説明

気象画像解析装置およびその方法、並びにプログラム

【課題】気象衛星の画像データを用いて竜巻、突風等の気象異常状態の発生を的確に検出可能な気象画像解析装置およびその方法、並びにプログラムを提供する。
【解決手段】気象衛星による気象画像データを解析する気象画像解析装置10は、地形データに取得した気象画像データを載せ、気象画像データを複数の明度値を設定することによりこの設定値より明度の低い気象画像データを削除してスキャン処理を行い、気象異常の有無を、明度差を利用した明度の変化として表出させることが可能な処理部17を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竜巻、突風等の気象異常状態の発生を検出可能な気象画像解析装置およびその方法、並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
気象衛星の画像は、地形データに重ね合わせて用いられるが、地形データに対応したいずれの位置に雲が存在するのか、また、台風級の大きな勢力の低気圧に伴う雲の流れや台風の目の存在、気圧配置等を確認することができる。
【0003】
このような、気象衛星の画像データは、所定時間ごと(現在は30分ごと)に更新され、天気予報や台風の進路予想等に使用されている。
【0004】
気象衛星の画像としては、可視画像と赤外線画像がある。赤外線画像は温度観測により、雲頂の高度を見積もり、可視画像とは異なる。ただし、夜間の観測も可能である。
【0005】
【非特許文献1】国土地理院:数値地図250mメッシュ(標高)、平成9年7月
【非特許文献2】杉本智彦:カシミール3D,実業之日本社,Dec,2003.
【非特許文献3】世界を見渡す3Dソフトウェア,http://earth.google.co.jp
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述したように、気象衛星の画像は、地形データに対応した雲の位置や、大きな勢力の低気圧に伴う雲の流れや台風の目の存在を確認することができるが、竜巻、突風等の気象異常状態の発生は、その画像の特質から確認、あるいは予測することが極めて困難である。
【0007】
気象衛星の画像を3次元表示することにより、解明の糸口を得ることができる可能性があるものと考えられる。
しかしながら、たとえば大きな勢力の台風を含む気象衛星の可視画像は、九州や四国の全体を覆うような厚い雲が存在する場合、明度が高く明度差が少ないため、3次元表示をすることは困難である。
【0008】
3次元表示がより明確な赤外線画像を利用することも可能であるが、地形データに比べて、気象データはそのピクセル数が少なく粗いために、現状では気象異常状態の発生検出に用いることは難しい。
【0009】
本発明は、気象衛星の画像データを用いて竜巻、突風等の気象異常状態の発生を的確に検出可能な気象画像解析装置およびその方法、並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点は、気象衛星による気象画像データを解析する気象画像解析装置であって、地形画像データに取得した気象画像データを載せ、当該気象画像データを複数の明度値を設定することにより当該設定値より明度の低い気象画像データを削除してスキャン処理を行い、気象異常の有無を明度差を利用した明度の変化として表出させることが可能な処理部を有する。
【0011】
好適には、前記処理部は、取得した前記気象画像データのデータ間を線形補間してデータ数を増やす処理を行う。
【0012】
好適には、前記処理部は、高速フーリエ変換によりフーリエ級数近似曲線を作成し、前記気象画像データの量を増やす。
【0013】
好適には、前記処理部は、前記気象画像データ中の明度の高い少なくとも経線、緯線、地形境界線を削除して、当該線の周辺の雲または隣り合う明度に置き換えて画像に修正して3次元的に表出させる。
【0014】
好適には、前記処理部は、前記地形画像データから海域と湖とを示すデータを削除して3次元的に表出させる。
【0015】
好適には、前記処理部は、気象画像データを地形画像データ上に載せ、当該画像上をウォークスルーしたときの所定時刻の画像を表示可能である。
【0016】
本発明の第2の観点は、気象衛星による気象画像データを解析する気象画像解析方法であって、前記地形画像データに取得した気象画像データを載せ、当該気象画像データを複数の明度値を設定することにより当該設定値より明度の低い気象画像データを削除してスキャン処理を行い、気象異常の有無を、明度差を利用した明度の変化として表出する。
【0017】
本発明の第3の観点は、気象衛星による気象画像データを解析する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、地形画像データに取得した気象画像データを載せ、当該気象画像データを複数の明度値を設定することにより当該設定値より明度の低い気象画像データを削除してスキャン処理を行い、気象異常の有無を、明度差を利用した明度の変化として表出させる処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、気象衛星の画像データを用いて竜巻、突風等の気象異常状態の発生を的確に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る気象画像解析装置(気象異常検出装置)の構成例を示すブロック図である。
