説明

水平に配置されたシリンダバンクおよび排気ガスターボチャージャを有する内燃機関

【課題】水平に配置されたシリンダバンクおよび排気ガスターボチャージャを有する内燃機関を提供する。
【解決手段】本発明は,内燃機関(1)のクランクシャフト(8)を収容するクランクケース(4)の遠隔両側に配置された水平配置のシリンダバンク(2,3)を有し,さらに,排気ガスターボチャージャシャフト(12)を備えた少なくとも1つの排気ガスターボチャージャ(10)を有する内燃機関(1)に関する。本発明によれば,前記のタイプの内燃機関において,少なくとも1つの排気ガスターボチャージャ(10)は,クランクケース(4)より上に配置され,排気ガスターボチャージャシャフト(12)の軸は,水平に,かつクランクシャフト軸(5)に対して90°で整列するように配置されると規定される。前記タイプの内燃機関は,コンパクトな構造であると同時に,特に良好な熱力学的特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,内燃機関の,クランクシャフトを収容するクランクケースの遠隔両側に配置された水平配置のシリンダバンクを有し,さらに,排気ガスターボチャージャシャフトを備えた少なくとも1つの排気ガスターボチャージャを有する内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料消費およびCO排出物を削減する非常に有効な手段は,内燃機関に過給するとともに行程容積を縮小する,いわゆるダウンサイジングすることであると判明している。この場合に,特にガソリン直接噴射との相互作用において,大幅な節約を可能にすることができる。これは,内部摩擦を小さくし,動作点をより高い負荷領域にシフトさせ(デスロットリング(dethrottling)),特に,行程容積をより小さくし,及び,またはシリンダ数を削減した結果としてアセンブリの重量を低減することにより,達成される。
【0003】
ボクサーエンジンの場合,通常では,それぞれ1つのシリンダバンクの排気ガス質量流量が合流され,それぞれ1つのタービンに供給される。したがって,排気ガスターボチャージャ付きボクサーエンジンは通常,ツインターボという概念である。この場合に,一方のシリンダバンクに割り当てられる排気ガスターボチャージャは,ボクサーエンジンの一方の側に配置され,他方のシリンダバンクに割り当てられる他方の排気ガスターボチャージャは,ボクサーエンジンの他方の側に配置される。したがって,排気ガスターボチャージャは,クランクケースの両側に配置される。この場合に,排気ガスターボチャージャの排気ガスターボチャージャシャフトの軸は,クランクシャフトの軸に対して平行に配置される。
【0004】
排気ガスターボチャージャを1つだけ有するという概念は,特に,単一の排気ガスターボチャージャが可変容量型タービンを装備する場合に,熱力学的に有利であり得る。従来の配置を維持する場合,原理的に,1つの排気ガスターボチャージャを削除することが必要である。その結果として,一方のシリンダバンクの排気ガスは,反対側に送られなければならない。前記原理は先行技術で使用されているが,これは,非対称であり,左手のシリンダバンクと右手のシリンダバンクとの間で経路長が結果として全く異なるために,排気ガスターボチャージャの効率を低下させ,したがって,内燃機関の効率を低下させるという大きな熱力学的欠点を伴う。前記欠点には,特に,長い配管長に起因するパルス過給の損失,長い配管での熱伝達に起因する排気ガスエンタルピの損失,および様々なシリンダの不均一な空気効率が含まれ,さらに,長い経路長に起因して,エンジン室への熱の導入が増大するという欠点がある。
【0005】
特許文献1は,排気ガスタービンがエンジンより上に配置され,コンプレッサがボクサーエンジンより下に配置されたボクサーエンジンを開示している。
【0006】
特許文献2は,排気ガスターボチャージャがエンジンより上に配置された,V字構成の内燃機関について記載している。排気ガスターボチャージャシャフトの軸は,クランクシャフトの軸に対して平行に配置される。
【0007】
さらに,特許文献3および特許文献4は,排気ガスターボチャージャがエンジンより上に配置されたV型エンジンを開示しており,排気ガスターボチャージャシャフトの軸は,鉛直方向に,かつ特許文献3ではクランクシャフトの軸に対して垂直に,特許文献4ではクランクシャフト軸に対して平行に,それぞれ配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】英国特許第369033号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第11 2006 001 468T5号明細書
【特許文献3】米国特許第2,858,666号明細書
