水加熱容器
【課題】安全性を向上し得る水加熱容器を提供する。
【解決手段】蓋体200を容器本体100の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材8が、蓋体200を閉じ位置に保持するための保持位置と蓋体200の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、蓋体200に設けられ、弁体を上下動させて弁機構を開き状態と閉じ状態とに切り換える弁操作具9が、弁体を開き状態とする開き操作位置と弁体を閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、蓋体200に設けられた水加熱容器であって、フック部材8及び弁操作具9に、弁操作具9が閉じ操作位置でフック部材8の保持位置から開放位置への移動を許容し、且つ、弁操作具9が開き操作位置でフック部材8の保持位置から開放位置への移動を阻止する干渉部8i,9iが設けられている。
【解決手段】蓋体200を容器本体100の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材8が、蓋体200を閉じ位置に保持するための保持位置と蓋体200の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、蓋体200に設けられ、弁体を上下動させて弁機構を開き状態と閉じ状態とに切り換える弁操作具9が、弁体を開き状態とする開き操作位置と弁体を閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、蓋体200に設けられた水加熱容器であって、フック部材8及び弁操作具9に、弁操作具9が閉じ操作位置でフック部材8の保持位置から開放位置への移動を許容し、且つ、弁操作具9が開き操作位置でフック部材8の保持位置から開放位置への移動を阻止する干渉部8i,9iが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部が開口し、内部に内容器を有する容器本体と、その容器本体の開口部を開閉自在な蓋体とを備え、弁体の上下動により注ぎ口からの前記内容器内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構が、前記蓋体に設けられ、前記蓋体を前記容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材が、前記蓋体を前記閉じ位置に保持するための保持位置と前記蓋体の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、前記蓋体に設けられ、前記弁体を上下動させて前記弁機構を前記開き状態と前記閉じ状態とに切り換える弁操作具が、前記弁体を前記開き状態とする開き操作位置と前記弁体を前記閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、前記蓋体に設けられた水加熱容器に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる水加熱容器の具体例としては、例えば、電気ケトル、電気ポット等が挙げられる。
そして、蓋体が容器本体の開口部に装着された状態で、フック部材が保持位置に移動されると、蓋体が容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持され、そのように蓋体が容器本体に閉じ位置で保持される状態で、フック部材が開放位置に移動されると、蓋体の閉じ位置での保持が開放されて、蓋体を開くことが可能な構成となっている。
又、弁操作具が開き操作位置に揺動されると、弁機構が開き状態に切り換えられて、注ぎ口から内容器内の湯水を注ぐことが可能となり、弁操作具が閉じ操作位置に揺動されると、弁機構が閉じ状態に切り換えられて、注ぎ口からの内容器内の湯水の流出が阻止される構成となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−212316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の水加熱容器では、弁操作具が開き操作位置にあるときでも、フック部材の開放位置への移動が可能であるので、例えば、注ぎ口から湯水を注ぐべく、水加熱容器を持ち上げて弁操作具を開き操作位置に位置させているときに、フック部材を開放位置へ移動させるといった好ましくない操作が行われる虞がある。
あるいは、フック部材が開放位置に位置するときでも、弁操作具を開き操作位置へ揺動させることが可能であるので、例えば、蓋体が閉じ位置に保持されているように見えるが、実際は閉じ位置に適切に保持されていない状態であって、フック部材が保持位置に位置されていないときに、注ぎ口から湯水を注ぐべく、水加熱容器を持ち上げて弁操作具を開き操作位置に揺動させるといった好ましくない操作が行われる虞がある。
上述のような操作が行われると、注ぎ口から湯水を注ぐ際に蓋体が脱落する虞があり、従来の水加熱容器では、安全性を向上する上で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性を向上し得る水加熱容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る水加熱容器は、上部が開口し、内部に内容器を有する容器本体と、その容器本体の開口部を開閉自在な蓋体とを備え、弁体の上下動により注ぎ口からの前記内容器内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構が、前記蓋体に設けられ、前記蓋体を前記容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材が、前記蓋体を前記閉じ位置に保持するための保持位置と前記蓋体の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、前記蓋体に設けられ、前記弁体を上下動させて前記弁機構を前記開き状態と前記閉じ状態とに切り換える弁操作具が、前記弁体を前記開き状態とする開き操作位置と前記弁体を前記閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、前記蓋体に設けられた水加熱容器であって、
その特徴構成は、前記フック部材及び前記弁操作具に、前記弁操作具が前記閉じ操作位置で前記フック部材の前記保持位置から前記開放位置への移動を許容し、且つ、前記弁操作具が前記開き操作位置で前記フック部材の前記保持位置から前記開放位置への移動を阻止する干渉部が設けられている点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、弁操作具が閉じ操作位置にあるときは、フック部材の保持位置から開放位置への移動を許容し、弁操作具が開き操作位置にあるときは、フック部材の保持位置から開放位置への移動を阻止するように、フック部材の干渉部と弁操作具の干渉部とが互いに干渉する。
つまり、弁操作具が閉じ操作位置にあるときは、フック部材を保持位置から開放位置へ移動させることができるので、蓋体が閉じ位置に保持される状態を開放して、蓋体を取り外すことができる。一方、弁操作具が開き操作位置にあるときは、フック部材を開放位置へ移動させることができないので、例えば、注ぎ口から湯水を注ぐべく、水加熱容器を持ち上げて弁操作具を開き操作位置に位置させているときに、フック部材を開放位置へ移動させようとしても、フック部材を移動させることができない。この場合、弁操作具を開き操作位置に位置させているときには、蓋体が閉じ位置に保持される状態を開放することができない。
従って、注ぎ口から湯水を注ぐ際に蓋体が脱落するのを防止することができるようになり、安全性を向上し得る水加熱容器を提供することができるようになった。
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る水加熱容器は、上部が開口し、内部に内容器を有する容器本体と、その容器本体の開口部を開閉自在な蓋体とを備え、弁体の上下動により注ぎ口からの前記内容器内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構が、前記蓋体に設けられ、前記蓋体を前記容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材が、前記蓋体を前記閉じ位置に保持するための保持位置と前記蓋体の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、前記蓋体に設けられ、前記弁体を上下動させて前記弁機構を前記開き状態と前記閉じ状態とに切り換える弁操作具が、前記弁体を前記開き状態とする開き操作位置と前記弁体を前記閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、前記蓋体に設けられた水加熱容器であって、
その特徴構成は、前記フック部材及び前記弁操作具に、前記フック部材が前記保持位置で前記弁操作具の前記閉じ操作位置から前記開き操作位置への移動を許容し、且つ、前記フック部材が前記開放位置で前記弁操作具の前記閉じ操作位置から前記開き操作位置への移動を阻止する干渉部が設けられている点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、フック部材が保持位置にあるときは、弁操作具の閉じ操作位置から開き操作位置への移動を許容し、フック部材が開放位置にあるときは、弁操作具の閉じ操作位置から開き操作位置への移動を阻止するように、フック部材の干渉部と弁操作具の干渉部とが互いに干渉する。
つまり、フック部材が保持位置にあるときは、弁操作具を閉じ操作位置から開き操作位置へ移動させることができるので、弁機構を開き状態に切り換えて注ぎ口から湯水を注ぐことができる。一方、フック部材が開放位置にあるときは、弁操作具を開き操作位置へ移動させようとしても移動させることができないので、例えば、蓋体が閉じ位置に保持されているように見えるが、実際は閉じ位置に適切に保持されていない状態であって、フック部材が保持位置に位置されていないときには、水加熱容器を持ち上げて弁操作具を開き操作位置に移動させようとしても、弁操作具を移動させることができない。
従って、注ぎ口から湯水を注ぐ際に蓋体が脱落するのを防止することができるようになり、安全性を向上し得る水加熱容器を提供することができるようになった。
【0010】
本発明に係る水加熱容器の更なる特徴構成は、前記弁操作具が、前記蓋体を前記容器本体の開口部に位置させたときに前記容器本体の径方向に沿う長手方向の一端が作用点として前記弁体の上方に位置され且つ前記作用点とその作用点とは長手方向で反対側の端部との間を支点として横方向の軸心周りに揺動自在に設けられた作用点側てこ部材を備えて構成され、
その作用点側てこ部材を前記作用点とは反対側の端部である力点が上方に移動する方向に揺動させることにより、前記弁操作具が前記閉じ操作位置から前記開き操作位置へ移動されるように構成され、
前記フック部材が、前記作用点側てこ部材に近い側を前記開放位置とし且つ前記作用点側てこ部材から遠い側を前記保持位置とする状態で、前記作用点側てこ部材における前記支点と力点の並び方向と交差し且つ前記蓋体を前記容器本体の開口部に位置させたときに前記容器本体の径方向に移動自在に設けられ、
前記作用点側てこ部材における前記支点と前記力点との間の支点力点間部分が、前記弁操作具側の干渉部とされ、
前記フック部材側の干渉部として、そのフック部材に、前記支点力点間部分に向かって突出する突出部が備えられ、
前記フック部材が前記保持位置に位置するときは、前記突出部が前記開き操作位置に位置する前記作用点側てこ部材の支点力点間部分の横側部に近接する状態となり、前記フック部材が前記開放位置に位置するときは、前記突出部が前記閉じ操作位置に位置する前記作用点側てこ部材の支点力点間部分の上方に近接して被さる状態となる形態で、前記フック部材の突出部と前記作用点側てこ部材の支点力点間部分とが干渉するように構成されている点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、弁操作具を構成する作用点側てこ部材が、その作用点とは反対側の端部である力点が上方に移動する方向に揺動されることにより、弁操作具が閉じ操作位置から開き操作位置へ移動されて、弁機構が開き状態に切り換えられる。
又、フック部材は、作用点側てこ部材における支点と力点の並び方向と交差し且つ蓋体を容器本体の開口部に位置させたときに容器本体の径方向に移動自在であり、そして、作用点側てこ部材に近い側に移動されると開放位置に移動され、作用点側てこ部材から遠い側に移動されると保持位置に移動されることになる。
そして、フック部材が保持位置にあるときは、フック部材の突出部が開き操作位置に位置する作用点側てこ部材の支点力点間部分の横側部に近接する状態となり、且つ、フック部材が開放位置にあるときは、フック部材の突出部が閉じ操作位置に位置する作用点側てこ部材の支点力点間部分の上方に近接して被さる状態となる形態で、フック部材の突出部と作用点側てこ部材の支点力点間部分とが干渉する。
従って、フック部材が保持位置にあるときは、作用点側てこ部材を閉じ操作位置から開き操作位置へ向けて揺動させる(支点力点間部分を上方に移動させる)ことができるので、弁機構を開き状態に切り換えることができる。
一方、フック部材が開放位置にあるときは、フック部材の突出部が閉じ操作位置に位置する作用点側てこ部材の支点力点間部分の上方に近接して被さっていて、作用点側てこ部材を閉じ操作位置から開き操作位置へ向けて揺動させようとしても(支点力点間部分を上方に移動させようとしても)、作用点側てこ部材の支点力点間部分がフック部材の突出部に当たるので、作用点側てこ部材を揺動させることができず、弁機構を開き状態に切り換えることができない。
【0012】
又、作用点側てこ部材が閉じ操作位置にあるときは、保持位置のフック部材に対して、作用点側てこ部材の支点力点間部分に近付く方向に力を加えると、フック部材の突出部が作用点側てこ部材の支点力点間部分の上方に被さる形態で、フック部材を作用点側てこ部材の支点力点間部分に向けて開放位置に移動させることができるので、蓋体を保持位置に保持する状態から開放することができ、蓋体を開くことができる。
一方、作用点側てこ部材が開き操作位置にあるときは、保持位置のフック部材に対して、作用点側てこ部材の支点力点間部分に近付く方向に力を加えても、フック部材の突出部が作用点側てこ部材の支点力点間部分の横側部に当たるので、フック部材を作用点側てこ部材の支点力点間部分に向けて移動させることができず、蓋体を保持位置に保持する状態から開放することができない。
要するに、弁操作具が開き操作位置にあるときはフック部材を開放位置へ移動することができず、又、フック部材が開放位置にあるときは弁操作具を開き操作位置へ移動することができないので、注ぎ口から湯水を注ぐ際に蓋体が脱落するのを確実に防止することができるようになり、安全性をより一層向上することができるようになった。
