説明

水分硬化性放射線硬化性シーラント組成物

a)水分硬化性、放射線硬化性ポリウレタンプレポリマーまたはb)水分硬化性ポリウレタンプレポリマーおよび放射線硬化性ポリマーを含むブレンドの少なくとも一方を含むシーラント組成物。そのようなデュアル硬化シーラント組成物を用いる絶縁ガラスアセンブリもまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
背景
本発明は、水分硬化性放射線硬化性シーラント組成物に関する。特に、本発明は、絶縁ガラスアセンブリにおける使用のためのそのようなシーラント組成物に関する。
【0002】
絶縁ガラスユニットおよび絶縁サッシアセンブリのような絶縁ガラスアセンブリは、しばしば、ガラスシートの間の密封され絶縁する空間を規定するためにガラスシートの内側に面する表面の周囲に延びる離間構造およびシーリング構造により互いに固定された離間関係で維持される1対のガラスシートを含む。絶縁サッシアセンブリの場合には、ガラス板は、サッシフレームの一体的部分であるスペーサーに付着する。ガラスシートは、通常、シーラントまたは接着剤組成物により該構造に接着される。
【0003】
シーラントおよび接着剤組成物は、水分がアセンブリの内部に侵入することを防ぐバリアを確立するように絶縁ガラスアセンブリのエッジをシールするために用いられてきた。絶縁サッシアセンブリは、例えば、米国特許第6,286,288号において記載されている。シーラント組成物はまた、絶縁ガラスアセンブリ、例えば絶縁ガラスユニットをフレームに結合させるためにも用いられてきた。このプロセスは、しばしば、「バックベッディング」と称される。バックベッディングは、例えば、米国特許第6,286,288号および第5,856,404号において検討されており、それらは本明細書に組み込まれる。ドアおよびウインドウユニットの製造において、バックベッディングシーラントは、しばしば、枠の中の適切な位置に板を維持するために、全天候型のシールを提供するために、アセンブリの構造強度を補強するために、またはそれらの組み合わせを提供するためにガラス板をシールし、結合させるために用いられる。
【0004】
さまざまの組成物が、絶縁ガラスアセンブリを構築する上で用いられてきた。例えば、一液型ポリウレタン組成物が、高い適用温度を必要とするグリーン強度を提供するために熱可塑性成分に依存するさまざまの基材にガラスを結合させるために用いられてきた。加えて、そのような一液型ポリウレタン組成物は、比較的遅い傾向がある最終性能のための水分硬化反応に依存する。
【0005】
紫外線および水分が組成物を硬化させるために用いられるデュアル硬化組成物が、例えば、EP646632A1、WO0105846、およびWO98/53008に記載される構造的接着剤を含むさまざまの用途において用いられてきた。
【0006】
二液型UV硬化性正角被覆が米国特許第5,013,631号に記載されている。
【0007】
2つの官能性を有する成分、アクリレートおよびシランを含むコーティングにおける使用のための光硬化性樹脂組成物は、EP0549228B1に記載されている。これは、高温での接着を改善することが意図される低分子量化合物である。米国特許第5,478,427号は、アクリレートおよびイソシアネート官能基を有するマクロマーに基づく接着剤を記載し、しかし、接着を達成するこの場合には、組成物は、結合される両方の基板上に適用されねばならない。
【0008】
米国特許第4,965,117号に記載され、「コマンドキュア」組成物として知られる他の組成物がストリップまたはテープとして適用され、紫外線照射への暴露により硬化される。
【0009】
概要
1つの態様において、本発明は、
a)水分硬化性、放射線硬化性ポリウレタンプレポリマー、および
b)少なくとも約10重量%のフィラー
を含むデュアル硬化シーラント組成物に関する。
【0010】
別の態様において、本発明は、
a)水分硬化性ポリウレタンプレポリマー、および
b)放射線硬化性ポリマー、および
c)少なくとも約10重量%のフィラー
を含むブレンドを含むデュアル硬化シーラント組成物に関する。
【0011】
本発明は、また、
a)疎水性ポリエステルポリオール、ポリジエンブロックポリオール、ポリオレフィンポリオールまたはそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリオール、
b)ポリイソシアネート、および
c)水素活性(メタ)アクリレート
の反応生成物を含むデュアル硬化ポリウレタンプレポリマーに関し、
前記プレポリマーは、プレポリマーのモル当量に基づいて約30%未満のモル当量のアクリレート官能基を含む。
【0012】
本発明は、また、
a)疎水性ポリエステルポリオール、ポリジエンブロックポリオール、ポリオレフィンポリオールまたはそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリオール、
b)ポリイソシアネート、
c)水素活性(メタ)アクリレート、および☆
d)水素活性有機官能性シラン
の反応生成物を含むデュアル硬化ポリウレタンプレポリマーにも関し、
前記プレポリマーは、プレポリマーのモル当量に基づいて約15%未満のモル当量のシラン官能基を含む。
【0013】
本発明は、また、
a)イソシアネート官能基、シラン官能基、またはそれらの組み合わせを含むポリウレタンプレポリマー、および
b)約2の官能性を有するポリオレフィンポリオール、約2の官能性を有するポリジエンブロックポリオールからなる群より選択されるポリオールから誘導されるアクリレートオリゴマー
を含むデュアル硬化シーラント組成物にも関する。
【0014】
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも2枚のガラス板、スペーサー、およびシーラント組成物を含む絶縁ガラスアセンブリに関し、前記ガラスは、前記シーラント組成物を介して前記スペーサーに結合し、前記シーラント組成物は、a)水分硬化性、放射線硬化性ポリウレタンプレポリマー、またはb)水分硬化性ポリウレタンプレポリマーおよび放射線硬化性プレポリマーを含むブレンドの少なくとも一方を含む。
【0015】
本発明は、水分バリア特性を示し、絶縁ガラスアセンブリ中で構造的シーラントとして機能するデュアル硬化(放射線硬化性および水分硬化性)接着剤組成物およびシーラント組成物を特徴とする。組成物は、実質的に溶媒が存在せず(好ましくは完全に溶媒が存在せず)、単成分(即ち、一液)であり、室温で適用され得る。組成物は、放射線硬化による部分的硬化の際に即席の取り扱い強度(すなわち、グリーン強度)を示す。
【0016】
他の特徴および利点は、好ましい態様の以下の記載および特許請求の範囲から明らかであろう。
【0017】
用語
本発明に関し、用語は以下の意味を有する。
【0018】
「デュアル硬化」という用語は、放射線および水分に対する暴露の際に硬化する組成物をいう。
【0019】
詳細な説明
本発明のデュアル硬化シーラント組成物は、水分硬化性で放射線硬化性のポリウレタンプレポリマー、または水分硬化性ポリウレタンプレポリマーと放射線硬化性ポリマーとの混合物またはそれらの組み合わせを含む。シーラント組成物は、放射エネルギーへの暴露の際にエチレン性の不飽和官能基の光重合または架橋を通して初期グリーン強度を発揮する。好ましい組成物は、UV硬化への暴露の直後に十分な初期グリーン強度を示し、高温でさえ十分なグリーン強度を維持し、アセンブリ構造が製造直後に搬送されることを可能とする。従って、かかる組成物は、典型的なホットメルトシーラント組成物を超える利点を提供する。本発明の組成物のグリーン強度は、アクリレート二重結合を重合させ、従って、わずかな架橋されてさえ網状構造を作り出すことにより作り出されるものであり、水分硬化される前の組成物の軟化温度で溶融する熱可塑性成分により作り出されるものではないと確信される。組成物の最終特性は、後の水分硬化性官能基と水分の反応に由来する。
【0020】
シーラント組成物は、周囲温度で適用され得る一液型の組成物である。シーラント組成物は、好ましくは、110°F(約43.3℃)で少なくとも約10psi、好ましくは少なくとも約15psiの初期グリーン強度を示す。シーラント組成物は、好ましくは、ほとんどかまったく揮発性有機成分を発生させず、水分バリアを提供し、約60ミルの厚さを有するフィルムの形態にあるとき、約10g/m2 /日以下、より好ましくは9g/m2 /日以下、最も好ましくは約8g/m2 /日の水蒸気伝達速度(moisture vapor transmission rate)を示す。シーラント組成物は、また、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約200%の伸びを示し、好ましくは約10℃未満のTgを示し、より好ましくは約−10℃未満のTgを示す。シーラント組成物は、また、ASTM D−2202に従って試験するとき、好ましくは約0.1インチ(約2.5mm)未満のスランプを有する。
【0021】
水分硬化性、放射線硬化性ポリウレタンプレポリマー
本明細書で以後、「デュアル硬化」プレポリマーとも称される水分硬化性、放射線硬化性ポリウレタンプレポリマーは、水分への暴露の際に重合が可能である(水分硬化性)少なくとも1つの第1の官能基および放射線への暴露の際に重合が可能である(放射線硬化性)少なくとも1つの第2の官能基を含む。水分硬化性官能基には、例えば、イソシアネート官能基、シラン官能基、およびそれらの組み合わせが含まれる。放射線硬化性官能基には、例えば、(メタ)アクリレート、アクリル基(例えば、アクリルアミドおよびアクリルオキシ)、メタクリル基(例えば、メタクリルアミドおよびメタクリルオキシ)、およびアルケニル基(例えば、ビニル、アリル、およびヘキセニル)等のエチレン性不飽和官能基を含む。
【0022】
官能基は、ポリウレタンプレポリマーに、側基、末端基またはそれらの組み合わせとして位置し得る。好ましくは、官能基は、プレポリマーについて、末端に位置する、すなわち、プレポリマーは、官能基でエンドキャップされる。
【0023】
プレポリマーに存在する反応性官能基の数は、所望されるプレポリマー当量により原理的には制御される。プレポリマーの分子量が高いほど、最終生成物の伸びが高くなる。しかしながら、このことは、初期のグリーン強度を十分なものとするために存在する反応性官能性を低下させる。所望の特性を獲得するために、プレポリマーの官能性は、得られるプレポリマー中の各成分のモル当量を調節することにより均衡させねばならない。
【0024】
水分硬化性、放射線硬化性ポリウレタンプレポリマーは、好ましくは、ポリオール、ポリイソシアネート、水素活性(メタ)アクリレート、および任意に水素活性有機官能性シランおよび任意に単官能アルコールの反応生成物を含む。デュアル硬化プレポリマーは、好ましくは、プレポリマー中の全モル当量に基づいて約30%モル当量未満、より好ましくは約20%モル当量未満、最も好ましくは約15%モル当量未満の(メタ)アクリレート官能基、およびプレポリマーのモル当量に基づいて約15モル当量未満、より好ましくは約10%未満、最も好ましくは約5%未満モル当量のシラン基を有する。単官能基アルコールが含まれるとき、それは、好ましくは、プレポリマーのモル当量に基づいて約5%モル当量未満の量で存在する。
【0025】
好ましい水分硬化性、放射線硬化性ポリウレタンプレポリマーは、約2000から50,000まで、より好ましくは約2500から約20,000まで、最も好ましくは約3000から約15,000g/モルまでの数平均分子量(Mn)を有する。水分硬化性、放射線硬化性ポリウレタンプレポリマーは、好ましくは、多分散性である、すなわち、重量平均分子量(Mw)対数平均分子量(Mn)の比(即ち、Mw/Mn)は、少なくとも約1.8、好ましくは少なくとも約2である。
【0026】
