説明

気体除去および検出能力を有する液体分配システム

圧力分配パッケージのための分配アセンブリは、独立しており、かつ別個のものである液体導管と抽出導管とを有するとともに、加圧気体導管を有するコネクタを含む。ライナ取り付け部アダプタには、液体抽出導管を画定するコネクタのプローブ部を受容するための長手方向の穴を含んでもよく、気体の除去を可能にする側方穴を含んでもよい。コネクタを分配アセンブリに挿入すると、(a)気体抽出導管と分配容積との間、(b)液体抽出導管と分配容積との間、および(c)加圧気体導管と圧力分配容器内の加圧されるべき空間との間に同時に流体連結が形成される。流体回路内の流体の存在または流動流体の相変化は、第1の感温体の出力と第2の感温体の出力を比較することによって検出してもよい。一方の検出素子は、気体に曝露しているが液体に曝露していない検出素子の温度を上昇させるためのヒータを含む。流体を分配するためのシステムおよび方法は、第1の圧力分配装置と、分配される流体の気体飽和への接近と相関する状態を検出するために配置された検出素子とを含み、そのような検出した状態に応答して、使用箇所に供給される圧力分配される流体の流れを組み合わせるために第2の圧力分配装置によって分配を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願の対象は、2010年1月6日出願の米国仮特許出願第61/292,852号の開示に関する、およびそれを含む。このような仮出願の開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、使用する流体材料を分配するために使用することができるような分配システムおよび関連する検出システムに関する。特定の態様では、本発明は、例えば、空気または液体等の加圧媒体で置換することによって、液体または他の流体材料を源容器から排出する圧力分配システムに関し、またそのようなシステムの製作、検出、動作プロセスおよび配置に関する関連態様に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]多くの産業用途では、化学試薬および組成物は高純度状態で供給される必要があり、パッケージの充填、貯蔵、運搬および最終的な分配動作を通じて、供給された材料を純粋で適切な形態に維持することを確実とするように専用のパッケージングが開発されている。
【0004】
[0004]超小型電子デバイス製造の分野では、多種多様な液体および液体含有組成物のための適切なパッケージングが特に必要とされている。その理由は、パッケージ化した材料内の汚染物質および/またはパッケージに収容された材料への環境汚染物質の進入はいずれも、上記の液体または液体含有組成物で製造されている超小型電子デバイス製品に悪影響を及ぼし、超小型電子デバイス製品を欠陥品にするか、さらには所期の用途に使用できなくなることもあるためである。
【0005】
[0005]これらの考察の結果、フォトレジスト、エッチング液、化学蒸着試薬、溶媒、ウェーハおよびツールの洗浄用製剤、化学的機械研磨組成物、色フィルタリング用化学物質、オーバーコート、液晶材料等、超小型電子デバイス製造に使用される液体および液体含有組成物のために多くのタイプの高純度パッケージングが開発されている。
【0006】
[0006]そのように使用されるようになっている高純度パッケージングのタイプには、蓋またはカバーのような保持構造によってオーバーパック内の所定の位置に固定された可撓性のあるライナまたはバッグ内に液体または液体系組成物を収容する、剛性の、実質的に剛性の、または半剛性のオーバーパックを含む。このようなパッケージングを一般に「バッグインカン」(BIC)、「バッグインボトル」(BIB)および「バッグインドラム」(BID)パッケージングと呼ぶ。このような一般的タイプのパッケージングが、Advanced Technology Materials, Inc.(Danbury, CT, USA)からNOWPAKという商標で市販されている。
【0007】
[0007]好ましくは、ライナは可撓性のある材料を含み、オーバーパックコンテナは、実質的に前記可撓性のある材料よりも剛性のある壁材料を含む。パッケージングの剛性または半剛性のオーバーパックは(例えば)高密度ポリエチレンまたは他のポリマーまたは金属で形成してもよく、ライナは、ライナ内に収容される材料(例えば、液体)に対して不活性であるように選択された高分子フィルム材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、PTFE系積層体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等の予め洗浄された無菌の折りたたみ可能なバッグとして提供してもよい。上記材料のいずれかを含む多層積層体を使用してもよい。ライナの例示的な構成材料には、さらに、金属化フィルム、箔、ポリマー/コポリマー、積層体、押出成形品、共押出成形品、ブローフィルムおよびキャストフィルムが含まれる。このような一般的タイプのライナ式パッケージングが、Advanced Technology Materials, Inc.からNOWPAKという商標で市販されている。
【0008】
[0008]液体および液体系組成物を分配するためのライナ式パッケージングの使用時に、浸漬管を収容した液体に浸漬させた状態で浸漬管または短いプローブを含む分配アセンブリをライナのポートに連結することによって、液体または組成物はライナから分配される。流体(例えば、気体)圧力がライナの外部表面に(すなわちライナと周囲のオーバーパックコンテナとの間の空間に)印加され、継続的にライナを折りたたみ、それによって液体が分配アセンブリから押し出されて、関連するフロー回路に排出され、最終使用ツールまたは場所に流れる。そのような動作はライナ式圧力分配と呼ぶことができる。分配されるべき液体を収容するためにライナを使用すると、ライナに対して圧力をかけるために配置された加圧気体に直に接触することが防止される。
【0009】
[0009]液体68を収容した内容積を有する(囲む)ライナ62を示す図1Aに従来のライナ式パッケージ60の簡略結線図が提供される。このライナ62はオーバーパックコンテナ61内に配置されている。間隙空間63がライナ62とオーバーパックコンテナ61との間に設けられ、加圧気体源65と流体連通している。加圧気体を間隙空間63に加えるとライナ62が圧縮され、液体68が浸漬管64を通り、コンテナを出てプロセスツールまたは他の使用箇所66に流れる。
【0010】
[0010]ヘッドスペース(ライナの上部にある余分な空気または気体)および微小気泡は、例えば、フラットパネルディスプレイ(FPD)および集積回路(IC)製造施設において、ライナ式パッケージから液体を分配するプロセスにおいて重大な問題を呈する。ヘッドスペース気体は、パッケージが液体で完全には充填されていない場合の充填作業に由来する場合がある。分配作業に供される場所へとパッケージを搬送している間に液体が膨張する原因となる温度変化のようなパッケージの周囲環境の変化に対応するための拡張容積としてヘッドスペースを設けるために、パッケージを完全に充填しないことが必要とされうる。
【0011】
[0011]パッケージ運搬時にライナ式パッケージ内にヘッドスペースを維持することが望ましいかもしれないが、そのようなヘッドスペースは流体の分配および/または使用にとって有害となるおそれがある。ヘッドスペースからの気体がライナ式圧力パッケージから分配される液体に混入し、分配される液体が使用されるプロセスまたは製品にとって有害な不均質の多相分配流体流を生成する場合がある。さらに、分配される液体にヘッドスペースからの気体が存在すると、流体流量センサ、流量制御部等の動作の誤作動またはエラーにつながるおそれがある。
【0012】
[0012]液体組成物を収容するパッケージの使用に付随する関連の問題には、収容された液体への気体の浸透または漏入、ならびに液体中における可溶化および気泡形成がある。ライナ式パッケージの場合、ライナ外部の気体が(例えば、わずかに透過性のあるフィルム材料、ライナパネル間のシームおよび/またはライナパネル内に形成されるピンホールを通して)ライナを透過し、収容された液体内に入るおそれがある。圧力分配動作にライナ式パッケージを使用する場合、加圧用気体自体、例えば、空気または窒素がライナ材を透過し、ライナ内の液体に溶解する場合がある。その後液体を分配する際に、分配ラインならびに下流側の計器および機器における圧力低下が原因で、前に溶解していた気体が放出され、その結果、分配される液体の流れに気泡が形成され、混入したヘッドスペース気体によるものと類似の悪影響を及ぼすおそれがある。したがって、最初の分配の前にヘッドスペース気体を除去することが望ましい。また、放出された気体を液体分配の開始後にも継続的に除去することができることが望ましい。さらに、微小気泡が形成される可能性を低下させつつ気体除去を迅速に達成することが望ましい。
【0013】
[0013]半導体製品および他の超小型電子製品の製造において、気泡が存在すると、それが微小なサイズ(微小気泡)であっても、集積回路またはフラットパネルディスプレイが欠陥品になるか、さらにはその所期の目的に使用できなくなるおそれがある。したがって、外部からの気体の全てを、そのような製品の製造に使用される液体から除去することが肝要である。
【0014】
[0014]一般的なライナ式パッケージを使用する際、ヘッドスペース気体をライナから流出させるために、パッケージを加圧し、逃し弁を開く。ヘッドスペース気体がなくなった後、液体がヘッドスペース気体排出ラインに入ると、気体逃し弁が閉じ、別のバルブが開いて、液体排出ライン内の液体のみを分配する。パッケージが、例えば、分配される流体の圧力を監視し、時間に応じた圧力の降下を検出することによって、空検出状態の信号を送信すると、ライナを収容した容器に接合されたコネクタまたは他の結合デバイスを、空になった容器から取り外し、新しい(例えば、満杯の)容器に配置して、継続的な分配動作を提供することができる。ヘッドスペース除去ラインに液体があるため、ヘッドスペース気体が再び到着するまではタイマを使用して液体センサを迂回してもよい。その後、液体がベントラインに再入し、センサがタイマによって「再駆動」され、逃し弁を閉鎖する。しかしながら、このような装置は、以下の事象の発生を伴う故障モードになりやすい。すなわち、(i)タイマが正しく設定されず、ヘッドスペースが除去されていることを示す偽信号を送信する、(ii)ヘッドスペースが1つの充填されたパッケージと別のパッケージとで異なり、1つのパッケージについて選択された設定が、別のパッケージには適さず、そのためヘッドスペース気体が正しく除去されない、(iii)ヘッドスペース気体ベントライン内に存在する気泡が、ヘッドスペース気体除去という偽表示を生成する、および(iv)ヘッドスペースベントラインに残っている(以前から存在する)液体が、ヘッドスペース気体除去という偽表示を生成するおそれがある。
【0015】
[0015]また、ライナパッケージに液体および液体系組成物を貯蔵し、そこから分配する際には、分配される材料がなくなるか、空に近づいていることを検出し、下流側の動作の終了または新しい材料パッケージへの切り換えを適時実施できるように、分配動作を管理することが望ましい。したがって、分配動作の最終段階の監視、特に空状態または空に近づいている状態の検出における信頼性は、ライナパッケージの最適な使用を可能にするとともに、このようなパッケージの設計および実現に望まれる目的でもある。下流側プロセスへの分配のためのパッケージまたはリザーバの液体がなくなったことを示す空状態または空状態への接近を確実にかつ経済的に検出することは困難である場合がある。検出が完了すると、第2の液体の源に自動的に切り換え、それによってさらなる下流側の動作問題を解消することが好ましい。例えば、前記流体が圧力分配パッケージから空になったまたはほぼ空になった場合、前記圧力分配パッケージから得た流体を供給するように構成された切換リザーバを分配に利用してもよい。
【0016】
[0016]超小型電子デバイス製品の製造のような産業プロセスにおいて液体を分配するパッケージに伴う別の問題は、多くの場合、液体が専門の化学試薬のように極めて高価なことに関する。したがって、経済的観点から、分配動作の完了後にパッケージに残る液体の残留量がほとんどないように、パッケージからの液体を可能な限り完全に使用することが必要である。このような理由から、分配動作の終点を判定することができるようにこのような動作を監視することが望ましい。当技術分野では、パッケージ内の液体残留物の量を最小限にする効率的な終点検出器を提供するために継続的な努力がなされている。
【0017】
[0017]Advanced Technology Materials,Inc.に譲渡され、数人の発明者が本願と共通しており、本明細書中に参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2007/146892号パンフレット(「‘892公報」)に開示されるシステムおよび方法はライナ式分配パッケージについての特定の問題に対処している。‘892公報には、以下の機能が開示されている。すなわち、液体分配、ヘッドスペース気体除去、圧力除去、(すなわち、検出およびバルブによる)圧力測定およびリザーバ気体/液体レベル制御を提供する高度に一体化されたコネクタ。(‘892公報の図20Aを適応させた)添付の図1では、一体化されたリザーバ16と、リザーバ16内の(すなわち、液体58上方に配置される)液体58と気体の間の界面近傍のセンサ55とを含むそのようなコネクタ1の少なくとも一部の断面図を提供する。センサ55では、気体ポケットがリザーバ16の上部部分に沿って蓄積された状態を検出し、分配動作時に、気体が定期的かつ自動的にリザーバ16から排出されるようにする。全体が図1には示されないが、コネクタ1は、ライナ内に下方に延びるように配置された(中に中心導管6が画定される)プローブを含む。中心導管6はコンテナおよび/またはライナ(図示せず)の中心に延びる。リザーバ16はコネクタ1の本体24内に配置される。中心導管6は、上方への気体/液体の流れを収容する中心穴と、分配動作時に上方に流れる気体/液体が上端部10からあふれ、リザーバ16に排出させる開いた上端部10とを有する。ライナの液体内容のコネクタ1への分配を促進するために、加圧気体供給ライン3を使用して加圧気体をライナとオーバーパックコンテナとの間の空間に供給する。圧力検出ライン21と圧力センサ22が中心導管6の圧力を検出するために配置される。その上部部分においてリザーバ16と流体連通している気体導管18は作動可能な気体出口バルブ34に連通的に結合される。対応する液体出口導管19はその下部部分においてリザーバ16と流体連通しており、かつ作動可能な液体出口バルブ30に連通的に結合される。
【0018】
[0018] ‘892公報に開示される一体化されたリザーバシステムによってその所期の目的は達成されるが、種々の問題点が、そのようなシステムの改良または向上に対して未だ対処されていない要求があることを実証している。
【0019】
[0019]多数の他の流体ラインおよび流体制御部品を備えた専用の材料分配筐体またはキャビネット内にライナ式圧力分配コンテナが設置される場合がある。一体化されたリザーバおよび他の構成要素があると、圧力分配コンテナの上にかなりの空間(容積)が存在することが必要となる。また、複数の電気および流体連結をその空間内に形成することが必要となる。圧力分配コンテナに直に隣接する容量要件を低減すること、また、そのようなコンテナに直に隣接して形成される必要がある電気および流体連結の数を削減することが望ましい。
【0020】
[0020] ‘892公報による圧力分配パッケージ内のライナが破損した場合、気体が加圧気体入口から中心導管(例えば、添付の図1に示されるような中心導管6)中を、そのような中心導管を通って流れる液体を除外するほどに流れるために、ライナに液体組成物を分配しつづけることが困難になる、または不可能となるおそれがある。ライナの保全性を妥協しなければならないとしても、ライナ式圧力分配アセンブリのコネクタを通じて液体の継続的な流れを提供することが望ましい。
【0021】
[0021]‘892公報に開示されるような、リザーバ内の液体と気体間の重力分離のみに依存すると、非常に高粘度の液体および/または高い液体分配率が使用される場合に十分な分離が提供されないおそれがある。つまり、重力式リザーバ分離システムの液体粘度および流量によっては、リザーバ内の気泡の上方への動き(すなわち、その上部部分に配置された気体出口に向かって)は、リザーバ内の液体の下方への動き(すなわち、その底部部分に配置された液体出口に向かって)を克服するには速さが十分ではないため、多少の気泡がリザーバに対応する液体出口を通る液体の流れにあいにく混入するおそれがある。幅広い範囲の液体粘度および液体流量にわたって、使用箇所に分配される液体に気泡が混入しないことを確実にすることが望ましい。
【0022】
[0022]先行技術による、浸漬管を相手(例えば、凹部を画定する)構造に接合する方法は管のひび割れにつながる場合がある。特定の接合方法には管の押広げおよび他の技術を必要とし、大きな労働力も要する。前述の問題を回避する一方で、浸漬管の相手構造への係合に対応することが望ましい。
【0023】
[0023]非常に不透明な液体を分配する場合(例えば、表示モニタの製造において平坦なパネルのコーティングに使用される着色した色フィルタ材料および類似の流体)、液体の有無を検出するための従来のシステムおよび方法は不十分である可能性がある。その理由は、そのような液体に適用されるには、光学測定技術は効果的でなく、静電容量の測定技術は感度および/または信頼性が不十分な可能性があるためである。フラットパネルディスプレイのためのプロセスツールの製造のような、不透明な流体を所望の使用箇所に分配するために不透明な流体を検出する信頼度を向上することが望ましい。
【0024】
[0024]源材料(液体を含む)を収容するために配置された内容積を画定する薄膜式ライナを収容するオーバーパックコンテナを含むライナ式圧力分配パッケージから流体を分配すると、ライナのひだ部内に捕捉された気体が分配時に解放され、源材料内に溶解するおそれがある。つまり、従来のライナでは、関連するオーバーパックコンテナの形状に共形でない二次元設計(例えば、周縁で互いに接合されている前部および後部パネルを含み、任意選択で、側部および/または端部パネルを含む)を取り入れている可能性があり、ライナが膨張し、充填されると、気体をそのようなライナのひだ部に捕捉することができる。圧力分配中にそのような気体を解放すると、そのような気体を源材料に溶解させることができる。源材料が気体で飽和すると、気泡を含有する源材料の分配を回避するために、源材料または(源材料を収容する)コンテナを交換しなければならない。そのような交換は、圧力分配コンテナに源材料がなくなるかなり前に必要となる可能性があるため、それによって源材料が無駄になり、圧力分配コンテナを交換している間はプロセスツールの稼働率が低下する可能性がある。試験およびシミュレーションに基づき、本出願人は、ひだ部中の気体の最大量の上限は200リットルのライナにおいて500mlを超えるべきではないと判断した。
【0025】
