説明

水剤分注機

【課題】各サイズの小分け容器10を取り扱える水剤分注機20を簡素な機構で実現。
【解決手段】張出部12の形状が同じで容器本体11の深さが異なる小分け容器10を容器蓄積部22に多数保持し、上面中央の陥没部31に容器本体11を嵌入させ上面縁部32で張出部12を支承することで単器保持部30が小分け容器10を一つ保持し、容器供給機構41が容器蓄積部22から単器保持部30へ小分け容器10を一つずつ移載し、その小分け容器10に対して水剤注入機構42が水剤を注入し容器封止機構44が封止する。複数の単器保持部30を回転板23の上面に等ピッチで列ねて固定し、その上方に容器供給機構41と水剤注入機構42と容器封止機構44とを配設し、回転板23の鉛直軸周り回転にて単器保持部30がピッチ毎に順送りされて移載先と注入先と封止先を巡る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水剤瓶(液剤瓶,施用瓶,処方瓶)から水剤(液剤)を施用単位(服用単位)に分割して密封する水剤分注機に関し、詳しくは、予め一個ずつ分離している小容器に水剤を注入して封止する水剤分注機に関する。
【背景技術】
【0002】
水剤(液剤)の流路にポンプとノズルとを配して水剤を一回服用量ずつ分包する水剤分包機が実用化されている(例えば特許文献1参照)。この水剤分包機では、水剤の注入量がポンプの容積に基づいて計量され、錠剤分包機や散薬分包機と同様に長尺の分包紙を熱融着にて次々に区分しながら各区画室(分包体)に水剤を封入するものであり、分包後に例えば服用直前に一つ又は必要包数の分包体を切り離して使用するようになっている。
また、各種の水剤瓶(液剤瓶)を保持していてその中から任意の液剤を選択して投薬瓶(施用瓶,処方瓶,水剤瓶)に注入する水剤分注機も開発されており(例えば特許文献2参照)、単一種の水剤の計量ばかりか複数種類の水剤の混注までも迅速かつ正確に行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−258812号公報
【特許文献2】特願2009−186924号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような従来の水剤分注機では、水剤の最終的な提供単位が分包体か投薬瓶(水剤瓶)のどちらかになり、小容量での密封提供は分包体で行われ、大容量での密封提供は水剤瓶で行われるが、両者の中間の容量を単位とした小分け容器での提供は、あまり普及していない。
中間容量の範囲が数十mLから数百mLまでと広いうえ、小分け容器の内容量と水剤の収容量とに大きな差があると使いづらいうえ容器にも水剤にも無駄が生じやすいので、各種サイズの小分け容器を準備しておいて使い分けなければならない。
【0005】
しかしながら、各種サイズの小分け容器を使い分けて水剤を封入するには、容器サイズ毎に異なる複数台の水剤分注機を揃えるか、一台の水剤分注機で各種サイズの小分け容器を取り扱えるようにすることが求められるが、水剤分注機を複数台揃えるのでは設備規模が過大になって不都合であるし、各種サイズの小分け容器を一台の水剤分注機に処理させるために、小分け容器を保持する容器保持部などを、容器形状に応じて拡縮変形や昇降移動する応動機構にしたのでは、装置が複雑になりすぎる。
そこで、各種サイズの小分け容器を取り扱える水剤分注機を簡素な機構で実現することが、技術的な課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水剤分注機は(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、容器本体の開口周縁に張出部の形成された小分け容器であって張出部の形状が同じで容器本体の深さが異なるものを複数保持しうる容器蓄積部と、上面中央部の陥没した形の座体からなりその陥没部に前記小分け容器の容器本体を嵌入させると前記座体の上面縁部で前記小分け容器の張出部を支承することにより前記小分け容器を一つ保持する単器保持部と、前記容器蓄積部から前記単器保持部へ前記小分け容器を一つずつ移載する容器供給機構と、その小分け容器に対して水剤を注入する水剤注入機構と、その小分け容器の開口を封止する容器封止機構とを備えている。
【0007】
