処理が適用される。さらに、再び、一実施形態において、特に、周波数領域I?pとII?pの両方でフィルタ処理を使用する実施形態において図8に関して与えられた説明に基づくと、周波数領域I?p内のフィルタ処理の低域遮断周波数f?pI-は、遷移周波数fT?pよりも高い。さらに、図12およびその説明を参照すると、図24による他の変更形態では、遷移周波数fT?pよりも低い高域遮断周波数f?pII+が選択される。
【0121】
図19および図20を念頭に置くと、周波数領域I?pにおける帯域通過フィルタ処理FFPIは、図17および図18に関して行った考察と類似の考察に従って、中心周波数fZ?pIおよび帯域幅を選択することに関して実行することができるという事実があるにもかかわらず、ここでは、pminにおいて信号S5のノイズエネルギーが含まれる信号エネルギーと等しくなる遷移周波数fT?pとノイズ制限周波数fN(図19を参照)との間でそのような帯域フィルタ処理を確定することが第一に重要である。それによって、包絡線EN(pmax)と包絡線EN(pmin)との間のスペクトルのエネルギー差が最大になるようにそのような帯域通過フィルタ処理を実行することができる。
【0122】
すでに述べたように、さまざまな図に示されているスペクトル包絡線EN(p)は、定性的なものに過ぎないことに留意されたい。しかしながら、図19では、対象となるエネルギー差を表す斜線の入っている面で帯域幅BP?pIが任意に示される。
【0123】
主に周波数領域I?p内の帯域通過フィルタ処理は、フィルタ処理が有効である出力信号S5のノイズエネルギーが評価対象の最大圧力で信号エネルギーにせいぜい等しいとする制約条件に従って中心周波数fZ?pI(図20を参照)および帯域幅BP?pIのそれぞれを選択することにより実行される。
【0124】
周波数領域II?pを考察し、図24を念頭におくと、帯域通過フィルタ処理は、周期的波長変調の変調周波数feよりも高い低域遮断周波数f?pII-および、遷移周波数fT?pにせいぜい等しい高域遮断周波数f?pII+で実行される。ここでもまた、図19を念頭に置いて、帯域通過フィルタ処理を実行するように中心周波数およびこのフィルタ処理の帯域幅を選択し、監視対象の最大圧力pmaxを適用することと監視対象の最小圧力pminを適用することとの間の信号S5の包絡スペクトルのエネルギー差は最大になる。考慮すべきそれぞれのエネルギー差は、図19の周波数領域fII?pに斜線入りの表現で示されている。
【0125】
それぞれ遷移周波数fTmaxおよびfT?pよりも高いまたは低い単一フィルタ処理を使用して圧力指示信号を評価する実施形態、または2つの並列チャネルでフィルタ処理を組み合わせ、それによってそれぞれの遷移周波数fTmax、fT?pよりも高い、および低い両方の周波数領域内でフィルタ処理を実行する実施形態を示した。そこで、後者の実施形態では、図29に示されているように、少なくとも2つ、つまり、第1の監視チャネルKIおよび第2の監視チャネルKIIは、それぞれ遷移周波数fTの定義の仕方に応じて手直しされたフィルタ処理FIおよびFIIで形成される。したがって、図29は、図16または図28のような実施形態である。
【0126】
そこで、それぞれのチャネルKIおよびKIIのそれぞれの第1および第2のフィルタ処理FI、FIIの出力信号に応じて、圧力指示信号が計算される。
【0127】
それによって、チャネルKIおよびKIIのそれぞれの第1および第2のフィルタ処理の結果が異なるという事実が利用される。つまり、フィルタFIの出力は、第2のフィルタ処理FIIの結果と違う形で監視される気体種の圧力の関数として変化するということである。
【0128】
図30には、図29のようなそれぞれのチャネルKIおよびKIIにおけるフィルタ処理の出力信号SFIおよびSFIを示すことにより気体試料、したがって例えば酸素の圧力を監視した結果が示されている。信号SFIIIは、任意の尺度で測られるが、単位は等しい。
【0129】
周波数領域Iにおけるフィルタ処理については、帯域通過フィルタが使用される。これらのフィルタは、感度および信号対ノイズ比に関して最適化されていない。しかしながら、チャネルKIの帯域通過フィルタの低域遮断周波数とともにチャネルKIIの帯域通過フィルタの高域遮断周波数は、両方の遷移周波数fTmaxおよびfT?pから明らかに隔たるように選択される。
【0130】
約0mbarから75mbarまでの監視されている圧力範囲全体?pのうちの約0mbarから50mbarまでの圧力部分範囲?ps内で、絶対値が信号SFII、つまりチャネルKIIでのフィルタ処理の微分係数対圧力特性の絶対値よりも大きいような微分係数対圧力を有する第1のフィルタ処理の第1の出力信号SFIが発生することがわかるであろう。図31には、図30の表現と似た表現で、異なる圧力範囲、ここでもまた酸素圧力を例とすると、つまり、約75から200mbarの範囲において、それぞれのチャネルフィルタ処理のそれぞれの出力信号SFIおよびSFIIが示されている。図31から、ここでは、約110から190mbarまでの圧力部分範囲?ps内で、信号SFI対圧力の微分係数の絶対値は信号SFIIのそのような微分係数よりも大きいことがわかるであろう。したがって、図29による2チャネルアプローチでは、第1のフィルタ処理FIにより第1の微分係数対圧力が所定の圧力範囲?p内にある第1の信号が発生し、第2のフィルタ処理FIIを使用して、第2の微分係数対圧力が所定の圧力範囲?p内にある信号を発生し、それにより、それらの微分係数の一方の絶対値は、所定の圧力範囲?p内の少なくとも1つの圧力部分範囲?ps内の他方の微分係数の絶対値よりも小さいことがわかるであろう。それによって、それらの微分係数は、ノイズを考慮せずに、つまり、それぞれの出力信号を平滑化することにより考察されるが、それは、ノイズがランダムな微分係数対圧力の特性を規定するからである。
【0131】
図32は、図30および図31の表現と似た表現で、約0から195mbarの監視対象の所定の圧力範囲にある信号SFIおよびSFIIの推移を示している。それから、遷移周波数fTmaxまたはfT?pよりも高い周波数領域Iにおけるフィルタ処理に一致するチャネルKIにおける第1のフィルタ処理FIの微分係数対圧力は所定の圧力範囲全体?pのうち圧力部分範囲?ps1で排他的に正、第2の圧力部分範囲?ps2で排他的に負であることがわかるであろう。さらに、第2の信号SFIIの微分係数は、圧力範囲?p全体の中で排他的に一方の符号を持つ。
【0132】
さらに、第1の信号SFIの微分係数の絶対値は、少なくとも部分範囲?ps1において大きく、したがってここでもまたノイズを考慮しない。
【0133】