[0025]図10は、7つの異なる200リットルの折りたたみ可能なフィルム式コンテナライナからの流体の圧力分配中にひだ部から開放される気体をモデルとしたシミュレーションを溶解気体飽和圧力(パスカル)対時間(日)において示す(例えば、シミュレーションには、それぞれ、ひだ部中の気体0mlを収容する半径0cmのひだ部を有するライナ、ひだ部中の気体17mlを収容する半径1cmのひだ部を有するライナ、ひだ部中の気体133mlを収容する半径2cmのひだ部を有するライナ、ひだ部中の気体447mlを収容する半径3cmのひだ部を有するライナ、ひだ部中の気体1061mlを収容する半径4cmのひだ部を有するライナ、一重Z字ひだ部構造(single Z-fold configuration)のライナ、および二重Z字構造(double Z-configuration)のライナを含む)。各気泡の体積は気泡が大気圧下にあると想定して計算される一方、各気泡の半径は気泡に30psiの分配圧力がかけられると想定して計算される。図10に示すように、二重Z字ひだ部ライナ構造は一重Z字ひだ部ライナに比べてより多くの気体を捕捉する傾向にある(その結果、より高い気体飽和圧力になる)。図10に示されるシミュレーションを基にすると、液体源材料は、約88%の源材料の分配後に、(例えば、500mlの)ひだ部中の気体で飽和する。
【0026】
[0026]本出願人は、ひだ部中の気体は分配工程のかなり後になるまで圧力分配ライナのひだ部から解放されないと判断した。これは、比較的高い剛性を有し、かつオーバーパックコンテナに一致が不十分なライナが、溶解した気体に影響されやすいひだ部を有することを意味する。図11は、一重Z字ひだ部構造を有する第1のライナにおける(下の曲線)、および二重Z字ひだ部構造を有する第2のライナにおける(上の曲線)、時間に対するひだ部中の気体の解放を示す。そのような図は、一重Z字ひだ部構造を有するライナよりも二重Z字ひだ部構造を有するライナ内により多くの量のひだ部中の気体が捕捉されることを示す。図11は、分配工程の最後の25パーセント中にかなりの量のひだ部中の気体がライナ内に残っていることを示す。この問題は、(大部分の液体源材料がライナからなくなるとき)分配工程の終了近くにライナ内に残った源材料に対して気体の割合が高いことでも悪化する。
【0027】
[0027]ひだ部中の気体の存在に関連するしないに関わらず、ライナ内に何らかのピンホールまたはより大きい開口部(すなわち、裂け目)があると、加圧気体をライナおよび気体ヘッドスペース内に進入させる傾向があり、それによって源材料の気体飽和が急速に達成される(望ましくない)。
【0028】
[0028]源材料の圧力分配において、ひだ部中の気体の作用および破損したライナの作用を管理することが望ましい。源材料の廃棄を削減し、源材料コンテナの補充までの時間を延ばすために、分配される源材料の割合を(例えば、気体飽和状態に達する前に非常に高い割合(例えば、>98%または>99%)の源材料の分配を可能にする)気体飽和レベルに達することなく増加させることが望ましい。
【0029】
[0029]したがって、当技術分野では、分配パッケージ、分配システム、分配方法および関連する検出装置における改良を模索し続けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
[0030]本発明は、従来のシステムに存在する種々の課題を克服する流体分配システムおよび方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0031】
[0031]一態様において、本発明は、圧力を分配するための流体を収容するために配置された内容積を有する容器を含む圧力分配パッケージであって、容器が容器開口部を含む、圧力分配パッケージと、容器開口部の近傍において容器と結合するように構成された分配アセンブリとを含む、流体分配システムに関する。分配アセンブリは、内容積に露出している気体抽出開口部と、内容積に露出している液体抽出開口部と、気体抽出開口部と気体出口との間に延びる気体抽出導管と、液体抽出開口部と液体出口との間に延びる液体抽出導管と、を含み、気体抽出導管は液体抽出導管とは別個のものである。
【0032】
[0032]別の態様において、本発明は、前記源材料を収容するために配置された内容積を画定するライナを収容するオーバーパックコンテナを含むライナ式圧力分配パッケージから、液体を含む源材料を分配するために配置されたコネクタに関する。コネクタは、内容積から気体を抽出するために配置された気体抽出導管と、内容積から液体を抽出するために配置された液体抽出導管と、ライナとオーバーパックコンテナとの間の間隙空間に気体を供給するために配置された加圧気体導管と、を含む。
【0033】
[0033]さらなる態様において、本発明は、圧力を分配するための流体を収容するために配置された内容積を有する容器を含む圧力分配パッケージにおいて使用するために配置された構造に関し、容器は容器開口部を含み、構造は、長手方向の穴と気体抽出開口部とを画定する本体であって、長手方向の穴の下部部分は、内容積内に延びるように配置された浸漬管を受容するために配置され、かつ液体抽出開口部を有し、長手方向の穴の上部部分はコネクタを受容するために配置され、コネクタは、気体出口と流体連通している気体抽出導管を画定するとともに、液体出口と流体連通している液体抽出導管を画定し、気体抽出開口部が内容積に露出しているとともに、気体抽出導管と流体連通しており、液体抽出開口部が内容積に露出しているとともに、液体抽出導管と流体連通している、本体を含む。
【0034】
[0034]本発明のさらなる態様は、圧力を分配するための流体を収容するために配置された内容積を有する容器を含む圧力分配パッケージを利用する方法に関し、方法は、気体抽出導管および液体抽出導管を画定するコネクタを、(i)内容積に露出している液体抽出開口部との流体連通を可能にするために配置された長手方向の穴と、(ii)内容積に露出している気体抽出開口部との流体連通を可能にするために配置された側方穴とを画定する分配アセンブリ内に挿入するステップであって、分配アセンブリ内にコネクタを挿入する前記ステップは、同時に(a)液体抽出導管と液体抽出開口部との間、および(b)気体抽出導管と気体抽出開口部との間の流体連通に作用する、ステップと、気体抽出開口部および気体抽出導管を通じて内容積から気体を抽出するステップと、液体を液体抽出開口部および液体抽出導管を通じて内容積から圧力分配するステップと、を含む。
【0035】
[0035]本発明のまたさらなる態様は、液体流から気体を除去するように構成された気体除去装置に関し、装置は、液体の通過を可能にするが、気泡の通過を防ぐように構成されたろ過媒体を中に含む内容積を画定するリザーバ本体であって、リザーバ本体は、流体入口を有し、ろ過媒体を通過する液体を受容するために配置された液体出口を有し、ろ過媒体を通過することを妨げられた気泡から蓄積された気体を受容するために配置された気体出口を有する、リザーバ本体と、内容積とセンサ連通しており、内容積内の圧力を示す出力信号を発生させるために配置された圧力変換器とを含む。
【0036】
[0036]さらに別の態様は、(a)圧力分配パッケージのオーバーパックコンテナ内に配置される折りたたみ可能なライナの内容積内から気体を排出するステップであって、ライナはさらに液体を収容し、気体は気体抽出導管を通じて排出され、気体出口が分配アセンブリ内に画定される、ステップと、(b)ライナを圧縮するためにライナとオーバーパックコンテナとの間の間隙空間に加圧気体を供給し、それによって液体抽出導管と分配アセンブリ内に画定される液体出口を通じて内容積から液体を分配するステップであって、液体抽出導管は気体抽出導管とは異なる、ステップと、(c)液体出口が受け取った液体を分配アセンブリの下流側に配置されたリザーバ本体を通して流すステップであって、リザーバ本体は、液体の通過を可能にするが、気泡の通過を防ぐように構成されたろ過媒体を中に含む内容積を画定し、リザーバ本体は、ろ過媒体を通過する液体を受容するために配置されたリザーバ液体出口を有するとともに、ろ過媒体を通過することを妨げられた気泡から蓄積された気体を受容するために配置されたリザーバ気体出口を有する、ステップと、(d)リザーバ気体出口から気体を排出するステップと、を含む方法に関する。
【0037】
[0037]別の態様は、流体の存在または流体回路内の流動流体の相変化を検出するように構成された装置に関し、装置は、流体回路内の第1の位置において流体とセンサ連通している第1のサーミスタであって、第1のサーミスタの検出部が気体に曝露すると、第1のサーミスタが自己加熱を起こすのに十分な第1の電流レベルで駆動されるように配置された第1のサーミスタと、流体回路内の第2の位置において流体とセンサで連通した第2のサーミスタであって、第1の電流レベルよりも実質的に低い第2の電流レベルで駆動されるように配置された、第2のサーミスタと、第1のサーミスタの第1の出力信号および第2のサーミスタの第2の出力信号を受信するために、ならびに第1の出力信号と第2の出力信号との比較を基に流体回路内における流体の存在または流動流体の相変化を判定するために配置された信号処理要素と、を含む。
【0038】
[0038]さらに別の態様は、流体回路内の第1の位置において流体とセンサ連通している第1のサーミスタを利用して、および流体回路内の第2の位置において流体とセンサ連通している第2のサーミスタを利用して、流体の存在または流体回路内の流動流体の相変化を検出するための方法に関する。方法は、第1のサーミスタの検出部が気体に曝露すると、第1のサーミスタを第1のサーミスタが自己加熱を起こすのに十分な第1の電流レベルで駆動するステップと、第2のサーミスタを第1の電流レベルよりも実質的に低い第2の電流レベルで駆動するステップと、第1のサーミスタの第1の出力信号と第2のサーミスタの第2の出力信号とを比較し、そのような比較に基づき流体回路内における流体の存在または流動流体の相変化を判定するステップと、を含む。
【0039】
[0039]さらに別の態様は、流体の存在または流体回路内の流動流体の相変化を検出するように構成された装置に関し、装置は、流体回路内の第1の位置において流体に熱を放散するために配置された発熱体と、第1の発熱体と流体とにセンサ連通して配置され、第1の発熱体の温度と相関する第1の検出素子の出力信号を発生させるように構成された第1の検出素子と、流体回路内の第2の位置において流体とセンサ連通して配置され、第2の位置にある流体の温度と相関する第2の検出素子の出力信号を発生させるように構成された第2の検出素子と、第1の検出素子の出力信号および第2の検出素子の出力信号を受信するために、および第1の検出素子の出力信号と第2の検出素子の出力信号との比較を基に流体回路内における流体の存在または流動流体の相変化を判定するために配置された信号処理要素と、を含む。
【0040】
[0040]別の態様は、使用箇所に流体を分配するために配置された流体分配システムに関し、流体分配システムは、圧力媒介式分配のための流体を収容するために配置された第1の内容積を有する第1の容器を含む第1の圧力分配装置と、圧力媒介式分配のための流体を収容するように配置された第2の内容積を有する第2の容器を含む第2の圧力分配装置と、第1の内容積または第2の内容積の少なくとも1つから流体を受容するために配置された少なくとも1つの排出可能なリザーバと、第1の圧力分配装置から所望の量の流体の分配と相関する、または第1の圧力分配装置によって分配される流体の気体飽和への接近と相関する出力信号を発生させるために配置された少なくとも1つの検出素子と、出力信号または出力信号から得られる信号に応答して、第2の圧力分配装置から分配される流体を第1の圧力分配装置から分配される流体と組み合わせるための第2の圧力分配装置から流体を分配するために配置された少なくとも1つの制御要素と、第1の圧力分配装置から分配される流体を受けるために、第2の圧力分配装置から流体を受けるために、ならびに前記流体を使用箇所に運搬するために配置された分配導管とを含む。
【0041】
[0041]さらに別の態様は、流体を分配する方法に関し、方法は、第1の内容積を画定する第1の容器を備える第1の圧力分配装置から流体を分配するステップと、第1の圧力分配装置から分配される流体から気体を除去するステップと、第1の圧力分配装置からの所望の量の流体の分配と相関する、または第1の圧力分配装置によって分配される流体の気体飽和への接近と相関する状態を検出し、出力信号を発生させるステップと、出力信号または出力信号から得られる信号に応答して、内容積を画定する第2の容器を含む第2の圧力分配装置から流体を分配するステップと、第2の圧力分配装置から分配される流体から気体を除去するステップと、組み合わせ流を使用箇所に分配するために、第2の圧力分配装置から分配される流体の流れを第1の圧力分配装置から分配される流体の流れと組み合わせるステップと、を含む。
【0042】
[0042]別の態様では、前述の態様の任意の1つ以上の特徴および/または本明細書中に開示される任意の他の態様および特徴をさらなる利点のために組み合わせてもよい。
【0043】
[0043]本発明の他の態様、特徴および実施形態は以下の開示および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1A】米国特許第7,172,096号に開示されるような従来技術におけるライナ式圧力分配パッケージの簡略化した概略側部断面図である。
【図1B】国際公開第2007/146892号パンフレットに開示されるような従来技術における、ライナ式圧力分配パッケージのリザーバを含むコネクタの少なくとも一部の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による、圧力分配パッケージのコネクタの簡略化した概略断面図である。コネクタは、気体抽出導管と、気体抽出導管から独立した液体抽出導管とを含む。
【図3】本発明の一実施形態による、分配パッケージまたは分配アセンブリの下流側に位置するために配置され、液体の通過を可能にするが、気泡の通過を防ぐように構成されたろ過媒体を中に含み、圧力変換器が内容積とセンサ連通しているリザーバ本体の概略断面図である。
【図4A】本発明の一実施形態による、圧力分配パッケージにおける使用に適応させたコネクタ、ライナ取り付け部アダプタおよび浸漬管の側部断面図である。
【図4B】本発明の一実施形態による、図4Aのコネクタ、ライナ取り付け部アダプタおよび浸漬管の側部断面図ならびに下流側の検出構成要素およびフロー制御構成要素の簡略化した概略図を含む。
【図5A】本発明の一実施形態による圧力分配パッケージにおける使用に適応させたライナ取り付け部アダプタの側部立面図である。
【図5B】図5Aのライナ取り付け部アダプタの斜視組立図である。
【図5C】図5A〜5Bのライナ取り付け部アダプタの断面図である。
【図6A】本発明の一実施形態による、圧力分配パッケージにおける使用のために配置されたコネクタ、クロージャ、ライナ取り付け部およびライナ取り付け部アダプタの側部断面図である。
【図6B】図6Aに示されるライナ取り付け部アダプタにおける使用に適した浸漬管の側部立面図である。
【図7A】本発明の一実施形態による、圧力分配パッケージにおける使用のために配置されたコネクタ、クロージャ、ライナ取り付け部およびライナ取り付け部アダプタの側部断面図である。
【図7B】図7Aに示されるライナ取り付け部アダプタにおける使用に適した浸漬管の側部立面図である。
【図8】複数の感温体と、感温体の出力の比較を基に流体の存在または流動流体の相変化を判定するように配置された信号処理要素とを含む流体分配システムの種々の構成要素間の相互接続を示す結線図である。
【図9】流体回路内の流体と熱連通して配置可能な第1のサーミスタおよび第2のサーミスタの使用を含む、流体回路内の流体の存在または流動流体の相変化を検出するための装置の電気素子をモデルとした回路図である。
【図10】7つの異なる200リットルの折りたたみ可能なフィルム式コンテナライナからの流体の圧力分配中、ひだ部から解放される気体をモデルとしたシミュレーションを溶解気体飽和圧力(パスカル)対時間(日)において具現化した線図である。
【図11】一重Z字ひだ部構造を有する第1のフィルム式コンテナライナの、および二重Z字ひだ部構造を有する第2のフィルム式コンテナライナの流体の圧力を分配するための、時間(分)に応じたひだ部中の気体(ミリリットル)の解放を示す線図である。
【図12】(A)ゼロヘッドスペースを有する200リットルの折りたたみ可能なフィルム式コンテナライナ、(B)平均的なヘッドスペースを有する200リットルの折りたたみ可能なフィルム式コンテナライナ、および(C)約3.7日における遷移まで平均的なヘッドスペースを有する第1の200リットル折りたたみ可能なフィルム式コンテナライナからの流体の圧力分配中にひだ部から解放される気体をモデルとしたシミュレーションを溶解気体飽和圧力(パスカル)対時間(日)において具現化した線図である。第1のライナによって分配される流体は第2の200リットルのライナによって分配される流体とその後混合される。
【図13】分配された流体圧力を監視するためにそれぞれ配置された関連する圧力変換器を有するとともに、排出可能なリザーバを有する第1の流体分配装置および第2の流体分配装置を含み、共通の出口が第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置からの流体の組み合わせ流を受ける、流体分配システムの種々の構成要素間の相互接続を示す概略図である。
【図14】合計コンテナ/流体重量を検出するためにそれぞれ配置された関連するスケールを有するとともに、排出可能なリザーバを有する第1の流体分配装置および第2の流体分配装置を含み、共通の出口が第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置からの流体の組み合わせ流を受ける、流体分配システムの種々の構成要素間の相互接続を示す概略図である。
【図15】分配される流体の流れを監視するためにそれぞれ配置された関連するフローメータおよび/または流量制御部を有するとともに、排出可能なリザーバを有する第1の流体分配装置および第2の流体分配装置を含み、共通の出口が第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置から流体の組み合わせ流を受ける、流体分配システムの種々の構成要素間の相互接続を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
[0065]本発明は、特定の態様における、圧力分配の対象となる液体および液体を含む源材料から気泡および混入した気体を除去するための能力を含む改良型の分配システムに関する。特定の態様において、本発明は、例えば超小型電子デバイス製品の製造に使用される高純度液体試薬および化学的機械研磨用組成物のような化学試薬および組成物の貯蔵および分配のためのライナ式液体収容システムに関する。
【0046】
[0066]剛性または半剛性の外部容器内にライナが取り付けられている、流体材料の貯蔵および分配用のライナ式パッケージの使用では、気体によって加えられた圧力によって強制的に、継続的にライナを圧縮させるために、ライナ内の流体材料が結果として強制的にライナから流れ出るように、分配動作には、ライナの外部において圧力分配気体を容器に流入させることを要してもよい。このように分配された流体材料は、配管、マニホールディング、コネクタ、バルブ等を介して、流体を利用するプロセスツールなどの使用箇所に流れてもよい。
【0047】
[0067]そのようなライナ式液体収容システムは多種多様な性質の化学試薬および組成物の貯蔵および分配に用いることができる。本発明を、以降では主に超小型電子デバイス製品の製造に使用する液体または液体含有組成物の貯蔵および分配に関して説明するが、本発明の有用性はこれに限定されるものではなく、本発明は、多種多様な他の用途および収容される材料に拡張され、これを包含することを理解されたい。
【0048】
