説明

水性ゲル組成物

【課題】本発明の目的は、耐水性に優れた水性ゲル組成物を提供すること。
【解決手段】分子内に(A)ジアセトンアクリルアミド単位及び(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位を含有する変性ポリビニルアルコール系樹脂、架橋剤及び水からなり、該変性ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤が水中で反応していることを特徴とする水性ゲル組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐水性、生産性に優れたポリビニルアルコール系水性ゲル組成物に関するものであり、農園芸用保水剤、保冷剤、芳香消臭剤等の日用雑貨、硝子体、人工関節等の生体材料、コンタクトレンズ、ドラッグデリバリーシステム、創傷被覆材、貼布材等の医療材料、分離膜、微生物担体等環境分野に利用される水性ゲル組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)系樹脂を用いた水性ゲルは、含水率が高いこと、成形物の柔軟性が高く機械的強度が高いこと、生体との親和性が高いこと等の点で有用な素材であり、医療材料分野、環境分野、日用雑貨等に幅広く利用されている。
【0003】
PVA系水性ゲルを製造する方法としては種々の方法が知られている。例えば、PVA水溶液を凍結し、脱水を行う方法(特許文献1)、PVA水溶液の凍結、融解を繰り返す方法(特許文献2)等が提案されているが、これらの方法は、PVA水溶液を凍結させるための設備が必要であったり、操作が複雑で長時間を必要とすることから、工業的に有利な方法ではない。
【0004】
また、従来より、PVA水溶液を飽和ほう酸水溶液と接触させてゲル化する方法、PVA水溶液にアルデヒド化合物を反応させてゲル化する方法等が知られている。前者はpHが8.0以上で反応を行う必要があり、得られたゲルはpHの変化により溶解してしまうという欠点があり、後者はpHを4.0以下にしないと、ゲル化しないことから、医療材料として使用する際には、pHによる生体への悪影響があり、また環境分野で、微生物・酵素担体として使用する際には、pHによる微生物や酵素の活性低下を引き起こすという問題がある。
【0005】
これらの問題を解決するため、本発明者らは水溶液中でジアセトンアクリルアミド単位を0.1〜15モル%含有するジアセトンアクリルアミド共重合変性PVA系樹脂に水溶性ヒドラジン化合物を反応せしめることを特徴とするPVA系水性ゲルの製造方法(特許文献3)を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−36630号公報
【特許文献2】特開昭59−56446号公報
【特許文献3】特開平10−287711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献3の製造方法で得られる水性ゲルは、変性PVA系樹脂と水溶性ヒドラジン化合物が任意のpHで反応するため、医療材料として使用した場合、pHによる生体への悪影響がなく、微生物・酵素担体として使用する際にも、pHによる微生物・酵素の活性低下を引き起こさないという点で優れているが、水中においてPVA系樹脂と水溶性ヒドラジンとの反応速度が遅いため、ゲル化するまでの時間が長くかかるという生産性の問題がある。特に水性ゲルの含水率を上げるため、PVA系樹脂の含有量が低い場合にゲル化するまでの時間が長いため、低濃度でも短時間でゲル化する材料が望まれている。
【0008】
また、もう一つの問題点として、得られたゲルの耐水性が十分でないため、PVA系樹脂が水に溶け出し、創傷被覆材や貼布材として使用した場合、剥がした後のベタツキ等が問題になり、また排水処理等に使用される微生物・酵素担体として使用した場合、長期間使用すると水性ゲル担体が水に溶出するという問題があり、更に耐水性の高い水性ゲル材料が求められていた。
本発明の目的は、優れた耐水性を有するPVA系水性ゲル組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
しかるに、かかる事情に鑑み、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、分子内に(A)ジアセトンアクリルアミド単位及び(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位を含有する変性PVA系樹脂と、架橋剤とを水中で反応させることによって得られる、該変性PVA系樹脂、架橋剤及び水からなる水性ゲル組成物が上記課題を一挙に解決できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、