【0021】
本気象画像解析装置(気象異常検出装置)10は、図1に示すように、地形データ記憶部11、気象画像データ提供部12、気象画像データ取得部13、記憶部14、操作部15、表示部16、および処理部17を主構成要素として有している。
【0022】
地形データ記憶部11は、5mから1kmメッシュまで種々の数値地図として国土地理院から公開(たとえば非特許文献1参照)されている地形データのうち、たとえば1kmメッシュの地形データを記憶する。
地形データ記憶部11は、たとえばCDROM等の記憶媒体として形成され、処理部17によりアクセス可能な図示しない光記録再生装置等にセットされ、処理部17により記憶データが読み出される。
この読み出される地形データの数値データは、地形標高の他に標高0mの海域は−9999、湖は00000で表示されように形成されている。
【0023】
気象画像データ提供部12は、気象衛星を通して撮像された気象画像データを記憶するデータベースとして形成され、気象画像データ取得部13を介して取得可能に構成されている。
気象画像データ提供部12は、気象衛星を通して赤外線画像あるいは可視画像として撮像され、30分ごとに更新され、所定期間のデータが蓄積される。
【0024】
気象画像データ取得部13は、処理部17による気象画像データ取得の指示に応答して、気象画像データ提供部12にデータ要求等の送受によるネゴシエーション(データの交換手続)等を行って気象画像データを取得する。
気象画像データ取得部13により取得された気象画像データは、記憶部14に格納される。
【0025】
記憶部14は、処理部17のメインプログラムや気象画像の解析プログラム、計算プログラム等を記憶する。
また、記憶部14は、画像解析のために取得した気象画像データ、地形データ、あるいは解析処理中のデータ等が一時的にあるいは保存データとして記憶される。
記憶部14は、処理部17によりアクセスされ、データが読み出されたり、書き込まれたりする。
【0026】
操作部15は、キーボードやマウス等により構成され、処理部17において、所望のプログラムを実行するためのコマンドや設定値を入力し、処理部17に指示するために使用される。
【0027】
表示部16は、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示パネル(LDC)等の各種表示装置により構成され、表示部16のモニタ部には、取得した画像解析のために取得した気象画像データ、地形データ、解析処理のデータ、解析結果が表示される。
また、表示部16のモニタ部には、処理部17への処理の指示のためのGUI(Graphical User Interface)画面が表示される。
【0028】
処理部17は、解析装置10全体の各部の制御を行う。
処理部17は、操作部15の操作入力に応答して気象画像解析のため、地形データ記憶部11による地形データの取得、気象画像データ取得部13を通しての気象画像データの取得、取得データの記憶部14への格納処理、読み出し処理を行う。
さらに、処理部17は、以下に詳述するような、取得したデータのモディファイ処理、合成処理、気象画像データの複数の明度値をしきい値としたスキャン処理等を行って、気象画像データの解析処理を行い、取得した画像解析のために取得した気象画像データ、地形データ、解析処理のデータ、解析結果等の表示部16への3次元表示制御等を行う。
【0029】
以下、本実施形態に係る気象画像データの解析処理について、処理部17の処理を中心に、図面に関連付けて説明する。
【0030】
まず、処理部17の処理の大略を説明する。
【0031】
<処理の概略>
最近、地形データの3次元表示が数多く試みられている(非特許文献2、あるいは非特許文献3参照)。
その地形データは5mから1kmメッシュまで種々の数値地図として国土地理院から公開(前述の非特許文献1)されている。
本実施形態においては、1kmメッシュを用いて地形を3次元表示する。この数値データは地形標高の他に標高0mの海域は−9999、湖は00000で表示されている。まず、これらの海域と湖を地形データから削除して3次元表示する。海域と湖を省くことで地形の表示がより明確になり、画像表示時間も短縮できる。
【0032】
次に、本実施形態においては、気象衛星ひまわりの気象画像データを地形データ上に載せて、その明度差を利用して3次元表示する。その際、明度の低いデータを削除して表示する。これにより、明度の高い厚い雲等が表示可能になる。なお、画像の明度は、0〜255の256の値をとることが可能であり、明度値255に近いほど画像は白く表示され、明度値0に近いほど画像は黒く表示される。
また、地形画像データと気象画像データの同じ領域において、地形画像データに比べて、気象画像データはそのピクセル数が少なく粗いために、後で詳述するように、データ間を線形補間して高速フーリエ変換によりフーリエ級数近似曲線を作成し、そのデータ数を増やす処理を行う。
【0033】
以下の処理部17における気象画像データの解析処理のより具体的な処理について、順を追って説明する。
なお、ここでは、2006年9月の台風13号について17日11時から23時の間の九州地形上の気象画像データを解析し、地形上のその変動について考察する。
【0034】
<地形データの海域と湖の削除>
上述したように、1kmメッシュの数値地図は地形標高の他に標高0mの海域は−9999、湖は00000で表示されている。その行列数は80×80で、そのユニットを連結して求める地形が表示できる。
