説明

水中撮影用光学系及び防水カメラハウジング

【課題】、水中撮影用のハウジングの窓ガラスを球面状とすることにより、空気中と水中とを同時に撮影した場合に空気中と水中での画角を一致させることができるにした水中撮影用光学系及び防水カメラハウジングを提供する。
【解決手段】防水カメラハウジング12の窓ガラス20の前面50と後面52を同心球の球面とし、それらの球心位置Qを、ハウジング12内部の撮影レンズ28の入射瞳位置Sに一致させる。これによって、撮影レンズ28によって撮像面まで導かれる光線が窓ガラス20で屈折しないようにし、空気中と水中での画角を一致させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中撮影用光学系及び防水カメラハウジングに係り、特に水中撮影に使用される水中撮影用光学系及び防水カメラハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
水中撮影を行う場合、一般にテレビカメラ等のカメラ装置を防水カメラハウジング(水中ブリンプ)に収納し、カメラ装置が浸水しないようにしている(例えば特許文献1参照)。防水カメラハウジングには一般に窓が設けられており、ハウジング内部に収納されたカメラ装置はその窓を介して外部の映像を撮影することができるようになっている。
【0003】
また、特許文献2、3、4には、空気中と水中とを問わず高い結像性能を奏する水陸両用カメラの光学系が提案されている。
【特許文献1】特開2003−69864号公報
【特許文献2】特開昭56−14211号公報
【特許文献3】特開平7−159687号公報
【特許文献4】特開平7−159689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで防水カメラハウジングは通常水中で使用されるが、映像表現上の効果を出す目的で、ハウジングの窓の一部を空気中に出して水中と空気中とを同時に撮影する場合がある。その場合に水中の屈折率は空気中よりも大きいため、窓に設置されるガラスの形状が例えば平行平面板の場合には水中の画角の方が空気中よりも狭くなる。そのため、例えば空気中から水中に垂直且つ平行に配置された2本の棒を撮影したとすると、その平行に配置された棒の間隔が空気中と水中とで異なり各棒の輪郭が水面で不連続となる。このような輪郭のずれは映像表現上極めて不自然となるおそれがある。従来では、空気中と水中の被写体を同時に撮影する場合に空気中と水中での画角を一致させることについては提案されていない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、空気中と水中の被写体を同時に撮影する場合に空気中と水中での画角を一致させることができる水中撮影用光学系及び防水カメラハウジングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の水中撮影用光学系は、被写体の像を結像する水中撮影用光学系の構成要素のうち、対物側先端に配置され、水中撮影の際に前面側で前記水中撮影用光学系内への水の浸入を防止する防水用レンズであって、該防水用レンズの前面と後面とが球面状に形成されると共に、該防水用レンズの前面及び後面の球心と、前記水中撮影用光学系の構成要素のうち該防水用レンズ以外の構成要素による光学系の入射瞳位置とが一致するように配置された防水用レンズを備えたことを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、水中撮影用光学系に入射して結像される光線は、防水用レンズと略垂直の角度で交差するため、防水用レンズで屈折しない。従って、空気中と水中の被写体を同時に撮影した場合に空気中と水中での画角が一致し、本来連続する被写体の輪郭が水面でずれるというような不自然さが防止される。
【0008】
請求項2に記載の防水カメラハウジングは、請求項1に記載の防水用レンズを備えた防水カメラハウジングであって、前記水中撮影用光学系の構成要素のうち前記防水用レンズ以外の構成要素による光学系を備えたカメラ装置を密閉状態で収納すると共に、該光学系の対物側に外部の被写体を臨む窓部材として前記防水用レンズを備えたことを特徴としている。
【0009】
本発明は、カメラ装置を密閉状態に収納する防水カメラハウジングの窓部材を水中撮影用光学系の対物側先端の防水用レンズとしたもので、その防水用レンズの前面と後面とを同心球形状とすると共にそれらの球心をカメラ装置の光学系の入射瞳位置に一致させるようにしている。
【0010】
請求項3に記載の防止カメラハウジングは、請求項2に記載の発明において、前記防水用レンズと前記カメラ装置とを前記水中撮影用光学系の光軸に沿って相対的に前後動させることによって、前記防水用レンズと前記カメラ装置との相対的な位置を調整する調整機構を備えたことを特徴としている。