[1]分子内に(A)ジアセトンアクリルアミド単位及び(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位を含有する変性PVA系樹脂、架橋剤及び水からなり、該変性PVA系樹脂と架橋剤が水中で反応していることを特徴とする水性ゲル組成物、
[2]架橋剤が、分子内に2個以上のヒドラジド基を有する多価ヒドラジド化合物であることを特徴とする前記[1]記載の水性ゲル組成物、
[3]変性PVA系樹脂の、(A)ジアセトンアクリルアミド単位の含有量が0.1モル%以上15モル%以下であり、(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位の含有量が0.02モル%以上5モル%以下であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の水性ゲル組成物、
[4]変性PVA系樹脂の20℃における4重量%水溶液粘度が50mPa.s以上である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の水性ゲル組成物、及び
[5]分子内に(A)ジアセトンアクリルアミド単位及び(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位を含有する変性PVA系樹脂と、架橋剤とを水中で反応させることを特徴とする、該変性PVA系樹脂、架橋剤及び水からなる水性ゲル組成物の製造方法、
に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のPVA系水性ゲルは、変性PVA系樹脂と架橋剤とを水中で反応させて製造するものであるが、その反応速度が速いため、短時間で溶液状態からゲル状態になり、生産性に優れる。また、PVA系樹脂濃度が従来のものより低くても、比較的短時間でゲル状態になるため、含水率を高くすることができる。さらに、本発明のPVA系水性ゲルは、目的に応じた任意のpHで製造することができ、耐水性が高いため、医療材料や環境分野で使用した時の溶出の問題が少ない。
本発明のPVA系水性ゲル組成物は、農園芸用保水剤、保冷剤、保温剤、消臭剤や芳香剤等従来公知のPVA系水性ゲルの使用用途で有用である他、硝子体、人工関節等の生体材料、コンタクトレンズ、ドラックデリバリーシステム、創傷被覆材及び貼布材等の医療材料、分離膜、微生物担体、酵素担体等環境分野において、特に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について具体的に説明する。本発明で使用される「分子内に(A)ジアセトンアクリルアミド単位及び(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位を含有する変性PVA系樹脂」(以下、単に「変性PVA系樹脂」とも略記する)は、脂肪酸ビニルエステル、ジアセトンアクリルアミド、及び側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体を3元共重合して得られる重合体を鹸化することにより製造することができる。
【0013】
上記の共重合に使用する脂肪酸ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられ、中でも酢酸ビニルが工業的に好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0014】
次に、共重合に使用する側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体について説明する。炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基としては、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基等の直鎖状のアルキル基だけでなく、i−ヘキシル基(4−メチルペンチル基)、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基(1,1−ジメチルブチル基)、i−ヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、i−オクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、i−ノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、neo−ノニル基、i−デシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、neo−デシル基、i−ウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、neo−ウンデシル基、i−ドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