【特許文献4】特開2000−328951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は,導入部に記載したタイプの内燃機関が,コンパクトな構造でありながら,特に良好な熱力学的特性を有するように,その内燃機関を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その目的は,少なくとも1つの排気ガスターボチャージャが,クランクケースより上に配置され,排気ガスターボチャージャシャフトの軸が,水平に,かつクランクシャフト軸に対して75°〜105°,好ましくは90°の角度で整列するように配置されることで達成される。
【0011】
内燃機関は,クランクシャフトを収容するクランクケースの遠隔両側に配置された水平配置のシリンダバンクを有するのが好ましい。これは,排気管が可能な限り短い経路で合流するのを可能にし,特に,一方のシリンダバンクの排気システムの配置が,他方のシリンダバンクの排気システムの配置と相応するように構成されるのを可能にする。少なくとも1つの排気ガスターボチャージャがクランクケースより上に配置されるので,クランクシャフトからシリンダバンクの方向に向かって比較的コンパクトな構造の内燃機関を実現することが可能である。
【0012】
本発明によれば,さらに,少なくとも1つの排気ガスターボチャージャのタービンおよびコンプレッサの回転軸,したがって,排気ガスターボチャージャシャフトは,水平に,かつ内燃機関のクランクシャフト軸に対して角度をなして整列するように配置されると規定され,その角度は,75°〜105°,または80°〜100°,好ましくは90°である。前記の配置は,内燃機関のコンパクトな構造に大きく寄与し,アセンブリの構造長さを短くしながら,排気管の対称連結を特に単純な態様で可能にする。
【0013】
単一の排気ガスターボチャージャのみを設けるのが好ましい。ただし,クランクケースより上に配置された複数の排気ガスターボチャージャ,特に,2つの排気ガスターボチャージャを使用することももちろん可能である。両方を配置することにより,適切な弁を使用して,低めの負荷および回転数領域では,流れが1つの排気ガスターボチャージャのみを通り,高めの負荷および回転数領域では,流れが両方の排気ガスターボチャージャを通る,という切り換え可能なシステムを実現することができる。これらは,多段過給,連続過給,または切換式の並列対過給という概念として設計することができる。
【0014】
通常では,少なくとも1つの排気ガスターボチャージャが,クランクケースより上で,そのフライホイール側に配置され,トランスミッションはクランクケースの端部側に連結される。したがって,内燃機関の,トランスミッションから離れる方向に向いた側,すなわち,エンジンのベルト側には,前記位置に保持される発電機,高圧ポンプ,および冷媒コンプレッサなどの補助アセンブリ用の,十分な大きさの設置空間が残る。前記配置の利点は,1つの排気ガスターボチャージャ/触媒コンバータユニットの場合,必然的に比較的幅の広い水平シリンダを利用し,それと同時に短い構造長さを維持することが可能なことである。これにより,短いエンジン室を備えた車両,例えば,コンパクトカーおよびミッドエンジンの車両においてでさえ,長手方向に設置するのに適した,きわめてコンパクトなアセンブリが得られる。基本的に,排気ガスターボチャージャは,フライホイール側ではなくてアセンブリのベルト側に配置されると考えられる。前記変形版の場合,これには基本的に,ベルト駆動体をさらに断熱することが必要である。さらに,排気ガスターボチャージャをクランクケースのベルト側に移す場合,補助アセンブリを別の場所に,例えば,クランクケースの下側に配置することが必要である。
【0015】
排気ガス浄化装置,特に,排気ガス触媒コンバータが,少なくとも1つの排気ガスターボチャージャに隣接して配置されるならば,それは特に有利であると考えられる。特に,クランクシャフト軸を鉛直方向に縦断する平面に関して,少なくとも1つの排気ガスターボチャージャが前記平面に隣接して配置され,排気ガス浄化装置は,排気ガスターボチャージャとはその平面の反対の側で前記平面に隣接して配置される。それぞれのシリンダバンクの排気管は合流して,1つの排気管を形成し,シリンダバンクの前記2つの排気管は,特に,クランクシャフト軸を縦断する平面の領域で合流する。この場合に,タービンは,排気ガスターボチャージャの,前記平面の方を向いた側に設けられる。タービン導入口は,シリンダバンクの排気管またはシリンダバンクの排気マニホルドを対称的に設計することができるように,クランクシャフト軸上か,または少なくともクランクシャフト軸に近接して配置されるのが好ましい。
【0016】