【0011】
本発明では、防水カメラハウジングに収納するカメラ装置の種類等に応じて、窓部材である防水用レンズとカメラ装置との相対的な位置を調整できるようにし、防水用レンズの球心をカメラ装置の光学系の入射瞳位置に精度良く一致させることを可能にしている。
【0012】
請求項4に記載の防水カメラハウジングは、請求項3に記載の発明において、前記調整機構によって前記防水用レンズと前記カメラ装置とを前記水中撮影用光学系の光軸に沿って相対的に前後動させるための動力を与える駆動手段と、前記水中撮影用光学系の構成要素のうち前記防水用レンズ以外の構成要素による光学系の入射瞳位置が該光学系の設定状態によって変化する場合に、該光学系の設定状態に基づいて前記駆動手段を制御し、前記防水用レンズの前面及び後面の球心と、前記入射瞳位置とが一致するように前記防水用レンズと前記カメラ装置との相対的な位置を制御する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
本発明は、カメラ装置の光学系の入射瞳位置が変化する場合に、その入射瞳位置と防水用レンズの球心とを自動で一致させるようにしている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る水中撮影装置によれば、空気中と水中の被写体を同時に撮影する場合に空気中と水中での画角を一致させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面に従って本発明に係る水中撮影用光学系及び水中カメラハウジングの好ましい実施の形態について詳説する。
【0016】
図1は、本発明が適用された水中撮影装置の構成を示した構成図である。同図に示す水中撮影装置10は、主に防水カメラハウジング12(以下、ハウジング12という)と、ハウジング12内に収納されるテレビカメラ14とから構成されている。
【0017】
ハウジング12は、内部を密閉すると共に水中での水圧に耐えられるようになっており、主としてハウジング本体16とハウジング蓋18とから構成されている。ハウジング本体16は、円筒状に形成されており、前端側に内部から外部を臨む窓用の開口22が円状に形成され、後端側にテレビカメラ14を挿脱する開口24が円状に形成されている。前端側の開口22には詳細を後述する球面状の窓ガラス20がネジなどによって取り付けられており、その開口22から内部への水の浸入が防止されている。ハウジング本体16の後端にはハウジング蓋18が着脱可能にネジによって取り付けられるようになっており、ハウジング蓋18をハウジング本体16に取り付けると、後端側の開口24がハウジング蓋18によってふさがれると共に、ハウジング12内部が密閉され、水中で使用した際にハウジング12内部への水の浸入が防止される。
【0018】
ハウジング12内部に収納されるテレビカメラ14は例えばテレビ放送用の映像を撮影するカメラ装置であり、テレビカメラ14は、レンズ交換可能なカメラ本体(カメラヘッド)26と、光学系を備えた撮影レンズ(レンズ装置)28とから構成されている。
【0019】
カメラ本体26には、撮像素子や所要の信号処理を施す信号処理回路等が搭載されており、撮影レンズ28の光学系により結像された被写体像が撮像素子により光電変換された後、信号処理回路により所要形式の映像信号に変換されてカメラ本体26から出力される。
【0020】
撮影レンズ28は、被写体の像を結像する光学系と光学系を電動で制御する制御系(図示せず)とから構成されている。同図に示す撮影レンズ28の光学系は、可変焦点距離のいわゆるズームレンズであり、鏡胴に保持された光学系の構成要素が簡易的に示されている。
【0021】
同図に示すように光学系には、対物側から順に、固定のフォーカスレンズ群32と、可動のフォーカスレンズ群34と、変倍系レンズ群と補正系レンズ群からなるズームレンズ群36と、絞り38と、マスターレンズ群40等が配置されている。可動のフォーカスレンズ群34は光軸Pに沿って前後動するようになっており、フォーカスレンズ群34の位置を調整することによってピント調整が行われる。ズームレンズ群36は、変倍系レンズ群と補正系レンズ群が所定の位置関係で連動して光軸Pに沿って前後動するようになっており、ズームレンズ群36の位置を調整することによってズーム倍率(焦点距離)の調整が行われる。絞り38は開閉動作し、絞り38の開口量を調整することによって光量調整が行われる。
【0022】
撮影レンズ28の図示しない制御系は、これらのフォーカスレンズ群34、ズームレンズ群36、絞り38をモータによって電動で駆動制御することができるように構成されている。
