説明

水性ジェル状洗浄料

【課題】 この様な状況下為されたものであり、非脂肪酸石鹸を主洗浄成分とする洗浄剤に於いて、洗浄料自身の利用率を高める手段を提供する。
【解決手段】 1)硫酸エステル系アニオン界面活性剤5〜20質量%と2)両性界面活性剤8〜25質量%とを、水性の洗浄料に含有させ、ジェリー状と為す。前記硫酸エステル系アニオン界面活性剤は、ラウリル硫酸エステルの塩が好ましく、前記両性界面活性剤は、ベタイン系界面活性剤及び/又はイミダゾリウム系界面活性剤であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄料に関し、更に詳細にはシャンプー、ボディーシャンプー又はバスバブル(洗浄浴用剤)等の洗浄化粧料に好適な洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
身体を洗浄する洗浄料としては、古くから脂肪酸石鹸が広く使用されてきた。これは、油脂という身近な原料を用いて、アルカリで処理するのみで容易に得られる利点と、温水を使用する限りに於いて、優れた洗浄性が得られるためである。しかしながら、生活ストレスが急増し、化学物質に対して過敏になる傾向にある現代に於いては、脂肪酸石鹸の使用の際に極僅かに残存する脂肪酸を原因とする皮膚炎などが多発するようになっており、洗浄主成分が脂肪酸石鹸より、硫酸系アニオン界面活性剤に推移しつつある。かかる硫酸系アニオン界面活性剤を主洗浄成分とする洗浄剤に主流が移行しつつある。この様な硫酸系アニオン界面活性剤を主洗浄成分とする洗浄剤は、通常は粘性或いは高粘性水溶液の形態を取るが、これは、洗浄箇所への投与に於いて、洗浄剤が的確に広がらずロスしない利点が存するためである。この様な形態に於いては、投与的確性が高まる一方、容器などに残存する洗浄剤の量が多くなる欠点も存した。硫酸系アニオン界面活性剤が脂肪酸石鹸に比して生分解性しにくいことから、この様な洗浄料の残存を少なくさせる、言い換えれば、洗浄料自身の利用率を高める手段の開発が望まれていた。又、非脂肪酸石鹸系の洗浄剤に於いては、ポリオキシエチレン付加型の界面活性剤を併用することが多いが、この様なポリオキシエチレン付加型においては、過敏な肌に於いて刺激を発現する場合が存し、この様な原料は避けた製剤化も望まれている。
【0003】
一方、ジェリー状の洗浄料としては、既に化粧料の分野では多数が知られているが、これらは何れも、付着性の高いものである。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8を参照)
【0004】
ジェリー状の洗浄料において、1)硫酸エステル系アニオン界面活性剤5〜20質量%と2)両性界面活性剤8〜25質量%とを含有するものは全く知られていない。
【0005】
【特許文献1】特開2001−106613号公報
【特許文献2】特開2001−106616号公報
【特許文献3】特表2002−535265号公報
【特許文献4】特開平10−139626号公報
【特許文献5】特開平9−165319号公報
【特許文献6】特開平9−20617号公報
【特許文献7】特開平11−106331号公報
【特許文献8】特開平7−304654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、非脂肪酸石鹸を主洗浄成分とする洗浄剤に於いて、洗浄料自身の利用率を高める手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、非脂肪酸石鹸を主洗浄成分とする洗浄剤に於いて、洗浄料自身の利用率を高める手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)硫酸エステル系アニオン界面活性剤5〜15質量%と2)両性界面活性剤8〜25質量%とを含有する、水性のジェリー状洗浄料がその様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)1)硫酸エステル系アニオン界面活性剤5〜20質量%と2)両性界面活性剤8〜25質量%とを含有する、水性のジェリー状洗浄料。
(2)前記硫酸エステル系アニオン界面活性剤が、ラウリル硫酸エステルの塩であることを特徴とする、(1)に記載のジェリー状洗浄料。
(3)両性界面活性剤が、ベタイン系界面活性剤及び/又はイミダゾリウム系界面活性剤であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のジェリー状洗浄料。
(4)実質的にポリオキシエチレン付加型の界面活性剤を含有しないことを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の洗浄料。
