説明

汚染監視システム

【課題】従来技術では、不純物による汚染情報の取得しかできず、具体策を迅速に実施する構成は開示されておらず、再洗浄が遅れて汚染された製品が出荷されたり、前記汚染情報に基づき製品の再洗浄等の対策を繰り返すだけでは、汚染原因そのものが解消できず汚染が再発する可能性が高い、という問題があった。
【解決手段】被洗浄物を洗浄して得た採取液に含まれる不純物を分析して汚染レベル又は汚染原因を特定する不純物分析手段22と、該不純物分析手段22によって求めた前記汚染レベル等の汚染情報を各加工処理プロセス24に伝達する監視通信手段23と、該監視通信手段23にインターネット等のネットワーク29を介して接続される情報端末26とから構成され、汚染状態が所定の汚染レベルを超えた場合に前記監視通信手段23が汚染警報を発すると共に、前記汚染情報を汚染に関わる関係加工処理プロセスの情報端末26に伝達する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各加工処理プロセスまたは流体駆動プロセスにおける汚染監視システムに関し、特に、削り屑、摩耗粉、砂等の固形物(以下、「不純物」とする)が、機械加工品(金属製、樹脂製、ガラス製等)等の製品表面へ付着したり、該不純物が、作動油等の液体やフロンガス等の気体からなる流体によって制御される制御機械、加工機械、建設機械等の流体制御機器において、その流体駆動回路内を流れる制御流体中へ混入するのを防止するための汚染監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、製品表面への不純物の付着については、例えば、本発明者による特許文献1のように、製品を洗浄水で洗浄して得られた採取液から不純物を抽出し、該不純物をラインセンサカメラにより撮影し、その撮影した不純物の画像に対して画像処理等を行うことにより、不純物に関する情報を取得する技術が公知となっている。
また、建設機械における油圧駆動回路の作動油中への不純物の混入については、例えば、特許文献2のように、セルに形成した流路を挟むようにして発光素子と受光素子を配置し、該発光素子から照射したレーザ光を流路内の作動油を透過させてから受光素子で受けることにより、不純物に関する情報を取得する技術が公知となっている。
【特許文献1】特開2005−24478号公報
【特許文献2】特開2001−221793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、いずれも、不純物に関する情報、例えば不純物度数分布や汚染レベル等の汚染情報しか取得できず、製品の再洗浄や、作動油のような制御流体の交換等の対策を迅速に実施するための構成は何ら開示されていないため、再洗浄のタイミングが遅れて汚染されたままの製品が出荷されたり、制御流体交換のタイミングが遅れて流体制御機器が損傷する恐れがある、という問題があった。
【0004】
また、前記汚染情報にもとづいて製品の再洗浄や制御流体の交換等の対策を繰り返すだけでは、汚染原因そのものが解消できず、不純物の付着や混入が再発する可能性が高い、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、被洗浄物を洗浄して得た採取液に含まれる不純物を分析して汚染レベルまたは汚染原因を特定する不純物分析手段と、該不純物分析手段によって求めた前記汚染レベル等の汚染情報を各加工処理プロセスに伝達する監視通信手段と、該監視通信手段にインターネット等のネットワークを介して接続される情報端末とから構成され、汚染状態が所定の汚染レベルを超えた場合に、前記監視通信手段が汚染警報を発すると共に、前記汚染情報を汚染に関わる関係加工処理プロセスの情報端末に伝達するものである。
請求項2においては、液体や気体から成る制御流体中に混入した不純物を分析して汚染レベルまたは汚染原因を特定する不純物分析手段と、該不純物分析手段によって求めた前記汚染レベル等の汚染情報を各流体駆動プロセスに伝達する監視通信手段と、該監視通信手段にインターネット等のネットワークを介して接続される情報端末とから構成され、汚染状態が所定の汚染レベルを超えた場合に、前記監視通信手段が汚染警報を発すると共に、前記汚染情報を所定の汚染レベルを超えた流体制御機器のある流体駆動プロセスの情報端末に伝達するものである。
請求項3においては、前記不純物分析手段には撮像手段を備え、該撮像手段は、走査することによって不純物を撮影するラインセンサカメラを有するものである。
請求項4においては、前記不純物分析手段または監視通信手段には記憶手段を備え、該記憶手段は、測定による不純物の大きさや形状等の実績情報から成る実績情報データベース、前記汚染レベルを判定するための規格モデルや前記汚染警報を発する基準となる所定の汚染レベル等の分析情報から成る分析情報データベース、及び該実績情報データベースと分析情報データベースとから得られた汚染情報から成る汚染情報データベースを有するものである。
