説明

水中粒子化等のための断熱されたダイプレート

水中ペレット化および他の粒子化プロセスに使用される断熱されたダイプレートアセンブリは、ダイプレートアセンブリの加熱された上流部が下流部から断熱されるように、概してダイ面に平行なプレートアセンブリを横断して形成された薄い連続した空気チャンバを含む。空気チャンバを雰囲気に通気させることにより、空気チャンバは、雰囲気と平衡する。個別または群の複数の射出開口が、粒子化されるプロセス溶融物が通過できるように断熱チャンバを通して延伸する射出開口延長部に形成される。開口延長部および開口延長部の周りの空気チャンバを形成する構成要素は、特に、前記延長部に沿って熱を導いてその中のプロセス溶融物を所望の温度に維持し、ダイプレートアセンブリの剛性化を助け、空気チャンバをよりよく封止するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、水中ペレット化および他の加熱面粒子化および非流体粒子化を含む粒子化プロセスに使用する断熱されたダイプレートに関する。より具体的には、本発明は、断熱されたダイプレートアセンブリであって、ダイプレートアセンブリの上流部が同じアセンブリの下流部から断熱され、それによって、それぞれの部分が異なる温度であり得るように、プレートアセンブリを横断して形成された薄い連続エアポケットまたはチャンバを含むダイプレートアセンブリに関する。多数の射出開口は、個別またはグループで、ペレット化または粒子化される材料が通過できるように、断熱エアポケットまたはチャンバを通して突出する射出開口延長部を通して延伸する。
【背景技術】
【0002】
水中ペレット化装置およびそれに使用する以下の射出プロセスは、本発明の譲受人であるガラインダストリーズ社(「ガラ社」:Gala Industries, Inc.)によって長年実施されてきた。ペレット化ダイおよびダイプレートは、特に、例えば、米国特許第4123207号、4500271号、4621996号、4728276号、5059103号、5403176号、6824371号、7033152号、米国出願公開第20060165834号および20070254059号、DE3243332号、DE3702841号、DE8701490号、DE19651354号を含む独国特許および出願、および、国際公開WO2006/081140号およびWO2006/87179号のような先行技術文献に記載されている。これらの特許は、すべてガラ社の所有であり、それらに説明されていることは参照してここに明確に組み入れる。
【0003】
当業者がよく知るように、水中等で、回転カッタハブおよびブレードと共に使用されるダイプレートは、概略円形に配置された射出開口または貫通ダイ穴または(小群または集団で)概略円状に配列された複数のダイ穴の群を有する。そのように配設されているので、回転ブレードは、環状の切断面に沿ったダイ穴から出てくる射出品を切断できる。
【0004】
米国特許第43378964号および国際公開第WO1981/001980号は、断熱層、好ましくは、酸化ジルコニウムが、ダイプレートの本外とダイの切断面を含む層との間に固定して配置されている高分子材料の水中ペレット化用の多層ダイプレートアセンブリを開示する。断熱層には、ダイの温度を維持するためにそれを通して加熱流体が循環される加熱チャンバが隣接または近接する。
【0005】
米国特許第4764100号は、具体的には、ベースプレートとそれを通して射出ノズルが貫通し、最適な挿入物がさらに構造体の補強および支持の機能を果たす切断プレートとの間に形成された閉鎖された断熱空間を含むプラスチックエクストルーダの水中ペレット化のために記載されたダイプレートの構成を開示する。
【0006】
ダイの構成要素を高真空化に保持して電子線溶接する多段プロセスによる、射出ノズルの間の真空断熱キャビティが米国特許第5714713号に記載されている。この開示は、断熱能力を高めるために、米国特許第5989009号において、射出ノズルの外部末端領域の真空断熱部まで拡張されている。
【0007】
同様に、空気またはガスが充填された閉鎖された連続熱安定化キャビティが米国特許第6976834号に開示されている。加えて、900℃から1200℃の高温の炉内における真空下でのろう付けが、酸化を防ぐアルゴンの中で制御して冷却し、それにより熱安定化キャビティの中に真空を導入する機会を提供する製造プロセスとして開示されている。
【0008】
独国特許出願第DE10002408号および独国実用新案第DE20005026号は、温度を維持するのに必要な質量の減少によって温度制御を促進し、それにより断熱するための、ノズルプレートおよびノーズコーン延長部の内側部分の中空空間または複数の中空空間を開示する。それらには、固定、液体または気体を断熱材料として使用することが記載されている。
【0009】
国際公開第WO2003/031132号は、ダイ表面をダイ本体の加熱された部分から断熱するためのセラミックプレートの使用を開示する。
【0010】
最後に、オーストリア特許出願AT503368A1は、Oリングまたは金属シールによって射出開口ノズルの射出端に封止された着脱可能な前面プレートを備える断熱されたダイプレートアセンブリを開示する。このダイプレートアセンブリは、非常に壊れやすく、プロセス溶融物漏れの影響を非常に受けやすいため、かなりのメンテナンスを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このため、構造が頑丈で、封止状態でエアポケットを保持し、メンテナンスの必要性が小さく、高い能力を発揮する断熱ダイプレートアセンブリへの要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の断熱されたダイプレートアセンブリは、溶融および/または混合装置と、機械式、空気式、および/または流体式コンベアを含むペレット搬送要素との間に従来の方法で設置される。断熱ダイプレートアセンブリの上流側は、溶融/混合装置から、溶融した高分子または他の流動化した材料を受け入れる。そして材料は、ダイプレートアセンブリの上流側から下流側に延伸して、射出された材料の紐を形成する複数の開口を通して射出される。少なくとも最低限冷却した射出された紐は、ペレット化の技術において公知の方法でダイプレートの下流側に関連して切断面または切断ダイ面に設けた回転カッタブレードによってペレットに切断される。
【0013】
本発明の断熱されたダイプレートアセンブリは、溶融および混合要素、ダイプレート、および、ペレット搬送要素を接続する留め具によって従来の方法で位置が保持される。選択的に別部材であるノーズコーンが、当業者が理解するように、通常設けられるノーズコーンアンカーボルトによって要求される場所に保持される。同様に、要求される均熱流体がダイプレートのチャンバに、それぞれ、従来の入口および出口開口を通して出入りする。