、neo−ドデシル基、i−トリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、neo−トリデシル基、i−テトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、neo−テトラデシル基、i−ペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、neo−ペンタデシル基、i−へキサデシル基、sec−へキサデシル基、tert−へキサデシル基、neo−へキサデシル基、i−ヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、neo−ヘプタデシル基、i−オクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、neo−オクタデシル基等の分岐状のアルキル基でもよいが、炭素数が6以上22以下であることが必要であり、中でも炭素数が10以上18以下であることが好ましい。
【0015】
側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、前記の長鎖アルキル基を有するビニルエーテル、ビニルエステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、α−オレフィン類、アクリルアミド類及びメタクリルアミド類等であれば特に限定されず、例えば、ビニルオクチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルデシルエーテル、ビニルドデシルエーテル、ビニルラウリルエーテル、ビニルステアリルエーテル、ビニルオクタデシルエーテル等の長鎖アルキルビニルエーテル類;カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の長鎖アルキルビニルエステル類;アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ステアリル等の長鎖アルキルアクリル酸エステル類;メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ヘキサデシル等の長鎖アルキルメタクリル酸エステル類;オクテン、デセン等の炭素数が8以上24以下のα−オレフィン類、前記長鎖アルキル基を付加したアクリルアミド類;前記長鎖アルキル基を付加したメタクリルアミド類等が挙げられ、中でも、脂肪酸ビニルエステル及びジアセトンアクリルアミドとの共重合性の点並びに鹸化時の構造の安定性の点から、長鎖アルキルビニルエーテル類が好適に用いられる。これらの、側鎖に長鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体は、1種又は2種以上を選択して使用することができる。
【0016】
(i)脂肪酸ビニルエステル、(ii)ジアセトンアクリルアミド、及び(iii)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体の共重合方法としては、特に限定されず、従来から公知のバルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の各種の重合方法が可能であり、中でもメタノールを溶媒とする溶液重合が工業的に好ましい。
【0017】
(i)脂肪酸ビニルエステル、(ii)ジアセトンアクリルアミド、及び(iii)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合して得た重合体の鹸化方法は、特に限定されず、従来公知のアルカリ鹸化及び酸鹸化を適用することができ、中でも重合体のメタノール溶液又は、メタノール、水、酢酸メチル、ベンゼン等の混合溶液に水酸化アルカリを添加して加アルコール分解する方法が工業的に好ましい。
【0018】
本発明で使用される共重合変性PVA系樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲で、脂肪酸ビニルエステル、ジアセトンアクリルアミド及び側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体と共重合可能な、例えば、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸及びそのエステル、塩、無水物、アミド、ニトリル類;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその塩;マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル類;炭素数が7以下のα−オレフィン類;炭素数が5以下又は23以上のアルキルビニルエ−テル類;ビニルピロリドン類とともに共重合したものであってもよい。この他、得られた共重合変性PVA系樹脂を本発明の効果を阻害しない範囲でアセタ−ル化、ウレタン化、エ−テル化、グラフト化、リン酸エステル化等の反応によって後変性したものでもよい。