請求項5においては、前記不純物分析手段または監視通信手段には記憶手段を備え、該記憶手段は、測定による不純物の最大径や形状等の実績情報から成る実績情報データベース、不純物の外観特性と不純物の種類や加工の方法等との間の対応関係を示す不純物情報から成る不純物情報データベース、各加工処理プロセスで発生する不純物に関するプロセス情報から成るプロセス情報データベース、及び該実績情報データベースを元に前記不純物情報データベースとプロセス情報データベースとから推定した前記関係加工処理プロセス等の汚染情報から成る汚染情報データベースを有するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1においては、被洗浄物を洗浄して得た採取液に含まれる不純物を分析して汚染レベルまたは汚染原因を特定する不純物分析手段と、該不純物分析手段によって求めた前記汚染レベル等の汚染情報を各加工処理プロセスに伝達する監視通信手段と、該監視通信手段にインターネット等のネットワークを介して接続される情報端末とから構成され、汚染状態が所定の汚染レベルを超えた場合に、前記監視通信手段が汚染警報を発すると共に、前記汚染情報を汚染に関わる関係加工処理プロセスの情報端末に伝達するので、汚染警報を発して製品の再洗浄を迅速に実施することができ、汚染されたままの製品がそのまま出荷されるのを防止することができる。更には、汚染に関わる加工処理プロセス(以下、「関係加工処理プロセス」とする)を特定して加工条件等の適正化を図り、汚染の原因となる不純物の発生自体を抑制して、汚染の再発を確実に防止することができる。
請求項2においては、液体や気体から成る制御流体中に混入した不純物を分析して汚染レベルまたは汚染原因を特定する不純物分析手段と、該不純物分析手段によって求めた前記汚染レベル等の汚染情報を各流体駆動プロセスに伝達する監視通信手段と、該監視通信手段にインターネット等のネットワークを介して接続される情報端末とから構成され、汚染状態が所定の汚染レベルを超えた場合に、前記監視通信手段が汚染警報を発すると共に、前記汚染情報を所定の汚染レベルを超えた流体制御機器のある流体駆動プロセスの情報端末に伝達するので、汚染警報を発して所定の汚染レベルを超えた流体制御機器の制御流体の交換を迅速に実施することができ、流体制御機器が損傷するのを防止することができる。更には、汚染に関わる流体制御機器構成部(以下、「関係流体制御機器構成部」とする)を特定して動作条件等の適正化を図り、汚染の原因となる不純物の発生自体を抑制して、汚染の再発を確実に防止することができる。
請求項3においては、前記不純物分析手段には撮像手段を備え、該撮像手段は、走査することによって不純物を撮影するラインセンサカメラを有するので、エリアセンサカメラに比べてレンズ収差等による誤差が小さく、不純物の大きさ、形状、色等の外観特性を精度良く取得することができるため、不純物度数分布、汚染レベル、汚染異常有無等の汚染情報の精度を大きく向上させることができる。
請求項4においては、前記不純物分析手段または監視通信手段には記憶手段を備え、該記憶手段は、測定による不純物の大きさや形状等の実績情報から成る実績情報データベース、前記汚染レベルを判定するための規格モデルや前記汚染警報を発する基準となる所定の汚染レベル等の分析情報から成る分析情報データベース、及び該実績情報データベースと分析情報データベースとから得られた汚染情報から成る汚染情報データベースを有するので、不純物度数分布の取得、該不純物度数分布や所定の規格モデルによる分布に基づいた汚染レベルの判定、汚染異常有無の判定を行うことができる。
請求項5においては、前記不純物分析手段または監視通信手段には記憶手段を備え、該記憶手段は、測定による不純物の最大径や形状等の実績情報から成る実績情報データベース、不純物の外観特性と不純物の種類や加工の方法等との間の対応関係を示す不純物情報から成る不純物情報データベース、各加工処理プロセスで発生する不純物に関するプロセス情報から成るプロセス情報データベース、及び該実績情報データベースを元に前記不純物情報データベースとプロセス情報データベースとから推定した前記関係加工処理プロセス等の汚染情報から成る汚染情報データベースを有するので、加工処理プロセスの製品については、不純物付着に関係する加工処理プロセスの特定や加工条件等の適正化を図ることができ、流体駆動プロセスの流体制御機器については、制御流体への不純物混入に関係する流体制御機器構成部品の特定や動作条件等の適正化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に関わる汚染監視システムの全体構成を示すブロック図、図2は汚染監視システムを構成する不純物分析システムのブロック図、図3は汚染監視処理の処理手順を示すフローチャート、図4は不純物分析装置の正面図、図5は不純物分析装置の平面図と側面図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は側面図、図6はラインセンサカメラと不純物との関係を示す模式図、図7は不純物分析装置に関する操作手順或いは動作手順を順に示すフローチャート、図8は不純物分析装置に関する不純物の画像による形状の確認についての操作手順或いは動作手順を順に示すフローチャート、図9は不純物の全体画像、拡大画像、及び汚染情報が映し出された表示画面全体を示す全体模式図、図10は不純物の汚染情報が映し出された表示画面の一部を示す部分模式図である。
なお、本実施例においては、不純物が混入する制御流体として作動油を例に説明しているが、他の液体であっても、フロンガスのような気体であってもよく、流体であれば特に限定されるものではない。
【0008】
まず、本発明に関わる汚染監視システムの全体構成について、図1により説明する。