ここでは、そのユニットを連結して九州の地形データの行列を作成する。地形標高データを3次元表示するために、そのデータをDXF(Drawing Interchange File)変換して3次元CADで読み込み、地形メッシュを作成する。
その際、湖と海域の標高0m以下のメッシュを削除する。
【0035】
図2(A),(B)は地形データのメッシュにその番号と節点番号、さらに座標値を付加した例を示す図であって、図2(A)はメッシュの削除前を示し、図2(B)はメッシュの削除後を示している。
【0036】
地形データは、図2(A)に示すように、メッシュにその番号と節点番号、さらに座標値を付加したものである。その後、標高0の節点を含むメッシュ、たとえば、図2(A)で番号6,7,10,11のメッシュを削除する。
図2(B)に示すように、削除されたメッシュ番号を除いて、メッシュを通し番号に並べ替え、その座標値を入れ替える。さらに節点番号を通し番号に並べ替える。
これにより、節点番号が1から昇順に付加されてDXF変換が可能になる。
【0037】
図3(A),(B)は、海域と湖の削除前後の九州の地形画像を示す図であって、図3(A)が海域と湖の削除前の画像を示す図であり、図3(B)が海域と湖の削除後の画像を示す図である。
図4は、海域と湖の削除後の九州の3次元表示画像を示す図である。
【0038】
図3および図4は、行列数80×80のユニットを5行4列連結したもので、海域と湖のメッシュ削除前と削除後の表示である。
カラー表示を行う場合、たとえば標高の低所から高所の順に、青から赤色の順で着色して表示することが可能である。
【0039】
<気象画像データの3次元表示>
図5(A),(B)は、経線、緯線の削除前後の赤外線画像を示す図であって、図5(A)が経線、緯線の削除前の画像を示す図であり、図5(B)が経線、緯線の削除後の画像を示す図である。
気象衛星の画像には雲画像の他に、明度の高い経線、緯線、地形境界線などが含まれているので、それらの線を削除して雲の明度のみを表示する必要がある。
そのため、図5(A),(B)に示すように、それらの線の周辺の雲または隣り合う明度に置き換えて、余計なデータを削除した画像に修正する。
また、気象衛星の画像は可視画像と赤外線画像がある。赤外線画像は温度観測により、雲頂の高度を見積もり、可視画像とは異なる。ただし、夜間の観測も可能である。
【0040】
2006年9月の台風13号はその勢力が強く、最低気圧は919hPa(16日3〜9時)で、その勢力はあまり衰えずに950hPa(17日18時)で九州北部へ上陸した。その可視画像は九州全体を覆い明度差が少ないため、明度差を利用した3次元表示ができない。
そこで、ここでは3次元表示がより明確な赤外線画像を利用する。そして、図5(B)に示すように、経線、緯線の削除後の赤外線画像を利用する。
【0041】
また、地形と気象画像の同じ領域において、地形データに比べて、気象画像データはそのピクセル数が少なく表示が粗くなる。
そこで、本実施形態においては、データ間を線形補間して高速フーリエ変換によりフーリエ級数近似曲線を作成し、データ数を増やして表示する。
【0042】
次に、地形データの海域と湖の削除と同様に、明度の低い気象画像データを削除して表示する。
これにより、明度の高い厚い雲等が表示可能になる。
図6は線形補間前後の赤外線画像の3次元表示例である。
【0043】
図6(A),(B)は、線形補間前後の赤外線画像表示を示す図であって、図6(A)が画像のピクセル数の少ない線形補間前(76行62列)の赤外線画像を示す図であり、図6(B)が線形補間後(3倍,60%)の赤外線画像を示した図である。なお、図6(A),(B)は、明度値230以下を削除して表示した画像を示している。
図6(A),(B)に示すように、ピクセル数の少ない線形補間前の画像を線形補間すると、線形補間後の画像はその3倍(級数の項数60%)のピクセル数で、細密で滑らかな曲面になっている。
【0044】
本実施形態においては、気象画像データを線形補間し、たとえば等間隔にサンプリングされている離散画像データ群、あるいは、不等間隔にサンプリングされている離散画像データ群を元にして、データ数が画像データ群のデータ数の所定倍の回帰用データを生成し、この回帰用データを、項数が画像データ群のデータ数よりも小さいフーリエ級数に回帰させて元の画像データ群を近似する。その結果、近似により得られたデータ群の各データは滑らかに変化するようになり、かつ、近似の精度が向上する。
【0045】
すなわち、本実施形態においては、画像データ群をフーリエ級数に回帰させることによる近似を行う。
離散データ群をフーリエ級数へ回帰させる手法について、以下に簡単に説明する。
【0046】
フーリエ級数を用いると、回帰曲線により再現しようとする離散データ群の曲線を、三角関数を用いて1つの式によって表現することができる。
等間隔にN個のデータがサンプリングされる関数x(t)をフーリエ級数で表わすとすると、A,A,A,…,AおよびB,B,B,…,Bを適宜決められる定数としたとき、x(t)=A+Acost+Acos2t+…+Acoskt+…+B+Bsint+Bsin2t+…+Bsinkt+…として表わすことができる。
上式をまとめると下記式(1)のようになる。
【0047】
【数1】

【0048】
式(1)において、Δtがサンプリング間隔を示し、NΔtが関数x(t)の継続区間を示している。
