説明

水溶性接着剤プラスチックフィルムラベル

【課題】耐水性が優れ、シワにならず、カビの発生がまったくなく、容器から素早く離脱され、洗浄費用を節減できる水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルを提供する。
【解決手段】水溶性接着剤プラスチックフィルムラベル100は、ビンやその他のペットボトルなどの容器200に貼付したラベルに、所定温度以上の温水、蒸気、または熱風が加えられることにより収縮する収縮プラスチックフィルム層10、上記の収縮プラスチックフィルム層10の表面に積層し、文字や図形が印刷され、製品を表示する印刷層20、上記の収縮プラスチックフィルム層10の裏面に積層し、上記の収縮プラスチックフィルム層10を容器に付着させる粘着層30が形成され、上記の粘着層30は水溶性接着剤から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルに関するものであり、さらに詳しく説明すると、ビンやその他のペットボトルなどに貼付した収縮ラベルに所定温度以上の温水、蒸気、または熱風を加えることにより収縮する、収縮性のプラスチックフィルム層と水溶性接着剤から成る粘着層で構成され、これにより、耐水性に優れ、シワにならず、カビの発生がまったくなく、容器から素早く離脱され、洗浄費用を節約できる水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的には、ビンやその他の容器に貼付するラベルは、紙、またはビニール材質であり、水溶性粘着材で貼り付けられている(下記特許文献1参照)。
【0003】
容器リサイクル業者は、このような容器を再利用のためにラベルを剥離する際には、容器を温水などに浸して粘着層を温水により溶解させることで、ラベルを除去している。
【0004】
紙材質による従来のラベルは、水分を吸収しやすく、脆弱な耐水性であるため、水、氷、冷蔵保管後にはシワになりやすい。またラベルに取扱者の指紋跡が残りやすく、紙の澱粉成分によってカビが生じやすい。したがって容器を再利用する際のビンの洗浄工程において、ラベルが容器からキレイには剥がれにくく、ラベル及び粘着材が容器表面に残留する場合がある。これを除去するためにさらなる人件費や工程が必要になるという問題点がある。
【0005】
また、上記従来のラベルには、容器からラベルを剥離する際、水溶性の接着材を水に浸して徐々に溶解する方法をとるため、ラベル除去に多くの時間を要するという問題点がある。
【0006】
また、上記従来のラベルには、運送、保管及び陳列過程で雨水や温度差によって発生する水蒸気などの常温の水分により、上記の水溶性粘着材が溶け出し、容器に付着したラベルが剥がれる可能性があり、製品の識別不可や流通期限の確認に支障をきたし、製品イメージや広告効果を低下させるといった問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−211829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した紙ラベルの問題点を解決するため、ビンやその他のペットボトルなどの容器に貼付した収縮ラベルに所定温度以上の温水、蒸気、または熱風を加えることにより収縮する、収縮性のプラスチックフィルム層と水溶性接着剤による粘着層で構成され、耐水性が優れ、シワにならず、カビの発生がまったくなく、容器から素早く離脱され、洗浄費用を節減できる水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、ビンやその他のペットボトルなどの容器に貼付した収縮性のあるラベルに所定温度以上の温水、蒸気、または熱風を加えることにより収縮する収縮プラスチックフィルム層と;上記の収縮プラスチックフィルム層の表面に積層し、文字や図形が印刷され、製品を表示する印刷層と;上記の収縮プラスチックフィルム層の裏面に積層し、上記の収縮プラスチックフィルム層を容器に付着させる粘着層とが形成され、上記の粘着層は水溶性接着剤から成ることを特徴とする。
【0010】
また、上記水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、上記の収縮プラスチックフィルム層と印刷層を保護するためにコーティング層が加わり、上記の収縮プラスチックフィルム層の裏面または上記の印刷層の表面にコーティング層が積層され、又は、上記の収縮プラスチックフィルム層の裏面及び上記の印刷層の表面にコーティング層が積層されることを特徴とする。
【0011】
また、上記水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、上部の上記のコーティング層の表面または下部の上記のコーティング層の裏面でエンボス層が加わって形成されることを特徴とする。
【0012】
一方、本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、ビンやその他のペットボトルなどの容器に貼付した収縮ラベルに所定温度以上の温水、蒸気、または熱風を加えることにより収縮する収縮プラスチックフィルム層と;上記の収縮プラスチックフィルム層の裏面に積層し、文字や図形が印刷され、製品を表示する印刷層と;上記の印刷層の裏面に積層し、上記の印刷層を容器に付着させる粘着層とが形成され、上記の粘着層は水溶性接着剤から成ることを特徴とする。
【0013】
また、上記水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、上記の収縮プラスチックフィルム層と印刷層を保護するためにコーティング層が加わり、上記の収縮プラスチックフィルム層の裏面または上記の印刷層の表面にコーティング層が積層され、又は、上記の収縮プラスチックフィルム層の裏面及び上記の印刷層の表面にコーティング層が積層されることを特徴とする。
