説明

気泡構造物及び粘弾性ポリウレタンフォーム

本発明は、多数の三次元の気泡を含む構造物であって、それぞれの気泡が、内部の空隙を規定する外側壁を含み、但し、この壁は多数の支柱及び窓を含み、この支柱により、多数の窓のための境界が形成され、支柱には、多数の細孔が存在する、構造物を開示する。本発明はさらに、25%圧縮力撓み(CFD)に対する20℃での弾性率(E’)の比率が25〜125である粘弾性フォームを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常に多孔性の気泡構造物、粘弾性ポリウレタンフォーム、及び、そのようなフォームを調製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なポリウレタンフォームが、クッション材(例えば、マットレス、枕及びシートクッションなど)から、断熱材に至る包装材にまで及ぶ幅広い様々な用途で使用され、かつ、医療用途のために使用される。ポリウレタンは、ポリマーを形成するために使用される原料の選択によって特定の用途に合わせて調節することが可能である。硬質タイプのポリウレタンフォームが電気器具の絶縁フォーム及び他の断熱用途として使用される。半硬質ポリウレタンが自動車用途(例えば、ダッシュボード及びハンドルなど)で使用される。より柔軟なポリウレタンフォームが、クッション材用途で、特に家具類、寝具類及び自動車シートにおいて使用される。
【0003】
ポリウレタンフォームの1つのクラスが、粘弾性(VE)フォーム又は「記憶」フォームとして公知である。粘弾性フォームは、加えられた応力に対する時間遅延的かつ速度依存的な応答を示す。粘弾性フォームは低いレジリエンス(resiliency)を有しており、圧縮されたとき、ゆっくり元に戻る。これらの性質は多くの場合、ポリウレタンのガラス転移温度(T)と関連している。粘弾性は多くの場合、ポリマーが、多くの用途については室温である使用温度又はその付近においてTを有するときに現れる。
【0004】
ほとんどのポリウレタンフォームと同様に、VEポリウレタンフォームが、ポリオール成分を発泡剤の存在下でポリイソシアナートと反応させることによって調製される。発泡剤は通常的には水であり、又は、それほど好ましくないが、水と別の物質との混合物である。VE配合物は多くの場合、ポリオール成分の選択、及び、配合物における水の量によって特徴づけられる。これらの配合物において使用される主たるポリオールは、分子あたり約3個のヒドロキシル基という官能性を有しており、かつ、分子量が400〜1500の範囲にある。このポリオールが主として、ポリウレタンフォームのTの主決定因子であり、一方、他の要因(例えば、水分レベル及びイソシアナートインデックスなど)もまた、重要な役割を果たす。
【0005】
典型的には、粘弾性ポリオウレタンフォームは低いエアーフロー特性を有しており、一般に、室温(22℃)及び大気圧(1atm)の条件のもとで約1.0標準立方フィート/分(scfm)(0.47l/s)未満であり、従って、コンフォート(comfort foam)フォーム(例えば、寝具類、椅子材及び他のクッション材)として使用されるときには発汗を促進させる。低いエアーフローはまた、フォームからの低い熱伝導及び水分伝導をもたらし、これにより、(1)上昇したフォーム(ベッド)温度及び(2)湿気レベルを生じさせる。より高い温度の結果は、より大きいレジリエンスであり、低下した粘弾性である。組み合わさった熱及び湿気はフォームの加速された疲労を生じさせる。加えて、フォームのエアーフローが十分に低いならば、フォームは製造期間中の収縮に適さないことがある。さらには、粘弾性特性が損なわれる場合を除き、粘弾性フォームの支え係数(support factor)を改善することが限定される。これらの欠点が時には、コポリマーポリオール(例えば、スチレン/アクリロニトリル(SAN)を含有するコポリマーポリオールなど)の添加によって対処される。
【0006】
フォームの粘弾性特性を保持しながら、一般に現在達成されるよりも大きいエアーフロー値を達成することが望ましいと考えられる。さらには、支え係数を改善しながら、良好なエアーフローを有するフォームを有することが望ましいと考えられる。いくつかの用途では、手触りが軟らかく感じるフォームを有することもまた望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態には、連続気泡構造物、そのような構造物を取り込む粘弾性フォーム、並びに、そのようなフォームを製造するための反応システム及び方法が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの実施形態は、多数の三次元の気泡を含む構造物であって、それぞれの気泡が、内部の空隙を規定する外側壁を含み、但し、この壁は多数の支柱及び窓を含み、この支柱により、多数の窓のための境界が形成され、支柱には、多数の細孔が存在する、構造物を提供する。
【0009】
さらなる実施形態により、25%圧縮力撓み(CFD)に対する20℃での弾性率(E’)の比率が25〜125である粘弾性フォームが提供される。
【0010】
さらなる実施形態において、本発明は、
a1)ポリオールは100〜2000の間の平均当量重量と、2〜4の平均公称ヒドロキシ官能性(average nominal hydroxy functionality)とを有し30重量パーセント〜80重量パーセントの少なくとも1つのポリオキシプロピレンポリオール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール(但し、ポリオールがポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオールである場合、ポリオキシプロピレン含有量はポリオールの少なくとも70重量%である);
a2)100〜1000の間の平均当量重量と、2〜4の平均公称ヒドロキシ官能性とを有し5重量パーセント〜50重量パーセントのポリオキシエチレンポリオール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール(但し、ポリオールがポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオールである場合、ポリオキシエチレン含有量はポリオールの少なくとも70重量%である);及び
a3)1重量%(wt%)〜20重量%の、平均当量重量が500以上であるモノオール若しくはモノオールのブレンド混合物(ここで、モノオール若しくはモノオールのブレンド混合物はポリオキシアルキレンを60重量%超含み、アルキレンオキシドは4個以上の炭素原子を含有する)、もしくは、
官能性が2〜4であり、当量重量が500〜3000であるポリオキシアルキレンポリオール(ここで、アルキレンオキシドは、4個以上の炭素原子を有するアルキレンオキシドを、60重量%超含有する)、
又は、そのようなモノオール及びポリオキシアルキレンポリオールの組合せ
を含むポリオール組成物を提供する。
【0011】
さらなる実施形態において、本発明は、上記で記載されるようなポリオールa1)及びポリオールa2)を含むポリオール組成物を提供し、かつ、a3)が、2250〜6000の当量重量を有するポリブタジエンである。
【0012】
さらに別の実施形態において、本発明は、粘弾性ポリウレタンフォームを調製するための反応システムであって、
a)上記で開示されるようなポリオール組成物のいずれか1つ、
b)ポリイソシアナート、
c)a)の総重量に基づいて0.5重量%〜3.5重量%の水、
及び、必要な場合には、d)それ自体は公知である添加物及び補助物
を含む反応システムを提供する。
【0013】
さらに別の実施形態において、本発明は、粘弾性ポリウレタンフォームを調製するための方法であって、
A)少なくとも、下記の成分:
a)下記のa1)〜a3)を含むイソシアナート反応性成分:
a1)30重量パーセント〜80重量パーセントの少なくとも1つのポリオキシプロピレンポリオール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール(この場合、ポリオールは100〜2000の間の平均当量重量及び2〜4の平均公称ヒドロキシ官能性を有し、但し、ポリオールがポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオールであるならば、ポリオキシプロピレン含有量がポリオールの少なくとも70重量%である);
a2)5重量パーセント〜50重量パーセントのポリオキシエチレンポリオール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール(この場合、ポリオールは100〜1000の間の平均当量重量及び2〜4の平均公称ヒドロキシ官能性を有し、但し、ポリオールがポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオールであるならば、ポリオキシエチレン含有量がポリオールの少なくとも70重量%である);及び
a3)1重量%〜20重量%の、平均当量重量が500以上であるモノオール若しくはモノオールのブレンド混合物(この場合、モノオール若しくはモノオールのブレンド混合物は、アルキレンオキシドが4個以上の炭素原子を含有するポリオキシアルキレンを、60重量%超含む)、又は、
官能性が2〜4であり、当量重量が500〜3000であるポリオキシアルキレンポリオール(この場合、アルキレンオキシドは、4個以上の炭素原子を有するアルキレンオキシドを、60重量%超含有する)、
又は、そのようなモノオール及びポリオキシアルキレンポリオールの組合せ;
b)少なくとも1つのポリイソシアナート、
c)a)の0.5重量パーセント〜3.5重量パーセントの量での水、及び
d)必要に応じて使用される、それ自体は公知である添加物及び補助物
を含む反応混合物を形成すること;及び
B)粘弾性ポリウレタンフォームを形成するために、反応混合物を、反応混合物を膨張及び硬化させるために十分な条件に供すること
を含む方法を提供する。
【0014】
さらなる実施形態において、本発明は、ポリオール組成物のa3)の構成要素が、2250〜6000の当量重量を有するポリブタジエンである、上記で記載されるような粘弾性ポリウレタンフォームを調製するための方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の上記の列挙された特徴が詳しく理解され得るように、本発明のより具体的な説明が、簡単には上記で要約されているが、添付されている図面においてその一部が例示される実施形態を参照することによってなされ得る。理解を容易にするために、同一の参照数字が、図面に共通する同一の要素を示すために、可能な場合には使用されている。1つの実施形態の要素及び特徴が、さらに列挙されることなく、他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが意図される。しかしながら、添付されている図面は本発明の例示的にすぎない実施形態を例示するだけであり、従って、その範囲を限定するものとして見なしてはならないことに留意しなければならない。なぜならば、本発明では、他の同等に効果的な実施形態が認められ得るからである。
【図1A】先行技術の気泡構造物の三次元表示である。
【図1B】先行技術の気泡構造物の三次元表示である。
【図2】先行技術の気泡構造物の二次元表示である。
【図3】先行技術の気泡構造物の走査型電子顕微鏡写真である。
【図4A】本発明の実施形態による気泡構造物の三次元表示である。
【図4B】本発明の実施形態による気泡構造物の三次元表示である。
【図5】本発明の実施形態による気泡構造物の二次元表示である。
【図6A】本発明の実施形態による気泡の走査型電子顕微鏡写真である。
【図6B】本発明の実施形態による気泡の走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】参照用の粘弾性フォームについてのDMTAプロフィルと比較される、本発明の粘弾性ポリウレタンフォームについてのDMTAプロフィルを例示するグラフ表示である。
【図8】参照用(コントロール)の粘弾性フォームと比較される本発明の粘弾性ポリウレタンフォームについてのtanδプロフィルのグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書中で使用される用語「粘弾性フォーム」は、ASTM D3574の試験Hに従って測定されるとき、25%未満のレジリエンスを有するそのようなフォームを示すために意図される。好ましくは、粘弾性フォームは20%未満のレジリエンスを有する。さらなる実施形態において、粘弾性フォームは15%未満のレジリエンスを有し、又は、10%未満のレジリエンスでさえ有する。特定の実施形態において、粘弾性フォームは5%以下のレジリエンスを有しており、また、3%未満のレジリエンスでさえ有している。
【0017】
本明細書中で使用される用語「粘弾性」は、材料における弾性的な(固体)特徴及び粘性的な(液体)特徴の共存に起因する、加えられた一定の負荷(応力)に対する材料の時間依存的な応答である。動的な機械的特徴づけにおいて、粘弾性のレベルは、材料のtanδによって測定される減衰係数に比例する。tanδは、弾性率E’に対する粘性散逸損出弾性率(viscous dissipative loss modulus)E”の比率である。大きいtanδ値は、材料挙動における大きい粘性成分が存在すること、従って、どのような摂動に対しても強い減衰が観測されることを意味する。
【0018】
ガラス転移温度(Tg)は、動的な機械的熱分析(DMTA)測定におけるtanδ曲線のピーク値に対応する温度点である。弾性率E’、損失弾性率E”、及び、損出正接又はtanδとして公知である損失弾性率対弾性率の比率(E”/E’)は、温度に対して測定される。tanδ曲線のピークに対応する温度が、試験された試料片のガラス転移温度(Tg)として採用される。
【0019】
本明細書中で使用される用語「支え係数」は、25%圧縮力撓みによって除される65%圧縮(圧痕)力撓み(CFD)の比率を示す。用語「圧縮力撓み」は、最少でも24インチ平方(155cm)である4インチ(10cm)の厚さのサンプルを、25%CFD及び65%CFDの用語によってそれぞれ示されるようにサンプルの初期高さの25パーセント又は65パーセントにまで圧縮するために要求される力(ポンド単位)(0.4536kgf)として測定される柔軟な材料(例えば、フォーム)の耐荷力の尺度を示す。
【0020】
図1A及び図1Bは、先行技術の三次元の気泡構造物100A及び気泡構造物100Bをそれぞれ表示しており、図2は、気泡構造物100A及び気泡構造物100Bの外観の二次元表示である。それぞれの気泡構造物が、内部の空隙を規定する外側壁から構成される。壁は多数の気泡支柱102及び窓104を含む。支柱102により、多数の窓104のための境界が形成される。気泡構造物100A及び気泡構造物100Bを構成する材料は、気泡構造物が形成されるとき、気泡支柱102の幾何学的配置に配置される。窓104は、支柱102が作製される同じ材料の層であるフィルム106によって閉じられることがある。気泡構造物の内部では、一部の窓106がフィルム106によって覆われることがあり(窓が閉じられる)、また、一部がフィルム106によって覆われないことがあり(窓が開いている)、また、一部がフィルム106で部分的に満たされることがある。部分的に開いている窓104は穴108をフィルム106に有してもよい。図3は、支柱、窓及び穴を認めることができる先行技術の気泡構造物の走査型電子顕微鏡写真である。
【0021】
