説明

水分封鎖剤を使用する湿式顆粒化

湿式顆粒化プロセスによって調製された(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩(化合物1)の加水分解に安定な処方物を含む錠剤が開示される。本発明の処方物は、特に、約6kp〜約30kpの範囲の硬度を有する錠剤を形成するに十分なバルク密度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(緒言)
(関連出願の引用)
この出願は、米国特許法§119(e)の下、2007年11月7日に出願された出願第60/986,237号(この内容は、その全体が参考として本明細書に援用される)に対する利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、製薬化学/処方化学に関する。本発明は、加水分解に不安定な化合物の処方物に一般に適用されることが理解される。好ましい実施形態として、湿式顆粒化プロセスによって調製される、(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩(化合物1)のより高密度の、加水分解に安定な処方物が提供される。このような処方物は、周囲条件下での長期の貯蔵の間に化合物1の分解を阻害する。上記処方物は、種々の疾患(リンパ腫、免疫(突発性)血小板減少性紫斑病(ITP)、および関節リウマチ(RA)が挙げられるが、これらに限定されない)を処置するために有用である。
【背景技術】
【0003】
(技術水準)
化合物1は、現在、種々の疾患(例えば、リンパ腫、ITPおよびRA)の処置のための臨床研究中である。投与は、経口送達される錠剤で現在行われている。使用される2セットの錠剤は、比較的高濃度の化合物1(すなわち、50mgおよび100mgの活性化合物(active))を含む。
【0004】
化合物1は、合成される場合、非常に低いバルク密度(約0.15〜0.30g/mL)を有するコットン様のふわふわした凝集物を形成する。この特徴は、不十分な粉末流動を付与し、上記活性化合物の錠剤への直接圧縮を非現実的にする。不十分な粉末流動はまた、錠剤ダイなどの可変性の充填物のせいで、最終生成物内で広範な重量バリエーションを生じる。従って、化合物1を、上記バルク密度を増やし、流動特性を錠剤への圧縮のために適切にする、より高密度の賦形剤(例えば、充填剤、結合剤、崩壊剤など)と処方することは、望ましい。
【0005】
顆粒化は、製薬産業において周知のプロセスであり、微細な物質粒子の集合物(「顆粒」)の調製を包含する。このような顆粒は、しばしば、錠剤を形成するために成形(compact)される。薬学的粉末の処方物は、種々の理由から顆粒化され、これら理由は、主要な2つのクラスに入る:処理および処方。処理の理由は、高密度化(densification)および集合物の必要性によって例示される。高密度の粒状物質は、より均等に流れ、梗塞打錠機のダイをより良好に満たし、単純な混合物より高い粘稠度を有する。
【0006】
顆粒を作製する1つの方法は、いわゆる「湿式顆粒化」である。その最も単純な形態において、湿式顆粒化は、顆粒化液体として機能する顆粒化液体(一般には、水)を、上記顆粒化されるべき物質を含む攪拌粉末に添加することを包含する。上記顆粒化液体は、単独で使用され得るか、または一旦上記顆粒が乾燥すると、粒子接着を確実にするために使用される結合剤(「可溶化接着剤(dissolved adhesive)」ともいわれる)を含む溶媒として使用され得る。上記乾燥する工程およびその語の取り扱いが注意しながら行われる場合、上記集合物は、それらの完全性を保持し、このことは、元来の物質より高密度でかつより自由に流動する物質を与える。湿式顆粒化はまた、有機溶媒もしくは水−有機溶媒混合物で行われてきたが、有機溶媒は、火気もしくは毒性の危険を示し得る。
【0007】
湿式顆粒化は、顕著な程度の困難性を付加する。特に、ここで上記活性薬剤は、水もしくは熱に感受性である。本発明は、一般に、加水分解に不安定な化合物について企図される。化合物1(その六水和物を含む)は、水感受性であり、以下の反応スキームに従って分解を受ける。
【0008】
【化1】