図30から図32で示されているような信号は、遷移周波数の上下の2つの周波数領域において気体およびそれぞれのフィルタ処理について典型的なものである。
【0134】
示されている結果は、酸素ガスについて監視された。
【0135】
監視対象の圧力範囲?pにおける図32の信号の推移を念頭に置けば、信号SFIの感度は、圧力部分範囲?ps1および?ps2内にあり、それぞれの圧力部分範囲内の信号SFIの感度よりも大きい。他方で、信号SFIは、SFIの一方の信号値が、非常に異なる2つの圧力値について指示する可能性があるという点で曖昧である。例えば、図32に示されているように、信号SFIの信号値S0は、約25mbarの圧力を示すが、約170mbarの圧力も示す場合がある。
【0136】
信号SFIIは、感度が比較的低いけれども、部分範囲?ps1および?ps2を含む範囲?pにわたって曖昧ではない。
【0137】
したがって図29のユニット15などによる信号計算の一実施形態では、図33に従って以下を実行できる。
【0138】
主に、周波数領域II内のフィルタ処理結果と一致する、図29によるチャネルKIIからの第2の信号SFIIに依存する信号から、第1のフィルタ処理の瞬間的に有力な結果に対する有力な圧力部分範囲SFIが決定される。図33に概略が示されているように、有力な実際の信号SFIIを計算ユニット13IIによりユニット11IIに事前に格納されている基準特性SFIIrefと比較する。SFIIrefの曖昧でない特性での比較結果は、推定圧力値peを示しており、これは、比較器ユニット20に送られる。そこで、推定圧力値pe、つまり、その値を示す信号が、図32の?ps1および?ps2により、圧力部分範囲?psの限界値と比較される。この比較結果は、圧力部分範囲?psを示す、つまり?ps1または?ps2のいずれかを念頭に置いた、出力信号である。
【0139】
比較器ユニット20の出力信号は、制御入力C21を介して、例えば両方ともルックアップテーブルである格納ユニット23aまたは23bのいずれかのアクティブ化を制御する。一方の格納ユニット23aでは、図32の?ps1による第1の圧力部分範囲における第1のフィルタ処理FIの特性SFIrefは事前に格納されるが、格納ユニット23bでは、これもまた、例えば、ルックアップテーブルの形で、圧力部分範囲?ps2内の第1のフィルタ処理FIの結果の特性SFIrefが事前に格納される。
【0140】
圧力部分範囲指示信号?psは、他の比較器ユニット25内で2つのあらかじめ記憶されている特性のうちどれを第1のフィルタ処理FIの有力な結果信号SFIと比較するかを制御する。これは、制御される選択ユニット27によるものであることが図33に概略として示されている。
【0141】
したがって、第2のフィルタ処理FIIに依存する信号から部分範囲?ps内の第1のフィルタ処理FIの結果に依存する信号からの有力な圧力部分範囲?psを決定した後、圧力指示信号が確定される。
【0142】
本発明の他の実施形態の説明に進む前に、酸素圧力監視に使用されている実際に確定されている次元指示を与えることにする。
・変調周波数fcに対する第2の帯域通過フィルタFIIの中心周波数fZII:
10≦fZII/fc≦20
・第1の帯域通過フィルタFIの中心周波数fZI:
50≦fZI/fc≦120
・第2の帯域通過フィルタBPIIの帯域幅:
1≦BII/fc≦18
・第1の帯域通過フィルタBIの帯域幅:
50≦BI/fc≦1000
・少なくとも5pmのレーザ変調の図1による波長微分係数H、それによって好ましくは以下のとおりである:
50pm≦H≦500pm
【0143】
それによって、変調可能レーザとして、面発光型半導体レーザが使用され、fc~800Hzで変調された。
【0144】
すべての異なる実施形態がこれまでに説明されている本発明は、他の実施形態でも、これから説明するように、実用システムにおいて適用されるため、他の実施形態を取りあげることにする。
【0145】
図34には、変調された波長帯域で説明されたレーザ光に対し透過的であり、また充填されていてもされていなくてもよい閉じた容器内の気体種の圧力を監視するためのシステムの概略が示されている。このような容器は、酸素圧力を正確に監視しなければならないが、例えば、酸素に晒されない充てん剤を含むガラスまたはプラスチック製ビンである。
【0146】
したがって、本発明の他の実施形態では、監視対象の気体種は、閉じた透明な容器内に封じ込められ、レーザ光が当てられたときにレーザ光が透過する。図34によれば、例えばガラスビンまたはプラスチック製ビン27などの容器を、充てんし、密閉し、場合によっては大気中で短時間または長時間にわたって保管した後、コンベヤ装置29を例えば回転トレーとして使い気体圧力、特に酸素圧力監視ステーション31に向けて搬送する。そこで、図1によれば、レーザ装置1が変調発振器9を使って説明されたように変調可能なものとして用意されている。波長変調レーザビームBは、透過ビームBTrとして試験対象の容器27を通過した後、図1による光電変換器5および評価ユニット7を備える受信器ユニット29に入る。システムの構造に応じて、試験対象の容器27は気体圧力監視中コンベヤ29により運ばれ続け、それにより、この場合には、レーザ装置1および受信器ユニット29は、監視試験中の運ばれる容器27と同期して所定の軌跡をたどって移動する。
【0147】
そうでない場合、他の構造では、試験対象の容器27は、レーザ装置1および受信器装置29が静止するように停止される。
【0148】
したがって透過レーザビームBTrのエネルギーは、実際にレーザ装置1と受信器ユニット29の光入力ポートとの間の透過経路全体の有力な透明性の影響を受け、特に、容器の透明性の変化の影響を受けるが、ただしこれは、容器の材料、容器の壁の汚染などの許容誤差によるものである場合である。
【0149】
これは、一般的に透過指示測定が実行されるため、考慮される。透過がフィルタ処理されると説明されていた信号のエネルギーだけでなく、実際のフィルタ処理の結果の比較先のルックアップテーブル内の基準特性の有意性にも影響を与えるので、透過指示信号はそのような信号の重み付けのため適用される。
【0150】