水分硬化性、放射線硬化性プレポリマーは、イソシアネート官能性プレポリマーを形成するようにポリオールとポリイソシアネートをまず反応させることにより調製される。好ましくは、ポリオールは、イソシアネート官能性ポリウレタンプレポリマーを形成するように第1段階で過剰のジイソシアネートと反応させる(すなわち、反応混合物中に存在するイソシアネート官能基の量は、反応混合物中に存在するヒドロキシ当量の数より大きい)。好ましくは、反応混合物中のイソシアネート基対ヒドロキシ基の比は、ASTM D−2572−80により測定して約1重量%から約10重量%までの最終プレポリマー中のイソシアネート濃度を獲得するのに十分なものである。好ましくは、反応混合物中のイソシアネート基対ヒドロキシ基の比は、約1.1対1から約4:1までであり、より好ましくは約1.2:1から約2.5:1までである。好ましいイソシアネート官能性ポリウレタンプレポリマーは、少なくとも2、より好ましくは少なくとも約1.8、最も好ましくは少なくとも約2.0、好ましくは約3.0以下の平均官能性(官能基の平均数)を有する。
【0027】
イソシアネート官能性プレポリマーは、次いで、水素反応性官能基(例えば、ヒドロキシル、アミンまたはメルカプト)および(メタ)アクリレート官能基を含む化合物と反応させる。代わりに、イソシアネート官能性プレポリマーは、更なる反応の前にイソシアネート官能基の一部をキャップするために単官能基アルコールと反応させ得る。得られる(メタ)アクリレート官能性プレポリマーは、次いで、さらに、シランと(メタ)アクリレート官能基の両方を有するデュアル硬化プレポリマーを獲得するために水素活性有機官能性シランと反応し得る。
【0028】
ポリイソシアネート
有用なポリイソシアネートには、例えば、脂肪族、脂環族、アール脂肪族(araliphatic)、アリールアルキル、アルキルアリール、および芳香族イソシアネートおよびそれらの混合物等の少なくとも2つのイソシアネート基を有するいずれか適切なイソシアネートが含まれる。適切なジイソシアネートには、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニリジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、オメガ,オメガ’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、テトラメチルキシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネートおよび4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネートの混合物、2’,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、およびナフタレン−1,5−ジイソシアネート、およびそれらの混合物が含まれる。他の有用なイソシアネートは、米国特許第6,387,449号、第6,355,317号、第6,221,978号、第4,820,368号、第4,808,255号、第4,775,719号および第4,352,858号において開示され、本明細書に組み込まれている。
【0029】
特に好ましいジイソシアネートは、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネートおよび4,4−メチレンジフェニルジイソシアネートの混合物である。
【0030】
有用な商業的に入手可能な芳香族イソシアネートには、例えば、バイエル(ペンシルバニア州、ピッツバーグ)由来の商品名モンダー(MONDUR) ML、ダウ・ケミカル・カンパニー(ミシガン州、ミッドランド)由来のアイソネート(ISONATE)50 OPおよびアイソネート 125M、およびBASF(ドイツ)由来のルプラネート(LUPRANATE) MIの下で入手可能な芳香族イソシアネートが含まれる。
【0031】
他の適切なジイソシアネートの例には、1,2−ジイソシアナトエタン、1,3−ジイソシアナトプロパン、1,2−ジイソシアナトプロパン、1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、ビス(3−イソシアナトプロピル)エーテル、ビス(3−イソシアナトプロピル)スルフィド、1,7−ジイソシアナトヘプタン、1,5−ジイソシアナト−2,2−ジメチルペンタン、1,6−ジイソシアナト−3−メトキシヘキサン、1,8−ジイソシアナトオクタン、1,5−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルペンタン、1,9−ジイソシアナトノナン、1,4−ブチレングリコールの1,10−ジイソシアナトプロピルエーテル、1,11−ジイソシアナトウンデカン、1,12−ジイソシアナトドデカン、ビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、4−ジイソシアナトベンゼン、1,3−ジイソシアナト−o−キシレン、1,3−ジイソシアナト−p−キシレン、1,3−ジイソシアナト−m−キシレン、2,4−ジイソシアナト−1−クロロベンゼン、2,4−ジイソシアナト−1−ニトロ−ベンゼン、2,5−ジイソシアナト−1−ニトロベンゼン、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1−メトキシ−2,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−シクロヘキサンジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1−メトキシ−2,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよび3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートおよび3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネートが含まれる。
【0032】
適切なポリイソシアネートの例には、例えば、トリイソシアネート、例えば、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートおよび2,4,6−トルエントリイソシアネート、テトライソシアネート、例えば、4,4’−ジメチル−2,2’−5,5’−ジフェニルメタンテトライソシアネート、およびポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートが含まれる。
【0033】
ポリオール
プレポリマーの調製に有用な適切なポリオールには、例えば、ジオール、トリオールおよびそれらの混合物が含まれる。好ましいポリオールには、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンジオール、ポリジエンブロックポリオール、およびそれらの組み合わせが含まれる。好ましいポリオールは、少なくとも約1.5、より好ましくは少なくとも約1.8、最も好ましくは少なくとも約2、好ましくは約4.0以下、より好ましくは約3.5以下、最も好ましくは約3.0以下の官能性を有する。好ましいポリオールは、アモルファスであり、約0℃未満、好ましくは約−20℃未満のTgを有し、および約500g/モルを超える分子量、より好ましくは約500g/モルを超える分子量から約10,000g/モルまでの分子量、最も好ましくは約1000g/モルから約4000g/モルまでの分子量を有する。好ましいポリオールは、疎水性であり、好ましくは構造的に主として炭化水素である。
【0034】
有用なクラスのポリオールには、例えば、ラクトンポリオール、およびそのアルキレンオキシドアダクトを含むポリエステルポリオールおよび二量体酸性ポリエステルポリオールおよび、例えば、ポリブタジエンポリオール、水素化されたポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ビスフェノールAのヒドロキシアルキル誘導体(例えば、ビス(2−ヒドロキシエチル)ビスフェノールA)、ポリチオエーテルポリオール、フッ素化されたポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリフェノールのアルキレンオキシドアダクト、ポリテトラメチレングリコール、官能基を有するグリセリド(例えば、ひまし油)、およびポリヒドロキシスルフィドポリマーを含む特殊ポリオールが含まれる。
【0035】
有用なポリエステルポリオールは、ポリカルボン酸、その無水物、そのエステルまたはそのハロゲン化物と、化学量論的に過剰な多価アルコールの反応生成物から調製される。適切なポリカルボン酸には、例えば、芳香族ジカルボン酸、その無水物およびそのエステル(例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、フタル酸、フタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸)を含むジカルボン酸およびトリカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸およびその無水物(例えば、例えば、マレイン酸、コハク酸、コハク酸無水物、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼレイン酸、セバシン酸、クロレンジン酸(chlorendic acid)、1,2,4−ブタン−トリカルボン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、二量体酸、およびフマル酸)、および脂環式ジカルボン酸(例えば、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸)が含まれる。
【0036】
ポリエステルポリオールが誘導され得る適切なポリオールの例には、エチレングリコール、プロパンジオール(例えば、1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオール)、ブタンジオール(例えば、1,3−ブタンジオール)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(例えば、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコール)、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、二量体ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素化されたビスフェノールA、および水素化されたビスフェノールF、グリセロール、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0037】
有用なポリエステルポリオールの例には、アジピン酸ポリグリコール、ポリエチレンテレフタレートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールおよびポリカプロラクトントリオールが含まれる。
【0038】
適切な商業的に入手可能なポリオールには、例えば、ユニケマ(デラウエア州、ニューカッスル)由来のプリプラスト(PRIPLAST)3187、3190、3196、および3197を含むプリプラストシリーズの商品名の下で入手可能な二量体酸性ポリエステルポリオールおよびアトフィナ・ケミカルズ,Inc.(ペンシルバニア州エクストン)由来の商品名ポリ(POLY)BD R−20LM、R−45HT、およびR−45Mの下で入手可能なポリブタジエンポリオール、および三菱化学(日本)由来の商品名ポリテール(POLYTAIL)の下で入手可能な水素化されたポリブタジエンポリオールが含まれる。