式(1)はkについて0から無限大まで総和している無限級数であるが、k=N/2までで打ち切ると、下記式(2)で表わされる有限三角級数となる。
【0049】
【数2】

【0050】
上式(2)によって表わされる関数を、サンプリング間隔ΔtでサンプリングされたN個のサンプル値x(m=0,1,2,…,N−1)を通るような関数に直すと、各サンプル値xは以下の式(3)のように表わすことができる。
【0051】
【数3】

【0052】
上式(3)における係数A、Bはそれぞれ下記式(4)、(5)で表わすことができる。
【0053】
【数4】

【0054】
上式(3)で表わされる関数は、各サンプル値xを全て正確に通過する。したがって、上式(3)を用いれば、画像データ群をフーリエ級数に回帰させて、近似曲線を得ることができる。
【0055】
ただし、式(3)の関数をそのまま用いて画像データ群を全て通過するように回帰させると、フーリエ級数に回帰させて得られた近似曲線は図7(A)に示すグラフGDC1のように細かい増減を繰返す曲線となってしまう。
フーリエ級数近似後のデータの値が細かく増減することを防止して滑らかな近似曲線が得られるようにするために、本実施形態においては、式(3)の関数の項数、すなわち係数A、Bの数を、ステップST1において得られた画像データ群のデータ数よりも小さい所定の数にして画像データ群をフーリエ級数に回帰させる。
【0056】
フーリエ級数の項数の数については、画像データ群のデータ数の約数十%程度にすることが、等高線等の特定のためには好ましい。
画像データ群のデータ数が少な過ぎると、十分な近似精度が得られなくなるほど項数pの数が少なくなる。したがって、必要な近似精度にもよるが、項数pを増加してある程度の近似精度を確保するために、元となる画像データ群のデータ数もある程度必要である。画像データ群のデータ数が多いほど近似精度が良くなる。
【0057】
項数pが少なくなるほど、式(3)の関数の計算時間は短くなり、得られる近似曲線は滑らかになる傾向にある。
ただし、項数pが少なくなると画像データ群の後ろの部分において近似値との間の誤差が大きくなってくる。そこで、近似の精度を高めるために、本実施形態においては画像データ群に付加的な付加データ群を加えて、フーリエ級数に回帰させるデータ数を画像データ群の所定倍に増やす。
【0058】
処理部17は、フーリエ級数に回帰させるデータ数を増やすために、得られた画像データ群に加える付加データ群を生成する。
フーリエ級数は周期関数であるため、この性質を利用して近似の精度を高めるために、付加データ群は、その個々のデータが、その大きさについて画像データ群の最後のデータを中心として画像データ群の各々のデータの大きさに対称となるように配列されたデータ群として生成する。
本実施形態においては、付加データ群の個々のデータを破線により繋いだグラフGDC1’が、図7(A)に示すように画像データ群のグラフGDC1の最後の点を通る縦線に対してグラフGDC1に線対称になるように付加データ群を生成する。
グラフGDC1’がグラフGDC1の最後の点を中心としてグラフGDC1に点対称になるように付加データ群を生成してもよいが、近似精度向上の観点からは、図7(A)に示すようにグラフが線対称となるようなデータを付加データ群とすることが好ましい。
【0059】
以上のように、画像データ群の最後のデータに対称となるように配列した付加データ群を画像データ群に付加することより、式(3)におけるサンプル値の数をN個ではなくαN個とすることができる。αN個となったデータ群を、回帰用データ群と呼ぶ。
ここで、係数αは、データ数を増やすという観点から自然数とする。特に、フーリエ級数の周期的性質を利用して近似の精度を向上させるという観点からは、係数αを偶数とすることが好ましい。係数αを偶数(たとえば2)とすれば、元の画像データ群の全てのデータが、画像データ群の最後のデータを中心として対称な大きさを持つデータとして全て用いられるためである。
ただし、データ数を増やすという観点からは、係数αを正の小数とすることもできる。
係数αを2以上にして最初のN個のデータの2倍以上のデータ数にするためには、最初の画像データ群に基づいて生成した回帰用データ群を第1のデータ群と考え、このデータ群の最後のデータを中心として対称となるように新たなデータ群を生成すればよい。
【0060】
以上のように生成して得た回帰用データ群を、処理部17がフーリエ級数に回帰させる。
【0061】
回帰用データ群をフーリエ級数に回帰させて得られる近似曲線のグラフFGDC1を図7(B)に示す。図7(B)の横軸は図7(A)と同じ測定軸MAL上の基準位置Aからの距離[mm]を表わしており、縦軸は輝度の大きさを表わしている。
回帰用データ群をフーリエ級数に回帰させると回帰用データ群全体についての近似曲線を得ることができるが、等色線の位置特定のためには測定軸MAL上の画像データ群に関する解析結果のみが必要であるため、図7(B)には元の画像データ群に関する部分の近似曲線のグラフFGDC1のみを示している。
【0062】
グラフFGDC1から明らかなように、項数pをある程度小さくしてフーリエ級数に回帰させることにより、各データの値は滑らかに変化するようになる。
また、付加データ群を含めて数が増えたデータを用いて回帰させているため、フーリエ級数への近似後の各データは滑らかに変化しつつも元の画像データ群との誤差は小さくなり、近似の精度が向上している。