【0014】
また、上記水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、上部の上記のコーティング層の表面または下部の上記のコーティング層の裏面でエンボス層が加わって形成されることを特徴とする。
【0015】
また、上記水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルにおいて、上記の水溶性接着剤は、スチレンゴム(SBR)ラテックス40〜50重量部、アクリルエマルジョン35〜45重量部、エチレン酢酸ビニール(EVA)エマルジョン5〜15重量部、水酸化ナトリウム0.5〜1.0重量部、殺菌剤0.05〜0.15重量部、水3.5〜4.5重量部を混合して成ることを特徴とする。
【0016】
また、上記水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルにおいて、上記の水溶性接着剤は、スチレンゴム(SBR)ラテックス40〜50重量部、アクリルエマルジョン45〜55重量部、メチルアルコール0.5〜1.0重量部、水酸化ナトリウム0.5〜1.0 重量部、殺菌剤0.05〜0.15重量部、水3.0〜4.0重量部を混合して成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、所定温度以上の温水、蒸気、または熱風が加えられることにより収縮する収縮プラスチックフィルム層と水溶性接着剤に成る粘着層で構成されている。これにより、耐水性に優れ、シワやカビの発生が一切なく、容器から素早く離脱され、洗浄費用を節減できる効果を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルの使用状態図。
【図2】図2は本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルの他の実施例の断面図。
【図3】図3は本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルの洗浄状態図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照し、本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムから成るラベルについて、詳しく説明する。
【0020】
図1は本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルの使用状態図で、図2は本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルの他の実施例の断面図である。図3は本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルの洗浄状態図である。
【0021】
本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、図1のようにビンやその他のペットボトルなどの容器(200)に貼付したラベル(100)に、所定温度以上の温水、蒸気、または熱風が加えられることにより収縮する収縮プラスチックフィルム層(10);上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の表面に積層し、文字や図形が印刷され、製品を表示する印刷層(20);上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の裏面に積層し、上記の収縮プラスチックフィルム層(10)を容器に付着させる粘着層(30)が形成され、上記の粘着層(30)は水溶性接着剤から成ることを特徴とする。
【0022】
これにより、上記の収縮プラスチックフィルム層は、表面に上記の印刷層が形成されることで、図2の(a)で図示したように表面印刷として構成され、上記のプラスチックフィルム層が裏面になって上記の容器に付着する構成に成る。
【0023】
上記の収縮プラスチックフィルム層は、熱収縮プラスチックフィルムであり、上記の熱収縮プラスチックフィルムとしては、熱収縮PET(Polyethyleneterephthalate)フィルム、熱収縮PVC(Polyvinylchloride)フィルム、熱収縮PS(Poly styrene)フィルム、熱収縮PP(Poly propylene)フィルム、熱収縮PO(Poly olefin)フィルム、熱収縮PE(Poly ethylene)フィルム、そして熱収縮生分解性フィルムとして熱収縮PLA(Poly Lactic Acid)フィルムなど熱収縮の特性を持つすべてのプラスチックフィルム類が使われる。
【0024】
上記の熱収縮PET(Polyethyleneterephthalate)フィルムは、塩素系樹脂を使わないPET(Polyethyleneterephthalate)樹脂で製造されたフィルムである。塩素系樹脂を使わないため焼却時に塩素ガスやダイオキシンを発生させない。発生熱量も他の素材に比べて少ないので、環境に優しいプラスチックフィルムであり、印刷適性、耐溶剤、透明性、そして低温高収縮性の特徴を持っている素材である。
【0025】
上記の熱収縮PP(Polypropylene)フィルムは、プロピレンを重合して得た軽くて成形加工しやすい熱可塑性樹脂であるPP(Polypropylene)で製造されたフィルムである。
【0026】
上記の熱収縮PVC(Polyvinylchloride)フィルムは、塩化ビニールの単独重合体及び塩化ビニールを50%以上含んだ共重合体からなるPVC(Polyvinylchloride)で製造されたフィルムである。
【0027】
上記の熱収縮PS(Polystyrene)フィルムは、高分子化合物としてベンゼンとエチレンから得ることができ、電気絶縁性、透明性、成形性が良いPS(Polystyrene)で製造されたフィルムである。