図1による透過経路3内の有力な透明性は別のレーザビームを使って測定できるという事実があるにもかかわらず、一実施形態では、レーザビームB自体を利用して、さらに透明性指示情報を供給する。図4を念頭に置き、信号S5のスペクトルは変調周波数fcで異なるスペクトル線を含むことが説明された。使用されるレーザビームの波長変調方法に応じて、fcのスペクトル成分は比較的高エネルギーまたは低エネルギーとなる。例えば、面発光型半導体レーザ(VCSEL)を使用する場合、H.P.Zappe他著「Narrow-linewidth vertical-cavity surface-emitting lasers for oxygen detection」Appl.Opt.39(15),2475-2479(2000年5月)で教示されているように発光スペクトルの中心波長が順方向電流を振幅変調することにより同調可能であり、したがって変調可能であれば、周波数fcの透過レーザビームのエネルギーは極めて大きい。その結果、信号S5のエネルギーはそれ自体透過率を示す。信号S5内の圧力指示情報を評価するすべてのフィルタ処理モードで説明されているように、周波数fcのエネルギーは、変調周波数fcよりも上の最低-最大遮断周波数を持つすべてのフィルタ処理を選択することにより考慮されない。
【0151】
したがって、図35によれば、第3のチャネルKCALが較正チャネルとして用意され、そこで、直接的に、または場合によっては、点線で示されているように、周波数fcの選択的帯域通過フィルタ処理を介して、透過指示信号STrが発生する。この透過指示信号は、一般的に、圧力指示信号が従属する信号に重みを付けるために使用される。説明されている、図35による実施形態では、選択された遷移周波数fTmaxまたはfT?pに関係なく、ルックアップテーブル11Iおよび11II内の一致する圧力依存値を見つけるためにフィルタ処理の結果信号SFIおよびSFIIが使用されるが、透過指示信号STrは、ルックアップテーブルユニット11I、11IIの出力だけでなくフィルタ処理ユニットFIおよびFIIの出力のところにも用意されている較正ユニット33に適用される。
【0152】
したがって、それぞれの比較ユニット13の出力に現れる出力信号は、対象となっていた、含まれる特定の気体種、特に酸素の圧力に関して、直列で監視される、つまり後続の流れの中で監視される容器27の透過率が変化する可能性に関係なく、図1による、図34を念頭に置いた、透過経路3の瞬間的に有力な透過特性から無関係になる。
【0153】
さらに他の実施形態は、気体種圧力監視を、所定の知られている圧力を持つそのような気体試料に関してこれまでに説明したように実行することを含むが、ただし、説明されているとおりシステムの全体の機能および精度の目的をチェックし、また試験対象の気体種に関する基準圧力指示信号を供給するものとする。図34の教示を念頭に置き、所定の数の容器27を試験した後常にそのような標準監視を行うようにすることができ、また有力な気体種、この場合には酸素に関して容器27のそれぞれを監視する前であっても実行できる。
【0154】
図35には、それぞれの容器27で監視している気体種圧力の前に取りあげたばかりの標準または基準監視を実行する一実施形態が示されている。
【0155】
図36によれば、図34に従って試験対象のコンベヤ29により監視ステーション31にいったん運ばれたそれぞれの容器27は、移送部材35により掴まれる。移送部材35は、制御されるグリップ装置37およびレーザ遷移パススルー39とともに示されているような管状部材を含むことができる。移送部材35は、二重矢印Fで示されているようにコンベヤ29の上下の経路に垂直に移動可能であり、それによってドライブ41により制御される形で駆動される。レーザ装置1および光電変換器装置5は、コンベヤ29の上に配置することで、試験対象の容器27は、図に示されている位置で掴まれ、その後、パススルー39がレーザビームBの遷移経路を開いたときに、監視位置内のドライブ41および部材35を使って持ち上げられる。図36では、移送部材35は、下側位置に示されており、試験対象の次の容器27はまさに掴まれようとしているところである。移送部材35は、さらに、標準または基準容器27STを保持しており、そこでは、監視すべき所定の量の気体種が存在し、その結果、所定の圧力が指定された温度で得られる。移送部材35内の標準容器27STは、ほとんど滅多に交換されない。移送部材35とともに制御されたドライブ41を使って上下に移動され、第2のパススルー39STが移動部材35内の標準容器27STの取付位置に応じた位置に用意されると、移送部材35が図36に示されているような位置にある場合には、レーザビームBは標準容器27ST内を通過する。これによって、基準監視が実行される。図36では、監視対象の容器27が監視位置に持ち上げられる場合には、点線で、標準容器27STの位置を示している。
【0156】
閉じた容器内の気体種の圧力は、試験対象の容器および移送部材35内の標準容器27STについて、周囲によって定められるように、実質的に等しい温度に依存するという事実から、標準容器27ST内に封じ込められている気体種は、試験対象の容器27に入っている可能性のある気体種と同じ温度変化のせいで圧力変化を受ける。図36によれば、透過したレーザビームBの光電変換の後、これまでに大半について説明したように最終的には信号計算ユニット15で信号処理が実行される。計算ユニット15の出力A15で発生した信号は、説明したように、瞬間的に監視されるような特定の気体種の圧力を示す信号を表す。図36に示されているように、標準または基準容器27STは、さらに、気体圧力監視が行われ、出力A15に出る結果は格納ユニット41に格納される。その後、試験対象の容器27で生成された後続の監視試験結果が、格納ユニット41内の格納されている基準結果値とともに異なる差分形成ユニット43に供給される。したがって、出力信号Dpが生成され差分ユニット43の出力のところに現れるが、これは、基準または標準容器27STと試験監視される次の有力な運ばれる容器27で監視されるような気体圧力指示信号の間の差を示す。
【0157】
時間制御ユニット45は、図35に概略が示されているように、ユニット15の出力信号を格納ユニット41に格納すること、格納されている基準信号とともにユニット15の有力な出力信号を差分ユニット43に適用すること、および制御されたドライブ41を介して移送部材35の上下移動Fを制御する。
【0158】
さらに、また図36に概略のみが示されているように、その結果得られる差分信号Dpは、しきい値ユニット45に供給され、そこで、しきい値設定ユニット47による事前設定に従って、所定のしきい値に達したかどうかがチェックされる。プリセットされているしきい値とDpとの比較結果によっては、瞬間的に試験される容器27は気体種の含有量に関する所定の条件を満たしているものとみなされ、その後、高々諸所定の最大量の気体種、特に酸素を保持する閉じた、透明な容器であるとみなされ、したがって、正規の容器である。前記条件を満たさない、したがって含まれる酸素量が多すぎる容器は、図36に概略が示されているように、しきい値ユニット45のしきい値チェックから制御される破棄スイッチS45を使って破棄される。
【0159】