該汚染監視システム20において、分析センター21には、不純物分析システム22と該不純物分析システム22に接続された監視通信装置23とが配設され、該監視通信装置23は、インターネット等のネットワーク29と接続され、さらに該ネットワーク29には、複数の加工処理プロセス24(または流体駆動プロセス25)や洗浄ライン30に設けられた各情報端末26が接続されている。
【0009】
このような構成において、前記不純物分析システム22は、後で詳述するように、不純物の大きさ、形状等の外観特性を測定し、各外観特性について不純物を順に並べた整列リストから不純物度数分布を求め、該不純物度数分布や所定の規格モデルに基づく分布等から、汚染レベルを判定すると共に、不純物の外観特性から関係加工処理プロセスを推定し、これらを汚染情報として蓄積する。そして、汚染があるレベル以上に悪化した場合には、監視通信装置23に前記汚染情報と一緒に汚染信号を送信するようにしている。該汚染信号と汚染情報を受信した監視通信装置23は、ネットワーク29を通して即座に汚染警報を発して、前記洗浄ライン30等の関係部署の情報端末26には、製品31の再洗浄を伝達指示すると共に、前記関係加工処理プロセスの情報端末26には、汚染情報を伝達表示し、被加工品27の汚染原因となる不純物の発生を抑制可能な加工条件等の検討を指示するようにしている。
【0010】
すなわち、被洗浄物を洗浄して得た採取液に含まれる不純物を分析して汚染レベルまたは汚染原因を特定する不純物分析手段である不純物分析システム22と、該不純物分析システム22によって求めた前記汚染レベル等の汚染情報を各加工処理プロセス24に伝達する監視通信手段である監視通信装置23と、該監視通信装置23にインターネット等のネットワーク29を介して接続される情報端末26とから構成され、汚染状態が所定の汚染レベル(以下、「限界汚染レベル」とする)を超えた場合に、前記監視通信装置23が汚染警報を発すると共に、前記汚染情報を汚染に関わる関係加工処理プロセスの情報端末26に伝達するので、汚染警報を発して製品31の再洗浄を迅速に実施することができ、汚染されたままの製品31がそのまま出荷されるのを防止することができる。更には、汚染に関わる関係加工処理プロセスを特定して加工条件等の適正化を図り、汚染の原因となる不純物の発生自体を抑制して、汚染の再発を確実に防止することができるのである。
【0011】
また、流体駆動回路の作動油中への不純物混入による汚染についても、前記不純物分析システム22は、不純物の大きさ、形状等の外観特性を測定し、各外観特性について不純物を順に並べた整列リストから不純物度数分布を求め、該不純物度数分布や、後述するNAS規格のような所定の規格モデルに基づく分布等から、汚染レベルを判定すると共に、不純物の外観特性から前記関係流体制御機器構成部を推定し、これらを汚染情報として蓄積する。そして、汚染があるレベル以上に悪化した場合には、監視通信装置23に前記汚染情報と一緒に汚染信号を送信するようにしている。該汚染信号と汚染情報を受信した監視通信装置23は、ネットワーク29を通して即座に汚染警報を発して、該当する流体制御機器28のある流体駆動プロセス25の情報端末26には、油圧によって動作する制御機械、加工機械等の流体制御機器28の作動油の交換を伝達指示すると共に、汚染情報を伝達表示し、作動油の汚染原因となる不純物の発生を抑制可能な、関係流体制御機器構成部の動作条件等の検討を指示するようにしている。
【0012】
すなわち、液体や気体から成る制御流体中に混入した不純物を分析して汚染レベルまたは汚染原因を特定する不純物分析手段である不純物分析システム22と、該不純物分析システム22によって求めた前記汚染レベル等の汚染情報を各流体駆動プロセス25に伝達する監視通信手段である監視通信装置23と、該監視通信装置23にインターネット等のネットワーク29を介して接続される情報端末26とから構成され、汚染状態が限界汚染レベルを超えた場合に、前記監視通信装置23が汚染警報を発すると共に、前記汚染情報を限界汚染レベルを超えた流体制御機器28のある流体駆動プロセス25の情報端末26に伝達するので、汚染警報を発して限界汚染レベルを超えた流体制御機器28の制御流体である作動油の交換を迅速に実施することができ、流体制御機器28が損傷するのを防止することができる。更には、関係流体制御機器構成部を特定して動作条件等の適正化を図り、汚染の原因となる不純物の発生自体を抑制して、汚染の再発を確実に防止することができるのである。
【0013】
次に、前述の不純物分析システム22の詳細構成について、図2により説明する。
該不純物分析システム22は、キーボード、操作ボタン、タッチパネル、音声入力機器、マウス等の入力部32と、ディスプレイ等の表示装置やレーザプリンタ等の印刷機器に代表される出力部38と、ディスプレイ表示、重量測定、ラインセンサカメラの駆動走査、画像取り込み等を制御するための制御プログラム、撮影画像を分析して不純物の外観特性を算出等するための画像処理プログラム、及び不純物度数分布や所定の規格モデル等に基づく分布等を求めて汚染レベル等の汚染情報を算出するための規格モデルプログラム等の各種プログラムを読み込むメインメモリ37と、該各プログラムの指令を受けて各種処理を行う中央処理装置36と、ハードディスクなどの記憶装置39と、不純物を濾過や遠心分離などで抽出分離する不純物抽出部33と、該不純物抽出部33からの不純物の重量を測定する電子天秤等の重量測定部34と、ラインセンサカメラ等のカメラや該カメラを走査駆動させるX−Yテーブル等の走査機構等から成る撮像部35と、通信インターフェイス40とから構成され、該通信インターフェイス40を介して、前記監視通信装置23に接続されている。