【0028】
また、上記の収縮プラスチックフィルム層の表面に積層される上記の印刷層は、文字や図形が印刷され容器の内容物と関わる事項、広告及び警告文などが印刷され、製品を広報する機能を持つ。文字や図形はグラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、ドッパン印刷(FLEXO 印刷、LETTER PRESS 印刷)または紫外線硬化型印刷技法などによって印刷することができる。
【0029】
また上記の粘着層は、上記の収縮プラスチックフィルム層の裏面に積層され、本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルが、上記の容器に密着されて貼付するようにする。上記の粘着層は、水溶性接着剤から成るものの、その付着強度については上記の収縮プラスチックフィルムの収縮力より強いものであってはならない。また、常温においての剥離を回避するために、常温水に浸して72時間以内の非剥離を基準とする。
【0030】
上記の水溶性接着剤は、スチレンゴム(SBR)ラテックス40〜50重量部、アクリルエマルジョン35〜45重量部、エチレン酢酸ビニール(EVA)エマルジョン5〜15重量部、水酸化ナトリウム0.5〜1.0重量部、殺菌剤0.05〜0.15重量部、水3.5〜4.5重量部を混合して成ることを特徴とする。
【0031】
また、上記の水溶性接着剤は、スチレンゴム(SBR)ラテックス40〜50重量部、アクリルエマルジョン45〜55重量部、メチルアルコール0.5〜1.0重量部、水酸化ナトリウム0.5〜1.0重量部、殺菌剤0.05〜0.15重量部、水3.0〜4.0重量部を混合して成ることを特徴とする。
【0032】
これによると、上記の水溶性接着剤が上記の粘着層を構成する。上記のスチレンゴム(SBR)(SBR,Styrene-Butadiene-Rubber)ラテックス(Latex)は、合成ゴムとして上記の水溶性接着剤の主原料になる。
【0033】
上記のアクリルエマルジョン(Acrylic Emulsion)は、アクリルモノマーと乳化剤そして重合開始剤を反応器で反応させてポリマーに作ったもので、上記のアクリルエマルジョンは上記の水溶性接着剤の構成成分のバインダーの役割をする。
【0034】
上記のエチレン酢酸ビニールエマルジョン(Ethylene-Vinyl-Acetate Emulsion)は、エチレンと酢酸ビニール共重合体のエマルジョンとして、高圧付加重合によって生産され、エチレン含有量5〜30%であるのが塗料用として使われる。ポリエチレンの特徴である柔軟性、耐候性と酢酸ビニールの極性物質との親和性を共有していて、酢酸ビニールエマルジョンより耐アルカリ性、顔料固着力、耐候性が良好で酢酸アクリル共重合エマルジョンより優秀な物性を持っている。
【0035】
上記のアクリルエマルジョン(Acrylic Emulsion)とエチレン酢酸ビニールエマルジョン(Ethylene-Vinyl-Acetate Emulsion)は、上記のアクリルエマルジョン(Acrylic Emulsion)と上記のメチルアルコール(Methyl Alcohol)の組み合わせによって同じ特性及び効果を得ることができる。
【0036】
上記の水酸化ナトリウム(Sodium Hydroxide)は、金属ナトリウムの水酸化物として潮解性と腐食性が強く、水とアルコールによく溶ける特性を持ち、強い潮解性によって上記の本発明による水溶性接着剤は、洗浄工程でラベルが容器からの剥離を促進させる役割をする。
【0037】
すなわち、ある物質が最もよく親和されるためにはお互いに性質が似ていることが必要である。水は水素イオン(H+)と水酸基(OH-)を持っていて、水酸化ナトリウムはNa+OH-として水酸基(OH-)を持っている。したがって、ナトリウム(Na)は水酸基(OH-)と結合しようとする意味になり、それに電気陰性度が大きいナトリウムは、とても強烈に水酸基(OH-)を引き寄せるので水のような物質を強く引き寄せて自ら固体から液体になるまで上記のような作用をする。
【0038】
上記の殺菌剤(Fungicide)は、カビの除去のために全体に上記の水溶性接着剤重量に比べて極めて微量を添加するだけで充分である。
【0039】
また、本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、図2の(a)で図示したように、上記の収縮プラスチックフィルム層(10)と印刷層(20)を保護するためにコーティング層(40)がさらに加わり、又は上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の裏面または上記の印刷層(20)の表面にコーティング層(40)が積層され、又は上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の裏面及び上記の印刷層(20)の表面にコーティング層(40、40')が積層されることを特徴とする。
【0040】
これによって上記のコーティング層によって上記の印刷層にプリントされた印刷内容が削られたり消されることを防止し、上記の収縮プラスチックフィルム層が削られて損傷されることを防止することができる。
【0041】
また、本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、図2の(a)で図示したように上部の上記のコーティング層(40)の表面または下部の上記のコーティング層(40')の裏面にエンボス層(50)がさらに加わり形成されることを特徴とする。
【0042】