他の実施形態として、格納ユニット41は平均計算ユニットにより置き換えられ、そこで、標準容器27STで監視される後続の基準圧力指示信号の平均を計算し、平均して得られた結果が差分ユニット43に供給される。それによって、標準容器27STが何らかの理由により破損した場合でも、その監視が平均計算結果を急激に変えることはなく、したがって、有力な差分結果Dpはいくつかの容器27についてあい変わらず正確であり、そのため、このような状況が生じても、試験対象の容器27が所定の気体条件を満たしている、あるいは満たしていないと誤って判断されることはない。それによって(図には示されていない)、標準容器27STの監視結果が所定の信号範囲から外れた場合には、必ず、アラームが設定され標準容器27STの破損に関する通知を行うようにできる。
【0160】
さらに、図34および35は、単一の試験場の実施形態を示している。試験された容器27のスループットを高めるために、複数の試験場31を用意して並行して稼働させ、試験サイクル時間を並行試験場の数で割って求め、コンベヤ29を使って容器27を運ぶ速度を高める。
【0161】
気体圧力監視について開示されている手法を使用し、ガラスまたはプラスチック製ビンの中の酸素含有量に適用することで、試験サイクル時間が0.3秒以下に短縮され、その結果、流れの中の容器を試験し、それによって、すべての単一容器27を試験することができた。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明による装置および本発明による監視方法を実行する工程を示す簡略化した概略図である。
【図2】本発明による波長変調を説明するために気体種の吸収線を波長軸上に定性的に示す図である。
【図3】異なる圧力での酸素のような気体種の吸収スペクトルを示す図である。
【図4】本発明による光電変換から得られる電気的信号のスペクトルを定性的に示す図である。
【図5】気体種の異なる圧力での図4によるスペクトルの包絡線を定性的に示す図である。
【図6】火線関数に対して異なる気体圧力定義に関する図4によるスペクトルの包絡線を定性的に示す図である。
【図7】火線関数の助けを借りて遷移周波数の決定を説明するための図6のと似た表現である。
【図8】図7で見つかるような遷移周波数に関する1つの周波数領域における本発明による第1のフィルタ処理の概略を定性的に示す図である。
【図9】図8によるフィルタ処理結果の評価を示す簡略化された機能ブロック図である。
【図10】監視される圧力の関数として図9の実施形態の出力信号の推移の例を定性的に示す図である。
【図11】信号の流れ/機能ブロック図を使用して、本発明による、図9によるフィルタ処理を使った圧力指示信号の評価の概略を示す図である。
【図12】図7で決定された遷移周波数に関する第2の周波数領域における本発明による第2のフィルタ処理の概略を定性的に示す図である。
【図13】図12によりフィルタ処理を実行することを示す簡略化された機能ブロック表現である。
【図14】監視される圧力から図13による実施形態の出力信号の依存関係の実施例を定性的に示す図である。
【図15】信号の流れ/機能ブロック図を使用して、図13によるフィルタ処理から圧力指示信号を評価する工程の概略を示す図である。
【図16】図8によるフィルタ処理および図12によるフィルタ処理が組み合わせて利用される、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図17】図8による帯域通過フィルタを手直しすることを説明する、異なる圧力値に対する図4によるスペクトルのスペクトル包絡を定性的に示す図である。
【図18】図12により帯域通過フィルタを手直しする、図17による表現の図である。
【図19】再び圧力でパラメータ化された、遷移周波数を決定するための本発明の第2の態様による図4によるスペクトルのスペクトル包絡を定性的に示す図である。
【図20】図19で決定されたとおりの遷移周波数よりも高い周波数領域内で第1のフィルタ処理を手直しすることを示す、図8と類似の図である。
【図21】図9と同様の表現であって、それによって図20によるフィルタ処理を行うことを示す、図である。
【図22】気体圧力に対する図21による実施形態の出力信号の従属関係の実施例を定性的に示す図である。
【図23】圧力指示信号を発生するための図21によるフィルタ処理の結果を評価することを示す、図11に類似の図である。
【図24】図19により決定された遷移周波数よりも低い周波数領域内での第2のフィルタ処理の表現を示す、図12と類似の図である。
【図25】図24によるフィルタ処理を実行するための簡略化された機能ブロック図を示す、図13に類似の図である。
【図26】簡略化された形態および圧力指示信号を発生する図25によるフィルタ処理を評価する機能ブロック/信号流れ図による、図15に類似の図である。
【図27】圧力から図25の実施形態の出力信号の従属関係の一実施例を定性的に示す図である。
【図28】図19により決定された遷移周波数に基づく、本発明による他の実施形態を示す図であって、それにより圧力指示信号を評価するため図20および24に従ってフィルタ処理を組み合わせることを示す図である。
【図29】本発明によるツインの並列測定チャネル実施形態の概略を示す簡略化された図である。
【図30】1つの圧力範囲において図29による実施形態を使って酸素圧力を監視した結果を示す図である。
【図31】図30による表現で、第2の圧力範囲における結果を示す図である。
【図32】図30および31による表現で、さらに広い圧力範囲にわたって監視したときの結果を示す図である。
【図33】例えば図32に示されているような信号の推移を利用する本発明による評価ユニットの一部の機能ブロック/信号流れ図である。
【図34】本発明による装置であって、気体含有量に関して流れの中で透明の閉じた容器をテストするための本発明の方法により動作する装置の最も簡略化した図である。
【図35】他の変更形態における評価ユニットの簡略された信号の流れ/機能ブロック図である。
【図36】図34による装置の本発明による変更形態の図である。
【符号の説明】
【0163】
A7 出力
A15 出力
App
B レーザビーム
BPI 周波数帯域
C21 制御入力
E7 入力
EN スペクトル包絡線
fc 周波数
FI フィルタユニット
F?pI フィルタ
F?pII フィルタ
fT?p 遷移周波数
f?pI- 低域遮断周波数
I?p 周波数領域
KI 第1の監視チャネル
KII 第2の監視チャネル
M 入力
S5 電気信号
S7 出力信号
S45 破棄スイッチ
SFI 出力信号
SFII 出力信号
SFIIref 特性
SF?pI 出力信号
SF?pII 出力信号
1 レーザ装置
3 気体の試料
5 光電変換器装置
7 評価ユニット
9 発振器
11I メモリユニット
