説明

水処理装置および水処理方法

【課題】処理水を濾過するためのフィルターを効率的に洗浄することができる水処理技術を提供する。
【解決手段】処理水中にマイクロナノバブルまたはナノバブルを発生させるバブル発生手段(バブル発生部42)と、前記マイクロナノバブルまたはナノバブルが発生した後の前記処理水を導入する処理槽(第2槽15)と、前記処理槽内に導入される前記処理水と接触可能に設けられる、ポリビニルアルコールからなる、細孔を有する担体16と、前記処理槽内に設けられるとともに、前記処理槽内の前記処理水を濾過して被処理水を作製するフィルター25と、前記処理槽内に設けられるとともに、担体16がフィルター25に接触して流動するように担体16を流動化させる流動化手段(第2散気手段19および水中攪拌機58)と、を備えている水処理装置を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理水から有機物等の混入物を除去することができる水処理装置および水処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体から有機物などの物質を除去する技術が、様々な分野で用いられている。例えば、廃液処理においては、廃水中の様々な物質を除去するために、微生物の物質分解能力を利用した技術が用いられている。
【0003】
例えば、従来から、微生物固定化ゲル担体を用いる廃水処理装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。当該廃水処理装置は、浸漬膜濾過方式を採用した汚泥分離設備と、沈殿槽方式を採用した汚泥分離設備とを併用している。なお、当該廃水処理装置では、上記微生物固定化ゲル担体として、例えばポリビニルアルコール系含水ゲルが用いられている。
【0004】
また、従来から、異なる機能を有する複数の槽を用いる廃水処理方法が用いられている(例えば、特許文献2参照)。当該廃水処理方法では、担体が流動している曝気槽、第1の活性汚泥槽、第2の活性汚泥槽、沈殿槽の順番で、廃水が様々な処理を受けている。なお、当該廃水処理方法では、上記担体として、例えばポリビニルアルコール架橋ゲル担体が用いられている。
【0005】
また、従来から、微生物が固定化された担体が投入された廃水処理槽、および当該廃水処理槽から流出する処理水を濾過する膜モジュールを用いる廃水処理装置が用いられている(例えば、特許文献3参照)。なお、当該廃水処理装置では、上記担体としてポリビニルアルコール系含水ゲルが用いられている。
【0006】
一方、従来から、小さな直径を有する気泡(バブル)には様々な作用があることが知られており、現在、このような気泡を様々な分野に利用する試みがなされている。
【0007】
上記気泡は、その直径に応じて、マイクロバブル、マイクロナノバブルおよびナノバブルに分類することができる。具体的には、マイクロバブルは、その発生時において10μm〜数十μmの直径を有する気泡であり、マイクロナノバブルは、その発生時において数百nm〜10μmの直径を有する気泡であり、ナノバブルは、その発生時において数百nm以下の直径を有する気泡である。なお、マイクロバブルは、発生後の収縮運動によって、その一部がマイクロナノバブルに変化することがある。また、マイクロバブルの一部は水中にて収縮して、最後には消滅してしまうマイクロバブルもある。一方、ナノバブルは、長期に渡って液体中に存在することができるという性質を有している。
【0008】
例えば、従来から、様々なナノバブルの利用方法、およびナノバブルを利用した各種装置が知られている(例えば、特許文献4参照)。より具体的には、特許文献4には、ナノバブルが、浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、または静電分極の実現によって、界面活性作用および殺菌作用を示すことが記載されている。更に、特許文献4には、ナノバブルが有する界面活性作用および殺菌作用を用いて、各種対象を洗浄する技術および汚濁水を浄化する技術が記載されている。更に、特許文献4には、ナノバブルを用いて生体の疲労を回復する方法が記載されている。なお、特許文献4では、水を電気分解するとともに、当該水に超音波振動を加えることによって、ナノバブルを作製している。
【0009】
また、従来から、液体を原料としてナノバブルを作製する方法が知られている(例えば、特許文献5参照)。上記作製方法は、液体中において、1)上記液体の一部を分解ガス化する工程、2)上記液体に超音波を印加する工程、または3)上記液体の一部を分解ガス化する工程および上記液体に超音波を印加する工程、からなるものである。なお、液体の一部を分解ガス化する工程として、電気分解法または光分解法を用いることができることが記載されている。
【0010】
また、従来から、オゾンガスからなるマイクロバブル(オゾンマイクロバブル)を利用する廃液処理装置が用いられている(例えば、特許文献6参照)。上記廃液処理装置では、オゾン発生装置によって作製されたオゾンガスと廃液とを、加圧ポンプを用いて混合することによって、オゾンガスからなるマイクロバブルを作製している。そして、当該マイクロバブルが廃液中の有機物と反応することによって、廃液中の有機物が酸化分解される。なお、マイクロバブルを利用した洗浄装置も従来から用いられており、当該装置は、機械油等が付着した金属の洗浄、牡蠣の洗浄、または入浴時における人体の洗浄等に利用されている。
【特許文献1】特開2007−185598号公報(平成19年7月26日公開)
【特許文献2】特開2001−145894号公報(平成13年5月29日公開)
【特許文献3】特開平11−42497号公報(平成11年2月16日公開)
【特許文献4】特開2004−121962号公報(平成16年4月22日公開)
【特許文献5】特開2003−334548号公報(平成15年11月25日公開)
【特許文献6】特開2004−321959号公報(平成16年11月18日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来技術に係る水処技術では、処理水を濾過するためのフィルターを用いたときに、当該フィルターを効率的に洗浄することが困難であった。
【0012】
従来、フィルターの表面にこびり付いた物質を除去するためには、当該フィルターを水槽より引き上げて、高圧ジェット水等で膜表面を洗浄していたが、この作業は、煩雑なものであった。また、特許文献1には、散気装置から気体をフィルターにむけて散気することにより、当該フィルターを洗浄する技術が開示されているが、当該散気装置による洗浄は不十分なものであった。
【0013】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、処理水を濾過するためのフィルターを効率的に洗浄することができる水処理技術を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る水処理装置は、上記課題を解決するために、処理水中にマイクロナノバブルまたはナノバブルを発生させるバブル発生手段と、前記マイクロナノバブルまたはナノバブルが発生した後の前記処理水を貯める処理槽と、前記処理槽内に導入された前記処理水と接触可能に配置され、細孔を有し、ポリビニルアルコールからなる担体と、前記処理槽内に設けられるとともに、前記処理槽内の前記処理水を濾過するフィルターと、前記担体を流動化させる流動化手段と、を備えていることを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、前記処理水は、マイクロナノバブルまたはナノバブルを含有した状態で前記処理槽に貯められる。前記処理槽にはまた、細孔を有し、ポリビニルアルコールからなる担体が、前記処理水と接触可能に配置される。前記処理槽内にはさらに、前記処理水を濾過して被処理水を作製するフィルターが設けられている。前記処理槽内にはなおさらに、前記担体を流動化させる流動化手段が設けられている。