これによって上記の水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、一枚ずつ形成され、これらを積層した場合、お互いに密着されてしまうことで、一枚ずつの使用に不便をきたす。これに上記のような凸凹のエンボス層を形成することで、空気を内包するためお互いを分離させ使用を容易にすることができる。
【0043】
一方、本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、ビンやその他のペットボトルなどの容器に付着したラベルに、所定温度以上の温水、蒸気、または熱風が加えられることにより収縮する収縮プラスチックフィルム層(10);上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の裏面に積層し、文字や図形が印刷され、製品を表示する印刷層(20);上記の印刷層の(20)の裏面に積層し、上記の印刷層(20)を容器に付着させる粘着層(30)が形成され、上記の粘着層(30)は水溶性接着剤として成ることを特徴とする。
【0044】
これにより、上記の収縮プラスチックフィルム層は、裏面に上記の印刷層を形成することで、図2の(b)で図示したように裏面印刷として構成され、上記の印刷層が裏面になって上記の容器に接着する構成となる。
【0045】
その他の構成としては、上記の表面印刷で構成される場合と同じで、裏面印刷が施されることで別に上記のコーティング層のような保護手段を取らなくても上記の収縮プラスチックフィルム層によって上記の印刷層に形成された印刷内容の削れ・剥がれを防止する。
【0046】
また、本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、図2の(b)で図示したように、上記の収縮プラスチックフィルム層(10)と印刷層(20)を保護するためにコーティング層(40)がもっと加わり、上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の表面または上記の印刷層(20)の裏面にコーティング層(40)が積層され、上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の表面及び上記の印刷層(20)の裏面にコーティング層(40、40')が積層されることを特徴とする。
【0047】
これによって上記のコーティング層によって上記の印刷層に形成された印刷内容が削られたり擦れるのが防止され、上記の収縮プラスチックフィルム層が削られ損傷することを防止できる。
【0048】
また、本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、図2の(b)で図示したように上部の上記のコーティング層(40)の表面または下部の上記のコーティング層(40')の裏面にエンボス層(50)がさらに加わり形成されることを特徴とする。
【0049】
これによって上記の水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルは、一枚ずつ形成され、これらを積層した場合、お互いに密着してしまい、一枚ずつの使用に不便をきたす。これに上記のような凸凹のエンボス層を形成することで、空気を内包するためお互いを分離させ使用を容易にすることができる。
【0050】
上記のように一張りの構成外に本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルをロール型に巻き取り、上記の粘着層の裏面に別の保護フィルムを形成する構成も可能である。
【実施例】
【0051】
以下、本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルの実施例を通じて更に詳しく説明する。しかし実施例は本発明を例示するためであり、本発明が実施例によって限定されるものではない。
【0052】
図2の(a)で図示したように表面印刷で構成している収縮プラスチックフィルム層は、熱収縮 PET(Polyethyleneterephthalate)フィルムにする。上記の収縮プラスチックフィルム層の表面に容器の内容物と関わる事項、広告及び警告文などをグラビア印刷技法で印刷し印刷層を形成した。上記の収縮プラスチックフィルム層の裏面に上記の水溶性接着剤で構成される粘着層を形成して製造した。
【0053】
上記の水溶性接着剤は、スチレンゴム(SBR)ラテックス45重量部、アクリルエマルジョン40重量部、エチレン酢酸ビニール(EVA)エマルジョン10重量部、水酸化ナトリウム0.8重量部、殺菌剤0.1重量部、水4.1重量部を混合して製造した。
【0054】
上記のように製造された本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルを、ガラスビン(焼酒ビン)にラベリング(Labeling)したが、このための装置は別途の設備補完なしで既存の水溶性接着剤ラベラー(Labeler)を使用した。
【0055】
(実験例)
上記の実施例で製造してガラスビンに貼付した本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルについて、その状態を観察するとともに、温水を使用してガラスビンから剥がす洗浄実験を行った。
【0056】
(1.容器貼付時の状態)
従来の紙ラベルと比べて耐水性に優れ、水分の吸収がなく、水、氷と接触時、また冷蔵保管後にもシワがまったく寄らなかった。また、ラベル取扱者の指紋跡が残らず、カビ発生の原因となる澱粉が存在する紙ラベルとは違うため、カビは一切発生せず、紙ラベルとは違ってラベルから異物混入がない。
【0057】
(2.洗浄)
本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルを、容器から剥離するために
80〜85℃の温水を加えた時、図3で図示したようにラベルは縦方向、横方向に収縮しながら 30秒以内に剥がれるのを確認した。
【0058】