【0023】
以上の如く構成されたテレビカメラ14は、ハウジング蓋18を取り外した状態でハウジング本体16の開口24から内部に挿入され、撮影レンズ28の光学系の対物側がハウジング本体16の窓ガラス20に対向するようにしてハウジング本体16内部に設置される。そして、ハウジング蓋18によってハウジング本体16の開口24が閉じられると、テレビカメラ14がハウジング12内部に密閉された状態で収納される。これによって、テレビカメラ14が水中でも浸水することなく、窓ガラス20を介してハウジング12外部の映像を撮影できるようになっている。
【0024】
また、テレビカメラ14は、撮影レンズ28の光学系の光軸Pがハウジング本体16の球面状の窓ガラス20の中心軸(回転対称軸)と一致するようにハウジング本体16の内部に固定される。従って、窓ガラス20と撮影レンズ28の光学系とによって、ハウジング12外部の被写体を結像する光学系(水中撮影用光学系)が構成される。即ち、窓ガラス20は、ハウジング12外部の被写体を結像する水中撮影用光学系の対物側先端のレンズ(防水用レンズ)として作用している。
【0025】
尚、本明細書において、水中撮影用光学系とは水中でも使用できる光学系という意味であり、空気中(又は他の媒質中)での使用も当然可能である。
【0026】
また、図には示されていないが、ハウジング12の外面側には、内部に収納されたテレビカメラ14のカメラ本体26や撮影レンズ28の制御に関する各種スイッチや、カメラ本体26から出力された映像信号をハウジング12の外部の機器に伝送するコネクタ等が設けられ、それらのスイッチやコネクタ等をハウジング12内部のテレビカメラ14に電気的に接続する機構が設けられている。これによって、テレビカメラ14の操作やテレビカメラ14との必要な情報のやり取りをハウジング12を介してハウジング12外部から行うことができるようになっている。
【0027】
図2は、図1の窓ガラス20及び撮影レンズ28の光学系の対物側先端のレンズ42を拡大して示した図である。同図に示すようにハウジング12(ハウジング本体16)に固定された窓ガラス20の前面50と後面52は球面状に形成されている。その前面50と後面52は、球心が一致した同心球の球面となっており、図1のようにハウジング12内部にテレビカメラ14を設置すると、それらの前面50及び後面52の球心位置Q(以下、窓ガラス20の球心位置Qという)は、撮影レンズ28の光学系の光軸P上に配置される。また、窓ガラス20の球心位置Qが撮影レンズ28の入射瞳位置Sに一致する。
【0028】
従って、同図の光線λ1〜λ5に示すように窓ガラス20及び撮影レンズ28の光学系からなる水中撮影用光学系に入射してカメラ本体26の撮像面に入射する光線は、窓ガラス20の前面50と後面52のいずれにおいても略垂直に交差する。即ち、入射瞳位置Sの光軸P上の点に向かって入射する光線は窓ガラス20の前面50及び後面52と直交する。
【0029】
そのため、窓ガラス20の前面50側の媒質が水であっても空気であっても光線は窓ガラス20で屈折せず、窓ガラス20の前面50側の媒質にかかわらず水中撮影用光学系の画角が一定となる。そこで、例えば、窓ガラス20の一部を水中から空気中に出して水中と空気中とで連続する物体を同時に撮影するような場合であっても、その物体の輪郭が水と空気の境界でずれるというような不自然さが生じないようになっている。
【0030】
図3は、水中と空気中の物体を同時に撮影した場合の映像(画像)を例示した図である。例えば、同図(A)に示すようにプールサイドにはしご60が設置されており、そのはしご60には、水中と空気中とにわたって垂直方向の2本の棒60A、60Bがあるものとする。尚、符号62には水面を示している。上記ハウジング12の窓ガラス20の一部を水中から空気中に出してそのはしご60を水中と空気中とで同時に撮影したとする。従来のハウジングのように窓ガラスが平行平面板で形成されているとすると、その映像は同図(B)に示すように水中と空気中のはしご60の幅が水面62で不一致となり垂直の棒60A、60Bの輪郭が不連続となる。一方、図1、図2に示したようにハウジング12の窓ガラス20が球面状に同心球で形成されている場合には同図(C)に示すように水中と空気中のはしご60の幅が一致し、垂直の棒60A、60Bの輪郭も連続となる。従って、不自然さのない映像が得られる。
【0031】
尚、上記説明では撮影レンズ28の光学系における入射瞳位置が変化することに対する対応については示していない。例えば、撮影レンズ28の光学系の入射瞳位置が一定であれば、その入射瞳位置と窓ガラス20の球心位置とが一致するようにハウジング12内部にテレビカメラ14を固定すれば撮影中において水中と空気中の画角が不一致となることはない。