【0016】
ここで、前記処理槽内では、前記処理水が含有するマイクロナノバブルまたはナノバブルが、前記担体に付着することにより、当該担体は容易に流動するようになっている。これにより、前記流動化手段により、前記担体が前記処理槽内を流動して、前記フィルターに接触する。そして、前記担体が前記フィルターに接触して流動することにより、前記フィルターが効率的に洗浄される。
【0017】
上記水処理装置では、前記細孔の孔径は、略20μmであることが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、前記担体が略20μmの孔径を有しているため、マイクロナノバブルまたはナノバブルが付着することにより、好適に流動可能となる。
【0019】
上記水処理装置では、前記フィルターは、中空糸タイプのフィルターであることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、前記フィルターが中空糸タイプのフィルターであるので、好適に前記処理水を濾過することができるとともに、本発明に係る水処理装置において、より効率的に洗浄することができる。
【0021】
上記水処理装置では、前記流動化手段が、前記処理槽内に設けられていることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、前記流動化手段は、容易に前記処理槽内に配置された前記担体を流動化することができる。
【0023】
上記水処理装置では、前記フィルターに空気を供給する第1散気手段をさらに備えていることが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、第1散気手段によって、前記フィルターに空気が供給されるので、さらに好適に前記フィルターを洗浄することができる。
【0025】
上記水処理装置では、前記流動化手段が、前記処理槽内に導入された前記処理水に対して気体を吐出する第2散気手段と、当該処理水を攪拌して水流を発生させるための攪拌手段との少なくとも何れか一方を備えていることが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、容易に前記処理水を攪拌することができるので、前記担体が前記フィルターに接触して流動するように当該担体を流動化させることができる。
【0027】
上記水処理装置では、前記流動化手段が、円筒状のドラフト内に設けられていることが好ましく、前記ドラフトの2つの開口は、それぞれ、前記処理槽の底面、または当該処理槽内に導入された前記前処理水の水面に対向するように配置されていることが好ましい。
【0028】
上記構成によれば、第2散気手段および攪拌手段によって発生される水流の方向を規定することができる。その結果、処理槽内の担体を、より効果的に攪拌することができる。
【0029】
上記水処理装置では、前記流動化手段が、前記第2散気手段と、前記攪拌手段との両方を備えていることが好ましく、前記ドラフト内にて、前記攪拌手段は、前記第1散気手段よりも前記処理槽の底面側に配置されていることが好ましい。
【0030】
上記構成によれば、第2散気手段によって、上記ドラフト内に上向きの水流を発生させることができる。そしてこのとき、上記攪拌手段は上記第2散気手段よりも下側に配置されているので、上記第2散気手段によって発生した水流が、上記攪拌手段によって妨げられることがない。また、上記攪拌手段によって上向きの水流を発生させれば、上記第2散気手段によって生じる水流を増強することができる。一方、上記攪拌手段によって下向きの水流を発生させれば、上記第2散気手段によって生じる水流とは逆向きの水流を発生させることができる。したがって、上記構成によれば、上記処理槽内に効率よく水流を発生させることができる。
【0031】
本発明の水処理装置では、前記攪拌手段は、前記処理槽の底面側に向かって水流を発生させるものであることが好ましい。
【0032】
上記構成によれば、上記第2散気手段によって生じる水流とは逆向きの水流を発生させることができる。したがって、上記構成によれば、上記処理槽内(特に、処理槽の底部側)に効率よく水流を発生させることができる。
【0033】
本発明の水処理装置では、前記攪拌手段は、水中エアレータであることが好ましい。
【0034】
上記構成によれば、処理槽内の処理水を、水流による攪拌および空気曝気による攪拌の両方によって攪拌することができる。その結果、処理水の攪拌効果を増すことができるとともに、処理水中に気体を供給することができる。
【0035】
上記水処理装置では、前記処理槽の横断面の形状が、長さがa(m)である第1辺、および、長さがb(m)である第2辺を有する四角形にて規定されるとともに、前記処理槽の縦方向の深さが、c(m)にて規定され、c:aおよびc:bにて示される比が、共に1:1.0〜1.3であることが好ましい。
【0036】
上記構成によれば、上記処理槽内の処理水を効果的に流動させることができるので、上記担体が沈殿することを防止することができる。その結果、より効果的に、処理水中に含有される混入物を処理することができる。
【0037】
上記水処理装置では、前記処理槽の内側面には、当該処理槽の横断面の中央に向かって突出した凸部が設けられ、前記凸部の縦断面の形状は、三角形であることが好ましい。
【0038】
上記の構成によれば、前記担体が前記処理槽内を好適に流動することができる。
【0039】
本発明に係る水処理方法は、処理水中にナノバブルまたはマイクロナノバブルを発生させるバブル発生工程と、前記ナノバブルまたはマイクロナノバブルが発生した後の前記処理水を、処理槽内に導入する導入工程と、前記処理槽内に導入される前記処理水とポリビニルアルコールからなる、細孔を有する担体とを接触させる接触工程と、前記担体がフィルターに接触して流動するように当該担体を流動化させる流動化工程と、前記フィルターを通じて前記処理水をろ過する濾過工程とを包含することを特徴としている。
【0040】
上記の構成によれば、本発明に係る水処理装置と同等の効果を得ることができる。
【0041】
上記水処理方法では、前記液体は、有機フッ素化合物含有水、有機フッ素化合物含有廃水、工場廃水、再利用水、河川水、下水、生活廃水であることが好ましい。
【0042】
上記構成によれば、処理水中に含有される混入物を効果的に除去することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明に係る水処理装置によれば、処理水を濾過するためのフィルターを効率的に洗浄することができる。
【0044】
また、本発明に係る水処理方法によれば、処理水を濾過するためのフィルターを効率的に洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
(第1実施形態)
図1に、本実施の形態の水処理装置を示す。
【0046】
本実施の形態の水処理装置は、第1槽1、ナノバブル発生部42(バブル発生手段)、および担体(ポリビニルアルコール担体)16が配置された第2槽15(処理槽)を備えている。そして、第2槽15は、担体16を流動化させる機構が設けられた流動部56と、処理水を濾過するためのフィルターが設けられた液中膜部57とから構成されている。以下に、各構成の詳細および動作について説明する。