【0014】
そして、前記記憶装置39内には、前記撮像部35より送られてきた不純物画像や、該不純物画像を分析して得られる各不純物の外観特性等の実績情報を蓄積する実績情報データベース39aと、該実績情報中の特定の外観特性に従って不純物を整列した整列リストを基に汚染レベルを判定するための規格モデル、該汚染レベルと比較して汚染警報発令の要否を判定するための限界汚染レベル、及び実際に各種処理を行う前記各種プログラム等の分析情報を蓄積する分析情報データベース39bと、不純物の外観特性を不純物の種類、加工方法、加工条件、制御動作形態、制御動作条件等と関連づけた対応データから成る不純物情報を蓄積する不純物情報データベース39dと、各加工処理プロセス24での被加工部や各流体駆動プロセス25の流体制御機器28の構成部で付着または混入する可能性の高い不純物の種類や外観特性等のプロセス情報を蓄積するプロセス情報データベース39cと、これらデータベース39a・39b・39c・39dから不純物度数分布、規格モデルによる分布、汚染レベル、汚染警報の要否、及び汚染発生の原因と推定された加工処理プロセスや流体制御機器構成部等の汚染情報を蓄積する汚染情報データベース39eとを設けている。
【0015】
次に、以上のような不純物分析システム22を備えた汚染監視システム20において、実際に汚染監視処理41を行う手順について、図1乃至図3により説明する。
該汚染監視処理41では、前記不純物分析システム22で不純物分析処理42を行い、その結果汚染信号が送信されると、前記監視通信装置23が監視通信処理43を行い、所定の情報端末26に対して前記ネットワーク29を介して再洗浄や作動油交換の指示及び汚染情報を伝達するようにしている。
【0016】
このうちの、最初の不純物分析処理42においては、前記不純物抽出部33にて採取液や作動油から濾過や遠心分離等によって不純物を抽出分離し(ステップS1)、その後、抽出した不純物の総重量を前記重量測定部34にて測定し(ステップS2)、測定後の不純物は前記撮像部35にて走査機構によって駆動されるカメラ等で撮影される。得られた画像は、測定した不純物の総重量と一緒に前記実績情報データベース39aに取り込まれる(ステップS3)。
【0017】
取り込まれた不純物画像に対しては、前記分析情報データベース39b内からメインメモリ37に読み出された画像処理プログラムに基づき、中央処理装置36が演算処理(ステップS4)を行い、各不純物の最大径、形状タイプ、色等を数値化して外観特性データとして前記実績情報データベース39aに蓄積する。そして、分析情報データベース39b内からはメインメモリ37に前記規格モデルプログラムも読み出され、該規格モデルプログラムに基づいて、中央処理装置36が整列処理(ステップS5)を行い、不純物度数分布や汚染レベル等の汚染データを取得して(ステップS6)、前記汚染情報データベース39eに蓄積する。
【0018】
また同時に、実績情報データベース39a中の外観特性データを不純物情報データベース39d中の対応データと照合することにより、不純物の種類(鋼、鋳鉄、アルミといった金属、樹脂、ガラス等)、加工方法(切削、研磨、ドリル加工、圧延等)、加工条件(加工速度、加工温度、刃先形状等)を推測する(ステップS7)。なお、作動油の不純物の場合は、不純物の種類(鋼、鋳鉄、アルミといった金属、樹脂、ガラス等)、不純物が発生または通過した構成部品における制御動作形態(摺動、圧下等)、制御動作条件(動作速度、動作温度、動作圧等)を推測する。
【0019】
そして、推測した不純物の種類、加工方法、加工条件、制御動作形態、制御動作条件等をプロセス情報データベース39c中のプロセス情報と照合することにより、汚染発生の原因となる加工処理プロセスや流体制御機器構成部を推定し(ステップS8)、この汚染原因推定データを前記汚染情報データベース39eに蓄積するようにしている。
【0020】
更に、ステップS6で得た汚染レベルを分析情報データベース39b内の各規格モデル毎に設けられた限界汚染レベルと比較し、該限界汚染レベルを超えるようであれば、監視通信装置23に汚染信号が送信されて次処理の監視通信処理43が実行される。
【0021】
該監視通信処理43に移行すると、汚染警報が発令され(ステップS10)、洗浄ライン30への再洗浄の指示や、作動油が汚染された流体制御機器28のある流体駆動プロセス25への作動油交換の指示を行う(ステップS11)と共に、関係する加工処理プロセス24や流体駆動プロセス25へ汚染情報を伝達する(ステップS12)。そして、該汚染情報をもとに、検出された不純物の発生を抑制するように加工条件や制御動作条件等の見直しを図るのである。なお、前述の各種データベースを備える前記記憶装置39は、本実施例では不純物分析システム22に設けるようにしたが、監視通信装置23に備えるものであってもかまわない。
【0022】
すなわち、以上のように、前記不純物分析手段である不純物分析システム22または監視通信手段である監視通信装置23には記憶手段である記憶装置39を備え、該記憶装置39は、測定による不純物の大きさや形状等の実績情報から成る実績情報データベース39a、前記汚染レベルを判定するための規格モデルや前記汚染警報を発する基準となる限界汚染レベル等の分析情報から成る分析情報データベース39b、及び該実績情報データベース39aと分析情報データベース39bとから得られた汚染情報から成る汚染情報データベース39eを有するので、該不純物度数分布や所定の規格モデルによる分布に基づいた汚染レベルの判定、汚染異常有無の判定を行うことができる。