【0039】
水素活性単官能性(メタ)アクリレート
適切な水素活性単官能性(メタ)アクリレートには、例えば、ヒドロキシアルキルアクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシメチルアクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)および2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、1,3−ジヒドロキシプロピルアクリレートおよび2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレートおよびメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリルアミドおよびメタクリルアミド、N−アルキル−N−ヒドロキシエチルアクリルアミドおよびメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)、ヒドロキシエチル−ベータカルボキシエチルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、およびヒドロキシオクチルメタクリレート)が含まれる。
【0040】
有用なヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシプロピルアクリレートは、ダウ・ケミカル(ミシガン州、ミッドランド)および大阪有機化学工業(日本、大阪)から商業的に入手可能である。有用なヒドロキシブチルアクリレートは、大阪有機化学工業から商業的に入手可能である。有用なヒドロキシポリエステルアクリレートは、ダウ・ケミカル・カンパニーからトーン モノマー(TONE MONOMER) M−100商品名の下で、大阪有機化学工業からビスコート(VISCOAT)2308の下で商業的に入手可能である。有用なヒドロキシポリエーテルアクリレートは、テキサス州ヒューストンのリヨンデル・ケミカルズ由来のアルコル(ARCOL) R−2731商品名の下で商業的に入手可能である。
【0041】
水素活性有機官能性シラン
ポリウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応性がある少なくとも1つの官能基(例えば、水素)および少なくとも1つのシリル基を含むいずれかの水素活性有機官能性シランが用いられ得る。有用なシリル基の例には、アルコキシシリル、アリールオキシシリル、アルキルオキシイミノシリル、オキシムシリルおよびアミノシリルが含まれる。好ましい水素活性有機官能性シランには、例えば、アミノシラン(例えば、第2級アミノアルコキシシランおよびメルカプトアルコキシシラン)が含まれる。適切なアミノシランの例には、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、t−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルマレエートアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルマレエート置換された4−アミノ3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシランおよびそれらの混合物が含まれ、それらの具体例には、N−メチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルジエトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリエトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−(N−メチル−3−アミノ−1−メチル−1−エトキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、ビス−(3−トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)アミン、N−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス[(3−トリエトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[(3−トリプロポキシ−シリル)プロピル]アミン、N−(3−トリメトキシシリル)プロピル−3−[N−(3−トリメトキシシリル)−プロピルアミノ]プロピオンアミド、N−(3−トリエトキシシリル)プロピル−3−[N−(3−トリエトキシシリル)−プロピルアミノ]プロピオンアミド、N−(3−トリメトキシシリル)プロピル−3−[N−(3−トリエトキシシリル)−プロピルアミノ]プロピオンアミド、3−トリメトキシシリルプロピル−3−[N−(3−トリメトキシシリル)−プロピルアミノ]−2−メチルプロピオネート、3−トリエトキシシリルプロピル3−[N−(3−トリエトキシシリル)−プロピルアミノ]−2−メチルプロピオネート、3−トリメトキシシリルプロピル3−[N−(3−トリエトキシシリル)−プロピルアミノ]−2−メチルプロピオネート、ガンマ−メルカプトプロピル−トリメトキシシランおよびN,N’−ビス((3−トリメトキシシリル)プロピル)アミンが含まれる。
【0042】
有用な商業的に入手可能なアミノシランには、例えば、OSiスペシャルティーズ−クロンプトンCorp.(コネティカット州、グリーンウィッジ)由来のシルケスト(SILQUEST) A−1170、シルケスト A−1110、シルケスト Y−9669およびシルケスト A−15を含むシルケストシリーズの商品名の下で、ともにデグッサ・コーポレーション(イリノイ州、ネーパービル)から入手可能である、例えば、ダイナシラン(DYNASYLAN)1189 N−(n−ブチル)アミノプロピルトリメトキシシランおよびダイナシラン MTMO 3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを含むダイナシランシリーズの商品名の下で、およびOSiスペシャルティーズ−クロンプトンCorp.からA−189ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン商品名の下で、入手可能なアミノシランが含まれる。
【0043】
シラン官能性ポリウレタンプレポリマーを調製する有用な方法は、例えば、米国特許第3,632,557号、米国特許第4,345,053号、第4,645,816号および第4,960,844号において記載され、それらは、本明細書に組み込まれる。
【0044】
側鎖または末端シラン官能基を有するシラン官能性ポリウレタンプレポリマーを調製する有用な方法の1例には、イソシアナト有機官能性シランとポリヒドロキシ官能性ポリウレタンプレポリマーまたはアクリレート官能性ヒドロキシ官能性ポリウレタンプレポリマーとの反応が含まれる。ポリヒドロキシ官能性ポリウレタンプレポリマーは、反応混合物がヒドロキシル官能性ポリウレタンプレポリマーを形成するようにジイソシアネート成分に対して化学量論的に過剰なポリオールを有することを除いて、ポリイソシアネート官能性ポリウレタンプレポリマーについて上述のように調製され得る。好ましくは、反応混合物中のヒドロキシ基対イソシアネート基の比は約1.1:1から約4:1、より好ましくは約1.2:1から約2.5:1である。
【0045】
次いで、ヒドロキシ官能性ポリウレタンプレポリマーは、1以上のイソシアネート化シラン、例えば、式OCN−R−Si(X)m(−OR1 )3−m(式中、mは0、1、または2であり、それぞれのR1 は、1から4の炭素原子を含むアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであり、それぞれのXは1から4の炭素原子を含むアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであり、Rは、2官能性有機官能基、好ましくはプレポリマーのヒドロキシ基がイソシアネートシランでキャップされるように2〜6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の2官能性アルキルである)を有するイソシアネート化シランと反応する。活性水素末端または側鎖原子を有するウレタンプレポリマーのキャッピングのために適切なシランキャッパーは、一般式OCN−R−Si(X)m(−OR1 )3−m(式中、R、R’、Xおよびmは上記定義の通りである)により表される。そのようなイソシアナトアルコキシシラン化合物のための多数の有用な構造が、例えば、米国特許第4,146,585号(第4欄および第5欄)において開示され、本明細書に組み込まれている。好ましいイソシアナトアルコキシシランには、例えば、ガンマ−イソシアナトプロピル−トリエトキシシランおよびガンマ−イソシアナトプロピル−トリメトキシシランが含まれ、その商業的に入手可能な例は、OSiスペシャルティーズ−クロンプトンCorp.から商品名シルケスト A−35およびシルケスト A−25の下で入手可能である。
【0046】
単官能性アルコール
ポリウレタンプレポリマーの調製における使用のために好ましい単官能性アルコールはアモルファスであり、または約50℃以下の融点を示す。単官能性アルコールは、好ましくは、4から18個までの炭素原子、より好ましくは8から16個までの炭素原子、最も好ましくは12から16個までの炭素原子を有し、約74g/molから約1000g/mol、より好ましくは約130g/molから約500g/molの分子量を有するアルキルアルコールである。有用な単官能性アルコールはまた、約750から約56、好ましくは約430から約110のOH価も有する。
【0047】
適切な単官能性アルコールには、例えば、アルキル、アルキレン、アルキニル、芳香族、ヘテロ芳香族、分岐鎖、非分岐鎖、置換されているアルコールおよび置換されていないアルコール、アルキルアルコールのアルコキシル化された生成物、アルキルエステルアルコールおよびそれらの混合物が含まれる。適切な単官能性脂肪族アルコールの例には、アンブチルアルコール、イソブチルアルコール、イソヘキシルアルコール、1,3’−ジメチルブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ノニルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、2−エチル−1−ヘプチルアルコール、2−エチル−1−オクチルアルコール、イソオクチルアルコール、オキソアルコール、ドデシルアルコール、ウンデシルアルコール、トリデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、イソヘキシルデシルアルコール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシルアルコール、スチロアルコール、およびベヘニルアルコール、12から30炭素原子を有するアルコール(例えば、オレイルアルコール)、オリーブ油、グレープシード油、ココナッツ油、やし油、大豆油、綿実油、およびリンシード油のような天然脂肪および油脂から得られる12から30個までの炭素原子を有する水素化された脂肪酸混合物により得られるアルコール混合物、アルキルエステルアルコール(例えば、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)、およびそれらの組み合わせが含まれる。有用な単官能性アルコールおよびプレポリマーを伴う使用のために単官能性アルコールをエンドキャップする方法もまた、例えば、米国特許第6,498,210号において記載されており、本明細書に組み込まれる。