【0047】
本実施の形態の水処理装置では、まず、処理水としての有機フッ素化合物含有排水が、第1槽1内に導入される。
【0048】
本実施の形態の水処理装置では、上記処理水として有機フッ素化合物含有排水を用いるが、これに限定されない。上記処理水としては、例えば、工場廃水、有機フッ素化合物含有廃水、工業用水、工場廃水処理水、地下水または上水(水道水)を用いることが好ましい。上記処理水として工場廃水を用いる場合には、例えば、有機物としての生物学的酸素要求量が300ppm以上、かつ化学的酸素要求量が200ppm以上の工場廃水を用いることが可能である。本実施の形態の水処理装置は、処理水内に含まれる混入物の除去効果が高いので、上述したような工場廃水も処理することができる。
【0049】
次いで、上記第1槽1内に導入された処理水中に、ナノバブル発生部42によってマイクロナノバブルまたはナノバブルが発生する。以下に、ナノバブル発生部42について説明する。
【0050】
ナノバブル発生部42は、第1気体せん断部3を有する気液混合循環ポンプ2(過流ポンプ)、第2気体せん断部4、第3気体せん断部6、電気ニードルバルブ9などを含んでいる。
【0051】
まず、管8を介して気体(例えば、酸素など)が第1気体せん断部3中に供給されるとともに、管7を介して処理水が第1気体せん断部3中に供給される。第1気体せん断部3中の気体と処理水とは、気液混合循環ポンプ2によって混合・せん断され、その結果、上記気体からなるマイクロバブルおよびマイクロナノバブルが形成される。
【0052】
上記気液混合循環ポンプ2は高揚程のポンプであればよく、適宜公知のポンプを用いることができる。具体的には、上記気液混合循環ポンプ2は、揚程40m以上の高揚程のポンプ、換言すれば4kg/cm以上の圧力で気液混合物を押し出すことができるポンプであることが好ましい。上記構成によれば、多量のマイクロバブルを作製することができる。さらに、気液混合循環ポンプ2は、2ポールを有するポンプであることが好ましい。ポンプには、2ポールを有するポンプと4ポールを有するポンプとが存在し、2ポールを有するポンプの方が、4ポールを有するポンプと比較してトルクが安定している。したがって、より安定に多量のマイクロバブルを作製することができる。
【0053】
第1気体せん断部3の形状は特に限定されないが、当該第1気体せん断部3中にて回転せん断流を効率よく発生させるためにも、円筒形の流路を有するものであることが好ましい。なお、当該流路中を、上記バブル含有水が通過する。
【0054】
第1気体せん断部3中の気体および処理水には気液混合循環ポンプ2によって圧力がかけられ、その結果、第1気体せん断部3中に、処理水および気体の混相旋回流が発生する。更に詳細には、気液混合循環ポンプ2にはインペラと呼ばれる羽根が備えられており、当該羽根を高速回転させることによって、混相旋回流が形成される。上記第1気体せん断部3の中心部には、上記混相旋回流が高速にて旋回する結果生じる気体空洞部が形成される。そして、気液混合循環ポンプ2によって更に気体空洞部に圧力を加えることによって、気体空洞部は竜巻状の細長い形状になる。その結果、より高速で旋回する回転せん断流を発生させることができる。なお、上記気体空洞部内は負圧となるので、当該負圧を利用すれば、外部から当該気体空洞部に対して気体を自給することが可能になる。
【0055】
上記管8を介して、上記気体空洞部に気体(例えば、酸素など)を自給させながら混相旋回流を高速旋回させることによって、上記混相旋回流を切断・粉砕することができる。なお、切断・粉砕は、第1気体せん断部3の出口近傍における、第1気体せん断部3の内外の気液混合物の旋回速度の差によって生じる。
【0056】
上記回転せん断流の回転速度は特に限定されないが、500〜600回転/秒であることが好ましい。なお、上記回転せん断流の回転速度は、上記羽根(インペラ)の回転速度を調節することによって設定することができる。上記構成によれば、上記第1気体せん断部3によって、多量のマイクロバブルを作製することができる。
【0057】
すなわち、第1気体せん断部3において、流体力学的に気液混合物の圧力を制御することによって負圧形成部から気体(例えば、酸素など)を吸入し、気液混合循環ポンプ2によって上記気液混合物を高速流体運動させることによって負圧部を形成し、これによって、マイクロバブルを発生させることができる。換言すれば、気液混合循環ポンプ2によって処理水と気体とを効果的に自給混合溶解し、気液混合物を圧送することによって、マイクロバブル白濁水を製造することができる。そして、第1気体せん断部3にて作製されたマイクロバブルは、管を介して第2気体せん断部4に圧送される。つまり、上記マイクロバブル白濁水に圧力をかけた状態にて、当該マイクロバブル白濁水を第2気体せん断部4内に送り込む。このとき気液混合循環ポンプ2は高揚程のポンプであるので、揚程が40m以上であれば、4kg/cm以上の圧力をかけた状態にて、マイクロバブル白濁水を第2気体せん断部4内に送り込むことができる。
【0058】
第2気体せん断部4の形は特に限定されないが、当該第2気体せん断部4中にて回転せん断流を更に細くするためにも、円筒形の流路を有するものであることが好ましい。
【0059】
上記構成によれば、第1気体せん断部3にて形成された回転せん断流を第2気体せん断部4に圧送することによって、第2気体せん断部4中にて、上記第1気体せん断部3にて形成された回転せん断流をより細くすることができるとともに、回転せん断流の回転速度を上昇させることができる。その結果、第1気体せん断部3にて形成されたマイクロバブルを用いてナノバブルおよびマイクロナノバブルを作製することができるとともに、超高温の極限反応場を形成することができる。
【0060】
極限反応場では、局所的に高温高圧状態となる。そして、当該極限反応場では、フリーラジカルが発生する。フリーラジカルは安定化するために他の原子から電子を奪う性質があり、それ故に、強力な酸化作用を示す性質、および熱を発生する性質を有している。したがって、本実施の形態の水処理装置は、フリーラジカルに由来する酸化作用によっても、処理水中に含まれる混入物を酸化分解することができる。
なお、ナノバブルは水中に長時間存在することができる。具体的には、ナノバブルは2ヶ月以上、水中に存在し続けることができる。したがって、上記酸化作用および後段における微生物活性化作用は、長時間維持することができる。
【0061】
上記第2気体せん断部4にて形成されたバブル含有水は、管5を介して第3気体せん断部6に供給される。上記第2気体せん断部4にて作製されたバブルは、当該第3気体せん断部6にて更にせん断されて、バブルサイズが更に小さくなる。なお、第3気体せん断部6としては、上記第2気体せん断部4と同じ構成を用いることが可能である。なお、第2気体せん断部4については既に説明したので、ここでは第3気体せん断部6の説明を省略する。
【0062】
なお、本実施の形態の水処理装置におけるナノバブル発生部42としては、市販されているものを用いることができる。具体的には、株式会社 協和機設の商品を用いることができる(例えば、バビダスHYK型など)が、これに限定されない。
【0063】
上記第3気体せん断部6によって、マイクロナノバブルまたはナノバブルを含有する処理水が第1槽1内に、水流26として吐出される。
【0064】
なお、本実施の形態の水処理装置では、信号線11を介して、シーケンサー14によって、電気ニードルバルブ9の開閉動作および気液混合循環ポンプの動作が制御される。これによって、第3気体せん断部6から吐出されるナノバブルおよびマイクロナノバブルの量を調節することができる。