【0013】
本発明に係る水加熱容器の更なる特徴構成は、前記弁操作具が、前記作用点側てこ部材と、その作用点側てこ部材の力点に相当する端部に連結され且つその作用点側てこ部材の力点に連結された端部とその端部とは長手方向で反対側の端部との間を支点として横方向の軸心周りに揺動自在な力点側てこ部材とを備えて構成され、
前記力点側てこ部材が、前記作用点側てこ部材に連結される端部とは反対側の端部を力点として上下方向に揺動されると、その上下方向の揺動に連動して、前記作用点側てこ部材が上下方向に揺動するように構成されている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、力点側てこ部材における作用点側てこ部材に連結される側とは反対側の端部である力点を下方側に向けて移動操作して、力点側てこ部材を揺動させると、その揺動に連動して作用点側てこ部材がその力点側てこ部材に連結される端部である力点が上方に移動するように揺動して、弁操作具が閉じ操作位置から開き操作位置へ移動することになり、弁機構が開き状態に切り換えられる。
【0015】
ところで、長手方向の中間部を作用点として弁体の上部に当接させ、且つ、長手方向の一端を横方向の軸心周りで揺動自在な支点として設けられた1本の操作レバーにて、弁操作具を構成することができる。
この場合は、操作レバーにおける支点側とは反対側の端部を力点として押し下げることにより、弁体を下方に移動させて弁機構を開き状態に切り換えることになる。
しかしながら、この場合は、操作レバーの長さが、本特徴構成による力点側てこ部材や作用点側てこ部材の長さに比べてかなり長くなるので、支点と力点との距離が長くなり、そのことによって、作用点と力点との距離も長くなる。そこで、弁機構を開き状態に切り換えるべく、操作レバーにより、弁体を閉じ状態から開き状態に切り換えるために必要な所定量下側に移動させるには、力点をかなり大きい量(即ち、弁体の移動量よりもかなり大きい量)押し下げる必要があり、その移動操作量が大きいので、弁機構を開き状態に切り換えるための操作性が劣る。
これに対して、本特徴構成であれは、力点側てこ部材や作用点側てこ部材の長さを上述の如き操作レバーの長さに比べてかなり短くすることができる。
このことにより、弁機構を開き状態に切り換えるべく作用点側てこ部材の作用点により弁体を閉じ状態から開き状態に切り換えるための作用点側てこ部材における力点の上下方向の移動量を小さくすることができるので、その作用点側てこ部材の力点に連結された力点側てこ部材の上下方向の揺動操作量を小さくすることができる。
従って、弁機構を開き状態に切り換えるための操作性を向上することができるようになった。
【0016】
本発明に係る水加熱容器の更なる特徴構成は、前記フック部材の色が、前記蓋体の外周部を形成する蓋カバーの色と異なるように構成されている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、フック部材の色が蓋体の外周部を形成する蓋カバーの色と異なるので、使用者は、フック部材が保持位置にあるか、その保持位置以外の開放位置等にあるかを容易に視認できる。つまり、使用者は、蓋体が容器本体に閉じ位置で保持されていない状態を容易に判別することができる。
従って、蓋体が容器本体に閉じ位置で保持されていないにも拘らず水加熱容器を持ち上げて、湯水を注ぐために傾けてしまうといった好ましくない操作が行われ難いようにすることができるので、安全性を更に向上することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】電気ケトルの外観を示す斜視図
【図2】ケトル本体が電源プレートから持ち上げられた状態での電気ケトルの斜視図
【図3】電気ケトルの縦断側面図
【図4】ケトル本体が電源プレートから持ち上げられた状態での電気ケトルの下部の縦断側面図
【図5】蓋体を容器本体から分離した状態でのケトル本体の斜視図
【図6】蓋カバーを省略した状態でのケトル本体の斜視図
【図7】蓋カバーを設けた状態での図6のVII−VII矢視図
【図8】蓋カバーを設けた状態での図6のVII−VII矢視図
【図9】蓋カバーを設けた状態での図6のIX−IX矢視図
【図10】弁操作具が開き操作位置に位置されている状態を示す蓋カバーを省略した状態でのケトル本体の斜視図
【図11】フック部材が嵌め込み状態にある状態を説明する図
【図12】フック部材が開放位置に移動されている状態を示す蓋カバーを省略した状態でのケトル本体の斜視図
【図13】フック部材が開放状態にある状態を説明する図
【図14】フック部材が半掛かり状態にある状態を説明する図
【図15】フック部材がフリー状態にある状態を説明する図
【図16】別実施形態に係る弁操作具及びフック部材を説明する図
【図17】別実施形態に係る弁操作具及びフック部材を説明するケトル本体上部の分解斜視図
【図18】別実施形態に係る弁操作具とフック部材との干渉状態を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明を水加熱容器の一例としての電気ケトルに適用した場合の実施形態を説明する。
図1〜図3に示すように、電気ケトルは、電源プレートPとその電源プレートPに載置自在なケトル本体Kとを備えて構成されている。
ケトル本体Kの内部には、湯水を貯留する内容器1が設けられ、ケトル本体Kの外周部には、ケトル本体Kを持ち上げるための把手2が設けられ、並びに、ケトル本体Kの外周部の上部側には、内容器1内の湯水を注ぐ注ぎ口3が設けられている。把手2及び注ぎ口3は、ケトル本体Kの上部の中心に対して互いに反対側に振り分けて設けられている。
図5にも示すように、ケトル本体Kは、内部に内容器1を有して上部が開口した概ね有底円筒状の容器本体100と、その容器本体100の開口部を開閉自在な概ね円盤状の蓋体200とを備えて構成されている。そして、蓋体200は、容器本体100の開口部に対して着脱自在で、その開口部に嵌めこまれた状態で容器本体100に装着されることにより、その開口部を閉じるように構成されている。
【0020】
図3及び図4に示すように、ケトル本体Kには、内容器1内の湯水を加熱する電気ヒータ4が備えられ、外部から供給される電力を電気ヒータ4に供給する受電機構5が底面の中央部に位置する状態で備えられ、並びに、図1及び図2に示すように、操作盤6が側周面の下部に位置する状態で備えられている。ちなみに、図示を省略するが、操作盤6には、電気ヒータ4への通電の開始及び停止を指令する運転スイッチ等が備えられている。
図2〜図4に示すように、電源プレートPには、電源コード(図示省略)を通して供給される電力を外部に出力する給電機構7が上面の中央部に位置する状態で備えられている。
そして、ケトル本体Kを電源プレートPに載置した給電姿勢において、受電機構5と給電機構7とが導通状態に接続されて、給電機構7から受電機構5を介して電気ヒータ4に給電されて、内容器1内の湯水が加熱されるように構成されている。
又、把手2を把持してケトル本体Kを持ち上げて注ぎ口3が下向きになるように傾けることにより、内容器1内の湯水を注ぎ口3から注ぐことになる。
【0021】
図1及び図2に示すように、ケトル本体Kの蓋体200には、蓋体200を容器本体100の開口部を閉じる閉じ位置に保持する一対のフック部材8、注ぎ口3からの内容器1内の湯水の流出を許容するか否かに切り換えるための弁操作具9、及び、内容器1で発生する蒸気を放出するための蒸気口10等が設けられている。
【0022】
次に、ケトル本体Kについて説明を加える。
図3に示すように、容器本体100は、概ね、有底円筒状の外郭部材11の口縁部に口縁部材12を嵌め込むと共に、その口縁部材12に有底円筒状の内容器1を吊り下げ支持して構成され、更に、中空状の把手2が口縁部材12と外郭部材11とに跨って取り付けられている。
図3及び図4に示すように、電気ヒータ4は、内容器1の底面に当接する状態で設けられている。
外郭部材11の底部の中心部には、その底面から引っ込んだ状態で、給電機構7を嵌め込むことが可能な円状の給電機構嵌め込み用凹部13が設けられ、その給電機構嵌め込み用凹部13内に受電機構5が設けられている。
その受電機構5は、ピン状の中心電極5aと、その中心電極5aの外周部に設けられた外側電極5bと、その外側電極5bの外周部に設けられたアース用電極(図示省略)とを備えて構成されている。ちなみに、中心電極5aと外側電極5bは、後述する給電機構7の中心穴7Aと環状穴7Bに夫々設けられた給電用の中心電極7a、外側電極7bに接続されて、それらの電極から供給される電力を受ける受電用の電極であり、アース用電極は、後述する給電機構7のアース用電極に接続される。
【0023】
図3、図7及び図8に示すように、口縁部材12における把手2の上端部の取付部には、蓋体200に設けられた蒸気検知用通路22(詳細は後述する)を通して内容器1から導かれる蒸気を検知する蒸気検知センサ14が設けられている。
図示を省略するが、外郭部材11の底部と内容器1の底部との間の空間には、制御部が設けられている。この制御部は、操作盤6からの指令や蒸気検知センサ14の検出情報に基づく電気ヒータ4への通電の制御等を行うように構成されている。
【0024】
図3、図5、図7及び図9に示すように、蓋体200は、蓋本体部材15、その蓋本体部材15の上方の蓋カバー16、蓋本体部材15の下方の内蓋板17、及び、その内蓋板17の外周部のシール材18等を一体的に組み付けて構成されている。
容器本体100の口縁部材12には、注ぎ口3の下方部分を構成する溝状部12mが形成され、蓋体200の蓋本体部材15には、注ぎ口3の上方部分を構成する庇部15eが設けられている。
そして、口縁部材12の溝状部12mの上方を蓋本体部材15の庇部15eが覆う状態となる蓋体装着用の相対位置関係で、蓋体200を容器本体100の開口部に装着すると、口縁部材12の溝状部12mと蓋本体部材15の庇部15eにより、筒状の注ぎ口3が形成されることになる。
【0025】
図7及び図8に示すように、内蓋板17には複数の孔17hが形成され、蓋体200における蓋本体部材15と内蓋板17との間には、内蓋板17に形成された複数の孔17hを通して容器本体100の内容器1に連通する容器連通空間19が形成されている。
そして、蓋本体部材15には、基端が容器連通空間19に臨み且つ先端が注ぎ口3内に延びる注ぎ用通路20、及び、基端が容器連通空間19に臨み且つ先端が蓋体200の上面部にまで延びる蒸気放出用通路21が形成され、その蒸気放出用通路21の先端開口部が蒸気口10として機能する。
図1及び図5にも示すように、蒸気口10は、蓋体200の上面における注ぎ口3と把手2を結ぶ線上における把手2の側に偏った位置に開口されている。
又、図7及び図8に示すように、蓋本体部材15には、蒸気放出用通路21から分岐する蒸気検知用通路22が形成され、図5にも示すように、その蒸気検知用通路22は、その先端が、蓋体200が容器本体100に装着された状態で、蓋本体部材15の側周部において口縁部材12における把手2の取付部に対向する箇所に開口するように形成されている。
【0026】
詳細な図示を省略するが、図3、図7及び図8に示すように、蒸気放出用通路21における蒸気検知用通路22の分岐箇所よりも上流側の部分には、電気ケトルが転倒すると蒸気放出用通路21を閉じるように移動すべく、2個の錘体23が設けられている。
従って、電気ケトルが転倒しても、2個の錘体23が蒸気放出用通路21を閉じるように移動するので、内容器1内の湯水が蒸気口10や蒸気検知用通路22の先端開口から漏出するのが防止される。
【0027】
蒸気検知センサ14は、蓋体200が容器本体100に装着された状態で、蓋体200の蒸気検知用通路22の先端開口部に臨むように、口縁部材12に取り付けられている。
電気ヒータ4の加熱により内容器1内の水が沸騰して蒸気が発生すると、その蒸気が蒸気放出用通路21を通して蒸気口10に導かれてその蒸気口10から放出されると共に、蒸気放出用通路21及び蒸気検知用通路22により蒸気検知センサ14に導かれる。
そして、制御部は、蒸気検知センサ14が蒸気を感知すると、電気ヒータ4への通電を遮断するように構成されている。
【0028】
図5、図6及び図9に示すように、一対のフック部材8の夫々は、蓋体200を容器本体100の開口部に位置させたときに容器本体100の径方向に前後進自在で且つコイルバネ24により前進方向(蓋体200の径方向外方側)に付勢された状態で設けられている。
又、各フック部材8の前端側の下面8sが、後方側ほど上面から遠ざかる形態の後ろ下がり傾斜状に構成されている。
容器本体100の口縁部材12には、一対のフック部材8夫々の後下がり傾斜状の下面8sが容器本体100に当接した状態から、蓋体200が下向きに移動されて閉じ位置に位置されるに伴って、一対のフック部材8夫々の前端部8Afが嵌まり込んで蓋体200を閉じ位置に保持する一対の凹部25が設けられている。
【0029】
図5、図6及び図9に示すように、各フック部材8は、側面視形状が概ねL字状である。以下、側面視形状がL字状のフック部材8において、横方向に沿う辺部に相当する部分を嵌め込み用辺部8Aと称し、上下方向に沿う辺部に相当する部分を操作用辺部8Bと称する場合がある。
そして、一対のフック部材8の夫々は、嵌め込み用辺部8Aの前端部8Afが蓋体200の径方向外方を向き、その嵌め込み用辺部8Aの前端部8Afが蓋本体部材15の側周面から突出する状態で、コイルバネ24により蓋体200の径方向外方に向けて付勢されて蓋本体部材15に設けられている。
各フック部材8の嵌め込み用辺部8Aの前端部8Afは、最前端8tよりも後退した後退部8rを有する形状に構成され、その後退部8rが、嵌め込み用辺部8Aの幅方向両側に振り分けて一対設けられている。ここで、フック部材8の前端部8Afとは、フック部材8の嵌め込み用辺部8Aにおける径方向外方側である前端側の部分に相当し、フック部材8の最前端8tとは、フック部材8の前端部8Afにおける最も前方の縁に相当する。
【0030】
図5及び図9に示すように、前記の各凹部25は、容器本体100の口縁部材12に、蓋体200の径方向外方側の端部、即ち、外径側の底部が閉じられた有底状に形成され、各凹部25の上縁部には、口縁部材12の内方側に突出する形態で庇26が設けられている。この庇26の上面26sは、先端側(フック部材8の後方側に相当する)ほど下方に位置する形態(以下、前下がり状と記載する場合がある)の傾斜状に形成されている。
【0031】
図5及び図11に示すように、口縁部材12には、フック部材8における嵌め込み用辺部8Aの前端部8Afが凹部25に嵌まり込んだ状態で、フック部材8の前端部8Afにおける後退部8rのみを当接させてフック部材8の前進を阻止する前進阻止受け部36が、各フック部材8の夫々に対応して設けられている。
この前進阻止受け部36は、各フック部材8の一対の後退部8rに対応して、フック部材毎に一対ずつ設けられている。
【0032】
