説明

水性エマルジョン組成物及び発泡壁紙

【課題】 地厚感に優れ、難燃性を有する発泡壁紙、該壁紙に好適で、発泡倍率に優れる発泡フォーム、及び該発泡フォームに好適な水性エマルジョン組成物を提供する。
【解決手段】 アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩及び高級アルコール硫酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の起泡剤(a)、増粘剤(b)、エチレン・ビニルエステル共重合体含有水性エマルジョン(c)及び無機充填剤(d)からなる水性エマルジョン組成物であって、(c)成分100重量部(固形分)に対し、(a)成分(固形分)を1〜5重量部、及び(d)成分(固形分)を50〜350重量部含有することを特徴とする水性エマルジョン組成物、該組成物を機械的に発泡して得られる発泡フォーム、並びに該発泡フォームを基材に塗布、乾燥してなる発泡壁紙。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性エマルジョン組成物及び該組成物を機械的に発泡した発泡フォームを有効成分とする発泡壁紙に関する。
【背景技術】
【0002】
表面に地厚感及び装飾性を有し、難燃性を有する壁紙としては、塩化ビニルを含有する共重合体と可塑剤とからなる壁紙が汎用されている。しかしながら、かかる壁紙は、塩化ビニルを含有することから、焼却処分時に有害な塩素ガスを発生するという問題があった。さらに、環境意識の高揚とともに可塑剤を含む壁紙は敬遠される傾向があった。
このような状況下、石鹸、無機充填剤及びエチレン・酢酸ビニル共重合体含有水性エマルジョンからなる組成物を機械的に発泡させ、得られた発泡フォームを基材に塗布させたのち、乾燥させる発泡壁紙が、特許文献1に提案され、該壁紙はエンボス加工による装飾性が可能であり、難燃性に優れることも開示されている。
しかしながら、特許文献1の実施例によれば、石鹸にオレイン酸カリウムを用いても、発泡フォームの発泡倍率は2.5倍にとどまり、地厚感の一層の向上が求められていた。
【0003】
【特許文献1】特開昭59−43198号公報[特許請求の範囲]、[実施例]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、地厚感に優れ、難燃性を有する発泡壁紙、該壁紙に好適で、発泡倍率に優れる発泡フォーム、及び該発泡フォームに好適な水性エマルジョン組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩及び高級アルコール硫酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の起泡剤(a)、増粘剤(b)、エチレン・ビニルエステル共重合体含有水性エマルジョン(c)及び無機充填剤(d)からなる水性エマルジョン組成物であって、(c)成分100重量部(固形分)に対し、(a)成分(固形分)を1〜5重量部、及び(d)成分(固形分)を50〜350重量部含有することを特徴とする水性エマルジョン組成物、該組成物を機械的に発泡して得られる発泡フォーム、並びに該発泡フォームを基材に塗布、乾燥してなる発泡壁紙である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の発泡壁紙は、地厚感に優れ、難燃性を示し、該壁紙用の発泡フォームは地厚感を与えるように、優れた発泡倍率を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる(a)成分は、ラウリル硫酸塩などの炭素数8〜20のアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸などの炭素数8〜20アルキルアリール硫酸塩、及び炭素数8〜20の高級アルコールと硫酸とのエステルの塩からなる群から選ばれる起泡剤である。高級アルコール硫酸エステル塩としては、炭素数8〜20のモノオレフィンを直接硫酸化したものであってもよい。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩などが挙げられる。
(a)成分には、ラウリルアルコールなどの炭素数8〜20のアルコールが含有されていることが、泡の安定性を向上させる傾向があることから好ましい。
【0008】
(a)成分としては、市販の起泡剤をそのまま使用してもよく、具体的には、エマール(登録商標、花王(株))0、10、40、2F、TD、AD−25R;ネオペレックス(登録商標、花王(株))G−15、G−25、G−65、No6Fパウダー;ペレックス NB−L(登録商標、花王(株))などが挙げられる。
(a)成分としては異なる複数の(a)成分を用いてもよく、(a)成分以外の起泡剤を併用してもよい。
(a)成分としては、中でもラウリル硫酸塩が発泡性に優れることから好ましい。
(a)成分の使用量としては、(c)成分(固形分)100重量部に対し、(a)成分(固形分)1〜5重量部である。(a)成分が1重量部以上であると発泡性に優れることから好ましく、5重量部以下であると表面強度が良好であることから好ましい。
ここで、(a)成分の固形分とは、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩及び高級アルコール硫酸エステル塩の合計量であって、市販品に含まれる水などの前記以外の成分を除いた重量を意味する。