[0068]本発明を、以降では種々のライナ式パッケージおよびコンテナを含む特定の実施形態に関して説明するが、例えば、圧力分配構成または本発明の他の特徴を指向するような、種々のこのような実施形態を、ライナのないパッケージおよびコンテナシステムで実践できることを理解されたい。
【0049】
[0069]本明細書で使用する「超小型電子デバイス」という用語は、レジストをコーティングした半導体基板、フラットパネルディスプレイ、薄膜記録ヘッド、微小電気機械システム(MEMS)および他の先進の超小型電子構成要素を意味する。超小型電子デバイスは、パターン付きおよび/またはブランケット付きシリコンウェーハ、フラットパネルディスプレイの基板またはポリマー基板を含むことができる。さらに、超小型電子デバイスは、メソ細孔またはミクロ細孔質の無機固体を含むことができる。
【0050】
[0070]液体および液体含有組成物(以降では液体媒体と呼ぶ)のライナパッケージングでは、ライナ内の液体媒体のヘッドスペースを最小限にすることが望ましい。ヘッドスペースはライナ内において液体媒体の上にある気体の体積である。
【0051】
[0071]本発明のライナ式液体媒体収容システムは、超小型電子デバイス製品の製造に使用される液体媒体に適用するのに特に有用である。また、このようなシステムは、液体媒体または液体材料がパッケージングを必要とする医療および製薬製品、建築および建設材料、食料および飲料製品、化石燃料および石油、農薬等を含む他の多数の用途においても有用である。
【0052】
[0072]本明細書で使用する場合、ライナ内の流体に関する「ゼロヘッドスペース」という用語は、ライナが液体媒体で完全に充填され、ライナ内において液体媒体の上に存在する気体の体積がないことを意味する。
【0053】
[0073]同様に、本明細書でライナ内の流体に関して使用する「ほぼゼロヘッドスペース」という用語は、ライナ内の液体媒体の上にある非常に少量の気体を除き、ライナが液体媒体でほぼ完全に充填されていることを意味し、例えば、気体の体積はライナ内の流体の総体積の5%未満、好ましくは流体の総体積の3%未満、さらに好ましくは、流体の総体積の2%未満、最も好ましくは、流体の総体積の1%未満である(または、言い換えると、ライナ内の液体の体積が、ライナの総容積の95%を超える、好ましくはそのような総容積の97%を超える、さらに好ましくは、そのような総容積の98%を超える、さらに好ましくは、そのような総容積の99%を超える、最も好ましくは、そのような総容積の99.9%を超える)。
【0054】
[0074]ヘッドスペースの体積が大きいほど、上を覆う気体が液体媒体に混入するおよび/または溶解する可能性が高くなる。その理由は、液体媒体が、ライナ内で揺動し、跳ね、平行移動するとともに、パッケージの運搬時に剛性のある周囲コンテナにライナが衝突するためである。この状況が、さらには、液体媒体中における気泡(例えば、微小気泡)および微粒子の形成につながり、これが液体媒体を劣化させ、その所期の目的に不適切なものにするおそれがある。この理由のため、ヘッドスペースは最小化されることが望ましく、使用箇所においてライナの内容積を液体媒体で完全に充填することによってなくなる(すなわちゼロまたはほぼゼロヘッドスペース構造である)ことが好ましい。パッケージは、輸送時に(温度変化の結果である)収容した材料の膨張に対応するために、多少ヘッドスペースに気体がある状態で輸送しなければならない。したがって、本発明による望ましいシステムは、パッケージを分配流回路を介してツールに結合した後、ほぼ大気状態のヘッドスペース気体を除去するように配置される。大気状態では、気体を、化学試薬から解放し、液体をツールに分配する前にシステムから容易にパージすることができる。
【0055】
[0075]パッケージは、パッケージから材料を分配するためにライナと連通している分配ポートを含む。さらに、分配ポートは適切な分配アセンブリに結合する。分配アセンブリは、例えば、ライナ内の材料と接触し、容器から分配される材料が通る浸漬管を有するプローブまたはコネクタを含むアセンブリの、種々の形態のいずれかをとることができる。パッケージは、大規模なパッケージとすることができ、ライナは材料1〜2000リットル以上の範囲の容量を有する。
【0056】
[0076]圧力分配モードでは、ライナ式パッケージは、ポンプ、コンプレッサ、圧縮気体タンク等のような加圧気体源に結合することができる。
【0057】
[0077]一実施形態における分配アセンブリは、フロー回路、例えば、パッケージのライナ内に供給された化学試薬を使用する超小型電子デバイス製造施設のフロー回路に結合するように適合される。半導体製造試薬はフォトレジストまたは他の高純度化学試薬または専門試薬であってもよい。
【0058】
[0078]一実施形態において、ライナは管状原材料から形成してもよい。例えば、ブローチューブの高分子フィルム材料の管状構造を使用することによって、ライナの側部に沿ったヒートシールおよび溶接シームを避けられる。側部の溶接シームがないと、その周囲において重畳され、ヒートシールされる平坦なパネルで形成されたライナと比べると、ライナに応力をかける傾向がある力および圧力にさらに耐えるのに有利となりうる。
【0059】
[0079]ライナは、好ましくは、使い捨ての薄膜ライナであり、これにより、使用が済むたびに(例えば、コンテナ内に収容される液体がなくなると)取り外され、予め洗浄された新しいライナと交換され、コンテナ全体の再使用を可能にすることができる。そのようなライナは、例えば、ライナ内に収容された液体に浸入するか、分解することによって、ライナ内においてより高い拡散率を有するとともに、表面に移動して溶解するか、他の手法でライナ内の液体の汚染物質になる分解生成物を生じることによって、汚染物質の源であるか、源となるおそれのある可塑剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、充填剤等の成分がないことが好ましい。
【0060】
[0080]好ましくは、ライナには、未使用(添加剤がない)ポリエチレンフィルム、未使用ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、または他の適切な未使用高分子材料、例えば、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリブチレン等の実質的に純粋なフィルムを使用することが好ましい。より一般には、ライナは金属被膜および箔あり、またはなしの状態で、積層体、共押出成形品、オーバーモールド押出成型品、複合材、コポリマーおよび材料混合物で形成してもよい。
【0061】
[0081]ライナ材料の厚さは、例えば、約1ミル(0.001インチ)〜約120ミル(0.120インチ)の範囲等、任意の適切な厚さとすることができる。一実施形態では、ライナは20ミル(0.020インチ)の厚さを有する。
【0062】
[0082]ライナは、その縁端に沿って密閉(例えば、溶接)されてもよい1つ以上のフィルムまたは他の材料の使用により任意の適切な手法で形成することができる。一実施形態では、複数の平坦なシートが重畳(積層)され、その縁端に沿って密閉されることによりライナを形成する。1つ以上のシートには、そのフェースの上部部分沿いにポートまたはキャップ構造を含んでもよい。別の実施形態では、容器の上端部に一体型の充填開口部を形成するのにライナの管状ブロー成形が使用される。一体型の充填開口部はポートまたはキャップ構造と接合されてもよい。したがって、ライナは流体の個々の導入または排出を伴う充填または分配動作のために、ライナを適切なコネクタに結合するための開口部を有してもよい。そのような開口部は「取り付け部」と呼ばれる構造で補強されてもよい。一般に、取り付け部は、薄膜が接合される、側方に延びるフランジ部と、フランジ部に実質的に垂直な方向に延びる管状部とを含む。ライナ取り付け部は、コンテナポート、コンテナキャップまたはクロージャもしくは他の適切な構造に係合してもよい、またはそうでなければそれに接触してもよい。キャップまたはクロージャは、また、流体の導入または分配のための浸漬管と結合するように配置されてもよい。
【0063】
[0083]一実施形態では、剛性のある、または実質的に剛性のある折りたたみ可能なライナが使用される。本明細書では、「剛性のある」または「実質的に剛性のある」という用語は、任意の標準的な辞書上の定義に加えて、また、第1の圧力環境にある際、その形状および/または容積を実質的に保持するための物体または材料の特徴を含むが、形状および/または容積は、圧力環境の増加または減少において変化してもよいことを意味する。物体または材料の形状および/または容積を変えるために必要な圧力増加または減少の量は材料または物体に要求される用途に依存してもよく、かつ用途ごとに異なってもよい。一実施形態では、剛性のある、または実質的に剛性のある折りたたみ可能なライナの少なくとも一部には剛性があり、ライナの少なくとも一部は、圧力分配状態下において、加圧流体をそのようなライナの少なくとも一部に、またはそれに対して加えることによって折りたたまれる。一実施形態では、剛性のある、または実質的に剛性のある折りたたみ可能なライナは、液体が充填された場合にライナが自己支持されるのに十分な厚さおよび組成を有する材料で作成されてもよい。剛性のある、または実質的に剛性のある折りたたみ可能なライナは単一壁または複数壁の特徴のものであってもよく、好ましくは、高分子材料からなる。高分子材料および/または他の材料の複数の層の積層複合材(例えば、熱および/または圧力の印加によって積層される)を使用してもよい。剛性のある、または実質的に剛性のある折りたたみ可能なライナは、任意の1つ以上の適切な積層、押出し、成形、形削りおよび溶接工程によって形成してもよい。剛性のある、または実質的に剛性のある折りたたみ可能なライナは、好ましくは、ライナと一体的に形成される実質的に剛性のある開口部またはポートを有するため、別個の取り付け部を溶接または他の封止法によってライナに取り付ける必要がなくなる。本明細書中に開示されるような分配アセンブリおよび分配装置では、剛性のある、または実質的に剛性のある折りたたみ可能なライナを使用してもよい。
【0064】
[0084]ライナは、その上部部分に2つのポートまたは取り付け部を含んでもよいが、本発明の広義の実施においては、1つのポートのライナ、または代替として、2つを超えるポートを有するライナを有用に用いることができる。折りたたみ可能なライナが実質的に剛性のあるハウジングまたはオーバーパック内に配置されてもよく、これは、積み重ね性(stackabilty)を促進するために略矩形の平行六面体形状のものとすることができ、コンテナの使用時に、コンテナを手動で把持し、物理的に持ち上げるか、そうでなければ搬送することを可能にする手動取り扱い式の開口部を備える。代替的に、オーバーパックは円筒形状もしくは任意の他の適切な形状または構造のものとすることができる。概して剛性のあるハウジングは、ライナを収容する内部空間の境界を定めるためにハウジングの壁に漏れのない状態で接合されるオーバーパック蓋も含んでよい。ライナとオーバーパックコンテナとの間に設けられる間隙空間は、間隙空間に対する加圧気体の添加によってライナが圧縮され、液体がライナから排出されるように、加圧気体源に流体連通してもよい。
【0065】
[0085]本明細書中に開示されるような圧力分配パッケージは超小型電子製品製造施設のプロセスツールに結合してもよい。このようなツールは、例えば、フォトレジストをウェーハに塗布するためのスピンコータを含んでもよく、分配される液体は、適切なフォトレジスト材料を含む。代替的に、ツールは、圧力分配コンテナから分配される特定の化学試薬を使用するように適合された任意の適切なタイプのものとすることができる。したがって、液体化学試薬は、超小型電子製品製造施設における使用のために、1つ以上のライナ式パッケージから分配され、例えば、フラットパネルディスプレイまたは集積回路を組み込んだ半導体ウェーハ等の超小型電子製品を生産することができる。
【0066】
[0086]ライナは、可撓性があり、かつ折り畳める性質になるような適切な厚さのフィルム材料で形成すると有利である。一実施形態では、ライナは、内容積を、定格充填容積、すなわちハウジング14内に完全に充填した場合にライナ内に収容することができる液体の体積の約10%以下まで低減できるように圧縮可能である。種々の実施形態において、ライナの内容積は定格充填容積の約0.25%以下まで、例えば、4000ミリリットルのパッケージでは10ミリリットル未満、または約0.05%以下(19Lのパッケージでは残り10mL以下)、または0.005%以下(200Lのパッケージでは残り10mL以下)まで圧縮可能にしてもよい。好ましいライナ材料は、交換ユニットとして輸送中にライナを折り畳む、または圧縮することができるように十分に柔軟である。好ましくは、ライナは、液体をライナ内に収容した場合に、粒子および微小気泡の形成を妨げる組成物および性質であること、つまり、温度および圧力の変化により液体が膨張および収縮可能になるほど十分に可撓性があり、例えば、半導体製造または他の高純度が重要となる液体供給用途等、液体が用いられる特定の最終使用用途のために純度を維持するのに効果的である。
【0067】
[0087]半導体製造用途では、本明細書中に開示されるような圧力分配コンテナのライナ内に収容される液体は、ライナの充填箇所において、0.20ミクロン以上の直径を有する粒子を、1ミリリットル当たり75個未満(より好ましくは1ミリリットル当たり50個未満、さらにより好ましくは35個未満、より好ましくは20個未満)を有しているべきである。また、ライナは液体中の全有機炭素量(TOC)が30ppb未満(より好ましくは15ppb未満)でなければならず、フッ化水素、過酸化水素および水酸化アンモニウムをライナ内に収容するために、カルシウム、コバルト、銅、クロム、鉄、モリブデン、マンガン、ナトリウム、ニッケルおよびタングステン等の重要元素ごとの金属抽出可能レベルが10ppt未満、元素ごとの鉄および銅抽出可能レベルが150ppt未満であり、これは、Semiconductor Industry Associationの「International Technology Roadmap for Semiconductors(SIA,ITRS)1999 Edition」で規定された仕様に一致する。
【0068】
[0088]本発明の一態様は、コンテナがゼロまたはほぼゼロのヘッドスペースを有するように、コンテナからヘッドスペースを除去することを企図する。分配動作を実行することを可能にするために、コンテナとの結合に適切なタイプのコネクタを用いる。コネクタに結合されたフロー回路は、例えば、電磁弁、または高純度液体マニホールドバルブ等の任意の適切なタイプ、ならびに、例えば、電流−圧力制御型等の圧力調整器であってもよい。
【0069】
[0089]前述のシステムでは、ヘッドスペース気体を、「オンライン」(分配フロー回路内で使用中)のリザーバに分配し、下流側のプロセスツール、または他の使用箇所に分配することを可能にする。ヘッドスペース気体をドレンに空けるか、そのような気体で他の処置を実施することもできる。ヘッドスペース気体を除去できるように、複数のコンテナのそれぞれに、システムとは別個の専用リザーバを配置することができる。
【0070】
[0090]上述のシステムを既存の機器に結合して、下流側のツールもしくは他の分配材料使用装置またはプロセスによって分配される化学物質の完全制御を実現することができる。システムは、分配された材料をリザーバの入口バルブに供給するように配置し、下流側のプロセス機器により材料が要求された場合に、準備完了の状態にすることができる。これによって、化学利用率が最大になる一方で、切換周期が最小になる。
【0071】
[0091]ヘッドスペース除去には、管またはリザーバ内の液体媒体を検出するセンサを利用することができる。上述したシステムの構成要素は、既存の設備および施設の要件に基づき、独立型または後付けのシステムに使用することができる。
【0072】
[0092]図2を参照すると、一実施形態において、圧力分配装置に使用するコネクタ100は、互いに独立しており、互いに別個のものである気体抽出導管135と液体抽出導管125とを含む。コネクタ100は、気体出口ポート138と液体出口ポート128それぞれを通る流れを調整するための気体逃し弁139と液体分配バルブ129が固定された上部本体構造101を含む。上部本体構造101は、液体抽出導管125にセンサ連通している圧力変換器119を含む。1つ以上の追加のセンサ155もまた気体抽出導管135と液体抽出導管125のいずれかまたは両方とセンサ連通している上部本体構造101に関連してもよい。センサ155として用いられてもよいセンサのタイプの例には、レベルセンサ、容量式センサ、光センサ、化学特定の存在および/または濃度センサ、圧力センサ、粒子計数器、感温体および流量計測要素を含み、それらは1つ以上の信号処理要素に作動的に連結されてもよい。上部本体構造101の下に配置されるのは、中に気体抽出導管135と液体抽出導管125が画定される中間部本体構造102である。中間部本体構造102は円筒形状であってもよく、対応する穴または分配アセンブリの一部(以下に記載される)と係合するためのOリングの形態であってもよい、関連する周方向の封止要素112、113を有してもよい。気体抽出導管135の下部開口部130は中間部本体構造102の下面に沿って配置される。(以下に記載される、例えば、ライナ取り付け部アダプタまたは浸漬管連結器と係合するのに適していてもよい)下部本体構造103は、追加の周方向の封止要素111を有してもよく、さらに下方に延びて下端部120を画定してもよい。下端部120は、液体を抽出するための圧力分配コンテナの内部の浸漬管(図示せず)挿入連結部(diptube inserted link)と係合するために配置されてもよい。中間部本体構造102と下部本体構造103を組み合わせたものはプローブと呼ばれてもよい。
【0073】
[0093]単一式コネクタ100内に、独立した、別個のものである気体抽出導管135と液体抽出導管125を設け、リザーバの存在を排除することによって、図2に示されるコネクタは、本明細書中に上述した国際公開第2007/146892号パンフレット(「‘892公報」)に開示されるような、リザーバと、共通の気体/液体導管とを含むコネクタとは異なっている。添付の図2に示すコネクタ100は、コネクタ内のリザーバ内における気相/液相分離よりもむしろ、コネクタ100が取り付けられた圧力分配パッケージ内の気泡(気体)と液体の一次分離に応答する。圧力分配コンテナの内容積に露出している(例えば、浸漬管の端部の)液体抽出開口部が同じ内容積に露出している気体抽出開口部の下に配置された場合、気体は、内容積から(液体抽出導管125および液体出口ポート138を通って)液体を抽出する前および/または最中に、内容積から(すなわち、気体抽出導管135および気体出口ポート138を通して)抽出されてもよい。圧力分配コンテナの内部に露出している気体抽出開口部は、好ましくは、コンテナの内部に露出している液体抽出開口部の上のレベルに配置される。液体および気体のための独立した抽出開口部があると、仮にライナが破断しても、浸漬管がライナ(または適切なコンテナ)の底部まで延びていれば、液体がライナ式圧力分配アセンブリのコネクタを通って継続的に流れることができる。また、‘892公報に開示される浸漬管(1つが浸漬管の上方の頂部部分、もう一方が浸漬管の底部にある2つのポートを含む)と比較すると、本明細書中に開示されるような浸漬管には浸漬管の頂部にポートがないため、仮にライナが漏れたとしても、液体(加圧気体なし)空気のみを浸漬管によって取り出すことができる。さらに、コネクタ内のリザーバ(すなわち、‘892公報に開示されるような)をなくすと、コネクタ100の全体の大きさが大幅に削減され、また、高粘度および/または高流量の液体の分配に関連する任意の制約が回避されるが、コネクタ内のリザーバという狭い閉鎖空間における重力による相分離は気泡の液体流出流内への持ち越しを防ぐには遅すぎる可能性がある。