【0048】
有用な商業的に入手可能な単官能性アルコールには、ダウ・ケミカル・カンパニー(ミシガン州、ミッドランド)由来の例えば、カーボワックス(CARBOWAX) PMEG 350、500および750を含むカーボワックスシリーズの商品名の下で、ともにコンディー・ビスタ・カンパニー(テキサス州、ヒューストン)から入手可能であるアルフォール(ALFOL) C14 1−テトラデカノールおよびアルフォール C18 1−オクタデカノールの下で、商業的に入手可能であるメトキシポリエチレングリコールが含まれる。
【0049】
水分硬化性、放射線硬化性ポリウレタンプレポリマーを調製するとき、もし単官能性アルコールが存在するならば、単官能性アルコールは、好ましくは、イソシアネートのモル当量に基づいて約10モル%未満、より好ましくは約5モル%未満の量で反応混合物中に存在する。
【0050】
水分硬化性、放射線硬化性プレポリマーを含むシーラント組成物については、プレポリマーは、好ましくは、20重量%から100重量%まで、より好ましくは、約30重量%から約60重量%までの量で存在する。
【0051】
水分硬化性ポリマーおよび放射線硬化性ポリマーの混合物
水分硬化性ポリウレタンプレポリマーおよび放射線硬化性ポリマーの混合物を含むシーラント組成物については、水分硬化性ポリウレタンプレポリマーは、上記水分硬化性ポリウレタンプレポリマーであり得るし、その場合、官能基は、イソシアネート基、シラン基、またはそれらの組み合わせを含む。好ましい水分硬化性ポリウレタンプレポリマーは、シラン官能基および/またはイソシアネートによりエンドキャップされる。ポリウレタンプレポリマーは、好ましくは、約1500から約20,000g/モルまでの数平均分子量を有する。イソシアネート官能性ポリウレタンプレポリマー、シラン官能性プレポリマーおよび上述のイソシアナト官能性およびシラン官能性を含むプレポリマーを作る方法は、本明細書に組み込まれる。
【0052】
好ましいイソシアネート官能性ポリウレタンプレポリマーは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,355,317号において記載されている。上記の好ましいシラン官能性ポリウレタンプレポリマーは、少なくとも1つのシラン官能基によりエンドキャップされており、好ましくは6以下のシラン官能基を含む。最も好ましくは、水分硬化性シランプレポリマーは、プレポリマーのモル当量に基づいてシラン基の約25%未満のモル当量、最も好ましくは、約20%未満のモル当量を有する。より好ましくは、それはまた、約15%未満のモル当量の単官能性アルコール、より好ましくは、約10%未満のモル当量の単官能性アルコールも含む。
【0053】
他の有用なシランキャップされたポリウレタンは、米国特許第4,960,844号に記載されたパーマポール(PERMAPOL)ウレタンおよび米国特許第6,498,210号において記載されたシリル化されたポリウレタン組成物であり、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
水分硬化性ポリウレタンプレポリマーを調製するとき、単官能性アルコールは、好ましくは、イソシアネートのモル当量に基づいて約55モル%未満、より好ましくは、約50モル%未満、最も好ましくは約45モル%未満の量で反応混合物中に存在する。
【0055】
水分硬化性ポリウレタンプレポリマーは、好ましくは、約1重量%から約40重量%まで、より好ましくは約1重量%から約20重量%まで、最も好ましくは約3重量%から約10重量%までの量で組成物中に存在する。
【0056】
放射線硬化性ポリマー
放射線硬化性ポリマーは、少なくとも2の官能性を有する(メタ)アクリレートポリマーである。有用な(メタ)アクリレートポリマーの例には、ポリブタジエンジアクリレート、ポリブタジエンウレタンジアクリレート、単官能性および多官能性アクリレート(即ち、アクリレートおよびメタクリレート)、アクリレート化ポリエステル、アクリレート化芳香族ウレタン、アクリレート化脂肪族ウレタン、アクリレート化アクリル、およびそれらの組み合わせまたは混合物が含まれる。
【0057】
適切なアクリレート化オリゴマーの例には、アクリレート化ポリエステル、アクリレート化芳香族ウレタン、脂肪族ウレタン、ビニルアクリレート、アクリレート化油脂およびアクリレート化アクリルが含まれる。アクリレート化脂肪族ウレタンの例には、ヘンケルCorp.(ニュージャージー州、ホボケン)由来の商品名フォトマー(PHOTOMER)6010(MW=1500)の下で、UCBラドキュアInc.(ジョージア州スマーナ)由来のエベクリル(EBECRYL)8401(MW=1000)およびエベクリル8402(MW=1000、ウレタンジアクリレート)の下で、アトフィナ・ケミカルズ(ペンシルバニア州、ウエストチェスター)由来のCN9635、CN9645、およびCN9655の下で入手可能なものが含まれる。
【0058】
好ましいアクリレートは、疎水性であり、主として炭化水素構造であり、低いTgを有し(好ましくは約0℃未満、より好ましくは約−10℃未満)、水分硬化性プレポリマーとの十分な相容性を有する。好ましいアクリレート化ポリマーはまた実質的にアモルファスである。そのようなアクリレートは、大阪有機化学(日本、大阪)の販売者のサン・エスターズ・コーポレーション由来の商品名BAC−45およびアトフィナ・ケミカルズ(ペンシルバニア州、エクストン)由来のCN302の下で商業的に入手可能である。
【0059】
放射線硬化性ポリマーは、好ましくは、約5重量%を超え、より好ましくは約15重量%を超え、最も好ましくは約20重量%を超える量で組成物中に存在する。
【0060】
光開始剤
組成物は、任意に、光開始剤を含み得る。好ましい光開始剤は、適切な波長および強度の放射に対する暴露の際にエチレン性の不飽和の基のフリーラジカル重合、架橋、または両方を促進することが可能である。光開始剤は、単独で用いられ得るか、または適切な供与体化合物または適切な共開始剤と組み合わせで用いられ得る。光開始剤およびその量は、好ましくは、硬化される組成物の厚さの関数としての均一な反応変換率、並びに所望される初期取り扱い強度(すなわち、グリーン強度)を達成するように十分に高い総変換度率を達成するように選択される。
【0061】
有用な光開始剤には、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインエーテル、ヒドロキシアルキルフェニルケトン、ベンゾイルシクロヘキサノール、ジアルコキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド、メチルチオフェニルモルホリノケトンおよびモルホリノフェニルアミノケトンを含む「アルファ解離タイプ」光開始剤、光開始剤およびベンゾフェノン、チオキサントン、ベンジル、カンファーキノン、およびケトクマリンに基づく共開始剤を含む水素除去光開始剤、およびそれらの組み合わせが含まれる。好ましい光開始剤には、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、および2,4,4−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを含むアシルホスフィンオキシドが含まれる。
【0062】
有用な商業的に入手可能な光開始剤は、以下の商品名の下で入手可能であり、それらは、アーガキュア(IRGACURE)369モルホリノフェニルアミノケトン、アーガキュア819ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドおよびその好ましい形態のCGI819XF、アーガキュア CGI403ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、アーガキュア651ベンジルメチルケタール、アーガキュア184ベンゾイルシクロヘキサノール、ダロカー(DAROCUR)1173ヒドロキシアルキルフェニルケトン、ダロカー4265 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンおよび2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドの50:50混合物、およびCGI1700 ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの25:75混合物であり、それらのすべては、チバガイギーCorp.(ニューヨーク州、アーズレー)から入手可能である。
【0063】
光開始剤は、好ましくは、所望される速度の光重合を提供するのに十分な量で存在する。量は、部分的には、光源、放射エネルギーに暴露される層の厚さおよびその波長での光開始剤の吸光係数に依存する。典型的には、光開始剤成分は、約0.01重量%から約5重量%、より好ましくは約0.01重量%から約1重量%までの量で存在する。好ましい光開始剤にはアシルホスフィンオキシドが含まれ、それは、好ましくは、約0.03重量%から約0.4重量%までの量で存在する。
【0064】
触媒
組成物は、また、ポリオールとポリイソシアネートとの間の反応、加水分解反応、および/または後のシラン基、イソシアネート基またはそれらの組み合わせの架橋反応を促進するために触媒も含み得る。有用な触媒には、例えば、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチル−シクロヘキサミン−ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチル−ジエチレン−トリアミン、および1−2(ヒドロキシプロピル)イミダゾールを含む第3級アミンおよび例えば、錫(例えば、ジアルキル錫ジカルボキシレート、例えば、ジブチル錫ジラウレートおよびジブチル錫ジアセテート、第3級アミン、カルボン酸の錫塩、例えば、オクタン酸錫および酢酸錫、テトラブチルジオレアトジスタノキサン)、チタニウム化合物、錫カルボキシレート、チタン酸有機ケイ素、チタン酸アルキルを含む金属触媒およびその組み合わせが含まれる。
【0065】
水分硬化性、放射線硬化性シーラント組成物については、触媒は、好ましくは、約0.01重量%から約2重量%までの量で存在する。
【0066】
フィラー
組成物は任意に、フィラーを含み得る。フィラーの化学組成、およびその粒子サイズと形態、粒子サイズ分布、およびフィラーの表面処理は、好ましくは、組成物上の入射UV光の吸光を最小化するように選択される。(「UV接着剤のシャドー硬化」、ジョージ W.リッター、接着協会の第24回年次会合の会報、83ページ、2001年2月を参照されたい)。
【0067】
適切なフィラーには、例えば、ヒュームドシリカ(例えば、ニュージャージー州デグッサ由来のエアロジル(AEROSIL) R202およびエアロジル R812S)、有機ワックスにより処理された合成アモルファス二酸化シリコン(イリノイ州のクロスフィールドカンパニー由来のガシル(GASIL) UV 70C)、タルク(例えば、コロラド州ルゼナック・アメリカン由来のミストロン ベーパー(MISTRON VAPOR) Rおよびミストロン CB)、粉砕された炭酸カルシウム(例えば、ハイ−プルフェックス(Hi−PLFEX)100GCC、ビクロン)および沈降炭酸カルシウム(PCC)(例えば、スペシャルティ・ミネラルInc.由来のウルトラプフレックス(ULTRAPFLEX) PCC,チキソ−カーブ(THIXO−CARB))のような炭酸カルシウム、アルミナ三水和物(ATH)、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、クレー、マイカ、二酸化チタン、およびそれらの組み合わせが含まれる。好ましいフィラーは、アスペクト比1〜4(例えば、球状または立方体)を有する。フィラーの平均粒子サイズは、好ましくは、約0.15から約25ミクロンまで、より好ましくは約1から約15ミクロンまでである。