【0023】
また、前記不純物分析手段である不純物分析システム22または監視通信手段である監視通信装置23には記憶手段である記憶装置39を備え、該記憶装置39は、測定による不純物の最大径や形状等の実績情報から成る実績情報データベース39a、不純物の外観特性と不純物の種類や加工の方法等との間の対応関係を示す不純物情報から成る不純物情報データベース39d、各加工処理プロセスで発生する不純物に関するプロセス情報から成るプロセス情報データベース39c、及び該実績情報データベース39aを元に前記不純物情報データベース39dとプロセス情報データベース39cとから推定した前記関係加工処理プロセス等の汚染情報から成る汚染情報データベース39eを有するので、加工処理プロセスの製品については、不純物付着に関係する加工処理プロセス24の特定や加工条件等の適正化を図ることができ、流体駆動プロセス25の流体制御機器28については、制御流体である作動油への不純物混入に関係する流体制御機器構成部品の特定や動作条件等の適正化を図ることができるのである。
【0024】
次に、前記不純物分析システム22の好適な一例として、ラインセンサカメラを備える不純物分析装置1について説明する。
【0025】
まず、該不純物分析装置1の全体構成について説明する。
図4、図5に示すように、不純物測定装置1は台2上の一側にディスプレイ3が配備され、該ディスプレイ3のすぐ下方に操作盤4が設置されている。ディスプレイ3の下方の台2の下には、前記中央処理装置36、メインメモリ37、記憶装置39等を備えたパーソナルコンピュータ本体5が収納されている。
【0026】
前記台2上のディスプレイ3と反対側の一端隅角部には吸引口6が開口され、この吸引口6上にはフィルターFをセットできるようになっている。吸引口6上には、機械加工品等の表面に付着する金属屑やガラス粉等の不純物を洗浄水で洗い流した後に採取される採取液や、流体制御機器の流体駆動回路から取り出した作動油の注入容器としてのフラスコ7が、下端出口7aを下向きにして立設されている。該フラスコ7上端の注入口7bには、キャップ10が着脱可能に嵌着されている。
【0027】
前記吸引口6の台2の下方には、採取液や作動油の受けタンク17が配備され、その下方に吸引ポンプ8が設置され、図示せぬタンクを介して吸引口6に一端が接続されている。このタンク17内に溜まった採取液または作動油を排棄できるように、タンク取り出し用の開閉扉9が設けられている。なお、操作盤4上には、各種操作ボタン4aが配置されている。
【0028】
前記台2上の中央部寄りには、開閉扉11a付きの図示せぬ開口を下部に備えた収納ケース11が設置され、該収納ケース11内には不純物の重量を測定するための電子天秤等の重量測定器12が配設されており、該重量測定器12上には円形のフィルターF用の円筒状の載置台13が設置されている。
【0029】
該載置台13の上面の計量皿13a部付近には、乾燥機としてのヒータ14が組み込まれており、計量皿13aに載置されたフィルターFを該ヒータ14で加熱して乾燥するようになっている。そして、フィルターFの乾燥が済むと、重量が重量測定器12で測定されるようになっている。
【0030】
そして、前記収納ケース11内において、載置台13の上方にはラインセンサカメラ15が下向きに配置されている。このラインセンサカメラ15は、被写体である不純物を走査することによって撮影する撮像手段の一種であり、台2の横方向(X方向)と縦方向(Y方向)に走査されるX−Yテーブルモータ等の走査機構16の走査部16aに懸架される構成となっている。該走査部16aにはパルスモータやサーボモータが設けられており、走査部16aが載置台13上のフィルターFを全体的に網羅するように移動走査可能としている。
【0031】
ここで、本実施例で使用するラインセンサカメラ15について説明する。
従来より、不純物を観察して清浄度等の汚染レベルを測定するにはCCDカメラが用いられ、該CCDカメラで撮影した不純物画像に対して画像処理等を施すことによって汚染レベルを測定している。一般に、このCCDカメラは、2次元的な広がりを有するレンズ等で集光された光を画素単位で取得するエリアセンサカメラであるが、このようなエリアセンサカメラの場合、レンズ収差による誤差のために測定精度に限界がある。更に、このレンズ収差によって不連続となった画素単位のデータを連続化させるための補正処理には、多大な時間がかかるので、安易に画素数を増やすことができず、高画素化による画像品質の向上が難しい。
【0032】
これに対して、本実施例のラインセンサカメラ15の場合は、走査しながら被写体をライン上で捉えるので、従来のエリアセンサカメラのようなレンズ収差等による誤差が発生しにくく、測定精度や高画素化による画像品質について、その向上を図ることができる。つまり、ラインセンサカメラ15は、本発明のような多種多様な外観特性を有する不純物を測定対象とし、高い測定精度と画像品質が求められる場合に、より適した撮像手段といえる。
【0033】
すなわち、前記不純物分析手段である不純物分析装置1に撮像手段を備え、該撮像手段は、走査することによって不純物を撮影するラインセンサカメラ15を有するので、エリアセンサカメラに比べてレンズ収差等による誤差が小さく、不純物の大きさ、形状、色等の外観特性を高品質で精度良く取得できるため、不純物度数分布、汚染レベル、汚染異常有無判定等の汚染情報の精度を大きく向上させることができる。