また、本発明の水剤分注機は(解決手段2)、上記解決手段1の水剤分注機であって、前記単器保持部が等ピッチで列設されており、それらを前記ピッチ毎に順送りするとそれぞれの単器保持部が前記容器供給機構の移載先と前記水剤注入機構の注入先と前記容器封止機構の封止先とを巡るようになっていることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の水剤分注機は(解決手段3)、上記解決手段2の水剤分注機であって、前記単器保持部が回転板の上面に固定され、その上方に前記容器供給機構と前記水剤注入機構と前記容器封止機構とが配設され、前記回転板が鉛直軸周りに回転することで前記単器保持部の順送りが実行されるようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このような本発明の水剤分注機にあっては(解決手段1)、内容量の異なる幾種類かの小分け容器が容器蓄積部に保持されているので、水剤の収容量に応じて適切なサイズの小分け容器を選んで使用することができる。それでいて、どのサイズの小分け容器を選択したとしても、それを一つずつ単器保持部に移載するときに、小分け容器の容器本体を単器保持部の上面中央の陥没部に嵌入させるよう小分け容器を下ろせば、単器保持部を拡縮や昇降させなくても、小分け容器の張出部が単器保持部の上面縁部にて支承された状態で、小分け容器が単器保持部に保持される。しかも、この状態では、小分け容器のサイズが何れであっても、小分け容器の開口と張出部は向き等の姿勢や高さ等の位置が同じになる。
【0010】
そのため、水剤注入機構も、容器封止機構も、どのサイズの小分け容器に対しても同じ動作で役目を果たすことができるので、単器保持部ばかりか水剤注入機構も容器封止機構も、単一サイズの小分け容器を取り扱うものと同等レベルまで、簡素化される。検査用カメラや印刷用プリンタなどの付加部材についても、小分け容器に上方から作用するものであれば、同様に簡素なもので足りることとなる。
したがって、この発明によれば、各種サイズの小分け容器を取り扱える水剤分注機を簡素な機構で実現することができる。
【0011】
また、本発明の水剤分注機にあっては(解決手段2)、等ピッチで列設された複数の単器保持部をピッチ毎に順送りしながら、容器供給機構と水剤注入機構と容器封止機構とを並行動作させることにより、スループット(単位時間当りの処理数量)が増して、能率が向上する。
したがって、この発明によれば、各種サイズの小分け容器を取り扱えて能率も良い水剤分注機を簡素な機構で実現することができる。
【0012】
さらに、本発明の水剤分注機にあっては(解決手段3)、各部の機構が回転板の上面と上方に纏められて機構部全体がコンパクトになるうえ、単器保持部の順送りが回転板の鉛直軸周り回転によって具体化されるので、送り機構やその制御までも簡素になる。
したがって、この発明によれば、各種サイズの小分け容器を取り扱えて能率も良い水剤分注機をより簡素で小形に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1について、水剤分注機の構造を示し、(a)が水剤分注機の正面図、(b)が浅くて容量の小さい小分け容器の斜視図、(c)が深くて容量の大きい小分け容器の斜視図、(d)が単器保持部の斜視図、(e)が単器保持部に小分け容器を保持させたところの斜視図、(f)が水剤分注機内の主要機構の斜視図である。
【図2】(a)が主要機構の平面図、(b)が回転板と容器蓄積部の平面図である。
【図3】(a)〜(e)何れも小分け容器の斜視図であり、分注処理の各過程における小分け容器の状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
このような本発明の水剤分注機について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1により説明する。図1〜3に示した実施例1は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜3)を総て具現化したものである。
なお、その図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や,ヒンジ等の連結具,電動モータ等の駆動源,タイミングベルト等の伝動部材,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
【実施例1】
【0015】
本発明の水剤分注機の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が水剤分注機20の正面図、(b)が浅くて容量の小さい小分け容器10の斜視図、(c)が深くて容量の大きい小分け容器10の斜視図、(d)が単器保持部30の斜視図、(e)が単器保持部30に小分け容器10を保持させたところの斜視図、(f)が水剤分注機20内の主要機構(22〜24,30,41〜47)の斜視図である。また、図2は、(a)が主要機構(22〜24,30,41〜47)の平面図、(b)が容器蓄積部22と回転板23と下側支持板24と単器保持部30の平面図である。