11II 格納ユニット
13I 比較ユニット
13II 比較ユニット
15 計算ユニット
20 比較器ユニット
23aまたは23b 格納ユニット
25 比較器ユニット
27 選択ユニット
27ST 基準容器
29 コンベヤ装置
31 酸素圧力監視ステーション
35 移送部材
39ST 第2のパススルー
41 制御されたドライブ
43 差分形成ユニット
45 時間制御ユニット
47 しきい値設定ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高くとも所定の最大圧力値まで気体種の圧力を監視する方法であって、
前記気体種にレーザ光を透過させることと、
前記気体種の少なくとも1本の吸収線を含む波長帯域にわたって前記レーザ光の前記波長を周期的変調することと、
前記透過したレーザ光を光電変換し、それによって、電気的出力信号を発生させることと、
少なくとも、
遷移周波数以上の低域遮断周波数を有するフィルタ特性による前記電気的出力信号の第1のフィルタ処理と、
前記遷移周波数以下の高域遮断周波数および前記周期的波長変調の変調周波数よりも高い低域遮断周波数を有する帯域通過フィルタ特性により前記電気的出力信号の第2のフィルタ処理のうちの一方を実行することと、
それによって、前記電気的出力信号のスペクトルにおける前記遷移周波数を決定し、そこで、前記電気的信号の圧力依存スペクトル包絡の火線関数は前記最大圧力下の前記スペクトルの包絡線に接することと、
前記フィルタ処理のうちの少なくとも1つの出力を圧力指示信号として評価することと、を含む方法。
【請求項2】
さらに、前記第1および第2のフィルタ処理の両方を実行することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、前記第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行することを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
さらに、前記遷移周波数よりも高い低域遮断周波数を有する前記第1のフィルタ処理を実行することを含む請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行することと、前記第1のフィルタ処理の前記低域遮断周波数よりも高いフィルタ周波数を決定することと、前記電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数は所望の特性に少なくとも近似的に一致することと、前記フィルタ周波数を帯域通過中心周波数とする前記第1の帯域通過フィルタ処理を実行することと、を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行し、前記帯域通過フィルタ処理の帯域幅を、所望の信号対ノイズ比を達成することを目標として選択する請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
さらに、前記第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行することと、ノイズを考慮して前記第1の帯域通過フィルタ処理の前記出力信号の所望の感度を実現することとを含むが、その実現のために、
a)前記第1のフィルタ処理の前記低域遮断周波数よりも高いフィルタ周波数を決定し、そこで前記電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数は所望の特性に少なくとも近似的に一致し、前記フィルタ周波数で前記第1の帯域通過フィルタ処理の前記帯域通過中心周波数を確定する工程と、
b)前記第1の帯域通過フィルタ処理の帯域幅を所望の信号対ノイズ比範囲に合わせて手直しする工程と、を1回または複数回実行する請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
さらに、前記遷移周波数よりも低い前記第2のフィルタ処理の前記高域遮断周波数を選択することを含む請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記第2のフィルタ処理を中心周波数で実行し、そこで、前記電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数は所望の特性に少なくとも近似的に一致することを含む請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
さらに、前記第2のフィルタ処理を所望の信号対ノイズ比に対する帯域幅で実行することを含む請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
さらに、ノイズを考慮して前記第2のフィルタ処理の前記出力信号の所望の感度を実現することを含むが、その実現のために、
a)前記第2のフィルタ処理の中心周波数を決定し、そこで前記電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数が所望の特性に少なくとも近似的に一致する工程と、
b)前記第2のフィルタ処理の帯域幅を所望の信号対ノイズ比に合わせて手直しする工程とを1回または複数回実行することを含む請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
最大圧力値と最小圧力値との間の所定の圧力範囲内の気体種の圧力を監視する方法であって、
前記気体種にレーザ光を透過させることと、
前記気体種の少なくとも1本の吸収線を含む波長帯域にわたって前記レーザ光の前記波長を周期的変調することと、
前記透過したレーザ光を光電変換し、それによって、電気的出力信号を発生させることと、
少なくとも、
遷移周波数以上の低域遮断周波数を有するフィルタ特性による前記電気的出力信号の第1のフィルタ処理と、
前記遷移周波数以下の高域遮断周波数および前記周期的波長変調の変調周波数よりも高い低域遮断周波数を有する帯域通過フィルタ特性により前記電気的出力信号の第2のフィルタ処理のうちの一方を実行することと、
それによって、前記電気的出力信号のスペクトルの前記遷移周波数を決定し、そこで、前記最小圧力値および前記最大圧力値の前記電気的出力信号のスペクトル包絡線は交差することと、
前記フィルタ処理のうちの少なくとも1つの出力を圧力指示信号として評価することと、を含む方法。
【請求項13】
さらに、前記第1および第2のフィルタ処理の両方を実行することを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