【0014】
本発明による断熱されたダイプレートアセンブリは、原則的にダイプレート本体の下流側またはダイ面側の切欠きを機械加工すること、好ましくは概略円形のキャビティを形成することで形成される。切欠キャビティの周囲は、射出開口またはダイ穴の円形パターンまたは配列を超えて延伸しなければならない。射出開口またはダイ穴の円形パターンまたは配列は、それに合致して取り囲む隆起した円形の凸部を備える。このため、隆起した円形の凸部は、好ましくは、切欠キャビティを環状の外側部分と円形の内側部分とに分割する。隆起した円形の凸部は、好ましくは、その中心を通して射出開口が延伸する垂直断面において台形である。開口突起が高い凸部の上表面から、該開口突起を通して射出開口が延伸するような射出開口の位置において突出する。
【0015】
最後に、開口突起に合致する穴を備えるカバープレートは、切欠キャビティの上および中に適合する大きさであり、ダイプレート本体の中でダイプレートアセンブリの下流側を完成し、概略平面状のダイ面を形成する。さらに、カバープレートの上流側は、開口突起の形状に合致し、開口突起および隆起した円形の凸部の周りのエアポケットの外壁を画定する対向穴が機械加工されている。カバープレートは、その外周がダイプレート本体に取り付けられ、そのダイ面に隣接する開口突起の遠位端に対する適合穴の周りに取り付けられる。
【0016】
カバープレートの厚みは、カバープレートが配置されたときに、薄く、概略平坦で、連続するエアポケットまたは空気チャンバが高い円形および関連する開口突起の凸部の周りに形成され、その空気チャンバがダイ面に概略平行になるように、切欠キャビティの深さより小さい。空気チャンバの厚みは、約0.05ミリメートル(mm)から約6.0mmのオーダーであり、好ましくは、約0.5mmから約1.0mmである。異なる表現では、空気チャンバの厚みは、好ましくは、ダイプレートアセンブリの厚みの約5%から約10%である。
【0017】
切欠キャビティのベースからカバープレートの適合する穴まで射出開口を取り囲んで延伸する隆起した円形の凸部および関連する開口突起は、ともに、ここでは「射出開口延長部」と呼ばれる。射出開口またはダイ穴のそれぞれの射出開口延長部は、開口延長部が断熱する空気によって取り囲まれるように、空気チャンバを完全に貫通して延伸する。
【0018】
空気チャンバは、好ましくは、ダイプレート本体の1以上の流路を通して空気チャンバを雰囲気と平衡させるように、ダイプレートアセンブリの外側の雰囲気に通気している。このため、空気チャンバは、ダイプレートアセンブリと、水中ペレット化において回転カッタハブおよびブレードアセンブリに関連して水槽の冷却水または他の冷却媒体と接触するダイ面を形成する下流側との間に断熱エアポケットまたはチャンバを形成する。
【0019】
カバープレートは、耐化学性、耐腐食性、耐剥離性および耐摩耗性の材料で形成すべきである。カバープレートは、少なくとも1つの面に少なくとも1つの周辺拡大溝を含むことができ、好ましくは、少なくとも1つの面に複数の周辺拡大溝を含む。拡大溝が両面に形成されるとき、拡大溝は、好ましくは、ジグザグに交互の配置とする。好ましくは、カバープレートは、位置にニッケル鋼で溶接される。より好ましくは、カバープレートの周囲を取り囲む周辺溝および開口突起の遠位端とカバープレート穴の内側との間の溶接位置においてニッケル鋼で溶接して取り付けられる。
【0020】
本発明に係る断熱されたダイプレートアセンブリのダイプレート本体は、当業者に知られた、必要な温度調節流体がダイプレート本体の加熱チャンバの従来の入口および出口開口にそれぞれ出入りするような、なんらかの好ましい加熱システムによって温度調節され得る。代案として、ダイプレート本体は、少なくとも1つの電気抵抗、誘導、蒸気および熱伝達流体によって温度調節され得る。好ましくは、ダイプレート本体は、当業者に知られた技術の電気ヒータにより加熱される。
【0021】
本発明の第1実施形態において、断熱されたダイプレートアセンブリは、一体のダイプレート本体で構成される。本発明の第2実施形態において、断熱されたダイプレートアセンブリは、本発明によって断熱された取り外し可能な、電気抵抗、誘導、蒸気および熱伝達流体の少なくとも1つによって温度調節されたダイプレート外側リングにより外周を取り囲まれた中央ダイ挿入部を有する、2分割のダイプレート本体で構成される。
【0022】
ここで使用する「ダイプレート本体」という用語は、本発明のアセンブリが一体構造として構成されたときのダイプレートの本体、および、アセンブリが2分割構造で構成されたときの取り外し可能な中央ダイ挿入部のダイプレート外側リングとの組み合わせを含むことを意図する。
【0023】
均一な平面状のダイ面を有することに加えて、当業者に知られたように、開口突起の遠位端を収容し、それを通して複数の射出開口が貫通する環状の切断面が、ダイ面の残りの部分からある距離だけ隆起し得る。したがって、回転切断ブレードは隆起した環状の切断面に接する。隆起した環状の切断面は、周囲のダイ面より少なくとも0.025ミリメートル高くなければならず、好ましくは、周囲のダイ面よりも0.50ミリメートル高い。
【0024】
好ましくは、切断ブレードに接する環状の切断面の少なくとも表面は、表面改質処理が施される。表面改質処理は、窒化、浸炭窒化、電気めっき、無電解めっき、無電解ニッケル分散処理、高速フレーム溶射を含むフレーム溶射、溶射、プラズマ処理、電解プラズマ処理、焼結、粉体塗装、真空蒸着、化学蒸着、物理蒸着、スパッタリング技術および吹き付け塗装の少なくとも1つを含む。これらの上面処理は、金属化、窒化金属、炭化金属、炭窒化金属およびダイアモンドのような炭素の付着をもたらし、単独および何らかの組み合わせで使用され得る。切断面の異なる外周面に異なる表面処理を適用することができ、表面処理は、少なくとも約0.025ミリメートルの厚みでなければならない。好ましくは、処理は、少なくとも約0.50ミリメートルの厚みである。
【0025】
隆起した円形の凸部および関連する開口突起は、少なくとも1つの環状のリングに形成され、各開口突起は、群、小群および集団に配置された複数であり得る少なくとも1つの射出開口を含む。開口突起は、楕円、円、正方形、三角形、長方形、多角形のいずれかおよび多くの組み合わせのいかなる形状でもあり得る。同様に、開口突起は、同心、交互、ジグザグ配置および直線的に配置され得、切断ブレードの回転の円弧に並列して、円弧に垂直に、および、曲玉状に配置され得る。
【0026】