【0034】
なお、上述においては、ラインセンサカメラ15の位置を変化させることによって、不純物に対して走査する構成について述べているが、装置の構成によっては逆に、ラインセンサカメラ15を固定して不純物の位置を変化させることによって、結果的にラインセンサカメラ15が不純物を相対的に走査する構成としても良い。
【0035】
つまり、図6に示すように、ラインセンサカメラ15と不純物18とを不純物分析装置1の上面より見た平面図に示すように、ラインセンサカメラ15の位置を変化させる場合は、例えば、ラインセンサカメラ15を実線矢印の方向に移動させることによって、不純物を走査することが可能となる。つまり、上記走査部16aを実線矢印の方向に移動させる。逆に、不純物18側の位置を変化させる場合には、例えば、不純物18が載せられる計量皿13aを支持する載置台13を点線矢印の方向に移動させるのである。
【0036】
次に、上記のように構成された不純物分析装置1の操作手順について説明する。
図7に示すように、パーソナルコンピュータ本体5の操作盤4のメインスイッチとなる前記操作ボタン4aをONすることにより、前記記憶装置39内の制御プログラムが実行されると、ディスプレイ3上に下記のような操作手順あるいは動作手順が順に表示される。
【0037】
まず、ステップS21では、ソフトウェアが起動して、ディスプレイ3には、「濾紙(フィルターF)を測定します。計量皿(13a)へ載せ、(操作盤4上の)OKボタンを押して下さい」と表示される。
【0038】
ステップS22では、ディスプレイ3に、「濾紙重量を測定中です。しばらくお待ち下さい」と表示される。この間に、ヒータ14でフィルターFを乾燥したのち、重量測定器12により濾紙の重量を測定する。
【0039】
ステップ23では、ディスプレイ3に、「濾紙重量の測定が終わりました。濾紙をフラスコ(7の下端出口7a(吸引口6))へセットし、サンプリング液を注入して下さい」と表示される。
【0040】
ステップS24では、ディスプレイ3に、「サンプリング液の注入が終わりましたら、(操作盤4上の)OKボタン(4a)を押して下さい」と表示される。
【0041】
ステップS25では、ディスプレイ3に、「濾過中です。しばらくお待ち下さい」と表示される。
【0042】
ステップS26では、ディスプレイ3に、「濾過終了しました。濾紙を計量皿(13a)へ載せ、(操作盤4上の)OKボタン(4a)を押して下さい」と表示される。
【0043】
ステップS27では、ディスプレイ3に、「計測中です。しばらくお待ち下さい」と表示される。
【0044】
この計測中には次のような処理が行われる。
【0045】
[重量測定処理]
前記ヒータ14で濾紙を乾燥した後に、不純物の付着した濾紙の重量Bを重量測定器12によって測定し、該重量Bから、前記ステップ22で測定した濾紙のみの重量Aを引いて、不純物総重量(=B−A)を算出する。
【0046】
[撮像処理]
重量測定後、ラインセンサカメラ15を走査機構16により走査させることによって、不純物を撮影する。この撮像処理で得られた不純物画像のデータは、前記パーソナルコンピュータ本体5に設けられた記憶装置39内の実績情報データベース39aに記憶される。その後、前記分析情報データベース39b内の画像処理プログラムによって、以下の画像処理が行われる。
【0047】
[二値化処理]
前記撮像処理後、不純物画像の平均輝度値を算出し、該不純物画像を、例えば「白」又は「黒」等の2色に分ける二値化処理を行う。
【0048】
[径・総数算出処理]
続いて、二値化された不純物画像データに基づいて、各不純物の径を算出する。ここでいう径とは、一般的な円の意味を含むと共に、最大径(不純物上において互いに最も離れた端部同士の距離)や最小径(不純物上において互いに最も近接した端部同士の距離)の意味も含むものであり、不純物の大きさの寸法全般を意味する。
【0049】
そして、前記二値化処理で二値化された不純物画像データに関し、互いに隣接し且つ同じ情報を具備する画素同士を1つの集合と認識する。すなわち、例えば、二値化された不純物画像データ中において、隣接した画素同士が「黒」等の同じ情報を具備するものであれば、その「黒」の情報を具備する画素同士を1つの集合とみなす処理を行うのである。これらの処理によって、該集合の径を画素数を計測することで求めたり、或いは該集合の総数を算出することによって、不純物の径や総数を算出することができる。
【0050】
[形状分類処理]
更に、同じ情報を有する画素から成る前記集合の輪郭情報に基づいて、不純物の形状を複数のタイプに分類する。この分類の基準には、各製品について加工方法、加工条件等を変化させて発生する不純物の形状や、あるいは流体制御機器の各構成部品について制御動作形態、制御動作条件等を変化させて発生する不純物の形状を、あらかじめ類型化したものを用いるのが好ましい。例えば、単純な二次元形状では、長軸方向の長さと短軸方向の長さとの比率に基づく尖鋭度を、三次元形状では、粒状、螺旋状、舌状、S字状等を類型の基準とすることができる。
【0051】
[色識別処理]
また、前記不純物画像データから、各不純物のRGBといった色情報を検出し、該色情報を、不純物全体におけるの最大径、総重量、総数、及び各不純物における最大径、形状タイプの情報と一緒に、前記記憶装置39内の実績情報データベース39aに記憶する。
【0052】
