説明

水素化スズの供給方法および供給装置

【課題】 簡易な構成によって、充填容器から安全かつ効率よく供給するとともに、簡便な処理と優れた操作性を有する水素化スズの供給方法および供給装置を提供すること。
【解決手段】 水素化スズが充填された所定容器1、所定容器1から水素化スズガスの供給を受けるプロセス装置2と、プロセス装置2と所定容器1を接続する配管部3と、配管部3に設けられた圧力調整器R・圧力検出器P1〜P3・マスフローコントローラMのいずれかまたはそのいくつかと、配管部3にパージガスを供給するパージガス供給装置5と、パージガス供給装置5からのパージガス流路6a〜6cおよび配管部3との接続部を有するパージガス配管部6と、前記各部の動作を制御管理する制御部4からなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素化スズの供給方法および供給装置に関するもので、例えば、半導体導電膜形成用原料ガス供給装置や紫外発光装置プラズマ用ガス供給装置等に用いる水素化スズの供給方法および供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水素化スズは、一時期アモルファスシリコンを用いた積層型太陽電池あるいは透明電導膜の原料として注目されたことがあった。一方、水素化スズ(スタンナン)は、不安定な物質で、これを常温で容器に充填して保存した場合、充填した水素化スズが非常に短期間で分解してしまうことから、水素化スズを耐圧容器に貯蔵あるいはこれを運搬することができず、使用する際には、製造しながら貯留せずに使用するか、あるいは容器に充填後、−30℃程度に冷却しておいた場合であっても短時日の間に消費しなければならず、極めて取扱いが困難であった。そこで、こうした課題を含め、水素化スズの供給方法や利用方法など多面的な研究開発が行われ、その供給方法や安定化方法についてのいくつかの提案があった(例えば特許文献1または2参照)。
【0003】
例えば、放電極端紫外光発光装置における液化モノスタナン容器からプラズマ生成部へのSnHガスの供給流量を一定にし、EUV出力を安定化することを課題として、図6に示すような、水素化スズの供給方法が提案されている。具体的には、配管104に流量計114を設けて、該流量計114でプラズマ生成部103へのSnHガスの供給流量を計測する。流量計114の出力信号を制御部115に入力し、制御部115によりバルブ110の開度を調整し、液化モノスタナン容器101に巻かれたガスパイプ109に流すガス108の流量を調整する。液化モノスタナン容器101内で液化SnH102が蒸発するときに気化熱を奪うが、上記構成とすることにより、液化SnH102の温度が調整され、SnHガスのプラズマ生成部103への供給量を一定に制御することができる。このとき、SnHガスは、液化モノスタナン容器101内の液化SnH102がSnHガス空間Aに蒸発して得られる。SnHガス空間AのSnHガスの圧力は液化SnHの蒸気圧であり、液化SnH102の温度で決まる。SnHガス空間AにおけるSnHガスの圧力が26kPa程度以上であるとSnHガスの分解が無視できなくなるので、液化SnHの温度を蒸気圧が26kPa未満である−75℃未満に保つことが必要である(特許文献1参照)。
【0004】
また、水素化スズを容器に充填して−30℃程度に保持しておいた場合、容器の表面の状態、材料、あるいは光照射の強弱等により若干の差はあるものの、いずれの場合においても充填した水素化スズのほとんどが数日で分解してしまうことから、水素化スズの安定化方法として、水素化スズを容器に充填し、容器内の温度を−150℃ないし−70℃に保持することが提案されている。具体的には、ガラスやアルミニウム合金あるいはステンレス鋼(SUS316やSUS304)について実験し、下表1(水素化スズの80%分解に要する日数)および下表2(−78℃における20日後の分解率)のような結果が示されている(特許文献2参照)。
【表1】

【表2】

【0005】
【特許文献1】特開2006−261294号公報
【特許文献2】特開昭60−42203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、水素化スズは、極めて反応性の高い毒性・可燃性の液化ガスであり、低温を維持する必要のある従来の供給プロセスでは、以下のような課題があった。
(i)充填容器および供給配管を−150℃〜−75℃の範囲で温度制御する場合、液化ガスである水素化スズの供給圧力はそれ自身の蒸気圧となり、大気圧以下であるため、真空下でしかガスを供給することができない。
(ii)また、供給側(充填容器)の圧力が非常に低いため、大流量で安定したガスを供給することが困難であった。つまり、供給側と受給側(プロセス装置側)の差圧が非常に小さく、一般的に流量を制御するために用いられるマスフローコントローラにおける正常動作差圧(300kPa)以下になるため、流量制御が困難であった。