【0019】
本発明の変性PVA系樹脂の、(A)ジアセトンアクリルアミド単位の含有量は、変性PVA系樹脂全体に対して、0.1モル%以上15モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5モル%以上10モル%以下である。(A)ジアセトンアクリルアミド単位の含有量が0.1モル%より低い場合は、水性ゲルの強度が低くなるおそれ又はゲル化速度が遅くなるおそれがあり、一方、含有量が15モル%を越えると水溶性が低下し、水性ゲルを作りにくくなるという問題がある。
【0020】
本発明の変性PVA系樹脂の、(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位の含有量は、変性PVA系樹脂全体に対して、0.02モル%以上5モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1モル%以上3モル%以下である。(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位の含有量が0.02モル%より低い場合は、ゲル化速度が遅くなるおそれ又は耐水性が低下するおそれがある一方、含有量が5モル%を超えると、変性PVA系樹脂水溶液の粘度が高くなりすぎ、水性ゲルを作製する際に架橋剤と均一に反応性させにくいという問題が生じるおそれがある。
本発明の変性PVA系樹脂としては、(A)ジアセトンアクリルアミド単位の含有量が0.1モル%以上15モル%以下であり、(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位の含有量が0.02モル%以上5モル%以下であるものが好ましく、(A)ジアセトンアクリルアミド単位の含有量が0.5モル%以上10モル%以下であり、(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位の含有量が0.1モル%以上3モル%以下であるものがより好ましい。
【0021】
(A)ジアセトンアクリルアミド単位の含有量及び(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位の含有量は、共重合時の脂肪酸ビニルエステル、ジアセトンアクリルアミド及び側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体との仕込み組成や重合収率を変えることによって、コントロールすることができる。(A)ジアセトンアクリルアミド単位の含有量及び(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位の含有量は、H−NMR分析によって測定することができる。
【0022】
また、本発明で使用される共重合変性PVA系樹脂の重合度、鹸化度は種々のものとすることができるが、20℃における4重量%水溶液粘度が50mPa・s以上が好ましく、鹸化度は85モル%以上100モル%以下が好ましい。なお、該変性PVA系樹脂の鹸化度及び4重量%水溶液粘度は、JIS K−6726に準じて測定した値であり、粘度はB型回転粘度計を用いて回転粘度計法により測定した。
【0023】
本発明で使用する架橋剤としては、特に限定されないが、本発明の変性PVA系樹脂のジアセトンアクリルアミド単位のカルボニル基と反応性を有するアミン系化合物、ヒドラジン系化合物が使用される。アミン系化合物としては、本発明の効果を阻害せず、前記ジアセトンアクリルアミド単位のカルボニル基と反応性を有する限り特に限定されないが、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、プトレシン、カダベリン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン等の多価アミン化合物;アミノエチル化コポリマー、ポリビニルアミン等の側鎖にアミノ基を有するポリマー等が挙げられる。