なお、複数の不純物が凝集して互いに重なりあった状態が多く認められる場合には、前述のような二値化された情報からではなく、色情報を基にして各不純物の輪郭を決定するのが望ましい。これにより、凝集体の画像データから、該凝集体を構成する複数の不純物を分離して識別することができ、不純物の正確な総数を算出することができるようになる。更に、上に乗った不純物の陰となり、真の輪郭が決定できない不純物についても、円形や楕円形等の所定の形状まで補正処理、いわゆる太らせ処理を行うことにより、その概略形状を認識することができ、その径や形状タイプを決定することができるのである。
【0053】
[不純物度数分布取得・汚染レベル判定処理]
また、後述のステップS33で表示される表示画面の図9に示すように、各不純物を最大径の順に面積と一緒に整列して整列リスト46を得たり、各最大径範囲毎の個数を自動的に算出して不純物度数分布47を得ることができる。
【0054】
更に、該不純物度数分布47に加えて、図10に示すNAS等級分布48ように、予め定められた方式、この場合はNAS1638規格(以下、「NAS規格」とする)のような既知の規格モデルに基づいて分類することもできる。このNAS規格では、100mlの採取液から抽出した不純物を、5〜15μm、15〜25μm、25〜50μm、50〜100μm、100μm以上の5段階にわたる粒径範囲(本実施例では最大径範囲)に分類し、規定された00(クリーン)〜12(汚染大)までの等級で汚染度が評価される。そして各粒径範囲毎の等級で最も悪い、つまり数の最も大きい等級をNAS総合等級として、汚染レベルを示すことができる。例えば、図10中では最大径100μm以上の等級が3級と最も悪いので、NAS総合等級(本実施例では総合判定)は3級となっている。
【0055】
なお、該NAS規格は油の汚染レベルを判定するものであるが、油の代わりに、製品を洗浄水で洗浄して得られた前記採取液について適用するようにしてもよい。なお、一般的な前記不純物度数分布やNAS総合等級等で表される分布とその汚染レベルは、分析情報データベース39b内の前記規格モデルプログラムの実行によって得られる。
【0056】
[汚染原因推定処理]
前記処理で得られた最大径、形状タイプ、色等の外観特性データを前記不純物情報データベース39d中の対応データと照合することにより不純物の種類等を推測し、更に、この推測した不純物の種類等を前記プロセス情報データベース39c中のプロセス情報と照合することにより、汚染発生の原因となる加工処理プロセスや流体制御機器構成部を推定し、この汚染原因推定データは、前記不純物度数分布、汚染レベル等と一緒に、汚染情報として前記汚染情報データベース39eに蓄積される。
【0057】
ステップS28では、ディスプレイ3に、例えば、測定結果が以下のように表示される。「計測が終了しました。粒子(不純物)の総重量=12mgです。最大粒子の最大径=1.0mm*面積=1.9[平方ミリメートル]です。計測データを保存しますか。yes/noボタンで選択する」と表示される。(yesボタンを押したと仮定する。)
【0058】
ここで、前記汚染レベルが前述の限界汚染レベルを超えていると、汚染信号と共に前記汚染情報を監視通信装置23に送信する。
【0059】
ステップS29からステップS30にかけて、ディスプレイ3に、「データを保存中です。しばらくお待ち下さい」と表示される。
【0060】
ステップS31からステップS32にかけて、ディスプレイ3に、「粒子の形状を画像で確認しますか。yes/noボタンで選択する」と表示される。(yesボタンを押したと仮定する。)
【0061】
ステップS33では、図9に示すように、ディスプレイ3上に、前記ラインセンサカメラ15により映し出されている視野全面を示す全体画像49と、最大径51を示した不純物18の拡大画像50とが表示され、該拡大画像50によって、不純物18の詳細状況を確認することができる。
【0062】
更に、粒子の画像による形状の確認についての操作手順を、次に詳しく説明する。
図8に示すように、ステップS41からステップS42については、上記ステップS32で「粒子の形状を画像で確認しますか」と選択要求されるので、画像モニタするか否かをyes/noボタンで選択する。(yesボタンを押したと仮定する。)
【0063】
ステップS43では、ディスプレイ3に、「ご覧になりたい粒子を上記の計測データ上でマウス操作により選択し、ファイル(記憶)されているか、新たに入力するかをクリックして下さい」と表示される。
【0064】
ステップS44では、ディスプレイ3に、終了するか否かを選択するように、yes/noボタンが表示される。(noボタンを押したと仮定する)
【0065】
ステップS45からステップS47にかけて、ファイルか入力かのうち、ファイルを選択すると、ファイルされた画像が表示されるが、ファイルされていない場合には、入力を選択すると、選択された粒子の位置にラインセンサカメラ15が走査機構16により移動し、ラインセンサカメラ15が撮影中の画像を表示する(この状態では、画像としては記憶装置には記憶されていない)。なお、ラインセンサカメラ15が映し出した粒子の画像を拡大したり、元の大きさに戻したりすることもできる。その他、粒子の計測データに基づき、粒子の大きさを最大径0.○○mm(例えば0.1mm)以上と設定すれば、設定した粒子に該当する個数を表示したり、各最大径毎の粒子の個数を表示したり、最大径と個数との関係をグラフにして表示したり、それらの表示した内容を印刷したりすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、微細な汚染物質を抽出・分析して汚染状況を把握すると共に汚染原因を推定した後に、関連部署に汚染警報や汚染情報を伝達する監視システム全般に適用することができ、例えば、水の浄化設備における水質や、粉塵や花粉等による大気汚染を監視する用途にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に関わる汚染監視システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】汚染監視システムを構成する不純物分析システムのブロック図である。