【0065】
上記第1槽1内に吐出されたバブルを含有した処理水は、管10を介して、第2槽15(処理槽)内に導入される。第2槽15内に導入された上記処理水は、当該第2槽15内において、担体16と接触することができる。当該担体16には細孔が設けられているとともに、当該担体16の表面上には多くの微生物が固定化されている。そして、当該微生物によって上記処理水に含有される様々な混入物(例えば、有機物など)が分解処理される。以下に、上記第2槽15内にて行われる微生物を用いた分解処理に関して説明する。
【0066】
上述したように、第2槽15は、処理水中に含有される混入物を主として微生物によって分解処理するための処理槽として機能する。なお、処理水中には、ナノバブルまたはマイクロナノバブルが存在しているので、第2槽15内においても当該バブルによってフリーラジカルが発生し、当該フリーラジカルによる混入物の酸化分解が続いている。
【0067】
上記第2槽15としては特に限定されず、適宜公知の槽を用いることができる。上記第2槽15の形状としては特に限定されないが、例えば、上記第2槽15における処理水の収容部の形状は、立方体または直方体であることが好ましい。このとき、上記第2槽15の横断面の形状(上記収容部の横断面の形状)が、長さがa(m)である第1辺、および、長さがb(m)である第2辺を有する四角形にて規定されるとともに、前記処理槽の縦方向の深さ(上記収容部の縦方向の深さ)が、c(m)にて規定され、c:aおよびc:bにて示される比が、共に1:1.0〜1.3であることが更に好ましい。
【0068】
上記第2槽15には、蓋が設けられていることが好ましい。上記蓋は、上記第2槽15の内部を密閉構造にすることができるものであればよく、具体的な構成は特に限定されない。また、当該蓋には、空気抜きに用いられる管46が設けられていることが好ましい。
【0069】
上記構成によれば、上記第2槽15内の処理水を外部環境から隔離することができるので、第2槽15の内部を好気的条件または嫌気的条件に厳密に設定することができる。例えば、上記第2槽15内を嫌気的条件に設定する場合には、第2槽15内の処理水を外気から隔離することができるので、嫌気的条件をより厳密に制御することができる。また、上記第2槽15内を好気的条件に設定する場合には、上記管46によって過剰な気体(例えば、酸素など)を取り除くことができるので、好気的条件をより厳密に制御することができる。
【0070】
また、上記第2槽15には、当該第2槽15内の処理水の酸化還元電位を測定するための酸化還元電位計47が設けられていることが好ましい。酸化還元電位計47としては特に限定されず、適宜公知の酸化還元電位計を用いることができる。なお、当該酸化還元電位計47の機能については、後述する。
【0071】
上記第2槽15の内部、換言すれば、上記収容部には、ポリビニルアルコールからなる担体16が設けられており、当該担体16には細孔が設けられている。
【0072】
上記担体16の具体的な構成としては、ポリビニルアルコールによって形成されているとともに、当該担体16に対して細孔が形成されているものであればよく、特に限定されない。例えば、上記担体16としては、ポバール樹脂を用いることが好ましい。更に具体的には、上記担体16としては、株式会社クラレ製のクラゲール(登録商標)を用いることが好ましい。例えば、上記クラゲールは、直径約4mm、比重1.025の粒子であって、1粒子あたり約10億個の微生物を固定化することができる。したがって、上記構成によれば、担体16の表面上に固定化される微生物の量を多くすることができる。
【0073】
上記細孔の孔径としては特に限定されず、必要に応じて適宜設定することができる。例えば、上記孔径は、19μm〜21μmであることが好ましい。更に好ましくは、略20μmである。上記構成によれば、上記担体16の表面積を増すことができるとともに、当該細孔中に容易にマイクロナノバブルおよびナノバブルを拡散させることができる。また、ポリビニルアルコールの表面には、ナノバブルおよびマイクロナノバブルが付着しやすい。その結果、担体16の表面に固定化された微生物を、より活性化させることができる。
【0074】
また、上記担体16の表面には、微生物が固定化されている。上記微生物としては特に限定されないが、好気性微生物または嫌気性微生物であることが好ましい。更に具体的には、上記微生物としては微小の糸ミミズ類、原生動物、またはバクテリア等であることが好ましいが、これらに限定されない。
【0075】
上記担体16の形状としては特に限定されず、適宜目的にあった形状であり得る。例えば、上記担体16の形状は、粒子状であることが好ましい。上記構成によれば、担体16は第2槽15内を流動し易いので、弱い力によって上記担体16を攪拌することができる。また、上記構成によれば、担体16の表面積を増加させることができるので、担体16の表面上により多くの微生物を固定化させることができる。
【0076】
また、上記担体16は、上記第2槽15内を流動可能に備えられ得る。換言すれば、上記担体16は第2槽15の表面に固定されることなく、第2槽15内の処理水中を浮遊するように設けられ得る。また、上記担体16は、その一部が上記第2槽15内を流動可能に備えられ、上記担体16の残りが上記第2槽15内に固定化されて備えられていてもよい。なお、担体16の一部を流動可能とし、残りを固定化する場合には、全担体16の量に対する固定化される担体16の量の比率は特に限定されず、適宜設定することができる。このとき、固定化する担体16の量が多いほど嫌気性微生物の量を増やすことができるので、所望とする好気性微生物と嫌気性微生物との量比を考慮して、全担体16の量に対する固定化される担体16の量の比率を決定すればよい。
【0077】
上記第2槽15内の流動部56には、第2槽15内に気体を吐出する散気管19(第2散気手段)が設けられていることが好ましい。上記散気管19によって第2槽15内の処理水に対して気体(気泡18)を吐出することによって、第2槽15の内部を好気的条件に設定することができる。また上記気体は処理水中を水面に向かって上昇するので、上昇水流を発生させることができる。そして、これによって、第2槽15内の処理水および担体16を攪拌することができる。
【0078】
上記散気管19には、管13を介してブロワー12から気体が供給されており、当該気体が、散気管19から第2槽15内に吐出されている。上記散気管19およびブロワー12の具体的な構成としては特に限定されず、適宜公知の構成を用いることができる。また、ブロワー12から散気管19に対して供給される気体としても特に限定されない。例えば、空気または酸素などを用いることが可能であるが、これらに限定されない。
【0079】
また、上記第2槽15内には、第2槽15内の処理水および担体16を攪拌するために下向き(第2槽15の底面に向かう方向)に水流を発生させる水中攪拌機58(攪拌手段)が設けられている。水中攪拌機58の具体的な構成としては特に限定されず、適宜公知の構成を用いることができる。例えば、上記水中攪拌機58としては、処理水に対して気体を吐出しないものであることが好ましい。上記構成によれば、第2槽15の内部を嫌気的条件に設定したままで、処理水および担体16を攪拌することができる。更に具体的には、上記攪拌機58としては、水中エアレータであることが好ましいが、これに限定されない。
【0080】
上記散気管19および水中攪拌機58は、上記第2槽15内に設けられた水流発生管17内(ドラフト)に設けられることが好ましい。