【0068】
好ましいフィラーの例には、例えば、スペシャルティー・ミネラルズ由来のハイ−プルフェックス、ゼネカ・レジンズ由来のウィノフィル(WINNOFil)およびヒューバー由来のヒューバーカーブ(HUBERCARB)として入手可能である上述の粒子サイズを有する処理された炭酸カルシウムが含まれる。他の好ましいフィラーには、上述のウルトラプフレックス PCCのようなチキソトロピーを提供するレオロジー性添加剤および酸化チタンのような顔料を含む。他の好ましいフィラーには、例えば、ペンシルバニア州のポッターズ・インダストリーズInc.由来のコンダクト−オ−フィル(CONDUCT−O−FIL)のような銀で被覆されたマイカのような反射性粒子および例えば、C.P.ホール・カンパニー由来のマグライト(MAGLITE) Aおよびマグライト Dのような酸化マグネシウムが含まれる。
【0069】
好ましくは、フィラーは、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも約20重量%、さらにより好ましくは約20重量%から約60重量%まで、最も好ましくは約30重量%から約50重量%までの量で組成物中に存在する。
【0070】
可塑化剤
任意に、組成物はまた、非反応性可塑化剤も含む。適切な可塑化剤には、例えば、フタレート、アジペート、ホスフェート、トリメリテート、二安息香酸ジプロピレングリコールおよび二安息香酸ジエチレングリコールおよびそれらの混合物およびエポキシ化された大豆油が含まれる。適切な商業的に入手可能な可塑化剤には、エクソン・ケミカル由来のジェイフレックス可塑化剤、モンサント由来のジオクチル(DIOCTYL)、サンティサイザー(SANTICIZER)、およびジブチル(DIBUTYL)可塑化剤、およびバイエル由来のアディモール(ADIMOLL)、ディスフラモール(DISFLAMOLL)、メサモール(MESAMOLL)、ユニモール(UNIMOLL)、テグダ(TEGDA)、トリアセチン(TRIACETIN)、およびウルトラモール(ULTRAMOLL)可塑化剤が含まれる。ジェイフレックス DTDPおよびDIDP可塑化剤を含む長鎖の分岐したフタレート(例えば、ジトリデシルフタレート、ジ−L−ノニルフタレート、およびジ−L−ウンデシルフタレート)のような好ましい可塑化剤は低揮発性を有する。有用なジオクチルおよびジイソデシルフタレートには、エクソン・ケミカル由来の商品名「ジェイフレックスDOP」および「ジェイフレックスDIDP」の下で入手可能なものが含まれる。有用なジベンゾエートは、ベルシコール・ケミカル・コーポレーション由来の商品名ベンゾフレックス(BENZOFLEX)X9−88、ベンゾフレックス50およびベンゾフレックス400の下で入手可能である。大豆油は、例えば、商品名フレキソール(FLEXOL) EPOの下でユニオンカーバイドコーポレーションから商業的に入手可能であり、ポリマー性可塑化剤は、商品名ウルトラモール(ULTRAMOLL)の下でバイエルから入手可能である。
【0071】
好ましくは、可塑化剤は、約5重量%から約30重量%まで、より好ましくは、約25重量%未満、より好ましくは約20重量%以下、最も好ましくは約5重量%から約20重量%までの量で組成物中に存在する。
【0072】
反応性可塑化剤
組成物はまた、任意に、反応性可塑化剤、即ち、水分硬化性、放射線硬化性ポリウレタンプレポリマー、または水分硬化性ポリウレタンプレポリマー、またはそれらの組み合わせの水分反応性成分と反応することが可能である少なくとも1つの官能基を含む可塑化剤も含み得る。「反応性可塑化剤」という用語は、水分への暴露の際にポリウレタンプレポリマーの水分反応性官能基またはそれ自体と反応性となる可塑化剤を包含する。そのような反応性可塑化剤には、水分への暴露の際に活性水素基を有する可塑化剤が含まれる。反応性可塑化剤は、好ましくは、ポリウレタンプレポリマーの官能基と同様の官能基、組成物が基板に適用された後またはその意図される使用の間(例えば、空気、水分またはそれらの組み合わせのような周囲雰囲気への暴露の際)にポリウレタンプレポリマーまたは可塑化剤それ自体と反応性となり得る官能基、またはそのような官能基の組み合わせを有するように選択される。反応性可塑化剤は、好ましくは、例えば、水分、空気またはそれらの組み合わせのような周囲条件への暴露の際にポリウレタンプレポリマーを重合または架橋させるように選択される。反応性可塑化剤には、例えば、アルコキシ、イソシアネート、アルドイミン、ケトミン、ビスオキサゾリドン、およびそれらの組み合わせを含むいずれか適切な反応基を含み得る。
【0073】
シラン官能性ポリウレタンプレポリマーと反応することが可能である有用な反応性可塑化剤の例には、例えば、酢酸、2−エチルヘキサン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸およびそれらの組み合わせを含むさまざまの酸のシリルエステルを含むメトキシシリル、エトキシシリル、プロポキシシリル、およびブトキシシリルおよびアシルオキシシリル反応基を含むアルコキシシリル反応基を有する可塑化剤が含まれる。適切な反応性可塑化剤はまた、上記アルコキシシリル基でエンドキャップされたポリマーも含む。そのようなポリマーには、例えば、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリプロピレンオキシド)、ポリエーテルスルフィドウレタン(例えば、PRC由来の低分子量パーマポール(PERMAPOL)・ウレタンであり、例えば、米国特許第4,960,844号において開示される)、ポリイソアルキレンオキシド(例えば、ポリイソブチレンオキシド)、ポリグリコール、ポリイソブチレン、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0074】
イソシアネート官能性ポリウレタンプレポリマーと反応することが可能である有用な反応性可塑化剤には、例えば、アルドイミン、ケトイミン、オキサゾリジン(例えば、ビスオキサゾリジン、1−(ヒドロキシエチル)−2−イソプロピル−1,3−オキサゾリジンおよび2−イソプロピル−1,3−オキサゾリジン)、ジオキソラン(例えば、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン)、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0075】
反応性可塑化剤は、好ましくは、約300g/molから約10,000g/molまで、より好ましくは約500g/molから約6000g/molまでの分子量を有する。
【0076】
反応性可塑化剤は、約20重量%以下、好ましくは約2重量%から約15重量%まで、より好ましくは約3重量%から約10重量%までの量で組成物中に存在する。
【0077】
熱可塑性ポリマー
組成物は、任意に、熱可塑性ポリマーを含み得る。有用な熱可塑性ポリマーは、シーラント組成物と相容性であり、熱可塑性エラストマーを含む。有用な熱可塑性ポリマーの例には、ポリアルキレン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリブチレン)、例えば、脂肪族モノ−1−オレフィン(アルファオレフィン)のホモ−、コ−およびターポリマーを含むポリ(アルファ)オレフィン(例えば2から10炭素原子を含むポリ(アルファ)オレフィン)、少なくとも1種のC3 〜C20アルファオレフィンを有するエチレンの均質な直鎖のまたは実質的に直鎖のインターポリマー、ポリイソブチレン、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリ(フェニレンジアミンテレフタルアミド)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリルと例えば、ブタジエン、スチレンを含むモノマーのコポリマー、ポリメチルペンテン、およびポリフェニレンスルフィド(例えば、スチレン−アクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエンゴム)、ポリイミド、ポリアミド、ビニルアルコールとエチレン性不飽和モノマーのコポリマー、ポリ酢酸ビニル(例えば、エチレン酢酸ビニル)、ポリビニルアルコール、塩化ビニルホモポリマーおよびコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)、エチレン、一酸化炭素およびアクリル酸エステルまたはビニルモノマーのターポリマー、ポリウレタン、ポリスチレン、およびそれらの組み合わせおよびそれらのホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーおよびそれらの混合物が含まれる。熱可塑性ポリマーの他の有用なクラスには、アルファルト、ビチューメン、生ゴム、フッ素化ゴム、およびセルロース性樹脂が含まれる。
【0078】
好ましい熱可塑性ポリマーには、約10重量%から約60重量%までの酢酸ビニル含有量および約0.2から1000までのメルトインデックス、より好ましくは、約18重量%から約50重量%までの酢酸ビニル含有量および約0.2から500までのメルトインデックスを有するエチレン酢酸ビニルが含まれる。
【0079】
有用な商業的に入手可能な熱可塑性ポリマーには、例えば、レキセン・プロダクツCo.(テキサス州、ダラス)由来の例えば、レクスタック(REXTAC) RT2535およびRT2585を含むレクスタックシリーズの商品名の下で、イーストマン・ケミカルCo.(テネシー州キングズポート)由来の例えばイーストフレックス(EASTOFLEX) E1060を含むイーストフレックスシリーズの商品名の下で入手可能なアタクチックポリプロピレンコポリマー、デュポン・ド・ヌムール(デラウエア州、ウィルミントン)由来のエルバックス(ELVAX)シリーズの商品名の下で、ミレニウム・ペトロケミカルズ(イリノイ州、ローリングメドウズ)由来のウルトラテーン(ULTRATHENE)・シリーズの商品名の下で、入手可能なエチレン酢酸ビニルコポリマー、エクソン・ケミカルズCo.(テキサス州、ヒューストン)由来のオプテマ(OPTEMA)・シリーズの商品名の下で入手可能なエチレンメチルアクリレートコポリマー、エルフ・アトケム・ノース・アメリカ(ペンシルバニア州フィラデルフィア)由来のロトリル(LOTRYL)シリーズの商品名の下で、エクソン・ケミカルズCo.由来のエスコレーン(ESCORENE)シリーズの商品名の下で、およびミレニウム・ペトロケミカルズ由来のエナテーン(ENATHENE)シリーズの商品名の下で、入手可能なエチレンn−ブチルアクリレートコポリマー、デュポン由来のエルバロイ(ELVALOY)・シリーズの商品名の下で入手可能なエチレンn−ブチルアクリレート一酸化炭素ターポリマー、アライズ・テクノロジーズ(ニューハンプシャー州デリー、マーキンサのための販売者、スペイン、バルセロナ)由来のパールスティック(PEARLSTICK)・シリーズの商品名の下で入手可能な熱可塑性ポリウレタンポリマー、デュポン由来のハイトレル(HYTREL)・シリーズの商品名の下で入手可能なブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレートポリマー、デュポン由来のエルバロイ・シリーズの商品名の下でもまた入手可能なエチレンアクリレートコポリマー、およびICIアクリリックス(ミズーリ州セントルイス)由来のエルバサイト(ELVACITE)シリーズの商品名の下で入手可能なアクリルポリマーが含まれる。
【0080】