化合物1は、化合物2のプロドラッグである。次いで、水を使用する任意の湿式顆粒化プロセスが、化合物2の適切な全身レベルが達成されることを確実にするように、顆粒化、錠剤形成、もしくは貯蔵の間に、化合物1の分解がほとんどもしくは全く起こらない様式で行われることが好ましい。
【0009】
さらに、上記形成される錠剤が、破損なく手で操作され得るが、投与の際には迅速に崩壊するように、十分な硬度であることが好ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、一般に、加水分解に不安定な化合物の加水分解に安定な処方物、特に、約6kp〜約30kpの範囲の硬度を有する錠剤を形成するに十分なバルク密度を有する化合物1の加水分解に安定な処方物に関し、ここで上記処方物は、湿式顆粒化プロセスにおいて調製される。次いで、上記処方物は、従来の比較技術によって錠剤に変換される。いくつかの実施形態において、上記錠剤は、約12kp〜約20kpの範囲、より好ましくは、約14kp〜約18kpの間の硬度を有する。いくつかの好ましい実施形態において、上記錠剤は、約16kpの硬度を有する。本発明はさらに、化合物1のこれら加水分解に安定な処方物から形成される錠剤に関する。
【0011】
特に、本発明は、より高いバルク密度の包含、上記処方物における化合物1に対する水分封鎖剤(water sequestering agent)が、化合物1の加水分解不安定性にも拘わらず、湿式顆粒化プロセスにおける水の使用を可能にするという驚くべきかつ予測外の結果に関する。
【0012】
本発明はさらに、上記得られた均質の処方物のバルク密度が、圧縮された錠剤硬度に相関し、そして約0.35g/mL〜約0.65g/mLの間、および好ましくは、約0.35g/mL〜約0.60g/mLの間のバルク密度の制御が、約6kp〜約30kpの範囲の硬度を有する錠剤を提供するという発見に関する。このような錠剤はまた、pH7.4および37℃±0.5℃の温度において維持された水溶液において45分未満で少なくとも75%溶解を示す。
【0013】
本発明はなおさらに、周囲条件下での貯蔵の間に、化合物1の最小限の分解で、驚くほど長い貯蔵寿命を有するという発見に関する。従って、このように形成された上記錠剤は、経口送達に適している。
【0014】
上記に鑑みると、その処方物局面のうちの1つにおいて、本発明は、水、有効量の化合物1、化合物1の分解を阻害するに十分な量の水分封鎖剤を含む湿式顆粒化処方物に関し、ここで上記処方物は、乾燥後に、約6kp〜約30kpの範囲の硬度を有する錠剤を形成するに十分なバルク密度を有する。
【0015】
一実施形態において、上記乾燥された処方物のバルク密度は、約0.35g/mL〜約0.65g/mLの間、および好ましくは、約0.35g/mL〜約0.60g/mLの間である。
【0016】
別の実施形態において、上記より高いバルク密度のための水分封鎖剤は、デンプン(例えば、特にα化された(pregelatinized)デンプン)、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、シリカゲル、カオリンなどからなる群より選択される。好ましくは、デンプンが使用され、より好ましくは、Colorcon,Inc.,West Point,Pennsylvania,USAから市販されているStarch 1500が使用される。いくつかの実施形態において、上記デンプンは、トウモロコシ(Maize)(corn)由来である。好ましい実施形態において、上記α化されたデンプンは、トウモロコシ由来である。
【0017】
別の実施形態において、上記処方物は、1種以上の充填剤(例えば、微結晶性セルロース(例えば、Avicel PH 102(FMC Newark,DE 19711)、Emcocel 90M(JRS Pharma Patterson,NY 12563)など)および/もしくは1種以上の滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)および/もしくは1種以上の懸濁/結合剤(例えば、Plasdone K29/32(ISP Wayne,NJ 07470))および/もしくは1種以上の崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム(JRS Pharma Rosenberg,Germany)など)を含む。
【0018】
別の局面において、本発明は、水、有効量の化合物1、および化合物1の分解を阻害するに十分な量の水分封鎖剤を含む錠剤に関し、ここで上記錠剤は、約6kp〜約30kpの範囲の硬度を有する。
【0019】
別の実施形態において、本発明の錠剤は、pH7.4および37℃±0.5℃の温度において維持される水溶液において45分未満で少なくとも75% 溶解を示す。
【0020】
別の実施形態において、上記錠剤は、1種以上の充填剤(例えば、微結晶性セルロース(例えば、MCC Avicel PH 102、Emcocel 90Mなど)および/もしくは1種以上の滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)および/もしくは1種以上の懸濁/結合剤(例えば、Plasdone K29/32)および/もしくは1種以上の崩壊剤(例えば、ExploTab)などをさらに含む。
【0021】
その方法の局面のうちの1つにおいて、本発明は、化合物1を、錠剤圧縮に適した処方物へ処方するための方法に関し、上記方法は、
a)化合物1と、デンプンおよび充填剤とを、ならびに必要に応じて、1種以上の懸濁/分散剤および/もしくは1種以上の崩壊剤の存在下で、十分なインペラー速度(例えば、KG−5高剪断造粒機で155〜405rpm)でブレンドして、乾燥後に、約6kp〜約30kpの範囲の硬度を有する錠剤を形成するに十分なバルク密度を有する均質な混合物を形成する工程;
b)約15重量%〜40重量%の間の水を、上記a)の均質な粉末混合物に噴霧し、混合して、大きくした顆粒を形成する工程;ならびに
c)上記b)において生成した大きくした顆粒を、約5%〜約11%の間のLODが達成されるまで乾燥させて、乾燥させた顆粒を提供する工程、
を包含する。
【0022】
上記方法において調製された乾燥させた顆粒は、代表的には、約25μm〜約900μm直径の間である。
【0023】
その方法の局面のうちの別のものにおいて、本発明は、上記乾燥させた顆粒を粉砕する工程をさらに包含する。一実施形態において、上記乾燥させた顆粒は、約90重量%が、約25μm〜約900μm直径の間の粒径を有するように、粉砕される。
【0024】
なお別の局面において、上記乾燥され、粉砕された顆粒は、滑沢剤と、均質になるまで混合され、次いで、得られた処方物を錠剤化される。適切な滑沢剤としては、ステアリン酸、コロイド性シリカおよびタルクが挙げられる。
【0025】
本発明の錠剤は、好ましくは、約25mg〜約200mgの化合物1を含む。より好ましくは、上記錠剤は、約50mg〜約100mgの間の化合物1、およびさらにより好ましくは、約100mgの化合物1を含む。
【0026】
別の局面において、本発明は、湿式顆粒化プロセスを提供し、上記プロセスは、以下に示される順序において:
a)化合物1を含む組成物および水分封鎖剤をブレンドして、ブレンドされた混合物を形成する工程;
b)上記a)のブレンドされた混合物を、水を添加している間に顆粒化して、湿式顆粒を形成する工程;
c)上記b)の湿式顆粒を、<65℃において、約5%〜11%の間のLODが達成されるまで乾燥させて、乾燥させた顆粒を提供する工程;ならびに
d)滑沢剤を、上記c)の乾燥させた顆粒へブレンドして、ブレンドした顆粒を提供する工程、
を包含する。
【0027】
別の局面において、上記方法は、(e)上記ブレンドした顆粒を圧縮して、錠剤を形成する工程、をさらに包含する。
【0028】
別の局面において、本発明は、治療上有効な量の化合物1、水分封鎖剤、滑沢剤、および約5%〜約11%の水を含む湿式顆粒化処方物を提供する。別の局面において、上記処方物は、約0.35〜約0.60g/mLの間のバルク密度を有する。別の局面において、本発明は、上記処方物を圧縮することによって形成される錠剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(発明の詳細な説明)
本発明は、湿式顆粒化プロセスによって調製された、より高密度の加水分解に安定な化合物1の処方物を提供する。このような処方物は、周囲条件下での長期の貯蔵の間に化合物1の分解を阻害する。
【0030】
(定義)
用語「化合物1」とは、以下の化合物およびおよびその水和物(その六水和物を含む):
【0031】
【化2】