さらに、前記第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行することを含む請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
さらに、前記遷移周波数よりも高い低域遮断周波数を有する前記第1のフィルタ処理を実行することを含む請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
さらに、前記第1のフィルタ処理を前記遷移周波数とノイズ制限周波数との間の帯域通過フィルタ処理として実行することと、前記ノイズ制限周波数は前記電気的出力信号のノイズエネルギーが前記最小圧力値における前記電気的出力信号の信号エネルギーに等しくなる点で定義されることとを含む請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
さらに、前記最大圧力を加えることと前記最小圧力を加えることとの間の前記電気的出力信号のスペクトルのエネルギー差が最大になるように前記第1の帯域通過フィルタ処理を選択することを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
それによって、前記電気的出力信号のノイズエネルギーが、前記フィルタ処理が有効である場合に、前記最大圧力の信号エネルギーにせいぜい等しいという制約条件の下で前記第1の帯域通過フィルタ処理を選択することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
さらに、前記遷移周波数よりも低い前記第2のフィルタ処理の前記高域遮断周波数を選択することを含む請求項12から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
さらに、前記第2のフィルタ処理を実行し、そこで前記最大圧力を加えることと前記最小圧力を加えることとの間の前記電気的出力信号のスペクトルのエネルギー差が最大であることを含む請求項12から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
気体種の圧力を監視する方法であって、
前記気体種にレーザ光を透過させることと、
前記気体種の少なくとも1本の吸収線を含む波長帯域にわたって前記レーザ光の前記波長を周期的変調することと、
前記透過したレーザ光を光電変換し、それによって、電気的出力信号を発生させることと、
少なくとも第1および第2の並列気体圧力監視チャネルに前記電気的出力信号に依存する信号を入力することと、
前記第1のチャネルで第1のフィルタ処理を実行することと、
前記第2のチャネルで第2のフィルタ処理を実行することと、
前記第1のフィルタ処理の出力信号が前記圧力の関数として第1の特性とともに変化するように前記第1のフィルタ処理を実行することと、
前記第2のフィルタ処理の出力信号が前記圧力の関数として第2の特性とともに変化するように前記第2のフィルタ処理を実行することと、
前記第1の特性は前記第2の特性と異なることと、
前記第1および第2のフィルタ処理の出力信号に依存する信号を組み合わせることから、前記圧力指示信号を評価することと、を含む方法。
【請求項22】
さらに、前記第1および前記第2のフィルタ処理のうち少なくとも一方を帯域通過フィルタ処理として含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
さらに、前記第1および第2のフィルタ処理を前記電気的出力信号のスペクトルの重なり合わない周波数領域内で実行することを含む請求項21または22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
さらに、前記第1および前記第2のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行することを含む請求項21から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
さらに、前記第1および第2のフィルタ処理を、それぞれ第1および第2の周波数範囲内で実行することと、前記電気的出力信号のエネルギーは、前記第1の周波数範囲において第1のエネルギー対圧力特性を有し、前記第2の周波数範囲において第2のエネルギー対圧力特性を有し、前記第1および第2のエネルギー特性は互いに異なることとを含む請求項21から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
さらに、前記第1および第2のフィルタ処理のうち少なくとも一方を帯域通過フィルタ処理として実行することを含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
さらに、前記第1の特性を表す第1の基準特性を事前に格納することと、前記第2の表す第2の基準特性を事前に格納することと、それぞれ前記第1および第2のフィルタ処理の出力信号に従属する信号を前記第1および第2の基準特性と比較することと、それによって第1および第2の圧力指示信号を発生することとを含む請求項21から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のフィルタ処理では、第1の微分係数対圧力が所定の圧力範囲内にある第1の出力信号を発生し、前記第2のフィルタ処理では、第2の微分係数対圧力が前記所定の圧力範囲内にある第2の出力信号を発生し、前記微分係数の一方の絶対値は、前記所定の圧力範囲の少なくとも1つの共通部分圧力範囲内で前記微分係数の他方の絶対値よりも小さく、ノイズなしで前記微分係数を考慮する請求項21から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第2のフィルタ処理で、排他的に正または負の第2の微分係数対圧力が所定の圧力範囲内にある第2の出力信号を発生し、前記第1のフィルタ処理で、第1の微分係数対圧力が前記所定の圧力範囲の少なくとも1つの圧力部分範囲内で排他的に正であり、前記所定の範囲の少なくとも1つの第2の圧力部分範囲内で排他的に負である第1の出力信号を発生し、前記第2の微分係数の絶対値は、前記部分範囲の少なくとも1つで、前記部分範囲の前記少なくとも1つにおける前記第1の微分係数の絶対値よりも小さく、ノイズなしで微分係数を考慮する請求項21から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
さらに、前記圧力部分範囲の1つを前記第2の出力信号に依存する信号から決定することを含む請求項29に記載の方法。
【請求項31】