図10及び図11に示すように、蓋体200が容器本体100に対して閉じ位置に保持されて、フック部材8が凹部25に嵌め込まれた状態(以下、嵌め込み状態と称する場合がある)では、フック部材8の前端部8Afの後退部8rが前進阻止受け部36に受け止められ、フック部材8が蓋体200を閉じ位置に保持するための保持位置に保持されることになる。
又、図12及び図13に示すように、フック部材8がその移動可能範囲における蓋体200の中央側の端部に移動されると、フック部材8の全体が凹部25の外部に位置する状態(以下、開放状態と称する場合がある)となり、フック部材が蓋体200の保持を開放するための開放位置に位置することになる。
【0033】
又、図14に示すように、蓋体200が容器本体100に対して閉じ位置に保持されずに、フック部材8の最前端8tが庇26の先端に引っ掛かって釣合っている状態(以下、半掛かり状態と称する場合がある)では、フック部材8は蓋体200の径方向において嵌め込み状態のときと開放状態のときとの中間に位置することになる。
又、図15に示すように、蓋体200が容器本体100に対して閉じ位置よりも上方に位置して、フック部材8が凹部25に嵌め込まれていない状態では、フック部材8はフック操作用開口32における蓋体200の径方向外方側の口縁部にて受け止められて前進が阻止される状態(以下、フリー状態と称する場合がある)となっている。
そして、フック部材8がフリー状態で、蓋体200が蓋体装着用の相対位置関係で容器本体100の開口部に載置されると、フック部材8の最前端8tは、嵌め込み状態におけるよりも蓋体200の径方向外方側に位置し、しかも、凹部25の上方において凹部25の底部に相当する位置よりも外方側に位置している。
【0034】
つまり、フック部材8が、蓋体200を閉じ位置に保持するための保持位置と蓋体200の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、且つ、開放位置から保持位置に向かう前進方向に付勢された状態で移動自在に設けられていることになる。
【0035】
図3、図7及び図8に示すように、蓋体200内には、弁体27の上下動により注ぎ口3からの内容器1内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構Vが設けられている。
更に、蓋体200には、弁体27を上下動させて弁機構Vを開き状態と閉じ状態とに切り換える弁操作具9が、弁体27を開き状態とする開き操作位置と弁体27を閉じ状態とする閉じ操作位置とに移動自在な状態で設けられている。
【0036】
図7及び図8に示すように、弁機構Vは、蓋本体部材15により形成される弁ケース28と、その弁ケース28に上下動自在に保持された弁体27と、その弁体27を上方側に付勢することにより弁座29に押し付けるコイルバネ30等を備えて構成されている。
つまり、図7に示すように、弁体27を下方側に押し下げる力が作用しない状態では、コイルバネ30の付勢力により弁体27が弁座29に押し付けられる状態に保持されることになり、弁機構Vが注ぎ用通路20を閉じる閉じ状態に保持されることになる。
【0037】
図6〜図8に示すように、この実施形態では、弁操作具9が、蓋体200を容器本体100の開口部に位置させたときに容器本体100の径方向に沿う長手方向の一端が作用点9wとして弁体27の上方に位置され且つ作用点9wとその作用点9wとは長手方向で反対側の端部との間の略中央を支点P2として水平方向(横方向に相当する)の軸心周りに揺動自在に設けられた作用点側てこ部材92と、その作用点側てこ部材92の力点に相当する端部に連結され且つその作用点側てこ部材92の力点に連結された端部とその端部とは長手方向で反対側の端部との間の略中央を支点P1として水平方向の軸心周りに揺動自在な力点側てこ部材91とを備えて構成されている。
つまり、図7及び図8に示すように、力点側てこ部材91における作用点側てこ部材92に連結される側とは反対側の端部の操作部9hが上下移動されることにより、力点側てこ部材91が上下方向に揺動されると、その上下方向の揺動に連動して、作用点側てこ部材92が上下方向に揺動するように構成されている。
【0038】
これら連結状態の作用点側てこ部材92及び力点側てこ部材91は、作用点側てこ部材92における連結されていない方の端部の作用点9wが弁体27の上方に位置し、且つ、力点側てこ部材91における連結されていない方の端部の操作部9hが把手2の上方に位置して、長手方向を注ぎ口3、蒸気口10及び把手2の並び方向に沿わせた状態で、蓋体200に設けられている。
又、力点側てこ部材91及び作用点側てこ部材92夫々の互いに連結される端部側の部分が二股状に構成されて、力点側てこ部材91の二股状の部分と作用点側てこ部材92の二股状の部分とが、蒸気口10の両側部を囲む状態で連結されている。尚、以下の説明では、作用点側てこ部材92において支点P2と力点(力点側てこ部材91に連結される端部)との間の部分を、支点力点間部分92aと称する場合がある。
更に、作用点側てこ部材92をその力点側てこ部材91に連結される端部である力点が下方に移動する方向に揺動させる、即ち、力点側てこ部材91をその力点に相当する操作部9hが上方に移動する方向に揺動させるように付勢するバネ部材31が設けられている。
【0039】
そして、図8に示すように、バネ部材31の付勢力に抗して力点側てこ部材91の把手側の端部の操作部9hを押し下げると、その弁機構側の端部が上昇し、それに伴って、その端部に連結された作用点側てこ部材92の把手側の端部の力点が上昇して、弁機構側の端部の作用点9wが下降し、弁体27がコイルバネ30の付勢力に抗して押し下げられることになり、弁機構Vが注ぎ用通路20を開く開き状態に切り換えられる。
つまり、作用点側てこ部材92をその力点側てこ部材91に連結される端部である力点が上方に移動する方向に揺動させる、即ち、力点側てこ部材91をその力点に相当する操作部9hが下方に移動する方向に揺動させることにより、弁操作具9が閉じ操作位置から開き操作位置へ移動されるように構成されている。
【0040】
図6及び図9に示すように、一対のフック部材8は、作用点側てこ部材92の両側に振り分けて配置され、各フック部材8は、作用点側てこ部材92における二股状の支点力点間部分92aの各腕部に対応して、各腕部に対して離れる方向にコイルバネ24により付勢された状態で各腕部に対する接近離間方向に移動自在に設けられている。
つまり、フック部材8が、作用点側てこ部材92に近い側を開放位置とし且つ作用点側てこ部材92から遠い側を保持位置とする状態で、作用点側てこ部材92における支点P2と力点(力点側てこ部材91に連結される側の端部)との並び方向と交差し且つ蓋体200を容器本体100の開口部に位置させたときに容器本体100の径方向に移動自在に設けられている。
但し、作用点側てこ部材92における支点P2と力点との間の支点力点間部分92aは二股状になっているが、その支点P2と力点との並び方向は、注ぎ口3と把手2とを結ぶ線に沿う方向である。
【0041】
図5、図7及び図9に示すように、蓋体200の蓋カバー16には、一対のフック部材8夫々を移動操作するための一対のフック操作用開口32、力点側てこ部材91の把手側の部分を突出させるためのてこ操作用開口33、及び、蓋本体部材15の蒸気口10を臨ませるための蒸気口用開口34が形成されている。
各フック部材8は、嵌め込み用辺部8Aの上面における蓋体200の径方向外方側の部分、及び、操作用辺部8Bの上面における蓋体200の径方向内方側の部分が蓋カバー16に覆われた状態で、フック操作用開口32から外部に臨むように設けられている。又、各フック部材8は、蓋カバー16の色とは異なる色に着色されている。
又、蓋カバー16の蒸気口用開口34には、複数のスリットが形成された蒸気口キャップ35が嵌め込まれている。
【0042】
図11及び図15に示すように、フック部材8の操作用辺部8Bの上面部には、フック部材8が嵌め込み状態にあるときには蓋カバー16に覆われ且つフック部材8がフリー状態にあるときは露出する位置に位置させて、フリー状態表示シート37が貼着されている。
又、図11、図13及び図14に示すように、フック部材8の嵌め込み用辺部8Aの上面部には、フック部材8が嵌め込み状態にあるときには蓋カバー16に覆われ且つフック部材8が半掛かり状態及び開放状態にあるときは露出する位置に位置させて、半掛かり状態表示シート38が貼着されている。
【0043】
図2〜図4に示すように、給電機構7は、外観形状が概略円柱状に構成されて、電源プレートPの上面の中央にその上面から突出するように設けられている。
給電機構7は、図3及び図4に示すように、中心穴7Aと、その中心穴7Aと同心に設けられた環状穴7Bとを備え、これら穴7A,7Bに夫々設けられる中心電極7a、外側電極7bと、給電機構7の円柱状外周部位の周方向一部に設けられるアース用電極(図示省略)とを備えて構成されている。
そして、ケトル本体Kが電源プレートP上に給電姿勢で載置されると、給電機構7がケトル本体K底部の給電機構嵌め込み用凹部13内に嵌り込んで、給電機構7と受電機構5の互いの電極が電気的に接続されて給電が可能となる。
【0044】
次に、本発明による特徴構成について説明する。
本発明では、図10〜図13に示すように、フック部材8及び弁操作具9に、弁操作具9が閉じ操作位置でフック部材8の保持位置から開放位置への移動を許容し、且つ、弁操作具9が開き操作位置でフック部材8の保持位置から開放位置への移動を阻止する干渉部8i,9iが設けられている。
又、フック部材8及び弁操作具9に、フック部材8が保持位置で弁操作具9の閉じ操作位置から開き操作位置への揺動を許容し、且つ、フック部材8が開放位置で弁操作具9の閉じ操作位置から開き操作位置への揺動を阻止する干渉部8i,9iが設けられている。
【0045】
この実施形態では、作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aが、弁操作部側の干渉部9iとされ、フック部材側の干渉部8iとして、そのフック部材8に、作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aに向かって突出する突出部8mが備えられている。
そして、フック部材8が保持位置に位置するときは、突出部8mが開き操作位置に位置する作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aの横側部に近接する状態となり、フック部材8が開放位置に位置するときは、突出部8mが閉じ操作位置に位置する作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aの上方に近接して被さる状態となる形態で、フック部材8の突出部8mと作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aとが干渉するように構成されている。
説明を加えると、突出部8mは、各フック部材8の操作用辺部8Bに、作用点側てこ部材92の二股状の支点力点間部分92aの各腕部に向かって突出する形態で備えられている。
【0046】
次に、蓋体200を容器本体100に装着したり容器本体100から取り外すときの手順、及び、注ぎ口から湯水を注ぐときの手順について、説明を加える。
蓋体200を容器本体100に装着するときは、蓋体200を蓋体装着用の相対位置関係で容器本体100の開口部に載置する。すると、図15の(b)に示すように、一対のフック部材8夫々の前端部8Afにおける後下がり傾斜状の下面8sが一対の凹部25夫々の庇26における前下がり傾斜状の上面26sと略平行状態となってその上面26sに当接する状態となる。
その状態で、蓋体200を下方に押し下げると、一対のフック部材8夫々が、一対の凹部25夫々の庇26における前下がり傾斜状の上面26sの案内によりコイルバネ24の付勢力に抗して後退させられることになる。
更に、蓋体200を下方に押し下げると、図11に示すように、一対のフック部材8が庇26を乗り越えて、コイルバネ24の付勢力により一対の凹部25夫々に嵌まり込んで、一対のフック部材8夫々が保持位置に保持され、蓋体200が閉じ位置で容器本体100に保持される。
【0047】
このように、一対のフック部材8夫々が保持位置に保持されている状態では、図10及び図11に示すように、力点側てこ部材91の把手側の端部の操作部9hを押し下げて、作用点側てこ部材92をその支点力点間部分92aが上がる方向、即ち、作用点9wが下がる方向に揺動させることが可能である。
【0048】
注ぎ口3から湯水を注ぐときは、図2に示すように、親指を力点側てこ部材91の把手側の端部である操作部9hに引っ掛けた状態で把手2を把持して、ケトル本体Kを持ち上げる。
そして、把手2を把持した状態で、例えば、親指にて、バネ部材31の付勢力に抗して力点側てこ部材91の操作部9hを押し下げると、図8、図10及び図11(c)に示すように、作用点側てこ部材92がその作用点9wが下がる方向(支点力点間部分92aが上がる方向、即ち、開き操作位置の方向)に揺動して、弁体27がコイルバネ30の付勢力に抗して押し下げられることになり、弁機構Vが開き状態に切り換えられる。
又、力点側てこ部材91の操作部9hを押し下げる力を解放すると、図7及び図11(c)に示すように、バネ部材31の付勢力及びコイルバネ30の付勢力により、作用点側てこ部材92がその作用点9wが上がる方向(支点力点間部分92aが下がる方向、即ち、閉じ操作位置の方向)に揺動すると共に、力点側てこ部材91がその把手側の端部の操作部9hが上がる方向(閉じ操作位置の方向)に揺動し、並びに、弁体27がコイルバネ30の付勢力により押し上げられて、弁機構Vが閉じ状態に切り換えられる。
【0049】
蓋体200を容器本体100から取り外すときは、図12及び図13に示すように、力点側てこ部材91の操作部9hが上がっていると共に、作用点側てこ部材92の作用点9wが上がっている状態(支点力点間部分92aが下がっている状態)、即ち、力点側てこ部材91及び作用点側てこ部材92が閉じ操作位置にある状態で、一対のフック部材8に対して互いに近接させる方向に力を加えると、各フック部材8の突出部8mが二股状の支点力点間部分92aの各腕部の上方に被さる形態で、一対のフック部材8夫々を開放位置に位置させることができるので、そのまま蓋体200を持ち上げると、蓋体200を容器本体100から取り外すことができる。
【0050】
図10及び図11に示すように、力点側てこ部材91の操作部9hが下がっていると共に、作用点側てこ部材92の作用点が下がっている状態(支点力点間部分92aが上がっている状態)、即ち、力点側てこ部材91及び作用点側てこ部材92が開き操作位置にある状態で、一対のフック部材8に対して互いに近接させる方向に力を加えても、各フック部材8の突出部8mが作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aに当たるので、各フック部材8を開放位置に移動させることができず、蓋体200を容器本体100から取り外すことができない。
【0051】