【0081】
上記水流発生管17が設けられる位置は特に限定されない。上記第2槽15内のどの位置に設けられている場合であっても、上記水流発生管17は第2槽15内の処理水および担体16を攪拌することができる。
【0082】
上記水流発生管17の形状としては特に限定されないが、例えば、円筒形状であることが好ましい。そして、このとき、上記水流発生管17の2つの開口は、それぞれ、第2槽15の底面、または当該第2槽15内に導入された処理水の水面に対向するように配置されていることが好ましい。
【0083】
また、上記水流発生管17の内部には、上記水中攪拌機58の下部に当該水中攪拌機58を固定支持するため支持板21が設けられていることが好ましい。更に、上記支持板21には、担体16が通過し得るサイズを有する複数の開口が設けられていることが好ましい。例えば、上記担体16の形状が直径4mmの略球形である場合には、上記開口の直径は6mmであることが好ましい。上記構成によれば、上記開口を介して自由に担体16が流動することができるので、第2槽15内の処理水および担体16を効果的に流動させることができる。
【0084】
上記水中攪拌機58および散気管19の第2槽15内の配置は特に限定されないが、両構成共に、上記水流発生管17の内部に設けられることが好ましい。上記構成によれば、第2槽15内の水流の方向を容易に制御することができる。
【0085】
また、このとき水流発生管17内における水中攪拌機58の位置は、上記散気管19よりも第2槽15の底面側であることが好ましい。上記構成によれば、散気管19によって形成される水流を、水中攪拌機58によって妨げることを防止することができる。これによって、第2槽15内の上側に存在する処理水および担体16をより効果的に攪拌することができる。
【0086】
上記第2槽15内の液中膜部57には、フィルター25が備えられている。フィルター25は、当該第1処理槽15内で処理された後の処理水を濾過することができるものであればよく、適宜公知のフィルターを用いることができる。例えば、上記フィルター25は、平膜、中空糸膜等の再考を有する膜を用いることができる。フィルター25の小孔サイズは特に限定されないが、略0.2μmであることが好ましい。ポンプ28により、フィルター25を介して管27へと、処理水を吸引することにより、液体中の微生物等の浮遊物質を完全に物理的に固液分離して、被処理水とすることができる。
【0087】
このとき、前述したように、第2槽15内には、担体16が流動化され、攪拌している。ここで、担体16がフィルター25に接触することにより、フィルター25が効率的に洗浄される。これにより、浮遊物質等がフィルター25に付着することに起因する、フィルター25の透過量の低減を抑制することができる。
【0088】
なお、上述したような、フィルター25を洗浄するという効果は、担体16が、ポリビニルアルコール以外の樹脂、例えば、活性炭、ポリエチレン樹脂、イオン交換樹脂、キレート樹脂、多孔質セラミックス等からなっていた場合であっても奏される。すなわち、他の実施形態において、担体16を、ポリビニルアルコール、活性炭、ポリエチレン樹脂、イオン交換樹脂、キレート樹脂、および多孔質セラミックスからなる群より選ばれる一以上の樹脂から構成してもよい。
【0089】
フィルター25によって濾過された被処理水は、管22を介して第3槽29へと輸送される。第3槽29では、第1槽1と同様に、ナノバブル発生部43によって、マイクロバブルまたはナノバブルが、被処理水に導入される。ナノバブル発生部43は、第1気体せん断部36を有する気液混合循環ポンプ35、第2気体せん断部37、第3気体せん断部38、電気ニードルバルブ39などを含んでおり、ナノバブル発生部42と同様の構成を有している。
【0090】
第3槽29においてマイクロバブルまたはナノバブルが導入された被処理水は、ポンプ30により、管32および31を経て、活性炭吸着塔33に輸送される。活性炭吸着塔33では、被処理水の難分解性であるがゆえ、残存している有機フッ素化合物は活性炭に吸着されて処理される。また、活性炭には繁殖する好気性の微生物は、被処理水中の微量有機物を処理する。なお、一般的には、活性炭吸着塔前に必要である急速ろ過塔は、本実施形態においては、第2槽15がフィルター25を備えているため、被処理水の浮遊物質は確実に除去されているので、必要ない。
【0091】
そして、有機フッ素化合物を吸着した活性炭は、活性炭が破過(吸着しなくなった時点)した時点で、セメント工場60に導入されて、有機フッ素化合物の分解温度である1300度C以上で焼却処分される。なお、元来、セメント工場60では、燃料として石炭を多量に使用してきたので、容易に使用済みの活性炭を燃料の代替として有効利用することができる。
【0092】
そして、活性炭吸着塔33を経た被処理水は、管45を経て第4槽44に輸送され、管50から、処理済の被処理水として供出される。
【0093】
上述した気液混合循環ポンプ2、電動ニードルバルブ9・39、ブロワー12、散気管19、水中攪拌機58および酸化還元電位計47は、信号線11・41を介してシーケンサー14に接続されている。上記酸化還元電位計47によって第2槽15内の処理水の酸化還元電位が測定され、当該測定値は、酸化還元電位調節計48に送られる。上記酸化還元電位調節計48では、上記測定値に基づいて、第2槽15内の処理水が好気的条件にあるのか嫌気的条件にあるのか判断する。なお、上記酸化還元電位調節計48には、予め第2槽15内の処理水の所望の状態(嫌気的または好気的)を記憶させておくことも可能である。なお、上記処理水の所望の状態は、経時的に変化するものであってもよい。例えば、好気的条件と嫌気的条件とを繰り返すものであってもよい。そして、上記酸化還元調節計48から、各種情報がシーケンサー14に伝達される。
【0094】
上記シーケンサー14は、上記酸化還元電位調節計48の判断に基づいて、気液混合循環ポンプ2、電動ニードルバルブ9・39、ブロワー12、散気管19および水中攪拌機58の動作を制御することができる。これによって、第2槽15内の状態を好気的条件または嫌気的条件に設定することができるので、担体16の表面上に固定化される微生物の種類(好気性微生物または嫌気性微生物)を制御することができる。つまり、本実施の形態の水処理装置では、好気性微生物と嫌気性微生物の両方を同時に繁殖させて、両方の微生物によって混入物を処理(分解除去)することができる。すなわち、従来技術では1つの槽にて好気性微生物と嫌気性微生物との両方を充分に繁殖させることができなかったが、本実施の形態の水処理装置では、1つの槽にて好気性微生物と嫌気性微生物との両方を充分に繁殖させることができる。
【0095】
酸化還元電位計47の値がプラスである場合には、第2槽15の内部は好気的条件であり、逆にマイナスである場合には、第2槽15の内部は嫌気的条件である。そして、本実施の形態の水処理装置では、第2槽15の内部条件を適切に制御することによって、好気性微生物と嫌気性微生物との両方が、適切に共存できる環境を生み出している。
【0096】
シーケンサー14による気液混合循環ポンプ2、電動ニードルバルブ9・39、ブロワー12、散気管19、および水中攪拌機58の動作の制御方法は特に限定されない。上記制御方法は、例えば、各構成の運転時間、および/または、運転する構成の組み合わせを適切に制御する方法であり得る。例えば、第2槽15の内部を好気的条件に設定する場合には、ブロワー12および散気管19を駆動させればよい。一方、第2槽15の内部を嫌気的条件に設定する場合には、ブロワー12および散気管19を停止させるとともに、水中攪拌機58を駆動させればよい。また、上記第2槽15の内部を、好気的条件と嫌気的条件とに連続的に変化させることも可能である。