【0009】
本発明に用いられる(b)成分は、機械発泡時において無機充填剤を均一に分散させるものであり、具体的には、ポリアクリル酸類などが挙げられる。
増粘剤の使用量としては、得られる水性エマルジョン組成物を所望の粘度に調整するように、適宜、添加すればよく、通常、(c)成分(固形分)100重量部に対し、(a)成分(有姿)0.5〜5重量部程度である。
【0010】
本発明に用いられる(c)成分は、エチレン・ビニルエステル共重合体を含有する水性エマルジョンである。該共重合体におけるエチレンに由来する構造単位は、通常、5〜70重量%、好ましくは、10〜35重量%程度である。
エチレンが5重量%以上であると、得られる硬化物の表面のひび割れが抑制される(以下、耐ひび割れ性という)傾向、及び発泡性が向上する傾向があることから好ましく、70重量%以下であると、他のオレフィン性壁紙とのブロッキングすることを抑制する(以下、耐ブロッキング性という)傾向、及び機械的強度が向上する傾向があることから好ましい。
【0011】
該共重合体に用いられるビニルエステルとは、モノカルボン酸のビニルエステルであり、具体的には、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのアルキル酸ビニルエステルなどが例示される。ビニルエステル単位として、2種類以上のビニルエステルを用いてもよい。ビニルエステルの中でも、酢酸ビニルが好適である。
該共重合体におけるビニルエステルの含有量は、95〜30重量%、好ましくは90〜65重量%である。該含有量が95重量%以下であると、機械的強度及び耐ブロッキング性が向上する傾向があり、一方該含有量が30重量%以上であると耐ひび割れ性及び発泡性が向上する傾向があることから好ましい。
【0012】
該共重合体に用いられる単量体としては、エチレン、ビニルエステルの他に、これらと共重合可能であって、エチレン性二重結合を分子内に1つ含む単量体(以下、共重合可能な単量体という場合がある)を使用してもよく、具体的には、塩化ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;ビニルホスホン酸、ビニルスルホン酸およびそれらの塩などのビニル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族ビニル;メタクリル酸、アクリル酸などの(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、イタコン酸等のα,β-不飽和ジカルボン酸類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;N-メチロールアクリルアミド、N-ブトキシメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;スルホン酸アリル、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのアリル化合物等が例示される。
該共重合体における共重合可能な単量体に由来する構造単位の含有量としては、通常、20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
【0013】
該共重合体は、さらに、エチレン、ビニルエステル及び共重合可能な単量体とは異なる単量体であって、エチレン性二重結合を二個以上有する共重合可能な架橋モノマー(以下、架橋性モノマーという場合がある)を含有してもよい。このことにより、トルエン不溶分が発現する。架橋性モノマーとしては、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、アジピン酸ジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレートなどが例示される。共重合体における架橋モノマーの含有量としては、通常、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
【0014】
(c)成分は、乳化重合により得られる。ここで、乳化分散剤中の保護コロイドとして平均重合度200〜3000、好ましくは250〜2500のポリビニルアルコールを用いて乳化重合することが好ましい。このことにより、壁紙用途とした場合の耐水性、耐アルカリ性及び機械的強度を一層高い水準に維持することができる。
(c)成分において、該共重合体などの固形分としては、通常、40〜78重量%好ましくは43〜75である。固形分が40〜78重量%であると、得られる硬化物の耐ひび割れ性が向上する傾向がある。
【0015】
(c)成分のみが与える硬化物のガラス転移温度としては、通常、−25〜+15℃、好ましくは−20〜+10℃である。ガラス転移温度−25℃以上であると耐ブロッキング性が向上し、該温度が15℃以下であると、機械的強度及び耐ひび割れ性が向上する傾向がある。
【0016】
本発明に用いられる(d)成分の具体例としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化第1鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ類、二酸化チタン、ケイ酸マグネシウムなどの無機充填剤を挙げることができる。好ましくは水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化第1鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛である。