(5)付着性が低いことを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の洗浄料。
(6)付着性の低さの指標が、ガラス瓶に充填し、しかる後、倒立させてガラス瓶より内容物を回収した場合、5分以内に90質量%以上回収できることであることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の洗浄料。
(7)シャンプー、ボディーシャンプー又はバスバブル(洗浄浴用剤)であることを特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の洗浄料。
(8)透明な性状をしていることを特徴とする、(1)〜(7)何れか1項に記載の洗浄料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、非脂肪酸石鹸を主洗浄成分とする洗浄剤に於いて、洗浄料自身の利用率を高める手段を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)本発明の洗浄料の必須成分である硫酸系アニオン界面活性剤
本発明の洗浄料は、硫酸エステル系アニオン界面活性剤を5〜20質量%、より好ましくは6〜15質量%含有することを特徴とする。かかる硫酸エステル系アニオン界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル及び/又はその塩であれば特段の限定無く使用することが出来、該高級アルコールの硫酸エステルとしては、炭素数10〜30の高級アルコールの硫酸エステルが好ましく、例えば、ラウリル硫酸エステル、セチル硫酸エステル、ミリスチル硫酸エステル、ステアリル硫酸エステル、ベヘニル硫酸エステル、オレイル硫酸エステル、イソステアリル硫酸エステルなどが好適に例示できる。特に好ましいものはラウリル硫酸エステルである。又、その塩としては、生理的に許容されるものであれば特段の限定なく使用でき、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。本発明の洗浄料に於いて、かかる成分は唯一種を含有することも出来るし、2種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の洗浄剤に於いては、かかる成分は主たる洗浄成分として働くほか、後記に示す両性界面活性剤とともに働いて、容器内面と親和性の低いジェリーを形成する。この為、本発明の洗浄剤は容器面に付着してロスを生じることを防ぐ作用を有する。又、かかるジェリーは、透明度が高く、美麗であり、外観形態にも優れる。
【0010】
(2)本発明の洗浄料の必須成分である両性界面活性剤
本発明の洗浄料は、必須成分として両性界面活性剤を8〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%含有することを特徴とする。両性界面活性剤としては、化粧料や洗浄料の分野で使用されているものであれば、特段の限定無く使用することが出来、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤、アシルメチルタウリン或いはアミンオキシド系界面活性剤などが好ましく例示でき、イミダゾリン系両性界面活性剤としては、ラウロアンホ酢酸ベタイン、ココアンホ酢酸ベタイン、コオカンホジ酢酸ベタイン、ラウロアンホ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエテルイミダゾリウムベタイン或いはこれらの塩が好ましく例示できる。ベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタインなどが好ましく例示できる。アシルメチルタウリン系の両性界面活性剤としてはラウロイルメチルタウリンなどが好適に例示できる。アミンオキシド系界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキシドなどが好適に例示できる。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。本発明の洗浄料に於いて、より好ましい両性界面活性剤は、イミダゾリン系両性界面活性剤乃至はベタイン系界面活性剤であり、ココアンホ酢酸ナトリウム及び/又はコカミドプロピルベタインが特に好ましく例示できる。本発明の洗浄料に於いて、かかる両性界面活性剤は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。本発明の洗浄料に於いては、かかる両性界面活性剤は洗浄助剤乃至は起泡剤として働くと同時に、前記の硫酸系アニオン界面活性剤とともに働いて、容器内面と親和性の低いジェリーを形成する。この為、本発明の洗浄剤は容器面に付着してロスを生じることを防ぐ作用を有する。又、かかるジェリーは、透明度が高く、美麗であり、外観形態にも優れる。