又、図12及び図13に示すように、一対のフック部材8夫々が開放位置に位置している状態では、各フック部材8の突出部8mが二股状の支点力点間部分92aの各腕部の上方に近接して被さっているので、力点側てこ部材91の操作部9hを下げるよう(即ち、支点力点間部分92aが上げるように)に力を加えても、二股状の支点力点間部分92aの各腕部が各フック部材8の突出部8mに当たるため、力点側てこ部材91を揺動させることができず、弁機構Vを開き状態に切り換えることができない。
【0052】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(A)フック部材8及び弁操作具9夫々に上記の実施形態のように干渉部8i,9iを設けるに当たって、フック部材8及び弁操作具9夫々の具体的構成は、上記の実施形態において説明した構成に限定されるものではない。
(A−1)例えば、図16に示すように、フック部材8は上記の実施形態と同様の構成とし、弁操作具9を上記の実施形態と異なる構成としても良い。尚、図16の(a)は、弁操作具9を示すケトル本体上部の縦断側面図であり、(b)は、フック部材8が保持位置に位置する状態でのケトル本体上部の縦断後面図であり、(c)は、フック部材8が開放位置に位置する状態でのケトル本体上部の縦断後面図である。
この場合、図16の(a)に示すように、弁操作具9を、弁機構Vに対して把手側の端部とは反対側の端部を水平方向の軸心周りで揺動自在な支点P3として、弁機構Vの上方を通って把手2の上部にまで延びる1本の弁操作レバー93により構成しても良い。
この場合、弁操作レバー93において弁体27の上部に当接する部分が作用点9wとなり、把手2の上方に位置する端部が力点に相当する操作部9hとなる。
そして、弁操作レバー93の把手側の端部の操作部9hを押し下げると、弁操作レバー93が支点P3を軸心として下方側(開き操作位置)に揺動して、作用点9wにより弁体27がコイルバネ30の付勢力に抗して押し下げられることになり、弁機構Vが開き状態に切り換えられる。図示を省略するが、弁操作レバー93をその操作部9hが上方に移動する方向、即ち、閉じ操作位置へ揺動するように付勢するバネ部材が設けられている。
つまり、弁操作レバー93が、その把手側の端部の操作部9hが上側に位置する閉じ操作位置と下側に位置する開き操作位置との間で揺動自在に設けられている。
【0053】
図16の(b)、(c)に示すように、弁操作レバー93における作用点9wと力点に相当する操作部9hとの間の作用点力点間部分93aが、弁操作部側の干渉部9iとされ、フック部材側の干渉部8iとして、そのフック部材8に、支点力点間部分92a側に向かって突出する突出部8nが備えられている。
そして、図16の(b)に示すように、フック部材8が保持位置に位置するときは、突出部8nが開き操作位置に位置する弁操作レバー93の作用点力点間部分93aの横側部に隣接する状態となり、図16の(c)に示すように、フック部材8が開放位置に位置するときは、突出部8nが閉じ操作位置に位置する弁操作レバー93の作用点力点間部分93aの下方に近接して位置する状態となる形態で、フック部材8の突出部8nと弁操作レバー93の作用点力点間部分93aとが干渉するように構成されている。
【0054】
つまり、図16の(b)に示すように、一対のフック部材8夫々が保持位置に保持されている状態では、弁操作レバー93の把手側の端部の操作部9hを押し下げて、その操作レバー93を下方に向けて開き操作位置へ揺動させる(作用点力点間部分93aを下げる)ことが可能であり、弁機構Vを開き状態に切り換えることができる。
又、図16の(c)に示すように、弁操作レバー93の操作部9hが上がっている状態(作用点力点間部分93aが上がっている状態)、即ち、弁操作レバー93が閉じ操作位置にある状態で、一対のフック部材8に対して互いに近接させる方向に力を加えると、各フック部材8の突出部8nが作用点力点間部分93aの下方に位置する形態で、一対のフック部材8夫々を開放位置に位置させることができる。
【0055】
図16の(b)に示すように、弁操作レバー93の操作部9hが下がっている状態(図16の(b)で二点鎖線で示すように、作用点力点間部分93aが下がっている状態)、即ち、弁操作レバー93が開き操作位置にある状態では、一対のフック部材8に対して互いに近接させる方向に力を加えても、各フック部材8の突出部8nが弁操作レバー93の作用点力点間部分93aに当たるので、各フック部材8を開放位置に移動させることができない。
又、図16の(c)に示すように、一対のフック部材8夫々が開放位置に位置している状態では、各フック部材8の突出部8nが作用点力点間部分93aの下方に近接して位置しているので、弁操作レバー93の操作部9hを下げるよう(即ち、作用点力点間部分93aが下がるように)に力を加えても、作用点力点間部分93aが各フック部材8の突出部8nに当たるため、弁操作レバー93を揺動させることができず、弁機構Vを開き状態に切り換えることができない。
【0056】
(A−2)図17及び図18に示すように、フック部材8及び弁操作具9夫々を上記の実施形態と異なる構成としても良い。尚、図18の(a)は、フック部材8が保持位置に位置し且つ弁操作具9が閉じ操作位置に位置する状態でのケトル本体上部の縦断側面図であり、(b)は、フック部材8が開放位置に位置し且つ弁操作具9が閉じ操作位置に位置する状態でのケトル本体上部の縦断後面図である。
この場合、図17に示すように、弁操作具9を、先端部が弁体27(図示省略)の上方に当接する状態で蓋体200の上面に沿って前後進自在に設けた移動部材94と、その移動部材94の基端部を押し操作する給湯操作ボタン95とを備えて構成しても良い。移動部材94の先端部の下面94sは、先端側ほど上面に近付く先上がり傾斜状に形成され、その移動部材94を後方側に付勢するコイルバネ40が設けられている。
そして、給湯操作ボタン95を押し操作して移動部材94を前進させると、その移動部材94の先端部の先上がり状の下面94sにより弁体27が押し下げられて弁機構Vが開き状態に切り換えられる。
つまり、コイルバネ40の付勢力により移動部材94が後退させられた位置が閉じ操作位置であり、移動部材94を前進させることにより、弁操作具9が閉じ操作位置から開き操作位置へ移動されることになる。
【0057】
又、フック部材8は、移動部材94の前方にその移動部材94の移動方向に沿って移動自在に設けたロック部材81と、そのロック部材81の移動方向に直交する水平方向の軸心P4周りに揺動自在で且つその揺動操作によりロック部材81を移動操作するようにロック部材81に連結された揺動部材82を備えて構成しても良い。尚、ロック部材81を移動部材94から遠ざかる方向に付勢するコイルバネ41が設けられている。
そして、図18の(a)に示すように、ロック部材81がコイルバネ41の付勢力により移動部材94から遠ざかる方向に移動されると、そのロック部材81が容器本体100に設けられた凹部(図示省略)に嵌まり込んで保持位置に保持されることになり、図18の(b)に示すように、揺動部材82によりロック部材81を移動部材94に近付く方向に移動させると、ロック部材81が前記凹部から開放されて開放位置に移動されることになる。
【0058】
この場合、フック部材側の干渉部8iとして、ロック部材81における移動部材94の側の端部に、移動部材94に向かって突出する一対の突出部81mが備えられ、弁操作部側の干渉部9iとして、移動部材94に、ロック部材81の一対の突出部81m夫々に対向するように下方に突出する一対の突出部94mが備えられている。
そして、図18に示すように、ロック部材81の突出部81mと移動部材94の突出部94mが以下のように干渉するように構成されている。
即ち、図18の(a)に示すように、ロック部材81が保持位置に位置し、且つ、移動部材94が閉じ操作位置に位置するときは、ロック部材81の開放位置への移動を許容し、且つ、移動部材94の開き操作位置への移動を許容するように、ロック部材81の突出部81mと移動部材94の突出部94mとが離間する。
又、図18の(b)に示すように、ロック部材81が保持位置から開放位置に移動されると、そのロック部材81の突出部81mが閉じ操作位置に位置する移動部材94の突出部94mに近接して、移動部材94の開き操作位置への移動を阻止する。
又、図示を省略するが、移動部材94が閉じ操作位置から開き操作位置に移動されると、その移動部材94の突出部94mが保持位置に位置するロック部材81の突出部81mに近接して、ロック部材81の開放位置への移動を阻止する。
【0059】
(B)半掛かり状態表示シート38は、フック部材8が嵌め込み位置に位置するときと、フック部材8が嵌め込み位置よりも後方に位置するときとで、蓋カバー16とフック部材8との干渉状態の違いにより、外部に露出される状態と露出されない状態とに切り換わる条件で、蓋カバー16に設けても良い。
又、フリー状態表示シート37は、フック部材8が嵌め込み位置に位置するときと、フック部材8が嵌め込み位置よりも前方に位置するときとで、蓋カバー16とフック部材8との干渉状態の違いにより外部に露出される状態と露出されない状態とに切り換わる条件で、蓋カバー16に設けても良い。
【0060】
(C)上記の実施形態では、力点側てこ部材91における支点P1の位置を、長手方向の略中央としたが、長手方向のいずれかの端部に偏った位置にしても良い。又、作用点側てこ部材92における支点P2の位置を、長手方向の略中央としたが、長手方向のいずれかの端部に偏った位置にしても良い。
【0061】
(D)容器本体100の形状は、上記の実施形態の如き有底円筒状に限定されるものではなく、有底四角筒状、有底多角筒状等、各種の有底筒状の形状を適用することができる。容器本体100の形状が有底四角筒状や有底多角筒状の場合、容器本体100の径方向は、容器本体100の軸心に直交する方向となる。
【0062】
(E)上記の実施形態では、蓋体200と容器本体100とを互いに分離した状態に構成したが、蓋体200を、容器本体100に水平方向の軸心周りに揺動自在に支持して、蓋体200を軸心周りに揺動させることにより、容器本体100の開口部を開閉するように構成しても良い。
この場合、フック部材8と凹部25の組み合わせは、一組だけ設けても良い。
【0063】
(F)本発明を適用可能な水加熱容器の具体例としては、上記の実施形態において例示した電気ケトルに限定されるものではなく、例えば、電気ポットでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上説明したように、安全性を向上し得る水加熱容器を提供することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 内容器
3 注ぎ口
8 フック部材
8i 干渉部
8m 突出部(干渉部)
9 弁操作具
9i 干渉部
9w 作用点
27 弁体
91 力点側てこ部材
92 作用点側てこ部材
92a 支点力点間部分(干渉部)
100 容器本体
200 蓋体
P1 支点
P2 支点
V 弁機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部が開口し、内部に内容器を有する容器本体と、その容器本体の開口部を開閉自在な蓋体とを備え、弁体の上下動により注ぎ口からの前記内容器内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構が、前記蓋体に設けられ、前記蓋体を前記容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材が、前記蓋体を前記閉じ位置に保持するための保持位置と前記蓋体の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、前記蓋体に設けられ、前記弁体を上下動させて前記弁機構を前記開き状態と前記閉じ状態とに切り換える弁操作具が、前記弁体を前記開き状態とする開き操作位置と前記弁体を前記閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、前記蓋体に設けられた水加熱容器に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる水加熱容器の具体例としては、例えば、電気ケトル、電気ポット等が挙げられる。
そして、蓋体が容器本体の開口部に装着された状態で、フック部材が保持位置に移動されると、蓋体が容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持され、そのように蓋体が容器本体に閉じ位置で保持される状態で、フック部材が開放位置に移動されると、蓋体の閉じ位置での保持が開放されて、蓋体を開くことが可能な構成となっている。
又、弁操作具が開き操作位置に揺動されると、弁機構が開き状態に切り換えられて、注ぎ口から内容器内の湯水を注ぐことが可能となり、弁操作具が閉じ操作位置に揺動されると、弁機構が閉じ状態に切り換えられて、注ぎ口からの内容器内の湯水の流出が阻止される構成となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−212316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の水加熱容器では、弁操作具が開き操作位置にあるときでも、フック部材の開放位置への移動が可能であるので、例えば、注ぎ口から湯水を注ぐべく、水加熱容器を持ち上げて弁操作具を開き操作位置に位置させているときに、フック部材を開放位置へ移動させるといった好ましくない操作が行われる虞がある。
あるいは、フック部材が開放位置に位置するときでも、弁操作具を開き操作位置へ揺動させることが可能であるので、例えば、蓋体が閉じ位置に保持されているように見えるが、実際は閉じ位置に適切に保持されていない状態であって、フック部材が保持位置に位置されていないときに、注ぎ口から湯水を注ぐべく、水加熱容器を持ち上げて弁操作具を開き操作位置に揺動させるといった好ましくない操作が行われる虞がある。
上述のような操作が行われると、注ぎ口から湯水を注ぐ際に蓋体が脱落する虞があり、従来の水加熱容器では、安全性を向上する上で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性を向上し得る水加熱容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る水加熱容器は、上部が開口し、内部に内容器を有する容器本体と、その容器本体の開口部を開閉自在な蓋体とを備え、弁体の上下動により注ぎ口からの前記内容器内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構が、前記蓋体に設けられ、前記蓋体を前記容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材が、前記蓋体を前記閉じ位置に保持するための保持位置と前記蓋体の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、前記蓋体に設けられ、前記弁体を上下動させて前記弁機構を前記開き状態と前記閉じ状態とに切り換える弁操作具が、前記弁体を前記開き状態とする開き操作位置と前記弁体を前記閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、前記蓋体に設けられた水加熱容器であって、