図4A及び図4Bは、本発明の実施形態による三次元の気泡構造物200A及び気泡構造物200Bをそれぞれ表示しており、図5は、本発明の実施形態による気泡構造物200A及び気泡構造物200Bの外観の二次元表示である。気泡構造物200Aは、支柱102を突き抜ける多数の細孔110を有する/有することができる。細孔110は90μm未満の幅を有することができる。さらに、窓104は100μm〜600μmの幅を有することができる。1つの実施形態において、窓の30%超が開いているか、又は、部分的に開いており、別の実施形態では、40%超が開いているか、又は、部分的に開いており、別の実施形態では、50%超が開いているか、又は、部分的に開いており、別の実施形態では、60%超が開いているか、又は、部分的に開いており、別の実施形態では、70%超が開いているか、又は、部分的に開いており、別の実施形態では、80%超が開いているか、又は、部分的に開いており、別の実施形態では、90%超が開いているか、又は、部分的に開いており、別の実施形態では、95%超が開いているか、又は、部分的に開いており、別の実施形態では、99%超が開いているか、又は、部分的に開いている。
【0022】
別の実施形態では、窓の30%超が開いており、別の実施形態では、40%超が開いており、別の実施形態では、50%超が開いており、別の実施形態では、60%超が開いており、別の実施形態では、70%超が開いており、別の実施形態では、80%超が開いており、別の実施形態では、90%超が開いており、別の実施形態では、95%超が開いており、別の実施形態では、99%超が開いている。1つの実施形態において、窓104の本質的にはすべてが開いている。
【0023】
図6A及び図6Bは、本発明の実施形態による気泡構造物の走査型電子顕微鏡写真である。図は、支柱102を貫く細孔110を示す。
【0024】
このような非常に多孔性の構造物(支柱における連続気泡及び細孔)は、低い25%CFDによって立証されるような良好なエアーフロー及び軟らかい感触を有する粘弾性フォームの製造を可能にする。驚くべきことに、非常に多孔性の構造物及び低い25%CFDに関してでさえ、フォームは良好な支え係数を有する。低い25%CFDを有するそのような多孔性フォームが、大きい弾性率E’(ポリマーの剛性の尺度)を依然として維持するであろうこともまた予想外である。そのようなフォームが、(0.3超)大きいtanδを幅広い温度にわたって有するであろうことがさらに予想外である。
【0025】
本発明のフォームは一般に、2scfm(標準立方フィート/分)以上のエアーフローを有する。別の実施形態において、フォームのエアーフローが2.3scfmよりも大きい。フォームが十分な支えを有しているための実用的検討のために、フォームは一般に、8scfm未満のエアーフローを有する。さらなる実施形態において、フォームは7scfm以下のエアーフローを有する。さらなる実施形態において、フォームは2.3scfm〜6.25scfmのエアーフローを有する。
【0026】
良好な弾性率を維持しながら、軟らかい感触を有するフォームは、25%CFDに対する(20℃で測定される)弾性率の比率によって表すことができる。本発明の粘弾性フォームは、25%CFDに対する弾性率の比率が25以上である。好ましくは、この比率は30以上である。さらなる実施形態において、この比率は35以上である。この比率は一般に、125以下である。いくつかの実施形態において、この比率は115以下である場合がある。さらに他の実施形態において、この比率は110以下である。
【0027】
本発明のフォームは、0.3超のtanδを0℃〜40℃の温度範囲にわたって示す。さらなる実施形態において、tanδが0℃〜40℃の温度範囲にわたって0.4以上であり、特に、18℃〜40℃の温度範囲にわたって0.4以上である。
【0028】
硬化したVEフォームは好都合には、密度を2.5〜30ポンド/立方フィート(pcf)(40〜480kg/m)の範囲に有しており、好ましくは、密度が3.0ポンド/立方フィート(pcf)(48kg/m)以上である。好ましくは、密度は20lb/ft(320kg/m)までである。さらなる実施形態において、密度は10lb/ft(160kg/m)以下である。密度は従来的には、ASTM D3574−01の試験Aに従って測定される。
【0029】
本発明の1つの実施形態において、粘弾性フォームは、イソシアナート成分及びイソシアナート反応性成分を含む反応システムの反応生成物である。ポリウレタン製造において使用されるイソシアナート反応性成分は一般に、少なくとも2つのヒドロキシル基又はアミン基を有するそのような化合物である。そのような化合物は本明細書中ではポリオールとして示される。1つの実施形態において、ポリオールは、反応性のヒドロキシル基を含有するポリエーテルポリオールである。
【0030】
そのようなポリエーテルポリオールには、アルキレンオキシドによる好適な出発分子(開始剤)のアルコキシル化によって得られるポリエーテルポリオールが含まれる。2個〜4個の反応性部位を有する開始剤分子の例には、水、アンモニア、又は、多価アルコール(例えば、分子量が62〜399である二価アルコールなど、とりわけ、アルカンポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン又はトリメチロールエタンなど、或いは、エーテル基を含有する低分子量のアルコール、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール又はブチレングリコールなど)が含まれる。これらのポリオールは、従来の方法によって調製される従来の物質である。この重合のための触媒反応は、様々な触媒を用いて、例えば、KOH、CsOH、三フッ化ホウ素、又は、複シアニド錯体(double cyanide complex)(DMC)触媒(例えば、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛など)、又は、第四級ホスファゼニウム化合物などを用いて、アニオン性又はカチオン性のどちらも可能である。アルカリ性触媒の場合、これらのアルカリ性触媒は好ましくは、適切な仕上げ工程によって、例えば、凝集、ケイ酸マグネシウム分離又は酸中和などによって、製造の最後でポリオールから除かれる。
【0031】
本発明の1つの実施形態において、イソシアナート反応性成分は、
a1)30重量パーセント〜80重量パーセントの少なくとも1つのポリオキシプロピレンポリオール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール(この場合、ポリオールは100〜2000の間の平均当量重量及び2〜4の平均公称ヒドロキシ官能性を有し、但し、ポリオールがポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオールであるならば、ポリオキシプロピレン含有量がポリオールの少なくとも70重量%である);
a2)5重量パーセント〜50重量パーセントのポリオキシエチレンポリオール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール(この場合、ポリオールは100〜1000の間の平均当量重量及び2〜4の平均公称ヒドロキシ官能性を有し、但し、ポリオールがポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオールであるならば、ポリオキシエチレン含有量がポリオールの少なくとも70重量%である);及び
a3)1重量%〜20重量%の、平均当量重量が500以上であるモノオール若しくはモノオールのブレンド混合物(この場合、モノオール若しくはモノオールのブレンド混合物は、アルキレンオキシドが4個以上の炭素原子を含有するポリオキシアルキレンを、60重量%超含む)、
官能性が2〜4であり、当量重量が500〜3000であるポリオキシアルキレンポリオール(この場合、アルキレンオキシドは、4個以上の炭素原子を有するアルキレンオキシドを、60重量%超含有する)、
当量重量が2250〜6000であるポリブタジエン、
又はそれらの組合せ
を含むポリオール組成物である。
【0032】