【0011】
(3)本発明の洗浄剤
本発明の洗浄剤は、前記1)硫酸エステル系アニオン界面活性剤5〜15質量%と2)両性界面活性剤8〜25質量%とを含有し、3)水性のジェリー状の形態であることを特徴とする。本発明の洗浄剤に於いては、その発明の効果を損なわない範囲に於いて、通常洗浄剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)等の硫酸エステル系界面活性剤に分類されないアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。特に好ましいものは、4級窒素原子を含むポリマーである、ポリクオタニウム類である。かかるポリクオタニウム類としては、かかるポリクオタニウム類が既に化粧品原料として市販品が存するので、かかる市販品を購入して利用することが出来る。ポリクオタニウム1(オナマーM;ステパン社製)、ポリクオタニウム2(ミラポールA15;ローヌ・プーラン社製)、ポリクオタニウム4(セルコートLOR;ユニケマ社製)、ポリクオタニウム5(ヘルコフロック849:ヘルクレス社製)、ポリクオタニウム6(アルコフィックス182:住友スリーボンド株式会社製)、ポリクオタニウム7(マーコート550:NALCO社製)、ポリクオタニウム10(レオガードP;ライオン株式会社製)、ポリクオタニウム11(ルビコートPQ11;BASF社製)、ポリクオタニウム14(ジェイフロック;バルカンケミカルス社製)、ポリクオタニウム15(アロンフロックC325:東亜合成株式会社製)、ポリクオタニウム16(ルビコートSC370;BASF社製)、ポリクオタニウム17(ミラポールAD;ローヌ・プーラン社製)、ポリクオタニウム18(ミラポールAZ;ローヌ・プーラン社製)、ポリクオタニウム20(アラトンPQ225;ユニケマ社製)、ポリクオタニウム22(マーコート295;NALCO社製)、ポリクオタニウム24(アメルコールLM200;ダウケミカル社製)、ポリクオタニウム27(ミラポール95;ローヌ・プーラン社製)、ポリクオタニウム28(ガフコートHS−100;ISP社製)、ポリクオタニウム29(レクスコートCH;イノレックス社製)、ポリクオタニウム30(メクソメールPX;CHIMEX社製)、ポリクオタニウム31(ハイパンQT−100;Lipochemical社製)、ポリクオタニウム32(サルケアSC92;チバ・スペシアリティーズ社製)、ポリクオタニウム33(サルケアSC93;チバ・スペシャリティーズ社製)、ポリクオタニウム37(シンタレンCR;3Vシグマ社製)、ポリクオタニウム39(マーコートプラス3330;NALCO社製)、ポリクオタニウム42(アルモブレンNPX;ライオン株式会社製)、ポリクオタニウム44(ルビコート・ウルトラケア;BASF社製)、ポリクオタニウム46(ルビコート・ホールド;BASF社製)、ポリクオタニウム47(マーコート2001;NALCO社製)、ポリクオタニウム51(リピデュアPMB;日本油脂株式会社製)、ポリクオタニウム55(スタイリーゼW20;ISP社製)等が好ましく例示できる。ポリクオタニウム7、ポリクオタニウム9、ポリクオタニウム14、ポリクオタニウム32、ポリクオタニウム37、ポリクオタニウム39、ポリクオタニウム51、ポリクオタニウム55が特に好ましく例示できる。この様なポリクオタニウムは唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の洗浄料に於いては、かかるポリクオタニウム類は、ジェルの構造を強化するとともに、洗浄後、被洗浄対象である、毛髪などのツヤを付与し、洗い上がりを好ましくさせる作用も有する。本発明の洗浄料に於ける、ポリクオタニウム類の好ましい含有量は、総量で0.001〜0.1質量%であり、より好ましくは0.005〜0.05質量%である。これは、少なすぎると効果を奏さない場合が存し、多すぎると効果が頭打ちになり、ジェルの安定性を損なう場合も存するからである。本発明の洗浄剤は、前記必須成分と任意成分とを常法に従って処理することにより製造することが出来る。かくして得られた洗浄剤は、美麗な透明のジェル状を呈し、且つ、ガラス或いはプラスチックとの親和性が低いため、容器を倒立などさせることにより、その殆どの部分を容器より取り出すことが可能であり、実使用効率に優れる特性を有する。更にかかるジェリーは皮膚、毛髪乃至は水分と親和性が良いため、洗浄すべき皮膚や毛髪の局所に広がることなく投与することが可能であるし、例えば、洗浄用の浴用剤とした場合には、バスタブに投入すると、速やかに水と混和し、バブルバスとなる。