排気ガス浄化装置が近接連結して配置されているために,排気ガス浄化装置は,すぐにその動作温度に達することができる。
【0017】
排気管は,可能な限り短い経路で合流して,排気ガスターボチャージャのタービンに導入されるのが好ましい。これは,排気ガスターボチャージャの良好な応答挙動を保証する。排気管は対称に延びるのが好ましく,等しい経路長で形成されるのが好ましい。これは,配管が短いことからパルス過給の利用を可能にし,さらに,すべてのシリンダに対して等しい空気効率を保証し,最後に,短い配管により,熱損失が小さくなり,その結果,排気ガス浄化装置が迅速に予熱される。
【0018】
本発明の特に好ましい改良によれば,シリンダバンクに割り当てられたシリンダヘッドに吸気ダクトおよび排気ダクトを設けた内燃機関の場合,吸気ダクトは底部に配置され,排気ダクトは頂部に配置されると規定される。排気ダクトはまた,エンジンの頂部側に移されるので,排気管を特に短く維持することができる。したがって,シリンダヘッドの通過流の方向は反転される。吸気側は,内燃機関の下側に移される。原則的に,ダクトを有するシリンダヘッド構造およびタイミング機構全体は,クランクシャフト軸を縦断するZ面に関して反転された,鏡像配置とされる。対応するウォータジャケットの再設計およびクランクケースの改造が必要である。熱力学的には,これは,内燃機関の不利益には何らならない。
【0019】
内燃機関は,車両,特に陸上車の駆動に特に適する。本発明による配置により,高温部品,特に,排気マニホルド,排気ガスターボチャージャ,および触媒コンバータは,もはやエンジンの下側に置かれず,車両に作用する相対風によって効率的に対流冷却される。実際上,主に輻射によって前記部品からエンジン収容部に導入された熱が蓄積される状況がもたらされる。したがって,既存の掃気送風機およびエンジン収容部を通る相対風流れが,前記熱量を放散するのに十分ではないことを無視することはできない。したがって,エンジン収容部内の各種プラスチック部品,例えば,電線および制御ユニットの限界温度を超える危険性がある。
【0020】
このため,本発明の好ましい改良によれば,高温部品に断熱材が設けられる。その結果,排気マニホルドおよび排気ガスターボチャージャと,その出口管の排気ガス浄化装置とは,外部に対して断熱される。断熱部は,特に,密封されたエアギャップを高温部品の方に有し,エアギャップを通る空気を送るための掃気送風機を有する一体型断熱材として形成される。前記一体型断熱材は,ほぼ気密性となるように形成され,エアギャップは,対流冷却を実現するために,掃気送風機によって能動的に通気される。この場合,供給空気は,車両の外部の適切な地点,理想的には,空気力学的正圧ゾーンの領域の適切な地点から取り入れられるのが好ましい。冷却空気または掃気空気はエアギャップを流れ,その際に高温部品を冷却する。前記空気は,車体の下側の領域で,理想的には,負圧ゾーンの領域でエアギャップを出る。能動冷却は,走行運転中にこうして得られる正圧勾配により,車両空気力学的に補助される。
【0021】
内燃機関は,特に,ボクサーエンジンとして,すなわち,180°V型エンジンとして設計される。内燃機関は通常,2つのシリンダバンクを有する。
【0022】
本発明のさらなる特徴が,従属請求項,添付の図面,および図面に示した例示的な実施形態についての説明から明らかになるであろうが,本発明は前記例示的な実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による内燃機関の端面図を概略的に示している。
【図2】図1に示した内燃機関の平面図を概略的に示している。
【図3】一体型断熱材の基本図を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ボクサーエンジン1として設計された内燃機関は,それぞれ3つのシリンダを有する,水平に配置された2つのシリンダバンク2,3を有する。シリンダバンク2,3は,クランクシャフトを収容するクランクケース4の遠隔両側に配置されている。クランクシャフト軸は一点長鎖線で示され,参照数字5で表されている。トランスミッションがクランクケース4の端部側に連結され,物理的には,トランスミッションベル6が,クランクケース4の端部側に連結されている。したがって,ボクサーエンジン1のこちら側はそのフライホイール側である。クランクケース4の他方の端部には,ベルトプーリ7で示す,ボクサーエンジン1のベルト側が置かれており,ベルトプーリ7は,そのベルトプーリの方を向いたクランクシャフト8の端部に,一緒に回転するように連結されている。オイルパン9は,クランクケース4の下側領域でクランクケース4に連結されている。
【0025】
クランクケース4より上に,トランスミッションベル6に隣接して,排気ガスターボチャージャ10が配置され,この排気ガスターボチャージャ10に隣接して,排気ガス触媒コンバータ11として設計された排気ガス浄化装置が配置されている。