【0097】
(第2実施形態)
図2に、本実施の形態を示す。
【0098】
本実施形態は、第1実施形態と比較して、下吐出水中撹拌機58が上吐出水中撹拌機59に置き換えられている。第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0099】
本実施形態では、第1実施形態における下吐出水中撹拌機58が上吐出水中撹拌機59に置き換えられているので、散気管19による上昇水流による撹拌と同様に、上吐出水中撹拌機59による上昇水流による撹拌方式である。よって、処理水槽15の流動部56の撹拌方式は、上昇水流のみのポバール樹脂16の撹拌である。
【0100】
担体16は、ポリビニルアルコールからなり、比重1.025であるから処理水槽15の流動部56の底部に、比較的高密度に集まって流動するが、上吐出水中撹拌機59を使用すれば、上昇水流による撹拌であるから、担体16が水面近くまで上昇し、流動部56の全容量を撹拌に使用でき、被処理水と担体16との接触が最大となり、ポバール樹脂16に固定化された微生物による被処理水中の有機物の処理が確実になる。
【0101】
第1実施形態では、下吐出水中撹拌機58による撹拌は、担体16が比重1.025であるから処理水槽15の流動部56の底部に、比較的高密度に担体16を集めて流動させる状態である。
【0102】
下吐出水中撹拌機58が良いか、上吐出撹拌機59が良いかは、排水の種類によって選定すればよい。
【0103】
(第3実施形態)
図3に、本実施の形態を示す。
【0104】
本実施形態は、第1実施形態と比較して、第1実施形態における処理水槽15の流動部56と液中膜部57に新たに活性炭52が添加されており、この点のみが本実施形態と第1実施形態とで異なっている。第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0105】
本実施形態は、第1実施形態における処理水槽15に、活性炭52が追加添加されているので、活性炭が有機フッ素化合物や有機物を吸着することできる。
【0106】
破過した使用済みの活性炭は取り出して、セメント工場で焼却処分することもできるので、焼却処分すれば、処理が確実となると同時に、後段の活性炭吸着塔33の活性炭の寿命が延びることになる。
【0107】
また、液中膜25は、担体16と活性炭52の両方から液中膜25の膜表面が物理的に洗浄されることになる。
【0108】
(第4実施形態)
図4に、本実施の形態を示す。
【0109】
本実施形態は、第2の実施形態と比較して、第2の実施形態における処理水槽15の流動部56と液中膜部57に新たに活性炭52が添加されており、この点のみが本実施形態と第2実施形態とで異なっている。第2実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第2の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0110】
本実施形態は、第2実施形態における処理水槽15に、活性炭52が追加添加されているので、活性炭が有機フッ素化合物や有機物を吸着することできる。
【0111】
破過した使用済みの活性炭は取り出して、セメント工場で焼却処分することもできるので、焼却処分すれば、処理が確実となると同時に、後段の活性炭吸着塔33の活性炭の寿命が延びることになる。
【0112】
また、液中膜25は、担体16と活性炭52の両方から液中膜25の膜表面が物理的に洗浄されることになる。
【0113】
(第5実施形態)
図5に、本実施の形態を示す。
【0114】
本実施形態は、第1実施形態における処理水槽15の流動部56の上部側面周囲に三角形の凸部55が設置されており、この部分のみが、第1実施形態と異なっている。第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0115】
本実施形態では、処理水槽15の流動部56の上部側面周囲に三角形の凸部55が設置されているので、水流の流れに変化が起き、その水流に従って、担体16も流動部56内の下部を中心に流動する様になる。
【0116】
従って、嫌気状態での処理を重要視する場合は、適合する内容となる。すなわち、担体16が流動部56の下部での流動状態となるので、空気と接触することなく、また担体16が高密度となるので、嫌気状態が維持される。
【0117】
特に、下吐出水中撹拌機58の運転時間を長くし、ブロワー12の運転時間を短くすれば、より嫌気状態を維持できる。
【0118】
有機フッ素化合物含有排水の中でも窒素分が多く、脱窒が必要な嫌気性の微生物を主体に処理を実施する場合のシステムである。
【0119】
(第6実施形態)
図6に本実施の形態を示す。
【0120】
本実施形態は、第1の実施形態における処理水槽15の上部に蓋としてのスラブ(コンクリート蓋のこと)が設置されていない。すなわち開放形である。本実施形態は、その点のみが、第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第5の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0121】
本実施形態は、第1の実施形態における処理水槽15の上部に蓋としてのスラブ(コンクリート蓋のこと)が設置されていないので、嫌気性の処理よりも処理水槽15が好気性処理が適合する。
【0122】
有機フッ素化合物含有排水中の有機物を処理して、最終的に活性炭吸着処理が最も可能性の高い合理的処理システムであるから、第6実施形態が最も採用されやすい排水処理システムとなる。
【0123】
すなわち、上部蓋の無い処理水槽15で有機フッ槽化合物含有排水中の有機物を好気性微生物で効率的に処理することになる。
【0124】
(第7実施形態)
図7に、本実施の形態を示す。
【0125】
本実施形態は、第1の実施形態と比較して、第1の実施形態における処理水槽15の上部に設置してある酸化還元電位計47がpH計53に置き換わり、また酸化還元電位調節計48がpH調節計54に置き換わっている。この点のみが、第1実施形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0126】
本実施形態は、第1の実施形態における処理水槽15の上部に設置してある酸化還元電位計47がpH計53に置き換わり、また酸化還元電位調節計48がpH調節計54に置き換わっているので、処理水槽15のpHを測定して、そのpH値によって、すなわちp
H調節計54の信号で、シーケンサー14を介して気液混合循環ポンプ2の運転時間やブロワー12の運転時間を制御している。
【0127】
有機フッ素化合物含有排水中に窒素分が存在するとナノバブルや空気によって、窒素分が酸化されて、硝酸イオンを生成して、被処理水のpHを低下させる。
【0128】
よって、硝酸イオンを多量に生成しない様に、シーケンサー14を介して気液混合循環ポンプ2の運転時間やブロワー12の運転時間を制御している。
【0129】
尚、処理水槽15の被処理水のpHが低下しても、処理上は気液混合循環ポンプ2の運転やブロワー12の運転が必要な場合は、苛性ソーダ等のアルカリを添加(図示せず)している。すなわち、被処理水を中和して、上記ポンプ等の運転を維持する。
【0130】
(第8実施形態)
図8に本実施の形態を示す。
【0131】