(iii)真空下で水素化スズを供給する場合、後述するように、真空システムおよび極低温システムを構築するための経済的負担が大きい。
(iv)図6のようなガスパイプを用いた温度制御においては、ガスの熱容量が小さいことから充填容器内部の水素化スズあるいは流路の低温維持が難しく、特に供給流量が大きい場合には、温度制御システムの負担が大きくなる。
【0007】
こうした温度制御以外にも、水素化スズの特性から、以下のような課題があった。
(v)後述するように、検証過程において、水素化スズの分解によってスズが生成した場合、そのスズの存在によってさらに水素化スズの分解が加速されるとの知見を得た。つまり、供給流路に微量でもスズが発生した場合、そのスズの成長によって流路が閉塞する可能性があり、水素化スズの供給システムの停止や保守時には、供給流路を不活性ガスによるパージが不可欠となる。しかしながら、流量や圧力を調整する手段が供給流路に設けられた場合、その内部構造の複雑さから完全なパージを行うことが難しく、特にマスフローコントローラや圧力調整器はその内部構造の複雑さから困難性が高いことから、従前の方法では十分にパージできない可能性がある。
(vi)一方、現段階での水素化スズの実用性の点において、太陽電池や透明電導膜等の用途については、他の優れた技術の進展によって、現状未だ実用化がされない状況にある。
(vii)さらに、こうした状況に関連して、実用可能な具体的な水素化スズの供給方法や供給装置に関する情報は非常に乏しく、その資料はほとんど見当たらない。
(viii)その一方、昨今例えば、半導体導電膜形成用原料ガス供給装置や紫外発光装置プラズマ用ガス供給装置等において、水素化スズの有用性が見出され、こうした用途への需要が増大し、その供給方法や供給装置の簡便性や操作性の改善が要請されている。
【0008】
本発明の目的は、例えば、半導体導電膜形成用原料ガス供給装置や紫外発光装置プラズマ用ガス供給装置等に用いる水素化スズを、簡易な構成によって、充填容器から安全かつ効率よく供給するとともに、簡便な処理と優れた操作性を有する水素化スズの供給方法および供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示す水素化スズの供給方法および供給装置によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】
本発明は、所定容器に充填された水素化スズをプロセス装置に供給する水素化スズの供給方法において、前記所定容器の内部および該所定容器から前記プロセス装置までの流路を樹脂コーティングするとともに、該流路の温度を水冷温度(10℃)以下水素化スズの沸点以上の温度範囲に保持することを特徴とする。
【0011】
水素化スズは、極めて反応性が高く、既述の文献においても−70〜−150℃に維持することが必要であるとされている(特許文献2:請求の範囲の記載参照)。本発明者の検証においても、後述するように同様の結果が得られたが、その一方新たな知見を得ることができた。つまり、水素化スズの分解に起因するファクタとして、温度、圧力、表面の3つがあり、できるだけ高い温度・圧力条件で分解を抑制するためには、表面での分解反応を抑えるための皮膜を形成する必要がある。また、通常使用される配管あるいは容器の素材(例えばステンレス鋼などの接ガス材料をいう)では、その表面反応によって容易に分解され(ここでは「一次反応」という)、その分解生成されたスズの存在によって、さらにその分解反応が加速する(ここでは「二次反応」という)との知見を得た。従って、分解反応を低減するには、こうした一次反応を抑制することが非常に重要であり、検証過程において、接ガス材料の表面、つまり所定容器の内部および該所定容器からプロセス装置までの流路を樹脂コーティングすることによって大幅に分解反応を低減することが可能となった。さらに、こうした機能は低温ほど高く、温度制御が容易な10〜−50℃の温度での温度範囲に保持することによって、簡易な構成によって、簡便な処理と優れた操作性を有する水素化スズの供給方法を構成することが可能となった。また、大気圧以上でガスを供給することができるため、真空下でなくてもガスを供給することが可能となり、安定した圧力条件で供給することができる。
【0012】
本発明は、上記水素化スズの供給方法であって、前記所定容器からの水素化スズの供給操作において、予め前記流路を減圧状態とし、前記所定容器内の水素化スズの温度を徐々に上昇させ、水冷温度以下水素化スズの沸点以上の温度まで上げて蒸気圧を上昇させ、前記プロセス装置の内部圧力との圧力差によって水素化スズを移送することを特徴とする。
【0013】