熱可塑性ポリマーは、約0重量%から約15重量%まで、好ましくは約0重量%から約10重量%までの量で組成物中に存在する。
【0081】
粘着付与剤
組成物は、任意に、粘着付与剤を含み得る。好ましい粘着付与剤は、約70℃から約120℃まで、より好ましくは約80℃から約100℃までの環球軟化点を有する。適切な粘着付与剤の例には、脂肪族、脂環族、芳香族、脂肪族−芳香族、芳香族で修飾された脂環族、および脂環族炭化水素樹脂および修飾されたバージョン、およびその水素化誘導体、テルペン(ポリテルペン)、修飾されたテルペン(例えば、フェノールで修飾されたテルペン樹脂)、その水素化誘導体およびその混合物、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水素化ロジン、二量体化されたロジン、および重合したロジンのような天然および修飾されたロジン、例えば、天然ロジンおよび修飾ロジンのグリセロールエステルおよびペンタエリスリトールエステル(例えば、ペールウッドロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリスリトールエステル、およびロジンのフェノールで修飾されたペンタエリスリトールエステル)を含むロジンエステル、アルファメチルスチレン樹脂およびその水素化誘導体、低分子量ポリ乳酸、およびその組み合わせが含まれる。他の有用な粘着付与剤は例えば米国特許第6,355,317号において開示され、それは本明細書に組み込まれている。
【0082】
適切な商業的に入手可能な粘着付与剤には、例えば、イーストマン・ケミカルCo.(テネシー州キングズポート)由来のイーストタック(EASTOTAC) H−100、H−115、H−130およびH−142を含むイーストタック・シリーズの商品名の下で入手可能な、エクソン・ケミカルCo.(テキサス州、ヒューストン)由来のエスコレッツ(ESCOREZ)5300およびエスコレッツ5400を含むエスコレッツ・シリーズの商品名の下で最も少なく水素化されたもの(E)から最も水素化されたもの(W)まで異なるレベルの水素化がなされるグレードE、R、LおよびWとして入手可能な、およびハーキュレス(デラウエア州、ウィルミントン)由来のハーコライト(HERCOLITE)2100商品名で入手可能な部分的に水素化された脂環式石油炭化水素樹脂、およびエクソン・ケミカルCo.由来のエスコレッツ5600商品名の下で入手可能な部分的に水素化された芳香族修飾された石油炭化水素樹脂、グッドイヤー・ケミカルCo.(オハイオ州、アクロン)由来のウイングタック エクストラ(WINGTACK EXTRA)商品名の下で入手可能な脂肪族−芳香族石油炭化水素樹脂、アリゾナ・ケミカルCo.(フロリダ州、パナマ・シティ)由来のゾナタック(ZONATAC) 105 ライト(LITE)商品名の下で入手可能なd−リモネンから作られたスチレネート化されたテルペン樹脂、ハーキュレス由来のリーガルレッツ(REGALREZ)1094商品名の下で入手可能な芳香族水素化炭化水素樹脂、およびハーキュレス由来のそれぞれ、70℃、85℃および100℃の軟化点を有する商品名クリスタレックス(KRISTALEX) 3070、3085および3100の下で入手可能なアルファメチルスチレン樹脂が含まれる。
【0083】
エチレン酢酸ビニルを含むそれらのシーラント組成物については、粘着付与剤は、好ましくは、エチレン酢酸ビニルコポリマーの酢酸ビニル含有量に基づいて選択される。少なくとも28重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーについては、粘着付与剤は、好ましくは、70℃から約120℃までの環球軟化点を有する芳香族または脂肪族−芳香族樹脂である。28重量%未満の酢酸ビニル含有量を有する酢酸ビニルコポリマーについては、粘着付与剤は、好ましくは、70℃から約120℃までの環球軟化点を有する脂肪族または脂肪族−芳香族樹脂である。
【0084】
粘着付与剤は、約0重量%から約10重量%まで、好ましくは約0重量%から約5重量%までの量で組成物中に存在する。
【0085】
有機官能性シラン接着促進剤
組成物は、また、任意に、有機官能性シラン接着促進剤も含み得る。好ましい有機官能性シラン接着促進剤には、アルコキシシリル、アリールオキシシリル、およびそれらの組み合わせのようなシリル基が含まれる。有用なアルコキシシリル基の例には、例えば、酢酸、2−エチルヘキサン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸を含むさまざまの酸のシリルエステルを含むメトキシシリル基、エトキシシリル基、プロポキシシリル基、ブトキシシリル基、およびアクリルオキシシリル反応性官能基が含まれる。
【0086】
適切な有機官能性シラン接着促進剤には、例えば、エポキシグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、アルキルオキシイミノシリル、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−ベータ−(アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベータ−(アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベータ−(アミノエチル)−アミノプロピル−メチルジメトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、およびそのエトキシおよびメトキシ/エトキシバージョン、およびその混合物が含まれる。
【0087】
適切な商業的に入手可能な接着促進剤には、例えば、すべてがウィトコ・コーポレーション、OSiスペシャルティーズ−クロンプトンCorp.から入手可能である商品名シルケスト Y−11597およびシルケスト A−187、A−174、A−186、A−171、A−172、A−2171、A−137およびA−162ならびにともにデグッサ・コーポレーション(イリノイ州、ネーパービル)から入手可能であるVPS1146およびダモ(DAMO)1411の下で入手可能なシラン接着促進剤が含まれる。
【0088】
組成物中に存在するとき、接着促進剤は、好ましくは、約0.1重量%から約5重量%およびより好ましくは約0.1%から約3重量%の量で存在する。
【0089】
他の成分
組成物はまた、例えば、反射性粒子、非反応性樹脂、紫外線光安定化剤、抗酸化剤、触媒、レオロジー改変剤、殺生物剤、腐食阻害剤、脱水剤、有機溶媒、着色料(例えば、顔料および染料)、界面活性剤、難燃剤、ワックス、およびそれらの混合物を含む他の添加剤も含み得る。存在する場合、それらの成分は、好ましくは、材料を通して伝達される光の量を最大化するようにUV吸収が制限されるように選択され、光重合プロセスを開始させるために光開始剤分子として有用である。UV−吸収剤(UVA)および/またはヒンダードアミン光安定化剤(HALS)はまた、組成物の耐候特性を改善する助けとなり得る。UVAおよびHALSの例には、例えば、チバガイギーCorp.由来のチヌビン(TINUVIN) Pおよびチヌビン327、328、384、900、928、1130、400、123、144および292が含まれる。好ましい材料の例は、ヒドロキシフェニル−s−トリアジン(HPT)、例えば、チヌビン400である。
【0090】
例えば、電子ビーム、紫外線光(即ち、約200nmから約400nmまでの範囲の放射)、可視光(約400nmから約800nmまでの範囲の波長を有する放射)、およびそれらの組み合わせを含む放射を用いてシーラント組成物が硬化され得る。有用な放射線源には、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、ハロゲン化金属ランプ、マイクロ波出力ランプ、キセノンランプ、例えば励起二量体レーザーおよびアルゴンイオンレーザーを含むレーザー光源、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0091】
シーラント組成物は、ガラスを他のガラス基板、ポリマー基板、金属基板およびそれらの組み合わせを含むさまざまの基板に結合させるために、そして、さまざまの用途および構造で水分バリア機能を提供するために特に有用である。シーラント組成物は、例えば、絶縁ガラスユニット、サッシフレームアセンブリ、バックベッディング、自動車および成型用途、ウインドウ、ドア、壁、ガラスおよび金属およびプラスチックに良好な接着を要求する構造およびそれらの組み合わせを含む構造において特に有用である。
【0092】
いくつかの態様において、シーラント組成物は、構造支持体、例えば、絶縁ガラスユニット中のスペーサー、絶縁サッシアセンブリ中のスペーサーの1以上の脚部または表面、絶縁ガラスユニットがバックベッディング操作の間結合するフレーム、およびその組み合わせに少なくとも1枚のガラス板を結合させるために用いられる。
【0093】
絶縁ガラスアセンブリは、さまざまの形状で利用可能である。一体化された複数のガラス板を有するウインドウユニット、絶縁ガラスユニット、およびサッシアセンブリおよびそれらを製造する方法の例は、米国特許第6,463,706号、第6,401,428号、6,286,288号、第6,055,783号、第5,873,203号、第5,653,073号およびPCT公開番号WO99/14169(グールら)およびWO98/25001(フランス)において記載されており、それらは本明細書に組み込まれている。
【0094】
シーラント組成物は、絶縁ガラスアセンブリを製造するための使用に適切である。製造方法において、シーラント組成物は、貼り合わせ表面、例えば、スペーサー上の表面、スペーサー上に位置するガラス板の周囲または両方のような貼り合わせ表面に適用される。シーラント組成物は、例えば、ハンドヘルドグルーガン、エクストルーダー、自動化された適用装置、例えば、アードマン・オートメーションCorp.(ミネソタ州、プリンストン)由来のイーシープライ(EACYPLY) H1001商品名の下で市販されているハンドアシストを含むいずれか適切な適用装置を用いて貼り合わせ表面に適用され得る。シーラント組成物はまた、少なくとも2つの適用装置を用いてスペーサーまたはガラス板の異なる部分に水平または垂直のいずれかで同時に適用され得る。
【0095】
シーラントが貼り合わせ表面に適用された後、ガラス板は、シーラントおよびスペーサーに当接して配置される。圧力は、例えば、プラーテンプレス、ローラー、綾振りローラー、回転ローラーホイール、ローラー移動ボール、およびテフロン(登録商標)スクエアおよびそれらの組み合わせを含むさまざまの圧力付与装置を用いて適用され得る。圧力付与装置は、結合ラインにわたって十分に均一な力を適用するのに十分な接触面積を提供するように採寸される。
【0096】
好ましくは、シーラントは、0.02インチから0.04インチまでの厚さであり、約0.25インチから0.6インチまでの幅である。好ましくは、シーラント上に及ぼされる圧力は、ガラス板からスペーサーに結合させるのに十分な時間に約1psiから約75psiまでである。
【0097】
次いで、組成物は、硬化をもたらすために、例えば、電子ビーム、紫外線光、可視光またはそれらの組み合わせのような放射に暴露される。放射線硬化の1つの有用な方法は、フュージョンVおよびDバルブを備えた2つのフュージョン・システムズ・キュアリング・ユニットを用いて320nmから390nmまで(バージニア州スターリングのEIT,Inc.由来のパワー−パック放射線計により測定する)のUV波長範囲で2000mJ/cm2 から3500mJ/cm2 までの放射エネルギー密度でガラス板を通して組成物を放射することを含み、バルブは、240W/cmの出力を有する。製品は、コンベア上で製造プロセスを通して輸送され得る。コンベア速度は、適切な放射エネルギー密度を達成するために変更され得る。1つの態様において、製品は、20フィート・パー・ミニッツ(fpm)から30fpmまでの速度で輸送されながら照射される。
