説明

水上構造物の基礎構造

【課題】十分な強度を有する安価な水上構造物の基礎構造を提供すること。
【解決手段】海底地盤4に構築した基礎上に洋上風力発電装置WTを支持する水上構造物の基礎構造であって、海底地盤4に埋設されて支持対象となる洋上風力発電装置WTの自重による鉛直力を受け持つ基礎本体11と、該基礎本体11から海底に向けて斜めに連結された斜材12と、該斜材12の先端部に設けられて海底地盤4上に載置される斜材反力板13とを具備して構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば海洋や湖沼のような水上に設置される風力発電装置等の水上構造物を支持するため水底地盤に構築される水上構造物の基礎構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素の排出量を削減するなど環境問題の観点から、風力発電設備の設置が増加する傾向にある。しかし、風力発電の既実績が多い欧州と比較した場合、日本国内では風況のよい陸地が限定されている。従って、国内の風力発電量を増大させるためには、陸地に比して風況のよい洋上への展開が必至の状況にある。
しかしながら、風力発電装置を洋上に設置する洋上風力発電装置の場合、陸上に設置する風力発電装置と大きく異なるのは、タワー及び風車本体が水中に構築した基礎上に支持されることである。このため、陸上とは異なる基礎構造に加えて、水中工事専用の施工方法や施工機械が必要になる。
【0003】
上述した洋上風力発電装置の代表的な基礎構造としては、たとえばデンマーク等において実績のあるモノパイル式がある。図8は、従来のモノパイル式基礎構造を採用した洋上風力発電装置WTを示しており、タワー1の上部に風車2及びナセル3が設置された構成とされる。この場合、タワー1の下部は、海底地盤4に打ち込んで構築したモノパイル式基礎5に支持されている。(たとえば、特許文献1参照)
また、洋上風力発電装置WTを浮体上に設置し、海底に固定する水中基礎を不要とした洋上風力発電の浮体式基礎構造物が提案されている。(たとえば、特許文献2参照)
【特許文献1】特開2003−293938号公報
【特許文献2】特開2003−252288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術のモノパイル式は、欧州と比較して気象条件(台風等の有無)や地理的条件(地震等の有無)が厳しい国内事情を考慮すると、非常に脆弱な構造になると考えられる。
具体的に説明すると、台風等の暴風時やレベル2の地震(過去に受けたことのある地震動のうち最強と考えられるもの及び将来において受けることが考えられる最強の地震動のことであり、阪神大震災クラスの地震)により外力を受けた場合、モノパイル式基礎の基部(海底面上)に大きな曲げモーメントが作用する。従って、欧州と比較してかなり厳しい入力条件となる日本国内において、モノパイル式の基礎構造が成立するような強度を得るためには断面積が重要となり、既存の施工機械(たとえば、起重機船や杭打ち船等)では取り扱いできないような大口径の鋼管及び高強度鋼が必要となる。
【0005】
すなわち、大口径の鋼管を取り扱って施工可能な特殊専用施工機械を新たに開発する必要が生じ、さらに、大口径の鋼管や高強度鋼のように高価な材料が必要となるため、モノパイル式基礎は非常に高コストな基礎構造になるという問題を有している。
このような背景から、国内の厳しい気象条件や地理的条件でも十分な強度を確保でき、大口径の鋼管を取り扱うような特殊な専用施工機械を必要としないなど、安価に施工できる水上構造物の基礎構造が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、十分な強度を有する安価な水上構造物の基礎構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る水上構造物の基礎構造は、水底地盤に構築した基礎上に構造物を支持する水上構造物の基礎構造であって、水底地盤に埋設されて支持対象となる構造体の自重による鉛直力を受け持つ基礎本体と、該基礎本体から水底に向けて斜めに連結された斜材と、該斜材の先端部に設けられて水底地盤上に載置される斜材反力板とを具備して構成したことを特徴とするものである。
【0007】