ポリオキシプロピレン系ポリオールa1)は一般に、70重量%超プロピレンオキシド(PO)ユニット由来のオキシアルキレンユニットを含有し、好ましくは、少なくとも75重量%のPO由来のオキシアルキレンユニットを含有する。他の実施形態において、ポリオキシプロピレン系ポリオールは、80重量%超PO由来のオキシアルキレンユニットを含有し、さらなる実施形態において、オキシアルキレンユニットの85重量%以上がPOに由来する。いくつかの実施形態において、プロピレンオキシドは、ポリオールの製造において使用されるただ1つのアルキレンオキシドである。エチレンオキシド(EO)がポリオールa1)の製造において使用されるとき、EOがPOとの共供給物として供給されるか、又は、内部ブロックとして供給されることが好ましい。
【0033】
ポリオール成分a1)はさらなる実施形態では、総ポリオール組成物の35重量%、40重量%又は45重量%を含む。ポリオール成分a1)は、総ポリオール組成物の60重量%、65重量%、70重量%、また、80重量%に至るまででさえ含むことができる。
【0034】
さらなる実施形態において、ポリオールa1)は、700未満の数平均当量重量を有する少なくとも1つのポリオール(これはa1aと呼ばれる)と、700以上の当量重量を有する少なくとも1つの第2のポリオール(これはa1bと呼ばれる)との2つの別個の成分を含む。ポリオール成分a1a)及びポリオール成分a1b)は独立して、ポリオールa1)について上記で記載されるようなPO由来の重量パーセントを含有することができる。
【0035】
2つの別個のポリオールa1a)及びポリオールa1b)が使用されるとき、ポリオール成分a1a)は一般に、総ポリオール組成物a)の少なくとも5重量%、10重量%又は少なくとも15重量%を含む。ポリオール成分a1a)は、総ポリオールの少なくとも50重量%、55重量%、60重量%、また、79重量%に至るまででさえ含むことができる。ポリオールa1a)の当量重量は一般に100〜700未満であり、好ましくは150〜650である。他の実施形態において、当量重量は200〜650である。
【0036】
ポリオールa1a)及びポリオールa1b)の両方が存在するとき、ポリオールa1b)は一般に、総ポリオールの少なくとも1重量%、少なくとも3重量%又は少なくとも5重量%を含む。ポリオールa1b)は一般に、存在する総ポリオールの25重量%未満を含み、好ましくは20重量%未満を含み、又は、17重量%未満でさえ含む。ポリオールa1b)の当量重量は700〜2000である。好ましくは、ポリオールa1b)の当量重量は750〜1750である。さらなる実施形態において、ポリオールa1b)の当量重量は800〜1450である。別の実施形態において、ポリオールa1b)の当量重量は1250未満である。
【0037】
ポリオールa2)は、70重量%超オキシエチレンユニットを含有するポリオキシエチレン系ポリオールであり、好ましくは、少なくとも75重量%のオキシエチレンユニットを含有するポリオキシエチレン系ポリオールであり、より好ましくは、少なくとも80重量%のオキシエチレンユニットを含有するポリオキシエチレン系ポリオールであり、それにもかかわらず、さらなる実施形態では、少なくとも90重量%のオキシエチレンユニットを含有するポリオキシエチレン系ポリオールであり、また、少なくとも93重量%のオキシエチレンユニットさえ含有するポリオキシエチレン系ポリオールである。いくつかの実施形態において、a2)は、オキシエチレンユニット以外のオキシアルキレンユニットを本質的には含まない。ポリオールa2)は一般に、2〜4の結合したヒドロキシル基の公称官能性を有し、好ましくは、2〜3の結合したヒドロキシル基の公称官能性を有し、いくつかの実施形態では3の公称官能性を有する。
【0038】
ポリオールにおけるヒドロキシル基の総合計に対するa2)の数平均当量重量が100〜1000であり、150〜825であり、175〜750であり、また、いくつかの実施形態では190〜500であり、200〜500未満でさえある。
【0039】
ポリオール成分a2)はさらなる実施形態では、総ポリオール組成物の少なくとも10重量%、14重量%又は17重量%を含む。ポリオール成分a1)は、総ポリオールの44重量%未満、40重量%未満、35重量%未満又は30重量%未満を含むことができる。
【0040】
ポリオール組成物物の成分a3)は、平均当量重量が500以上であるモノオール若しくはモノオールのブレンド混合物(この場合、モノオール若しくはモノオールのブレンド混合物は、ポリオキシアルケンポリマーにおけるアルキレンオキシドユニットが4個以上の炭素原子を含有するポリオキシアルキレンを、60重量%超含む)、
官能性が2〜4であり、当量重量が500〜3000であるポリオキシアルキレンポリオール(この場合、ポリオキシアルキレンは、4個以上の炭素原子を有するアルキレンオキシドを、60重量%超含有する)、
当量重量が2250〜6000であるポリブタジエン、
又はそれらの組合せ
である。
【0041】
1つの実施形態において、a3)の成分は、4個〜20個の炭素原子を有する1つ又はそれ以上のアルキレンオキシドに由来するモノオールである。好ましくは、アルキレンオキシドは炭素原子が18個以下である。モノオールは一般に、500以上の当量重量、750以上の当量重量、また、いくつかの実施形態では1000以上の当量重量を有する。1つの実施形態において、モノオールは、C4オキシド又はC5オキシド又はそれらの組合せに由来する。モノオールがC4オキシド及びC5オキシドに由来するとき、モノオールは2000以上の当量重量を有することができ、いくつかの実施形態では、3000以上の当量重量を有することができる。加工上の制限のために、モノオールは一般に、12,000未満の当量重量を有し、一般には10,000未満の当量重量を有する。1つの実施形態において、モノオールは、ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシド又はそれらの組合せに由来し、2,500〜7,000の当量重量を有する。さらなる実施形態において、モノオールは3,000〜6,000の当量重量を有する。
【0042】
別の実施形態において、モノオールがポリオール配合物には総ポリオール組成物の15重量%未満で存在する。さらなる実施形態において、モノオールはポリオール組成物の12重量%未満である。他の実施形態において、モノオールは、ポリオール組成物の少なくとも2重量%、少なくとも3重量%又は少なくとも5重量%を含む。
【0043】
a3)のモノオールはポリエステルが可能である。ポリエステルは、カルボン酸誘導体(例えば、無水物、二酸)と、グリコール又はジオールとの繰り返しユニットを含有する。この場合のポリエステルはただ1つのヒドロキシル基を含有するだけである。もう一方の末端基は、イソシアナートと反応しない基である(例えば、アルキル、アリール又はアラルキルで置換されたエーテル又はエステルなど)。
【0044】
モノオールが、当分野で公知である技術によって作製される。これらは従来的には、モノアルコール(メタノール、エタノール、フェノール類、アリルアルコール又はより高分子量のアルコールなど)を多当量の上記で記載されるようなエポキシドと反応させることによって作製される。エポキシドは、周知の技術及び様々な触媒(アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属アルコキシド、並びに、複金属シアニド錯体などを含む)を使用して重合させることができる。モノオールはまた、最初にポリオキシアルキレンジオール又はポリオキシアルキレントリオールを製造し、その後、残っているヒドロキシル基の1つを除くすべてを、公知の方法を使用して、エーテル、エステル又は他の非反応性誘導体に変換することによって作製することができる。
【0045】
成分a3)が、上記で記載されるようなポリオールであるとき、ポリオール組成物に存在するレベルは、モノオールについて上記で示されるレベルとしてであり得る。同様な様式で、ポリオールは、4個〜20個の炭素原子を有するアルキレンオキシドによる開始剤のアルコキシル化に由来し、また、18個未満の炭素原子を有するアルキレンオキシドによる開始剤のアルコキシル化に由来し、また、いくつかの実施形態では、12個未満の炭素原子を有するアルキレンオキシドによる開始剤のアルコキシル化に由来する。1つの実施形態において、アルキレンオキシドはC4〜C8のアルキレンオキシドであり、さらなる実施形態ではC4〜C6のアルキレンオキシドである。