その特徴構成は、前記フック部材及び前記弁操作具に、前記弁操作具が前記閉じ操作位置で前記フック部材の前記保持位置から前記開放位置への移動を許容し、且つ、前記弁操作具が前記開き操作位置で前記フック部材の前記保持位置から前記開放位置への移動を阻止する干渉部が設けられている点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、弁操作具が閉じ操作位置にあるときは、フック部材の保持位置から開放位置への移動を許容し、弁操作具が開き操作位置にあるときは、フック部材の保持位置から開放位置への移動を阻止するように、フック部材の干渉部と弁操作具の干渉部とが互いに干渉する。
つまり、弁操作具が閉じ操作位置にあるときは、フック部材を保持位置から開放位置へ移動させることができるので、蓋体が閉じ位置に保持される状態を開放して、蓋体を取り外すことができる。一方、弁操作具が開き操作位置にあるときは、フック部材を開放位置へ移動させることができないので、例えば、注ぎ口から湯水を注ぐべく、水加熱容器を持ち上げて弁操作具を開き操作位置に位置させているときに、フック部材を開放位置へ移動させようとしても、フック部材を移動させることができない。この場合、弁操作具を開き操作位置に位置させているときには、蓋体が閉じ位置に保持される状態を開放することができない。
従って、注ぎ口から湯水を注ぐ際に蓋体が脱落するのを防止することができるようになり、安全性を向上し得る水加熱容器を提供することができるようになった。
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る水加熱容器は、上部が開口し、内部に内容器を有する容器本体と、その容器本体の開口部を開閉自在な蓋体とを備え、弁体の上下動により注ぎ口からの前記内容器内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構が、前記蓋体に設けられ、前記蓋体を前記容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材が、前記蓋体を前記閉じ位置に保持するための保持位置と前記蓋体の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、前記蓋体に設けられ、前記弁体を上下動させて前記弁機構を前記開き状態と前記閉じ状態とに切り換える弁操作具が、前記弁体を前記開き状態とする開き操作位置と前記弁体を前記閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、前記蓋体に設けられた水加熱容器であって、
その特徴構成は、前記フック部材及び前記弁操作具に、前記フック部材が前記保持位置で前記弁操作具の前記閉じ操作位置から前記開き操作位置への移動を許容し、且つ、前記フック部材が前記開放位置で前記弁操作具の前記閉じ操作位置から前記開き操作位置への移動を阻止する干渉部が設けられている点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、フック部材が保持位置にあるときは、弁操作具の閉じ操作位置から開き操作位置への移動を許容し、フック部材が開放位置にあるときは、弁操作具の閉じ操作位置から開き操作位置への移動を阻止するように、フック部材の干渉部と弁操作具の干渉部とが互いに干渉する。
つまり、フック部材が保持位置にあるときは、弁操作具を閉じ操作位置から開き操作位置へ移動させることができるので、弁機構を開き状態に切り換えて注ぎ口から湯水を注ぐことができる。一方、フック部材が開放位置にあるときは、弁操作具を開き操作位置へ移動させようとしても移動させることができないので、例えば、蓋体が閉じ位置に保持されているように見えるが、実際は閉じ位置に適切に保持されていない状態であって、フック部材が保持位置に位置されていないときには、水加熱容器を持ち上げて弁操作具を開き操作位置に移動させようとしても、弁操作具を移動させることができない。
従って、注ぎ口から湯水を注ぐ際に蓋体が脱落するのを防止することができるようになり、安全性を向上し得る水加熱容器を提供することができるようになった。
【0010】
本発明に係る水加熱容器の更なる特徴構成は、前記弁操作具が、前記蓋体を前記容器本体の開口部に位置させたときに前記容器本体の径方向に沿う長手方向の一端が作用点として前記弁体の上方に位置され且つ前記作用点とその作用点とは長手方向で反対側の端部との間を支点として横方向の軸心周りに揺動自在に設けられた作用点側てこ部材を備えて構成され、
その作用点側てこ部材を前記作用点とは反対側の端部である力点が上方に移動する方向に揺動させることにより、前記弁操作具が前記閉じ操作位置から前記開き操作位置へ移動されるように構成され、
前記フック部材が、前記作用点側てこ部材に近い側を前記開放位置とし且つ前記作用点側てこ部材から遠い側を前記保持位置とする状態で、前記作用点側てこ部材における前記支点と力点の並び方向と交差し且つ前記蓋体を前記容器本体の開口部に位置させたときに前記容器本体の径方向に移動自在に設けられ、
前記作用点側てこ部材における前記支点と前記力点との間の支点力点間部分が、前記弁操作具側の干渉部とされ、
前記フック部材側の干渉部として、そのフック部材に、前記支点力点間部分に向かって突出する突出部が備えられ、
前記フック部材が前記保持位置に位置するときは、前記突出部が前記開き操作位置に位置する前記作用点側てこ部材の支点力点間部分の横側部に近接する状態となり、前記フック部材が前記開放位置に位置するときは、前記突出部が前記閉じ操作位置に位置する前記作用点側てこ部材の支点力点間部分の上方に近接して被さる状態となる形態で、前記フック部材の突出部と前記作用点側てこ部材の支点力点間部分とが干渉するように構成されている点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、弁操作具を構成する作用点側てこ部材が、その作用点とは反対側の端部である力点が上方に移動する方向に揺動されることにより、弁操作具が閉じ操作位置から開き操作位置へ移動されて、弁機構が開き状態に切り換えられる。
又、フック部材は、作用点側てこ部材における支点と力点の並び方向と交差し且つ蓋体を容器本体の開口部に位置させたときに容器本体の径方向に移動自在であり、そして、作用点側てこ部材に近い側に移動されると開放位置に移動され、作用点側てこ部材から遠い側に移動されると保持位置に移動されることになる。
そして、フック部材が保持位置にあるときは、フック部材の突出部が開き操作位置に位置する作用点側てこ部材の支点力点間部分の横側部に近接する状態となり、且つ、フック部材が開放位置にあるときは、フック部材の突出部が閉じ操作位置に位置する作用点側てこ部材の支点力点間部分の上方に近接して被さる状態となる形態で、フック部材の突出部と作用点側てこ部材の支点力点間部分とが干渉する。
従って、フック部材が保持位置にあるときは、作用点側てこ部材を閉じ操作位置から開き操作位置へ向けて揺動させる(支点力点間部分を上方に移動させる)ことができるので、弁機構を開き状態に切り換えることができる。
一方、フック部材が開放位置にあるときは、フック部材の突出部が閉じ操作位置に位置する作用点側てこ部材の支点力点間部分の上方に近接して被さっていて、作用点側てこ部材を閉じ操作位置から開き操作位置へ向けて揺動させようとしても(支点力点間部分を上方に移動させようとしても)、作用点側てこ部材の支点力点間部分がフック部材の突出部に当たるので、作用点側てこ部材を揺動させることができず、弁機構を開き状態に切り換えることができない。
【0012】
又、作用点側てこ部材が閉じ操作位置にあるときは、保持位置のフック部材に対して、作用点側てこ部材の支点力点間部分に近付く方向に力を加えると、フック部材の突出部が作用点側てこ部材の支点力点間部分の上方に被さる形態で、フック部材を作用点側てこ部材の支点力点間部分に向けて開放位置に移動させることができるので、蓋体を保持位置に保持する状態から開放することができ、蓋体を開くことができる。
一方、作用点側てこ部材が開き操作位置にあるときは、保持位置のフック部材に対して、作用点側てこ部材の支点力点間部分に近付く方向に力を加えても、フック部材の突出部が作用点側てこ部材の支点力点間部分の横側部に当たるので、フック部材を作用点側てこ部材の支点力点間部分に向けて移動させることができず、蓋体を保持位置に保持する状態から開放することができない。
要するに、弁操作具が開き操作位置にあるときはフック部材を開放位置へ移動することができず、又、フック部材が開放位置にあるときは弁操作具を開き操作位置へ移動することができないので、注ぎ口から湯水を注ぐ際に蓋体が脱落するのを確実に防止することができるようになり、安全性をより一層向上することができるようになった。
【0013】
本発明に係る水加熱容器の更なる特徴構成は、前記弁操作具が、前記作用点側てこ部材と、その作用点側てこ部材の力点に相当する端部に連結され且つその作用点側てこ部材の力点に連結された端部とその端部とは長手方向で反対側の端部との間を支点として横方向の軸心周りに揺動自在な力点側てこ部材とを備えて構成され、
前記力点側てこ部材が、前記作用点側てこ部材に連結される端部とは反対側の端部を力点として上下方向に揺動されると、その上下方向の揺動に連動して、前記作用点側てこ部材が上下方向に揺動するように構成されている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、力点側てこ部材における作用点側てこ部材に連結される側とは反対側の端部である力点を下方側に向けて移動操作して、力点側てこ部材を揺動させると、その揺動に連動して作用点側てこ部材がその力点側てこ部材に連結される端部である力点が上方に移動するように揺動して、弁操作具が閉じ操作位置から開き操作位置へ移動することになり、弁機構が開き状態に切り換えられる。
【0015】
ところで、長手方向の中間部を作用点として弁体の上部に当接させ、且つ、長手方向の一端を横方向の軸心周りで揺動自在な支点として設けられた1本の操作レバーにて、弁操作具を構成することができる。
この場合は、操作レバーにおける支点側とは反対側の端部を力点として押し下げることにより、弁体を下方に移動させて弁機構を開き状態に切り換えることになる。
しかしながら、この場合は、操作レバーの長さが、本特徴構成による力点側てこ部材や作用点側てこ部材の長さに比べてかなり長くなるので、支点と力点との距離が長くなり、そのことによって、作用点と力点との距離も長くなる。そこで、弁機構を開き状態に切り換えるべく、操作レバーにより、弁体を閉じ状態から開き状態に切り換えるために必要な所定量下側に移動させるには、力点をかなり大きい量(即ち、弁体の移動量よりもかなり大きい量)押し下げる必要があり、その移動操作量が大きいので、弁機構を開き状態に切り換えるための操作性が劣る。
これに対して、本特徴構成であれは、力点側てこ部材や作用点側てこ部材の長さを上述の如き操作レバーの長さに比べてかなり短くすることができる。
このことにより、弁機構を開き状態に切り換えるべく作用点側てこ部材の作用点により弁体を閉じ状態から開き状態に切り換えるための作用点側てこ部材における力点の上下方向の移動量を小さくすることができるので、その作用点側てこ部材の力点に連結された力点側てこ部材の上下方向の揺動操作量を小さくすることができる。
従って、弁機構を開き状態に切り換えるための操作性を向上することができるようになった。
【0016】
本発明に係る水加熱容器の更なる特徴構成は、前記フック部材の色が、前記蓋体の外周部を形成する蓋カバーの色と異なるように構成されている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、フック部材の色が蓋体の外周部を形成する蓋カバーの色と異なるので、使用者は、フック部材が保持位置にあるか、その保持位置以外の開放位置等にあるかを容易に視認できる。つまり、使用者は、蓋体が容器本体に閉じ位置で保持されていない状態を容易に判別することができる。
従って、蓋体が容器本体に閉じ位置で保持されていないにも拘らず水加熱容器を持ち上げて、湯水を注ぐために傾けてしまうといった好ましくない操作が行われ難いようにすることができるので、安全性を更に向上することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】電気ケトルの外観を示す斜視図
【図2】ケトル本体が電源プレートから持ち上げられた状態での電気ケトルの斜視図
【図3】電気ケトルの縦断側面図
【図4】ケトル本体が電源プレートから持ち上げられた状態での電気ケトルの下部の縦断側面図
【図5】蓋体を容器本体から分離した状態でのケトル本体の斜視図
【図6】蓋カバーを省略した状態でのケトル本体の斜視図
【図7】蓋カバーを設けた状態での図6のVII−VII矢視図
【図8】蓋カバーを設けた状態での図6のVII−VII矢視図
【図9】蓋カバーを設けた状態での図6のIX−IX矢視図
【図10】弁操作具が開き操作位置に位置されている状態を示す蓋カバーを省略した状態でのケトル本体の斜視図
【図11】フック部材が嵌め込み状態にある状態を説明する図
【図12】フック部材が開放位置に移動されている状態を示す蓋カバーを省略した状態でのケトル本体の斜視図
【図13】フック部材が開放状態にある状態を説明する図
【図14】フック部材が半掛かり状態にある状態を説明する図
【図15】フック部材がフリー状態にある状態を説明する図
【図16】別実施形態に係る弁操作具及びフック部材を説明する図
【図17】別実施形態に係る弁操作具及びフック部材を説明するケトル本体上部の分解斜視図
【図18】別実施形態に係る弁操作具とフック部材との干渉状態を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明を水加熱容器の一例としての電気ケトルに適用した場合の実施形態を説明する。
図1〜図3に示すように、電気ケトルは、電源プレートPとその電源プレートPに載置自在なケトル本体Kとを備えて構成されている。
ケトル本体Kの内部には、湯水を貯留する内容器1が設けられ、ケトル本体Kの外周部には、ケトル本体Kを持ち上げるための把手2が設けられ、並びに、ケトル本体Kの外周部の上部側には、内容器1内の湯水を注ぐ注ぎ口3が設けられている。把手2及び注ぎ口3は、ケトル本体Kの上部の中心に対して互いに反対側に振り分けて設けられている。
図5にも示すように、ケトル本体Kは、内部に内容器1を有して上部が開口した概ね有底円筒状の容器本体100と、その容器本体100の開口部を開閉自在な概ね円盤状の蓋体200とを備えて構成されている。そして、蓋体200は、容器本体100の開口部に対して着脱自在で、その開口部に嵌めこまれた状態で容器本体100に装着されることにより、その開口部を閉じるように構成されている。
【0020】