【0098】
絶縁ガラスアセンブリは、通常、少なくとも2つの貼り合わせ表面を有するスペーサー、シーラント組成物、および密閉された空気室を閉じるためにシーラント組成物を介してスペーサーに結合される少なくとも2枚のガラス板を含む。アセンブリは、密閉されたチャンバの中に配置される乾燥剤を含み得る。スペーサーは、乾燥剤が配置される例えばU字型チャンネルのようなチャンネルを含み得る。スペーサーは、フレームから伸張し、フレームと一体的であるように構築され得る。他の態様において、スペーサーは、後にサッシフレームに結合させることにより加工処理される絶縁ガラスユニットを形成するために用いられる分離構造であり得る。一体化された複数のガラス板のウインドウユニット、絶縁ガラスユニット、およびサッシアセンブリの例は、米国特許第5,177,916号(ミゼラら)、第6,286,288号(フランス)、第5,873,203号、第5,653,073号(パーマー)、第6,055,783号(グールら)、および第6,401,428号(グローバーら)およびPCT出願番号WO99/14169(グールら)およびWO98/25001(フランス)において記載されており、それらは本明細書に組み込まれる。スペーサーは、例えば、木材、金属、プラスチック(例えば、ポリ塩化ビニル)、複合材料(例えば、ポリマーおよび木材繊維複合材料)およびその組み合わせを含むさまざまの組成物で構築され得る。
【0099】
絶縁ガラスアセンブリを作る有用な方法の例は、2003年3月11日に出願され、「低温でガラスに接着剤結合を形成するためのシーラント組成物」という表題の、ともに係属する米国特許出願シリアル番号第60/453,872号、アトーニードケット番号DU−036−US−01に記載されており、それは本明細書に組み込まれる。
【0100】
本発明は、これから、以下の例により記載される。
【0101】

試験手順
例において用いられる試験手順は以下を含む。
【0102】
引張り強度、100%伸びでの弾性率および引張り試験方法
(1)シーラント組成物の均質フィルムを、組成物がプレスされる側にリリースコーティングを有するポリプロピレンフィルムの間に約40ミルの厚さまで周囲温度でプレスする。次いで組成物を、240W/cmの出力を有するフュージョン−VおよびDバルブを備える2つのフュージョン・システムズ・キュア・ユニットを用いるバージニア州、スターリングのEIT,Inc.由来のパワー−パックで測定して320から390nmのUV波長範囲で2000から3500mJ/cm2 の放射エネルギー密度により頂部のポリプロピレンフィルムを通して照射する。試料が20fpmから30fpmで照射されるように配置されるようにコンベア速度を変更することにより、放射エネルギー密度は調節され得る。破壊時の引張り強度、100%伸びでの弾性率およびシーラント組成物の%伸びは、「プラスチックの引張り特性のための標準試験方法」という表題のASTM−638−00に従って定量される。フィルムは、水分硬化のために2週間23℃かつ50%相対湿度で状態調整される。
【0103】
(2)試料をフィルムから切断し、ASTM D638−00に従って、25%、50%および100%伸びでの引張り強度、100%伸びでの弾性および伸びについて試験する。
【0104】
重ね剪断強度
重ね剪断強度を、ASTM D1002−01張力負荷による単一重なり接合の接着により結合した金属試料の見かけ剪断強度についての標準試験方法に従って測定する。試験方法は、基板として硬質ポリ塩化ビニルPVC(1インチ(約2.5cm)幅×3インチ(約7.6cm)長さ)およびガラス(1インチ(約2.5cm)幅×3インチ(約7.6cm)長さ)を用いて重なり剪断結合を試験するために修正される。ガラスの厚さは、3/16インチである(約4.8mm)(密閉絶縁ガラスユニットの加速された耐候試験のためのASTM E−773−97のための標準厚さ)。重ね剪断の幅は、1インチ(約2.5cm)であり、重なりは、1.0+/−0.05インチ(約2.5±1.3)である。
【0105】
試料を、1インチ×1インチ(約2.5cm×2.5cm)の正方形領域を覆うようにPVC基板の末端にコーキングガンによりシーラント組成物のビードを小出しすることにより調製する。シーラントビード上に20ミル(0.5mm)直径のNiワイヤの2つのストリップを配置する。1インチ×1インチ(約2.5cm×2.5cm)の重なりを形成するように、ガラスの上に直接重ねてガラス基板を配置する。次いで、アセンブリを、ほぼ20ミル(0.5mm)のシーラント厚さまでプレスし、240W/cmの出力を有するフュージョン−VおよびDバルブを備える2つのフュージョン・システムズ・キュアリング・ユニットを用いてバージニア州スターリングのEIT,Inc.由来のパワー−パック放射線計により測定して320から390nmまでのUV波長範囲で2000から3500mJ/cm2 までの放射エネルギー密度でガラスを通して放射する。試料を20fpmから30fpmまでで照射するように配置するようにコンベア速度を変更することにより、放射エネルギー密度を調節し得る。
【0106】
結合試料を、表の中に示される時間23℃および50%相対湿度で状態調整する。
【0107】
初期重ね剪断強度(即ち、グリーン強度)を、結合試料を調製した後約1から2時間以内に定量する。
【0108】
43.3℃(110°F)での初期重ね剪断強度(即ち、グリーン強度)を、結合試料を調製した後約1時間以内にその温度で約1時間試料を状態調整することによりその温度で定量する。
【0109】
水蒸気伝達速度(MVTR)
透過性係数(MVTR)を、「変調された赤外線センサーを用いるプラスチックフィルムおよびシートを通る水蒸気伝達速度についての標準試験方法」という表題のASTM F1249−90に従って定量する。試験を、特定された厚さを有するフィルムの形態の試料についてほぼ37℃(100°F)および90%相対湿度で行う。
【0110】
60℃(140°F)での死荷重
重ね剪断方法により調製される試料を、23℃かつ50%相対湿度で少なくとも2週間状態調整する。試料を1週間60℃(140°F)に暴露しながら、1ポンド錘を試料の重ね剪断結合から懸垂する。ポリ塩化ビニルとガラスに対する重ね剪断結合の静荷重抵抗(すなわち、死荷重)を測定する。1ポンド錘が懸垂されたままであれば、試料を、「合格」と記録する。もし1ポンド錘が1週間終了の前に試料から落下するならば、破損時間を記録し、試料を「不合格」と記録する。
【0111】
粘度
任意にチャートレコーダーに取り付けたブルックフィールド・サーモセル・ビスコメーターを用いて粘度を測定する。スピンドルおよび分あたりの回転を、正確な結果を得るために製造者の操作指示書に従って設定する。
【0112】
ゲル透過クロマトグラフィーによる分子量
プレポリマーの分子量を、テトラヒドロフランの中にプレポリマーを溶解し、GPCに溶液を注入し、ポリスチレン標準に対して分子量を計算することによりゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により定量する。多分散性指数を、GPC重量平均分子量/GPC数平均分子量としてGPCにより測定する。
【0113】
レオロジー
プレスフロー
プレスフロー押し出しレオメーターをグラム/分でシーラント流を測定するために用いる。その直径は、0.104±0.002インチ(約2.6±0.05mm)である。圧力を、表に示す。
【0114】
ガラス転移温度(Tg)
硬化されていないシーラント組成物のガラス転移温度(Tg)を、2分間60℃で試料を状態調整し、−60℃に試料を急冷し、次いで、分当り20℃の速度で60℃に試料を加熱することにより「示差走査熱量分析(DSC)によるポリマーの転移温度についての標準試験方法」という表題のASTM D−3418−83にしたがって定量する。報告されるTgは、相変化の開始が起こる温度である。
【0115】
硬化した組成物については、Tを、DMAにより得られるTanδ曲線のピーク温度として測定する。
【0116】
動的機械的分析試験
10rad/secで60℃から−40℃の温度範囲にわたる弾性率および弾性損失のプロットを、ASTM D4065−01 プラスチックについての標準仕様:動的機械的特性:測定および手順の報告にしたがって得た。
【0117】
硬度
シーラント組成物の硬度を、ASTM D−2240にしたがってショアAデュロメーターを用いて測定する。
【0118】
状態調整
湿潤UV状態調整
試料、例えば、重ね剪断試験の場合の重ね剪断結合構造を、チャンバ内に配置し、特定の時間紫外線光(UV−A)および35℃(95°F)で100%湿度に連続的に暴露する。
【0119】
−40℃/71.1℃(−40°F/160°F)温度サイクリング
試料、例えば、重ね剪断試験の場合の重ね剪断結合構造を、シンシナチ・サブ・ゼロ・チャンバ モデル番号U−15−X−X25の中に配置する。チャンバの中の温度を、24時間ごとに4回、−40℃から71.1℃(−40°Fから160°F)まで周期変換させる。
【0120】
100%相対湿度/60℃(140°F)状態調整
試料、例えば、重ね剪断試験の場合の重ね剪断結合構造を、特定の時間相対湿度が100%であり、温度が60℃(140°F)であるチャンバに配置する。
【0121】
ポリウレタンプレポリマー調製
水分硬化性、放射線硬化性プレポリマー(PP1)
アクリレート−シラン−終端ポリウレタンプレポリマーを以下のように調製する。機械的攪拌装置、温度計、コンデンサー、乾燥窒素入り口および乾燥空気入り口を備える反応容器を60℃から70℃に加熱し、真空下に配置する。反応容器に、攪拌とともに、プリプラスト(PRIPLAST)3187二量体酸性ポリエステルジオール(ユニケマ)、10.6gのジェイフレックス(JAYFLEX) DTDP(エクソン・モービル・ケミカルズ)可塑化剤、および0.1gのアーガノックス(IRGANOX)1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)抗酸化剤が入れる。混合物を、約70℃から75℃で含有量を維持しながら90分間真空下で混合する。
【0122】
次いで、反応容器の中の混合物に、13.3gのアイソネート(ISONATE)125M4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(ダウ・ケミカル)を加える。反応容器を、90分間またはパーセントでイソシアネート含有量がASTM D−2572−80にしたがって測定して1.6%+/−0.3%となるまで真空下で75℃で維持する。次いで、反応容器の温度を、70℃に下げ、3.7gの2−HEA、2−ヒドロキシエチルアクリレート(ダウケミカル)を乾燥空気の流れの下で混合物にゆっくり加える。次いで、反応を、ASTM D−2572−80にしたがって測定して0.2%未満のイソシアネート濃度まで20インチの部分真空下で約45分間70℃に維持する。次いで、反応容器の温度を、約50℃〜55℃に下げ、0.6gシルケスト アリンク(SILQUEST ALINK)15N−エチル−3−トリメトキシシリル−2−メチルプロパンアミン(OSiスペシャルティーズ−クロンプトンCorp.)を混合物に加え、そして次いで、0.1%未満の最終イソシアネート濃度まで35分間約50℃〜60℃に維持する。次いで、0.02gのMEHQヒドロキノンモノエチルエーテル(アルドリッチケミカルCorp.)を、分散を促進するために5gのジェイフレックス(JAYFLEX) DTDPの中に加える。次いで、混合物を数分間混合し、排出させ、乾燥空気のブランケットの下で貯蔵する。
【0123】
水分硬化性放射線硬化性プレポリマー2〜5(PP2〜5)