をいう。
【0032】
化合物1は、ときおり、本明細書で、(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩といわれる。上記二ナトリウム塩が、例示的目的でのみ使用され、その他の薬学的に受容可能な塩(例えば、二カリウム塩もしくはカルシウム塩、またはマグネシウム塩が挙げられるが、これらに限定されない)がその代わりに使用され得ることが理解される。化合物1は、このような他の塩のうちのいずれかを含む。化合物1はまた、その水和物(化合物1の六水和物が挙げられるが、これらに限定されない)を含む。
【0033】
化合物1は、米国特許出願第11/453,731号(US 2006−0234983 A1として公開(これはその全体が本明細書に参考として援用される))で開示されている。
【0034】
用語「化合物2」とは、以下の化合物およびその水和物:
【0035】
【化3】

をいう。
【0036】
化合物2は、ときおり、本明細書で、6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オンといわれる。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「水分封鎖剤」とは、水を吸収し得る薬学的に受容可能な薬剤をいう。適切な水分封鎖剤の例としては、デンプン、塩化カルシウム、シリカゲル、カオリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「懸濁/分散剤」とは、化合物1の上記処方物の固体粒子の沈澱を防止もしくは遅らせる薬学的に受容可能な化合物もしくは組成物をいう。適切な懸濁/分散剤の例としては、Plasdone K29/32、Plasdone S−630、ヒドロプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸アルミニウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「充填剤」とは、処方物に添加されて嵩を付加する、薬学的に受容可能な不活性物質もしくは組成物をいう。適切な充填剤としては、例えば、微結晶性セルロースが挙げられる。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「滑沢剤」とは、表面摩擦を低減し、上記顆粒の表面をなめらかにし、静電気が蓄積する傾向を低下させ、そして/または上記顆粒の砕けやすさを低減する、任意の薬学的に受容可能な薬剤をいう。滑沢剤はまた、上記コーティングにおける結合剤の粘着性を軽減することによって、上記コーティングプロセスを改善することにおいて関連した役割を果たし得る。従って、滑沢剤は、抗凝集剤および湿潤剤として働き得る。適切な滑沢剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、または他の水素化植物性油もしくはトリグリセリドである。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「崩壊剤」とは、上記医薬をばらばらにして(break apart)(崩壊させて)放出するのを助けるために、上記組成物に添加される物質である。崩壊剤の例としては、サッカリドではない水溶性ポリマー(例えば、架橋ポピドン(cross−linked povidine))が挙げられるが、これらに限定されず、崩壊速度をさらに高めるために、上記処方物に添加され得る。同様に使用され得る他の崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムなどが挙げられる;例えば、Khattab(1992)J.Pharm.Pharmacol.45:687−691を参照のこと。
【0042】
本明細書で使用される場合、用語「バルク密度」とは、滑らかな金属容器(例えば、500mL容積のシリンダー)に漏斗を介して過剰の粉末サンプルを注ぎ入れ、上記過剰分を、上記容器の縁の上の塊からすり切り、残りの粉末質量を測定し、上記質量を上記溶液の体積で除算することによって測定される場合に、上記圧縮されていない、非タップ(untapped)粉末バルク密度をいう。
【0043】
本明細書で使用される場合、用語「タップ密度(tapped density)」とは、一定容積における密度をいう。すなわち、緩い粉末化サンプル(対応する「バルク密度」を有する)は、容器中に(例えば、メモリ付きシリンダーに)入れられ、容器は、例えば、数十回〜数百回の程度で表面をタップして、上記サンプルを一定の容積になるまで圧縮する。上記サンプルの密度は、一旦開始容積がタッピングを介して達成されると、タップ密度である。
【0044】
本明細書で使用される場合、用語「流動指数」とは、粉末流動特性の決定のための単純な技術に言及する。
【0045】
用語「乾燥」および「乾燥された」とは、所望のレベルまで、組成物の水分含有量を低下させるプロセスをいう。
【0046】
用語「圧縮する」、「押し込む」、「成形する」、および「圧縮成形」とは、ダイの中で錠剤を形成するような、処方物(粉末もしくは顆粒)に圧縮力を付与するプロセスをいう。用語「圧縮された錠剤」および「押し込まれた錠剤」とは、このようなプロセスによって形成された任意の錠剤を意味する。
【0047】
用語「錠剤」とは、その一般的状況において使用され、嚥下もしくは任意の体腔への適用のために都合の良い形態で、組成物の混合物を圧縮および/もしくは成形によって作製される固体組成物をいう。
【0048】
(処方物)
錠剤化の前に、湿式顆粒化処方物が調製され、乾燥され、粉砕され、混合される、など。
【0049】
上記湿式顆粒化処方物は、水、化合物1、および上記湿式処方物を乾燥させた後に、上記処方物の上記バルク密度が、約8kp〜約24kpの間の硬度を有する錠剤を提供するに十分であるように、十分な量のより高いバルク密度水分封鎖剤を含む。
【0050】
上記湿式顆粒化処方物は、好ましくは、湿式顆粒化の前に、上記乾式処方物の総重量に基づいて、約10〜約50重量%の間の化合物1、化合物1の量に基づいて、約100〜約140重量%の水分封鎖剤、および約90〜約120重量%の間の水を含む。
【0051】
上記処方物に添加され得る選択肢的添加剤は、以下のうちの1種以上を含む:
a)使用される場合、好ましくは、湿式顆粒化の前に、約30〜約45重量%の上記乾式処方物の間の範囲に及ぶ、充填剤;
b)使用される場合、湿式顆粒化の前に、好ましくは、約2〜約5重量%の上記乾式処方物の範囲に及ぶ、懸濁/分散剤もしくは結合剤;
c)使用される場合、湿式顆粒化の前に、約0.25〜2.0重量%の上記乾式処方物の間の範囲に及ぶ、滑沢剤;ならびに
d)使用される場合、湿式顆粒化の前に、約0.5〜10.0重量%の間の上記乾式処方物の間の範囲に及ぶ、崩壊剤;
これらの内の各々は、上記に記載されている。
【0052】
好ましくは、上記湿式顆粒化処方物は、化合物1、水分封鎖剤、水、充填剤、懸濁/分散剤および崩壊剤を含む。
【0053】
上記湿式処方物は、FDAによって承認されかつ確認されている限りにおいて、さらにそして必要に応じて、着色剤を含む。例えば、例示的な色としては、いくつか挙げると、アルラレッド、酸性フクシンD、ナフタレンレッド(naphtalone red)B、食用橙色(food orange)8、エオシンY、フロキシン(phyloxine)B、エリスロシン、プルプリン(natural red)4、カルミンが挙げられる。
【0054】
甘味剤はまた、甘みを作り出すかもしくは甘くなるまで上記処方物または上記錠剤の外側コアに添加され得る。サッカリド充填剤、および結合剤(例えば、マンニトール、ラクトースなど)は、この効果を付加し得る。例えば、シクラメート、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK(Mukherjee(1997)Food Chem.Toxicol.35:1177−1179)など(Rolls(1991)Am.J.Clin.Nutr.53:872−878)が、使用され得る。糖以外の甘味剤は、上記錠剤(コア錠剤および/もしくはコーティング)のバルク容積を減らし、上記錠剤の物理的特性をもたらさないという利点を有する。
【0055】
(製造プロセス)