以上は、本発明による水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルを用いた実施例である。本発明は上記の実施例に限らず、本発明の要旨から逸脱しない範囲で条件を変更しても、本発明の属する技術の分野で通常の知識を有する者なら誰もが実施可能である。
【符号の説明】
【0059】
10…プラスチックフィルム
20…印刷層
30…粘着層
40、40'…コーティング層
50…エンボス層
100…水溶性接着剤プラスチックフィルム
200…焼酎ビン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビンやその他のペットボトルなどの容器に貼付した収縮ラベルに、所定温度以上の温水、蒸気、または熱風が加えられることにより収縮する収縮プラスチックフィルム層(10)と;
上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の表面に積層し、文字や図形が印刷され、製品を表示する印刷層(20)と;
上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の裏面に積層し、上記の収縮プラスチックフィルム層(10)を容器に付着させる粘着層(30)が形成され;
上記の粘着層(30)は水溶性接着剤から成ることを特徴とする水溶性接着剤プラスチックフィルムラベル。
【請求項2】
請求項1記載の水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルにおいて、
上記の収縮プラスチックフィルム層(10)と印刷層(20)を保護するためにコーティング層(40)が加わり、上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の裏面または上記の印刷層(20)の表面にコーティング層(40)が積層され、又は上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の裏面及び上記の印刷層(20)の表面にコーティング層(40、40')が積層されることを特徴とする水溶性接着剤プラスチックフィルムラベル。
【請求項3】
請求項2記載の水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルにおいて
上部の上記のコーティング層(40)の表面または下部の上記のコーティング層(40')の裏面でエンボス層(50)が加わって形成されることを特徴とする水溶性接着剤プラスチックフィルムラベル。
【請求項4】
ビンやその他のペットボトルなどの容器に貼付した収縮ラベルに所定温度以上の温水、蒸気、または熱風が加えられることにより収縮する収縮プラスチックフィルム層(10)と;
上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の表面に積層し、文字や図形が印刷され、製品を表示する印刷層(20)と;
上記の印刷層(20)の裏面に積層し、上記の印刷層(20)を容器の付着させる粘着層(30)が形成され;
上記の粘着層(30)は水溶性接着剤から成ることを特徴とする水溶性接着剤プラスチックフィルムラベル。
【請求項5】
請求項4記載の水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルにおいて
上記の収縮プラスチックフィルム層(10)と印刷層(20)を保護するためにコーティング層(40)が加わり、上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の裏面または上記の印刷層(20)の表面にコーティング層(40)が積層され、又は、上記の収縮プラスチックフィルム層(10)の裏面及び上記の印刷層(20)の表面にコーティング層(40、40')が積層されることを特徴とする水溶性接着剤プラスチックフィルムラベル。
【請求項6】
請求項5記載の水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルにおいて
上部の上記のコーティング層(40)の表面または下部の上記のコーティング層(40')の裏面でエンボス層(50)が加わって形成されることを特徴とする水溶性接着剤プラスチックフィルムラベル。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルにおいて、
上記の水溶性接着剤は、スチレンゴム(SBR)ラテックス40〜50重量部、アクリルエマルジョン35〜45重量部、エチレン酢酸ビニール(EVA)エマルジョン5〜15重量部、水酸化ナトリウム0.5〜1.0重量部、殺菌剤0.05〜0.15重量部、水3.5〜4.5重量部を混合して成ることを特徴とする水溶性接着剤プラスチックフィルムラベル。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の水溶性接着剤プラスチックフィルムラベルにおいて、
上記の水溶性接着剤は、スチレンゴム(SBR)ラテックス40〜50重量部、アクリルエマルジョン45〜55重量部、メチルアルコール0.5〜1.0重量部、水酸化ナトリウム0.5〜1.0 重量部、殺菌剤0.05〜0.15重量部、水3.0〜4.0重量部を混合して成ることを特徴とする水溶性接着剤プラスチックフィルムラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−118340(P2011−118340A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95763(P2010−95763)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(510039297)株式会社ユニシア (2)
【Fターム(参考)】