加えて、射出開口は、円、楕円、正方形、長方形、三角形、五角形、六角形、多角形、溝状、径方向溝状およびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、いかなる形状でもあり得る。複数の射出開口は、特に開口突起またはダイ面において、異なる形状であり得る。
【0027】
上記観点において、本発明の目的は、アセンブリの典型的には加熱された上流部が、ダイ面に隣接する典型的には冷却された下流部から、実質的にダイ面と平行に延伸する内部断熱エアポケットまたは空気チャンバによって断熱されたダイプレートアセンブリを提供することである。
【0028】
本発明のさらなる目的は、上記目的にしたがって、断熱エアポケットまたは空気チャンバが、それを通して射出開口延長部がダイ面まで延伸する隆起した円形の凸部および関連する開口突起として構成された射出開口延長部を取り囲む、断熱されたダイプレートアセンブリを提供することである。
【0029】
本発明の他の目的は、上記目的にしたがって、断熱エアポケットまたは空気チャンバが、ダイプレート本体の下流側に、隆起した円形の凸部をその場に残して、キャビティを機械加工または切り欠くことで形成された、断熱されたダイプレートアセンブリを提供することである。キャビティは、射出開口延長部に適合する大きさの対向穴を有し、開口突起の遠位端に適合する穴を有するカバープレートによって閉鎖される。
【0030】
本発明のさらに他の目的は、上記2つの目的にしたがって、隆起した凸部が垂直な断面において台形形状を有し、開口突起への伝熱を助け、それにより、ダイ面における射出開口内での所望の温度でのプロセス溶融物を維持する、断熱されたダイプレートアセンブリを提供することである。
【0031】
本発明のさらに他の目的は、上記3つの目的にしたがって、ダイ面における射出開口内での所望の温度にプロセス溶融物を維持するために、隆起した円形の凸部および開口突起内に熱を保持するように、断熱エアポケットまたは空気チャンバが、隆起した円形の凸部および関連する開口突起に倣って取り囲む、断熱されたダイプレートアセンブリを提供することである。
【0032】
本発明の他の目的は、上記目的にしたがって、断熱エアポケットまたは空気チャンバが、ダイプレートアセンブリの外側の雰囲気に通気され、キャビティまたはチャンバ内の温度および圧力条件を雰囲気と平衡に維持する、断熱されたダイプレートアセンブリを提供することである。
【0033】
本発明の他の目的は、上記目的にしたがって、ダイプレート本体が、一体構造に構成された、断熱されたダイプレートアセンブリを提供することである。
【0034】
本発明のさらに他の目的は、上記目的にしたがって、ダイプレート本体が、ダイプレート外側リングによって取り囲まれた取り外し可能な中央ダイ挿入部を含む2分割構造に構成された、断熱されたダイプレートアセンブリを提供することである。
【0035】
本発明のさらに他の目的は、上記目的にしたがって、取り外し可能な挿入部およびダイプレート外側リングが、個別および/または別々に加熱または温度調節され得る、断熱されたダイプレートアセンブリを提供することである。
【0036】
説明すべき最後の目的は、従来の製造形態に合致し、改善された強度および頑丈性を有し、気密に封止した断熱エアポケットを維持して運転中に改善された断熱を提供し、経済的に適当で、耐久性があり、信頼性のある使用中に故障のない、断熱されたダイプレートアセンブリを提供することである。
【0037】
これらと共に、次に明らかにする他の目的および利点が、以下により十分に説明して特許請求する、それらを通して同じ符号が同じ部分を表すそれらの一部をなす添付図面を参照する構造および操作の詳細に存在する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】アセンブリが一体構造である、本発明にしたがって断熱されたダイプレートアセンブリの第1実施形態の概略垂直断面図である。
【図2】図1に図示した実施形態のための上部射出開口の周りの構成要素のさらなる詳細を図示する拡大概略垂直断面図である。
【図3】多様な構成要素の関係を示す、図1のダイプレートアセンブリの部分切除斜視図である。
【図4】アセンブリが取り外し可能な中央ダイ挿入部およびダイプレート外側リングを含む2分割構造である、本発明にしたがって断熱されたダイプレートアセンブリの第1実施形態の概略垂直断面図である。
【図5】図4に図示したダイプレートアセンブリの取り外し可能な中央挿入部の半分の概略垂直切断速報斜視図である。
【図6】隆起した円形の凸部および開口突起の周りの空気チャンバの詳細を示す、図5に図示した構成要素の拡大図である。
【図7】隆起した円形の凸部およびそれに関連する開口突起の形状を示す、図4に示した半分の概略頂部斜視図である。
【図8】倒置したときに図7に図示した取り外し可能な中央挿入部の頂部の上に組み付けられ、図4に図示したダイプレートアセンブリのエアポケットまたは空気チャンバを形成するカバープレートの概略底部斜視図である。
【図9】図7に示した取り外し可能な挿入部の上に組み付けた、図8のカバープレートを示し、カバープレートの周囲および射出開口の周りの部分がカバープレートの下流面の堅い面に溶接しされている拡大概略垂直断面図である。
【図10】取り外し可能な中央挿入部が分離された中央加熱コイルを含む図4と同様の断熱されたダイプレートアセンブリの分解概略垂直断面図である。
【図11a】本発明による熱伝導突起の構成を図示する斜視図である。
【図11b】本発明による熱伝導突起の構成を図示する斜視図である。
【図11c】本発明による熱伝導突起の構成を図示する斜視図である。
【図11d】本発明による熱伝導突起の構成を図示する斜視図である。
【図11e】本発明による熱伝導突起の構成を図示する斜視図である。
【図11f】本発明による熱伝導突起の構成を図示する斜視図である。
【図11g】本発明による熱伝導突起の構成を図示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の好ましい実施形態のみが詳細に説明されるが、本発明は、その範囲を、以下の説明および図面の図示内容において説明する構成要素の構成や配置の詳細に限定されないものと理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行することが可能である。また、好ましい実施形態の説明において、明確化のために、特定の専門用語が頻出する。それぞれの具体的用語は、同様の目的を達成するために同様の方法で機能するすべての技術的均等物を含むと理解すべきである。
【0040】