このような水中構造物の基礎構造によれば、水底地盤に埋設されて、好適には水底地盤に対し鉛直方向に打ち込むように埋設されて、支持対象となる構造体の自重による鉛直力を受け持つ基礎本体と、該基礎本体から水底に向けて斜めに連結された斜材と、該斜材の先端部に設けられて水底地盤上に載置される斜材反力板とを具備して構成したので、基礎本体が比較的小さい鉛直力により発生する応力を負担し、かつ、曲げモーメント等を受けて発生する斜材の圧縮力及び引張力に対しては、斜材反力板に作用する地盤の面圧及び流体力効果(水圧)により水平方向及び鉛直方向の抵抗力を生じさせ、斜材の圧縮応力及び引張応力により暴風や地震等に起因する水平力に耐えることができる。ここに、斜材反力板へ作用する流体力は、反力板が海底面と接しているため、通常の流体中において作用する流体力に比して大きくなる。
【0008】
上記の発明においては、前記斜材に外力エネルギ吸収手段を設けることが好ましく、これにより、暴風時や地震時等に大きな水平力の外力が発生すると外力エネルギー吸収手段がエネルギー吸収するため、斜材等の基礎構造体が破壊するのを防止できる。
なお、この場合の外力エネルギ吸収手段の具体例としては、履歴型ブレースと呼ばれている制振部材の他、たとえば海水ダンパーのように、斜材軸方向の相対運動を減衰板に作用する海水等の水圧で吸収するように構成されたダンパー部材が有効である。
【0009】
上記の発明においては、前記斜材反力板と前記水底地盤との間に減衰材を敷設することが好ましく、これにより、減衰材の接着性や粘着性等が斜材反力板に作用し、異常時における構造全体の応答を低減することができる。また、減衰材の接着性や粘着性により水平方向及び鉛直方向の抵抗力が増すので、引張方向における斜材の抵抗力増加についても期待することができる。
【0010】
上記の発明においては、前記斜材反力板を埋設することが好ましく、これにより、斜材反力板には水圧に加えて埋設に用いられた土砂等の重量が付加されるので、斜材の引張力に対する抵抗力をより一層増すことができる。また、水中の斜材反力板が受ける洗掘等の影響を低減することもできる。
【0011】
上記の発明においては、前記斜材反力板が前記基礎本体にも固定支持された一体化構造であることが好ましく、これにより、斜材反力板の面積が増すので、斜材反力板を介して作用する地盤の面圧及び流体力効果(水圧)による抵抗力を増加させることができる。
【発明の効果】
【0012】
上述した本発明によれば、水底地盤に埋設されて支持対象となる構造体の自重による鉛直力を受け持つ基礎本体は、比較的小さな鉛直力により発生する応力を負担すればよいので、基礎本体自体の断面積を小さくすることが可能となる。このため、日本の特殊事情(暴風や地震等)を考慮した場合でも、従来のモノパイル式と比較して鋼管径を大幅に低減した基礎本体及び斜材反力板を備えた斜材により十分な強度を得ることができる。
従って、大口径鋼管等を取り扱う施工が可能な特殊杭打ち船等の施工機械を新たに開発する必要がなく、低コストで十分な強度を得られる水中構造物の基礎構造を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る水上構造物の基礎構造の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す第1の実施形態には、水上構造物の一例として洋上に設置された洋上風力発電装置WTが示されている。この洋上風力発電装置WTは、タワー1の上部に風車2及びナセル3が設置され、タワー1の下端部は海水中の海底地盤4に構築した基礎となる基礎構造体10に支持されている。なお、ナセル3の内部には、風力で回転する風車2の軸と連結された図示省略の増速機や発電機等が収納設置されている。
【0014】
海底地盤4に構築されて洋上風力発電装置を支持する基礎構造体10は、海底地盤4に対し鉛直に打ち込むように埋設されて洋上風力発電装置(支持対象とな構造体)WTの自重による鉛直力を受け持つ基礎本体11と、基礎本体11から海底に向けて斜めに連結された複数(図示の例では3本)の斜材12と、斜材12の各先端部に設けられて海底地盤4上に載置される斜材反力板13とを具備した構成とされる。
【0015】