【0074】
[0094]図3を参照すると、一実施形態において、圧力分配コンテナに使用する液体送達システムは、圧力分配コンテナに使用するコネクタとは別個のものであり、圧力分配コンテナに使用するコネクタ(図2に示されるコネクタ100のような)の下流側に配置されるリザーバ式気体分離デバイス180を含んでもよい。分離デバイス180は、液体入口ポート195と、液体出口ポート196と、気体出口ポート197と、センサポート198とを画定するリザーバ本体190を含む。特徴がデバイス180に一致する(が圧力変換器はない)種々のろ過媒体を含む種々のタイプのリザーバ本体はMykrolis Corporation(Billerica,Massachusetts,USA)から市販されている。図3では、液体出口ポート196と気体出口ポート197のそれぞれは、各ポート196、197を通る流れを制御する、または調整するための関連するフロー制御要素(例えば、バルブ)186、187を有してもよい。リザーバ本体190は、液体の通過を可能にするが、気泡の通過を防ぐように構成されたろ過媒体191を収容する内容積を画定する。ろ過媒体191は、例えば、任意の1つ以上のメッシュ、充填または多孔性媒体、膜、スパンボンド材料(例えば、スパンボンドポリオレフィン)を含んでもよい。様々なまたは補完的な目的で複数のタイプのろ過媒体を使用してもよく、それは直列で配置してもよい。例えば、微粒子材料を捕捉するために第1のろ過媒体タイプおよび/または気孔率を使用してもよい。所定の第1の(例えば、より大きい)サイズの気泡の通過を防ぐために第2のろ過媒体タイプおよび/または気孔率を使用してもよい。所定の第2の(例えば、より小さな)サイズの気泡の通過を防ぐために第3のろ過媒体タイプおよび/または気孔率を使用してもよい。適切なろ過媒体の選択は、分配されるべき流体の特性およびその動作条件に依存してもよく、そのような選択は当業者に公知である。それぞれ互いに異なるろ過媒体を有する複数のフィルタ本体は直列で配置されてもよい。各フィルタは、好ましくは、取り外し可能であり、例えば、専用の取り付け具または交換用フィルタ素子を受容するように構成されたハウジングと交換可能である。
【0075】
[0095]動作時、流体は液体供給ラインを通じてリザーバ式気体分離デバイス180に供給される。そのような流体には、混入した気泡および/または微粒子を有する液体を含んでもよい。流体はリザーバ本体190の内部192に入る。一実施形態では、液体はろ過媒体191を通過することができるが、流体内の気泡は通過できない。気泡はろ過媒体191の外部に沿って蓄積し、その後、気体出口ポート197に向かって流れ、デバイス180を出てもよい。液体制御要素186が開いたままである一方、液体が気体制御要素187を通って漏れることを防ぐために、気体制御要素187は長時間閉じていてもよい。気体制御要素187は、液体制御要素186が開いたままの間、または液体制御要素186が閉じているときのいずれかに、定期的に開いて「げっぷ」させるか、別の手法でリザーバ内部192内に蓄積された気体を排出してもよい。
【0076】
[0096]圧力変換器199Aはセンサポート198を通じて内容積192とセンサ連通し、そのような内容積192内の圧力を示す出力信号を発生させるために配置される。関連する制御部(図示せず)が配置され、出力信号に応答して、流体の流れ(例えば、リザーバ本体190に供給される流体流、リザーバ本体を出る液体流および/またはリザーバ本体を出る気体流)を制御するために使用してもよい。一実施形態では、圧力分配パッケージ内に流体がない、またはほぼない状態を示す分配流体の圧力降下を検出するために圧力変換器199Aを使用してもよい。一実施形態では、適切な警報および/または救済措置を作動するために、ろ過媒体191の目詰まりおよび/または内容積192内における過剰気体の蓄積の可能性を示す、リザーバ本体190内における背圧上昇状態を送信するために圧力変換器199Aを使用してもよい。リザーバ式気体分離デバイス180には、(例えば、容量性の)レベルセンサ199Bも設けられ、リザーバ本体190の内部192内の液位を検出するために使用してもよい。リザーバ式気体分離デバイス180の上流側に配置される圧力分配コンテナの動作および/またはリザーバ式気体分離デバイス180それ自体の動作は、圧力変換器199Aの出力信号および/またはレベルセンサ199Bの出力信号に応答して制御してもよい。リザーバ本体192の内部192内の液位が低下しすぎた場合、レベルセンサ199Bによって検出されると、そのような状態を、自動気体排出ユーティリティを提供するための気体制御要素187を使用して内部192からの気体の排出を誘発するために使用してもよい。
【0077】
[0097]一実施形態では、圧力変換器199Aおよび/またはレベルセンサ199Bのいずれかを少なくとも1つの他のセンサと交換してもよい、または追加してもよい。センサ199Aまたは199Bとして使用してもよいセンサのタイプの例には、光センサ、化学特定の存在および/または濃度センサ、粒子計数器、流量計測要素(例えば、コリオリ式センサ)および温度センサを含む。流量計測要素はマスフローコントローラで具現化してもよい。そのような他のセンサは利用可能なポート198を介してリザーバ本体190に連結してもよい、または流体入口ポート195、液体出口ポート186、および/または気体出口ポート187と直列するようなフロースルー関係で配置してもよい。1つ以上の他のセンサからの信号は、また、リザーバ式気体分離デバイス180の上流側に配置される圧力分配コンテナの動作および/またはリザーバ式気体分離デバイス180それ自体の動作を制御するために使用してもよい。
【0078】
[0098]図4A〜4Bは、一実施形態による、圧力分配パッケージのためのコネクタ270、ライナ取り付け部アダプタ250および浸漬管230を含む分配アセンブリ200の特定の配置を示す。図4Bは、さらに下流側フロー制御構成要素の概略図を含む。ライナ取り付け部アダプタ250はコネクタ270とライナ取り付け部との間の中間連結のために配置される(そのような図6Aおよび7Aに示すように)。図4Aを参照すると、コネクタ270は、本体構造201と、下方向に延びるプローブ部270Aと、液体抽出導管272に流体連通している液体出口ポート238と、気体抽出導管279と流体連通している気体出口ポート228と、加圧気体導管に気体を供給するために配置された加圧気体入口と、を含む。液体抽出導管272はコネクタ270の下端部271において終端する。コネクタ270は、ライナとコンテナとの間の隙間容積に供給される気体の圧力を検出するために配置された任意の圧力センサを含んでもよい。コネクタ270と、ライナ取り付け部アダプタ250内に画定される長手方向の穴の上部部分260との密封係合を促進するために、周方向の封止要素274B、275B、276Bがコネクタ270の下部部分に沿って設けられてもよい。本文脈において使用される「長手方向の」という用語は、取り付け部アダプタが直立して配置される際、概して垂直軸線に沿う、またはその近傍の方向を意味する。コネクタ270がライナ取り付け部アダプタの長手方向の穴の上部部分260に挿入されると、コネクタ270の封止要素275B、274Bはライナ取り付け部アダプタ250中に画定される少なくとも1つの側方気体通路259のそれぞれ上下に配置される。コネクタ270の液体抽出導管272は中心部255と長手方向の穴の下部部分252と一直線に並び、浸漬管230との流体連通を可能にする。本文脈において使用される「側方」という用語は、実質的な長手方向から逸れた半径方向成分を有する方向を意味する。例えば、側方気体通路259は、ライナ取り付け部アダプタ250を通って長手方向の軸線に直交してもよい、または角度が付けられ、水平成分および垂直成分の両変化を含んでもよい。浸漬管230は、ライナ取り付け部アダプタ250の下部縁端251に沿って長手方向の穴の下部部分252に挿入可能である。圧力分配パッケージのライナの内容積に露出している開口部を含む側方気体通路259が気体抽出導管279と流体連通している。側方に突出した縁端261がライナ取り付け部アダプタ250の上部部分に沿って設けられる。側方に突出した縁端261の下に、周方向の封止要素266(例えば、Oリング)が、取り付け部アダプタ250とライナ取り付け部または他の構成要素(図示せず)との間の封止を促進するため溝265Aに配置される。
【0079】
[0099]図4Bは、図4Aに示すものと同じ分配アセンブリ200を示すが、関連する圧力変換器245と、液体フロー制御要素244と、圧力分配パッケージから分配される液体内の気泡の存在を示す出力信号を発生させるために配置された気泡センサ249とを有する液体出口ライン246を含む下流側フロー制御および検出アセンブリ240を追加している。フロー制御および検出アセンブリ240は、気泡センサおよび/または液体センサ242と、気体フロー制御要素243とを有する気体出口ライン241も含む。フロー制御および検出アセンブリ240は、分配アセンブリ200に対応する、および/またはフロー制御および検出アセンブリ240のさらに下流側に配置されるプロセスに対応する、アセンブリ240内に配置される種々のセンサのいずれかから入力を受信するための制御部(図示せず)を含んでもよい。圧力変換器245を圧力分配パッケージ内に流体がない、またはほぼない状態を示す分配流体の圧力降下を検出するために使用してもよい。圧力変換器245の出力信号は、警報状態を作動するため、または任意の他の適切な処置をとるため、1つの圧力分配コンテナから別の圧力分配コンテナへの分配の自動切り換えを実施するのに使用可能である。液体出口ライン246に配置された気泡センサ249は、気泡が液体ラインに分配されたかどうかを検出するために使用してもよく、そうであれば、分配を停止するために使用してもよい。気体出口ライン241に配置された気泡センサおよび/または液体センサ242は、気体出口ライン241に存在する液体を示す状態を検出するために使用してもよく、そうであれば、気体出口ライン241を流体が通過するのを停止するために使用してもよい。前述のセンサは、レベルセンサ、容量式センサ、光センサ、化学特定の存在および/または濃度センサ、圧力センサ、粒子計数器、および流量計測要素のような(だが、それに限定しない)本明細書中に開示されるような種々のタイプの1つ以上のセンサと交換してもよい、または追加してもよい。ヘッドスペース気体は、圧力分配コンテナから液体に圧力を分配する直前またはその初期に気体出口ライン241を通じて排出してもよい。気体フロー制御要素243(例えば、バルブ)はそのような排出を選択的に始動するように作動できる。気体出口ラインを通る流れは、液体が液体出口ライン246を流れている間の液体分配動作中、遮断してもよい。
【0080】
[00100]図5A〜5Cは、図4A〜4Bに示されるライナ取り付け部アダプタ250に特徴が類似するライナ取り付け部アダプタ350を示す。取り付け部アダプタ350の雄内部部分350Aはフレア縁端362を有する上部面361を含み、環状凹部363が上部面361の下に延びる。フレア縁端362の下には、取り付け部アダプタ350と、ライナ取り付け部または他の構成要素(図示せず)との間の封止を促進するためのOリング(図示せず)のような封止要素を受容するための周方向の溝366が設けられる。
【0081】
[00101]図5Bに示すように、取り付け部アダプタ350は、壁357と、外部部分350Bに挿入するために配置された雄内部部分350Aとを有するカップ状の雌外部部分350Bを含む2つの部品で製作してもよい。雌外部部分350Bは、空洞354と、雄内部部分350Aの側方気体通路359を画定する側方管359Aを受容するために配置された切り欠き353とを画定する。雌外部部分350Bは、雄内部部分350Aの突出した下端部351Aを受容するために配置された穴358を画定する下端部351Bを有する。そのような部分を保持するために、移動止めおよび凹部要素が部分350A、350Bに画定される。雄内部部分350Aは、(部分的に上向きに突出した管状部分360Aによって画定される)上部部分360と、中間穴部355と、取り付け部アダプタ350の雄部350Aの下部縁端351Bに延びる下部穴部352とを含む長手方向の穴を画定する。穴部360、355、352は、好ましくは同軸であるが、示すように、互いに対して異なる直径を有してもよい。中間部355は、上部部分360と下部部分352のそれぞれよりも小さな直径を有してもよく、コネクタまたは浸漬管のいずれかがライナ取り付け部アダプタ350内に深く挿入されすぎることを防ぐための移動停止部として機能する。下部穴部352は、任意選択で、長手方向の穴の下部部分352に挿入された浸漬管(図示せず)を圧縮的に保持するために配置された少なくとも1つのら旋圧縮機能(図示せず)を画定してもよい。上部穴部360は、(図4A〜4Bに示されるコネクタ270のような)コネクタの一部を受容するために配置される。図5Cに示されるような側方気体通路359は、長手方向の穴の上部部分360に実質的に直交する(垂直である)。ライナ取り付け部アダプタ350を含む分配アセンブリの動作時、側方気体通路359は、好ましくは、コネクタが上部穴部360に挿入されると気体抽出導管と流体連通する。
【0082】
[00102]図6Aは、圧力分配パッケージにおいて使用するために配置された、コネクタ370と、クロージャ310と、ライナ取り付け部リテーナ315と、ライナ取り付け部アダプタ350と、を含む分配装置300を示す。ライナ取り付け部(図示せず)は取り付け部リテーナ315とライナ取り付け部アダプタ350との間に配置されうる。コネクタ370は、本体構造301と、下方向に延びるプローブ部370Aと、液体抽出導管372と流体連通している液体出口ポート328と、気体抽出導管379と流体連通している気体出口ポート338と、加圧気体導管347と流体連通している加圧気体入口348と、を含む。液体抽出導管372は、コネクタ370の下端部371において終端する。コネクタ370は、ライナとオーバーパックコンテナとの間の間隙空間の圧力を検出するために配置されてもよい任意の圧力センサを含んでもよい。種々の周方向の溝(例えば、溝375A、376A、377A)は、コネクタ370と、ライナ取り付け部アダプタ350内に画定される長手方向の穴の上部部分360との密封係合を促進するためにコネクタ370の一部に沿って設けられてもよいOリングのような、周方向の封止要素(例えば、封止要素374B、377B)を保持するように配置される。コネクタ370がライナ取り付け部アダプタ350の長手方向の穴の上部部分360に挿入されると、コネクタ370の(例えば、溝375A、376Aに取り付けられるような)封止要素が、ライナ取り付け部アダプタ350中に画定される側方気体通路359のそれぞれ上下に配置される。コネクタ370の液体抽出導管372は長手方向の穴の中心部355と下部部分352とに一直線に並び、長手方向の穴の下部部分352にライナ取り付け部アダプタ350の下部縁端351に沿って挿入可能な(図6Bに示される浸漬管330のような)浸漬管との流体連通を可能にする。図6Aに示されるような側方気体通路359は、ライナ取り付け部アダプタ350内に画定される長手方向の穴の上部部分360に実質的に直交する(垂直である)。側方気体通路359は、コネクタ370が取り付け部アダプタ350内に挿入されると(コネクタ372に画定される側方領域378によって)気体抽出導管379と流体連通する。側方に突出した縁端がライナ取り付け部アダプタ350の上部部分に沿って設けられる。側方に突出した縁端361の下には、取り付け部アダプタ350と、ライナ取り付け部リテーナ315または他の関連する構成要素との間の封止を促進するための周方向の封止要素(例えば、Oリング)を受容するための周方向の溝366が設けられる。
【0083】
[00103]折りたたみ可能なライナ(図示せず)に接合されるように構成されたライナ取り付け部(図示せず)がライナ取り付け部アダプタ350に隣接した配置のために配置される。オーバーパックコンテナ(図示せず)のような圧力分配容器のためのクロージャ310がライナ取り付け部リテーナ315およびライナ取り付け部アダプタ350の上に配置される。クロージャ310は圧力分配容器の対応する雄ねじ首(図示せず)と係合するために配置される雌ねじ面311を含む。クロージャ310は、上方に延びてコネクタ本体301の下部部分に沿ってねじ状のソケット302を受容する関連する雄ねじ首312を有する。ブレイクシール305がねじ首312内に、またはそれに隣接して配置され、好ましくは、コネクタ370がブレイクシール305を通して挿入され、ライナ取り付け部アダプタ350と係合するまで圧力分配パッケージ内において封止状態を維持する破断可能な膜を含む。コネクタ370がライナ取り付け部アダプタ350に挿入されると、(a)気体抽出導管379とライナ取り付け部に取り付けられたライナ(図示せず)の内容積との間、(b)液体抽出導管372とライナの内容積との間、および(c)加圧気体導管(図示せず)と、オーバーパックコンテナ(図示せず)とライナとの間の間隙空間との間に流体連結が同時に形成される。1回のコネクタ挿入工程によって同時連結を設けることは、使用者の利便性を促進するとともに、不完全連結の可能性を除去する。ライナ内の単一の開口部の存在は潜在的な漏れ経路を最小限にする。
【0084】
[00104]分配アセンブリ300における使用に適した浸漬管330が図6Bに示される。流体を導くために配置された中心穴を含む浸漬管は、真直な上端部332と、側方開口部333および底部穴開口部(図示せず)を含む下端部331とを含む。側方穴開口部333と底部穴開口部両方が存在することによって、圧力分配動作中にそのようなライナを折りたたむことによって、ライナから浸漬管330への液体の流れが妨げられる(すなわち、垂直方向および横方向の両方に)可能性が低下する。浸漬管330は(図6Aに示される)ライナ取り付け部アダプタ350の長手方向の穴の下部部分352にプレス嵌めされるように配置された真直な上端部332を有する。ライナ取り付け部アダプタ350の長手方向の穴の中間部352が浸漬管330よりも小さな直径を有するため、浸漬管330は、ライナ取り付け部アダプタ350が圧力分配コンテナに挿入される前に、およびコネクタ370がライナ取り付け部アダプタ350の長手方向の穴の上部部分360に挿入される前に、ライナ取り付け部アダプタ350の長手方向の穴の下部部分352に嵌合されるべきである。
【0085】