図面を参照すると、図1,2および3は、水中ペレタイザのようなペレタイザの構成要素に関する本発明の1つの実施形態を示す。ペレタイザは、溶融および/または混合装置(不図示)からの入口ハウジング12を含む。入口ハウジング12は、溶融材料または他の射出物(以後、総称して「プロセス溶融物」と呼ぶ)のための流路14を含む。プロセス溶融物は、有機材料、オリゴマー、高分子、ろう状物、および、それらの組み合わせを含むがそれらに限定することを意図しない。ノーズコーン16は、プロセス溶融物を、本発明にしたがって構成され、全体を参照番号10で示した一体または2分割のダイプレートアセンブリの上流側に導く。ノーズコーン16は、ダイプレートアセンブリにねじ付棒(不図示)により取り付けて接続され得る。ねじ付棒は、一端がノーズコーン16のねじ穴18に螺合し、反対側の端部がダイプレート10のねじ穴20に螺合する。代案として、ノーズコーン16は、ダイプレート10堅固に固定され得、或いは、ダイプレート10と一体であり得、ここで説明するように取り付けて接続される必要はない。
【0041】
単体のダイプレートアセンブリ10は、ダイプレートアセンブリ10の上流面24から下流面またはダイ面26まで延伸する少なくとも1つの環状リングの中に単独または複数で同心に配置された複数の射出開口22を含む。切断チャンバ(不図示)の中に回転駆動されるカッタハブ30上に取り付けられた複数の切断ブレード28は、射出され、開口22を通して射出された少なくとも部分的に固まったプロセス溶融物を、ダイ面26の切断面においてペレットに切断する。こうして形成されたペレットは、機械式、空気式、流体式またはそれらの組み合わせで、脱水システム、乾燥装置等のような下流の工程に搬送される。
【0042】
ダイプレートアセンブリ10は、ダイプレート本体36とカバープレート38の2つの主要な構成要素からなる。ダイ面26に平行な、薄い連続的なエアポケットまたは空気チャンバは32が、ダイプレート本体36の下流側と、カバープレート38の上流側との間に形成されている。射出開口が空気チャンバ32を通過するために、射出開口は、ダイプレート本体の下流面に形成された隆起した円形の凸部34、および、凸部34の頂部に位置する開口突起35(図2参照)を通して延伸する。凸部34および開口突起35は、一緒になって、全体を参照番号31で示した射出開口延長部を画定する。
【0043】
カバープレート38の上流側には、開口突起35の環状の配列に合致して受け入れる概略円形の対向穴76が設けられている。対向穴76は、開口突起35に適合し、延長開口22の遠位端68を形成する出口穴39を有する。そして、突起35の遠位端70は、カバープレート38の適合穴39の中に嵌合する。そのため、隆起した円形の凸部34、および、関連する、射出開口22の遠位端68を取り囲んで熱を提供する熱伝導突起35は、空気チャンバ32を通して延伸し、空気チャンバ32に取り囲まれる。
【0044】
エアポケットまたは空気チャンバ32を形成するために、ダイプレート本体36の下流面26の中央領域は、環状の凹部またはキャビティ33を提供するために機械加工または切欠きされている。キャビティ33は、射出開口22を超えて延伸し、好ましくは隆起した円形の凸部34が適切な位置に形成されているが、その凸部は、別部材として形成されて、キャビティの33の底に溶接または他の方法で取り付けられ得る。このため、隆起した凸部は、キャビティ33を環状の外側部分72と内側の円形部分74とに分割する。開口突起35は、機械加工の間に形成されて、隆起した凸部34と一体であり得る。しかしながら、好ましくは、突起35は、ダイプレート本体36(および凸部34)と同じ材料の別体のカラーとして構成され、凸部34の頂部に溶接等によって接着される。
【0045】
開口突起35の遠位端に適合する穴39を備える円形のカバープレート38は、凹部キャビティ33の上に重ねられ、ダイプレート本体36および開口突起34にろう付け、溶接または当業者に知られた同様の技術により取り付けて接続される。カバープレート38は、好ましくは、耐摩耗性耐腐食性金属で構成され、より好ましくは、ニッケル鋼で形成される。同様に、カバープレート38のダイプレート本体36および開口突起35の遠位端70への取り付けは、好ましくは、溶接により行われ、より好ましくは、ニッケル鋼溶接により行われる。溶接部40および42は、カバープレート38の周辺の環状溝77において、および、溶接等のために突起35の遠位端70の一部を露出させる大きさのカバープレート穴39の中に形成される。カバープレート38のダイプレート本体への堅固な固定を助けるために、周辺エッジ80は、ダイプレート本体の下流面にカットした棚部82に座するように形成される。周辺エッジ80およびダイプレート本体36は、周辺の溶接部40を受け入れる溝77を形成し、周辺エッジ80を棚部に対して固定する、対向する面取りを有する。
【0046】
カバープレート38の表面および下流面は、好ましくは、以下に説明するように、耐化学性、耐剥離性、耐腐食性、耐摩耗性のコーティング60で被覆される。一度、溶接部42が配置されると、もしあれば耐摩耗コーティング60に沿って、射出開口22の遠位端68は、ダイプレートアセンブリの下流側からの、放電加工機または当業者に知られた他の装置のような機械加工、それにより、射出開口の遠位端68からの溶接部42およびコーティング60のいずれかの清掃によって完成され得る。
【0047】
隆起した環状突起34は、好ましくは、垂直断面において台形であり、隆起した凸部からダイ面26に熱を伝達し、そのため、射出開口遠位端68内におけるプロセス溶融物を所望の温度に保持する開口突起35への熱伝導を助け、堅固な断熱されたダイプレートアセンブリの清掃を助ける。隆起した円形の凸部の台形の断面は好ましいが、本発明により企図されるように、前述の目標を達成するために当業者により、凸部断面の他の形状がデザインされ得る。
【0048】
それ故、説明される組立は、円形の凹部33を封止して、薄い連続した熱的なエアポケットまたは空気チャンバ32を形成する。エアポケットまたは空気チャンバ32は、少なくとも1つのベント管44によって周囲の雰囲気に接続されることが好ましい。ダイプレート本体10の中の温度および/または圧力の変化は、ベント管44を通した空気の膨張または収縮によって平衡し、それにより、下流面26の望まざる変形をもたらす可能性のある真空の形成および/または圧力の形成を防止する。隆起した凸部34および開口突起35は、雰囲気エアポケット32を貫通して、貫通する射出開口22の長さに沿った連続的且つ均一な加熱を提供し、それらの遠位端70のカバープレート38の中の開口39への溶接は、カバープレートの平面的形状の強化および維持の機能を果たす。
【0049】
図2に最もよく示されるように、エアポケットまたはチャンバ32は、全体的にダイ面26と平行であるが、角開口突起35の外周を取り囲むために、78において、対向穴76の中に延伸する。空気チャンバ32の厚みは、異なる位置において変化し得るが、約0.05以上約6.0mm以下の深さでなければならず、好ましくは、約0.5mmから約1.0mmの深さである。別の言い方をすれば、ダイ面に平行な寸法における空気チャンバ32の厚みは、好ましくは、ダイプレートアセンブリ10の厚みの約5%から約10%である。