本実施形態は、第2の実施形態と比較して、第2の実施形態における処理水槽15の上部に設置してある酸化還元電位計47がpH計53に置き換わり、また酸化還元電位調節計48がpH調節計54に置き換わっている。この点のみが、第1実施形態と異なっている。第1の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。第1の実施形態と異なる部分のみ、説明する。
【0132】
本実施形態は、第2の実施形態における処理水槽15の上部に設置してある酸化還元電位計47がpH計53に置き換わり、また酸化還元電位調節計48がpH調節計54に置き換わっているので、処理水槽15のpHを測定して、そのpH値によって、すなわちpH調節計54の信号で、シーケンサー14を介して気液混合循環ポンプ2の運転時間やブロワー12の運転時間を制御している。
【0133】
有機フッ素化合物含有排水中に窒素分が存在するとナノバブルや空気によって、窒素分が酸化されて、硝酸イオンを生成して、被処理水のpHを低下させる。
【0134】
よって、硝酸イオンを多量に生成しない様にシーケンサー14を介して気液混合循環ポンプ2の運転時間やブロワー12の運転時間を制御している。
【0135】
尚、処理水槽15の被処理水のpHが低下しても、処理上は気液混合循環ポンプ2の運転やブロワー12の運転が必要な場合は、苛性ソーダ等のアルカリを添加(図示せず)している。すなわち、被処理水を中和して、上記ポンプ等の運転を維持する。
【0136】
(実施例)
図1に示すような、第1実施形態に基づき、本発明に係る水処理装置を製作した。上記水処理装置における第1槽1の容量を約0.1m、第2槽15の容量を6m、第2槽15内に充填する担体(クラゲール、株式会社クラレ)16の量を約1.2m(水槽容量の約20%)とし、第1バブル発生機42と第2ナノバブル発生機43として、株式会社協和機設のバビタスHYK−32を用いた。バビタスHYK−32の気液混合循環ポンプと気液混合循環ポンプの動力は3.7kwであった。
【0137】
又、下吐出水中撹拌機58を新明和工業株式会社の水中エアレータSJ型を選定し、第3槽29の容量を1m、活性炭吸着塔33の容量を0.6m、第4槽44の容量を0.7mとした。
【0138】
そして、有機フッ素化合物含有排水として、PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)を含有する有機フッ素化合物含有排水を準備して、上記水処理装置に約2ヶ月導入した。
【0139】
そして2ヶ月の試運転後、流入水と処理水のPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)を3回計6検体側定して、処理水の流入水に対する除去率を求め、3回の平均値を算出したところ、99%であった。
【0140】
また、本発明に係る水処理装置(実施例)におけるフィルター(5ヶ)表面の付着汚泥重量(乾燥後の汚泥重量 単位g/m)と、一般的な従来技術に係る水処理装置(比較例)におけるフィルター表面の付着汚泥重量とを比較した。その結果を表1に示す。表1に示すように、本発明に係る水処理装置では、フィルター表面の付着汚泥重量が少なかった。
【0141】
【表1】

【0142】
本発明の構成はまた、以下(1)〜(25)のようにも記載することができる。
【0143】
(1)液中膜が設置された槽にポリビニルアルコール担体を充填して流動状態とし、液中膜の膜表面にポバール樹脂を接触させて、液中膜の膜表面を洗浄する、水処理方法。
【0144】
(2)液中膜が設置された槽にポリビニルアルコール担体を充填して流動状態とし、液中膜の膜表面にポリビニルアルコール担体を接触させて、液中膜の膜表面を洗浄する、水処理装置。
【0145】
(3)液中膜が設置された槽にポリビニルアルコール担体を充填して流動状態とし、液中膜の膜表面にポリビニルアルコール担体と空気の混合物を接触させて、液中膜の膜表面を洗浄する、水処理方法。
【0146】
(4)液中膜が設置された槽にポリビニルアルコール担体を充填して流動状態とし、液中膜の膜表面にポリビニルアルコール担体と空気の混合物を接触させて、液中膜の膜表面を洗浄する、水処理装置。
【0147】
(5)被処理水にナノバブル含有させた後、ポリビニルアルコール担体が充填され、酸化還元電位計と液中膜が設置された密閉水槽に導入して被処理水を処理する、水処理方法。
【0148】
(6)被処理水にナノバブル含有させた後、ポリビニルアルコール担体が充填され、酸化還元電位計と液中膜が設置された密閉水槽に導入して被処理水を処理する、水処理装置。
【0149】
(7)被処理水にナノバブル含有させた後、ポリビニルアルコール担体が充填され、pH計と液中膜が設置された密閉水槽に導入して被処理水を処理する、水処理方法。
【0150】
(8)被処理水にナノバブル含有させた後、ポリビニルアルコール担体が充填され、pH計と液中膜が設置された密閉水槽に導入して被処理水を処理する、水処理装置。
【0151】
(9)被処理水にナノバブル含有させた後、ポリビニルアルコール担体が充填され、酸化還元電位計と液中膜が設置された密閉水槽に導入して処理し、さらにナノバブルを被処理水に追加含有させて、その後、活性炭吸着塔に導入して処理する、水処理方法。
【0152】
(10)被処理水にナノバブル含有させた後、ポリビニルアルコール担体が充填され、酸化還元電位計と液中膜が設置された密閉水槽に導入して処理し、さらにナノバブルを被処理水に追加含有させて、その後、活性炭吸着塔に導入して処理する、水処理装置。
【0153】
(11)被処理水にナノバブル含有させた後、ポリビニルアルコール担体が充填され、pH計と液中膜が設置された密閉水槽に導入して処理し、さらにナノバブルを被処理水に追加含有させて、その後、活性炭吸着塔に導入して処理する、水処理方法。
【0154】
(12)被処理水にナノバブル含有させた後、ポリビニルアルコール担体が充填され、pH計と液中膜が設置された密閉水槽に導入して処理し、さらにナノバブルを被処理水に追加含有させて、その後、活性炭吸着塔に導入して処理する、水処理装置。
【0155】
(13)(1)の水処理方法において、前記ポリビニルアルコール担体が充填され、酸化還元電位計と液中膜が設置された密閉水槽を好気状態又は嫌気状態とする、水処理方法。
【0156】
(14)(2)の水処理装置において、前記ポリビニルアルコール担体が充填され、酸化還元電位計と液中膜が設置された密閉水槽を好気状態又は嫌気状態とする、水処理装置。
【0157】
(15)(1)の水処理方法において、前記ポリビニルアルコール担体が充填され、酸化還元電位計と液中膜が設置された密閉水槽を好気状態と嫌気状態とを交互に経過させる、水処理方法。
【0158】
(16)(1)の水処理方法において、前記ポリビニルアルコール担体が充填された密閉水槽の中心付近に上下が開放されている筒を配置し、その筒中に上昇流動水流を発生させる為の散気管と上昇流動水流を発生させる為の水中攪拌機を設置する、水処理装置。
【0159】
(17)(1)の水処理方法において、前記ポリビニルアルコール担体が充填された密閉水槽の中心付近に上下が開放されている筒を配置し、その筒中に上昇流動水流を発生させる為の散気管と下降流動水流を発生させる為の水中攪拌機を設置する、水処理方法。
【0160】
(18)(1)〜(17)の水処理方法及び水処理装置において、前記被処理水が、有機フッ素化合物含有水、工業用水、工場排水、生活排水、工場排水処理水、地下水、上水及び下水である。
【0161】
(19)(1)〜(18)の水処理方法及び水処理装置において、前記密閉水槽が、通常の上部開放水槽である。
【0162】