所定容器に充填された低蒸気圧の液化ガスを供給する方法として、キャリアガスに同伴させる方法がある。しかし、半導体導電膜形成用原料ガス供給装置や紫外発光装置プラズマ用ガス供給装置等においては、キャリアガスの混入を排除する必要がある。本発明は、こうした要請に適用できる水素化スズの供給方法を提供するもので、減圧条件下で、所定容器に充填された水素化スズを徐々に加熱してその蒸気圧を上昇させ、プロセス装置の内部圧力との圧力差を移送の推進力とすることによって、徐々に拡大する蒸気圧の差に応じた水素化スズの移送を可能とする。このとき、温度上昇に伴う水素化スズの分解を生じないことがその前提となるもので、上記のように樹脂コーティングを行うことによって、水冷温度以下水素化スズの沸点以上の温度範囲において、水素化スズの分解を生じることなく、十分な蒸気圧(10℃において980kPa‐abs)を確保することができる。これによって、安全かつ非常に生産効率の高い水素化スズの供給方法を提供することが可能となった。
【0014】
本発明は、上記水素化スズの供給方法であって、内部に冷媒を循環的に流通させる熱伝導管によって前記所定容器および前記流路を連続的に周回させるとともに、所定容器および前記流路を水冷温度以下水素化スズの沸点以上の温度範囲に保持しつつ、前記所定容器の内部圧力を指標として循環冷媒の流量を制御することを特徴とする。
【0015】
水素化スズの移送においては、その流路での温度制御が非常に重要となる。特に、局部的な高温箇所の存在は、そこでの水素化スズの分解に伴うスズの発生、さらにこれを起因とする更なる分解の発生を生じることとなる。また、所定容器は交換を伴うことが多く、こうした処理への対応も重要となる。検証の結果、既述のような所定容器にガスパイプを周回し低温を保持する方法や従前のような所定容器を冷媒槽に浸漬させる方法においては、配管部において局部的に温度上昇が生じるおそれがあることや、所定容器と配管部の温度制御が非連続であり、各制御温度幅の相違によって温度境界域が生じることによって、水素化スズの分解が発生するおそれがあった。本発明は、内部に冷媒を循環的に流通させる熱伝導管を連続的に配管部まで周回させることによって、間断なく温度制御することができ、こうしたおそれを回避することができる。また、周回された熱伝導管は、それ自体が各部の断熱層の機能を形成することができ、一層安定した温度を維持することができる。従って、従前にない優れた温度制御を行うことができる。こうした安定な温度条件の基で所定容器の内部圧力を指標として循環冷媒の流量を制御することによって、安定した圧力条件で水素化スズを供給することが可能となる。
【0016】
本発明は、上記水素化スズの供給方法であって、前記流路に設けられた圧力調整器・圧力検出器・流量調整器・流量検出器のいずれかまたはそのいくつかの前後から、流量条件および圧力条件の異なる不活性ガスを供給することによって、前記流路のパージ処理を行うことを特徴とする。
【0017】
既述のように、水素化スズの供給システムにおいては、配管部のパージは不可欠である一方、供給量を制御するための種々の調整器やモニタが配管部に設けられる。これらの機器の多くはその内部に凹凸部を有し、一方向からのパージのみではその溜まりを十分パージすることが難しく、圧力調整器やマスフローコントローラなどの樹脂コーティングが困難な箇所には、水素化スズが分解して生じる金属スズ(Snパーティクル)が付着することがある。本発明は、機器の前後から不活性ガスを供給できる構成とするとともに、その前後の流量や圧力等を異なるパージ条件とすることによって、こうした溜まりをも十分パージし、Snパーティクルの清浄化を可能としたものである。これによって、溜まりやSnパーティクルの残留を防止し、かかる部分での水素化スズの分解の発生の可能性を未然に排除することができる。
【0018】
本発明は、水素化スズが充填された所定容器、該所定容器から水素化スズガスの供給を受けるプロセス装置と、該プロセス装置と所定容器を接続する配管部と、該配管部に設けられた圧力調整器・圧力検出器・流量調整器・流量検出器のいずれかまたはそのいくつかと、前記配管部にパージガスを供給するパージガス供給装置と、該パージガス供給装置からのパージガス流路および配管部との接続部を有するパージガス配管部と、前記各部の動作を制御管理する制御部からなる水素化スズの供給装置において、
前記所定容器の内部および前記配管部が樹脂コーティングされるとともに、前記所定容器および前記配管部が水冷温度以下水素化スズの沸点以上の温度範囲に制御されることを特徴とする。
【0019】
水素化スズの供給装置においては、所定容器に充填された水素化スズの移送推進力となる所定の蒸気圧と変質・分解のない安定した移送が必要となる。本発明は、水素化スズの極めて反応性の高い特性を検証した結果、これらの要請を充足する条件として、所定容器の内部およびプロセス装置までの配管部の内部を樹脂コーティングし、かつこれらを適正な温度範囲に制御することによって、簡易な構成によって、優れた操作性を有し、安全かつ非常に生産効率の高い水素化スズの供給装置を提供することが可能となった。
【0020】