【0050】
カバープレート38は、好ましくは、カバープレート38の一部に、射出開口の円形の配列を超えて延伸する少なくとも1つの周辺拡張溝62を含む。より好ましくは、少なくとも1つの周辺拡張溝62は、カバープレート38の両側の、射出開口の配列の外側にある。さらにより好ましくは、複数の周辺拡張溝62がカバープレートの両面に互い違いに配置されている。周辺拡張溝62は、限定ではなく、正方形、角付き形状、丸みのある形状、半球状を含むいかなる幾何学形状であってもよく、カバープレート38の上の複数の溝は、同じ形状でも、異なる形状でもよい。好ましくは、周辺溝は、図2に示すように、丸みのある形状である。
【0051】
先に説明したように、射出開口突起31の隆起した円形の凸部34は、好ましくは、ダイプレート本体36と一体であり、それ故、同じ化学組成である。一方、開口突起35は、別体のカラーとして形成され、隆起した凸部の頂部に、ろう付け、溶接および当業者に知られた同様の機構により、取り付けて接続される。突起35は、凸部34およびダイプレート本体36と同じまたは異なる組成であり得、その組成は、限定ではなく、工具鋼、硬化工具鋼、ステンレス鋼、ニッケル鋼などを含み得る。
【0052】
図4から9に移ると、全体を参照番号100で示された、本発明の第2実施形態に係る2分割のダイプレートアセンブリが図示されている。ダイプレートアセンブリ100は、ダイプレート外側リング105と、取り外し可能な中央ダイ挿入部106とを含む。ダイプレートアセンブリ100の多くの構成要素は、ダイプレートアセンブリ10の構成要素と同じまたは非常に近似しているので、同じ参照番号を、先述のものと対応する構成要素のために、ダイプレートアセンブリ10から持ち越すが、最初に数字「1」を付する。
【0053】
図1と同様に、実施形態のダイプレートアセンブリ100は、溶融および/または混合装置(不図示)から入口ハウジング112まで取り付けて接続されている。入口ハウジング112は、先述のようにプロセス溶融物のための流路114を含む。ノーズコーン116は、プロセス溶融物を、ねじ付棒(不図示)により取り付けて接続されている取り外し可能な挿入物106の上流側124に導く。ねじ付棒は、一端にノーズコーン116のねじ穴118に挿入される螺旋ねじが切られ、その遠位端に取り外し可能な挿入部106のねじ穴120に挿入される螺旋ねじが切られている。
【0054】
取り外し可能な中央ダイ挿入部106は、上流面124から取り外し可能な挿入部106の下流面126まで延伸した少なくとも1つの環状のリングの中に単一または複数で同心に配置された複数の射出開口122を含む。切断チャンバ(不図示)内の回転駆動カッタハブ130に設置された複数のナイフブレードアセンブリ128は、射出され、少なくとも部分的に凝固したプロセス溶融物をペレット状に切断する。こうして形成されたペレットは、機械式、空気式、流体式またはそれらを組み合わせた方式で、上述のような下流プロセスに搬送される。
【0055】
挿入部106の下流面126の中央領域は、第1実施形態について説明したのと同様に、機械加工または切欠きされて、中央円形凹部またキャビティ133を提供する。キャビティ133は、合わさって射出開口延長部131を画定する隆起した円形の凸部134およびオリフィス突起135を含み、キャビティ133を通る射出開口122を包み込む。開口突起135の遠位端に適合する穴139を備える円形のカバープレート138は、凹部キャビティ133を覆い、挿入部106を横断するダイ面126に略平行な、薄い、連続した熱的エアポケットまたは空気チャンバ132を形成する。カバープレートの上流側は、出口穴139を含み開口突起135の円形の配列に合致して受け入れる概略円形の対向穴176も設けられている。隆起した円形の凸部134および開口突起135からなる射出開口延長部131は、流路の役目を果たし、挿入部本体136から射出開口122の遠位端168に熱を提供し、同時に、延長部131は、開口延長部131を取り囲む空気チャンバ132によってカバープレートから断熱される。
【0056】
カバープレート138は、挿入部本体136の周辺および開口突起遠位端170に、ろう付け、溶接または同様の当業者に知られた技術により、取り付けて接続される。カバープレート138は、好ましくは、耐摩耗性、耐腐食性の金属で構成され、より好ましくは、ニッケル鋼で構成される。同様に、カバープレート138の挿入部本体136および開口突起遠位端170への取り付けは、好ましくは溶接により行われ、より好ましくはニッケル鋼溶接により行われる。溶接部140および142は、カバープレート138の周囲の周辺溝176および溶接位置142における突起遠位端170の上に選択的に形成される(図9参照)。カバープレート138の表面およびダイ挿入部106の下流面126は、好ましくは、以下に説明するような、耐化学性、耐剥離性、耐腐食性、且つ、耐摩耗性のコーティングで被覆される。
【0057】
円形キャビティ133は、好ましくは、取り外し可能なダイ挿入部106およびダイプレート外側リング105の両方を貫通する少なくとも1つの通気管144によって、周囲の雰囲気に接続される。空気チャンバ132の中の温度および/または圧力の変動は、通気管144内およびそれを通した空気の膨張または収縮によって均衡し、それにより、下流面126の望まざる変形をもたらし得る真空の形成および/または圧力の形成を防止する。雰囲気エアポケット132を貫通する隆起した凸部134および開口突起135は、その中に包含する射出開口の長さに沿った連続的でさらには均一な加熱を提供する。好ましくは垂直断面において台形である隆起した円形の凸部134の構成は、突起135内でプロセス溶融物を、射出開口122の遠位端168から出る前における所望の温度に維持することを助けるために、開口突起135に熱を導く役目を果たす。挿入部106に対する、カバープレート138の穴139の中の開口突起135の遠位端170のカバープレートの周辺の溶接部は、次の段落に説明するように、カバープレートの平面形状の強化および剛性化の機能を果たす。
【0058】