湿式顆粒化のための本発明の好ましい製造プロセスは、均質になるまで、水以外の必要とされる処方物成分の全てを予めブレンドする工程を包含する。1つの好ましい実施形態において、予めブレンドすることは、36インチインペラー直径を備えたFielder PMA 300 高剪断造粒機のような造粒機で行われ、予めブレンドすることは、約30〜約70rpmの間の範囲に及ぶインペラー速度において約0.5〜約5分の間の期間にわたって、上記成分を一緒に混合する工程を包含する。
【0056】
次いで、水は、上記乾式組成物の上/中にスプレーされて、本明細書で記載される湿式顆粒化処方物を形成する。上記水は、添加の間に一定して混合しながら、もしくは添加後に混合しながら、好ましくは、約1kg/分〜約5kg/分の期間にわたって一定速度で添加される。いずれにしても、混合は、上記湿式顆粒化組成物が均質になるまで継続される。
【0057】
次いで、上記湿式顆粒化処方物は、所定のレベルまで水分含有量を減少させるために、従来の技術を使用して乾燥させられる。好ましくは、上記乾燥された湿式処方物の水分含有量は、約5重量%〜約11重量%の間である。乾燥は、種々の温度および時間において行われ得る。当業者は、最初の水分含有量、所望の最終水分含有量、および使用される乾燥温度に基づいて、適切な乾燥時間を容易に決定し得る。
【0058】
上記乾燥された顆粒化処方物は、従来の技術および機械を使用して粉砕される。一実施形態において、上記処方物は、市販の粉砕装置(例えば、Quadro Comil 196S(Quadro,Millbum,NJ))を使用して、適切なメッシュスクリーンを通して粉砕される。
【0059】
一実施形態において、上記粉砕し、乾燥された顆粒化処方物は、化合物1から化合物2への分解の程度について、同様に、上記処方物の上記バルク密度が、圧縮の際に約8〜約24kpの間の錠剤硬度を提供することを確認するために評価される。驚くべきことに、上記湿式顆粒化プロセスにおけるおよび上記乾燥プロトコルの間に高温での水の使用は、上記処方物における化合物1の量を顕著に変化させないことが見いだされた。代表的には、わずか1重量%の化合物1が、上記顆粒化および乾燥プロセスの間に分解し、さらにより好ましくは、わずか0.5重量%が分解する。
【0060】
上記乾燥し、顆粒化されかつ粉砕された処方物の押し込みもしくは圧縮は、任意の錠剤プレスを使用して達成され得る。この工程をもたらすための多くの代替手段が利用可能であり、本発明は、任意の特定の装置の使用によって制限されない。好ましい実施形態において、上記圧縮工程は、ロータリータイプ錠剤プレスを使用して行われる。上記ロータリータイプ錠剤形成機は、錠剤を形成するために、複数の貫通穴、もしくはダイとともに、ロータリーボードを備える。上記処方物は、上記ダイに挿入され、その語、圧縮成形される。
【0061】
上記錠剤の直径および形状は、上記粉砕されかつ混合された処方物の圧縮のために選択されたダイおよび押し抜き具に依存する。錠剤は、円盤形、卵形、長円形、丸形、円筒形、三角形などであり得る。上記錠剤は、破壊を容易にするために刻み目が入れられ(score)得る。上側面もしくは下側面は、希望もしくは文字でエンボス加工もしくはデボス加工され得る。
【0062】
上記圧縮力は、プレス、約8kp〜約24kpという得られる錠剤の望ましい硬度、および他の属性(例えば、破砕性、崩壊もしくは溶解特性など)のタイプ/モデルに基づいて、選択され得る。好ましい実施形態は、以下の実施例において記載される。
【0063】
(錠剤特性の測定)
錠剤硬度は、錠剤の物理的強度測定値である。使用前の貯蔵、移動および取り扱いの条件下でのたたききること、摩擦、もしくは破壊に対する錠剤の抵抗性は、その硬度もしくは「破壊強度」に依存する。上記錠剤の「破壊」もしくは「伸縮(tensile)」強度は、半径方向の圧縮によって、錠剤を破壊するために必要とされる力として定義される。この強度は、代表的には、多くの一般に利用可能な錠剤硬度試験器のうちの1つを用いて測定される。例えば、「Stokes」および「Monsanto」硬度試験器は、コイルバネによって生成される力が、上記錠剤に対して正反対に付与されるときに、上記錠剤を破壊するために必要とされる力を測定する。「Strong−Cobb」硬度試験器はまた、錠剤を破壊するために必要とされる、正反対に付与される力を測定し、上記力は、アンビル上に配置された上記錠剤に対してプランジャーを押し出すエアポンプによって付与される。電子制御された硬度試験器(例えば、Schleuniger装置(「Heberlein」としても公知)が使用され得る。TS−50N,Okada Seiko Co.,Japan;Bi(1996)Chem.Pharm.Bull.(Tokyo)44:2121−2127も参照のこと。
【0064】
錠剤破砕性は、錠剤の物理的強度測定値であり、上記圧縮された錠剤が、摩擦および摩耗に耐える能力として定義される。これは、代表的には、錠剤を回転容器中で転倒させ、重量損失を決定することによって、測定される(De Jong(1987)Pharm Weekbl(Sci)9:24−28を参照のこと)。これら回転デバイスは、「破砕性測定器(friabilators)」といわれる。上記破砕性測定器は、上記錠剤サンプルに対する摩擦摩耗を提供し、錠剤の摩擦もしくは摩耗に対する抵抗性を測定するために使用される。重量損失は、制御された速度で回転するドラムの固定された回転数後に測定される。
【0065】
破砕性測定器は、破砕性測定装置は、代表的には、磨かれた内表面とともに、透明な合成ポリマーの285mmドラムを使用する。上記ドラムの一方の側面は、取り外し可能である。上記錠剤は、上記ドラムの中央から外側壁へと延びる湾曲した突出部によって、上記ドラムの各回転で転倒させられる。上記ドラムは、約25〜30rpmにおいて回転するデバイスの水平軸に取り付けられる。従って、各回転において、上記錠剤は、上記ドラム壁もしくは互いの上を滑り落ちる。多くのこのようなパラメーターは、一般に利用されている(例えば、Rocheタイプ破砕性測定器(Van Kel Industries,Inc.,Edison,N.J.);Erweka粉砕性測定器装置(Erweka Instruments,Milford,Conn.)(Bi(1996)(前出)、Chowhan(1982)J.of Pharm.Sci.71:1371−1375)など)。
【0066】
1つの例示的プロトコルにおいて、粉砕性を測定するための標準的米国局方(USP)プロトコルが使用される。簡潔には、上記錠剤は、透明な同姓ポリマーの285mmドラム、約39mm深さである粉砕性測定器に入れられる。上記錠剤は、上記ドラムの中央から延びる湾曲した突出部によって、上記ドラムの各回転において「転倒」させられる。上記ドラムを、約4分間にわたって約25rpmで回転させ、合計100回転を生じさせる。最小量で約20個の錠剤が、上記錠剤重量が650mgを超えなければ(超える場合には、10個の錠剤のみが使用される)、任意の試験において使用される。上記割り当てられた時間後に、上記錠剤は、上記粉砕性測定器から取り出され、任意の空気圧もしくはブラシの助けを借りて、接着している粒子および粉じんを取り出し、残りの錠剤を、正確に秤量する。重量の損失%を計算する。
【0067】
錠剤溶解は、pH7.4に緩衝化し、37℃±0.5℃に維持され、75rpmで攪拌棒混合された水溶液中で、上記錠剤の75%が溶解する時間によって測定される。
【0068】
錠剤形成のさらなる例は、米国特許第6,669,956号(これは、その全体が本明細書に参考として援用される)において提供される。
【実施例】
【0069】
本発明は、以下の実施例に言及することによってさらに理解される。以下の実施例は、本発明の純粋な例示であることが意図される。本発明は、例示された実施形態による範囲に限定されない。例示された実施形態は、本発明の単一の局面の例示として意図されるに過ぎない。機能的に透過である任意の方法が、本発明の範囲内である。本明細書で記載されるものに加えて、本発明の種々の改変は、前述の説明および添付の図面から当業者に明らかになる。このような改変は、添付の特許請求の範囲内に入る。
【0070】
以下の実施例において、および本願全体を通じて、以下の略語は以下の意味を有する。定義されていなければ、それら用語は、それらの一般的に受け入れられている意味を有する。
【0071】
【数1】