(d)成分の使用量としては、(c)成分(固形分)100重量部に対し、50〜350重量部、好ましくは80〜200重量部である。(d)成分が50重量部以上であると難燃性が向上する傾向があり、350重量部以下であると発泡性、機械的強度及び耐ひび割れ性が向上する傾向がある。
【0017】
本発明の水性エマルジョン組成物は、前記(a)〜(d)成分からなる水性エマルジョン組成物であり、これを、機械的に発泡させたものが発泡フォームである。該発泡フォームは高い発泡倍率を有する。ここで、発泡倍率とは、水性エマルジョン組成物の密度に対する発泡フォームの密度の倍率である。
(a)〜(d)成分の混合の順番は特に制限されないが、粘度を厳密に調整するために(a)成分は最後に混合すると、調整が容易になる。
(b)、(c)及び(d)成分のみからなる混合物の粘度、すなわち、(a)成分を加える前の組成物の粘度としては、通常、BL型粘度計(25℃)にて200〜10000mPa・s程度であり、好ましくは500〜6000mPa・sである。上記粘度が200mPa・s以上であると発泡性が向上する傾向があり、10000mPa・s以下であると塗布性に優れる傾向があることから好ましい。
【0018】
本発明の発泡壁紙の製造方法としては、攪拌機、モンドミキサー、ダルトンミキサー等を使用して機械的に泡立てて、発泡フォームを形成し、基材上にナイフコーター等にて所定厚みに塗工した後、熱風乾燥炉などにて加熱乾燥して発泡壁紙を製造する。続いて、冷却する前に、エンボス付ロールまたはエンボス付プレス板を用いて機械的にエンボス加工を行ってもよい。
ここで、基材としては、紙、布帛、プラスチックなどが用いられる。
【0019】
基材に塗布する際の塗布厚としては、通常、50〜300μm、好ましくは100〜250μm以下である。塗布厚が300μm以下であると、乾燥時において耐ひび割れ性が向上する傾向があることから好ましい。塗布厚が50μm以上であると、表面に地厚感のある発泡壁紙が得られる傾向があることから好ましい。
【0020】
本発明の発泡壁紙の表面を平滑にするために、水性エマルジョン及び前記無機充填剤を含み、必要に応じて、前記増粘剤、エマルジョン型シリコーンなどの消泡剤等を含む組成物を機械的に発泡させることなく塗布、乾燥させてもよい。
ここで、水性エマルジョンとしては、前記(c)成分の他、アクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョンなどが挙げられる。中でも、前記(c)成分が発泡壁紙との接着性に優れることから好ましい。
【実施例】
【0021】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。部および%は、特に断りがない限り、重量基準を意味する。また固形分は、JIS K-6828に準じた測定方法で行った。具体的には試料を1gアルミ箔の皿にとり精秤し熱風循環式恒温槽にて105℃、1時間乾燥させた後の残留固形分重量を最初に測りとった溶液の重量に対して割合で表したものである。粘度は、25℃でブルックフィールド粘度計により測定した値である。
【0022】
(実施例1)
<(c)成分の製造例1>
耐圧容器に、あらかじめ水170部に酢酸ビニル190部、ポリビニルアルコール「ポバール217」((株)クラレ製、けん化度88モル%、平均重合度1700)2部、「ポバール205」((株)クラレ製、けん化度88モル%、平均重合度500)7部、および硫酸第一鉄七水和物0.005部を溶解した溶液を導入した。次いで耐圧容器内を窒素ガスで置換し、容器内を60℃まで昇温した後、エチレンで4.6MPaまで加圧した。次に過酸化水素0.3部と、酒石酸ナトリウム0.6部のそれぞれを水で希釈して、4時間にわたり滴下した。重合中反応容器内の温度はジャケットの温度を制御することにより60℃に保ち、さらに過酸化水素の水溶液を添加し、反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になるまで攪拌したのち、未反応のエチレンガスを除去し、反応物を取り出した。エチレン18%、酢酸ビニル82%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する水性エマルションを得た。該水性エマルションの不揮発分は55%、粘度1100mPa・sであった。
【0023】
(水性エマルジョン組成物及び発泡フォームの製造例1)
水性エマルジョンの製造例1の(c)成分100部(固形分)、(b)成分として増粘剤(ポイズ530、花王(株)製ポリアクリル酸、1.5部(有姿)、(d)成分として、二酸化チタン(タイペーク、石原産業(株)製)15部及び水酸化アルミニウム100部の割合で混合した。粘度は980cpであった。
上記混合物を300部調製し、これに(a)成分15部(エマール10、20%溶液、固形分として3部、ラウリル硫酸ナトリウムを含む起泡剤)を加えて水性エマルジョン組成物を得た。該組成物の密度は96.32g/100ml、粘度は310cpであった。
続いて、ダルトンミキサーで800rpmにて3分間攪拌し、密度32.04g/100mlの発泡フォームを得た。
【0024】
(発泡壁紙の製造例1)