【0032】
一方、撮影レンズ28が図1に示したようなズームレンズの場合に、撮影中にフォーカス操作やズーム操作を行うと、フォーカスレンズ群34やズームレンズ群36の位置が変化し、入射瞳位置が変化する。このように撮影レンズ28の設定状態によって入射瞳位置が変化する場合には、ハウジング12内部でテレビカメラ14の位置を固定すると、窓ガラス20の球心位置と入射瞳位置が不一致になるおそれがある。しかしながら、実際の水中撮影の場合には、ズームはワイド端に固定され、フォーカスも至近端に固定されて使用されることが多いため、そのような設定状態において窓ガラス20の球心位置と入射瞳位置とが一致するようにハウジング12内部にテレビカメラ14を固定すれば多くの水中撮影において不具合は生じない。また、下記に示す実施の形態によっても対応することができる。
【0033】
次に、ハウジング12の窓ガラス20とハウジング12内部に収納されたテレビカメラ14との相対的な位置を調整する調整機構をハウジング12が備えた場合について説明する。撮影レンズ28(の光学系)の入射瞳位置が、撮影レンズ28の種類によって異なる場合や撮影レンズ28の設定状態によって変化する場合に、窓ガラス20とテレビカメラ14との相対的な位置(距離)を調整することによって窓ガラス20の球心位置と入射瞳位置とを精度良く一致させることができると効果的である。
【0034】
図4は、図1のハウジング12においてテレビカメラ14の位置を調整する調整機構を備えた場合の構成を示した構成図である。尚、図4では、図1に示したハウジング12や撮影レンズ28の光学系の構成は省略しているが、図1に示した構成要素については本実施の形態においても同様に備えている。また、図1と同一又は類似の構成要素には図1と同一符号を付しその説明を省略する。
【0035】
図4に示すテレビカメラ14は、台座80に固定された状態でハウジング12内部に収納されている。台座80は、ハウジング本体16(図1参照)の内部に前後方向(図中左右方向)に設置された図示しないガイドレールに係合し、ガイドレールに沿って前後方向に移動できるようになっている。また、台座80にはナット部82が設けられており、そのナット部82に送りネジ84が係合している。ハウジング本体16の内部にはモータ86が設置されており、そのモータ86によって送りネジ84が回動するようになっている。
【0036】
従って、モータ86が回動すると、送りネジ84とナット部82の作用によって台座80が前後方向に移動し、台座80に設置されたテレビカメラ14が台座80と共に前後方向に移動する。このようにテレビカメラ14が前後方向に移動することによってハウジング12の窓ガラス20とテレビカメラ14との相対的な位置が変更される。
【0037】
モータ86は、ハウジング本体16に搭載された制御回路90によって駆動制御されるようになっている。テレビカメラ14の位置をマニュアル調整できるようにする場合には、例えば、テレビカメラ14の移動方向を指定するスイッチ92をハウジング本体16の外面等に設置し、そのスイッチ92の操作を示す操作信号を制御回路90が読み取れるようにしておく。このとき、制御回路90はその操作信号に基づいてモータ86の回転方向等を制御し、スイッチ92によって指示された方向にテレビカメラ14を移動させるようにする。これによれば、操作者は、ハウジング12にテレビカメラ14を収納した状態で窓ガラス20の一部を水中から空気中に出して図3のような映像を撮影し、その映像において空気中から水中に跨がった物体の輪郭に水面でのずれが生じないようにスイッチ92を操作してテレビカメラ14の位置を調整したとする。このとき、窓ガラス20の球心位置と撮影レンズ28の入射瞳位置が一致し、水中と空気中での画角が一致したものとなる。
【0038】
一方、窓ガラス20の球心位置と撮影レンズ28の入射瞳位置とが一致するようにテレビカメラ14の位置を自動で調整できるようにする場合には、撮影レンズ28のフォーカスレンズ群34の位置やズームレンズ群36の位置のように入射瞳位置を変化させる要因となる撮影レンズ28の設定状態を撮影レンズ28の制御系94から制御回路90が読み取れるようにしておく。また、撮影レンズ28の設定状態に対応して撮影レンズ28の入射瞳位置と窓ガラス20の球心位置とを一致させるテレビカメラ14の位置を予め記憶させておく。制御回路90は、テレビカメラ14の現在位置を台座80に取り付けられた位置センサ96からの情報によって知ることができるようになっており、撮影レンズ28の制御系94から読み取った撮影レンズ28の設定状態が変化するごとに、その設定状態に対応する位置にテレビカメラ14が移動するようにモータ86を駆動する。これによって、窓ガラス20の球心位置と撮影レンズ28の入射瞳位置とが常に一致するようにテレビカメラ14の位置が自動で調整される。