挿入部本体136およびカバープレート138は、溶接部140および142の効果を高めるために、複数の相補的当接面を備えるように設計される。これは、ひいては、挿入部本体136に組み付けられたカバープレート138の剛性を増大させ、空気チャンバ132の封止を改善し、ダイプレートアセンブリ110全体を堅固にする。第1に、機械加工された切欠き133は、カバープレート138の外周エッジ184を受け入れて、空気チャンバ132の周縁を定める外周の棚182を含む(図6および7参照)。そして、挿入部本体周辺棚182およびカバープレート周辺エッジ184の相補的な当接面は、溶接部140によって一緒に保持される。第2に、カバープレート138の穴139は、それらの上流側に、開口突起135の遠位端170の外周に係合する(図9参照)棚188を形成する皿穴部186を含む(図8参照)。これらの相補的な当接面170および188は、それぞれの射出開口168において溶接部142により接着される。
【0059】
カバープレート138の円形の対向穴176は、テーパのある側壁190に対向し、隆起した凸部134のテーパのある側の輪郭により厳密に倣うことが、カバープレート38の円形の対向穴76とは異なる。凸部134のテーパのある側の輪郭により厳密に倣うことにより、対向穴176および結果的な空気チャンバ132は、凸部134および関連する開口突起135についてのさらなる断熱を提供する。これに対し、円形の対向穴76は、断面においてより長方形であり、隆起した凸部34に隣接して、そのテーパ状の側92に寸法的に合わせることなく配置される。隆起した円形の凸部134に隣接する円形の対向穴176の輪郭と、隆起した凸部34に隣接する円形の対向穴76の輪郭とが、非限定的例示でしかなく、これらの2つの形状に比較できる形状、および、これら2つの間の形状が本発明に包含されると理解される。長方形の対向穴76およびテーパ状の対向穴176の使用は、一体のダイプレートアセンブリ10にも、2分割のダイプレートアセンブリ100にも適用できる。
【0060】
望むのであれば、カバープレート138は、カバープレートのために上で示して説明した溝62のような周辺溝が設けられ得る。
【0061】
加熱および/または冷却プロセスは、一体のダイプレート10のために従来通りに開示された電気抵抗、誘導、蒸気または熱伝達流体によって、2分割のダイプレートアセンブリ100にも提供され得る。図1および4に示すように、ダイプレート本体36および挿入部本体136は、それぞれ、従来技術において知られているように、図3に示すような径方向スロット47に配設した径方向電気ヒータ46および146によって加熱される。図4に示した2分割のダイプレートアセンブリにおいて、取り外し可能な挿入部106およびダイプレート外側リング105は、同じまたは異なる機構によって、それぞれ別々に加熱され得る。
【0062】
例えば、図10は、参照番号200によって全体を示した、中央の加熱された取り外し可能な挿入部208を含むダイプレートアセンブリの部分的分解図を示す。ダイプレートアセンブリ200の構成要素の多くがダイプレートアセンブリ100の構成要素と同一または非常に近似しているので、ダイプレートアセンブリ200の対応する構成要素に、同じ参照番号がダイプレートアセンブリ100から持ち越されているが、数字「1」の代わりに数字「2」が最初に付されている。
【0063】
このため、ダイプレートアセンブリ200は、全体を参照番号212で示され、中央の加熱された取り外し可能な挿入部208を取り囲むダイプレート外側リング205からなる。電気抵抗コイル250は、上流面224に隣接する挿入部208の中に中央に配置された環状凹部またはキャビティ252に収容される。ノーズコーン216は、図1および4に示したのと同様に、一端がノーズコーン116のねじ穴218に螺合し、遠位端が取り外し可能な挿入部208のねじ穴220に螺合するねじ付棒(不図示)の使用によって、取り外し可能な挿入部208に取り付けて接続される。取り付けたときに、ノーズコーン116は、その中にコイル250が配置されたキャビティ252を封止する。他の取り付け方法が、当業者にはよく知られている。このため、取り外し可能な挿入部208は、上に図4に示したダイプレートアセンブリに関して説明した電気的径方向ヒータ146によって、別々に加熱され得る。
【0064】
ダイプレートアセンブリ10,100,200の下流面26,126は、図1に示すように1つの平面内にあり得るが、好ましくは、図2および9の囲まれた領域66,166によって示されたような平行な2つの平面であり、射出開口22,122の出口位置68,168に隣接する領域は、下流面26,126の面と平行な平面に隆起している。下流面26からの面の高さは、少なくとも0.025mmでなければならず、好ましくは少なくとも約0.50mmである。
【0065】
同様に、凹部キャビティ33,133は、少なくとも1.05ミリメートルの深さでなければならず、好ましくは、5.0mmから7.0mmのオーダーである。約0.05mmから約6.0mmで、好ましくは、約0.5mmから1.0mmのオーダーの空気チャンバ32,132の厚みを提供するために、カバープレート38,138は、1.0mmから8.0mmのオーダーでなければならず、好ましくは、約6.0mmである。
【0066】
下流面26,126は、射出開口出口68,168の配列により定められ、図2および9において番号60,160で示された環状の領域において、好ましくは、耐化学、耐剥離、耐腐食および耐摩耗処理、即ち「表面処理」を受ける。この環状の領域は、切断ブレードがダイ面に接する切断面63,163を含む。表面処理は、少なくとも0.025mmでなければならず、好ましくは少なくとも0.50mmである。表面処理60,160の組成は、射出開口出口68,168を取り囲む平面領域において、下流面26の他の部分と異なり得る。好ましくは、表面処理60,160は、前面が同じであり、清掃、脱脂、エッチング、プライマ塗装、粗化、グリッツブラスト、サンドブラスト、ピーニング、ピクリング、酸洗、ベースウォッシュ(base wash)、窒化、窒炭化、電気めっき、無電解めっき、無電海ニッケル分散処理、高速フレーム溶射を含むフレーム溶射、熱溶射、プラズマ処理、電解プラズマ処理、焼結、粉体塗装、真空蒸着、化学蒸着、物理蒸着、スパッタリング技術、吹き付け塗装、炭化物の真空ろう付けに代表されるような、1、2または複数のプロセスを含み得る。
【0067】
切断面以外のすべての表面の表面処理は、フレーム溶射、熱溶射、プラズマ処理、無電解ニッケル分散処理、高速空燃改質熱処理、および、電解プラズマ処理を単独またはそれらの組み合わせを含む。これらの表面処理は、表面を金属化し、好ましくは表面に窒化金属をしっかりと取り付け、より好ましくは表面に炭化金属および窒炭化金属をしっかりと取り付け、またより好ましくは表面にダイアモンド様炭素をしっかりと取り付け、さらにより好ましくは表面に耐剥離性金属母材のダイアモンド様炭素をしっかりと取り付け、最も好ましくは表面に炭化金属母材のダイアモンド様炭素をしっかりと取り付ける。他のセラミック材料を使用でき、限定を意図せず参照の方法としてここに包含する。好ましい表面処理は、選択的に、さらに射出開口出口68,168から遠い下流面26,126上の従来の高分子コーティングの適用によりさらに改良され得る。高分子コーティングは、それ自身、非付着性で摩擦係数の低いものである。好ましくは、高分子コーティングは、シリコン、フッ化ポリマーおよびそれらの組み合わせである。より好ましくは、高分子コーティングの適用は、乾燥および/または硬化のための加熱を最低限乃至皆無にする必要がある。