(材料および装置)
・化合物1
・微結晶性セルロース Avicel 102(Patheon)
・Emcocel 90M,JRS Pharma E9B4B11X
・Starch 1500,Colorcon,(Patheon)
・Plasdone S−630,ISP
・Plasdone K29/32,ISP(Patheon)
・Explotab JRS Pharma(Patheon)
・ステアリン酸マグネシウム,Mallinkrodt
・500mg 錠剤のための押し抜きとダイ,0.3510インチ×0.6299インチ、卵形
・Balance,AX105,Mettler−Toledo Inc.
・Balance,PG3001−S,Mettler−Toledo Inc.
・錠剤破砕性測定器(USP),Pharma Alliance
・ミニブレンドV字形ブレンダー,Globe Pharma
・USA標準試験シーブ
・MiniGlatt Fluid Bed Dryer,Type 3,Glatt
・錠剤硬度試験器,Holland C40 錠剤硬度試験器,Engineering Systems
・TA Instrumentsによる示差式走査熱量測定器,DSC Q100
・実験室湿度チャンバモデルLH−1.5,Associated Environmental Systems
・X線粉末回折,Miniflex Tabletop XRD System(Rigaku/MSC,The Woodlands,TXによる)
・Stokes B−2 回転式錠剤プレス
・フォトダイオードアレイ検出器を備えたHPLCシステム,Waters
・溶解試験器,Sotax Dissolution with Rainbow Monitor System
・水分分析器HB43,Mettler−Toledo Inc.
・Flodex粉末流動試験器,Hanson Research Corp.
・高剪断造粒機,モデルKG−5,Key International,Inc.。
【0072】
(実施例1)
(最終ブレンドの調製)
125gバッチの化合物1顆粒を、化合物1と、ステアリン酸マグネシウムを除いた成分全て(表1に列挙)とを、スパチュラを用いてペーパートレイ上で混合することによって調製し、約130gの水で顆粒化した。顆粒を60℃において流動床において乾燥させ、7.3%および6.5% LODにおいて集めた。次いで、それらを粉砕し、2% ステアリン酸マグネシウムと、2分間にわたってブレンドして、最終ブレンドを作製した。上記処方物を、表1に示す。上記最終ブレンドを特徴付けし、錠剤へと圧縮した。上記錠剤を、効力および不純物、硬度および溶解について試験した。実施例2は、KG−5高剪断造粒機を使用する最終ブレンド組成物(表2)を示す。
【0073】
【表1】