【0039】
尚、テレビカメラ14の位置をマニュアル調整する場合にはテレビカメラ14をモータの動力で移動させるのではなく、手動力によって移動させるようにしてもよい。また、上記実施の形態のようにハウジング12に対してテレビカメラ14を移動させるのではなく、窓ガラス20の位置を移動させるようにしてもよいし、窓ガラス20とテレビカメラ14の両方を移動させるようにしてもよい。
【0040】
以上の実施の形態において、ハウジング12の窓ガラス20は、ガラスによって形成されたものであるが、他の材質で形成されたものであってもよい。
【0041】
また、上記実施の形態では、ハウジング12によりテレビカメラ14を防水する場合について説明したが、カメラ装置自体が防水構造となっている場合に、その光学系の対物側先端に上記実施の形態の窓ガラス20と同様のレンズを配置することによって上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
また、上記実施の形態ではカメラ装置としてテレビカメラを例示したが、他の種類のカメラ装置であっても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明が適用された水中撮影装置の構成を示した構成図である。
【図2】図2は、ハウジングの窓ガラス及び撮影レンズの光学系の対物側先端のレンズを拡大して示した図である。
【図3】図3は、水中と空気中の連続する物体を同時に撮影した場合の映像を例示した図である。
【図4】図4は、収納されたテレビカメラの位置を調整する調整機構を備えたハウジングの構成を示した構成図である。
【符号の説明】
【0044】
10…水中撮影装置、12…防水カメラハウジング(ハウジング)、14…テレビカメラ、16…ハウジング本体、18…ハウジング蓋、20…窓ガラス、22、24…開口、26…カメラ本体、28…撮影レンズ、34…フォーカスレンズ群、36…ズームレンズ群、38…絞り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の像を結像する水中撮影用光学系の構成要素のうち、対物側先端に配置され、水中撮影の際に前面側で前記水中撮影用光学系内への水の浸入を防止する防水用レンズであって、該防水用レンズの前面と後面とが球面状に形成されると共に、該防水用レンズの前面及び後面の球心と、前記水中撮影用光学系の構成要素のうち該防水用レンズ以外の構成要素による光学系の入射瞳位置とが一致するように配置された防水用レンズを備えたことを特徴とする水中撮影用光学系。
【請求項2】
請求項1に記載の防水用レンズを備えた防水カメラハウジングであって、前記水中撮影用光学系の構成要素のうち前記防水用レンズ以外の構成要素による光学系を備えたカメラ装置を密閉状態で収納すると共に、該光学系の対物側に外部の被写体を臨む窓部材として前記防水用レンズを備えたことを特徴とする防水カメラハウジング。
【請求項3】
前記防水用レンズと前記カメラ装置とを前記水中撮影用光学系の光軸に沿って相対的に前後動させることによって、前記防水用レンズと前記カメラ装置との相対的な位置を調整する調整機構を備えたことを特徴とする請求項2の防水カメラハウジング。
【請求項4】
前記調整機構によって前記防水用レンズと前記カメラ装置とを前記水中撮影用光学系の光軸に沿って相対的に前後動させるための動力を与える駆動手段と、
前記水中撮影用光学系の構成要素のうち前記防水用レンズ以外の構成要素による光学系の入射瞳位置が該光学系の設定状態によって変化する場合に、該光学系の設定状態に基づいて前記駆動手段を制御し、前記防水用レンズの前面及び後面の球心と、前記入射瞳位置とが一致するように前記防水用レンズと前記カメラ装置との相対的な位置を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項3の防水カメラハウジング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−47686(P2007−47686A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−234516(P2005−234516)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【出願人】(505306636)株式会社後藤アクアティックス (1)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】