本発明は、上記水素化スズの供給装置であって、前記所定容器および前記配管部を連続的かつ周回状に配設した熱伝導管と、該熱伝導管の内部に前記温度範囲に温度調整された冷媒を供給するチラーと、該チラーと前記熱伝導管を循環的に接続する冷媒用導管を有することを特徴とする。
【0021】
こうした構成を有することによって、所定容器から配管部を経由してプロセス装置までの経路を、連続的にかつ一定の範囲内に制御された温度に維持することが可能となる。特に熱伝導管を周回状に配設することによって、所定容器および配管部との間に直接的な熱交換をするとともに、外部に対する断熱機能を形成することが可能となる。また、チラーからの冷媒を所定容器から配管部に供給することによって、上流から下流に対して徐々に僅かな温度上昇勾配を形成することができ、配管内部での凝縮を防止することができる。従って、特別な冷凍機等を必要とせずに、従前にない効率的な温度制御された水素化スズの供給装置を構成することが可能となった。
【0022】
また、本発明は、上記水素化スズの供給装置であって、前記圧力調整器・圧力検出器・流量調整器・流量検出器のいずれかまたはそのいくつかの前後の前記配管部にパージ流路を接続するとともに、該パージ流路との接続部と前記プロセス装置との間の配管部に複数のフィルタからなるフィルタ部およびその下流に圧力計を配設することを特徴とする。
【0023】
上記のように、水素化スズの分解を防止する観点からも配管部のパージは、重要な機能である。本発明は、さらにパージしたSnパーティクル等をインラインでトラップするためにフィルタを設け、かつその後段に圧力計を設置してフィルタ背圧をモニタリングすることによって、適切な交換時期でフィルタを交換できる構成としたものである。また、複数のフィルタを並列に設けることによって、水素化スズが供給された状態においてもその供給を止めることなくSnパーティクル等を除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ここでは、水素化スズが充填された所定容器、該所定容器から水素化スズガスの供給を受けるプロセス装置と、該プロセス装置と所定容器を接続する配管部と、該配管部に設けられた圧力調整器・圧力検出器・流量調整器・流量検出器のいずれかまたはそのいくつかと、配管部にパージガスを供給するパージガス供給装置と、該パージガス供給装置からのパージガス流路および配管部との接続部を有するパージガス配管部と、各部の動作を制御管理する制御部から構成され、所定容器の内部および配管部が樹脂コーティングされるとともに、所定容器および配管部が水冷温度(10℃)以下水素化スズの沸点以上の温度範囲に制御される水素化スズの供給装置を基本とする。ここで、「プロセス装置」は、水素化スズの消費設備である半導体製造装置や紫外発光装置プラズマ装置等の各種のプロセス装置をいう。また、「配管部」は、充填容器からプロセス装置までの配管およびこれらに配設される開閉弁や圧力計等を含む。
【0025】
<本発明に係る水素化スズの供給装置の基本構成例>
図1は、本発明に係る水素化スズの供給装置(以下「本装置」という)を例示する概略図である。本装置は、水素化スズを充填された充填容器1(所定容器に相当する)と、水素化スズガスの供給を受けるプロセス装置2と、充填容器1とプロセス装置2を接続する配管部3と、配管部3に設けられた圧力調整器R,圧力検出器P1〜P3,マスフローコントローラM(流量調整器および流量検出器に相当する)と、各部の動作を制御管理する制御部4から構成される。充填容器1に充填された水素化スズが加温され、所定の蒸気圧を有して配管部3に送気されるとともに、圧力および流量が調整されてプロセス装置2に供給される。
【0026】
また、配管部3をパージするための、パージガス供給装置5と、パージガス流路6a〜6cおよび配管部3との接続部を有するパージガス配管部6と、該接続部とプロセス装置2との間に設けられた複数のフィルタ7a,7b,7c・・からなるフィルタ部7が配設される。窒素やヘリウムあるいはアルゴン等の不活性ガスが所定の圧力に調整されてパージガス供給装置5から供出され、圧力調整器RおよびマスフローコントローラMの両端から供給できるようにして、配管部3全体をパージし、Snパーティクル等をフィルタ部7によってインラインでトラップする。
【0027】
さらに、充填容器1と配管部3を所定の温度範囲に制御するために、充填容器1および配管部3を連続的かつ周回状に配設した熱伝導管8と、熱伝導管8の内部に冷媒を供給するチラー9と、チラー9と熱伝導管8を循環的に接続する冷媒用導管9aが配設される。冷媒の流量は、冷媒用流量計9bによってモニタされる。熱伝導管8は、充填容器1に設けられた熱伝導管8aと配管部3に設けられた熱伝導管8bからなり、熱伝導管8aから熱伝導管8bへ温度制御された冷媒が連続的に供給される。熱伝導管8aが周回された充填容器1は、さらにその外周を保冷ジャケット1aによって覆うことによって保冷機能を高めている。
【0028】