基礎本体11は柱状の杭構造体であり、たとえばモノパイル式基礎のように、鉛直鋼管杭を海底基板4に打ち込むなどして構築される。海底地盤4から海水中に突出する基礎本体11の適所には、周方向に等ピッチの放射状となるよう配置した円形断面形状等の斜材12が所定の角度で下向きに連結されている。この斜材12は中空または中実の柱状部材であり、上端部が基礎本体11の途中に連結され、かつ、下端部が斜材反力板13を介して海底基板4に支持されている。
斜材反力板13は、斜材12の海底地盤4側に取付けられた板材であり、海底地盤4に固定されることなく密着して反力の面圧を受けるように構成されている。このため、斜材反力板13については、反力の面圧を小さく設定するため、面積を大きくすることが望ましい。
【0016】
このように構成された基礎構造体10は、基礎本体11が洋上風力発電装置WTの自重による鉛直力のみを負担するものであるから、その応力自体は曲げモーメントが作用する場合と比較して設計上さほど大きな値になることはない。このため、基礎本体11の断面積については、上述した従来技術のモノパイル式基礎と比較してかなり小さくすることができる。すなわち、従来のモノパイル式基礎のように、曲げモーメントの作用を考慮する必要がなくなるため、基礎本体11となる鋼管等の径については既存の杭打ち船で十分に施工できる程度まで小さくすることが可能になる。
【0017】
また、暴風時や地震時等に水平力が発生すると、基礎本体11に連結された斜材12には圧縮応力及び引張応力が作用する。
斜材12に圧縮応力が作用した場合、この圧縮応力は、斜材12の下端部に取付けられて海底地盤4に密着する斜材反力板13を介して、海底地盤4を圧縮(押圧)する力となる。このような圧縮力は海底地盤4に面圧となって作用するが、海底地盤4の地耐力が面圧の反力となって抵抗する。
また、斜材12に引張応力が作用した場合、この引張応力は、斜材12の下端部に取付けられて海底地盤4に密着する斜板反力板13を引き上げ、海底地盤4から引き離す方向の引張力となる。このような引張力に対し、斜材反力板13の上面には水深に応じた海水の圧力が下向きに作用するので、海底地盤4から引き離されるのを阻止する抵抗力が発生する。
【0018】
すなわち、上述した基礎構造体10は、斜材12に作用する圧縮応力に対しては海底地盤4の面圧で抵抗し、斜材12に作用する引張応力に対しては斜材反力板13が受ける水圧で抵抗することにより、基礎本体11の負担を洋上風力発電装置WTの自重による鉛直力のみに軽減し、暴風時や地震時等の設計条件でも十分な強度を確保し、かつ、基礎本体11の断面積を低減して低コスト化を可能にしたものである。
ところで、基礎本体11と斜材12との連結位置は、洋上風力発電装置WTの機種や大きさ等により異なる固有振動数を考慮した最適位置を選択すればよい。また、斜材12の数や太さなどについても、洋上風力発電装置WT側の諸条件(機種や大きさ等)や暴風及び地震等の設計条件に応じた最適値を適宜選択すればよい。
【0019】
続いて、本発明の第2の実施形態を図2ないし図4に示して説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態の基礎構造体10Aは、上述した各斜材12の途中に、地震等の大きな外力を吸収する外力エネルギ吸収手段を設けた構成が異なっている。このうち、図2に示す外力エネルギ吸収手段は、「履歴型ブレース」と呼ばれるダンパーブレース20である。このダンパーブレース20は、エネルギを吸収するダンパー部を部材両端に備え、その間を中間材で連結した構成の制振用筋違材のことであり、両端座屈拘束ダンパー型制振ブレースとも呼ばれている制振部材である。このようなダンパーブレース20を備えた斜材12は、地震等の大きな外力が作用した場合、ダンパーブレース20がエネルギ吸収を行って基礎構造体10Aの破壊を免れる構造となる。
【0020】
また、図3に示す第2の実施形態の変形例では、外力エネルギ吸収手段となるダンパーブレース20に代えて、各斜材12の途中に海水ダンパー30が設けられた基礎構造体10Bとされる。なお、図4の海水ダンパー30は、図中の左側が通常の結合状態を示し、右側が異常入力を受けて分離した状態を示している。