(実施例2:KG−5高剪断造粒機を使用する最終ブレンドの調製)
【0074】
【表2】

(実施例3:化合物1粉末ブレンドの調製)
3つの500gバッチの化合物1粉末ブレンド(表3を参照のこと)を、以下の方法に従って調製した。8インチインペラー直径を有するKG−5高剪断造粒機を使用して、1200rpmのチョッパー速度で2分間にわたって、低(155rpm)、中(405rpm)、もしくは高(600rpm)インペラー速度で、全ての成分(ステアリン酸マグネシウムを除く)を予めブレンドした。水を、30〜31.5g/分の速度で、上記粉末混合物に添加した。全量の水を添加した後、上記混合物を、さらに2分間にわたってブレンドした。上記湿式顆粒を、MiniGlatt流動床乾燥機で、60℃において、目標としたLOD、顆粒質感、大きさ、形状、硬さなどになるまで乾燥させ、肉眼で観察した。種々の温度および時間での乾燥を同様に評価した。上記顆粒を、0 32Rメッシュスクリーン(0.0331インチ直径の穴)を有するCoMill U3を通して粉砕し、1.5% ステアリン酸マグネシウムを添加し、V字形ブレンダー中で2分間にわたって混合して、最終ブレンドを作製した。上記最終ブレンドを、HPLCにより分解についてチェックし、物理的特性(例えば、バルク密度、タップ密度、Carr指数、Hausner比、およびFlodexによる流動指数)を決定した。上記最終ブレンドを、0.3071×0.6102インチ改変卵形押し抜き器を備えるStokes B−2回転式プレスを用いて、500mg錠剤へと圧縮した。上記錠剤を、最大/達成可能な錠剤硬度を得るために、同じ圧力設定で圧縮した。
【0075】
【表3】