図3及び図4に示すように、ケトル本体Kには、内容器1内の湯水を加熱する電気ヒータ4が備えられ、外部から供給される電力を電気ヒータ4に供給する受電機構5が底面の中央部に位置する状態で備えられ、並びに、図1及び図2に示すように、操作盤6が側周面の下部に位置する状態で備えられている。ちなみに、図示を省略するが、操作盤6には、電気ヒータ4への通電の開始及び停止を指令する運転スイッチ等が備えられている。
図2〜図4に示すように、電源プレートPには、電源コード(図示省略)を通して供給される電力を外部に出力する給電機構7が上面の中央部に位置する状態で備えられている。
そして、ケトル本体Kを電源プレートPに載置した給電姿勢において、受電機構5と給電機構7とが導通状態に接続されて、給電機構7から受電機構5を介して電気ヒータ4に給電されて、内容器1内の湯水が加熱されるように構成されている。
又、把手2を把持してケトル本体Kを持ち上げて注ぎ口3が下向きになるように傾けることにより、内容器1内の湯水を注ぎ口3から注ぐことになる。
【0021】
図1及び図2に示すように、ケトル本体Kの蓋体200には、蓋体200を容器本体100の開口部を閉じる閉じ位置に保持する一対のフック部材8、注ぎ口3からの内容器1内の湯水の流出を許容するか否かに切り換えるための弁操作具9、及び、内容器1で発生する蒸気を放出するための蒸気口10等が設けられている。
【0022】
次に、ケトル本体Kについて説明を加える。
図3に示すように、容器本体100は、概ね、有底円筒状の外郭部材11の口縁部に口縁部材12を嵌め込むと共に、その口縁部材12に有底円筒状の内容器1を吊り下げ支持して構成され、更に、中空状の把手2が口縁部材12と外郭部材11とに跨って取り付けられている。
図3及び図4に示すように、電気ヒータ4は、内容器1の底面に当接する状態で設けられている。
外郭部材11の底部の中心部には、その底面から引っ込んだ状態で、給電機構7を嵌め込むことが可能な円状の給電機構嵌め込み用凹部13が設けられ、その給電機構嵌め込み用凹部13内に受電機構5が設けられている。
その受電機構5は、ピン状の中心電極5aと、その中心電極5aの外周部に設けられた外側電極5bと、その外側電極5bの外周部に設けられたアース用電極(図示省略)とを備えて構成されている。ちなみに、中心電極5aと外側電極5bは、後述する給電機構7の中心穴7Aと環状穴7Bに夫々設けられた給電用の中心電極7a、外側電極7bに接続されて、それらの電極から供給される電力を受ける受電用の電極であり、アース用電極は、後述する給電機構7のアース用電極に接続される。
【0023】
図3、図7及び図8に示すように、口縁部材12における把手2の上端部の取付部には、蓋体200に設けられた蒸気検知用通路22(詳細は後述する)を通して内容器1から導かれる蒸気を検知する蒸気検知センサ14が設けられている。
図示を省略するが、外郭部材11の底部と内容器1の底部との間の空間には、制御部が設けられている。この制御部は、操作盤6からの指令や蒸気検知センサ14の検出情報に基づく電気ヒータ4への通電の制御等を行うように構成されている。
【0024】
図3、図5、図7及び図9に示すように、蓋体200は、蓋本体部材15、その蓋本体部材15の上方の蓋カバー16、蓋本体部材15の下方の内蓋板17、及び、その内蓋板17の外周部のシール材18等を一体的に組み付けて構成されている。
容器本体100の口縁部材12には、注ぎ口3の下方部分を構成する溝状部12mが形成され、蓋体200の蓋本体部材15には、注ぎ口3の上方部分を構成する庇部15eが設けられている。
そして、口縁部材12の溝状部12mの上方を蓋本体部材15の庇部15eが覆う状態となる蓋体装着用の相対位置関係で、蓋体200を容器本体100の開口部に装着すると、口縁部材12の溝状部12mと蓋本体部材15の庇部15eにより、筒状の注ぎ口3が形成されることになる。
【0025】
図7及び図8に示すように、内蓋板17には複数の孔17hが形成され、蓋体200における蓋本体部材15と内蓋板17との間には、内蓋板17に形成された複数の孔17hを通して容器本体100の内容器1に連通する容器連通空間19が形成されている。
そして、蓋本体部材15には、基端が容器連通空間19に臨み且つ先端が注ぎ口3内に延びる注ぎ用通路20、及び、基端が容器連通空間19に臨み且つ先端が蓋体200の上面部にまで延びる蒸気放出用通路21が形成され、その蒸気放出用通路21の先端開口部が蒸気口10として機能する。
図1及び図5にも示すように、蒸気口10は、蓋体200の上面における注ぎ口3と把手2を結ぶ線上における把手2の側に偏った位置に開口されている。
又、図7及び図8に示すように、蓋本体部材15には、蒸気放出用通路21から分岐する蒸気検知用通路22が形成され、図5にも示すように、その蒸気検知用通路22は、その先端が、蓋体200が容器本体100に装着された状態で、蓋本体部材15の側周部において口縁部材12における把手2の取付部に対向する箇所に開口するように形成されている。
【0026】
詳細な図示を省略するが、図3、図7及び図8に示すように、蒸気放出用通路21における蒸気検知用通路22の分岐箇所よりも上流側の部分には、電気ケトルが転倒すると蒸気放出用通路21を閉じるように移動すべく、2個の錘体23が設けられている。
従って、電気ケトルが転倒しても、2個の錘体23が蒸気放出用通路21を閉じるように移動するので、内容器1内の湯水が蒸気口10や蒸気検知用通路22の先端開口から漏出するのが防止される。
【0027】
蒸気検知センサ14は、蓋体200が容器本体100に装着された状態で、蓋体200の蒸気検知用通路22の先端開口部に臨むように、口縁部材12に取り付けられている。
電気ヒータ4の加熱により内容器1内の水が沸騰して蒸気が発生すると、その蒸気が蒸気放出用通路21を通して蒸気口10に導かれてその蒸気口10から放出されると共に、蒸気放出用通路21及び蒸気検知用通路22により蒸気検知センサ14に導かれる。
そして、制御部は、蒸気検知センサ14が蒸気を感知すると、電気ヒータ4への通電を遮断するように構成されている。
【0028】
図5、図6及び図9に示すように、一対のフック部材8の夫々は、蓋体200を容器本体100の開口部に位置させたときに容器本体100の径方向に前後進自在で且つコイルバネ24により前進方向(蓋体200の径方向外方側)に付勢された状態で設けられている。
又、各フック部材8の前端側の下面8sが、後方側ほど上面から遠ざかる形態の後ろ下がり傾斜状に構成されている。
容器本体100の口縁部材12には、一対のフック部材8夫々の後下がり傾斜状の下面8sが容器本体100に当接した状態から、蓋体200が下向きに移動されて閉じ位置に位置されるに伴って、一対のフック部材8夫々の前端部8Afが嵌まり込んで蓋体200を閉じ位置に保持する一対の凹部25が設けられている。
【0029】
図5、図6及び図9に示すように、各フック部材8は、側面視形状が概ねL字状である。以下、側面視形状がL字状のフック部材8において、横方向に沿う辺部に相当する部分を嵌め込み用辺部8Aと称し、上下方向に沿う辺部に相当する部分を操作用辺部8Bと称する場合がある。
そして、一対のフック部材8の夫々は、嵌め込み用辺部8Aの前端部8Afが蓋体200の径方向外方を向き、その嵌め込み用辺部8Aの前端部8Afが蓋本体部材15の側周面から突出する状態で、コイルバネ24により蓋体200の径方向外方に向けて付勢されて蓋本体部材15に設けられている。
各フック部材8の嵌め込み用辺部8Aの前端部8Afは、最前端8tよりも後退した後退部8rを有する形状に構成され、その後退部8rが、嵌め込み用辺部8Aの幅方向両側に振り分けて一対設けられている。ここで、フック部材8の前端部8Afとは、フック部材8の嵌め込み用辺部8Aにおける径方向外方側である前端側の部分に相当し、フック部材8の最前端8tとは、フック部材8の前端部8Afにおける最も前方の縁に相当する。
【0030】
図5及び図9に示すように、前記の各凹部25は、容器本体100の口縁部材12に、蓋体200の径方向外方側の端部、即ち、外径側の底部が閉じられた有底状に形成され、各凹部25の上縁部には、口縁部材12の内方側に突出する形態で庇26が設けられている。この庇26の上面26sは、先端側(フック部材8の後方側に相当する)ほど下方に位置する形態(以下、前下がり状と記載する場合がある)の傾斜状に形成されている。
【0031】
図5及び図11に示すように、口縁部材12には、フック部材8における嵌め込み用辺部8Aの前端部8Afが凹部25に嵌まり込んだ状態で、フック部材8の前端部8Afにおける後退部8rのみを当接させてフック部材8の前進を阻止する前進阻止受け部36が、各フック部材8の夫々に対応して設けられている。
この前進阻止受け部36は、各フック部材8の一対の後退部8rに対応して、フック部材毎に一対ずつ設けられている。
【0032】
図10及び図11に示すように、蓋体200が容器本体100に対して閉じ位置に保持されて、フック部材8が凹部25に嵌め込まれた状態(以下、嵌め込み状態と称する場合がある)では、フック部材8の前端部8Afの後退部8rが前進阻止受け部36に受け止められ、フック部材8が蓋体200を閉じ位置に保持するための保持位置に保持されることになる。
又、図12及び図13に示すように、フック部材8がその移動可能範囲における蓋体200の中央側の端部に移動されると、フック部材8の全体が凹部25の外部に位置する状態(以下、開放状態と称する場合がある)となり、フック部材が蓋体200の保持を開放するための開放位置に位置することになる。
【0033】
又、図14に示すように、蓋体200が容器本体100に対して閉じ位置に保持されずに、フック部材8の最前端8tが庇26の先端に引っ掛かって釣合っている状態(以下、半掛かり状態と称する場合がある)では、フック部材8は蓋体200の径方向において嵌め込み状態のときと開放状態のときとの中間に位置することになる。
又、図15に示すように、蓋体200が容器本体100に対して閉じ位置よりも上方に位置して、フック部材8が凹部25に嵌め込まれていない状態では、フック部材8はフック操作用開口32における蓋体200の径方向外方側の口縁部にて受け止められて前進が阻止される状態(以下、フリー状態と称する場合がある)となっている。
そして、フック部材8がフリー状態で、蓋体200が蓋体装着用の相対位置関係で容器本体100の開口部に載置されると、フック部材8の最前端8tは、嵌め込み状態におけるよりも蓋体200の径方向外方側に位置し、しかも、凹部25の上方において凹部25の底部に相当する位置よりも外方側に位置している。
【0034】
つまり、フック部材8が、蓋体200を閉じ位置に保持するための保持位置と蓋体200の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、且つ、開放位置から保持位置に向かう前進方向に付勢された状態で移動自在に設けられていることになる。
【0035】
図3、図7及び図8に示すように、蓋体200内には、弁体27の上下動により注ぎ口3からの内容器1内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構Vが設けられている。
更に、蓋体200には、弁体27を上下動させて弁機構Vを開き状態と閉じ状態とに切り換える弁操作具9が、弁体27を開き状態とする開き操作位置と弁体27を閉じ状態とする閉じ操作位置とに移動自在な状態で設けられている。
【0036】
図7及び図8に示すように、弁機構Vは、蓋本体部材15により形成される弁ケース28と、その弁ケース28に上下動自在に保持された弁体27と、その弁体27を上方側に付勢することにより弁座29に押し付けるコイルバネ30等を備えて構成されている。
つまり、図7に示すように、弁体27を下方側に押し下げる力が作用しない状態では、コイルバネ30の付勢力により弁体27が弁座29に押し付けられる状態に保持されることになり、弁機構Vが注ぎ用通路20を閉じる閉じ状態に保持されることになる。
【0037】
図6〜図8に示すように、この実施形態では、弁操作具9が、蓋体200を容器本体100の開口部に位置させたときに容器本体100の径方向に沿う長手方向の一端が作用点9wとして弁体27の上方に位置され且つ作用点9wとその作用点9wとは長手方向で反対側の端部との間の略中央を支点P2として水平方向(横方向に相当する)の軸心周りに揺動自在に設けられた作用点側てこ部材92と、その作用点側てこ部材92の力点に相当する端部に連結され且つその作用点側てこ部材92の力点に連結された端部とその端部とは長手方向で反対側の端部との間の略中央を支点P1として水平方向の軸心周りに揺動自在な力点側てこ部材91とを備えて構成されている。
つまり、図7及び図8に示すように、力点側てこ部材91における作用点側てこ部材92に連結される側とは反対側の端部の操作部9hが上下移動されることにより、力点側てこ部材91が上下方向に揺動されると、その上下方向の揺動に連動して、作用点側てこ部材92が上下方向に揺動するように構成されている。
【0038】
これら連結状態の作用点側てこ部材92及び力点側てこ部材91は、作用点側てこ部材92における連結されていない方の端部の作用点9wが弁体27の上方に位置し、且つ、力点側てこ部材91における連結されていない方の端部の操作部9hが把手2の上方に位置して、長手方向を注ぎ口3、蒸気口10及び把手2の並び方向に沿わせた状態で、蓋体200に設けられている。
又、力点側てこ部材91及び作用点側てこ部材92夫々の互いに連結される端部側の部分が二股状に構成されて、力点側てこ部材91の二股状の部分と作用点側てこ部材92の二股状の部分とが、蒸気口10の両側部を囲む状態で連結されている。尚、以下の説明では、作用点側てこ部材92において支点P2と力点(力点側てこ部材91に連結される端部)との間の部分を、支点力点間部分92aと称する場合がある。
更に、作用点側てこ部材92をその力点側てこ部材91に連結される端部である力点が下方に移動する方向に揺動させる、即ち、力点側てこ部材91をその力点に相当する操作部9hが上方に移動する方向に揺動させるように付勢するバネ部材31が設けられている。
【0039】
そして、図8に示すように、バネ部材31の付勢力に抗して力点側てこ部材91の把手側の端部の操作部9hを押し下げると、その弁機構側の端部が上昇し、それに伴って、その端部に連結された作用点側てこ部材92の把手側の端部の力点が上昇して、弁機構側の端部の作用点9wが下降し、弁体27がコイルバネ30の付勢力に抗して押し下げられることになり、弁機構Vが注ぎ用通路20を開く開き状態に切り換えられる。
つまり、作用点側てこ部材92をその力点側てこ部材91に連結される端部である力点が上方に移動する方向に揺動させる、即ち、力点側てこ部材91をその力点に相当する操作部9hが下方に移動する方向に揺動させることにより、弁操作具9が閉じ操作位置から開き操作位置へ移動されるように構成されている。
【0040】
図6及び図9に示すように、一対のフック部材8は、作用点側てこ部材92の両側に振り分けて配置され、各フック部材8は、作用点側てこ部材92における二股状の支点力点間部分92aの各腕部に対応して、各腕部に対して離れる方向にコイルバネ24により付勢された状態で各腕部に対する接近離間方向に移動自在に設けられている。