【0026】
排気ガスターボチャージャシャフト12,したがって,排気ガスターボチャージャ10のタービン13およびコンプレッサ14のロータ回転軸は水平に配置され,したがって,実質的に同じ高さにあるが,クランクシャフト軸5に対して90°の角度で延びている。クランクシャフト軸5を鉛直方向に縦断する平面に関して,排気ガスターボチャージャ10は,シリンダバンク2の側で前記平面に隣接して配置され,排気ガス触媒コンバータ11は,他方のシリンダバンク3に割り当てられた側で前記平面に隣接して配置されている。タービン13は前記平面に隣接して配置され,コンプレッサ14は前記平面からより離れた方に配置されている。タービン13の導入口は,クランクシャフト軸5上にか,またはクランクシャフト軸5に可能な限り近接して,シリンダバンク2,3の収集管16が対称構造となり得るように,すなわち,タービン導入口からそれぞれの収集管までの距離がほぼ等しくなるように,配置されるのが好ましい。
【0027】
3つの排気管15は,それぞれのシリンダバンク2またはシリンダバンク3の3つのシリンダから出て合流し,具体的には,それらの共通収集管16に至るまで対称に配置されていて,2つの外側排気管15は,同じ配管長を有し,また,中央排気管15は,相応する長さを有するのが好ましい。2つのシリンダバンク2,3の同一の2つの収集管16は,クランクシャフト軸5を鉛直方向に縦断する平面の領域で合流して,短い経路で排気ガスターボチャージャ10のタービン13に連結される収集管17を形成する。排気ガスは,配管18を通ってタービン13を出て,短い経路で排気ガス触媒コンバータ11に進み,そこから排出管19に進む。
【0028】
図1および図2による実施形態に示すように,排気マニホルド,排気ガスターボチャージャ,および触媒コンバータといった高温部品は,もはやエンジンの下側に置かれておらず,内燃機関が車両に取り付けられた場合に,これら高温部品は,相対風により効率的に対流冷却される。したがって,高温部品にはそれ自体公知である一体型断熱材として,基本的に図3に示すような断熱材を設けなければならない。図は,断熱材の短い長さについて,その短い長さで示した高温部品20を示し,その高温部品は断熱材21で囲まれ,エアギャップ22が,前記断熱材21と高温部品20との間に形成されている。前記断熱材21も同様に,前述の短い長さにわたってのみ示されている。断熱材21は,エアギャップ22の方を向いた側に,例えばシートメタル部品である,輻射シールド23を有する。輻射シールド23には,エアギャップ22から離れる方向に向いた側に鉱物繊維断熱材24が設けられ,鉱物繊維断熱材24には,エアキャップ22から離れる方向に向いた側に輻射シールド25か,または繊維断熱材24の繊維を保護するための被覆物が設けられている。説明した一体型断熱材は,ほぼ気密性となるように設計され,対流冷却を得るために,掃気送風機(図示せず)によって能動的に通気される。この場合,供給空気は,車両の外部の適切な位置,理想的には,空気力学的正圧ゾーンの領域の適切な位置で取り入れられる。冷却空気または掃気空気はエアギャップ22を流れ,その際に高温部品20を冷却する。空気は,車体の下側の領域,理想的には,負圧ゾーンの領域でエアギャップ22を出る。能動冷却は,走行運転中にこうして得られる正圧勾配により,車両空気力学的に補助される。
【符号の説明】
【0029】
1 ボクサーエンジン
2 シリンダバンク
3 シリンダバンク
4 クランクケース
5 クランクシャフト軸
6 トランスミッションベル
7 ベルトプーリ
8 クランクシャフト
9 オイルパン
10 排気ガスターボチャージャ
11 排気ガス浄化装置/排気ガス触媒コンバータ
12 排気ガスターボチャージャシャフト
13 タービン
14 コンプレッサ
15 排気管
16 収集管
17 収集管
18 配管
19 排出管
20 高温部品
21 断熱材
22 エアギャップ
23 輻射シールド
24 繊維断熱材
25 輻射シールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクケース(4)を有し,前記クランクケースに収容されたクランクシャフト(8)を有し,さらに,排気ガスターボチャージャシャフト(12)を備えた少なくとも1つの排気ガスターボチャージャ(10)を有する内燃機関(1)であって,前記少なくとも1つの排気ガスターボチャージャ(10)は,前記クランクケース(4)より上に配置され,前記排気ガスターボチャージャシャフト(12)の軸は,水平に,かつ前記クランクシャフト軸(5)に対して角度をなして整列するように配置され,前記角度は75°〜105°,または80°〜100°であることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記クランクシャフト(8)を収容する前記クランクケース(4)の遠隔両側に配置された,水平配置のシリンダバンク(2,3)を有することを特徴とする,請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