海水ダンパー30は、たとえば図4に示すように、斜材12を二分割して嵌合構造とした接合部31において、軸材32A,32Bの両端部にそれぞれ減衰板33が対向して固着されている。また、軸材32A,32Bの嵌合構造は、たとえば一方の軸材32Aに設けた中空の挿入穴34に対し、他方となる軸材31Bの先端から突出させた挿入軸部35を挿入して嵌合させた構成とされる。挿入穴34及び挿入軸部35の軸方向長さは、想定される地震等により発生する外力のエネルギ吸収を行う際、互いに分離しないで往復移動可能なストロークが確保されている。
【0021】
図示の例では、減衰板33が貫通孔33aを有するドーナツ形状とされ、減衰板33の裏面側が補強材36を介して軸材32A,32Bに固定支持されている。また、地震等の大きな外力が作用しない通常の状態では、接合部31の減衰板33は周囲の海水から水圧を受けて密着している。
このように構成された海水ダンパー30は、地震等の外力を受けて斜材12に大きな引張応力が作用すると、周囲の海水から減衰材33の面に作用する水圧に抗して接合部31で対向する減衰板33が分離する。このとき、水圧に抗して減衰板33が相対移動することによりエネルギ吸収がなされるので、基礎本体10の破壊を免れることができる。すなわち、上述した海水ダンパー30は、地震等の外力を受けることにより減衰板33が相対運動し、対向する減衰板33の隙間に海水が回り込む際に生じる抗力抵抗を減衰力として利用するように構成されたものである。
なお、図示の例では、減衰板33をドーナツ形状としたが、水圧の受圧面積を増すため円盤形状としてもよい。
【0022】
続いて、本発明の第3の実施形態を図5に示して説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態の基礎構造体10Cは、各斜材反力板13と海底地盤4との間に減衰材14を敷設した構成とされる。この場合の減衰材14は、たとえばセメントとアスファルトとを混合した粘弾性土建材料等が採用され、同材料が有する粘性及び接着性により水平方向及び鉛直方向の抵抗力を増し、特に、斜材12の引張力に対する抵抗力の増加が期待できる。
このように、各斜材反力板13と海底地盤4との間に減衰材14を敷設することで、基礎構造体10Cにおける構造系全体の減衰性能を向上させ、大きな地震入力等が作用した異常時の応答を低減することができる。
【0023】
続いて、本発明の第4の実施形態を図6に示して説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態の基礎構造体10Dは、斜材反力板13を埋設した構成とされる。図示の例では、斜材反力板13の上面に被り土15を被せ、全面を覆うことにより埋設した構成とされる。このような構成とすれば、斜材反力板13が海水中に露出した場合と比較し、海流に起因した洗掘等の影響を低減して信頼性を向上させることができる。また、斜材反力板13の上面を覆う被り土15は、その重量増加分が水圧に付加されて下向きに作用するので、斜材12の引張力に対する抵抗力をより一層増すことができる。
【0024】
最後に、本発明の第5の実施形態を図7に示して説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態の基礎構造体10Eは、基礎本体11にも固定支持された一体化構造の斜材反力板13Aを設けた構成とされる。このような構成とすれば、斜材反力板13Aの受圧面積が増加することにより、海水から受ける水圧により鉛直方向下向きに作用する押圧力が増す。さらに、斜材反力板13Aの重量も増加するので、この重量増加によっても鉛直方向下向きの押圧力を増すことができる。
この結果、斜材反力板13Aは、水圧に起因する流体力効果及び自重増により、引張力に対する抵抗力を増すことができる。また、斜材反力板13Aの面積が増すことで、圧縮力に対する海底地盤4の面圧による抵抗力も向上する。
【0025】
このように、本発明の水中構造物の基礎構造では、海底地盤4に対し鉛直に打ち込むように埋設され、支持対象となる洋上風力発電装置WTの自重による鉛直力を受け持つ基礎本体11は、比較的小さな鉛直力により発生する応力のみを負担すればよく、従って、基礎本体11の断面積を小さく設定することが可能になる。このため、暴風や地震等を考慮した強度を確保する場合でも、従来のモノパイル式基礎と比較して鋼管径を大幅に低減した断面積の小さい基礎本体11とし、斜材反力板13を備えた斜材12の補強により十分な強度を得ることができる。すなわち、大口径の鋼管を取り扱って施工可能な特殊杭打ち船等の施工機械を新たに開発する必要がなく、低コストで十分な強度を得られる水中構造物の基礎構造を提供することが可能となる。