こうした水素化スズの供給機能および流通系の温度は制御部4によって制御管理され、各構成要素の容量や供給される反応液あるいはキャリアガスなどの流量は要求される仕様によって任意に選択される。また、本装置を構成する充填容器1、配管部3、圧力調整器R,圧力検出器P1〜P3,マスフローコントローラMあるいは開閉弁等の接ガス部は、全て耐圧性・耐低温性に優れたステンレス鋼で構成することが好ましい。なお、本装置においては、充填容器1内部の水素化スズの蒸気圧とプロセス装置2導入部の減圧による圧力差によって水素化スズを供給するため、供給用のポンプ等の送気手段を構成要素としていないが、送気用あるいはその補助用として用いることも可能である。
【0029】
〔水素化スズの特性と温度制御について〕
水素化スズは、反応性の高い液化ガスであり、水素化スズの分解を防止し安定したガスとして供給するためには、低温でのガスの供給を行う必要がある。このとき、供給システムを構成する上において、安定的に低温を維持する方法が課題となる。つまり、10〜−50℃の温度範囲であれば、水やアンモニア等の冷媒を用いることによって比較的容易に低温を維持することができるが、それ以下の温度範囲については、別途の設備を必要とする。例えば、−75℃以下に保冷できる一般的な冷媒としては、ドライアイスと液体窒素が知られているが、
(i)ドライアイスの場合、昇華点が−78℃であるため昇華し続けるドライアイスで常に−75℃以下を保持するためには大量のドライアイスが必要である。また、ドライアイスは固体であるため、長く複雑な形状の供給配管全体を均一に保冷するのは非常に困難を伴う。
(ii)液体窒素の場合、扱い易い液体であるが沸点が−196℃であるため、液体窒素で−150〜−75℃に温度制御する為にはヒータ等の付帯設備あるいは液体窒素の継続的な供給と停止を繰り返すことが別途必要となり制御が複雑となる。
【0030】
また、水素化スズは、下表3のような蒸気圧特性を有する物質であり、低温供給の場合には、その蒸気圧の低さが供給システムを構成する上において課題となる。
【表3】

【0031】
本発明は、こうした制御が困難な低温領域を回避し、かつガス状での送気が可能な低温領域を選択できる手段を検証したもので、上記のように、充填容器1の内部を含む流路を樹脂コーティングすることによって、水素化スズが分解する温度条件を高温領域に移動させることができることの知見を利用して、水素化スズの供給に必要な蒸気圧を確保したものである。
【0032】
水素化スズを充填する充填容器1は、常設であって外部から供給用ガスを定期的に充填されるものや、容器ごと搬送される圧力容器など特に制限はない。ただし、後述するように、所定期間保管する必要がある場合には、その安定性を確保するために、水素化スズの融点以下の温度領域で制御された貯蔵設備に保管し、充填された水素化スズを固体化して保存することが好ましい。
【0033】
本装置は、充填容器1および配管部3の内部を樹脂コーティングすることを特徴とする。つまり、水素化スズの分解に起因するファクタとして、温度、圧力、表面の3つがあり、できるだけ高い温度・圧力条件で分解を抑制するためには、表面での分解反応を抑えるための皮膜を形成する必要がある。例えば、耐圧性・耐低温性に優れたステンレス鋼などを用いた場合、水素化スズとの間において、以下の反応が進行すると解される。
(i)一次反応として
その接ガス材料の表面反応によって容易に分解され、金属スズが生成される。
(ii)二次反応として
その分解生成されたスズの存在によって、さらにその分解反応が加速する。
従って、接液材料および接ガス材料の表面を樹脂コーティングすることによって、一次反応を制限することによって大幅に分解反応を低減することができる。
【0034】
さらに、本装置は、充填容器1および配管部3の温度を水冷温度以下水素化スズの沸点以上の温度範囲に保持することを特徴とする。つまり、上記の分解反応の低減機能は低温ほど高い一方、一般に−70℃以下での低温維持は、高度で高価な制御機能を必要とする。従って、配管部3の温度は、水素化スズの分解を抑制することができ、かつ制御可能なできる限り高い温度が好ましく、検証の結果、接ガス面を樹脂コーティングすることで、10℃においても水素化スズの分解を抑制することができた。本装置は、温度制御が容易で、かつ水素化スズが凝縮・露結しない温度範囲である10〜−50℃に保持することによって、簡易な構成で上記分解反応を抑制することができる。また、こうした温度範囲においては、水素化スズの蒸気圧が大気圧以上となり、大気圧以上の圧力でガスを供給することができるため、真空下でなくてもガスを供給することが可能となり、安定した圧力条件で供給することができる。
【0035】
本装置は、図1に例示する構成要素以外に、本装置の構成・機能を形成するために必要な制御手段や流量調整弁や流量計等が設けられる。さらに、実機においては、冬季などにおける流路の温度低下に伴う供給用ガスの凝縮を防止するために、配管温度や環境温度などを測定する温度センサや配管加熱用のヒータ、供給流量を調整するための絞りや流量調整部などが設けられる(いずれも図示せず)。これらは、全て耐圧性・耐低温性に優れたステンレス鋼で構成することが好ましく、上記同様樹脂コーティングすることが好ましい。