【図3】汚染監視処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】不純物分析装置の正面図である。
【図5】不純物分析装置の平面図と側面図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は側面図である。
【図6】ラインセンサカメラと不純物との関係を示す模式図である。
【図7】不純物分析装置に関する操作手順或いは動作手順を順に示すフローチャートである。
【図8】不純物分析装置に関する不純物の画像による形状の確認についての操作手順或いは動作手順を順に示すフローチャートである。
【図9】不純物の全体画像、拡大画像、及び汚染情報が映し出された表示画面全体を示す全体模式図である。
【図10】不純物の汚染情報が映し出された表示画面の一部を示す部分模式図である。
【符号の説明】
【0068】
1 不純物分析装置
15 ラインセンサカメラ
22 不純物分析手段
23 監視通信手段
24 加工処理プロセス
25 流体駆動プロセス
26 情報端末
28 流体制御機器
29 ネットワーク
39 記憶装置
39a 実績情報データベース
39b 分析情報データベース
39c プロセス情報データベース
39d 不純物情報データベース
39e 汚染情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を洗浄して得た採取液に含まれる不純物を分析して汚染レベルまたは汚染原因を特定する不純物分析手段と、該不純物分析手段によって求めた前記汚染レベル等の汚染情報を各加工処理プロセスに伝達する監視通信手段と、該監視通信手段にインターネット等のネットワークを介して接続される情報端末とから構成され、汚染状態が所定の汚染レベルを超えた場合に、前記監視通信手段が汚染警報を発すると共に、前記汚染情報を汚染に関わる関係加工処理プロセスの情報端末に伝達することを特徴とする汚染監視システム。
【請求項2】
液体や気体からなる制御流体中に混入した不純物を分析して汚染レベルまたは汚染原因を特定する不純物分析手段と、該不純物分析手段によって求めた前記汚染レベル等の汚染情報を各流体駆動プロセスに伝達する監視通信手段と、該監視通信手段にインターネット等のネットワークを介して接続される情報端末とから構成され、汚染状態が所定の汚染レベルを超えた場合に、前記監視通信手段が汚染警報を発すると共に、前記汚染情報を所定の汚染レベルを超えた流体制御機器のある流体駆動プロセスの情報端末に伝達することを特徴とする汚染監視システム。
【請求項3】
前記不純物分析手段には撮像手段を備え、該撮像手段は、走査することによって不純物を撮影するラインセンサカメラを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の汚染監視システム。
【請求項4】
前記不純物分析手段または監視通信手段には記憶手段を備え、該記憶手段は、測定による不純物の大きさや形状等の実績情報から成る実績情報データベース、前記汚染レベルを判定するための規格モデルや前記汚染警報を発する基準となる所定の汚染レベル等の分析情報から成る分析情報データベース、及び該実績情報データベースと分析情報データベースとから得られた汚染情報から成る汚染情報データベースを有することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の汚染監視システム。
【請求項5】
前記不純物分析手段または監視通信手段には記憶手段を備え、該記憶手段は、測定による不純物の最大径や形状等の実績情報から成る実績情報データベース、不純物の外観特性と不純物の種類や加工の方法等との間の対応関係を示す不純物情報から成る不純物情報データベース、各加工処理プロセスで発生する不純物に関するプロセス情報から成るプロセス情報データベース、及び該実績情報データベースを元に前記不純物情報データベースとプロセス情報データベースとから推定した前記関係加工処理プロセス等の汚染情報から成る汚染情報データベースを有することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の汚染監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−349378(P2006−349378A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172643(P2005−172643)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(592258306)森合精機株式会社 (7)
【Fターム(参考)】