【0026】
また、上述した各実施形態は、互いの特徴的な構成を組み合わせることも可能である。具体例をあげると、たとえば図2に示した第2の実施形態に、図5に示した第3の実施形態の減衰材14を敷設する構成を追加したり、さらに、図6に示した第4の実施形態の被り土15を追加して斜材反力板13を埋設構造にする構成など、種々の実施態様が可能である。
また、上述した実施形態においては、支持対象となる構造体が海洋に設置される洋上風力発電装置WTであったが、本発明による水中構造物の基礎構造は、海洋に限定されることはなく、たとえば湖沼や河川等の水中に設置される風力発電装置の他、水中に設置されるタワー及び類似の構造を有する構造体にも適用可能である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明に係る水上構造物の基礎構造は、上述した洋上風力発電装置の他にも、たとえば橋梁等のように重量が大きい構造体を支持する水中支持脚の基礎構造にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態として水上構造物の基礎構造を示す要部断面斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態として水上構造物の基礎構造を示す要部断面斜視図である。
【図3】図2に示した第2の実施形態の変形例として水上構造物の基礎構造を示す要部断面斜視図である。
【図4】図3に示した海水ダンパーの構成及び動作の説明図である。
【図5】本発明の第3の実施形態として水上構造物の基礎構造を示す要部断面斜視図である。
【図6】本発明の第4の実施形態として水上構造物の基礎構造を示す要部断面斜視図である。
【図7】本発明の第5の実施形態として水上構造物の基礎構造を示す要部断面斜視図である。
【図8】従来例としてモノパイル式基礎を用いた洋上風力発電装置の基礎構造を示す要部断面斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1 タワー
2 風車
3 ナセル
4 海底地盤
10,10A〜10E 基礎構造体(基礎)
11 基礎本体
12 斜材
13,13A 斜材反力板
14 減衰材
15 被り土
20 ダンパーブレース(外力エネルギ吸収手段)
30 海水ダンパ(外力エネルギ吸収手段)
WT 洋上風力発電装置(支持対象となる構造体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水底地盤に構築した基礎上に構造物を支持する水上構造物の基礎構造であって、
水底地盤に埋設されて支持対象となる構造体の自重による鉛直力を受け持つ基礎本体と、該基礎本体から水底に向けて斜めに連結された斜材と、該斜材の先端部に設けられて水底地盤上に載置される斜材反力板とを具備して構成したことを特徴とする水上構造物の基礎構造。
【請求項2】
前記斜材に外力エネルギ吸収手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の水上構造物の基礎構造。
【請求項3】
前記斜材反力板と前記水底地盤との間に減衰材を敷設したことを特徴とする請求項1または2に記載の水上構造物の基礎構造。
【請求項4】
前記斜材外力板を埋設したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水上構造物の基礎構造。
【請求項5】
前記斜材反力板が前記基礎本体にも固定支持された一体化構造であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の水上構造物の基礎構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−92406(P2007−92406A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−283692(P2005−283692)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(506122246)三菱重工橋梁エンジニアリング株式会社 (111)
【Fターム(参考)】