【0068】
図11は、隆起した円形の凸部から突出する射出開口およびオリフィス突起のさらなる構成を示す。図11aは、ジグザグの配置で、凸部303から突出する開口突起302の同心のリングを示す。射出開口は、図11bに示す2つの射出開口308のための組分け、図11cに示す3つの射出開口310のための組分け、図11dに示す4つの射出開口312のための組分け、図11eに示す16射出開314ための組分け、図11fに示す37の射出開口316のための組分け、および、図11gに示す複数組の16の射出開口318のための組分けのように、複数の群または小群306として配置され得る。
【0069】
群、集団、小群およびそれらの複数が、楕円、円、正方形、三角形、長方形、多角形およびそれらの組み合わせを限定でなく含むいかなる幾何学形状にも配置され得る。開口突起の形状は、さらに、丸み、角、面取りがあり得、以下なる数の複数の開口も含み得る。複数の開口を収容する形状の配置は、周囲に円弧に平行に、周囲に円弧に直角に、ジグザグおよび交互に円弧を取り囲んで、および、それらのいかなる組み合わせでもあり得る。さらに、形状配置は、腎臓型または曲玉型に合致してもよい。射出開口の複数の同心リングは、少なくとも1以上で、単独または複数の、本発明にしたがって他の同心リングに対して、直線配列、交互、ジグザグ、および、それらのいかなる組み合わせにも配置され得る射出開口を含み得る。
【0070】
さらに、図2の出口68および図9の出口168のような射出開口22,122の出口は、好ましくは丸いが、出口は、円、楕円、正方形、長方形、三角形、五角形、六角形、多角形、スロット状、径方向スロットおよびそれらいかなる組み合わせをも限定ではなく含む、いかなる形状であってもよい。複数の射出開口出口68が特に突起35において異なる形状であってもよい。
【0071】
さらに、射出開口延長部は、射出開口の配置および切断ブレードの幅に応じて、1より多い隆起した円形の凸部34,134を含んでもよい。加えて、少なくとも1つの隆起した円形の凸部34,134が射出開口延長部31,131のベースを形成するのに好ましいが、隆起した凸部のない延長部31,131の形状も可能である。そのような状況において、開口突起35,135は、切欠き33,133のベースからカバープレート38,138それぞれの開口68,168に延伸するであろう。
【0072】
上記は、本発明の原則の説明のみを考慮したものである。多くの改良と変更が当業者には思いつくであろう。したがって、図示して説明した構成および操作そのものに本発明を限定することは望まれず、よって、あらゆる望ましい変形および均等物が用いられ、本発明の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス溶融物がそれを通して射出されて、移動する切断アセンブリによってペレットに切断されるべき紐になって切断面に出てくる複数の射出開口を含む、ペレタイザ用の断熱された射出ダイプレートアセンブリであって、
(a)その下流側の中央に形成された切欠きを有するダイプレート本体と、
(b)前記切欠きの中に、それを通して前記射出開口が延伸する少なくとも1つの射出開口延長部のリングと、
(c)前記切欠きの上に適合する大きさで、前記射出開口と合致し、それにより前記切断面を形成する開口を有するカバープレートであって、前記ダイプレート本体に前記切欠きの上で取り付けられて、前記アセンブリの中に、前記切断面に隣接し、前記開口延長部を取り囲む断熱する空気チャンバであって、前記ダイプレートアセンブリの外側の雰囲気と平衡するように通気された空気チャンバを形成するカバープレートと、
(d)少なくとも1つの、前記切断面を含む前記カバープレートの外側表面に施された耐化学、耐腐食、耐剥離または耐摩耗表面処理と、
を有するアセンブリ。
【請求項2】
前記ダイプレート本体は、電気抵抗、誘導、蒸気および熱伝達流体の少なくとも1つによって温度調節された一体構造である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ダイプレート本体は、取り外し可能な挿入部と、電気抵抗、誘導、蒸気および熱伝達流体の少なくとも1つによって温度調節されたダイプレート外側リングとを含む2分割構造である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記取り外し可能な挿入部および前記ダイプレート外側リングは、電気抵抗、誘導、蒸気および熱伝達流体の少なくとも1つによって独立して温度調節される、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記切断面は、それを通して複数の射出開口が貫通する隆起した環状の平面と、前記隆起した環状の平面の内側および外側の下の周辺面とであり、前記隆起した環状の平面は、前記周辺面よりも少なくとも約0.025ミリメートル高い、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載のダイプレートアセンブリを有するペレタイザ。
【請求項7】
前記ペレタイザは、水中ペレタイザである、請求項6に記載のペレタイザ。
【請求項8】
前記表面処理は、窒化、炭窒化、電気めっき、無電解めっき、無電解ニッケル分散処理、高速フレーム溶射を含むフレーム溶射、熱溶射、プラズマ処理、電解プラズマ処理、焼結、粉体塗装、真空蒸着、化学蒸着、物理蒸着、スパッタリング技術、および、噴霧塗装の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記カバープレートは、前記射出開口延長部の形状に合致し、前記断熱する空気チャンバをさらに画定する対向穴を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記射出開口延長部は、前記ダイプレート本外と連続且つ一体の隆起した円形の凸部を形成するように構成され、個々の開口突起が、前記隆起した凸部から前記カバープレートまで延伸する、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記隆起した円形の凸部は、前記開口突起に熱を導くように構成されている、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記隆起した円形の凸部は、台形状の断面を有する