【0046】
さらなる実施形態において、a3)のポリオール成分は750以上の当量重量を有する。別の実施形態において、成分a3)のポリオールは1000以上の当量重量を有する。
【0047】
さらなる実施形態において、成分a3)はポリブタジエンが可能であり、この場合、ポリブタジエンは総ポリオール組成物の1重量%〜20重量%を含む。ポリブタジエンを製造するための様々な方法が当分野では公知である。1つの実施形態において、ポリブタジエンは、平均して1.8個〜2.0個の末端ヒドロキシル基を含有し、かつ、2250〜6,000の重量平均当量重量(好ましくは2400〜5800の重量平均当量重量、より好ましくは2275〜5,500の重量平均当量重量)を有する非分岐のヒドロキシル末端ポリブタジエンであり得る。そのような非分岐ポリブタジエンはアニオン重合に由来し、米国特許第6,864,321号の手順に従って製造することができる。
【0048】
成分b)は、分子あたり平均して1.8個以上のイソシアナート基を有する有機ポリイソシアナートである。イソシアナート官能性は好ましくは約1.9〜4であり、より好ましくは1.9〜3.5であり、特に1.9〜2.5である。好適なポリイソシアナートには、芳香族ポリイソシアナート、脂肪族ポリイソシアナート及び脂環族ポリイソシアナートが含まれる。芳香族ポリイソシアナートが、コスト、入手性、及び、生成物ポリウレタンに付与される特性に基づいて、一般に好まれる。例示的なポリイソシアナートには、例えば、m−フェニレンジイソシアナート、2,4−及び/又は2,6−トルエンジイソシアナート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)の様々な異性体、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアナート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアナート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアナート、水素化MDI(H12MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアナート、メトキシフェニル−2,4−ジイソシアナート、4,4’−ビフェニレンジイソシアナート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアナート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、水素化ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、トルエン−2,4,6−トリイソシアナート、並びに、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアナートが含まれる。好ましいポリイソシアナートには、MDI及びMDIの誘導体(例えば、ビウレット修飾の「液状」MDI生成物及びポリマー状MDIなど)、並びに、TDIの2,4−異性体及び2,6−異性体の混合物が含まれる。
【0049】
特に注目されるポリイソシアナートが、少なくとも60重量%の2,4−異性体を含有する、2,4−トルエンジイソシアナート及び2,6−トルエンジイソシアナートの混合物である。別の実施形態において、ポリイソシアナートは、約80重量%の2,4−異性体を含有する、2,4−トルエンジイソシアナート及び2,6−トルエンジイソシアナートの混合物である。これらのポリイソシアナート混合物は広範囲に入手可能であり、また、安価であり、それにもかかかわらず、フォーム配合物を加工することにおける困難さのために、商業的規模のVEフォーム方法で使用することがこれまで困難であった。
【0050】
さらなる実施形態において、ポリイソシアナートは、2.1超イソシアナート基の数平均官能性を有しており、重量に基づいて主として、MDIシリーズの1つ又はそれ以上のポリイソシアナートからなる。
【0051】
典型的に使用されるポリイソシアナートの量は、70〜115のイソシアナートインデックスを提供するために十分である。別の実施形態において、イソシアナートインデックスは85〜110であり、さらなる実施形態では85〜105である。イソシアナートインデックスは、イソシアナート反応性水素を含有する物質の総当量数によって除され、100倍されるイソシアナートの当量数である。
【0052】
フォーム配合物は、水を、ポリオール又はポリオール混合物の100重量部あたり約0.5部〜約3.5部の量で含む。本発明は、水分含有量が100重量部のポリオールあたり約0.8重量部〜約2.5重量部、特に1.0重量部〜2.25重量部、さらなる実施形態では0.8重量部〜1.8重量部である配合物において特に注目される。
【0053】
反応システムは、必要な場合には、総反応システムの10重量%に至るまでの少量(しかし、典型的にはゼロであり、又は、5重量%未満に至るまでの少量)の反応性(ポリマー形成)化学種を含有することができる(これらには、上記で指定される化学種ではない本明細書中に記載されるようないずれかの鎖延長剤、架橋剤又は反応性フィラーは含まれない)。これらには、例えば、第一級アミン及び/又は第二級アミンを含有する化学種、上記で記載されるものとは異なるポリエステルポリオール又はポリオールが含まれ得る。
【0054】
広範囲の様々な物質が、ポリウレタン形成反応を触媒するために公知であり、これらには、第三級アミン;第三級ホスフィン、例えば、トリアルキルホスフィン及びジアルキルベンジルホスフィンなど;様々な金属キレート、例えば、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、エチルアセトアセトナートなどから、金属(例えば、Be、Mg、Zn、Cd、Pd、Ti、Zr、Sn、As、Bi、Cr、Mo、Mn、Fe、Co及びNiなど)により得ることができる金属キレートなど;強酸の酸金属塩、例えば、塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化第一スズ、三塩化アンチモン、硝酸ビスマス及び塩化ビスマスなど;強塩基、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド及びフェノキシド、様々な金属アルコラート及び金属フェノラート(例えば、Ti(OR)4、Sn(OR)4及びAl(OR)3など、式中、Rはアルキル又はアリールである)、並びに、アルコラートと、カルボン酸、β−ジケトン及び2−(N,N−ジアルキルアミノ)アルコールとの反応生成物など;アルカリ土類金属、Bi、Pb、Sn又はAlのカルボキシラート塩;並びに、四価スズ化合物、及び、三価又は五価のビスマス、アンチモン又はヒ素の化合物が含まれる。好ましい触媒には、第三級アミン触媒及び有機スズ触媒が含まれる。市販されている第三級アミン触媒の例には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアゾビシクロ−2,2,2−オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、及び、アルキル基が4個〜18個の炭素原子を含有するジメチルアルキルアミンが含まれる。これらの第三級アミン触媒の混合物が使用されることが多い。