[00105]図7Aは、多くの点において図6Aの分配装置に類似するが、異なる浸漬管(すなわち、図7Bに示される浸漬管430)における使用のために配置された異なるライナ取り付け部アダプタ450を備える分配装置400を示す。分配装置400は、圧力分配パッケージにおいて使用するために配置された、コネクタ470と、クロージャ410と、ライナ取り付け部リテーナ415と、ライナ取り付け部アダプタ451とを含む。コネクタ470は、本体構造401と、下方向に延びるプローブ部470Aと、液体抽出導管472と流体連通している液体出口ポート428と、気体抽出導管479と流体連通している気体出口ポート438と、加圧気体導管(図示せず)と流体連通している加圧気体入口448とを含む。液体抽出導管472はコネクタ470の下端部471において終端する。コネクタ470は任意の圧力センサを含んでもよい。この圧力センサはライナとオーバーパックコンテナとの間の間隙空間と流体連通している関連する圧力検出ラインを有してもよい。Oリングのような周方向の封止要素(例えば、封止要素474B、477B)を保持するように配置される種々の周方向の溝(例えば、溝475A、476A、477A)がコネクタ470の一部に沿って設けられ、コネクタ470と、ライナ取り付け部アダプタ450の長手方向の穴460の上部部分460との密封係合を促進してもよい。コネクタ470が長手方向の穴の上部部分460に挿入されると、コネクタ470の(例えば、溝475A、476A内に取り付けられるような)封止要素が、ライナ取り付け部アダプタ450中に画定され、長手方向の穴内に延び、コネクタ470内に画定される側方領域478と気体抽出導管479とに流体連通している側方気体通路(図示せず)のそれぞれ上下に配置される。溝476A、477Aは、ライナ取り付け部アダプタ450の長手方向の穴の上部部分460に係合するように配置された封止要素(図示せず)を含んでもよい。
【0086】
[00106]コネクタ470がライナ取り付け部アダプタ450に挿入されると、コネクタ470の下端部471(すなわち、液体抽出導管472への開口部)は、連結器490の上部凹部に係合するように配置された、連結器490の周方向の溝475Aに配置される第1の封止要素474Bおよび追加の封止要素(図示せず)を備えた長手方向の穴内に配置された連結器490に係合する。連結器490は、長手方向の穴460の肩部461に当接するように配置されたフレア外部部分495を備えた本体471を含む。連結器490の外部表面493に沿って配置されたリブ497が取り付けアダプタ450を支持するため、および配置するために設けられる。空隙(図示せず)は気体がリブ497を越えて通過することを可能にする。連結器490は、また、長手方向の穴の下部部分460に挿入可能であり、連結器490の下端部491と係合する(図7Bに示される浸漬管430のような)浸漬管との流体連通を可能にするための液体抽出導管472と流体連通している液体導管495を画定する。図7Bに示されるように、連結器490の外部表面493は、好ましくは浸漬管430のフレア上部部分432の内部表面に係合する。
【0087】
[00107]分配アセンブリ400における使用のために配置された浸漬管430(図7Bに示される)は、下端部431で終端する管状体まで肩部434において先細りするフレア部435を備えた上端部432を含み、中空の穴が下端部431から上端部432まで延びる。穴への側方開口部433が下端部431の近辺に画定される。浸漬管430の下端部431はライナ式圧力分配パッケージのライナ内に挿入可能であり、浸漬管430の下端部431はライナの内容積に露出している液体抽出開口部として機能する。
【0088】
[00108]図7Aを7Bとあわせて参照すると、一実施形態において、コネクタ470の下端部471に連結器490と浸漬管430が固設され、(浸漬管430、連結器490およびコネクタ470を含む)組み合わせられたサブアセンブリが共にブレイクシール405を通ってライナ取り付け部アダプタ450の長手方向の穴に(例えば、上部部分460を通って長手方向の穴の下部部分455に)挿入される。浸漬管430はライナ取り付け部アダプタ450内に画定される下部開口部456を通って延びる。保持または封止要素456Aが下部開口部456に隣接して配置され、浸漬管430に構造支持および/または密封係合を設けてもよい。浸漬管430および連結器490を上から(すなわち、圧力分配パッケージの外側から)挿入する機能によって、エンドユーザは特定の圧力分配コンテナにおける使用に適切な寸法の浸漬管430を選択することができる。浸漬管430、連結器490およびコネクタ470を長手方向の穴に挿入後、連結器490と浸漬管430の取り外しを、長手方向の穴の上部部分460と下部部分455とを分割する肩部461の存在によって阻止してもよい。肩部461が最小化された場合は、浸漬管430と連結器430は分配アセンブリの上方から取り外されてもよい。
【0089】
[00109]別の実施形態では、コネクタ470がブレイクシール405を越えて、長手方向の穴の上部部分460に挿入される前に、連結器490および浸漬管430をライナ取り付け部アダプタ450の長手方向の穴に配置してもよい。
【0090】
[00110]引き続き図7Aについて述べると、側方に突出した縁端461がライナ取り付け部アダプタ450の上部部分に沿って設けられる。側方に突出した縁端461の下に、周方向の封止要素(例えば、Oリング)を受容するための溝466が設けられ、取り付け部アダプタ450と、ライナ取り付け部または他の関連する構成要素との間の保持を促進する。ライナ取り付け部(図示せず)および折りたたみ可能なライナ(図示せず)をライナ取り付け部アダプタ450に隣接して設けてもよい。
【0091】
[00111]オーバーパックコンテナ(図示せず)のような圧力分配容器のためのクロージャ410がライナ取り付け部リテーナ415およびライナ取り付け部アダプタ450の上に配置される。クロージャ410は、圧力分配容器の対応する雄ねじ首(図示せず)と係合するために配置された雌ねじ面411を含む。クロージャ410は、上方に延びて、コネクタ本体401の下部部分に沿ってねじ状のソケット402を受容する、関連する雄ねじ首412を有する。ブレイクシール405がねじ首412内に、またはそれに隣接して配置され、好ましくは圧力分配パッケージ内において封止状態を維持する破断可能な膜を含む。1つ以上の構成要素(例えば、コネクタ470)がブレイクシール405を通して挿入され、ライナ取り付け部アダプタ450と係合する。コネクタ470がライナ取り付け部アダプタ470に挿入されると、(a)気体抽出導管479とライナ取り付け部に取り付けられるライナの内容積(図示せず)との間、(b)液体抽出導管472とライナの内容積との間、および(c)加圧気体導管と、オーバーパックコンテナ(図示せず)とライナとの間の間隙空間との間に流体連結が同時に形成される。
【0092】
[00112]特定の実施形態では、流体の存在または流体回路内の流動流体の相変化を検出するために複数の感温体を使用してもよい。流体検出における温度センサの使用は、非常に不透明な液体(例えば、表示モニタの製造における平坦なパネルのコーティングに使用される着色した色フィルタ材料および類似の流体)の存在または相変化を検出するために有利に用いられてもよい。その理由は、そのような流体が、一般に光検出に適していないためである。第1の位置において流動流体に熱を放散してもよい。第1の検出素子は、第1の発熱体と流体とにセンサ連通して配置され、第1の発熱体の温度と相関する第1の出力信号を発生させるように構成してもよい。一実施形態では、第1の発熱体および第1の検出素子は、第1のサーミスタが自己加熱するのに十分な第1の電流レベルで駆動する単一の(第1の)サーミスタを含んでもよい。第2の検出素子は、流体回路内の第2の位置において流体とセンサ連通して配置され、第2の位置にある流体の温度と相関する第2の検出素子の出力信号を発生させるように構成してもよい。一実施形態では、第2の検出素子は、第1の電流レベルよりも実質的に低い第2の電流レベルで駆動する第2のサーミスタを含む。(例えば、比較器と増幅器を含むが、それに限らない)信号処理要素は、第1の検出素子の出力信号および第2の検出素子の出力信号を受信するため、ならびに第1の検出素子の出力信号と第2の検出素子の出力信号との比較を基に流体回路内における流体の存在または流動流体の相変化を判定するために配置してもよい。少なくとも1つの別個の発熱体とともに(例えば、熱電対および測温抵抗体を含むが、それに限らない)他の種類の感温体を使用してもよい。
【0093】
[00113]前述の装置では、液相または気相における流体の熱容量が異なることから液体または気体の存在を検出することができる。液相の流体は一般に気相の流体に比べて熱容量が大きい。そのような熱を放散するため、発熱体上を流れる気体の能力を超えるレベルの電流が発熱体(例えば、サーミスタを含む)に供給されると、発熱体は自己加熱を呈し、その温度が上昇する。そのような温度は第1の温度センサで検出可能である。しかしながら、同様の電流供給レベルで動作する同様の発熱体が発熱体上を流れる液体に曝露すると、流れる液体がそのような熱を吸収することができるならば、発熱体は自己加熱を呈さなくてもよい。同じ流体回路内において流体とセンサ連通している第2の温度センサは温度補償のために使用される。第1の温度センサと第2の温度センサ間の温度の差は増幅され、測定される。第1の温度センサの自己加熱状態に相当する状態の検出は第1の温度センサが気体に曝露していることを示し、一方で、第1の温度センサの自己加熱状態がないことに相当する状態の検出は第1の温度センサが液体に曝露していることを示す。流体回路を通る可能な流量の時間に対する変化を説明するため、第1の温度センサと第2の温度センサ間の比較も任意の流量センサの出力によって補償してよい。
【0094】
[00114]一実施形態では、(上述のような)流体の存在または流体回路内の流動流体の相変化を検出するための装置の種々の構成要素は、ライナの外側にその圧縮のための圧力を加えるための加圧気体を気体源から受容するために配置されたライナ式圧力分配コンテナのためのコネクタ、または流体分配コンテナの下流側に配置される流体回路内に位置するように配置された装置のような単一の装置に一体化してもよい。一実施形態では、第1の検出素子および第2の検出素子は第1の装置(例えば、圧力分配コンテナのためのコネクタ)内に配置される。信号処理要素は、第1の装置から物理的に離れている第2の装置内に配置され、両者の間には適切な電気接続がある。
【0095】
[00115]一実施形態では、第1の感温体および第2の感温体を利用して流体の存在または流体回路内の流動流体の相変化を検出するように構成された装置が、(例えば、ライナ式圧力分配コンテナのような流体分配コンテナの下流側にある)流体回路内の流動流体の気相から液相への相変化を検出するように構成されている。一実施形態において、第1の感温体および第2の感温体を利用して流体の存在または流体回路内の流動流体の相変化を検出するように構成された装置が、流体回路内における流動流体内の少なくとも1つの気泡の有無を検出するように構成されている。
【0096】
[00116]一実施形態では、第1の感温体および第2の感温体を利用して流体の存在または流体回路内の流動流体の相変化を検出するように構成された装置を、異なる検出原理(例えば、光センサ、容量式センサ等)によって動作する少なくとももう1つの検出装置とともに使用している。そのような異なる検出装置の信号が比較される。異なる検出原理によって動作する装置を使用することによって、信頼性を向上し、分配エラーの可能性を低下させてもよい。
【0097】
[00117]一実施形態において、流体分配システムは、第1の感温体および第2の感温体を利用して流体の存在または流体回路内の流動流体の相変化を検出するように構成された装置と、第1の感温体の出力と第2の感温体の出力を比較するために配置された信号処理要素とを含む。このような流体分配システムは、さらに気体排出口と、プロセスツールと流体連通している液体受容ラインと、流体を液体受容ライン内に選択的に受け入れるように配置されたフロー制御要素とを含み、このシステムは、流体回路内の液体の存在を示す信号処理要素から得た信号の受信に応答して、流体を液体受容ライン内に受け入れるようにフロー制御要素を動作するように構成されている。
【0098】
[00118]一実施形態において、流体の存在または流体回路内の流動流体の相変化を検出するための方法では、流体回路内の第1の位置において流体とセンサ連通している第1のサーミスタを使用するとともに、流体回路内の第2の位置において流体とセンサ連通している第2のサーミスタを使用する。第1のサーミスタは、第1のサーミスタの検出部が気体に曝露すると、第1のサーミスタが自己加熱を起こすのに十分な第1の電流レベルで駆動する。第2のサーミスタは、第1の電流レベルよりも実質的に低い第2の電流レベルで駆動する。(例えば、比較器および増幅器を含んでもよい信号処理要素を使用して)第1のサーミスタの第1の出力信号と第2のサーミスタの第2の出力信号とが比較され、そのような比較に基づき流体回路内における流体の存在または流動流体の相変化を判定する。一実施形態では、(i)流体回路からの気体の排出および/または(ii)流体回路からプロセスツールへの流体の分配を選択的に制御するためにフロー制御要素が使用される。そのようなフロー制御要素は第1の出力信号と第2の出力信号の前記比較に応答して制御される。
【0099】
[00119]一実施形態では、気体源から加圧気体を受容するために配置されたライナ式圧力分配コンテナに流体回路が作動的に連結され、ライナの外側にその圧縮のための圧力が加えられる。方法には、第1の温度センサによって得られた第1の出力信号と第2の温度センサによって得られた第2の出力信号との比較に応答して、ライナ式圧力分配コンテナから流体回路への流体の分配を制御するステップを含む。第1の温度センサは、流体回路内の流体に熱を放散するために配置された発熱体を含む、またはそれに関連付けられる。
【0100】
[00120]図8は、複数の感温体521、522と、感温体521、522の出力の比較を基に流体回路530内における流体の存在または流動流体の相変化を判定するように配置された信号処理要素525とを含む流体分配システム500の種々の構成要素間の相互接続を示す結線図である。流体は圧力分配装置から流体回路530内に分配される。圧力分配装置は、折りたたみ可能なライナ512を収容し、気体源502から、外部コンテナ510とライナ512との間の間隙空間511内に気体供給ライン503を介して加圧気体を受容するために配置された外部コンテナ510を含む。間隙空間511内に加圧気体が供給されると、このような気体はライナ512にその圧縮のための外部圧力を加え、ライナ512から流体回路530内に流体を分配する。流体回路530は、流体回路530内の流体の流量を検出するためのフロー検出素子523を含んでもよい。第1の感温体および第2の感温体(例えば、サーミスタ)521、522が流体回路530内の流体とセンサ連通して配置されている。種々の検出素子521〜523は、制御機能も提供してよい信号処理要素525と連通している。信号処理要素525は、マイクロプロセッサ、ディスクリート回路素子、プログラマブルロジックコントローラおよび/またはセンサの入力を受信し、処理するとともに、出力信号を供給するために配置され、任意選択で、ソフトウェアのような機械可読な命令を実行するように配置された他の公知の要素を含んでもよい。加圧気体源502は、ライナ512から流体回路530内への流体の分配を制御する、またはそれに影響を及ぼすための信号処理要素525から信号を受信するために配置してもよい。感温体521、522の下流側に、1つ以上のバルブのような少なくとも1つのフロー制御要素530が、流体を排出口531(および/または廃棄口)もしくはプロセスツールまたは他の使用箇所532に選択的に受け入れるために配置される。プロセスツールまたは他の使用箇所532の上流側にデガッサー533を配置してもよい。少なくとも1つのフロー制御要素530がその自動動作のための信号を信号処理要素525から受信するために配置される。
【0101】
[00121]流体分配システム500の動作時、加圧気体が、圧力分配コンテナ510とその中に収容されたライナ512との間の間隙空間511に供給され、ライナ512を圧縮し、ライナから流体回路530内に流体を分配する。ライナ512内に収容された流体は、流体回路内に分配される流体がまず主としてヘッドスペース気体を含みうるように、ヘッドスペース気体および液体(例えば、着色した色フィルタ材料のような非常に不透明な液体または類似の流体)を含んでもよい。流体の流量はフロー検出素子523によって検出してもよく、流体流量と相関する信号を信号処理要素525に供給してもよい。1つの感温体521(例えば、サーミスタ)は気体に曝露している検出素子521を自己加熱させるのに十分な電流で駆動される。第2の検出素子522(例えば、サーミスタ)は、他方の検出素子521に供給される電流よりも実質的に低い電流で駆動される。そのため第2の検出素子522は流体回路530内において気体に曝露しても自己加熱しない。信号処理要素525は、第1の検出素子521および第2の検出素子522から信号を受信し、それらを比較して、気体または液体が流体回路530内に存在するかどうかを判定する。流体回路530内に気体を検出した場合、信号処理要素525は、流体回路530から排出口531または廃棄口に流体を受け入れるために少なくとも1つのフロー制御要素530によって使用される信号を発生する。代替的に、ヘッドスペース気体の初期排出後に流体回路530内に液体を検出した場合、これは、ヘッドスペース気体がすべて排出され、システム500は液体をプロセスツール532または他の使用箇所に分配する準備を完了し、フロー制御要素530は流体回路530からプロセスツール532または他の使用箇所に液体を受け入れるために信号処理要素からの信号に応答することを意味してもよい。そのような液体は、液体に溶解または混入する任意の気体を低減または除去するための任意のデガッサー533を通って流れてもよい。システム500の任意の1つ以上の種々の構成要素(例えば、検出素子521〜523、信号処理要素525および/またはフロー制御要素530)は、任意選択で、圧力分配コンテナ510と係合するように適合させたコネクタ515内またはその上に配置してもよい。そのようなコネクタ515は、任意の1つ以上の追加のコネクタ構成要素および/または本明細書中に上述したような特徴を組み込んでもよい、または含んでもよい。
【0102】
[00122]図9は、流体回路内の流体と熱連通して配置可能な第1のサーミスタと第2のサーミスタの使用を含む、流体回路内の流体の存在または流動流体の相変化を検出するための装置の電気素子をモデルとした回路図である。(例えば、Jameco207483サーミスタ(Jameco Electronics,Belmont,Calif.)において具現化されうるようなサーミスタR2によって第1の、すなわち主要感温体を具現化し、5.05ミリアンペアの電流で駆動する。Jameco207483サーミスタの特徴は、4.3%/℃および6.5mW/℃と明示される。サーミスタR2の特徴を考慮すると、サーミスタR2が空気に曝露すると摂氏約3.8度の自己加熱が期待されるが、液体では、そのような自己加熱は、液体の熱容量が空気と比較するとかなり高いためにほぼゼロである。(サーミスタR2と同じタイプを含んでもよい)サーミスタR3は50マイクロアンペアの電流で駆動し、気体または液体への曝露時にほとんど自己加熱しない。このサーミスタR3は他のサーミスタR2からの信号を補償するために使用される。2つのサーミスタR2、R3の出力信号間の差は増幅器U3を使用して増幅され、測定される。示したシミュレーションでは、気体と液体間の信号の予想変化は10%(すなわち、空気では約900mV、液体では約1000mV)であり、この差は標準的な回路部品で容易に検出可能である。前に示したように、サーミスタ以外のタイプの感温体を使用してもよい。
【0103】
[00123]前に示したように、ライナ式圧力分配パッケージを含む例証的な実施形態を説明したが、本発明の態様をライナのないパッケージおよびコンテナシステムに適用してもよい。一実施形態では、コネクタを分配アセンブリに挿入すると、(a)気体抽出導管とコンテナ内の分配容積との間、(b)液体抽出導管とコンテナ内の分配容積との間、および(c)加圧気体導管と圧力分配容器内の加圧されるべき空間との間に流体連結が同時に形成される。気体抽出導管と、液体抽出導管と、加圧気体導管は互いに別個のものである。