【0036】
〔水素化スズの安定性に対する接ガス材料と処理温度の検証〕
(a)実験条件
実験用チューブとして、内径4.35mm、外径6.35mm(1/4インチ)、長さ300mmのSUS316L−EP(電解研磨)および樹脂コーティング材(母材はSUS316L−EP)としてフッ素樹脂(PFA)を用いた。水素化スズを何種類かの温度で封止し、封止直後の水素化スズ圧力に対して80%分解するまでの時間(日数)を試験し、評価した
【0037】
(b)実験結果
結果を下表4に示す。PFAコーティングしたチューブとSUS316L−EPチューブの封止期間で表す。PFAコーティングチューブでは、−10℃〜−70℃の温度範囲では、30日以上の間水素化スズの分解を80%以内に収めることができた。また、10℃においても10日間分解を80%以内に抑えることができた。一方、SUS316L−EPチューブでは、−70℃で30日以上の間水素化スズの分解を抑制できたが、温度の上昇とともに分解は促進し、10℃では1日も分解を抑えることはできなかった。このように、樹脂コーティングの顕著な効果を確証することができた。特に、0℃近傍での抑制効果は、流路の温度を容易に制御することができ、さらに水分等の不純物を除去する処理温度の選択幅を広くすることが可能となるという従前にない技術的効果を得ることができた。
【表4】

【0038】
<本装置を用いた水素化スズの供給方法>
本装置を用いた水素化スズの供給方法は、(1)熱伝導管に冷媒を供給し充填容器を加温し内部に充填された水素化スズの蒸気圧を一定以上にするプロセス、(2)充填容器から圧力調整器によって一定圧力に調整され、マスフローコントローラによって一定量に調整された水素化スズをプロセス装置に供給するプロセス、(3)配管部を不活性ガスによってパージするプロセスから構成される。以下、各プロセスについて、図2〜4に基づいて説明する。
【0039】
(1)充填容器加温プロセス
熱伝導管8aに冷媒を供給し充填容器1を加温するプロセスは、図2の太線に例示するように、チラー9から約10〜−50℃の範囲内に温度制御された冷媒を熱伝導管8a内に供給し、周回された熱伝導管8aと接する充填容器1との間で熱交換を行い(予め充填容器1が低温保管されている場合には加温となる)、充填容器1内部の液化された水素化スズの一部を気化し、蒸気圧をほぼ一定の0.1MPa以上にする。このとき、冷媒の供給流量は、圧力検出器P1の出力値を指標として制御され、冷媒用流量計9bによってモニタされる。制御方法は特に限定されないが、例えばフィードバック制御などを用いることができる。冷媒は、熱伝導管8aから熱伝導管8bおよび冷媒用導管9aを経由してチラー9に戻り、循環系を形成する。このとき、熱伝導管8bは、配管部3に周回されていることから、配管部3が、充填容器1とほぼ同じ温度(実際には、周囲温度の影響を受け、少し昇温している)となり、次の(2)プロセス装置2への供給プロセスへの移行準備を兼ねている。ここで、充填容器1が予め−190℃程度に冷却され保管されていた場合には、急激に加温すると内部で液化した水素化スズが突沸するおそれがあるが、本装置のように、圧力検出器P1をモニタしながら冷媒の供給量を制御し加温することによって、こうした事態を生じることを防止することができる。
【0040】
ここで、充填容器1の温度は、上記のように要求される水素化スズの供給圧力によって異なるが、圧力調整器等の調整機能を十分に生かし、水素化スズの供給量の安定化を図るために、約1MPa−absとなる温度として10℃とし、例えば±1℃あるいは±0.5℃程度の温度制御を行うことが好ましい。また、冷媒として水を利用することができる点においても好適である。
【0041】
(2)プロセス装置への供給プロセス
充填容器1から一定の圧力条件および流量条件に調整された水素化スズをプロセス装置2に供給するプロセスは、上記プロセス(1)によって温度制御された状態で、図3の太線に例示するように、開閉弁V1〜V4を開とすることによって、充填容器1内で安定した蒸気圧を有する水素化スズを、同様に定温化された配管部3を経由してプロセス装置2に供給される。つまり、圧力調整器Rによって一定圧力に調整され、マスフローコントローラMによって一定流量に調整された水素化スズがプロセス装置2に供給される。なお、図3の太い破線は、冷媒の帰還流れを示すもので、水素化スズをプロセス装置へ供給するプロセスにおいても、冷媒の循環流が形成され、上記プロセス(1)によって温度制御された状態が確保される。
【0042】