元の画像データ群を用いることにより、生成した回帰用データ群が周期的なデータになるほど、近似の精度は向上すると考えられる。ただし、得られる近似曲線の滑らかさと近似の精度は、画像データ群の変化の特性や項数p、回帰用データ群のデータ数等のパラメータの組み合わせにより複雑に変化し、一概に決まるものではない。
【0063】
そして、このようにして得られたフーリエ近似曲線による輝度値をDXF変換して3次元のメッシュ画像として表示させた。なお、3次元のメッシュ画像の表示にはArchiCAD7(グラフィクソフト社)等を使用することが可能であるが、他の3次元表示ソフトを使用しても構わない。
【0064】
次に、地形画像と気象画像の3次元表示について説明する。
【0065】
<地形画像と気象画像の3次元表示>
気象画像の基点として日本地形の区域では、東経130度、北緯30度、東経140度、北緯30度、東経130度、北緯40度および東経140度、北緯40度の4交点が利用可能である。
図8は、気象画像の基点として日本地形の区域での4交点を示す図である。
処理部17は、この交点を基点として地形画像と気象画像を一致させて両画像を表示部16に表示させる。
九州の地形ではその交点の東経130度、北緯30度を基点として利用する。また、地形データに対して気象データを約1.7倍拡大して大きさを地形と一致させている。
【0066】
図9は、2006年9月の台風13号の進路を示す図である。また、図10は台風13号の進路に並行したウォークスルーの経路を示す図である。
図9および図10に示すように、台風13号の進路に並行して地形上空をウォークスルーする。図10は、11時からスタートして23時までの間のその軌跡を示している。図10における折れ線FLの各時刻間で30分〜1時間刻みに3〜4枚の気象画像を表示する。
【0067】
図11〜図14は、図10のウォークスルーの折れ線FLに沿った11時、14時、16時、および18時の気象画像を示す図である。
図11は11時の鹿児島上空で厚い雲がまばらに生じている画像を示している。
図12は14時の熊本上空の気象画像を示し、この時間帯に延岡では竜巻が発生している。
図13は、16時の長崎上空の気象画像を示し、厚い雲に覆われている。
図14は、佐世保上陸時刻(18時)で、左上の上空で濃い色(たとえば青色)の厚い雲が表示されている。これについては後述する。
【0068】
<延岡の竜巻発生時刻の画像解析>
竜巻発生時刻14時頃の気象画像について、延岡地域の画像について詳細に考察する。
図15(A−1)〜(C−2)は、13時30分、14時および14時30分の竜巻発生時刻近辺の気象画像とその経線削除後の各気象画像を示す図である。図15(A−1)は13時30分における竜巻発生時刻前の気象画像を示し、図15(A−2)は経線等を削除後の画像を示す図である。図15(B−1)は14時における竜巻発生時刻の気象画像を示し、図15(B−2)は経線等を削除後の画像を示す図である。図15(C−1)は14時30分における竜巻発生時刻後の気象画像を示し、図15(C−2)は経線等を削除後の画像を示す図である。
図15(A−2),(B−2),(C−2)において、黒点左下が基点である。
【0069】
図6(A),(B)は、明度値230以下を削除して表示した画像を示していたが、ここではその明度値を変更して表示する。
【0070】
図16は明度値150以下を削除して表示した画像を示す図であり、図17は明度値160以下を削除して表示した画像を示す図である。
図16は、14時の延岡地域平面で明度値150以下を削除した表示であるが、削除された領域がこの地域で全く無い。同様に、図17は明度値160以下を削除した表示であり、延岡地域海岸でわずかに削除領域が生じている。
【0071】
図18は、右端の延岡市街地を通過する九州東西断面について13時の3次元画像からその平面と断面を表示した図である。図18において、矢印は断面の視線方向示す。
図18は、明度値180以下の雲画像を削除したもので延岡地域が削除されている。東西断面の最低明度値は170である。東西断面で明度値の顕著な変化は生じていない。
【0072】
図19は、右端の延岡市街地を通過する九州東西断面について13時30分の3次元画像からその平面と断面を表示した図である。図18において、矢印は断面の視線方向示す。
図19は、明度値170以下の雲画像を削除したもので延岡海岸地域が削除されている。東西断面の最低明度値は150である。その最低値周辺の最高値との明度差は80である。東西断面で明度値の顕著な変化がこの地域の海域に生じている。この時刻の海域上で竜巻の発生が予想される。
【0073】
図20は、右端の延岡市街地を通過する九州東西断面について14時の3次元画像からその平面と断面を表示した図である。図20において、矢印は断面の視線を2方向について示す。
図20においては、平面は明度値170以下の雲画像を削除したものである。
この図20を図19と比較すると、明度値をしきい値とした削除位置が海側から陸地へと移動している。
【0074】
図21は、竜巻の延岡市街地移動経路を示す図である。図21において、白抜きの矢印は南延岡駅付近で竜巻の移動方向を示す。
図21からわかるように、東西断面の最低明度値は延岡市街地域で生じており、その値は150である。約30kmの範囲で、明度値の急激な変化がこの地域に生じている。同様に南北断面についても最低明度値は延岡市街地域で生じている。