【0012】
以下に実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、かかる実施例にのみ、本発明が限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0013】
以下に示す処方に従って、本発明の洗浄剤(ボディーシャンプー)を製造した。即ち、処方成分を80℃加温、可溶化させ、攪拌冷却してジェルを得た。このジェルについて、重さを秤量したガラス瓶(90mlのマヨネーズ瓶)に充填し、秤量した後、10分間倒立させて充填物を取り出し、残存量を計測し、残存率を求めた。比較例1は洗浄料1のラウリル硫酸ナトリウムを全てココアンホ酢酸ナトリウムに置換したものを用い、比較例2は洗浄料1のココアンホ酢酸ナトリウムを全てラウリル硫酸ナトリウムに置換したものを用い他。結果を表1に示す。これより、本発明の洗浄料は実使用での利用率に優れることが判る。
30%ココアンホ酢酸ナトリウム水溶液 表1に記載(単位:質量%)
30%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液 表1に記載(単位:質量%)
1,3−ブタンジオール 5 質量%
【0014】
【表1】

【実施例2】
【0015】
実施例1と同様に下記に示す処方に従って、本発明の洗浄料(シャンプー)を作成した。実施例1と同様に残存率も調べた。
30%コカミドプロピルベタイン水溶液 表1に記載(単位:質量%)
30%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液 表1に記載(単位:質量%)
1,2−ペンタンジオール 4 質量%
ポリクオタニウム39の1%水溶液 1 質量%
【0016】
【表2】

【実施例3】
【0017】
下記処方に従って、実施例1、2と同様に本発明の洗浄剤である、入浴剤(バブルバス:医薬部外品)を作成した。このものの残存率は6.7%であった。
30%コカミドプロピルベタイン水溶液 49 質量%
30%ラウリル硫酸トリエタノールアミン水溶液 49 質量%
カミツレ流エキス 2 質量%
【実施例4】
【0018】
下記処方に従って、実施例3と同様に本発明の洗浄剤である、入浴剤(バブルバス:医薬部外品)を作成した。このものの残存率は6.1%であった。
30%コカミドプロピルベタイン水溶液 49 質量%
30%ラウリル硫酸トリエタノールアミン水溶液 49 質量%
センキュウ流エキス 2 質量%
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、ボディーシャンプー、シャンプー、バブルバスなどの洗浄剤に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)硫酸エステル系アニオン界面活性剤5〜20質量%と2)両性界面活性剤8〜25質量%とを含有する、水性のジェリー状洗浄料。
【請求項2】
前記硫酸エステル系アニオン界面活性剤が、ラウリル硫酸エステルの塩であることを特徴とする、請求項1に記載のジェリー状洗浄料。
【請求項3】
両性界面活性剤が、ベタイン系界面活性剤及び/又はイミダゾリウム系界面活性剤であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のジェリー状洗浄料。
【請求項4】
実質的にポリオキシエチレン付加型の界面活性剤を含有しないことを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の洗浄料。
【請求項5】
付着性が低いことを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の洗浄料。
【請求項6】
付着性の低さの指標が、ガラス瓶に充填し、しかる後、倒立させてガラス瓶より内容物を回収した場合、5分以内に90質量%以上回収できることであることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の洗浄料。
【請求項7】
シャンプー、ボディーシャンプー又はバスバブル(洗浄浴用剤)であることを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の洗浄料。
【請求項8】
透明な性状をしていることを特徴とする、請求項1〜7何れか1項に記載の洗浄料。

【公開番号】特開2006−8728(P2006−8728A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183460(P2004−183460)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】