つまり、フック部材8が、作用点側てこ部材92に近い側を開放位置とし且つ作用点側てこ部材92から遠い側を保持位置とする状態で、作用点側てこ部材92における支点P2と力点(力点側てこ部材91に連結される側の端部)との並び方向と交差し且つ蓋体200を容器本体100の開口部に位置させたときに容器本体100の径方向に移動自在に設けられている。
但し、作用点側てこ部材92における支点P2と力点との間の支点力点間部分92aは二股状になっているが、その支点P2と力点との並び方向は、注ぎ口3と把手2とを結ぶ線に沿う方向である。
【0041】
図5、図7及び図9に示すように、蓋体200の蓋カバー16には、一対のフック部材8夫々を移動操作するための一対のフック操作用開口32、力点側てこ部材91の把手側の部分を突出させるためのてこ操作用開口33、及び、蓋本体部材15の蒸気口10を臨ませるための蒸気口用開口34が形成されている。
各フック部材8は、嵌め込み用辺部8Aの上面における蓋体200の径方向外方側の部分、及び、操作用辺部8Bの上面における蓋体200の径方向内方側の部分が蓋カバー16に覆われた状態で、フック操作用開口32から外部に臨むように設けられている。又、各フック部材8は、蓋カバー16の色とは異なる色に着色されている。
又、蓋カバー16の蒸気口用開口34には、複数のスリットが形成された蒸気口キャップ35が嵌め込まれている。
【0042】
図11及び図15に示すように、フック部材8の操作用辺部8Bの上面部には、フック部材8が嵌め込み状態にあるときには蓋カバー16に覆われ且つフック部材8がフリー状態にあるときは露出する位置に位置させて、フリー状態表示シート37が貼着されている。
又、図11、図13及び図14に示すように、フック部材8の嵌め込み用辺部8Aの上面部には、フック部材8が嵌め込み状態にあるときには蓋カバー16に覆われ且つフック部材8が半掛かり状態及び開放状態にあるときは露出する位置に位置させて、半掛かり状態表示シート38が貼着されている。
【0043】
図2〜図4に示すように、給電機構7は、外観形状が概略円柱状に構成されて、電源プレートPの上面の中央にその上面から突出するように設けられている。
給電機構7は、図3及び図4に示すように、中心穴7Aと、その中心穴7Aと同心に設けられた環状穴7Bとを備え、これら穴7A,7Bに夫々設けられる中心電極7a、外側電極7bと、給電機構7の円柱状外周部位の周方向一部に設けられるアース用電極(図示省略)とを備えて構成されている。
そして、ケトル本体Kが電源プレートP上に給電姿勢で載置されると、給電機構7がケトル本体K底部の給電機構嵌め込み用凹部13内に嵌り込んで、給電機構7と受電機構5の互いの電極が電気的に接続されて給電が可能となる。
【0044】
次に、本発明による特徴構成について説明する。
本発明では、図10〜図13に示すように、フック部材8及び弁操作具9に、弁操作具9が閉じ操作位置でフック部材8の保持位置から開放位置への移動を許容し、且つ、弁操作具9が開き操作位置でフック部材8の保持位置から開放位置への移動を阻止する干渉部8i,9iが設けられている。
又、フック部材8及び弁操作具9に、フック部材8が保持位置で弁操作具9の閉じ操作位置から開き操作位置への揺動を許容し、且つ、フック部材8が開放位置で弁操作具9の閉じ操作位置から開き操作位置への揺動を阻止する干渉部8i,9iが設けられている。
【0045】
この実施形態では、作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aが、弁操作部側の干渉部9iとされ、フック部材側の干渉部8iとして、そのフック部材8に、作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aに向かって突出する突出部8mが備えられている。
そして、フック部材8が保持位置に位置するときは、突出部8mが開き操作位置に位置する作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aの横側部に近接する状態となり、フック部材8が開放位置に位置するときは、突出部8mが閉じ操作位置に位置する作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aの上方に近接して被さる状態となる形態で、フック部材8の突出部8mと作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aとが干渉するように構成されている。
説明を加えると、突出部8mは、各フック部材8の操作用辺部8Bに、作用点側てこ部材92の二股状の支点力点間部分92aの各腕部に向かって突出する形態で備えられている。
【0046】
次に、蓋体200を容器本体100に装着したり容器本体100から取り外すときの手順、及び、注ぎ口から湯水を注ぐときの手順について、説明を加える。
蓋体200を容器本体100に装着するときは、蓋体200を蓋体装着用の相対位置関係で容器本体100の開口部に載置する。すると、図15の(b)に示すように、一対のフック部材8夫々の前端部8Afにおける後下がり傾斜状の下面8sが一対の凹部25夫々の庇26における前下がり傾斜状の上面26sと略平行状態となってその上面26sに当接する状態となる。
その状態で、蓋体200を下方に押し下げると、一対のフック部材8夫々が、一対の凹部25夫々の庇26における前下がり傾斜状の上面26sの案内によりコイルバネ24の付勢力に抗して後退させられることになる。
更に、蓋体200を下方に押し下げると、図11に示すように、一対のフック部材8が庇26を乗り越えて、コイルバネ24の付勢力により一対の凹部25夫々に嵌まり込んで、一対のフック部材8夫々が保持位置に保持され、蓋体200が閉じ位置で容器本体100に保持される。
【0047】
このように、一対のフック部材8夫々が保持位置に保持されている状態では、図10及び図11に示すように、力点側てこ部材91の把手側の端部の操作部9hを押し下げて、作用点側てこ部材92をその支点力点間部分92aが上がる方向、即ち、作用点9wが下がる方向に揺動させることが可能である。
【0048】
注ぎ口3から湯水を注ぐときは、図2に示すように、親指を力点側てこ部材91の把手側の端部である操作部9hに引っ掛けた状態で把手2を把持して、ケトル本体Kを持ち上げる。
そして、把手2を把持した状態で、例えば、親指にて、バネ部材31の付勢力に抗して力点側てこ部材91の操作部9hを押し下げると、図8、図10及び図11(c)に示すように、作用点側てこ部材92がその作用点9wが下がる方向(支点力点間部分92aが上がる方向、即ち、開き操作位置の方向)に揺動して、弁体27がコイルバネ30の付勢力に抗して押し下げられることになり、弁機構Vが開き状態に切り換えられる。
又、力点側てこ部材91の操作部9hを押し下げる力を解放すると、図7及び図11(c)に示すように、バネ部材31の付勢力及びコイルバネ30の付勢力により、作用点側てこ部材92がその作用点9wが上がる方向(支点力点間部分92aが下がる方向、即ち、閉じ操作位置の方向)に揺動すると共に、力点側てこ部材91がその把手側の端部の操作部9hが上がる方向(閉じ操作位置の方向)に揺動し、並びに、弁体27がコイルバネ30の付勢力により押し上げられて、弁機構Vが閉じ状態に切り換えられる。
【0049】
蓋体200を容器本体100から取り外すときは、図12及び図13に示すように、力点側てこ部材91の操作部9hが上がっていると共に、作用点側てこ部材92の作用点9wが上がっている状態(支点力点間部分92aが下がっている状態)、即ち、力点側てこ部材91及び作用点側てこ部材92が閉じ操作位置にある状態で、一対のフック部材8に対して互いに近接させる方向に力を加えると、各フック部材8の突出部8mが二股状の支点力点間部分92aの各腕部の上方に被さる形態で、一対のフック部材8夫々を開放位置に位置させることができるので、そのまま蓋体200を持ち上げると、蓋体200を容器本体100から取り外すことができる。
【0050】
図10及び図11に示すように、力点側てこ部材91の操作部9hが下がっていると共に、作用点側てこ部材92の作用点が下がっている状態(支点力点間部分92aが上がっている状態)、即ち、力点側てこ部材91及び作用点側てこ部材92が開き操作位置にある状態で、一対のフック部材8に対して互いに近接させる方向に力を加えても、各フック部材8の突出部8mが作用点側てこ部材92の支点力点間部分92aに当たるので、各フック部材8を開放位置に移動させることができず、蓋体200を容器本体100から取り外すことができない。
【0051】
又、図12及び図13に示すように、一対のフック部材8夫々が開放位置に位置している状態では、各フック部材8の突出部8mが二股状の支点力点間部分92aの各腕部の上方に近接して被さっているので、力点側てこ部材91の操作部9hを下げるよう(即ち、支点力点間部分92aが上げるように)に力を加えても、二股状の支点力点間部分92aの各腕部が各フック部材8の突出部8mに当たるため、力点側てこ部材91を揺動させることができず、弁機構Vを開き状態に切り換えることができない。
【0052】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(A)フック部材8及び弁操作具9夫々に上記の実施形態のように干渉部8i,9iを設けるに当たって、フック部材8及び弁操作具9夫々の具体的構成は、上記の実施形態において説明した構成に限定されるものではない。
(A−1)例えば、図16に示すように、フック部材8は上記の実施形態と同様の構成とし、弁操作具9を上記の実施形態と異なる構成としても良い。尚、図16の(a)は、弁操作具9を示すケトル本体上部の縦断側面図であり、(b)は、フック部材8が保持位置に位置する状態でのケトル本体上部の縦断後面図であり、(c)は、フック部材8が開放位置に位置する状態でのケトル本体上部の縦断後面図である。
この場合、図16の(a)に示すように、弁操作具9を、弁機構Vに対して把手側の端部とは反対側の端部を水平方向の軸心周りで揺動自在な支点P3として、弁機構Vの上方を通って把手2の上部にまで延びる1本の弁操作レバー93により構成しても良い。
この場合、弁操作レバー93において弁体27の上部に当接する部分が作用点9wとなり、把手2の上方に位置する端部が力点に相当する操作部9hとなる。
そして、弁操作レバー93の把手側の端部の操作部9hを押し下げると、弁操作レバー93が支点P3を軸心として下方側(開き操作位置)に揺動して、作用点9wにより弁体27がコイルバネ30の付勢力に抗して押し下げられることになり、弁機構Vが開き状態に切り換えられる。図示を省略するが、弁操作レバー93をその操作部9hが上方に移動する方向、即ち、閉じ操作位置へ揺動するように付勢するバネ部材が設けられている。
つまり、弁操作レバー93が、その把手側の端部の操作部9hが上側に位置する閉じ操作位置と下側に位置する開き操作位置との間で揺動自在に設けられている。
【0053】
図16の(b)、(c)に示すように、弁操作レバー93における作用点9wと力点に相当する操作部9hとの間の作用点力点間部分93aが、弁操作部側の干渉部9iとされ、フック部材側の干渉部8iとして、そのフック部材8に、支点力点間部分92a側に向かって突出する突出部8nが備えられている。
そして、図16の(b)に示すように、フック部材8が保持位置に位置するときは、突出部8nが開き操作位置に位置する弁操作レバー93の作用点力点間部分93aの横側部に隣接する状態となり、図16の(c)に示すように、フック部材8が開放位置に位置するときは、突出部8nが閉じ操作位置に位置する弁操作レバー93の作用点力点間部分93aの下方に近接して位置する状態となる形態で、フック部材8の突出部8nと弁操作レバー93の作用点力点間部分93aとが干渉するように構成されている。
【0054】
つまり、図16の(b)に示すように、一対のフック部材8夫々が保持位置に保持されている状態では、弁操作レバー93の把手側の端部の操作部9hを押し下げて、その操作レバー93を下方に向けて開き操作位置へ揺動させる(作用点力点間部分93aを下げる)ことが可能であり、弁機構Vを開き状態に切り換えることができる。
又、図16の(c)に示すように、弁操作レバー93の操作部9hが上がっている状態(作用点力点間部分93aが上がっている状態)、即ち、弁操作レバー93が閉じ操作位置にある状態で、一対のフック部材8に対して互いに近接させる方向に力を加えると、各フック部材8の突出部8nが作用点力点間部分93aの下方に位置する形態で、一対のフック部材8夫々を開放位置に位置させることができる。
【0055】
図16の(b)に示すように、弁操作レバー93の操作部9hが下がっている状態(図16の(b)で二点鎖線で示すように、作用点力点間部分93aが下がっている状態)、即ち、弁操作レバー93が開き操作位置にある状態では、一対のフック部材8に対して互いに近接させる方向に力を加えても、各フック部材8の突出部8nが弁操作レバー93の作用点力点間部分93aに当たるので、各フック部材8を開放位置に移動させることができない。
又、図16の(c)に示すように、一対のフック部材8夫々が開放位置に位置している状態では、各フック部材8の突出部8nが作用点力点間部分93aの下方に近接して位置しているので、弁操作レバー93の操作部9hを下げるよう(即ち、作用点力点間部分93aが下がるように)に力を加えても、作用点力点間部分93aが各フック部材8の突出部8nに当たるため、弁操作レバー93を揺動させることができず、弁機構Vを開き状態に切り換えることができない。
【0056】
(A−2)図17及び図18に示すように、フック部材8及び弁操作具9夫々を上記の実施形態と異なる構成としても良い。尚、図18の(a)は、フック部材8が保持位置に位置し且つ弁操作具9が閉じ操作位置に位置する状態でのケトル本体上部の縦断側面図であり、(b)は、フック部材8が開放位置に位置し且つ弁操作具9が閉じ操作位置に位置する状態でのケトル本体上部の縦断後面図である。
この場合、図17に示すように、弁操作具9を、先端部が弁体27(図示省略)の上方に当接する状態で蓋体200の上面に沿って前後進自在に設けた移動部材94と、その移動部材94の基端部を押し操作する給湯操作ボタン95とを備えて構成しても良い。移動部材94の先端部の下面94sは、先端側ほど上面に近付く先上がり傾斜状に形成され、その移動部材94を後方側に付勢するコイルバネ40が設けられている。
そして、給湯操作ボタン95を押し操作して移動部材94を前進させると、その移動部材94の先端部の先上がり状の下面94sにより弁体27が押し下げられて弁機構Vが開き状態に切り換えられる。
つまり、コイルバネ40の付勢力により移動部材94が後退させられた位置が閉じ操作位置であり、移動部材94を前進させることにより、弁操作具9が閉じ操作位置から開き操作位置へ移動されることになる。
【0057】