Carr指数は、粉末の圧縮度の尺度であり、(タップ密度−バルク密度)/タップ密度のパーセントとして定義される。上記指数が高くなるほど、上記粉末の圧縮度は高くなり、流動性は低くなる。5〜15%の指数は、優れた〜良好な流動性を示す。上記Hausner比は、タップ密度 対 バルク密度の比であり、粒子間摩擦の評価である。<1.6の比は、受容可能な摩擦の示度であり、言い換えると、良好な粉末流動である。最大の達成可能な硬度は、上記最大圧縮力で達成された硬度として定義される。
【0076】
(実施例4:最終ブレンドの物理的特性)
化合物1(六水和物として)を、表4中の賦形剤(ステアリン酸マグネシウムを除く)と顆粒化した。化合物1を、全ての上記賦形剤と一緒に顆粒化し、6.5% LODになるまで乾燥させることによって作製した上記最終ブレンドの物理的特性を測定した。これを表5に示す。
【0077】
【表4】

【0078】
【表5】

15%のCarr指数および16mmの流動指数は、上記最終ブレンドの優れた粉末流動を示す。
【0079】
(実施例5:最大達成可能な錠剤硬度)
7.27%および6.47%のLODを有する、実施例4に記載されるように調製した最終ブレンドからの錠剤を圧縮し、その硬度を決定した。結果を表6に提供する。上記錠剤硬度は、達成可能な最大値であった。実証されるように、27.9〜33.8kpの硬度を有する錠剤を得た。これら最終ブレンドからの全ての上記錠剤は、灰白色で非常に均質であるように見えた。6.47%を有する上記最終ブレンドを、20kpおよび30kpの硬度を有する錠剤へと圧縮した。上記錠剤は、30分後に、>75%溶解を示した。このことは、錠剤の硬度に関して、大きな抵抗性を示す。
【0080】
【表6】

(実施例6:錠剤中の化合物1の安定性)
実施例5からの錠剤を、強化した貯蔵寿命条件(40℃および75% 相対湿度で1ヶ月)の下で貯蔵し、HPLCによって、純度および効力について分析した。上述での1ヶ月後の錠剤についての分析結果は、98.8〜99.1%の純度を示した。
【0081】
(実施例7:ブレンドの密度に対する錠剤硬度の依存性)
実施例3に記載される方法によって生成した顆粒の選択バッチを、表7に示される種々の顆粒化パラメーターにさらに供した。上記インペラー速度を変化させたところ、低インペラー速度が、低密度の顆粒をもたらすことを観察した。さらに、上記プロセスの間にスプレーされた水の量を評価し、スプレーされた水が少ないと、顆粒の密度を低くするように助け得ることを見いだした。
【0082】
【表7】

Hauser比、Carr指数、および流動指数によって測定されるように、上記顆粒は全て、優れた流動特性を有する。乾燥顆粒のLOD(6.0〜6.6%)は、出発ブレンドにおけるように、7.1%に近い。これらブレンドは、錠剤圧縮に理想的であるようであった。
【0083】
錠剤を、ステアリン酸マグネシウムとのブレンドの後に、これらブレンドから最大圧縮力で圧縮した。結果は、表8にまとめる。ブレンドの密度を低くすると、上記錠剤はより硬くなる。0.65g/mLの密度を有するブレンドは、5〜8kpの最大硬度を有する錠剤を生じた。
【0084】
【表8】

(実施例8:水分含有量(LOD) 対 <0.55g/mLのブレンドの密度を有する錠剤硬度)
バッチA(実施例7)からの顆粒を、50℃、60℃および70℃において、6.4〜6.8%のLODになるまで乾燥させた。上記乾燥させた顆粒を、HPLCによって評価した。上記純度/不純物プロフィールは、3つの乾燥条件について同じままであった。APIと比較すると、純度は0.15%の低下、化合物2における増大の量が存在した。バッチAから圧縮した上記錠剤を乾燥させ、HPLCを介して分析し、上記顆粒に類似の結果を与えた。上記錠剤の溶解は、30分後に>75%であった。
【0085】
(実施例9:水分含有量(LOD) 対 硬度)
バッチC(実施例7)を、4.7%、5.6%、6.7%、7.6%、8.7%および9.3%のLODへと、6×65gロットにさらに分けた(dried)(C−1〜C−6と表示)。上記乾燥させた顆粒を全て、#25メッシュスクリーンを備えるCoMilを介して粉砕し、1.5% ステアリン酸マグネシウムと、2分間にわたって混合した。上記最終ブレンドの物理的特性を、表9にまとめる。
【0086】
【表9】

表9からの上記最終ブレンドC−1〜C−6を、同じ最大圧縮力下で、500mg錠剤にへと別個に圧縮した。上記最終ブレンドのLOD、上記錠剤の重量、硬度および厚みを、表10に提供する。
【0087】
【表10】