単一の排気ガスターボチャージャ(10)が設けられることを特徴とする,請求項1または請求項2に記載の内燃機関。
【請求項4】
複数の排気ガスターボチャージャ,特に2つの排気ガスターボチャージャが設けられることを特徴とする,請求項1または請求項2に記載の内燃機関。
【請求項5】
ボクサーエンジンとして,すなわち,180°V型エンジンとして設計されることを特徴とする,請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項6】
2つのシリンダバンク(2,3)を有することを特徴とする,請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項7】
トランスミッション(6)が,前記クランクケース(4)の端部側に連結され,前記少なくとも1つの排気ガスターボチャージャ(10)は,前記トランスミッション(6)に隣接して配置されることを特徴とする,請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項8】
前記少なくとも1つの排気ガスターボチャージャ(10)に隣接して配置される排気ガス浄化装置,特に,排気ガス触媒コンバータ(11)を設けられることを特徴とする,請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項9】
前記クランクシャフト軸(5)を鉛直方向に縦断する平面に関して,前記少なくとも1つの排気ガスターボチャージャ(10)は前記平面に隣接して配置され,前記排気ガス浄化装置(11)は,前記排気ガスターボチャージャ(10)とは前記平面の反対の側で,前記平面に隣接して配置されることを特徴とする,請求項8に記載の内燃機関。
【請求項10】
一方のシリンダバンク(2)の排気システム(15,16)の配置は,他方のシリンダバンク(3)の排気システム(15,16)の配置と相応するように構成されることを特徴とする,請求項1〜9のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項11】
前記少なくとも1つの排気ガスターボチャージャ(10)および前記排気ガス浄化装置(11)から形成されたユニットは,フライホイール側に配置されることを特徴とする,請求項1〜10のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項12】
前記シリンダバンク(2,3)に割り当てられ,吸気ダクトおよび排気ダクトがあるシリンダヘッドを有し,前記吸気ダクトは底部に配置され,前記排気ダクトは頂部に配置されることを特徴とする,請求項1〜11のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項13】
排気マニホルドおよび前記排気ガスターボチャージャ(10)と,前記排気ガス浄化装置(11)およびその出口管(19)とは,外部に対して断熱されることを特徴とする,請求項1〜12のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項14】
前記断熱部は,密封されたエアギャップ(22)を高温部品(20)と断熱材(21)との間に有し,前記エアギャップ(22)を通る空気を送るための掃気送風機を有する一体型断熱材として形成されることを特徴とする,請求項13に記載の内燃機関。
【請求項15】
前記掃気空気は,車両の外部の動力学的正圧ゾーンの領域から分流されることを特徴とする,請求項14に記載の内燃機関。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−17741(P2012−17741A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−150630(P2011−150630)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(510238096)ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト (63)
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D−70435 Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】