このとき、予め配管部3を減圧状態とし、充填容器1内部の水素化スズの温度を徐々に上昇させ、水冷温度以下水素化スズの沸点以上の温度まで上げて蒸気圧を上昇させ、プロセス装置2の内部圧力との圧力差によって水素化スズを移送することも可能である。充填容器1および配管部3内部を樹脂コーティングすることによって、水素化スズの分解を生じることなく、十分な蒸気圧(10℃において980kPa−abs)を確保することができることから、キャリアガスを同伴せずに、水素化スズの蒸気圧を移送の推進力とすることが可能となった。
【0043】
(3)パージ操作プロセス
本装置の停止操作あるいは充填容器1の交換等における配管部3の取り外しあるいは取り付け操作においては、各構成要素および配管部3をパージすることが好ましい。また、長期間未使用後の使用再開においても同様である。特に水素化スズは外気と触れることによって、分解や反応する可能性があり、配管部3の汚染防止を図るためである。具体的には、図4(A)〜(C)に例示するように、圧力調整器RおよびマスフローコントローラMに対し、その上下流からパージガスを供給することによって、これら構成要素の内部での溜まり部分をパージし、長期使用時に発生する可能性のあるSnパーティクルなどを除去することができる。除去されたSnパーティクルはフィルタ部7(各図においてはフィルタ7a)によってトラップされる。パージガスとしては、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを用いることができる。
【0044】
(3−1)圧力調整器RおよびマスフローコントローラMに対する順方向のパージ
パージガス供給装置5から供給された不活性ガスは、図4(A)に示すように、開閉弁Va,V1,V6,V8を開とすることによって、パージガス流路6aを経由して圧力調整器Rに対して順方向から供給されるとともに、開閉弁Vb,V3,V7,V8を開とすることによって、パージガス流路6bを経由してマスフローコントローラMに対して順方向から供給される。これによって、開閉弁V2とV3の間の流路を除き、両部品を含む配管部3の順方向のパージを行うことができ、除去されたSnパーティクルは、フィルタ部7aによってトラップされる。
【0045】
(3−2)圧力調整器Rに対する逆方向のパージ
図4(B)に示すように、開閉弁Vb,V2,V5,V8を開とすることによって、パージガス流路6bを経由して圧力調整器Rに対して逆方向からパージガスが供給される。これによって、圧力調整器Rを含む開閉弁V1〜V3の間の配管部3の逆方向のパージを行うことができ、除去されたSnパーティクルは、フィルタ部7aによってトラップされる。このとき、圧力調整器Rに対する逆方向のガスの供給に際しては、流通抵抗が大きくなることから、上記(3−1)よりもパージガス流路6bの供給圧力を高くすることによって、パージ効率を上げることができる。
【0046】
(3−3)マスフローコントローラMに対する逆方向のパージ
図4(C)に示すように、開閉弁Vc,V2,V3,V6,V8を開とすることによって、パージガス流路6cを経由してマスフローコントローラMに対して逆方向からパージガスが供給される。これによって、マスフローコントローラMを含む開閉弁V2〜V4の間の配管部3の逆方向のパージを行うことができ、除去されたSnパーティクルは、フィルタ部7aによってトラップされる。このとき、マスフローコントローラMに対する逆方向のガスの供給に際しては、流通抵抗が大きくなることから、上記(3−1)よりもパージガス流路6bの供給圧力を高くすることによって、パージ効率を上げることができる。
【0047】
(3−4)上記操作(3−1)〜(3−3)における順方向と逆方向のパージの組合せ
上記操作(3−1)〜(3−3)の応用として、圧力調整器Rに対する順方向のパージとマスフローコントローラMに対する逆方向のパージの組合せ、あるいはその逆の組合せを行うことが可能である。いずれも他の部品から除去されたSnパーティクルを含むパージガスが供給されることがなく、パージ効率を上げることができる。
【0048】
(3−5)上記操作(3−1)〜(3−4)の一定周期の断続的パージ
Snパーティクルなどは、単発的なパージ処理では除去しにくいことがある。上記操作(3−1)〜(3−4)を一定周期で断続的に繰り返し行うことによって、パージ効率を上げることができる。特に切替前に開閉弁V8を開とし、一旦配管部3のパージガス圧力を低下させることによって、さらにパージ効率を上げることができる。
【0049】
(4)充填容器保管プロセス
本装置の停止操作あるいは交換用の充填容器1の準備に伴う水素化スズが充填された充填容器1を保管するプロセスは、配管部3から充填容器1を取外し、図5((A):平面図、(B):正面図)に例示するような複数の充填容器1,1・・を収納することができる貯蔵設備10のように、極低温で収納され保管されることが好ましい。つまり、水素化スズを液体ガスとして保管するのではなく、固体化した状態で保存することによって、充填容器1に充填された状態で、分解されずに長期の安定性を確保し、確実な供給が可能となった。具体的な温度管理は、貯蔵設備10に設けられた液体窒素導入口10aから、常に充填容器1,1・・が貯留槽10bに浸漬された状態を維持するように所定量の液体窒素が連続的あるいは断続的に供給されることによってほぼ−190℃に維持される。貯留槽10bの周囲は断熱層10cを形成するとともに、露結を防止すべく気化した窒素によってパージできる構成とすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る水素化スズの供給装置の基本構成例を示す概略図