【0016】
この水剤分注機20は(図1(a)参照)、筐体内に、上から下へ順に、図示しないコントローラを含む電装部と、上側支持板21と、それに支持された分注処理分担機構41〜47と、ほぼ同じ高さで横に並んだ容器蓄積部22及び回転板23と、これら(22,23)を鉛直軸周り回転可能に支持する下側支持板24と、その回転駆動を行う図示しないモータとを具えている。そして、水剤瓶15が分注処理分担機構41〜47のうちの水剤注入機構42に装着され、そこから漏れ水剤や注入ノズル洗浄液を流下させるチューブの先に回収容器16が置かれ、多数の小分け容器10が容器蓄積部22の上に積み重ねて置かれた状態で、水剤瓶15から小分け容器10へ水剤を分注するようになっている。
【0017】
水剤分注機20の取り扱う小分け容器10は(図1(b),(c)参照)、容器本体11の開口周縁に張出部12の形成されたものであり、真空成型などで安価に量産しうるプラスチック製の容器で良い。例えば30mL,60mL,100mL,300mLといった内容量(サイズ)の異なるものが使用されるが、どのサイズであっても、張出部12の形状は同じまま、容器本体11の深さを異ならせることで、サイズの相違が実現されており、小容量の小分け容器10は容器本体11が浅く(図1(b)参照)、大容量の小分け容器10は容器本体11が深い(図1(c)参照)。何れの容器本体11も、成型条件の緩和や積み重ねの利便性などの観点から、テーパの付いた錐台状になっている。
【0018】
単器保持部30は(図1(d)参照)、容器として自然な上向き姿勢すなわち開口を上にした姿勢の小分け容器10を一つ保持するために、上面中央部の陥没した形の座体からなる。その陥没部31は、平面視の形状が小分け容器10の容器本体11の平面視形状よりほんの一回り大きくなっており、高さが最も大きなサイズの小分け容器10の容器本体11の深さより大きくなっている。また、座体の上面縁部32は、形状が小分け容器10の張出部12に適合していてほぼ同形になっている。そのため(図1(e)参照)、単器保持部30は、陥没部31に小分け容器10の容器本体11を容易に嵌入させることができるものであって、容器本体11を陥没部31に嵌入させると上面縁部32で小分け容器10の張出部12を支承することにより、どのサイズの小分け容器10であっても、小分け容器10を水剤分注に適した開口上向き姿勢にして、而も開口の高度を含む開口位置を同じにして、安定保持するものとなっている。
【0019】
容器蓄積部22は(図1(f),図2参照)、その上面に小分け容器10を開口下向きの逆さ姿勢・上下反転姿勢で積み上げらるものであり、サイズの異なる多数の小分け容器10を例えば上述した4種類の小分け容器10をサイズ毎にそれぞれ積み重ねた状態で保持するようになっている。任意のサイズの小分け容器10を逐次供給できれば固定の単純な台座であっても良いが、この例では、容器供給機構41の簡素化のために、小形の回転円板からなり、その回転動作によって、供給しようとしているサイズの小分け容器10を容器供給機構41の取り易い所に位置させるようになっている。
【0020】
回転板23は、その上面に複数の単器保持部30を保持するものであり、単器保持部30が等ピッチで列設されている。具体的には、回転中心から等距離の円上を等角分割した所に一つずつ単器保持部30が固定されており、図示の場合、回転板23の周縁部分を45゜ずつ分割した所に8個の単器保持部30が分散設置されている。そのため、回転板23が鉛直軸周りに45゜ずつ間欠的に回転することで、8個の単器保持部30の順送りが実行されるものとなっている。
【0021】
分注処理分担機構41〜47は、小分け容器10に対して水剤を分注する処理を分担する幾つかの機構からなるが、各部の機構は既製品や公知品で足りるので簡潔に説明すると、指定量の水剤の収容に適う適当なサイズの小分け容器10を一つずつ容器蓄積部22から例えば吸着・昇降・反転・旋回等の動作にて取り出して回転板23上の単器保持部30のうち移載先に来ているものへ移載する容器供給機構41と、水剤瓶15から指定量の水剤を定量ポンプ等で流下させて回転板23上の単器保持部30のうち移載先に来ている単器保持部30の保持している小分け容器10に注入する水剤注入機構42と、回転板23上の単器保持部30のうち撮像先に来ている単器保持部30の保持している小分け容器10を上からCCDカメラ等で撮って異物検査を行う異物検査装置43とを具えている。
【0022】