【0104】
[00124]特定の実施形態では、第1の圧力分配装置によって分配される源材料(例えば、液体)が気体に接触することによるマイナスの影響は、第1の圧力分配装置からの所望の量の流体の分配と相関する状態、または第1の圧力分配装置によって分配される流体の気体飽和への接近と相関する状態を検出し、第1の圧力分配装置の出力を第2の圧力分配装置によって分配される流体と反応的に組み合わせる(例えば、希釈する)ことによって低減される。組み合わせ流体流は分配導管によって半導体デバイスまたは超小型電子デバイスの処理用ツールのような所望の使用箇所に供給してもよい。複数の圧力分配装置からの流体流をそのように組み合わせることによって、流体の気体飽和レベル(例えば、半導体処理および/または超小型電子デバイス処理用の源材料)を許容レベル未満に維持することができる。複数の圧力分配装置によって出力された流れを組み合わせるための1つ以上のしきい値として(例えば、1つ以上の検出素子を使用して)検出されうる種々の状態には、圧力分配装置によって出力された流体の圧力、圧力分配装置内に残った流体の重量(または、逆に、圧力分配装置によって分配された流体の重量)および/または圧力分配装置によって分配される流体の総流を含む(が、これに限定されない)。
【0105】
[00125]好ましくは、第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置によって出力された流体流を組み合わせた場合、第2の圧力分配装置は、第1の圧力分配装置よりもより少ない気体(およびより低い気体/源材料(例えば、液体)比を有する)を含む。少なくとも1つの排出可能なリザーバは、好ましくは、第1の圧力分配装置および第2の圧力分配装置から流体を受容するために設けられ、出口の上流側からプロセスツールまたは源材料(例えば、液体)の他の所望の使用箇所までの気体と液体の分離を可能にする。特定の実施形態では、各圧力分配装置は関連する専用の排出可能なリザーバを有する。各圧力分配装置に専用の排出可能なリザーバを使用すると、1つの圧力分配装置の作用および動作性能を別の圧力分配装置から分離することができる。各排出可能なリザーバは、液体出口と、気体出口と、源材料(例えば、液体)入口と、ヘッドスペース気体入口とを含んでもよい。好ましくは、制御弁は入口と出口のそれぞれに関連する。気体出口は、気体と液体の分離を重力によって補助することができるように液体出口の上に配置してもよい。排出可能なリザーバ内における所望の液位を、そのようなリザーバ内の所定のレベルにおける源材料の存在および/または欠如を検出するために配置された(レベルセンサ、容量式センサ、導電率センサ、光センサ等のような任意の適切なタイプの)センサと作動的に結合される流出制御弁によって自動的に維持してもよい。各排出可能なリザーバは、(例えば、ヘッドスペース除去のための)液体源材料の分配前および/または液体源材料の分配中のような、気体の少なくとも周期的な排出を可能にする。一実施形態では、排出可能なリザーバは、本明細書中に上述したように、液体の通過を可能にするが、気泡の通過を防ぐように構成されたろ過媒体を含む。一実施形態では、排出可能なリザーバは圧力分配コンテナから物理的に分離されてもよい。別の実施形態では、排出可能なリザーバは、例えば、そのようなコンテナと係合するように配置されたキャップ内においてリザーバを一体化することによって圧力分配コンテナに取り付けてもよい。
【0106】
[00126]第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置によって排出される流体の流れは、T字管、マルチポートバルブまたは任意の他の適切な集流構造において組み合わせてもよい。生じる組み合わせ流の均一性を高めるために1つ以上の静的および/または動的ミキサを使用してもよい。一実施形態では、第1の圧力分配装置および第2の圧力分配装置によって分配される流体は(例えば、その中に溶解した任意のヘッドスペース気体の存在は別として)同じ組成物を有する。別の実施形態では、第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置によって分配される流体は異なる組成物を有する。
【0107】
[00127]第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置によって排出される流体の流れは任意の所望の割合で組み合わせてもよい、および/または調整してもよい。一実施形態では、第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置からの流れはほぼ同じ割合で組み合わせてもよい。特定の実施形態では、第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置の出力を含む組み合わせ流における流体の割合は、相関する圧力分配装置の相対的な分配圧力を調整することによって、および/または1つ以上の流体流の流れを調整するために配置された1つ以上の制御弁を使用することによって変えてもよい。特定の実施形態では、第1の圧力分配装置の出力と第2の圧力分配装置の出力を含む組み合わせ流における流体の割合は時間に対して変化する。例えば、第1の圧力分配装置に源材料(例えば、液体)がほぼなくなり、かつ高濃度の気体がその中に存在すると、第1の圧力分配装置から排出される流体と混合される第2の圧力分配装置から排出される流体の割合を増加させ、組み合わせ流の流れを許容可能な低い気体飽和レベルで維持してもよい。組み合わせ流体流における構成流体の割合は、圧力センサ、重量計または(総流量センサ(totalized flow sensors)を含む)流量センサのような(が、これに限定されない)1つ以上のセンサの出力に応答して調整してもよい。
【0108】
[00128]第1の圧力分配装置から分配される流量が減少すると、第1の圧力分配装置の加圧時間が延長される。この延長された時限の間、中の液体が完全になくなる前に、さらなる気体が第1の圧力分配装置(またはそのコンテナ)内に残った小量の液体に溶解する。混合の開始点次第では、第1の圧力分配装置内の気体が気体飽和状態に達するまで源材料(例えば、液体)内に継続して溶解する。簡単な混合アルゴリズムには、第1の圧力分配装置内に残ったすべての源材料が飽和し、そのような材料が別の(例えば、第2の)圧力分配装置からの源材料と適切に混合され、加圧気体で飽和されない生成源材料の混合物が得られるという仮定を含む。他の混合アルゴリズムを用いてもよい。一実施形態では、第1の圧力分配装置内に残った液体(または第1の圧力分配装置によって分配される液体)の気体含有量を示す状態を検出するために、少なくとも1つのセンサを、任意選択で、第2の圧力分配装置内の液体(または第2の圧力分配装置によって分配される液体)の気体含有量を示す状態を検出するために使用される少なくとも1つのセンサと組み合わせて使用してもよい。そのようなセンサからの信号は、第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置からの源材料の流れの混合を制御するために使用される。一実施形態では、源材料の少なくとも1つの流れの気体含有量を示す信号は、マスフローセンサおよび容量式流量センサによって得られ(任意選択で、温度センサによって補正される)、質量を体積で割った商が源材料の密度を求めるのに使用される。密度と気体含有量(または気体飽和状態)間の機能的関連性は実験により予め決定してもよい。測定された密度信号を、実験によって得られたデータ(または実験によって得られたデータから得られる数学的関数)と比較してもよく、そのような比較は、種々のコンテナからの源材料流の混合を制御するために使用され、気体で飽和されない(または所定のしきい値未満の気体含有量を維持する)生成(混合)源材料流を得るという目的を有する。別の実施形態では、混合された源材料流において、生成する源材料流の割合を制御するために圧力検出を使用してもよい。本明細書中に開示されるような(またはそうでなければ当業者に公知のような)センサの他の種類および/または組み合わせを源材料流の混合の制御に用いてもよい。
【0109】
[00129]本明細書中に記載されるような分配装置では種々のタイプの制御要素を使用してもよい。「制御要素」という用語には、事前定義の、またはユーザー定義の命令セット、プログラマブルロジックコントローラ、信号比較器、制御弁、マスフローコントローラ、圧力調整器、アクチュエータ等を実行するために配置した汎用または専用コンピュータを含んでもよい。
【0110】
[00130]第1の圧力分配装置からの所望の量の流体の分配と相関する、または第1の圧力分配装置によって分配される流体の気体飽和への接近と相関する出力信号を発生させるために配置した少なくとも1つの検出素子は、(A)圧力分配装置によって分配される流体の圧力を検出するために配置された圧力変換器、(B)(i)圧力分配装置の内容積内に収容された流体の重量、または(ii)圧力分配装置の容器および容器内に収容された流体の重量を検出するために配置されたセンサ(例えば、スケール、ひずみゲージ等)、または(C)圧力分配装置によって分配される流体の総量または総質量を検出するために配置された(積算流量計のような)流量センサと、を含んでもよい。状態を検出し、出力信号を発生するステップには、検出素子によって発生した信号を、第1の圧力分配装置から分配されるべき流体の量を示す、または第1の圧力分配装置によって分配される流体の予備飽和状態(pre−saturation state)を示す既定値と比較し、出力信号を発生させるステップを含んでもよい。分配システムの各圧力分配装置に少なくとも1つの検出素子を関連させてもよい。
【0111】
[00131]前に示したように、第1の圧力分配装置からの所望の量の流体の分配と相関する、または第1の圧力分配装置によって分配される流体の気体飽和への接近と相関する事前定義された状態を検出すると、第1の圧力分配装置からの流体が第2の圧力分配装置からの流体と組み合わされ、組み合わせ流体の流れが所望の使用箇所に供給される。流体が第1の圧力分配装置から完全になくなった後、流体をしばらくの間第2の圧力分配装置のみから同じ所望の使用箇所に分配してもよく、第1の圧力分配装置に流体を補充してもよい(または第1の圧力分配装置を第3の圧力分配装置に交換してもよい)。第2の圧力分配装置からの所望の量の流体の分配と相関する、または第2の圧力分配装置によって分配される流体の気体飽和への接近と相関する事前定義された状態を検出すると、第2の圧力分配装置からの流体を、補充された第3の圧力分配装置または第3の圧力分配装置のような別の圧力分配装置からの流体と組み合わせてもよい。その結果、そのような流体を所望の低い気体飽和レベルで維持する一方、流体を所望の使用箇所に実質的に連続的に供給してもよい。複数の圧力分配コンテナからの流体の流れを組み合わせるために、1つの圧力分配コンテナ(またはその出力)に関連する特定の状態を検出し、新しい圧力分配コンテナから分配を開始する工程は、必要に応じて繰り返してもよい。
【0112】
[00132]特定の実施形態では、流体分配システムは、中に流体を含むように配置された第1の折りたたみ可能なライナを備えた第1の圧力分配装置を含み、中に流体を含むように配置された第2の折りたたみ可能なライナを備えた第2の圧力分配装置を含む。他の実施形態では、各圧力分配装置には、加圧気体と分配されるべき流体との直接接触による圧力分配を可能にするためにライナをなくしてもよい。
【0113】
[00133]第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置からの流れの組み合わせを開始するために圧力検出を使用する一実施形態による流体分配システムが図13に示される。分配システム600は、第1の圧力分配装置602Aと、第1の脱ガスおよび/またはフィルタリングリザーバ640Aと、付属のフロー制御構成要素とを備える第1の部分601Aを含み、第2の圧力分配装置602Bと、第2の脱ガスおよび/またはフィルタリングリザーバ604Bと、付属のフロー制御構成要素とを備える第2の部分602Bを含む。各圧力分配装置602A、602Bは、実質的に剛性のあるコンテナ610A、610Bと、折りたたみ可能なライナ612A、612Bとを含み、その間に間隙空間613A、613Bを有する。各圧力分配装置602A、602Bは、(加圧気体源616A、616Bに結合する)気体入口導管617A、617Bと、源材料(例えば、液体)(ライナ612A、612B内の浸漬管613A、613Bから液体を受容するために配置された)出口導管620A、620Bと、(ライナ612A、612B内からヘッドスペース気体を排出するために配置された)気体排出導管630A、630Bとを備えたキャップ602A、602Bを含む。各源材料(例えば、液体)出口導管620A、620Bは、リザーバ640A、640Bの上流側に配置された、関連する圧力変換器622A、622Bと、制御弁624A、624Bと、逆止弁625A、625Bとを有する。各気体排出導管630A、630Bは、リザーバ640A、640Bの上流側に配置された、(任意選択で、真空源(図示せず)に連結されてもよい)関連する排出口631A、631Bと、制御弁634A、634Bと、逆止弁635A、635Bとを有する。各リザーバ640A、640Bは、源材料出口導管620A、620Bを受容する、気体排出導管630A、630Bを受容する、および制御弁649A、649Bと、T字管651と、追加の気体逆止弁652と、単一の気体ドレン653とにつながる下流側気体出口導管648A、648Bを含む、上部部分642A、642Bを含む。各リザーバ640A、640Bは、さらに、制御弁647A、647Bと、T字管650と、単一の分配導管655とにつながる液体出口646A、646Bを含む下部部分641A、641Bを含む。リザーバ640A、640Bに関連するセンサ644A、644B、645A、645Bを制御弁647A、647B、649A、649Bとともに使用してリザーバ640A、640B内の所望の液位を維持してもよい。各圧力分配装置602A、602Bの下流側の種々の構成要素は、任意選択で、各圧力分配装置602A、602Bから離れて配置してもよいフロー制御モジュール608に含めてもよい。分配システム600の種々の要素(加圧気体源およびフロー制御モジュール608を含むが、それに限らない)は、1つ以上の制御部を含んでもよい1つ以上の制御要素605に作動的に結合してもよい。
【0114】
[00134]分配システム600の動作時、初めに第1の圧力分配装置602Aのライナ612内にあるヘッドスペース気体を、気体排出導管630Aを通じて、排出口631Aに、またはフィルタリングおよび/または脱ガスリザーバ640Aを通じて除去してもよい。気体は、また、液体分配時に、気体排出導管630Aを通じてライナ612Aから排出してもよい。第1の圧力分配装置602Aから源材料(例えば、液体)の圧力分配を開始するため、加圧気体が第1の加圧気体源616Aから第1のコンテナ610Aと第1のライナ612Aとの間の間隙空間611Aに供給される。ライナ612A内にある源材料は浸漬管613A内に押し出され源材料導管620Aに入る。そのような際、第2の圧力分配装置602Bはアイドル状態だが、分配を開始する準備は完了していてもよい。
【0115】
[00135]分配される源材料の圧力は圧力変換器622Aによって検出される。源材料は(源材料からの気体の除去を促進する)第1のフィルタリング/脱ガスリザーバ640に流入する。源材料は出口導管646AとT字管650を通って分配導管655に流れる。第1の分配装置と第2の分配装置による組み合わせ分配を開始するための所定の圧力設定値は、例えば、圧力に応じた源材料の気体含有量(または気体飽和状態)をモデリングまたは測定することによって、実験的に設けてもよい。複数の圧力分配装置による組み合わせ分配を開始するための設定値は任意の適切なレベルで選択してもよいが、好ましくは、未だ気体で高度に飽和していない源材料に対応するレベルで設定する。そのため、源材料流の混合を、源材料が予備飽和状態にあるときに、飽和した源材料の使用箇所への分配を防止するために開始してもよい。第1の圧力変換器622Aが設定値に等しい圧力を検出すると、変換器622は、少なくとも1つの制御要素605によって使用されてもよい出力信号を発生し、第2の分配装置602Bによる源材料(例えば、液体)の分配を開始する。第2の分配装置602Bの動作は第1の分配装置602Aと実質的に同時に開始される。第2の分配装置602Bからの源材料の流れは第2のフィルタリング/脱ガスリザーバ640Bを通って流れ、T字管650において第1の圧力分配装置602Aからの源材料の流れと合流する。それにより組み合わせ流は単一の分配導管655を通って所望の使用箇所に流れる。第1の圧力分配装置602Aおよび第2の圧力分配装置602Bからの源材料の流れを組み合わせることによって、生成流体の気体飽和レベルを許容レベル未満で維持してもよい。また、流体の廃棄の相応の削減によってより多くの割合の流体を分配してもよい。
【0116】
[00136]第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置からの流れの組み合わせを開始するために重量検出を使用する一実施形態による流体分配システムが図14に示される。分配システム700は、第1の圧力分配装置702Aと、第1の脱ガスおよび/またはフィルタリングリザーバ740Aと、付属のフロー制御構成要素とを備えた第1の部分701Aを含むとともに、第2の圧力分配装置702Bと、第2の脱ガスおよび/またはフィルタリングリザーバ704Bと、付属のフロー制御構成要素とを備えた第2の部分702Bを含む。各圧力分配装置702A、702Bは、実質的に剛性のあるコンテナ710A、710Bと、折りたたみ可能なライナ712A、712Bとを含み、その間に間隙空間713A、713Bを有する。各圧力分配装置の重量はスケール706A、706Bで検出される。各圧力分配装置702A、702Bは、(加圧気体源716A、716Bと結合される)気体入口導管717A、717Bと、(ライナ712A、712B内の浸漬管713A、713Bから液体を受容するために配置された)源材料(例えば、液体)出口導管720A、720Bと、(ライナ712A、712B内からヘッドスペース気体を排出するために配置された)気体排出導管730A、730Bとを備えたキャップ702A、702Bを含む。各源材料(例えば、液体)出口導管720A、720Bは、リザーバ740A、740Bの上流側に配置される関連する制御弁724A、724Bと、逆止弁725A、725Bとを有する。各気体排出導管730A、730Bは、リザーバ740A、740Bの上流側に配置される(任意選択で、真空源(図示せず)に結合してもよい)関連する排出口731A、731Bと、制御弁734A、734Bと、逆止弁735A、735Bとを有する。各リザーバ740A、740Bは、源材料出口導管720A、720Bを受容する、気体排出導管730A、730Bを受容する、および制御弁749A、749Bと、T字管751と、追加の気体逆止弁752と、単一の気体ドレン753とにつながる下流側気体出口導管748A、748Bを含む、上部部分742A、742Bを含む。各リザーバ740A、740Bは、さらに、制御弁747A、747Bと、T字管750と、単一の分配導管755とにつながる液体出口746A、746Bを含む、下部部分741A、741Bを含む。リザーバ740A、740Bに関連するセンサ744A、744B、745A、745Bを制御弁747A、747B、749A、749Bとともに使用して、リザーバ740A、740B内の所望の液位を維持してもよい。各圧力分配装置702A、702Bの下流側の種々の構成要素は、任意選択で、各圧力分配装置702A、702Bから離れて配置してもよいフロー制御モジュール708に含めてもよい。(加圧気体源およびフロー制御モジュール708を含むが、それに限らない)分配システム700の種々の要素を、1つ以上の制御部を含んでもよい1つ以上の制御要素705に作動的に結合してもよい。