また、ヒドラジン系化合物としては、本発明の効果を阻害せず、前記ジアセトンアクリルアミド単位のカルボニル基と反応性を有する限り特に限定されないが、例えば、ヒドラジン、ヒドラジンヒドラート、ヒドラジンの1水和物もしくは塩;エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン等の芳香族もしくは脂肪族ヒドラジン及びその塩;安息香酸ヒドラジド、ギ酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、n−酪酸ヒドラジド、イソ酪酸ヒドラジド、n−吉草酸ヒドラジド、イソ吉相酸ヒドラジド、ピバリン酸ヒドラジド等のモノカルボン酸ヒドラジド;カルボジヒドラジド;シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等の飽和脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等の不飽和カルボン酸ジヒドラジド;フタル酸ジヒドラジド、ナフトエ酸ジヒドラジド等の芳香族ジカルボン酸ジヒドラジド;N−アミノポリアクリルアミド等のヒドラジド基を有する高分子化合物等が挙げられる他、これらのヒドラジン系化合物にケトン基を有するアセトン、メチルエチルケトンを反応させた例えばアジピン酸ジヒドラジドアセトンヒドラゾン、アジピン酸ジヒドラジドメチルエチルケトンヒドラゾン等のヒドラジン系化合物の誘導体等が挙げられる。上記の架橋剤の中でも本発明の変性PVA系樹脂との反応性や架橋剤の安全性の面から、ジカルボン酸ジヒドラジド又はヒドラジド基を有する高分子化合物等の分子内に2個以上のヒドラジド基を有する多価ヒドラジド化合物を好適に用いることができる。これらの架橋剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0024】
次に、本発明のPVA系水性ゲルの製造方法について説明する。水性ゲルは、水溶液中で本発明の変性PVA系樹脂と架橋剤を反応させて得られる。具体的には、該変性PVA系樹脂の水溶液と架橋剤を混合し、使用目的に合致した形状の容器内に放置して、ゲル化させる方法;該変性PVA系樹脂の水溶液と架橋剤を混合したのち、フィルム、布等の基材の上に塗布し、密封あるいは保護フィルムで覆う等、必要以上に水分が蒸発しないような処理を施した状態で放置し、ゲル化させる方法;該変性PVA系樹脂あるいはその水溶液を従来公知の方法でゲル化させたものを、本発明の架橋剤を含む水溶液中に浸漬して、反応させる方法等が挙げられるが、均一な水性ゲルを製造するためには、変性PVA系樹脂水溶液と架橋剤水溶液を混合する方法が好ましい。
【0025】
本発明の変性PVA系樹脂と架橋剤との混合比率は、特に限定されないが、該変性PVA系樹脂100重量部に対して、架橋剤0.1〜30重量部が好ましく、0.5〜20重量部が更に好ましい。該変性PVA系樹脂水溶液と架橋剤を混合して反応させる際の変性PVA系樹脂の濃度は、特に限定されず、必要なゲル強度、ゲル化時間、成型方法及びゲルの含水率等の目的に応じて選択することができるが、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。変性PVA系樹脂の濃度が高いほど、ゲルは硬くなり、ゲル化時間を短くすることができ、濃度が低いほど、水性ゲルの含水率を高くすることができる。
【0026】
本発明の水性ゲルを製造する際、必要に応じて本発明に使用する変性PVA系樹脂以外のPVA、デンプン、変性デンプン、メチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸及びその誘導体、ゼラチン、寒天、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム等の他の高分子化合物、増粘剤、クレー、カオリン、タルク、シリカ又は炭酸カルシウム等の無機充填剤、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール等の可塑剤、消泡剤、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤、有機溶剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0027】
また、本発明の水性ゲルには、香料等の芳香成分、消臭性分、薬効成分、活性汚泥、酵素、微生物等の機能成分を水性ゲルの目的に応じて配合してもよい。
【実施例】
【0028】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、例中の「%」とあるのは、ことわりのない限り重量基準を意味する。また、実施例における水性ゲルの各物性値は、以下の方法で評価を行った。
(1)ゲル化時間
ふた付のガラス製サンプル瓶に、各合成例又は比較合成例で得られた変性PVA系樹脂の10%水溶液20重量部、イオン交換水18重量部及び架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液2重量部を添加し、よく混合した後、20℃で放置し、定期的にサンプル瓶のひっくり返し、混合液がゲル化し、完全に流動しなくなるまでの時間を測定した(樹脂濃度:5%)。
ふた付のガラス製サンプル瓶に、各合成例又は比較合成例で得られた変性PVA系樹脂の10%水溶液10重量部、イオン交換水29重量部及び架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液1重量部を添加し、よく混合した後、20℃で放置し、定期的にサンプル瓶のひっくり返し、混合液がゲル化し、完全に流動しなくなるまでの時間を測定した(樹脂濃度:2.5%)。