市販されているアミン触媒の例には、Niax(商標)A1及びNiax(商標)A99(プロピレングリコールにおけるビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、GE Advanced Materials,Siliconesから入手可能)、Niax(商標)B9(ポリアルキレンオキシドポリオールにおけるN,N−ジメチルピペラジン及びN−N−ジメチルヘキサデシルアミン、GE Advanced Materials,Siliconesから入手可能)、Dabco(商標)8264(ジプロピレングリコールにおける、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン及びジメチルヒドロキシエチルアミンの混合物、Air Products and Chemicalsから入手可能)及びDabco(商標)33LV(ジプロピレングリコールにおけるトリエチレンジアミン、Air Products and Chemicalsから入手可能)、Niax(商標)A−400(水及び特許登録されたヒドロキシル化合物における特許登録された第三級アミン/カルボン酸塩及びビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、GE Advanced Materials,Siliconesから入手可能)、Niax(商標)A−300(水における特許登録された第三級アミン/カルボン酸塩及びトリエチレンジアミン、GE Advanced Materials,Siliconesから入手可能);Polycat(商標)58(特許登録されたアミン触媒、Air Products and Chemicalsから入手可能)、Polycat(商標)5(ペンタメチルジエチレントリアミン、Air Products and Chemicalsから入手可能)及びPolycat(商標)8(N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、Air Products and Chemicalsから入手可能)が含まれる。
【0055】
有機スズ触媒の例が、塩化第二スズ、塩化第一スズ、オクタン酸第一スズ、オレイン酸第一スズ、ジメチルスズジラウラート、ジブチルスズジラウラート、及び、式SnRn(OR)4−n(式中、Rはアルキル又はアリールであり、nは0〜2である)の他の有機スズ化合物などである。仮にも有機スズ触媒が使用されるならば、有機スズ触媒は一般には、1つ又はそれ以上の第三級アミン触媒と併せて使用される。注目される市販されている有機スズ触媒には、Dabco(商標)T−9触媒及びDabco(商標)T−95触媒(ともに、オクタン酸第一スズ組成物、Air Products and Chemicalsから入手可能)が含まれる。
【0056】
触媒は典型的には少量で使用され、例えば、それぞれの触媒が天然油由来ポリオール組成物の約0.0015重量%〜約5重量%で用いられる。量は、触媒又は触媒の混合物、特定の設備についてのゲル化反応及び発泡反応の所望されるバランス、ポリオール及びイソシアナートの反応性、並びに、当業者が熟知している他の要因に依存する。
【0057】
さらなる実施形態において、加工を改善するために、また、より大きいイソシアナートインデックスの使用を可能にするために、添加物e)、例えば、国際公開第2008/021034号(その開示は参照によって本明細書中に組み込まれる)に記載される添加物などを反応混合物に加えることができる。そのような添加物には、
1)カルボン酸のアルカリ金属塩又は遷移金属塩;
2)1,3,5−トリスアルキル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物又は1,3,5−トリス(N,N−ジアルキルアミノアルキル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物;及び
3)第四級アンモニウム化合物のカルボキシラート塩。
【0058】
使用されるとき、そのような添加物は一般に、100重量部の成分a)あたり約0.01部〜1部の量で使用される。
【0059】
成分e)の添加物は一般に、反応混合物の少なくとも1つの他の成分に溶解される。成分e)の添加物をポリイソシアナートに溶解することは一般に好ましくない。
【0060】
様々なさらなる成分を粘弾性フォーム配合物において含むことができる。これらには、例えば、鎖延長剤、架橋剤、界面活性剤、可塑剤、フィラー、可塑剤、煙抑制剤、香料、強化材、色素、着色剤、顔料、保存剤、臭気遮蔽剤、物理的発泡剤、化学的発泡剤、難燃剤、内部離型剤、殺生物剤、酸化防止剤、UV安定剤、帯電防止剤、チオキソトロープ剤、定着剤、気泡開放剤(cell opener)及びこれらの組合せが含まれる。
【0061】
発泡性組成物は、気泡開放剤、鎖延長剤又は架橋剤を含有することができる。これらの物質が使用されるとき、それらは典型的には少量で使用され、例えば、100重量部のポリオール又はポリオール混合物あたり10重量部までの少量で、とりわけ、2重量部までの少量で使用される。鎖延長剤は、分子あたり2つのイソシアナート反応性基を有する物質であり、これに対して、架橋剤は、分子あたり平均して2個を超えるイソシアナート反応性基を含有する。どちらの場合でも、イソシアナート反応性基あたりの当量重量は約30から100未満にまで及ぶことができ、一般には30〜75である。イソシアナート反応性基は好ましくは、脂肪族アルコール基、第一級アミン基又は第二級アミン基であり、脂肪族アルコール基が特に好ましい。鎖延長剤及び架橋剤の例には、アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールなど;グリコールエーテル、例えば、ジエチレングリコールなどが含まれる。
【0062】
界面活性剤を、フォームが膨張及び硬化する際、フォームを安定化することを助けるために、粘弾性フォーム配合物において含むことができる。界面活性剤の例には、非イオン性の界面活性剤及び湿潤化剤、例えば、プロピレンオキシド、次いで、エチレンオキシドをプロピレングリコールに逐次付加することによって調製されるもの、固体又は液体の有機シリコーン、及び、長鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテルなどが含まれる。イオン性の界面活性剤、例えば、長鎖アルキル酸スルファートエステル、アルキルスルホン酸エステル及びアルキルアリールスルホン酸の第三級アミン塩又はアルカノールアミン塩などもまた使用することができる。固体又は液体の有機シリコーンが好ましいように、プロピレンオキシド、次いで、エチレンオキシドをプロピレングリコールに逐次付加することによって調製される界面活性剤が好ましい。有用な有機シリコーン界面活性剤の例には、市販されているポリシロキサン/ポリエーテルコポリマーが含まれ、例えば、Tegostab(Goldschmidt Chemical Corp.の商標)B−8462及び同B−8404、並びに、DC−198界面活性剤及びDC−5043界面活性剤(Dow Corningから入手可能)、並びに、Niax(商標)627界面活性剤(OSi Specialtiesから入手可能)などが含まれる。
【0063】
界面活性剤が使用されるとき、界面活性剤は典型的には、100重量部のポリオール又はポリオール混合物あたり0.0015重量部〜1重量部の量で存在する。
【0064】
1つ又はそれ以上のフィラーもまた、粘弾性フォーム配合物に存在させることができる。フィラーは、組成物のレオロジー特性を有益な方法で改変すること、コストを低下させること、及び、有益な物理的特性をフォームに与えることを助けることができる。好適なフィラーには、ポリウレタン形成反応の期間中に遭遇する温度で安定であり、かつ、融解しない粒子状の無機物及び有機物が含まれる。好適なフィラーの例には、カオリン、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、雲母、硅灰石、タルク、高融点の熱可塑性樹脂、ガラス、フライアッシュ、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、アゾ/ジアゾ色素、フタロシアニン系化合物及びジオキサジン系化合物などが含まれる。フィラーはチオキソトロープ特性を発泡性ポリウレタン組成物に与えることができる。フュームドシリカがそのようなフィラーの一例である。