この雲の下で図22(アメリカで発生した竜巻(noaa撮影、竜巻−Wikipedia_htm.eml)に示すような竜巻が生じているものと推察され、14時頃に藤田スケールのF2(5069m/s)の竜巻が生じている。
【0075】
図23は、右端の延岡市街地を通過する九州東西断面について14時30分の3次元画像からその平面と断面を表示した図である。図23において、矢印は断面の視線方向示す。
図23は、平面は明度値170以下の雲画像を削除したものである。
この図23と図20と比較すると、削除位置が延岡市街地域から北部へ既に離れた状態である。東西断面で、明度値の顕著な変化がこの地域に生じている。
【0076】
以上の説明では、2006年9月の台風13号について17日11時から23時の間の九州地形上の気象画像データを解析し、地形上のその変動について考察した。
この気象画像データの解析は、同様の気象状態時の解析にも適用することが可能である。
たとえば2006年11月7日13時24分頃北海道佐呂間町で発生した竜巻について気象画像を解析し、地形上でのその変動についても同様に適用することが可能である。
【0077】
図24(A)〜(C)は、13時、13時30分、14時の北海道佐呂間町の竜巻発生時刻近辺の気象画像とその経線削除後の各気象画像を示す図である。図24(A)は13時における竜巻発生時刻前の気象画像を示し、図24(B)は13時30分における竜巻発生時刻の気象画像を示し、図24(C)は14時における竜巻発生時刻後の気象画像を示している。
【0078】
図24(A)〜(C)において、Aで示す位置が北海道佐呂間町の位置である。
たとえば図24(B)に示すように、明度値が高い第1領域(比較的に白い領域)Bに隣接して明度値が低い第2領域(第1領域より黒っぽく表示される領域)Cがある場合には、第1領域Bの陸地に高い領域から第2領域Cの雲を後追いするように、図22に示すような、竜巻が存在し、移動していくものと推察される。
図24(B)では佐呂間町の北東よりの海域に明度値が低い第2領域(第1領域より黒っぽく表示される領域)Cが存在し、第2領域Cに隣接して陸地の佐呂間町を含む明度値が高い第1領域(比較的に白い領域)Bが存在していることから、佐呂間町側から海域の第2領域の明度値の低い雲を後追いするように竜巻が移動していったものと推察することが可能である。
その最低値周辺の最高値との明度差は120である。そして、延岡の場合と同様に、図16〜図23に関連付けて説明した複数の明度値をしきい値とするスキャン処理を行うことにより、竜巻の発生を検出することができる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、たとえば1kmメッシュを用い、海域と湖を地形データから削除して3次元表示し、気象衛星ひまわりの気象画像データを取得しデータ間を線形補間して高速フーリエ変換によりフーリエ級数近似曲線を作成し、そのデータ数を増やす処理を行い、この気象画像データを地形データ上に載せて、その明度差を利用して3次元表示することから以下の効果を得ることができる。
【0080】
すなわち、国土地理院の地形データから海域と湖を削除して3次元表示することで地形の表示がより明確になり、画像表示時間も短縮できる。
気象衛星ひまわりの画像データを地形上に載せて、その明度差を利用して3次元表示するに際、明度の低いデータを削除して表示することにより明度の高い厚い雲等が表示可能になる。
地形と気象データの同じ領域において、地形データに比べて、気象データはそのピクセル数が少なく粗いために、データ間を線形補間して高速フーリエ変換によりフーリエ級数近似曲線を作成し、そのデータ数を増やことから、細密で滑らかな曲面表示が可能である。
また、気象画像データを地形上に載せて、この画像上をウォークスルーすることにより、気象画像の変動と地形との関連について詳細な観察が可能である。
【0081】
また、具体的な処理例として、2006年9月の台風13号について17日11時から23時の間の九州地形上の気象画像を解析し、地形上のその変動について検討した。延岡地域平面とその市街地を通過する九州東西、南北断面について3次元画像からその断面を表示した。14時のその画像の最低明度値は延岡地域で生じて、明度値の最も急激な変化がこの地域に生じていた。また、14時ごろに藤田スケールのF2(5069m/s)の竜巻が生じている。明度値の変化と風向を時系列で追って、その急激な変化を検討することで、竜巻の発生が予想される。
今後、正確な竜巻発生時刻の画像が得られれば、さらに明度値の低いその急激な変化の画像が得られると思われる。また、ドップラーレーダー等により、狭領域の詳細な画像が得られれば、より正確な解析が可能になる。
【0082】
本発明の実施例として、さらに酒田市の突風発生の解析について述べる。
2005年12月25日に酒田市庄内町のJR羽越本線の北余目駅〜砂越駅間で突風による列車脱線事故が発生した。突風発生時刻19時14分頃の気象画像について、酒田市庄内町地域を詳細に検討する。
17時00分から19時30分の間の各時刻の気象画像を図25(A)〜(F)に示す。酒田市沖で、画像に明度の変化が生じている。
【0083】
図26は酒田市付近を拡大した画像で、左右は経線等を削除前後の画像である。気象画像と地形との対応位置として、2個の基点を↑で示す。
【0084】
図27〜32は酒田市付近の地形上に各時刻の気象画像を載せた画像である。その平面(上)と断面で、↑は視線方向を示す。