本明細書で言及されそして/または出願データシートに列挙される米国特許、米国特許出願公開公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物の全ては、それらの全体が、本明細書に参考として援用される。
【0088】
前述の発明は、理解を容易にするためにある程度詳細に記載されてきたが、特定の変更および改変が、添付の特許請求の範囲の範囲内で実施され得ることは明らかである。従って、上記記載される実施形態は、例示としてみなされるべきであり、限定としてみなされるべきではなく、本発明は、本明細書で示される詳細に限定されるべきでないが、添付の特許請求の範囲の範囲および等価物内で改変され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、有効量の(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩、および(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル−アミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩の分解を阻害するに十分な量の水分封鎖剤を含む湿式顆粒化処方物であって、ここで該処方物は、乾燥後、約6kp〜約30kpの範囲の硬度を有する錠剤を形成するに十分なバルク密度を有する、処方物。
【請求項2】
乾燥後、前記処方物は、約0.35〜約0.65g/mLの間のバルク密度を有する、請求項1に記載の処方物。
【請求項3】
前記水分封鎖剤は、デンプン、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、シリカゲル、およびカオリンからなる群より選択される、請求項1に記載の処方物。
【請求項4】
前記水分封鎖剤はデンプンである、請求項3に記載の処方物。
【請求項5】
前記デンプンは、部分的にα化されている、請求項4に記載の処方物。
【請求項6】
前記デンプンは、トウモロコシ由来である、請求項5に記載の処方物。
【請求項7】
充填剤、滑沢剤、懸濁/分散剤、結合剤、および崩壊剤のうちの少なくとも1種をさらに含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項8】
水、治療上有効な量の(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩、および(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩の分解を阻害するに十分な量の水分封鎖剤を含む錠剤であって、ここで該錠剤は、約6kp〜約30kpの範囲の硬度を有する、錠剤。
【請求項9】
前記錠剤は、pH7.4で維持された水溶液、37℃±0.5℃の温度、および75rpmの攪拌棒速度において、45分未満で少なくとも75%溶解を示す、請求項8に記載の錠剤。
【請求項10】
充填剤、滑沢剤、懸濁/分散剤、結合剤、および崩壊剤のうちの少なくとも1種をさらに含む、請求項8に記載の錠剤。
【請求項11】
前記錠剤は、25mgより多くから約200mgまでの(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩を含む、請求項8、9または10のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項12】
前記錠剤は、約50mg〜約100mgの(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩を含む、請求項11に記載の錠剤。
【請求項13】
前記錠剤は、約100mgの(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩を含む、請求項12に記載の錠剤。
【請求項14】
(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩を、錠剤圧縮のための処方物へと処方するための方法であって、該方法は、
a)(6−(5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)メチルホスフェート二ナトリウム塩を、デンプンおよび必要に応じて、充填剤、滑沢剤、懸濁/分散剤、結合剤および崩壊剤のうちの少なくとも1種と、乾燥後に約6kp〜約30kpのバルク密度を有する均質な粉末混合物を形成するに十分なインペラー速度においてブレンドする工程;
b)約15重量%〜約40重量%の水を、該a)の均質な粉末混合物にスプレーし、混合して、大きくした顆粒を形成する工程;ならびに
c)該b)の大きくした顆粒を、約5%〜約11%の間のLODが達成されるまで乾燥させて、乾燥させた顆粒を提供する工程、
を包含する、方法。
【請求項15】
前記乾燥させた顆粒は、約25μm〜約900μm直径の間の大きさにされる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記乾燥させた顆粒を粉砕して、粉砕された顆粒を提供する工程をさらに包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記乾燥させた顆粒は、前記粉砕された顆粒のうちの約90重量%が、約25〜約900μm直径の間の粒径を有するように粉砕される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記粉砕された顆粒と、滑沢剤とを、均質になるまで混合する工程、次いで、該得られた処方物を錠剤化する工程をさらに包含する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
湿式顆粒化プロセスであって、該プロセスは、
a)化合物1を含む組成物および水分封鎖剤をブレンドして、ブレンドした混合物を形成する工程;
b)該a)のブレンドした混合物を、水を添加している間に顆粒化して、湿式顆粒を形成する工程;
c)該b)の湿式顆粒を、約5%〜11%の間のLODが達成されるまで、<65℃において乾燥させて、乾燥させた顆粒を提供する工程;および
d)滑沢剤を、該c)の乾燥させた顆粒にブレンドして、ブレンドした顆粒を提供する工程、
を包含する、プロセス。
【請求項20】
e)前記ブレンドした顆粒を圧縮して、錠剤を形成する工程、
をさらに包含する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
治療上有効な量の化合物1、水分封鎖剤、滑沢剤、および約5%〜約11%の水を含む、湿式顆粒化処方物。
【請求項22】
前記処方物は、約0.35〜約0.65g/mLの間のバルク密度を有する、請求項21に記載の湿式顆粒化処方物。
【請求項23】
請求項21に記載の湿式顆粒化処方物を圧縮することによって形成される、錠剤。

【公表番号】特表2011−503010(P2011−503010A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532340(P2010−532340)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/082618
【国際公開番号】WO2009/061909
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(504294145)ライジェル ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (63)
【Fターム(参考)】