また、分注処理分担機構41〜47は、小分け容器10の開口をキャップシール45aで封止する容器封止機構44+45も具えており、この実施例では、容器封止機構44+45が、回転板23上の単器保持部30のうち戴冠先に来ている単器保持部30の保持している小分け容器10の上にキャップシール45aを載せ置く覆装部44と、回転板23上の単器保持部30のうち加熱加圧先に来ている単器保持部30の保持している小分け容器10の張出部12にキャップシール45aを融着させる加熱圧着部45とからなる。
【0023】
さらに、分注処理分担機構41〜47は、回転板23上の単器保持部30のうち貼付先に来ている単器保持部30の保持している小分け容器10を対象にしてそれに収容されている薬品名や量目をラベル46aに印刷してからそのラベル46aを小分け容器10のキャップシール45aに貼り付ける印刷貼付機構46と、回転板23上の単器保持部30のうち取上先に来ている単器保持部30の保持している小分け容器10を回転板23上の単器保持部30から例えば吸着・昇降・旋回といった動作にて取り出して図示しない搬出位置や排出口へ送り出す容器排出機構47も具えている。
【0024】
また、分注処理分担機構41〜47は、上述した各部の機構が、回転板23の上面で連なる単器保持部30を通る仮想円の上方で、同形の円に沿って配設されている。そして、回転板23を45゜ずつ回転させて、8個の単器保持部30をピッチ毎に順送りすると、その循環式間欠送りによって、それぞれの単器保持部30が分注処理分担機構41〜47の各処理先を巡るようになっている。具体的には、各単器保持部30が、容器供給機構41による小分け容器10の移載先と、水剤注入機構42による水剤42aの注入先と、異物検査装置43による撮像先と、覆装部44によるキャップシール45aの戴冠先と、加熱圧着部45によるキャップシール45aの加熱加圧先と、印刷貼付機構46によるラベル46aの貼付先と、容器排出機構47による小分け容器10の取上先とを順に巡る。
【0025】
この実施例1の水剤分注機20について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図3は、(a)〜(e)何れも小分け容器10の斜視図であり、分注処理の各過程における小分け容器10の状態を示している。
【0026】
そして、空の小分け容器10をサイズ分けし更に上下反転姿勢で積み重ねることで容器蓄積部22の上に積み上げ、小分けしたい水剤を収容した水剤瓶15を水剤注入機構42に装着し、図示しない操作パネル等から分割数と各水剤量とを指定して水剤分注機20に分注を開始させると、後はコントローラの制御に従い自動で、回転板23が45゜回転するとともに、それに同期して分注処理分担機構41〜47が動作することにより、複数個の小分け容器10に対する水剤分注処理が処理段階をずらした並行処理で遂行される。
【0027】
詳述すると、回転板23が間欠的に45゜ずつ回転し、その度に随伴して8個の単器保持部30が循環移動する。そして、その循環式間欠移動の度に、適切なサイズの小分け容器10が一つずつ容器供給機構41によって容器蓄積部22から移載先の単器保持部30へ送り込まれる。その際、容器蓄積部22上ではゴミ等が入らないよう逆さになっていた空の小分け容器10が(図3(a)参照)、上下反転されて、水剤を収容しうる上向き姿勢をとる(図3(b)参照)。こうして、一番目の小分け容器10が回転板23上の単器保持部30に保持される。
【0028】
それから、回転板23が45゜回転し、それに随伴して8個の単器保持部30が循環しながら間欠移動する。そして、その単器保持部30の循環式間欠移動によって、一番目の小分け容器10が水剤注入機構42による水剤42aの注入先に移るとともに、空の単器保持部30が容器供給機構41による空の小分け容器10の移載先に移る。その状態で、一番目の小分け容器10に水剤42aが注入されるとともに(図3(c)参照)、並行して二番目の小分け容器10が移載先の単器保持部30へ送り込まれる。こうして、一番目の小分け容器10への注入と二番目の小分け容器10の供給とが並行処理される。
【0029】
それから、再び回転板23が回転し、それに随伴して8個の単器保持部30が循環しながら間欠移動する。そして、その単器保持部30の循環式間欠移動によって、一番目の小分け容器10が異物検査装置43の撮像先に移るとともに、二番目の小分け容器10が水剤注入機構42による水剤42aの注入先に移り、さらに空の単器保持部30が容器供給機構41による空の小分け容器10の移載先に移る。その状態で、並行して、一番目の小分け容器10に対して異物検査が行われ、二番目の小分け容器10に水剤42aが注入され、三番目の小分け容器10が移載先の単器保持部30へ送り込まれる。
【0030】