(20)(1)〜(19)の水処理方法及び水処理装置において、前記密閉水槽における流動部の縦の寸法(深さ方向の寸法)と横の寸法(深さの寸法を除く二方向の寸法)の比率を1.0対1.0〜1.3とする。
【0163】
(21)(1)〜(19)の水処理方法及び水処理装置において、前記密閉水槽のポリビニルアルコール担体が、液中膜部に移動循環して、液中膜の表面を洗浄する。
【0164】
(22)(1)〜(19)の水処理方法及び水処理装置において、前記密閉水槽に設置する水中攪拌機が、下向き方向に水流を発生させる下吐出撹拌水流タイプである。
【0165】
(23)(1)〜(19)の水処理方法及び水処理装置において、前記前記密閉水槽に設置する水中攪拌機が、下向き方向に水流を発生させる下吐出撹拌水流タイプであり、かつ前記水中攪拌機に空気が供給される。
【0166】
(24)(1)〜(19)の水処理方法及び水処理装置において、前記密閉水槽四方の壁面に三角形状の凸部を設置する。
【0167】
(25)(9)〜(12)の水処理方法及び水処理装置において、前記活性炭吸着塔の使用済活性炭をセメント工場で1300度Cで焼却処理する。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明は、排水等の液体を処理する技術分野において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明の第1実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図7】本発明の第7実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図8】本発明の第8実施形態に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0170】
1 第1槽
2・35 気液混合循環ポンプ
3・36 第1気体せん断部
4・37 第2気体せん断部
6・38 第3気体せん断部
5・7・8・10・13・22・27・31・32・34・40・45・49・50 管
9・39 電気ニードルバルブ
11・41 信号線
12 ブロワー
14 シーケンサー
15 第2槽(処理槽)
16 担体
17 水流発生管(ドラフト)
18 気泡
19 散気管(第2散気手段)
20・55 凸部
21 支持板
24 散気管(第1散気手段)
25 フィルター
26 水流
28・30 ポンプ
29 第3槽
33 活性炭吸着塔
42 バブル発生部(バブル発生手段)
43 バブル発生部
44 第4槽
48 酸化還元電位調節計
51 水流
53 pH計
54 pH調節計
58・59 水中攪拌機(攪拌手段)
60 セメント工場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理水中にマイクロナノバブルまたはナノバブルを発生させるバブル発生手段と、
前記マイクロナノバブルまたはナノバブルが発生した後の前記処理水を貯める処理槽と、
前記処理槽内に導入された前記処理水と接触可能に配置され、細孔を有し、ポリビニルアルコールからなる担体と、
前記処理槽内に設けられるとともに、前記処理槽内の前記処理水を濾過するフィルターと、
前記担体を流動化させる流動化手段と、を備えていることを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
前記細孔の孔径は、略20μmであることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記フィルターは、中空糸タイプのフィルターであることを特徴とする請求項1または2に記載の水処理装置。
【請求項4】
前記流動化手段が、前記処理槽内に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の水処理装置。
【請求項5】
前記フィルターに空気を供給する第1散気手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4に記載の水処理装置。
【請求項6】
前記流動化手段が、前記処理槽内に導入された前記処理水に対して気体を吐出する第2散気手段と、当該処理水を攪拌して水流を発生させるための攪拌手段との少なくとも何れか一方を備えていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の水処理装置。
【請求項7】
前記流動化手段が、円筒状のドラフト内に設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の水処理装置。
【請求項8】
前記ドラフトの2つの開口は、それぞれ、前記処理槽の底面、または当該処理槽内に導入された前記前処理水の水面に対向するように配置されていることを特徴とする請求項7に記載の水処理装置。
【請求項9】
前記流動化手段が、前記第2散気手段と、前記攪拌手段との両方を備えていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の水処理装置。
【請求項10】
前記流動化手段が、前記第2散気手段と、前記攪拌手段との両方を備えており、
前記ドラフト内にて、前記攪拌手段は、前記第2散気手段よりも前記処理槽の底面側に配置されていることを特徴とする請求項7または8に記載の水処理装置。
【請求項11】
前記攪拌手段は、前記処理槽の底面側に向かって水流を発生させるものであることを特徴とする請求項6〜10の何れか一項に記載の水処理装置。
【請求項12】
前記攪拌手段は、水中エアレータであることを特徴とする請求項6〜11の何れか1項に記載の水処理装置。
【請求項13】
前記処理槽の横断面の形状が、長さがa(m)である第1辺、および、長さがb(m)である第2辺を有する四角形にて規定されるとともに、前記処理槽の縦方向の深さが、c(m)にて規定され、
c:aおよびc:bにて示される比が、共に1:1.0〜1.3であることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の水処理装置。
【請求項14】
前記処理槽の内側面には、当該処理槽の横断面の中央に向かって突出した凸部が設けられ、
前記凸部の縦断面の形状は、三角形であることを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の水処理装置。
【請求項15】
処理水中にナノバブルまたはマイクロナノバブルを発生させるバブル発生工程と、
前記ナノバブルまたはマイクロナノバブルが発生した後の前記処理水を、処理槽内に導入する導入工程と、
前記処理槽内に導入される前記処理水とポリビニルアルコールからなる、細孔を有する担体とを接触させる接触工程と、
前記担体がフィルターに接触して流動するように当該担体を流動化させる流動化工程と、
前記フィルターを通じて前記処理水をろ過する濾過工程とを包含することを特徴とする水処理方法。
【請求項16】
前記液体は、有機フッ素化合物含有水、有機フッ素化合物含有廃水、工場廃水、再利用水、河川水、下水、生活廃水であることを特徴とする請求項15に記載の水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−233548(P2009−233548A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81644(P2008−81644)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(000245531)野村マイクロ・サイエンス株式会社 (116)
【Fターム(参考)】