【0065】
反応性の粒子もまた、粘弾性フォームの特性を改変するために反応システムに含むことができる。そのような反応性システムは、例えば、Chemistry and Technology of Polyols for Polyurethanes(Rapra Technology Limited(2005)、185頁〜227頁)などにおいて教示されるようなコポリマーポリオール、例えば、スチレン/アクリロニトリル(SAN)、ポリウレア(polyharnstoff)分散物(PHD)、ポリオール及びポリイソシアナートの重付加生成物(PIPA)を含有するコポリマーポリオールなどを含む。
【0066】
使用されるとき、フィラーは好都合には組成物の約0.5重量%〜約30重量%を構成し、とりわけ、組成物の約0.5重量%〜約10重量%を構成する。
【0067】
発泡性ポリウレタン組成物における(水以外の)さらなる発泡剤は一般に使用されないが、さらなる物理的発泡剤又は化学的発泡剤を含むことは本発明の範囲内である。物理的発泡剤には、超臨界CO、並びに、様々な炭化水素、フルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、クロロカーボン(例えば、メチレンクロリドなど)、クロロフルオロカーボン及びヒドロクロロフルオロカーボンがある。化学的発泡剤は、高い温度で分解し、又は、(イソシアナート基以外と)反応して、二酸化炭素及び/又は窒素を生じさせる物質である。
【0068】
VEフォームを、いわゆるスラブストック(slabstock)方法で、又は、様々な成形方法によって調製することができる。スラブストック方法では、成分が混合され、そして、配合物が反応し、少なくとも一方向に自由に膨張し、硬化するトラフ又は他の領域に注入される。スラブストック方法が一般に、商業的規模で連続的に運転される。
【0069】
スラブストック方法では、様々な成分が、それらの混合及び分散が行われるミックスヘッドに個々に、又は、様々な部分組合せで導入される。成分の温度は一般に、混合前において15℃〜35℃の範囲である。分散された混合物は典型的には、加熱を伴うことなく膨張し、硬化する。スラブストック方法では、反応している混合物が自由に膨張するか、又は、最小限の制約(例えば、カバーシート又はカバーフィルムの重量のために加えられ得る制約など)のもとで膨張する。
【0070】
反応混合物を、反応混合物が膨張及び硬化する密閉型鋳型に導入することによって、粘弾性フォームを成形方法で製造することもまた可能である。
【0071】
本発明に従って作製される粘弾性フォームは様々な包装材用途及びクッション材用途において有用であり、例えば、マットレス(マットレストッパー(mattress topper)を含む)、枕、包装材、バンパーパッド(bumper pad)、スポーツ用及び医療用の機器、ヘルメットの中帽、パイロット座席、耳栓、並びに、様々な防音用途及び制振用途などにおいて有用である。防音用途及び制振用途が輸送産業のためには特に重要であり、例えば、自動車用途などにおいては特に重要である。
【0072】
下記の実施例は、本発明を例示するために提供され、しかし、その範囲を限定することが意図されない。すべての部及び百分率は、別途示されない限り、重量比である。
【0073】
実施例において使用される原料の種別は下記の通りである。
【0074】
ポリオールAは、The Dow Chemical CompanyからVoranol3150の商品名称で市販されている、官能性が3で、当量重量が336である、全体がプロピレンオキシドからなるポリエーテルポリオールである。
【0075】
ポリオールBは、The Dow Chemical CompanyからVoranol4053ポリオールの商品名称で市販されている、官能性が6.9で、当量重量が1800である、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのランダムコポリマーである。
【0076】
ポリオールCは、官能性が3である、全体がエチレンオキシドからなる供給ポリオールであり、EWがおよそ208である。
【0077】
ポリオールDは、The Dow Chemical CompanyからVoranol3010ポリオールの商品名称で入手可能な、およそ994の当量重量を有する、グリセリン開始ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンと混合供給されているポリオール(8重量%のEO)である。
【0078】
モノオールAは、およそ4,000の当量重量を有する、全体がブチレンオキシドからなるモノオールである。
【0079】
ジオールAは、SartomerからKrasol(商標)LBH10000として入手可能な、5,000のおおよその当量重量を有するポリブタジエンジオールである。
【0080】
界面活性剤Aは、OSi SpecialtiesからNiax(登録商標)L−627界面活性剤として商業的に販売される有機シリコーン界面活性剤である。
【0081】
スズ触媒Aは、Air Products and ChemicalsからDabco(登録商標)T−9触媒として市販されているオクタン酸第一スズ触媒である。
【0082】
アミン触媒Aは、Air Products and Chemicals,Inc.によってDABCO(登録商標)BL11として商業的に供給される、ジプロピレングリコールにおける70%のビス−ジメチルアミノエチルエーテル溶液である。
【0083】
アミン触媒Bは、Air Products and ChemicalsからDabco(登録商標)33LVとして市販されている、ジプロピレングリコールにおけるトリエチレンジアミンの33%溶液である。
【0084】
TDI80は、The Dow Chemical Companyから入手可能な、トルエンジイソシアナートの2,4−異性体及び2,6−異性体の80/20のブレンド混合物である。
【0085】
試験方法
別途指定されない限り、フォームの特性が、ASTM3574−05によって測定される。
【0086】
実施例1〜実施例7及びコントロール(C1)。
【0087】
フォームを、ポリオール、水及びアミン触媒を最初に高剪断速度のミックスヘッドでブレンド混合することによって調製する。成分の温度がおよそ22℃である。その後、この混合物を同じ様式で界面活性剤及びスズ触媒とブレンド混合し、その後、得られた混合物を再び同じ様式でポリイソシアナートとブレンド混合する。最終的なブレンド混合物を、開いている箱に直ちに注ぎ、加熱を伴うことなく反応させる。総配合物重量が2000グラム〜2700グラムである。ポリウレタンフォームを製造するために使用される配合物が表1に示される。実施例C1は、粘弾性フォームの製造のための配合物に基づくコントロールのフォームである。硬化した配合物を少なくとも数日間にわたって時効処理し、特性試験のために用いる。製造されたフォームの特性が表2に示される。
【0088】
データは、本発明に基づくフォームが良好なエアーフロー及び低い圧縮力撓み(25%)を有することを示す。本発明のフォームはまた、良好な支え係数を有しており、同じ指数での標準配合物と比較されたとき、より良好な支えを示す。
【表1】


【表2】

【0089】
図7及び図8は、DMTAによって測定されるような、コントロールのフォーム及び実施例6のフォームのE’及びtanδのプロットを示す。DMTAが、TA Instruments RSA III Rheometerを円筒状の張力/圧縮幾何学的固定具とともに使用して測定される。試験タイプが、−115.0℃の初期温度及び250℃の最終温度を3.0℃/分の勾配率で有する動的温度勾配(Dynamic Temperature Ramp)法である。
【0090】