プレポリマー2〜5を、その成分および量が表1において特定されていることを除いて、プレポリマー1を調製するために用いられる方法に従って調製する。
【表1】

【0124】
1 ポリ BD 45 HTLo ヒドロキシ終端ポリブタジエン(アトフィナ・ケミカルズ,Inc.、ペンシルバニア州エクストン)
2 アルフォル 12,14(コンディー・ビスタ・カンパニー、テキサス州、ヒューストン)
ND=定量せず
シーラント調製
水分硬化性放射線硬化性PPを含むシーラント組成物
例1
フィラーを110℃で14時間通気オーブンの中で予備乾燥する。上記プレポリマー1(PP1)を1から2時間約50℃〜60℃に予備加熱する。加熱されたジャケット、混合容器、温度計、コンデンサーおよび乾燥空気入り口を備える遊星ミキサーに、42.1gのヒップフレックス(HIPFLEX)100、1.5gのウルトラプフレックス(ULTRAPFLEX)・フィラー、11.2gのジェイフレックス(JAYFLEX) DTDP可塑化剤、および0.35gのシルケスト A−171ビニルトリメトキシシラン(OSiスペシャルティーズ−クロンプトンCorp.)を加える。混合物を、ペースト状コンシステンシーに達するまで90℃で1時間完全な真空下で攪拌する。次いで、温度を約40〜50℃に下げ、43.9gのプレポリマー1および0.18gのシルケスト A−171の添加の間乾燥空気によりパージする。混合物を、約40〜50℃で1時間20in.(約50.8cm)の部分的真空下で攪拌する。次いで、容器を乾燥空気の下に置き、残りの成分を加える。残りの成分は、0.17gのA−171、0.5gのシルケスト A−187接着促進剤、0.1gのCGI 819XF光開始剤(チバ・ケミカルズ、ニュージャーシー州、テリータウン)、および0.02gのメタティン(METATIN)740触媒(アシマ・ケミカル・インダストリーズ・リミテッド,Inc.、スイス)である。加熱を停止し、すべての成分を15分間乾燥空気の下で徹底的に混合する。シーラントを、5分間真空とすることにより空気を抜き、排出し、梱包する。
【0125】
例2〜5
例2〜5のシーラント組成物を、その成分および量が表2において特定されていることを除いて例1のシーラント組成物を調製するために用いられる方法に従って調製する。例1〜5のシーラント組成物を上記試験方法に従って試験する。結果を表3に示す。
【表2】

【表3】

【0126】
*不均質な厚さで手でプレスされた結合
水分硬化性ポリウレタンプレポリマー(MCPP1)
シラン終端ポリウレタンプレポリマーを以下のように調製する。機械的攪拌装置、温度計、コンデンサーおよび乾燥窒素入り口を備える反応容器を約60℃〜70℃に加熱し、真空下に置く。反応容器には、攪拌しながら、67.43gのプリプラスト(PRIPLAST)3187ポリエステルジオール(ユニケマ、デラウエア州ニューカッスル)および4.25gのアルフォール(ALFOL) C14 1−テトラデカノール(コンディー・ビスタ・カンパニー、テキサス州ヒューストン)の混合物を入れ、その場合には、反応容器は、すでに約50℃〜60℃に加熱されている。次いで、反応器の内容物を、窒素の下に置き、0.56gアーガノックス(IRGANOX)1010抗酸化剤を加える。内容物を約70℃から75℃に維持しながら、混合物を1時間真空下で混合する。
【0127】
次いで、反応容器の中の混合物に、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(50/50)の14.41gのモンダー(MONDUR) MLブレンド(ドイツ、バイエルAg)を加える。反応容器を、3時間またはイソシアネートのパーセント内容量がASTM D−2572−80に従って測定して1.4%+/−0.3%となるまで75℃に維持する。次いで、反応容器の温度を約50℃〜55℃に下げ、6.32gのシルケスト アリンク15 N−エチル−3−トリメトキシシリル−2−メチルプロパンアミン(OSiスペシャルティーズ−クロンプトンCorp.)を混合物に加え、それから反応容器を、ASTM D−2572−80に従って測定して0.1%未満の最終イソシアネート濃度まで45分間約50℃〜60℃に維持する。次いで、6.32gのシルケスト Y11639 1−ブタンアミン−2,2−ジメチル−4−(ジメトキシメチルシリル)アミノジメトキシシラン(OSi スペシャルティーズ−クロンプトンCorp.)および0.71g ダイナシラン(DYNASYLAN)6490ビニルトリメトキシシラン(デグッサ・コーポレーション、イリノイ州ネーパービル)を窒素の下で混合しながら加え、30分間50℃から60℃に維持する。
【0128】
水分硬化性ポリウレタンプレポリマーと放射線硬化性ポリマーの混合物を含むシーラント組成物
例6
シーラント組成物を以下のように調製する。上記プレポリマー(MCPP1)を1から2時間約50℃〜60℃に予備加熱する。100℃に加熱され、機械的攪拌装置、温度計、コンデンサーおよび乾燥空気入り口を備える反応容器に、4.3g エスコレッツ(ESCOREZ)5690水素化芳香族修飾脂環式炭化水素樹脂(テキサス州、ヒューストン、エクソンモービル・ケミカル)を加える。エスコレッツ5690樹脂を部分的に溶融して後、8.5gのアティーバ(ATEVA)2850エチレン酢酸ビニルを加え、均一混合物を得るように15から30分間真空下で混合する。この混合物をほぼ100℃に維持し、2.5gのパラポール(PARAPOL)1300、7.4gのジェイフレックス DTDP、26.7gのヒップフレックス、および2.7gのウルトラプフレックス(ULTRAPFLEX)を混合しながら加える。混合物を1時間真空下で混合する。次いで、55℃から65℃に温度を調節し、9.8gのプレポリマーMCPP1、35.4gのCN302ポリブタジエンウレタンジアクリレート、および0.5gのシルケスト A−171ビニルトリメトキシシラン(OSiスペシャルティーズ−クロンプトンCorp.)を添加しながら乾燥空気によりパージする。次いで、混合物を1時間部分真空下で混合する。
【0129】
次いで、0.6gシルケスト Y11639 1−ブタンアミン−2,2−ジメチル−4−(ジメトキシシリルメチル)アミノジメトキシシラン(OSiスペシャルティーズ−クロンプトンCorp.)、0.48g シルケスト A−171、0.49g シルケスト A−187および0.09gのCGI819XF光開始剤を乾燥空気の下で混合しながら加え、15から30分間40℃〜50℃に維持する。
【0130】
次いで、容器を乾燥空気の下に置き、0.03gのメタティン(METATIN)740触媒(アシマ・ケミカル・インダストリーズ・リミッテッド,Inc.、スイス)を加え、再び混合しながら5分間真空下に置く。
【0131】
例7〜9
例7〜9のシーラント組成物を、成分および量が表4に特定されていることを除いて、例6のシーラント組成物を調製するために用いられる方法に従って調製する。例6〜9のシーラント組成物を上記試験方法に従って試験する。結果を表5に試験する。
【表4】

【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)好ましくは30重量%から60重量%までの量の、水分硬化性放射線硬化性ポリウレタンプレポリマーまたは水分硬化性ポリウレタンプレポリマーと放射線硬化性ポリマーの混合物、および
b)少なくとも10%、好ましくは20重量%から50重量%までのフィラー
を含むデュアル硬化シーラント組成物。
【請求項2】
a)イソシアネート官能基、シラン官能基またはそれらの組み合わせを含むポリウレタンプレポリマー、および
b)2の官能性を有するポリオレフィンポリオール、2の官能性を有するポリジエンブロックポリオールおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリオールから誘導されるアクリレートオリゴマー
を含むデュアル硬化シーラント組成物。
【請求項3】
110°F(43.3℃)で少なくとも10psi、好ましくは少なくとも15psiの初期グリーン強度を示す請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
60ミルの厚さを有するフィルムの形態にあるとき、少なくとも80%、好ましくは少なくとも200%の伸び、10℃未満、好ましくは−10℃未満のTgおよび10g/m2 /日以下、好ましくは8g/m2 /日以下の水蒸気伝達速度を示す請求項1ないし3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
ヒュームドシリカ、アモルファス二酸化ケイ素、タルク、炭酸カルシウム、三水和アルミナ、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、クレー、マイカ、二酸化チタンおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるフィラーを含む請求項1ないし4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
反応性または非反応性可塑化剤をさらに含む請求項1ないし5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
a)疎水性ポリエステルポリオール、ポリジエンブロックポリオール、ポリオレフィンポリオールまたはそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリオール、
b)ポリイソシアネート、
c)水素活性(メタ)アクリレート、および好ましくは、
d)水素活性有機官能性シラン
の反応生成物を含むデュアル硬化ポリウレタンプレポリマーであって、
前記プレポリマーは、該プレポリマーのモル当量に基づいて30%モル当量未満、好ましくは15%モル当量未満のアクリレート官能基、および該プレポリマーのモル当量に基づいて15%モル当量未満、好ましくは5%モル当量未満のシラン官能基を含む
デュアル硬化ポリウレタンプレポリマー。
【請求項8】
前記プレポリマーが、3000から15,000g/モルの数平均分子量を有する請求項7記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも2枚のガラス板、スペーサー、およびシーラント組成物を含み、前記ガラスは前記シーラント組成物を介して前記スペーサーに結合し、前記シーラント組成物は、a)水分硬化性、放射線硬化性ポリウレタンプレポリマーまたはb)水分硬化性ポリウレタンプレポリマーおよび放射線硬化性プレポリマーを含む混合物の少なくとも一方を含む絶縁ガラスアセンブリ。
【請求項10】
少なくとも2枚のガラス板、スペーサー、および請求項1ないし6のいずれか1項記載のシーラント組成物を含み、前記ガラスが前記シーラント組成物を介して前記スペーサーに結合する絶縁ガラスアセンブリ。
【請求項11】
少なくとも2枚のガラス板、スペーサー、および請求項7または8記載のデュアル硬化ポリウレタンプレポリマーを含むシーラント組成物を含み、前記ガラスは、前記シーラント組成物を介して前記スペーサーに結合する絶縁ガラスアセンブリ。

【公表番号】特表2006−521447(P2006−521447A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507085(P2006−507085)
【出願日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/007456
【国際公開番号】WO2004/083272
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(591190771)エイチ・ビー・フラー・ライセンジング・アンド・ファイナンシング・インコーポレーテッド (13)
【Fターム(参考)】