さらに、圧力指示信号を前記決定された圧力部分範囲内の前記第1の出力信号に依存する信号から決定することを含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
さらに、
監視すべき最大圧力をあらかじめ決定することと、
少なくとも、
遷移周波数以下の高域遮断周波数および前記周期的波長変調の変調周波数よりも高い低域遮断周波数を有する帯域通過フィルタ特性による前記第2のフィルタ処理を実行することと、
前記遷移周波数以上の低域遮断周波数を有するフィルタ特性による前記第1のフィルタ処理を実行することのうちの一方を実行することと、
それによって、前記電気的出力信号のスペクトルにおける前記遷移周波数を決定し、そこで、前記電気的出力信号の圧力依存スペクトル包絡の火線関数は前記最大圧力下の前記スペクトルの包絡線に接することとを含む請求項21から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
さらに、前記第1および第2のフィルタ処理を実行することを含む請求項32に記載の方法。
【請求項34】
さらに、前記第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行することを含む請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
さらに、前記遷移周波数よりも高い低域遮断周波数を有する前記第1のフィルタ処理を実行することを含む請求項32から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
さらに、前記第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行することと、前記第1のフィルタ処理の前記低域遮断周波数よりも高いフィルタ周波数を決定することと、前記電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数は所望の特性に少なくとも近似的に一致することと、前記フィルタ周波数を帯域通過中心周波数とする前記第1の帯域通過フィルタ処理を実行することとを含む請求項32から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行し、前記帯域通過フィルタ処理の帯域幅を、所望の信号対ノイズ比を達成することを目標として選択することを含む請求項32から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
さらに、前記第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行することと、ノイズを考慮して前記第1の帯域通過フィルタ処理の出力信号の所望の感度を実現することとを含むが、その実現のために、
a)前記第1のフィルタ処理の前記低域遮断周波数よりも高いフィルタ周波数を決定し、そこで前記電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数は所望の特性に少なくとも近似的に一致し、前記フィルタ周波数で前記第1の帯域通過フィルタ処理の前記帯域通過中心周波数を確定する工程と、
b)前記第1の帯域通過フィルタ処理の帯域幅を所望の信号対ノイズ比に合わせて手直しする工程とを1回または複数回実行する請求項32から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
さらに、前記遷移周波数よりも低い前記第2のフィルタ処理の高域遮断周波数を選択することを含む請求項32から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
さらに、前記第2のフィルタ処理を中心周波数で実行し、そこで、前記電気的出力信号のスペクトル振幅対圧力の微分係数は所望の特性に少なくとも近似的に一致することを含む請求項32から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
さらに、前記第2のフィルタ処理を所望の信号対ノイズ比に対する帯域幅で実行することを含む請求項32から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
さらに、前記第2のフィルタ処理を実行することと、ノイズを考慮して前記第2のフィルタ処理の出力信号の所望の感度を実現することを含むが、その実現のために、
a)前記第2のフィルタ処理の中心周波数を決定し、そこで前記電気的出力信号の振幅対圧力の微分係数が所望の特性に少なくとも近似的に一致する工程と、
b)前記第2のフィルタ処理の帯域幅を所望の信号対ノイズ比に合わせて手直しする工程とを1回または複数回実行することを含む請求項32から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
さらに、
最小圧力と最大圧力との間の所定の圧力範囲で前記監視を実行することと、
少なくとも、
遷移周波数以下の高域遮断周波数および前記周期的波長変調の変調周波数よりも高い低域遮断周波数を有する帯域通過フィルタ特性による前記第2のフィルタ処理と、
前記遷移周波数以上の低域遮断周波数を有するフィルタ特性による前記第1のフィルタ処理のうちの一方を実行することと、
それによって、前記電気的出力信号のスペクトルの前記遷移周波数を決定し、そこで、前記最小圧力値および前記最大圧力値の前記電気的出力信号のスペクトル包絡線は交差することと含む請求項21から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
さらに、前記第1および第2のフィルタ処理を実行することを含む請求項43に記載の方法。
【請求項45】
さらに、前記第1のフィルタ処理を帯域通過フィルタ処理として実行することを含む請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
さらに、前記遷移周波数よりも高い低域遮断周波数を有する前記第1のフィルタ処理を実行することを含む請求項43から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
さらに、前記第1のフィルタ処理を前記遷移周波数とノイズ制限周波数との間の帯域通過フィルタ処理として実行することと、前記ノイズ制限周波数は前記電気的出力信号のノイズエネルギーが前記最小圧力値における前記電気的出力信号の信号エネルギーに等しくなる点で定義されることとを含む請求項43から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
さらに、前記最大圧力を加えることと前記最小圧力を加えることとの間の前記電気的出力信号のスペクトルのエネルギー差が最大になるように前記第1の帯域通過フィルタ処理を選択することを含む請求項47に記載の方法。