【図2】本発明に係る水素化スズの充填容器加温プロセスを例示する説明図
【図3】本発明に係る水素化スズのプロセス装置への供給プロセスを例示する説明図
【図4】本発明に係る水素化スズのパージ操作プロセスを例示する説明図
【図5】本発明に係る充填容器を保管する貯蔵設備を例示する概略図
【図6】従来技術に係る水素化スズの製造に使用する反応装置を例示する概略図
【符号の説明】
【0051】
1 充填容器(所定容器)
1a 保冷ジャケット
2 プロセス装置
3 配管部
4 制御部
5 パージガス供給装置
6 パージガス配管部
6a〜6c パージガス流路
7 フィルタ部
7a〜7c フィルタ
8,8a,8b 熱伝導管
9 チラー
9a 冷媒用導管
9b 冷媒用流量計
10 貯蔵設備
10a 液体窒素導入口
10b 貯留槽
10c 断熱層
M マスフローコントローラ(流量調整器,流量検出器)
P1〜P3 圧力検出器
R 圧力調整器
Va〜Vc,V1〜V8 開閉弁


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定容器に充填された水素化スズをプロセス装置に供給する水素化スズの供給方法において、前記所定容器の内部および該所定容器から前記プロセス装置までの流路を樹脂コーティングするとともに、該流路の温度を水冷温度(10℃)以下水素化スズの沸点以上の温度範囲に保持することを特徴とする水素化スズの供給方法。
【請求項2】
前記所定容器からの水素化スズの供給操作において、予め前記流路を減圧状態とし、前記所定容器内の水素化スズの温度を徐々に上昇させ、水冷温度以下水素化スズの沸点以上の温度まで上げて蒸気圧を上昇させ、前記プロセス装置の内部圧力との圧力差によって水素化スズを移送することを特徴とする請求項1記載の水素化スズの供給方法。
【請求項3】
内部に冷媒を循環的に流通させる熱伝導管によって前記所定容器および前記流路を連続的に周回させるとともに、所定容器および前記流路を水冷温度以下水素化スズの沸点以上の温度範囲に保持しつつ、前記所定容器の内部圧力を指標として循環冷媒の流量を制御することを特徴とする請求項1または2記載の水素化スズの供給方法。
【請求項4】
前記流路に設けられた圧力調整器・圧力検出器・流量調整器・流量検出器のいずれかまたはそのいくつかの前後から、流量条件および圧力条件の異なる不活性ガスを供給することによって、前記流路のパージ処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水素化スズの供給方法。
【請求項5】
水素化スズが充填された所定容器、該所定容器から水素化スズガスの供給を受けるプロセス装置と、該プロセス装置と所定容器を接続する配管部と、該配管部に設けられた圧力調整器・圧力検出器・流量調整器・流量検出器のいずれかまたはそのいくつかと、前記配管部にパージガスを供給するパージガス供給装置と、該パージガス供給装置からのパージガス流路および配管部との接続部を有するパージガス配管部と、前記各部の動作を制御管理する制御部からなる水素化スズの供給装置において、
前記所定容器の内部および前記配管部が樹脂コーティングされるとともに、前記所定容器および前記配管部が水冷温度以下水素化スズの沸点以上の温度範囲に制御されることを特徴とする水素化スズの供給装置。
【請求項6】
前記所定容器および前記配管部を連続的かつ周回状に配設した熱伝導管と、該熱伝導管の内部に前記温度範囲に温度調整された冷媒を供給するチラーと、該チラーと前記熱伝導管を循環的に接続する冷媒用導管を有することを特徴とする請求項5記載の水素化スズの供給装置。
【請求項7】
前記圧力調整器・圧力検出器・流量調整器・流量検出器のいずれかまたはそのいくつかの前後の前記配管部にパージ流路を接続するとともに、該パージ流路との接続部と前記プロセス装置との間の配管部に複数のフィルタからなるフィルタ部およびその下流に圧力計を配設することを特徴とする請求項5または6記載の水素化スズの供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−259973(P2009−259973A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106010(P2008−106010)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(000109428)日本エア・リキード株式会社 (53)
【Fターム(参考)】