【0117】
[00137]分配システム700の動作時、初めに第1の圧力分配装置702Aのライナ712内にあるヘッドスペース気体を気体排出導管730Aを通じて、排出口731Aに、またはフィルタリングおよび/または脱ガスリザーバ740Aを通じて除去してもよい。気体は、また、液体分配時に、気体排出導管730Aを通じてライナ712Aから排出してもよい。第1の圧力分配装置702Aから源材料(例えば、液体)の圧力分配を開始するため、加圧気体が第1の加圧気体源716Aから第1のコンテナ710Aと第1のライナ712Aとの間の間隙空間711Aに供給される。ライナ712A内にある源材料は、浸漬管713A内を押し出され、源材料導管720Aに入る。そのような際、第2の圧力分配装置702Bはアイドル状態だが、分配を開始する準備は完了していてもよい。第1の圧力分配装置702Aの重量はスケール706Aによって検出される。源材料は第1のフィルタリング/脱ガスリザーバ740に流入するとともに、源材料は、出口導管746AとT字管750を通り、分配導管755に流れる。源材料が第1の圧力分配装置702Aから分配されるため、そのような装置702Aの重量は減少する。第1の分配装置と第2の分配装置による組み合わせ分配を開始するための所定の重量設定値を、例えば、圧力分配コンテナ内に残っている源材料の重量に応じた気体飽和をモデリングまたは測定することによって実験的に設けてもよい。第1のスケール706Aが設定値に等しい重量を検出すると、スケール706Aは少なくとも1つの制御要素705によって使用されてもよい出力信号を発生させ、第2の分配装置702Bによる源材料(例えば、液体)の分配を開始する。第2の分配装置702Bの動作は第1の分配装置702Aと実質的に同時に開始され、第2の分配装置702Bからの源材料の流れは第2のフィルタリング/脱ガスリザーバ740Bを通って流れ、T字管750において第1の圧力分配装置702Aからの源材料の流れと合流する。それにより組み合わせ流は単一の分配導管755を通って所望の使用箇所に流れる。第1の圧力分配装置702Aと第2の圧力分配装置702Bからの源材料の流れを組み合わせると、生成流体の気体飽和レベルを許容レベル未満で維持することができ、流体の廃棄の相応の削減によってより多くの割合の流体を分配してもよい。
【0118】
[00138]第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置からの流れの組み合わせを開始するために流れ検出を使用する一実施形態による流体分配システムが図15に示される。分配システム800は、第1の圧力分配装置802Aと、第1の脱ガスおよび/またはフィルタリングリザーバ840Aと、付属のフロー制御構成要素とを備えた第1の部分801Aを含むとともに、第2の圧力分配装置802Bと、第2の脱ガスおよび/またはフィルタリングリザーバ804Bと、付属のフロー制御構成要素とを備えた第2の部分802Bを含む。各圧力分配装置802A、802Bは、実質的に剛性のあるコンテナ810A、810Bと、折りたたみ可能なライナ812A、812Bとを含み、その間に間隙空間813A、813Bを有する。各圧力分配装置802A、802Bは、(加圧気体源816A、816Bに結合される)気体入口導管817A、817Bと、(ライナ812A、812B内の浸漬管813A、813Bから液体を受容するために配置された)源材料(例えば、液体)出口導管820A、820Bと、(ライナ812A、812B内からヘッドスペース気体を排出するために配置された)気体排出導管830A、830Bとを備えたキャップ802A、802Bを含む。各源材料(例えば、液体)出口導管820A、820Bは、リザーバ840A、840Bの上流側に配置された、関連する流量センサ(例えば、総流量センサ(totalizing flow sensor))823A、823Bと、制御弁824A、824Bと、逆止弁825A、825Bとを有する。各気体排出導管830A、830Bは、リザーバ840A、840Bの上流側に配置された、関連する排出口831A、831B(任意選択で、真空源(図示せず)に連結してもよい)と、制御弁834A、834Bと、逆止弁835A、835Bとを有する。各リザーバ840A、840Bは、源材料出口導管820A、820Bを受容する、気体排出導管830A、830Bを受容する、および制御弁849A、849Bと、T字管851と、追加の気体逆止弁852と、単一の気体ドレン853とにつながる下流側気体出口導管848A、848Bを含む上部部分842A、842Bを含む。各リザーバ840A、840Bは、さらに、制御弁847A、847Bと、T字管850と、単一の分配導管855とにつながる液体出口846A、846Bを含む下部部分841A、841Bを含む。リザーバ840A、840Bに関連するセンサ844A、844B、845A、845Bを制御弁847A、847B、849A、849Bとともに使用してリザーバ840A、840B内の所望の液位を維持してもよい。各圧力分配装置802A、802Bの下流側の種々の構成要素は、任意選択で、各圧力分配装置802A、802Bから離れて配置してもよいフロー制御モジュール808に含めてもよい。分配システム800の種々の要素(加圧気体源およびフロー制御モジュール808を含むが、それに限らない)は1つ以上の制御部を含んでもよい1つ以上の制御要素805に作動的に結合してもよい。
【0119】
[00139]分配システム800の動作時、初めに第1の圧力分配装置802Aのライナ812内にあるヘッドスペース気体を、気体排出導管830Aを通じて、排出口831Aに、またはフィルタリングおよび/または脱ガスリザーバ840Aを通じて除去してもよい。気体は、また、液体分配中に、気体排出導管830Aを通じてライナ812Aから排出してもよい。第1の圧力分配装置802Aからの源材料(例えば、液体)の圧力分配を開始するため、加圧気体が第1の加圧気体源816Aから、第1のコンテナ810Aと第1のライナ812Aとの間の間隙空間811Aに供給される。ライナ812A内にある源材料は押し出され、浸漬管813Aを通って源材料導管820Aに入る。そのような際、第2の圧力分配装置802Bはアイドル状態だが、分配を開始する準備は完了していてもよい。分配される源材料の流量(例えば、総流)は流量センサ823Aによって検出され、源材料は(源材料からの気体の除去を促進する)第1のフィルタリング/脱ガスリザーバ840に流入する。源材料は出口導管846AとT字管850を通って分配導管855に流れる。総流量センサを使用してもよい、または非積算(non-totalizing)流量センサの出力を、例えば、制御要素805に組み入れてもよいコンピューティングデバイスによって積算してもよい。流量センサ823Aには、任意選択で、マスフローコントローラを組み入れてもよい。第1の分配装置と第2の分配装置による組み合わせ分配を開始するための所定の総流設定値は、例えば、総流に応じた気体飽和をモデリングまたは測定することによって実験的に設けてもよい。第1の流量センサ823Aが設定値に等しい総流を検出すると、センサ823Aは少なくとも1つの制御要素805によって使用されてもよい出力信号を発生させ、第2の分配装置802Bによる源材料(例えば、液体)の分配を開始する。第2の分配装置802Bの動作は第1の分配装置802Aと実質的に同時に開始する。第2の分配装置802Bからの源材料の流れは第2のフィルタリング/脱ガスリザーバ840Bを通って流れ、T字管850において第1の圧力分配装置802Aからの源材料の流れと合流する。それにより組み合わせ流は単一の分配導管855通って所望の使用箇所に流れる。第1の圧力分配装置802Aと第2の圧力分配装置802Bからの源材料の流れを組み合わせることによって、生成流体の気体飽和レベルを許容レベル未満で維持してもよい。また、流体の廃棄の相応の削減によってより多くの割合の流体を分配してもよい。
【0120】
[00140]図12は、第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置の出力流の混合を含むシミュレーションの比較結果を提供する。実際のシステムでは、源材料の混合を開始した後、両圧力分配装置おいて延長された(例えば、2倍)加圧時間を考慮する必要があろう。モデルシステムでは、65ml/分の液体排出速度、30psigの駆動圧力、および初めにライナ内に存在する半径3cmの気泡を有する200リットルのライナ式圧力分配装置を含む。図12は、(A)ゼロヘッドスペースを有する200リットルの折りたたみ可能なフィルム式コンテナライナ、(B)平均的なヘッドスペースを有する200リットルの折りたたみ可能なフィルム式コンテナライナ、および(C)約3.7日における遷移まで平均的なヘッドスペースを有する第1の200リットルの折りたたみ可能なフィルム式コンテナライナからの流体の圧力分配中にひだ部から解放される気体をモデルとしたシミュレーションにおける溶解気体飽和圧力(パスカル)対時間(日)を示す。第1のライナによって分配される流体は第2の200リットルのライナによってその後分配される流体と混合される。(10リットルの流体源材料が第1のライナ内に残る場合)約3.7日において示される遷移は第1の圧力分配装置と第2の圧力分配装置による組み合わせ分配の開始を示す。生成組み合わせ流の50%が各圧力分配装置によって提供される。モデル結果は、組み合わせ流の気体飽和圧力の顕著な低下が遷移において開始することを示し、それによって気体飽和レベルを低下させる発明的なシステムおよび方法の有効性が実証され、より大きな割合の源材料を圧力分配コンテナから分配することが可能となる。
【0121】
[00141]本明細書では、本発明の特定の態様、特徴及び例示的実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明の有用性はこれに限定されず、本明細書の開示に基づいて、本発明の当業者に示唆されるように多数の他の変形、修正及び代替実施形態へと拡張し、それを含むことが理解される。1つ以上の実施形態に関連して説明される1つ以上の特徴は、本明細書でそうではないと明示されない限り、任意の一実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせて考えられる。同様に、特許請求の範囲に記載の本発明は、このような変形、修正および代替実施形態を全てその精神及び範囲内に含むものとして、広義に想定および解釈されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力を分配するための流体を収容するために配置された内容積を有する容器を含む圧力分配パッケージであって、前記容器が容器開口部を含む、圧力分配パッケージと、
前記容器開口部の近傍において前記容器と係合するように構成された分配アセンブリであって、
前記内容積に露出している気体抽出開口部と、
前記内容積に露出している液体抽出開口部と、
前記気体抽出開口部と気体出口との間に延びる気体抽出導管と、
前記液体抽出開口部と液体出口との間に延びる液体抽出導管と、を含み、
前記気体抽出導管は前記液体抽出導管とは別個のものである、分配アセンブリと、を含む、流体分配システム。
【請求項2】
前記気体抽出開口部が前記液体抽出開口部の上のレベルに配置される、請求項1に記載の流体分配システム。
【請求項3】
前記気体抽出導管と前記液体抽出導管が単一式コネクタ内に画定される、請求項1に記載の流体分配システム。
【請求項4】
前記分配アセンブリが、前記内容積に延びるように配置された浸漬管を含み、前記浸漬管は前記液体抽出開口部を画定する、請求項1に記載の流体分配システム。
【請求項5】
前記圧力分配パッケージが前記内容積を囲み、かつ前記流体を保持するように構成された可撓性のある材料からなる折りたたみ可能なライナを含み、
前記容器が前記可撓性のある材料に比べて実質的により剛性のある壁材料を有するオーバーパックコンテナを含み、
前記ライナが前記オーバーパックコンテナ内に配置された、請求項4に記載の流体分配システム。
【請求項6】
前記分配アセンブリが、前記オーバーパックコンテナと前記ライナとの間の間隙空間に流体連通している加圧気体導管を含み、前記加圧気体導管が加圧気体を前記間隙空間に供給するために配置された、請求項5に記載の流体分配システム。
【請求項7】
前記気体抽出導管と、前記液体抽出導管と、前記加圧気体導管は単一式コネクタ内に画定される、請求項6に記載の流体分配システム。
【請求項8】
前記分配アセンブリが、前記容器開口部の近傍のライナ取り付け部と、前記ライナ取り付け部に接触するように配置された取り付け部アダプタとを含み、前記取り付け部アダプタが、
前記浸漬管を受容するために配置された少なくとも下部部分を含む長手方向の穴であって、前記液体抽出導管と流体連通している長手方向の穴と、
前記気体抽出開口部と前記気体抽出導管との間に配置される側方穴と、を含む、請求項6に記載の流体分配システム。
【請求項9】
前記分配アセンブリが、前記気体抽出導管の少なくとも一領域を画定する、および少なくとも前記液体抽出導管の領域を画定するコネクタを含み、前記コネクタの一部は前記分配アセンブリに挿入可能であり、前記長手方向の穴の上部部分と密閉的に係合する、請求項8に記載の流体分配システム。
【請求項10】
前記長手方向の穴の前記上部部分は、直径が前記長手方向の穴の前記下部部分と異なる、請求項9に記載の流体分配システム。
【請求項11】
前記分配アセンブリが、前記容器を係合するために配置されたクロージャを含み、前記ライナ取り付け部および前記取り付け部アダプタが前記クロージャによって保持される、請求項9に記載の流体分配システム。
【請求項12】
前記浸漬管が前記長手方向の穴にプレスばめされる、請求項8に記載の流体分配システム。
【請求項13】
前記長手方向の穴が、前記長手方向の穴に挿入された浸漬管を圧縮的に保持するために配置された、上昇ら旋圧縮機能を含む、請求項8に記載の流体分配システム。
【請求項14】
前記前記長手方向の穴の少なくとも下部部分に関連する開口を画定する連結器をさらに含み、前記連結器は前記浸漬管を受容するために配置され、前記連結器の前記開口は前記浸漬管と流体連通している、請求項8に記載の流体分配システム。
【請求項15】
前記液体出口と流体連通しているリザーバをさらに含む、請求項1に記載の流体分配システム。
【請求項16】
前記リザーバが、前記コネクタと別個のものであり、前記コネクタの下流側に配置されるリザーバ本体内に画定される、請求項15に記載の流体分配システム。
【請求項17】
前記リザーバが、液体の通過を可能にするが、気泡の通過を防ぐように構成されたろ過媒体を含み、前記リザーバは前記ろ過媒体を通過する液体を受容するために配置された液体出口を有する、および前記ろ過媒体を通過することを妨げられた気泡から蓄積された気体を受容するために配置された気体出口を有する、請求項15に記載の流体分配システム。
【請求項18】
前記圧力分配パッケージの空の状態または空の状態への接近を検出するように構成された空検出装置をさらに含む、請求項1に記載の流体分配システム。
【請求項19】
前記空検出装置は、前記圧力分配パッケージから分配される流体の圧力降下を検出し、対応する出力信号を反応的に発生させるように構成された圧力変換器を含む、請求項18に記載の流体分配システム。
【請求項20】
前記圧力分配パッケージから分配される液体内の気泡の存在を示す出力信号を発生させるように作動可能な気泡センサをさらに含む、請求項1に記載の流体分配システム。
【請求項21】
前記圧力分配パッケージから前記流体が空になったまたはほぼ空になったとき、前記圧力分配パッケージから得た流体を供給するように構成された切換リザーバをさらに含む、請求項1に記載の流体分配システム。
【請求項22】
液体を含む源材料を、前記源材料を収容するために配置された内容積を画定するライナを収容するオーバーパックコンテナを含むライナ式圧力分配パッケージから分配するために配置されたコネクタであって、前記内容積から気体を抽出するために配置された気体抽出導管と、前記内容積から液体を抽出するために配置された液体抽出導管と、前記ライナと前記オーバーパックコンテナとの間の間隙空間に気体を供給するために配置された加圧気体導管とを含む、コネクタ。
【請求項23】
前記オーバーパックコンテナと結合した分配アセンブリに前記コネクタを挿入すると、(a)前記気体抽出導管と前記内容積との間、(b)前記液体抽出導管と前記内容積との間、および(c)前記加圧気体導管と前記間隙空間との間に流体連結を同時に形成するように構成された、請求項22に記載のコネクタ。
【請求項24】
前記内容積内に延びる関連する浸漬管を有するライナ取り付け部アダプタを密閉的に係合するように構成され、前記コネクタを前記ライナ取り付け部アダプタに係合すると、前記液体抽出導管が前記浸漬管を通じて前記内容積と流体連通する、請求項22に記載のコネクタ。
【請求項25】
圧力を分配するための流体を収容するために配置された内容積を有する容器を含む圧力分配パッケージにおいて使用するために配置された構造であって、前記容器が容器開口部を含み、前記構造が、
長手方向の穴と気体抽出開口部とを画定する本体であって、前記長手方向の穴の下部部分は、前記内容積内に延びるように配置された浸漬管を受容するように配置され、かつ液体抽出開口部を有し、前記長手方向の穴の上部部分はコネクタを受容するために配置され、前記コネクタは気体出口と流体連通している気体抽出導管を画定し、かつ液体出口と流体連通している液体抽出導管を画定する、本体を含み、
前記気体抽出開口部が前記内容積に露出しているとともに、前記気体抽出導管と流体連通しており、前記液体抽出開口部が前記内容積に露出しているとともに、前記液体抽出導管と流体連通している、構造。
【請求項26】
前記コネクタをさらに含む、請求項25に記載の構造。
【請求項27】
前記長手方向の穴の前記下部部分が前記長手方向の穴に挿入された浸漬管を圧縮的に保持するように配置された上昇ら旋圧縮機能を含む、請求項25に記載の構造。
【請求項28】
前記長手方向の穴の前記下部部分に関連する、開口を画定する連結器をさらに含み、前記連結器は前記分配部と前記浸漬管との間に配置され、前記連結器の前記開口は前記浸漬管と前記長手方向の穴との間に流体連通を設ける、請求項25に記載の構造。
【請求項29】
圧力を分配するための流体を収容するように配置された内容積を有する容器を含む圧力分配パッケージを使用する方法であって、
気体抽出導管と液体抽出導管を画定するコネクタを(i)前記内容積に露出している液体抽出開口部との流体連通を可能にするために配置された長手方向の穴と、(ii)前記内容積に露出している気体抽出開口部との流体連通を可能にするために配置された側方穴とを画定する分配アセンブリ内に挿入するステップであって、前記分配アセンブリ内に前記コネクタを挿入する前記ステップは、(a)前記液体抽出導管と前記液体抽出開口部との間、および(b)前記気体抽出導管と前記気体抽出開口部との間の流体連通を同時に実施する、ステップと、
前記気体抽出開口部と前記気体抽出導管を通して前記内容積から気体を抽出するステップと、液体を前記液体抽出開口部と前記液体抽出導管を通して前記内容積から圧力分配するステップと、を含む、方法。
【請求項30】