又、フック部材8は、移動部材94の前方にその移動部材94の移動方向に沿って移動自在に設けたロック部材81と、そのロック部材81の移動方向に直交する水平方向の軸心P4周りに揺動自在で且つその揺動操作によりロック部材81を移動操作するようにロック部材81に連結された揺動部材82を備えて構成しても良い。尚、ロック部材81を移動部材94から遠ざかる方向に付勢するコイルバネ41が設けられている。
そして、図18の(a)に示すように、ロック部材81がコイルバネ41の付勢力により移動部材94から遠ざかる方向に移動されると、そのロック部材81が容器本体100に設けられた凹部(図示省略)に嵌まり込んで保持位置に保持されることになり、図18の(b)に示すように、揺動部材82によりロック部材81を移動部材94に近付く方向に移動させると、ロック部材81が前記凹部から開放されて開放位置に移動されることになる。
【0058】
この場合、フック部材側の干渉部8iとして、ロック部材81における移動部材94の側の端部に、移動部材94に向かって突出する一対の突出部81mが備えられ、弁操作部側の干渉部9iとして、移動部材94に、ロック部材81の一対の突出部81m夫々に対向するように下方に突出する一対の突出部94mが備えられている。
そして、図18に示すように、ロック部材81の突出部81mと移動部材94の突出部94mが以下のように干渉するように構成されている。
即ち、図18の(a)に示すように、ロック部材81が保持位置に位置し、且つ、移動部材94が閉じ操作位置に位置するときは、ロック部材81の開放位置への移動を許容し、且つ、移動部材94の開き操作位置への移動を許容するように、ロック部材81の突出部81mと移動部材94の突出部94mとが離間する。
又、図18の(b)に示すように、ロック部材81が保持位置から開放位置に移動されると、そのロック部材81の突出部81mが閉じ操作位置に位置する移動部材94の突出部94mに近接して、移動部材94の開き操作位置への移動を阻止する。
又、図示を省略するが、移動部材94が閉じ操作位置から開き操作位置に移動されると、その移動部材94の突出部94mが保持位置に位置するロック部材81の突出部81mに近接して、ロック部材81の開放位置への移動を阻止する。
【0059】
(B)半掛かり状態表示シート38は、フック部材8が嵌め込み位置に位置するときと、フック部材8が嵌め込み位置よりも後方に位置するときとで、蓋カバー16とフック部材8との干渉状態の違いにより、外部に露出される状態と露出されない状態とに切り換わる条件で、蓋カバー16に設けても良い。
又、フリー状態表示シート37は、フック部材8が嵌め込み位置に位置するときと、フック部材8が嵌め込み位置よりも前方に位置するときとで、蓋カバー16とフック部材8との干渉状態の違いにより外部に露出される状態と露出されない状態とに切り換わる条件で、蓋カバー16に設けても良い。
【0060】
(C)上記の実施形態では、力点側てこ部材91における支点P1の位置を、長手方向の略中央としたが、長手方向のいずれかの端部に偏った位置にしても良い。又、作用点側てこ部材92における支点P2の位置を、長手方向の略中央としたが、長手方向のいずれかの端部に偏った位置にしても良い。
【0061】
(D)容器本体100の形状は、上記の実施形態の如き有底円筒状に限定されるものではなく、有底四角筒状、有底多角筒状等、各種の有底筒状の形状を適用することができる。容器本体100の形状が有底四角筒状や有底多角筒状の場合、容器本体100の径方向は、容器本体100の軸心に直交する方向となる。
【0062】
(E)上記の実施形態では、蓋体200と容器本体100とを互いに分離した状態に構成したが、蓋体200を、容器本体100に水平方向の軸心周りに揺動自在に支持して、蓋体200を軸心周りに揺動させることにより、容器本体100の開口部を開閉するように構成しても良い。
この場合、フック部材8と凹部25の組み合わせは、一組だけ設けても良い。
【0063】
(F)本発明を適用可能な水加熱容器の具体例としては、上記の実施形態において例示した電気ケトルに限定されるものではなく、例えば、電気ポットでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上説明したように、安全性を向上し得る水加熱容器を提供することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 内容器
3 注ぎ口
8 フック部材
8i 干渉部
8m 突出部(干渉部)
9 弁操作具
9i 干渉部
9w 作用点
27 弁体
91 力点側てこ部材
92 作用点側てこ部材
92a 支点力点間部分(干渉部)
100 容器本体
200 蓋体
P1 支点
P2 支点
V 弁機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口し、内部に内容器を有する容器本体と、
その容器本体の開口部を開閉自在な蓋体とを備え、
弁体の上下動により注ぎ口からの前記内容器内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構が、前記蓋体に設けられ、
前記蓋体を前記容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材が、前記蓋体を前記閉じ位置に保持するための保持位置と前記蓋体の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、前記蓋体に設けられ、
前記弁体を上下動させて前記弁機構を前記開き状態と前記閉じ状態とに切り換える弁操作具が、前記弁体を前記開き状態とする開き操作位置と前記弁体を前記閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、前記蓋体に設けられた水加熱容器であって、
前記フック部材及び前記弁操作具に、前記弁操作具が前記閉じ操作位置で前記フック部材の前記保持位置から前記開放位置への移動を許容し、且つ、前記弁操作具が前記開き操作位置で前記フック部材の前記保持位置から前記開放位置への移動を阻止する干渉部が設けられている水加熱容器。
【請求項2】
上部が開口し、内部に内容器を有する容器本体と、
その容器本体の開口部を開閉自在な蓋体とを備え、
弁体の上下動により注ぎ口からの前記内容器内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構が、前記蓋体に設けられ、
前記蓋体を前記容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材が、前記蓋体を前記閉じ位置に保持するための保持位置と前記蓋体の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、前記蓋体に設けられ、
前記弁体を上下動させて前記弁機構を前記開き状態と前記閉じ状態とに切り換える弁操作具が、前記弁体を前記開き状態とする開き操作位置と前記弁体を前記閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、前記蓋体に設けられた水加熱容器であって、
前記フック部材及び前記弁操作具に、前記フック部材が前記保持位置で前記弁操作具の前記閉じ操作位置から前記開き操作位置への移動を許容し、且つ、前記フック部材が前記開放位置で前記弁操作具の前記閉じ操作位置から前記開き操作位置への移動を阻止する干渉部が設けられている水加熱容器。
【請求項3】
前記弁操作具が、前記蓋体を前記容器本体の開口部に位置させたときに前記容器本体の径方向に沿う長手方向の一端が作用点として前記弁体の上方に位置され且つ前記作用点とその作用点とは長手方向で反対側の端部との間を支点として横方向の軸心周りに揺動自在に設けられた作用点側てこ部材を備えて構成され、
その作用点側てこ部材を前記作用点とは反対側の端部である力点が上方に移動する方向に揺動させることにより、前記弁操作具が前記閉じ操作位置から前記開き操作位置へ移動されるように構成され、
前記フック部材が、前記作用点側てこ部材に近い側を前記開放位置とし且つ前記作用点側てこ部材から遠い側を前記保持位置とする状態で、前記作用点側てこ部材における前記支点と力点の並び方向と交差し且つ前記蓋体を前記容器本体の開口部に位置させたときに前記容器本体の径方向に移動自在に設けられ、
前記作用点側てこ部材における前記支点と前記力点との間の支点力点間部分が、前記弁操作具側の干渉部とされ、
前記フック部材側の干渉部として、そのフック部材に、前記支点力点間部分に向かって突出する突出部が備えられ、
前記フック部材が前記保持位置に位置するときは、前記突出部が前記開き操作位置に位置する前記作用点側てこ部材の支点力点間部分の横側部に近接する状態となり、前記フック部材が前記開放位置に位置するときは、前記突出部が前記閉じ操作位置に位置する前記作用点側てこ部材の支点力点間部分の上方に近接して被さる状態となる形態で、前記フック部材の突出部と前記作用点側てこ部材の支点力点間部分とが干渉するように構成されている請求項1又は2に記載の水加熱容器。
【請求項4】
前記弁操作具が、前記作用点側てこ部材と、その作用点側てこ部材の力点に相当する端部に連結され且つその作用点側てこ部材の力点に連結された端部とその端部とは長手方向で反対側の端部との間を支点として横方向の軸心周りに揺動自在な力点側てこ部材とを備えて構成され、
前記力点側てこ部材が、前記作用点側てこ部材に連結される端部とは反対側の端部を力点として上下方向に揺動されると、その上下方向の揺動に連動して、前記作用点側てこ部材が上下方向に揺動するように構成されている請求項3に記載の水加熱容器。
【請求項5】
前記フック部材の色が、前記蓋体の外周部を形成する蓋カバーの色と異なるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の水加熱容器。
【請求項1】
上部が開口し、内部に内容器を有する容器本体と、
その容器本体の開口部を開閉自在な蓋体とを備え、
弁体の上下動により注ぎ口からの前記内容器内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構が、前記蓋体に設けられ、
前記蓋体を前記容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材が、前記蓋体を前記閉じ位置に保持するための保持位置と前記蓋体の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、前記蓋体に設けられ、
前記弁体を上下動させて前記弁機構を前記開き状態と前記閉じ状態とに切り換える弁操作具が、前記弁体を前記開き状態とする開き操作位置と前記弁体を前記閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、前記蓋体に設けられた水加熱容器であって、
前記フック部材及び前記弁操作具に、前記弁操作具が前記閉じ操作位置で前記フック部材の前記保持位置から前記開放位置への移動を許容し、且つ、前記弁操作具が前記開き操作位置で前記フック部材の前記保持位置から前記開放位置への移動を阻止する干渉部が設けられている水加熱容器。
【請求項2】
上部が開口し、内部に内容器を有する容器本体と、
その容器本体の開口部を開閉自在な蓋体とを備え、
弁体の上下動により注ぎ口からの前記内容器内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構が、前記蓋体に設けられ、
前記蓋体を前記容器本体の開口部を閉じる閉じ位置に保持するフック部材が、前記蓋体を前記閉じ位置に保持するための保持位置と前記蓋体の保持を開放するための開放位置とに移動自在な状態で、前記蓋体に設けられ、
前記弁体を上下動させて前記弁機構を前記開き状態と前記閉じ状態とに切り換える弁操作具が、前記弁体を前記開き状態とする開き操作位置と前記弁体を前記閉じ状態とする閉じ操作位置との間で移動自在に、前記蓋体に設けられた水加熱容器であって、
前記フック部材及び前記弁操作具に、前記フック部材が前記保持位置で前記弁操作具の前記閉じ操作位置から前記開き操作位置への移動を許容し、且つ、前記フック部材が前記開放位置で前記弁操作具の前記閉じ操作位置から前記開き操作位置への移動を阻止する干渉部が設けられている水加熱容器。
【請求項3】
前記弁操作具が、前記蓋体を前記容器本体の開口部に位置させたときに前記容器本体の径方向に沿う長手方向の一端が作用点として前記弁体の上方に位置され且つ前記作用点とその作用点とは長手方向で反対側の端部との間を支点として横方向の軸心周りに揺動自在に設けられた作用点側てこ部材を備えて構成され、
その作用点側てこ部材を前記作用点とは反対側の端部である力点が上方に移動する方向に揺動させることにより、前記弁操作具が前記閉じ操作位置から前記開き操作位置へ移動されるように構成され、
前記フック部材が、前記作用点側てこ部材に近い側を前記開放位置とし且つ前記作用点側てこ部材から遠い側を前記保持位置とする状態で、前記作用点側てこ部材における前記支点と力点の並び方向と交差し且つ前記蓋体を前記容器本体の開口部に位置させたときに前記容器本体の径方向に移動自在に設けられ、
前記作用点側てこ部材における前記支点と前記力点との間の支点力点間部分が、前記弁操作具側の干渉部とされ、
前記フック部材側の干渉部として、そのフック部材に、前記支点力点間部分に向かって突出する突出部が備えられ、
前記フック部材が前記保持位置に位置するときは、前記突出部が前記開き操作位置に位置する前記作用点側てこ部材の支点力点間部分の横側部に近接する状態となり、前記フック部材が前記開放位置に位置するときは、前記突出部が前記閉じ操作位置に位置する前記作用点側てこ部材の支点力点間部分の上方に近接して被さる状態となる形態で、前記フック部材の突出部と前記作用点側てこ部材の支点力点間部分とが干渉するように構成されている請求項1又は2に記載の水加熱容器。
【請求項4】
前記弁操作具が、前記作用点側てこ部材と、その作用点側てこ部材の力点に相当する端部に連結され且つその作用点側てこ部材の力点に連結された端部とその端部とは長手方向で反対側の端部との間を支点として横方向の軸心周りに揺動自在な力点側てこ部材とを備えて構成され、
前記力点側てこ部材が、前記作用点側てこ部材に連結される端部とは反対側の端部を力点として上下方向に揺動されると、その上下方向の揺動に連動して、前記作用点側てこ部材が上下方向に揺動するように構成されている請求項3に記載の水加熱容器。
【請求項5】
前記フック部材の色が、前記蓋体の外周部を形成する蓋カバーの色と異なるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の水加熱容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−235033(P2011−235033A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111420(P2010−111420)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
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