(2)耐水性(溶出率)
各合成例又は比較合成例で得られた変性PVA系樹脂の10%水溶液20重量部、イオン交換水18重量部及び架橋剤の5%水溶液2重量部を添加し、よく混合した(樹脂濃度5%)後、チャック付ポリエチレン製の袋に入れ、20℃で7日間放置して作製した水生を2cm×2cm×1cmの大きさに切り出し、サンプル片とする。得られたサンプル片を20重量部のイオン交換水に浸漬し、20℃で24時間放置した後、サンプル片を取り出した浸漬していた水を105℃で6時間乾燥し、イオン交換水に溶出した固形分の割合を以下の式によって求めた。
【数1】

【0029】
[合成例1]
攪拌機、温度計、滴下ロ−ト及び還流冷却器を取り付けたフラスコ中に、酢酸ビニル950重量部、メタノール350重量部を仕込み、系内の窒素置換を行った後、内温を60℃まで昇温した。この系に2,2−アゾビスイソブチリロニトリル1重量部をメタノール35重量部に溶解した溶液を添加し、重合を開始した。系内の温度を63℃に維持し、フラスコ内に窒素流通を続けながら、ビニルステアリルエーテル15重量部を酢酸ビニル50重量部に溶解した溶液を、重合開始直後から2時間かけて一定速度で滴下し、ジアセトンアクリルアミド70重量部をメタノール50重量部に溶解した溶液を、重合開始直後から4時間かけて一定速度で滴下し、重合を開始して5時間後に重合停止剤としてm−ジニトロベンゼンを添加し、重合を停止した。重合収率は、90%であった。
得られた反応混合物にメタノール蒸気を加えながら、残存する酢酸ビニルを留去し、ジアセトンアクリルアミド−ビニルステアリルエーテル−酢酸ビニル共重合体の50%メタノール溶液を得た。
この混合溶液500重量部にメタノール70重量部、イオン交換水2重量部及び水酸化ナトリウムの4%メタノール溶液15重量部とを加えてよく混合し、40℃で2時間鹸化反応を行った。得られたゲル状物を粉砕し、メタノールでよく洗浄した後に乾燥し、ジアセトンアクリルアミド−ビニルステアリルエーテル共重合変性PVAを得た。
得られた変性PVAの20℃における4%水溶液粘度は245mPa.sで、鹸化度は98.8モル%であった。また、DMSO−d6を溶媒としたH−NMRから算出した変性PVA中のジアセトンアクリルアミド含有量は3.9モル%であり、ビニルステアリルエーテル含有量は1.2モル%であった。
【0030】
[合成例2]
攪拌機、温度計、滴下ロ−ト及び還流冷却器を取り付けたフラスコ中に、酢酸ビニル950重量部、メタノール350重量部を仕込み、系内の窒素置換を行った後、内温を60℃まで昇温した。この系に2,2−アゾビスイソブチリロニトリル1重量部をメタノール35重量部に溶解した溶液を添加し、重合を開始した。系内の温度を63℃に維持し、フラスコ内に窒素流通を続けながら、ビニル2−エチルヘキシルエーテル25重量部を酢酸ビニル50重量部に溶解した溶液を、重合開始直後から3時間かけて一定速度で滴下し、ジアセトンアクリルアミド40重量部をメタノール50重量部に溶解した溶液を、重合開始直後から4時間かけて一定速度で滴下し、重合を開始して5時間後に重合停止剤としてm−ジニトロベンゼンを添加し、重合を停止した。重合収率は、87%であった。
得られた反応混合物にメタノール蒸気を加えながら、残存する酢酸ビニルを留去し、ジアセトンアクリルアミド−ビニル2−エチルヘキシル−酢酸ビニル共重合体の50%メタノール溶液を得た。
この混合溶液500重量部にメタノール70重量部、イオン交換水2重量部及び水酸化ナトリウムの4%メタノール溶液20重量部とを加えてよく混合し、40℃で2時間鹸化反応を行った。得られたゲル状物を粉砕し、メタノールでよく洗浄した後に乾燥し、ジアセトンアクリルアミド−ビニル2−エチルヘキシルエーテル共重合変性PVAを得た。
得られた変性PVAの20℃における4%水溶液粘度は88.0mPa.sで、鹸化度は98.9モル%であった。また、DMSO−dを溶媒としたH−NMRから算出した変性PVA中のジアセトンアクリルアミド含有量は3.0モル%であり、ビニル2−エチルヘキシルエーテル含有量は2.1モル%であった。
【0031】
[合成例3〜6]
使用する炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体の種類、仕込み組成や重合収率を変えた以外は合成1と同様の方法で、下記表1の変性PVAを合成した。
【0032】
[比較合成例1]
ビニルステアリルエーテルを使用せず、2,2−アゾビスイソブチリロニトリルの使用量を1重量部から0.5重量部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、ジアセトンアクリルアミド共重合変性PVAを合成した。得られた変性PVAの分析値を下記表1に示す。
【0033】
[比較合成例2]