以下、繰り返しとなる煩雑な説明は割愛して簡潔に説明すると、一番目の小分け容器10は、回転板23の回転による単器保持部30の循環式間欠移動の度に順次、容器封止機構44+45の手前に移動して待機し、覆装部44によるキャップシール45aの戴冠先に移動してキャップシール45aを載せられ(図3(d)参照)、加熱圧着部45によるキャップシール45aの加熱加圧先に移動してキャップシール45aを張出部12に融着され、印刷貼付機構46によるラベル46aの貼付先に移動してラベル46aを貼り付けられ(図3(e)参照)、容器排出機構47による小分け容器10の取上先に移動して単器保持部30から取り出されて排出される。
【0031】
二番目の小分け容器10も、回転板23の回転による単器保持部30の循環式間欠移動の度に順次、一動作ずつ遅れながら並行して、異物検査装置43による撮像先に移動して異物検査され、容器封止機構44+45の手前に移動して待機し、覆装部44によるキャップシール45aの戴冠先に移動してキャップシール45aを載せられ、加熱圧着部45によるキャップシール45aの加熱加圧先に移動してキャップシール45aを張出部12に融着され、印刷貼付機構46によるラベル46aの貼付先に移動してラベル46aを貼り付けられ、容器排出機構47による小分け容器10の取上先に移動して単器保持部30から取り出されて排出される。
【0032】
三番目の小分け容器10も、回転板23の回転による単器保持部30の循環式間欠移動の度に順次、二動作ずつ遅れながら並行して、同様の水剤分注処理がなされ、四番目以降の小分け容器10についても、回転板23の回転による単器保持部30の循環式間欠移動の度に順次、順番対応の動作数ずつ遅れながら並行して、同様の水剤分注処理がなされる。こうして、水剤分注機20が簡素であっても、各種サイズの小分け容器10から適切なサイズのものが選出され、次々に能率良く水剤分注が行われる。
【0033】
[その他]
上記実施例では、小分け容器10及び単器保持部30が、平面視角形であったが、平面視丸形など、他の形状であっても良い。
上記実施例では、覆装部44や印刷貼付機構46の保持するキャップシール45aやラベル46aが、連なってロール状になっていたが、逐次供給可能であれば、予め個々に切り離して積み重ねておくなど、他の態様で保持するようになっていても良い。
上記実施例では、水剤瓶15を逆さにして水剤注入機構42に直置きするようになっていたが、チューブ等を介在させて水剤瓶15から水剤を吸い上げるようにしても良い。
【符号の説明】
【0034】
10…小分け容器、11…容器本体、12…張出部、
15…水剤瓶、16…回収容器、
20…水剤分注機、21…上側支持板、
22…容器蓄積部、23…回転板、24…下側支持板、
30…単器保持部、31…陥没部、32…上面縁部、
41…容器供給機構、42…水剤注入機構、42a…水剤、
43…異物検査装置、44…覆装部(容器封止機構)、
45…加熱圧着部(容器封止機構)、45a…キャップシール、
46…印刷貼付機構、46a…ラベル、47…容器排出機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の開口周縁に張出部の形成された小分け容器であって張出部の形状が同じで容器本体の深さが異なるものを複数保持しうる容器蓄積部と、上面中央部の陥没した形の座体からなりその陥没部に前記小分け容器の容器本体を嵌入させると前記座体の上面縁部で前記小分け容器の張出部を支承することにより前記小分け容器を一つ保持する単器保持部と、前記容器蓄積部から前記単器保持部へ前記小分け容器を一つずつ移載する容器供給機構と、その小分け容器に対して水剤を注入する水剤注入機構と、その小分け容器の開口を封止する容器封止機構とを備えている水剤分注機。
【請求項2】
前記単器保持部が等ピッチで列設されており、それらを前記ピッチ毎に順送りするとそれぞれの単器保持部が前記容器供給機構の移載先と前記水剤注入機構の注入先と前記容器封止機構の封止先とを巡るようになっていることを特徴とする請求項1記載の水剤分注機。
【請求項3】
前記単器保持部が回転板の上面に固定され、その上方に前記容器供給機構と前記水剤注入機構と前記容器封止機構とが配設され、前記回転板が鉛直軸周りに回転することで前記単器保持部の順送りが実行されるようになっていることを特徴とする請求項2記載の水剤分注機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−84322(P2011−84322A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−239925(P2009−239925)
【出願日】平成21年10月17日(2009.10.17)
【出願人】(000151472)株式会社トーショー (156)
【Fターム(参考)】