プロットは、本発明のフォームが、tanδが0℃から40℃まで0.3超の幅広いtanδプロフィルを有することを示す。プロットはまた、Tgにおける実質的な変化がコントロールに対して存在することを示す。本発明のフォームの弾性率は、増大したモジュラス(剛性)を示し、それにもかかわらず、25%CFDによって測定されるように、触れると、軟らかい感触がある。tanδが、動的機械的分析での加えられた応力と、ひずみ応答との間における位相角の正接を示すために使用される。大きいtanδ値は、材料挙動における高粘性成分が存在すること、従って、どのような摂動に対しても強い減衰が観測されることを意味する。tanδが、弾性率について記載されるのと同じ装置及び方法論を使用して求められる。
【0091】
表3は、フォームの密度に対して正規化されるE’対CFD(25%)の比率を含めて、フォームのさらなる特性を示す。表3は、本発明のフォームがコントロールのフォームよりも実質的に大きいE’対25%CFD比率を有すること示す。
【表3】

【0092】
上記は本発明の様々な実施形態に関するが、本発明の他の実施形態及びさらなる実施形態が、本発明の基本的範囲から逸脱することなく考案され得る。本発明の範囲は下記の請求項によって決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
25%圧縮力撓み(CFD)に対する20℃での弾性率(E’)の比率が25〜125である粘弾性フォーム。
【請求項2】
ASTM D−3574の試験Gによって測定されるときのエアーフローが2scfm超の、請求項1に記載のフォーム。
【請求項3】
0.3超のtanδを0℃〜40℃の温度範囲にわたって有する、請求項1又は2に記載のフォーム。
【請求項4】
前記ASTM D−3574−Hのボール反発試験に従って測定されるとき、最大でも20%のレジリエンスを示す、請求項3に記載のフォーム。
【請求項5】
a1)100〜2000の間の平均当量重量と、2〜4の平均公称ヒドロキシ官能性とを有し30重量パーセント〜80重量パーセントの少なくとも1つのポリオキシプロピレンポリオール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール(但し、前記ポリオールがポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオールである場合、ポリオキシプロピレン含有量は前記ポリオールの少なくとも70重量%である);
a2)100〜1000の間の平均当量重量と、2〜4の平均公称ヒドロキシ官能性とを有し5重量パーセント〜50重量パーセントのポリオキシエチレンポリオール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール(但し、前記ポリオールがポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオールである場合、前記ポリオキシエチレン含有量は前記ポリオールの少なくとも70重量%である);及び、
a3)当量重量2250〜6000を有するポリブタジエンであって、
1重量%〜20重量%の、平均当量重量が500以上であるモノオール若しくはモノオールのブレンド混合物(ここで前記モノオール若しくはモノオールのブレンド混合物はポリオキシアルキレンを60重量%超含み、アルキレンオキシドは4個以上の炭素原子を含有する)、又は
官能性が2〜4であり当量重量が500〜3000であるポリオキシアルキレンポリオール、(ここで、アルキレンオキシドは、4個以上の炭素原子を有するアルキレンオキシドを、60重量%超含有する)、
又はそれらの組合せ
を含むポリオール組成物。
【請求項6】
前記ポリオールa1)が、200〜700の当量重量を有するポリオールa1a)と、700超の当量重量を有するポリオールa1b)との2つの別個のポリオールを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
a1a)及びa1b)に基づく前記ポリオキシプロピレン含有量が少なくとも75重量パーセントである、請求項5又は請求項6に記載のポリオール組成物。
【請求項8】
a1a)及びa1b)に基づくポリオキシプロピレン含有量が少なくとも85重量パーセントである、請求項7に記載のポリオール組成物。
【請求項9】
成分a30が、4個〜20個の炭素原子を有するアルキレンオキシドに由来するモノオールであり、かつ、前記モノオールが1,000ダルトン〜7,000ダルトンの分子量を有する、請求項5から8のいずれか一項に記載のポリオール組成物。
【請求項10】
成分a3)が、2200〜5500の当量重量を有するポリブタジエンである、請求項5から8のいずれか一項に記載のポリオール組成物。
【請求項11】
粘弾性ポリウレタンフォームを調製するための反応システムであって、
a)請求項5から10のいずれか一項に記載されるポリオール組成物、
b)ポリイソシアナート組成物、
c)a)の総重量に基づいて0.5重量%〜3.5重量%の水、
及び、場合により、d)それ自体は公知である添加物及び補助物
を含み、
前記イソシアナートインデックスが70〜115である、反応システム。
【請求項12】
前記ポリイソシアナートがTDIの2,4−異性体及び2,6−異性体のブレンド混合物である、請求項11に記載の反応システム。
【請求項13】
前記ポリイソシアナートが、2.1超のイソシアナート基の数平均官能性を有し、かつ、重量に基づいて主として、前記MDIシリーズの1つ又はそれ以上のポリイソシアナートからなる、請求項11に記載の反応システム。
【請求項14】
前記組成物がさらに、e)前記反応混合物のブローオフ時間を低下させるために十分な量の添加物を含み、
前記添加物が、
1)カルボン酸のアルカリ金属塩又は遷移金属塩、
2)1,3,5−トリスアルキル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物又は1,3,5−トリス(N,N−ジアルキルアミノアルキル)−ヘキサヒドロ−s−トリアジン化合物、及び
3)第四級アンモニウム化合物のカルボキシラート塩
からなる群より選択され、
前記添加物が前記反応混合物の少なくとも1つの他の成分に溶解される、請求項11から13のいずれか一項に記載の反応システム。
【請求項15】
請求項11から14のいずれか一項に記載される前記反応システムから製造される粘弾性ポリウレタン材。
【請求項16】
ASTM D−3574−Hのボール反発試験に従って測定されるとき、最大でも15%のレジリエンスを示す、請求項15に記載の粘弾性ポリウレタンフォーム。
【請求項17】
粘弾性ポリウレタンフォームを調製するための方法であって、
A)少なくとも、
a)請求項6から14のいずれか一項に記載される前記ポリオール組成物を含むイソシアナート反応性成分、
b)少なくとも1つのポリイソシアナート、
c)a)の0.5重量パーセント〜3.5重量パーセントの量での水、及び
d)必要に応じて使用される、それ自体は公知である添加物及び補助物
を含む反応混合物を形成する工程;及び
B)粘弾性ポリウレタンフォームを形成するために、反応混合物を膨張及び硬化させるために十分な条件に供する工程を含む、方法。
【請求項18】
多数の三次元の気泡を含む構造物であって、それぞれの気泡が、内部の空隙を規定する外側壁を含み、但し、前記壁は多数の支柱及び窓を含み、前記支柱により、前記多数の窓のための境界が形成され、前記支柱には、多数の細孔が存在する、構造物。
【請求項19】
前記窓の50%超が開いている、請求項18に記載の構造物。
【請求項20】
前記細孔が90μm未満の幅を有する、請求項18又は19に記載の構造物。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−528726(P2011−528726A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518871(P2011−518871)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/050649
【国際公開番号】WO2010/009205
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】