ジアセトンアクリルアミドを使用しない以外は合成例1と同様にして、ビニルステアリルエーテル共重合変性PVAを合成した。得られた変性PVAの分析値を下記表1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
[実施例1]
合成例1で作製したジアセトンアクリルアミド−ビニルステアリルエーテル共重合変性PVAの10%水溶液20重量部、イオン交換水18重量部及び架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液2重量部を添加し、よく混合した後、チャック付ポリエチレン製の袋に入れ、20℃で7日間放置し、透明な水性ゲルを作製した。得られた水性ゲルを所定の大きさに切り出し、20℃のイオン交換水に24時間放置し、溶出率を求めた。水性ゲルサンプルの溶出率は、0.8%と低く、耐水性は高かった。
また、合成例1で作製した変性PVAを使用して、樹脂濃度5%、2.5%でのゲル化時間を測定した。樹脂濃度5%でのゲル化時間は8時間であり、樹脂濃度2.5%でのゲル化時間は2日であり、実用的に問題のないゲル化速度であった。結果を表2に示す。
【0036】
[実施例2]
合成例2で作製したジアセトンアクリルアミド−ビニル2−エチルヘキシルエーテル共重合変性PVAの10%水溶液20重量部、イオン交換水18重量部及び架橋剤としてアミノポリアクリルアミドの5%水溶液2重量部を添加し、よく混合した後、チャック付ポリエチレン製の袋に入れ、20℃で7日間放置し、透明な水性ゲルを作製した。得られた水性ゲルを所定の大きさに切り出し、20℃のイオン交換水に24時間放置し、溶出率を求めた。水性ゲルサンプルの溶出率は、1.1%と低く、耐水性は高かった。
また、合成例2で作製した変性PVAを使用して、樹脂濃度5%、2.5%でのゲル化時間を測定した。樹脂濃度5%でのゲル化時間は18時間であり、樹脂濃度2.5%でのゲル化時間は3日であり、実用的に問題のないゲル化速度であった。結果を表2に示す。
【0037】
[実施例3]
合成例3で作製したジアセトンアクリルアミド−ビニルラウリルエーテル共重合変性PVAの10%水溶液20重量部、イオン交換水18重量部及び架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液2重量部を添加し、よく混合した後、チャック付ポリエチレン製の袋に入れ、20℃で7日間放置し、透明な水性ゲルを作製した。得られた水性ゲルを所定の大きさに切り出し、20℃のイオン交換水に24時間放置し、溶出率を求めた。水性ゲルサンプルの溶出率は、0.7%と低く、耐水性は高かった。
また、合成例3で作製した変性PVAを使用して、樹脂濃度5%、2.5%でのゲル化時間を測定した。樹脂濃度5%でのゲル化時間は6時間であり、樹脂濃度2.5%でのゲル化時間は1日であり、実用的に問題のないゲル化速度であった。結果を表2に示す。
【0038】
[実施例4]
合成例4で作製したジアセトンアクリルアミド−ビニルステアリルエーテル共重合変性PVAの10%水溶液20重量部、イオン交換水18重量部及び架橋剤としてカルボジヒドラジドの5%水溶液2重量部を添加し、よく混合した後、チャック付ポリエチレン製の袋に入れ、20℃で7日間放置し、透明な水性ゲルを作製した。得られた水性ゲルを所定の大きさに切り出し、20℃のイオン交換水に24時間放置し、溶出率を求めた。水性ゲルサンプルの溶出率は、1.6%と低く、耐水性は高かった。
また、合成例4で作製した変性PVAを使用して、樹脂濃度5%、2.5%でのゲル化時間を測定した。樹脂濃度5%でのゲル化時間は1日であり、樹脂濃度2.5%でのゲル化時間は3日であり、実用的に問題のないゲル化速度であった。結果を表2に示す。
【0039】
[実施例5]
合成例5で作製したジアセトンアクリルアミド−ミリスチン酸ビニル共重合変性PVAの10%水溶液20重量部、イオン交換水18重量部及び架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液2重量部を添加し、よく混合した後、チャック付ポリエチレン製の袋に入れ、20℃で7日間放置し、透明な水性ゲルを作製した。得られた水性ゲルを所定の大きさに切り出し、20℃のイオン交換水に24時間放置し、溶出率を求めた。水性ゲルサンプルの溶出率は、1.0%と低く、耐水性は高かった。
また、合成例5で作製した変性PVAを使用して、樹脂濃度5%、2.5%でのゲル化時間を測定した。樹脂濃度5%でのゲル化時間は14時間であり、樹脂濃度2.5%でのゲル化時間は2日であり、実用的に問題のないゲル化速度であった。結果を表2に示す。
【0040】
[実施例6]
合成例6で作製したジアセトンアクリルアミド−メタクリル酸ラウリル共重合変性PVAの10%水溶液20重量部、イオン交換水18重量部及び架橋剤としてエチレンジアミンの5%水溶液2重量部を添加し、よく混合した後、チャック付ポリエチレン製の袋に入れ、20℃で7日間放置し、透明な水性ゲルを作製した。得られた水性ゲルを所定の大きさに切り出し、20℃のイオン交換水に24時間放置し、溶出率を求めた。水性ゲルサンプルの溶出率は、3.8%と低く、耐水性は高かった。