図27は17時00分の表示で平面は明度値120以下を削除した画像である。削除されたA点付近の断面の明度値の最低は103、最高は162で、その明度差は59である。ここで、最高は最低値周辺の最高値を北南西東の順に求めて平均した。その値は144、162、143、198である。
同様に、図28は17時30分の表示でA点付近の明度差は55である。
図29は18時00分の表示でA点付近の明度差は43で、陸地に近い。
図30は18時30分の表示でA点付近の明度差は71である。東西断面(中央)と南北断面(下)を示す。海上で明度差が大きくなっている。
図31は19時00分の表示でA点付近の明度差は46である。約60kmの範囲で、明度値の急激な変化がこの地域に生じている。この時刻の14分後に藤田スケールでF1の突風が生じている。
図32は19時30分の表示でA点付近の明度差は33である。19時と比較すると明度差は小さい。
図33は19時00分の3D表示でA地域を表示している。図33は南西から北東方向の視線である。A地域は地形の海岸上にある。
【0085】
以上の通り、明度値の急激な変化が生じている部分の明度差から規模に応じた突風を検出することができることが判った。
【0086】
なお、以上詳細に説明した方法は、上記手順に応じたプログラムとして形成し、CPU等のコンピュータで実行するように構成することも可能である。
また、このようなプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等の記録媒体、この記録媒体をセットしたコンピュータによりアクセスし上記プログラムを実行するように構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態に係る気象画像解析装置(気象異常検出装置)の構成例を示すブロック図である。
【図2】地形データのメッシュにその番号と節点番号、さらに座標値を付加した例を示す図であって、(A)はメッシュの削除前を示す図であり、(B)はメッシュの削除後を示す図である。
【図3】海域と湖の削除前後の九州の地形画像を示す図であって、(A)が海域と湖の削除前の画像を示す図であり、(B)が海域と湖の削除後の画像を示す図である。
【図4】海域と湖の削除後の九州の3次元表示画像を示す図である。
【図5】経線、緯線の削除前後の赤外線画像を示す図であって、(A)が経線、緯線の削除前の画像を示す図であり、(B)が経線、緯線の削除後の画像を示す図である。
【図6】線形補間前後の赤外線画像表示を示す図であって、(A)が画像のピクセル数の少ない線形補間前(76行62列)の赤外線画像を示す図であり、(B)が線形補間後(3倍,60%)の赤外線画像を示した図である。
【図7】画像データ群を示すグラフであり、(A)はフーリエ級数に回帰させるデータ群のグラフであり、(B)は(A)に示すデータ群をフーリエ級数に回帰させて得られる近似曲線のグラフである。
【図8】気象画像の基点として日本地形の区域での4交点を示す図である。
【図9】2006年9月の台風13号の進路を示す図である。
【図10】図10は台風13号の進路に並行したウォークスルーの経路を示す図である。
【図11】図10のウォークスルーの折れ線FLに沿った11時の鹿児島上空の気象画像を示す図である。
【図12】図10のウォークスルーの折れ線FLに沿った14時の熊本上空の気象画像を示す図である。
【図13】図10のウォークスルーの折れ線FLに沿った16時の長崎上空の気象画像を示す図である。
【図14】図10のウォークスルーの折れ線FLに沿った18時の佐世保上空の気象画像を示す図である。
【図15】13時30分、14時および14時30分の竜巻発生時刻近辺の気象画像とその経線削除後の各気象画像を示す図であって、(A−1)は13時30分における竜巻発生時刻前の気象画像を示す図であり、(A−2)は経線等を削除後の画像を示す図であり、(B−1)は14時における竜巻発生時刻の気象画像を示す図であり、(B−2)は経線等を削除後の画像を示す図であり、(C−1)は14時30分における竜巻発生時刻後の気象画像を示す図であり、(C−2)は経線等を削除後の画像を示す図である。
【図16】明度値150以下を削除して表示した画像を示す図である。
【図17】明度値160以下を削除して表示した画像を示す図である。
【図18】右端の延岡市街地を通過する九州東西断面について13時の3次元画像からその平面と断面を表示した図である。
【図19】右端の延岡市街地を通過する九州東西断面について13時30分の3次元画像からその平面と断面を表示した図である。
【図20】右端の延岡市街地を通過する九州東西断面について14時の3次元画像からその平面と断面を表示した図である。
【図21】竜巻の延岡市街地移動経路を示す図である。
【図22】雲の下で発生した竜巻の画像を示す図である。
【図23】右端の延岡市街地を通過する九州東西断面について14時30分の3次元画像からその平面と断面を表示した図である。
【図24】13時、13時30分、14時の北海道佐呂間町の竜巻発生時刻近辺の気象画像とその経線削除後の各気象画像を示す図であって、(A)は13時における竜巻発生時刻前の気象画像を示す図であり、(B)は13時30分における竜巻発生時刻の気象画像を示す図であり、(C)は14時における竜巻発生時刻後の気象画像を示す図である。
【図25】17時00分から19時30分の間の各時刻の気象画像を示す図である。