【請求項49】
それによって、前記電気的出力信号のノイズエネルギーが、前記フィルタ処理が有効である場合に、前記最大圧力の信号エネルギーにせいぜい等しいという制約条件の下で前記第1の帯域通過フィルタ処理を選択することを含む請求項48に記載の方法。
【請求項50】
さらに、前記遷移周波数よりも低い前記第2のフィルタ処理の前記高域遮断周波数を選択することを含む請求項43から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
さらに、前記第2のフィルタ処理を実行し、そこで前記最大圧力を加えることと前記最小圧力を加えることとの間の前記電気的出力信号のスペクトルのエネルギー差が最大であることを含む請求項43から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
さらに、前記遷移周波数よりも低い前記第1のフィルタ処理の高域遮断周波数を選択することを含む請求項43から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記気体種が酸素である請求項1から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
さらに、前記気体種の所定の圧力で前記監視を実行することにより基準圧力指示信号を発生させることを含む請求項1から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
さらに、前記基準圧力指示信号と前記圧力指示信号との差に応じて結果として得られる圧力指示信号を発生することを含む請求項54に記載の方法。
【請求項56】
さらに、前記気体種が加えられる、または加えられるべき軌跡にそった前記レーザ光の透過を監視することと、それによって透過指示信号を発生させることと、前記透過指示信号に応じて信号に重み付けすることと、これに前記圧力指示信号が従属することとを含む請求項1から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
さらに、前記レーザ光に対し透過的な容器内で前記気体種を気体に供給することを含む請求項1から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
さらに、前記容器を外気中に設けることを含む請求項57に記載の方法。
【請求項59】
さらに、前記透明な容器を含む前記レーザ光に対する軌跡の透明性を監視することと、それによって透明性指示信号を発生させることと、前記透過指示信号に応じて信号に重み付けすることと、これに前記圧力指示信号が従属することとを含む請求項57または58に記載の方法。
【請求項60】
さらに、第3の並列チャネルを較正用チャネルとして用意することと、前記第3のチャネルで前記透過指示信号を発生することとを含む請求項59に記載の方法。
【請求項61】
さらに、前記気体種の所定の量の圧力により基準容器で前記監視を実行することにより基準信号を発生させることと、それによって前記基準信号および前記圧力指示信号からの差に応じて結果圧力指示信号を発生させることとを含む請求項57または60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
さらに、前記圧力指示信号のもっともらしさをチェックすることを含む請求項1から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
さらに、酸素圧力を監視することを含む請求項57から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記容器が製品で満たされている請求項57から63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記容器が実質的にガラスまたはプラスチック材料製である請求項57から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記容器はビンであることを特徴とする請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記容器は、前記監視へ向かいかつそこから出る流れで運ばれる複数の容器のうちの1つである請求項57から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
さらに、前記容器、および前記監視中に同期して前記容器内を透過するレーザ光を移動することを含む請求項67に記載の方法。
【請求項69】
さらに、前記監視へ向かってかつそこから出る形でその後運ばれる複数の前記容器内でその後前記気体圧力を監視することと、前記複数の容器の1つを監視する前に所定の量の前記気体種が入っている少なくとも1つの基準容器を前記監視に適用することにより基準圧力指示信号を発生させることと、前記基準圧力指示信号および前記圧力指示信号に応じて結果圧力指示信号を発生させることとを含む請求項57から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
さらに、前記複数の容器のそれぞれを監視する前に前記基準圧力指示信号を発生させることを含む請求項69に記載の方法。
【請求項71】
さらに、前記基準圧力指示信号の後に平均をとることと、前記平均をとった結果に応じて前記差を形成することとを含む請求項69または70に記載の方法。
【請求項72】
所定の最大量の酸素が入れられたレーザ光に対し透過的な閉じられ充満された容器を製造する方法であって、閉じられ充満された透明な容器を製造することと、前記容器に対し請求項1から71のいずれか一項による気体圧力監視を実施すること、圧力指示信号が容器内で所定の最大値を超える酸素圧力を示す場合に容器を不合格品とすることとを含む方法。
【請求項73】
請求項1から72の少なくとも1つによる方法を実施する手段を含む気体種の圧力を監視する装置。
【請求項74】
外気中で直列供給透明ビン内の酸素含有量をチェックする請求項73に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2006−30161(P2006−30161A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30942(P2005−30942)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(591147948)
【氏名又は名称原語表記】MARTIN LEHMANN
【Fターム(参考)】