、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記カバープレートの対向穴は、前記断熱する空気チャンバが前記隆起した円形の凸部の外形に倣うような大きさである、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記カバープレートは、少なくとも1面に、少なくとも1つの周辺拡大溝を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記カバープレートは、両面に、ジグザグで交互の配置で、前記周辺拡大溝を複数有する、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記カバープレートは、ニッケル鋼からなり、ニッケル鋼で溶接して取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記カバープレートは、周辺溝において、該カバープレートの周縁が前記ダイプレート本体に、そして、前記カバープレートの前記開口において、前記開口突起の遠位端に溶接して取り付けられている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記雰囲気と平衡する空気チャンバは、少なくとも0.05ミリメートルの深さである、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記開口突起は、群、集団および小群の少なくともいずれかで配置された複数の射出開口が貫通する、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記開口突起は、楕円形、円形、正方形、三角形、長方形、五角形、または、それらの組み合わせを含む形状の少なくとも1つであり得、同心交互、ジグザグ、直線状、または、それらの組み合わせであり得、前記切断面の円弧に平行、または、前記円弧に直角であり得、腎臓形または曲玉形の形状であり得る、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記開口突起は、前記ダイプレート本体上の前記隆起した円形の凸部に取り付けて接続された別部材である、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記射出開口出口は、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、五角形、六角形、多角形、スロット状、径方向スロット状、および、それらのいかなる組み合わせをも含む形状のいずれかであり得る、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項23】
プロセス溶融物がそれを通して射出されて、移動する切断アセンブリによってペレットに切断されるべき紐になって切断面に出てくる複数の射出開口を含む、ペレタイザ用の断熱された射出ダイプレートアセンブリであって、
(a)前記本体の下流側に形成された切欠きを有するダイプレート本体と、
(b)その外周が前記ダイプレート本体に溶接されて、前記切欠きの上に適合し、前記切断面に隣接する前記アセンブリに断熱する空気チャンバを形成するカバープレートと、
(c)それを通してプロセス溶融物が前記ダイプレート本体から前記切断面を形成する前記カバープレートの開口まで搬送される前記射出開口を取り囲む少なくとも1つの射出開口延長部のリングと、を有し、
前記射出開口延長部は、前記ダイプレート本体と連続且つ一体の隆起した円形の凸部として形成され、個々の開口突起が、前記隆起した凸部から延伸し、前記カバープレートの開口に隣接して前記カバープレートに溶接されているアセンブリ。
【請求項24】
前記断熱するチャンバは、前記ダイプレートアセンブリの外側の雰囲気と平衡するように通気されている、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記切断面を含む前記カバープレートの外表面は、少なくとも1つの、そこに施した耐化学、耐腐食、耐剥離または耐摩耗表面処理を含む、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項26】
請求項23に記載のダイプレートアセンブリを有するペレタイザ。
【請求項27】
前記ペレタイザは、水中ペレタイザである、請求項26に記載のペレタイザ。
【請求項28】
前記隆起した円形の凸部は、前記開口突起に熱を導くように構成されている、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記カバープレートは、前記射出開口突起の形状に合致し、前記断熱するチャンバが前記隆起した円形の凸部の外形に倣うような大きさになる対向穴を有する、請求項28に記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記断熱するチャンバは、少なくとも0.30ミリメートルの深さを有する、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記ダイプレート本体および前記カバープレートは、そこで、前記カバープレートの外周が前記ダイプレート本体に溶接される相補的な当接面を含む、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記カバープレートおよび前記開口突起は、そこで、前記開口突起が、前記カバープレートの開口に隣接する前記カバープレートに溶接される相補的な当接面を含む、請求項23に記載のアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【図11f】
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【図11g】
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【公表番号】特表2012−500131(P2012−500131A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523138(P2011−523138)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/053553
【国際公開番号】WO2010/019667
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(500092365)ガラ・インダストリーズ・インコーポレイテッド (23)
【氏名又は名称原語表記】Gala Industries, Inc.
【Fターム(参考)】