前記気体抽出ステップが前記液体分配ステップの前に開始される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記圧力分配パッケージが、前記内容積を囲み、かつ流体を収容するように構成された可撓性のある材料からなる折りたたみ可能なライナを含み、前記容器が、前記可撓性のある材料に比べて実質的により剛性のある壁材料を有するオーバーパックコンテナを含み、前記ライナが前記オーバーパックコンテナ内に配置され、
前記液体の圧力分配を実施するために、加圧気体を前記ライナと前記オーバーパックコンテナとの間の間隙空間に供給するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記コネクタが加圧気体導管を画定し、前記分配アセンブリ内に前記コネクタを挿入する前記ステップによって、前記加圧気体導管と前記間隙空間との間の流体連通を、(a)前記液体抽出導管と前記液体抽出開口部との間、および(b)前記気体抽出導管と前記気体抽出開口部との間の流体連通の実施と同時に実施する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
液体流から気体を除去するように構成された気体除去装置であって、
液体の通過を可能にするが、気泡の通過を防ぐように構成されたろ過媒体を中に含む内容積を画定するリザーバ本体であって、前記リザーバ本体は、流体入口を有する、前記ろ過媒体を通過する液体を受けるために配置された液体出口を有する、および前記ろ過媒体を通過することを妨げられた気泡から蓄積された気体を受けるために配置された気体出口を有する、リザーバ本体と、
前記内容積とセンサ連通しており、かつ前記内容積内の圧力を示す出力信号を発生させるように配置された圧力変換器と、を含む、気体除去装置。
【請求項34】
前記出力信号に応答して前記液体流の流れを制御するように配置された、前記気体除去装置と関連する制御部を有する、請求項33に記載の気体除去装置。
【請求項35】
(a)圧力分配パッケージのオーバーパックコンテナ内に配置される折りたたみ可能なライナの内容積内から気体を排出するステップであって、前記ライナは液体をさらに含み、前記気体は気体抽出導管を通じて排出され、気体出口が分配アセンブリ内に画定される、ステップと、
(b)前記ライナを圧縮するために前記ライナと前記オーバーパックコンテナとの間の間隙空間に加圧気体を供給し、それによって前記分配アセンブリ内に画定される液体抽出導管と液体出口とを通じて前記内容積から液体を分配するステップであって、前記液体抽出導管は前記気体抽出導管とは異なるステップと、
(c)前記液体出口で受けた液体を前記分配アセンブリの下流側に配置されたリザーバ本体を通して流すステップであって、前記リザーバ本体は、液体の通過を可能にするが、気泡の通過を防ぐように構成されたろ過媒体を中に含む内容積を画定し、前記リザーバ本体は、前記ろ過媒体を通過する液体を受容するために配置されたリザーバ液体出口を有するとともに、前記ろ過媒体を通過することを妨げられた気泡から蓄積された気体を受容するために配置されたリザーバ気体出口を有する、ステップと、
(d)前記リザーバ気体出口から気体を排出するステップと、を含む、方法。
【請求項36】
流体回路内の流体の存在または流動流体の相変化を検出するように構成された装置であって、
前記流体回路内の第1の位置において前記流体とセンサ連通している第1のサーミスタであって、前記第1のサーミスタの検出部が気体に曝露すると、前記第1のサーミスタが自己加熱するのに十分な第1の電流レベルで駆動されるように配置された第1のサーミスタと、
前記流体回路内の第2の位置において前記流体とセンサで連通している第2のサーミスタであって、前記第1の電流レベルよりも実質的に低い第2の電流レベルで駆動されるように配置された第2のサーミスタと、
前記第1のサーミスタの第1の出力信号および前記第2のサーミスタの第2の出力信号を受信するために、ならびに前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との比較を基に前記流体回路内における流体の存在または流動流体の相変化を判定するために配置された信号処理要素と、を含む、装置。
【請求項37】
前記信号処理要素が比較器と増幅器とを含む、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記流体回路内における流動流体の気相から液相への相変化を検出するように構成された、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
前記流体回路内における流動流体内の少なくとも1つの気泡の有無を検出するように構成された、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
請求項36に記載の装置と、気体排出口と、プロセスツールと流体連通している液体受容ラインと、流体を前記液体受容ライン内に選択的に受け入れるように配置されたフロー制御要素と、を含み、前記流体回路内の液体の存在を示す前記信号処理要素から得られる信号の受信に応答して流体を前記液体受容ライン内に受け入れるように前記フロー制御要素を動作するように構成された、流体分配システム。
【請求項41】
請求項36〜39のいずれか1項に記載の装置を含む、ライナ式圧力分配コンテナのためのコネクタ。
【請求項42】
前記流体回路内の第1の位置において前記流体とセンサ連通している第1のサーミスタを使用して、および前記流体回路内の第2の位置において前記流体とセンサ連通している第2のサーミスタを使用して、流体回路内の流体の存在または流動流体の相変化を検出するための方法であって、
前記第1のサーミスタの検出部が気体に曝露すると、前記第1のサーミスタを前記第1のサーミスタが自己加熱するのに十分な第1の電流レベルで駆動するステップと、
前記第2のサーミスタを前記第1の電流レベルよりも実質的に低い第2の電流レベルで駆動するステップと、
前記第1のサーミスタの第1の出力信号と前記第2のサーミスタの第2の出力信号とを比較し、そのような比較に基づき前記流体回路内における流体の存在または流動流体の相変化を判定するステップと、を含む、方法。
【請求項43】
前記第1の出力信号と前記第2の出力信号の前記比較に応答して、以下の動作(i)または(ii)、すなわち(i)前記流体回路からの気体の排出、および(ii)前記流体回路からプロセスツールへの流体の分配のうちの少なくとも1つを選択的に制御するためのフロー制御要素を動作するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記流体回路が、ライナの外側にその圧縮のための圧力を加えるための加圧気体を気体源から受容するために配置されたライナ式圧力分配コンテナに作動的に連結され、前記第1の出力信号と前記第2の出力信号の前記比較に応答して、前記ライナ式圧力分配コンテナから前記流体回路への流体の分配を制御するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の出力信号と前記第2の出力信号の前記比較に基づき前記流体回路内の少なくとも1つの気泡を検出するステップを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記流体が非常に不透明な液体を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
流体回路内の流体の存在または流動流体の相変化を検出するように構成された装置であって、
前記流体回路内の第1の位置において流体に熱を放散するように配置された発熱体と、
前記第1の発熱体および前記流体とセンサ連通して配置され、かつ前記第1の発熱体の温度と相関する第1の検出素子の出力信号を発生させるように構成された、第1の検出素子と、
前記流体回路内の第2の位置において前記流体とセンサ連通して配置され、かつ前記第2の位置にある前記流体の温度と相関する第2の検出素子の出力信号を発生させるように構成された、第2の検出素子と、
前記第1の検出素子の出力信号と前記第2の検出素子の出力信号を受信するため、および前記第1の検出素子の出力信号と前記第2の検出素子の出力信号との比較を基に前記流体回路内における流体の存在または流動流体の相変化を判定するために配置された信号処理要素と、を含む、装置。
【請求項48】
前記第1の発熱体と前記第1の検出素子が第1のサーミスタに一体化され、前記第2の検出素子が第2のサーミスタを含む、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記信号処理要素が比較器と増幅器とを含む、請求項47に記載の装置。
【請求項50】
使用箇所に流体を分配するために配置された流体分配システムであって、
圧力媒介式分配のための流体を収容するように配置された第1の内容積を有する第1の容器を含む第1の圧力分配装置と、
圧力媒介式分配のための流体を収容するように配置された第2の内容積を有する第2の容器を含む第2の圧力分配装置と、
前記第1の内容積または前記第2の内容積の少なくとも1つから流体を受容するために配置された少なくとも1つの排出可能なリザーバと、
前記第1の圧力分配装置からの所望の量の流体の分配と相関する、または前記第1の圧力分配装置によって分配される流体の気体飽和への接近と相関する出力信号を発生させるために配置された、少なくとも1つの検出素子と、
前記出力信号または前記出力信号から得られる信号に応答して、前記第2の圧力分配装置から分配される流体を前記第1の圧力分配装置から分配される流体と組み合わせるための前記第2の圧力分配装置から流体を分配するために配置された少なくとも1つの制御要素と、
前記第1の圧力分配装置から分配される流体を受容するため、前記第2の圧力分配装置から流体を受容するため、および前記流体を前記使用箇所に運搬するために配置された分配導管と、を含む、流体分配システム。
【請求項51】
前記少なくとも1つの排出可能なリザーバが、関連する気体出口バルブを備えた気体出口と、関連する液体出口バルブを備えた液体出口と、を含み、かつ前記少なくとも1つの排出可能なリザーバからの気体の少なくとも周期的な排出を可能にするように構成された、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項52】
前記少なくとも1つの排出可能なリザーバが、液体の通過を可能にするが気泡の通過を防ぐように構成されたろ過媒体を含む、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項53】
前記少なくとも1つの排出可能なリザーバが、
前記第1の内容積と前記分配導管との間に配置された第1の排出可能なリザーバと、
前記第2の内容積と前記分配導管との間に配置された第2の排出可能なリザーバと、を含む、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項54】
前記圧力媒介式分配を実施するために、前記少なくとも1つの制御要素が、少なくとも1つの加圧気体源から前記第1の容器への、および前記第2の容器への加圧気体の供給を調整するために配置された、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項55】
前記少なくとも1つの検出素子が、前記検出素子の未処理の信号を、前記第1の圧力分配装置から分配されるべき流体の量を示す、または前記第1の圧力分配装置によって分配される流体の予備飽和状態を示す既定値と比較し、前記出力信号を発生させるために配置された比較器を含む、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項56】
前記少なくとも1つの検出素子が、前記第1の圧力分配装置によって分配される流体の圧力を検出するために配置された圧力変換器を含む、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項57】
前記少なくとも1つの検出素子が、(i)前記第1の内容積内に収容された流体の重量、または(ii)前記第1の容器および前記第1の内容積内に収容された流体の重量を検出するように配置されたセンサを含む、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項58】
前記少なくとも1つの検出素子が前記第1の圧力分配装置によって分配される流体の総量または総質量を検出するように配置された流量センサを含む、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項59】
前記少なくとも1つの検出素子が積算流量計を含む、請求項58に記載の流体分配システム。
【請求項60】
前記第1の圧力分配装置が前記第1の容器内に流体を収容するように配置された第1の折りたたみ可能なライナを含み、前記第2の圧力分配装置が前記第2の容器内に流体を収容するように配置された第2の折りたたみ可能なライナを含む、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項61】
前記第1の折りたたみ可能なライナまたは前記第2の折りたたみ可能なライナの少なくとも1つが高分子フィルム材料を含む、請求項60に記載の流体分配システム。
【請求項62】
前記第1の内容積と前記第2の内容積は同じ組成物を有する流体を収容する、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項63】
前記第1の圧力分配装置から分配される、および前記第2の圧力分配装置から分配される流体を混合するために配置された静的ミキサをさらに含む、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項64】
前記第2の圧力分配装置からの所望の量の流体の分配と相関する、または前記第2の圧力分配装置によって分配される流体の気体飽和への接近と相関する出力信号を発生させるために配置された少なくとも1つの追加の検出素子をさらに含む、請求項50に記載の流体分配システム。
【請求項65】
請求項50〜64のいずれか1項に記載の流体分配システムを含む半導体または超小型電子デバイス製造ツール。
【請求項66】
第1の内容積を画定する第1の容器を含む第1の圧力分配装置から流体を分配し、前記第1の圧力分配装置から分配される前記流体から気体を除去するステップと、
前記第1の圧力分配装置からの所望の量の流体の分配と相関する、または前記第1の圧力分配装置によって分配される流体の気体飽和への接近と相関する状態を検出し、出力信号を発生させるステップと、
前記出力信号または前記出力信号から得られる信号に応答して、内容積を画定する第2の容器を含む第2の圧力分配装置から流体を分配し、前記第2の圧力分配装置から分配される前記流体から気体を除去するステップと、
前記第2の圧力分配装置から分配される流体の流れを前記第1の圧力分配装置から分配される流体の流れと組み合わせ、前記組み合わせ流を使用箇所に分配するステップと、を含む、流体を分配する方法。
【請求項67】
前記第1の圧力分配装置から分配される前記流体から気体を除去する前記ステップは、前記第1の圧力分配装置によって分配される前記流体を、第1の排出可能なリザーバを通じて流すステップを含み、前記第2の圧力分配装置によって分配される前記流体から気体を除去する前記ステップは、前記第2の圧力分配装置から分配される前記流体を第2の排出可能なリザーバを通じて流すステップを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
状態を検出し、出力信号を発生させる前記ステップは、検出素子によって発生した信号を、前記第1の圧力分配装置から分配されるべき流体の量を示す、または前記第1の圧力分配装置によって分配される流体の予備飽和状態を示す既定値と比較し、前記出力信号を発生させるステップを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
状態を検出し、出力信号を発生させる前記ステップは、前記第1の圧力分配装置によって分配される流体の圧力を検出するステップを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
状態を検出し、出力信号を発生させる前記ステップは(i)前記第1の容器および前記第1の内容積内に収容された流体の重量または(ii)前記第1の内容積内に収容された流体の重量を検出するステップを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
状態を検出し、出力信号を発生させる前記ステップは、前記第1の圧力分配装置によって分配される流体の総量または総質量を検出するステップを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項72】
前記第1の圧力分配装置から流体を分配する前記ステップは、少なくとも1つの加圧気体源から前記第1の圧力分配装置への加圧気体の供給を調整するステップを含み、前記第2の圧力分配装置から流体を分配する前記ステップは、前記少なくとも1つの加圧気体源から前記第2の圧力分配装置への加圧気体の供給を調整するステップを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項73】
前記第1の圧力分配装置から流体を分配する前記ステップは、加圧気体を、流体を収容し、前記第1の内容積内に配置された第1の折りたたみ可能なライナと接触させるステップを含み、前記第2の圧力分配装置から流体を分配する前記ステップは、加圧気体を、流体を収容し、前記第2の内容積内に配置された第2の折りたたみ可能なライナと接触させるステップを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記第1の圧力分配装置と前記第2の圧力分配装置から分配される流体の組み合わせ流を、前記使用箇所の上流側に配置された静的ミキサを通して流すステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項75】
前記第1の圧力分配装置からの流体の分配中、前記第1の排出可能なリザーバから気体を排出するステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項76】
流体の前記組み合わせ流における、前記第1の圧力分配装置から分配される流体と前記第2の圧力分配装置から分配される流体の割合を、少なくとも1つの制御弁を使用して調整するステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項77】
前記調整するステップが、前記第1の圧力分配装置内の源材料の気体含有量または前記第1の圧力分配装置によって分配される源材料を示す信号に応答して実施される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
流体試薬を半導体デバイスまたは超小型電子デバイス処理ツールに分配するステップを含み、前記流体試薬が請求項66〜77のいずれか1項に記載の方法にしたがって分配される、半導体デバイスまたは超小型電子デバイスの製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−516319(P2013−516319A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548094(P2012−548094)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2011/020236
【国際公開番号】WO2011/085012
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】