【図26】酒田市付近を拡大した画像で、右は経線等を削除後の画像を示す図である。
【図27】17時00分の表示で平面は明度値120以下を削除した画像を示す図である。
【図28】17時30分の表示でA点付近の明度差は55の画像を示す図である。
【図29】18時00分の表示でA点付近の明度差は43で、陸地に近い画像を示す図である。
【図30】18時30分の表示でA点付近の明度差は71の画像を示す図である。
【図31】19時00分の表示でA点付近の明度差は46の画像を示す図である。
【図32】19時30分の表示でA点付近の明度差は33の画像を示す図である。
【図33】19時00分の3D表示でA地域を表示している画像を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
10・・・気象画像解析装置(気象異常検出装置)、11・・・地形データ記憶部、12・・・気象画像データ提供部、13・・・気象画像データ取得部、14・・・記憶部、15・・・操作部、16・・・表示部、17・・・処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気象衛星による気象画像データを解析する気象画像解析装置であって、
地形画像データに取得した気象画像データを載せ、当該気象画像データを複数の明度値を設定することにより当該設定値より明度の低い気象画像データを削除してスキャン処理を行い、気象異常の有無を明度差を利用した明度の変化として表出させることが可能な処理部
を有する気象画像解析装置。
【請求項2】
前記処理部は、
取得した前記気象画像データのデータ間を線形補間してデータ数を増やす処理を行う
請求項1記載の気象画像解析装置。
【請求項3】
前記処理部は、
高速フーリエ変換によりフーリエ級数近似曲線を作成し、前記気象画像データの量を増やす
請求項2記載の気象画像解析装置。
【請求項4】
前記処理部は、
前記気象画像データ中の明度の高い少なくとも経線、緯線、地形境界線を削除して、当該線の周辺の雲または隣り合う明度に置き換えて画像に修正して3次元的に表出させる
請求項1から3のいずれか一に記載の気象画像解析装置。
【請求項5】
前記処理部は、
前記地形画像データから海域と湖とを示すデータを削除して3次元的に表出させる
請求項1から4のいずれか一に記載の気象画像解析装置。
【請求項6】
前記処理部は、
気象画像データを地形画像データ上に載せ、当該画像上をウォークスルーしたときの所定時刻の画像を表示可能である
請求項1記載の気象画像解析装置。
【請求項7】
気象衛星による気象画像データを解析する気象画像解析方法であって、
前記地形画像データに取得した気象画像データを載せ、
当該気象画像データを複数の明度値を設定することにより当該設定値より明度の低い気象画像データを削除してスキャン処理を行い、
気象異常の有無を、明度差を利用した明度の変化として表出する
気象画像解析方法。
【請求項8】
地形画像データに比べてピクセル数の少ない気象画像データのデータ間を線形補間し高速フーリエ変換によりフーリエ級数近似曲線を作成し、前記気象画像データの量を増やす
請求項7記載の気象画像解析方法。
【請求項9】
前記気象画像データ中の明度の高い少なくとも経線、緯線、地形境界線を削除して、当該線の周辺の雲または隣り合う明度に置き換えて画像に修正して3次元的に表出する
請求項7または8記載の気象画像解析方法。
【請求項10】
前記地形画像データから海域と湖とを示すデータを削除して3次元的に表出する
請求項7から9のいずれか一に記載の気象画像解析方法。
【請求項11】
気象衛星による気象画像データを解析する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
地形画像データに取得した気象画像データを載せ、当該気象画像データを複数の明度値を設定することにより当該設定値より明度の低い気象画像データを削除してスキャン処理を行い、気象異常の有無を、明度差を利用した明度の変化として表出させる処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
前記地形画像データに比べてピクセル数の少ない気象画像データのデータ間を線形補間し高速フーリエ変換によりフーリエ級数近似曲線を作成し、前記気象画像データの量を増やす処理をコンピュータに実行させる
請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記気象画像データ中の明度の高い少なくとも経線、緯線、地形境界線を削除して、当該線の周辺の雲または隣り合う明度に置き換えて画像に修正して3次元的に表出する処理をコンピュータに実行させる
請求項11または12記載のプログラム。
【請求項14】
前記地形画像データから海域と湖とを示すデータを削除して3次元的に表出する処理をコンピュータに実行させる
請求項11から13のいずれか一に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2008−210389(P2008−210389A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−45226(P2008−45226)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(800000080)タマティーエルオー株式会社 (255)
【Fターム(参考)】