また、合成例6で作製した変性PVAを使用して、樹脂濃度5%、2.5%でのゲル化時間を測定した。樹脂濃度5%でのゲル化時間は12時間であり、樹脂濃度2.5%でのゲル化時間は2日であり、実用的に問題のないゲル化速度であった。結果を表2に示す。
【0041】
[比較例1]
比較合成例1で作製したジアセトンアクリルアミド共重合変性PVAの10%水溶液20重量部、イオン交換水18重量部及び架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液2重量部を添加し、よく混合した後、チャック付ポリエチレン製の袋に入れ、20℃で7日間放置し、透明な水性ゲルを作製した。得られた水性ゲルを所定の大きさに切り出し、20℃のイオン交換水に24時間放置し、溶出率を求めた。水性ゲルサンプルの溶出率は、5.4%であり、実施例と比較して耐水性は低かった。
また、比較合成例1で作製した変性PVAを使用して、樹脂濃度5%、2.5%でのゲル化時間を測定した。樹脂濃度5%でのゲル化時間は2日であり、樹脂濃度2.5%でのゲル化時間は7日であり、比較例に比べると、ゲル化速度は遅かった。結果を表2に示す。
【0042】
[比較例2]
比較合成例2で作製したビニルステアリルエーテル共重合変性PVAの10%水溶液20重量部、イオン交換水18重量部及び架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液2重量部を添加し、よく混合した後、チャック付ポリエチレン製の袋に入れ、20℃で7日間放置したが、ゲル化は起こらず、耐水性試験を行うことができなかった。
また、比較合成例2で作製した変性PVAを使用して、樹脂濃度5%、2.5%でのゲル化時間を測定したが、いずれもゲル化は起こらなかった。結果を表2に示す。
【0043】
[比較例3]
アジピン酸ジヒドラジドを添加しない以外は実施例1と同様にして耐水性試験、ゲル化試験を行ったが、いずれもゲル化しなかった。
【0044】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の水性ゲル組成物は、耐水性が高く、比較的短時間でゲルを製造できるため、硝子体又は人工関節等の生体材料、コンタクトレンズ、ドラックデリバリーシステム、創傷被覆材又は貼布材等の医療材料として、また分離膜、微生物担体、酵素担体等の環境分野で使用されるPVA系水性ゲル組成物として特に有用である。また、本発明の水性ゲル組成物は、農園芸用保水剤、保冷剤、保温剤、消臭剤又は芳香剤等の材料としても有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に(A)ジアセトンアクリルアミド単位及び(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位を含有する変性ポリビニルアルコール系樹脂、架橋剤及び水からなり、該変性ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤が水中で反応していることを特徴とする水性ゲル組成物。
【請求項2】
架橋剤が、分子内に2個以上のヒドラジド基を有する多価ヒドラジド化合物であることを特徴とする請求項1記載の水性ゲル組成物。
【請求項3】
変性ポリビニルアルコール系樹脂の、(A)ジアセトンアクリルアミド単位の含有量が0.1モル%以上15モル%以下であり、(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位の含有量が0.02モル%以上5モル%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性ゲル組成物。
【請求項4】
変性ポリビニルアルコール系樹脂の20℃における4重量%水溶液粘度が50mPa.s以上である請求項1〜3のいずれかに記載の水性ゲル組成物。
【請求項5】
分子内に(A)ジアセトンアクリルアミド単位及び(B)側鎖に炭素数が6以上22以下の長鎖アルキル基を有する単量体単位を含有する変性ポリビニルアルコール系樹脂と、架橋剤とを水中で反応させることを特徴とする、該変性ポリビニルアルコール系樹脂、架橋剤及び水からなる水性ゲル組成物の製造方法。

【公開番号】特開2010−285488(P2010−285488A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138739(P2009−138739)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(594146788)日本酢ビ・ポバール株式会社 (18)
【Fターム(参考)】