坪量108g/m、厚さ130μmの紙に、クリアランスが0.7mmのナイフコーターで、得られた発泡フォームを塗布し、続いて、90℃の熱風乾燥機で4分間乾燥させた。得られた硬化物の膜厚は175μm、水性エマルジョン組成物の固形分は70g/mであった。
クリアランスが0.9mm、1mmの場合についても同様の実施し、結果を表2にまとめた。
【0025】
(実施例2)
<(c)成分の製造例2>
耐圧容器に、あらかじめ水140部に酢酸ビニル70部、ヒドロキシエチルセルロース4部、ノニオン界面活性剤「エマルゲン1135S-70」(HLB 17.9、花王(株)製)2部、「エマルゲン1108」(HLB 13.5、花王(株)製)1部、硫酸第一鉄七水和物0.005部および酢酸0.1部を溶解した溶液を導入した。次いで耐圧容器内を窒素ガスで置換し、容器内を50℃まで昇温した後、エチレンで6.5MPaまで加圧した。次に、アクリル酸1.8部の10%水溶液と酢酸ビニル110部を5時間にわたり滴下し、更に過硫酸ナトリウム1.0部と、エリソルビン酸ナトリウム8部のそれぞれを水で希釈して、6時間にわたり滴下した。重合中反応容器内の温度はジャケットの温度を制御することにより50℃に保ち、圧力が6.5MPaに一定になるように4時間エチレンを添加し、さらに過硫酸ナトリウムおよびターシャリーブチルハイドロパーオキサイドの水溶液を添加し、反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になるまで攪拌したのち、未反応のエチレンガスを除去し、反応物を取り出した。エチレン27%、酢酸ビニル73%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する水性エマルションを得た。該水性エマルションの不揮発分は55%、粘度200mPa・sであった。
【0026】
(水性エマルジョン組成物及び発泡フォームの製造例2)
(c)成分として製造例2の(c)成分を用いる以外には(水性エマルジョン組成物及び発泡フォームの製造例1)と同様にして水性エマルジョン組成物及び発泡フォームを得た。粘度、密度及び発泡倍率を実施例1の結果とともに表1にまとめた。
【0027】
【表1】

【0028】
(発泡壁紙の製造例2)
発泡フォームに製造例2の発泡フォームを用いる以外には、(発泡壁紙の製造例1)と同様にして、発泡壁紙を得た。それぞれのクリアランスにおける塗布量、塗布厚を実施例1の結果とともに表1に示した。
【0029】
【表2】

外観:○は均一の層を形成し、×はひび割れが見られる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の発泡壁紙は、表面に地厚感を有し、エンボス加工し得る装飾性を有することから、意匠性の求められる壁紙、シートなどに使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩及び高級アルコール硫酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の起泡剤(a)、増粘剤(b)、エチレン・ビニルエステル共重合体含有水性エマルジョン(c)及び無機充填剤(d)からなる水性エマルジョン組成物であって、(c)成分100重量部(固形分)に対し、(a)成分(固形分)を1〜5重量部、及び(d)成分(固形分)を50〜350重量部含有することを特徴とする水性エマルジョン組成物。
【請求項2】
(a)成分がラウリル硫酸塩である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(b)成分がポリアクリル酸塩である請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
(c)成分がエチレンと酢酸ビニルとを乳化重合して得られる水性エマルジョンである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の水性エマルジョン組成物であって、該組成物を構成する(b)、(c)及び(d)成分のみからなる混合物の粘度としては、BL型粘度計(25℃)にて200〜10000mPa・sを与える(b)、(c)及び(d)成分を用いてなる組成物。
【請求項6】
請求項1〜5に記載の組成物を機械的に発泡して得られる発泡フォーム。
【請求項7】
請求項6に記載の発泡フォームを基材に塗布、乾燥してなる発泡壁紙。
【請求項8】
アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩及び高級アルコール硫酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の起泡剤(a)、増粘剤(b)、エチレン・ビニルエステル共重合体含有水性エマルジョン(c)及び無機充填剤(d)からなる水性エマルジョン組成物を機械的に発泡させ、基材上に塗工した後、熱風乾燥炉などにて加熱乾燥する発泡壁紙の製造方法。
【請求項9】
基材に塗工する際の塗布厚が、50〜300μmである請求項8に記載の発泡壁紙の製造方法。

【公開番号】特開2006−131779(P2006−131779A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323194(P2004−323194)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】